JP7265722B2 - シート給送装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、シート給送装置及び画像形成装置に関するものである。
従来、シートの給送方向先端が突き当たる突当部を備え、該突当部がシートに突き当たる突当位置とシートに突き当たらない退避位置とに回転可能な突当部材と、前記突当部材の被係止部を係止することで該突当部材の前記突当位置から前記退避位置への回転を規制する係止部を備え、該係止部が該被係止部を係止する係止位置と当該係止を解除する係止解除位置とに回転可能な係止部材とを有するシート給送装置が知られている。このシート給送装置において、前記係止部材は、自重又は付勢手段により前記係止解除位置から前記係止位置へ向かう係止方向への係止付勢力が付与されている。このシート給送装置では、前記係止部材の摺動部と前記突当部材の被摺動部とが摺動しながら該突当部材が前記退避位置から前記突当位置へ回転し、該突当部材が該突当位置まで回転すると、該摺動部が該被摺動部から外れ、前記係止部材が前記係止付勢力により前記係止位置まで回転する。
例えば、特許文献1には、前記のような構成を備え、シートをセットする際、シート先端が目標セット位置よりも給送方向下流側へ進入してしまうのを阻止する目的で、突当部材を突当位置に位置させ、突当部材の突当部によってシート先端の進入を防止するシート給送装置が記載されている。
ところが、従来のシート給送装置では、給送終了時に、突当部材が突当位置まで戻ることができず、新たにセットされるシートの先端が目標セット位置よりも給送方向下流側へ進入することを阻止できない場合があった。
上述した課題を解決するために、本発明は、シートの給送方向先端が突き当たる突当部を備え、該突当部がシートに突き当たる突当位置とシートに突き当たらない退避位置とに回転可能な突当部材と、前記突当部材の被係止部を係止することで該突当部材の前記突当位置から前記退避位置への回転を規制する係止部を備え、該係止部が該被係止部を係止する係止位置と当該係止を解除する係止解除位置とに回転可能な係止部材とを有し、前記係止部材は、自重又は付勢手段により前記係止解除位置から前記係止位置へ向かう係止方向への係止付勢力が付与されており、前記係止部材の摺動部と前記突当部材の被摺動部とが摺動しながら該突当部材が前記退避位置から前記突当位置へ回転し、該突当部材が該突当位置まで回転すると、該摺動部が該被摺動部から外れ、前記係止部材が前記係止付勢力により前記係止位置まで回転するシート給送装置であって、前記突当部材は、前記被係止部と前記被摺動部とを該突当部材の回転中心軸方向の互いに異なる位置に備えていることを特徴とするものである。
本発明によれば、給送終了時に突当部材が突当位置まで戻らない事態の発生を抑制できる。
実施形態に係る給紙装置の主要部を示す斜視図。 実施形態に係る複写機の概略構成図。 同複写機の主要部を示すブロック図。 図1中符号Aで示す断面の断面図。 図1中符号Bで示す断面の断面図。 図1中符号Cで示す断面の断面図。 (a)及び(b)は、実施形態における用紙ストッパが突当位置に位置している状態をそれぞれ異なる方向から見たときの斜視図。 (a)及び(b)は、同用紙ストッパが退避位置に位置している状態をそれぞれ異なる方向から見たときの斜視図。 (a)及び(b)は、同用紙ストッパの被摺動面と用紙ストッパ回動規制部材の摺動突起が当接した状態をそれぞれ異なる方向から見たときの斜視図。 従来構成における用紙ストッパ及び用紙ストッパ回動規制部材において、給紙終了時に用紙ストッパが突当位置へ戻るときに用紙ストッパが受ける力を示す説明図。 同用紙ストッパが受ける力の分力を示す説明図。 同用紙ストッパが回動するときに、ストッパ軸の周面から受ける軸摩擦力を説明するための説明図。 同用紙ストッパが突当位置まで戻るための条件を説明するための説明図。 (a)~(d)は、従来構成の用紙ストッパが退避位置から突当位置まで回動する間に当接地点に作用する荷重について説明するための説明図。 実施形態における用紙ストッパを、用紙ストッパの回転中心軸に対して直交する方向から見た側面図。 (a)~(d)は、実施形態における用紙ストッパが退避位置から突当位置まで回動する間に当接地点に作用する荷重について説明するための説明図。 実施形態におけるレイアウトの制約の一例を示す説明図。
以下、本発明を適用した電子写真方式の画像形成装置の一実施形態について説明する。
図2は、実施形態に係る画像形成装置である複写機100の概略構成図である。
図2に示す複写機100は、原稿自動搬送装置としてのADF200と、画像読み取り装置としてのスキャナ部300と、シート状の用紙Sに画像を形成するプリンタ部101とを備えている。スキャナ部300は、ADF200によって搬送されるシート状の原稿の画像や、スキャナ部300のコンタクトガラス上に載置された原稿の画像を読み取る。プリンタ部101は、パーソナルコンピューター等の外部装置から入力された画像情報やスキャナ部300で読み取った原稿の画像情報に基づいて用紙Sに画像を形成する。
プリンタ部101内には、プリンタエンジンとしての画像形成部110、定着装置120及び光書き込み装置112が配置されている。また、プリンタ部101は、用紙Sを積層保持する装置内給紙トレイ103を有する装置内給紙部400備える。
さらに、プリンタ部101の図2中の右側には、手差しの用紙Sが載置される載置部材としての手差しトレイ104を有する手差し給紙装置105を備える。
印刷情報等を入力する入力手段である操作パネル(操作表示部3)は、複写機100の上部に配置されている。
プリンタ部101内には、パーソナルコンピューター等の外部装置や操作パネルから入力される入力情報やセンサによる検知情報に基づいて、複写機100の各部を制御する制御部150が配置されている。
図3は、複写機100の主要部を示すブロック図である。
複写機100は、複写機100全体の制御を司る制御手段としての制御部150を備えており、制御部150は、演算手段たるCPU150aと、情報記憶部とを備えている。情報記憶部は、データを記憶するRAM150b、ROM150c及びHDD(Hard Disk Drive)等で構成される。本実施形態では、例えば、システムOS、コピー、ファクシミリ、プリンタプロセスに必要な各種制御プログラム、プリンタのPDL(Page Description Language)処理系、システムの初期設定値等を納めたROM150cや、ワークメモリ用のRAM150b等で構成されている。操作表示部3は、文字情報等を表示する液晶ディスプレイ等から構成される表示部や、テンキー等などによって操作者から入力情報を受け付けて制御部150に送る操作受付手段としての操作部などから構成されている。
スキャナ部300とプリンタ部101との間には空間が形成されている。この空間内に位置するプリンタ部101の上部には、プリンタ部101で画像が形成された用紙Sが排出されて積載される二つのスタック部131(131a、131b)が形成されている。また、装置内給紙トレイ103または手差しトレイ104から画像形成部110を通って定着装置120に向けて用紙Sを搬送するシート搬送路が形成されている。図2中の矢印「F」は用紙Sの搬送方向を示す。
画像形成部110は、表面に感光層を備えた像担持体でドラム状の感光体111を備えている。感光体111は、プリンタ部101の側板に回転可能に支持され、駆動源によって図2中の反時計回り方向に回転駆動される。感光体111の周りには、帯電部材としての帯電ローラ11、光書き込み装置112による書き込み光Lの照射露光位置、現像装置113、転写部材である転写ローラ114、クリーニング部材等が順に配置されている。
帯電ローラ11の表面は感光体111の表面に接触しており、感光体111が回転し、帯電ローラ11に帯電バイアスを印加することにより感光体111の表面に対して一様な電荷が供給される。これにより感光体111の表面が一定電位に一様に帯電する。
光書き込み装置112は、スキャナ部300で読み取った原稿の画像情報や外部装置から入力された画像情報に基づいてレーザーダイオードから発したレーザー光を書き込み光Lとして、感光体111の表面に照射して光走査する。帯電済みの感光体111を光走査することにより、感光体111の表面には、静電潜像が形成される。
現像装置113は、感光体111の表面と対向し現像剤であるトナーを感光体111の表面上の静電潜像に供給する現像剤担持体や、現像剤濃度検出手段、現像剤搬送手段としての一対の搬送スクリュ等を備えている。このような現像装置113の構成によって、感光体111の表面の静電潜像が現像されてトナー像が形成される。
