JP7284439B2 - ワーク分割装置及びワーク分割方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ワーク分割装置及びワーク分割方法に係り、特に、半導体ウェーハ等のワークを分割予定ラインに沿って個々のチップに分割するワーク分割装置及びワーク分割方法に関する。
従来、半導体チップ(以下、チップと言う。)の製造にあたり、ダイシングブレードによるハーフカット或いはレーザ照射による改質領域形成により予めその内部に分割予定ラインが形成された半導体ウェーハ(以下、ウェーハと言う。)を、分割予定ラインに沿って個々のチップに分割するワーク分割装置が知られている(特許文献1等参照)。
図15は、ワーク分割装置にて分割される円盤状のウェーハ1が貼付されたウェーハユニット2の説明図であり、図15(A)はウェーハユニット2の斜視図、図15(B)はウェーハユニット2の断面図である。
ウェーハ1は、片面に粘着層が形成された厚さ約100μmのダイシングテープ(拡張テープ又は粘着シートとも言う。)3の中央部に貼付され、ダイシングテープ3は、その外周部が剛性のあるリング状フレーム(以下、フレームと言う。)4に固定されている。
ワーク分割装置では、ウェーハユニット2のフレーム4が、二点鎖線で示すフレーム固定部材(フレーム固定機構とも言う。)7によって固定される。この後、ウェーハユニット2の下方から二点鎖線で示すエキスパンドリング(突上げリングとも言う。)8が上昇移動され、このエキスパンドリング8によってダイシングテープ3が押圧されて放射状に拡張される。このときに生じるダイシングテープ3の張力が、ウェーハ1の分割予定ライン5に付与されることにより、ウェーハ1が個々のチップ6に分割される。分割予定ライン5は、互いに交差するX方向及びY方向に形成されている。分割予定ライン5に関して、X方向と平行な本数とY方向と平行な本数とが同数の場合であって、それぞれの方向の間隔が等しい場合には、分割されたチップ6の形状は正方形となる。また、X方向と平行な本数とY方向と平行な本数とが異なる場合であって、それぞれの方向の間隔が等しい場合には、分割されたチップ6の形状は長方形となる。
ところで、ダイシングテープ3はヤング率が低く柔軟な部材である。このため、ウェーハ1を個々のチップ6に円滑に分割するためには、ダイシングテープ3を冷却し、ダイシングテープ3のバネ定数を大きくした状態でダイシングテープ3を拡張することが考えられる。
特許文献2のテープ拡張装置(ワーク分割装置)は、冷気供給手段を備えている。特許文献2によれば、冷気供給手段を作動して、処理空間内に冷気を供給し、処理空間内を例えば0℃以下に冷却することにより、ダイシングテープを冷却している。
一方、特許文献3のチップ分割離間装置(ワーク分割装置)では、ダイシングテープに異方性があることに着目し、その異方性を加味してダイシングテープを一様にエキスパンドさせるために、フィルム面支持機構を備えている。このフィルム面支持機構は、円周方向において独立した複数の支持機構を備え、複数の支持機構の相対的な高さを個別に制御してダイシングテープの張力を調整することにより、ダイシングテープのX方向の伸びとY方向の伸びを独立して制御している。
ここで、本願明細書において、ダイシングテープ3のうち、ウェーハ1が貼付される平面視円形状の領域を中央部領域3Aと称し、中央部領域3Aの外縁部とフレーム4の内縁部との間に備えられる平面視ドーナツ形状の領域を環状部領域3Bと称し、フレーム4のテープ貼付面4Aに添付される最外周部分の平面視ドーナツ形状の領域を固定部領域3Cと称する。環状部領域3Bが、エキスパンドリング8に押圧されて拡張される領域である。
なお、ウェーハ1の分割に要する力は、すなわち、ウェーハ1を分割するために環状部領域3Bに発生させなければならない張力は、分割予定ライン5の本数が多くなるに従って高くしなければならないことが知られている。分割予定ライン5の本数について、例えば、直径300mmのウェーハ1でチップサイズが5mmの場合には約120本(XY方向に各60本)の分割予定ライン5が形成され、チップサイズが1mmの場合は約600本の分割予定ライン5が形成される。よって、環状部領域3Bに発生させなければならない張力は、チップサイズが小さくなるに従って高くしなければならない。
特開2016-149581号公報 特開2016-12585号公報 特許第5912274号公報
ところで、直径300mmのウェーハ1がマウントされるフレーム4の内径(フレームの内縁部の径)は、SEMI規格(G74-0699 300mmウェーハに関するテープフレームのための仕様)により350mmと定められている。この規格により、図16のウェーハユニット2の縦断面図の如く、ウェーハ1の外縁部とフレーム4の内縁部との間には、25mmの幅寸法を有する環状部領域3Bが存在することになる。また、図17(A)、(B)で示すワーク分割装置の要部縦断面図の如く、フレーム4を固定するフレーム固定部材7は、エキスパンドリング8によって拡張される環状部領域3Bに接触しないように、矢印Aで示すダイシングテープ3の面内方向において環状部領域3Bから外方に離間した位置に設置されている。
