JP7268278B2 - 粘着剤組成物、粘着シート、及び光学部材 - Google Patents
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Description
また、例えば、特許文献2には、ガラス転移温度が0℃未満のポリマー(A)100質量部と、官能基当量が1000g/mol以上4600g/mol以下の範囲であるオルガノシロキサン骨格を有するモノマー(B1)、及び、ホモポリマーのガラス転移温度が40℃以上のモノマー(B2)をモノマー単位として含み、重量平均分子量が10000以上100000未満の範囲である共重合体(B)0.1質量部~20質量部と、を含み、共重合体(B)が、モノマー(B1)を10質量%~20質量%、及び、モノマー(B2)を30質量%~50質量%含む共重合体である粘着剤組成物が開示されている。
このため、光学部材に適用される粘着剤層には、被着体に対して、貼り合わせ初期には軽剥離性を示し、加熱後は高い粘着力を示すことに加えて、凹凸を有する被着面に貼付した場合でも剥がれ難いことが求められる。
<1> ガラス転移温度が0℃未満である(メタ)アクリル系重合体(A)と、
オルガノシロキサン骨格を有する単量体に由来する構成単位を含み、上記オルガノシロキサン骨格を有する単量体の数平均分子量が、400以上1500以下の範囲であり、かつ、重量平均分子量が、2000以上10000未満の範囲である(メタ)アクリル系共重合体(B)と、
を含み、
上記(メタ)アクリル系共重合体(B)の含有量が、上記(メタ)アクリル系重合体(A)100質量部に対して、21質量部以上50質量部以下の範囲である粘着剤組成物。
<4> 架橋剤を更に含み、かつ、上記(メタ)アクリル系重合体(A)が、架橋性官能基を有する単量体に由来する構成単位を含む<1>~<3>のいずれか1つに記載の粘着剤組成物。
<5> 上記架橋性官能基が、水酸基である<4>に記載の粘着剤組成物。
<7> <1>~<5>のいずれか1つに記載の粘着剤組成物により形成された粘着剤層を備える光学部材。
本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書中に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本明細書において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
本明細書において、各成分の量は、各成分に該当する物質が複数種存在する場合には、特に断らない限り、複数種の物質の合計量を意味する。
本発明の粘着剤組成物は、ガラス転移温度(Tg)が0℃未満である(メタ)アクリル系重合体(A)〔以下、「特定(メタ)アクリル系重合体(A)」ともいう。〕と、オルガノシロキサン骨格を有する単量体に由来する構成単位を含み、上記オルガノシロキサン骨格を有する単量体の数平均分子量が、400以上1500以下の範囲であり、かつ、重量平均分子量が、2000以上10000未満の範囲である(メタ)アクリル系共重合体(B)〔以下、「特定(メタ)アクリル系共重合体(B)」ともいう。〕と、を含み、上記(メタ)アクリル系共重合体(B)の含有量が、上記(メタ)アクリル系重合体(A)100質量部に対して、21質量部以上50質量部以下の範囲である。
本発明の粘着剤組成物によれば、被着体に対して、貼り合わせ初期には軽剥離性を示し、加熱後は高い粘着力を示す粘着剤層であって、凹凸を有する被着面に貼付した場合でも剥がれ難い粘着剤層を形成できる。
本発明の粘着剤組成物がこのような効果を奏し得る理由については明らかでないが、本発明者らは以下のように推測している。但し、以下の推測は、本発明の粘着剤組成物を限定的に解釈するものではなく、一例として説明するものである。
本発明の粘着剤組成物は、ガラス転移温度(Tg)が0℃未満である(メタ)アクリル系重合体(A)〔即ち、特定(メタ)アクリル系重合体(A)〕を含む。
特定(メタ)アクリル系重合体(A)は、1種の単量体を重合して得られる単独重合体であってもよく、2種以上の単量体を重合して得られる共重合体であってもよい。
特定(メタ)アクリル系重合体(A)は、例えば、ガラス転移温度(Tg)を所望の値に調整しやすいという観点から、共重合体であることが好ましい。
特定(メタ)アクリル系重合体(A)に含まれる構成単位は、特に制限されない。
特定(メタ)アクリル系重合体(A)は、例えば、以下に示す構成単位を含むことが好ましい。
特定(メタ)アクリル系重合体(A)は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来する構成単位を含むことが好ましい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来する構成単位は、粘着力の調整に寄与する。
なお、本明細書における「(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体」には、架橋性官能基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体は、含まれない。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体としては、無置換の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体が好ましい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体のアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、又は環状のいずれであってもよい。
アルキル基の炭素数は、例えば、粘着力の観点から、1~18の範囲であることが好ましく、1~12の範囲であることがより好ましい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体としては、例えば、ガラス転移温度(Tg)が0℃未満である(メタ)アクリル系重合体を製造しやすいという観点から、n-ブチルアクリレート(n-BA)、メチルアクリレート(MA)、及び2-エチルヘキシルアクリレート(2EHA)からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。
特定(メタ)アクリル系重合体(A)における(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来する構成単位の含有率は、例えば、特定(メタ)アクリル系重合体(A)の全構成単位に対して、50質量%以上であることが好ましく、50質量%以上100質量%以下の範囲であることがより好ましく、60質量%以上100質量%以下の範囲であることが更に好ましく、70質量%以上100質量%以下の範囲であることが更に好ましく、80質量%以上100質量%以下の範囲であることが更に好ましく、80質量%以上95質量%以下の範囲であることが特に好ましい。
ここで、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来する構成単位の含有率が、特定(メタ)アクリル系重合体(A)の全構成単位に対して50質量%以上であることは、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来する構成単位が、特定(メタ)アクリル系重合体(A)を構成する構成単位の主成分として含まれていることを意味する。
