JP7273585B2 - ポリウレタンエラストマー - Google Patents

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Description

本発明は、ポリウレタンエラストマーに関し、詳しくは、各種産業機器の部材として用いられるポリウレタンエラストマーに関する。
ポリウレタンエラストマーは、機械強度や耐摩耗性に優れ、また、加工しやすいことから、各種産業機器の部材として用いられている。
とりわけ、コハク酸と多価アルコールとの反応生成物であるポリエステルポリオールが用いられるポリウレタンエラストマーは、耐溶剤性に優れることから、スクリーン印刷用スキージーとして用いられている。
具体的には、グリコール成分と、コハク酸を必須に含むポリカルボン酸成分とを反応して得られるポリエステルポリオールを含有するポリエステルポリオール組成物、および、ポリイソシアネートを含むポリウレタンエラストマー組成物を、熱硬化させて得られるスクリーン印刷用スキージーが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2011-168690公報
一方、コハク酸と多価アルコールとの反応生成物であるポリエステルポリオールが用いられるポリウレタンエラストマーには、より一層優れた機械強度が要求される場合がある。
本発明の目的は、機械強度に優れるポリウレタンエラストマーを提供することにある。
本発明[1]は、ポリイソシアネート成分と、ポリエステルポリオールを含むポリオール成分との反応生成物、および、炭化水素系合成油を含み、前記ポリエステルポリオールは、多塩基酸と多価アルコールとの反応生成物であり、前記多塩基酸は、コハク酸を含み、
前記炭化水素系合成油の配合割合が、前記ポリエステルポリオール100質量部に対して、0.001質量部以上0.2質量部以下である、ポリウレタンエラストマーである。
本発明[2]は、前記炭化水素系合成油が、エチレンプロピレン共重合体である、上記[1]に記載のポリウレタンエラストマーを含んでいる。
本発明[3]は、前記炭化水素系合成油の100℃における動粘度が、150mm/s以下である、上記[1]または[2]に記載のポリウレタンエラストマーを含んでいる。
本発明[4]は、前記ポリオール成分が、1,4-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼンを含む、上記[1]~[3]のいずれか一項に記載のポリウレタンエラストマーを含んでいる。
本発明のポリウレタンエラストマーは、ポリイソシアネート成分と、コハク酸を含む多塩基酸および多価アルコールの反応生成物であるポリエステルポリオールを含むポリオール成分との反応生成物を含む。
そのため、耐溶剤性を向上させることができる。
また、このポリウレタンエラストマーは、所定割合の炭化水素系合成油を含む。
そのため、機械強度(具体的には、引張強さおよび切断時伸び)を向上させることができる。
本発明のポリウレタンエラストマーは、ポリイソシアネート成分と、ポリエステルポリオールを含むポリオール成分との反応生成物を含む。
ポリイソシアネート成分としては、例えば、芳香族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネートなどのポリイソシアネートなどが挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、4,4′-、2,4′-または2,2′-ジフェニルメタンジイソシアネートもしくはその混合物(MDI)、2,4-または2,6-トリレンジイソシアネートもしくはその混合物(TDI)、4,4′-トルイジンジイソシアネート(TODI)、1,5-ナフタレンジイソシアネート(NDI)、m-またはp-フェニレンジイソシアネートもしくはその混合物、4,4′-ジフェニルジイソシアネート、4,4′-ジフェニルエーテルジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネートが挙げられる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3-または1,4-ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン(別名:1,3-または1,4-キシリレンジイソシアネート)もしくはその混合物(XDI)、1,3-または1,4-テトラメチルキシリレンジイソシアネートもしくはその混合物(TMXDI)、ω,ω′-ジイソシアネート-1,4-ジエチルベンゼンなどの芳香脂肪族ジイソシアネートが挙げられる。
脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、3-イソシアナトメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、IPDI)、4,4′-、2,4′-または2,2′-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)もしくはその混合物(H12MDI)、1,3-または1,4-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンもしくはその混合物(HXDI)、ビス(イソシアナトメチル)ノルボルナン(NBDI)、1,3-シクロペンテンジイソシアネート、1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、1,3-シクロヘキサンジイソシアネート、メチル-2,4-シクロヘキサンジイソシアネート、メチル-2,6-シクロヘキサンジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネートが挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート(ヘキサンジイソシアネート)(HDI)、ペンタメチレンジイソシアネート(ペンタンジイソシアネート)(PDI)、テトラメチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、1,2-、2,3-または1,3-ブチレンジイソシアネート、2,4,4-または2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネートが挙げられる。
ポリイソシアネートとして、耐溶剤性の観点から、好ましくは、芳香族ジイソシアネート、より好ましくは、ジフェニルメタンジイソシアネートが挙げられる。
また、ポリイソシアネートとしては、ポリイソシアネート誘導体、例えば、上記したポリイソシアネートの多量体(例えば、2量体、3量体(例えば、イソシアヌレート誘導体、イミノオキサジアジンジオン誘導体)、5量体、7量体など)、アロファネート誘導体(例えば、上記したポリイソシアネートと、1価アルコールまたは2価アルコールとの反応より生成するアロファネート誘導体など)、ポリオール誘導体(例えば、ポリイソシアネートと3価アルコール(例えば、トリメチロールプロパンなど)との反応より生成するポリオール誘導体(アルコール付加体)など)、ビウレット誘導体(例えば、上記したポリイソシアネートと、水またはアミン類との反応により生成するビウレット誘導体など)、ウレア誘導体(例えば、上記したポリイソシアネートとジアミンとの反応により生成するウレア誘導体など)、オキサジアジントリオン誘導体(例えば、上記したポリイソシアネートと炭酸ガスとの反応により生成するオキサジアジントリオンなど)、カルボジイミド誘導体(上記したポリイソシアネートの脱炭酸縮合反応により生成するカルボジイミド誘導体など)、ウレトジオン誘導体、ウレトンイミン誘導体なども挙げられる。
ポリイソシアネート誘導体として、好ましくは、カルボジイミド誘導体が挙げられる。
ポリイソシアネート成分としては、好ましくは、ポリイソシアネート誘導体、より好ましくは、ポリイソシアネートのカルボジイミド誘導体、さらに好ましくは、芳香族ジイソシアネートのカルボジイミド誘導体、とりわけ好ましくは、ジフェニルメタンジイソシアネートのカルボジイミド誘導体(液状ジフェニルメタンジイソシアネート)が挙げられる。
また、ポリイソシアネート成分は、市販品としても入手可能であり、より具体的には、例えば、三井化学社製のコスモネートLSI-990(液状ジフェニルメタンジイソシアネート)などが挙げられる。
また、ポリイソシアネート成分のイソシアネート基濃度は、例えば、4質量%以上、好ましくは、20質量%以上であり、また、例えば、50質量%以下、好ましくは、49質量%以下である。
ポリイソシアネート成分は、単独使用または2種類以上併用することができる。
ポリオール成分は、必須成分として、ポリエステルポリオールを含む。
ポリエステルポリオールは、公知のエステル化反応、すなわち、多塩基酸と多価アルコールとの縮合反応や、多塩基酸のアルキルエステルと多価アルコールとのエステル交換反応などにより得られる。つまり、ポリエステルポリオールは、多塩基酸(多塩基酸のアルキルエステルを含む。)と多価アルコールとの反応生成物である。
多塩基酸は、必須成分として、コハク酸を含み、任意成分として、他の多塩基酸を含む。
多塩基酸が、コハク酸を含めば、耐溶剤性を向上させることができる。
