JP7266400B2 - 冷却システム並びにその制御方法、制御プログラム、及び廃熱利用システム - Google Patents

冷却システム並びにその制御方法、制御プログラム、及び廃熱利用システム Download PDF

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本開示は、冷却システム並びにその制御方法及び制御プログラムに関する。
従来、例えば、電子デバイス等の冷却においては、冷媒の循環系統を設け、電子デバイス等の発熱部で生じた熱を大気等に放出するための冷却システムが使用されている。
例えば、特許文献1には、パワー半導体の冷却に液を使用した冷却システムが記載されている。
特開2013―84648号公報
ところで、電子デバイスの発熱は、通過する電流値の二乗に比例するため、運転状況すなわち通電量による発熱量の変動が大きく、また、応答時間も短いという傾向がある。一方で、例えば、チラー等の冷凍サイクルは、冷却能力の時間変動の応答時間が電子デバイスに比べて長く、電子デバイスによる発熱量の変動に応じた負荷の調整が困難である。このため、チラーは一定負荷での連続運転が必要となり、エネルギーの損失が大きいという問題がある。
この点、特許文献1に開示された冷却システムは、上記のような問題を解決するための具体的な構成について何ら開示されていない。
上述した問題に鑑み、本開示の少なくとも一実施形態は、エネルギー損失を抑制し得る冷却システムを提供することを目的とする。
(1)本開示の少なくとも一実施形態に係る冷却システムは、
電子デバイスを冷却するための冷却システムであって、
冷媒を貯留するタンクと、
前記タンクと前記電子デバイスとの間で前記冷媒を循環可能な第1冷却ラインと、
前記タンクから前記第1冷却ラインとは別系統で設けられ、前記冷媒を冷却するための第2冷却ラインと、
前記第1冷却ラインにおける前記冷媒の流量を調節可能な第1ポンプと、
前記第2冷却ラインにおける前記冷媒の流量を調節可能な流量調節器と、
を備えている。
上記(1)の構成によれば、冷媒を循環させて電子デバイスを冷却する第1冷却ラインと、冷媒を冷却するための第2冷却ラインとが、タンクを介して別系統に設けられる。各冷却ラインは、第1冷却ラインの第1ポンプと、第2冷却ラインの流量調節器とにより、それぞれ独立に冷媒流量を調節することができる。よって、第1冷却ラインの冷媒流量及びその調節タイミングと、第2冷却ラインの冷媒流量及びその調整タイミングとを異ならせて冷却システムを運用することができる。これにより、例えば、応答時間の遅い冷媒の第2冷却ラインの運転負荷を、変動周期の速い電子デバイスの長周期変動成分に応じて調整することができる。これにより、ランニングコストの低減及び省エネルギー化を図ることができ、エネルギー損失を抑制し得る冷却システムを提供することができる。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)に記載の構成において、
前記冷却システムは、前記第1ポンプに接続されたコントローラを備え、
前記コントローラは、前記電子デバイスの発熱量に応じて前記第1冷却ラインを流れる冷媒の流量を調節するように前記第1ポンプを駆動するように構成されていてもよい。
上記(2)の構成によれば、コントローラにより、電子デバイスの発熱量に応じて第1冷却ライン内の冷媒流量が調節される。したがって、例えば、電子デバイスの駆動状況に応じて、該電子デバイスの発熱量が多いタイミングでは第1ポンプを迅速に高出力で駆動して電子デバイスを適切に冷却することができる。このように、第1冷却ラインの冷媒流量の調節の応答速度を、電子デバイスの駆動状況に合わせて適切に制御することができる。
(3)幾つかの実施形態では、上記(2)に記載の構成において、
前記コントローラは、前記電子デバイスの通電量に基づき、前記第1冷却ラインを流れる前記冷媒の流量を調節するように前記第1ポンプを駆動するように構成されてもよい。
上記(3)の構成によれば、コントローラにより、電子デバイスの通電量に基づき第1冷却ライン内の冷媒流量が調節される。電子デバイスの発熱量は、この電子デバイスを通過する電流値の二乗に比例するから、該電子デバイスの通電量に基づいて冷媒流量を調節することで、電子デバイスの発熱量に合わせて該電子デバイスを適切に冷却することができる。また、通電量に基づく流量制御を行うことで、電子デバイスの発熱タイミングに遅れることなく、より迅速な流量調節を行うことができる。
(4)幾つかの実施形態では、上記(2)又は(3)に記載の構成において、
前記冷却システムは、前記電子デバイスの発熱量を検出可能な第1温度センサを含み、
前記コントローラは、前記第1温度センサからの検出信号に基づき、前記第1冷却ラインを流れる前記冷媒の流量を調節するように前記第1ポンプを駆動するように構成されていてもよい。
上記(4)の構成によれば、コントローラにより、第1温度センサで検出された電子デバイスの発熱量に応じて、第1冷却ラインの冷媒流量を調節することができる。したがって、電子デバイスの駆動状況に適切に対応した流量制御を行うことができる。
(5)幾つかの実施形態では、上記(1)~(4)の何れか1つに記載の構成において、
冷却システムは複数の前記電子デバイスを備え、
前記第1冷却ラインは、各々が複数の前記電子デバイスを個別に冷却可能、且つ、互いに並列な複数のサブ経路を含み、
各々の前記サブ経路には、前記冷媒の流量を個別に調節可能に前記第1ポンプが配置されていてもよい。
上記(5)の構成によれば、第1冷却ラインが、互いが並列な複数のサブ経路を含んで構成され、各サブ経路にそれぞれ第1ポンプと電子デバイスとが配置される。すなわち、各々の電子デバイスは、あるタイミングにおいて各々に要求される処理動作に応じてそれぞれ動作状況が異なるため、発熱量も異なるが、上記(5)の構成により、各電子デバイスの発熱量に個別に対応してサブ経路に流れる冷媒流量を適切に調節することができる。
(6)幾つかの実施形態では、上記(1)~(5)の何れか一つに記載の構成において、
前記第2冷却ラインは、
前記タンクからの前記冷媒を前記タンクに還流させるための1次循環ラインと、
前記1次循環ラインに配置された前記流量調節器としての第2ポンプと、
前記1次循環ラインが通過する第1熱交換器と、
前記第1熱交換器を介して前記1次循環ライン内の前記冷媒を冷却するための2次循環ラインと、
前記2次循環ライン内の前記冷媒を冷却するための第2熱交換器と、を含んでもよい。
上記(6)の構成によれば、タンクから第2冷却ラインの1次循環ラインに流入した冷媒は、第1熱交換器を介して、2次循環ラインを流れる冷媒により冷却される。そして、2次循環ライン内の冷媒は、第2熱交換器により冷却される。このような構成により、タンクに還流されるまでにおける第2冷却ラインと冷媒との伝熱量を大きく確保することができるから、冷却効率の高い冷却システムを実現することができる。
(7)幾つかの実施形態では、上記(1)~(6)の何れか一つに記載の構成において、
前記第2冷却ラインは、
前記タンク内に配置された第1熱交換器と、
前記タンクからの前記冷媒を冷却するための第2熱交換器と、を含んでもよい。
上記(7)の構成によれば、第1熱交換器がタンク内に配置されることで、該第1熱交換器とタンクとを一体に構成することができる。よって、第2冷却ラインを小型化してコンパクトな冷却システムを実現することができる。
(8)幾つかの実施形態では、上記(1)~(7)の何れか一つに記載の構成において、
前記タンク内に不凝縮ガスが封入されていてもよい。
上記(8)の構成によれば、タンク内に不凝縮ガスが封入されたことにより、冷却システムにおいてタンクに冷媒圧力の緩衝領域の機能を持たせることができる。すなわち、この不凝縮ガスにより、タンクが冷媒の圧力変動のバッファないしアキュムレータのように機能する。これにより、例えば、電子デバイスの発熱に伴い、第1冷却ライン内で冷媒の沸騰などが生じたとしても、第1冷却ラインの配管系統内に大きな圧力変動が生じることを効果的に防止することができる。
