JP7280076B2 - 管路切断治具および管路切断方法 - Google Patents

管路切断治具および管路切断方法 Download PDF

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Description

本発明は、管路切断治具および管路切断方法に関し、特に、管路の管壁を内面側から管軸方向に切断する管路切断治具および管路切断方法に関するものである。
従来から、管路(例えば、ガス管)の管壁を内面側から管軸方向に沿って切断する管路切断治具として、例えば、特許文献1に記載の切断・拡開工具が知られている。
この特許文献1の切断・拡開工具は、主として、非開削の推進工法(パイプスプリッター工法)において用いられ、
(a)支承ロッド(本体)と、
(b)支承ロッドの案内面側で支承ロッドの長手軸線に沿って縦に並んで装着された「3個」の案内ローラ(ガイドローラ)と、
(c)支承ロッドの切断面側で複数の案内ローラの間に装着される「4個」のカッターホイールと、
を備えたものである。
このような切断・拡開工具によれば、挿入端側の案内ローラによって形成された案内溝上を、それよりも反挿入端側に設けられた案内ローラがたどるように構成されているため、管路の切断中に管路内で回転移動してしまうことを抑制することが可能である。
特許第3217403号
ところで、パイプスプリッター工法で用いられる管路切断治具では、特許文献1の切断・拡開工具のように、複数のカッターホイールが、反挿入端側に向かうのにしたがって、大径となるように並設されるのが一般的である。
これは、
(a)先に、挿入端側に設けられる「小径」のカッターホイールで肉厚の薄い部分(例えば、配管の管壁)を段階的に切断する、
(b)その後、反挿入端側に設けられる「大径」のカッターホイールで肉厚の厚い部分(例えば、継手類)を段階的に切断する、
ようにしたほうが、牽引装置(例えば、油圧式の押し引き装置)に必要以上の負荷を与えることなく、比較的スムーズに管路を切断することができるからである。
しかしながら、特に、反挿入端側の「大径」のカッターホイールで肉厚の厚い部分(例えば、継手類)を切断する場合、その「案内側」に配置される案内ローラには、径方向内側へ向かう多大な反力が作用するため、その回転挙動が不安定になりがちである。
すなわち、特許文献1の切断・拡開工具のように、反挿入端側の案内ローラが、案内溝上をたどっていたとしても、反挿入端側の「大径」のカッターホイール(反挿入端側の「2個」のカッターホイール)で肉厚の厚い部分を切断する際に脱輪する(案内溝から外れる)可能性があり、かかる場合、切断・拡開工具が管路内で回転してしまうおそれがあった。
なお、このような事象は、管壁の薄い部分(例えば、経年劣化による腐食)をカッターホイールで切断する場合や、牽引装置(例えば、油圧シリンダ)で切断・拡開工具を管路内に引き込む場合(切断・拡開工具の初動時)においても、同様に発生することが想定される。
これらの点を踏まえると、特許文献1の切断・拡開工具は、未だ改善の余地があるものといえる。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、管壁の切断中に管路内での回転移動を有効に抑制することが可能な管路切断治具および管路切断方法を提供することにある。
上記課題は、本発明にかかる管路切断治具によれば、管路内に挿入可能な本体と、前記本体に設けられ、前記本体の外面から第1方向に突出して前記本体の軸方向に並設される複数のカッター部材と、前記本体に回転自在に設けられ、前記本体の外面から前記第1方向とは反対側の第2方向に突出する複数のガイドホイールと、を備えた管路切断治具であって、複数の前記ガイドホイールは、複数の前記カッター部材よりも前記本体の挿入端側に設けられる第1ガイドホイールと、前記本体の最も挿入端側に位置する前記カッター部材と最も反挿入端側に位置する前記カッター部材との間に設けられ、前記第1ガイドホイールとは異なる第2ガイドホイールと、を有し、前記第1ガイドホイールおよび前記第2ガイドホイールは、それぞれ、前記管路の内面に接する一対の回転部材を有し、一方の前記回転部材の軸心に対する他方の前記回転部材の軸心の傾斜角度は、前記第2ガイドホイールよりも前記第1ガイドホイールのほうが大きい、ことにより解決される。
また、上記課題は、本発明にかかる管路切断方法によれば、管路内に挿入可能な本体と、前記本体に設けられ、前記本体の外面から第1方向に突出して前記本体の軸方向に並設される複数のカッター部材と、前記本体に回動自在に設けられ、前記本体の外面から前記第1方向とは反対側の第2方向に突出する複数のガイドホイールと、を備えた管路切断治具を用いて前記管路を切断する管路切断方法であって、複数の前記ガイドホイールは、複数の前記カッター部材よりも前記本体の挿入端側に設けられる第1ガイドホイールと、前記本体の最も挿入端側に位置する前記カッター部材と最も反挿入端側に位置する前記カッター部材との間に設けられ、前記第1ガイドホイールとは異なる第2ガイドホイールと、を有し、前記第1ガイドホイールおよび前記第2ガイドホイールは、それぞれ、前記管路の内面に接する一対の回転部材を有し、一方の前記回転部材の軸心に対する他方の前記回転部材の軸心の傾斜角度は、前記第2ガイドホイールよりも前記第1ガイドホイールのほうが大きく、前記管路切断方法は、前記管路内に前記管路切断治具の挿入端側を挿入して前記第1ガイドホイールおよび前記第2ガイドホイールを前記管路の内面に接触させるガイドホイール接触工程と、前記ガイドホイール接触工程をおこなった後、前記管路切断治具を挿入方向にさらに移動させて複数の前記カッター部材で前記管路の管壁を管軸方向に切断する管路切断工程と、を含む、ことによっても解決される。
