以下、図面を参照して本開示の電極シート及び生体情報測定装置の実施の形態について説明する。各図面において、電極シートの視認を容易にするため、各層の膜厚及びそれらの比率は適宜変更して描いており、必ずしも実際の膜厚及び比率を反映したものではない。
〔第1実施形態〕
図1に一例として示すように、生体情報測定装置10は、電極シート12と、測定デバイス14とを備えている(図2参照)。電極シート12は、測定デバイス14の反対側で、測定対象としての生体(例えば人)の肌(例えば皮膚面)16に接触している。生体情報測定装置10は、電極シート12を肌16に接触させることで、生体情報を測定する。生体情報として、例えば、心電、筋電、又は脳波などが測定される。
図2に示すように、電極シート12は、測定デバイス14と分離可能であり、使用時において電極シート12に対して測定デバイス14が取り付けられる。測定デバイス14は、電極シート12の一方の面側(例えば、肌16と接触する面と反対側)に取り付けられる。測定デバイス14は、電極シート12のカバー層31の2つの第1開口31Bを覆う位置に取り付けられる。平面視にて電極シート12は、矩形状(例えば、長方形状)とされている。また、平面視にて測定デバイス14は、矩形状とされている。測定デバイス14の長手方向は、例えば、電極シート12の長手方向に沿うように、測定デバイス14が電極シート12に取り付けられる(図1参照)。
図2に示すように、測定デバイス14は、矩形状の筐体21を備えている。筐体21の表面21Aの中央部には、矩形状の突出部21Bが形成されている。第1実施形態では、測定デバイス14は、例えば、アンテナなどの通信部(図示省略)を介して無線で図示しない外部装置と通信する構成とされている。なお、測定デバイスは、無線で通信する構成に代えて、有線で電気的に接続される構成でもよく、この場合は、測定デバイスの筐体に外部装置に出力するための出力端子が設けられる。
図3は、測定デバイス14の裏面側を示す斜視図である。図3に示すように、測定デバイス14は、筐体21の裏面21Dに形成された2つの開口21Eと、開口21Eからそれぞれ突出する電気的接点の一例としての接続端子23とを備えている。開口21Eは、一例として平面視にて円形状とされている。接続端子23は、一例として平面視にて円形状で、側面視にて凸状に突出する形状とされている。接続端子23は、筐体21の内部から開口21Eを通じて筐体21の外部に突出している。なお、接続端子23は、突出部が平面状とされているが、半円状などの他の形状に変更してもよい。第1実施形態では、2つの接続端子23は、測定デバイス14の長手方向の両側に配置されている。
測定デバイス14において、筐体21の内部には、2つの接続端子23に接続される図示しない検出回路が設けられている。検出回路は、例えば、2つの接続端子23がそれぞれ接触する後述する電極部32間の電位差を検出する。検出回路は、一例として、検出された電位信号の増幅、増幅された信号のデジタル変換、及び各種演算(例えば、フィルタリングを含む)といった信号処理を行う複数の回路を有している。検出回路は、各種処理を行った処理済みの信号を、生体情報を表すデータとして出力する。検出回路はデータを、本体内部メモリへ保存するか、又は通信部により無線で図示しない外部装置に出力する。なお、測定デバイス14は、無線通信により外部装置と送信する機能を有していてもよい。
測定デバイス14は、筐体21の裏面21Dの長手方向の両端部に貼り付けられた2つのシール部24を備えている。シール部24は、粘着性を有しており、電極シート12のカバー層31に接着可能とされている。シール部24は、例えば、常温で粘着性を有する高分子材料で構成されている。測定デバイス14は、接続端子23と電極部32とが接触した状態で、シール部24により電極シート12のカバー層31に取り付けられる構成とされている。シール部24を電極シート12のカバー層31に接着させることで、接続端子23と電極部32とは接触状態で物理的な力で固定される。
図4~図7に示すように、電極シート12は、絶縁性を有するカバー層31と、カバー層31の第1面131A(例えば、測定デバイス14が取り付けられる側と反対側の面)に互いに離隔して設けられた複数の電極部32と、を備えている。さらに、電極シート12は、カバー層31における複数の電極部32側に設けられた粘着層33を備えている。第1実施形態において、カバー層31、電極部32、及び粘着層33は、この順番で積層されている。粘着層33は、絶縁性を有しており、複数の電極部32の一部を露出する第2開口33Bを備えている。第1実施形態では、2つの電極部32を有している。また、カバー層31は、2つの電極部32の一部がそれぞれ露出する2つの第1開口31Bを備えている。ここで、カバー層31は、シート基材の一例である。
カバー層31は、矩形状のシート部31Aで構成されており、シート部31Aの中央部には、長手方向に沿って2つの円形状の第1開口31Bが並べて形成されている。カバー層31は、絶縁性を有する高分子材料などで形成されている。
カバー層31は、可撓性を有しており、カバー層31の厚み方向に曲げ変形が可能とされている。
また、カバー層31は、伸縮性を有する材料で形成されていることが好ましい。伸縮性を有する材料として、例えば、ポリウレタン(PU)、ポリエチレン(PE)、シリコーン樹脂、ポリパラキシリレン(パリレン:登録商標)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)などから選ばれる少なくとも1つの材料を含んで構成されていてもよい。ポリエチレン(PE)として、例えば、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)などが用いられる。シリコーン樹脂として、例えば、ポリジメチルシロキサン(PDMS)などが用いられる。
また、カバー層31は、生体適合材料で形成されていてもよい。生体適合材料として、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン(PS)などを含んで構成されていてもよい。
カバー層31の厚みは、5μm以上30μm以下であることが好ましく、8μm以上25μm以下であることがより好ましく、10μm以上20μm以下であることがさらに好ましい。
カバー層31の引張弾性率は、10Mpa以上2000Mpa以下であることが好ましい。さらに、カバー層31の引張弾性率は、50Mpa以上1500Mpa以下であることがより好ましく、100Mpa以上1000Mpa以下であることがさらに好ましい。カバー層31は、厚みが大きいほど、引張弾性率が大きいほど、耐久性は向上するが、柔軟性が低下する。柔軟性が低下すると、カバー層31を有する電極シート12を肌16に押し当てた場合、硬さにより肌16の動きに追従できず、不快感を生じる場合がある。カバー層31を上記の範囲の厚み及び引張弾性率にすることで、電極シート12として使用するのに適切な耐久性及び柔軟性を有する部材とすることができる。さらに、カバー層31を上記の範囲の厚みを20μm以下にすることで、カバー層31の厚みが20μmより厚い場合に比べて、皮膚呼吸がし易くなる。
ここで、引張弾性率とは、弾性限度内において材料が受けた引張り応力を材料に生じたひずみで除した値である。カバー層31の引張弾性率の測定は、JIS K7113:1995に準拠して行う。具体的には、例えば、島津製作所社製、島津オートグラフAGS-J(5KN)を用い、引張速度を100mm/minに設定し、引張弾性率の測定を行う。
カバー層31は、肌色状に着色されていることが好ましい。肌16に装着した場合に電極シート12が目立たなくなるためである。カバー層31は、例えば、カバー層31を構成する樹脂材料に肌色状の着色剤を練り込むことによって着色してもよいし、カバー層31の表面に肌色状の着色剤を印刷、塗装、又はメッキ等するによって着色部を形成してもよい。
また、カバー層31は、電極部32及び粘着層33と反対側の第2面131Bが粗面化処理されていることが好ましい。カバー層31が粗面化処理されていることで、カバー層31での光の反射を抑制することができる。
第1実施形態では、カバー層31は、ポリウレタン(PU)などの伸縮性を有する材料で形成されており、また、カバー層31は、肌色状に着色されている。
電極部32は、導電性を有するシート状体又は板状体とされている。電極部32は、一例として、矩形状とされている。それぞれの電極部32は、カバー層31及び粘着層33の外縁内に配置されており、外縁内において互いに離隔して設けられている。また、それぞれの電極部32は、例えば、電極シート12の長手方向において、中央を基準として対称に配置されている。
図5に示すように、電極部32は、カバー層31と反対側の第1面32Aと、カバー層31側の第2面32Bとを備えている。図6A及び図6Bにも示すように、第1実施形態の電極部32において、第2面32Bの一部は、カバー層31の第1開口31Bと対面しており、第1面32Aの一部は、粘着層33の第2開口33Bと対面している。電極部32の第2面32Bにおいて、カバー層31の第1開口31Bと対面する領域は、第1開口31Bを通じて露出される。電極部32の第2面32Bは、カバー層31の第1開口31Bを通じて測定デバイス14の電気的接点が接触する。また、電極部32の第1面32Aにおいて、粘着層33の第2開口33Bと対面する領域は、第2開口33Bを通じて露出される。図7に示すように、電極部32の第1面32Aにおいて、第2開口33Bを通じて露出される領域が、測定対象の肌16と直接接触する。この直接接触により電極部32は肌16と導通する。
図6Aに示すように、カバー層31の両端部において、カバー層31の外縁と各電極部32の外縁との間には間隔が設けられている。すなわち、平面視にてカバー層31の外縁は、2つの電極部32の外縁よりも更に外に配置される。平面視にてカバー層31の長手方向及び長手方向と直交する方向の長さは、長手方向及び長手方向と直交する方向において2つの電極部32が配置された範囲よりも長い。つまり、カバー層31は、各電極部32の外側にはみ出た部分を有する。
電極部32は、銀(Ag)、塩化銀(AgCl)、金(Au)、銅(Cu)、鉄(Fe)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、白金(Pt)、スズ(Sn)、亜鉛(Zn)、及びこれらから構成される合金より選ばれる少なくとも1つの金属材料、又は導電性を有する高分子材料で形成されていることが好ましい。電極部32として、これらの材料のいずれか1つを選択することで、電極部32をカバー層31に印刷又は転写し、その上から粘着層33を印刷又は転写することにより、電極部32をカバー層31及び粘着層33と一体で形成することができる。