特定(メタ)アクリル系重合体(A)は、架橋性官能基を有する単量体に由来する構成単位を含んでいてもよい。
本明細書において、「架橋性官能基を有する単量体に由来する構成単位」とは、架橋性官能基を有する単量体が付加重合して形成される構成単位を意味する。
本発明の粘着剤組成物が架橋剤を含み、かつ、特定(メタ)アクリル系重合体(A)が架橋性官能基を有する単量体に由来する構成単位を含むと、粘着剤層の凝集力が適度に高くなり、被着体に対する粘着剤層の、貼り付け初期の粘着力がより適度に低くなる傾向がある。
架橋性官能基の具体例としては、水酸基、カルボキシ基、アミノ基等が挙げられる。ここで、アミノ基は、一級アミノ基又は二級アミノ基を指す。
架橋性官能基としては、水酸基又はカルボキシ基が好ましい。
架橋性官能基が水酸基であると、被着体に対する粘着剤層の加熱後の粘着力がより適度に高くなる傾向がある。
ところで、架橋性官能基がカルボキシ基であると、粘着剤層を被着体から剥離する際にジッピング(所謂、滑らかに剥離せずに微小な振動が生じる現象)が起こる場合がある。このような観点からも、架橋性官能基としては、水酸基がより好ましい。
水酸基を有する単量体の具体例としては、2-ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、10-ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、12-ヒドロキシラウリル(メタ)アクリレート、3-メチル-3-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1,1-ジメチル-3-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1,3-ジメチル-3-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2,2,4-トリメチル-3-ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、2-エチル-3-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、N-ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
水酸基を有する単量体としては、既述の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体との共重合性が良好である点から、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが好ましく、既述の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体との相溶性が良好である点、及び、架橋剤(特に、イソシアネート系架橋剤)を含む場合に架橋剤との反応性が良好である点から、炭素数が1~5のヒドロキシアルキル基を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが好ましく、炭素数が2~4のヒドロキシアルキル基を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートがより好ましい。
カルボキシ基を有する単量体の具体例としては、アクリル酸(AA)、メタクリル酸(MAA)、クロトン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、グルタコン酸、シトラコン酸、ω-カルボキシ-ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート(例えば、ω-カルボキシ-ポリカプロラクトン(n≒2)モノアクリレート)、コハク酸エステル(例えば、2-アクリロイルオキシエチル-コハク酸)等が挙げられる。
カルボキシ基を有する単量体としては、例えば、架橋剤(特に、イソシアネート系架橋剤)を含む場合に架橋剤との反応性が良好であるという観点から、アクリル酸(AA)が好ましい。
特定(メタ)アクリル系重合体(A)における架橋性官能基を有する単量体に由来する構成単位の含有率が、特定(メタ)アクリル系重合体(A)の全構成単位に対して、上記範囲内であると、粘着剤層の凝集力が適度に高くなり、被着体に対する粘着剤層の、貼り付け初期の粘着力がより適度に低くなる傾向がある。
特定(メタ)アクリル系重合体(A)は、本発明の効果が発揮される範囲内において、既述の任意の構成単位、即ち、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来する構成単位、及び、架橋性官能基を有する単量体に由来する構成単位以外の構成単位(所謂、その他の構成単位)を含んでいてもよい。
特定(メタ)アクリル系重合体(A)のガラス転移温度(Tg)は、0℃未満であり、-10℃以下であることが好ましく、-20℃以下であることがより好ましく、-30℃以下であることが更に好ましい。
特定(メタ)アクリル系重合体(A)のガラス転移温度(Tg)が0℃未満であると、形成される粘着剤層は、被着体に対する濡れ性が適度となり、加熱後の粘着力が高くなる傾向がある。
特定(メタ)アクリル系重合体(A)のガラス転移温度(Tg)の下限は、特に制限されず、例えば、被着体に対する粘着力の観点から、-70℃以上であることが好ましい。
特定(メタ)アクリル系重合体(A)のガラス転移温度(Tg)は、例えば、-70℃以上0℃未満の範囲であってもよく、-70℃以上-10℃以下の範囲であってもよく、-70℃以上-20℃以下の範囲であってもよく、-70℃以上-30℃以下の範囲であってもよい。
1/Tg=m1/Tg1+m2/Tg2+・・・+m(k-1)/Tg(k-1)+mk/Tgk (式1)
なお、絶対温度から273を引くことで絶対温度をセルシウス温度に換算でき、セルシウス温度に273を足すことでセルシウス温度を絶対温度に換算できる。
単独重合体のガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量測定装置(DSC)(型番:EXSTAR6000、セイコーインスツル(株))を用い、窒素気流中、測定試料10mg、昇温速度10℃/分の条件で測定し、得られたDSCカーブの変曲点を単独重合体のガラス転移温度(Tg)としたものである。
特定(メタ)アクリル系重合体(A)の重量平均分子量(Mw)は、特に制限されず、例えば、40万以上200万以下の範囲であることが好ましく、50万以上200万以下の範囲であることがより好ましく、50万以上150万以下の範囲であることが更に好ましい。
特定(メタ)アクリル系重合体(A)の重量平均分子量(Mw)が40万以上であると、貼り合わせ初期における被着体に対する粘着剤層の軽剥離性がより損なわれ難い傾向がある。
特定(メタ)アクリル系重合体(A)の重量平均分子量(Mw)が200万以下であると、被着体に対する粘着剤層の加熱後の粘着力がより高くなる傾向がある。
(1)特定(メタ)アクリル系重合体(A)の溶液を剥離紙に塗布し、100℃で1分間乾燥し、フィルム状の特定(メタ)アクリル系重合体(A)を得る。
(2)上記(1)で得られたフィルム状の特定(メタ)アクリル系重合体(A)とテトラヒドロフランとを用いて、固形分濃度が0.2質量%である試料溶液を得る。なお、ここでいう「固形分濃度」とは、試料溶液に占める特定(メタ)アクリル系重合体(A)の質量割合を意味する。
