JP7273481B2 - 路面用の凍結抑制表面処理混合物 - Google Patents

路面用の凍結抑制表面処理混合物 Download PDF

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特許法第30条第2項適用 平成30年11月1日発行の2018年 舗装 11月号(Vol.53 No.11)への掲載
特許法第30条第2項適用 平成30年5月23日の平成30年第14回北陸道路舗装会議技術報文集のウェブサイト(http://pavehokuriku.com/report/)への掲載
特許法第30条第2項適用 平成30年5月31日~平成30年6月1日の平成30年第14回北陸道路舗装会議での発表
本発明は、道路舗装等の路面用の凍結抑制表面処理混合物、およびこのような凍結抑制表面処理混合物により表面処理された路面に関する。
積雪寒冷地における路面においては、スパイクタイヤの使用禁止区域が広がったことを受け、スタッドレスタイヤが冬タイヤの主流となってきたため、雪氷路面でのすべり抵抗性の低下が問題となってきている。このため、交通安全の面から、冬期に路面の凍結を抑制することが重要な課題となっている。
このような路面の凍結を抑制する方法として、たとえば、特許文献1には、撥水性粒子と、該撥水性粒子を分散させるバインダー樹脂とを含む撥水成分と、前記撥水成分が添加される有機化合物の塗布液成分とを含み、全量における前記塗布液成分の含有率が、20質量%~45質量%であることを特徴とする舗装路面の凍結抑制用撥水材組成物を用いる方法が開示されている。しかしながら、この特許文献1を含む従来の凍結抑制剤は、塩化カルシウムや塩化ナトリウムなどの金属塩化物を用いるものであるため、自動車や橋梁、道路付帯設備等の腐食が発生し易いという問題があった。
特開2015-34396号公報
本発明は、上記に鑑み提案されたもので、腐食の発生を有効に抑制することができ、凍結抑制効果の持続性に優れた路面用の凍結抑制表面処理混合物を提供することを目的とする。また、本発明は、このような凍結抑制表面処理混合物により表面処理された路面を提供することも目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、有機酸の金属塩化合物と、ポリマーエマルションと、固化材と、骨材とを含有する混合物によれば、腐食の発生を有効に抑制でき、しかも、凍結抑制効果の持続性に優れるものであることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明によれば、有機酸の金属塩化合物と、ポリマーエマルションと、固化材と、骨材とを含有する路面用の凍結抑制表面処理混合物が提供される。
本発明の路面用の凍結抑制表面処理混合物において、前記有機酸の金属塩化合物が、カルボン酸の金属塩であることが好ましい。
本発明の路面用の凍結抑制表面処理混合物において、前記有機酸の金属塩化合物が、ギ酸の金属塩であることが好ましい。
本発明の路面用の凍結抑制表面処理混合物において、前記ポリマーエマルションが、アクリル酸エステル重合体のエマルションであることが好ましい。
また、本発明によれば、上記本発明の路面用の凍結抑制表面処理混合物により表面処理された路面が提供される。
本発明によれば、腐食の発生を有効に抑制することができ、凍結抑制効果の持続性に優れた路面用の凍結抑制表面処理混合物、およびこのような凍結抑制表面処理混合物により表面処理された路面を提供することができる。
図1は、氷着引張強度試験方法を説明するための図である。 図2は、氷着引張強度試験の結果を示すグラフである。 図3は、実施例1、比較例1、および密粒度アスファルト混合物(13)の水中養生処理を行っていない供試体についてのゴムホースラベリング試験の結果を示すグラフである。 図4は、実施例1および比較例1の水中養生処理1回の供試体についてのゴムホースラベリング試験の結果を示すグラフである。 図5は、実施例1および比較例1の水中養生処理2回の供試体についてのゴムホースラベリング試験の結果を示すグラフである。
本発明の路面用の凍結抑制表面処理混合物は、有機酸の金属塩化合物と、ポリマーエマルションと、固化材と、骨材とを含有するものである。
本発明の路面用の凍結抑制表面処理混合物は、舗装道路などの路面の表面に、リシンガンなどの吹き付け装置を用いて吹き付けられることで、舗装道路などの路面の表面に凍結抑制表面処理混合物からなる薄層の膜を形成し、これにより、舗装道路などの路面に凍結抑制効果を付与するものである。