他の多塩基酸としては、例えば、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、ダイマー酸などの脂肪族ジカルボン酸、例えば、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸などの脂環式ジカルボン酸、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、または、これらのジアルキル(例えば、C1-6アルキルエステル)、または、これらの混合物などが挙げられる。
他の多塩基酸は、単独使用または2種類以上併用することができる。
多塩基酸は、好ましくは、コハク酸のみを含む。
多価アルコールは、後述する低分子量ポリオールと同様のものが挙げられ、好ましくは、2価アルコールが挙げられる。
多価アルコールは、単独使用または2種類以上併用することができる。
また、ポリエステルポリオールは、市販品としても入手可能であり、より具体的には、例えば、三井化学社製のタケラックU-6230などが挙げられる。
また、ポリエステルポリオールの平均水酸基価(OH価)は、例えば、22mgKOH/g以上であり、また、例えば、112mgKOH/g以下である。
また、ポリオール成分は、任意成分として、他のポリオールを含む。
他のポリオールとしては、例えば、高分子量ポリオール(ポリエステルポリオールを除く)、低分子量ポリオールなどが挙げられる。
高分子量ポリオールは、水酸基を2つ以上有し、数平均分子量400以上10000以下の化合物であって、例えば、ポリエーテルポリオール(例えば、ポリプロピレングリコールなどのポリオキシアルキレンポリオール、ポリテトラメチレンエーテルポリオールなど)、ポリカーボネートポリオール、ポリウレタンポリオール(例えば、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオールなどをポリイソシアネートによりウレタン変性したポリオール)、エポキシポリオール、植物油ポリオール、ポリオレフィンポリオール、アクリルポリオール、ビニルモノマー変性ポリオールなどが挙げられる。
低分子量ポリオールは、水酸基を2つ以上有する数平均分子量40以上400未満、好ましくは、300以下の化合物であって、例えば、2価アルコール、3価アルコールなどが挙げられる。
2価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブチレングリコール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどの脂肪族ジオール、例えば、シクロヘキサンジオール、水素化ビスフェノールAなどの脂環族ジオール、例えば、ビスフェノールA、1,4-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼンなどの芳香族ジオールなどが挙げられる。
3価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリイソプロパノールアミンなどが挙げられる。
他のポリオールとして、好ましくは、低分子量ポリオール、より好ましくは、2価アルコール、さらに好ましくは、芳香族ジオール(芳香環含有ジオール)、とりわけ好ましくは、1,4-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼンが挙げられる。
ポリオール成分が、1,4-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼンを含めば、機械強度(具体的には、引張強さおよび切断時伸び)を向上させることができる。
他のポリオールは、単独使用または2種類以上併用することができる。
ポリオール成分が、ポリエステルポリオールおよび他のポリオールを含む場合には、他のポリオールの配合割合は、ポリエステルポリオール100質量部に対して、例えば、1質量部以上、好ましくは、5質量部以上であり、また、例えば、20質量部以下、好ましくは、15質量部以下である。
また、ポリオール成分には、必要により、ウレタン化触媒を配合することもできる。
ウレタン化触媒としては、例えば、アミン類や有機金属化合物(例えば、ジブチルチンジラウレート)などの公知のウレタン化触媒などが挙げられる。
ウレタン化触媒の配合割合は、ポリエステルポリオールに対して、例えば、1ppm以上であり、また、例えば、500ppm以下である。
また、ポリウレタンエラストマーは、必須成分として、炭化水素系合成油を含む。
炭化水素系合成油は、エチレンと、炭素数3以上のα-オレフィンとの共重合体である。
炭素数3以上のα-オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセンなどが挙げられ、好ましくは、プロピレンが挙げられる。
つまり、炭化水素系合成油は、好ましくは、エチレンプロピレン共重合体である。
炭化水素系合成油が、エチレンプロピレン共重合体であれば、機械強度(具体的には、引張強さおよび切断時伸び)を向上させることができる。
