JP7266492B2 - 差動減速機及び差動減速機の製造方法 - Google Patents

差動減速機及び差動減速機の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、偏心搖動型の差動減速機に関し、特にキャリアピンの剛性を高めることができる構造に関する。
従来、特許文献1には、偏心揺動型の遊星歯車装置が開示されている。この遊星歯車装置は、外歯歯車、内歯歯車、およびキャリヤを備えている。キャリヤには、外歯歯車を貫通するキャリヤピン(柱部材)が連結されている。キャリヤは、円板状の大径部と、大径部の負荷側に一体的に形成された小径部とを有し、キャリヤピンは大径部の負荷側に突出している。突出部には係止溝が形成されており、係止溝にはキャリヤピンの抜けを防止するスナップリング(抜け止め部材)が配置されている。また、キャリヤの負荷側の端面には、円径の凹部がキャリヤピン貫通孔と同軸に形成されており、スナップリングは凹部と当接している。
国際公開第2012/063555号
しかしながら、キャリヤピンの逃がし部がキャリヤと遊星歯車との対向する面に近い位置に形成されているため、遊星歯車からキャリヤピンの圧入部までの距離が長くなってしまう。このため、力を受ける部分(遊星歯車)から、力を伝える部分(キャリヤピンの圧入部)までの距離が長くなり、キャリヤピンの剛性が低くなってしまい、差動減速機の剛性も低下してしまうという問題がある。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、剛性の高い差動減速機及び差動減速機の製造方法を提供することを目的とする。
この目的を達成するために、請求項1記載の差動減速機は、内歯歯車を有するケーシングと、前記ケーシング内において軸受を介して中心軸を中心に回転可能に支持される第1キャリア部材と、前記第1キャリア部材に隣接して配置され、前記内歯歯車に内接して噛み合っており、複数の貫通孔を有している外歯歯車と、前記貫通孔にそれぞれ遊挿され、前記第1キャリア部材に一体的に結合される複数のピンと、を備えており、前記第1キャリア部材には、前記複数のピンがそれぞれ圧入される複数のピン孔が形成されており、前記複数のピン孔のそれぞれは、前記中心軸方向の前記外歯歯車側に形成され、前記ピンが圧入される第1圧入部と、前記中心軸方向の前記外歯歯車とは反対側に形成され、前記ピンに対して非接触の内周面を有する逃がし部と、を備えており、前記第1圧入部と前記逃がし部とは隣接していることを特徴とするものである。
また、請求項2記載の差動減速機は、請求項1に記載の差動減速機であって、更に、前記逃がし部の内径は、前記第1圧入部の内径よりも大きいことを特徴とするものである。
また、請求項3記載の差動減速機は、請求項1または2に記載の差動減速機であって、更に、前記第1キャリア部材の前記逃がし部を挟んで前記第1圧入部とは反対側には、前記ピンを抜け止めする抜け止め部材が配置されるザグリ穴が形成されていることを特徴とするものである。
また、請求項4記載の差動減速機は、請求項1から3のいずれか1項に記載の差動減速機であって、更に、前記外歯歯車を挟んで前記第1キャリア部材とは反対側に配置され、前記ピンによって前記第1キャリア部材に一体的に結合される第2キャリア部材を備えており、前記第2キャリア部材には、複数の前記ピンがそれぞれ圧入される複数の第2圧入部が形成されており、前記第2キャリア部材における前記ピンと前記第2圧入部との圧入荷重は、前記第1キャリア部材における前記ピンと前記第1圧入部との圧入荷重よりも小さいことを特徴とするものである。
また、請求項5記載の差動減速機は、請求項4に記載の差動減速機であって、更に、前記第2キャリア部材における前記ピンと前記第2圧入部との締め代は、前記第1キャリア部材における前記ピンと前記第1圧入部との締め代よりも小さいことを特徴とするものである。