(3)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用い、下記条件にて、標準ポリスチレン換算値として、特定(メタ)アクリル系重合体(A)の重量平均分子量(Mw)を測定する。
測定装置:高速GPC〔型番:HLC-8220 GPC、東ソー(株)〕
検出器:示差屈折率計(RI)〔HLC-8220に組込、東ソー(株)〕
カラム:TSK-GEL GMHXL〔東ソー(株)〕を直列に4本接続
カラム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン
試料溶液の注入量:100μL
流量:0.8mL/分
本発明の粘着剤組成物における特定(メタ)アクリル系重合体(A)の含有率は、特に制限されず、例えば、粘着剤組成物中の全固形分量に対して、67質量%以上83質量%以下の範囲であることが好ましく、69質量%以上80質量%以下の範囲であることがより好ましく、71質量%以上80質量%以下の範囲であることが更に好ましく、74質量%以上80質量%以下の範囲であることが特に好ましい。
本発明の粘着剤組成物における特定(メタ)アクリル系重合体(A)の含有率が、粘着剤組成物中の全固形分量に対して67質量%以上であると、粘着剤層が被着体に貼り付いた状態を十分に保持できる高さの粘着力を発現する傾向がある。
本発明の粘着剤組成物における特定(メタ)アクリル系重合体(A)の含有率が、粘着剤組成物中の全固形分量に対して83質量%以下であると、貼り合わせ初期における被着体に対する粘着剤層の軽剥離性がより損なわれ難い傾向がある。
本明細書において、「粘着剤組成物中の全固形分量」とは、粘着剤組成物が溶媒を含まない場合には、粘着剤組成物の全質量を意味し、粘着剤組成物が溶媒を含む場合には、粘着剤組成物から溶媒を除いた残渣の質量を意味する。
本発明の粘着剤組成物は、オルガノシロキサン骨格を有する単量体に由来する構成単位を含み、上記オルガノシロキサン骨格を有する単量体の数平均分子量が、400以上1500以下の範囲であり、かつ、重量平均分子量が、2000以上10000未満の範囲である(メタ)アクリル系共重合体(B)〔即ち、特定(メタ)アクリル系共重合体(B)〕を含む。
また、本発明の粘着剤組成物における特定(メタ)アクリル系共重合体(B)の含有量は、特定(メタ)アクリル系重合体(A)100質量部に対して、21質量部以上50質量部以下の範囲である。
特定(メタ)アクリル系共重合体(B)は、オルガノシロキサン骨格を有する単量体に由来する構成単位を含む。
本明細書において、「オルガノシロキサン骨格を有する単量体に由来する構成単位」とは、オルガノシロキサン骨格を有する単量体が付加重合して形成される構成単位を意味する。
オルガノシロキサン骨格を有する単量体の数平均分子量は、例えば、入手容易性の観点から、400以上である。
オルガノシロキサン骨格を有する単量体の数平均分子量が1500以下であると、形成される粘着剤層は、被着体に対して適度な濡れ性を示すため、加熱後の粘着力が高くなる傾向がある。また、オルガノシロキサン骨格を有する単量体の数平均分子量が1500以下であると、形成される粘着剤層は、特定(メタ)アクリル系共重合体(B)が粘着剤層と被着体表面の凹凸面との界面に十分に偏在することで、被着体表面の凹凸面に対して適度な濡れ性を示すため、凹凸を有する被着面に貼付した場合でも剥がれ難くなる傾向がある。
(1)オルガノシロキサン骨格を有する単量体とテトラヒドロフランとを用いて、固形分濃度が0.2質量%である試料溶液を得る。なお、ここでいう「固形分濃度」とは、試料溶液に占めるオルガノシロキサン骨格を有する単量体の質量割合を意味する。
(2)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用い、下記条件にて、標準ポリスチレン換算値として、オルガノシロキサン骨格を有する単量体の数平均分子量(Mn)を測定する。
測定装置:高速GPC〔型番:HLC-8220 GPC、東ソー(株)〕
検出器:示差屈折率計(RI)〔HLC-8220に組込、東ソー(株)〕
カラム:TSK-GEL GMHXL〔東ソー(株)〕を直列に4本接続
カラム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン
試料溶液の注入量:100μL
流量:0.8mL/分
本明細書において、(メタ)アクリル系共重合体が、数平均分子量が異なる2種以上のオルガノシロキサン骨格を有する単量体を含む場合の、「オルガノシロキサン骨格を有する単量体の数平均分子量」は、下記の式により計算する。
オルガノシロキサン骨格を有する単量体の数平均分子量 = 〔単量体1の数平均分子量×単量体1の配合量+単量体2の数平均分子量×単量体2の配合量+・・・+単量体nの数平均分子量×単量体nの配合量〕/〔単量体1の配合量+単量体2の配合量+・・・+単量体nの配合量〕
オルガノシロキサン骨格を有する単量体の具体例としては、下記の式(1)で表される化合物及び式(2)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物が挙げられる。
式(1)及び式(2)中、R2は、1価の有機基を表す。
R2で表される1価の有機基は、直鎖状であってもよく、分岐を有していてもよく、環状であってもよい。1価の有機基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基等が挙げられ、アルキル基が好ましい。
R2がアルキル基を表す場合のアルキル基としては、炭素数1~12のアルキル基が好ましく、炭素数1~6のアルキル基がより好ましく、炭素数1~4のアルキル基が更に好ましい。
炭素数1~4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、i-ブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基等が挙げられ、メチル基が好ましい。
R2がアルケニル基を表す場合のアルケニル基としては、ビニル基、アリル基、2-プロペニル基等が挙げられ、ビニル基が好ましい。
R2がアルキニル基を表す場合のアルキニル基としては、エチニル基、プロパルギル基、プロパ-2-イン-1-イル基等が挙げられ、エチニル基が好ましい。
R2がアリール基を表す場合のアリール基としては、フェニル基、トリル基、ピリジル基等が挙げられ、フェニル基が好ましい。
m及びnは、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。mは、1~10の整数であることが好ましく、1~6の整数であることがより好ましい。nは、1~250の整数であることが好ましく、5~200の整数であることがより好ましい。
オルガノシロキサン骨格を有する単量体の市販品の例としては、X-22-2404〔商品名、数平均分子量:420、信越化学工業(株)〕、サイラプレーンTM-0701T〔商品名、数平均分子量:423、JNC(株)〕、X-22-174ASX〔商品名、数平均分子量:1100、信越化学工業(株)〕、サイラプレーンFM-711〔商品名、数平均分子量:1200、JNC(株)〕等が挙げられる。
以上の市販品は、いずれも式(2)で表される化合物に該当する。
