JP7286384B2 - ブレ補正装置および電子機器 - Google Patents

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Description

本発明は、ブレ補正装置および電子機器に関し、特に、撮影の際の手振れを補正するブレ補正装置に関する。
一般に、電子機器の1つとして、撮影の際に手振れを補正するブレ補正装置を備える撮像装置が知られている。ブレ補正装置で行われるブレ補正には、光学レンズを光軸に直交する方向に駆動する手法と撮像素子を光軸に直交する方向に駆動する手法とがある。例えば、磁石およびコイルを備えるボイスコイルモータによって撮像素子を駆動してブレ補正を行う撮像装置がある(特許文献1)。
ところで、ボイスコイルモータにおいては、コイルから電磁波が発生して当該電磁波が撮像装置に影響を与えることが知られている。このため、一般的な対策として、ノイズ源となるコイルを他の部分から磁気的に隔離する構造を用いるか又はシールド部材を用いることが行われている。
例えば、撮影レンズにボイスコイルモータを備えるブレ補正機構を備えるともに、磁性体からなるシールド部材を配置してコイルから発生する電磁波(磁場)を遮蔽するようにしたものがある(特許文献2)。
特開2010-15107号公報 特開2017-173757号公報
しかしながら、特許文献1に記載の撮像装置のようにコイルが撮像素子の近傍に配置されている場合には、コイルによる磁場が撮像素子に到達して、磁気ノイズとして画像に悪影響を与えてしまう。さらには、撮像素子の高感度化に応じて、ノイズ源であるコイルに加えて、コイル端子の半田接合部およびコイルが接続された配線パターンなどからの微弱な磁界も磁気ノイズとして画像に悪影響を与えてしまう。
一方、撮像素子とコイルとの間隔が狭いため、特許文献2に記載のように撮像素子とコイルとの間にシールド部材を配置することは困難である。
そこで、本発明の目的は、小型化を図りつつ、撮像素子に対する磁場の影響を低減することのできるブレ補正装置および電子機器を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明によるブレ補正装置は、撮像光学系を介して結像した光学像に応じた画像信号を出力する撮像素子を備える電子機器に用いられ、前記撮像素子を前記撮像光学系の光軸に直交する方向に移動させて前記画像信号が示す画像において生じたブレを補正するブレ補正装置であって、前記撮像素子を保持し、前記光軸に直交する方向に移動可能な金属性の可動部材と、前記可動部材に配置され電力が供給されるコイルと、前記コイルが実装される実装部材と、前記コイルの外周よりも外側に配置され前記コイルと前記実装部材とを接続する接続部と、前記コイルに対向して配置された永久磁石と、を有し、前記コイルと前記永久磁石とによって前記可動部材を移動させ、前記接続部を配置するために前記可動部材に設けられた隙間部が前記撮像素子に最も近い前記コイルの辺よりも撮像素子から離れた位置に配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、小型化を図りつつ、撮像素子に対する磁場の影響を低減することができる。
本発明の第1の実施形態によるブレ補正装置を備える撮像装置の一例を示す図である。 図1に示すブレ補正部を説明するための図である(その1)。 図1に示すブレ補正部を説明するための図である(その2)。 図2に示す可動部を下面固定部の側からみた図である。 図4に示す可動部の要部を拡大して、コイルに流れる電流と可動枠から打消し磁界を発生させる打消し電流とを模式的に示す図である。 図3に示す断面図において要部を拡大してコイルの磁場を模式的に示す図である。 本発明の第2の実施形態で用いられるブレ補正装置においてFPC、配線パターン、および半田付け部を示す図である。 図7に示す半田付け部の位置関係を説明するための図である。
以下に、本発明の実施の形態によるブレ補正装置を備える撮像装置の一例について図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態によるブレ補正装置を備える撮像装置の一例を示す図である。そして、図1(a)は撮像装置を破断して示す図であり、図1(b)は撮像装置の制御系を示す図である。
図示の撮像装置、例えば、デジタルカメラ(以下単にカメラと呼ぶ)であり、カメラボディ1および撮影レンズユニット(以下単に撮影レンズいと呼ぶ)2を備えている。そして、カメラボディ1に撮影レンズ2が装着される。
撮影レンズ2には、被写体像(光学像)を取り込む複数のレンズからなる撮影光学系3と、撮影レンズ2を制御するレンズシステム制御12と、撮像光学系3を駆動するレンズ駆動部13とが備えられている。カメラボディ1には、撮影レンズ2を介して光学像が結像する撮像素子6が備えられている。さらに、カメラボディ1には、背面表示装置9a、EVF9b、ブレ補正部14、ブレ検知部15、シャッタ機構16、およびシャッタ駆動部17が備えられている。加えて、カメラボディ1には、カメラシステム制御部5、画像処理部7、メモリ8、および操作検出部10が備えられ、図1(a)に示す背面表示装置9aおよびEVF9bは図1(b)においては表示部9として一括して示されている。
なお、カメラシステム制御部5は電気接点11を介してレンズシステム制御部12と通信を行い、さらに、電気接点11を介してカメラボディ1から撮影レンズ2に電力が供給される。
レンズ駆動部13は、レンズシステム制御部12の制御下で、撮像光学系3に備えられた焦点レンズおよび絞りなどを駆動する。ブレ検知部15は光軸4の回りの回転を含むカメラの回転ブレを検知する。ブレ検知部15には、例えば、振動ジャイロが用いられる。ブレ補正部14は撮像素子6を光軸4に直交する方向に並進させるとともに光軸4の回りに回転させて、後述するようにブレを補正する。