本発明の路面用の凍結抑制表面処理混合物において、有機酸の金属塩化合物は、凝固点降下作用により、凍結抑制効果を示す化合物である。
このような有機酸の金属塩化合物としては、有機酸の金属塩であればよく特に限定されないが、カルボン酸の金属塩、スルホン酸の金属塩などが挙げられるが、凍結抑制効果をより高めることができるという観点より、カルボン酸の金属塩が好ましい。また、カルボン酸としては、特に限定されず、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸などの飽和脂肪族モノカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、フマル酸、マレイン酸などの飽和脂肪族ジカルボン酸;乳酸、リンゴ酸、クエン酸などのヒドロキシカルボン酸;アクリル酸、メタクリル酸、オレイン酸、リノール酸などの不飽和脂肪族モノカルボン酸;安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などの芳香族カルボン酸;などが挙げられる。これらのなかでも、凍結抑制効果が高いという観点より、飽和脂肪族モノカルボン酸が好ましく、ギ酸、酢酸、プロピオン酸がより好ましく、ギ酸が特に好ましい。
また、有機酸の金属塩化合物を構成する金属としては、特に限定されないが、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムなどの周期表第1族金属、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどの周期表第2族金属などが挙げられるが、これらの中でも、凍結抑制効果をより高めることができるという観点より、周期表第1族金属が好ましく、リチウム、ナトリウム、カリウムがより好ましく、ナトリウムが特に好ましい。
本発明の凍結抑制表面処理混合物中における、有機酸の金属塩化合物の含有量は、骨材100重量部に対して、好ましくは16~42重量部、より好ましくは16~40重量部、より好ましくは19~36重量部、さらに好ましくは22~34重量部である。有機酸の金属塩化合物の含有量を上記範囲とすることにより、凍結抑制効果をより高めることができる。
また、本発明の路面用の凍結抑制表面処理混合物は、有機酸の金属塩化合物とともに、ポリマーエマルションを含有するものである。
本発明の路面用の凍結抑制表面処理混合物においては、有機酸の金属塩化合物と、ポリマーエマルションとを含有することにより、舗装道路などの路面の表面に凍結抑制表面処理混合物からなる膜を形成した際に、凍結抑制表面処理混合物からなる膜中において、凍結抑制効果を有する有機酸の金属塩化合物を、ポリマーエマルション中に含まれるポリマーによりコーティングされた状態にて、存在させることができるものである。そして、このようなポリマーによるコーティング作用により、凍結抑制表面処理混合物からなる膜中に含まれる、凍結抑制効果を有する有機酸の金属塩化合物が、その最表面に、時間を掛けて徐々に溶出するような構成とすることができ、これにより、優れた凍結抑制効果を長期間持続できるものである。また、本発明の路面用の凍結抑制表面処理混合物においては、凝固点降下作用を奏する化合物として、従来用いられていた塩化カルシウムや塩化ナトリウムなどの金属塩化物に代えて、有機酸の金属塩化合物を用いるため、腐食の発生を有効に抑制することもできるものである。
ポリマーエマルションは、水中にポリマーが分散してなるポリマー分散液であればよく、特に限定されないが、アクリル系重合体のエマルション、酢酸ビニル系重合体のエマルション、ブタジエン系重合体のエマルション、天然ゴムのエマルションなどが挙げられる。
アクリル系重合体のエマルションの具体例としては、(メタ)アクリル酸エステル(アクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルの意味。)を重合してなる(メタ)アクリル酸エステル重合体のエマルションや、(メタ)アクリル酸エステルとブタジエンを共重合してなる(メタ)アクリル酸エステル-ブタジエン共重合体のエマルションなどが挙げられる
酢酸ビニル系重合体のエマルションの具体例としては、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)のエマルションや、ポリ酢酸ビニル(PVAC)のエマルションなどが挙げられる。