特定(メタ)アクリル系共重合体(B)におけるオルガノシロキサン骨格を有する単量体に由来する構成単位の含有率が、特定(メタ)アクリル系共重合体(B)の全構成単位に対して2質量%以上であると、貼り合わせ初期における被着体に対する粘着剤層の軽剥離性がより損なわれ難い傾向がある。
特定(メタ)アクリル系共重合体(B)におけるオルガノシロキサン骨格を有する単量体に由来する構成単位の含有率が、特定(メタ)アクリル系共重合体(B)の全構成単位に対して20質量%以下であると、被着体に対する粘着剤層の加熱後の粘着力がより高くなる傾向がある。また、凹凸を有する被着面に貼付した場合に、より剥がれ難くなる傾向がある。
特定(メタ)アクリル系共重合体(B)は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来する構成単位を含むことが好ましい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来する構成単位は、粘着力の調整に寄与する。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体としては、無置換の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体が好ましい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体のアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、又は環状のいずれであってもよい。
アルキル基の炭素数は、例えば、粘着力の観点から、1~18の範囲であることが好ましく、1~12の範囲であることがより好ましい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体としては、例えば、特定(メタ)アクリル系重合体(A)との相溶性の観点から、メチルメタクリレート(MMA)、n-ブチルメタクリレート(n-BMA)、2-エチルヘキシルメタクリレート(2EHMA)、エチルアクリレート(EA)からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。
特定(メタ)アクリル系共重合体(B)における(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来する構成単位の含有率は、例えば、特定(メタ)アクリル系共重合体(B)の全構成単位に対して、50質量%以上であることが好ましく、50質量%以上98質量%以下の範囲であることがより好ましく、60質量%以上97質量%以下の範囲であることが更に好ましく、70質量%以上97質量%以下の範囲であることが更に好ましく、75質量%以上97質量%以下の範囲であることが更に好ましく、80質量%以上97質量%以下の範囲であることが特に好ましい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来する構成単位の含有率が、特定(メタ)アクリル系共重合体(B)の全構成単位に対して50質量%以上であることは、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来する構成単位が、特定(メタ)アクリル系共重合体(B)を構成する構成単位の主成分として含まれていることを意味する。
特定(メタ)アクリル系共重合体(B)は、本発明の効果が発揮される範囲内において、既述の構成単位、即ち、必須の構成単位であるオルガノシロキサン骨格を有する単量体に由来する構成単位、及び、任意の構成単位である(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来する構成単位以外の構成単位(所謂、その他の構成単位)を含んでいてもよい。
また、その他の構成単位を構成する単量体の具体例としては、架橋性官能基を有する単量体も挙げられる。架橋性官能基の具体例は、既述のとおりであるため、ここでは、説明を省略する。但し、特定(メタ)アクリル系共重合体(B)は、例えば、界面への偏在の観点から、架橋性官能基を有する単量体に由来する構成単位を含まないことが好ましい。
特定(メタ)アクリル系共重合体(B)のガラス転移温度(Tg)は、特に制限されず、例えば、40℃以上65℃以下の範囲であることが好ましく、40℃以上60℃以下の範囲であることがより好ましく、40℃以上55℃以下の範囲であることが更に好ましい。
特定(メタ)アクリル系共重合体(B)のガラス転移温度(Tg)が上記範囲内であると、被着体に対する粘着剤層の初期及び加熱後の粘着力がより適度となる傾向がある。また、常温で粘着剤層が硬くなり過ぎず、被着体に対してより適度な濡れ性を示す傾向がある。
特定(メタ)アクリル系共重合体(B)の重量平均分子量(Mw)は、2000以上10000未満の範囲であり、2000以上9000以下の範囲であることが好ましく、2000以上8000以下の範囲であることがより好ましく、2000以上7000以下の範囲であることが更に好ましく、2000以上6000以下の範囲であることが更に好ましく、2000以上5000以下の範囲であることが特に好ましい。
特定(メタ)アクリル系共重合体(B)の重量平均分子量(Mw)が2000以上であると、適度な凝集力を示すため、貼り合わせ初期における被着体に対する粘着剤層の軽剥離性が損なわれ難い傾向がある。
特定(メタ)アクリル系共重合体(B)の重量平均分子量(Mw)が10000未満であると、特定(メタ)アクリル系共重合体(B)が被着体表面の凹面及び凸面のいずれに対しても十分に偏在し得るため、粘着剤層が被着体表面の凹凸面に対して十分な濡れ性を示し得る。このため、凹凸を有する被着面に貼付した場合でも剥がれ難い粘着剤層を実現し得る。
本発明の粘着剤組成物における特定(メタ)アクリル系共重合体(B)の含有量は、特定(メタ)アクリル系重合体(A)100質量部に対して、21質量部以上50質量部以下の範囲であり、25質量部以上50質量部以下の範囲であることが好ましく、25質量部以上45質量部以下の範囲であることがより好ましく、25質量部以上40質量部以下の範囲であることが更に好ましく、25質量部以上35質量部以下の範囲であることが特に好ましい。
本発明の粘着剤組成物における特定(メタ)アクリル系共重合体(B)の含有量が、特定(メタ)アクリル系重合体(A)100質量部に対して21質量部以上であると、貼り合わせ初期における被着体に対する粘着剤層の軽剥離性が損なわれ難い傾向がある。
本発明の粘着剤組成物における特定(メタ)アクリル系共重合体(B)の含有量が、特定(メタ)アクリル系重合体(A)100質量部に対して50質量部以下であると、粘着剤層が被着体に貼り付いた状態を十分に保持できる高さの粘着力を発現し、かつ、加熱後は高い粘着力を示す傾向がある。また、凹凸を有する被着面に貼付した場合でも剥がれ難い粘着剤層を実現し得る。
特定(メタ)アクリル系重合体(A)及び特定(メタ)アクリル系共重合体(B)〔即ち、特定(メタ)アクリル系重合体〕の製造方法は、特に制限されない。
特定(メタ)アクリル系重合体は、例えば、溶液重合法、乳化重合法、懸濁重合法、及び塊状重合法に代表される公知の重合方法で、既述の単量体を重合して製造できる。
重合方法としては、製造後に本発明の粘着剤組成物を調製するにあたり、処理工程が比較的簡単であり、かつ、短時間で行える点で、溶液重合法が好ましい。