シャッタ駆動部17は、カメラシステム制御部5の制御下で、シャッタ機構16を駆動してシャッタ幕を走行させ撮像素子6の露光を行う。撮像素子6には撮像光学系3を介して光学像が結像し、撮像素子6は光電変換によって光学像に応じた画像信号を出力する。
画像処理部7には、例えば、A/D変換器、ホワイトバランス調整回路、ガンマ補正回路、および補間演算回路が備えられている。画像処理部7は撮像素子6の出力である画像信号に所定の画像処理を施して記録用の画像データを生成する。なお、色補間処理部が画像処理部7に備えられており、色補間処理部はベイヤ配列の画像信号に対して色補間(デモザイキング)処理を施してカラー画像データを生成する。また、画像処理部7は、予め定められた手法を用いて画像(静止画)、動画、および音声などに対して圧縮を行う。
画像処理部7の出力である画像データからはピント評価量および露光量が得られる。カメラシステム制御部5は、ピント評価量および露光量に応じてレンズシステム制御部12によって撮影光学系3を駆動制御する。これによって、適切な光量の光学像が撮像素子6に結像する。
カメラシステム制御部5は画像処理部7を制御してメモリ8に画像データを記録する。さらに、カメラシステム制御部5は画像データに応じた画像を表示部9に表示する。
カメラシステム制御部5は撮像の際のタイミング信号などを出力する。さらには、カメラシステム制御部5はユーザー操作に応じてカメラを制御する。例えば、シャッターレリーズ釦(図示せず)の押下を操作検出部10が検出すると、カメラシステム制御部5は撮像素子6を駆動するとともに、画像処理部7を制御して圧縮処理などを行う。
さらに、カメラシステム制御部5は表示部9に撮影などに係る情報を表示する。なお、背面表示装置9aにはタッチパネルが備えられ、当該タッチパネルは操作検出部10に接続されている。カメラシステム制御部5は、ブレ検知部15で得られた検知結果に基づいてブレ補正部14を制御する。
図2および図3は、図1に示すブレ補正部を説明するための図である。そして、図2(a)はブレ補正部の構成を示す斜視図であり、図2(b)はブレ補正部を分解して示す斜視図である。また、図3(a)はブレ補正部を上側から見た図であり、図3(b)は図3(a)に示すA-A線に沿った断面図である。なお、図2および図3に示す座標系においてZ軸の正方向に撮影レンズ2が位置する。
図2において、Z軸方向は光軸4と平行な方向である。ブレ補正部14は金属性の可動部(可動部材)50、上面固定部(固定部材)60、および下面固定部(固定部材)70を有している。そして、可動部(可動部材)50には撮像素子6が搭載される。
可動部50は、後述するように、撮像光学系の光軸に直交する(交差する)方向に移動可能である。可動部50は、可動枠51、コイル53a~53c、および磁気センサ54a~54cを備え、可動部50にはFPC(フレキシブルプリント回路基板)55が接続される。
図示のように、コイル53a~53cは半田付け部(図2には示さず)によってFPC55に接続されており、当該半田付け部は可動枠51に設けられた可動枠凹部57a~57cに配置される。
上面固定部60には、上面ヨーク61および永久磁石62a~62fが備えられている。下面固定部70はベース板(支持部材)71を有し、ベース板71にはボール転動面72a~72cが規定されている。さらに、下面固定部70にはメインスペーサ73a~73c、サブスペーサ74aおよび74b、および下面ヨーク75が備えられている。そして、下面ヨーク75には永久磁石76a~76fが配置され、ボール転動面72a~72cにはそれぞれ転動ボール77a~77cが位置する。
図示の例では、上面ヨーク61および磁石62a~62fと下面ヨーク75および磁石76a~76fとが磁気回路を形成して、所謂閉磁路となる。磁石62a~62fは上面ヨーク61に吸着した状態で接着固定されている。同様に、磁石76a~76fは下面ヨーク75に吸着した状態で接着固定されている。これら磁石の各々は光軸4の方向に着磁されている。そして、隣接する磁石同士である磁石62aおよび62b、磁石62cおよび62d、および磁石62eおよび62fは互いに異なる向きに着磁されている。同様に、磁石76aおよび76b、磁石76cおよび76d、および磁石76eおよび76fは互いに異なる向きに着磁されている。
図3(b)において、磁石62e、磁石62f、磁石76e、および磁石76fに示されたSおよびNは着磁方向を表している。つまり、隣接する磁石62eおよび磁石62fの着磁方向は互いに異なり、同様に、隣接する磁石76eおよび磁石76fの着磁方向は互いに異なる。
互いに対向する位置に配置される磁石である磁石62aおよび76a、磁石62bおよび76b、磁石62cおよび76c、磁石62dおよび76d、磁石62eおよび76e、および磁石62fおよび76fは互いに同一の向きに着磁される。
図3(b)において、対向する位置に配置される磁石62eおよび磁石76eの着磁方向は同一の向きであり、同様に、対向する位置に配置される磁石62fおよび磁石76fの着磁方向が同一の向きである。
このように磁石の着磁方向を規定することによって、上面ヨーク61と下面ヨーク75との間において光軸4の方向に強い磁束密度が生じる。
上面ヨーク61と下面ヨーク75との間には、メインスペーサ73a~73cとサブスペーサ74aおよび74bが配置され、上面ヨーク61と下面ヨーク75とを所定の間隔に保っている。上面ヨーク61と下面ヨーク75との間には隙間をおいて可動部50が配置されている。メインスペーサ73a~73cの各々においてその円筒側面部にはゴムが設けられており、これによって、可動部50の機械的端部(所謂ストッパー)が形成される。
ベース板71には、磁石76a~76fをよけるようにして穴が形成されており、この穴からは磁石の面が突出する。そして、ビス(図示せず)によって、ベース板71と下面ヨーク75とが固定され、ベース板71よりも厚み方向の寸法が大きい磁石76a~76fがベース板71から突出するようにして固定される。
