JP7263749B2 - マルチピースソリッドゴルフボール - Google Patents

マルチピースソリッドゴルフボール Download PDF

Info

Publication number
JP7263749B2
JP7263749B2 JP2018229798A JP2018229798A JP7263749B2 JP 7263749 B2 JP7263749 B2 JP 7263749B2 JP 2018229798 A JP2018229798 A JP 2018229798A JP 2018229798 A JP2018229798 A JP 2018229798A JP 7263749 B2 JP7263749 B2 JP 7263749B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
area
hardness
core
sphere
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018229798A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020089633A (ja
Inventor
英郎 渡邊
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Sports Co Ltd
Original Assignee
Bridgestone Sports Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Sports Co Ltd filed Critical Bridgestone Sports Co Ltd
Priority to JP2018229798A priority Critical patent/JP7263749B2/ja
Priority to US16/690,240 priority patent/US20200179767A1/en
Publication of JP2020089633A publication Critical patent/JP2020089633A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7263749B2 publication Critical patent/JP7263749B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A63SPORTS; GAMES; AMUSEMENTS
    • A63BAPPARATUS FOR PHYSICAL TRAINING, GYMNASTICS, SWIMMING, CLIMBING, OR FENCING; BALL GAMES; TRAINING EQUIPMENT
    • A63B37/00Solid balls; Rigid hollow balls; Marbles
    • A63B37/0003Golf balls
    • A63B37/007Characteristics of the ball as a whole
    • A63B37/0072Characteristics of the ball as a whole with a specified number of layers
    • A63B37/0076Multi-piece balls, i.e. having two or more intermediate layers
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A63SPORTS; GAMES; AMUSEMENTS
    • A63BAPPARATUS FOR PHYSICAL TRAINING, GYMNASTICS, SWIMMING, CLIMBING, OR FENCING; BALL GAMES; TRAINING EQUIPMENT
    • A63B37/00Solid balls; Rigid hollow balls; Marbles
    • A63B37/0003Golf balls
    • A63B37/0022Coatings, e.g. paint films; Markings
    • A63B37/00222Physical properties, e.g. hardness
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A63SPORTS; GAMES; AMUSEMENTS
    • A63BAPPARATUS FOR PHYSICAL TRAINING, GYMNASTICS, SWIMMING, CLIMBING, OR FENCING; BALL GAMES; TRAINING EQUIPMENT
    • A63B37/00Solid balls; Rigid hollow balls; Marbles
    • A63B37/0003Golf balls
    • A63B37/007Characteristics of the ball as a whole
    • A63B37/0077Physical properties
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A63SPORTS; GAMES; AMUSEMENTS
