JP7292843B2 - 噴霧熱分解装置又は噴霧乾燥装置 - Google Patents

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Description

本発明は、噴霧熱分解装置又は噴霧乾燥装置に関する。
微粒子の製造方法として内燃式の噴霧熱分解法を活用した製造装置が使用されている。内燃式の噴霧熱分解装置は、例えば、原料溶液をノズルから噴霧してミスト化(液滴化)し、このミストをキャリアガスによって加熱炉の内部に供給し、バーナーから生成された燃焼ガスを熱源としてミストを加熱することで乾燥又は焼成する装置である。このような装置として、ノズル1基を備える噴霧熱分解装置が知られている(特許文献1)。また、複数基のノズルを多重列同心円上に配置した噴霧乾燥装置も提案されている(特許文献2、3)。
特開2013-220967号公報 特開昭60-137401号公報 特開平11-197557号公報
従来のノズル1基を備える噴霧熱分解装置や噴霧乾燥装置を用いて大量にミストを噴霧すると、ミストはノズルから円錐状に噴霧されるため、ミスト濃度が高くなり、ミスト中心部が熱を受け難くなる。その結果、ミストに乾燥ムラや焼成ムラが発生しやすくなり、得られた粒子は密度のばらつきが大きくなることが判明した。このような問題に対し、複数基のノズルを使用して噴霧すれば、ノズル1基当たりのミスト濃度を低く抑えられるため、乾燥ムラや焼成ムラを抑制できると本発明者らは推察したが、従来の複数基のノズルを有する噴霧乾燥装置は、いずれも構造が複雑であり、ノズルに不良が発生したときに交換が難しく、交換作業に多大な労力と時間を要するため、実用的でない。
本発明の課題は、ミストの乾燥ムラや焼成ムラを抑制し、密度のばらつきが抑えられた粒子を簡便に製造可能な噴霧熱分解装置又は噴霧乾燥装置を提供することにある。
本発明者らは、上記課題に鑑み検討した結果、ノズルユニット部材であるプレートに複数のノズルホルダ設置用穴を設け、ノズルホルダ設置用穴にノズルホルダを装着し、ノズルホルダ内に1又は2以上のノズルを設置することで、乾燥ムラ及び焼成ムラの発生や、粒子の密度のばらつきが抑えられ、またノズルの交換等の保守点検を容易に行うことの可能な噴霧熱分解装置又は噴霧乾燥装置が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、次の〔1〕~〔4〕を提供するものである。
〔1〕加熱炉と、加熱炉の端部にノズルを配置した噴霧熱分解装置又は噴霧乾燥装置であって、
加熱炉の端面に脱着可能な一枚のプレートを備え、
プレートには、ノズルを装着するための複数のノズルホルダ設置用穴が設けられており、
ノズルホルダ設置用穴には、ノズルホルダ又は蓋部品が装着され、
ノズルホルダ内には、1又は2以上のノズルが設置されている、
噴霧熱分解装置又は噴霧乾燥装置。
〔2〕ノズルホルダ内のノズル設置数が1~4基である、〔1〕記載の装置。
〔3〕ノズル1基当たりの被噴霧液体の流量が1~200L/hである、〔1〕又は〔2〕記載の装置。
〔4〕中空粒子を製造するための装置である、〔1〕~〔3〕のいずれか一に記載の装置。
本発明の噴霧熱分解装置又は噴霧乾燥装置は、ノズル設置数やノズル1基当たりの噴霧量の調整、設置するノズルの種類を選択することで、乾燥ムラ及び焼成ムラが抑制され、密度のばらつきが抑えられた粒子を簡便に製造することができ、また生産量の調整も容易に行うことができる。更に、本発明の噴霧熱分解装置又は噴霧乾燥装置は、不良ノズル等の交換が容易であるため、保守点検に要する労力や時間を軽減することができる。