可動枠51に前述の各要素が固定されて可動部50が構成される。可動枠51は非磁性のアルミダイキャストで形成されており、可動枠51には、撮像素子6およびFPC55が搭載されている。さらに、実装部材であるFPC55の下面固定部70側(Z軸負の方向)の面にはコイル53a~53cが実装されており、FPC55からコイル53a~53cの駆動に要する電力が供給される。
なお、FPC55はコネクタ(図示せず)を介して外部に接続される。可動枠51は、コイル53a~53cの外周で規定される面に対向する面を少なくともその一部に有する厚みを有している。ここでは、可動枠51はコイル53a~53cの外周で規定される面全体に対向する程度の厚みを有している。
図4は、図2に示す可動部を下面固定部の側からみた図である。
半田付け部(接続部)56aおよび56dはコイル53aとFPC55とを接続する接続部である。同様に、半田付け部56bおよび56eはコイル53bとFPC55とを接続する接続部であり、半田付け部56cおよび56fはコイル53cとFPC55とを接続する接続部である。なお、図示の例では、撮像素子6の位置が破線で示されている。
コイル53a~53cの各々には巻始めおよび巻き終わりの端子があり、作業の都合上、巻き線の配線端はその一端が中空部側、他方がコイル外周の外側に位置する。図示の例では、コイル53a~53cの小型化を図るため、コイル53a~53cの中空部におけるスペースが限られている。このため、FPC55とコイル53a~53cの各々の一端とを接続する半田付け部56a~56cをコイル53a~53cの外周外側に配置する。さらに、半田付け部は56d~56fによって中空部側(内周内側)に位置するFPC55とコイル53a~53cの各々の他端が接続される。
可動枠51とコイル53a~53cとの間と間には隙間が規定されている。これら隙間に加えて、コイル53a~53cに隣接して半田付け部56a~56cを設けるための可動枠凹部(隙間部)57a~57cが可動枠51に形成されている。これら可動枠凹部57a~57cはコイル53a~53cにおいて撮像素子6に最も近い外周の辺よりも遠くに配置される。より好ましくは、可動枠凹部57a~57cを、コイル53a~53cの中空部の中心よりも遠くに配置することが望ましい。
ここで、コイル53a~53cの中空部の中心よりも可動枠凹部57a~57cを、撮像素子6から遠くに配置することについてコイル53aを例に挙げて説明する。
まず、コイル53aに最も近い撮像素子6の一部とコイル53aの巻軸中心とを結ぶ直線96に直交し、かつコイル53aの巻軸に直交して巻軸を通る直線97を引く。そして、直線97を光軸側から投影して、コイル53aを2つの領域に分ける。この場合、撮像素子6と反対側の領域に可動枠凹部57aが配置されたことになる。
より好ましくは、コイル53aの外周よりも撮像素子6から遠くに配置することが望ましい。図4に示すように、撮像素子6から見てコイル53aの外周よりも遠くに可動枠凹部57aが位置する。可動枠凹部57aに半田付け部56aを設けるために、撮像素子6から見て半田付け部56aもコイル53aより撮像素子6から遠くに位置している。以上、ここまでコイル53aを例に可動枠凹部57a、半田付け部56aについて説明したが、コイル53b、53cについても同様な考えのもと撮像素子6から遠くに可動枠凹部57b、57cと半田付け部56b、56cを配置する。なお、可動枠凹部57aの位置と磁場との影響については後述する。
コイル53a~53cは中空部の軸方向が光軸4と略平行になっており、さらに、撮像素子6と略同一平面に配置されている。さらに、コイル53a~53cの中空部には磁気センサ54a~54cが実装されている。
例えば、図3(b)に示す例では、コイル53cの中空部に磁気センサ54cが配置された例が示されている。磁気センサ54a~54cは前述の磁気回路を用いて可動部50が光軸4に対して略直交する方向に移動した際の位置を検出する。磁気センサ54a~54cとして、例えば、ホール素子が用いられる。磁気センサ54a~54cもFPC55に実装され、コネクタ(図示せず)を介して外部と接続される。
コイル53a~53cに電流を流すと(電流を印加すると)、フレミングの左手の法則に応じた力が発生して可動部50が移動する。そして、磁気センサ54a~54cによる検知結果を用いてフィードバック制御が行われる。つまり、磁気センサ54a~54cによる検知結果を用いてコイル53a~53cに流す電流を制御すれば、光軸4に直交する方向において併進方向および略光軸4と平行な軸に回りの回転方向に可動部50を駆動することができる。
例えば、コイル53cの電流を制御することによって、可動部50はX軸に平行な方向に併進移動する。また、コイル53aおよび53bの電流を制御することによって、可動部50をY軸に平行な方向に併進移動又は光軸4と平行な軸の回りに回転移動させることができる。
カメラシステム制御部5は、コイル53a~53cに電流を流す際、駆動電圧を制御するために駆動電圧においてパルス幅のデューティ比を制御する所謂PWM制御を行う。PWM制御においては、高周波の交流信号のデューティ比を制御して電圧を制御することになる。この際には、コイル53a~53cにはPWM制御に応じた駆動電圧による低周波の直流電流とともに、PWM制御の駆動周波数に応じた振幅の小さい高周波の交流電流が重畳して流れることとなる。
このように、コイル53a~53cに電流を流すことによって、コイル53a~53cによって磁場が形成される。そして、当該磁場によって撮像素子6の出力である画像信号に磁気ノイズが生じる。特に、PWM制御の駆動周波数に応じた高周波の電流の変化によって発生する磁場が撮像素子6の出力である画像信号に影響を与える。