(9)幾つかの実施形態では、上記(1)~(8)の何れか一つに記載の構成において、
前記冷却システムは、前記タンク内の前記冷媒の温度を検出可能な第2温度センサを含み、
前記コントローラは、前記第2温度センサからの検出信号に基づき、前記第2冷却ラインを流れる前記冷媒の流量を調節するように前記流量調節器を駆動するように構成されていてもよい。
上記(9)の構成によれば、コントローラにより、第2温度センサで検出されたタンク内の冷媒温度に応じて、第2冷却ラインの冷媒流量を調節することができる。したがって、タンク内の冷媒温度延いては電子デバイスの発熱量、すなわち電子デバイスの駆動状況に適切に対応した流量制御を行うことができる。
(10)幾つかの実施形態では、上記(1)~(9)に記載の構成において、
前記第1冷却ラインに設けられた、前記電子デバイスを冷却するための冷却部の内部における前記冷媒の圧力を調節するための圧力調節手段を、さらに備える。
電子デバイスがパワーデバイスである場合などには、パワーデバイス(電力制御装置)においては生じる大量のエネルギー損失は、パワーデバイスの温度を上昇させ、機器の故障の原因となるため、通常、液体(例えば水)やガス(例えば空気)などの冷媒によって冷却される。例えば冷媒に水などの液体を用いてパワーデバイスを冷却する場合、パワーデバイスを冷却する冷却部の内部において気泡が発生すると、電子デバイスを直接的に冷却する冷却部における流量分配の不均一が生じ、電子デバイスの冷却が適切になされない場合が生じ得る。
上記(10)の構成によれば、圧力調節手段により、冷却部の内部における冷媒の圧力を高める。これによって、冷媒の沸点をより高くすることができ、冷却部の内部における気泡の発生を抑制することができる。したがって、冷却部における冷媒の流れの均一化を図ることができ、パワーデバイスなどの電子デバイスの冷却をより適切に行うことができる。
(11)幾つかの実施形態では、上記(10)に記載の構成において、
前記圧力調節手段は、前記第1冷却ラインにおける前記電子デバイスの下流側と前記タンクとの間に設けられた、上流側の圧力を下流側の圧力よりも高くすることが可能な第1調節手段を含む。
上記(11)の構成によれば、第1冷却ラインにおける前記電子デバイスの下流側と前記タンクとの間に設けられ第1調節手段により、第1冷却ラインにおける電子デバイスが存在する側の圧力を高めることができる。よって、冷却部の内部における冷媒の圧力を高めることができる。
(12)幾つかの実施形態では、上記(11)に記載の構成において、
前記第1調節手段は、制御弁である。
上記(12)の構成によれば、制御弁の弁開度を調節することにより、第1冷却ラインにおける制御弁の上流側の圧力を調節することができ、冷却部の内部における冷媒の圧力を調節することができる。
(13)幾つかの実施形態では、上記(11)~(12)に記載の構成において、
前記圧力調節手段は、前記第1冷却ラインにおける前記電子デバイスの上流側と前記タンクとの間に設けられた、下流側の圧力を上流側の圧力よりも高くすることが可能な第2調節手段を、さらに含み、
前記圧力調節手段は、前記第1冷却ラインにおける前記第1調節手段と前記第2調節手段との間の圧力を調節するようになっている。
上記(13)の構成によれば、第1調節手段により、第1冷却ラインにおける制御弁の上流側の圧力をその下流側よりも高くなるようにした上で、調節手段(例えば、上記の第1ポンプなど)の回転数を調節することで、冷却部の内部における冷媒の圧力を調節することができる。
(14)幾つかの実施形態では、上記(11)~(13)に記載の構成において、
前記圧力調節手段に接続される第2コントローラを、さらに備え、
前記第2コントローラは、
前記冷却部の内部における前記冷媒の圧力の測定値を取得する圧力取得部と、
前記測定値が規定値以上になるように、前記圧力調節手段を制御する制御部と、を有する。
上記(14)の構成によれば、冷却部の内部における冷媒の圧力の測定値と、規定値(閾値)とに基づいて、圧力調節手段が自動で制御される。これによって、冷却部の内部における冷媒の圧力を適切に高めることで、冷却部の内部における気泡の発生を抑制することができる。
(15)幾つかの実施形態では、上記(14)に記載の構成において、
前記圧力取得部は、前記第1冷却ラインにおける前記電子デバイスの上流側と前記第1調節手段との間に設置された圧力計に接続される。
上記(15)の構成によれば、第2コントローラは、第1冷却ラインにおける電子デバイスの上流側と第1調節手段との間に設置された圧力計によって測定された圧力に基づいて、圧力調節手段の制御を行う。これによって、冷却部の内部における冷媒の圧力を、容易に取得することができる。
(16)幾つかの実施形態では、上記(10)~(15)に記載の構成において、
前記第1冷却ラインにおける前記電子デバイスの下流側を流れる前記冷媒の気相と液相とを分離するための気液分離器を、さらに備える。
例えば、現在、蒸気ボイラを有する工場や大型エンジンを有する船舶等では、ボイラやエンジンの廃熱を利用して低温・低圧の蒸気を生成し、暖房や加湿用途に使用している。今後、世界的なCO削減要求に伴い再生可能エネルギーの普及が進み、主力のエネルギー源が化石燃料から電力となると(電化社会)、上述のようなボイラやエンジンの廃熱がなくなるが、例えば蒸気は専用の装置を用いて生成すると、その分だけコストやエネルギーが必要となる。
上記(16)の構成によれば、パワーデバイスなどの電子デバイスの廃熱を熱源に、蒸気を生成する。これによって、例えば蒸気を生成するための専用の装置を設けることや、冷却システムの冷却性能を損なうことなく、蒸気を生成することができる。よって電化社会においても、効率的に蒸気を生成することができる。
(17)本開示の少なくとも一実施形態に係る冷却システムの制御方法は、
電子デバイスを冷却するための冷却システムの制御方法であって、
冷媒を貯留するタンクと前記電子デバイスとの間で前記冷媒を循環可能な第1冷却ラインを流れる冷媒の流量を、前記電子デバイスの発熱量に応じて調節するステップと、
前記タンクから前記第1冷却ラインとは別系統で設けられている第2冷却ラインであって、前記冷媒を冷却するための第2冷却ラインを流れる冷媒の流量を、前記タンク内の冷媒の温度に応じて調節するステップと、を有する。
上記(17)の方法によれば、上記(1)で述べたように、冷媒を循環させて電子デバイスを冷却する第1冷却ラインと、冷媒を冷却するための第2冷却ラインとが、タンクを介して別系統に設けられる。各冷却ラインは、それぞれ独立に冷媒流量を調節することができるから、第1冷却ラインの冷媒流量及びその調節タイミングと、第2冷却ラインの冷媒流量及びその調節タイミングとを異ならせて冷却システムを運用することができる。これにより、例えば、応答時間の遅い冷媒の第2冷却ラインの運転負荷を、変動周期の速い電子デバイスの長周期変動成分に応じて調節することができるから、ランニングコストの低減及び省エネルギー化を図ることができるとともに、エネルギー損失を抑制し得る冷却システムを提供することができる。
(18)本開示の少なくとも一実施形態に係る冷却システムの制御プログラムは、
電子デバイスを冷却するための冷却システムの制御プログラムであって、
冷媒を貯留するタンクと前記電子デバイスとの間で前記冷媒を循環可能な第1冷却ラインを流れる冷媒の流量を、前記電子デバイスの発熱量に応じて調節するステップと、
前記タンクから前記第1冷却ラインとは別系統で設けられている第2冷却ラインであって、前記冷媒を冷却するための第2冷却ラインを流れる冷媒の流量を、前記タンク内の冷媒の温度に応じて調節するステップと、をコンピュータに実行させるように構成される。
