JP7283907B2 - 後施工棒状部材の定着用治具および定着方法 - Google Patents

後施工棒状部材の定着用治具および定着方法 Download PDF

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特許法第30条第2項適用 (1)2018年7月20日に一般社団法人日本建築学会から発行された「2018年度大会(東北)学術講演梗概集 建築デザイン発表梗概集」と題するDVD-ROMに収録 (2)2018年9月4日に一般社団法人日本建築学会が開催した「2018年度日本建築学会大会[東北]」にて発表
本発明は、後施工棒状部材の定着用治具および定着方法に関する。
コンクリート系の既存構造物を補強したり、補強部材を取り付けたり、新設の構造部材を取り付けたりする際に、せん断補強筋や主筋となる補強鉄筋等の棒状部材を、既存構造部材に後施工で定着する必要がある。特に、鉄筋を上向きに定着させる場合においては、鉄筋が自重によって下がることがあるので、鉄筋を仮固定する必要があった。鉄筋を仮固定するには、従来は、特許文献1に示す治具を用いていた。かかる治具は、鉄筋を挿通するための開口部を跨ぐように分割した一対の分割プレートを用いて鉄筋を挟持することで、鉄筋を既存構造部材に仮固定していた。
特開2013-87496号公報
特許文献1の分割プレートを用いる場合、分割プレートの設置および鉄筋の挿入時に、さらに二枚の固定具を取り付けて閉合するなど、構造と手順が複雑で、施工に多くの手間と時間がかかる問題があった。
このような観点から、本発明は、構造が簡単で容易に棒状部材を仮固定することができる後施工棒状部材の定着用治具を提供することを課題とする。また前記定着用治具を用いて容易に棒状部材を仮固定することができる後施工棒状部材の定着方法を提供することを課題とする。
このような課題を解決するための第一の発明は、コンクリート構造物に形成された挿入孔に挿入された棒状部材の定着施工時に前記棒状部材を仮固定する後施工棒状部材の定着用治具であって、前記コンクリート構造物に固定されるベース部と、前記挿入孔から突出する棒状部材を保持する押え部と、を備えている。前記ベース部は、前記棒状部材が挿通される挿通部を備え、前記挿通部は、前記ベース部の中心位置に形成された貫通孔と、前記貫通孔から前記ベース部の外周辺に繋がる切欠き部とを備え、前記貫通孔は、一部が切り欠かれた円形形状を呈しており、前記押え部は、複数カ所に設けられており、前記棒状部材の周囲に配置され、前記ベース部に固定されていることを特徴とする。
本発明における棒状部材は、既存のコンクリート構造物にコンクリートを増し打ちする際のせん断補強筋やアンカーとして利用されるものであって、たとえば異形鉄筋や鋼棒等にて構成されている。前記構成の後施工棒状部材の定着用治具によれば、ベース部をコンクリート構造物に固定して、押え部で棒状部材を押えるだけで、容易に棒状部材を仮固定することができる。また、かかる定着用治具は、構造が簡単である。さらに、押え部は、棒状部材を囲むように配置されているので、安定した状態で棒状部材を固定できる。
本発明の定着用治具においては、前記押え部は、前記ベース部から立ち上がる立上板部と、前記立上板部に螺合するネジ部材を備えているものが好ましく、前記ネジ部材は、前記棒状部材の側面に向かって出没可能に設けられ、棒ネジ部と押圧部を備え、前記押圧部は、前記棒ネジ部の先端に相対回転可能に取り付けられ、前記押圧部の先端には、弾性部材からなるパッドが設けられているものが好ましい。このような構成によれば、複数のネジ部材で棒状部材を複数の方向から押圧するので、棒状部材を確実に保持することができる。さらに、ネジ部材の出没位置を変動することで、棒状部材の固定位置を調整することもできる。
また、本発明の定着用治具においては、前記挿通部には、前記挿入孔を塞ぐ蓋部材が設けられており、前記蓋部材は、弾性部材にて構成され、前記挿入孔の径よりも小さい径を有する棒状部材挿通孔を備えているものが好ましい。このような構成によれば、蓋部材で挿入孔を塞いでいるので、充填材の流動性が高い場合には、充填材の垂れを防ぐことができる。また、セメント系の充填材を用いる場合には、蓋部材で充填材を塞ぐことで充填材の湿潤状態を維持できるので、養生を良好な環境で行える。また、蓋部材が弾性部材にて構成されているので、棒状部材より大径の定着部が棒状部材の先端に設けられている場合であっても、棒状部材を棒状部材挿通孔から挿入孔へと挿入することができる。