図3(b)に示すように、可動枠51に配置された撮像素子6はベースとなる基材部6a、受光部を含むチップ部6b、ガラス部6c、および基材部6aのもつ配線層が接続される基板6dを有している。チップ部6bはシリコン層を有し、受光部は撮影光学系3を介して光を集光し光電変換を行う。そして、チップ部6bの内部には受光部の出力信号を受ける回路部が配置されている。なお、この回路部はチップ部6b、基材部6a、基板6dにまたがって構成されている。また、この回路部は受光部の出力信号の転送回路、増幅回路、デジタル信号への変換回路、前述の各動作に必要な電源、基準電圧配線などが含まれる。
チップ部6bに備えられたランド部はワイヤーボンディング(図示せず)によって基材部6aに備えられた配線層に接続されており、さらに、配線層は基板6dに接続されている。そして、コイル53cが配置される平面と略同一の平面に撮像素子6が配置される。このように、コイル53a~53cと撮像素子6とを配置することによってブレ補正部14を薄型化することができる。なお、図3(b)で説明した撮像素子6は上記の構成に限らず、受光した光を出力信号として回路部に出力できる構成であればよい。したがって、例えば基材部6aを持たず、チップ部6bが直接基板6dにワイヤーボンディング等で接続される構成などであってもよい。
一方、撮像素子6およびコイル53a~53cを可動部50に配置して、さらに略同一平面上に位置づけると、次の問題が生じる。
可動枠51による磁界打消し効果が著しく低くなる可動枠凹部57a~57cが撮像素子6に近接して配置されると、可動枠凹部57a~57cを通って磁場が撮像素子6のチップ部6bに到達する。この結果、磁気ノイズとして撮像素子6で得られる画像に悪影響を与える。
例えば、撮影レンズ2にコイルを有するブレ補正部を備えて、撮影レンズに備えられた防振レンズを光軸に直交する方向に駆動してブレ補正を行う手法がある。この場合には、コイルから撮像素子までの距離が長いので、撮像素子に与える磁場の影響は少ない。
一方、前述のようにブレ補正部14によって撮像素子6を移動させる場合には、可動枠51の形状によってはコイル53a~53cの磁場が撮像素子6に影響を与えることが多く、磁気ノイズによる悪影響が増大する。
そこで、第1の実施形態においては、前述のように可動枠凹部57a~57cを形成して、ブレ補正部14の薄型化を図りつつ、撮像素子6に対するコイル53a~53cの磁場の影響を低減する。
図5は、図4に示す可動部の要部を拡大して、コイルに流れる電流と可動枠から打消し磁界を発生させる打消し電流とを模式的に示す図である。
図5において、破線矢印101および102は、撮像素子6を駆動する際にコイル53cに流れる電流を示す。また、破線矢印103および104は可動枠51に流れる打消し電流を示す。コイル53cに破線矢印101および102で示す電流が流れると、コイル53cに磁場が発生する。
可動枠51はコイル53cを囲うようにして近接配置されている。よって、可動枠51にコイル53cの磁場が結合して、破線矢印103および104で示すように、破線矢印101および102で示す電流とは逆方向の電流が可動枠51に流れる。可動枠51にはコイル53cに流れる電流と逆方向に電流が流れるので、可動枠51からコイル53cの磁場を打ち消す方向に磁場が発生する。
この際、破線矢印101および103で示す電流経路の間隔に比べて、破線矢印104で示す電流経路は、可動枠凹部57cの存在によって破線矢印102で示す電流経路から離れている。従って、破線矢印101および103で示す電流に比べて、破線矢印102および104で示す電流の結合が弱くなって、局所的に磁界打消し効果が低い部位が存在する。可動枠51において、局所的に打消し効果が低い部位ではコイル53cの磁場が多くなる。
なお、図5においては、コイル53cの一方向に電流が流れた場合について説明したが、実際の駆動ではPWM制御を用いているため、交流成分が含まれており逆方向の電流変化もある。これによって、図5に示す破線矢印101~104とは逆の経路を辿る電流が存在するが、可動枠凹部57cによる効果は同様に得られる。
図6は、図3に示す断面図において要部を拡大してコイルの磁場を模式的に示す図である。
図6において、実線矢印81、破線矢印82a~82e、および実線矢印83a~83eはコイル53cで発生した磁場を示す。なお、コイル53cで発生する磁場は、図6に示す磁場よりも密に発生しているが、撮像素子6に対する影響を説明するため、ここでは代表的な磁場を模式的に示す。
コイル53cの中空部の上面側で発生した磁場は実線矢印81で示すように発生し、破線矢印82a~82eおよび実線矢印83a~83eで示すように分岐および合流して、コイル53cの中空部の下面側に達する。前述のように、可動枠51は導電性の高いアルミダイキャストで成形されて所定の厚みを有し、コイル53cの外径側面に対向する面を備えている。
従って、可動枠51はコイル53cで発生する磁場の空間への放射を抑制する。さらに、表皮効果によって磁場は可動枠51をほとんど通過せずに、破線矢印82a、82b、および82c、実線矢印83a、83b、および83cで示すように可動枠51を避けて進む。
破線矢印82dはコイル53cよりも撮像素子6の近くに位置しコイル53cの外径と可動枠51との隙間91を通過する磁場を示す。実線矢印83dは可動枠凹部57cを通過する磁場を示す。破線矢印82aおよび82bで示す磁場は実線矢印81で示す磁場から分岐して、隙間91で合流して破線矢印82dで示す磁場となる。
このうち破線矢印82bで示す磁場のように、撮像素子6のチップ部6bに到達する磁場が強いと撮像素子6に磁気ノイズの影響が生じる。また、破線矢印82cで示す磁場のように、破線矢印82bで示す磁場から分岐して可動枠51を迂回しつつ撮像素子6のチップ部6bに到達する磁場が強いと、同様に撮像素子6に磁気ノイズの影響が生じる。