なお、ここでいう「管路」とは、気体が流通する管路(例えば、ガス管)や液体が流通する管路(例えば、給水管、排水管および油管)に限られず、このような流体が流通しない管路(例えば、電線管)をも広く含む意味である。
また、上記「管路切断治具」とは、既設管路(鋼管)を切り開くのと同時に新設管路(例えば、ポリエチレン管(PE管))を引き込む、いわゆるパイプスプリッター工法において用いられるものに限られず、単に、管路を切断するために用いられるものも含む意味である。
上記構成を備えた本発明では、一方の回転部材の軸心と他方の回転部材の軸心との傾斜角度が比較的大きい「第1ガイドホイール」(例えば、「本体」の外面から放射状に広がるように突出する一対の「回転部材」を備えた「第1ガイドホイール」)が、複数の「カッター部材」よりも本体の挿入端側に配置されている。
すなわち、上記構成では、本体の挿入端側を「第1ガイドホイール」を介して管路の管壁に良好にグリップさせることが可能なため、管路内での管路切断治具の回転移動を有効に抑制することが可能である。
また、上記構成では、一方の回転部材の軸心と他方の回転部材の軸心との傾斜角度が比較的小さい「第2ガイドホイール」(例えば、同一軸線上に配置された一対の「回転部材」を備えた「第2ガイドホイール」)が、本体の最も挿入端側に位置する「カッター部材」と最も反挿入端側に位置する「カッター部材」との間に配置されている。
すなわち、上記構成では、多大な反力が作用しがちな本体の反挿入端側に、傾斜角度の比較的小さい一対の「回転部材」を設けることができるため、その反力を「2個」の回転体で分散して受け止めることが可能である。
その結果、上記構成では、仮に、挿入端側の「ガイドホイール」に多大な反力が作用した場合であっても、各「回転部材」の回転挙動に及ぼす影響を緩和(低減)することができ、その結果、管路切断治具を管路内で安定的に直進移動させることが可能である。
これらをまとめると、上記構成では、管路内での回転移動を効果的に抑制しつつ、管路切断治具を直進走行させることができる。
なお、上記管路切断治具にかかる発明においては、前記第1ガイドホイールは、一対の前記回転部材が前記本体の外面から放射状に突出するように設けられている、と好適である。
また、上記管路切断治具に係る発明においては、前記第2ガイドホイールは、一方の前記回転部材の軸心と他方の前記回転部材の軸心とが平行に配置されている、と好適である。この場合、前記第2ガイドホイールは、一方の前記回転部材と他方の前記回転部材の軸心とが同一軸線上に配置されている、とより好適である。
さらに、上記管路切断治具にかかる発明においては、前記回転部材は、その径方向外側の先端が鋭角に形成されている、と好適である。
以上のように、本発明にかかる管路切断治具によれば、簡易な構成でありながらも、管路内での回転移動を効果的に抑制しつつ、安定的に直進走行させることができる。
本実施形態にかかる管路切断拡径具を用いた管路切断方法を説明するための説明図である。 図1の管路切断拡径具を説明するための概略図である。 図2の管路切断拡径具を構成する管路切断治具の側面図およびその断面図である。 図1の管路切断方法を説明するためのフロー図である。 管路切断治具の性能を試験する際に用いた試験用管路の概略図である。 本実施形態にかかる管路切断治具および比較例としての管路切断工具を用いて試験をおこなったときの試験結果を示した図である。
以下、発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本実施形態にかかる管路切断拡径具を用いた管路切断方法を説明するための説明図、図2は図1の管路切断拡径具を説明するための概略図、図3は図2の管路切断拡径具を鋼製する管路切断治具の側面図およびその断面図、図4は図1の管路切断方法を説明するためのフロー図、図5は管路切断治具の性能を試験する際に用いた試験用管路の概略図、図6は本実施形態にかかる管路切断治具および比較例としての管路切断工具を用いて試験をおこなった際の試験結果を示した図である。
図1は、いわゆるパイプスプリッター工法(非開削工法)を用いて、既設管路P1(例えば、呼び径50Aの鉄管)を新設管路P2(例えば、呼び径50Aのポリエチレン管(PE管))に引き替えている様子を示したものである。なお、上記既設管路P1が特許請求の範囲に記載の「管路」に該当する。
パイプスプリッター工法それ自体については、今や公知であるため、詳しい説明は省略するが、本実施形態の理解を容易にすべく、この工法について図1を参照しつつ簡単に説明する。
図1に示すように、本実施形態にかかる新設管路P2への既設管路P1の引き替えは、従来のパイプスプリッター工法と同様に、
(a)工事区間の両端を掘削して、発進立坑V1および到達立坑V2を設ける、
(b)発進立坑V1および到達立坑V2の各立坑において、既設管路P1を撤去する、
(c)油圧式等の押し引き装置Dを発進立坑V1内に設置する、
(d)押し引き装置Dを駆動して、ロッドRを継ぎ足しつつ、これらを既設管路P1内に順次送り込む、
(e)到達立坑V2まで送り込まれたロッドRに管路切断拡径具1を接続するとともに、この管路切断拡径具1に新設管路P2を接続する、
(f)押し引き装置Dを駆動して、管路切断拡径具1および新設管路P2を発進立坑V1に向けて引き込む、
といった作業手順を踏むことによりおこなわれる。
詳しくは後述するが、本実施形態では、押し引き装置Dによって管路切断拡径具1および新設管路P2が引き込まれること(上記(f)の作業)により、発進立坑V1に向けて、既設管路P1が管軸方向に切り開かれていくのと同時に、新設管路P2が既設管路P1に沿って敷設されるように構成されている。
(管路切断拡径具1の構成)
次に、管路切断拡径具1について図1および図2を参照しつつ説明する。