このため、エキスパンドリング8の上昇動作によって生じるウェーハ1を分割する力は、(i)環状部領域3Bの全領域を拡張する力、(ii)ウェーハ1をチップ6に分割する力、(iii)隣接するチップ6とチップ6との間のダイシングテープ3を拡張する力の3つの力に分解される。
図18(A)~(E)に示すワーク分割装置の動作図の如く、ダイシングテープ3の環状部領域3Bにエキスパンドリング8が当接し、エキスパンドリング8の上昇動作によってダイシングテープ3の拡張が始まると(図18(A))、まず最もバネ定数の低い環状部領域3Bの拡張が始まる(図18(B))。これにより、環状部領域3Bに張力が発生し、この張力がある程度高まると、高まった張力がウェーハ1に伝達されてウェーハ1のチップ6への分割が始まる(図18(C))。ウェーハ1が個々のチップ6に分割されると、環状部領域3Bの拡張とチップ間のダイシングテープ3の拡張とが同時に進行する(図18(D)~(E))。
従来のワーク分割装置では、直径300mmのウェーハ1において、チップサイズが5mm以上の場合には、環状部領域3Bで発生した張力により、個々のチップ6に問題無く分割することができた。しかしながら、ウェーハ1に形成される回路パターンの微細化に伴いチップサイズがより小さい1mm以下のチップも現れてきた。この場合、ウェーハ1を分割する分割予定ライン5の本数が増加することに起因して、ウェーハ1の分割に要する力が大きくなり、環状部領域3Bの拡張による張力以上の力が必要となる場合があった。そうすると、図19のウェーハユニット2の縦断面図の如く、エキスパンドリング8による拡張動作が終了しても、ウェーハ1に形成された分割予定ライン5の一部が分割されずに未分割のまま残存するという問題が発生した。
このような分割予定ライン5の未分割の問題は、ダイシングテープ3の拡張量や拡張速度を増加させても解消することはできない。例えば、ダイシングテープ3の拡張量を増やした場合には、環状部領域3Bが塑性変形を始めてしまうからである。塑性変形中の環状部領域3Bのバネ定数は、弾性変形中のバネ定数よりも小さいことから、環状部領域3Bの弾性変形を超えた領域では、ウェーハ1を個々のチップ6に分割する張力は発生しない。一方、ダイシングテープ3の拡張速度を増やした場合でも、環状部領域3Bの一部分が塑性変形を始めてしまうので、ウェーハ1を個々のチップ6に分割する張力は発生しない。これはダイシングテープ3の周波数応答が低いため、ダイシングテープ3の全体に時間差なく力が伝達しないからである。
分割予定ライン5の未分割の問題を解消するために特許文献2では、ダイシングテープを冷却し、ダイシングテープのバネ定数を大きくすることで対応しているが、近年の1mm以下の小チップに対しては十分な効果を得ることができない。
また、特許文献3のチップ分割離間装置は、ダイシングテープのX方向の伸びとY方向の伸びを独立して制御することはできるが、環状部領域の拡張による張力以上の力をウェーハに付与することができないので、分割予定ラインの未分割の問題を解消することはできない。
本発明はこのような問題に鑑みて成されたものであり、チップサイズが小チップの場合に生じる分割予定ラインの未分割問題を解消することができるワーク分割装置及びワーク分割方法を提供することを目的とする。
本発明のワーク分割装置は、本発明の目的を達成するために、ワークの外径よりも大きい内径を有するリング状のフレームにダイシングテープの外周部が固定され、ダイシングテープに貼付されたワークを分割予定ラインに沿って個々のチップに分割するワーク分割装置において、ダイシングテープにおけるワークの貼付面と反対側の裏面側に配置され、フレームの内径よりも小さく、かつワークの外径よりも大きい開口部を有するリング状に形成されたエキスパンドリングであって、ダイシングテープに対し相対的に近づく方向に移動されることにより、ダイシングテープのうちワークの外縁部とフレームの内縁部との間の環状部領域を押圧して拡張するエキスパンドリングと、ダイシングテープにおけるワークの貼付面と同一側に配置され、フレームの内径よりも小さく、かつエキスパンドリングの外径よりも大きい開口部を有するリング状に形成された拡張規制リングであって、環状部領域のうち拡張規制リングに当接された当接部を境として外周側に位置する外周側領域の拡張を規制する拡張規制リングと、拡張規制リングを外周側領域の拡張を規制する規制位置と、規制位置から退避した退避位置との間で進退移動させる拡張規制リング移動機構であって、規制位置を調整可能な拡張規制リング移動機構と、を備える。
本発明の一形態は、規制位置は、フレームのダイシングテープが貼付されたテープ貼付面と同一面上の第1規制位置であることが好ましい。
本発明の一形態は、規制位置は、フレームのダイシングテープが貼付されたテープ貼付面よりもエキスパンドリングが配置される側の第2規制位置であることが好ましい。
本発明の一形態は、ダイシングテープにおけるワークの貼付面と反対側の裏面側に配置され、フレームの内径よりも大きい弾性変形可能な嵌合部を有するリング状に形成された拡張保持リングであって、拡張規制リング移動機構によって拡張規制リングを規制位置から退避位置に移動させた後、嵌合部がフレームの表面に嵌合することによりダイシングテープの拡張状態を保持する拡張保持リングと、を備えることが好ましい。