上記(18)の構成によれば、上記(1)及び(17)で述べたように、冷媒を循環させて電子デバイスを冷却する第1冷却ラインと、冷媒を冷却するための第2冷却ラインとが、タンクを介して別系統に設けられる。各冷却ラインは、それぞれ独立に冷媒流量を調節することができるから、第1冷却ラインの冷媒流量及びその調節タイミングと、第2冷却ラインの冷媒流量及びその調整タイミングとを異ならせて冷却システムを運用することができる。これにより、例えば、応答時間の遅い冷媒の第2冷却ラインの運転負荷を、変動周期の速い電子デバイスの長周期変動成分に応じて調整することができるから、ランニングコストの低減及び省エネルギー化を図ることができるとともに、エネルギー損失を抑制し得る冷却システムを提供することができる。
(19)本開示の少なくとも一実施形態に係る冷却システムは、
電子デバイスを冷却するための冷却システムであって、
冷媒を貯留するタンクと、
前記タンクと前記電子デバイスとの間で前記冷媒を循環可能な第1冷却ラインと、
前記第1冷却ラインに設けられた、前記電子デバイスを冷却するための冷却部の内部における前記冷媒の圧力を調節するための圧力調節手段と、を備える。
上記(19)の構成によれば、上記(10)と同様の効果を奏する。
(20)本開示の少なくとも一実施形態に係る冷却システムの制御方法は、
電子デバイスを冷却するための冷却システムの制御方法であって、
冷媒を貯留するタンクと前記電子デバイスとの間で前記冷媒を循環可能な第1冷却ラインに設けられた、前記電子デバイスを冷却するための冷却部の内部における前記冷媒の圧力の測定値を取得するステップと、
前記測定値が規定値以上になるように、前記冷却部の内部における前記冷媒の圧力を調節するための圧力調節手段を制御するステップと、を備える。
上記(20)の構成によれば、上記(14)と同様の効果を奏する。
(21)本開示の少なくとも一実施形態に係る冷却システムの制御プログラムは、
電子デバイスを冷却するための冷却システムの制御プログラムであって、
コンピュータに、
冷媒を貯留するタンクと前記電子デバイスとの間で前記冷媒を循環可能な第1冷却ラインに設けられた、前記電子デバイスを冷却するための冷却部の内部における前記冷媒の圧力の測定値を取得するステップと、
前記測定値が規定値以上になるように、前記冷却部の内部における前記冷媒の圧力を調節するための圧力調節手段を制御するステップと、を実行させる。
上記(21)の構成によれば、上記(14)と同様の効果を奏する。
(22)本開示の少なくとも一実施形態に係る廃熱利用システムは、
上記(16)に記載の冷却システムと、
前記冷却システムが備える気液分離器で分離された前記冷媒の気相が供給される蒸気利用装置と、備える。
上記(22)の構成によれば、パワーデバイスなどの電子デバイスの廃熱で生成した蒸気を、蒸気利用装置に供給するように構成される。これによって、電子デバイスの廃熱を適切に利用(回収)することができる。
本開示の少なくとも一実施形態によれば、エネルギー損失を抑制し得る冷却システムを提供することができる。
本開示の少なくとも一実施形態に係る冷却システムの構成例を示す概略図である。 本開示の少なくとも一実施形態に係る冷却システムにおける制御系の構成を示すブロック図である。 他の実施形態に係る冷却システムの構成例を示す概略図である。 他の実施形態に係る冷却システムの構成例を示す概略図である。 他の実施形態に係る冷却システムの構成例を示す概略図である。 図5の冷却システムが備える第1冷却ラインの一部を抜き出して示す概略図であり、圧力調節手段の第1調節手段はバルブである。 図5の冷却システムが備える第1冷却ラインの一部を抜き出して示す概略図であり、圧力調節手段は第1調節手段および第2調節手段(第1ポンプ)である。 図5の冷却システムが備える第1冷却ラインの一部を抜き出して示す概略図であり、圧力調節手段の第1調節手段は制御弁である。 冷媒の温度と飽和圧力との関係を示す例示である。 本開示の少なくとも一実施形態に係る第2コントローラの機能を示すブロック図である。
以下、添付図面に従って本開示の幾つかの実施形態について説明する。ただし、以下の実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
図1は本開示の少なくとも一実施形態に係る冷却システムの構成例を示す概略図である。図2は本開示の少なくとも一実施形態に係る冷却システムにおける制御系の構成を示すブロック図である。図3は他の実施形態に係る冷却システムの構成例を示す概略図である。図4は他の実施形態に係る冷却システムの構成例を示す概略図である。
図1(後述する図3~図8も同様)に非限定的に例示するように、本開示の少なくとも一実施形態に係る冷却システム1は、電子デバイス5を冷却するための冷却システム1であって、冷媒60を貯留するタンク6と、タンク6と電子デバイス5との間で冷媒60を循環可能な第1冷却ライン40と、タンク6から第1冷却ライン40とは別系統で設けられ、冷媒60を冷却するための第2冷却ライン50と、第1冷却ライン40における冷媒60の流量を調節可能な第1ポンプ7Aと、第2冷却ライン50における冷媒60の流量を調節可能な流量調節器8と、を備えている。
電子デバイス5は1つ以上含まれていてもよく、上記電子デバイス5を冷却する第1冷却ライン40は、少なくとも一本以上の循環路で構成され得る。なお、ベース5bは、電子デバイス5が設置される基板などである。
上記第1冷却ライン40及び第2冷却ライン50は、冷媒60としての流体(例えば、液体又は気体)を気密又は液密に案内し得るものであればよく、例えば、配管やチューブ等を含んで構成され得る。
流量調節器8は、例えば、第2ポンプ7Bを含み得る。
第1ポンプ7A及び第2ポンプ7Bには、流体を移送可能な種々の構成が適用され得る。
上記構成によれば、冷媒60を循環させて電子デバイス5を冷却する第1冷却ライン40と、冷媒60を冷却するための第2冷却ライン50とが、タンク6を介して別系統に設けられる。各冷却ライン40,50は、第1冷却ライン40の第1ポンプ7Aと、第2冷却ライン50の第2ポンプ7Bとにより、それぞれ独立に冷媒60の流量を調節することができる。よって、第1冷却ライン40の冷媒流量及びその調節タイミングと、第2冷却ライン50の冷媒流量及びその調整タイミングとを異ならせて冷却システム1を運用することができる。これにより、例えば、応答時間の遅い冷媒60の第2冷却ライン50の運転負荷を、変動周期の速い電子デバイス5の長周期変動成分に応じて調整することができる。これにより、ランニングコストの低減及び省エネルギー化を図ることができ、エネルギー損失を抑制し得る冷却システム1を提供することができる。
幾つかの実施形態では、上記の構成において、第1ポンプ7Aと第2ポンプ7Bとに接続されたコントローラ10を備えていてもよい。そして、コントローラ10は、電子デバイス5の発熱量に応じて第1冷却ライン40を流れる冷媒60の流量を調節するように第1ポンプ7Aを駆動するように構成されていてもよい。
ここで、本開示の少なくとも一実施形態におけるコントローラ10の詳細について説明する。
図2は、幾つかの実施形態に係るコントローラ10における制御系の構成を示すブロック図である。
図2に非限定的に例示するように、コントローラ10は、例えば、コンピュータであり、CPU11、該CPU11が実行する各種プログラムやテーブル等のデータを記憶するための記憶部としてのROM(Read Only Memory)13、各プログラムを実行する際の展開領域や演算領域としてのワーク領域として機能するRAM(Random Access Memory)12の他、図示しない大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)、通信ネットワークに接続するための通信インターフェース、及び外部記憶装置が装着されるアクセス部などを備えていてもよい。
幾つかの実施形態では、コントローラ10は、種々のデータベース17を含んでもよく、データベース17には例えば冷媒の流量調節を行うための種々のテーブル18等が格納されていてもよい。これらは全て、バス14を介して接続される。更に、コントローラ10は、例えば、キーボードやマウス等からなる入力部(図示省略)及びデータを表示する液晶表示装置等からなる表示部(図示省略)等と接続されていてもよい。