第1実施形態では、電極部32は、銀(Ag)、塩化銀(AgCl)、及び金(Au)より選ばれる少なくとも1つの金属材料で構成されている。
なお、電極部32の材料として、各種の導電体を用いてもよい。例えば、電極部32は、Mo、並びにこれらの合金等を用いてもよい。また、電極部32は、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化スズ、及び酸化亜鉛等から選択された導電膜を用いてもよい。また、電極部32は、導電性ポリマーなどの有機系の導電体等を用いてもよい。電極部32の形成方法についても、真空蒸着及びスパッタリング等の気相堆積法(例えば、真空成膜法)による成膜、スクリーン印刷、上記材料で形成された箔を貼着する方法等を利用してよい。
電極部32の厚みは、3μm以上30μm以下が好ましく、5μm以上25μm以下がより好ましく、8μm以上20μm以下がさらに好ましい。電極部32を上記の範囲の厚みにすることで、電極シート12の可撓性を確保することができ、また、カバー層31が伸縮性を有する場合は、電極シート12の伸縮性を確保することができる。
測定デバイス14は、カバー層31の第2面131B(第1実施形態では、粘着層33と反対側の面)に取り付けられている。測定デバイス14がカバー層31に取り付けられた状態で、2つの電極部32の第2面32Bには、カバー層31の第1開口31Bを通じて測定デバイス14の接続端子23がそれぞれ接触される(図7参照)。すなわち、第1実施形態の電極シート12は、電極部32と接続端子23とは別の導電性部材を使わずに、カバー層31の第1開口31Bを通じて測定デバイス14の接続端子23と直接に電気的な接続ができる構成とされている。
粘着層33は、矩形状とされており、カバー層31の第1面131A及び電極部32の第1面32Aに接着等により接合される粘着部33Aと、2つの第2開口33Bとを備えている。粘着層33は、絶縁性を有する粘着材料で構成されており、肌16に貼り付けられる。2つの第2開口33Bは、粘着部33Aの長手方向の両側に設けられている。上述したとおり、粘着層33の第2開口33Bは、電極部32の第1面32Aの一部と対面しており、第1面32Aの一部を露出する。電極部32の第1面32Aにおいて、粘着層33と対面する領域は、測定対象としての肌16と絶縁される一方、上述のとおり、粘着層33の第2開口33Bを通じて露出される領域は、肌16と直接接触する(図7参照)。
粘着層33は、カバー層31と同一の外形サイズを有している。ここで、「同一」とはプラスマイナス5%程度の公差を許容する「ほぼ同一」を含む概念である。したがって、公差の範囲であれば、粘着層33は、カバー層31の外形サイズより大きくてもよいし、カバー層31の外形サイズより小さくてもよい。
図6Bに示すように、粘着層33の両端部において、粘着層33の外縁と各電極部32の外縁との間には間隔が設けられている。すなわち、平面視にて粘着層33の外縁は、2つの電極部32の外縁よりも更に外に配置される。平面視にて粘着層33の長手方向及び長手方向と直交する方向の長さは、2つの電極部32が配置された範囲よりも長い。つまり、粘着層33は、各電極部32の外側にはみ出た部分を有する。また、上述したとおり、各電極部32は、カバー層31及び粘着層33の長手方向において離隔して設けられている。そのため、図6Bに示すように、各電極部32の周囲は粘着層33によって取り囲まれる。
粘着層33は、非ゲル状で、かつ、絶縁性を有する粘着材料で構成されている。ここで、「非ゲル状の粘着材料」とは、水を保持しているゲル状の粘着材料以外の粘着材料をいい、より正確には、水を保持していないか、あるいは、保持していたとしても、水の含有量が20重量%以下の粘着材料をいう。なお、粘着材料の水の含有量は、10重量%以下がより好ましく、6重量%以下がさらに好ましい。
非ゲル状の粘着材料としては、例えば、常温で粘弾性を有する高分子材料などで形成されていることが好ましい。粘弾性を有する高分子材料として、例えば、アクリル系粘着剤、又はウレタン系粘着剤等を用いることができる。さらに、粘弾性を有する高分子材料として、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、シアノエチル化ポリビニルアルコール(シアノエチル化PVA)、ポリ酢酸ビニル、ポリビニリデンクロライドコアクリロニトリル、ポリスチレン-ビニルポリイソプレンブロック共重合体、ポリビニルメチルケトン、及びポリブチルメタクリレート等の少なくとも1つを含む材料を用いることができる。
非ゲル状の粘着材料は、水を比較的多く含むゲル状の粘着材料と比較して、汗を含んでも粘着力が低下しにくい。そのため、粘着層33として、非ゲル状の粘着材料を使用することで、電極シート12を、汗をかく肌16に長時間貼り付けた場合でも、ゲル状の粘着材料を使用する従来の例と比べて、電極シート12が剥離しにくい。
また、粘着層33として、肌16に対して刺激が少ないアクリル系粘着剤などを選択することにより、肌16に対する低感作性を実現することができる。
粘着層33の厚みは、4μm以上30μm以下が好ましく、6μm以上20μm以下がより好ましく、8μm以上15以下がさらに好ましい。粘着層33を上記の範囲の厚みにすることで、電極シート12として使用するのに適切な柔軟性を確保することができる。
図7に示すように、生体情報測定装置10により測定対象である肌16の生体情報を測定する際には、電極シート12の粘着層33を肌16に貼り付ける(矢印A1参照)。これにより、2つの電極部32の第1面32Aにおいて、粘着層33の第2開口33Bと対面する領域は、肌16に接触する(矢印B1参照)。さらに、測定デバイス14のシール部24(図3参照)を電極シート12のカバー層31に接着させる。なお、電極シート12に測定デバイス14を取り付けた後に、測定デバイス14が取り付けられた電極シート12を肌16に貼り付けてもよい。
生体情報測定装置10では、装置全体の寸法を小さくするためには、2つの電極部32における測定デバイス14の接続端子23が接触可能な部位の間の最大距離d1は、2つの電極部32における肌16が接触可能な部位の間の最小距離d2以下とされていることが望ましい。
2つの電極部32における測定デバイス14の接続端子23が接触可能な部位の間の最大距離d1は、5mm以上30mm以下が好ましく、7mm以上28mm以下がより好ましく、9mm以上25mm以下がさらに好ましい。最大距離d1を上記の範囲にすることで、測定デバイス14を小型化することができる。
2つの電極部32における肌16が接触可能な部位の間の最小距離d2は、30mm以上100mm以下が好ましく、40mm以上90mm以下がより好ましく、50mm以上80mm以下がさらに好ましい。最小距離d2を上記の範囲にすることで、2つの電極部32から電位差を精度よく検出することができる。
ここで、図8A~図8Dを用いて、電極シート12の製造方法の一例について説明する。
図8Aに示すように、カバー層31の第2面131Bには、剥離膜40が貼着されている。カバー層31は、絶縁性を有するシート部31Aで構成されており、シート部31Aの中央部に2つの第1開口31Bを有している。剥離膜40は、例えば、カバー層31から剥離することが可能な剥離層(図示省略)を有する樹脂シートで構成されている。
図8Bに示すように、カバー層31のシート部31Aの表面(例えば、剥離膜40と反対側の第1面131A)に、互いに離隔された2つの電極部32を形成する。例えば、導電性材料をスクリーン印刷等により剥離膜40及びカバー層31の表面に印刷することによって、カバー層31の表面の一部と、カバー層31の第1開口31Bを通じて剥離膜40の一部に、2つの電極部32を形成する。これにより、電極部32の第2面32Bは、カバー層31及び剥離膜40に接触した状態となる。すなわち、カバー層31及び剥離膜40の上には、第1開口31Bの全体を含むように2つの電極部32が形成される。図8Cでは、構成を分かりやすくするために、カバー層31の厚みが実際の厚みよりも厚く示されているが、カバー層31の実際の厚みは十分に薄いため、2つの電極部32の一部は、剥離膜40の上に形成される。なお、導電性材料を転写することにより、カバー層31及び剥離膜40の定められた位置に2つの電極部32を形成してもよい。
図8Cに示すように、カバー層31のシート部31Aの表面(例えば、剥離膜40と反対側の第1面131A)及び2つの電極部32の第1面32Aに、粘着層33を形成する。例えば、粘着剤をスクリーン印刷等によりシート部31Aの表面及び2つの電極部32の第1面32Aに印刷することによって、粘着層33を形成する。粘着層33は、シート部31Aの表面に設けられた粘着部33Aと、電極部32の第1面32Aの一部を露出する2つの第2開口33Bとを備えている。なお、粘着剤を転写することにより、シート部31Aの表面及び2つの電極部32の第1面32Aの定められた位置に粘着層33を形成してもよい。図8Cでは、構成を分かりやすくするために、粘着層33、電極部32及びカバー層31の厚みが実際の厚みよりも厚く示されているが、粘着層33、電極部32及びカバー層31の実際の厚みは十分に薄いため、シート部31Aの表面及び2つの電極部32の第1面32Aに粘着層33がほぼ均一に形成される。
図8Dに示すように、剥離膜40をカバー層31等から剥離する。これにより、電極シート12が製造される。なお、実際に電極シート12を製品として流通する際には、剥離シートとしての剥離膜40がカバー層31に貼り付けられ、かつ粘着層33に剥離シート(図示省略)が貼り付けられた状態で電極シート12の製品が完成する。そして、電極シート12の使用時に、電極シート12の製品から粘着層33の下の剥離シートが除去され、その後カバー層31の上の剥離膜40が除去される。
電極シート12のカバー層31には、測定デバイス14が取り付けられる(図7参照)。これにより、測定デバイス14の接続端子23が2つの電極部32の第2面32Bにそれぞれ接触する。
(作用及び効果)
次に、第1実施形態の作用及び効果について説明する。