図1および図2に示すように、管路切断拡径具1は、管路切断治具10と、管路拡径治具20(いわゆるエクスパンダ)と、回転角度検知装置30とを備えている。なお、上記管路切断治具10が特許請求の範囲に記載の「管路切断治具」に該当する。
(管路切断治具10)
まず、管路切断拡径具1を構成する管路切断治具10について図2および図3を参照しつつ説明する。
図2および図3に示すように、管路切断治具10は、略円柱状の本体11と、複数のカッターホイール12A~12Dと、第1ガイドホイール13と、複数(本実施形態では「3組」)の第2ガイドホイール14とを備えている。なお、上記本体11と、カッターホイール12A~12Dと、第1ガイドホイール13と、第2ガイドホイール14とが、それぞれ、特許請求の範囲に記載の「本体」と、「カッター部材」と、「第1ガイドホイール」(「ガイドホイール」)と、「第2ガイドホイール」(「ガイドホイール」)とに該当する。
本体11は、鋼材により形成され、ロッドRに接続(本実施形態では「ボルト接続」)される挿入端11Aと、管路拡径治具20に接続(本実施形態では「ボルト接続」)される反挿入端11Bとを有している。なお、上記挿入端11Aと、反挿入端11Bとが、それぞれ、特許請求の範囲に記載の「挿入端」と、「反挿入端」とに該当する。
また、本体11には、
(a)カッターホイール12A~12Dを、それぞれ、収納する収納孔11a1~11d1と、
(b)後述する第1ガイドホイール13の回転部材13A,13Bを、それぞれ、収納する収納溝11e1,11f1と、
(c)後述する第2ガイドホイール14の回転部材14A,14Bを、それぞれ、収納する収納溝11g1,11h1と、
が形成されている。
収納孔11a1~11d1は、それぞれ、長孔形状を有し、本体11の軸方向に沿って互いに間隔を空けて貫通するように形成されている。
これら収納孔11a1~11d1には、それぞれ、軸部材15A~15Dを挿通可能な軸挿通孔11a2~11d2が、カッターホイール12A~12Dの挿入方向と交叉する方向に貫通するように形成されている。
カッターホイール12A~12Dは、それぞれ、収納孔11a1~11d1に収納した状態で、軸挿通孔11a2~11d2に軸部材15A~15Dを挿通することにより、本体11に回動自在に支持されるようになっている。
この状態で、カッターホイール12A~12Dは、本体11の外面から突設されるとともに、これらの刃先が本体11の軸方向に沿って直線状に並設されるようになっている。なお、上記カッターホイール12A~12Dの突出方向が特許請求の範囲に記載の「第1方向」に該当する。
収納溝11e1,11f1は、それぞれ、矩形溝形状を有し、本体11のカッターホイール12A~12Dが突出する側(以下、「切断側」と称す)の外面とは反対側(以下、「案内側」と称す)の外面に形成されている。
これら収納溝11e1,11f1は、収納孔11a1よりも挿入端11A側で、本体11の軸方向に沿って互いに間隔を空けて設けられ、軸方向視において本体11の軸心から径方向外側に向けて放射状に広がるように形成されている(図3の「A-A断面」および「B-B断面」参照)。
また、収納溝11e1,11f1には、それぞれ、軸部材15E,15Fを挿通可能な軸挿通孔11e2,11f2が、第1ガイドホイール13の挿入方向と交叉する方向に貫通するように形成されている。
後述する第1ガイドホイール13の回転部材13A,13Bは、それぞれ、収納溝11e1,11f1に収納した状態で、軸挿通孔11e2,11f2に軸部材15E,15Fを挿通することによって、本体11に回転自在に支持されるようになっている。
この状態で、回転部材13A,13Bは、軸方向視において本体11の外面から放射状に突出するように配置される。
収納溝11g1,11h1は、収納溝11e1,11f1と同様に、それぞれ、矩形溝形状を有し、本体11の「案内側」の外面に設けられている。
本実施形態では、後述する第2ガイドホイール14の回転部材14A,14Bが、本体11に「3組」取り付けられるように構成されている。このため、収納溝11g1,11h1も、これに対応して、本体11に「3組」形成されている。
「3組」の収納溝11g1,11h1は、それぞれ、カッターホイール12A,12Bの間、カッターホイール12B,12Cの間、および、カッターホイール12C,12Dの間に設けられ、何れも、本体11の径方向に沿って互いに間隔を空けて対向するように形成されている。なお、「3組」の収納溝11g1,11h1(「3組」の回転部材14A,14B(第2ガイドホイール14))は、何れも、同一の構成を有しているため、以下において、必要がある場合を除き、「1組」の収納溝11g1、11h1(「1組」の回転部材14A,14B)について説明し、その他の収納溝11g1,11h1(その他の回転部材14A,14B)についての説明を省略する。
収納溝11g1,11h1には、軸部材15Gを挿通可能な軸挿通孔11g2が、第2ガイドホイール14の挿入方向と交叉する方向に貫通するように形成されている。
後述する第2ガイドホイール14の回転部材14A,14Bは、それぞれ、収納溝11g1,11h1に収納した状態で、軸挿通孔11g2に軸部材15Gを挿通することによって、本体11に回転自在に支持されるようになっている。
この状態で、回転部材14A,14Bは、本体11の外面から同一方向に突出するように配置される。なお、上記第1ガイドホイール13および第2ガイドホイールの突出方向が特許請求の範囲に記載の「第2方向」に該当する。
次に、カッターホイール12A~12Dについて説明する。
カッターホイール12A~12Dは、その外周先端に既設管路P1の管壁を切断するための刃先が設けられ、これらの径がその順で大きくなるように形成されている。
