JP7288559B1 - 受衝装置、調整方法、および摩擦ダンパ - Google Patents

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Abstract

Figure 0007288559000001
【課題】せん断変形による弾性体の損傷を防止でき、且つ衝突面の向きの違いに弾性体が追従できる受衝装置等を提供する。
【解決手段】受衝装置2は、例えば、免震建物の下部構造に設けられた摩擦ダンパと、上部構造との衝突を緩和するために、摩擦ダンパに設けられる。受衝装置2は、摩擦ダンパの衝突面に設けられた弾性体22と、衝突直交方向における弾性体22の変形を制限するために、上記衝突面において、弾性体22の衝突直交方向の側方に配置された規制部材25と、を有する。規制部材25と弾性体22の間には、クリアランス28が設けられる。
【選択図】図2

Description

本発明は、部材同士の衝突を緩和する受衝装置等に関する。
免震建物では、地震時に変位する建物躯体を受衝装置を介して擁壁等に衝突させることで、建物躯体の変位を一定範囲内に収めることがある。受衝装置には、衝突を緩和するためゴム等の弾性体が用いられることが多い。
例えば特許文献1では、受衝装置として、多数のゴムチップをバインダーにより集成させたものが記載されている。また特許文献2には、受衝装置として、ゴム部材と、ゴム部材の変形を抑制する拘束材を組み合わせたものが記載されている。
特開2022-63715号公報 特開2022-7100号公報
地震動は、建物躯体と擁壁等とを結ぶ衝突方向だけでなく、衝突方向と平面視で直交する方向(衝突直交方向)にも同時に生じる。建物躯体と擁壁等の間に衝突直交方向の相対変位がある場合、受衝装置には、衝突方向の圧縮力だけでなく衝突直交方向のせん断力も加わる。例えば特許文献1の受衝装置では、上記のせん断力により弾性体が過度にせん断変形し、損傷する恐れがある。
また、建物躯体と擁壁等との衝突時において、建物躯体の衝突面と擁壁等の衝突面は常に平行というわけでは無く、両衝突面の向きが異なる場合もある。特許文献2の受衝装置は、ゴム部材に拘束材を組み合わせることでゴム部材が外側に膨らむのを防止し、圧縮荷重の増大を図るものであるが、拘束材によってゴム部材の曲げ剛性が大きくなるため、建物躯体と擁壁等の衝突面の向きが異なる場合に、弾性体がその向きの違いに追従して変形する能力が低下し、受衝装置側に作用する曲げ応力が大きくなる恐れがある。
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、せん断変形による弾性体の損傷を防止でき、且つ衝突面の向きの違いに弾性体が追従できる受衝装置等を提供することを目的とする。
前述した課題を解決するための第1の発明は、部材同士の衝突を緩和するために、衝突する一方の部材に設けられる受衝装置であって、前記一方の部材の衝突面に設けられた弾性体と、衝突直交方向における前記弾性体の変形を制限するために、前記衝突面において、前記弾性体の衝突直交方向の側方に配置された規制部材と、を有し、前記規制部材と前記弾性体の間に、クリアランスが設けられたことを特徴とする受衝装置である。
本発明の受衝装置は、弾性体の側方に設けた規制部材により弾性体の過度なせん断変形を防止でき、地震等の振動により部材同士が衝突する際、部材間に衝突直交方向の相対変位がある場合に、せん断変形による弾性体の損傷を防止できる。且つ、規制部材と弾性体の間にはクリアランスが設けられているので、規制部材が弾性体の曲げ剛性に影響を与えることもない。そのため、弾性体は、部材同士が衝突する際に、両部材の衝突面の向きが異なる場合にも、その向きの違いに追従して変形可能である。
前記弾性体の他方の部材側に滑り材が設けられることが望ましい。
これにより、地震等の振動により部材同士が衝突する際、部材間に衝突直交方向の相対変位がある場合に、衝突対象の部材(他方の部材)を滑り材上で滑らせ、受衝装置に加わる衝突直交方向のせん断力を小さくすることができる。
前記弾性体の他方の部材側に当接板が設けられ、前記当接板が前記規制部材に当接することで、前記弾性体の衝突直交方向の変形が制限されることが望ましい。
これにより、弾性体がせん断変形により規制部材に直接当たるのを避けることができ、弾性体の損傷を防止できる。