前記課題を解決するための第二の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の後施工棒状部材の定着用治具を用いた後施工棒状部材の定着方法である。かかる定着方法は、コンクリート構造物に棒状部材の挿入孔を削孔する削孔工程と、前記挿入孔に固定用の充填材と棒状部材が挿入された状態で前記挿入孔から突出した前記棒状部材を、前記定着用治具の押え部で保持する仮固定工程と、前記棒状部材の仮固定を解除して前記定着用治具を横方向にスライドさせて取り外す取外工程と、を備えたことを特徴とする。
本発明の後施工棒状部材の定着方法によれば、ベース部をコンクリート構造物に固定して、押え部で棒状部材を押えるだけで、容易に棒状部材を仮固定することができる。また、押え部は、棒状部材の周囲に配置されているので、安定した状態で棒状部材を固定できる。
本発明によれば、定着用治具の構造が簡単であるとともに、容易に棒状部材を仮固定することができる。
本発明の実施形態に係る後施工棒状部材の定着用治具を用いて棒状部材を仮固定した状態を示した断面図である。 (a)は本発明の実施形態に係る後施工棒状部材の定着用治具を示した側面図、(b)は底面図である。 本発明の実施形態に係る後施工棒状部材の定着用治具を下方から見上げた分解斜視図である。 (a)は本発明の実施形態に係る後施工棒状部材の定着方法の削孔工程を示した断面図、(b)は定着用治具の取付工程を示した断面図、(c)は充填材の充填工程を示した断面図、(d)は棒状部材の挿入工程を示した断面図、(e)は棒状部材の挟持工程を示した断面図、(f)は定着用治具の取外工程を示した断面図である。
本発明の実施形態に係る後施工棒状部材の定着用治具および定着方法を、添付した図面を参照しながら説明する。本実施形態においては、図1に示すように、既存のコンクリート構造物1に形成された上向きの挿入孔2に、棒状部材である補強用の鉄筋3と固定用の充填材4を下側から挿入する場合を例に挙げて説明する。挿入孔2は、鉄筋3が挿入可能な大きさの断面円形に形成されている。
鉄筋3は、たとえば異形鉄筋にて構成されており、既存のコンクリート構造物1にコンクリートを増し打ちする際のせん断補強筋やアンカーとして利用される。鉄筋3の上端部には、拡径した定着板5aが取り付けられている。なお、鉄筋3の下端部にも定着板5bが取り付けられているが、定着板5bの形状は、図1の形状に限定されるものではない。また、棒状部材は、異形鉄筋に限定されるものではなく、鋼棒等の他の部材であってもよい。さらに、棒状部材には、アンカー等、コンクリート構造物に用いる公知の埋設材が含まれる。
充填材4は、たとえば有機系の充填材(エポキシ樹脂など)や無機系のセメント系の充填材(モルタルなど)からなり、下方からノズル(図示せず)等を用いて挿入孔2の奥側(上部)に充填される。なお、充填材4の粘度が低い場合には、袋状の収容体(図示せず)に内蔵された状態で挿入孔に挿入するようにしてもよい。
図2および図3にも示すように、定着用治具10は、コンクリート構造物1に形成された挿入孔2に挿入された鉄筋3の定着施工時に、鉄筋3の降下を防止するために鉄筋3を仮固定するための治具である。定着用治具10は、ベース部11と押え部21とを備えている。
ベース部11は、コンクリート構造物1の下面に固定される部位であって、たとえば矩形の金属板にて構成されている。ベース部11は、鉄筋3が挿通される挿通部13を備えている。挿通部13は、ベース部11の中心位置に形成された貫通孔13aと、貫通孔13aからベース部11の外周辺に繋がる切欠き部13bとを備えている(図2の(b)および図3参照)。貫通孔13aは、一部が切り欠かれた円形形状を呈しており、挿入孔2と同等の内径を有している。なお、貫通孔13aの内径は、鉄筋3の定着板5aが挿通可能であれば、挿入孔2の内径より小さくてもよいし、大きくてもよい。
切欠き部13bは、鉄筋3がコンクリート構造物1に固定された後に定着用治具10を横方向にスライドさせて取り外す際に、鉄筋3が通過する部分である。切欠き部13bは、互いに対向する平行な対辺を有している。対辺間の幅寸法は、鉄筋3の胴部が通過可能な長さ(貫通孔13aの径より小さく、鉄筋3の胴部よりやや大きい寸法)となっている。