重合反応時に用いられる有機溶媒としては、より具体的には、例えば、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、n-プロピルベンゼン、t-ブチルベンゼン、o-キシレン、m-キシレン、p-キシレン、テトラリン、デカリン、及び芳香族ナフサに代表される芳香族炭化水素化合物、n-ヘキサン、n-ヘプタン、n-オクタン、i-オクタン、n-デカン、ジペンテン、石油スピリット、石油ナフサ、及びテレピン油に代表される脂肪族系又は脂環族系炭化水素化合物、酢酸エチル、酢酸n-ブチル、酢酸n-アミル、酢酸2-ヒドロキシエチル、酢酸2-ブトキシエチル、酢酸3-メトキシブチル、及び安息香酸メチルに代表されるエステル化合物、アセトン、メチルエチルケトン、メチル-i-ブチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノン、及びメチルシクロヘキサノンに代表されるケトン化合物、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、及びジエチレングリコールモノブチルエーテルに代表されるグリコールエーテル化合物、並びに、メチルアルコール、エチルアルコール、n-プロピルアルコール、i-プロピルアルコール、n-ブチルアルコール、i-ブチルアルコール、s-ブチルアルコール、及びt-ブチルアルコールに代表されるアルコール化合物が挙げられる。
有機過酸化物としては、例えば、t-ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、カプロイルペルオキシド、ジ-i-プロピルペルオキシジカルボナート、ジ-2-エチルヘキシルペルオキシジカルボナート、t-ブチルペルオキシピバレート、2,2-ビス(4,4-ジ-t-ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2-ビス(4,4-ジ-t-アミルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2-ビス(4,4-ジ-t-オクチルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2-ビス(4,4-ジ-α-クミルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2-ビス(4,4-ジ-t-ブチルペルオキシシクロヘキシル)ブタン、及び2,2-ビス(4,4-ジ-t-オクチルペルオキシシクロヘキシル)ブタンが挙げられる。
アゾ化合物としては、例えば、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル〔AIBN〕、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)〔ABVN〕、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)、1,1’-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル)、及び2,2’-アゾビス(イソ酪酸)ジメチルが挙げられる。
特定(メタ)アクリル系重合体の製造に際しては、重合反応中にグラフト反応を起こさない重合開始剤の使用が好ましく、特に、アゾ化合物の使用が好ましい。
連鎖移動剤としては、例えば、シアノ酢酸、シアノ酢酸の炭素数1~8のアルキルエステル化合物、ブロモ酢酸、ブロモ酢酸の炭素数1~8のアルキルエステル化合物、α-メチルスチレン、アントラセン、フェナントレン、フルオレン、及び9-フェニルフルオレンに代表される芳香族化合物、p-ニトロアニリン、ニトロベンゼン、ジニトロベンゼン、p-ニトロ安息香酸、p-ニトロフェノール、及びp-ニトロトルエンに代表される芳香族ニトロ化合物、ベンゾキノン及び2,3,5,6-テトラメチル-p-ベンゾキノンに代表されるベンゾキノン誘導体、トリブチルボランに代表されるボラン誘導体、四臭化炭素、四塩化炭素、1,1,2,2-テトラブロモエタン、トリブロモエチレン、トリクロロエチレン、ブロモトリクロロメタン、トリブロモメタン、及び3-クロロ-1-プロペンに代表されるハロゲン化炭化水素化合物、クロラール及びフラルデヒドに代表されるアルデヒド化合物、炭素数1~18のアルキルメルカプタン化合物、チオフェノール及びトルエンメルカプタンに代表される芳香族メルカプタン化合物、メルカプト酢酸、メルカプト酢酸の炭素数1~10のアルキルエステル化合物、炭素数1~12のヒドロキシアルキルメルカプタン化合物、並びに、ピネン及びターピノレンに代表されるテルペン化合物が挙げられる。
本発明の粘着剤組成物は、架橋剤を含むことが好ましい。
架橋剤の種類は、特に制限されない。
架橋剤としては、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤等が挙げられる。また、架橋剤としては、金属キレート系架橋剤を用いることもできる。
また、ポリイソシアネート化合物としては、上記ポリイソシアネート化合物の2量体、3量体、又は5量体、上記ポリイソシアネート化合物とトリメチロールプロパン等のポリオール化合物とのアダクト体、上記ポリイソシアネート化合物のビウレット体なども挙げられる。
イソシアネート系架橋剤の市販品の例としては、「コロネート(登録商標) HX」、「コロネート(登録商標) HL-S」、「コロネート(登録商標) L」、「コロネート(登録商標) L-45E」、「コロネート(登録商標) 2031」、「コロネート(登録商標) 2030」、「コロネート(登録商標) 2234」、「コロネート(登録商標) 2785」、「アクアネート(登録商標) 200」、及び「アクアネート(登録商標) 210」〔以上、東ソー(株)〕、「スミジュール(登録商標) N3300」、「デスモジュール(登録商標) N3400」、及び「スミジュール(登録商標) N-75」〔以上、住化コベストロウレタン(株)〕、「デュラネート(登録商標) E-405-80T」、「デュラネート(登録商標) AE700-100」、「デュラネート(登録商標) 24A-100」、及び「デュラネート(登録商標) TSE-100」〔以上、旭化成(株)〕、並びに、「タケネート(登録商標) D-110N」、「タケネート(登録商標) D-120N」、「タケネート(登録商標) M-631N」、「MT-オレスター(登録商標) NP1200」、及び「スタビオ(登録商標) XD-340N」〔以上、三井化学(株)〕が挙げられる。
エポキシ系架橋剤の市販品の例としては、「TETRAD(登録商標)-X」及び「TETRAD(登録商標)-C」〔以上、三菱ガス化学(株)〕が挙げられる。
金属キレート系架橋剤の市販品の例としては、「アルミキレートA」、「アルミキレートD」、及び「ALCH-TR」〔以上、川研ファインケミカル(株)〕が挙げられる。
例えば、本発明の粘着剤組成物が架橋剤としてイソシアネート系架橋剤を含む場合、粘着剤組成物におけるイソシアネート系架橋剤の含有量は、特定(メタ)アクリル系重合体(A)100質量部に対して、0.05質量部以上10質量部以下の範囲であることが好ましく、0.1質量部以上10質量部以下の範囲であることがより好ましく、0.1質量部以上5質量部以下の範囲であることが更に好ましい。
本発明の粘着剤組成物は、例えば、塗布性向上の観点から、有機溶媒を含んでいてもよい。
有機溶媒としては、例えば、既述の特定(メタ)アクリル系重合体の重合反応時に用いられる有機溶媒と同様のものが挙げられる。