回転可能な転写ローラ114の表面が感光体111の表面に当接して転写ニップを形成し、転写ローラ114には転写バイアス用電源から転写バイアスが印加されるように構成されている。転写ローラ114は、転写バイアスが印加されることによって、感光体111の表面に形成されたトナー像を、転写ニップに搬送される用紙Sに転写する。
転写ニップよりも用紙搬送方向の上流側は、転写ニップへの用紙Sの搬送タイミングを制御するレジストローラ対107が配置されている。
装置内給紙トレイ103等から給紙されてレジストローラ対107により転写ニップに送り込まれる用紙Sは、転写ニップを通過する際に、感光体111の表面上に形成されたトナー像が転写される。トナー像が転写された用紙Sは、定着装置120に搬送され、熱と圧力とによりトナー像が溶融され、用紙S上にトナー像が定着される。トナー像が定着された後の用紙Sは、出力画像(複写物)として、排紙ローラ対130(130aまたは130b)によってスタック部131(131aまたは131b)に順次排出されて積載される。
手差し給紙装置105の手差しトレイ104に載置されたシートとしての用紙Sは、送出部材としての手差しピックアップローラ(ピックアップローラ40)によってシート搬送方向下流側へ送り出される。そして、給送されるシートを一枚に分離する分離給送手段である手差し分離機構を構成する給紙ローラ32と分離ローラ34とによって用紙Sが一枚だけ分離される。そして、分離された一枚の用紙Sは、シート搬送路内に給紙され、レジストローラ対107へ送られる。
本実施形態の手差し分離機構は一対のローラ部材(32、34)によって分離ニップを形成する。そして、複数枚の用紙Sが分離ニップに進入した場合には、最上の一枚の用紙Sだけを給紙方向下流側に給紙し、他の用紙Sに対して給紙方向上流側に向かう搬送力を付与する構成である。手差し分離機構としてはこのような構成に限るものではない。例えば、ベルト部材とローラ部材によって分離ニップを形成する構成や、搬送力を付与するローラと搬送方向への移動を阻害する分離パッドとによって分離ニップを形成する構成等、他の公知の構成を用いることができる。
複写機100における給紙装置には、プリンタ部101の本体に定型サイズの用紙Sを収容するための装置内給紙トレイ103が備えられている。さらに、プリンタ部101には、装置内給紙トレイ103に収容できないサイズの用紙或いは少数枚の用紙Sへの印刷等に対応するための手差し給紙装置105を備える。手差し給紙装置105は、手差しにより用紙Sが載置される手差しトレイ104を備え、手差しトレイ104から用紙Sを給紙搬送する。
次に、本実施形態における手差し給紙装置105に適用可能なシート給送装置としての給紙装置30の構成について説明する。
図1は、給紙装置30の主要部を示す斜視図である。
図4は、図1中符号Aで示す断面の断面図である。
図5は、図1中符号Bで示す断面の断面図である。
図6は、図1中符号Cで示す断面の断面図である。
給紙装置30は、給紙ローラ32及び分離ローラ34を備えている。また、一端が給紙ローラ32の回転軸である給紙ローラ軸36に支持され、給紙ローラ軸36を中心に回動するピックアップアーム38が設けられている。ピックアップアーム38の他端には、ピックアップローラ軸42が配置されており、ピックアップローラ軸42に対してピックアップローラ40が回転可能に支持されている。
ピックアップローラ40は、駆動伝達ギヤ41を介して、給紙ローラ32に接続されている。そして、図3のブロック図に示す制御部150が給紙モータ140を駆動することで、給紙ローラ32が回転し、この給紙ローラ32の回転とともにピックアップローラ40も回転するように構成されている。ピックアップアーム38は、ピックアップローラ軸42上に配置されたトーションバネにより、他端側(ピックアップローラ40側)が下方へ回動するように付勢されている。
ピックアップローラ40の下方には、手差しトレイ104が位置している。図1及び図4~6では、図面を簡単にするために、便宜的に手差しトレイ104を図示していない。手差しトレイ104の用紙搬送方向(シート給送方向、図4中の左向き)の下流側には、手差しトレイ104から搬送される用紙Sを給紙ローラ32と分離ローラ34とが当接する分離ニップに案内するための搬送ガイド52が設けられている。
図3に示すように、制御部150は、給紙装置30が備える用紙検知センサ160、ソレノイド62及び給紙モータ140に電気的に接続されており、それぞれの動作を制御する。用紙検知センサ160は、手差しトレイ104上の用紙Sの有無を検知するセンサである。
手差しトレイ104と搬送ガイド52との間の上方には、給紙装置30のハウジングに固定されたストッパ軸54に回動可能に支持された突当部材としての用紙ストッパ56が設けられている。用紙ストッパ56は、ストッパ軸54の長手方向(Y軸方向)に対して直交する方向(Z-X平面に平行な方向)に延びるストッパ第一アーム56aとストッパ第二アーム56bとを有している。ストッパ第一アーム56aとストッパ第二アーム56bとは、ストッパ軸54から互いに異なる方向へそれぞれ延びている。
図5に示すように、用紙ストッパ56の上方には、給紙装置30のハウジングに固定された規制部材軸58に回動可能に支持された係止部材としての用紙ストッパ回動規制部材60が設けられている。用紙ストッパ回動規制部材60は、規制部材軸58の長手方向に対して垂直方向に延びる規制部材アーム60aを備えている。規制部材アーム60aには、図5に示すように、用紙ストッパ56のストッパ第二アーム56bの被係止部56b1を係止できるように係止部60a1が設けられている。
図5に示す状態の用紙ストッパ56の位置は、ストッパ第一アーム56aが、手差しトレイ104に用紙Sの束が突っ込まれたときに用紙Sの先端を止めるために待機している位置(以下「突当位置」という。)である。すなわち、用紙ストッパ56が用紙Sの先端に押されて図5中の反時計回り方向へ回動しようとしても、ストッパ第二アーム56bの被係止部56b1が用紙ストッパ回動規制部材60の規制部材アーム60aの係止部60a1に係止されて、用紙ストッパ56が反時計回り方向へ回動せず、用紙ストッパ56が突当位置に保持される構成となっている。
また、用紙ストッパ回動規制部材60は、付勢部材である規制部材付勢用トーションバネによって、図5中矢印Dで示す方向(時計回り方向)に回動するように付勢されている。用紙ストッパ回動規制部材60を回動させるように付勢する付勢部材としては、トーションバネに限らず、他のスプリング等の弾性部材を用いることができる。あるいは、用紙ストッパ回動規制部材60の重心位置と規制部材軸58との位置関係により、重力によって、規制部材付勢用トーションバネの付勢力と同様の付勢力が作用するように構成してもよい。
図7(a)及び(b)は、用紙ストッパ56が突当位置に位置している状態をそれぞれ異なる方向から見たときの斜視図である。図7(a)及び(b)の状態では、ソレノイド62はOFF状態である。
図8(a)及び(b)は、用紙ストッパ56が退避位置に位置している状態をそれぞれ異なる方向から見たときの斜視図である。図8(a)及び(b)の状態では、ソレノイド62はON状態である。
図9(a)及び(b)は、用紙ストッパ56の被摺動面56b2と用紙ストッパ回動規制部材60の摺動突起60a2が当接した状態をそれぞれ異なる方向から見たときの斜視図である。
給紙装置30には、ソレノイド62と、給紙装置30のハウジングに固定されたリンク支持軸64に回動可能に支持されたソレノイドリンク66とが設けられている。ソレノイドリンク66は、ソレノイド62の可動鉄芯68に連結される連結部66aを備えている。連結部66aは、ソレノイド62の可動鉄芯68に対し、可動鉄芯68の進退方向に対して直交する回転軸68aを中心に回動可能に連結されている。また、ソレノイドリンク66の連結部66aには、一端がハウジングに支持されている引っ張りバネ67の他端が取り付けられており、連結部66aを図7中矢印Eの方向へ付勢している。
ソレノイド62がONになると、図8中矢印Fで示すように、可動鉄芯68がソレノイド本体側へ引き込まれ、これに連動してソレノイドリンク66の連結部66aが引っ張りバネ67の付勢力に抗して移動する。これにより、ソレノイドリンク66は、リンク支持軸64を中心に図8中時計回り方向へ回動する。一方、ソレノイド62がOFFになると、図7中矢印Eで示すように、引っ張りバネ67の付勢力によって可動鉄芯68がソレノイド本体側から引き出される方向へソレノイドリンク66の連結部66aが移動する。これにより、ソレノイドリンク66は、リンク支持軸64を中心に図7中反時計回り方向へ回動する。