本発明の噴霧熱分解装置の一例を示す模式図である。 本発明の噴霧乾燥装置の一例を示す模式図である。 ノズルホルダ設置用穴に装着されたノズルホルダ内に、ノズルが配置されている状態を示す図である ノズルホルダ設置用穴が設けられたプレートの一例を示す平面図である。 ノズルホルダ設置用穴に蓋部品及びノズルホルダが装着され、ノズルホルダ内にノズルが配置されている状態を示す図である。 ノズルホルダ設置用穴に蓋部品が装着されている状態を示す図である。 ノズルホルダ設置用穴に装着されたノズルホルダに断熱材が被覆されている状態を示す図である。 50%残存強度の測定方法を説明する図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図示の便宜上、図面の寸法比率は説明のものと必ずしも一致しない。
〔噴霧熱分解装置〕
図1は、本発明の噴霧熱分解装置の一例を示す模式図である。
噴霧熱分解装置10は、図1(a)に示されるように、加熱炉1と、加熱炉1の端部に配置されたノズル2を備えており、ノズル2はノズルホルダ5内に設置されている。ノズルホルダ5は、プレート3に設けられたノズルホルダ設置用穴4に装着されており、プレート3は、加熱炉1の端面に固定されている。噴霧熱分解装置10は、図1(c)に示されるように、プレート3に設けられた9個のノズルホルダ設置用穴4に、ノズルホルダ5が9個装着されており、各ノズルホルダ5にはノズル2が1基設置されている。
噴霧熱分解装置10は、加熱炉1の端部に被噴霧液体を噴霧するノズル2を有し、噴霧されたミスト(液滴)を乾燥、熱分解するための加熱手段7、8を加熱炉1内に有する噴霧熱分解装置である。
加熱炉1の形状は、加熱炉内に旋回流を発生させることができる点で、堅型円筒状が好ましい。
被噴霧液体としては、ノズルによりミスト化して溶媒や分散媒を揮発させ、乾燥・粉粒化させることができるものであれば特に限定されないが、例えば、無機化合物若しくは有機化合物の分散液又は溶液を挙げることができる。
無機化合物としては、例えば、無機塩、金属アルコキシドを挙げられる。より具体的には、アルミニウム塩、チタン塩、マグネシウム塩、アルミノケイ酸塩、アルミニウムアルコキシド、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン等のケイ酸アルコキシドが挙げられる。また、アルミニウム酸化物、ケイ素酸化物、アルミナ、シリカ、アルミニウム及びケイ素からなる酸化物、チタン酸化物、マグネシウム酸化物、ジルコニウム酸化物、バリウム酸化物、セリウム酸化物、イットリウム酸化物等が挙げられ、これら酸化物を組みあわせた複合酸化物も挙げられる。
有機化合物としては、例えば、ポリエステル、ポリスチレン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル等の熱可塑性樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂等を挙げることができる。
被噴霧液体の調製に使用する溶媒としては、例えば、水、有機溶媒が挙げられる。中でも、環境への影響、製造コストの観点から、水が好ましい。
被噴霧液体の濃度は、乾燥ムラ及び焼成ムラ、並びに密度のばらつきの抑制の観点から、0.01mol/L~飽和濃度が好ましく、0.1mol/L~0.5mol/Lが更に好ましい。
被噴霧液体は、通常ポンプを介して、ノズル2に供給される。
ノズルとしては、2流体ノズル、3流体ノズル、4流体ノズルが挙げられる。なお、流体ノズルの方式には、空気と被噴霧液体とをノズル内部で混合する内部混合方式と、ノズル外部で空気と被噴霧液体を混合する外部混合方式があるが、いずれも採用できる。
噴霧熱分解装置10は、1つのノズルホルダ5内にノズル2が1基配置されているが、ノズルホルダごとにノズルの収容数を適宜決定することができる。例えば、図3に示すように、1つのノズルホルダ内にノズルを2基又は3基設置することができる。ノズルの収容数は、乾燥ムラ及び焼成ムラ、並びに密度のばらつきの抑制、生産性の観点から、ノズルホルダ1本当たり、1~4基が好ましく、1~3基が更に好ましい。