本発明の粘着剤組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて、既述した成分以外の成分(所謂、他の成分)を含んでいてもよい。
他の成分としては、特定(メタ)アクリル系重合体以外の重合体、架橋触媒、粘着付与剤、酸化防止剤、着色剤(例えば、染料及び顔料)、光安定剤(例えば、紫外線吸収剤)、帯電防止剤等の各種添加剤が挙げられる。
本発明の粘着剤組成物が架橋剤を含み、かつ、特定(メタ)アクリル系重合体(A)が架橋性官能基を有する単量体に由来する構成単位を含む場合、粘着剤組成物の架橋後のゲル分率(所謂、粘着剤層のゲル分率)は、40質量%以上であることが好ましく、40質量%以上90質量%以下の範囲であることがより好ましく、40質量%以上85質量%以下の範囲であることが更に好ましい。
粘着剤組成物の架橋後のゲル分率が40質量%以上であると、被着体に対する粘着剤層の加熱後の粘着力がより高くなる傾向がある。
(1)精密天秤にて質量を正確に測定した250メッシュの金網(100mm×100mm)に、架橋後の粘着剤組成物(即ち、粘着剤層)を約0.15g貼付し、ゲル分が漏れないように、貼付した粘着剤層を内側にして、金網を5回折り畳み、試料とする。その後、精密天秤にて質量を正確に測定する。
(2)得られた試料を酢酸エチル80mLに3日間浸漬する。
(3)試料を取り出して少量の酢酸エチルにて洗浄し、120℃で24時間乾燥させる。その後、精密天秤にて質量を正確に測定する。
(4)下式によりゲル分率を算出する。
ゲル分率(単位:質量%)=(Z-X)/(Y-X)×100
但し、Xは金網の質量(単位:g)、Yは粘着剤層を貼付した金網の浸漬前の質量(単位:g)、Zは浸漬後乾燥させた、粘着剤層を貼付した金網の質量(単位:g)である。
本発明の粘着剤組成物の用途は、特に制限されない。
本発明の粘着剤組成物は、被着体に対して、貼り合わせ初期には軽剥離性を示し、加熱後は高い粘着力を示す粘着剤層であって、凹凸を有する被着面に貼付した場合でも剥がれ難い粘着剤層を形成できるため、例えば、ディスプレイと、表面に凹凸面を有する各種光学素子を備える光学部材と、を貼り合わせる用途に好適である。
光学素子の具体例としては、レンズ、プリズム、反射鏡、回折格子、偏光素子等が挙げられる。
本発明の粘着シートは、本発明の粘着剤組成物により形成された粘着剤層を備える。
本発明の粘着シートは、既述の本発明の粘着剤組成物により形成された粘着剤層を備えるため、被着体に対して、貼り合わせ初期には軽剥離性を示し、加熱後は高い粘着力を示す。特に、本発明の粘着シートは、被着体に対して、貼り合わせ初期に軽剥離性を示す粘着剤層を備えるため、例えば、厚さが10μm程度の薄い被着体に貼り付けた場合であっても、問題なく剥離できるという利点を有する。
また、本発明の粘着シートは、既述の本発明の粘着剤組成物により形成された粘着剤層を備えるため、凹凸を有する被着面に貼付した場合でも剥がれ難い。
剥離フィルムとしては、粘着剤層からの剥離を容易に行えるものであれば、特に制限されず、例えば、少なくとも片面に剥離処理剤による易剥離処理が施された樹脂フィルムが挙げられる。
樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルムに代表されるポリエステルフィルムが挙げられる。
剥離処理剤としては、シリコーン系剥離処理剤(例えば、シリコーン)、ワックス系剥離処理剤(例えば、パラフィンワックス)、フッ素系剥離処理剤(例えば、フッ素系樹脂)等が挙げられる。
剥離フィルムは、粘着シートを実用に供するまでの間、粘着剤層の表面を保護し、使用時に剥離される。
粘着剤層の厚さは、一般には1μm以上100μm以下の範囲であり、5μm以上50μm以下の範囲であることが好ましく、10μm以上30μm以下の範囲であることがより好ましい。
基材としては、例えば、ポリエステル系樹脂、アセテート系樹脂(例えば、トリアセチルセルロース樹脂)、ポリエーテルサルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ABS樹脂、フッ素系樹脂等の樹脂を含むフィルムが挙げられる。
基材は、一部又は全体に、模様が施されていてもよい。
基材の厚さは、一般には500μm以下であり、30μm以上300μm以下の範囲であることが好ましく、50μm以上200μm以下の範囲であることがより好ましい。
本発明の粘着シートの製造方法は、特に制限されない。
本発明の粘着シートは、例えば、以下の方法により製造できる。
無基材タイプの粘着シートの場合、まず、剥離フィルムの面上に、本発明の粘着剤組成物を塗布し、塗布膜を形成する。次いで、形成した塗布膜を乾燥する。乾燥後の塗布膜の、剥離フィルムと接しない露出した面に、別の剥離フィルムの面が接するように重ねた後、養生することにより、剥離フィルム/粘着剤層/剥離フィルムの積層構造を有する、無基材タイプの粘着シートを製造できる。
剥離フィルムの面上に、本発明の粘着剤組成物を塗布し、塗布膜を形成する。次いで、形成した塗布膜を乾燥させて、粘着剤付きフィルムを作製する。次いで、基材を粘着剤付きフィルムの粘着面に貼り合わせ、養生することにより、基材/粘着剤層/剥離フィルムの積層構造を有する、有基材タイプの粘着シートを製造できる。
基材又は剥離フィルムの面上への粘着剤組成物の塗布量は、形成する粘着剤層の厚みに応じて、適宜設定できる。
基材又は剥離フィルムの面上に形成した塗布膜の乾燥温度及び乾燥時間は、特に制限されず、塗布膜の厚さ、塗布膜中の有機溶媒の量等に応じて、適宜設定できる。
粘着剤組成物が架橋剤を含む態様では、養生により、粘着剤組成物の架橋反応が終了して粘着剤層が形成される。
本発明の光学部材は、本発明の粘着剤組成物により形成された粘着剤層を備える。
光学部材としては、特に制限はなく、例えば、画像表示装置、入力装置等の機器(所謂、光学機器)を構成する部材又はこれらの機器に用いられる部材が挙げられる。
光学部材の具体例としては、偏光板、AG(Anti-Glare)偏光板、波長板、1/2、1/4等の波長板を含む位相差板、視角補償フィルム、光学補償フィルム、輝度向上フィルム、導光板、反射フィルム、反射防止フィルム、ITO(Indium-Tin Oxide)フィルム等の透明導電フィルム、プリズムシート、レンズシート、拡散板などが挙げられる。
本発明の光学部材が備える粘着剤層は、既述の本発明の粘着剤組成物により形成された粘着剤層であり、凹凸を有する被着面に貼付した場合でも剥がれ難いため、光学部材は、表面に凹凸面を有する各種光学素子を備えていてもよい。光学素子の具体例は、既述のとおりであるため、ここでは説明を省略する。
光学部材の材質としては、ポリエステル系樹脂、アセテート系樹脂、ポリエーテルサルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)樹脂、フッ素系樹脂等の樹脂が挙げられる。
〔製造例A-1〕