また、ソレノイドリンク66は、規制部材軸58に回動可能に支持された用紙ストッパ回動規制部材60と一体的に設けられた被押上部59を下方から押し上げる上下動部66bを備えている。ソレノイド62がONになってソレノイドリンク66がリンク支持軸64を中心に図8中時計回り方向へ回動すると、ソレノイドリンク66の上下動部66bが上方へ移動し、規制部材付勢用トーションバネの付勢力に抗して、用紙ストッパ回動規制部材60と一体の被押上部59を押し上げる。これにより、用紙ストッパ回動規制部材60は、規制部材軸58を中心に、規制部材アーム60aが上方へ移動する方向へ回動する。すなわち、用紙ストッパ回動規制部材60の係止部60a1が用紙ストッパ56のストッパ第二アーム56bの被係止部56b1を係止する係止位置(図7に示す状態)から、その係止を解除する係止解除位置(図8に示す状態)まで、用紙ストッパ回動規制部材60が回転する。
このようにして、用紙ストッパ回動規制部材60による係止が解除された用紙ストッパ56は、ストッパ第一アーム56aが用紙Sに突き当たる突当位置(図7に示す状態)から、ストッパ第一アーム56aが用紙Sに突き当たらない退避位置(図8に示す状態)へと、ストッパ軸54を中心に回動可能な状態になる。これにより、その後に給紙動作が開始され、用紙Sの給紙方向先端がストッパ第一アーム56aを押し退けることができ、用紙Sの搬送が可能な状態になる。そして、用紙Sが給紙されて用紙Sの先端がストッパ第一アーム56aを押し退けることで、用紙ストッパ56は、突当位置から退避位置へと回動し、図8に示す状態となる。
また、ソレノイドリンク66の上下動部66bの下方には、図5及び図6に示すように、ピックアップアーム38の被押下部38aが位置している。ピックアップアーム38の被押下部38aは、ピックアップアーム38を回動可能に支持する給紙ローラ軸36に対し、ピックアップローラ40とは反対側に延びている。ピックアップアーム38は、上述のとおり、トーションバネにより、ピックアップローラ40が下方へ移動する方向に回転付勢されているため、被押下部38a側は上方へ移動する方向に回転付勢される。
ソレノイド62がONになると、トーションバネによって上方へ付勢されている被押下部38aを上から押さえていたソレノイドリンク66の上下動部66bが上方へ移動する。これにより、ピックアップアーム38は、トーションバネの付勢力によって図6中符号H1の方向へ回動する。その結果、ピックアップアーム38に支持されているピックアップローラ40は、下方へ移動して、手差しトレイ104にセットされている最上位の用紙Sの上面に当接する。この状態で、給紙ローラ32に接続されているピックアップローラ40を給紙モータ140により回転駆動することによって、手差しトレイ104にセットされている最上位の用紙Sを分離ニップへと送り出すことができる。
一方、ソレノイド62がOFFになってソレノイドリンク66がリンク支持軸64を中心に図7中反時計回り方向へ回動すると、ソレノイドリンク66の上下動部66bが下方へ移動する。これにより、ピックアップアーム38の被押下部38aが上下動部66bに当接して押し下げられ、ピックアップアーム38は、トーションバネの付勢力に抗して図6中符号H2の方向へ回動する。その結果、ピックアップアーム38に支持されているピックアップローラ40は、上方へ移動し、手差しトレイ104にセットされている用紙Sの上面から離間する。
また、ソレノイド62がOFFになってソレノイドリンク66の上下動部66bが下方へ移動すると、その上下動部66bが用紙ストッパ回動規制部材60の被押上部59の下面から離間する。これにより、用紙ストッパ回動規制部材60は、規制部材付勢用トーションバネの付勢力により、図7中矢印Dの方向へ回動することができるようになる。
このとき、用紙ストッパ56が突当位置(図7に示す状態)に回動している場合には、用紙ストッパ回動規制部材60は、係止部60a1が用紙ストッパ56のストッパ第二アーム56bの被係止部56b1を係止する係止位置まで回動する。一方で、用紙Sの先端がストッパ第一アーム56aを押し退ける等により用紙ストッパ56が退避位置(図8に示す状態)に回動している場合には、用紙ストッパ回動規制部材60の規制部材アーム60aの先端部に設けられる摺動部である摺動突起60a2が、用紙ストッパ56のストッパ第二アーム56bに設けられる被摺動部である被摺動面56b2に当接することになる。この場合、用紙ストッパ回動規制部材60は係止位置まで回動しない。
本実施形態の用紙ストッパ56は、その重心位置とストッパ軸54との位置関係により、重力によって退避位置から突当位置へ戻ろうとする付勢力(図8(a)中符号Gの方向の付勢力)が働く。もちろん、バネなどの付勢手段を設けて同様の付勢力(回転力)が作用するように構成してもよい。このような付勢力(回転力)が作用していることで、手差しトレイ104にセットされた用紙Sの給紙動作が開始され、用紙Sの先端によりストッパ第一アーム56aが押されて用紙ストッパ56が退避位置へ回動した後、ストッパ第一アーム56aの下方に用紙Sが存在しなければ、用紙ストッパ56は、重力によって退避位置から突当位置へ回動することができる。ただし、給紙動作が開始されると、通常、複数枚の用紙Sが重なった状態で給紙ローラ32及び分離ローラ34からなる分離ニップへ送られるため、その最上位の用紙Sが分離ニップによって分離搬送された後も、ストッパ第一アーム56aの下方には用紙Sが存在する状態が続く。そのため、通常は、手差しトレイ104にセットされた用紙Sが無くなるまでは、用紙ストッパ56のストッパ第一アーム56aの先端がその下方の用紙Sの上面に当接し、突当位置まで回動することはない。
手差しトレイ104にセットされたシートが無くなった場合、ストッパ第一アーム56aの下方には用紙Sが存在しない状態になり、用紙ストッパ56は、重力によって退避位置から突当位置へ回動することができる。このとき、ソレノイド62がOFFになっているので、規制部材付勢用トーションバネの付勢力により、用紙ストッパ回動規制部材60の摺動突起60a2が、用紙ストッパ56の被摺動面56b2に当接している。したがって、摺動突起60a2が被摺動面56b2を摺動する状態で、用紙ストッパ56は、退避位置から突当位置へと回動することになる。そのため、用紙ストッパ56は、退避位置から突当位置への回動時には、摺動突起60a2と被摺動面56b2との間の摩擦力による回転抵抗を受けることになる。
用紙ストッパ56が退避位置から突当位置へと回動すると、用紙ストッパ回動規制部材60の摺動突起60a2が被摺動面56b2の摺動方向下流端に達する。被摺動面56b2の摺動方向下流端の摺動方向下流側は、図5に示すように段差部56b4になっている。そのため、用紙ストッパ回動規制部材60の摺動突起60a2が被摺動面56b2の摺動方向下流端に達すると、規制部材付勢用トーションバネの付勢力により、摺動突起60a2が段差部56b4側へ落ち込み、用紙ストッパ回動規制部材60が回動する。
この回動により、用紙ストッパ回動規制部材60の係止部60a1は、用紙ストッパ56のストッパ第二アーム56bの被係止部56b1を係止する位置(被係止部56b1に対し、用紙ストッパ56が突当位置から退避位置へ向かう回動方向から対向する位置)に位置する。すなわち、用紙ストッパ回動規制部材60は、係止解除位置から係止位置へと回動する。その結果、突当位置まで回動した用紙ストッパ56は、退避位置への回動が規制された状態になり、用紙ストッパ56が用紙Sの先端に押されて図5中の反時計回り方向へ回動しようとしても、ストッパ第二アーム56bの被係止部56b1が用紙ストッパ回動規制部材60の規制部材アーム60aの係止部60a1に係止されて、用紙ストッパ56が反時計回り方向へ回動せず、用紙ストッパ56が突当位置に保持される。
本実施形態の給紙装置30における一連の給紙動作をまとめると、以下の通りである。
給紙動作が停止しているときには、ソレノイド62はOFF状態にされ、図7に示すように、可動鉄芯68が引っ張りバネ67の付勢力によってソレノイド本体から引き出された状態(図7中矢印Eの方向に引き出された状態)にある。このとき、ソレノイドリンク66はリンク支持軸64を中心に図7中反時計回り方向へ回動した状態となり、ソレノイドリンク66の上下動部66bが下降している。これにより、ピックアップアーム38の被押下部38aが上下動部66bによって押し下げられ、ピックアップアーム38は、図6中符号H2の方向へ回動し、ピックアップローラ40が上昇した状態になる。