これらカッターホイール12A~12Dは、本体11に回転自在に支持された状態で、本体11の軸心から刃先までの距離が次第に長くなるように配置される。
カッターホイール12A~12Dは、管路切断治具10を既設管路P1内で管軸方向に移動させることで、
(a)最も「小径」のカッターホイール12Aで、既設管路P1の管壁に切断痕を管軸方向に沿って形成する、
(b)カッターホイール12B,12Cで、カッターホイール12Aにより形成された切断痕の切断深度を深める、
(c)最も「大径」のカッターホイール12Dで、既設管路P1の管壁を管軸方向に沿って完全に切断していく、
といった流れで既設管路P1を切断するように構成されている。なお、本実施形態では、回転式のカッター部材(カッターホイール)を用いたが、これに代えて、その他のカッター部材(例えば、固定刃)を用いることも可能である。
次に、第1ガイドホイール13について説明する。
第1ガイドホイール13は、一対の回転部材13A,13Bを有し、これらの外周先端には、カッターホイール12A~12Dと同様な刃先が形成されている。なお、上記回転部材13A,13Bが特許請求の範囲に記載の「一対の回転部材」に該当する。
上述したように、回転部材13A,13Bは、それぞれ、収納溝11e1,11f1に収納された状態で、軸部材15E,15Fが挿通されることによって、本体11に回転自在に支持されるようになっている。
この状態で、回転部材13A,13Bは、本体11の外面から放射状に突出するようにして配置される。
具体的に、回転部材13A,13Bは、
(a)管路切断治具10を既設管路P1に挿入した状態で、これらの突出方向が、既設管路P1の内面の略法線方向上に重なるようにして配置されるとともに、
(b)軸方向視において、これらの突出方向の間に、カッターホイール12A~12Dの反突出方向および後述する回転部材14A,14Bの突出方向が配置される、
ようになっている。
また、回転部材13A,13Bは、本体11の外面からの突出量が、既設管路P1の管厚(肉厚)よりも短い寸法となるように設定されている。
このため、本実施形態では、管路切断治具10を既設管路P1内で管軸方向に移動させても、回転部材13A,13Bによって、既設管路P1の管壁が切断されることがなく、その内面に二条の溝G1,G1(図3の「A-A断面」および「B-B断面」参照)が形成されるのにとどまるように構成されている。なお、本実施形態では、回転部材13A,13Bの外周先端を、鋭利な形状(鋭角形状)としたが、管壁に溝G1を形成することが困難または不可能な形状(例えば、断面円弧形状)とすることも可能である。
次に、第2ガイドホイール14について説明する。
第2ガイドホイール14は、第1ガイドホイール13と同様に、一対の回転部材14A,14Bを有し、これらの外周先端には、刃先が形成されている。なお、上記回転部材14A,14Bが特許請求の範囲に記載の「一対の回転部材」に該当する。
上述したように、これら回転部材14A,14Bは、それぞれ、収納溝11g1,11h1に収納された状態で、「1本」の軸部材15Gが挿通されることによって、本体11に回転自在に支持されるようになっている。
本実施形態では、回転部材14A,14Bおよびカッターホイール12A~12Dが本体11に組み付けられた状態で、本体11から互いに相反する方向に突設されるように構成されている。
また、回転部材14A,14Bは、回転部材13A,13Bと同様に、本体11の外面からの突出量が、既設管路P1の管厚(肉厚)よりも短い寸法となるように設定されている。
このため、本実施形態では、管路切断治具10を既設管路P1内で移動させても、回転部材14A,14Bによって、既設管路P1の管壁が切断されることがなく、その内面に二条の溝G2,G2(図3の「D-D断面」参照)が形成されるのにとどまるように構成されている。なお、本実施形態では、回転部材14A,14Bの外周先端を、鋭利な形状(鋭角形状)としたが、既設管路P1の内面に溝G2を形成することが困難または不可能な形状(例えば、断面円弧形状)とすることも可能である。
(管路拡径治具20)
次に、管路拡径治具20について図2を参照しつつ説明する。
図2に示すように、管路拡径治具20は、鋼製の部材からなり、截頭円錐状(円錐台状)に形成されている。また、管路拡径治具20は、管路切断治具10の反挿入端11Bに接続(本実施形態では、「ボルト接続」)される縮径側の挿入端20Aと、後述する回転角度検知装置30の挿入端32Aに接続(本実施形態では、「ネジ接続」)される拡径側の反挿入端20Bとを有している。
パイプスプリッター工法において用いられる管路拡径治具20は、今や公知であるため、詳しい説明を省略するが、本実施形態においても、押し引き装置Dによって管路拡径治具20が管路切断治具10とともに既設管路P1内を管軸方向に引き込まれていくのにしたがって、その管壁が切り開かれるように構成されている。
(回転角度検知装置30)
次に、回転角度検知装置30について説明する。
回転角度検知装置30は、既設管路P1に対する管路切断治具10の相対角度を検出するための装置であって、装置本体31と、装置本体31を被覆する被覆部材32とを有している。
装置本体31は、例えば、角度センサが内蔵された公知の発信器を用いることが可能である。この場合、装置本体31で検知された回転角度情報を地上で検出するため、例えば、装置本体31を、電磁界を用いて回転角度情報を送信することが可能な装置で構成する一方、これを捕捉して解析可能な受信器(いわゆるロケータ)を、地上に配置すればよい。
被覆部材32は、装置本体31の破損・損傷を防止等するため、これを外面側から覆う部材であって、管路拡径治具20の反挿入端20Bに接続(本実施形態では「ネジ接続」)される挿入端32Aと、新設管路P2に取り付けられた接続部材(例えば、吊環部材)と接続可能な反挿入端32Bとを有している。なお、このような被覆部材32としては、例えば、装置本体31を回転不能に内包することができれば、特に限定されるものでなく、例えば、鋼製のパイプ部材により形成することが可能である。