本発明のワーク分割方法は、本発明の目的を達成するために、ワークの外径よりも大きい内径を有するリング状のフレームにダイシングテープの外周部が固定され、ダイシングテープに貼付されたワークを分割予定ラインに沿って個々のチップに分割するワーク分割方法において、ダイシングテープにおけるワークの貼付面と反対側の裏面側に配置されたエキスパンドリングを、ダイシングテープに対して相対的に近づく方向に移動させることにより、ダイシングテープのうちワークの外縁部とフレームの内縁部との間の環状部領域をエキスパンドリングによって押圧して拡張する拡張工程と、拡張工程が行われるときに、ダイシングテープにおけるワークの貼付面と同一側に配置された拡張規制リングと環状部領域とを規制位置にて当接させて、拡張規制リングに当接された当接部を境として外周側に位置する外周側領域の拡張を規制する拡張規制工程と、を備える。
本発明の一形態は、規制位置は、フレームのダイシングテープが貼付されたテープ貼付面と同一面上の第1規制位置であることが好ましい。
本発明の一形態は、規制位置は、フレームのダイシングテープが貼付されたテープ貼付面よりもエキスパンドリングが配置される側の第2規制位置であることが好ましい。
本発明の一形態は、ダイシングテープにおけるワークの貼付面と反対側の裏面側に配置された拡張保持リングを、ダイシングテープに対して相対的に近づく方向に移動させることにより、拡張保持リングの外周部に形成された弾性変形可能な嵌合部をフレームの表面に嵌合させてダイシングテープの拡張状態を保持する拡張状態保持工程と、を備えることが好ましい。
本発明によれば、チップサイズが小チップの場合に生じる分割予定ラインの未分割問題を解消することができる。
第1実施形態のワーク分割装置の要部構造図 図1に示したワーク分割装置の要部拡大斜視図 拡張途中の環状部領域の形状を示したウェーハユニットの要部拡大断面図 拡張保持リングによるダイシングテープの拡張状態を示した縦断面図 図4の要部拡大断面図 ワーク分割装置の制御系を示したブロック図 ウェーハ分割方法の一例を示したフローチャート ワーク分割装置の動作説明図 ワーク分割装置の動作説明図 ワーク分割装置による他のワーク分割方法を説明した構造図 拡張途中の環状部領域の形状を示したウェーハユニットの要部拡大断面図 突き上げ量に対する拡張率の変化を算出したグラフ 拡張工程時の動作を示した概略図 突き上げ速度に対する拡張率速度の変化を算出したグラフ ウェーハが貼付されたウェーハユニットの説明図 ウェーハユニットの縦断面図 ワーク分割装置の要部側面図 ワーク分割装置の動作図 ウェーハが分割されたウェーハユニットの縦断面図
以下、添付図面に従って本発明に係るワーク分割装置及びワーク分割方法の好ましい実施形態について詳説する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲であれば、以下の実施形態に種々の変形及び置換を加えることができる。
図1は、実施形態に係るワーク分割装置10の要部縦断面図であり、図2は、ワーク分割装置10の要部拡大斜視図である。なお、ワーク分割装置10によって分割処理されるウェーハユニットのサイズは限定されるものではないが、実施形態では、図15に示した直径300mmのウェーハ1がマウントされたウェーハユニット2を例示する。
図2の如く、ワーク分割装置10は、分割予定ライン5が形成されたウェーハ1を分割予定ライン5に沿って個々のチップ6に分割する装置である。分割予定ライン5は、互いに直交するX方向及びY方向に複数本形成される。実施形態では、X方向と平行な分割予定ライン5の本数と、Y方向と平行な分割予定ライン5の本数とがそれぞれ300本でそれぞれの間隔が等しいウェーハ1、すなわち、チップサイズが1mmのチップ6に分割されるウェーハ1を例示する。
ウェーハ1は図1、図2の如く、ダイシングテープ3の中央部に貼付される。このダイシングテープ3は、ダイシングテープ3の固定部領域3Cがフレーム4のテープ貼付面4Aに貼付(固定)されている。ダイシングテープ3は、ウェーハ1が貼付される平面視円形状の中央部領域3A、及び中央部領域3Aの外縁部(ウェーハ1の外縁部)とフレーム4の内縁部との間の平面視ドーナツ形状の環状部領域3Bを有する。
ウェーハ1の厚さは、例えば50μm程度である。また、ダイシングテープ3としては、例えばPVC(polyvinyl chloride:ポリ塩化ビニール)系のテープが使用される。なお、ウェーハ1をDAF(Die Attach Film)等のフィルム状接着材を介してダイシングテープ3に貼付してもよい。フィルム状接着材としては、例えばPO(polyolefin:ポリオレフィン)系のものを使用することができる。
ワーク分割装置10は、フレーム4を固定するフレーム固定部材7と、ダイシングテープ3の環状部領域3Bを下方側から上方側に押圧してダイシングテープ3を拡張するエキスパンドリング14と、ダイシングテープ3の環状部領域3Bに上方側から当接される拡張規制リング16と、エキスパンドリング14によって拡張されたダイシングテープ3の拡張状態を保持する拡張保持リング18と、を備える。
