JP3602525B2 - 伸縮スリーブ固定用補助金具 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄筋コンクリート構造物の梁、床、壁などの型枠体に、配管やダクトの貫通用開孔を形成するために、伸縮型のスリーブ管を所望の位置に配置し固定する補助金具に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、スリーブを固定する金具としては、鉄筋が配置される前の型枠体の両端面に固定用金具を取付け、型枠体に鉄筋が配置された後に、前記金具の位置に合わせてスリーブ管の両端面を金具と固定する施工方法又は、型枠体の対向する両端面に長さに合わせた伸縮スリーブの両端を片側２〜３本の釘で外筒側から型枠体に達するように斜めに打ち込んだり接着剤を使用する施工方法が、一般的であった。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
したがって前記のように鉄筋が配置される前に固定用金具を型枠体に取付ける施工方法の場合は、その金具が鉄筋の配置の障害となり接触における破損や、不具合を生じやすい、鉄筋が型枠体に配置された後に、型枠に固定された金具との接合や、前記のような釘打ちと接着剤による固定方法は多大な労力と時間を必要とし、以前その施工方法を省略出来るまでには至っていない。
【０００４】
本発明の技術的課題は、このような問題に着目し、前記釘打ちと接着剤を使用せずに型枠に保持でき、しかも伸縮性容易な伸縮スリーブとその保持方法を実現することにある。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記の課題を有効に解決するために創案されたものであり、以下の特徴を備えた貫通孔形成用伸縮スリーブ管の設置方法を提供するものである。
【０００６】
円形に形成する金属板の略中心部に、固定用孔を設け、端が固定され他端が自由端となる、長方形板バネの自由端側が、前記孔を塞ぐように前記金属板の一面に取付けて成るプレート型の伸縮スリーブ固定用補助金具である。
【０００７】
【発明の実施の形態】
次に本発明による伸縮スリーブ固定用補助金具が実際どのように具体化されるか実施の形態を説明する。図１は、本発明による伸縮スリーブ固定用補助金具の実施の形態を示す斜視図である。
【０００８】
図１の４はスリーブであり、従来「ボイド」とよばれているものである。このスリーブは、小径円筒材と大径円筒材を互いに入子式に組み合わせできる伸縮型スリーブでその両者は、互いにガタつくこと無く伸縮することができる。
【０００９】
図１の１は前記スリーブを固定保持するための金属板で出来たプレート型の固定用補助金具であり前記スリーブと粘着テープを用いて固定する。
【００１０】
図３は鉄筋が配置される前の型枠体６の対向する両端面に、伸縮スリーブ４を固定する中心に墨出しを行い、その所望の位置に一本の釘を２から３ｍｍ頭を残して打ち込みする。
【００１１】
鉄筋７が組み上がった後に、鉄筋間の空間に伸縮スリーブを仮止めする。
鉄筋７が型枠体に落とし込まれた段階で、型枠体６に打っておいた補助金具固定用の釘を１３から１５ｍｍまで引き出す。鉄筋７から仮止めしておいた伸縮スリーブ４を外し、片面側の固定用補助金具の中心孔を釘５に向かって押し込むと、板バネ３が反り返り、釘５ａを強固につかむ。次に他端面側の釘５ｂに向かって押し込むと伸縮スリーブは型枠体に固定される。
【００１２】
型枠体６にコンクリートを打設し固まった段階で、型枠体６を外し、その後、固定用補助金具と伸縮スリーブ４を引き抜くと、所望の位置に貫通用開孔が形成される。
本発明は、型枠体両端にセットした１本の釘に、伸縮スリーブに取付けた固定用補助金具の板バネの反り返りを利用し、釘に押し込むだけで長方形板バネが強固に釘をつかみ、短時間で所望の位置にスリーブを固定出来るものである。
【００１３】
【実施例】
本発明の実施例について図面を参照に説明する。図１〜４は、請求項１に関する実施例である。図１は伸縮スリーブ固定用補助金具の斜視図、図２は伸縮スリーブ固定状態の断面図、図３は鉄筋組みあがり時の伸縮スリーブの仮止め状態側面図、図４は伸縮スリーブ固定状態側面図である。本実施例では、金属板を素材として使用、円形に切断加工した金属板の１の中心に固定用孔２を設け、端が固定され他端が自由端となる長方形の板バネ３が固定用孔２をふさぐように平行に取付けたプレート型のスリーブ固定用補助金具である。
【００１４】
本発明の伸縮スリーブ固定補助金具は次のような手順を以って実施されるものである。
１．型枠体６両面に貫通用開孔の墨出し位置に補助金具固定用の釘５を２〜３ｍｍ余して打ち込む。
２．伸縮スリーブ４の小径円筒と大径円筒の両端面に、粘着テープを用いて固定用補助金具を頑固に取付ける。
３．鉄筋７が組み上がった段階で、伸縮スリーブ４を鉄筋７間の空間に仮止めする。
４． 鉄筋７が型枠体６に配置された後に、補助金具固定用の釘５を１５ｍｍまで引きだす。
５．鉄筋７から仮止めしておいた伸縮スリーブ４を外し、小径円筒片面側の固定用補助金具の中心を釘５ａに向かって押し込むと、長方形板バネ３が反り返り、釘５ａを強固につかむ。次に大径円筒側の伸縮スリーブ４ｂを対向する面の釘５ｂに向かって押し込むと伸縮スリーブ４は型枠体６に固定される。
６．型枠体６にコンクリートを打設し固まった後に、型枠体６が外され固定用補助金具と伸縮スリーブ４を外すと、所望の位置に配管用開孔が形成される。
【００１５】
本発明は以上のように、型枠の対向する面それぞれに打ち込んだ１本の釘が伸縮スリーブに取付けた固定用補助金具の板バネの反り返りを利用してそのスリーブを固定するもので、押し込むだけで板バネが強固に釘をつかみ、梁、床、壁などに配管用開孔形成する伸縮スリーブを固定するものである。
したがって容易にかつ短時間で精度の高いスリーブ入れが出でき、大幅なコストの削減に役立つことになる。
【図面の簡単な説明】
【図１】請求項１記載の実施例の伸縮スリーブ固定用補助金具斜視図
【図２】型枠と伸縮スリーブ固定補助金具の取付け状態断面図。
【図３】鉄筋組みあがり時の伸縮スリーブ仮止め状態側面図。
【図４】鉄筋落とし完了時の伸縮スリーブ固定状態側面図。
【符号の説明】
１． 金属板
２． 固定用孔
３． 長方形板バネ
４． 伸縮スリーブ
５ａ ５ｂ．釘
６ａ ６ｂ．型枠
７． 鉄筋

Claims (1)

1. 円形に形成する金属板の略中心部に固定用孔を設け、一端が固定され他端が自由端となる、長方形板バネの自由端側が、前記孔を塞ぐように前記金属板の一面に取付けて成るプレート型の伸縮スリーブ固定用補助金具

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