また、炭化水素系合成油は、市販品としても入手可能であり、より具体的には、例えば、三井化学社製のルーカントシリーズ(エチレンプロピレン共重合体)、楠本化成社製の
ディスパロンP-450などが挙げられる。
炭化水素系合成油の100℃における動粘度(JIS K-2283(2000年)に準拠)は、例えば、2500mm/s以下、好ましくは、1500mm/s以下、より好ましくは、1000mm/s以下、さらに好ましくは、300mm/s以下、ポリウレタンエラストマーの表面のブリードを抑制する観点から、とりわけ好ましくは、150mm/s以下、最も好ましくは、120mm/s以下であり、また、例えば、20mm/s以上、好ましくは、40mm/s以上である。
炭化水素系合成油は、単独使用または2種類以上併用することができる。
炭化水素系合成油の配合割合は、ポリエステルポリオール100質量部に対して、0.001質量部以上、好ましくは、0.005質量部以上、より好ましくは、0.01質量部以上であり、また、0.2質量部以下、好ましくは、0.11質量部以下、より好ましくは、0.08質量部以下、さらに好ましくは、0.04質量部以下、とりわけ好ましくは、0.02質量部以下である。
炭化水素系合成油の配合割合が、上記下限以上であれば、機械強度(具体的には、引張強さおよび切断時伸び)を向上させることができる。
一方、炭化水素系合成油の配合割合が、上記下限未満であれば、機械強度(具体的には、引張強さおよび切断時伸び)が低下する。
また、炭化水素系合成油の配合割合が、上記上限以下であれば、機械強度(具体的には、引張強さおよび切断時伸び)を向上させることができる。
一方、炭化水素系合成油の配合割合が、上記上限を超過すれば、機械強度(具体的には、引張強さおよび切断時伸び)が低下する。
また、炭化水素系合成油の上記の動粘度が、150mm/sを超過する場合には、炭化水素系合成油の配合割合を、例えば、0.02質量部以下、好ましくは、0.01質量部以下とすることで、ポリウレタンエラストマーの表面のブリードを抑制することができる。
そして、ポリウレタンエラストマーを製造するには、まず、ポリオール組成物を調製する。
ポリオール組成物を調製には、ポリオール成分と、炭化水素系合成油とを混合し、加熱する。
加熱条件として、加熱温度は、例えば、110℃以上であり、また、例えば、150℃以下である。また、ポリオール成分が、1,4-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼンを含む場合には、1,4-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼンを溶融させる観点から、加熱温度は、例えば、120℃以上であり、また、例えば、150℃以下である。
これにより、ポリオール組成物が調製される。
次いで、加熱を続けながら、ポリオール組成物と、ポリイソシアネート成分とを混合および撹拌することにより、ポリウレタンエラストマー組成物を調製する。
具体的には、ポリオール組成物における水酸基に対する、ポリイソシアネート成分のイソシアネート基の当量比(イソシアネート基/水酸基)が、例えば、0.7以上、好ましくは、0.9以上であり、また、例えば、1.1以下、好ましくは、1.0未満となるように、ポリオール組成物と、ポリイソシアネート成分とを混合する。
これにより、ポリウレタンエラストマー組成物が調製される。
その後、必要に応じて脱泡し、このポリウレタンエラストマー組成物を、予備加熱(例えば、90℃以上、120℃以下に予備加熱)した成形型に注入し、硬化反応(一次硬化)(ポリイソシアネート成分とポリオール成分との反応)させる。
一次硬化条件として、一次硬化温度は、例えば、100℃以上であり、また、例えば、130℃以下であり、また、一次硬化時間は、ポリオール成分に、ウレタン化触媒を配合する場合には、例えば、0.5時間以上2時間以下であり、また、ポリオール成分に、ウレタン化触媒を配合しない場合には、例えば、3時間以上24時間以下である。
そして、一次硬化後に脱型し、二次硬化させる。
二次硬化条件として、二次硬化温度は、例えば、100℃以上であり、また、例えば、130℃以下であり、また、二次硬化時間は、一次硬化時間および二次硬化時間の合計が、例えば、15時間以上16時間以下となるように調整され、具体的には、6時間以上であり、また、例えば、16時間以下である。
これにより、所望形状に成形されたポリウレタンエラストマーを得ることができる。
また、二次硬化後、必要に応じて、室温(25℃)にて、例えば、72時間以上、また、通常、168時間以下で熟成させることもできる。