また、1つのノズルホルダ内に複数のノズルを設置する場合、各ノズルは同一でも異なっていてもよい。更に、ノズルホルダごとに異種のノズルを設置することも可能である。
ノズル1基当たりの被噴霧液体の流量は、乾燥ムラ及び焼成ムラ、並びに密度のばらつきの抑制、生産性の観点から1~200L/hが好ましく、2~100L/hがより好ましく、3~80L/hが更に好ましい。
噴霧される液滴の平均粒子径は、0.5~60μmが好ましく、1~20μmがより好ましく、1~15μmが更に好ましい。なお、液滴の平均粒子径は、ノズル噴霧口の形状や空気の圧力によって調整することが可能である。
ノズルホルダの形状は、ノズルを収容できれば特に限定されないが、例えば、角筒、円筒等の筒状の形状を挙げることができる。中でも、円筒形が好ましい。
ノズルホルダの径は、ノズルの径、収容数に応じて適宜選択することが可能であり、特に限定されない。
ノズルホルダの長さは、ノズルのミスト噴霧口が燃焼ガスの吐出口よりも低い位置にある場合、ミストがフレームに直接当たりやすくなり、ミストが局所的に加熱される問題が生じる。このため、ノズルのミスト噴霧口は、燃焼ガスの吐出口よりも高い位置にあるのが好ましい。
例えば円筒形の場合、ノズルホルダの径は、φ50mm~φ180mmが好ましく、ノズルホルダの長さは100mm~1500mmが好ましい。
ノズルホルダの材質は、耐熱性及び耐久性を有すれば特に限定されないが、例えば、金属、鋳物が挙げられる。中でも、耐熱性、耐久性の観点から、金属が好ましい。
ノズルホルダ内にノズルを配置する場合には、ノズルホルダとノズルとの隙間に断熱材を充填することができる。断熱材としては、例えば、セラミック繊維、ガラス繊維、キャスタブルが挙げられ、隙間の大きさに応じて適宜選択することができる。
プレート3は脱着可能であり、噴霧熱分解装置10は加熱炉1の端面にプレート3が固定されているが、プレート3の固定には、ボルト、ピン、L字金具等の金具を用いることができる。
プレートの材質は、耐熱性及び耐久性を有すれば特に限定されないが、例えば、金属、鋳物を挙げることができる。中でも、耐熱性、耐久性の観点から、金属が好ましい。
プレートの上側(熱分解炉内側)には、耐熱性を向上させるために、断熱材を取り付けることができる。断熱材としては、例えば、セラミック繊維、ガラス繊維、キャスタブルが挙げられ、プレートの大きさ、ノズルホルダの大きさなどに応じて適宜選択することができる
プレートの大きさ及び厚みは、複数のノズルホルダを装着可能であり、かつ複数のノズルホルダ及びノズルの重量に耐え得る強度を有すれば、適宜設定することができる。
プレート3に設けられたノズルホルダ設置用穴4は、貫通孔である。
ノズルホルダ設置用穴4の大きさは、ノズルホルダの大きさに応じて適宜選択可能であり、特に限定されない。
ノズルホルダ設置用穴4の数は特に限定されないが、噴霧熱分解装置10の断面積やノズルホルダの大きさにより適宜選択することができる。例えば、実施例で使用した装置(炉の内径φ800mm)の場合、1~24個の穴を設置することができる。
ノズルホルダ設置用穴4は、図4(a)に示されるように、十字中心線上に対象に配置してもよい。また、図4(b)に示されるように、プレート3の平面形状が円形である場合、その外周と同心円上に均等に配置してもよい。このように、ノズルホルダ設置用穴の位置は適宜選択可能であるが、生産性の観点から、対象となるように均等に配置することが好ましい。