幾つかの実施形態において、コントローラ10には、第1冷却ライン40に設けられた第1温度センサ31や、タンク6に設けられた第2温度センサ32の各々から、冷媒温度に関する検出信号が送信されてもよい。
幾つかの実施形態において、ROM13には、コントローラ10が、本開示の何れかの実施形態において冷媒流量を適切に制御するための冷媒流量管理プログラム15等が格納されていてもよい。
上記構成によれば、コントローラ10により、電子デバイス5の発熱量に応じて第1冷却ライン40内の冷媒流量が調節される。したがって、例えば、電子デバイス5の駆動状況に応じて、該電子デバイス5の発熱量が多いタイミングでは第1ポンプ7Aを迅速に高出力で駆動して電子デバイス5を適切に冷却することができる。このように、第1冷却ライン40の冷媒流量の調節の応答速度を、電子デバイス5の駆動状況に合わせて適切に制御することができる。
幾つかの実施形態では、上記構成において、コントローラ10は、電子デバイス5の通電量に基づき、第1冷却ライン40を流れる冷媒60の流量を調節するように第1ポンプ7Aを駆動するように構成されてもよい。
上記構成によれば、コントローラ10により、電子デバイス5の通電量に基づき第1冷却ライン40内の冷媒流量が調節される。電子デバイス5の発熱量は、この電子デバイス5を通過する電流値の二乗に比例するから、該電子デバイス5の通電量に基づいて冷媒流量を調節することで、電子デバイス5の発熱量に合わせて該電子デバイス5を適切に冷却することができる。また、通電量に基づく流量制御を行うことで、電子デバイス5の発熱タイミングに遅れることなく、より迅速な流量調節を行うことができる。
幾つかの実施形態では、上記何れかに記載の構成において、電子デバイス5の発熱量を検出可能な第1温度センサ31を含み、コントローラ10は、第1温度センサ31からの検出信号に基づき、第1冷却ライン40を流れる冷媒60の流量を調節するように第1ポンプ7Aを駆動するように構成されていてもよい。
上記構成によれば、コントローラ10により、第1温度センサ31で検出された電子デバイス5の発熱量に応じて、第1冷却ライン40の冷媒流量を調節することができる。したがって、電子デバイス5の駆動状況に適切に対応した流量制御を行うことができる。
幾つかの実施形態では、上記何れかに記載の構成において、冷却システム1は、複数の電子デバイス5を備えていてもよく、第1冷却ライン40は、各々が複数の電子デバイス5を個別に冷却可能、且つ、互いに並列な複数のサブ経路42を含み、各々のサブ経路42には、冷媒60の流量を個別に調節可能に第1ポンプ7Aが配置されていてもよい。
上記構成によれば、第1冷却ライン40が、互いが並列な複数のサブ経路42を含んで構成され、各サブ経路42にそれぞれ第1ポンプ7Aと電子デバイス5とが配置される。すなわち、各々の電子デバイス5は、あるタイミングにおいて各々に要求される処理動作に応じてそれぞれ動作状況が異なるため、発熱量も異なるが、上記の構成により、各電子デバイス5の発熱量に個別に対応してサブ経路42に流れる冷媒流量を適切に調節することができる。
幾つかの実施形態では、上記何れかに記載の構成において、第2冷却ライン50は、タンク6からの冷媒60をタンク6に還流させるための1次循環ライン51と、1次循環ライン51に配置された流量調節器8としての第2ポンプ7Bと、1次循環ライン51が通過する第1熱交換器53と、第1熱交換器53を介して1次循環ライン51内の冷媒を冷却するための2次循環ライン52と、2次循環ライン52内の冷媒を冷却するための第2熱交換器54と、を含んでもよい(図1及び図4参照)。
第1熱交換器53は、所謂サブクーラーとして機能し、第2熱交換器54は、所謂チラーとして機能し得る。
上記構成によれば、タンク6から第2冷却ライン50の1次循環ライン51に流入した冷媒60は、第1熱交換器53を介して、2次循環ライン52を流れる冷媒60により冷却される。そして、2次循環ライン52内の冷媒60は、第2熱交換器54により冷却される。このような構成により、タンク6に還流されるまでにおける第2冷却ライン50と冷媒60との伝熱量を大きく確保することができるから、冷却効率の高い冷却システム1を実現することができる。
図3に非限定的に例示するように、幾つかの実施形態では、上記何れかに記載の構成において、第2冷却ライン50は、タンク6内に配置された第1熱交換器53と、タンク6からの冷媒60を冷却するための第2熱交換器54と、を含んでもよい。
第2熱交換器54は、所謂チラーであってもよく、第2冷却ライン50内の冷媒を循環させるとともに、その流量を調節可能な流量調節器8として機能し得る。
上記構成によれば、第1熱交換器53がタンク6内に配置されることで、該第1熱交換器53とタンク6とを一体に構成することができる。よって、第2冷却ライン50を小型化してコンパクトな冷却システム1を実現することができる。
図4は他の実施形態に係る冷却システム1の構成例を示す概略図である。
図4に非限定的に例示するように、幾つかの実施形態では、上記何れかに記載の構成において、タンク6内に不凝縮ガス65が封入されていてもよい。
このようにすれば、タンク6内に不凝縮ガス65が封入されたことにより、冷却システム1においてタンク6に冷媒圧力の緩衝領域の機能を持たせることができる。すなわち、この不凝縮ガス65により、タンク6が冷媒60の圧力変動のバッファないしアキュムレータのように機能する。これにより、例えば、電子デバイス5の発熱に伴い、第1冷却ライン40内で冷媒60の沸騰などが生じたとしても、第1冷却ライン40の配管系統内に大きな圧力変動が生じることを効果的に防止することができる。
幾つかの実施形態では、上記何れかに記載の構成において、冷却システム1は、タンク6内の冷媒60の温度を検出可能な第2温度センサ32(図2参照)を含み、コントローラ10は、第2温度センサ32からの検出信号に基づき、第2冷却ライン50を流れる冷媒60の流量を調節するように第2ポンプ7B(流量調節器8)を駆動するように構成されていてもよい。
上記構成によれば、コントローラ10により、第2温度センサ32で検出されたタンク6内の冷媒温度に応じて、第2冷却ライン50の冷媒流量を調節することができる。したがって、タンク6内の冷媒温度延いては電子デバイス5の発熱量、すなわち電子デバイス5の駆動状況に適切に対応した流量制御を行うことができる。
なお、本開示の少なくとも一実施形態に係る冷却システム1は、例えば、高密度発熱体(例えば、パワー半導体(パワーデバイス)を含む)の冷却技術に用いて有効である。
次に、上述したような冷却システム1による冷却性能の向上、および、パワーデバイス(電力制御装置)などの電子デバイス5で発生する排熱を利用した廃熱利用システムSに関する実施形態について、図5~図10を用いて説明する。
図5は、他の実施形態に係る冷却システム1の構成例を示す概略図である。図6~図8は、図5の冷却システム1が備える第1冷却ライン40の一部を抜き出して示す概略図である。図9は、冷媒60の温度と飽和圧力との関係を示す例示である。また、図10は、本開示の少なくとも一実施形態に係る第2コントローラ2の機能を示すブロック図である。
図5~図8に非限定的に例示するように、幾つかの実施形態では、冷却システム1は、上記のタンク6と、このタンク6と電子デバイス5との間で冷媒60を循環可能な第1冷却ライン40と、第1冷却ライン40に設けられた、電子デバイス5を冷却するための冷却部44の内部における冷媒60の圧力(以下、冷却部44の内部圧力P)を調節するための圧力調節手段9と、を備えても良い。