    • A63BAPPARATUS FOR PHYSICAL TRAINING, GYMNASTICS, SWIMMING, CLIMBING, OR FENCING; BALL GAMES; TRAINING EQUIPMENT
    • A63B37/00Solid balls; Rigid hollow balls; Marbles
    • A63B37/0003Golf balls
    • A63B37/007Characteristics of the ball as a whole
    • A63B37/0077Physical properties
    • A63B37/0092Hardness distribution amongst different ball layers
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A63SPORTS; GAMES; AMUSEMENTS
    • A63BAPPARATUS FOR PHYSICAL TRAINING, GYMNASTICS, SWIMMING, CLIMBING, OR FENCING; BALL GAMES; TRAINING EQUIPMENT
    • A63B2102/00Application of clubs, bats, rackets or the like to the sporting activity ; particular sports involving the use of balls and clubs, bats, rackets, or the like
    • A63B2102/32Golf
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A63SPORTS; GAMES; AMUSEMENTS
    • A63BAPPARATUS FOR PHYSICAL TRAINING, GYMNASTICS, SWIMMING, CLIMBING, OR FENCING; BALL GAMES; TRAINING EQUIPMENT
    • A63B37/00Solid balls; Rigid hollow balls; Marbles
    • A63B37/0003Golf balls
    • A63B37/0023Covers
    • A63B37/0029Physical properties
    • A63B37/0033Thickness
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A63SPORTS; GAMES; AMUSEMENTS
    • A63BAPPARATUS FOR PHYSICAL TRAINING, GYMNASTICS, SWIMMING, CLIMBING, OR FENCING; BALL GAMES; TRAINING EQUIPMENT
    • A63B37/00Solid balls; Rigid hollow balls; Marbles
    • A63B37/0003Golf balls
    • A63B37/0038Intermediate layers, e.g. inner cover, outer core, mantle
    • A63B37/004Physical properties
    • A63B37/0045Thickness

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Physical Education & Sports Medicine (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

本発明は、コア、内側包囲層、外側包囲層、中間層及びカバーを具備する5層以上からなるマルチピースソリッドゴルフボールに関する。
従来からプロや上級者向けのゴルフボールとして様々なゴルフボールの開発が行われており、中でも、高ヘッドスピート領域において優位な飛距離性能とアイアンショットやアプローチショットにおけるコントロール性を両立させる点から、コアを被覆する各被覆層の硬度関係を適正化した機能を備えたマルチピースソリッドゴルフボールが普及している。また、飛び性能だけでなく、打撃時の感触(打感)やクラブ打撃後のボールのスピン量が、ボールをコントロールするのに大きく影響を及ぼすことから、これらを最適なものに仕上げるために、ゴルフボールの各層の厚さや硬度を適正化することも重要テーマの一つである。更に、ゴルフボールを各種クラブで繰り返し打撃することに起因する、繰り返し打撃耐久性や、ボール表面に観察されるササクレの発生の抑制(耐擦過傷性の向上)なども要求されており、ボールをできるだけ外的要因から保護する側面もボールを開発する上で重要テーマの一つである。
ボール構造における各層を4層とし、即ち、コアを被覆する被覆層として、包囲層、中間層及びカバー(最外層)の3層とし、ボール構造を多層に内部変化させるゴルフボールの技術としては、例えば、米国特許第7335115号明細書、同第7918749号明細書、同第8764584号明細書、同第9174093号明細書などが挙げられる。
また、ボール構造における各層を5層とし、即ち、コアを被覆する被覆層として、内側包囲層、外側包囲層、中間層及びカバー(最外層)の4層とし、これらの硬度関係を、コア表面硬度<内側包囲層硬度<外側包囲層硬度<中間層硬度>カバー硬度 として、ボール構造を多層に内部変化させるゴルフボールの技術としては、例えば、米国特許第7749108号明細書、同第7445567号明細書、同第7637826号明細書及び同第8371960号明細書などが挙げられる。その他の5層以上のゴルフボールとしては、例えば、米国特許第8357060号明細書や同第8979677号明細書などが挙げられる。