ブタジエン系重合体のエマルションの具体例としては、スチレンとブタジエンを共重合してなるスチレン-ブタジエン共重合体のエマルションや、アクリロニトリルとブタジエンとを共重合してなるアクリロニトリル-ブタジエン共重合体のエマルションなどが挙げられる。
上記したポリマーエマルションのなかでも、凍結抑制効果の持続性をより高めることができるという観点より、アクリル系重合体のエマルションが好ましく、アクリル酸エステルを重合してなるアクリル酸エステル重合体のエマルションがより好ましい。
ポリマーエマルション中に含まれるポリマーのガラス転移温度(Tg)は、凍結抑制効果の持続性をより高めるという観点より、好ましくは0℃未満、より好ましくは-10℃以下、特に好ましくは-20℃以下である。
また、ポリマーエマルション中のポリマーの割合(固形分の割合)は、特に限定されないが、本発明の路面用の凍結抑制表面処理混合物を舗装道路などの路面へ吹き付ける際における吹き付け性を良好にするという観点より、好ましくは20~70質量%、より好ましくは30~60質量%、さらに好ましくは35~55質量%、特に好ましくは40~50質量%である。
本発明の凍結抑制表面処理混合物中における、ポリマーエマルションの含有量は、骨材100重量部に対する、ポリマーエマルション中に含有されるポリマーの含有量が、好ましくは65~95重量部となる量、より好ましくは70~90重量部となる量、さらに好ましくは75~85重量部となる量である。ポリマーエマルションの含有量を上記範囲とすることにより、凍結抑制効果の持続性をより高めることができる。
また、本発明の路面用の凍結抑制表面処理混合物は、有機酸の金属塩化合物、およびポリマーエマルションに加えて、固化材、および骨材を含有する。
本発明で用いる固化材としては、特に限定されないが、ポリマーエマルション中に含まれる水と反応して硬化し、本発明の凍結抑制表面処理混合物を路面に吹き付けることで路面の表面に形成される結抑制表面処理剤からなる薄層の膜に強度を持たせることをできるものであればよく特に限定されないが、セメントを好適に用いることができる。セメントとしては、特に限定されず、たとえば、超速硬セメントや、超早強ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、普通ポルトランドセメント等のポルトランドセメントや、高炉セメント、フライアッシュセメントなどの混合セメントや、エコセメントなどが挙げられる。これらのなかでも、早期の交通開放の観点から、超速硬セメント、超早強ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメントが好ましく、超速硬セメント、超早強ポルトランドセメントがより好ましく、超速硬セメントが特に好ましい。
本発明の凍結抑制表面処理混合物中における、固化材の含有量は、骨材100重量部に対して、好ましくは150~220重量部、より好ましくは160~210重量部、さらに好ましくは170~202重量部である。固化材の含有量を上記範囲とすることにより、本発明の凍結抑制表面処理混合物を路面に吹き付けることで路面の表面に形成される結抑制表面処理剤からなる薄層の膜の強度を十分なものとすることができ、これにより、凍結抑制効果の持続性をより高めることができる。
本発明で用いる骨材としては、特に限定されないが、砕石、砂、石粉など、通常の路面の舗装に用いられるものを適宜用いることができるが、本発明の路面用の凍結抑制表面処理混合物を舗装道路などの路面へ吹き付ける際における吹き付け性をより良好なものとするという観点より、シリカサンド(珪砂)、川砂、山砂、陸砂、海砂、砕砂などの細骨材が好ましい。また、本発明で用いる骨材としては、骨材の全量中における、0.6mm以下の粒度を有する骨材の割合が10~100質量%であるものが好ましく、0.6mm以下の粒度を有する骨材の割合が50~100質量%であるものがより好ましい。
なお、本発明の路面用の凍結抑制表面処理混合物中における、水の含有割合(ポリマーエマルションに由来の水と、それ以外の水との合計の含有割合)は、凍結抑制表面処理混合物全量100重量%中、好ましくは15~30重量%、より好ましくは20~25重量%である。
また、本発明の路面用の凍結抑制表面処理混合物には、本発明の作用効果を損なわない限りにおいて、上記以外に、舗装路面において通常用いられる添加剤、たとえば、フィラー、植物繊維、顔料などを添加してもよい。
本発明の路面用の凍結抑制表面処理混合物は、たとえば、上記した各成分を、混合することにより、製造することができる。
