JP4480856B2 - 透水性コンクリート打継ぎ用ペースト又はモルタル、及び透水性コンクリートの打継ぎ工法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、既設のコンクリート舗装等の硬化体と、該硬化体に対して新たに打継がれる透水性コンクリートの間に介在させて用いるための透水性コンクリート打継ぎ用ペースト又はモルタル、及び、該ペースト又はモルタルを用いた透水性コンクリートの打継ぎ工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
透水性コンクリートは、雨水等の水はけが良くなるので、歩道や駐車場の舗装として実用化されている。また、近年、優れた透水性と大きな曲げ強度をもつ透水性コンクリートが開発され、交通量の多い車道での実用化が進められている。さらに、上記舗装以外の用途として、護岸用コンクリートとしての実用化も検討されている。
【0003】
従来、現場打ちの透水性コンクリートは、打設現場に砂利を敷設した後、該砂利の上に打設されていた。しかしながら、今後、透水性コンクリートの用途をさらに広げるには、既設の硬化体(例えば、コンクリート舗装やコンクリート構造物等のコンクリート硬化体、アスファルト舗装等)の上方に透水性コンクリートを打継ぐ技術の確立が必要である。特に、既設の硬化体と透水性コンクリートとを、充分な付着強度で付着させるための手段を見出すことが、非常に重要である。
【0004】
従来、既設の硬化体(例えば、コンクリート構造物)の上方に、新たな普通コンクリートを打継ぐ場合には、次のような手順で施工が行なわれていた。すなわち、まず、既設の硬化体の表面のレイタンス層又は薄いペースト層を除去し、凹凸状の粗面を形成させる。そして、硬化体の粗面上に、打継ぎ用モルタルを層状に薄く塗布する。最後に、打継ぎ用モルタルの上面に、新たな普通コンクリートを打設する。
ここで、打継ぎ用モルタルとしては、通常、水、セメント、細骨剤、遅延剤を含むモルタルが使用されている。また、打継ぎの際の温度ひび割れを防止するために、特開昭63−78966号公報には、水、セメント、細骨材、超遅延剤、ノンブリージング剤の各成分を含むモルタルが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来、既設の硬化体に透水性コンクリートを打継ぐことは、行なわれていなかった。したがって、透水性コンクリートの打継ぎ用として、如何なる配合のペースト又はモルタルを用いれば、充分な付着強度が得られるのかという知見は、今までなかった。
そこで、本発明は、既設の硬化体に透水性コンクリートを打設するに際して、既設の硬化体と透水性コンクリートの間に介在させて、付着強度を向上させるための透水性コンクリート打継ぎ用ペースト又はモルタル、及び、該ペースト又はモルタルを用いた透水性コンクリートの打継ぎ工法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の透水性コンクリート打継ぎ用ペースト又はモルタルは、既設の硬化体と、該硬化体に打継がれる透水性コンクリートの間に介在させて用いるためのペースト又はモルタルであって、セメント又はセメントを含む粉体混合物100重量部と、細骨材0〜300重量部と、減水剤0.2〜2.0重量部(固形分換算)と、遅延剤0.01〜0.2重量部と、収縮低減剤0.5〜5重量部と、該収縮低減剤との合計量が20〜40重量部となるように配合される水とを含むことを特徴とする(請求項1)。
このように特定の成分及び配合割合を有するペースト又はモルタルを、既設の硬化体と透水性コンクリートの間に介在させることによって、打継ぎ箇所(打継ぎ面)に大きな付着強度を付与することができる。
上記セメントを含む粉体混合物は、50重量%以上のセメントと50重量%以下の高炉スラグ粉末、フライアッシュ、シリカフュームから選ばれた1種以上の無機粉末とからなることが好ましい(請求項2)。
【0007】
本発明の透水性コンクリートの打継ぎ工法は、既設の硬化体の上面に、上記透水性コンクリート打継ぎ用ペースト又はモルタルを打設する第一の工程と、
上記透水性コンクリート打継ぎ用ペースト又はモルタルが硬化する前に、上記透水性コンクリート打継ぎ用ペースト又はモルタルの上面に、透水性コンクリートを打設する第二の工程とを含むことを特徴とする(請求項3)。
このように、特定の打継ぎ用ペースト又はモルタルを用いるとともに、該ペースト又はモルタルが硬化する前に打継ぎの作業を行なうことによって、打継ぎ箇所に大きな付着強度を付与することができる。
【0008】