図6に示すように、半田付け部56cが設けられているので、可動枠凹部57cは隙間91に比べ広くなる。これによって、可動枠51のおける磁界打消し効果は可動枠凹部57cが位置する部位(箇所)で低くなる。よって、破線矢印82a~82eで示す磁場に比べて実線矢印83a~83eで示す磁場の方が強くなる。
図示の例では、可動枠凹部57cを、コイル53cの外周よりも撮像素子6から遠ざけて配置する。よって、可動枠凹部57cの存在によって増加する磁場の撮像素子6に対する影響を低減することができる。
なお、図6においては、コイル53cの一方向に電流が流れた場合の磁場の発生について説明したが、実際の駆動ではPWM制御を用いており、交流成分が含まれるので逆方向の電流の変化がある。これによって、磁場は逆方向のベクトルとして発生し、実線矢印81、破線矢印82a~82e、および実線矢印83a~83eで示す磁場とは逆の経路を辿ることになって、可動枠凹部57cの配置による効果を同様に得ることができる。
なお、ここでは、コイル53cで発生する磁場と可動枠凹部57cとの関係について説明したが、コイル53aおよび53bと可動枠凹部57aおよび57bとにおいても同様の効果が得られ、撮像素子6に達する磁場を低減することができる。
このようにして、可動枠凹部57a~57cをコイル53a~53cの外周よりも、撮像素子6から遠ざけて配置することによって、ブレ補正部14を小型化して撮像素子6に対する磁場の影響を低減することができる。
上述の例では、可動枠凹部57a~57cをコイル53a~53cの外周よりも撮像素子6から遠ざけて配置するようにした。一方、可動枠凹部57a~57cを、少なくともコイル53a~53cの外周で撮像素子6に対向する最も近い辺よりも撮像素子6から遠ざけて配置すれば磁場を低減する効果を得ることができる。なお、コイル53aの外周で撮像素子6に対向する最も近い辺とは、例えば、図4に示す破線98で示す辺である。
より好ましくは、可動枠凹部57a~57cは、コイル53a~53cの中空部の中心よりも撮像素子6から遠ざけて配置することが望ましい。このような構成によって、可動枠凹部57a~57cを通過する大部分の磁場がコイル53a~53cの中空部中心よりも撮像素子6からより離れた磁路を形成する。よって、撮像素子6に到達する磁場をより低減することができる。
さらに、上述の例では、可動枠凹部57a~57cをコイル53a~53cの外径よりも撮像素子6から離れて配置した。これによって、可動枠凹部57a~57cによる磁場が互いに隣接するコイルの中空部に配置した磁気センサなど電子部品に影響することを低減することができる。なお、互いに隣接して配置したコイルとは、例えば、コイル53aおよび53bをいう。
また、上述の例では、可動枠51によってコイル53a~53cの磁場を低減しつつ、可動枠凹部57a~57cの存在で増加した磁場が撮像素子6に影響することを低減できる。可動枠51による磁場低減効果を保って、可動枠凹部57a~57cによる磁場の影響を低減するためには、コイル53a~53cおよび可動枠51が隣接する隙間の間隔を次のように規定することが望ましい。
例えば、コイル53a~53cおよび可動枠51が隣接する隙間の間隔を可動枠凹部57a~57cにおいてコイル53a~53cおよび可動枠51による隙間の長さよりも短くする。具体的には、コイル53a~53cの製造ばらつきを考慮しつつ、可動枠51による磁界打消し効果を高めるため、可動枠51およびコイル53a~53cの隙間を1mm以下とすることが好ましい。
この際、可動枠凹部57a~57cの大きさは半田付け部56a~56cと可動枠51の接触を防止するため、少なくともコイル53a~53cの外周から2mm以上あることが好ましい。
これによって、コイル53a~53cから発生する磁場を可動枠51による磁場打消し効果によってさらに低減することができる。
なお、上述の例では、可動枠凹部57a~57cの配置について説明したが、可動枠凹部57a~57cの全てに適用する必要はなく、撮像素子6と特に距離が近い可動枠凹部など少なくとも一つに適用するようにしてもよい。
このように、本発明の第1の実施形態では、ブレ補正部を小型化して、かつ撮像素子に対する磁場の影響を低減することができる。
[第2の実施形態]
続いて、本発明の第2の実施形態によるブレ補正装置を備えるカメラについて説明する。なお、第2の実施形態によるカメラの構成は図1に示すカメラと同様であり、ブレ補正装置についても図2および図3で説明したブレ補正装置と基本的に同様である。
第2の実施形態では、後述するように、FPC55に設けられた配線パターン55a~55fが半田付け部56a~56fに接続される。なお、半田付け部56a~56cはコイル53a~53cの外周外側に設けられた可動枠凹部57a~57cに配置される。また、半田付け部56d~56fはコイル53a~53cの中空部に配置される。
図7は、本発明の第2の実施形態で用いられるブレ補正装置(ブレ補正部)においてFPC、配線パターン、および半田付け部を示す図である。そして、図7(a)は1つの半田付け部に対して他の半田付け部をコイルの中心点よりも近くに配置した例を示す図である。また、図7(b)は1つの半田付け部に対して他の半田付け部をコイルの中心点a2よりも遠くに配置した例を示す図である。なお、図7においては、コイル53a~53cの位置が破線で示されている。
図7(a)では、半田付け部56aに対して半田付け部56dがコイル53aの中心点a1よりも近くに配置されている。さらに、半田付け部56bに対して半田付け部56eがコイル53bの中心点b1よりも近くに配置され、半田付け部56cに対して半田付け部56fがコイル53cの中心点c1よりも近くに配置されている。
図7(b)では、半田付け部56aに対して半田付け部56dがコイル53aの中心点a2よりも遠くに配置されている。さらに、半田付け部56bに対して半田付け部56eがコイル53bの中心点b2よりも遠くに配置され、半田付け部56cに対して半田付け部56fがコイル53cの中心点c2よりも遠くに配置されている。