フレーム固定部材7は、ダイシングテープ3におけるウェーハ1の貼付面と同一側に配置され、その下面7Aにフレーム4の表面4Bが固定される。また、フレーム固定部材7は、エキスパンドリング14によって拡張される環状部領域3Bに接触しないように、矢印Aで示すダイシングテープ3の面内方向において環状部領域3Bから外方に離間した位置に設置されている。
図2の如く、フレーム固定部材7の形状は、フレーム4の内径(350mm)よりも大きい、例えば直径361mmの開口部7Bを有するリング状である。
エキスパンドリング14は、ダイシングテープ3におけるウェーハ1の貼付面と反対側の裏面側に配置され、フレーム4の内径(350mm:図16参照)よりも小さく、かつウェーハ1の外径(300mm:図16参照)よりも大きい拡張用開口部(開口部)14Aを有する。エキスパンドリング14は、ダイシングテープ3に対して相対的に近づく方向に移動自在に配置される。具体的には、エキスパンドリング14は、ダイシングテープ3の環状部領域3Bの裏面を上方側に押圧して環状部領域3Bを拡張する拡張位置(図1の二点鎖線で示す位置)と、環状部領域3Bから下方に退避した退避位置(図1の実線で示す位置)との間で上下方向に移動自在に配置される。
ワーク分割装置10には、エキスパンドリング14を拡張位置と退避位置との間で上下移動させるエキスパンドリング移動機構20が備えられている。エキスパンドリング移動機構20の一例として、送りネジ装置を例示するが、これに代えてエアシリンダ装置等のアクチュエータを使用することもできる。退避位置に位置されているエキスパンドリング14をエキスパンドリング移動機構20によって拡張位置に向けて移動させると、エキスパンドリング14は、環状部領域3Bに向けて矢印B方向に上昇移動される。これによって、環状部領域3Bの裏面がエキスパンドリング14に押圧されて放射状に拡張される。
拡張規制リング16は、ダイシングテープ3におけるウェーハ1の貼付面と同一側に配置され、フレーム4の内径(350mm:図15参照)よりも小さく、かつエキスパンドリング14の外径よりも大きい拡張規制用開口部(開口部)16Bを有する。一例として拡張規制用開口部16Bの直径は、338mmである。
拡張規制リング16は、環状部領域3Bの表面にその下縁部16Aが当接される第1規制位置(図1の二点鎖線で示す位置)と、第1規制位置から上方に退避した退避位置(図1の実線で示す位置)との間で上下移動自在に配置される。
第1規制位置とは、拡張規制リング16によって外周側領域3Eの拡張を規制する位置であって、図1では、拡張規制リング16の下縁部16Aが、フレーム4のテープ貼付面4Aと同一面上に位置する位置に第1規制位置が設定されている。なお、外周側領域3Eとは、環状部領域3Bのうち拡張規制リング16の下縁部16Aに当接された当接部3Dを境として外周側に位置する領域である。また、環状部領域3Bのうち外周側領域3Eを除く領域が内周側領域3Fであり、この内周側領域3Fがエキスパンドリング14によって拡張される領域である。
ワーク分割装置10には、拡張規制リング16を第1規制位置と退避位置との間で上下移動させる拡張規制リング移動機構22が備えられている。拡張規制リング移動機構22の一例として、エアシリンダ装置を例示するが、これに代えて送りネジ装置等のアクチュエータを使用することもできる。
図3は、エキスパンドリング14によって拡張途中の環状部領域3Bの形状を示したウェーハユニット2の要部拡大断面図である。
図3に示すように、エキスパンドリング14による環状部領域3Bの拡張の際には、エキスパンドリング14による拡張動作に先立って、拡張規制リング16が第1規制位置に位置されている。つまり、ダイシングテープ3の外周側領域3Eの拡張が拡張規制リング16によって予め規制されている。このため、実施形態のワーク分割装置10によれば、エキスパンドリング14が環状部領域3Bに当接した直後から内周側領域3Fの拡張が開始される。
実施形態では、図1の如く、拡張規制用開口部16Bの径が338mmに設定されているので、拡張規制リング16によって拡張が規制される外周側領域3Eの幅寸法が6mmに設定され、エキスパンドリング14によって拡張される内周側領域3Fの幅寸法が19mmに設定されている。
ここで、環状部領域3Bのうち、エキスパンドリング14によって拡張される内周側領域3Fが、ウェーハ1の分割に実質的に寄与する領域となる。この内周側領域3Fの幅寸法を小さくするに従い、内周側領域3Fのバネ定数が大きくなるので、内周側領域3Fからウェーハ1に付与する張力が増加する。このため、内周側領域3Fの幅寸法を決定する拡張規制用開口部16Bの直径は、分割予定ライン5の本数等で規定される分割条件に応じて設定される。
一方、ダイシングテープ3の拡張状態を保持する拡張保持リング18は、ダイシングテープにおけるウェーハ1の貼付面と反対側の裏面側に配置される。また、拡張保持リング18は、外径がフレーム4の内径(350mm)よりも小さく、内径がエキスパンドリング14の外径よりも大きい本体リング28と、本体リング28の外周部に装着されて、外径(351.3mm)がフレーム4の内径(350mm)よりも大きい弾性変形可能なリング状の嵌合部30と、を有する。
図4は、拡張保持リング18によってダイシングテープ3の拡張状態が保持された断面図である。図5は、図4の要部拡大断面図である。
