JP7289430B2 - 下着用複層生地及び下着の製造方法 - Google Patents

下着用複層生地及び下着の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、装飾生地及び弾性生地からなる下着用複層生地の製造方法と、その下着用複層生地を用いた下着の製造方法とに関する。
一般的なブラジャーでは、着用者の脇下から背中に掛け回されるベルト状の部分(当該部分は、「バック部分」と呼ばれることが多い。)のウラ面側の下縁に沿って、「アンダーテープ」と呼ばれるゴムテープが縫着される(例えば、特許文献1の図1における「アンダーテープ4」を参照。)。この種のゴムテープは、バック部分の下縁に沿った箇所に加えて、バック部分の上縁に沿った箇所に縫着されることもある。このゴムテープによって、ブラジャーのフィット感を高めてずり上がりを防止することが可能となっている。ところが、ブラジャーのバック部分にゴムテープを設けると、そのゴムテープによって着用者の皮膚が局所的に圧迫されるようになるため、ブラジャーの付け心地が悪くなるだけでなく、その跡が着用者の皮膚に残りやすいという問題がある。
また、一般的なショーツにおいても、脚ぐりの部分やウエストの部分には、ゴムテープが縫着される(例えば、特許文献2の図1における「弾性帯14a,14b」を参照。)。このゴムテープによって、ショーツのフィット感を高めて、脚ぐり部分のずり上がりや、ウエスト部分のずれ下がりを防止することが可能となっている。ところが、ショーツの脚ぐり部分やウエスト部分にゴムテープを縫着すると、ゴムテープの縫着部分が着用者の皮膚を局所的に圧迫するようになるため、ショーツの履き心地が悪くなるだけでなく、その後が着用者の皮膚に残りやすいという問題がある。特に、ショーツにおける股布(クロッチ)の両側の側縁にゴムテープを縫着すると、そのゴムテープが設けられた部分が女性のデリケートな部分に当たり、着用者が痛みを感じる虞がある。
このような実状に鑑みて、これまでには、バック部分にゴムテープを用いないようにしたブラジャーも提案されている。例えば、特許文献3の図3及び段落0015等には、伸縮性を有する2枚の布片を重ねてその上辺部及び下辺部を固着して筒状に形成したパーツで、ブラジャーのバック部分を構成する技術が記載されている。特許文献3の段落0030等には、上記の構成を採用することにより、ブラジャーの付け心地を良好にするだけでなく、ゴムテープの後が着用者の皮膚に残らないようにすることが可能になる旨も記載されている。
また、ショーツにおいては、その構成生地を伸縮性生地によって形成するとともに、その構成生地を熱溶着することによって製造された無縫製タイプのものも提案されている。例えば、特許文献4の図1には、前身頃前当て部2、前身頃側部3、後身頃4及びクロッチ布5(股布)で構成されたショーツ1であって、前身頃前当部2と後身頃4とを、熱可塑性接着フィルムを介して融着したものが記載されている。特許文献4の段落0006等には、上記の構成を採用することにより、縫い目を有さず肌あたりの良いショーツを提供することが可能になる旨も記載されている。
特開2002-294503号公報 実登第3150988号公報 特開平11-061510号公報 実登第3131864号公報
ところが、上記の特許文献3の技術は、シンプルなデザインのブラジャーでは採用することができるものの、レース生地等の装飾生地を表地に用いるブラジャーでは採用することが難しかった。特に、その縁部にスカラップ(半円を連ねた波形の部分)等の縁飾りが施された装飾生地を表地として用いる場合に特許文献1の技術を採用すると、その縁飾りが施された部分が内側に折り返された状態で裏地に固着されてしまうため、折角の縁飾りが無駄になるだけでなく、かえって見た目が悪くなる虞もあった。
また、上記の特許文献4の技術も、シンプルなデザインのショーツでは採用することができるものの、レース生地等の装飾生地を表地に用いるショーツでは採用することが難しかった。というのも、レース生地等の装飾生地を表地として使用しようとすると、その装飾生地を裏地に対して縫着する必要がある。このため、装飾生地(表地)の端縁の処理が難しくなるからである。
本発明は、上記課題を解決するために為されたものであり、レース生地等の装飾生地を表地として用いたお洒落な見た目のものでありながら、ゴムテープを用いることなく優れたフィット感が得られるようにした下着を提供するものである。また、斯様な下着において、装飾生地の端縁の処理を美しく仕上げることも本発明の目的である。
上記課題は、
表地の一側の縁部αと裏地の一側の縁部βとを縫合して、
表地の他側の縁部αと裏地の他側の縁部βとを縫合する
ことにより、
表地と裏地とが一体化された下着用複層生地を得る下着用複層生地の製造方法であって、
表地の少なくとも一部を装飾生地で形成し、
裏地の略全体を弾性生地で形成するとともに、
表地の縁部αと裏地の縁部βとを縫合し、表地の縁部αと裏地の縁部βとを縫合して、表地及び裏地をウラオモテの筒状に形成した後、筒状に形成された表地及び裏地を裏返す
ことを特徴とする下着用複層生地の製造方法
を提供することによって解決される。
上記の方法で製造された下着用複層生地は、裏地として弾性生地が用いられており、この裏地の略全体によって着用者の肌を面状に押圧することによって、下着のずり上がりやずり落ちを防止できるものとなっている。すなわち、下着から着用者の肌に加わる押圧力(締付力)を、裏地の略全体に分散させることができるようになっている。このため、着用者の肌が局所的に圧迫されないようにして、優れたフィット感が得られるようにしながらも、下着の着心地を良好にすることや、下着の跡が着用者の肌に残らないようにすることが可能となっている。
また、上記の方法で製造された下着用複層生地は、表地として装飾生地が用いられているため、見た目がお洒落なものとなっている。さらに、上記の方法では、装飾生地からなる表地と弾性生地からなる裏地とをウラオモテの筒状に形成した後、裏返すため、装飾生地の端縁を美しく仕上げることもできる。