前記弾性体は、第1の板材の開口に配置される第2の板材上に設けられ、前記規制部材は、前記第1の板材上で、前記開口の縁部に、前記開口側に張り出すように設けられることが望ましい。
この場合、弾性体等のメンテナンスや交換を行う際に、弾性体等を設けた第2の板材のみを第1の板材から分離して取り外せばよく、その作業が容易になる。第2の板材は、上記のように第1の板材の開口の縁部に設けた規制部材により当該開口内で保持できる。
前記弾性体および前記規制部材が、設置板上に設けられ、第1の発明の受衝装置は、前記設置板から前記衝突面までの距離を調整するための調整機構を有することが望ましい。
これにより、地震等の振動後に、受衝装置と衝突対象の部材との間隔が広がった場合に、その間隔を振動前の値へと容易に戻すことができる。
前記調整機構は、前記設置板を前記衝突面に締結するボルトおよびナットと、前記設置板と前記衝突面の間に配置する1または複数の調整板と、を含むことが望ましい。
これにより、受衝装置の設置板から衝突面までの距離の調整を簡単に行うことができる。
第2の発明は、一方の部材に設けられた前記受衝装置と、前記一方の部材に衝突する他方の部材との間隔の調整方法であって、いずれかの部材が振動して前記一方の部材と前記他方の部材とが衝突し、振動後の前記間隔が、振動前の前記間隔よりも広がった場合に、前記設置板から前記衝突面までの距離を大きくすることで、前記間隔を振動前の値に戻すことを特徴とする調整方法である。
第2の発明は、第1の発明の受衝装置の調整機構を用いた、受衝装置と衝突対象の部材との間隔の調整方法である。
第3の発明は、免震建物の振動時に衝突対象の部材と衝突する際に、免震建物の振動エネルギーを吸収する摩擦ダンパであって、第1の発明の受衝装置が設けられたことを特徴とする摩擦ダンパである。
これにより、第1の発明の受衝装置を設けた摩擦ダンパを用い、地震等の振動エネルギーを吸収することができる。
本発明により、せん断変形による弾性体の損傷を防止でき、且つ衝突面の向きの違いに弾性体が追従できる受衝装置等を提供することができる。
摩擦ダンパ1を示す図。 受衝装置2を示す図。 弾性体22が変形した状態を示す図。 受衝装置2の取付け、取外しの方法について説明する図。 上部構造4と摩擦ダンパ1の間隔の調整方法について説明する図。 調整板6を示す図。 規制部材25の例。
以下、図面に基づいて本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る受衝装置2を有する摩擦ダンパ1を示す図である。図1(a)は摩擦ダンパ1を側方から見た図であり、図1(b)は摩擦ダンパ1を上から見た図である。
摩擦ダンパ1は、免震建物の下部構造3に設けられ、地震等の振動で免震建物の上部構造4が変位し衝突した際に、摩擦により振動エネルギーの吸収を行う。下部構造3と上部構造4は、それぞれ建物基礎の立ち上がり部と建物躯体であり、RC(鉄筋コンクリート)造等のコンクリートからなる構造体とするが、これに限ることはない。
摩擦ダンパ1は、筒状の外殻部11の内側に、外殻部11の軸方向に進退可能な摺動部12を挿入した部材(一方の部材)である。摺動部12の一方の端部は、外殻部11から上部構造4側に突出し、この突出部分の先端に、上部構造4が衝突する板状の受衝部13が設けられる。
受衝部13に衝突対象の上部構造4(他方の部材)が衝突すると、摺動部12が外殻部11内へと衝突方向に進入する。この際、外殻部11内に設けた摩擦材(不図示)上を摺動部12が摺動することで、摺動時の摩擦により振動エネルギーが吸収される。衝突方向は図1(a)、(b)の左右方向に対応する。
本実施形態の受衝装置2は、摩擦ダンパ1の受衝部13の上部構造4側の面(摩擦ダンパ1の衝突面)に設けられる。なお、上部構造4の摩擦ダンパ1側の面(上部構造4の衝突面)には受衝板41が設けられる。
図2は受衝装置2を示す図である。図2(a)は受衝装置2の水平方向の断面を示したものであり、図2(b)は受衝装置2を上部構造4側から見た正面図である。図2(a)は図2(b)の線a-aによる断面に対応する。
本実施形態の受衝装置2は、摩擦ダンパ1の受衝部13の上部構造4側(図2(a)の左側に対応する)の面に設置板21を設け、設置板21の上に、弾性体22、当接板23、滑り材24をこの順に上部構造4側へと積層した構成を有する。
弾性体22は、弾性を有する部材であり、本実施形態ではゴムから形成される板状の部材とするが、これに限ることはない。例えば各種のバネ等であってもよい。