しかしながら、上記提案のゴルフボールは、コアの硬度分布や各層との厚さ関係の最適化においては未だ改善の余地がある。つまり、プロや上級者の対象向けのゴルフボール製品として、より一層改善された飛び性能や良好な打感を得るうえで改良する余地が未だ残されている。
米国特許第7335115号明細書 米国特許第7918749号明細書 米国特許第8764584号明細書 米国特許第9174093号明細書 米国特許第7749108号明細書 米国特許第7445567号明細書 米国特許第7637826号明細書 米国特許第8371960号明細書 米国特許第8357060号明細書 米国特許第8979677号明細書
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、プロや上級者が満足し得る飛びが得られ、アプローチ時のコントロール性に優れると共に、良好な打感も得られるものであり、且つ、耐擦過傷性に優れたマルチピースソリッドゴルフボールを提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、コア、包囲層、中間層及びカバーを具備するゴルフボールについて、基材ゴムを主材としてコアを形成し、包囲層,中間層及びカバーの各層を同種又は異種の樹脂材料により形成するとともに、包囲層を内側層及び外側層の2層に形成するように構成し、これらの各層の表面硬度関係を、下記式、
コア中心硬度<コア表面硬度<内側包囲層被覆球体の表面硬度>外側包囲層被覆球体の表面硬度<中間層被覆球体の表面硬度>ボール表面硬度
を満足するようにマルチピースソリッドゴルフボールを作製したところ、ドライバー(W#1)ショット時のスピン量を抑制し、高い実打初速が得られることにより良好な飛距離が得られると共に、ショートゲームにおけるアプローチショット時のスピン量を適正化してコントロール性能が高くなり、上記のドライバー(W#1)ショット時の打感が硬すぎない良好な打感となることを知見し、本発明をなすに至ったものである。
即ち、本発明のゴルフボールは、ドライバー(W#1)で打撃した際のボールのスピン量を抑えることができ、また高い実打初速が出ることにより、良好な飛距離が得られるものである。ゴルフボールの設計においては、通常、飛距離優位にすると打感が硬くなり過ぎる傾向があるが、本発明では、多層構造のゴルフボールであって各層の被覆球体の表面硬度を特定することにより、良好な飛距離と打感とを両立させたものであり、特に、プロや上級者向けのボールとして最適である。なお、本発明では、ショートゲームにおける高いコントロール性と優れた耐擦過傷性とを十分に両立させるためには、最外層の材料としては、柔軟かつ高耐久性のあるウレタン樹脂材料を用いることが好適である。
従って、本発明は、下記のマルチピースソリッドゴルフボールを提供する。
1.コア、包囲層、中間層及びカバーを具備するマルチピースソリッドゴルフボールであって、上記コアは基材ゴムを主材として形成され、上記包囲層,中間層及びカバーの各層は、樹脂材料により形成され、上記包囲層は内側層及び外側層の2層に形成されると共に、上記コアの中心硬度及び表面硬度と、該コアを内側包囲層で被覆した球体(内側包囲層被覆球体)の表面硬度と、該内側包囲層被覆球体を外側包囲層で被覆した球体(外側包囲層被覆球体)と、該外側包囲層被覆球体を中間層で被覆した球体(中間層被覆球体)の表面硬度と、ボールの表面硬度とが、下記式
コア中心硬度<コア表面硬度<内側包囲層被覆球体の表面硬度>外側包囲層被覆球体の表面硬度<中間層被覆球体の表面硬度>ボール表面硬度
の関係を満たし、且つ、上記コアの硬度分布において、コアの中心のショアC硬度をCc、コアの表面のショアC硬度をCs、コアの中心と表面との中点MのショアC硬度をC M 、中点Mからコア表面側に2.5mm、5.0mm及び7.5mmの位置のショアC硬度をそれぞれ、C M+2.5 、C M+5.0 及びC M+7.5 とし、中点Mからコア中心側に2.5mm、5.0mm及び7.5mmの位置のショアC硬度をそれぞれ、C M-2.5 、C M-5.0 及びC M-7.5 としたとき、下記の面積A~F
・面積A:1/2×2.5×(C M-5.0 -C M-7.5 )、
・面積B:1/2×2.5×(C M-2.5 -C M-5.0 )、
・面積C:1/2×2.5×(C M -C M-2.5 )、
・面積D:1/2×2.5×(C M+2.5 -C M )、
・面積E:1/2×2.5×(C M+5 -C M+2.5 )、及び
・面積F:1/2×2.5×(C M+7.5 -C M+5
について、(面積D+面積E+面積F)-(面積A+面積B+面積C)≧3 を満たすことを特徴とするマルチピースソリッドゴルフボール。
2.コア、包囲層、中間層及びカバーを具備するマルチピースソリッドゴルフボールであって、上記コアは基材ゴムを主材として形成され、上記包囲層,中間層及びカバーの各層は、樹脂材料により形成され、上記包囲層は内側層及び外側層の2層に形成されると共に、上記コアの中心硬度及び表面硬度と、該コアを内側包囲層で被覆した球体(内側包囲層被覆球体)の表面硬度と、該内側包囲層被覆球体を外側包囲層で被覆した球体(外側包囲層被覆球体)と、該外側包囲層被覆球体を中間層で被覆した球体(中間層被覆球体)の表面硬度と、ボールの表面硬度とが、下記式
コア中心硬度<コア表面硬度<内側包囲層被覆球体の表面硬度>外側包囲層被覆球体の表面硬度<中間層被覆球体の表面硬度>ボール表面硬度