本発明の下着用複層生地の製造方法には、表地(装飾生地)の一側の縁部αを除く3つの縁部α,β,βが内側に折り返された状態とする態様(第一実施態様)と、表地(装飾生地)の一側の縁部αを含めた4つの縁部α,α,β,βの全てが内側に折り返された状態とする態様(第二実施態様)との2パターンがある。
このうち、第一実施態様の下着用複層生地の製造方法は、
表地の略全体を装飾生地で形成し、
表地及び裏地を、それぞれのウラ面が同じ側を向くように開いた状態に配しながらも、表地の縁部αのウラ面側に、裏地の縁部βが重なった状態とする第一重合工程と、
互いに重なった状態の表地の縁部αと裏地の縁部βとを縫合する第一縫合工程と、
表地を、第一縫合工程における縫合線に沿って裏地のオモテ面側に折り返すことにより、裏地の縁部βに、表地の縁部αが重なった状態とする第二重合工程と、
互いに重なった状態の表地の縁部αと裏地の縁部βとを縫合して、表地及び裏地をウラオモテの筒状にする第二縫合工程と、
筒状にされた表地及び裏地を裏返す裏返し工程と
を経る
方法である。
第一実施態様の下着用複層生地の製造方法で下着用複層生地を製造すると、表地(装飾生地)の縁部αと、裏地(弾性生地)の縁部β及び縁部βは、内側に折り返された状態になるものの、表地(装飾生地)の縁部αは、内側に折り返されることなく真っすぐな状態になるようになっている。このため、表地(装飾生地)の縁部αに縁飾りを施しておけば、その縁飾りを綺麗に見せることも可能である。例えば、表地として、縁部αにスカラップ(縁飾り)が施された装飾生地を用いるとともに、第一縫合工程において、表地におけるスカラップ(縁飾り)が施された部分よりも内側の縫合線に沿って表地の縁部αと裏地の縁部βとを縫合すれば、スカラップ(縁飾り)を綺麗に見せることが可能になる。第一実施態様の下着用複層生地の製造方法で製造される下着用複層生地(以下、「第一実施態様の下着用複層生地」と呼ぶことがある。)は、ブラジャーのバック部分(本願の図2における符号101を参照。)や、ショーツのサイド部分(本願の図3における符号201)を形成する生地として好適に採用することができる。
第一実施態様の下着用複層生地の製造方法においては、裏返し工程の後に、表地の縁部αと裏地の縁部βとを、第一縫合工程における縫合線よりも内側で三点縫いするとともに、表地の縁部αと裏地の縁部βとを、第二縫合工程における縫合線よりも内側で三点縫いする三点縫い工程を設けることが好ましい。
このように、三点縫い工程を行うことによって、表地の縁部αと裏地の縁部β、及び、表地の縁部αと裏地の縁部βを、細い線状ではなく、ある程度幅を有する帯状に縫合することができる。このため、裏地(弾性生地)に対して表地(装飾生地)をより安定した状態で一体化させることができる。特に、レース生地は、目が大きく、引張力に対して弱い生地であるため、表地(装飾生地)としてレース生地を用いる場合に、表地(装飾生地)と裏地(弾性生地)とを線状に縫合すると、下着用複層生地が伸長等する際に、その縫合部分で表地(装飾生地)が破れる虞がある。この点、上記の三点縫いに係る構成を採用することによって、表地(装飾生地)と裏地(弾性生地)との縫合部分にかかる力を分散し、表地(装飾生地)を破れにくくすることが可能になる。
第一実施態様の下着用複層生地の製造方法において、表地として用いる装飾生地は、フリルや刺繍が施された生地等であってもよいが、レース生地であることが好ましい。表地(装飾生地)としてレース生地を用いた下着は、高級感のあるお洒落な見た目のものとなることに加えて、レース生地には、上記のスカラップ等の縁飾りが施されているものが多く、表地(装飾生地)としてレース生地を用いると、本発明に係る構成を採用する意義が高まるからである。特に、ストレッチ性を有するレース生地(ストレッチレース)を用いると、弾性生地の伸長に容易に追従できる程度のストレッチ性を表地(装飾生地)に付与することも可能になるために好ましい。
一方、裏地として用いる弾性生地は、弾性的に伸長する生地であれば、特に限定されないが、パワーネットやベア天竺を用いることが好ましい。ここで、パワーネットとは、ポリウレタン弾性糸を織製又は編製したメッシュ生地のことを云い、ベア天竺とは、ポリウレタン糸を軸にして綿糸やウール糸等の他の素材の糸を巻き付けた糸(カバードヤーン)を用いて織製又は編製した天竺生地のことを云う。パワーネットやベア天竺は、ストレッチ性に優れるだけでなく、丈夫であり、シワになりにくいという特徴を有しているため、第一実施態様の下着用複層生地における裏地として好適に用いることができる。
また、第二実施態様の下着用複層生地の製造方法は、
表地を、
装飾生地からなる第一表地と、
第一表地に対して接続された弾性生地からなる第二表地と
で構成し、
裏地を、
弾性生地からなる第一裏地と、
第一裏地に対して接続された弾性生地からなる第二裏地と
で構成するとともに、
表地のオモテ面に対して裏地のオモテ面を重ね、表地の縁部αを裏地の縁部βに重ね、表地の縁部αを裏地の縁部βに重ねる両縁部重合工程と、
互いに重なった状態の表地の縁部αと裏地の縁部βとを縫合するとともに、互いに重なった状態の表地の縁部αと裏地の縁部βとを縫合して、表地及び裏地をウラオモテの筒状にする両縁部縫合工程と、
筒状にされた表地及び裏地を裏返す裏返し工程と
を経る
方法である。
第二実施態様の下着用複層生地の製造方法で下着用複層生地を製造すると、表地(装飾生地)の縁部α及び縁部α、並びに、裏地(弾性生地)の縁部β及び縁部βの全てが、内側に折り返された状態となる。このため、表地及び裏地における4つの縁部α,α,β,βの全てをスッキリと綺麗に仕上げることが可能になる。第二実施態様の下着用複層生地の製造方法において、表地にスカラップ等の縁飾りを施したい場合には、表地における縁部α,α,以外の縁部に施すとよい。第二実施態様の下着用複層生地の製造方法で製造される下着用複層生地(以下、「第二実施態様の下着用複層生地」と呼ぶことがある。)は、ショーツの前身頃及び股布(本願の図11における符号204)を形成する生地として好適に採用することができる。
第二実施態様の下着用複層生地の製造方法においては、
表地を、