本発明の噴霧熱分解装置を使用する際には、先ずプレート3に設けられたノズルホルダ設置用穴4にノズルホルダ5を装着する。この場合、プレート3は、加熱炉1に固定されていても、未固定でもよい。プレートに装着するノズルホルダの使用本数は、生産スケール等により適宜選択可能である。ノズルホルダの使用本数がノズルホルダ設置用穴の数よりも少ない場合には、図5に示されるように、十字中心線上にノズルホルダ5が対象となるようにノズルホルダ設置用穴4に装着することが、乾燥ムラ及び焼成ムラ、並びに密度のばらつきの抑制の観点から好ましい。なお、ノズルホルダ5が装着されていないノズルホルダ設置用穴4には、図5に示されるように、蓋部品6が装着される。
蓋部品6を装着する場合、図6(a)に示されるように、プレート3に蓋部品6を装着しても、図6(b)に示されるように、ノズルホルダ設置用穴4にノズルホルダ5を装着し、ノズルホルダ5の端部に蓋部品6を装着してもよい。また、ノズルホルダ5の端部に蓋部品6を装着する場合、ノズルホルダ5の代わりにノズルホルダ5内のノズルを設置する穴のないものも使用することができる。
蓋部品の形状及び大きさは、ノズルホルダ設置用穴やノズルホルダの形状、大きさに応じて適宜選択可能であり、特に限定されない。蓋部品の材質は、耐熱性及び耐久性を有すれば特に限定されないが、例えば、金属、鋳物が挙げられる。中でも、耐熱性、耐久性の観点から、金属が好ましい。
プレートが加熱炉に未固定である場合、プレートにノズルホルダ及び蓋部品のうちのいずれか1以上を装着した後、加熱炉に固定しても、更にノズルをノズルホルダに設置してから、加熱炉に固定してもよく、プレートの固定方法は適宜選択することができる。
ノズルホルダ設置用穴にノズルホルダを固定する場合には、ボルト、ピン、L字金具等の金具で固定することができる。また、蓋部品をプレートやノズルホルダに固定する場合には、プレートに設けられた穴の外周面やノズルホルダの端部の外周面に溝を設けてネジ式としても、ボルト、ピン、L字金具等の金具で固定してもよい。
ノズルホルダには、耐熱性及び耐久性の観点から、断熱材を被覆してもよい。断熱材9は、図7(a)に示されるように、ノズルホルダ設置用穴4に装着されたノズルホルダ5全体を被覆しても、図7(b)に示されるように、ノズルホルダ設置用穴4に装着された個々のノズルホルダ5を被覆してもよい。断熱材としては、例えば、セラミック繊維、ガラス繊維、キャスタブルが挙げられる。
噴霧熱分解装置10のノズル2は、加熱炉の底部に上向きに被噴霧液体のミストを噴霧するように配置されており、上向きに噴霧されたミストは加熱手段7により加熱され、被噴霧液体の液滴から溶媒が蒸発し乾燥された液滴及び粒子が析出する。そして、加熱手段8は、乾燥された液滴及び粒子を熱分解して微粒子を形成する。
加熱手段7としては、例えば、燃焼バーナー、熱風ヒータ、電気ヒータが挙げられる。中でも、燃焼バーナーが好ましい。加熱手段7は、1基又は2基以上有することが可能である。なお、燃焼バーナー、熱風ヒータ及び電気ヒータは、一般的に販売されているものあれば、いずれも使用することができる。
加熱手段7の温度は、被噴霧液体の噴霧液滴から溶媒が蒸発する温度であれば特に限定されないが、加熱炉1内で粒子が析出する必要性から、室温~1300℃の範囲内であって、0.1秒から1分程度で当該蒸発及び析出が生じる温度であるのが好ましい。加熱手段7の温度は、より好ましくは100℃~1200℃であり、更に好ましくは150℃~1100℃であり、より更に好ましくは200~1100℃である。
加熱手段8としては、加熱手段7と同様に、燃焼バーナー、熱風ヒータ、電気ヒータを挙げることができる。中でも、燃焼バーナーが好ましい。加熱手段8は、1基又は2基以上有することが可能であり、例えば、加熱炉内の温度がノズル2の設置位置から加熱炉1の出口方向に順に高くなるように加熱手段8を複数基設けることもできる。なお、燃焼バーナー、熱風ヒータ及び電気ヒータは、一般的に販売されているものあれば、いずれも使用することができる。