の関係を満たし、且つ、上記包囲層,中間層及びカバーの各層の厚さについて、下記の式
[内側包囲層と外側包囲層との合計厚さ(mm)]-[中間層とカバーとの合計厚さ(mm)]≧0.1
を満たすことを特徴とするマルチピースソリッドゴルフボール。
3.上記コア硬度分布の面積A~Eについて、(面積D+面積E)-(面積A+面積B+面積C)≧0 を満たす上記記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
4.上記コア硬度分布の面積A~Fについて、0.15≦〔(面積D+面積E+面積F)-(面積A+面積B+面積C)〕/(Cs-Cc)≦0.6 を満たす上記1又は3記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
5.上記コア硬度分布の面積B~Eについて、面積B<面積C≦面積D<面積E を満たす上記1、3又は4記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
6.上記包囲層の厚さについて、内側包囲層の厚さ≧外側包囲層の厚さ を満たす上記1~5のいずれかに記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
7.上記外側包囲層及び中間層の厚さについて、中間層の厚さ≧外側包囲層の厚さ を満たす上記1~6のいずれかに記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
.上記カバー表面には塗膜層が形成され、該塗膜層の硬度がショアC硬度で40~80である上記1~のいずれかに記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
.上記塗膜層のショアC硬度をHcとするとき、上記コアの中心と表面との中点MのショアC硬度CMとHcとの差(CM-Hc)が-10以上10以下である上記記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
10.コア、内側包囲層、外側包囲層、中間層及びカバーを具備するマルチピースソリッドゴルフボールであって、上記コアの表面硬度と、該コアを内側包囲層で被覆した球体(内側包囲層被覆球体)の表面硬度と、該内側包囲層被覆球体を外側包囲層で被覆した球体(外側包囲層被覆球体)と、該外側包囲層被覆球体を中間層で被覆した球体(中間層被覆球体)の表面硬度と、ボールの表面硬度とが、下記式
コア表面硬度<内側包囲層被覆球体,外側包囲層被覆球体及び中間層被覆球体の各球体の表面硬度>ボール表面硬度
(但し、外側包囲層被覆球体の表面硬度がショアD硬度で60以下であり、中間層被覆球体の表面硬度がショアD硬度で66以上である。)
の関係を満たすと共に、上記コアの硬度分布において、コアの中心のショアC硬度をCc、コアの表面のショアC硬度をCs、コアの中心と表面との中点MのショアC硬度をCM、中点Mからコア表面側に2.5mm、5.0mm及び7.5mmの位置のショアC硬度をそれぞれ、CM+2.5、CM+5.0及びCM+7.5とし、中点Mからコア中心側に2.5mm、5.0mm及び7.5mmの位置のショアC硬度をそれぞれ、CM-2.5、CM-5.0及びCM-7.5としたとき、下記の面積A~F
・面積A:1/2×2.5×(CM-5.0-CM-7.5)、
・面積B:1/2×2.5×(CM-2.5-CM-5.0)、
・面積C:1/2×2.5×(CM-CM-2.5)、
・面積D:1/2×2.5×(CM+2.5-CM)、
・面積E:1/2×2.5×(CM+5-CM+2.5)、及び
・面積F:1/2×2.5×(CM+7.5-CM+5
について、(面積D+面積E+面積F)-(面積A+面積B+面積C)≧6 を満たすことを特徴とするマルチピースソリッドゴルフボール。
11.上記コア硬度分布の面積A~Fについて、0.15≦〔(面積D+面積E+面積F)-(面積A+面積B+面積C)〕/(Cs-Cc)≦0.6 を満たす上記10記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
12.上記カバー表面には塗膜層が形成され、該塗膜層のショアC硬度をHcとするとき、上記コアの中心と表面との中点MのショアC硬度CMとHcとの差(CM-Hc)が-10以上10以下である上記10又は11記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
本発明のマルチピースソリッドゴルフボールによれば、ドライバーによるフルショット時におけるボールを低スピン化させ、更なるボールの飛距離の増大と良好なアプローチ時のコントロール性を有し、打感が良く、耐擦過傷性に優れており、プロや上級者向けのゴルフボールとして非常に有用な多層構造ゴルフボールである。
本発明のマルチピースソリッドゴルフボール(5層構造)の概略断面図である。 コア硬度分布の面積A~Fを説明するために、実施例1のコア硬度分布データを用いて説明した概略図である。
以下、本発明につき、更に詳しく説明する。
本発明のマルチピースソリッドゴルフボールは、図1に示されているように、コア1と、該コアを被覆する内側包囲層2a及び外側包囲層2bと、該包囲層を被覆する中間層3と、該中間層を被覆するカバー4とを有する4層又はそれ以上の多層を有するゴルフボールGである。上記カバー4の表面には、通常、ディンプルDが多数形成される。また、カバー4の表面には、特に図示していないが、通常、塗装による塗膜層が形成される。上記カバー4は、塗膜層を除き、ゴルフボールの層構造での最外層に位置するものである。上記コア1、中間層3及びカバー4は、それぞれ単層に限られず2層以上の複数層に形成することができる。