第一表地のオモテ面に第二表地のオモテ面を重ね、第一表地と第二表地の接続縁部が重なった状態とする表地重合工程と、
互いに重なった状態の第一表地と第二表地の接続縁部を縫合する表地縫合工程と、
第二表地を、第二表地のオモテ面が第一表地のオモテ面と同じ側を向くように、表地縫合工程における縫合線に沿って開く表地展開工程と
を経ることによって形成されたものとし、
裏地を、
第一裏地のオモテ面に第二裏地のオモテ面を重ね、第一裏地と第二裏地の接続縁部が重なった状態とする裏地重合工程と、
互いに重なった状態の第一裏地と第二裏地の接続縁部を縫合する裏地縫合工程と、
第二裏地を、第二裏地のオモテ面が第一裏地のオモテ面と同じ側を向くように、裏地縫合工程における縫合線に沿って開く裏地展開工程と
を経ることによって形成されたものとする
ことも好ましい。
この場合、上記の両縁部重合工程では、上記の表地展開工程で展開された状態の表地のオモテ面に対して、上記の裏地展開工程で展開された状態の裏地のオモテ面を重ねるようにする。これにより、表地が第一表地と第二表地とで構成され、裏地が第一裏地と第二裏地とで構成されるという比較的複雑な構成を有する下着用複層生地を、見た目の良い状態で容易に製造することが可能になる。
第二実施態様の下着用複層生地の製造方法においては、裏返し工程の後に、表地の縁部αと裏地の縁部βとを、両縁部縫合工程における縫合線よりも内側で三点縫いするとともに、表地の縁部αと裏地の縁部βとを、両縁部縫合工程における縫合線よりも内側で三点縫いする三点縫い工程を設けることが好ましい。その趣旨は、第一実施態様の下着用複層生地の製造方法における三点縫い工程でのべたものと同様であるため、説明を割愛する。
第二実施態様の下着用複層生地の製造方法において、第一表地として用いる装飾生地は、フリルや刺繍が施された生地等であってもよいが、レース生地であることが好ましい。表地(装飾生地)としてレース生地を用いた下着は、高級感のあるお洒落な見た目のものとなるからである。特に、ストレッチ性を有するレース生地(ストレッチレース)を用いると、弾性生地の伸長に容易に追従できる程度のストレッチ性を表地(装飾生地)に付与することも可能になるために好ましい。
一方、第二表地や裏地(第一裏地及び第二裏地)として用いる弾性生地は、弾性的に伸長する生地であれば、特に限定されないが、パワーネットやベア天竺を用いることが好ましい。パワーネットやベア天竺は、ストレッチ性に優れるだけでなく、丈夫であり、シワになりにくいという特徴を有しているため、第二実施態様の下着用複層生地における第二表地及び裏地(第一裏地及び第二裏地)として好適に用いることができる。
以上のように、本発明によって、レース生地等の装飾生地を表地として用いたお洒落な見た目のものでありながら、ゴムテープを用いることなく優れたフィット感が得られるようにした下着を提供することが可能になる。また、斯様な下着において、装飾生地の端縁の処理を美しく仕上げることも可能になる。
第一実施態様の下着用複層生地の製造方法で製造された下着用複層生地を示した図である。 ブラジャーを正面から見た図である。 ショーツを正面から見た図である。 第一実施態様の下着用複層生地の製造方法において、第一重合工程を終えたときの装飾生地(表地)と弾性生地(裏地)との状態を示した図である。 第一実施態様の下着用複層生地の製造方法において、第一縫合工程を終えたときの装飾生地(表地)と弾性生地(裏地)との状態を示した図である。 第一実施態様の下着用複層生地の製造方法において、第二重合工程を終えたときの装飾生地(表地)と弾性生地(裏地)との状態を示した図である。 第一実施態様の下着用複層生地の製造方法において、第二縫合工程を終えたときの装飾生地(表地)と弾性生地(裏地)との状態を示した図である。 第一実施態様の下着用複層生地の製造方法において、裏返し工程を終えたときの装飾生地(表地)と弾性生地(裏地)との状態を示した図である。 第一実施態様の下着用複層生地の製造方法において、三点縫い工程を終えたときの装飾生地(表地)と弾性生地(裏地)との状態を示した図である。 第二実施態様の下着用複層生地の製造方法で製造された下着用複層生地を示した図である。 第二実施態様の下着用複層生地を用いたショーツを正面から見た図である。 第二実施態様の下着用複層生地の製造方法において、表地重合工程及び表地縫合工程を終えたときの表地(第一表地及び第二表地)の状態を示した図である。 第二実施態様の下着用複層生地の製造方法において、表地展開工程を終えたときの表地(第一表地及び第二表地)の状態を示した図である。 第二実施態様の下着用複層生地の製造方法において、裏地重合工程及び裏地縫合工程を終えたときの裏地(第一裏地及び第二裏地)の状態を示した図である。 第二実施態様の下着用複層生地の製造方法において、裏地展開工程を終えたときの裏地(第一裏地及び第二裏地)の状態を示した図である。 第二実施態様の下着用複層生地の製造方法において、両縁部重合工程及び両縁部縫合工程を終えたときの表地及び裏地の状態を示した図である。 第二実施態様の下着用複層生地の製造方法において、裏返し工程を終えたときの表地及び裏地の状態を示した図である。
本発明の下着用複層生地の製造方法について、図面を用いてより具体的に説明する。以下においては、2つの実施態様(第一実施態様及び第二実施態様)を例に挙げて、本発明の下着用複層生地を説明する。
1.第一実施態様の下着用複層生地の製造方法
まず、第一実施態様の下着用複層生地の製造方法について説明する。図1は、第一実施態様の下着用複層生地の製造方法で製造された下着用複層生地(第一実施態様の下着用複層生地)を示した図である。図1(a)は、下着用複層生地を表側(表地10のオモテ面10A側)から見た状態を、図1(b)は、下着用生地をそれに垂直な平面で切断した状態をそれぞれ示している。
第一実施態様の下着用複層生地は、図1(a)に示すように、表地10と裏地20とで構成される。この下着用複層生地は、図1(b)に示すように、表地10の一側の縁部α(同図の例では下縁部)と裏地20の一側の縁部β(同図の例では下縁部)とが縫合される(縫合線S,Sを参照)とともに、表地10の他側の縁部α(同図の例では上縁部)と裏地20の他側の縁部β(同図の例では上縁部)とが縫合される(縫合線S,Sを参照)ことにより、表地10と裏地20とが筒状に一体化されたものとなっている。