電極シート12では、カバー層31の第1面131Aに互いに離隔して2つの電極部32が設けられている。さらに、カバー層31の第1面131A及び2つの電極部32のカバー層31と反対側の第1面32Aには、第2開口33Bを有する粘着層33が設けられている。粘着層33を測定対象である肌16に貼り付けることで、電極部32のカバー層31と反対側の第1面32Aに肌16が直接接触する(図7参照)。また、電極部32のカバー層31側の第2面32Bには、カバー層31の第1開口31Bを通して測定デバイス14の電気的接点の一例である接続端子23が接触されている。
これにより、測定デバイス14では、電極シート12の2つの電極部32によって、肌16に生じる電位差が検出され、さらに検出された電位差により生体情報が測定される。
上記の電極シート12では、肌16に貼り付ける粘着層33は、非ゲル状で、かつ、絶縁性を有する粘着材料で構成されているから、ゲル状の粘着材料である導電性粘着ゲル層を用いて肌16に貼り付ける従来の例と比較して、粘着層33が汗等によって剥離しにくい。また、粘着層33はカバー層31とほぼ同一の外形サイズを有しているので、カバー層31の外縁まで粘着層33が配置されるため、電極シート12全体が肌16から剥離しにくい。また、電極シート12が剥離しにくいため、非ゲル状の粘着層33よりも剥離しやすい導電性粘着ゲル層によって肌16との導通を確保する従来の例と比較して、導通状態が安定する。
そして、電極部32は粘着層33の外縁内に設けられ、かつ、粘着層33の両端部において、粘着層33の外縁と電極部32の外縁との間には間隔が設けられている。電極部32の周囲は、粘着層33によって固定されるため、電極部32の位置ずれも抑制される。従来の導電性粘着ゲル層は非ゲル状の粘着層33と比較して剥離しやすいため、位置ずれもしやすい。周囲を粘着層33によって固定される電極部32は位置ずれしにくいため、本開示の技術は、電極部及び粘着層として導電性粘着ゲル層を用いる従来の例と比較して、導通状態が安定する。
このため、電極シート12では、測定を比較的長時間行う場合でも、従来の例と比較して、電極部32の剥離に起因する測定値のノイズが抑制される。
また、電極シート12では、カバー層31、電極部32、及び粘着層33は、この順番で積層されており、電極部32は、第1面32Aが粘着層33の第2開口33Bと対面しており、第1面32Aにおいて第2開口33Bを通じて露出した領域が肌16と接触する。このため、粘着層33を肌16に貼り付けることで、電極部32をより確実に肌16に接触させることができる。
また、電極シート12では、カバー層31は、伸縮性を有する材料で形成されている。このため、カバー層31の粘着層33を肌16に貼り付けた状態で、肌16の動きに追従するようにカバー層31を伸縮させることができる。
また、電極シート12では、カバー層31は、引張弾性率が10Mpa以上、かつ、1000Mpa以下の材料で構成されている。このため、粘着層33を肌16に貼り付けた状態で、肌16の動きに追従するようにカバー層31を伸縮させることができる。
また、電極シート12では、電極部32は、銀、塩化銀、金、銅、鉄、アルミニウム、マグネシウム、ニッケル、クロム、チタン、白金、スズ、亜鉛、及びこれらから構成される合金より選ばれる少なくとも1つの金属材料、又は導電性を有する高分子材料で形成されている。これにより、例えば、カバー層31に電極部32を印刷又は転写により形成することで、電極部32をカバー層31と一体で形成することができる。
また、電極シート12では、カバー層31は、肌色状に着色されている。すなわち、カバー層31は、肌16の色に近いため、電極シート12を肌16へ貼り付けたときにカバー層31が視認されにくい。
また、生体情報測定装置10は、電極シート12と、接続端子23を有する測定デバイス14とを備えている。生体情報測定装置10では、2つの電極部32におけるカバー層31側の第2面32Bにカバー層31の第1開口31Bを通じて接続端子23を接触させ、電極部32のカバー層31と反対側の第1面32Aが粘着層33の第2開口33Bを介して肌16に接触する。生体情報測定装置10は、上述したとおり、従来の例よりも剥離しにくい電極シート12を使用しているため、電極部32の位置ずれが抑制される。このため、生体情報測定装置10では、測定を比較的長時間行う場合でも従来の例と比較して、電極部32の剥離に起因する測定値のノイズが抑制される。
また、電極シート12の製造方法は、剥離膜40が貼着されたカバー層31(シート基材の一例)であって、第1開口31Bを有し、かつ絶縁性を有するカバー層31の表面に、互いに離隔された複数の電極部32を形成する工程を備えている。上記工程は、カバー層31の外縁内において互いに離隔した位置で、かつ、第1開口31Bと一部が対面する位置に複数の電極部32を形成する工程である。また、電極シート12の製造方法は、カバー層31と同一の外形サイズを有し、非ゲル状で、かつ絶縁性を有する粘着層33をカバー層31の表面に形成する工程を備えている。上記工程は、粘着層33の両端部において、粘着層33の外縁と電極部32の外縁との間に間隔が設けられ、かつ、複数の電極部32をカバー層31との間に挟み込む態様で粘着層33を形成する工程である。さらに、電極シート12の製造方法は、剥離膜40をカバー層31から剥離する工程を備えている。
このように電極シート12の製造方法では、剥離膜40の上のカバー層31の第1開口31Bを含む部位に、電極部32を形成し、さらに粘着層33を形成した後、剥離膜40をカバー層31から剥離するから、複雑な工程は無く、電極シート12の製造が容易である。
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態の生体情報測定装置について説明する。なお、第2実施形態の生体情報測定装置の基本的な構成は、第1実施形態の生体情報測定装置10と同様である。第2実施形態において、第1実施形態と同一の構成要素、部材等を有する場合は、同一符号を付して、詳細な説明を省略し、相違点を中心に説明する。
図9は、第2実施形態の生体情報測定装置50を示す。第2実施形態の生体情報測定装置50では、電極シート12に対する測定デバイス52の取り付ける方向の変更及びそれに伴う接続端子23の位置の変更を行っており、その他の構成は、第1実施形態の生体情報測定装置10と同様である。図9に示すように、生体情報測定装置50は、電極シート12と測定デバイス52とを備えている。測定デバイス52は、長手方向と直交する方向の両側に2つの接続端子23を備えている。測定デバイス52のその他の構成は、第1実施形態の測定デバイス14と同じである。
測定デバイス52は、長手方向が電極シート12の長手方向と直交する方向となるように電極シート12に取り付けられる。図示を省略するが、測定デバイス52は、長手方向の両端部にシール部を備えており、シール部を肌16(図1参照)に貼り付ける。図示を省略するが、測定デバイス52が肌16に貼り付けられた状態で、測定デバイス52の接続端子23がカバー層31の第1開口31Bを通じて電極部32の第2面32Bにそれぞれ接触する。
上記の生体情報測定装置50では、第1実施形態と同様な構成による効果を得ることができる。
〔第3実施形態〕
次に、第3実施形態の生体情報測定装置について説明する。なお、第3実施形態の生体情報測定装置の基本的な構成は、第1実施形態の生体情報測定装置10と同様である。第3実施形態において、第1実施形態と同一の構成要素、部材等を有する場合は、同一符号を付して、詳細な説明を省略し、相違点を中心に説明する。
図10は、第3実施形態の生体情報測定装置60を示す。第3実施形態の生体情報測定装置60では、電極シート62の粘着層63の構成のみを変更しおり、その他の構成は、第1実施形態の生体情報測定装置10と同様である。図10に示すように、粘着層63は、矩形状とされており、シート状の粘着部63Aと、粘着部63Aの中央部に設けられた1つの第2開口63Bとを備えている。第2開口63Bは、矩形状とされており、第2開口63Bの長手方向が粘着層63の長手方向となるように配置されている。
平面視にて粘着層63の外縁は、2つの電極部32の外縁よりも更に外に配置されおり、粘着層63の両端部には、各電極部32と接触しない部分が設けられている。粘着層63の第2開口63Bには、2つの電極部32のカバー層31と反対側の第1面32A(図示省略)の一部と、2つの電極部32の間のカバー層31の領域が露出する。粘着層63の材料は、第1実施形態の粘着層33と同じである。
生体情報測定装置60では、粘着層63が肌16に貼り付けられた状態で、電極部32の第1面32Aにおいて、粘着層63の第2開口63Bに露出している領域は、肌16と接触することにより導通される。
上記の生体情報測定装置60では、第1実施形態と同様な構成による効果を得ることができる。
なお、第3実施形態の生体情報測定装置60では、第1実施形態と異なり、2つの電極部32を露出する第2開口63Bが1つの開口で構成されるため、各電極部32同士が対向する方向には粘着層33が存在しない。しかし、第3実施形態でも、各電極部32の周囲において、三方向には、従来よりも粘着力が高い非ゲル状の粘着層33が存在するので、従来の例と比較すれば各電極部32の剥離及び位置ずれを抑制することができる。
〔第4実施形態〕
次に、第4実施形態の生体情報測定装置について説明する。なお、第4実施形態の生体情報測定装置の基本的な構成は、第1実施形態の生体情報測定装置10と同様である。第4実施形態において、第1実施形態と同一の構成要素、部材等を有する場合は、同一符号を付して、詳細な説明を省略し、相違点を中心に説明する。
図11は、第4実施形態の生体情報測定装置70を示す。第4実施形態の生体情報測定装置70では、電極シート72の電極部73及び粘着層74の構成を変更しており、その他の構成は、第1実施形態の生体情報測定装置10と同様である。図11に示すように、電極シート72は、カバー層31と、カバー層31の測定デバイス14が取り付けられる側と反対側の面に互いに離隔して設けられた2つの電極部73と、カバー層31における複数の電極部73側に設けられた粘着層74とを備えている。
2つの電極部73は、電極シート72の長手方向において、中央を基準として対称に配置されている。電極部73は、カバー層31と反対側の第1面32A(図11には図示しないが、第1実施形態の第1面32A(図5等参照)と同様である)と、カバー層31側の第2面32Bとを備えている。電極部73は、円形部73Aと、円形部73Aの一部から半径方向外側に延びた延出部73Bとを備えている。延出部73Bは、円形部73Aに対して電極シート72の長手方向の中央部を向く方向に延びている。電極部73の第2面32Bは、カバー層31の第1開口31Bに対面しており、かつ、第2面32Bにおいて、延出部73B付近は、第1開口31Bから露出している。