図4及び図5の如く、拡張保持リング18の嵌合部30は、実線で示す嵌合位置でフレーム4の表面4Bにダイシングテープ3の環状部領域3Bを介して嵌合する。これにより、ダイシングテープ3の拡張状態が拡張保持リング18によって保持される。
拡張保持リング18は、拡張保持前においては、図4及び図5の実線で示す嵌合位置から下方の待機位置(図1の実線で示す位置)に待機されており、拡張保持工程時に待機位置から嵌合位置に上昇移動される。
ワーク分割装置10には、拡張保持リング18を待機位置と嵌合位置との間で上下移動させる拡張保持リング移動機構32(図1参照)が備えられている。拡張保持リング移動機構32の一例として、送りネジ装置を例示するが、これに代えてエアシリンダ装置等のアクチュエータを使用することもできる。
拡張保持リング移動機構32によって拡張保持リング18が上昇されると、嵌合部30はフレーム4の下面に当接する。その後、嵌合部30は、フレーム4の内周面に押されて弾性変形しながら上昇し、フレーム4の内周面を通過したところでフレーム4の表面4Bに嵌合する。これによって、ダイシングテープ3の拡張状態が保持される。
図1に戻り、エキスパンドリング移動機構20、拡張規制リング移動機構22及び拡張保持リング移動機構32は、図6の制御系のブロック図の如く、ワーク分割装置10を統括制御する制御部34によって、その動作が制御されている。制御部34は、CPU(Central Processing Unit)とRAM(Random access memory)とを有し、RAMには、エキスパンドリング移動機構20、拡張規制リング移動機構22及び拡張保持リング移動機構32を所定の順序で動作させるためのプログラムが記憶されている。
次に、制御部34による各機構の制御例を、図7のフローチャート、図8(A)~(D)及び図9(A)~(D)に示すワーク分割装置10の動作説明図に基づいて説明する。
まず、図7の配置工程(S100)では、図8(A)の如く、エキスパンドリング14と拡張規制リング16がそれぞれ退避位置に配置されるとともに、拡張保持リング18が待機位置に配置される。
次に、図7の固定工程(S110)では、図8(B)の如く、ウェーハユニット2のフレーム4がフレーム固定部材7に固定される。
次に、図7の拡張規制工程(S120)では、図8(C)の如く、拡張規制リング16が退避位置から第1規制位置に移動される。
次に、図7の拡張開始工程(S130)では、図8(D)の如く、エキスパンドリング14が、図8(A)の退避位置から拡張位置に向けて上昇移動され、環状部領域3Bの拡張が開始される。
この拡張開始工程(S130)では、環状部領域3Bの表面に拡張規制リング16の下縁部16Aが予め当接されて外周側領域3Eの拡張が規制されているので、内周側領域3Fがエキスパンドリング14によって拡張されていく。また、既述の拡張規制工程(S120)は、拡張開始工程(S130)から後述の分割工程(S140)の終了時に至るまでの拡張工程と共に行われる工程である。つまり、本発明の拡張工程は、拡張開始工程(S130)から分割工程(S140)の終了時に至るまでの工程を指している。
次に、図7の分割工程(S140)では、図9(A)の如く、エキスパンドリング14の上昇移動により内周側領域3Fの拡張を継続し、この間でウェーハ1を個々のチップ6に順次分割していく。この後、図9(B)の如く、エキスパンドリング14が拡張位置に到達したところで、エキスパンドリング14の上昇移動を停止する。この時点で既述の拡張工程が終了する。
このような拡張工程では、外周側領域3Eの拡張が拡張規制リング16によって規制されながら、内周側領域3Fのみがエキスパンドリング14によって拡張されていく。つまり、内周側領域3Fに発生した張力がウェーハ1に付与される。
具体的に説明すると、拡張工程では、拡張規制用開口部16Bの径が338mmの拡張規制リング16を使用することにより、ウェーハ1の分割に寄与する領域の長さが25mm(環状部領域3Bの幅寸法)から19mm(内周側領域3Fの幅寸法)に短縮されている。このため、内周側領域3Fのバネ定数が増大し、その増大したバネ定数に対応する張力がウェーハ1に付与される。
したがって、実施形態のワーク分割方法によれば、拡張規制工程(S120)を備えているので、チップサイズが小チップ(1mm)であっても個々のチップ6に分割するだけの張力をウェーハ1に付与することができる。よって、チップサイズが小チップ(1mm)の場合に生じる分割予定ラインの未分割問題を解消することができる。
次に、図7の分割工程(S140)が終了すると、図7の拡張規制リング退避工程(S150)では、図9(C)の如く、拡張規制リング16が退避位置に移動される。
次に、図7の拡張状態保持工程(S160)では、図9(C)の如く、拡張保持リング18が待機位置から嵌合位置に向けて上昇されて、嵌合部30がフレーム4の表面4Bに嵌合する。これにより、拡張保持リング18によってダイシングテープ3の拡張状態が保持される。
このように実施形態のワーク分割方法では、拡張工程が行われた後、拡張規制リング退避工程(S150)が行われ、拡張規制リング退避工程(S150)が行われた後、拡張状態保持工程(S160)が行われる。