表地10と裏地20は、重ね合わせて一体化されるものであるため、通常、概略同一形状とされる。表地10及び裏地20の形状は、下着用複層生地を用いる下着パーツによっても異なり、特に限定されない。ここでは、表地10及び裏地20はいずれも、長手方向における一方の端部(図1の紙面に向かって左側の端部)から他方の端部(図1の紙面に向かって右側の端部)に近づくにつれて短手方向の幅(図1では上下幅)が広くなる略四角形状としている。
第一実施態様の下着用複層生地は、下着を構成するパーツとして用いられる。第一実施態様の下着用複層生地は、男性用下着のパーツとして用いることもできるが、後述するように、その表地10をレース生地等の装飾生地で構成するものであるため、可愛らしさやセクシーさが要求される女性用下着のパーツとして好適に用いることができる。例えば、図2に示すブラジャー100における、着用者の脇下から背中に掛け回されるベルト状の部分(バック部分101)や、図3に示すショーツ200における、着用者の太腿の付根周辺を覆う部分(サイド部分201)等として好適に用いることができる。図2は、ブラジャー100を正面から見た図である。図3は、ショーツ200を正面から見た図である。このほか、ガードルやボディスーツのパーツとしても用いることができる。
第一実施態様の下着用複層生地では、その裏地20(図1)として、弾性(ストレッチ性)を有する生地(弾性生地)が選択される。本例では、裏地20として、パワーネットを用いている。このように、裏地20を弾性生地とすることによって、ゴムテープを用いなくても、下着用複層生地を着用者の肌にフィットしやすくして、下着のずり上がりやずり落ちを防止することが可能になる。加えて、下着用複層生地から着用者の肌に加わる押圧力(締付力)を、裏地20の略全体に分散させて、着用者の肌が局所的に圧迫されないようにすることも可能になる。このため、下着の着心地を良好にできるだけでなく、下着の跡が着用者の肌に残らないようにすることも可能になる。
一方、第一実施態様の下着用複層生地では、その表地10(図1)として、装飾が施された生地(装飾生地)が選択される。ここでは、表地10として、弾性(ストレッチ性)を有するレース生地(ストレッチレース)を用いている。このように、裏地20だけでなく、表地10も弾性(ストレッチ性)を有する生地とすることによって、下着用複層生地を着用者の肌によりフィットしやすいものとすることができる。また、表地10を装飾生地とすることによって、下着の見た目をお洒落にすることができる。本例では、表地10の一側の縁部α(下縁部)に、縁飾りとしてスカラップ13を施しており、下着用複層生地の見た目をより華やかにしている。
このように、第一実施態様の下着用複層生地の製造方法で製造される下着用複層生地(第一実施態様の下着用複層生地)は、フィット感、着心地及び見た目のいずれもが良好なものとなっている。第一実施態様の下着用複層生地の製造方法においては、後述する第一重合工程と、第一縫合工程と、第二重合工程と、第二縫合工程と、裏返し工程と、三点縫い工程とを経て、このような下着用複層生地を製造している。以下においては、これらの工程について、順に説明する。
[第一重合工程]
図4は、第一実施態様の下着用複層生地の製造方法において、第一重合工程を終えたときの装飾生地(表地10)と弾性生地(裏地20)との状態を示した図である。図4(a)は、下着用複層生地を裏側(表地10のウラ面10B側及び裏地20のウラ面20B側)から見た状態を、図4(b)は、表地10及び裏地20をそれぞれに垂直な平面で切断した状態を示している。
第一重合工程は、図4に示すように、表地10及び裏地20を、それぞれのウラ面10B,20Bが同じ側を向くように開いた状態に配しながらも、表地10の縁部αのウラ面10B側に、裏地20の縁部βが重なった状態とする工程となっている。本例のように、表地10として、スカラップ13等の縁飾りが施されたものを用いる場合には、このスカラップ13等の縁飾りが施された側の縁部が、縁部α(裏地20に重ねられる側の縁部)となるようにする。
この第一重合工程は、通常、ミシンテーブル上で行われる。第一重合工程を終えると、続いて、第一縫合工程が行われる。
[第一縫合工程]
図5は、第一実施態様の下着用複層生地の製造方法において、第一縫合工程を終えたときの装飾生地(表地10)と弾性生地(裏地20)との状態を示した図である。図5(a)は、下着用複層生地を裏側(表地10のウラ面10B側及び裏地20のウラ面20B側)から見た状態を、図5(b)は、表地10及び裏地20をそれぞれに垂直な平面で切断した状態を示している。
第一縫合工程は、図5の縫合線Sに示すように、互いに重なった状態の表地10の縁部αと裏地20の縁部βとを縫合する工程である。これにより、表地10と裏地20は、その縁部αと縁部βとで繋がった状態となる。縫合線Sにおける縫合は、通常、ミシンを用いて行われる。縫合線Sでの縫合方法は、特に限定されないが、通常、並縫いや返し縫い等の直線縫いとされる。
ところで、本例のように、表地10として、スカラップ13等の縁飾りが施されたものを用いる場合には、第一縫合工程における縫合線Sが、表地10におけるスカラップ13等の縁飾りが施された部分よりも内側(縁部α側)となるようにすることが好ましい。これにより、完成後の下着用複層生地において、スカラップ等の縁飾りを綺麗に見せることが可能になる。
第一縫合工程を終えると、続いて、第二重合工程が行われる。
[第二重合工程]
第二重合工程は、図5(b)の矢印Aに示すように、表地10を、第一縫合工程における縫合線Sに沿って裏地20のオモテ面20A側に折り返す工程である。これにより、図6に示すように、裏地20の縁部βに、表地10の縁部αが重なった状態となる。図6は、第一実施態様の下着用複層生地の製造方法において、第二重合工程を終えたときの装飾生地(表地10)と弾性生地(裏地20)との状態を示した図である。図6(a)は、下着用複層生地を裏地20のウラ面20B側から見た状態を、図6(b)は、表地10及び裏地20をそれぞれに垂直な平面で切断した状態を示している。