また、請求項6記載の差動減速機の製造方法は、請求項1から5のいずれか1項に記載の差動減速機の製造方法であって、前記逃がし部の内径は前記ピンの外径に対して僅かに大きく設定されており、前記ピンを、前記外歯歯車が配置される側とは反対側の面から前記ピン孔に圧入することを特徴とするものである。
また、請求項7記載の差動減速機の製造方法は、請求項6に記載の差動減速機の製造方法であって、更に、前記逃がし部の前記中心軸方向の長さは前記ピンの外径よりも大きいことを特徴とするものである。
請求項1記載の差動減速機によれば、ピンに対して非接触の内周面を有する逃がし部は、中心軸方向の外歯歯車とは反対側に形成されているため、外歯歯車と、ピンが圧入される第1圧入部との距離が近く、ピンの剛性を高くすることができる。このため、差動減速機の剛性も高くすることができる。また、逃がし部を設けることにより、ピンの圧入荷重を低くすることができる。
また、請求項2記載の差動減速機によれば、逃がし部の内径は第1圧入部の内径よりも大きいため、ストレートピンを用いることができ、ピンのコストダウンにつながる。
また、請求項3記載の差動減速機によれば、簡単な構造でピンの抜け止めができる。
また、請求項4記載の差動減速機によれば、ピンは第1キャリア部材と第2キャリア部材とに圧入されるため、ピンの傾きが低減される。また、第2キャリア部材における圧入荷重は第1キャリア部材における圧入荷重より小さいため、最初に第1キャリア部材側にピンを圧入し、次に第2キャリア部材側にピンを圧入した場合であっても、第1キャリア部材側のピンの圧入位置がずれない。
また、請求項5記載の差動減速機によれば、ピンと圧入部との締め代の違いにより、第1キャリア部材側の圧入荷重と第2キャリア部材側の圧入荷重とを簡単にコントロールすることができる。
また、請求項6記載の差動減速機の製造方法によれば、第1キャリア部材に対して、外歯歯車とは反対側からピンを圧入するため、逃がし部がピン圧入時の案内として機能し、ピンの圧入時における傾きが低減される。
また、請求項7記載の差動減速機の製造方法によれば、案内の長さが十分に確保されるため、ピンの圧入時における傾きが更に低減される。
第1実施形態に係る差動減速機の中央縦断面図である。 図1におけるニードルベアリング及びその付近の一部拡大図である。 図1におけるピン及びその付近の一部拡大図である。 図1の差動減速機を出力側から見た図(左側面図)である。 図4における止め輪及びその付近の一部拡大図である。 第1キャリア部材にピンを圧入する際の状態を示す説明図である。 第2キャリア部材の断面図である。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1実施形態である差動減速機1Aの中央縦断面図である。
差動減速機1Aは、第1外歯歯車2aと、第2外歯歯車2bと、ケーシング3と、キャリア4と、入力軸5とを備えている。ケーシング3は、内周面に内歯歯車6を一体に設けた円筒状の中ケース7と、中ケース7における軸方向の一方(出力側、図1の左側)に配置される円筒状の外ケース8と、他方(入力側、図1の右側)に配置される円盤状のケースカバー9とから成り、中ケース7、外ケース8、及びケースカバー9は、ケースカバー9側から中ケース7を貫通して外ケース8に螺合される複数のボルト10により一体に結合されている。ケーシング3における中ケース7と外ケース8との間には、シールのためのOリング11が挟まれている。また、中ケース7とケースカバー9との間には、シールのためのOリング12が挟まれている。外ケース8はクロスローラベアリング13の外輪も兼ねているため熱処理が施されており、硬度が高くなっている。外ケース8における出力側の側面には、複数のボルト穴14が形成され、該ボルト穴14を利用して、相手側装置の固定部と連結される。