上記の冷却部44は、第1冷却ライン40を循環する冷媒60により電子デバイス5を直接的に冷却する部分であり、電子デバイス5の発熱部の近傍に設けられる。つまり、第1冷却ライン40を循環する冷媒60は、冷却部44を介して電子デバイス5と熱交換する。このため、第1冷却ライン40における冷却部44の下流側(冷却部44の通過後)の冷媒60の温度は、冷却部44の上流側(冷却部44への流入前)よりも上昇することになる。
この冷却部44は、電子デバイス5(半導体)に冷媒60の流路pを形成するなど、電子デバイス5の内部に設けられても良いし、電子デバイス5の発熱部の外部に接触して設置されるなど、電子デバイス5の外部に設けられても良い。この際、冷却部44に絶縁処理を施しても良い。具体的には、流路pを形成する部分の内面あるは外面などに、例えばダイヤモンドによるコーティング層を形成することにより、絶縁処理を施しても良い。これによって、冷却部44を、電子デバイス5の通電部に設けることが可能となる。
図6~図8に示す実施形態では、冷却部44は、複数の流路pを有している。そして、冷媒60は、冷却部44の内部あるいはその入口などにおいて、上記の複数の流路pに分配されると共に、複数の流路pを通過後に合流されて下流に流れるようになっている。ただし、本実施形態に本発明は限定されず、他の幾つかの実施形態では、冷却部44の有する流路pは1つであっても良い。
他方、上記の圧力調節手段9は、冷却部44の内部圧力Pを調節するよう構成されることにより、電子デバイス5で発生する熱によって冷媒60が沸騰するなど、冷媒60の気化による気泡が冷却部44の内部で発生するのを抑制する。一般に、液体の沸点は圧力が高いほど高くなるなど、圧力に依存する(図9参照)。冷却部44の内部おける冷媒60の気泡の発生も冷却部44の圧力に依存するので、圧力調節手段9によって、冷却部44の内部圧力Pが飽和圧力(図9参照)よりも高くなるように調節することで、冷却部44の内部における気泡の発生を抑制することが可能となる。
例えば、冷却部44の流路pの断面積(以下、流路面積)が例えばミクロンオーダーなど極めて小さい場合などにおいて、流路p内の冷媒60が電子デバイス5の発熱部との熱交換により気化すると、気化により生じた気泡が表面張力により流路pの内壁面にくっつくなどして外部に抜けないような場合が生じ得る。このような場合、例えば流路pが複数ある場合には、冷媒60がスムーズに流れる流路pと、気泡のために冷媒60がスムーズに流れない流路pとが生じるため、複数の流路pへの冷媒60の流量分配の不均一が生じ、電子デバイス5に対する冷却が適切に行われないようになる可能性がある。よって、冷却部44の内部における気泡の発生を抑制することにより、冷却部44の内部における流量分配の不均一を防止し、パワーデバイスなどの電子デバイス5の冷却をより適切に行うことが可能となる。
具体的には、圧力調節手段9は、幾つかの実施形態では、図6に示すように、第1冷却ライン40における電子デバイス5の下流側とタンク6との間に設けられた第1調節手段91を含んでいる。この第1調節手段91は、その上流側の圧力を下流側の圧力よりも高くすることが可能な手段である。ここで、第1冷却ライン40における第1調節手段91の上流側には冷却部44が位置している。よって、第1調節手段91により、第1調節手段91の上流側の第1冷却ライン40における冷媒60の圧力を高めることで、第1冷却ライン40における圧力が高められる部分に位置する冷却部44の内部圧力Pも高められる。
図6に示す実施形態では、圧力調節手段9(第1調節手段91)はバルブ91mであり、バルブ91mを通過時の流路面積を、その上流側における第1冷却ライン40の流路面積よりも小さくすることにより、バルブ91mの上流側の圧力を高めるように構成されている。具体的には、バルブ91mの開度が0(全閉)よりも大きい状態にしておく。バルブ91mの開度が100%(全開)の時でも、その際のバルブ91mの流路面積が、バルブの上流側における第1冷却ライン40の流路面積よりも小さい場合には、バルブ91mの開度は100%であっても良い。
この第1調節手段91であるバルブ91mは、幾つかの実施形態では、その開度の設定を手動で行うことが可能に構成されていても良い。他の幾つかの実施形態では、上記のバルブ91mは、後述する第2コントローラ2などからの指令値に応じた開度の設定が可能な制御弁91cであっても良い(後述する図8参照)。制御弁91cは、全閉と全開との2位置での切り替えが可能なON-OFF弁であっても良いし、全閉と全開と間の開度を例えば連続的などで設定可能な調節弁であっても良い。そして、冷却部44の内部圧力Pが、気泡の発生の抑制が可能となる目標圧力(後述する規定値Pcよりも高い圧力)になるように調節弁の開度を調節しても良い。その他の幾つかの実施形態では、第1調節手段91は、オリフィスなど、流路面積が上流側よりも一旦狭くなり、再度、それよりも広くなるように形成された圧力差形成手段(不図示)であっても良い。
また、圧力調節手段9は、他の幾つかの実施形態では、図7に示すように、第1冷却ライン40における電子デバイス5の上流側とタンク6との間に設けられた、下流側の圧力を上流側の圧力よりも高くすることが可能な第2調節手段92を、さらに含んでも良い。つまり、圧力調節手段9は、上述した第1調節手段91と、第2調節手段92とで構成されており、第1冷却ライン40における第1調節手段91と第2調節手段92との間の圧力を調節するようになっている。図7に示す実施形態では、第2調節手段92は、上述した第1ポンプ7Aであり、第1調節手段91が電子デバイス5の下流側に位置しており、第1ポンプ7Aの回転数を高くするなどして調節することで、第1冷却ライン40における、第1ポンプ7Aの下流側を流れる冷媒60の圧力を高めることが可能である。よって、第1冷却ライン40における圧力が高められる部分に位置する冷却部44の内部圧力Pも高められる。なお、第2調節手段92は、第1ポンプ7Aの下流側などに設置された、第1ポンプ7Aとは異なる他のポンプであっても良い。
なお、本実施形態では、圧力調節手段9が第1ポンプ7Aであるため、第1調節手段91は、所定の開度に設定された制御弁91c、全開状態でも流路面積が第1冷却ライン40のものよりも小さいON-OFF弁、あるいは、上述した圧力差形成手段(不図示)のいずれであっても良い。そして、幾つかの実施形態では、第1ポンプ7Aの回転数を調節することで、冷却部44の内部圧力Pが目標圧力になるようにしても良い。他の幾つかの実施形態では、第1調節手段91は、制御弁91cであり、制御弁91cの弁開度、および第1ポンプ7Aの回転数を調節することで、冷却部44の内部圧力Pが目標圧力になるようにしても良い。
上記の構成によれば、圧力調節手段9により、冷却部44の内部圧力Pを高める。これによって、冷却部44の内部における冷媒60の沸点をより高くすることができる。よって、冷却部44の内部圧力Pを高めることで、冷却部44の内部における冷媒60の気泡の発生を抑制することができる。したがって、パワーデバイスなどの電子デバイス5の冷却を適切に行うことができる。
また、幾つかの実施形態では、上述した圧力調節手段9を自動で制御しても良い。
すなわち、幾つかの実施形態では、図7~図8に示すように、冷却システム1は、上述した圧力調節手段9に接続される第2コントローラ2を、さらに備える。この第2コントローラ2は、図10に示すように、上述した冷却部44の内部における冷媒60の圧力(上述した冷却部44の内部圧力P)の測定値Pmを取得する圧力取得部21と、この測定値Pmが規定値Pc以上になるように、圧力調節手段9を制御する制御部22と、を有する。なお、第2コントローラ2は、例えば、上述したようなコンピュータである。
上記の規定値Pcは、幾つかの実施形態では、電子デバイス5の発熱量と、冷却部44に供給される冷媒60の流量とに基づいて、決定しても良い。より具体的には、電子デバイス5の発熱量と、冷却部44に供給される冷媒60の流量(冷媒流量)とに基づいて、冷却部44の内部の温度を予測する。そして、使用している冷媒60に関する図9に示すような温度と飽和圧力との関係に基づいて、予測した温度に対応する飽和圧力を求め、飽和圧力よりも大きい圧力値を規定値Pc(目標圧力)とする。