第二重合工程を終えると、続いて、第二縫合工程が行われる。
[第二縫合工程]
図7は、第一実施態様の下着用複層生地の製造方法において、第二縫合工程を終えたときの装飾生地(表地10)と弾性生地(裏地20)との状態を示した図である。図7(a)は、下着用複層生地を裏地20のウラ面20B側から見た状態を、図7(b)は、表地10及び裏地20をそれぞれに垂直な平面で切断した状態を示している。
第二縫合工程は、図7の縫合線Sに示すように、互いに重なった状態の表地10の縁部αと裏地20の縁部βとを縫合して、表地10及び裏地20を筒状にする工程である。第二縫合工程を終えると、表地10及び裏地20は、ウラオモテの筒状(表地10のオモテ面10A及び裏地20のオモテ面20Aが内周面を為し、表地10のウラ面10B及び裏地20のウラ面20Bが外周面を為す筒状)に形成された状態となっている。縫合線Sにおける縫合は、縫合線Sにおける縫合と同様、通常、ミシンを用いて行われる。また、縫合線Sでの縫合方法も、特に限定されないが、縫合線Sにおける縫合と同様、通常、並縫いや返し縫い等の直線縫いとされる。
第二縫合工程を終えると、続いて、裏返し工程が行われる。
[裏返し工程]
裏返し工程は、図7(a)の矢印Aに示すように、筒状に縫合された表地10及び裏地20における一方の開口端部(同図においては紙面に向かって左側の開口端部)を、表地10及び裏地20で構成される筒の内部に導き入れて他方の開口端部(同図においては紙面に向かって右側の開口端部)から引き出すことにより、表地10及び裏地20を裏返す工程である。これにより、図8に示すように、表地10及び裏地20で構成される筒が裏返された状態となる。図8は、第一実施態様の下着用複層生地の製造方法において、裏返し工程を終えたときの装飾生地(表地10)と弾性生地(裏地20)との状態を示した図である。図8(a)は、下着用複層生地を裏地20のオモテ面20A側から見た状態を、図8(b)は、表地10及び裏地20をそれぞれに垂直な平面で切断した状態を示している。
裏返し工程を行う前においては、図7に示すように、表地10及び裏地20のウラ面10B,20Bが外部に露出した状態(ウラ面10B,20Bが筒の外周面となる状態)となっており、表地10及び裏地20のオモテ面10A,20Aが外部に露出しない状態(オモテ面10A,20Aが筒の内周面となる状態)となっていた。これに対し、裏返し工程を行った後においては、図8に示すように、表地10及び裏地20のオモテ面10A,20Aが外部に露出した状態(オモテ面10A,20Aが筒の外周面となる状態)となっており、表地10及び裏地20のウラ面10B,20Bが外部に露出しない状態(ウラ面10B,20Bが筒の内周面となる状態)となっている。
また、裏返し工程を行う前においては、図7に示すように、表地10の縁部αは、筒の内部に折り返されて、その端縁が隠れた状態となっているものの、表地10の縁部αと裏地20の縁部β,βは、その端縁が筒の外部に露出した状態となっている。これに対し、裏返し工程を行った後においては、図8に示すように、表地10の縁部αは、その端縁が筒の外部に露出した状態となり、表地10の縁部αと裏地20の縁部β,βは、筒の内部に折り返されて、その端縁が隠れた状態となっている。
本例においては、既に述べたように、表地10の縁部αには、スカラップ13を施しているところ、上記の裏返し工程を行うことで、このスカラップ13が施された縁部αが、自然で綺麗に見えるようになる。スカラップ13の端縁(縁部αの端縁)は、通常、裁断端(裁断された端縁)ではなく、織製又は編製によって形成された端縁となっているため、筒の外部に露出していても、ほつれにくい部分となっている。これに対し、表地10の縁部α及び裏地20の縁部β,βにおける端縁は、通常、生地を裁断したままの裁断端となっているところ、上記の裏返し工程を行うことで、これらの裁断端を筒の内側に隠し、見た目をスッキリさせるだけでなく、これらの裁断端がほつれないようにすることが可能となっている。
裏返し工程を終えると、続いて、三点縫い工程が行われる。
[三点縫い工程]
図9は、第一実施態様の下着用複層生地の製造方法において、三点縫い工程を終えたときの装飾生地(表地10)と弾性生地(裏地20)との状態を示した図である。図9(a)は、下着用複層生地を裏地20のオモテ面20A側から見た状態を、図9(b)は、表地10及び裏地20をそれぞれに垂直な平面で切断した状態を示している。
三点縫い工程は、図9に示すように、表地10の縁部αと裏地20の縁部βとを、第一縫合工程における縫合線Sよりも内側(縁部α,β寄り)の縫合線Sと、第二縫合工程における縫合線Sよりも内側(縁部α,β寄り)の縫合線Sとで三点縫いする工程である。本例において表地10として使用したレース生地は、引張力に対して強くない生地であるため、縫合線S,Sにおける直線縫いのみで裏地20に対して縫合していると、下着用複層生地を引っ張った際等に、縫合線S,Sの部分で表地10が破れる虞がある。この点、表地10と裏地20とを縫合線S,Sで三点縫いすることによって、表地10を破れにくくすることができる。また、裏地20に対して表地10をより安定した状態で一体化させることも可能となる。
三点縫い工程を終えると、第一実施態様の下着用複層生地の製造が完了する。得られた下着用複層生地は、ブラジャーのバック部分や、ショーツのサイド部分等、下着を構成するパーツとして、下着の製造に使用される。
2.第二実施態様の下着用複層生地の製造方法
続いて、第二実施態様の下着用複層生地の製造方法について説明する。第二実施態様の下着用複層生地の製造方法については、主に、上述した第一実施態様の下着用複層生地の製造方法と異なる部分について説明する。第二実施態様の下着用複層生地の製造方法で特に言及しない構成については、第一実施態様の下着用複層生地の製造方法で述べたものと略同様の構成を採用することができる。