上記打継ぎ工法は、上記第一の工程と上記第二の工程の間に、上記透水性コンクリート打継ぎ用ペースト又はモルタルの上面に、乾燥防止剤を散布する工程を更に含むことが好ましい(請求項4)。
このように乾燥防止剤を散布することによって、上記ペースト又はモルタルの乾燥を防止することができ、それによって、上記ペースト又はモルタルの使用量が少なくても、高い付着強度を得ることが可能になる。
【0009】
上記乾燥防止剤としては、例えば、一般式:RO(AO)nH(式中、Rは、炭素数1〜6のアルキル基、Aは、炭素数2〜3の1種又は2種のアルキレン基、nは、1〜10の整数である。)で表される低級アルコールのアルキレンオキサイド付加物や、ポリエチレングリコール等の多価アルコールを挙げることができる(請求項5)。
【0010】
上記打継ぎ工法は、上記第一の工程の前に、ワイヤーブラシ等を用いて、上記既設の硬化体の上面のレイタンス層又は薄いペースト層を除去するとともに、凹凸を有する粗面を形成させる前処理工程を更に含むことができる(請求項6)。
このような前処理工程を含むことによって、打継ぎ箇所における付着強度をより高めることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
(1)セメント又はセメントを含む粉体混合物
本発明で用いるセメントとしては、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント等のポルトランドセメントや、ホワイトセメント、アルミナセメント等が挙げられる。
セメントを含む粉体混合物とは、上記セメントに、高炉スラグ粉末、フライアッシュ、石灰石粉、珪石粉、シリカフューム等の無機質粉末を添加してなるものをいう。無機質粉末の中でも、高炉スラグ粉末、フライアッシュ、シリカフュームが好ましい。
セメントを含む粉体混合物中に占めるセメントの割合は、強度発現性の確保のため、50重量%以上であることが好ましい。
【0012】
(2)細骨材
本発明で用いる細骨材としては、川砂、海砂、山砂、砕砂、及びこれらの混合物が挙げられる。
細骨材の添加量は、セメント又はセメントを含む粉体混合物100重量部に対し、0〜300重量部であり、好ましくは30〜100重量部である。細骨材を添加することによって、モルタルが、硬化後に乾燥して収縮するのを抑制することができる。細骨材の添加量が300重量部を超えると、モルタルの作業性が悪くなるうえ、既設の硬化体と透水性コンクリートの付着強度が低下する。
【0013】
(3)減水剤
本発明で用いる減水剤としては、例えば、アルキルアリルスルホン酸系、ナフタレンスルホン酸系、メラミンスルホン酸系、ポリカルボン酸系等の減水剤が挙げられる。
中でも、高性能減水剤又は高性能AE減水剤は、減水効果が大きく、好ましい。減水剤は、単独で使用しても良いし、二種以上を併用しても良い。また、液状又は粉末状のいずれでも使用可能である。
【0014】
減水剤の添加量は、セメント又はセメントを含む粉体混合物100重量部に対し、0.2〜2.0重量部(固形分換算)であり、好ましくは0.3〜1.5重量部である。添加量が0.2重量部未満では、ペースト又はモルタルの作業性が悪くなり、好ましくない。添加量が2.0重量部を超えると、既設の硬化体と透水性コンクリートとの付着強度が低下する傾向が見られ、また、コストが高くなることから好ましくない。
【0015】
(4)遅延剤
本発明で用いられる遅延剤としては、モノカルボン酸、ポリカルボン酸、オキシカルボン酸、アミノ酸等の有機酸又はこれらのナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等の金属塩が挙げられる。
具体的には、モノカルボン酸としては、蟻酸、酢酸等が挙げられ、ポリカルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、テレフタル酸等が挙げられ、オキシカルボン酸としては、ヘプトン酸、グルコン酸、グリコール酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、サリチル酸、マンデル酸等が挙げられ、アミノ酸としては、エチレンジアミンテトラアセテート(EDTA)、グルタミン酸、アスパラギン酸等が挙げられる。
【0016】
これらのうち、オキシカルボン酸もしくはその塩、又はポリカルボン酸もしくはその塩を使用することが好ましい。
遅延剤の添加量は、セメント又はセメントを含む粉体混合物100重量部に対し、0.01〜0.2重量部であり、好ましくは0.02〜0.15重量部である。添加量が0.01重量部未満では、ペースト又はモルタルの作業性が悪くなり、好ましくない。添加量が0.2重量部を超えると、既設の硬化体と透水性コンクリートの付着強度が低下する。