図7(a)に示すように、コイル53a~53cに電流を流す際、一方の半田付け部から他方の半田付け部に電流が流れる。よって、コイル53aから、半田付け部56aおよび56dに接続された配線パターン55aおよび55dに流れる電流の向きは逆方向となる。これによって配線パターン55aおよび55dから発生した磁場は逆向きとなって、互いに磁場を打ち消すことになる。
第2の実施形態では、半田付け部56aに対して半田付け部56dがコイル53aの中心点a1よりも近くに配置されている。この結果、配線パターン55aおよび55dを互いに近接して配置することができる。よって、配線パターン55aおよび55dで発生し撮像素子6のチップ部6bに達する磁場を低減することができる。
なお、半田付け部56bおよび56e、そして、半田付け部56cおよび56fも同様に電流の向きは逆方向の関係となる。よって、同様にして半田付け部を互いに近接して配置することによって、配線パターンで発生し撮像素子6のチップ部6bに到達する磁場を低減することができる。
図7(b)に示す例においても、配線パターンで発生する磁場は逆向きとなるので、互いに磁場を打ち消すことになる。一方、半田付け部56aに対して半田付け部56dがコイル53aの中心点a1よりも遠くに配置されているので、配線パターン55aおよび55dを互いに隣接して配線できない区間が生じる。当該区間においては、配線パターン55aおよび55d同士の磁場打消し効果が得られず、配線パターン55aおよび55dで発生する磁場を効果的に低減することが困難となる。
なお、半田付け部56bおよび56e、そして、半田付け部56cおよび56fに関しても、同様に配線パターンにおける電流の向きは逆方向の関係となる。
このように、第2の実施形態では、第1の実施形態で説明したように可動枠凹部57a~57cをコイル53a~53cの外周よりも撮像素子6から離れて配置する。これによって、撮像素子6に達する磁場を低減する。
次に、半田付け部56aおよび56d、半田付け部56bおよび56e、そして、半田付け部56cおよび56fをそれぞれコイル53a、53b、および53cの中心点よりも近くに配置する。これによって、半田付け部および配線パターンによる撮像素子6に対する磁場の影響を低減することができる。
図8は、図7に示す半田付け部の位置関係を説明するための図である。そして、図8(a)は半田付け部が磁石に跨るコイルの配線よりもコイルの中空部中心の近くに位置する例を示す図である。また、図8(b)は半田付け部が磁石に跨るコイルの配線に近接して位置する例を示す図である。
ここでは、説明の便宜上、コイル121、半田付け部122aおよび122b、永久磁石133および134を用いて半田付け部の望ましい位置関係について説明する。
コイル121はその長辺側において永久磁石133に対向する配線部121aと磁石134に対向する配線部121bとを有している。配線部121aは撮像素子(図示せず)に対向し撮像素子に最も近い配線であり、配線部121bは撮像素子に対向し撮像素子に最も遠い配線である。半田付け部122aはコイル121の中空部に位置しおいて、半田付け部122bはコイル121の外周外側に位置する。
図8(a)には、半田付け部122aが紙面表側から見て磁石133および134に跨るコイル121の配線よりも中空部中心95の近くに位置する状態が示されている。また、図8(b)には、半田付け部122aが紙面表側から見て磁石133および134に跨るコイル121の配線に近接して位置する状態が示されている。
ここで、図8(a)に示す状態における半田付け部122bの配置について直線99aを用いて説明する。直線99aは、半田付け部122aを通り、かつ配線部121bに直交する線である。半田付け部122bは配線部121bよりも撮像素子から離れて位置し、かつ配線部121bの配線方向に沿う方向で直線99aを起点に配線部121bの内径側配線長Lの25%の長さ以内(25%以内)に配置される。
このような配置によって、半田付け部122aおよび122bを近接して配置することができ、半田付け部122aおよび122bに接続された配線パターン(図示せず)同士も近づけることができる。この結果、半田付け部122bを配置することによって可動枠凹部によって増加する撮像素子到達磁場を低減しつつ、半田付け部122aおよび122bに接続される配線パターンから発生する磁場も低減することができる。
次に、図8(b)を参照して、直線99bは、図8(a)に示す直線99aと同様に、半田付け部122aを通り、かつ配線部121bに直交する線である。半田付け部122bは配線部121aよりも撮像素子から離れて位置し、かつ配線部121bの配線方向に沿う方向で直線99bを起点に配線部121bの内径側配線長Lの25%の長さ以内に配置される。
なお、図8(b)においては、配線部121bからみて撮像素子(図示せず)とは反対の位置に半田付け部122bが設けられている。ところで、半田付け部122aおよび122bの距離は短いことが望ましいので、例えば、半田付け部122cように磁石133および134に跨るコイル121の配線に沿う位置に半田付け部を設けるようにしてもよい。
このような配置によって、半田付け部122aおよび122bを近接して配置するでき、半田付け部122aおよび122bに接続された配線パターン(図示せず)同士も近づけることができる。この結果、半田付け部122bを配置することによって、可動枠凹部によって増加する撮像素子到達磁場を低減しつつ、半田付け部122aおよび122bに接続される配線パターンから発生する磁場も低減することができる。
このように、本発明の第2の実施形態においても、ブレ補正部を小型化して、かつ撮像素子に対する磁場の影響を低減することができる。