図10は、第二実施態様の下着用複層生地の製造方法で製造された下着用複層生地(第二実施態様の下着用複層生地)を示した図である。図10(a)は、下着用複層生地を表側(表地10のオモテ面11A,12A側)から見た状態を、図10(b)は、下着用生地をそれに垂直な平面で切断した状態をそれぞれ示している。
第二実施態様の下着用複層生地は、図10(a)に示すように、表地10と裏地20とで構成される。この下着用複層生地は、表地10の一側の縁部α(同図の例では、紙面に向かって左側の縁部)と裏地20の一側の縁部β(同図の例では、紙面に向かって左側の縁部)とが縫合されるとともに、表地10の他側の縁部α(同図の例では、紙面に向かって右側の縁部)と裏地20の他側の縁部β(同図の例では、紙面に向かって右側の縁部)とが縫合されることにより、表地10と裏地20とが筒状に一体化されたものとなっている。
上述した第一実施態様の下着用複層生地では、図1に示すように、表地10及び裏地20が、それぞれ1枚の生地によって構成されていたが、第二実施態様の下着用複層生地では、図10に示すように、表地10及び裏地20が、それぞれ2枚の生地によって構成されている。すなわち、表地10は、第一表地11と、第一表地11に対して接続された第二表地12とで構成されており、裏地20は、第一裏地21と、第一裏地21に対して接続された弾性生地からなる第二裏地22とで構成されている。本例では、第一表地11の下縁部に第二表地12の上縁部を接続しており、第一裏地21の下縁部に第二裏地22の上縁部を接続している。
表地10と裏地20は、重ね合わせて一体化されるものであるため、通常、概略同一形状とされる。表地10及び裏地20の形状は、下着用複層生地を用いる下着パーツによっても異なり、特に限定されない。ここでは、第一表地11及び第一裏地21を、略逆三角形状に形成しており、第二表地12及び第二裏地22を、略三角形状に形成している。第二表地12及び第二裏地22は、それぞれ、第一表地11及び第一裏地21に対して寸法を小さくしている。
第二実施態様の下着用複層生地は、下着を構成するパーツとして用いられる。図11は、第二実施態様の下着用複層生地を用いたショーツ200を正面から見た図である。図11に示すショーツ200は、前身頃202と、後身頃203と、前身頃202の下縁部と後身頃203の下縁部とを繋ぐ股布204(クロッチ)とで構成されているところ、本例の下着用複層生地は、このショーツ200における、前身頃202及び股布204を構成する生地として使用するものとなっている。すなわち、図10に示した下着用複層生地を構成する各生地のうち、第一表地11及び第一裏地21によって、図11に示すショーツ200における前身頃202が形成され、第二表地12及び第二裏地22によって、ショーツ200における股布204が形成される。このように、第二実施態様の下着用複層生地は、ショーツ200における前身頃202及び股布204からなる部分を構成するものとして好適に採用できるものとなっている。
第二実施態様の下着用複層生地では、その裏地20(図10)として、弾性(ストレッチ性)を有する生地(弾性生地)が選択される。本例では、裏地20を構成する第一裏地21及び第二裏地22のうち、ショーツ200(図11)における前身頃202を構成する第一裏地21には、パワーネットを用い、ショーツ200(図11)における股布204を構成する第二裏地22には、ベア天竺を用いている。このように、裏地20を弾性生地で形成することによって、ゴムテープを用いなくても、下着用複層生地を着用者の肌にフィットしやすくして、下着のずり上がりやずり落ちを防止することが可能になる。加えて、下着用複層生地から着用者の肌に加わる押圧力(締付力)を、裏地20の略全体に分散させて、着用者の肌が局所的に圧迫されないようにすることも可能になる。このため、下着の着心地を良好にできるだけでなく、下着の跡が着用者の肌に残らないようにすることも可能になる。
一方、下着用複層生地の表地10(図10)としては、装飾が施された生地(装飾生地)が用いられる。本例では、表地10を構成する第一表地11及び第二表地12のうち、ショーツ200(図11)における前身頃202を構成する第一表地11には、弾性(ストレッチ性)を有するレース生地(ストレッチレース)を用い、ショーツ200(図11)における股布204を構成する第二表地12には、ベア天竺を用いている。このように、裏地20だけでなく、表地10も弾性(ストレッチ性)を有する生地とすることによって、下着用複層生地を着用者の肌によりフィットしやすいものとすることができる。また、ショーツ200(図11)における前身頃202の外面を形成する表地11を装飾生地とすることによって、ショーツ200の見た目をお洒落にすることができる。本例では、第一表地11の上縁部に、縁飾りとしてスカラップ13を施しており、ショーツ200の見た目がより華やかになるようにしている。
このように、第一実施態様の下着用複層生地は、フィット感、着心地及び見た目のいずれもが良好なものとなっている。第二実施態様の下着用複層生地の製造方法においては、後述する表地形成工程と、裏地形成工程と、両縁部重合工程と、両縁部縫合工程と、裏返し工程と、三点縫い工程とを経て、このような下着用複層生地を製造している。以下においては、これらの工程について、順に説明する。
[表地形成工程]
第二実施態様の下着用生地は、既に述べたように、表地10は、第一表地11と第二表地12とを繋ぎ合わせたものであるところ、表地形成工程は、第一表地11と第二表地12とを繋ぎ合わせて表地10を形成する工程となっている。本例において、この表地形成工程を、表地重合工程と、表地縫合工程と、表地展開工程とによって構成している。
図12は、第二実施態様の下着用複層生地の製造方法において、表地重合工程及び表地縫合工程を終えたときの表地10(第一表地11及び第二表地12)の状態を示した図である。図12(a)は、第一表地11のオモテ面11A側から表地10を見た状態を、図12(b)は、表地10をそれに垂直な平面で切断した状態を示している。