なお、上記の予測値の算出には、電子デバイス5の発熱量の最大値を用いると良い。また、第1ポンプ7Aの回転数が変化する場合などには、冷却部44に供給される冷媒60の流量の最小値を用いると良い。これによって、より正確な温度予測が可能となる。また、電子デバイス5の発熱量や冷却部44への冷媒流量は予測値であっても良いし、測定値であっても良い。また、電子デバイス5の発熱量に代えて、発熱量に相関関係を有する電子デバイス5への通電量であっても良い(以下同様)。
また、上記の規定値Pcは、幾つかの実施形態では、固定値であっても良い。この場合、第2コントローラ2はオペレータなどから入力されるなどした規定値Pcを取得する。他の幾つかの実施形態では、上記の規定値Pcは運転状況に応じて更新されても良い。この場合、第2コントローラ2は、例えば周期的などの所定のタイミングで運転中に電子デバイス5の発熱量や冷却部44への冷媒流量といった指標値(測定値あるいは予測値)を取得し、この結果から求められる温度に基づいて規定値Pcを決定する。
また、規定値Pcが更新される(固定値ではない)実施形態において、幾つかの実施形態では、第2コントローラ2は、上記の指標に代えて、冷却部44の内部における冷媒60の温度の測定値を取得しても良い。温度の測定値を取得することで、その測定値に応じた気泡の発生を抑制可能な圧力が図9などの関係を用いて得られる。よって、規定値Pcを、温度の測定値に対応する飽和圧力よりも大きい圧力値とすることで、冷却部44の内部における気泡の発生をより確実に抑制することが可能となる。この場合、第2コントローラ2は、上述した冷却部44の内部における冷媒60の測定温度を取得する温度取得部をさらに備え、上記の制御部22などは、規定値Pcを測定温度に基づいて更新する。なお、温度計は、電子デバイス5の下流側と第1調節手段91との間に設置しても良いし、冷却部44に設置するなどしても良い。
図10に示す実施形態では、上記の圧力取得部21は、冷却部44の内部圧力Pを測定するための圧力計26に接続されており、圧力計26による圧力の測定値Pmが入力されるようになっている。この圧力計26は、幾つかの実施形態では、図7~図8に示すように、第1冷却ライン40における電子デバイス5の上流側と第1調節手段91との間に設置されても良い。これによって、冷却部44の内部圧力Pを容易に測定することが可能となる。ただし、本実施形態に本発明は限定されない。圧力計26は、冷却部44の内部圧力P、あるいは、内部圧力Pとみなせる圧力、内部圧力Pを所定の演算などにより推定可能となるような圧力を測定できれば良い。例えば、冷却部44の内部圧力Pを直接測定しても良い。
また、図10に示す実施形態では、制御部22は、圧力取得部21に接続されており、この圧力の測定値Pmが入力されると、圧力の測定値Pmに基づいて圧力調節手段9に対する指令値Iを生成し、圧力調節手段9に送信するようになっている。そして、圧力調節手段9は、受信した指令値Iに従って動作する。すなわち、圧力調節手段9が制御弁91cの場合には、指令値Iで指令された開度を設定する。圧力調節手段9が第1ポンプ7Aの場合には、指令値Iで指令された回転数を設定する。
より具体的には、図7に示す実施形態では、圧力調節手段9は、調整可能な手段として、少なくとも第1ポンプ7Aを含んで構成されている。よって、第2コントローラ2は、圧力計26から測定値Pmが入力されると、その測定値Pmに基づいて算出した指令値I(回転数指令など)を、少なくとも第1ポンプ7Aに送信するようになっている。なお、他の幾つかの実施形態において、圧力調節手段9が、第1ポンプ7Aと、第1調節手段91である制御弁91cとで構成される場合には、第2コントローラ2は、第1ポンプ7Aまたは第1調節手段91の少なくとも一方に指令値Iを送信しても良い。
他方、図8に示す実施形態では、圧力調節手段9は、第1調節手段91である制御弁91cを含んで構成されている。よって、第2コントローラ2は、圧力計26から測定値Pmが入力されると、その測定値Pmに基づいて算出した指令値I(弁開度指令など)を、制御弁91cに送信するようになっている。
上記の構成によれば、冷却部44の内部における冷媒の圧力(内部圧力P)の測定値Pmと、規定値(閾値)とに基づいて、圧力調節手段9が自動で制御される。これによって、冷却部44の内部における冷媒60の圧力を適切に高めることで、冷却部44の内部における気泡の発生を抑制することができる。
なお、他の幾つかの実施形態では、圧力調節手段9の調節は手動であっても良い。
引き続き、電子デバイス5の廃熱を利用する廃熱利用システムSに関する実施形態について、説明する。
現在、蒸気ボイラを有する工場や大型エンジンを有する船舶等では、ボイラやエンジンの廃熱を利用して低温・低圧の蒸気を生成し、暖房や加湿用途に使用している。今後、世界的なCO削減要求に伴い再生可能エネルギーの普及が進み、主力のエネルギー源が化石燃料から電力となると(電化社会)、上述のようなボイラやエンジンの廃熱がなくなる。この際、例えば蒸気は専用の装置を用いて生成すると、その分だけコストやエネルギーが必要となる。そこで、パワーデバイスなどの電子デバイス5は200℃から300℃以上に発熱するなど発熱量が高いことから、その廃熱を熱源に蒸気を生成する。
具体的には、幾つかの実施形態では、図5~図8に示すように、冷却システム1は、第1冷却ライン40における電子デバイス5の下流側を流れる冷媒60の気相と液相とを分離するための気液分離器72を、さらに備える。ここで、第1冷却ライン40(配管内部)における冷媒60の圧力は、上記の第1調節手段91の通過後には、第1調節手段91の上流側よりも小さくなるように構成されている。そして、圧力が小さくなると冷媒60はより気化しやすくなる。この現象を利用することで、第1調節手段91の下流側において冷媒60を積極的に気化させ、気液二相流を生成する。こうして生成された気液二相流を気液分離器72に供給し、気相(蒸気)と液相(温水)に分離することで、気相(蒸気)を取り出すことが可能となる。他方、気液分離器72において分離した液相は、第1冷却ライン40を通って、タンク6に循環するように構成される。
図5~図8に示す実施形態では、気液分離器72において分離された冷媒60の気相は、気液分離器72に配管などにより接続された蒸気利用装置74に供給されるようになっている。この蒸気利用装置74は、例えば、暖房システム、給湯システムなど、暖房や加湿などを行うシステムであっても良い。また、蒸気利用装置74は、工場や、船舶などに設置されたシステムであっても良い。そして、上記の冷却システム1と、上記の蒸気利用装置74とによって、廃熱利用システムSが構成されている。
上記の構成によれば、パワーデバイスなどの電子デバイス5の廃熱を熱源に、蒸気を生成する。これによって、例えば蒸気を生成するための専用の装置を設けることや、冷却システム1の冷却性能を損なうことなく、蒸気を生成することができる。よって電化社会においても、効率的に蒸気を生成することができる。
次に、冷却システムの制御方法について説明する。
本開示の少なくとも一実施形態に係る冷却システムの制御方法は、電子デバイス5を冷却するための冷却システム1の制御方法であって、冷媒60を貯留するタンク6と電子デバイス5との間で冷媒60を循環可能な第1冷却ライン40を流れる冷媒60の流量を、電子デバイス5の発熱量に応じて調節するステップと、タンク6から第1冷却ライン40とは別系統で設けられている第2冷却ライン50であって、冷媒60を冷却するための第2冷却ライン50を流れる冷媒60の流量を、タンク6内の冷媒60の温度に応じて調節するステップと、を備えている。