撹拌機、還流冷却器、逐次滴下装置、及び温度計を備えた反応装置に、酢酸エチル(重合用有機溶媒)116.0質量部を仕込んだ。次いで、別の容器に、n-ブチルアクリレート(n-BA)70.0質量部、メチルアクリレート(MA)25.0質量部、及び2-ヒドロキシエチルアクリレート(2HEA)5.0質量部からなる単量体混合物100.0質量部を準備した。この準備した単量体混合物のうちの20質量%を反応装置に仕込み、加熱して、還流温度で10分間還流を行った。次いで、還流温度条件下で、上記単量体混合物の残りの80質量%と、酢酸エチル(重合用有機溶媒)50.0質量部と、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)〔ABVN;重合開始剤〕0.026質量部と、を120分間かけて逐次滴下し、滴下終了後に30分間反応させ、反応を完結させた。反応完結後の溶液を、酢酸エチルを用いて固形分濃度が32質量%となるように希釈し、(メタ)アクリル系重合体A-1の溶液を得た。
製造例A-2~A-8では、(メタ)アクリル系重合体の単量体組成を、表1に示す単量体組成に変更したこと、並びに、有機溶媒の使用量及び重合開始剤の使用量の少なくとも一方を調整することにより、(メタ)アクリル系重合体の重量平均分子量(Mw)を、表1に示す重量平均分子量(Mw)に変更したこと以外は、製造例A-1と同様の操作を行い、固形分濃度が32質量%である(メタ)アクリル系重合体A-2~A-8の各溶液を得た。
(メタ)アクリル系重合体A-1~A-8のガラス転移温度(Tg)は、既述の特定(メタ)アクリル系重合体(A)のガラス転移温度(Tg)の計算方法と同様の方法により計算した。
(メタ)アクリル系重合体A-1~A-8の重量平均分子量(Mw)は、既述の特定(メタ)アクリル系重合体(A)の重量平均分子量(Mw)の測定方法と同様の方法により測定した。
「n-BA」:n-ブチルアクリレート(アクリル酸アルキルエステル単量体)
「MA」:メチルアクリレート(アクリル酸アルキルエステル単量体)
「2EHA」:2-エチルヘキシルアクリレート(アクリル酸アルキルエステル単量体)
「2HEA」:2-ヒドロキシエチルアクリレート(架橋性官能基を有する単量体、架橋性官能基:水酸基)
「AA」:アクリル酸(架橋性官能基を有する単量体、架橋性官能基:カルボキシ基)
表1では、「ガラス転移温度(Tg)」を単に「Tg」と表記し、「重量平均分子量(Mw)」を単に「Mw」と表記した。
〔製造例B-1〕
撹拌機、還流冷却器、逐次滴下装置、及び温度計を備えた反応器内に、酢酸エチル(重合用有機溶媒)60質量部を仕込んだ。次いで、別の容器に、メチルメタクリレート(MMA)45.0質量部、n-ブチルメタクリレート(n-BMA)25.0質量部、2-エチルへキシルメタクリレート(2-EHMA)25.0質量部、オルガノシロキサン骨格を有する単量体〔商品名:X-22-174ASX、数平均分子量:1100、信越化学工業(株)〕5.0質量部、2,2’-アゾビス(イソ酪酸)ジメチル〔重合開始剤〕3.0質量部、及び酢酸エチル(重合用有機溶媒)40.0質量部を入れて混合した溶液を準備した。この準備した溶液を、還流温度条件下で、180分間かけて逐次滴下し、滴下終了後に180分間反応させ、反応を完結させた。反応完結後の溶液を、酢酸エチルを用いて固形分が48質量%になるように希釈し、(メタ)アクリル系共重合体B-1の溶液を得た。
製造例B-2、B-3、B-6、B-7、及びB-9~B-13では、(メタ)アクリル系共重合体の単量体組成を、表2に示す単量体組成に変更したこと、並びに、有機溶媒の使用量及び重合開始剤の使用量の少なくとも一方を調整することにより、(メタ)アクリル系共重合体の重量平均分子量(Mw)を、表2に示す重量平均分子量(Mw)に変更したこと以外は、製造例B-1と同様の操作を行い、固形分濃度が48質量%である(メタ)アクリル系共重合体B-2、B-3、B-6、B-7、及びB-9~B-13の各溶液を得た。
製造例B-4、B-5、及びB-8では、有機溶媒の使用量及び重合開始剤の使用量の少なくとも一方を調整することにより、(メタ)アクリル系共重合体の重量平均分子量(Mw)を、表2に示す重量平均分子量(Mw)に変更したこと以外は、製造例B-1と同様の操作を行い、固形分濃度が48質量%である(メタ)アクリル系共重合体B-4、B-5、及びB-8の各溶液を得た。
(メタ)アクリル系共重合体B-1~B-13におけるオルガノシロキサン骨格を有する単量体の数平均分子量は、既述の特定(メタ)アクリル系共重合体(B)におけるオルガノシロキサン骨格を有する単量体の数平均分子量の計算方法と同様の方法により計算した。
(メタ)アクリル系共重合体B-1~B-13の重量平均分子量(Mw)は、既述の特定(メタ)アクリル系重合体(A)の重量平均分子量(Mw)の測定方法と同様の方法により測定した。
「MMA」:メチルメタクリレート(メタクリル酸アルキルエステル単量体)
「n-BMA」:n-ブチルメタクリレート(メタクリル酸アルキルエステル単量体)
「2EHMA」:2-エチルヘキシルメタクリレート(メタクリル酸アルキルエステル単量体)
「EA」:エチルアクリレート(アクリル酸アルキルエステル単量体)
「X-22-2404」〔商品名、数平均分子量:420、信越化学工業(株)〕:オルガノシロキサン骨格を有する単量体、式(2)で表される化合物
「X-22-174DX」〔商品名、数平均分子量:5400、信越化学工業(株)〕:オルガノシロキサン骨格を有する単量体、式(2)で表される化合物
「FM-0711」〔商品名:サイラプレーンFM-0711、数平均分子量:1200、JNC(株)〕:オルガノシロキサン骨格を有する単量体、式(2)で表される化合物
表2では、「オルガノシロキサン骨格を有する単量体の数平均分子量」を単に「Mn」と表記した。また、表2では、「重量平均分子量(Mw)」を単に「Mw」と表記した。
〔実施例1〕
(メタ)アクリル系重合体A-1の溶液100質量部(固形分換算値)と、(メタ)アクリル系共重合体B-1の溶液40質量部(固形分換算値)と、架橋剤〔商品名:タケネート(登録商標) D-110N、イソシアネート系架橋剤、固形分:75質量%、三井化学(株)〕0.5質量部(固形分換算値)と、を十分に混合して、実施例1の粘着剤組成物を得た。
実施例1において、粘着剤組成物の組成を表3に示す組成に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、実施例2~19の各粘着剤組成物を得た。
実施例1において、粘着剤組成物の組成を表4に示す組成に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、比較例1~6の各粘着剤組成物を得た。
1.粘着力
(評価用粘着シートの作製)
上記にて調製した粘着剤組成物を、易接着処理されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム〔商品名:テイジン(登録商標)テトロン(登録商標)フィルム、型番:G2P2、厚み:50μm、帝人フィルムソリューション(株)〕の易接着処理面に、乾燥後の厚みが20μmとなるように塗布し、塗布膜を形成した。次いで、形成した塗布膜を、熱風循環式乾燥機を用いて、100℃、1分間の乾燥条件で乾燥させ、PETフィルム上に粘着膜を形成した。
次いで、粘着膜が露出した面を、別途準備したシリコーン系剥離処理剤で易剥離処理された剥離フィルム〔商品名:フィルムバイナ(登録商標)100E-0010N023、藤森工業(株)〕の剥離処理面に重ねて貼り合わせた後、雰囲気温度23℃、50%RHの環境下に4日間静置して架橋反応を進行させ、評価用粘着シートを得た。
なお、架橋剤を含まない実施例7の粘着剤組成物についても、同様の手順で粘着シートを作製した。但し、実施例7の粘着剤組成物では、架橋反応は進行しなかった。
作製した評価用粘着シートは、PETフィルム/粘着剤層/剥離フィルムの積層構造を有している。