加熱手段8の温度は、乾燥された液滴及び粒子の熱分解反応が進行する温度であれば特に限定されないが、600℃以上が好ましい。また、0.1秒~1分程度で熱分解反応が終了する必要性から、700℃以上が好ましく、800℃以上がより好ましく、900℃以上が更に好ましく、1000℃以上がより更に好ましい。なお、経済性の点から、1500℃以下が好ましい。
加熱炉1内を通過した微粒子は、加熱炉1の上部で回収される。ここで、微粒子を効率的に回収するには、加熱炉頂部に冷却エアーを導入可能な空間を設け、ここに冷却エアーを導入することにより、冷却回収することが好ましい。冷却エアーの導入手段としては、冷却エアーの吸入部の設置、ファンやブロアから冷却エアーを送り込む手段等を採用することができ、これらは複数の箇所から行なってもよい。また、冷却エアーの変わりに、水冷してもよく、イオン交換水や上水等を用いることができる。目的微粒子の回収には、バグフィルター等を用いることができる。
このバグフィルターの前段に、バグフィルターの負荷低減、粗粒や異物回収のため、サイクロンを配置してもよく、この他に熱交換器を配置すると、余熱利用や排ガス量の低減ができるため好ましい。
また、微粒子の回収は、高性能サイクロン粉体回収機やバグフィルターを用いた粉体回収装置を用いることができる。この後段に、必要に応じて、スクラバーなどの除塵、浄化設備を配置してもよい。回収した微粒子は、ふるいを通過させる等の分級操作を行うことにより調整をすることができる。
本発明の噴霧熱分解装置は、被噴霧液体の種類や製造スケール等に応じて、ノズル設置数やノズル1基当たりの噴霧量を調整し、ノズルホルダ内に設置するノズルの種類を選択することで、乾燥ムラ及び焼成ムラが抑制され、密度のばらつきが抑えられた粒子を簡便に製造することができる。
本発明の噴霧熱分解装置を用いて製造される粒子は、例えば、以下の特性を具備することができる。
粒子密度は、0.1~2.5g/cm3が好ましく、0.2~1.0g/cm3がより好ましく、0.3~0.6g/cm3が更に好ましい。なお、粒子密度は、JIS R 1620「ファインセラミックス粉末の粒子密度測定方法」の気体置換法により測定できる。
また、粒子の50%残存強度は、1~1000MPaが好ましく、2~250MPaがより好ましく、4~50MPaが更に好ましい。なお、本明細書において「50%残存強度」とは、後掲の実施例に記載の方法により測定されるものをいう。
また、本発明の噴霧熱分解装置は、中空粒子の製造に好適である。中空粒子としては、有機物中空粒子、無機物中空粒子及びそれらの複合中空粒子を問わないが、無機物中空粒子が好ましい。無機物中空粒子としては、無機酸化物中空粒子がより好ましい。中空粒子の好ましい例としては、酸化物中空粒子であって、形状がほぼ球状(平均円形度0.85以上)であり、平均粒子径が0.5~20μmのものが挙げられる。平均粒子径は、JIS R 1629「ファインセラミックス原料のレーザ回折・散乱法による粒子径分布測定方法」に準拠して測定される。
中空粒子の製造に好適な噴霧熱分解装置の一例を図1(b)に示す。
図1(b)に示す噴霧熱分解装置20は、加熱手段7として燃焼バーナー7aが設けられている。燃焼バーナー7aは、燃焼バーナーの火炎がミストに直接接触することを防止するために、燃焼バーナーの火炎が炉内に入らないように配置されており、燃焼バーナー7aから発生した燃焼ガスにより加熱炉1内に強力な旋回流が生じる。この旋回流は、加熱炉の下方から上方に進行するため、ノズルから噴霧されたミストもこの旋回流により旋回しながら上昇する。このように、ミストは、燃焼バーナーから生じた火炎に直接接触することなく、炉の長さよりも長い距離、炉内に滞留し、長時間の熱分解反応を受けることができるため、乾燥ムラ及び焼成ムラをより一層抑制することができる。