本実施形態では、管路切断拡径具1に回転角度検知装置30が設けられているため、例えば、既設管路P1内で管路切断治具10が不自然な回転挙動をした際、押し引き装置Dの駆動を停止するなどの措置を早期に取ることが可能となっている。
その結果、本実施形態では、管路切断治具10の破損・損傷などの不具合を、未然に防ぐことができるように構成されている。なお、本実施形態では、管路切断拡径具1に回転角度検知装置30を設けたが、これを省略することも可能である。
(管路切断方法の構成)
次に、本実施形態にかかる管路切断治具10を用いた管路切断方法について図1~図6を参照しつつ説明する。なお、以下においては、説明の便宜上、
・発進立坑V1から挿入されたロッドRが、押し引き装置Dによる押し込み動作によって、既設管路P1内を通じて到達立坑V2に送り込まれている、
ことを前提として説明する。
図4に示すように、本実施形態にかかる管路切断方法は、管路切断治具接続工程S100と、ガイドホイール接触工程S200と、管路切断工程S300とを備えている。なお、上記ガイドホイール接触工程S200と、管路切断工程S300とが、それぞれ、特許請求の範囲に記載の「ガイドホイール接触工程」と、「管路切断工程」とに該当する。
(管路切断治具接続工程S100)
図1、図2および図4に示すように、本実施形態にかかる管路切断方法は、管路切断治具接続工程S100をおこなうことから始まる。
具体的に、管路切断治具接続工程S100では、
(a)ロッドRに管路切断治具10の挿入端11Aを接続するとともに、
(b)この管路切断治具10の反挿入端11Bに、管路拡径治具20、回転角度検知装置30および新設管路P2の順で接続する、
作業をおこなう。なお、本実施形態では、管路切断治具10、管路拡径治具20および回転角度検知装置30が互いに接続された状態で、これらが個別に回転移動することがないように強固に連結されるように構成されている。
本実施形態では、このような管路切断治具接続工程S100をおこなった後、次工程であるガイドホイール接触工程S200がおこなわれるようになっている。
(ガイドホイール接触工程S200)
図1~図4に示すように、ガイドホイール接触工程S200では、管路切断治具10の第1ガイドホイール13および第2ガイドホイール14を既設管路P1の内面に接触させる作業をおこなう。
具体的、ガイドホイール接触工程S200では、押し引き装置Dを駆動することによって、管路切断治具10(管路切断拡径具1)を既設管路P1内に引き込む作業をおこなう。
管路切断治具10が既設管路P1内に引き込まれると、本実施形態では、まず、既設管路P1内に、第1ガイドホイール13の回転部材13A,13B、および、複数のカッターホイール12Aが、その順で挿入されていくように構成されている。
このとき、回転部材13A,13Bは、カッターホイール12Aが既設管路P1内に挿入されていくのにしたがって、これらの外周先端が既設管路P1の内面に強く押し付けられるようになっている。
その後、管路切断治具10が既設管路P1内にさらに引き込まれると、本実施形態では、カッターホイール12Aよりも大径のカッターホイール12B、および、これよりもさらに大径のカッターホイール12Cが、その順で挿入されていくようになっている。
回転部材13A,13Bは、カッターホイール12B,12Cが挿入されていくのにしたがって、既設管路P1の内面に対する押圧力を高めつつ、既設管路P1内を回転移動していくようになっている。
これにより、既設管路P1の内面には、管路切断治具10の移動方向に沿って、既設管路P1の内面に、二条の溝G1,G1が形成されていくこととなる。
上述したように、本実施形態では、回転部材13A,13Bの突出方向が、既設管路P1の内面の略法線方向上に重なるように配置されるため、管路切断治具10を既設管路P1の内面に良好にグリップさせることができるようになっている。
その結果、本実施形態では、既設管路P1の切断中に、管路切断治具10が回転移動してしまうことを有効に抑制することができるように構成されている。
その後、管路切断治具10が既設管路P1内に引き込まれると、本実施形態では、「3組」の第2ガイドホイール14の回転部材14A,14Bが既設管路P1に順に挿入されていくようになっている。
「3組」の回転部材14A,14Bが既設管路P1内に挿入された状態では、既設管路P1の内面に、
(a)カッターホイール12A~12Dがより強く押圧されるのと同時に、
(b)その反対側で突出する回転部材14A,14Bも強く押圧される、
ようになる。
上述したように、本実施形態では、「1本」の軸部材15Gによって支持される回転部材14A,14Bが、比較的大きい反力が作用する本体11の反挿入端11B側に設けられているため、その反力を「2個」の部材で分散して受け止めることが可能である。
その結果、本実施形態では、既設管路P1の切断中に、本体11の反挿入端11B側に多大な反力が作用した場合であっても、回転部材14A,14Bの回転挙動に及ぼす影響を低減することが可能なため、管路切断治具10を既設管路P1内で安定的に直進走行させることができる。
本実施形態では、このようなガイドホイール接触工程S200をおこなった後(既設管路P1の内面に第1ガイドホイール13および第2ガイドホイール14を接触させた後)、次工程である管路切断工程S300がおこなわれるようになっている。
(管路切断工程S300)
管路切断工程S300では、カッターホイール12A~12Dによって既設管路P1を管軸方向に沿って切断する作業をおこなう。