当接板23は、後述する規制部材25に当接させるための板状の部材であり、本実施形態では金属板とするが、これに限ることはない。
滑り材24は、上部構造4を表面上で滑らせるための部材であり、本実施形態ではPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等の樹脂によるシート状の部材とする。なお、滑り材24としては、PTFEのほか、表面の摩擦係数が弾性体22や当接板23よりも小さい種々の材料を用いることができ、樹脂に限ることもない。
設置板21は、その外周部にロ字状に配置される外側の板材211(第1の板材)と、板材211の開口に嵌め込んで配置される内側の板材212(第2の板材)から構成される。上記の弾性体22、当接板23、滑り材24は、内側の板材212上に積層される。板材211、212は金属板とするが、これに限ることはない。
外側の板材211は、ボルト26とナット27により受衝部13に締結される。すなわち、板材211と受衝部13の対応する位置にボルト26を挿通するための孔(不図示)が設けられており、これらの孔に通したボルト26に対し、板材211側と受衝部13側の双方からナット27を締め込むことで、板材211が受衝部13に固定される。
また、弾性体22、当接板23、滑り材24(弾性体22等という)の衝突直交方向の側方には、衝突直交方向における弾性体22の変形を制限するための規制部材25が設けられる。衝突直交方向は、衝突方向と平面視で直交する方向であり、図2(a)の上下方向、図2(b)の左右方向に対応する。なお、規制部材25は枠状の部材であり、弾性体22等の衝突直交方向の側方だけでなく、弾性体22等の上側および下側にも配置される。
規制部材25は、外側の板材211上に設けられる。規制部材25は、当該板材211の開口の縁部に、開口側(板材212側)に張り出すように溶接等で固定される。また規制部材25と弾性体22等の間には、所定幅のクリアランス28が設けられる。
図3は、地震等の振動により上部構造4が変位して摩擦ダンパ1の受衝部13に衝突し、受衝部13に設けた受衝装置2の弾性体22が変形した状態を図2(a)と同様の断面で示す図である。この例では、上部構造4が、衝突方向だけでなく矢印bに示す衝突直交方向にも変位するものとし、且つ、上部構造4と摩擦ダンパ1の受衝部13との衝突時に、両部材の衝突面が平行でないものとする。
この場合、受衝装置2では、弾性体22が両部材の衝突面の向きの違いに合わせて厚さ方向に変形することで、受衝装置2側に生じる曲げ応力が小さくなる。結果、摩擦ダンパ1に生じる偏心曲げモーメントも低減される。また、上部構造4の受衝板41と滑り材24との間に生じる摩擦力は小さく、上部構造4(受衝板41)が滑り材24上を滑るため、受衝装置2に生じる衝突直交方向のせん断力が小さくなる。さらに、弾性体22の衝突直交方向のせん断変形は、当接板23が規制部材25に当接することで制限されるため、弾性体22が過度なせん断変形により損傷することもない。
図4は、受衝装置2の取付け、取外しの方法について、図2(a)と同様の断面により説明する図である。
受衝装置2の取付時は、図4(a)の矢印cに示すように、板材211の開口Aに、弾性体22、当接板23、滑り材24を積層した板材212を嵌め込んで配置した後、図4(b)に示すように、これらの板材211、212を摩擦ダンパ1の受衝部13に配置することができる。この後、前記したようにボルト26とナット27を用いて板材211を受衝部13に締結することで、図2(a)に示すように受衝装置2を摩擦ダンパ1の受衝部13に取付けることができる。内側の板材212は、外側の板材211に設けた枠状の規制部材25により保持され、受衝部13から脱落することはない。
メンテナンスや点検のため摩擦ダンパ1から弾性体22等を取外す際には、図4(c)に示すように、ナット27を緩めて板材211から受衝部13までの距離を大きくし、その隙間から、弾性体22等を設けた内側の板材212のみを、外側の板材211から分離して取外すことができる。これにより、弾性体22等のメンテナンスや点検の作業が容易になる。