また、給紙動作が停止しているとき、用紙ストッパ56は突当位置(図7に示す状態)に回動しており、用紙ストッパ回動規制部材60は係止部60a1が用紙ストッパ56の被係止部56b1を係止する係止位置まで回動している。このため、給紙方向に向けて用紙Sの束を突き刺すように手差しトレイ104に用紙Sの束がセットされた場合でも、用紙Sの束の先端が用紙ストッパ56のストッパ第一アーム56aに突き当たり、給紙ローラ32及び分離ローラ34によって形成される分離ニップの箇所まで用紙Sが突っ込まれることを防止することができる。
手差しトレイ104にセットされる用紙Sの束が人の手によって勢いよく分離ニップに向けて差し込まれると、給紙時に分離ニップに到達することが想定される用紙Sの最大枚数よりも多くの用紙Sが分離ニップに到達するおそれがある。この状態で給紙を行うと、分離ニップでは用紙Sを分離し切れず、複数枚の用紙Sがプリンタ部101内の用紙搬送路に供給される重送が発生するおそれがある。また、人の手によって用紙Sの束が傾いた状態で分離ニップに差し込まれると、斜行が生じるおそれがある。また、用紙Sの束が、人の手によって勢いよく分離ニップに向けて差し込まれると、給紙ローラ32または分離ローラ34によって用紙Sの束の先端が折り曲げられ、印刷品質を劣化させたり、印刷中にジャムを発生させたりする恐れがある。
本実施形態の給紙装置30では、手差しトレイ104にセットされる用紙Sの束が、人の手によって分離ニップに差し込まれようとしても、用紙ストッパ回動規制部材60によって係止されている用紙ストッパ56のストッパ第一アーム56aに用紙Sの束に突き当たり、それ以上は給紙方向下流側へ用紙Sの束が進入することを防ぐことができる。よって用紙Sの束が分離ニップに差し込まれる事態を防止でき、上述した重送、印刷品質の劣化、印刷中のジャムの発生を防止することができる。また、用紙Sの先端の位置を用紙ストッパ56で揃えることで斜行の発生も防止できる。
給紙動作が開始されるときには、給紙動作に先立ち、制御部150が給紙モータ140の駆動を開始し、給紙ローラ32が回転駆動する。この給紙ローラ32の回転に伴い、駆動伝達ギヤ41を介してピックアップローラ40にも駆動が伝達され、上昇した状態のピックアップローラ40も回転駆動する。また、表面が給紙ローラ32の表面に接触している分離ローラ34は、給紙ローラ32の回転に連れ回って回転する。
その後、制御部150がソレノイド62をONにすると、可動鉄芯68が引っ張りバネ67の付勢力に抗してソレノイド本体側へ引き込まれる(図8中矢印Fの方向)。これにより、ソレノイドリンク66はリンク支持軸64を中心に図8中時計回り方向へ回動し、ソレノイドリンク66の上下動部66bが上昇する。その結果、用紙ストッパ回動規制部材60の被押上部59が押し上げられ、用紙ストッパ回動規制部材60は、用紙ストッパ回動規制部材60の係止部60a1が用紙ストッパ56のストッパ第二アーム56bの被係止部56b1を係止する係止位置(図7に示す状態)から、その係止を解除する係止解除位置(図8に示す状態)まで回動する。これにより、用紙ストッパ56は、突当位置(図7に示す状態)から退避位置(図8に示す状態)へと回動可能な状態になる。
また、ソレノイド62がONになると、ピックアップアーム38の被押下部38aを上から押さえていたソレノイドリンク66の上下動部66bが上昇するので、ピックアップアーム38は、トーションバネの付勢力により、ピックアップローラ40を下降させる方向に回動する。その結果、手差しトレイ104上の最上位の用紙Sに回転駆動中のピックアップローラ40が当接し、用紙Sに搬送方向への搬送力が付与される。
手差しトレイ104の最上位の用紙Sはピックアップローラ40によって手差しトレイ104から繰り出されて、給紙ローラ32と分離ローラ34とが接触する分離ニップに向けて搬送される。このとき、用紙Sは、搬送の途中で用紙ストッパ56のストッパ第一アーム56aに突き当たるが、上述したように、用紙ストッパ回動規制部材60は係止解除位置に回動した状態になっているため、用紙ストッパ56の係止(回動規制)は解除されており、ストッパ第一アーム56aを押し退けて用紙ストッパ56による突当箇所を通過し、給紙ローラ32と分離ローラ34とが接触する分離ニップに向けて搬送される。ストッパ第一アーム56aが用紙Sの先端によって押し退けられることで、用紙ストッパ56は、重力による付勢力に抗して、突当位置から退避位置へと回動する。
用紙Sの後端がピックアップローラ40を抜ける前の所定のタイミングで、制御部150はソレノイド62をOFFにする。これにより、図7に示すように、可動鉄芯68が引っ張りバネ67の付勢力によってソレノイド本体から引き出された状態(図7中矢印Eの方向に引き出された状態)になる。その結果、ソレノイドリンク66はリンク支持軸64を中心に図7中反時計回り方向へ回動し、ソレノイドリンク66の上下動部66bが下降する。これにより、ピックアップアーム38の被押下部38aが上下動部66bによって押し下げられ、ピックアップアーム38のピックアップローラ40が上昇した状態に戻る。ピックアップローラ40が上昇した後の用紙Sの搬送は、給紙ローラ32によって行われる。
また、ソレノイド62がOFFになると、ソレノイドリンク66の上下動部66bが用紙ストッパ回動規制部材60の被押上部59の下面から離間し、用紙ストッパ回動規制部材60が、規制部材付勢用トーションバネの付勢力により、図7中矢印Dの方向へ回動することができるようになる。このとき、用紙ストッパ56のストッパ第一アーム56aの下方には、分離ニップで分離された用紙Sが残っているため、用紙ストッパ56は、ストッパ第一アーム56aの先端が当該用紙Sの上面に当接し、突当位置まで回動することができず、退避位置のままである。そのため、図8に示すように、用紙ストッパ回動規制部材60の規制部材アーム60aの摺動突起60a2が、用紙ストッパ56のストッパ第二アーム56bの被摺動面56b2に当接し、用紙ストッパ回動規制部材60は係止位置まで回動しない。したがって、通常、手差しトレイ104にセットされた用紙Sが無くなるまでは、用紙ストッパ56は退避位置に位置し、手差しトレイ104にセットされた用紙Sが順次搬送されることになる。
次に、本実施形態における給紙装置30の特徴部分について説明する。
手差しトレイ104にセットされた用紙Sが無くなった給紙終了時には、用紙ストッパ56が退避位置から突当位置へ回動し、これにより用紙ストッパ回動規制部材60が係止位置へ回動して、用紙ストッパ56について突当位置から退避位置への回動規制がなされた状態にする必要がある。ところが、用紙ストッパ56が退避位置から突当位置へ回動する際、摺動突起60a2と被摺動面56b2との間の摩擦力による回転抵抗を受けることになる。そのため、従来の構成では、用紙ストッパ56が退避位置から突当位置へ回転するのを阻止する回転阻止力(上述の摩擦力や回転軸の回転負荷など)と、用紙ストッパ56を退避位置から突当位置へ回転させる回転力(用紙ストッパ56に作用する重力による付勢力など)とが釣り合う均衡状態となって、用紙ストッパ56が回動できなくなり、用紙ストッパ56が退避位置から突当位置へ戻ることができない場合があった。
図10は、従来の構成における用紙ストッパ56’及び用紙ストッパ回動規制部材60’において、給紙終了時に用紙ストッパ56’が突当位置へ戻るときに用紙ストッパ56’が受ける力を示す説明図である。
給紙終了時には、用紙ストッパ56’のストッパ第一アーム56a’に当接する用紙Sが無くなり、用紙ストッパ56’は、重力によって退避位置から突当位置へ回動可能な状態になる。このとき、用紙ストッパ回動規制部材60’は、規制部材付勢用トーションバネの付勢力により図10中符号Dの方向の付勢力を受けているため、用紙ストッパ56’の被摺動面56b2’は、これに当接する用紙ストッパ回動規制部材60’の摺動突起60a2’から荷重F1’を受ける。この荷重F1’の荷重方向は、摺動突起60a2’が当接する被摺動面56b2’上の当接地点T1を通る用紙ストッパ回動規制部材60’の回転中心O2回りの回転方向(接線方向)に一致する。なお、当接地点T1と用紙ストッパ56’の回転中心O1とを結ぶ方向と、荷重F1’の荷重方向とのなす角度を当接角θ’とする。
また、用紙ストッパ56’は、突当位置に向けて図10中符号Gの方向へ回動するとき、当接地点T1において摺動突起60a2’と被摺動面56b2’の摺動摩擦力F2’を受ける。
また、用紙ストッパ56’は、その自重によって、用紙ストッパ56’の重心位置T2に重力F3’を受ける。
図11は、用紙ストッパ56’が受ける力の分力を示す説明図である。