具体的に、管路切断工程S300では、押し引き装置Dを駆動することによって、到達立坑V2側に位置する管路切断治具10(管路切断拡径具1)を発進立坑V1まで移動させる作業をおこなう。
このようにして、既設管路P1内で管路切断拡径具1を移動させると、
(a)既設管路P1の内面(管壁)には、管軸方向に沿って、
・第1ガイドホイール13によって、二条の溝G1,G1が、また、
・第2ガイドホイール14によって、二条の溝G2,G2が、
それぞれ、形成されるとともに、
(b)その反対側の管壁が、カッターホイール12A~12Dによって、切断される、
ようになっている。
上述したように、本実施形態では、2種類のガイドホイール(第1ガイドホイール13および第2ガイドホイール14)によって、既設管路P1内での管路切断治具10の回転移動を効果的に抑制することができる結果、カッターホイール12A~12Dによって、既設管路P1の管壁を直線状に切断することが可能となっている。
また、本実施形態では、管路切断治具10に、管路拡径治具20および新設管路P2が接続されているため、カッターホイール12A~12Dによって既設管路P1が切断されるのと同時に、
(a)管路拡径治具20によって既設管路P1が内面側から押し広げられる(拡径される)とともに、
(b)新設管路P2が既設管路P1に沿って敷設される、
ようになっている。
上述したように、本実施形態では、既設管路P1の内面に、溝G1,G1および溝G2,G2が形成されるため、管路拡径治具20による既設管路P1の拡径が、これらの溝を基点として、おこなわれるように構成されている。
すなわち、本実施形態では、既設管路P1の拡径を比較的小さな引き込み力でおこなうことができるため、押し引き装置Dの引き込み能力を低減することができ、その結果、装置の小型化等を図ることが可能となっている。
管路切断方法は、押し引き装置Dによって管路切断拡径具1が発進立坑V1まで移動されることで終了するようになっている。
(管路切断治具についての試験)
ここで、上述した「管路切断工程S300」と同様な作業をおこなったときの試験結果について図1、図5および図6を参照しつつ説明する。
なお、図6中、
・「第1前」の下欄の「○」は、第1ガイドホイール13がカッターホイール12Aよりも挿入端11A側に設けられていることを、
・「第2前」の下欄の「○」は、第2ガイドホイール14がカッターホイール12Aとカッターホイール12Bとの間に設けられていることを、
・「第2中」の下欄の「○」は、第2ガイドホイール14がカッターホイール12Bとカッターホイール12Cとの間に設けられていることを、
・「第2後」の下欄の「○」は、第2ガイドホイール14がカッターホイール12Cとカッターホイール12Dとの間に設けられていることを、
・「第1後」の下欄の「○」は、(第1ガイドホイール13と同一構成の)第1ガイドホイール13´(回転部材13A´,13B´)がカッターホイール12Dよりも反挿入端11Bに設けられていることを、
それぞれ示している。
また、図6中、「回転抑止」は、管路切断治具を管路内で管軸方向に移動させた際のその回転抑止度合を、また、「挿通性」は、管路切断治具を管路内で管軸方向に移動させた際の挿通状態(挿通することができたか否か)を、それぞれ示している。
図5に示すように、本試験では、試験用管路TP(本実施形態では、全長「30m」)を用いて、管路切断治具10、および、「比較例1」~「比較例6」の管路切断治具の性能試験(本実施形態では、「回転抑止」性や「挿通性」に関する性能試験)をおこなった。
本試験で用いた試験用管路TPは、図5に示すように、所定長さに切断された複数の鋼製の配管材(例えば、呼び径50A)を、
・いわゆる袋ナットを締めることで配管材同士を連結することが可能な差し込み式の管用継手C1(袋ナット式の管用継手)、
・一対のハウジング部材をボルト・ナット接合することで配管材同士を連結することが可能な差し込み式の管用継手C2(ハウジング式の管用継手)、および、
・ポリエチレン管などの軟質部材からなる軟質管C3、
の何れかで接続することにより、作成されたものである。
また、本試験では、上述した「管路切断工程S300」(図4参照)と同様な作業条件、すなわち、押し引き装置Dによって、管路拡径治具20および回転角度検知装置30が接続された管路切断治具を、試験用管路TP内に引き込む、といった作業条件のもとでおこなった。
以下、管路切断治具10および「比較例1」~「比較例6」の管路切断治具の各試験結果について説明する。
(管路切断治具10の試験結果)
まず、本実施形態にかかる管路切断治具10を用いた試験結果について説明する。
図5および図6に示すように、本実施形態にかかる管路切断治具10を試験用管路TP内で移動させた結果、
(a)引き込み途中で停止してしまうことがなく(管用継手C1,C2や軟質管C3等に引っ掛かることなく)、また、
(b)回転移動することなく、
試験用管路TPを管軸方向に沿って切り開くことができたため、本試験では、「回転抑止」性能および「挿通」性能の何れにおいても「良好」といった試験結果を得ることができた。
(「比較例1」の試験結果)
次に、「比較例1」の管路切断治具を用いた試験結果について説明する。
「比較例1」の管路切断治具は、管路切断治具10に対して、
・第1ガイドホイール13´(回転部材13A´,13B´)を追加したものである。
このような「比較例1」の管路切断治具を試験用管路TP内で移動させた。
その結果、
(a)回転移動した形跡はみられなかったが、
(b)引き込み途中で、管用継手C1,C2等に引っ掛かるなどして停止してしまった、ことから、本試験では、「回転抑止」性能においては「良好」であるが、「挿通」性能においては「不可」という試験結果であった。
(「比較例2」の試験結果)