また図5(a)は上部構造4の衝突前の摩擦ダンパ1を側方から見たものであるが、免震建物の振動時に上部構造4が摩擦ダンパ1に衝突すると、図5(b)に示すように摺動部12が外殻部11内に進入する。この状態が免震建物の振動後も変わらなければ、元の位置に戻った上部構造4と受衝装置2の間隔d2が、振動前の間隔d1よりも広がり、次回地震等が生じた際に、免震層の別の部位同士が先に衝突したり、摩擦ダンパ1による振動エネルギーの吸収効果が発揮できなかったりする恐れがある。
これを防止するためには、摩擦ダンパ1を下部構造3から一旦取り外して工場等に運搬したうえで、摺動部12を外殻部11から引き出し、摩擦ダンパ1を下部構造3に再設置することや、摩擦ダンパ1を新しいものに交換することが考えられるが、作業に手間が掛かる。一方、本実施形態では、前記のボルト26およびナット27と、後述する調整板とを用い、上部構造4と受衝装置2の間隔を元の値に容易に戻すことができるので、以下その手順を説明する。
すなわち、本実施形態では、図5(c)に示すように、ナット27を緩めることで、受衝装置2の設置板21から摩擦ダンパ1の受衝部13までの距離を広げ、その間に1または複数の調整板6を挿入し、再度ナット27を締め直す。これにより、図5(d)に示すように、受衝装置2を上部構造4側に移動させ、上部構造4と受衝装置2の間隔を元の値d1へと簡単に戻すことができる。
上記の調整作業ではボルト26、ナット27を完全に外す必要がなく、調整板6も人力で扱える重量なので、調整作業を現地で簡単に実施することができる。ボルト26、ナット27、および調整板6は、本発明において、受衝装置2の設置板21から摩擦ダンパ1の受衝部13までの距離を調整するための調整機構を構成する。
図6は調整板6の立面を示す図である。図6に示すように、調整板6の立面はT字状であり、その上部の張出部分61をボルト26に引掛けることで、調整板6を、ボルト26の位置を避け、受衝部13と設置板21の間で容易に設置することができる。ただし、調整板6の形状はこれに限らず、ボルト26を利用し、ボルト26の位置を避けて配置できるものであればよい。
さらに、ボルト26以外の手段を用いて調整板6を設置することも可能であり、例えば調整板6に設けたフック(不図示)を設置板21や受衝部13に引掛けて調整板6を配置することも可能である。この場合、調整板6はボルト26の位置を避けて配置できる形状であれば十分である。
以上説明したように、本実施形態の受衝装置2は、弾性体22の側方に設けた規制部材25により弾性体22の過度なせん断変形を防止でき、地震等の振動により上部構造4と摩擦ダンパ1が衝突する際、上部構造4と摩擦ダンパ1に衝突直交方向の相対変位がある場合に、せん断変形による弾性体22の損傷を防止できる。
さらに、規制部材25と弾性体22の間にはクリアランス28が設けられているので、規制部材25が弾性体22の曲げ剛性に影響を与えることもない。そのため、弾性体22は、上部構造4と摩擦ダンパ1が衝突する際に、両部材の衝突面の向きが異なる場合にも、その変形により衝突面の向きの違いに追従可能であり、受衝装置2側に生じる曲げ応力が小さくなる。
また本実施形態では、弾性体22の上部構造4側に滑り材24が設けられるので、地震等の振動により上部構造4と摩擦ダンパ1が衝突する際、上部構造4と摩擦ダンパ1に衝突直交方向の相対変位がある場合に、上部構造4を滑り材24上で滑らせ、受衝装置2に加わる衝突直交方向のせん断力を小さくすることができる。
また本実施形態では、当接板23が規制部材25に当接することで、弾性体22の衝突直交方向の変形が制限されるので、弾性体22がせん断変形により規制部材25に直接当たるのを避けることができ、弾性体22の損傷を防止できる。
また本実施形態では、設置板21を内外の板材211、212に分割することで、弾性体22等のメンテナンスや交換を行う際には、弾性体22等を設けた板材212のみを取り外せばよく、その作業が容易になる。また内側の板材212は、前記のように外側の板材211の開口の縁部に設けた規制部材25により当該開口内で保持できる。
また、受衝装置2では、摩擦ダンパ1の受衝部13と設置板21の間の距離が調整可能なので、地震等の振動後に上部構造4と受衝装置2の間隔が大きくなった場合に、上部構造4と受衝装置2の間隔を振動前の値へと現地で容易に戻すことができ、摩擦ダンパ1自体を交換したり、摩擦ダンパ1の摺動部12を引き出したりする必要が無い。また上記距離の調整は、ボルト26およびナット27と調整板6により前記したように簡単に行うことができ、人力による調整作業を軽減できる。