用紙ストッパ56’が受ける力F1’,F2’,F3’を、用紙ストッパ56’の回転中心O1に対して、接線方向成分(n)と法線方向成分(t)とに分解する。用紙ストッパ56’は、ストッパ軸54に回転可能に支持されており、ストッパ軸54の周面に対して摺動回転する。用紙ストッパ56’は、ストッパ軸54の周面から、当接地点T1に作用する荷重F1’及び摺動摩擦力F2’の法線方向成分F1(t)’+F2(t)’に対する垂直抗力と、重心位置T2に作用する重力F3’の法線方向成分F3(t)’に対する垂直抗力とを受ける。したがって、用紙ストッパ56’は、図12に示すように、突当位置に向けて図10中符号Gの方向へ回動するとき、ストッパ軸54の周面T3,T4において、F1(t)’+F2(t)’に対する垂直抗力に応じた軸摩擦力F4’と、F3(t)’に対する垂直抗力に応じた軸摩擦力F5’とを受けることになる。
以上の結果、用紙ストッパ56’を退避位置から突当位置へ回転させる回転力としては、用紙ストッパ回動規制部材60’の荷重F1の接線方向成分F1(n)’と、重力F3’の接線方向成分F3(n)’とが存在する。また、用紙ストッパ56’を退避位置から突当位置へ回転するのを阻止する回転阻止力としては、被摺動面56b2’に作用する摺動摩擦力F2’の接線方向成分F2(n)’と、ストッパ軸54との接触面に作用する軸摩擦力F4’,F5’とが存在する。
図13は、用紙ストッパ56’が突当位置まで戻るための条件を説明するための説明図である。
用紙ストッパ56’の回転中心O1から、回転力F1(n)’及び回転阻止力F2(n)’が作用する地点T1までの距離をR1’とする。また、用紙ストッパ56’の回転中心O1から、回転力F3(n)’が作用する地点T2までの距離をR2’とする。また、用紙ストッパ56’の回転中心O1から、回転阻止力F4’,F5’が作用する地点T3,T4までの距離をR3’とする。この場合、給紙終了後に用紙ストッパ56’がG方向へ回動して突当位置に戻るためには、次の条件式(1)を常に満たしている必要がある。
R1’×(F1(n)’-F2(n)’)+
R2’×F3(n)’-R3’×(F4’+F5’) > 0 ・・・(1)
図14(a)~(d)は、従来構成の用紙ストッパ56’が退避位置から突当位置まで回動する間に当接地点T1に作用する荷重F1’について説明するための説明図である。
給紙終了時点において、図14(a)に示すように、用紙ストッパ回動規制部材60’の摺動突起60a2’は、用紙ストッパ56’の被摺動面56b2’の摺動方向上流端付近に当接し、用紙ストッパ56’は荷重F1a’を受ける。その後、図14(b)に示すように、摺動突起60a2’が被摺動面56b2’上を摺動方向へ摺動動しながら、用紙ストッパ56’が回転中心O1の回りを図14中反時計回り方向へ回動する。図14(b)に示す状態において、用紙ストッパ56’は、荷重F1b’を受ける。そして、図14(c)に示すように、摺動突起60a2’が用紙ストッパ56’の被摺動面56b2’の摺動方向下流端付近まで摺動すると、用紙ストッパ56’は、荷重F1c’を受ける。
このとき、摺動開始時の当接地点T1a、摺動途中の当接地点T1b及び摺動終了時の当接地点T1cと回転中心O1との距離をそれぞれR1a’、R1b’及びR1c’とすると、摺動開始時の当接地点T1aにおける荷重F1a’の接線方向成分F1a(n)’が、用紙ストッパ56’を図中矢印Gの方向へ回動させる方向(突当位置へ向かう方向)を向くための条件は、R1a’>R1b’となる。また、同様に、摺動途中の当接地点T1bにおける荷重F1b’の接線方向成分F1b(n)’が、用紙ストッパ56’を図中矢印Gの方向へ回動させる方向を向くための条件は、R1b’>R1c’となる。したがって、これらの条件を満たすことで、摺動突起60a2’が用紙ストッパ56’の被摺動面56b2’の摺動方向上流端から下流端へ摺動するまでの間、その当接地点T1に作用する荷重F1’により、用紙ストッパ56’を図中矢印Gの方向へ回転させる回転力を常に生じさせることができる。
また、摺動突起60a2’が被摺動面56b2’の摺動方向下流端を超えると、摺動突起60a2’が被摺動面56b2’から外れ、用紙ストッパ回動規制部材60’は、規制部材付勢用トーションバネの付勢力によって図中符号Dの方向へ回動する。これにより、図14(d)に示すように、摺動突起60a2’の摺動方向上流側に位置する用紙ストッパ回動規制部材60’の係止部60a1’が、被摺動面56b2’の摺動方向下流端に対して摺動方向下流側に位置する段差部である用紙ストッパ56’の被係止部56b1’に対面することになる。この状態は、用紙ストッパ56が突当位置まで回動した状態であり、このように突当位置まで回動した用紙ストッパ56が退避位置へ回動することが規制された状態である。
図14(d)に示すように、用紙ストッパ56’の回転が規制された状態、すなわち、用紙ストッパ56’の被係止部56b1’を用紙ストッパ回動規制部材60’の係止部60a1’が係止する状態において、係止部60a1’と被係止部56b1’との当接地点(係止位置)T1dから回転中心O1までの距離をR1d’とする。このとき、被摺動面56b2’の摺動方向下流端を超えた摺動突起60a2’の摺動方向上流側に位置する係止部60a1’が、被摺動面56b2’の摺動方向下流側に位置する被係止部56b1’に引っ掛かって適切に係止できるようにするためには、R1c’>R1d’である必要がある。
以上のとおり、従来構成における用紙ストッパ56’において、用紙ストッパ56’の被摺動面56b2’及び被係止部56b1’の形状については、R1a’>R1b’>R1c’>R1d’の条件を満たす必要がある。
ところが、レイアウト制約(用紙ストッパ回動規制部材60’を用紙ストッパ56’のストッパ軸54から離れた位置に配置できない等)などが原因で用紙ストッパ56’の当接角θ’を大きくすることが困難である場合が多い。例えば、用紙ストッパ56’の当接角θ’を大きくするには、用紙ストッパ56’の被摺動面56b2’を、R1a’とR1b’との差、R1b’とR1c’との差が大きくなるように構成すればよいが、そうすると、R1c’>R1d’を満たすように構成することが難しくなり、用紙ストッパ回動規制部材60’の係止部60a1’を用紙ストッパ56’の被係止部56b1’に引っ掛かって適切に係止できるようにすることが困難となる。
そして、このように用紙ストッパ56’の当接角θ’を大きくすることができない結果、用紙ストッパ回動規制部材60’から受ける荷重F1’による回転力(荷重F1’の接線方向成分F1(n)’)を大きくすることができず、その反面、荷重F1’の法線方向成分F1(t)’が大きくなることで摺動摩擦力F2’や軸摩擦力F4’による回転阻止力が大きくなる。そのため、用紙ストッパ56’が突当位置まで回動することができない場合が生じやすくなる。特に、摺動開始時の当接地点T1aにおいて用紙ストッパ56’が回動せずに止まってしまい、用紙ストッパ56’が突当位置まで回動できないことが多くなる。
そこで、本実施形態における用紙ストッパ56は、図15に示すように、用紙ストッパ56の被係止部56b1と被摺動面56b2とを、用紙ストッパ56の回転中心軸方向(図15中左右方向)の互いに異なる位置に配置した構成としている。これにより、例えば、用紙ストッパ56の被係止部56b1が、用紙ストッパ56の被摺動面56b2よりも用紙ストッパ56の回転中心O1から離れた位置に配置する構成(Rc<Rd)などを採用することも可能となる。その結果、上述したようなレイアウト制約があったとしても、係止機能を考慮することなく、用紙ストッパ56の当接角θが大きくなるように、用紙ストッパ56の被摺動面56b2の形状を採用することができる。また、用紙ストッパ56の被係止部56b1の形状についても、用紙ストッパ56の当接角θを考慮することなく、係止機能が適切に発揮されるように決定することができる。その結果、用紙ストッパ56の被係止部56b1に対する用紙ストッパ回動規制部材60の係止部60a1の係止と解除とを適切に機能させつつも、用紙ストッパ56の当接角θが大きくして用紙ストッパ56が突当位置まで戻ることのできない事態の発生を抑制することができる。
図16(a)~(d)は、本実施形態における用紙ストッパ56が退避位置から突当位置まで回動する間に当接地点T1に作用する荷重F1について説明するための説明図であり、図14(a)~(d)に対応するものである。