ベース部11の四隅には、アンカー挿通孔14(図3参照)がそれぞれ形成されている。各アンカー挿通孔14には、コンクリート構造物1に螺合されるネジ状のアンカー15が挿通される。これらのアンカー15によって、ベース部11がコンクリート構造物1に固定される。
挿通部13には、挿入孔2を塞ぐ蓋部材16が設けられている。蓋部材16は、弾性部材からなるパッドにて構成されており、平面視長方形形状を呈している。蓋部材16の短辺寸法は、貫通孔13aの内径よりも小さい。蓋部材16を設置したときに、蓋部材16の幅方向両側で、挿入孔2と貫通孔13aの一部が開口する。蓋部材16は、鉄筋3が挿通される棒状部材挿通孔17を備えている。棒状部材挿通孔17は、鉄筋3の胴部の外径と同等の内径を備えている。棒状部材挿通孔17の周縁部には、複数の切込み17a(図2の(b)および図3参照)が放射状に形成されており、鉄筋3の定着板5aの通過時に孔が押し広げられるように構成されている。
なお、蓋部材16は、充填材4の粘度が大きく、挿入孔2から垂れ落ちる虞がない場合には設けなくてもよい。
押え部21は、ベース部11から立ち上がる立上板部22と、鉄筋3を押圧するネジ部材23とを備えている。押え部は、複数カ所(本実施形態では、二ヶ所)に設けられており、鉄筋3の周囲に配置されている。
立上板部22は、断面L字形状のアングル材24の一方の板部にて構成されている。アングル材24は、他方の板部をベース部11に溶接することで、ベース部11に固定されている。一方の板部には、貫通孔(図示せず)が形成されており、貫通孔と同軸にナット25が取り付けられている。一対のアングル材24,24は、鉄筋3を挟んで対向するように配置されており、一方の板部同士が互いに平行になる。両アングル材24,24の貫通孔およびナット25は、同軸上に配置されている。貫通孔およびナット25の軸方向は、鉄筋3と交差している。
ネジ部材23は、立上板部22のネジ孔に螺合され、鉄筋3の側面に向かって出没可能に設けられている。ネジ部材23は、棒ネジ部23aと押圧部23bとを備えている。棒ネジ部23aは、ネジ孔に螺合される部分であって、回転することで軸方向に出没し、鉄筋3の締め込みが可能となる。押圧部23bは、棒ネジ部23aの先端に相対回転可能に取り付けられている。押圧部23bの先端には、弾性部材からなるパッド23cが設けられており、パッド23cが鉄筋3の側面に密着するようになっている。本実施形態では、パッド23cの当接面は平面状であるが、鉄筋3の側面に沿った円弧形状であってもよい。
次に、図4を参照しながら、前記構成の定着用治具10を用いた後施工棒状部材の定着方法を説明する。かかる定着方法は、削孔工程と仮固定工程と養生工程と取外工程とを備えている。
図4の(a)に示すように、削孔工程は、コンクリート構造物1に鉄筋3の挿入孔2を削孔する工程である。削孔工程では、コンクリート構造物1の下方から、削孔工具を上方に向けて削孔する。
仮固定工程は、挿入孔2に充填材4と鉄筋3が挿入された状態で、挿入孔2から突出した鉄筋3を、定着用治具10の押え部21で保持する工程である。本実施形態では、仮固定工程は、取付工程と充填工程と棒状部材挿入工程と棒状部材挟持工程とを含む。
図4の(b)に示すように、取付工程は、定着用治具10をコンクリート構造物1の下面に固定する工程である。取付工程では、ベース部11の四隅にネジ状のアンカー15を挿通して、コンクリート構造物1に螺合させることで、定着用治具10を固定する。定着用治具10は、削孔された挿入孔2と貫通孔13aとが同軸状になるように配置する。
図4の(c)に示すように、充填工程は、充填材4を挿入孔2に充填する工程である。充填工程では、図示しないノズル等を用いて、充填材4を、蓋部材16の棒状部材挿通孔から挿入孔2内に挿入する。
図4の(d)に示すように、棒状部材挿入工程は、補強用の鉄筋3を挿入孔2に挿入する工程である。棒状部材挿入工程では、蓋部材16の棒状部材挿通孔17を介して鉄筋3の上部を挿入する。このとき、棒状部材挿通孔17の周縁部には複数の切込み17aが形成されているので、鉄筋3の定着板5aを押し込むと棒状部材挿通孔17が押し広げられる。よって定着板5aが蓋部材16を通過することができる。
取付工程と充填工程と棒状部材挿入工程とは、順序を入れ替えることが可能である。たとえば充填工程と棒状部材挿入工程を先に行った後に、取付工程を行ってもよい。この場合、鉄筋3の突出部分はベース部11の切欠き部13bを通過させて、定着用治具10を所定位置に配置する。また、棒状部材挿入工程を行った後に充填工程を行ってもよい。この場合、鉄筋3を挿入孔2内の所定位置で仮固定しておき、鉄筋3の周囲の隙間にノズルを用いて充填材を充填する。また、取付工程と棒状部材挿入工程を行った後に、充填工程を行う場合には、蓋部材16の幅方向両側の、貫通孔13aとの隙間から挿入孔2内へノズルを挿入して、充填材を注入する。