このような構成を採用することで、均質な中空粒子を高収率で得ることの可能な内燃焼式の噴霧熱分解装置20とすることができる。なお、加熱炉1、ノズル2、プレート3、ノズルホルダ設置用穴4、ノズルホルダ5、蓋部品6及び加熱手段8の具体的構成は、噴霧熱分解装置10において説明したとおりである。
以上、本発明をその実施形態に基づいて詳細に説明した。しかし、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。例えば、上記実施形態では、噴霧乾燥装置10は、図1に示されるように、ノズル2が装置の下部に設置されているが、装置の上部に設置されていても構わない。また、噴霧乾燥装置10は、ノズル2、加熱手段7、加熱手段8の順に並んでいれば、縦型に限らず、横型や斜め型であってもよい。
〔噴霧乾燥装置〕
図2は、本発明の噴霧乾燥装置の一例を示す模式図であり、図2(b)は、図2(a)の下方から見た噴霧乾燥装置の平面図である。
噴霧乾燥装置30は、図2(a)に示されるように、加熱炉1と、加熱炉1の端部に配置されたノズル2を備え、ノズル2はノズルホルダ5内に収容され、ノズルホルダ5にはプレート3に設けられたノズルホルダ設置用穴4に装着され、プレート3は加熱炉1の端面に固定されている点において、噴霧熱分解装置10と同様の構成を有している。また、噴霧乾燥装置30は、図2(b)に示されるように、プレート3に設けられた9個のノズルホルダ設置用穴4に、ノズルホルダ5が9個装着されており、各ノズルホルダ5にはノズル2が1基収容されている点でも、噴霧熱分解装置10と同様である。即ち、噴霧乾燥装置30は、加熱手段7の上方に更に加熱手段8を有しない点で、噴霧熱分解装置10と相違する。なお、加熱炉1、ノズル2、プレート3、ノズルホルダ設置用穴4、ノズルホルダ5、蓋部品6及び加熱手段7の具体的構成は、前述の噴霧熱分解装置において説明したとおりである。
本発明の噴霧乾燥装置を適用するのに好適な被噴霧液体としては、前述の噴霧熱分解装置において例示した無機化合物若しくは有機化合物の分散液又は溶液に加え、例えば、洗剤・石鹸等、染料・顔料等、殺虫剤、除草剤、殺菌剤その他の農薬類、スキムミルク、インスタントコーヒー、ココア、麦芽抽出物、でんぷん、その他の食品類、天然および合成香料、抗生物質、血清、血漿、各種ビタミン、ペニシリン、ブドウ糖、各種アミノ酸等の医薬品の分散液又は溶液を挙げることができる。
被噴霧液体の調製に使用する溶媒としては、水、有機溶媒が挙げられ、適宜選択することができる。また、被噴霧液体の濃度は、0.01mol/L~飽和濃度が好ましく、0.1mol/L~0.5mol/Lが更に好ましい。
以下、実施例を挙げて、本発明の実施の形態をさらに具体的に説明する。但し、本発明は、下記の実施例に限定されるものではない。
比較例1
図1(b)に示す噴霧熱分解装置において、プレートのノズルホルダ設置用穴の中央にノズルホルタ1本を装着し、このノズルホルダ内にノズル1基を設置した。なお、残りのノズルホルダ設置用穴には、蓋部品を装着した。次いで、ノズルホルダ内にノズルを収容したプレートを加熱炉(炉の内径φ800mm、有効高さ4,000mm)に固定した。次いで、蒸留水1L当たり硝酸アルミニウムを0.04mol、オルトケイ酸テトラエチルを0.16mol溶解したアルミニウム及びケイ素の混合水溶液を溶液タンクに投入した。投入された水溶液をポンプでノズルに送液し、250L/hの流量でノズルからミスト状に噴霧した。また、ミストは、フレームと接触しないように噴霧した。ミストが通過する加熱炉の内部温度は1000℃とした。その後、バグフィルターを用いて粒子を回収した。得られた粒子は、ミストとフレームを接触させなかったため、中空形状を有していた。得られた中空粒子について、粒子密度及び50%残存強度を測定した。
実施例1~6