キャリア4は、第1キャリア部材4aと第2キャリア部材4bとで構成されている。第1キャリア部材4aは、外ケース8の内側にクロスローラベアリング13を介して回転可能に軸支されている。第1キャリア部材4aはクロスローラベアリング13の内輪も兼ねているため熱処理が施されており、硬度が高くなっている。一方、第2キャリア部材4bには熱処理は施されていない。第1キャリア部材4aにおける軸方向の出力側の側面には、複数のボルト穴15が形成され、該ボルト穴15を利用して、相手側装置の被駆動部と連結される。
ケーシング3の内側には、2個のボールベアリング16,16を介して、中空筒状の入力軸5が、内歯歯車6の軸線と同軸で、第1キャリア部材4a、第2キャリア部材4b、及びケースカバー9に回転可能に軸支されている。入力軸5において、ボールベアリング16,16の間には、軸方向の出力側から順に第1偏心部17a及び第2偏心部17bが隣接して形成されている。第1偏心部17aと第2偏心部17bとは、外径及び偏心量δ1が互いに等しく、偏心方向が互いに180度異なる位相となっている。入力軸5における軸方向の入力側の端部には、中心軸に垂直な方向に複数のボルト穴18が形成されている。
第1偏心部17aには、全周に亘って配設される円柱状の複数のころ20,20・・からなる第1ニードルベアリング21aが設けられている。第2偏心部17bには、第1ニードルベアリング21aと同形状の第2ニードルベアリング21bが設けられている。第1外歯歯車2a及び第2外歯歯車2bは、中心に貫通穴23が形成され、それぞれの貫通穴23の内周面に、第1ニードルベアリング21a及び第2ニードルベアリング21bが配置されている。第1ニードルベアリング21aを介して、第1偏心部17aには第1外歯歯車2aが回転可能に外装され、第2ニードルベアリング21bを介して、第2偏心部17bには第2外歯歯車2bが回転可能に外装されている。
第1キャリア部材4aにおける軸方向の入力側には、第1外歯歯車2a及び第2外歯歯車2bが配置され、第1キャリア部材4aと第2キャリア部材4bとで、第1外歯歯車2a及び第2外歯歯車2bを挟むようになっている。第1外歯歯車2a及び第2外歯歯車2bは、内歯歯車6の歯数よりも僅かに少ない歯数を有して内歯歯車6に偏心位置で内接している。第1外歯歯車2a及び第2外歯歯車2bは、それぞれ形状が同じ歯車であり、入力軸5の軸線である入力中心軸O1からそれぞれ互いに180度異なる方向に偏心量δ1だけオフセットした軸線O2を中心に配置されている。第1外歯歯車2aと第2外歯歯車2bとは、僅かな隙間をあけて互いに摺動するようになっている。第1外歯歯車2a及び第2外歯歯車2bには、熱処理が施されており、表面硬度が高くなっている。
第1外歯歯車2a及び第2外歯歯車2bには、軸線O2を中心とした同心円上に、複数の円形のピン孔24が、周方向に等間隔で形成されて、このピン孔24に、入力中心軸O1を中心とした同心円上で当該軸線と平行に架設される外径D1のピン25がそれぞれ遊挿されている。このピン25の両端は、第1キャリア部材4a及び第2キャリア部材4bに設けられた孔に圧入され、ピン25によって第1キャリア部材4a及び第2キャリア部材4bは一体に回転可能となっている。ピン25の外周には筒状のメタル26が外装され、第1外歯歯車2a及び第2外歯歯車2bのピン孔24の内周面には、メタル26が接触している。
外ケース8と第1キャリア部材4aとの間でクロスローラベアリング13の外側には、オイルシール41が配置されている。また、第1キャリア部材4aと入力軸5との間でボールベアリング16の外側には、オイルシール42が配置されている。また、ケースカバー9と入力軸5との間でボールベアリング16の外側には、オイルシール43が配置されている。Oリング11、Oリング12、オイルシール41、オイルシール42、及びオイルシール43により、差動減速機1Aの内部空間が封止されている。