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態によるブレ補正装置(ブレ補正部)を備えるカメラについて説明する。なお、第3の実施形態によるカメラの構成は図1に示すカメラと同様であり、ブレ補正装置についても図2および図3で説明したブレ補正装置と基本的に同様である。
第3の実施形態によるカメラで用いられるブレ補正部は、第1の実施形態で説明したブレ補正部と次の点で異なる。
第3の実施形態に係るブレ補正部は、コイル53a~53cがFPC55に実装される面と反対の面に配置され、光軸4の方向から投影した際に可動枠凹部57a~57cを覆う金属製の遮蔽部材(図示せず)を備えている。これによって、可動枠凹部57a~57cに集中する磁場の経路上に遮蔽部材が配置されことになる。そして、磁場が遮蔽部材に達すると、遮蔽部材に渦電流が流れて、遮蔽部材に達した磁場を打消す磁場が発生する。これによって、可動枠凹部57a~57cに起因して増加するチップ部6bに到達する磁場を低減することができる。
第3の実施形態においては、遮蔽部材は金属製としたが、より好ましくは非磁性の金属であることが望ましい。遮蔽部材を非磁性の金属で成形することによって、より効果的に渦電流による打消し磁界を発生することができる。
さらに、遮蔽部材で生じる打消し磁界は渦電流が流れることで発生する。従って、遮蔽部材は、例えば、アルミニウム又は銅などの導電率が高く、かつ厚い部材を用いることが望ましい。
また、FPC55の補強および撓みを防止するために、FPC55に設ける裏打ち部材を金属として、当該裏打ち部材を遮蔽部材として用いて可動枠凹部57a~57cを覆うようにしてもよい。
さらには、FPC55に貼り付けられ磁石との吸着力で可動部50の保持を補助する磁性金属体を遮蔽部材として用いて、可動枠凹部57a~57cを覆うようにしてもよい。
このように、本発明の第3の実施形態においても、ブレ補正部を小型化して、かつ撮像素子に対する磁場の影響を低減することができる。
[第4の実施形態]
次に、本発明の第4の実施形態によるブレ補正装置(ブレ補正部)を備えるカメラについて説明する。なお、第4の実施形態によるカメラの構成は図1に示すカメラと同様であり、ブレ補正装置についても図2および図3で説明したブレ補正装置と基本的に同様である。
第4の実施形態によるカメラで用いられるブレ補正部は、第1の実施形態で説明したブレ補正部と次の点で異なる。
第4の実施形態に係るブレ補正部は、コイル53a~53cの中空部においてFPC55に実装されたサーミスタ部品(図示せず)を備えている。さらに、第4の実施形態に係るブレ補正部では、可動枠凹部57a~57cに設けられる半田付け部56a~56cがそれぞれコイル53a~53cの中空部に設けられる。
第4の実施形態においては、第1の実施形態に比べてブレ補正部14の駆動能力を高くするためコイル53a~53cのサイズを大きする。ここで、駆動能力とは、例えば、可動枠51の可動範囲およびコイル53a~53cに流す電流に対して得られる駆動力などをいう。
可動枠51の可動範囲を大きくするためには、可動範囲においてコイル53a~53cが移動しても上面固定部60および下面固定部70に配置された磁石の静磁場がコイル53a~53cに到達することができるようにする必要がある。このため、コイル53a~53cのサイズを大きくする必要がある。
また、電流に対して得られる駆動力を大きくするためには、磁石に対向するコイル53a~53cにおいてその配線を長くする必要がある。このためには、コイル53a~53cのサイズを大きくする必要がある。
上述のように、駆動能力を高めるためコイル53a~53cのサイズを大きくすると、コイル53a~53cにおいてその中空部の面積が大きくなる。そこで、第4の実施形態では、コイル53a~53cの中空部に半田付け部56a~56cを配置する。
これによって、可動枠凹部57a~57cが不要となる。この結果、ブレ補正部14を高機能化して、可動枠51による磁場打消し効果を高め、かつ可動枠凹部の存在による磁場を低減することができる。
なお、半田付け部56a~56cをコイル53a~53cの中空部に配置するようにしたが、この際には、同一のコイルに接続された半田付け部は隣接して配置することが望ましい。例えば、コイル53aに接続された半田付け部53aおよび53dを隣接して配置することが望ましい。
コイル53a~53cの中空部には磁気センサ(磁気検出部)およびサーミスタ部品(例えば、温度素子)が配置され、サーミスタ部品によってコイルで発生する熱が測定される。この際には、磁気センサおよびサーミスタ部品を、隣接する半田付け部の外側に配置することが望ましい。これによって、コイルおよび半田付け部に接続された配線パターン部からの磁場を更に低減することができる。
前述のように、コイル53a~53cの中空部には、FPC55に実装されたサーミスタ部品が配置される。これによって、コイル53a~53cに電流を流した際の周囲の温度変化をセンシングして、例えば、異常な温度上昇があった場合に駆動を停止させることができる。
このように、第4の実施形態では、半田付け部56a~56cをコイル53a~53cの中空部に配置する。これによって、可動枠凹部57a~57cが不要となる。さらに、コイル53a~53cの中空部にFPC55に実装されたサーミスタ部品を配置する。これによって、撮像素子6に対する磁場の影響を低減するとともに、ブレ補正部14を高機能化することができる。
なお、上述の例では、コイル53a~53cの中空部にサーミスタ部品を配置するようにしたが、サーミスタ部品は必要な機能向上のための個数であればよい。例えば、コイル53aの中空部にのみサーミスタ部品を設けるようにしてもよい。
さらに、コイル53a~53cの中空部にはサーミスタ部品に代えて、機能向上のための他の部品又はノイズ低減などに必要な部品を配置するようにしてもよい。例えば、可動部50が移動した際の位置検出精度を向上させるための磁気センサを追加するようにしてもよい。