表地重合工程は、図12に示すように、第一表地11のオモテ面11Aに第二表地12のオモテ面12Aを重ね、第一表地11と第二表地12の接続縁部γが重なった状態とする工程である。また、表地縫合工程は、図12の縫合線Sに示すように、上記の表地重合工程で互いに重なり合った第一表地11と第二表地12の接続縁部γを縫合する工程である。これにより、第一表地11と第二表地12は、その接続縁部γで繋がった状態となる。縫合線Sにおける縫合は、通常、ミシンを用いて行われる。縫合線Sでの縫合方法は、特に限定されないが、通常、並縫いや返し縫い等の直線縫いとされる。
図13は、第二実施態様の下着用複層生地の製造方法において、表地展開工程を終えたときの表地10(第一表地11及び第二表地12)の状態を示した図である。図13(a)は、表地10を第一表地11のオモテ面11A側から見た状態を、図13(b)は、表地10をそれに垂直な平面で切断した状態を示している。
表地展開工程は、図12(b)の矢印Aに示すように、第二表地12を、第二表地12のオモテ面12Aが第一表地11のオモテ面11Aと同じ側(同図における紙面に向かって左側)を向くように、表地縫合工程における縫合線Sに沿って開く工程である。これにより、表地10は、図13に示す状態となる。
表地展開工程を終えると、表地形成工程は完了する。
[裏地形成工程]
第二実施態様の下着用生地は、既に述べたように、裏地20は、第一裏地21と第二裏地22とを繋ぎ合わせたものであるところ、裏地形成工程は、第一裏地21と第二裏地22とを繋ぎ合わせて裏地20を形成する工程となっている。本例において、この裏地形成工程を、裏地重合工程と、裏地縫合工程と、裏地展開工程とによって構成している。
図14は、第二実施態様の下着用複層生地の製造方法において、裏地重合工程及び裏地縫合工程を終えたときの裏地20(第一裏地21及び第二裏地22)の状態を示した図である。図14(a)は、第一裏地21のオモテ面21A側から裏地20を見た状態を、図14(b)は、裏地20をそれに垂直な平面で切断した状態を示している。
裏地重合工程は、図14に示すように、第一裏地21のオモテ面21Aに第二裏地22のオモテ面22Aを重ね、第一裏地21と第二裏地22の接続縁部γが重なった状態とする工程である。また、裏地縫合工程は、図14の縫合線Sに示すように、上記の裏地重合工程で互いに重なり合った第一裏地21と第二裏地22の接続縁部γを縫合する工程である。これにより、第一裏地21と第二裏地22は、その接続縁部γで繋がった状態となる。縫合線Sにおける縫合は、通常、ミシンを用いて行われる。縫合線Sでの縫合方法は、特に限定されないが、通常、並縫いや返し縫い等の直線縫いとされる。
図15は、第二実施態様の下着用複層生地の製造方法において、裏地展開工程を終えたときの裏地20(第一裏地21及び第二裏地22)の状態を示した図である。図15(a)は、裏地20を第一裏地21のオモテ面21A側から見た状態を、図15(b)は、裏地20をそれに垂直な平面で切断した状態を示している。
裏地展開工程は、図14(b)の矢印Aに示すように、第二裏地22を、第二裏地22のオモテ面22Aが第一裏地21のオモテ面21Aと同じ側(同図における紙面に向かって左側)を向くように、裏地縫合工程における縫合線Sに沿って開く工程である。これにより、裏地20は、図15に示す状態となる。
裏地展開工程を終えると、裏地形成工程は完了する。
[両縁部重合工程]
図16は、第二実施態様の下着用複層生地の製造方法において、両縁部重合工程及び両縁部縫合工程を終えたときの表地及び裏地の状態を示した図である。図16(a)は、下着用複層生地を、第一表地11のウラ面11B側から見た状態を、図16(b)は、表地10及び裏地20をそれぞれに垂直な平面で切断した状態を示している。
両縁部重合工程は、図16に示すように、表地10(第一表地11及び第二表地12)のオモテ面11A,12Aに対して裏地20(第一裏地21及び第二裏地22)のオモテ面21A,22Aを重ね、表地10の一側の縁部αを裏地20の一側の縁部βに重ね、表地10の他側の縁部αを裏地20の他側の縁部βに重ねる工程となっている。本例においては、表地10と裏地20とを重ねたときに、第一表地11と第二表地12との接続部分(縫合線Sに沿った箇所)と、第一裏地21と第二裏地22との接続部分(縫合線Sに沿った箇所)とが重ならないように、それぞれの接続部分の位置を上下にずらしている。これにより、ショーツ200(図11)における前身頃202と股布204との接続部分において、下着用複層生地が厚くならないようにし、ショーツ200の履き心地をさらに良好にすることが可能となっている。
この両縁部重合工程は、通常、ミシンテーブル上で行われる。両縁部重合工程を終えると、続いて、両縁部縫合工程が行われる。
[両縁部縫合工程]
両縁部縫合工程は、図16の縫合線Sに示すように、互いに重なった状態の表地10の一側の縁部αと裏地20の一側の縁部βとを縫合するとともに、図16の縫合線Sに示すように、同じく互いに重なった状態の表地10の他側の縁部αと裏地20の他側の縁部βとを縫合する工程である。両縁部縫合工程を終えると、表地10及び裏地20は、ウラオモテの筒状(表地10のオモテ面11A,12A及び裏地20のオモテ面21A,22Aが内周面を為し、表地10のウラ面11B,12B及び裏地20のウラ面21B,22Bが外周面を為す筒状)に形成された状態となっている。縫合線S,Sにおける縫合は、通常、ミシンを用いて行われる。また、縫合線S,Sでの縫合方法も、特に限定されないが、通常、並縫いや返し縫い等の直線縫いとされる。
両縁部縫合工程を終えると、続いて、裏返し工程が行われる。
[裏返し工程]
裏返し工程は、図16(a)の矢印Aに示すように、筒状に縫合された表地10及び裏地20における一方の開口端部(同図においては紙面に下側の開口端部)を、表地10及び裏地20で構成される筒の内部に導き入れて他方の開口端部(同図においては紙面に向かって上側の開口端部)から引き出すことにより、表地10及び裏地20を裏返す工程である。これにより、図17に示すように、表地10及び裏地20で構成される筒が裏返された状態となる。図17は、第二実施態様の下着用複層生地の製造方法において、裏返し工程を終えたときの表地10及び裏地20の状態を示した図である。図17(a)は、下着用複層生地を表地10のオモテ面11A,12A側から見た状態を、図17(b)は、表地10及び裏地20をそれぞれに垂直な平面で切断した状態を示している。