コアの直径は、好ましくは30.0mm以上、より好ましくは31.0mm以上、更に好ましくは31.5mm以上であり、上限としては、好ましくは35.0mm以下、より好ましくは34.0mm以下、更に好ましくは33.5mm以下である。コアの直径が小さすぎると、ドライバー(W#1)打撃時にスピンが多くなり、狙いの飛距離が得られなくなることがある。一方、コアの直径が大きすぎると、繰り返し打撃耐久性が悪くなり、または打感が悪くなることがある。
コアに対して、初期荷重98N(10kgf)から終荷重1,275N(130kgf)を負荷したときまでのたわみ量(mm)は、特に制限はないが、好ましくは3.0mm以上、より好ましくは3.5mm以上、更に好ましくは4.0mm以上であり、上限値として、好ましくは7.0mm以下、より好ましくは6.0mm以下、更に好ましくは5.0mm以下である。上記コアのたわみ量が小さすぎる、即ち、コアが硬すぎると、ボールのスピンが増えすぎて飛ばなくなったり、打感が硬くなりすぎることがある。一方、上記コアのたわみ量が大きすぎる、即ち、コアが軟らかすぎると、ボールの反発性が低くなりすぎて飛ばなくなったり、打感が軟らかくなりすぎ、あるいは繰り返し打撃時の割れ耐久性が悪くなることがある。
コアの材料としては、ゴム材を主材として用いる。具体的には、基材ゴムを主体とし、これに、共架橋剤、有機過酸化物、不活性充填剤、有機硫黄化合物等を配合させてゴム組成物を作成することができる。基材ゴムとしては、ポリブタジエンを用いることが好ましい。
ポリブタジエンの種類としては、市販品を用いることができ、例えば、BR01、BR51、BR730(JSR社製)などが挙げられる。また、基材ゴム中のポリブダジエンの割合は、好ましくは60質量%以上であり、より好ましくは80質量%以上である。上記基材ゴムには、上記ポリブタジエン以外にも他のゴム成分を本発明の効果を損なわない範囲で配合し得る。上記ポリブタジエン以外のゴム成分としては、上記ポリブタジエン以外のポリブタジエン、その他のジエンゴム、例えばスチレンブタジエンゴム、天然ゴム、イソプレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム等を挙げることができる。
共架橋剤としては、例えば不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸の金属塩等が挙げられる。不飽和カルボン酸として具体的には、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸等を挙げることができ、特にアクリル酸、メタクリル酸が好適に用いられる。不飽和カルボン酸の金属塩としては特に限定されるものではないが、例えば上記不飽和カルボン酸を所望の金属イオンで中和したものが挙げられる。具体的にはメタクリル酸、アクリル酸等の亜鉛塩やマグネシウム塩等が挙げられ、特にアクリル酸亜鉛が好適に用いられる。
上記不飽和カルボン酸及び/又はその金属塩は、上記基材ゴム100質量部に対し、通常5質量部以上、好ましくは9質量部以上、更に好ましくは13質量部以上、上限として通常60質量部以下、好ましくは50質量部以下、更に好ましくは40質量部以下配合する。配合量が多すぎると、硬くなりすぎて耐え難い打感になる場合があり、配合量が少なすぎると、反発性が低下してしまう場合がある。
上記有機過酸化物としては市販品を用いることができ、例えば、パークミルD(日本油脂(株)製)、パーヘキサC-40、パーヘキサ3M(日本油脂(株)製)、Luperco 231XL(アトケム社製)等を好適に用いることができる。これらは1種を単独であるいは2種以上を併用してもよい。有機過酸化物の配合量は、上記基材ゴム100質量部に対し、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.3質量部以上、更に好ましくは0.5質量部以上、最も好ましくは0.6質量部以上であり、上限として、好ましくは5質量部以下、より好ましくは4質量部以下、更に好ましくは3質量部以下、最も好ましくは2.5質量部以下配合する。配合量が多すぎたり、少なすぎたりすると好適な打感、耐久性及び反発性を得ることができない場合がある。
そのほか、基材ゴムに配合される配合剤として、不活性充填剤が挙げられ、例えば、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等を好適に用いることができる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。不活性充填剤の配合量は、上記基材ゴム100質量部に対し、好ましくは1質量部以上、より好ましくは5質量部以上、上限として好ましくは50質量部以下、より好ましくは40質量部以下、更に好ましくは36質量部以下とする。配合量が多すぎたり、少なすぎたりすると適正な質量、及び好適な反発性を得ることができない場合がある。
更に、必要に応じて老化防止剤を配合することができ、例えば、市販品としてはノクラックNS-6、同NS-30(大内新興化学工業(株)製)、ヨシノックス425(吉富製薬(株)製)等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
該老化防止剤の配合量は上記基材ゴム100質量部に対し、好ましくは0質量部以上、更に好ましくは0.05質量部以上、特に好ましくは0.1質量部以上、上限として好ましくは3質量部以下、更に好ましくは2質量部以下、特に好ましくは1質量部以下、最も好ましくは0.5質量部以下とする。配合量が多すぎたり、少なすぎたりすると好適な反発性、耐久性を得ることができない場合がある。