なお、ポリウレタンエラストマーには、必要に応じて、公知の添加剤、例えば、可塑剤、ブロッキング防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤(耐光安定剤)、酸化防止剤、紫外線吸収剤、離型剤、触媒、さらには、顔料、染料、滑剤、フィラー、加水分解防止剤、難燃剤など、適宜の割合で配合することができる。これら添加剤は、各成分に添加してもよく、あるいは、各成分の混合・溶解時に添加してもよく、さらには、混合後に添加してもよい。
このようなポリウレタンエラストマーのショアA硬度(JIS K7312(1996)に準拠)は、ポリオール成分が、1,4-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼンを含む場合には、例えば、60A以上、好ましくは、70A以上であり、また、例えば、95A以下であり、ポリオール成分が、1,4-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼンを含まない場合には、例えば、20A以上、好ましくは、30A以上、より好ましくは、50A以上であり、また、例えば、60A未満である。
また、このようなポリウレタンエラストマーは、ポリイソシアネート成分と、コハク酸を含む多塩基酸および多価アルコールの反応生成物であるポリエステルポリオールを含むポリオール成分との反応生成物を含む。
そのため、耐溶剤性を向上させることができる。
また、このポリウレタンエラストマーは、所定割合の炭化水素系合成油を含む。
そのため、機械強度(具体的には、引張強さおよび切断時伸び)を向上させることができる。
具体的には、ポリウレタンエラストマーの引張強さ(JIS K7312(1996)に準拠)は、ポリオール成分が、1,4-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼンを含む場合には、例えば、20MPa以上、好ましくは、25MPa以上であり、また、通常、50MPa以下であり、また、ポリオール成分が、1,4-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼンを含まない場合には、例えば、10MPa以上であり、また、例えば、20MPa未満である。
また、ポリウレタンエラストマーの切断時伸び(JIS K7312(1996)に準拠)は、例えば、500%以上、好ましくは、550%以上であり、また、例えば、700%以下である。
また、ポリウレタンエラストマーの引裂強さ(JIS K7312(1996)に準拠)は、ポリオール成分が、1,4-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼンを含む場合には、例えば、50N/mm以上であり、また、例えば、70N/mm以下であり、また、ポリオール成分が、1,4-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼンを含まない場合には、例えば、35N/mm以上であり、また、例えば、50N/mm未満である。
そして、このようなポリウレタンエラストマーは、耐溶剤性および機械強度(具体的には、引張強さおよび切断時伸び)に優れるため、例えば、スクリーン印刷用スキージーに好適に用いることができる。
なお、上記した説明では、予め、ポリオール成分とともに、炭化水素系合成油を、ポリオール組成物に配合したが、これに限定されず、例えば、予め、炭化水素系合成油を、ポリオール組成物に配合せず、ポリオール成分と、イソシアネート成分と、炭化水素系合成油とを同時に混合してもよい。
以下の記載において用いられる配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなどの具体的数値は、上記の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなど該当記載の上限値(「以下」、「未満」として定義されている数値)または下限値(「以上」、「超過」として定義されている数値)に代替することができる。また、以下の記載において特に言及がない限り、「部」および「%」は質量基準である。
1.成分の詳細
各実施例および各比較例で用いた各成分を以下に記載する。
LSI-990:ジフェニルメタンジイソシアネートのカルボジイミド誘導体、商品名「コスモネートLSI-990」、イソシアネート基濃度29.5質量%、三井化学社製
U-6230:コハク酸と多価アルコールとの反応生成物であるポリエステルポリオール、OH価37.3mgKOH/g、商品名「タケラック U-6230」、三井化学社製
BHEB:1,4-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼン
LX004:エチレンプロピレン共重合体、100℃における動粘度 40mm/s、商品名「ルーカントLX004」、三井化学社製
LX010:エチレンプロピレン共重合体、100℃における動粘度 100mm/s、商品名「ルーカントLX010」、三井化学社製