表1に示す本数のノズルをノズルホルダに1本ずつ設置し、各ノズルから表1に示す流量で混合水溶液を噴霧したこと以外は、比較例1と同様の操作により中空粒子を回収した。得られた中空粒子について、粒子密度及び50%残存強度を測定した。
参考例1
表1に示すノズルをノズルホルダに設置し、ノズルから表1に示す流量で混合水溶液を噴霧したこと以外は、比較例1と同様の操作により中空粒子を回収した。得られた中空粒子について、粒子密度及び50%残存強度を測定した。
1.粒子密度の測定
粒子密度は、乾式自動密度計「アキュピック(島津製作所製)」により測定した。
2.50%残存強度の測定
得られた中空粒子を用いて、以下の操作を行った。
(1)サンプル:エタノール=4:1で混合する(サンプルのみでは、加圧によるペレット成形が困難なため、エタノールを混合した)。
(2)混合したサンプルを冶具へ一定量投入する。
(3)圧力成形機へ載せ、油圧で所定の圧力をかける(図8)。
(4)所定の圧力にて1分間、静置する。
(5)成形機からサンプル(ペレット)を取り外す。
80℃で2時間以上乾燥する(熱風乾燥機で、(1)で混合したエタノールを除去)。
(6)密度を測定する。
そして、得られた密度、質量、破壊前の体積、破壊後の体積から、下記式(a)及び(b)に基いて、中空構造残存率を求めた。
中空構造残存率pは、以下のように求めた。
質量をm、破壊前の体積をV、破壊後の体積をvとする。このとき、破壊前の密度(見かけ密度)x=m/V、破壊後の密度(真密度)y=m/vとなる。中空構造残存率をpとすると、見掛け密度ρは以下で表される。
m/((V×p+v×(1-p))=ρ・・・(a)
これをpについて解くと、以下のようになる。
p=(1-ρ/y)/ρ×(1/x-1/y)・・・(b)
中空構造残存率pと圧力の関係を示したグラフを作成し、グラフから50%残存時の圧力を求め、その値を中空粒子の50%残存強度とする。その結果を表1に示す。
Figure 0007292843000001
比較例1と、実施例1及び2は、総噴霧量が250L/hで同一であるが、250L/hをノズル1本で噴霧した比較例1に比べて、ノズルを複数基設置して250L/hを噴霧した実施例1及び2は、粒子密度が小さく、50%残存強度が大きくなった。この結果から、実施例1及び2は、ノズルを複数基設置することにより、ミストの乾燥ムラや焼成ムラが抑制されたといえる。
また、実施例3~6は、参考例1の噴霧量(6L/h)の10倍に相当する噴霧量(60L/h)であるが、粒子密度、50%残存強度ともに、参考例1と同程度であった。この結果から、実施例3~6は、噴霧量が多くても、ノズルを複数基設置することにより、ミストの乾燥ムラや焼成ムラが抑制されたといえる。
1 加熱炉
2 ノズル
3 プレート
4 ノズルホルダ設置用穴
5 ノズルホルダ
6 蓋備品
7、8 加熱装置
7a 燃焼バーナー
9 断熱材
10、20 噴霧熱分解装置
30 噴霧乾燥装置

Claims (4)

  1. 加熱炉と、加熱炉の端部にノズルを配置した噴霧熱分解装置又は噴霧乾燥装置であって、
    加熱炉の端面に脱着可能な一枚のプレートであって、ノズル設置数に応じて交換可能なプレートを備え、
    プレートには、ノズルを装着するための複数のノズルホルダ設置用穴が設けられており、
    ノズルホルダ設置用穴には、ノズルホルダ又は蓋部品が装着され、
    ノズルホルダ内には、1又は2以上のノズルが設置されている、
    粒子を製造するための噴霧熱分解装置又は噴霧乾燥装置。
  2. ノズルホルダ内のノズル設置数が1~4基である、請求項1記載の装置。
  3. ノズル1基当たりの被噴霧液体の流量が1~200L/hである、請求項1又は2記載の装置。
  4. 中空粒子を製造するための装置である、請求項1~3のいずれか1項に記載の装置。
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