上記方法によれば、冷媒60を循環させて電子デバイス5を冷却する第1冷却ライン40と、冷媒60を冷却するための第2冷却ライン50とが、タンク6を介して別系統に設けられる。各冷却ライン40,50は、それぞれ独立に冷媒の流量を調節することができるから、第1冷却ライン40の冷媒流量及びその調節タイミングと、第2冷却ライン50の冷媒流量及びその調節タイミングとを異ならせて冷却システム1を運用することができる。これにより、例えば、応答時間の遅い冷媒の第2冷却ライン50の運転負荷を、変動周期の速い電子デバイス5の長周期変動成分に応じて調節することができるから、ランニングコストの低減及び省エネルギー化を図ることができるとともに、エネルギー損失を抑制し得る冷却システム1を提供することができる。
本開示の少なくとも一実施形態に係る冷却システムの制御プログラム(例えば、上記冷媒流量管理プログラム15)は、電子デバイス5を冷却するための冷却システム1の制御プログラムであって、冷媒60を貯留するタンク6と電子デバイス5との間で冷媒60を循環可能な第1冷却ライン40を流れる冷媒60の流量を、電子デバイス5の発熱量に応じて調節するステップと、タンク6から第1冷却ライン40とは別系統で設けられている第2冷却ライン50であって、冷媒60を冷却するための第2冷却ライン50を流れる冷媒60の流量を、タンク6内の冷媒60の温度に応じての調節するステップと、をコンピュータに実行させるように構成される。
このような構成により、上記何れかの実施形態で述べたように、冷媒60を循環させて電子デバイス5を冷却する第1冷却ライン40と、冷媒60を冷却するための第2冷却ライン50とが、タンク6を介して別系統に設けられる。各冷却ライン40,50は、それぞれ独立に冷媒の流量を調節することができるから、第1冷却ライン40の冷媒流量及びその調節タイミングと、第2冷却ライン50の冷媒流量及びその調節タイミングとを異ならせて冷却システム1を運用することができる。これにより、例えば、応答時間の遅い冷媒の第2冷却ライン50の運転負荷を、変動周期の速い電子デバイス5の長周期変動成分に応じて調節することができるから、ランニングコストの低減及び省エネルギー化を図ることができるとともに、エネルギー損失を抑制し得る冷却システム1を提供することができる。
また、本開示の少なくとも一実施形態に係る冷却システムの制御方法は、電子デバイス5を冷却するための冷却システム1の制御方法であって、上述した第1冷却ライン40に設けられた、電子デバイス5を冷却するための冷却部44の内部における冷媒60の圧力の測定値Pmを取得するステップ(圧力取得ステップ)と、測定値Pmが規定値Pc以上になるように、上記の圧力調節手段9を制御するステップ(制御ステップ)と、を備えても良い。
なお、上述した幾つかの実施形態に係る冷却システム1は、複数の情報処理装置を備えてもよく、これらの情報処理装置は、各処理を分散して行ってもよい。
また、上述した幾つかの実施形態の各処理を実行するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、当該記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、上述した種々の処理を行ってもよい。
なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OS(Operating System)や周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。また、「コンピュータシステム」は、WWW(World Wide Web)システムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM(Read-only Memory)、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、CD(Compact Disc)-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
上述した本開示の少なくとも一実施形態によれば、エネルギー損失を抑制し得る冷却システム1を提供することができる。
本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変更を加えた形態や、これらの形態を組み合わせた形態も含む。
1 冷却システム
10 コントローラ
11 CPU
12 RAM
13 ROM
14 バス
15 冷媒流量管理プログラム
17 データベース
18 テーブル
2 第2コントローラ
21 圧力取得部
22 制御部
26 圧力計
31 第1温度センサ
32 第2温度センサ
40 第1冷却ライン(電子デバイスの冷却ライン)
42 サブ経路
44 冷却部
5 電子デバイス(被冷却体)
5b ベース
50 第2冷却ライン(冷媒の冷却ライン)
51 1次循環ライン
52 2次循環ライン
53 第1熱交換器(サブクーラー)
54 第2熱交換器(チラー)
6 タンク(冷媒容器)
60 冷媒(冷却流体)
65 不凝縮ガス
7A 第1ポンプ(第2)
7B 第2ポンプ
72 気液分離器
74 蒸気利用装置
8 流量調節器
9 圧力調節手段
91 第1調節手段
91c 制御弁
91m バルブ
92 第2調節手段

S 廃熱利用システム
I 指令値
P 冷却部の内部における冷媒の圧力
Pm 圧力の測定値
Pc 規定値
p 流路

Claims (21)

  1. 電子デバイスを冷却するための冷却システムであって、
    冷媒を貯留するタンクと、
    前記タンクと前記電子デバイスとの間で前記冷媒を循環可能な第1冷却ラインと、
    前記タンクから前記第1冷却ラインとは別系統で設けられ、前記冷媒を冷却するための第2冷却ラインと、
    前記第1冷却ラインにおける前記冷媒の流量を調節可能な第1ポンプと、
    前記第2冷却ラインにおける前記冷媒の流量を調節可能な流量調節器と、
    前記第1ポンプおよび前記流量調節器に接続されたコントローラと、
    前記タンク内の前記冷媒の温度を検出可能な第2温度センサと、
    を備え、
    前記第1冷却ラインは、前記電子デバイスとの熱交換により温度上昇した前記冷媒を冷却せずに前記タンクに戻すように構成され、
    前記コントローラは、前記電子デバイスの発熱量に応じて前記第1冷却ラインを流れる冷媒の流量を調節するように前記第1ポンプを駆動するとともに、前記第2温度センサからの検出信号に基づき、前記第2冷却ラインを流れる前記冷媒の流量を調節するように前記流量調節器を駆動することで、前記第1冷却ラインと前記第2冷却ラインにおける前記冷媒の流量調節をそれぞれ独立して行うように構成され、
    前記コントローラは、前記電子デバイスの前記発熱量が多いタイミングで前記第1ポンプを高出力で駆動して前記第1冷却ラインを流れる冷媒の流量を増やすように構成された
    ことを特徴とする冷却システム。
  2. 電子デバイスを冷却するための冷却システムであって、
    冷媒を貯留するタンクと、
    前記タンクと前記電子デバイスとの間で前記冷媒を循環可能な第1冷却ラインと、
    前記タンクから前記第1冷却ラインとは別系統で設けられ、前記冷媒を冷却するための第2冷却ラインと、
    前記第1冷却ラインにおける前記冷媒の流量を調節可能な第1ポンプと、
    前記第2冷却ラインにおける前記冷媒の流量を調節可能な流量調節器と、
    前記第1冷却ラインに設けられた、前記電子デバイスを冷却するための冷却部の内部における前記冷媒の圧力を調節するための圧力調節手段と、
    前記圧力調節手段に接続される第2コントローラと、
    を備え、
    前記圧力調節手段は、前記第1冷却ラインにおける前記電子デバイスの下流側と前記タンクとの間に設けられた、上流側の圧力を下流側の圧力よりも高くすることが可能な第1調節手段を含み、
    前記第2コントローラは、
    前記冷却部の内部における前記冷媒の圧力の測定値を取得する圧力取得部と、
    前記冷却部の内部における気泡の発生が抑制されるよう、前記測定値が規定値以上になるように、前記圧力調節手段を制御する制御部と、を有する