粘着層74は、矩形状とされており、シート状の粘着部74Aと、粘着部74Aの長手方向の両側に設けられた2つの第2開口74Bとを備えている。第4実施形態では、第2開口74Bは、略円形状とされており、内径が電極部73の円形部73Aの外径よりも小さい。
平面視にて粘着層74の外縁は、2つの電極部73の外縁よりも更に外に配置されおり、粘着層74の両端部には、各電極部73と接触しない部分が設けられている。粘着層74の第2開口74Bと、電極部73の第1面32Aとは対面している。電極部73の第1面32Aにおいて、円形部73Aの一部は第2開口74Bから露出する。粘着層74の材料は、第1実施形態の粘着層33と同じである。
生体情報測定装置70では、粘着層74が肌16に貼り付けられた状態で、電極部73の第1面32Aにおいて、粘着層74の第2開口74Bに露出している領域は、肌16と接触することにより導通される。また、測定デバイス14の接続端子23は、カバー層31の第1開口31Bを通じて電極部73の延出部73Bにそれぞれ接触する。
上記の生体情報測定装置70では、第1実施形態と同様な構成による効果を得ることができる。また、生体情報測定装置70では、粘着層74の第2開口74Bが円形状であり、大きさが第1実施形態の粘着層33の矩形状の第2開口33Bの大きさよりも小さいため、粘着層74が肌16からより剥がれにくくなり、電極部73が肌16に対して位置ずれにしくい。
第4実施形態の電極部73の形状は、主要部分が円形であり、矩形状ではない点で第1実施形態等と異なる。このように電極部73の形状は、矩形状に限定されない。第4実施形態において、電極部73は、形状が第1実施形態と異なる。しかし、第2面32Bとカバー層31の第1開口31Bとが対面し、かつ、第1面32Aと粘着層74の第2開口74Bとが対面する関係は、第1実施形態と同様である。
以下の図12に示す第5実施形態から図17に示す第10実施形態も、第4実施形態と同様に、カバー層の開口の形状及び数などが異なる態様、並びに粘着層の開口の形状及び数などが異なる態様など、第1実施形態の変形例である。ただし、第5実施形態から第10実施形態においても、第4実施形態と同様に、各電極部の第2面32Bとカバー層の第1開口とが対面し、かつ、各電極部の第1面32Aと粘着層の第2開口とが対面する関係は、第1実施形態と同様である。
〔第5実施形態〕
次に、第5実施形態の生体情報測定装置について説明する。なお、第5実施形態の生体情報測定装置の基本的な構成は、第1実施形態の生体情報測定装置10と同様である。第5実施形態において、第1実施形態と同一の構成要素、部材等を有する場合は、同一符号を付して、詳細な説明を省略し、相違点を中心に説明する。
図12は、第5実施形態の生体情報測定装置80を示す。第5実施形態の生体情報測定装置80では、電極シート82の粘着層83の構成のみを変更しおり、その他の構成は、第1実施形態の生体情報測定装置10と同様である。図12に示すように、電極シート82は、カバー層31と、カバー層31の測定デバイス14が取り付けられる側と反対側の面に設けられた2つの電極部32と、カバー層31における2つの電極部32側に設けられた粘着層83とを備えている。
粘着層83は、矩形状とされており、シート状の粘着部83Aと、粘着部83Aの長手方向の両側に設けられた複数の第2開口83Bとを備えている。粘着層83は、長手方向の中央を基準として左右対称に構成されている。第5実施形態では、第2開口83Bは、正方形状とされており、粘着部83Aの長手方向の両側に、それぞれ4つの第2開口83Bが長手方向及び長手方向と直交する方向に近接して2行2列に並べて配置されている。粘着層83において、隣り合う2つの第2開口83Bの間は、棒状の仕切り部83Cで仕切られている。
平面視にて粘着層83の外縁は、2つの電極部32の外縁よりも更に外に配置されており、粘着層83の両端部には、各電極部32と接触しない部分が設けられている。粘着層83の長手方向の両側の4つの第2開口83Bには、それぞれ電極部32のカバー層31と反対側の第1面が露出する。粘着層83の材料は、第1実施形態の粘着層33と同じである。
上記の生体情報測定装置80では、第1実施形態と同様な構成による効果を得ることができる。また、生体情報測定装置80では、粘着層83の4つの第2開口83Bの間に、粘着力を発揮する仕切り部83Cが設けられているため、粘着層83が肌16からよりいっそう剥がれにくくなり、電極部32が肌16に対して位置ずれにしくい。
〔第6実施形態〕
次に、第6実施形態の生体情報測定装置について説明する。なお、第6実施形態の生体情報測定装置の基本的な構成は、第1実施形態の生体情報測定装置10と同様である。第6実施形態において、第1実施形態と同一の構成要素、部材等を有する場合は、同一符号を付して、詳細な説明を省略し、相違点を中心に説明する。
図13は、第6実施形態の生体情報測定装置90を示す。第6実施形態の生体情報測定装置90では、電極シート92の粘着層93の構成のみを変更しおり、その他の構成は、第1実施形態の生体情報測定装置10と同様である。図13に示すように、電極シート92は、カバー層31と、カバー層31の測定デバイス14が取り付けられる側と反対側の面に設けられた2つの電極部32と、カバー層31における2つの電極部32側に設けられた粘着層93とを備えている。
粘着層93は、矩形状とされており、シート状の粘着部93Aと、粘着部93Aの長手方向の両側に設けられた複数の第2開口93Bとを備えている。粘着層93は、長手方向の中央を基準として左右対称に構成されている。第6実施形態では、第2開口93Bは、細長い矩形状とされており、粘着部93Aの長手方向の両側に、それぞれ4つの第2開口93Bが粘着部93Aの長手方向に近接して4列に並べて配置されている。一例として、第2開口93Bの長手方向は、粘着層93の長手方向と直交する方向とされている。粘着層93において、隣り合う第2開口93Bの間は、仕切り部93Cで区画されている。
平面視にて粘着層93の外縁は、2つの電極部32の外縁よりも更に外に配置されおり、粘着層93の両端部には、各電極部32と接触しない部分が設けられている。粘着層93の長手方向の両側の4つの第2開口93Bには、それぞれ電極部32のカバー層31と反対側の第1面が露出する。粘着層93の材料は、第1実施形態の粘着層33と同じである。
上記の生体情報測定装置90では、第1実施形態と同様な構成による効果を得ることができる。また、生体情報測定装置90では、粘着層93の4つの第2開口93Bの間に粘着力を発揮する仕切り部93Cが設けられているため、粘着層93が肌16からよりいっそう剥がれにくくなり、電極部32が肌16に対して位置ずれにしくい。
〔第7実施形態〕
次に、第7実施形態の生体情報測定装置について説明する。なお、第7実施形態の生体情報測定装置の基本的な構成は、第1実施形態の生体情報測定装置10と同様である。第7実施形態において、第1実施形態と同一の構成要素、部材等を有する場合は、同一符号を付して、詳細な説明を省略し、相違点を中心に説明する。
図14は、第7実施形態の生体情報測定装置100を示す。第7実施形態の生体情報測定装置100では、電極シート102の粘着層103の構成のみを変更しおり、その他の構成は、第1実施形態の生体情報測定装置10と同様である。図14に示すように、電極シート102は、カバー層31と、カバー層31の測定デバイス14が取り付けられる側と反対側の面に設けられた2つの電極部32と、カバー層31における2つの電極部32側に設けられた粘着層103とを備えている。
粘着層103は、矩形状とされており、シート状の粘着部103Aと、粘着部103Aの長手方向の中央部及び両側に設けられた複数の第2開口103Bとを備えている。粘着層103は、長手方向の中央を基準として左右対称に構成されている。第7実施形態では、第2開口103Bは、細長い矩形状とされており、粘着部93Aの長手方向の中央部及び両側に、それぞれ4つの第2開口103Bが長手方向に近接して4列に並べて配置されている。一例として、第2開口103Bの長手方向は、粘着層103の長手方向と直交する方向とされている。粘着層103において、隣り合う第2開口103Bの間は、仕切り部103Cで区画されている。
平面視にて粘着層103の外縁は、2つの電極部32の外縁よりも更に外に配置されおり、粘着層103の両端部には、各電極部32と接触しない部分が設けられている。粘着層103の長手方向の中央部の一部の第2開口103B及び長手方向の両側の4つの第2開口103Bには、それぞれ電極部32のカバー層31と反対側の第1面が露出する。また、粘着層103の長手方向の中央部の他の第2開口103Bには、カバー層31が露出する。粘着層103の材料は、第1実施形態の粘着層33と同じである。
上記の生体情報測定装置100では、第1実施形態と同様な構成による効果を得ることができる。また、生体情報測定装置100では、粘着層103の4つの第2開口103Bの間に粘着力を発揮する仕切り部103Cが設けられているため、粘着層103が肌16からより剥がれにくくなり、電極部32が肌16に対して位置ずれにしくい。
〔第8実施形態〕
次に、第8実施形態の生体情報測定装置について説明する。なお、第8実施形態の生体情報測定装置の基本的な構成は、第1実施形態の生体情報測定装置10と同様である。第8実施形態において、第1実施形態と同一の構成要素、部材等を有する場合は、同一符号を付して、詳細な説明を省略し、相違点を中心に説明する。
図15は、第8実施形態の生体情報測定装置110を示す。第8実施形態の生体情報測定装置110では、電極シート112のシート基材の一例としてのカバー層113の構成のみを変更しおり、その他の構成は、第1実施形態の生体情報測定装置10と同様である。図15に示すように、電極シート112は、カバー層113と、カバー層113の測定デバイス14が取り付けられる側と反対側の面に設けられた2つの電極部32と、カバー層113における2つの電極部32側に設けられた粘着層33とを備えている。
カバー層113は、矩形状のシート部113Aと、シート部113Aの中央部に設けられた1つの第1開口113Bとを備えている。第1開口113Bは、矩形状とされており、第1開口113Bの長手方向は、カバー層113の長手方向に沿った方向とされている。カバー層113における第1開口113Bは、2つの電極部32に跨るように形成されている。言い換えると、カバー層113における第1開口113Bの長手方向の両端部は、2つの電極部32の長手方向の中央部側(すなわち、シート部113Aの長手方向の中央部側)の部分に対向している。カバー層113は、絶縁性を有する高分子材料などで形成されている。