本実施形態の用紙ストッパ56は、図16(a)~(c)に示すように、用紙ストッパ56の被摺動面56b2の形状が、R1a>R1b>R1cの条件を満たすように構成されている。しかも、図14(a)~(d)に示した従来構成と比較すると、R1a≒R1a’であるが、R1b<R1b’であり、R1c<<R1c’となるように、被摺動面56b2の形状が構成されている。その結果、図16(a)~(c)に示すように、用紙ストッパ56の当接角θa~θcが図14(a)~(d)に示した従来構成の当接角θa’ ~θc’よりも大きくなっている。これにより、最も当接角が大きくなりにくい摺動開始時の当接地点T1aにおいても、十分な大きさの当接角θaを得ることができる。したがって、従来構成と比較して、用紙ストッパ回動規制部材60から受ける荷重F1による回転力(荷重F1の接線方向成分F1(n))を大きくすることができ、その反面、荷重F1の法線方向成分F1(t)が小さくなることで摺動摩擦力F2や軸摩擦力F4による回転阻止力を小さくすることができる。よって、用紙ストッパ56が突当位置まで回動することができない事態の発生が抑制される。
また、摺動突起60a2が被摺動面56b2の摺動方向下流端を超えると、摺動突起60a2が被摺動面56b2から外れ、用紙ストッパ回動規制部材60は、規制部材付勢用トーションバネの付勢力によって図中符号Dの方向へ回動する。これにより、図16(d)に示すように、用紙ストッパ回動規制部材60の規制部材アーム60aの中間付近に形成されている係止部60a1が、この係止部60a1と同じ中心軸方向位置に配置されている用紙ストッパ56の被係止部56b1と対面することになる。この状態は、用紙ストッパ56が突当位置まで回動した状態であり、このように突当位置まで回動した用紙ストッパ56が退避位置へ回動することが規制された状態である。
このとき、本実施形態の用紙ストッパ56は、図14(d)に示した従来構成と比較すると、R1d≒R1d’であるため、用紙ストッパ56の被係止部56b1に対する用紙ストッパ回動規制部材60の係止部60a1の係止と解除との機能については、従来構成と同等の機能が保持される。
したがって、本実施形態によれば、用紙ストッパ56の被係止部56b1に対する用紙ストッパ回動規制部材60の係止部60a1の係止と解除とを適切に機能させつつも、用紙ストッパ56の当接角θが大きくして用紙ストッパ56が突当位置まで戻ることのできない事態の発生を抑制することができる。
図17は、本実施形態におけるレイアウトの制約の一例を示す説明図である。
用紙ストッパ56’の近傍には、図17に示すように、給紙ローラ軸36及び回動軸受37が存在する。そのため、用紙ストッパ56’が図17中反時計方向に回動できる位置は、用紙ストッパ56’のストッパ第二アーム56b’が給紙ローラ軸36及び回動軸受37の当接位置Q1で当接する図17(a)に示す位置までである。また、用紙ストッパ56’が図17中時計方向に回動できる位置は、用紙ストッパ56’のストッパ第一アーム56a’が給紙ローラ軸36及び回動軸受37の当接位置Q2で当接する図17(b)に示す位置までである。
このようなレイアウト制約の下では、用紙ストッパ56’の回動可能範囲が狭いために、例えば、用紙ストッパ56’の重心位置T2に作用する重力F3’を大きくしたり、用紙ストッパ56’の回転中心O1から重心位置T2までの距離を大きくしたりして、重心位置T2に作用する回転力F3(n)’を大きくするように用紙ストッパ56’の形状を変更することは困難である。これは、上述のレイアウト制約の下では、用紙ストッパ56’と給紙ローラ軸36及び回動軸受37との間のクリアランスP1,P2が微小であるためである。
なお、本実施形態においては、図16(a)~(c)に示すように、用紙ストッパ回動規制部材60の摺動突起60a2と用紙ストッパ56の被摺動面56b2とが当接しているとき、その摺動突起60a2と被摺動面56b2との当接箇所以外は、用紙ストッパ回動規制部材60と用紙ストッパ56とが互いに接触しないように構成されている。そのため、用紙ストッパ56’が突当位置まで回動する間、摺動突起60a2と被摺動面56b2との当接箇所以外(例えば、用紙ストッパ回動規制部材60の係止部60a1と、これに対向する用紙ストッパ56の対向面(案内部56b3)との間)で、用紙ストッパ回動規制部材60と用紙ストッパ56との間の摺動が生じず、回転阻止力が低減されて、用紙ストッパ56が突当位置まで戻ることのできない事態の発生がさらに抑制できる。
また、本実施形態においては、図16(d)に示すように、用紙ストッパ回動規制部材60の係止部60a1が用紙ストッパ56の被係止部56b1を係止しているとき、その係止部60a1と被係止部56b1との係止箇所以外(例えば、用紙ストッパ回動規制部材60の摺動突起60a2と、これに対向する用紙ストッパ56の段差部56b4との間)は、用紙ストッパ回動規制部材60と用紙ストッパ56とが互いに接触しないように構成されている。これにより、係止部60a1と被係止部56b1との係止状態を安定させることができ、意図せずに係止が解除されるような事態を回避することができる。
また、本実施形態においては、組付のガタなどによって、用紙ストッパ56と用紙ストッパ回動規制部材60との間で、回転中心軸方向における相対位置ずれが発生することがある。この場合、用紙ストッパ回動規制部材60の摺動突起60a2が、用紙ストッパ56の被摺動面56b2から回転中心軸方向へ外れて、用紙ストッパ56に当接するおそれがある。そのため、本実施形態においては、用紙ストッパ56と用紙ストッパ回動規制部材60との間の回転中心軸方向における相対位置ずれを修正する位置ずれ修正手段を設けている。
本実施形態における位置ずれ修正手段は、回転中心軸方向における用紙ストッパ56の被係止部56b1と同じ位置に、用紙ストッパ56の被摺動面56b2に向けて傾斜した案内部56b3を設けたものである。これにより、用紙ストッパ56と用紙ストッパ回動規制部材60との間の回転中心軸方向における相対位置ずれにより、用紙ストッパ回動規制部材60の摺動突起60a2が用紙ストッパ56の被摺動面56b2から回転中心軸方向へ外れて、用紙ストッパ56の案内部56b3に当接した場合、規制部材付勢用トーションバネの付勢力によって付勢されている摺動突起60a2が案内部56b3の傾斜面を摺動して用紙ストッパ56の被摺動面56b2へと案内され、その結果、用紙ストッパ56と用紙ストッパ回動規制部材60との間の相対位置ずれが修正される。
なお、本実施形態の給紙装置30のように、用紙ストッパ56を突当位置に戻すように付勢する付勢部材を備えない構成では、付勢部材を備える構成に比べて、上述した均衡状態が生じ易い。しかしながら、本実施形態のような用紙ストッパ56を用いることで、上述した付勢部材を備えず、均衡状態が生じ易い構成であっても、用紙ストッパ56が突当位置まで戻ることのできない事態の発生を抑制できる。したがって、手差しトレイ104に用紙Sをセットするときには、用紙ストッパ56を突当位置に位置させ、用紙ストッパ回動規制部材60によって用紙ストッパ56の移動を規制することができる。
また、用紙ストッパ回動規制部材60を、図5中符号Dに示す方向に回動させる構成としては、規制部材付勢用トーションバネを備える構成に限らず、用紙ストッパ回動規制部材60の自重によって回動させる構成としてもよい。
本発明に係るシート給送装置を備える画像形成装置としては複写機に限るものではない。印刷装置、インクジェット記録装置、プリンタ、複写機もしくはファクシミリ等の機能を備えた画像形成装置に本発明に係るシート給送装置を用いることができる。
また、本発明に係るシート供給装置を備える画像形成装置としては、上述した複写機100のような電子写真方式の装置に限らず、インクジェット方式の装置にも適用可能である。
本発明に係るシート給送装置が搬送するシートは用紙S等の記録媒体に限るものではない。また、シート給送装置も画像形成装置に用いられる手差し給紙装置等の給紙装置に限るものではなく、複数枚の積層されたシートを給送する装置であれば、画像形成装置以外の装置にも適用可能である。
複数枚の積層されたシートを給送する装置としては、図2に示すADF200等の自動原稿搬送装置にも適用可能である。図2に示すADF200は、原稿テーブル201に載置された原稿束のうちの最上部に位置する一枚をADF200の装置本体内に給送し、スキャナ部300による読み取り位置を通過させ、原稿排紙トレイ202に排出する。このようなADF200における原稿テーブル201に載置された原稿を給送する原稿給紙手段として、上述した給紙装置30と同様の構成を備えた本発明に係るシート給送装置を適用することができる。
本発明に係るシート給送装置の給送対象であるシートは、シート状の部材だけでなく薄板状の部材も含む。シートとしては、紙、布、樹脂製シート、表裏面の保護紙、金属製シート、銅箔等の金属箔やメッキ処理等を施した電子回路基板材、特殊フィルム、プラスチックフィルム、プリプレグ、電子回路基板用シートなどを含む。プリプレグは、炭素繊維等に予め樹脂が含浸してあるシート状の材料である。プリプレグの例としては、炭素繊維やガラスクロスのような繊維状補強材に、硬化剤、着色剤などの添加物を混合した熱硬化性樹脂等を含浸させ、加熱または乾燥して半硬化状態にしたシート状の強化プラスチック成形材料が含まれる。