また、上記コアには、良好な反発性付与させるために、有機硫黄化合物を配合することができる。有機硫黄化合物としては、ゴルフボールの反発性を向上させ得るものであれば特に制限されないが、例えばチオフェノール類、チオナフトール類、ハロゲン化チオフェノール類又はそれらの金属塩等が挙げられる。より具体的には、ペンタクロロチオフェノール、ペンタフルオロチオフェノール、ペンタブロモチオフェノール、パラクロロチオフェノール、ペンタクロロチオフェノールの亜鉛塩、ペンタフルオロチオフェノールの亜鉛塩、ペンタブロモチオフェノールの亜鉛塩、パラクロロチオフェノールの亜鉛塩、硫黄数が2~4のジフェニルポリスルフィド、ジベンジルポリスルフィド、ジベンゾイルポリスルフィド、ジベンゾチアゾイルポリスルフィド、ジチオベンゾイルポリスルフィド等が挙げられ、特に、ペンタクロロチオフェノールの亜鉛塩が好適に用いられる。有機硫黄化合物の配合量は、上記基材ゴム100質量部に対し、好ましくは0質量部以上、より好ましくは0.05質量部以上、更に好ましくは0.1質量部以上、上限として、好ましくは5質量部以下、より好ましくは3質量部以下、更に好ましくは2.5質量部以下であることが推奨される。配合量が多すぎると、反発性(特に、W#1による打撃)の改良効果がそれ以上期待できなくなり、コアが軟らかくなりすぎ、または打感が悪くなる場合がある。一方、配合量が少なすぎると、反発性の改善効果が期待できなくなる。
更に詳述すれば、上記のコア材料に直接的に水(水を含む材料)を配合することにより、コア配合中の有機過酸化物の分解を促進することができる。また、コア用ゴム組成物中の有機過酸化物は、温度によって分解効率が変化することが知られており、ある温度よりも高温になるほど分解効率が上がる。温度が高すぎると、分解したラジカル量が多くなりすぎてしまい、ラジカル同士で再結合や不活性化してしまうことになる。その結果、架橋に有効に働くラジカルが減ることになる。ここで、コア加硫の際に有機過酸化物が分解することで分解熱が発生するとき、コア表面付近は加硫モールドの温度とほぼ同程度を維持しているが、コア中心付近は外側から分解していった有機過酸化物の分解熱が蓄積されるため、モールド温度よりもかなり高温になる。コアに直接的に水(水を含む材料)を配合した場合、水は有機過酸化物の分解を助長する働きがあるため、上述したようなラジカル反応をコア中心とコア表面において変化させることができる。即ち、コア中心付近では有機過酸化物の分解が更に助長され、ラジカルの不活性化がより促されることで有効ラジカル量が更に減少するため、コア中心とコア表面との架橋密度が大きく異なるコアを得ることができ、且つ、コア中心部の動的粘弾性特性の異なるコアを得ることができる。
上記のコア材料に配合される水については、特に制限はなく、蒸留水であっても水道水であってもよいが、特には、不純物を含まない蒸留水を使用することが好適に採用される。水の配合量は、基材ゴム100質量部に対して、0.1質量部以上配合することが好ましく、より好ましくは0.3質量部以上であり、上限としては、好ましくは5質量部以下であり、より好ましくは4質量部以下である。
上記コアは、上記各成分を含有するゴム組成物を加硫硬化させることにより製造することができる。例えば、バンバリーミキサーやロール等の混練機を用いて混練し、コア用金型を用いて圧縮成形又は射出成型し、有機過酸化物や共架橋剤が作用するのに十分な温度として、100~200℃、好ましくは140~180℃、10~40分の条件にて成形体を適宜加熱することにより、該成形体を硬化させて製造することができる。
また、上記コアは単層のみならず、内層コア及び外層コアの2層に形成することができる。コアを内層コア及び外層コアの2層に形成する場合、内層及び外層コアの材料としては、いずれも上述したゴム材を主材として用いることができる。また、内層コアを被覆する外層コアのゴム材は、内層コアの材料と同種であっても異種であってもよい。具体的には、上記コアのゴム材料の各成分で説明したのと同様である。
次に、上記コアの硬度分布については説明する。なお、以下に説明するコアの硬度はショアC硬度を意味する。このショアC硬度は、ASTM D2240規格に準拠したショアC硬度計にて計測した硬度値である。
上記コアの中心硬度(Cc)は、好ましくは50以上、より好ましくは52以上、さらに好ましくは54以上であり、その上限値は、好ましくは59以下、より好ましくは57以下、さらに好ましくは55以下である。この値が大きすぎると、打感が硬くなり、あるいはフルショットでスピンが増えて狙いの飛距離が得られない場合がある。一方、上記値が小さすぎると、反発性が低くなり飛ばなくなり、あるいは繰り返し打撃した時の割れ耐久性が悪くなることがある。
上記コアの表面硬度(Cs)は、好ましくは73以上、より好ましくは75以上、さらに好ましくは77以上であり、その上限値は、好ましくは85以下、より好ましくは83以下、さらに好ましくは81以下である。これらの硬度を逸脱した場合、上記コアの中心硬度(Cc)で説明したのと同様の不利な結果を招くおそれがある。
コアの表面硬度(Cs)とコアの中心硬度(Cc)との差は、好ましくは20以上、より好ましくは22以上、さらに好ましくは24以上であり、上限値として、好ましくは35以下、より好ましくは32以下、さらに好ましくは28以下である。この値が小さすぎると、ドライバーショットした時のボールの低スピン効果が足りずに飛距離が出なくなることがある。上記値が大きすぎると、実打した時のボール初速が低くなり飛距離が出なくなり、あるいは繰り返し打撃した際の割れ耐久性が悪くなることがある。