【0017】
(5)収縮低減剤
本発明で用いられる収縮低減剤としては、化学式としてRO(AO)nHで示される低級アルコールのアルキレンオキサイド付加物を主体とするものが好ましい。ここで、式中のRは、炭素数1〜6のアルキル基である。このような基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、iso−ペンチル基、tert−ペンチル基等が挙げられる。また、式中のAは、炭素数2〜3の1種又は2種のアルキレン基であり、エチレン基及び/またはプロピレン基が挙げられる。さらに、式中のnは、1〜10の整数である。
【0018】
前記低級アルコールのアルキレンオキサイド付加物を主体とする収縮低減剤の市販品としては、太平洋セメント株式会社製の「AS21」(商品名)が挙げられる。
収縮低減剤の添加量は、セメント又はセメントを含む粉体混合物100重量部に対し、0.5〜5重量部であり、好ましくは1.0〜4.0重量部である。添加量が前記範囲以外では、既設の硬化体と透水性コンクリートとの付着強度が低下する。
なお、収縮低減剤は、水の一部と置き換えて使用することが好ましい。
【0019】
(6)水
本発明で用いられる水の量は、セメント又はセメントを含む粉体混合物100重量部に対し、収縮低減剤との合計量で20〜40重量部であり、好ましくは25〜38重量部である。
水と収縮低減剤の合計量が、20重量部未満では、ペースト又はモルタルの作業性が悪くなり、好ましくない。逆に、40重量部を超えると、既設の硬化体と透水性コンクリートとの付着強度が低下する。
【0020】
本発明の透水性コンクリート打継ぎ用ペースト又はモルタルは、該ペースト又はモルタルの打設時等の作業性や、既設の硬化体と透水性コンクリートとの付着強度を考慮して、J14ロートの流下時間が3〜15秒のものが好ましく、4〜12秒のものが、より好ましい。
本発明の透水性コンクリート打継ぎ用ペースト又はモルタルの混練方法や混練装置は、特に限定されるものではなく、慣用の方法、及び慣用のミキサーを用いれば良い。
【0021】
本発明においては、本発明の効果を損なわない範囲で、透水性コンクリート打継ぎ用ペースト又はモルタルに、膨張材(石灰系膨張材、カルシウムサルホアルミネート系膨張材)、石膏(無水石膏、半水石膏、2水石膏、又はこれらの混合物)、粘土(ベントナイト、酸性白土等のモンモリロナイト系粘土)からなる無機粉末や、エチレン・酢酸ビニル系共重合体、アクリル系共重合体等の熱可塑性樹脂を添加することは差し支えない。
【0022】
次に、本発明の透水性コンクリート打継ぎ用ペースト又はモルタルを使用した透水性コンクリートの打継ぎ工法について説明する。
本発明の透水性コンクリートの打継ぎ工法は、既設の硬化体の上面に、前記透水性コンクリート打継ぎ用ペースト又はモルタルを打設する第一の工程と、前記透水性コンクリート打継ぎ用ペースト又はモルタルが硬化する前に、前記透水性コンクリート打継ぎ用ペースト又はモルタルの上面に、透水性コンクリートを打設する第二の工程とからなる。
【0023】
既設の硬化体としては、例えば、コンクリート舗装、コンクリート構造物等のコンクリート硬化体や、アスファルト舗装等が挙げられる。なお、コンクリートとしては、通常のコンクリートや、各種繊維で補強した繊維補強コンクリート等が挙げられる。
透水性コンクリート打継ぎ用ペースト又はモルタルを打設する方法は、特に限定されるものではなく、慣用の任意の方法を用いることができる。打設後に形成されるペースト又はモルタル層の厚みは、1〜40mm程度、施工期間の短縮やコストの低減等の面から、好ましくは1〜10mm、より好ましくは1〜5mmである。
【0024】
本発明の透水性コンクリートの打継ぎ工法においては、打設した透水性コンクリート打継ぎ用ペースト又はモルタルの上面に、乾燥防止剤を散布することが好ましい。乾燥防止剤を散布することによって、特に、夏期炎天時等の乾燥し易い条件下において、透水性コンクリートの打継ぎ工事を行なう場合でも、透水性コンクリート打継ぎ用ペースト又はモルタル層の厚さを例えば1〜5mm程度に薄くすることができ、施工期間の短縮等を図ることができる。
【0025】
前記乾燥防止剤としては、例えば、前述の収縮低減剤の例として示した一般式:RO(AO)nH(式中、Rは、炭素数1〜6のアルキル基、Aは、炭素数2〜3の1種又は2種のアルキレン基、nは、1〜10の整数である。)で表される低級アルコールのアルキレンオキサイド付加物や、ポリエチレングリコール(重量平均分子量:200〜数千程度)、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール(重量平均分子量:200〜数千程度)、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコールが挙げられる。