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
[第1態様]
第1態様は、シート(例えば用紙S)の給送方向先端が突き当たる突当部(例えばストッパ第一アーム56a)を備え、該突当部がシートに突き当たる突当位置とシートに突き当たらない退避位置とに回転可能な突当部材(例えば用紙ストッパ56)と、前記突当部材の被係止部56b1を係止することで該突当部材の前記突当位置から前記退避位置への回転を規制する係止部60a1を備え、該係止部が該被係止部を係止する係止位置と当該係止を解除する係止解除位置とに回転可能な係止部材(例えば用紙ストッパ回動規制部材60)とを有し、前記係止部材は、自重又は付勢手段(例えば規制部材付勢用トーションバネ)により前記係止解除位置から前記係止位置へ向かう係止方向Dへの係止付勢力が付与されており、前記係止部材の摺動部(例えば摺動突起60a2)と前記突当部材の被摺動部(例えば被摺動面56b2)とが摺動しながら該突当部材が前記退避位置から前記突当位置へ回転し、該突当部材が該突当位置まで回転すると、該摺動部が該被摺動部から外れ、前記係止部材が前記係止付勢力により前記係止位置まで回転するシート給送装置(例えば給紙装置30)であって、前記突当部材は、前記被係止部と前記被摺動部とを該突当部材の回転中心軸方向の互いに異なる位置に備えていることを特徴とするものである。
給送終了時には、係止部材の係止付勢力によって係止部材の摺動部と突当部材の被摺動部とが当接状態であるため、突当部材が退避位置から突当位置まで回転する間、係止部材の摺動部と突当部材の被摺動部とが摺動することになる。そして、この摺動抵抗に抗して突当部材が突当位置まで回転すると、摺動部が被摺動部から外れ、係止部材が係止位置へと回転可能となり、前記付勢力によって係止部材が係止位置へと回転する。これにより、突当部材の被係止部が係止部材の係止部により係止されて、突当位置に位置する突当部材の退避位置への回転が規制される。その結果、新たにセットされるシートの先端が目標セット位置よりも給送方向下流側へ進入しようとしても、突当部材の突当部がその進入を阻止できるようになる。
従来の構成においては、給送終了時に、突当部材が突当位置まで戻ることができないことがあった。これは、突当部材が退避位置から突当位置へ回転するのを阻止する回転阻止力(係止部材の摺動部と突当部材の被摺動部との摩擦力など)と、突当部材を退避位置から突当位置へ回転させる回転力とが釣り合う均衡状態となることに起因する。このような均衡状態が生じないようにするには、前記回転阻止力に対して前記回転力が十分に大きくなるように構成する必要がある。
しかしながら、突当部材が退避位置から突当位置へ回転する回転力を大きくすると、給送動作の開始時に、例えば、薄紙などのシートでは、この回転力が付与された突当部材の突当部をシート先端で押し退けることができず、給送不良が生じるおそれがある。また、これを防止するために、突当部材を突当位置から退避位置へ回転させるような駆動機構を設けると、構成の複雑化や高コスト化を招く。したがって、突当部材が退避位置から突当位置へ回転する回転力を大きくするには限界がある。そのため、均衡状態が生じないようにするには、突当部材が退避位置から突当位置へ回転するのを阻止する回転阻止力を小さくすることが重要となる。
ここで、係止部材の摺動部と突当部材の被摺動部との摩擦力を小さくすることができれば、回転阻止力を小さくすることができる。そして、この摩擦力を小さくするには、突当部材の被摺動部に対する係止部材の摺動部の当接角度、すなわち、当接箇所における被摺動部の法線方向と被摺動部に対する摺動部の当接方向とのなす角度を、なるべく大きくすることが望まれる。この当接角度が大きければ、係止部材の係止付勢力において、摩擦力を増大させる当接箇所の垂直方向成分を小さくすることができ、回転阻止力を小さくすることが可能である。
ところが、従来の構成は、係止部材の摺動部と係止部とが同一部材によって構成され、突当部材の被摺動部を係止部材の摺動部(係止部)が摺動方向下流端まで摺動した後、その下流端に形成されている段差部分(被係止部)に摺動部(係止部)が係止付勢力により落とし込まれて突当部材が係止されるように構成されていた。このような構成においては、突当部材の被係止部と被摺動部とが突当部材の回転中心軸方向の同一位置に配置されるため、突当部材の被係止部が突当部材の被摺動部よりも突当部材の回転中心に近い位置に配置しなければならないなどの構成上の制約が大きい。その結果、突当部材の被係止部に対する係止部材の係止部の係止と解除とを適切に機能させつつ、突当部材の被摺動部に対する係止部材の摺動部の当接角度を大きくして上述した均衡状態の発生を抑制するということが困難であった。
そこで、本態様においては、突当部材の被係止部と被摺動部とを、突当部材の回転中心軸方向の互いに異なる位置に配置した。これにより、突当部材の被係止部は、突当部材の被摺動部よりも突当部材の回転中心に近い位置に配置しなければならないなどの構成上の制約が少なくなる。その結果、突当部材の被摺動部に対する係止部材の摺動部の当接角度を大きくできるように突当部材の被摺動部及び係止部材の摺動部を構成しつつ、突当部材の被係止部に対する係止部材の係止部の係止と解除とが適切に機能するように突当部材の被係止部及び係止部材の係止部を構成するということが可能になる。その結果、突当部材の被係止部に対する係止部材の係止部の係止と解除とを適切に機能させつつも、上述した均衡状態の発生を抑制して、給送終了時に突当部材が突当位置まで戻らない事態の発生を抑制できる。
[第2態様]
第2態様は、第1態様において、前記突当部材は、前記被係止部よりも前記被摺動部の方が該突当部材の回転中心から離れて配置されていることを特徴とするものである。
これによれば、突当部材の被係止部に対する係止部材の係止部の係止と解除とを適切に機能させつつも、上述した均衡状態の発生を抑制して、給送終了時に突当部材が突当位置まで戻らない事態の発生を抑制できるという構成を、簡易な構成で実現できる。
[第3態様]
第3態様は、第1又は第2態様において、前記突当部材は、自重又は付勢手段により前記退避位置から前記突当位置へ向かう突当方向への突当付勢力が付与されていることを特徴とするものである。
これによれば、突当付勢力によって、突当部材を退避位置から突当位置へ回転させる回転力を増大させることができるので、突当部材の被係止部に対する係止部材の係止部の係止と解除とを適切に機能させつつも、上述した均衡状態の発生を抑制して、給送終了時に突当部材が突当位置まで戻らない事態の発生を抑制できるという構成を実現しやすい。
[第4態様]
第4態様は、第1乃至第3態様のいずれかにおいて、前記係止部材の摺動部と前記突当部材の被摺動部とが当接しているとき、該摺動部と該被摺動部との当接箇所以外は、前記係止部材と前記突当部材とが互いに接触しないように構成されていることを特徴とするものである。
これによれば、突当部材が突当位置まで回動する間、摺動部と被摺動部との当接箇所以外で、突当部材と係止部材との間の摺動が生じないので、回転阻止力が低減されて、突当部材が突当位置まで戻ることのできない事態の発生がさらに抑制できる。
[第5態様]
第5態様は、第1乃至第4態様のいずれかにおいて、前記係止部材の係止部が前記突当部材の被係止部を係止しているとき、前記係止部と前記被係止部との係止箇所以外は、前記係止部材と前記突当部材とが互いに接触しないように構成されていることを特徴とするものである。
これによれば、係止部と被係止部との係止状態を安定させることができ、意図せずに係止が解除されるような事態を回避することができる。
[第6態様]
第6態様は、第1乃至第5態様のいずれかにおいて、前記突当部材と前記係止部材との間で生じた前記突当部材の回転中心軸方向における相対位置ずれを修正する位置ずれ修正手段(例えば案内部56b3)を有することを特徴とするものである。
これによれば、突当部材と係止部材との間の回転中心軸方向における相対位置ずれが発生しても、位置ずれ修正手段によって相対位置ずれが修正されて、摺動部と被摺動部とが適切に摺動でき、また、係止部と被係止部が適切に係止できる。
[第7態様]
第7態様は、第6態様において、前記位置ずれ修正手段は、前記回転中心軸方向における前記被係止部と同じ前記突当部材上の位置に、前記係止部材の摺動部が当接したときに該摺動部を前記被摺動部に向けて摺動させる案内部56b3を設けたものであることを特徴とするものである。
これによれば、突当部材と係止部材との間の回転中心軸方向における相対位置ずれを、簡易な構成で修正することができる。