図4の(e)に示すように、仮固定工程は、鉄筋3を定着用治具10の一対の押え部21,21で保持して仮固定する工程である。仮固定工程では、押え部21のネジ部材23を回転させて、先端の押圧部23bを鉄筋3に押し当てる。押え部21は、鉄筋3の両側に配置されているので、鉄筋3が挟持される。このとき、パッド23cが鉄筋3の側面に沿って変形し、当該側面に密着する。
養生工程は、鉄筋3を仮固定した状態で、充填材4が固まるのを待つ工程である。養生工程では、充填材4に所望の強度が発現するまで待つ。
取外工程は、養生終了後に、定着用治具10をコンクリート構造物1から取り外す工程である。取外工程では、鉄筋3の仮固定を解除した後に、アンカー15を取外し、ベース部11をコンクリート構造物1から取り外す。このとき、鉄筋3の突出部分がベース部11の切欠き部13bを通過するように、定着用治具10を横方向にスライドさせる。取外し工程が完了すると、図4の(f)に示すように、鉄筋3が挿入孔2に定着される。なお、養生工程で、鉄筋3が落下しない強度が充填材4に発現すれば、取外工程を開始してもよい。この場合、養生工程の一部と取外工程が重複する。
以下、本実施形態に係る後施工棒状部材の定着用治具10および定着方法の作用効果を説明する。かかる定着用治具10および定着方法によれば、ベース部11をコンクリート構造物1に固定して、押え部21,21で鉄筋3を押えるだけで、容易に鉄筋3を仮固定することができる。これによって、鉄筋3を所定位置に確実に固定することができる。また、かかる定着用治具は、構造が簡単である上に、押え部21,21が鉄筋3の周囲に配置されているので、両側から鉄筋3を挟持することで、安定した状態で鉄筋3を固定できる。
また、本実施形態では、押え部21は、鉄筋3の側面に向かって出没可能なネジ部材22を備えているので、ネジ部材22で鉄筋3を強固に押圧することができる。したがって、鉄筋3を確実に挟持することができる。さらに、各ネジ部材22の出没位置を変動することで、鉄筋3の固定位置および傾斜角度を調整することができる。
さらに、本実施形態では、挿通部13には、挿入孔2を塞ぐ蓋部材16が設けられているので、セメント系の充填材4の場合は、挿入孔2内のモルタルが空気に触れにくく乾燥し難い。したがって、充填材4の湿潤状態を維持できるので、養生を良好な環境で行える。また、充填材4の粘度が低い場合には、充填材4が垂れ下がるのを防止できる。さらに、蓋部材16が弾性部材にて構成されているので、鉄筋3より大径の定着板5aを、棒状部材挿通孔17から挿入孔2へと挿入することができる。特に棒状部材挿通孔17の周縁部に切込み17aが形成されているので、棒状部材挿通孔17を容易に押し広げることができる。
また、ベース部11は、ネジ状のアンカー15にてコンクリート構造物1に固定されているので、定着用治具10の着脱を容易に行うことができる。これにより、作業性が向上するとともに、定着用治具10の転用が可能であるので、経済性に優れる。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定する趣旨ではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更が可能である。たとえば、前記実施形態では、ベース部11に断面L字形状のアングル材24を溶接して立上板部22を形成しているが、これに限定されるものではない。たとえばベース部11の一部を切り起こして形成してもよい。さらに、立上板部22の形状は、平板を鉄筋3の両側に配置するものに限定されるものではない。たとえば、平面視半円状の立上板部によって、鉄筋3の片側を囲うようにしてもよい。
また、前記実施形態では、ネジ部材23によって、押圧部23bを鉄筋3に押し付けているが、これに限定されるものではない。たとえばバネによって押圧部23bを鉄筋3に押し付けてもよい。なお、前記実施形態のように、ネジ部材23によって鉄筋3を保持する方が、バネよりも強固に鉄筋3を固定できるので好ましい。