また本実施形態の受衝装置2は摩擦ダンパ1の衝突面に設けられており、地震等の振動エネルギーを摩擦ダンパ1により吸収することが可能である。
しかしながら、本発明は上記の実施形態に限定されない。例えば上記の実施形態では、摩擦ダンパ1を設ける下部構造3が建物基礎であるが、下部構造3はこれに限らず、例えば擁壁であってもよい。また上部構造4も建物躯体に限定されることはない。
また、上記の実施形態では摩擦ダンパ1を下部構造3に設けているが、上部構造4に設けても良い。この場合も、地震等が生じた際に、上部構造4の変位による摩擦ダンパ1と下部構造3との衝突を受衝装置2により緩和することができる。
また本実施形態では摩擦ダンパ1を免震建物に適用しているが、摩擦ダンパ1の適用対象が免震建物に限ることはない。摩擦ダンパ1は、地震等の振動時の変位により衝突が生じる箇所であれば適用可能である。
また本実施形態の受衝装置2は摩擦ダンパ1に取り付けて用いているが、受衝装置2の適用対象も摩擦ダンパ1に限ることはない。例えば摩擦ダンパ1以外のダンパに適用することもできる。また地震等の振動時の変位により衝突が生じる部材間であれば、受衝装置2を単独で(摩擦ダンパ1に取り付けずに)適用することも可能である。振動後の部材間の間隔が振動前よりも大きくなるような箇所であれば、図5等で説明した調整方法も有効である。
また規制部材25も枠状のものに限らず、図7(a)に示すように、弾性体22等の衝突直交方向(図7(a)の左右方向に対応する)の側方のみに線状の規制部材25を配置してもよいし、図7(b)に示すように、規制部材25を、弾性体22等の四隅に当たる位置のみに配置してもよい。これらの場合にも、弾性体22等と規制部材25の間にはクリアランス28が設けられる。
以上、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1:摩擦ダンパ
2:受衝装置
3:下部構造
4:上部構造
6:調整板
11:外殻部
12:摺動部
13:受衝部
21:設置板
22:弾性体
23:当接板
24:滑り材
25:規制部材
26:ボルト
27:ナット
28:クリアランス
211、212:板材

Claims (8)

  1. 部材同士の衝突を緩和するために、衝突する一方の部材に設けられる受衝装置であって、
    前記一方の部材の衝突面に設けられた弾性体と、
    衝突直交方向における前記弾性体の変形を制限するために、前記衝突面において、前記弾性体の衝突直交方向の側方に配置された規制部材と、
    を有し、
    前記規制部材と前記弾性体の間に、クリアランスが設けられたことを特徴とする受衝装置。
  2. 前記弾性体の他方の部材側に滑り材が設けられたことを特徴とする請求項1記載の受衝装置。
  3. 前記弾性体の他方の部材側に当接板が設けられ、
    前記当接板が前記規制部材に当接することで、前記弾性体の衝突直交方向の変形が制限されることを特徴とする請求項1記載の受衝装置。
  4. 前記弾性体は、第1の板材の開口に配置される第2の板材上に設けられ、
    前記規制部材は、前記第1の板材上で、前記開口の縁部に、前記開口側に張り出すように設けられたことを特徴とする請求項1記載の受衝装置。
  5. 前記弾性体および前記規制部材が、設置板上に設けられ、
    前記設置板から前記衝突面までの距離を調整するための調整機構を有することを特徴とする請求項1記載の受衝装置。
  6. 前記調整機構は、
    前記設置板を前記衝突面に締結するボルトおよびナットと、
    前記設置板と前記衝突面の間に配置する1または複数の調整板と、
    を含むことを特徴とする請求項5記載の受衝装置。
  7. 一方の部材に設けられた請求項5または請求項6記載の受衝装置と、前記一方の部材に衝突する他方の部材との間隔の調整方法であって、
    いずれかの部材が振動して前記一方の部材と前記他方の部材とが衝突し、振動後の前記間隔が、振動前の前記間隔よりも広がった場合に、前記設置板から前記衝突面までの距離を大きくすることで、前記間隔を振動前の値に戻すことを特徴とする調整方法。
  8. 免震建物の振動時に衝突対象の部材と衝突する際に、免震建物の振動エネルギーを吸収する摩擦ダンパであって、
    請求項1記載の受衝装置が設けられたことを特徴とする摩擦ダンパ。
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