図2は、図1のA部拡大図であり、第1ニードルベアリング21a、第2ニードルベアリング21b、及びその付近を詳細に説明した図である。第1ニードルベアリング21aと第1外歯歯車2aとは、入力中心軸O1に垂直な方向より見て、第1ニードルベアリング21aのころ20の長さ方向の中心B1と第1外歯歯車2aの厚さ方向の中心C1とがずれた位置になるように配置されている。また、第2ニードルベアリング21bと第2外歯歯車2bとは、同じく入力中心軸O1に垂直な方向より見て、第2ニードルベアリング21bのころ20の長さ方向の中心B2と第2外歯歯車2bの厚さ方向の中心C2とが、ずれた位置になるように配置されている。
第1外歯歯車2aの厚さ方向の中心C1と第2外歯歯車2bの厚さ方向の中心C2との距離L1よりも、第1ニードルベアリング21aの長さ方向の中心B1と第2ニードルベアリング21bの長さ方向の中心B2との距離L2のほうが長い(L1<L2)。つまり、第1外歯歯車2a及び第2外歯歯車2bに対して、第1ニードルベアリング21a及び第2ニードルベアリング21bは、入力中心軸O1方向の外側寄りにそれぞれ配置されるようになっている。また、第1外歯歯車2aの厚さ方向の中心C1と第1ニードルベアリング21aのころ20の長さ方向の中心B1とのずれ量L5と、第2外歯歯車2bの厚さ方向の中心C2と第2ニードルベアリング21bのころ20の長さ方向の中心B2とのずれ量L6とが等しい(L5=L6)。
図3は、図1のB部拡大図であり、ピン25及びその付近を詳細に説明した図である。第1キャリア部材4aには、ピン25の一端が圧入されるピン孔27が形成されており、ピン孔27は、入力中心軸O1方向における出力側から順に、ピン25の軸方向の移動を規制する止め輪28が配置されるザグリ穴29、ピン25の外径D1よりもわずかに大きい内径D3でピン25に対して非接触の内周面を有する逃がし部30(D1<D3)、及びピン25の外径D1よりも小さい内径D2の内周面を有する第1圧入部31が形成されている(D1>D2)。第1圧入部31とピン25との締め代は、D1-D2である。
ピン25の出力側の一端の外周には、溝32が形成されており、溝32には、止め輪28が配置されている。止め輪28がザグリ穴29の底面に当接することにより、ピン25の入力側への移動が規制される。図4は、図1の差動減速機1Aを出力側から見た図(左側面図)であり、図5は、図4のC部拡大図である。ザグリ穴29は円型であり、ザグリ穴29の軸線O4はピン孔27の軸線O3よりも径方向内側になるように形成されている。止め輪28は、切割り部33を入力中心軸O1に向かう方向A1に向けて配置されている。
尚、本実施形態では、ピン25は、第1キャリア部材4aにおける出力側から圧入することが好ましい。図6は、第1キャリア部材4aにピン25を圧入する際の状態を示す説明図である。このように圧入することで、逃がし部30が、ピン25圧入時の案内として機能する。また、逃がし部30の軸方向の長さL4は、ピン25の外径D1よりも長くなっている(L4>D1)。
図7は、第2キャリア部材4bの断面図である。第2キャリア部材4bには、ピン25の入力側の一端が圧入される第2圧入部34が形成されている。第2圧入部34の内径D4は、ピン25の外径D1よりは小さいが、第1圧入部31の内径D2よりは大きくなっている(D2<D4<D1)。第2圧入部34とピン25との締め代はD1-D4であり、第1圧入部31とピン25との締め代のほうが、第2圧入部24とピン25との締め代のよりも大きい(D1-D2>D1-D4)。つまり、第1圧入部31におけるピン25の圧入荷重Faのほうが、第2圧入部34におけるピン25の圧入荷重Fbよりも大きい(Fa>Fb)。