次に、「比較例2」の管路切断治具を用いた試験結果について説明する。
「比較例2」の管路切断治具は、管路切断治具10に対して、
・第1ガイドホイール13を除去したものである。
このような「比較例2」の管路切断治具を試験用管路TP内で移動させた結果、
(a)引き込み途中で停止してしまったうえ、
(b)停止するまでの間に回転移動した形跡がみられた、
ことから、本試験では、「回転抑止」性能および「挿通」性能の何れにおいても「不可」という試験結果であった。
(「比較例3」の試験結果)
次に、「比較例3」の管路切断治具を用いた試験結果について説明する。
「比較例3」の管路切断治具は、管路切断治具10に対して、
(a)第1ガイドホイール13´(回転部材13A´,13B´)を追加するとともに、
(b)「3組」の第2ガイドホイール14を全て除去した、
ものである。
このような「比較例3」の管路切断治具を試験用管路TP内で移動させたところ、本試験では、「比較例2」の管路切断治具と同様な試験結果(「回転抑止」性能および「挿通」性能の何れにおいても「不可」)であった。
(「比較例4」の試験結果)
次に、「比較例4」の管路切断治具を用いた試験結果について説明する。
「比較例4」の管路切断治具は、管路切断治具10に対して、
・第1ガイドホイール13を除去して、第1ガイドホイール13´(回転部材13A´,13B´)を設けるとともに、
・「3組」の第2ガイドホイール14のうちの「真ん中(「第2中」)」および「反挿入端側(第2後)」を除去した、
ものである
このような「比較例4」の管路切断治具を試験用管路TP内で移動させたところ、本試験の試験結果では、「比較例2」および「比較例3」の管路切断治具と同様な試験結果(「回転抑止」性能および「挿通」性能の何れにおいても「不可」)であった。
以上の試験結果(管路切断治具10および「比較例1」~「比較例4」の試験結果)を考察するに、
(a)「挿通」性能を「良好」にするためには、
・第1ガイドホイール13と、「3組」の第2ガイドホイール14のうちの少なくとも1つを設けなければならないこと(以下、これを「第1条件」と称す)、および、
・第1ガイドホイール13´を設けてはならないこと(以下、これを「第2条件」と称す)、
といった2つの条件を少なくとも満たす必要がある一方、
(b)「回転抑止」性能を良好にするためには、
・少なくとも、上記「第1条件」を満たす必要があること、
がわかる。
すなわち、「挿通」性能および「回転」性能の何れの性能も「良好」にするためには、上記「第1条件」および「第2条件」を満たす必要があることを予想することができる。
以下、このような予想を検証するためにおこなった試験結果について説明する。
(「比較例5」および「比較例6」の試験結果)
上記予想を検証するための試験では、管路切断治具10に対して、「3組」の第2ガイドホイール14のうち、
(a)「挿入端側(「第2前」)」および「真ん中(第2中)」を除去した管路切断治具(以下、「比較例5」の管路切断治具と称す)と、
(b)「反挿入端側(第2後)を除去した管路切断治具(以下、「比較例6」の管路切断治具と称す)と、
を用いて作業をおこなった。
その結果、「比較例5」および「比較例6」の何れの管路切断治具においても、管路切断治具10と同様な試験結果(「回転抑止」性能および「挿通」性能の何れにおいても「良好」)を得ることができた。
以上の試験結果(「比較例5」および「比較例6」の試験結果)から、「挿通」性能および「回転」性能の何れの性能を「良好」にするためには、上記「第1条件」および「第2条件」といった条件が必要であることを実証することができた。
以上のように、本実施形態では、本体11の外面から放射状に広がるように突出する一対の回転部材13A,13B(第1ガイドホイール13)が、カッターホイール12A~12Dよりも挿入端11A側に配置されている。
このため、本実施形態では、本体11の挿入端11A側を、回転部材13A,13Bを介して、既設管路P1の内面に良好にグリップさせることができるため、既設管路P1内での管路切断治具10の回転移動を有効に抑制することが可能である。
また、本実施形態では、軸部材15Gにより支持される回転部材14A,14B(第2ガイドホイール14)が、カッターホイール12C,12Dの間に配置されている。
すなわち、本実施形態では、比較的大きい反力が作用しがちな反挿入端11B側に、「1本」の軸部材15Gにより支持される回転部材14A,14Bが設けられているため、その反力を「2個」の回転部材で分散して受け止めることが可能である。
その結果、本実施形態では、回転部材14A,14Bの回転挙動に及ぼす影響を低減することができるため、管路切断治具10を既設管路P1内で安定的に直進走行させることが可能である。
これらをまとめると、本実施形態では、第1ガイドホイール13および第2ガイドホイール14といった2種類のガイドホイールによって、管路切断治具10を、既設管路P1内で回転移動させることなく安定的に直進走行させることが可能である。
なお、本実施形態では、第1ガイドホイール13の回転部材13A,13Bを、本体11の外面から放射状に突出するように配置、すなわち、軸方向視において、「逆ハ字状」に配置したが、これに限らずに、「ハ字状」に配置してもよい。
また、本実施形態では、回転部材13A,13Bを、軸方向に互いに間隔を空けて配置したが、回転部材14A,14Bのごとく、軸方向において同一位置に配置することも可能である。
さらに、本実施形態では、回転部材14A,14Bを、「1本」の軸部材15Gで支持したが、例えば、回転部材13A,13Bのごとく、別の軸部材で支持することも可能である。