次に、図7のエキスパンドリング退避工程(S170)では、図9(D)の如く、エキスパンドリング14が下降移動されて退避位置に戻る。このとき、ダイシングテープ3は、拡張保持リング18によって弛むことなく拡張状態が保持されている。これにより、拡張されたダイシングテープ3が弛むことによって生じるチップ6同士の接触を防止することができるので、チップ6の品質低下を防止することができる。
上記の如く実施形態のワーク分割方法によれば、チップサイズが小チップの場合に生じる分割予定ラインの未分割問題を解消でき、かつ分割後のチップ同士の接触に起因するチップの品質低下の問題も消することができる。
また、実施形態のワーク分割方法によれば、拡張工程において、外周側領域3Eの拡張が拡張規制リング16によって規制されている。このため、外周側領域3Eのダイシングテープ3は伸びておらず、その厚さは元の厚さの状態が保持されている。これにより、拡張状態保持工程(S160)において、拡張保持リング18が外周側領域3Eを引き延ばした状態でフレーム4に装着された場合でも、外周側領域3Eが破れることを防止できる。
また、分割工程(S140)の後工程において、拡張後の弛んだ内周側領域3Fを光加熱によって熱収縮させて再度緊張させる熱収縮工程が行われる場合がある。このような熱収縮工程を行うことにより、内周側領域3Fを再度緊張させることができるので、分割工程(S140)の後工程でのウェーハユニット2の処理が容易になるという効果がある。
また、図7の拡張開始工程(S130)の前工程にて、不図示の冷却手段により内周側領域3Fを予め低温に冷却しておくことが好ましい。これにより、内周側領域3Fのバネ定数を、拡張開始工程(S130)に先立って増大させておくことができる。冷却手段としては、内周側領域3Fに接触して冷却する接触式のもの、又は冷気を内周側領域3Fに噴射して冷却する風冷式のものを例示することができる。
また、拡張規制リング16の下縁部16Aには、一例として算術平均粗さ(Ra)が1.6(μm)となる表面加工が施されていることが好ましい。これにより、下縁部16Aと環状部領域3Bとの間に好適な摩擦力が発生し、この摩擦力によって、下縁部16Aと環状部領域3Bとが相対的に滑ることを防止することができる。
また、拡張規制リング16の下縁部16Aのエッジには、一例としてC0.2の面取り加工が施されていることが好ましい。これにより、下縁部16Aのエッジによって環状部領域3Bが破れることを防止することができる。
次に、ワーク分割装置10による他のワーク分割方法について説明する。
図10には、他のワーク分割方法を説明するためのワーク分割装置10の構造図が示されている。また、図11には、他のワーク分割方法によって拡張途中の環状部領域3Bの形状を示したウェーハユニット2の要部拡大断面図が示されている。
図8及び図9に示したワーク分割方法に対する、図10及び図11に示すワーク分割方法の相違点は、拡張規制リング16の規制位置を、第1規制位置よりもエキスパンドリング14が配置される側の第2規制位置に変更した点にある。このような規制位置の調整は、図6に示した拡張規制リング移動機構22によって行われる。
図10及び図11に示すワーク分割方法によれば、エキスパンドリング14の拡張動作に先立って、環状部領域3Bの表面が拡張規制リング16の下縁部16Aによって予め押下されているので、内周側領域3Fが拡張規制リング16によって予め拡張されている。
このように、内周側領域3Fを予め拡張させておくことにより、環状部領域3Bの突き上げ量を同一とした場合における内周側領域3Fの拡張量(張力)を、図8及び図9のワーク分割方法よりも増大させることができる。換言ずれば、図10及び図11に示すワーク分割方法によれば、図8及び図9のワーク分割方法よりも、小さな突き上げ量で、図8及び図9のワーク分割方法と同等の拡張量(張力)を得ることができる。
図12のグラフは、ダイシングテープ3の拡張率(%)が縦軸に示され、エキスパンドリング14の上昇移動による環状部領域3Bの突き上げ量(mm)が横軸に示されている。また、図12では、後述するように突き上げ量に応じた拡張率が、拡張規制リング16の規制位置毎に異なることが示されている。
具体的に説明すると、図12の線Aは、拡張規制リング16の規制位置を第1規制位置(図8(C)参照)に設定した場合の拡張率の変化を示している。また、線Bは、拡張規制リング16の規制位置を第2規制位置(図11参照)に設定した場合の拡張率の変化を示している。
また、線Cは、拡張規制リング16の規制位置を第3規制位置に設定した場合の拡張率の変化を示している。第3規制位置とは、第1規制位置よりも拡張規制リング16が配置される側の位置であるが、その一例として、フレーム4の表面4B(図3参照)と同一面上の位置に第3規制位置を設定した場合の拡張率の変化が線Cに示されている。また、線Dは、拡張規制リング16を使用しない場合の拡張率の変化を示している。
なお、図12に示したグラフは、図13に示す各部材の寸法に基づいて算出された拡張率の一例である。
すなわち、この例では、図13に示すように、フレーム4の内径D1を350mm、フレーム4の厚さtを1.5mm、拡張規制リング16の拡張規制用開口部16Bの径D2を338mm、ローラ36の配置径D3を323.2mmとしている。図12に示した線A、B、Cの拡張率は、これらの寸法とローラ36の直径dを7mmとして算出し、線Dの拡張率は、これらの寸法とローラ36の直径dを5mmとして算出したものである。また、図13の符号xは、エキスパンドリング14の上昇移動による環状部領域3Bの突き上げ量(mm)を示している。