2つの電極部32の第2面32Bにおいて、カバー層113の第1開口113Bと対向する部分は、カバー層113の第1開口113Bに露出している。2つの電極部32の第2面32Bには、カバー層113の第1開口113Bを通じて測定デバイス14の接続端子23がそれぞれ接触される。
上記の生体情報測定装置110では、第1実施形態と同様な構成による効果を得ることができる。
〔第9実施形態〕
次に、第9実施形態の生体情報測定装置について説明する。なお、第9実施形態の生体情報測定装置の基本的な構成は、第8実施形態の生体情報測定装置110と同様である。第9実施形態において、第8実施形態と同一の構成要素、部材等を有する場合は、同一符号を付して、詳細な説明を省略し、相違点を中心に説明する。
図16は、第9実施形態の生体情報測定装置120を示す。第9実施形態の生体情報測定装置120では、測定デバイス52の構成のみを変更しおり、その他の構成は、第8実施形態の生体情報測定装置110と同様である。図16に示すように、生体情報測定装置120は、電極シート112と測定デバイス52とを備えている。測定デバイス52は、第2実施形態の測定デバイス52と同じである。
2つの電極部32の第2面32Bには、カバー層113の1つの第1開口113Bを通じて測定デバイス52の接続端子23がそれぞれ接触される。
上記の生体情報測定装置120では、第8実施形態と同様な構成による効果を得ることができる。
〔第10実施形態〕
次に、第10実施形態の生体情報測定装置について説明する。なお、第10実施形態の生体情報測定装置の基本的な構成は、第8実施形態の生体情報測定装置110と同様である。第10実施形態において、第8実施形態と同一の構成要素、部材等を有する場合は、同一符号を付して、詳細な説明を省略し、相違点を中心に説明する。
図17は、第10実施形態の生体情報測定装置140を示す。第10実施形態の生体情報測定装置140では、電極シート142の粘着層143の構成のみを変更しおり、その他の構成は、第8実施形態の生体情報測定装置110と同様である。図17に示すように、電極シート142は、カバー層113と、カバー層113の測定デバイス14が取り付けられる側と反対側の面に設けられた2つの電極部32と、カバー層113における2つの電極部32側に設けられた粘着層143とを備えている。
粘着層143は、矩形状の粘着部143Aと、粘着部143Aの長手方向の両側に設けられた2つの第2開口33Bと、粘着部143Aの長手方向の中央部に設けられた第3開口143Bとを備えている。第2開口33Bは、略正方形状とされており、第3開口143Bは、粘着部143Aの長手方向と直交する方向に長い矩形状とされている。
粘着層143の第2開口33Bは、電極部32の第1面32A(図17では図示されていない)の一部と対向しており、粘着層143の第3開口143Bは、カバー層113の第1開口113Bと対向している。電極部32の第1面32Aにおいて、粘着層143の第2開口33Bに露出している領域は、肌16と接触することにより導通される。
上記の生体情報測定装置140では、第8実施形態と同様な構成による効果を得ることができる。
〔第11実施形態〕
次に、第11実施形態の生体情報測定装置について説明する。第11実施形態において、第1実施形態と同一の構成要素、部材等を有する場合は、同一符号を付して、詳細な説明を省略し、相違点を中心に説明する。
図18は、第11実施形態の生体情報測定装置210を示す。第11実施形態の生体情報測定装置210では、電極シート212の構成を変更しおり、その他の構成は、第1実施形態の生体情報測定装置10と同様である。
図18に示すように、生体情報測定装置210は、電極シート212と、測定デバイス14とを備えている(図2参照)。図18~図21に示すように、電極シート212は、絶縁性を有するシート基材としてのカバー層231と、カバー層231の第1面131A(第11実施形態では、測定デバイス14が取り付けられる側と反対側の面)に設けられた粘着層232とを備えている。さらに、電極シート212は、複数の電極部233と絶縁層234とを備えている。複数の電極部233は、粘着層232におけるカバー層231と反対側の面に互いに離隔して設けられている。絶縁層234は、複数の電極部233の間を絶縁する。絶縁層234は、間隔を空けて配置された複数の電極部233を跨ぐように設けられる。絶縁層234は、各電極部233が近接する内側部分を部分的に覆い、各電極部233の外側部分を露出する。第11実施形態の電極シート212では、2つの電極部233を有している。
カバー層231は、矩形状のシート部231Aと、シート部231Aの中央部に形成された矩形状の第1開口231Bとを備えている。カバー層231は、第1実施形態のカバー層31と同様に、絶縁性を有する高分子材料などで形成されている。
粘着層232は、カバー層231の第1面131A(すなわち、シート部231Aの表面)に形成された粘着部232Aと、粘着部232Aにおけるシート部231Aの開口231Bと対応する位置に設けられた第2開口232Bとを備えている。粘着層232は、カバー層231とほぼ同一の外形サイズを有している。粘着層232は、第1実施形態の粘着層33と同様に、非ゲル状で、かつ、絶縁性を有している。
電極部233は、カバー層231と反対側の第1面233Aと、カバー層231側の第2面233Bとを備えている。電極部233の第2面233Bにおいて、粘着層232と対向する部分は、粘着層232に接触しており、粘着層232を介してカバー層231に取り付けられている。電極部233の第2面233Bにおいて、粘着層232の第2開口232Bと対向する部分は、第2開口232Bを通じてカバー層231の第1開口231Bに露出している。粘着層232の長手方向の両端部には、各電極部233と接触しない部分が設けられている。それぞれの電極部233は、電極シート212の長手方向において、中央を基準として対称に配置されている。電極部233は、第1実施形態の電極部32と同様に、金属材料、又は導電性を有する高分子材料などで形成されている。
粘着層232の外縁には、各電極部233と接触しない部分が設けられている。すなわち、平面視にて粘着層232の外縁は、2つの電極部233の外縁よりも更に外に配置される。第11実施形態では、平面視にて粘着層232の長手方向及び長手方向と直交する方向の長さは、長手方向及び長手方向と直交する方向において2つの電極部233が配置された範囲よりも長い。つまり、粘着層232は、各電極部233の外側にはみ出た部分を有する。
測定デバイス14は、カバー層231の第2面131B(第11実施形態では、粘着層232と反対側の面)に取り付けられている。測定デバイス14がカバー層231に取り付けられた状態で、2つの電極部233の第2面233Bには、カバー層231の第1開口231B及び粘着層232の第2開口232Bを通じて測定デバイス14の接続端子23がそれぞれ接触される(図21参照)。
2つの電極部233の第1面233Aには、上述のとおり、2つの電極部233を跨ぐように絶縁層234が設けられている。電極部233の第1面233Aにおいて、絶縁層234が設けられている部位は、肌16と絶縁される一方、絶縁層234が設けられていない部位は、肌16と接触することにより導通される。
絶縁層234は、矩形状とされており、長手方向の両端部が2つの電極部233の第1面233Aにそれぞれ接触している。絶縁層234は、電極部233の第1面233Aに接着等により接合されている。
絶縁層234は、絶縁性を有する高分子材料などによって形成されている。絶縁層234は、例えば、カバー層231を構成する高分子材料と同様の材料により構成されていてもよい。
また、絶縁層234は、粘着性を有していてもよい。絶縁層234は、例えば、粘着層232を構成する高分子材料と同様の材料により構成されていてもよい。
図21に示すように、生体情報測定装置210により肌16の生体情報を測定する際には、電極シート212の粘着層232を肌16に貼り付ける(矢印A2参照)。これにより、2つの電極部233の第1面233Aにおいて絶縁層234が設けられていない部位は、肌16に接触する(矢印B2参照)。
生体情報測定装置210では、2つの電極部233における測定デバイス14の接続端子23が接触可能な部位の間の最大距離d1は、2つの電極部233における肌16が接触可能な部位の間の最小距離d2以下とされていることが望ましい。
2つの電極部233における測定デバイス14の接続端子23が接触可能な部位の間の最大距離d1は、5mm以上30mm以下が好ましく、7mm以上28mm以下がより好ましく、9mm以上25mm以下がさらに好ましい。最大距離d1を上記の範囲にすることで、測定デバイス14を小型化することができる。
また、2つの電極部233における肌16が接触可能な部位の間の最小距離d2は、30mm以上100mm以下が好ましく、40mm以上90mm以下がより好ましく、50mm以上80mm以下がさらに好ましい。最小距離d2を上記の範囲にすることで、2つの電極部233から電位差を精度よく検出することができる。
また、電極シート212では、2つの電極部233における測定デバイス14の接続端子23が接触可能な部位の間の最大距離d1は、2つの電極部233における肌16が接触可能な部位の間の最小距離d2以下であるから、電極シート212の小型化が可能である。また、2つの電極部233における肌16が接触可能な部位の間の最小距離d2を確保することで、2つの電極部233から電位差の検出信号を精度よく取得することができる。
ここで、図22A~図22Eを用いて、電極シート212の製造方法の一例について説明する。
図22Aに示すように、カバー層231の第2面131Bには、剥離膜40が貼着されている。カバー層231は、絶縁性を有するシート部231Aで構成されており、シート部231Aの中央部に第1開口231Bを有している。
図22Bに示すように、カバー層231のシート部231Aの表面(図22Bの例では、剥離膜40と反対側の第1面131A)に粘着層232を形成する。例えば、粘着剤をスクリーン印刷等によりシート部231Aの表面に印刷することによって、シート部231Aの表面に粘着層232を形成する。粘着層232は、シート部231Aの表面に設けられた粘着部232Aと、第1開口231Bと対応する位置に設けられた第2開口232Bとを備えている。なお、粘着剤を転写することにより、シート部231Aの表面の定められた位置に粘着層232を形成してもよい。