また、半田付け部56a~56cをコイル53a~53cの中空部に設けるようにしたが、半田付け部を全てに適用する必要はなく、撮像素子6と特に距離が近いコイルに半田付け部を適用するようにしてもよい。
さらには、サーミスタ部品をコイル53a~53cの外周外側に配置するようにしてもよい。例えば、コイル53a~53cの外周外側において可動枠51の一部に凹み部を設けてサーミスタ部品を配置するようにしてもよい。この際、可動枠51の凹み部を、光軸4の方向において所定の一定の厚さを有するようにする。
これによって、コイル53a~53cにおいて中空部のスペースが広がって、半田付け部をコイルの中空部に配置することが容易となる。そして、可動枠51の凹み部は光軸4の方向において所定の厚さを有するので、コイル53a~53cの磁場が可動枠51の凹み部を通って撮像素子6に到達すること防止することができる。
なお、可動枠51の凹み部には撮像素子6およびブレ補正部14の機能向上に寄与する部品など他の電子部品を配置するようにしてもよい。
このように、本発明の第4の実施形態においても、ブレ補正部を小型化して、かつ撮像素子に対する磁場の影響を低減することができる。
5 カメラシステム制御部
6 撮像素子
14 ブレ補正部(ブレ補正装置)
50 可動部
51 可動枠
53a~53c コイル
56a~56c 半田付け部
57a~57c 可動枠凹部

Claims (13)

  1. 撮像光学系を介して結像した光学像に応じた画像信号を出力する撮像素子を備える電子機器に用いられ、前記撮像素子を前記撮像光学系の光軸に直交する方向に移動させて前記画像信号が示す画像において生じたブレを補正するブレ補正装置であって、
    前記撮像素子を保持し、前記光軸に直交する方向に移動可能な金属性の可動部材と、
    前記可動部材に配置され電力が供給されるコイルと、
    前記コイルが実装される実装部材と
    前記コイルの外周よりも外側に配置され前記コイルと前記実装部材とを接続する接続部と、
    前記コイルに対向して配置された永久磁石と、を有し、
    前記コイルと前記永久磁石とによって前記可動部材を移動させ、
    前記接続部を配置するために前記可動部材に設けられた隙間部が前記撮像素子に最も近い前記コイルの辺よりも撮像素子から離れた位置に配置されていることを特徴とするブレ補正装置。
  2. 前記電子機器に備えられた固定部材に前記可動部材を移動可能に支持する支持部材を有し、
    前記永久磁石は前記固定部材に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のブレ補正装置。
  3. 前記撮像素子は複数の回路部を備えており、
    前記コイルに最も近い回路部と前記コイルの巻軸中心とを結ぶ直線に直交し、かつ前記コイルの巻軸に直交して前記コイルの巻軸を通る第1の直線を、前記撮像光学系の光軸側から投影して前記コイルを2つの領域に分けた際、前記隙間部は前記撮像素子が配置された領域とは異なる領域に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のブレ補正装置。
  4. 前記コイルの巻き線部と前記巻き線部に隣接する前記可動部材との隙間の長さは前記隙間部における前記巻き線部と前記可動部材との長さよりも短いことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のブレ補正装置。
  5. 前記隙間の長さは1mm以下で、かつ前記隙間部における前記巻き線部と前記可動部材との長さは2mm以上であることを特徴とする請求項4に記載のブレ補正装置。
  6. 前記接続部は、前記コイルの外周よりも外側に配置され前記コイルの一端と接続される第1の接続部と、前記コイルの内周内側に配置され前記コイルの他端と接続される第2の接続部を有し、
    前記第1の接続部を前記コイルの長辺に沿う方向において、前記長辺に直交しかつ前記第2の接続部を通る第2の直線を起点に前記長辺の長さの25%以内に配置することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のブレ補正装置。
  7. 前記実装部材において前記コイルが実装される面と反対の面に配置され前記撮像光学系の光軸側から投影した際に少なくとも前記隙間部を覆うように配置された金属性の遮蔽部材を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のブレ補正装置。
  8. 前記コイルの内周内側には所定の電子部品が配置されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のブレ補正装置。
  9. 前記所定の電子部品は前記コイルで発生する熱を測定する温度素子であることを特徴とする請求項8に記載のブレ補正装置。
  10. 前記所定の電子部品は、前記コイルで生じる磁場を検出する磁気検出部であることを特徴とする請求項8記載のブレ補正装置。
  11. 前記コイルの外周の外側において、前記可動部材には凹み部が形成されており、
    前記凹み部には、前記所定の電子部品とは異なる電子部品が配置されていることを特徴とする請求項8に記載のブレ補正装置。
  12. 請求項1乃至11のいずれか1項に記載されたブレ補正装置と、
    前記撮像素子の出力である画像信号に応じて前記コイルに印加する電力を制御する制御手段と、
    を備えることを特徴とする電子機器。
  13. 前記電子機器は、前記撮像素子の出力である画像信号に所定の画像処理を行って画像データを生成する画像処理手段を有する撮像装置であることを特徴とする請求項12に記載の電子機器。
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