以下、図12に基づいて、拡張規制リング16の規制位置に応じた各拡張率の変化について説明する。
まず、拡張規制リング16を第3規制位置した場合(線C参照)には、エキスパンドリング14の上昇移動により環状部領域3Bが突き上げられていき、突き上げ量が1.5mm(=フレーム4の厚さt)に到達すると環状部領域3Bが拡張規制リング16の下縁部
16Aに接触する。その接触した直後からの拡張率が、拡張規制リング16を適用しない場合(線D参照)の拡張率よりも高くなる。
これに対して、拡張規制リング16の規制位置を第1規制位置に設定した場合(線A参照)には、拡張動作に先立って、拡張規制リング16の下縁部16Aが環状部領域3Bの表面に予め当接されているため、環状部領域3Bにエキスパンドリング14が接触した直後からの拡張率が、第3規制位置での拡張率(線C参照)よりも高くなる。
また、拡張規制リング16の規制位置を第2規制位置に設定した場合(線B参照)には、拡張動作に先立って、拡張規制リング16の下縁部16Aが環状部領域3Bを予め押下しているので、拡張動作を開始する前から拡張率は0%を超えている。このため、環状部領域3Bの突き上げ量を同一とした場合における拡張率が、第1規制位置に設定した場合の拡張率(線A参照)よりも高くなる。
このように、拡張規制リング16を第1~第3規制位置のいずれかの位置に配置した状態でエキスパンドリング14を用いて環状部領域3Bを拡張することにより、拡張規制リング16を適用しない場合と比較して、ウェーハ1をチップ6に分割するための十分な張力が得られる。特に、テープ貼付面4Aと同一面上の第1規制位置、又はテープ貼付面4Aよりもエキスパンドリング14が配置される側の第2規制位置に拡張規制リング16を配置した場合には、テープ貼付面4Aよりも拡張規制リング16が配置される側の第3規制位置に配置した場合と比較して、エキスパンドリング14を上昇させた直後から高い張力が得られるので、より効果的にウェーハ1をチップ6に分割することができる。
図14は、図12に示した線A、B、C、Dの各拡張率(%)の単位時間当たりの上昇率(以下、拡張率速度(%/sec)と言う。)の変化を示したグラフである。
図14のグラフは、拡張率速度(%/sec)が左縦軸に示され、環状部領域3Bの突き上げ速度(mm/sec)が右縦軸に示され、エキスパンドリング14の上昇移動による環状部領域3Bの突き上げ量(mm)が横軸に示されている。
図14では、一例として、環状部領域3Bの突き上げ速度を一定とした場合における、拡張率速度の変化が示されている。拡張率速度が速いほど、ダイシングテープ3に発生する張力が高くなりウェーハ1をチップ6毎に分割する力が高くなる。
図14の線Eは、0.00mm~20.00mmまでの突き上げ量における突き上げ速度の変化を示している。換言すると線Eは、エキスパンドリング14の上昇移動速度を示している。線Eによれば、エキスパンドリング14は、0.00mm~約18.50mmの範囲内では一定の速度(200mm/sec)で上昇移動し、それ以降は減速しながら20.00mmまで上昇移動する。
図14の線Fは、図12の線Dの拡張率に対応した拡張率速度の変化を示している。また、線Gは、図12の線Cの拡張率に対応した拡張率速度の変化を示している。また、線Hは、図12の線A、Bの拡張率に対応した拡張率速度の変化を示している。
図14の線F、G、Hで示す各拡張率速度によれば、突き上げ量に応じてそれぞれ上昇していき、突き上げ量が約18.50mmに到達した時点で最大(最大拡張率速度)となり、それ以降はそれぞれ下降していく。
ここで、拡張規制リング16による規制位置を第3規制位置に設定した場合(線G参照)には、突き上げ量が約3.00mmを超えてからの拡張率速度が、拡張規制リング16を適用しない場合(線F参照)よりも速くなり、最大拡張率速度が増加(約95%/secから約115%/secに増加)する。これにより、ダイシングテープ3に発生する張力が、拡張規制リング16を適用しない場合の張力よりも増加するので、既述の未分割問題を解消することができる。
一方、拡張規制リング16を第1規制位置又は第2規制位置に設定した場合(線H参照)には、環状部領域3Bの突き上げ量を同一とした場合における拡張率速度が、第3規制位置に設定した場合(線G参照)よりも速くなる。なお、最大拡張率速度の増加分は、第3規制位置に設定した場合(線G参照)と略等しい。
このように、拡張規制リング16を第1規制位置又は第2規制位置に設定することにより、環状部領域3Bの突き上げ量を同一とした場合における拡張率と(図12参照)と最大拡張率速度(図14参照)が、第3規制位置に設定した場合よりも速くなるので、拡張開始直後から大きな張力をウェーハ1に付与することができる。よって、第3位置に設定した場合よりも、既述の未分割問題をより効果的に解消することができる。