さらに、前記実施形態では、押え部21は、鉄筋3を挟む二ヶ所に設けられているが、これに限定されるものではない。たとえば、鉄筋3を囲むように三ヶ所に設けてもよいし、さらに四ヶ所以上に設けていてもよい。押え部21の設置を三ヶ所または四ヶ所とすると、ネジ部材23の位置を変動させることで、鉄筋3を押える水平位置を細かく調整できる。これによって、鉄筋3の傾斜角度をより精度よく調整することができる。
また、前記実施形態では、押え部21は、鉄筋3の軸方向において一カ所の高さに設けられているが、これに限定されるものではない。押え部は、鉄筋の軸方向において、二ヶ所以上の高さ位置に設けてもよい。このようにすれば、特にコンクリート構造物1からの鉄筋3の突出長さが大きい場合に、鉄筋を確実に押えられるとともに、鉄筋の位置精度をより一層高めることができる。
さらに、前記実施形態では、定着用治具10について、鉄筋3を上向きに差し込む上向き施工の場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。本発明に係る定着用治具10は、横向き施工時に鉄筋の位置を精度よく決定するために仮固定することが必要な場合にも適用することができる。
また、前記実施形態では、挿通部13は、貫通孔13aと切欠き部13bとを備えているが、これに限定されるものではない。鉄筋3の下側の定着板が設けられておらず、下端部を折り曲げた定着部である場合等には、切欠き部を設けず、貫通孔13aのみで挿通部13を形成してもよい。
さらに、前記実施形態では、ネジ状のアンカー15を用いて定着用治具10をコンクリート構造物1に固定しているが、これに限定されるものではない。コンクリート構造物1に鉄板を設置し、定着用治具に磁石を取り付け、定着用治具を鉄板に磁着させるようにしてもよい。このようにすれば、定着用治具の固定作業がより一層容易になる。
1 コンクリート構造物
2 挿入孔
3 鉄筋(棒状部材)
4 充填材
10 定着用治具
11 ベース部
13 挿通部
16 蓋部材
17 棒状部材挿通孔
21 押え部
22 立上板部
23 ネジ部材

Claims (4)

  1. コンクリート構造物に形成された挿入孔に挿入された棒状部材の定着施工時に前記棒状部材を仮固定する定着用治具であって、
    前記コンクリート構造物に固定されるベース部と、
    前記挿入孔から突出する棒状部材を保持する押え部と、を備え、
    前記ベース部は、前記棒状部材が挿通される挿通部を備え、
    前記挿通部は、前記ベース部の中心位置に形成された貫通孔と、前記貫通孔から前記ベース部の外周辺に繋がる切欠き部とを備え、前記貫通孔は、一部が切り欠かれた円形形状を呈しており、
    前記押え部は、複数カ所に設けられており、前記棒状部材の周囲に配置され、前記ベース部に固定されている
    ことを特徴とする後施工棒状部材の定着用治具。
  2. 前記押え部は、前記ベース部から立ち上がる立上板部と、前記立上板部に螺合するネジ部材とを備えており、
    前記ネジ部材は、前記棒状部材の側面に向かって出没可能に設けられ、棒ネジ部と押圧部を備え、
    前記押圧部は、前記棒ネジ部の先端に相対回転可能に取り付けられ、
    前記押圧部の先端には、弾性部材からなるパッドが設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載の後施工棒状部材の定着用治具。
  3. 前記挿通部には、前記挿入孔を塞ぐ蓋部材が設けられており、
    前記蓋部材は、弾性部材にて構成され、前記挿入孔の径よりも小さい径を有する棒状部材挿通孔を備えている
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の後施工棒状部材の定着用治具。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の後施工棒状部材の定着用治具を用いた後施工棒状部材の定着方法であって、
    コンクリート構造物に棒状部材の挿入孔を削孔する削孔工程と、
    前記挿入孔に固定用の充填材と棒状部材が挿入された状態で前記挿入孔から突出した前記棒状部材を、前記定着用治具の押え部で保持する仮固定工程と、
    前記棒状部材の仮固定を解除して前記定着用治具を横方向にスライドさせて取り外す取外工程と、を備えた
    ことを特徴とする後施工棒状部材の定着方法。
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