    冷却システム。
  3. 前記冷却システムは、前記第1ポンプに接続されたコントローラを備え、
    前記コントローラは、前記電子デバイスの発熱量に応じて前記第1冷却ラインを流れる冷媒の流量を調節するように前記第1ポンプを駆動するように構成されていてもよいことを特徴とする請求項2に記載の冷却システム。
  4. 前記コントローラは、前記電子デバイスの通電量に基づき、前記第1冷却ラインを流れる前記冷媒の流量を調節するように前記第1ポンプを駆動するように構成されてもよいことを特徴とする請求項1又は3に記載の冷却システム。
  5. 前記冷却システムは、前記電子デバイスの発熱量を検出可能な第1温度センサを含み、
    前記コントローラは、前記第1温度センサからの検出信号に基づき、前記第1冷却ラインを流れる前記冷媒の流量を調節するように前記第1ポンプを駆動するように構成されていてもよいことを特徴とする請求項4に記載の冷却システム。
  6. 冷却システムは複数の前記電子デバイスを備え、
    前記第1冷却ラインは、各々が複数の前記電子デバイスを個別に冷却可能、且つ、互いに並列な複数のサブ経路を含み、
    各々の前記サブ経路には、前記冷媒の流量を個別に調節可能に前記第1ポンプが配置されていてもよいことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の冷却システム。
  7. 前記第2冷却ラインは、
    前記タンクからの前記冷媒を前記タンクに還流させるための1次循環ラインと、
    前記1次循環ラインに配置された前記流量調節器としての第2ポンプと、
    前記1次循環ラインが通過する第1熱交換器と、
    前記第1熱交換器を介して前記1次循環ライン内の前記冷媒を冷却するための2次循環ラインと、
    前記2次循環ライン内の前記冷媒を冷却するための第2熱交換器と、を含んでもよいことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の冷却システム。
  8. 前記第2冷却ラインは、
    前記タンク内に配置された第1熱交換器と、
    前記タンクからの前記冷媒を冷却するための第2熱交換器と、を含んでもよいことを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の冷却システム。
  9. 前記タンク内に不凝縮ガスが封入されていてもよいことを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の冷却システム。
  10. 前記冷却システムは、前記タンク内の前記冷媒の温度を検出可能な第2温度センサを含み、
    前記コントローラは、前記第2温度センサからの検出信号に基づき、前記第2冷却ラインを流れる前記冷媒の流量を調節するように前記流量調節器を駆動するように構成されていてもよいことを特徴とする請求項3に記載の冷却システム。
  11. 前記第1冷却ラインに設けられた、前記電子デバイスを冷却するための冷却部の内部における前記冷媒の圧力を調節するための圧力調節手段を、さらに備えることを特徴とする請求項1に記載の冷却システム。
  12. 前記圧力調節手段は、前記第1冷却ラインにおける前記電子デバイスの下流側と前記タンクとの間に設けられた、上流側の圧力を下流側の圧力よりも高くすることが可能な第1調節手段を含むことを特徴とする請求項11に記載の冷却システム。
  13. 前記第1調節手段は、制御弁であることを特徴とする請求項12に記載の冷却システム。
  14. 前記圧力調節手段は、前記第1冷却ラインにおける前記電子デバイスの上流側と前記タンクとの間に設けられた、下流側の圧力を上流側の圧力よりも高くすることが可能な第2調節手段を、さらに含み、
    前記圧力調節手段は、前記第1冷却ラインにおける前記第1調節手段と前記第2調節手段との間の圧力を調節するようになっていることを特徴とする請求項12または13に記載の冷却システム。
  15. 前記圧力取得部は、前記第1冷却ラインにおける前記電子デバイスの上流側と前記第1調節手段との間に設置された圧力計に接続されることを特徴とする請求項2に記載の冷却システム。
  16. 前記第1冷却ラインにおける前記電子デバイスの下流側を流れる前記冷媒の気相と液相とを分離するための気液分離器を、さらに備えることを特徴とする請求項11~15のいずれか1項に記載の冷却システム。
  17. 電子デバイスを冷却するための冷却システムの制御方法であって、
    前記電子デバイスの発熱量が多いタイミングで、冷媒を貯留するタンクと前記電子デバイスとの間で前記冷媒を循環可能な第1冷却ラインを流れる冷媒の流量が増えるように、前記電子デバイスの前記発熱量に応じて前記第1冷却ラインを流れる前記冷媒の流量を調節するステップと、
    前記第1冷却ラインにおける前記電子デバイスとの熱交換により温度上昇した前記冷媒を冷却せずに前記第1冷却ラインから前記タンクに戻すステップと、
    前記タンクから前記第1冷却ラインとは別系統で設けられている第2冷却ラインであって、前記冷媒を冷却するための第2冷却ラインを流れる冷媒の流量を、前記タンク内の冷媒の温度に応じて調節するステップと、を有し、
    前記第1冷却ラインと前記第2冷却ラインにおける前記冷媒の流量調節をそれぞれ独立して行う
    ことを特徴とする冷却システムの制御方法。
  18. 電子デバイスを冷却するための冷却システムの制御プログラムであって、
    前記電子デバイスの発熱量が多いタイミングで、冷媒を貯留するタンクと前記電子デバイスとの間で前記冷媒を循環可能な第1冷却ラインを流れる冷媒の流量が増えるように、前記電子デバイスの前記発熱量に応じて前記第1冷却ラインを流れる前記冷媒の流量を調節するステップと、
    前記第1冷却ラインにおける前記電子デバイスとの熱交換により温度上昇した前記冷媒を冷却せずに前記第1冷却ラインから前記タンクに戻すステップと、
    前記タンクから前記第1冷却ラインとは別系統で設けられている第2冷却ラインであって、前記冷媒を冷却するための第2冷却ラインを流れる冷媒の流量を、前記タンク内の冷媒の温度に応じて調節するステップと、をコンピュータに実行させ、前記第1冷却ラインと前記第2冷却ラインにおける前記冷媒の流量調節をそれぞれ独立して行うように構成されることを特徴とする冷却システムの制御プログラム。
  19. 電子デバイスを冷却するための冷却システムの制御方法であって、
    冷媒を貯留するタンクと前記電子デバイスとの間で前記冷媒を循環可能な第1冷却ラインに設けられた、前記電子デバイスを冷却するための冷却部の内部における前記冷媒の圧力の測定値を取得するステップと、
    前記冷却部の内部における気泡の発生が抑制されるよう、前記測定値が規定値以上になるように、前記冷却部の内部における前記冷媒の圧力を調節するための圧力調節手段を制御するステップと、を備えることを特徴とする冷却システムの制御方法。
  20. 電子デバイスを冷却するための冷却システムの制御プログラムであって、
    コンピュータに、
    冷媒を貯留するタンクと前記電子デバイスとの間で前記冷媒を循環可能な第1冷却ラインに設けられた、前記電子デバイスを冷却するための冷却部の内部における前記冷媒の圧力の測定値を取得するステップと、
    前記冷却部の内部における気泡の発生が抑制されるよう、前記測定値が規定値以上になるように、前記冷却部の内部における前記冷媒の圧力を調節するための圧力調節手段を制御するステップと、を実行させる冷却システムの制御プログラム。
  21. 請求項16に記載の冷却システムと、
    前記冷却システムが備える気液分離器で分離された前記冷媒の気相が供給される蒸気利用装置と、備えることを特徴とする廃熱利用システム。
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