[第8態様]
第8態様は、第1乃至第7態様のいずれかにおいて、前記係止部材を、前記係止位置から前記係止解除位置へ前記係止付勢力に抗して回転させる係止部材駆動手段(例えばソレノイド62)を有することを特徴とするものである。
これによれば、係止部材駆動手段の制御により、係止部材を係止位置と係止解除位置との間で回転させることができる。
[第9態様]
第9態様は、第8態様において、載置部材(例えば手差しトレイ104)上に載置されたシートに対して接離してシートを送り出す送出部材(例えばピックアップローラ40)を有し、前記送出部材は、前記係止部材駆動手段の動作に連動して、前記載置部材の前記シートに対して接離することを特徴とするものである。
これによれば、送出部材を接離させる駆動手段を係止部材駆動手段とは別に設ける場合と比べて、装置の簡略化及び低コスト化を図ることができる。
[第10態様]
第10態様は、第9態様において、前記係止部材駆動手段は、駆動によって直線運動する直進芯部材(例えば可動鉄芯68)と、該直進芯部材の直線運動によって回動運動を行って前記係止部材を前記係止位置から前記係止解除位置へ回転させることを特徴とするものである。
これによれば、係止部材駆動手段の直線運動によって、係止部材を回転させる構成を実現することができる。
[第11態様]
第11態様は、シート(例えば用紙S)に画像を形成する画像形成手段(例えば画像形成部110)と、前記画像形成手段へ向けて前記シートを給送する給送手段とを備えた画像形成装置(例えば複写機100)において、前記給送手段として、第1乃至10態様のいずれかのシート給送装置(例えば給紙装置30)を用いることを特徴とするものである。
これによれば、突当部材の被係止部に対する係止部材の係止部の係止と解除とを適切に機能させつつも、上述した均衡状態の発生を抑制して、給送終了時に突当部材が突当位置まで戻らない事態の発生が抑制される。このため、シートセット時にセットされるシートが突当部材の突当部に突き当たる位置よりもシートが給送方向下流側に入り込むことに起因する重送や斜行の発生を防止でき、安定したシート給送を行うことができるため、安定した画像形成を行うことが可能となる。
[第12態様]
第12態様は、第11態様において、前記シート給送装置は、手差しトレイ104に載置されたシートを給送する手差しシート給送装置であることを特徴とするものである。
手差しトレイでは、シートセット時にセットされるシートが突当部材に突き当たる位置よりもシートが給送方向下流側に入り込む不具合が生じ易いが、この不具合を防止することができる。
30 :給紙装置
32 :給紙ローラ
34 :分離ローラ
36 :給紙ローラ軸
37 :回動軸受
38 :ピックアップアーム
38a :被押下部
40 :ピックアップローラ
41 :駆動伝達ギヤ
42 :ピックアップローラ軸
52 :搬送ガイド
54 :ストッパ軸
56,56’:用紙ストッパ
56a,56a’:ストッパ第一アーム
56b,56b’:ストッパ第二アーム
56b1,56b1’:被係止部
56b2,56b2’:被摺動面
56b3 :案内部
56b4 :段差部
58 :規制部材軸
59 :被押上部
60,60’:用紙ストッパ回動規制部材
60a :規制部材アーム
60a1,60a1’:係止部
60a2,60a2’:摺動突起
62 :ソレノイド
64 :リンク支持軸
66 :ソレノイドリンク
66a :連結部
66b :上下動部
67 :引っ張りバネ
68 :可動鉄芯
68a :回転軸
100 :複写機
101 :プリンタ部
103 :装置内給紙トレイ
104 :手差しトレイ
105 :手差し給紙装置
107 :レジストローラ対
110 :画像形成部
120 :定着装置
130 :排紙ローラ対
140 :給紙モータ
150 :制御部
160 :用紙検知センサ
200 :ADF
300 :スキャナ部
400 :装置内給紙部
特許5128451号

Claims (12)

  1. シートの給送方向先端が突き当たる突当部を備え、該突当部がシートに突き当たる突当位置とシートに突き当たらない退避位置とに回転可能な突当部材と、
    前記突当部材の被係止部を係止することで該突当部材の前記突当位置から前記退避位置への回転を規制する係止部を備え、該係止部が該被係止部を係止する係止位置と当該係止を解除する係止解除位置とに回転可能な係止部材とを有し、
    前記係止部材は、自重又は付勢手段により前記係止解除位置から前記係止位置へ向かう係止方向への係止付勢力が付与されており、
    前記係止部材の摺動部と前記突当部材の被摺動部とが摺動しながら該突当部材が前記退避位置から前記突当位置へ回転し、該突当部材が該突当位置まで回転すると、該摺動部が該被摺動部から外れ、前記係止部材が前記係止付勢力により前記係止位置まで回転するシート給送装置であって、
    前記突当部材は、前記被係止部と前記被摺動部とを該突当部材の回転中心軸方向の互いに異なる位置に備えていることを特徴とするシート給送装置。
  2. 請求項1に記載のシート給送装置において、
    前記突当部材は、前記退避位置から前記突当位置へ回転して前記摺動部が前記被摺動部から外れる直前の状態で、前記摺動部が接触する前記被摺動部の部分よりも前記被係止部の方が該突当部材の回転中心から離れて配置されていることを特徴とするシート給送装置。
  3. 請求項1又は2に記載のシート給送装置において、
    前記突当部材は、自重又は付勢手段により前記退避位置から前記突当位置へ向かう突当方向への突当付勢力が付与されていることを特徴とするシート給送装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載のシート給送装置において、
    前記係止部材の摺動部と前記突当部材の被摺動部とが当接しているとき、該摺動部と該被摺動部との当接箇所以外は、前記係止部材と前記突当部材とが互いに接触しないように構成されていることを特徴とするシート給送装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載のシート給送装置において、
    前記係止部材の係止部が前記突当部材の被係止部を係止しているとき、前記係止部と前記被係止部との係止箇所以外は、前記係止部材と前記突当部材とが互いに接触しないように構成されていることを特徴とするシート給送装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載のシート給送装置において、
    前記突当部材と前記係止部材との間で生じた前記突当部材の回転中心軸方向における相対位置ずれを修正する位置ずれ修正手段を有することを特徴とするシート給送装置。
  7. 請求項6に記載のシート給送装置において、
    前記位置ずれ修正手段は、前記回転中心軸方向における前記被係止部と同じ前記突当部材上の位置に、前記係止部材の摺動部が当接したときに該摺動部を前記被摺動部に向けて摺動させる案内部を設けたものであることを特徴とするシート給送装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載のシート給送装置において、
    前記係止部材を、前記係止位置から前記係止解除位置へ前記係止付勢力に抗して回転させる係止部材駆動手段を有することを特徴とするシート給送装置。
  9. 請求項8に記載のシート給送装置において、
    載置部材上に載置されたシートに対して接離してシートを送り出す送出部材を有し、
    前記送出部材は、前記係止部材駆動手段の動作に連動して、前記載置部材の前記シートに対して接離することを特徴とするシート給送装置。
  10. 請求項9に記載のシート給送装置において、
    前記係止部材駆動手段は、駆動によって直線運動する直進芯部材と、該直進芯部材の直線運動によって回動運動を行って前記係止部材を前記係止位置から前記係止解除位置へ回転させる回転運動部材とを含むことを特徴とするシート給送装置。
  11. シートに画像を形成する画像形成手段と、
    前記画像形成手段へ向けて前記シートを給送する給送手段とを備えた画像形成装置において、
    前記給送手段として、請求項1乃至10のいずれか1項に記載のシート給送装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
  12. 請求項11に記載の画像形成装置において、
    前記シート給送装置は、手差しトレイに載置されたシートを給送する手差しシート給送装置であることを特徴とする画像形成装置。
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