図22Cに示すように、剥離膜40及び粘着層232の表面に、互いに離隔された2つの電極部233を形成する。例えば、導電性材料をスクリーン印刷等により剥離膜40及び粘着層232の表面に印刷することによって、粘着層232の表面の一部と、粘着層232の第2開口232B及びカバー層231の第1開口231Bを通じて剥離膜40の一部に、2つの電極部233を形成する。これにより、電極部233の第2面233Bの一部は、粘着層232と剥離膜40に接触した状態となる。すなわち、粘着層232及び剥離膜40の上には、第2開口232Bの一部を含むように2つの電極部233が形成される。図22Cでは、構成を分かりやすくするために、粘着層232及びカバー層231の厚みが実際の厚みよりも厚く示されているが、粘着層232及びカバー層231の実際の厚みは十分に薄いため、2つの電極部233の一部は、剥離膜40の上に形成される。なお、導電性材料を転写することにより、粘着層232及び剥離膜40の定められた位置に2つの電極部233を形成してもよい。
図22Dに示すように、2つの電極部233の第1面233Aに跨るように絶縁層234を形成する。例えば、絶縁性の高分子材料をスクリーン印刷等により剥離膜40及び2つの電極部233の第1面233Aに印刷することによって、2つの電極部233の第1面233Aと、電極部233の間の空間を通じて剥離膜40の一部に、絶縁層234を形成する。これにより、絶縁層234の一方の面は、2つの電極部233の第1面233Aと剥離膜40に接触した状態となる。すなわち、剥離膜40の上における2つの電極部233を含む部位には、2つの電極部233の間を絶縁する絶縁層234が形成される。図22Dでは、構成を分かりやすくするために、粘着層232、カバー層231及び電極部233の厚みが実際の厚みよりも厚く示されているが、粘着層232、カバー層231及び電極部233の実際の厚みは十分に薄いため、絶縁層234の一部は、剥離膜40の上に形成される。なお、絶縁性の高分子材料を転写することにより、2つの電極部233の第1面233Aと剥離膜40の定められた位置に絶縁層234を形成してもよい。
図22Eに示すように、剥離膜40をカバー層231等から剥離する。これにより、電極シート212が製造される。なお、実際に電極シート212を製品として流通する際には、剥離シートとしての剥離膜40がカバー層231に貼り付けられ、かつ電極部233及び絶縁層234の側に剥離シート(図示省略)が貼り付けられた状態で電極シート212の製品が完成する。そして、電極シート212の使用時に、電極シート212の製品から電極部233及び絶縁層234の側の剥離シートが除去され、カバー層231の側の剥離膜40が除去される。
電極シート212のカバー層231には、測定デバイス14が取り付けられる(図21参照)。これにより、測定デバイス14の接続端子23が2つの電極部233の第2面233Bにそれぞれ接触する。
上記の電極シート212では、カバー層231の第1面131A側に、粘着層232を介して2つの電極部233が設けられている。粘着層232を肌16に貼り付けることで、電極部233のカバー層231と反対側の第1面233Aに肌16が接触する(図21参照)。また、電極部233のカバー層231側の第2面233Bには、カバー層231の第1開口231Bを通して測定デバイス14の接続端子23が接触されている。
これにより、測定デバイス14では、電極シート212の2つの電極部233によって、肌16に生じる電位差が検出され、さらに検出された電位差により生体情報が測定される。また、第11実施形態においても、以下のように、第1実施形態と同様の効果を有する。
上記の電極シート212では、粘着層232は、非ゲル状で、かつ、絶縁性を有する粘着材料で構成されているから、水分によって剥離しやすい導電性粘着ゲル層を用いた従来の例と比較して、粘着層232が汗等によって剥離しにくい。また、粘着層232はカバー層231とほぼ同一の外形サイズを有しているので、カバー層231の外縁まで粘着層232が配置されている。このため、電極シート212全体が肌16から剥離しにくい。また、電極シート212が剥離しにくいため、非ゲル状の粘着層232よりも剥離しやすい導電性粘着ゲル層によって肌16との導通を確保する従来の例と比較して、導通状態が安定する。
そして、電極部233はカバー層231及び粘着層232の外縁内に設けられ、かつ、粘着層232の両端部において、粘着層232の外縁と電極部233の外縁との間には間隔が設けられる。電極部233の周囲は、粘着層232によって肌16に固定されるため、電極部233の位置ずれも抑制される。従来の導電性粘着ゲル層は非ゲル状の粘着層232と比較して剥離しやすいため、位置ずれもしやすい。第11実施形態では、電極部233は、周囲を粘着層232によって固定されるため、電極部233は位置ずれしにくい。このため、電極シート212は、電極部及び粘着層として導電性粘着ゲル層を用いる従来の例と比較して、導通状態が安定する。
このため、電極シート212では、測定を比較的長時間行う場合でも従来の例と比較して、電極部233の剥離に起因する測定値のノイズが抑制される。
また、電極シート212では、カバー層231、粘着層232及び電極部233は、この順番で積層されており、電極部233は、第2面233Bが粘着層232の第2開口232Bと対面している。これにより、電極部233は、第2面233Bにおいてカバー層231の第1開口231B及び粘着層232の第2開口232Bを通じて露出した領域が測定デバイス14の電気的接点としての接続端子23と接触する(図21参照)。これにより、測定デバイス14の接続端子23と電極部233との接触を確保することができる。
また、電極シート212では、平面視にて粘着層232の外縁は、2つの電極部233の外縁よりも更に外に配置されているから、粘着層232を肌16に貼り付けることで、電極部233を肌16に接触させることができる。
2つの電極部233のそれぞれの第1面233A側には、2つの電極部233の間を絶縁する絶縁層234を備えている。絶縁層234を設けることにより、間隔を空けて設けられた各電極部233が電極シート212の撓みなどによってショートすることが防止される。このため、2つの電極部233間を確実に絶縁させることができるため、測定値にノイズが入ることを抑制することができる。
さらに、生体情報測定装置210では、第1実施形態と同様な構成による効果を得ることができる。
また、電極シート212の製造方法は、剥離膜40が貼着されたカバー層231(シート基材の一例)を用いる。そして、第1開口231Bを有し、かつ絶縁性を有するカバー層231の表面に、カバー層231と同一の外形サイズを有し、非ゲル状で、かつ絶縁性を有する粘着層232を形成する工程を備えている。上記工程は、カバー層231の表面に、第1開口231Bと連通する第2開口232Bを有する粘着層232を形成する工程である。また、電極シート212の製造方法は、カバー層231及び粘着層232の外縁内において、互いに離隔し、かつ、第1開口231B及び第2開口232Bと一部が対面する位置に複数の電極部233を形成する工程を備えている。上記工程は、粘着層232の両端部において、粘着層232の外縁と電極部233の外縁との間に間隔が設けられる態様で複数の電極部233を形成する工程である。さらに、電極シート212の製造方法は、剥離膜40をカバー層231から剥離する工程を備えている。
上記の電極シート212の製造方法では、剥離膜40の上における2つの電極部233を含む部位に、2つの電極部233の間を絶縁する絶縁層234を形成した後、剥離膜40をカバー層231から剥離するから、複雑な工程は無く、電極シート212の製造が容易となる。
また、第11実施形態のように、電極シート212に絶縁層234を形成する場合は、電極シート212の製造方法において、剥離膜40の上における2つの電極部233を含む部位に、2つの電極部233の間を絶縁する絶縁層234を形成する工程が追加される。
なお、生体情報測定装置210では、電極シート212に粘着性を有しない絶縁層234が設けられているが、絶縁層が粘着性を有している構成でもよい。これにより、電極シート212の絶縁層が肌16に貼り付くから、電極部233の位置ズレをより効果的に抑制できる。
〔第12実施形態〕
次に、第12実施形態の生体情報測定装置について説明する。なお、第12実施形態の生体情報測定装置の基本的な構成は、第11実施形態の生体情報測定装置210と同様である。第12実施形態において、第11実施形態と同一の構成要素、部材等を有する場合は、同一符号を付して、詳細な説明を省略し、相違点を中心に説明する。
図23は、第12実施形態の生体情報測定装置240を示す。第12実施形態の生体情報測定装置240では、測定デバイス52の構成のみを変更しおり、その他の構成は、第11実施形態の生体情報測定装置210と同様である。図23に示すように、生体情報測定装置240は、電極シート212と測定デバイス52とを備えている。測定デバイス52は、長手方向両と直交する方向の両側に2つの接続端子23を備えている。測定デバイス52の構成は、第2実施形態の測定デバイス52と同じである。
測定デバイス52の長手方向は、電極シート212の長手方向と直交する方向となるように測定デバイス52は、電極シート212に取り付けられる。図示を省略するが、測定デバイス52は、長手方向の両端部にシール部を備えており、シール部を肌16(図1参照)に貼り付ける。測定デバイス52が肌16に貼り付けられた状態で、測定デバイス52の接続端子23がカバー層231の第1開口231B及び粘着層232の第2開口232Bを通じて電極部233の第2面233Bにそれぞれ接触する。
上記の生体情報測定装置240では、第11実施形態と同様な構成による効果を得ることができる。
〔第13実施形態〕
次に、第13実施形態の生体情報測定装置について説明する。なお、第13実施形態の生体情報測定装置の基本的な構成は、第1実施形態の生体情報測定装置10と同様である。第13実施形態において、第1実施形態と同一の構成要素、部材等を有する場合は、同一符号を付して、詳細な説明を省略し、相違点を中心に説明する。