【0026】
乾燥防止剤を散布する方法は、特に限定されるものではなく、慣用の任意の方法を用いることができる。乾燥防止剤の散布量は、100〜500g/m2である。
なお、乾燥防止剤の散布は、透水性コンクリート打継ぎ用ペースト又はモルタルの打設直後に行なうよりも、透水性コンクリート打継ぎ用ペースト又はモルタルの表面が若干乾燥してきた段階で行なう方が、効果的である。
【0027】
本発明の透水性コンクリートの打継ぎ工法においては、予め、既設の硬化体の上面のレイタンス層又は薄いペースト層を除去するとともに、凹凸を有する粗面を形成させる前処理を行なうことが好ましい。前処理は、例えば、ワイヤーブラシを用いてブラッシングする方法や、湿砂を吹き付ける方法等によって行なうことができる。
【0028】
ペースト又はモルタル層の上に新たに打設される透水性コンクリートの種類は、特に限定されるものではなく、任意である。例えば、特開平9−273105号公報に開示されている「粗骨材と、該粗骨材100%に対する容積比が30〜80%のペースト又はモルタルからなり、該ペースト又はモルタルが、セメント又はセメントを含む粉体混合物100重量部、細骨材0〜140重量部、高性能減水剤又は高性能AE減水剤0.5〜2.0重量部及び水16〜28重量部である舗装用混練物を敷設してなる透水性コンクリート舗装」や、特公平5−34299号公報に開示されている「セメントコンクリート1m3当たり、300〜400kgのポルトランドセメント、該セメント1重量部に対して0.005〜0.01重量部のバインダーと0.35〜0.45重量部の水、及び残部の骨材からなる配合割合で構成されるセメントコンクリート混合物を混練し、該混練物をフィニッシャーで被舗装面に打設してなる、透水性セメントコンクリート舗装」等が挙げられる。
【0029】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を説明する。
[実施例1〜7、比較例1〜5]
1.使用材料
以下に示す材料を使用した。
1)セメント;普通ポルトランドセメント(太平洋セメント(株)製)
2)高炉スラグ;ファインセラメント10A(第一セメント(株)製)
3)高性能減水剤;「マイティ150」(商品名)(花王(株)製)
4)細骨材;市原産細目山砂(粒径2.5mm以下)
5)遅延剤;グルコン酸ソーダ(藤沢薬品工業(株)製)
6)収縮低減剤;「AS21」(商品名)(太平洋セメント(株)製)
7)水;水道水を使用した。
【0030】
2.透水性コンクリート打継ぎ用ペースト又はモルタルの配合及び混練
前記材料を使用し、表1に示す配合にしたがって、透水性コンクリート打継ぎ用ペースト又はモルタルを調製した。混練は、ハンドミキサー(0.01m3)を用いて、90秒間行なった。
【0031】
【表1】
【0032】
硬化したφ10cmのコンクリート円柱供試体の上面を、ブラッシングおよび洗浄することによって、表面のレイタンス層を除去し、凹凸が形成された粗面とした。その上に表1の各ペースト又はモルタルを打設(塗布)し、厚さ5mm程度のペースト又はモルタル層を形成させた後、速やかに透水性コンクリートを打設(20℃、室内実験)し、20℃で7日間、気中養生し、供試体を作製した。
【0033】
なお、透水性コンクリートとしては、普通ポルトランドセメント80重量部、高炉スラグ(ファインセラメント10A)20重量部、細骨材(市原産細目山砂)50重量部、粗骨材(青梅産砕石6号)400重量部、高性能減水剤(マイティ150)1.0重量部、及び水20重量部の配合で、振動数3,000vpmにて20秒間締め固めたものを用いた。
【0034】
供試体の作製後、各供試体の付着強度を、「JIS A 6909(建築用仕上塗材)」に準じて測定した。
また、透水性コンクリート打継ぎ用ペースト又はモルタルに関し、塗布時の作業性を「○:非常に良好」、「△:良好」、「×:悪い」で評価した。さらに、透水性コンクリート打継ぎ用ペースト又はモルタルのJ14ロートの流下時間も測定した。
結果を表2に示す。
【0035】
【表2】
【0036】
表2から、本発明で規定する透水性コンクリート打継ぎ用ペースト又はモルタルを用いた実施例1〜7では、既設のコンクリート硬化体と透水性コンクリートとの付着強度が大きく、かつ、作業性に問題がないことがわかる。