上記にて作製した評価用粘着シートを25mm×150mmの大きさに切断し、評価用粘着シート片を準備した。
準備した評価用粘着シート片から剥離フィルムを剥離し、剥離により露出した粘着剤層の面を、ステンレス板〔商品名:SUS304(BA)、(株)パルテック〕(以下、適宜「SUS」と称する。)の面に重ねて貼り合わせた後、2kgのローラーを1往復させて圧着し、試験片Xを作製した。
静置後の試験片Xについて、SUSから評価用粘着シート片を長辺(150mm)方向に180°剥離した場合の粘着力(単位:N/25mm)を、測定装置として(株)エー・アンド・デイのシングルコラム型材料試験機(型番:STA-1225)を用い、雰囲気温度23℃、50%RHの環境下、剥離速度300mm/分の条件で測定した。そして、下記の評価基準に従って、初期の粘着力を評価した。
なお、ジッピングが生じた場合には、測定された粘着力の最大値を採用した。
結果を表3及び表4に示す。
評価結果が「A」又は「B」であれば、実用上問題がないと判断した。
A:粘着力が0.01N/25mm以上1.0N/25mm未満である。
B:粘着力が1.0N/25mm以上1.5N/25mm未満である。
C:粘着力が1.5N/25mm以上である。
上記にて作製した評価用粘着シートを25mm×150mmの大きさに切断し、評価用粘着シート片を準備した。
準備した評価用粘着シート片から剥離フィルムを剥離し、剥離により露出した粘着剤層の面を、ステンレス板〔商品名:SUS304(BA)、(株)パルテック〕(以下、適宜「SUS」と称する。)の面に重ねて貼り合わせた後、2kgのローラーを2往復させて圧着し、試験片Yを作製した。
静置後の試験片Yについて、SUSから評価用粘着シート片を長辺(150mm)方向に180°剥離した場合の粘着力(単位:N/25mm)を、測定装置として(株)エー・アンド・デイのシングルコラム型材料試験機(型番:STA-1225)を用い、雰囲気温度23℃、50%RHの環境下、剥離速度300mm/分の条件で測定した。そして、下記の評価基準に従って、加熱後の粘着力を評価した。
結果を表3及び表4に示す。
評価結果が「A」又は「B」であれば、実用上問題がないと判断した。
A:粘着力が10N/25mm以上である。
B:粘着力が5N/25mm以上10N/25mm未満である。
C:粘着力が5N/25mm未満である。
(1)平滑な被着面に貼付した場合
上記「1.粘着力」における「評価用粘着シートの作製」と同様の操作を行い、評価用粘着シートを作製した。次いで、作製した評価用粘着シートを25mm×150mmの大きさに切断し、評価用粘着シート片を準備した。
準備した評価用粘着シート片から剥離フィルムを剥離し、剥離により露出した粘着剤層の面を、電解銅箔〔商品名:NC-WC、両面平滑銅箔、箔厚:10μm、古河電機工業(株)〕の面に重ねて貼り合わせた後、2kgのローラーを1往復させて圧着し、試験片Z-1を作製した。
結果を表3及び表4に示す。
評価結果が「A」又は「B」であれば、実用上問題がないと判断した。
A:剥がれが生じなかった。
B:0.5mm未満の剥がれが生じた。
C:0.5mm以上の剥がれが生じた。
上記「1.粘着力」における「評価用粘着シートの作製」と同様の操作を行い、評価用粘着シートを作製した。次いで、作製した評価用粘着シートを25mm×150mmの大きさに切断し、評価用粘着シート片を準備した。
準備した評価用粘着シート片から剥離フィルムを剥離し、剥離により露出した粘着剤層の面を、下記の方法により作製したリニアプリズムシートのプリズム面(頂角:90°、凸部の高さ:20μm)に重ねて貼り合わせた後、2kgのローラーを1往復させて圧着し、試験片Z-2を作製した。
リニアプリズムシートは、ポリカーボネートフィルム〔商品名:ユーピロン・シート FE-2000、厚み:200μm、三菱ガス化学(株)〕を、上下両面側から、表面に凹凸形状を有する上側金型と、表面が平滑な下側金型と、で挟み、成形温度170及び成形圧力10MPaの条件で加熱成形することにより作製した。
結果を表3及び表4に示す。
評価結果が「A」又は「B」であれば、実用上問題がないと判断した。
表3における「zip」とは、ジッピングが生じたことを意味する。
(メタ)アクリル系共重合体Bにおけるオルガノシロキサン骨格を有する単量体の数平均分子量が1500を超える比較例2の粘着剤組成物により形成された粘着剤層は、加熱後に高い粘着力を示さないことが確認された。また、比較例2の粘着剤組成物により形成された粘着剤層は、凹凸を有する被着面に貼付した場合に剥がれ易いことが確認された。
(メタ)アクリル系共重合体Bの重量平均分子量が10000以上である比較例3の粘着剤組成物により形成された粘着剤層は、平滑な被着面及び凹凸を有する被着面のいずれに貼付した場合でも剥がれ易いことが確認された。
(メタ)アクリル系共重合体Bの含有量が、(メタ)アクリル系重合体A 100質量部に対して50質量部を超える比較例5の粘着剤組成物により形成された粘着剤層は、加熱後に高い粘着力を示さないことが確認された。また、比較例5の粘着剤組成物により形成された粘着剤層は、凹凸を有する被着面に貼付した場合に剥がれ易いことが確認された。
(メタ)アクリル系共重合体Bにおけるオルガノシロキサン骨格を有する単量体の数平均分子量が1500を超え、(メタ)アクリル系共重合体Bの重量平均分子量が10000以上であり、(メタ)アクリル系共重合体Bの含有量が、(メタ)アクリル系重合体A 100質量部に対して21質量部未満である比較例6の粘着剤組成物により形成された粘着剤層は、加熱後に高い粘着力を示さないことが確認された。また、比較例6の粘着剤組成物により形成された粘着剤層は、凹凸を有する被着面に貼付した場合に剥がれ易いことが確認された。
Claims (7)
- ガラス転移温度が0℃未満である(メタ)アクリル系重合体(A)と、
オルガノシロキサン骨格を有する単量体に由来する構成単位を含み、前記オルガノシロキサン骨格を有する単量体の数平均分子量が、400以上1500以下の範囲であり、かつ、重量平均分子量が、2000以上10000未満の範囲である(メタ)アクリル系共重合体(B)と、
を含み、
前記(メタ)アクリル系共重合体(B)の含有量が、前記(メタ)アクリル系重合体(A)100質量部に対して、21質量部以上50質量部以下の範囲である粘着剤組成物。 - 前記(メタ)アクリル系共重合体(B)における前記オルガノシロキサン骨格を有する単量体に由来する構成単位の含有率が、全構成単位に対して、2質量%以上20質量%以下の範囲である請求項1又は請求項2に記載の粘着剤組成物。
- 架橋剤を更に含み、かつ、前記(メタ)アクリル系重合体(A)が、架橋性官能基を有する単量体に由来する構成単位を含む請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の粘着剤組成物。
- 前記架橋性官能基が、水酸基である請求項4に記載の粘着剤組成物。
- 請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の粘着剤組成物により形成された粘着剤層を備える粘着シート。
- 請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の粘着剤組成物により形成された粘着剤層を備える光学部材。
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