LX020:エチレンプロピレン共重合体、100℃における動粘度 150mm/s、商品名「ルーカントLX020」、三井化学社製
LX100:エチレンプロピレン共重合体、100℃における動粘度 600mm/s、商品名「ルーカントLX100」、三井化学社製
LX200:エチレンプロピレン共重合体、100℃における動粘度 1100mm/s、商品名「ルーカントLX200」、三井化学社製
P-450:炭化水素系合成油、商品名「ディスパロンP-450」、楠本化成社製
BYK-088:消泡剤、商品名「BYK-088」、ビックケミー・ジャパン社製
2.ポリウレタンエラストマーの製造
実施例1
BHEB 6質量部と、U-6230(コハク酸と多価アルコールとの反応生成物であるポリエステルポリオール)100質量部と、LX010 0.01質量部とを混合し、120℃で加熱した。BHEBが、完全に溶解したことを確認した後、さらに撹拌し、ポリオール組成物を得た。
次いで、このポリオール組成物に、ウレタン化触媒として、ジブチルチンジラウレートをU-6230に対して、10ppmとなるように、添加した。
次いで、120℃を維持したまま、ポリオール組成物に、LSI-990(ジフェニルメタンジイソシアネートのカルボジイミド誘導体)を、当量比(NCO/OH)が0.95となるように配合し、混合および撹拌し、ポリウレタンエラストマー組成物を得た。
その後、このポリウレタンエラストマー組成物を、予め110℃に予備加熱した成形型に注入した。そして、この成形型を加熱炉に入れ、110℃で、1時間加熱した(一次硬化)。加熱後、脱型し、さらに、110℃で15時間加熱した(二次硬化)。これにより、ポリウレタンエラストマーを得た。
実施例2~実施例12、比較例1~比較例4
配合処方を、表1の記載に従って変更した以外は、実施例1と同様に処理して、ポリウレタンエラストマーを得た。
なお、比較例3では、LX010が、U-6230中で相分離した。
また、比較例4では、BYK-088が、U-6230中で相分離した。
3.評価
各実施例および各比較例のポリウレタンエラストマーについて、以下の評価を実施した。
<ショアA硬度>
JIS K7312(1996)に準じて、ショアA硬度を測定した。その結果を表1に示す。
<引張強さ(MPa)>
熱硬化性ポリウレタンエラストマー成型物の物理試験方法(JIS K7312(1996))に従い、3号形ダンベル状試験片を用いて、引張速度は500mm/minにおいて、引張強さを測定した。その結果を表1に示す。
<切断時伸び(%)>
熱硬化性ポリウレタンエラストマー成型物の物理試験方法(JIS K7312(1996))に従い、3号形ダンベル状試験片を用いて、引張速度は500mm/minにおいて、切断時伸びを測定した。その結果を表1に示す。
<引裂強さ(N/mm)>
熱硬化性ポリウレタンエラストマー成型物の物理試験方法(JIS K7312(1996))に従い、切込みなしアングル形試験片を用いて、引裂き速さ500mm/minにおいて、引裂強さを測定した。その結果を表1に示す。
<ブリードの有無>
約30cm×10cm×厚さ2mmの金型から脱型した、ポリウレタンエラストマーの表面のブリードの有無を目視で確認した。その結果を表1に示す。
Figure 0007273585000001

Claims (4)

  1. ポリイソシアネート成分と、ポリエステルポリオールを含むポリオール成分との反応生成物、および、炭化水素系合成油を含み、
    前記ポリエステルポリオールは、多塩基酸と多価アルコールとの反応生成物であり、
    前記多塩基酸は、コハク酸を含み、
    前記炭化水素系合成油の配合割合が、前記ポリエステルポリオール100質量部に対して、0.001質量部以上0.2質量部以下であり、
    前記ポリイソシアネート成分が、液状ジフェニルメタンジイソシアネートであることを特徴とする、ポリウレタンエラストマー。
  2. 前記炭化水素系合成油が、エチレンプロピレン共重合体であることを特徴とする、請求項1に記載のポリウレタンエラストマー。
  3. 前記炭化水素系合成油の100℃における動粘度が、150mm/s以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載のポリウレタンエラストマー。
  4. 前記ポリオール成分が、1,4-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼンを含むことを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のポリウレタンエラストマー。
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