本発明における上記コア硬度分布においては、コアの中心のショアC硬度をCc、コアの表面のショアC硬度をCs、コアの中心と表面との中点MのショアC硬度をCM、中点Mからコア表面側に2.5mm、5.0mm及び7.5mmの位置のショアC硬度をそれぞれ、CM+2.5、CM+5.0及びCM+7.5とし、中点Mからコア中心側に2.5mm、5.0mm及び7.5mmの位置のショアC硬度をそれぞれ、CM-2.5、CM-5.0及びCM-7.5としたとき、下記の式から計算される面積A~F
・面積A:1/2×2.5×(CM-5.0-CM-7.5)、
・面積B:1/2×2.5×(CM-2.5-CM-5.0)、
・面積C:1/2×2.5×(CM-CM-2.5)、
・面積D:1/2×2.5×(CM+2.5-CM)、
・面積E:1/2×2.5×(CM+5-CM+2.5)、及び
・面積F:1/2×2.5×(CM+7.5-CM+5
について、(面積D+面積E+面積F)-(面積A+面積B+面積C)が後述する特定範囲を満たすことが好適である。なお、図2には、実施例1のコア硬度分布データを用いて面積A~Fを説明した概略図を示す。このように面積A~Fは、各特定距離の差を底辺とし、各位置硬度の差を高さに持つ各三角形の面積である。
上記の(面積D+面積E+面積F)-(面積A+面積B+面積C)の下限値としては、好ましくは3以上であり、より好ましくは4以上、さらに好ましくは6以上である。この上限値は、20以下とすることが好ましく、より好ましくは15以下、さらに好ましくは10以下である。上記の値が小さすぎると、ドライバー(W#1)打撃時の低スピン効果が足りずに飛距離が出なくなることがある。上記の値が大きすぎると、実打初速が低くなり飛距離が出なくなり、あるいは繰り返し打撃の際の割れ耐久が悪くなることがある。
また、上記コア硬度分布においては、下記式
0.15≦〔(面積D+面積E+面積F)-(面積A+面積B+面積C)〕/(Cs-Cc)≦0.60 を満たすことが好適であり、この値の下限値として、より好ましくは0.20以上、さらに好ましくは0.25以上であり、上限としては、より好ましくは0.50以下、さらに好ましくは0.40以下である。上記の値が小さすぎると、ドライバー(W#1)打撃時の低スピン効果が足りずに飛距離が出なくなることがある。上記の値が大きすぎると、実打初速が低くなり飛距離が出なくなったり、繰り返し打撃の際の割れ耐久性が悪くなることがある。
さらに、上記コア硬度分布においては、下記式
-2≦(面積D+面積E)-(面積A+面積B+面積C)≦8
を満たすことが好適であり、この値の下限値として、より好ましくは0以上であり、さらに好ましくは1以上である。上限値としては、より好ましくは6以下、さらに好ましくは4以下である。上記の値が小さすぎると、ドライバー(W#1)打撃時の低スピン効果が足りずに飛距離が出なくなることがある。上記の値が大きすぎると、実打初速が低くなり飛距離が出なくなったり、繰り返し打撃の際の割れ耐久性が悪くなることがある。
上記コア硬度分布の面積B~Eについては、面積B<面積C≦面積D<面積E を満たすことが好適である。そうでない場合は、ドライバー(W#1)打撃時の低スピン効果が足りずに飛距離が出なくなることがある。
次に、包囲層について説明する。
本発明では、包囲層は、内側層及び外側層の2層に形成される。以下、それぞれ内側包囲層及び外側包囲層と呼ぶ。
内側包囲層の材料硬度は、特に制限はないが、ショアD硬度で、好ましくは46以上、より好ましくは48以上、さらに好ましくは50以上であり、上限値として、好ましくは60以下、より好ましくは58以下、さらに好ましくは56以下である。また、コアを内側包囲層で被覆した球体(内側包囲層被覆球体)の表面硬度は、ショアD硬度で、好ましくは52以上、より好ましくは54以上、さらに好ましくは56以上であり、上限値としては、好ましくは66以下、より好ましくは64以下、さらに好ましくは62以下である。これらの内側包囲層の材料硬度及び表面硬度が上記範囲よりも軟らかすぎると、フルショット時のボールのスピン量が増え、狙いの飛距離が得られなくなることがある。一方、上記の材料硬度及び表面硬度が硬すぎると、打感が硬くなりすぎ、または繰り返し打撃による割れ耐久性が悪くなることがある。
内側包囲層の厚さは、好ましくは0.8mm以上であり、より好ましくは1.0mm以上、さらに好ましくは1.2mm以上である。一方、内側包囲層の厚さの上限値としては、好ましくは1.8mm以下、より好ましくは1.6mm以下、さらに好ましくは1.4mm以下である。内側包囲層の厚さが上記範囲を逸脱すると、ドライバー(W#1)打撃時の低スピン効果が足りずに飛距離が出なくなることがある。
一方、外側包囲層の材料硬度は、特に制限はないが、ショアD硬度で、好ましくは43以上、より好ましくは45以上、さらに好ましくは47以上であり、上限値として、好ましくは54以下、より好ましくは52以下、さらに好ましくは50以下である。また、上記内側包囲層被覆球体を外側包囲層で被覆した球体(外側包囲層被覆球体)の表面硬度は、ショアD硬度で、好ましくは49以上、より好ましくは51以上、さらに好ましくは53以上であり、上限値としては、好ましくは60以下、より好ましくは58以下、さらに好ましくは56以下である。これらの外側包囲層の材料硬度及び表面硬度が上記範囲よりも軟らかすぎると、フルショット時のボールのスピン量が増え、狙いの飛距離が得られなくなることがある。一方、上記の材料硬度及び表面硬度が硬すぎると、打感が硬くなりすぎ、または繰り返し打撃による割れ耐久性が悪くなることがある。