なお、図10及び図11に示した他の分割方法では、第1規制位置からエキスパンドリング14が配置される側に3mm移動した位置を第2規制位置に設定したが第2規制位置は、この位置に限定されるものではない。第2規制位置については、種々のチップサイズのウェーハに対し、小さな突き上げ量で最適な張力を付与することができる位置に設定することが好ましい。また、第3規制位置は、フレーム4の表面4Bと同一面上の位置に限定されるものではなく、第1規制位置よりも拡張規制リング16が配置される側の位置であればよい。
1…ウェーハ、2…ウェーハユニット、3…ダイシングテープ、3A…中央部領域、3B…環状部領域、3C…固定部領域、3D…当接部、3E…外周側領域、3F…内周側領域、4…フレーム、4A…テープ貼付面、5…分割予定ライン、6…チップ、7…フレーム固定部材、8…エキスパンドリング、14…エキスパンドリング、16…拡張規制リング、18…拡張保持リング、20…エキスパンドリング移動機構、22…拡張規制リング移動機構、28…本体リング、30…嵌合部、32…拡張保持リング移動機構、34…制御部、36…ローラ

Claims (8)

  1. ワークの外径よりも大きい内径を有するリング状のフレームにダイシングテープの外周部が固定され、前記ダイシングテープに貼付された前記ワークを分割予定ラインに沿って個々のチップに分割するワーク分割装置において、
    前記ダイシングテープにおける前記ワークの貼付面と反対側の裏面側に配置され、前記フレームの内径よりも小さく、かつ前記ワークの外径よりも大きい開口部を有するリング状に形成されたエキスパンドリングであって、前記ダイシングテープに対し相対的に近づく方向に移動されることにより、前記ダイシングテープのうち前記ワークの外縁部と前記フレームの内縁部との間の環状部領域を押圧して拡張する前記エキスパンドリングと、
    前記ダイシングテープにおける前記ワークの貼付面と同一側に配置され、前記フレームの内径よりも小さく、かつ前記エキスパンドリングの外径よりも大きい開口部を有するリング状に形成された拡張規制リングであって、前記環状部領域のうち前記拡張規制リングに当接された当接部を境として外周側に位置する外周側領域の拡張を規制する前記拡張規制リングと、
    前記拡張規制リングを前記外周側領域の拡張を規制する規制位置と、前記規制位置から退避した退避位置との間で進退移動させる拡張規制リング移動機構であって、前記規制位置を調整可能な拡張規制リング移動機構と、
    を備える、ワーク分割装置。
  2. 前記規制位置は、前記フレームの前記ダイシングテープが貼付されたテープ貼付面と同一面上の第1規制位置である、
    請求項1に記載のワーク分割装置。
  3. 前記規制位置は、前記フレームの前記ダイシングテープが貼付されたテープ貼付面よりも前記エキスパンドリングが配置される側の第2規制位置である、
    請求項1に記載のワーク分割装置。
  4. 前記ダイシングテープにおける前記ワークの貼付面と反対側の裏面側に配置され、前記フレームの内径よりも大きい弾性変形可能な嵌合部を有するリング状に形成された拡張保持リングであって、前記拡張規制リング移動機構によって前記拡張規制リングを前記規制位置から前記退避位置に移動させた後、前記嵌合部が前記フレームの表面に嵌合することにより前記ダイシングテープの拡張状態を保持する拡張保持リングと、を備える、
    請求項1から3のいずれか1項に記載のワーク分割装置。
  5. ワークの外径よりも大きい内径を有するリング状のフレームにダイシングテープの外周部が固定され、前記ダイシングテープに貼付された前記ワークを分割予定ラインに沿って個々のチップに分割するワーク分割方法において、
    前記ダイシングテープにおける前記ワークの貼付面と反対側の裏面側に配置されたエキスパンドリングを、前記ダイシングテープに対して相対的に近づく方向に移動させることにより、前記ダイシングテープのうち前記ワークの外縁部と前記フレームの内縁部との間の環状部領域を前記エキスパンドリングによって押圧して拡張する拡張工程と、
    前記拡張工程が行われるとき、前記ダイシングテープにおける前記ワークの貼付面と同一側に配置された拡張規制リングと前記環状部領域とを規制位置にて当接させて、前記拡張規制リングに当接された当接部を境として外周側に位置する外周側領域の拡張を規制する拡張規制工程とを備え、
    前記拡張規制リングの前記規制位置が調整可能である、ワーク分割方法。
  6. 前記規制位置は、前記フレームの前記ダイシングテープが貼付されたテープ貼付面と同一面上の第1規制位置である、
    請求項5に記載のワーク分割方法。
  7. 前記規制位置は、前記フレームの前記ダイシングテープが貼付されたテープ貼付面よりも前記エキスパンドリングが配置される側の第2規制位置である、
    請求項5に記載のワーク分割方法。
  8. 前記ダイシングテープにおける前記ワークの貼付面と反対側の裏面側に配置された拡張保持リングを、前記ダイシングテープに対して相対的に近づく方向に移動させることにより、前記拡張保持リングの外周部に形成された弾性変形可能な嵌合部を前記フレームの表面に嵌合させて前記ダイシングテープの拡張状態を保持する拡張状態保持工程と、を備える、
    請求項5から7のいずれか1項に記載のワーク分割方法。
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