裏返し工程を行う前においては、図16に示すように、表地10のウラ面11B,12B及び裏地20のウラ面21B,22Bが外部に露出した状態(ウラ面11B,12B,21B,22Bが筒の外周面となる状態)となっており、表地10のオモテ面11A,12A及び裏地20のオモテ面21A,22Aが外部に露出しない状態(オモテ面11A,12A,21A,22Aが筒の内周面となる状態)となっていた。これに対し、裏返し工程を行った後においては、図17に示すように、表地10のオモテ面11A,12A及び裏地20のオモテ面21A,22Aが外部に露出した状態(オモテ面11A,12A,21A,22Aが筒の外周面となる状態)となっており、表地10のウラ面11B,12B及び裏地20のウラ面21B,22Bが外部に露出しない状態(ウラ面11B,12B,21B,22Bが筒の内周面となる状態)となっている。
また、裏返し工程を行う前においては、図16に示すように、表地10の縁部α及び裏地20の縁部βにおける端縁は、外部に露出した状態となっており、同様に、表地10の縁部α及び裏地20の縁部βにおける端縁も、外部に露出した状態となる。これに対し、裏返し工程を行った後においては、図17に示すように、表地10の縁部α及び裏地20の縁部βにおける端縁は、筒の内部に折り返されて、その端縁が隠れた状態となる。同様に、表地10の縁部α及び裏地20の縁部βにおける端縁も、筒の内部に折り返されて、その端縁が隠れた状態となる。表地10の縁部α,α及び裏地20の縁部β,βにおける端縁は、通常、生地を裁断したままの裁断端となっているところ、上記の裏返し工程を行うことで、これらの裁断端を筒の内側に隠し、見た目をスッキリさせるだけでなく、これらの裁断端がほつれないようにすることが可能となっている。
裏返し工程を終えると、続いて、三点縫い工程が行われる。
[三点縫い工程]
三点縫い工程は、図10に示すように、表地10の一側の縁部αと裏地20の一側の縁部βとを、両縁部縫合工程における縫合線S(図16を参照。)よりも内側(縁部α,β寄り)の縫合線Sで三点縫いするとともに、表地10の他側の縁部αと裏地20の他側の縁部βとを、両縁部縫合工程における縫合線S(図16を参照。)よりも内側(縁部α,β寄り)の縫合線S10で三点縫いする工程である。その詳細は、第一実施態様の下着用複層生地における三点縫い工程と略同様であるため、説明を割愛する。本例では、表地10の上縁部と裏地20の上縁部も、縫合線S11で三点縫いしている。
三点縫い工程を終えると、第二実施態様の下着用複層生地の製造が完了する。
10 表地(装飾生地)
10A 表地のオモテ面
10B 表地のウラ面
11 第一表地
11A 第一表地のオモテ面
11B 第一表地のウラ面
12 第二表地
12A 第二表地のオモテ面
12B 第二表地のウラ面
13 スカラップ(縁飾り)
20 裏地(弾性生地)
20A 裏地のオモテ面
20B 裏地のウラ面
21 第一裏地
21A 第一裏地のオモテ面
21B 第一裏地のウラ面
22 第二裏地
22A 第二裏地のオモテ面
22B 第二裏地のウラ面
100 ブラジャー
101 バック部分
200 ショーツ
201 サイド部分
202 前身頃
203 後身頃
204 股布(クロッチ)
第一縫合工程における縫合線
第二縫合工程における縫合線
三点縫い工程における縫合線(一側)
三点縫い工程における縫合線(他側)
表地縫合工程における縫合線
裏地縫合工程における縫合線
両縁部縫合工程における一側の縫合線
両縁部縫合工程における他側の縫合線
三点縫い工程における縫合線(一側)
10 三点縫い工程における縫合線(他側)
11 三点縫い工程における縫合線(上縁部)
α 表地の一側の縁部
α 表地の他側の縁部
β 裏地の一側の縁部
β 裏地の他側の縁部
γ 第一表地と第二表地の接続縁部
γ 第一裏地と第二裏地の接続縁部

Claims (5)

  1. 表地の一側の縁部αと裏地の一側の縁部βとを縫合して、
    表地の他側の縁部αと裏地の他側の縁部βとを縫合する
    ことにより、
    表地と裏地とが一体化された下着用複層生地を得る下着用複層生地の製造方法であって、
    表地として、縁部α に縁飾りが施された装飾生地を用い、
    裏地の略全体を弾性生地で形成するとともに、
    表地及び裏地を、それぞれのウラ面が同じ側を向くように開いた状態に配しながらも、表地の縁部α のウラ面側に、裏地の縁部β が重なった状態とする第一重合工程と、
    表地における縁飾りが施された部分よりも内側の縫合線に沿って表地の縁部α と裏地の縁部β とを縫合する第一縫合工程と、
    表地を、第一縫合工程における縫合線に沿って裏地のオモテ面側に折り返すことにより、裏地の縁部β に、表地の縁部α が重なった状態とする第二重合工程と、
    互いに重なった状態の表地の縁部α と裏地の縁部β とを縫合して、表地及び裏地をウラオモテの筒状にする第二縫合工程と、
    筒状にされた表地及び裏地を裏返す裏返し工程と
    を経ることを特徴とする下着用複層生地の製造方法。
  2. 縁飾りがスカラップである請求項1記載の下着用複層生地の製造方法
  3. 裏返し工程の後に、
    表地の縁部αと裏地の縁部βとを、第一縫合工程における縫合線よりも内側で三点縫いするとともに、表地の縁部αと裏地の縁部βとを、第二縫合工程における縫合線よりも内側で三点縫いする三点縫い工程を設けた
    請求項1又は2記載の下着用複層生地の製造方法。
  4. 表地としてレース生地を用い、
    裏地としてパワーネット又はベア天竺を用いた
    請求項1~3いずれか記載の下着用複層生地の製造方法。
  5. 請求項1~いずれか記載の製造方法で得られた下着用複層生地を用いて下着を製造する下着の製造方法。
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