以上のように構成された差動減速機1Aにおいて、図示しないモータによって入力軸5が回転することで、第1偏心部17a及び第2偏心部17bがそれぞれ対称的に偏心運動し、第1外歯歯車2a及び第2外歯歯車2bが内歯歯車6に内接した状態で偏心及び自転運動する。このため、各ピン孔24も偏心及び自転運動するが、各ピン孔24はメタル26を含むピン25よりも大径に形成されているので、各ピン25はピン孔24に内接した状態で相対的に偏心運動して偏心成分を吸収し、各ピン25からは自転成分のみが取り出される。よって、ピン25を介して第1キャリア部材4a及び第2キャリア部材4bが同期回転し、第1キャリア部材4aに設けられた出力部から相手側装置に回転が伝達される。このとき、差動減速機1A内に充填された潤滑剤は、オイルシール41、オイルシール42、オイルシール43、Oリング11、及びOリング12によって封止される。
また、入力軸5が回転する際、第1偏心部17aは第1ニードルベアリング21aを介して第1外歯歯車2aを押すため、第1ニードルベアリング21aは第1外歯歯車2aから反力を受ける。このとき、第1ニードルベアリング21aのころ20の長さ方向の中心B1と、第1外歯歯車2aの厚さ方向の中心C1とが、入力中心軸O1に垂直な方向から見てずれているため、第1外歯歯車2aには転倒モーメントと、転倒モーメントに起因するスラスト力(入力中心軸O1方向の力)が発生する。第1外歯歯車2aには、第2外歯歯車2b側に押される方向のスラスト力F1が発生する。
また、第2偏心部17bは第2ニードルベアリング21bを介して第2外歯歯車2bを押すため、第2ニードルベアリング21bは第2外歯歯車2bから反力を受ける。このとき、第2ニードルベアリング21bのころ20の長さ方向の中心B2と、第2外歯歯車2bの厚さ方向の中心C2とが、入力中心軸O1に垂直な方向から見てずれているため、第2外歯歯車2bには転倒モーメントと、転倒モーメントに起因するスラスト力が発生する。第2外歯歯車2bには、第1外歯歯車2a側に押される方向のスラスト力F2が発生する。
このように、上記形態の差動減速機1Aによれば、ピン25に対して非接触の内周面を有する逃がし部30は、第1キャリア部材4aにおいて、入力中心軸O1方向の第1外歯歯車2aとは反対側に形成されているため、第1外歯歯車2a及び第2外歯歯車2bと、ピン25が圧入される第1圧入部31との距離が近く、ピン25の剛性を高くすることができる。このため、差動減速機1Aの剛性も高くすることができる。また、逃がし部30を設けることで、ピン25を第1キャリア部材4aに圧入する際の圧入荷重Faを低くすることができる。
また、逃がし部30の内径D3は第1圧入部31の内径D2よりも大きいため、ピン25には段差の無い円柱状のストレートタイプを用いることができる。このため、ピン25のコストを安く抑えることができる。
また、ザグリ穴29と止め輪28とにより、簡単な構造でピン25の抜け止めを実現できる。
また、ピン25は第1キャリア部材4aと第2キャリア部材4bとに圧入されるため、ピン25の傾きを低減することができる。また、第2キャリア部材4bにおけるピン25の圧入荷重Fbは第1キャリア部材4aにおけるピン25の圧入荷重Faよりも小さいため、最初に第1キャリア部材4a側にピン25の一端を圧入し、次に第2キャリア部材4b側にピン25の他端を圧入した場合であっても、第1キャリア部材4a側のピン25の圧入位置がずれない。
また、ピン25の外径D1と第1圧入部31の内径D2との差による締め代と、ピン25の外径D1と第2圧入部34の内径D4との差による締め代との違いにより、第1キャリア部材4a側の圧入荷重Faと第2キャリア部材4b側の圧入荷重Fbとを簡単にコントロールできる。
また、第1キャリア部材4aに対して、第1外歯歯車2aとは反対側の面からピン25を圧入するため、逃がし部30がピン25圧入時の案内として機能し、ピン25の圧入時における傾きを低減することができる。
また、逃がし部30の長さL4がピン25の外径D1よりも大きいため、ピン25の圧入時の案内を十分に確保することができ、ピン25の圧入時における傾きを更に低減することができる。
[変形例]