図24は、第13実施形態のシート基材の一例としてのカバー層251を示す。第13実施形態の生体情報測定装置10では、電極シート12のうちのカバー層251の構成のみを変更しおり、その他の構成は、第1実施形態の生体情報測定装置10と同様である。図24に示すように、カバー層251は、絶縁性を有する複数のワイヤ252Aを絡め合わせて形成された矩形状のシート部252と、シート部252の中央部に形成された矩形状の第1開口253とを備えている。
カバー層251は、透湿性を有している。カバー層251のシート部252は、絶縁性を有する複数のワイヤ252Aを絡め合わせた不織布状の部材で構成されており、多数の孔(例えば、開口)を有している。すなわち、シート部252は、多数の孔が設けられていることで、透湿性を有している。シート部252の開口率は、シート部の体積に対して30%以上90%以下であることが好ましく、40%以上80%以下であることがより好ましく、50%以上70%以下であることがさらに好ましい。
また、シート部252の孔径は、0.1μm以上100μm以下であることが好ましく、0.5μm以上70μm以下であることがより好ましく、10μm以上50μm以下であることがさらに好ましい。シート部252の開口率及び孔径を上記の範囲にすることで、透湿性を確保することができる。シート部252の透湿性を確保することで、皮膚呼吸が容易となる。なお、シート部252は、不織布状に代えて、メッシュ状に構成されていてもよい。
第13実施形態では、カバー層251のシート部252は、伸縮性を有する材料で形成されている。伸縮性を有する材料は、第1実施形態のシート部31Aと同様である。
上記の電極シート12では、第1実施形態と同様な構成による効果に加えて、以下の効果が得られる。上記の電極シート12では、シート部252が複数の絶縁性のワイヤ252Aを絡め合わせて不織布状に形成されていることで、カバー層251の透湿性が確保される。このため、カバー層251に設けられた電極部及び粘着層232を肌16に貼り付けた状態で、皮膚呼吸が可能となる。また、カバー層251の内側で肌16が蒸れることが抑制され、電極シート12の装着感を向上させることができる。
〔第14実施形態〕
次に、第14実施形態の生体情報測定装置について説明する。なお、第14実施形態の生体情報測定装置の基本的な構成は、第11実施形態の生体情報測定装置210と同様である。第14実施形態において、第11実施形態と同一の構成要素、部材等を有する場合は、同一符号を付して、詳細な説明を省略し、相違点を中心に説明する。
図25は、第14実施形態の生体情報測定装置260を示す。図25に示すように、第14実施形態の生体情報測定装置260は、電極シート261と、測定デバイス14とを備えている。電極シート261では、2つの電極部262の構成のみを変更しており、その他の構成は、第11実施形態の電極シート212と同様である。
図26に示すように、電極部262は、導電性を有する線材263Aが交差したメッシュ材263と、メッシュ材263の間に入り込んだ粘着剤264とを含んで構成されている。メッシュ材263は、例えば、線材263Aを編み込んで形成してもよいし、線材263Aを印刷又は転写等することで形成してもよい。また、例えば、粘着剤264を吐出する冶具を用いて、粘着剤264をメッシュ材263の間に充填してもよいし、又はスクレーパ等により粘着剤264をメッシュ材263の間に練り込んでもよい。また、あとから付与する粘着層にその間に粘着剤が配置されるような印刷や転写をしてもよい。
メッシュ材263の線材263Aの径は、1μm以上2mm以下が好ましく、5μm以上1mm以下がより好ましく、10μm以上500μm以下がさらに好ましい。
また、電極部262の厚みは、3μm以上30μm以下が好ましく、5μm以上25μm以下がより好ましく、10μm以上20μm以下がさらに好ましい。電極部262の厚み又は線材263Aの径を上記の範囲にすることで、電極シート261の可撓性を確保することができる。
電極部262は、導電性を有する線材263Aが交差したメッシュ材263を備えているため、導電性を有している。また、電極部262は、メッシュ材263の間に粘着剤264が入り込んでいるため、粘着性を有している。なお、電極シート261の電極部262以外の構成は、第11実施形態の電極シート212と同じである。
なお、電極部262を複数本の線材263Aで構成する場合において、必ずしも線材263Aを交差させてメッシュの形態にする必要はない。例えば、複数本の線材を略平行に配置し、平行に配置された端部において線材同士を連結する構造でもよい。
図25に示すように、生体情報測定装置260では、電極シート261の粘着層232を肌16に貼り付け、さらに電極シート261の2つの電極部262を肌16に貼り付ける(矢印C3参照)。これにより、2つの電極部262の第1面262Aがそれぞれ肌16に接触する。2つの電極部262の第2面262Bには、測定デバイス14の接続端子23が接触されている。
上記の電極シート261及び生体情報測定装置260では、第11実施形態と同様な構成による効果に加えて、以下の効果が得られる。上記の電極シート261及び生体情報測定装置260では、電極部262は粘着性を有している。第11実施形態においては、図21に示したとおり、電極部233は粘着性を有していない。このため、第14実施形態のように電極部262に粘着性を持たせることで、電極部262が肌16に貼り付きやすく、2つの電極部262が肌16から浮き上がることが抑制される。
また、上記の電極シート261及び生体情報測定装置260では、電極部262は、導電性を有する線材263Aが交差したメッシュ材263と、メッシュ材263の間に入り込んだ粘着剤264とを含んで構成されているから、メッシュ材263の間の粘着剤264が肌16に貼り付きやすく、電極部262が肌から浮き上がることがより確実に抑制される。また、メッシュ材263の間に粘着剤264が入り込む構成であるため、電極シート261の電極部262の製造が容易である。
〔第15実施形態〕
次に、第15実施形態の生体情報測定装置について説明する。なお、第15実施形態の生体情報測定装置の基本的な構成は、第1実施形態の生体情報測定装置10と同様である。第15実施形態において、第1実施形態と同一の構成要素、部材等を有する場合は、同一符号を付して、詳細な説明を省略し、相違点を中心に説明する。
図27は、第15実施形態の生体情報測定装置300を示す。第15実施形態の生体情報測定装置300では、電極シート302の電極部303の構成のみを変更しおり、その他の構成は、第1実施形態の生体情報測定装置10と同様である。図27に示すように、電極部303は、粘着性を有しており、第14実施形態の電極部262と同様の構成とされている。
上記の生体情報測定装置300では、電極シート302の粘着層33を肌16に貼り付ける際に(矢印A4参照)、電極部303も肌16に貼り付ける(矢印B4参照)。これにより、電極部303が肌16から浮き上がることがより確実に抑制される。
なお、図示を省略するが、第2~第10実施形態、及び第12~第13実施形態の生体情報測定装置において、電極部32及び電極部73を第15実施形態の電極部303の構成材料に代えることで、電極部が粘着性を有する構成としてもよい。これにより、生体情報測定装置では、第15実施形態と同様に、電極部が肌16に貼り付くことで、電極部が肌16から浮き上がることがより確実に抑制される。
〔第16実施形態〕
次に、第16実施形態の生体情報測定装置について説明する。なお、第16実施形態の生体情報測定装置の基本的な構成は、第11実施形態の生体情報測定装置210と同様である。第16実施形態において、第11実施形態と同一の構成要素、部材等を有する場合は、同一符号を付して、詳細な説明を省略し、相違点を中心に説明する。
図28Aは、第16実施形態の電極部272を分解斜視図にて示し、図28Bは、第16実施形態の電極部272の一部を断面図にて示す。図28A及び図28Bに示すように、電極部272は、粘着剤を含む絶縁性のワイヤ273Aを絡み合わせたメッシュ材273と、メッシュ材273の片面側に導電性材料を被覆した導電部274とを備えている。メッシュ材273は、例えば、複数のワイヤ273Aを絡め合わせて結合させたり、接着剤等により固めることによって形成されている。また、導電部274は、例えば、導電性材料をスクレーパ等によりメッシュ材273の片面側に塗布することによって形成されている。
電極部272は、粘着剤を含む絶縁性のワイヤ273Aを絡み合わせたメッシュ材273を備えているため、粘着性を有している。
図示を省略するが、メッシュ材273は、多数の開口を備えているため、導電部274を構成する導電性材料は、メッシュ材273の間を通ってメッシュ材273の片面と反対側の面にも露出し、メッシュ材273の片面と反対側の面にも導電部274が形成される。このため、導電部274と肌16との導通を確保することが可能になる。また、メッシュ材273のどちらの面から導電部274を設けても、メッシュ材273の開口を通じて、メッシュ材273の両面に導電部274の少なくとも一部は露出する。そのため、電極部272の導電部274は、メッシュ材273のどちらの面に設けてもよい。なお、電極部272以外の構成は、第11実施形態の電極シート212と同じである。
上記の電極シート212及び生体情報測定装置210では、第11実施形態と同様な構成による効果に加えて、以下の効果が得られる。上記の電極シート212及び生体情報測定装置210では、電極部272は粘着性を有しているから、電極部272が肌16に貼り付きやすく、2つの電極部272が肌16から浮き上がることが抑制される。
また、上記の電極シート212及び生体情報測定装置210では、電極部272は、粘着剤を含む絶縁性のワイヤ273Aを絡み合わせたメッシュ材273と、メッシュ材273の片面側の導電部274とを備えているから、電極部272のメッシュ材273が肌16に貼り付きやすく、電極部272が肌16から浮き上がることがより確実に抑制される。また、メッシュ材273の片面側に導電性材料を被覆した導電部274を設けるため、電極部272の製造が容易である。
なお、図示を省略するが、第1~第10実施形態、及び第12~第13実施形態の生体情報測定装置において、電極部32及び電極部73を第16実施形態の電極部272の構成材料に代えることで、電極部が粘着性を有する構成としてもよい。これにより、生体情報測定装置では、第15実施形態と同様に、電極部が肌16に貼り付くことで、電極部が肌16から浮き上がることがより確実に抑制される。