そして、このような本発明の路面用の凍結抑制表面処理混合物は、舗装道路などの路面の表面に、リシンガンなどの吹き付け装置を用いて吹き付けることにより、舗装道路などの路面の凍結防止剤として用いられるものである。具体的には、本発明の路面用の凍結抑制表面処理混合物を、舗装道路などの路面の表面に、リシンガンなどの吹き付け装置を用いて吹き付けることにより、舗装道路などの路面の表面に凍結抑制表面処理混合物からなる薄層の膜が形成され、これにより、舗装道路などの路面に凍結抑制効果を付与することができるものである。なお、この際における、舗装道路などの路面の表面に形成される、凍結抑制表面処理混合物からなる薄層の膜の厚みは、特に限定されないが、好ましくは0.5~4mmであり、より好ましくは0.8~2.2mmである。
このようにして形成される、本発明の路面用の凍結抑制表面処理混合物により処理されてなる路面は、本発明の路面用の凍結抑制表面処理混合物を用いて形成されるものであるため、腐食の発生が有効に抑制され、しかも、凍結抑制効果の持続性に優れたものである。そのため、本発明の路面用の凍結抑制表面処理混合物は、寒冷地など、冬期において路面の凍結が起こり易い地域の路面において、好適に用いることができるものである。
以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。
<実施例1>
有機酸の金属塩化合物としてのギ酸ナトリウム6.5重量部、ポリマーエマルションとしてのアクリル酸エステル重合体のエマルション(アクリル酸エステルを重合してなる重合体の水分散液、固形分としてのポリマーの含有割合:46重量%、ポリマーのガラス転移温度(Tg):-52℃)34.8重量部、固化材としてのセメント(超速硬セメント、太平洋セメント社製)39.0重量部、および細骨材(シリカサンド、粒径:0.15~1.5mm)19.4重量部をミキサーに配合し、混合することで、実施例1の混合物を得た。
また、上記とは別に、密粒度アスファルト混合物(13)を用いて、締固め温度まで加熱したモールド(型枠)内へ投入した後、締固め(両面50回)を行い、温度20℃、湿度60%の条件で7日間養生を行うことで、密粒度アスファルト混合物(13)の供試体を得た。そして、上記にて得られた実施例1の混合物を、密粒度アスファルト混合物(13)の供試体の表面に、リシンガンを用いて、0.7MPaにて吹き付けを行い、室温下で、2時間放置することで、約1mmの厚さの実施例1の混合物の膜を形成し、これを実施例1の供試体とした。
<比較例1>
密粒度アスファルト混合物(13)を構成するフィラー分100重量部のうちの6.5重量部を、塩化ナトリウム6.5重量部に置き換えて、この一部を塩化ナトリウムに置き換えた密粒度アスファルト混合物(13)を用いて、締固め温度まで加熱したモールド(型枠)内へ投入した後、締固め(両面50回)を行い、温度20℃、湿度60%の条件で7日間養生を行うことで、塩化ナトリウムを含有する、密粒度アスファルト混合物(13)の供試体を得て、これを比較例1の供試体とした。
<金属腐食性試験>
実施例1で使用した有機酸の金属塩化合物としてのギ酸ナトリウム3gを蒸留水100mLに溶解することで、実施例1の水溶液を調製した。また、同様に、比較例1で使用した塩化ナトリウム3gを蒸留水100mLに溶解することで、比較例1の水溶液を調製した。そして、実施例1の水溶液、比較例1の水溶液、および蒸留水(何も添加していない蒸留水)のそれぞれに亜鉛メッキを除去した鉄片を24時間浸漬させた後、取り出して24時間放置した。そして、このような浸漬および放置を4回繰り返し、4回目の浸漬を行った後の鉄片から錆を完全に取り去り重量を測定することで、試験前の鉄片の重量と、試験後の鉄片の重量との変化量を求め、これを腐食減少量とした。腐食減少量が少ないほど、腐食の発生が抑制されているものと評価できる。腐食減少量の測定結果を表1に示す。
Figure 0007273481000001
表1に示すように、実施例1の水溶液(ギ酸ナトリウムの水溶液)によれば、比較例1の水溶液(塩化ナトリウムの水溶液)と比較して、腐食減少量が少なく、腐食の発生が抑制されたものであることが確認できる。そして、この結果より、実施例1の供試体によれば、比較例1の供試体と比較して、腐食の発生が抑制されたものであると評価することができる。
<氷着引張強度試験>
「舗装性能評価法別冊」((社)日本道路協会 平成20年3月)に記載されている「氷着引張強度を求めるための引張試験機による測定方法」に従い、実施例1の供試体、比較例1の供試体、および密粒度アスファルト混合物(13)の供試体について、凍結抑制効果を室内にて評価した。なお、図1は、氷着引張強度試験方法を示す図である。