一方、本発明で規定する以外のモルタルを用いた比較例1〜5では、既設のコンクリート硬化体と透水性コンクリートとの付着強度が小さいか、又はモルタルの作業性が悪いことがわかる。
【0037】
[実施例8〜10]
硬化したφ10cmのコンクリート円柱供試体の上面を、ブラッシング及び洗浄することによって、表面のレイタンス層を除去し、凹凸を有する粗面を形成させた。その上に、実施例1の透水性コンクリート打継ぎ用モルタルを打設(塗布)し、厚さ2mm程度のモルタル層を形成させた。その後、以下に示す方法によって、実施例8〜10の供試体を得た。
実施例8では、前記モルタル層の表面が若干乾燥してきた段階(モルタルの打設から2分後)で、前記モルタル層の表面に、乾燥防止剤として「AS21」(商品名;太平洋セメント社製)を200g/m2の散布量となるように散布(噴霧)し、更に10分経過後に、実施例1と同様の透水性コンクリートを打設し、20℃で7日間、気中養生し、供試体を作製した。
実施例9では、「AS21」の代わりにポリエチレングリコール(分子量:200)を200g/m2の散布量となるように用いた他は実施例8と同様にして、供試体を作製した。
実施例10では、前記モルタル層を形成させてから、5分経過後に、実施例1と同様の透水性コンクリートを打設し、20℃で7日間、気中養生し、供試体を作製した
なお、実施例8〜10のいずれにおいても、透水性コンクリート打継ぎ用モルタルの打設(塗布)から透水性コンクリートの打設までの作業は、30℃の屋外(晴天時)で行なった。
実施例8〜10の供試体の付着強度を、実施例1と同様にして測定した。結果を表3に示す。
【0038】
【表3】
【0039】
表3から、乾燥防止剤を用いた実施例8、9の供試体は、乾燥防止剤を用いない実施例10の供試体と比べて、付着強度が大きいことがわかる。また、実施例8、9の供試体は、モルタル層の厚さが2mmと薄いにもかかわらず、モルタル層の厚さが5mmである実施例1の供試体(表2参照)と比べて、大差のない付着強度を得ていることがわかる。
【0040】
【発明の効果】
本発明の透水性コンクリート打継ぎ用ペースト又はモルタルは、既設の硬化体(コンクリート硬化体等)の表面に、透水性コンクリートを新たに打設するに際し、付着強度を向上させるための材料として極めて有用である。
また、本発明の透水性コンクリートの打継ぎ工法によれば、特定の打継ぎ用ペースト又はモルタルを用いていることから、高い付着強度を得ることができる。特に、付着面に乾燥防止剤を散布すると、少量の打継ぎ用ペースト又はモルタルを用いただけでも、高い付着強度を得ることができる。
Claims (6)
- 既設の硬化体と、該硬化体に打継がれる透水性コンクリートの間に介在させて用いるためのペースト又はモルタルであって、セメント又はセメントを含む粉体混合物100重量部と、細骨材0〜300重量部と、減水剤0.2〜2.0重量部(固形分換算)と、遅延剤0.01〜0.2重量部と、収縮低減剤0.5〜5重量部と、該収縮低減剤との合計量が20〜40重量部となるように配合される水とを含むことを特徴とする透水性コンクリート打継ぎ用ペースト又はモルタル。
- 上記セメントを含む粉体混合物が、50重量%以上のセメントと50重量%以下の高炉スラグ粉末、フライアッシュ、シリカフュームから選ばれた1種以上の無機粉末とからなる請求項1記載の透水性コンクリート打継ぎ用ペースト又はモルタル。
- 既設の硬化体の上面に、請求項1又は2記載の透水性コンクリート打継ぎ用ペースト又はモルタルを打設する第一の工程と、
上記透水性コンクリート打継ぎ用ペースト又はモルタルが硬化する前に、上記透水性コンクリート打継ぎ用ペースト又はモルタルの上面に、透水性コンクリートを打設する第二の工程とを含むことを特徴とする透水性コンクリートの打継ぎ工法。 - 上記第一の工程と上記第二の工程の間に、上記透水性コンクリート打継ぎ用ペースト又はモルタルの上面に、乾燥防止剤を散布する工程を更に含む請求項3に記載の透水性コンクリートの打継ぎ工法。
- 上記乾燥防止剤が、一般式:RO(AO)nH(式中、Rは、炭素数1〜6のアルキル基、Aは、炭素数2〜3の1種又は2種のアルキレン基、nは、1〜10の整数である。)で表される低級アルコールのアルキレンオキサイド付加物、又は多価アルコールである請求項4に記載の透水性コンクリートの打継ぎ工法。
- 上記第一の工程の前に、上記既設の硬化体の上面のレイタンス層又は薄いペースト層を除去するとともに、凹凸を有する粗面を形成させる前処理工程を更に含む請求項3〜5のいずれかに記載の透水性コンクリートの打継ぎ工法。
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