第1実施形態では、ピン孔27側に逃がし部29を設け、ピン25には段差の無い円柱状のストレートタイプを用いたが、第1実施形態の変形例においては、ピン孔27側には逃がし部を設けずにピン側に段差を設けることで、ピン孔とピンとが非接触になる範囲を形成してもよい。このような構成であっても第1実施形態と同様の効果を奏する。
[本発明と実施形態との構成の対応関係]
本実施形態の第1外歯歯車2a及び第2外歯歯車2bは、本発明の外歯歯車の一例である。本実施形態の止め輪28は、本発明の抜け止め部材の一例である。本実施形態の入力中心軸O1は、本発明の中心軸の一例である。
1A 差動減速機
2a 第1外歯歯車
2b 第2外歯歯車
3 ケーシング
4a 第1キャリア部材
4b 第2キャリア部材
6 内歯歯車
23 貫通孔
24 ピン孔
25 ピン
28 止め輪
29 ザグリ穴
30 逃がし部
31 第1圧入部
34 第2圧入部
O1 入力中心軸
D1 ピンの外径
D2 第1圧入部の内径
D3 逃がし部の内径
D4 第2圧入部の内径
Fa,Fb 圧入荷重
L4 逃がし部の長さ

Claims (7)

  1. 内歯歯車を有するケーシングと、
    前記ケーシング内において軸受を介して中心軸を中心に回転可能に支持される第1キャリア部材と、
    前記第1キャリア部材に隣接して配置され、前記内歯歯車に内接して噛み合っており、複数の貫通孔を有している外歯歯車と、
    前記貫通孔にそれぞれ遊挿され、前記第1キャリア部材に一体的に結合される複数のピンと、
    を備えており、
    前記第1キャリア部材には、前記複数のピンがそれぞれ圧入される複数のピン孔が形成されており、
    前記複数のピン孔のそれぞれは、
    前記中心軸方向の前記外歯歯車側に形成され、前記ピンが圧入される第1圧入部と、
    前記中心軸方向の前記外歯歯車とは反対側に形成され、前記ピンに対して非接触の内周面を有する逃がし部と、を備えており、
    前記第1圧入部と前記逃がし部とは隣接している
    ことを特徴とする差動減速機。
  2. 前記逃がし部の内径は、前記第1圧入部の内径よりも大きい
    ことを特徴とする請求項1に記載の差動減速機。
  3. 前記第1キャリア部材の前記逃がし部を挟んで前記第1圧入部とは反対側には、前記ピンを抜け止めする抜け止め部材が配置されるザグリ穴が形成されている
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の差動減速機。
  4. 前記外歯歯車を挟んで前記第1キャリア部材とは反対側に配置され、前記ピンによって前記第1キャリア部材に一体的に結合される第2キャリア部材を備えており、
    前記第2キャリア部材には、複数の前記ピンがそれぞれ圧入される複数の第2圧入部が形成されており、
    前記第2キャリア部材における前記ピンと前記第2圧入部との圧入荷重は、前記第1キャリア部材における前記ピンと前記第1圧入部との圧入荷重よりも小さい
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の差動減速機。
  5. 前記第2キャリア部材における前記ピンと前記第2圧入部との締め代は、前記第1キャリア部材における前記ピンと前記第1圧入部との締め代よりも小さい
    ことを特徴とする請求項4に記載の差動減速機。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の差動減速機の製造方法であって、
    前記逃がし部の内径は前記ピンの外径に対して僅かに大きく設定されており、
    前記ピンを、前記外歯歯車が配置される側とは反対側の面から前記ピン孔に圧入する
    ことを特徴とする差動減速機の製造方法。
  7. 前記逃がし部の前記中心軸方向の長さは前記ピンの外径よりも大きい
    ことを特徴とする請求項6に記載の差動減速機の製造方法。
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