また、本実施形態では、回転部材14A,14Bを、本体11の外面から同一方向に突出するように配置したが、回転部材14Aの軸心と回転部材14Bの軸心とのなす角度が、回転部材13Aの軸心と回転部材13Bの軸心とのなす角度よりも小さいことを条件に、軸方向視において、回転部材13A,13Bのごとく「逆ハ字状」に配置してもよく、また、これとは逆の「ハ字状」に配置してもよい。
さらに、本実施形態では、管路切断拡径具1を用いてガスが流通する管路(既設管路P1)を切り開いたが、他の流体が流通する管路(例えば、エア管、給水管、排水管および油管)を切り開いてもよく、また、流体が流通しない管路(例えば、電線管)を切り開いてもよい。
また、本実施形態では、管路切断治具10を、パイプスプリッター工法(既設管路P1を切り開いて新設管路P2に引き替える工法)において用いた例を示したが、これに限られず、単に、管路を切断するためだけに用いることも可能である。
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施形態について説明したが、この実施形態による本発明の開示の一部をなす論述および図面により、本発明は限定されるものではない。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実例および運用技術等はすべて本発明の範疇に含まれることはもちろんであることを付け加えておく。
1 管路切断拡径具
10 管路切断治具
11 本体
11A 挿入端
11B 反挿入端
11a1~11d1 収納孔
11e1~11h1 収納溝
11a2~11g2 軸挿通孔
12A~12D カッターホイール
13,13´ 第1ガイドホイール
13A,13B 回転部材
14 第2ガイドホイール
14A,14B 回転部材
15A~15G 軸部材
20 管路拡径治具
20A 挿入端
20B 反挿入端
30 回転角度検知装置
31 装置本体
32 被覆部材
32A 挿入端
32B 反挿入端
P1 既設管路
P2 新設管路
V1 発進立坑
V2 到達立坑
D 押し引き装置
R ロッド
G1,G2 溝
TP 試験用管路
C1,C2 管用継手
C3 軟質管

Claims (4)

  1. 管路内に挿入可能な本体と、
    前記本体に設けられ、前記本体の外面から第1方向に突出して前記本体の軸方向に並設される複数のカッター部材と、
    前記本体に回転自在に設けられ、前記本体の外面から前記第1方向とは反対側の第2方向に突出する複数のガイドホイールと、
    を備えた管路切断治具であって、
    複数の前記ガイドホイールは、
    全ての前記カッター部材よりも前記本体の挿入端側に設けられる第1ガイドホイールと、
    前記本体の最も挿入端側に位置する前記カッター部材と最も反挿入端側に位置する前記カッター部材との間に設けられ、前記第1ガイドホイールとは異なる第2ガイドホイールと、を有し、
    前記本体の最も反挿入端側に位置する前記カッター部材よりも反挿入端側にはガイドイホールを設けず、
    前記第1ガイドホイールおよび前記第2ガイドホイールは、
    それぞれ、前記管路の内面に接する一対の回転部材を有し、
    一方の前記回転部材の軸心に対する他方の前記回転部材の軸心の傾斜角度は、
    前記第2ガイドホイールよりも前記第1ガイドホイールのほうが大きく、
    前記第2ガイドホイールは、
    一方の前記回転部材の軸芯と他方の前記回転部材の軸心とが同一軸線上に配置されている、
    ことを特徴とする管路切断治具。
  2. 前記第1ガイドホイールは、一対の前記回転部材が前記本体の外面から放射状に突出するように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の管路切断治具。
  3. 前記回転部材は、その径方向外側の先端が鋭角に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の管路切断治具。
  4. 管路内に挿入可能な本体と、
    前記本体に設けられ、前記本体の外面から第1方向に突出して前記本体の軸方向に並設される複数のカッター部材と、
    前記本体に回動自在に設けられ、前記本体の外面から前記第1方向とは反対側の第2方向に突出する複数のガイドホイールと、
    を備えた管路切断治具を用いて前記管路を切断する管路切断方法であって、
    複数の前記ガイドホイールは、
    全ての前記カッター部材よりも前記本体の挿入端側に設けられる第1ガイドホイールと、
    前記本体の最も挿入端側に位置する前記カッター部材と最も反挿入端側に位置する前記カッター部材との間に設けられ、前記第1ガイドホイールとは異なる第2ガイドホイールと、を有し、
    前記本体の最も反挿入端側に位置する前記カッター部材よりも反挿入端側にはガイドイホールを設けず、
    前記第1ガイドホイールおよび前記第2ガイドホイールは、
    それぞれ、前記管路の内面に接する一対の回転部材を有し、
    一方の前記回転部材の軸心に対する他方の前記回転部材の軸心の傾斜角度は、
    前記第2ガイドホイールよりも前記第1ガイドホイールのほうが大きく、
    前記第2ガイドホイールは、
    一方の前記回転部材の軸芯と他方の前記回転部材の軸心とが同一軸線上に配置され、
    前記管路切断方法は、
    前記管路内に前記管路切断治具の挿入端側を挿入して前記第1ガイドホイールおよび前記第2ガイドホイールを前記管路の内面に接触させるガイドホイール接触工程と、
    前記ガイドホイール接触工程をおこなった後、前記管路切断治具を挿入方向にさらに移動させて複数の前記カッター部材で前記管路の管壁を管軸方向に切断する管路切断工程と、を含む、
    ことを特徴とする管路切断方法。
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