具体的には、まず、試験温度を-5℃に設定し、供試体10表面に薄い氷膜を形成した。次いで、不織布30を貼り付けた測定冶具20を準備し、測定冶具20に貼り付けた不織布30を水で飽和させて供試体10表面に設置した。次いで、供試体10表面に接地圧4kPaとなる荷重をかけた状態にて、-5℃の環境にて4時間養生を行った後、荷重を取り除いて、測定冶具20の上部に、ゴム板40を設置し、ここに420gの鋼球を25cmの高さから10回落下させた。その後、供試体10から、測定冶具20を引き抜き、測定冶具20を引き抜いた際の最大荷重を測定し、これを氷着引張強度とした。氷着引張強度が小さいほど、凍結抑制効果が高いものと判断できる。測定結果を図2に示す。
図2に示すように、有機酸の金属塩化合物としてのギ酸ナトリウムを使用した実施例1の供試体によれば、密粒度アスファルト混合物(13)の供試体と比較して、氷着引張強度が大きく低減されており、さらには、その氷着引張強度は、塩化ナトリウムを使用した比較例1の供試体と同程度であり、凍結抑制効果に優れるものであるといえる。
<ゴムホースラベリング試験>
実施例1の供試体、比較例1の供試体、および密粒度アスファルト混合物(13)の供試体(密粒度アスファルト混合物(13)の供試体は、塩化ナトリウムを含有させた比較例のものとは異なる供試体)について、-5℃の条件にて、その表面の10cm×30cmの範囲に、薄い氷膜を形成し、氷膜を形成した各供試体について、ゴムホースラベリング試験を行った。ゴムホースラベリング試験は、ラベリング試験機(製品名「NKA-121」、ニッケン株式会社製)のチェーン部分に、ゴムホースを取り付けたものを試験装置として用いて、-5℃の条件にて行い、試験時間60分の条件にて経時的にBPN値(すべり抵抗値)を測定した。BPN値が高いほど、凍結抑制効果が高いといえる。
ゴムホースラベリング試験は、水中養生処理を行っていない供試体、ならびに、20℃の恒温槽にて24時間の水中養生処理を1回行った供試体、20℃の恒温槽にて24時間の水中養生処理を2回行った供試体のそれぞれについて行った(水中養生処理を行った供試体については、実施例1および比較例1のみ)。また、比較のために、氷膜形成前の供試体についても、測定を行った。ゴムホースラベリング試験の結果を図3、図4に示す。
ここで、図3は、実施例1、比較例1、および密粒度アスファルト混合物(13)の水中養生処理を行っていない供試体についてのゴムホースラベリング試験の結果を示すグラフであり、図4は、実施例1および比較例1の水中養生処理1回の供試体についてのゴムホースラベリング試験の結果を示すグラフであり、図5は、実施例1および比較例1の水中養生処理2回の供試体についてのゴムホースラベリング試験の結果を示すグラフである。
図3に示すように、密粒度アスファルト混合物(13)の供試体においては、試験開始60分後においても、BPN値がほとんど回復しなかったのに対し、実施例1の供試体によれば、試験開始直後から、BPN値が回復し始めており、試験開始後の早い段階から氷膜が除去されたことが確認できる。
また、図4、図5に示すように、比較例1の供試体においては、促進試験として、水中養生処理を行った場合には、水中養生処理回数の増加に伴い、BPN値の回復効果が低下する結果となったのに対し、実施例1の供試体によれば、促進試験として、水中養生処理を行った場合でも、BPN値の回復効果はほとんど低下せず、そのため、実施例1の供試体によれば、凍結抑制効果の持続性に優れたものであるということができる。

Claims (4)

  1. ギ酸の金属塩化合物と、ポリマーエマルションと、固化材と、骨材とを含有し、
    前記ポリマーエマルションが、アクリル酸エステル重合体のエマルションであり、
    前記アクリル酸エステル重合体のエマルション中に含有されるアクリル酸エステル重合体の含有量が、前記骨材100重量部に対して65~95重量部であり、
    前記ギ酸の金属塩化合物の含有量は、前記骨材100重量部に対して16~42重量部である路面用の凍結抑制表面処理混合物。
  2. 路面へ吹き付けられるものである請求項1に記載の路面用の凍結抑制表面処理混合物。
  3. 請求項1又は2に記載の路面用の凍結抑制表面処理混合物を路面に吹き付ける路面の凍結抑制表面処理方法。
  4. 請求項1又は2に記載の路面用の凍結抑制表面処理混合物により表面処理された路面。
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