〔第17実施形態〕
次に、第17実施形態の生体情報測定装置について説明する。なお、第17実施形態の生体情報測定装置の基本的な構成は、第11実施形態の生体情報測定装置210と同様である。第17実施形態において、第11実施形態と同一の構成要素、部材等を有する場合は、同一符号を付して、詳細な説明を省略し、相違点を中心に説明する。
図29Aは、第17実施形態の電極部282の一部を平面図にて示し、図29Bは、第17実施形態の電極部282の一部を断面図にて示す。図29A及び図29Bに示すように、電極部282は、導電性材料からなる導電部283の内部に粘着剤284が練り込まれている。電極部282は、例えば、導電部283を構成する導電性材料を溶融させ、粘着剤284を分散させた状態で練り込み、導電性材料を固めることによって形成されている。
粘着剤284は、電極部282の両面側に露出している。このため、電極部282は、粘着性を有している。なお、電極部282以外の構成は、第11実施形態の電極シート212と同じである。
上記の電極シート212及び生体情報測定装置210では、第11実施形態と同様な構成による効果に加えて、以下の効果が得られる。上記の電極シート212及び生体情報測定装置210では、電極部282は粘着性を有しているから、電極部282が肌16に貼り付きやすく、2つの電極部282が肌16から浮き上がることが抑制される。
また、上記の電極シート212及び生体情報測定装置210では、電極部282は、導電性材料からなる導電部283の内部に粘着剤284が練り込まれているため、電極部282の粘着剤284が肌16に貼り付きやすく、電極部282が肌16から浮き上がることがより確実に抑制される。また、電極部282は、導電性材料からなる導電部283の内部に粘着剤284が練り込まれているため、電極部282の全面で良好な導電性と粘着性とを確保することができる。
なお、図示を省略するが、第1~第10実施形態、及び第12~第13実施形態の生体情報測定装置において、電極部32及び電極部73を第17実施形態の電極部282の構成材料に代えることで、電極部が粘着性を有する構成としてもよい。これにより、生体情報測定装置では、第17実施形態と同様に、電極部が肌16に貼り付くことで、電極部が肌16から浮き上がることが抑制される。
〔第18実施形態〕
次に、第18実施形態の生体情報測定装置について説明する。なお、第18実施形態の生体情報測定装置の基本的な構成は、第1実施形態の生体情報測定装置10と同様である。第18実施形態において、第1実施形態と同一の構成要素、部材等を有する場合は、同一符号を付して、詳細な説明を省略し、相違点を中心に説明する。
図30は、第18実施形態の生体情報測定装置320を示す。図30に示すように、第18実施形態の生体情報測定装置320は、電極シート12と、測定デバイス14と、測定デバイス14を電極シート12に取り付ける面ファスナー322とを備えている。面ファスナー322は、脱着機構の一例である。
面ファスナー322は、複数のフック部が植え込まれたフック状部322Aと、フック部が係止される複数のループ部が植え込まれたループ状部322Bとを備えている。フック状部322Aは、例えば、測定デバイス14の筐体21の裏面21Dの縁部に接着等により取り付けられている。ループ状部322Bは、例えば、電極シート12のカバー層31の電極部32と反対側の第2面131Bに接着等により取り付けられている。第18実施形態では、ループ状部322Bは、シート部31Aの長手方向の両端部側に設けられている。
面ファスナー322は、フック状部322Aとループ状部322Bとを押し付けることで、フック状部322Aのフック部がループ状部322Bのループ部に係止され、フック状部322Aとループ状部322Bとが貼り付く構成とされている。面ファスナー322は、フック状部322Aとループ状部322Bとを貼り付けたり、剥がしたりすることができる。フック状部322Aとループ状部322Bとが貼り付けられた状態で、測定デバイス14の接続端子23が電極シート12の電極部32に接触するように、フック状部322Aの測定デバイス14への取付け位置及びループ状部322Bの電極シート12への取付け位置が設定されている。すなわち、面ファスナー322により、電極シート12の電極部32と測定デバイス14の接続端子23とを離接可能に接触させることができる。
生体情報測定装置320では、測定デバイス14のフック状部322Aと電極シート12のループ状部322Bとを押し付けることで、フック状部322Aとループ状部322Bとが貼り付けられ、測定デバイス14が電極シート12に取り付けられる。そして、測定デバイス14が電極シート12に取り付けられた状態で、測定デバイス14の接続端子23が電極シート12の電極部32に接触する。
上記の生体情報測定装置320では、第1実施形態と同様な構成による効果に加えて、以下の効果が得られる。生体情報測定装置320では、電極シート12と測定デバイス14に、電極部32と接続端子23を離接可能に接触させる面ファスナー322が設けられている。このため、面ファスナー322により、測定デバイス14を電極シート12に何回も着脱することができ、生体情報測定装置320の操作性が向上する。また、測定デバイス14と電極シート12の一方を破損等により取り替えることができる。なお、本例において、面ファスナー322は、カバー層31に設けられているが、面ファスナー322として導電性の面ファスナーを用いれば、電極部32の第2面32Bにおいて、第1開口31Bを通じて露出される部分に面ファスナーを設けることも可能である。この場合において、接続端子23と電極部32とは、導電性の面ファスナーを介して電気的に接続されてもよい。
〔第19実施形態〕
次に、第19実施形態の生体情報測定装置について説明する。なお、第19実施形態の生体情報測定装置の基本的な構成は、第12実施形態の生体情報測定装置240と同様である。第19実施形態において、第12実施形態と同一の構成要素、部材等を有する場合は、同一符号を付して、詳細な説明を省略し、相違点を中心に説明する。
図31は、第19実施形態の生体情報測定装置330を示す。図31に示すように、第19実施形態の生体情報測定装置330は、電極シート212と、測定デバイス52と、測定デバイス52を電極シート212に取り付ける面ファスナー322とを備えている。
面ファスナー322のフック状部322Aは、例えば、測定デバイス52の筐体21の裏面21Dの縁部に接着等により取り付けられている。面ファスナー322のループ状部322Bは、例えば、電極シート212のカバー層231の粘着層232と反対側の第2面131Bに接着等により取り付けられている。第19実施形態では、ループ状部322Bは、シート部231Aにおける第1開口231Bの縁部に設けられている。
フック状部322Aとループ状部322Bとが貼り付けられた状態で、測定デバイス52の接続端子23が電極シート212の電極部233に接触するように、フック状部322Aの測定デバイス52への取付け位置及びループ状部322Bの電極シート212への取付け位置が設定されている。
上記の生体情報測定装置330では、第12実施形態と同様な構成による効果に加えて、以下の効果が得られる。生体情報測定装置330は、電極シート212と測定デバイス52に、電極部233と接続端子23を離接可能に接触させる面ファスナー322が設けられている。このため、面ファスナー322により、測定デバイス52を電極シート212に何回も着脱することができ、生体情報測定装置330の操作性が向上する。また、測定デバイス52と電極シート212の一方を破損等により取り替えることができる。なお、第18実施形態と同様に、第19実施形態においても、面ファスナー322として導電性の面ファスナーを用いることも可能である。
〔その他〕
なお、第1~第19実施形態の生体情報測定装置では、2つの電極部のうちのいずれかを備えた電極シートが用いられているが、本開示は2つの電極部に限定されず、2つ以上の複数の電極部を備えた電極シートを用いてもよい。3つ以上の電極部として、例えば、プラスの電極部と、マイナスの電極部と、リファレンス電極部などを設けることができる。また、プラスの電極部とマイナスの電極部をそれぞれ複数設けてもよい。
また、第1~第19実施形態の生体情報測定装置では、カバー層は、肌色状に着色されているが、肌色状以外の色を用いてもよい。カバー層は、例えば、透明、白色、又は半透明の白色など、他の色に変更可能である。
また、第1~第19実施形態の生体情報測定装置において、カバー層を透明とし、電極部のうちの少なくとも1つを透明材料で形成してもよい。透明材料としては、例えば、透明な導電性の高分子材料などを用いることができる。
また、第18及び第19実施形態の生体情報測定装置において、フック状部322Aとループ状部322Bの取付け位置を逆にしてもよい。すなわち、フック状部322Aを電極シートに取付け、ループ状部322Bを測定デバイスに取り付けてもよい。また、面ファスナー322の構成は、変更が可能であり、フックとループの両方が植え込まれたものを用いてもよい。また、面ファスナーは、フックとループに代えて、マッシュルーム状に起毛されることで、結合力が強いクリックタイプを用いてもよいし、鋸歯状のシャークバイトタイプなどを用いてもよい。
また、第18及び第19実施形態の生体情報測定装置では、着脱機構として、面ファスナーに代えて、電極シートと測定デバイスの一方に粘着層を設け、粘着層により電極シートと測定デバイスとを着脱可能に結合する構成でもよい。また、着脱機構は、面ファスナーに代えて、粘着テープ又は磁石などの着脱可能な部材を用いてもよい。
また、第18及び第19実施形態の生体情報測定装置に設けられた面ファスナーなどの着脱機構は、第2~第11実施形態、及び第12~第17実施形態の生体情報測定装置に設けてもよい。
以上、本開示の実施形態について記述したが、本開示は上記の実施形態に何ら限定されず、例えば、上記各実施形態を適宜組み合わせるなど、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得ることは言うまでもない。
日本特許出願2020-024401の開示はその全体が参照により本明細書に取り込まれる。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、および技術規格は、個々の文献、特許出願、および技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。