外側包囲層の厚さは、好ましくは0.8mm以上であり、より好ましくは1.0mm以上、さらに好ましくは1.1mm以上である。一方、外側包囲層の厚さの上限値としては、好ましくは1.7mm以下、より好ましくは1.5mm以下、さらに好ましくは1.3mm以下である。外側包囲層の厚さが上記範囲を逸脱すると、ドライバー(W#1)打撃時の低スピン効果が足りずに飛距離が出なくなることがある。
上記内側包囲層及び上記外側包囲層の材料については、特に制限はないが、公知の樹脂を用いることができ、特に好ましい材料の例としては、下記(A)~(D)成分、
(a-1)オレフィン-不飽和カルボン酸2元ランダム共重合体及び/又はオレフィン-不飽和カルボン酸2元ランダム共重合体の金属イオン中和物と、
(a-2)オレフィン-不飽和カルボン酸-不飽和カルボン酸エステル3元ランダム共重合体及び/又はオレフィン-不飽和カルボン酸-不飽和カルボン酸エステル3元ランダム共重合体の金属イオン中和物とを
質量比で100:0~0:100になるように配合した(A)ベース樹脂と、
(B)非アイオノマー熱可塑性エラストマーとを質量比で100:0~50:50になるように配合した樹脂成分100質量部に対して、
(C)分子量が228~1500の脂肪酸及び/又はその誘導体 5~120質量部と、
(D)上記(A)成分及び(C)成分中の未中和の酸基を中和できる塩基性無機金属化合
物 0.1~17質量部
とを必須成分として配合してなる樹脂組成物を例示することができる。
上記(A)~(D)成分については、例えば、特開2010-253268号公報に記載される中間層の樹脂材料(A)~(D)成分を好適に採用することができる。
上記内側包囲層及び上記外側包囲層を形成する樹脂材料は、互いに同種であっても異種であってもよい。
なお、上記内側包囲層及び上記外側包囲層の各材料には、非アイオノマー熱可塑性エラストマーを配合することができる。非アイオノマー熱可塑性エラストマーの配合量は、上記ベース樹脂の合計量100質量部に対して、0~50質量部配合することが好適である。
上記の非アイオノマー熱可塑性エラストマーとしては、例えば、ポリオレフィン系エラストマー(ポリオレフィン、メタロセンポリオレフィンを含む)、ポリスチレン系エラストマー、ジエン系ポリマー、ポリアクリレート系ポリマー、ポリアミド系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアセタールなどが挙げることができる。
上記の樹脂材料には、任意の添加剤を用途に応じて適宜配合することができる。例えば、顔料,分散剤,老化防止剤,紫外線吸収剤,光安定剤などの各種添加剤を加えることができる。これら添加剤を配合する場合、その配合量としては、上記ベース樹脂の総和100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上、上限として、好ましくは10質量部以下、より好ましくは4質量部以下である。
次に、中間層について説明する。
中間層の材料硬度は、特に制限はないが、ショアD硬度で、好ましくは60以上、より好ましくは63以上、さらに好ましくは65以上であり、上限値として、好ましくは72以下、より好ましくは70以下、さらに好ましくは68以下である。また、上記外側包囲層被覆球体を中間層で被覆した球体(中間層被覆球体)の表面硬度は、ショアD硬度で、好ましくは66以上、より好ましくは69以上、さらに好ましくは71以上であり、上限値としては、好ましくは78以下、より好ましくは76以下、さらに好ましくは74以下である。これらの中間層の材料硬度及び表面硬度が上記範囲よりも軟らかすぎると、フルショット時のボールの反発性が足りなかったりスピン量が増えすぎて飛距離が出なくなることがある。上記の材料硬度及び表面硬度が硬すぎると、繰り返し打撃による割れ耐久性が悪くなり、あるいは打感が硬くなりすぎることがある。
中間層の厚さは、好ましくは0.8mm以上であり、より好ましくは1.0mm以上、さらに好ましくは1.1mm以上である。一方、中間層の厚さの上限値としては、好ましくは1.7mm以下、より好ましくは1.5mm以下、さらに好ましくは1.3mm以下である。中間層の厚さは、後述するカバー(最外層)よりも厚くすることが好適である。中間層の厚さが上記範囲を逸脱したり、カバーよりも薄く形成すると、ドライバー(W#1)打撃時の低スピン効果が足りずに飛距離が出なくなることがある。
中間層の材料については、ゴルフボール材料として使用される各種の熱可塑性樹脂、特にアイオノマー樹脂を採用することが好適であり、アイオノマー樹脂としては市販品を用いることができる。また、中間層の樹脂材料として、市販品のアイオノマー樹脂のうち酸含量16質量%以上の高酸含量アイオノマー樹脂を通常のアイオノマー樹脂にブレンドして用いることもでき、このブレンドにより高反発性且つ低スピン化によるドライバー(W#1)打撃時の飛距離を良好に得ることができる。
高酸含量アイオノマー樹脂に含まれる不飽和カルボン酸の含量(酸含量)は通常16質量%以上であり、好ましくは17質量%以上、より好ましくは18質量%以上であり、上限値としては、好ましくは22質量%以下、より好ましくは21質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下である。この値が小さすぎると、フルショット時にスピンが増え、狙いの飛距離が得られなくなることがある。逆に、上記の値が大きすぎると、打感が硬くなりすぎ、或いは繰り返し打撃時の割れ耐久性が悪くなることがある。
また、高酸含量アイオノマー樹脂が樹脂材料100質量%に対して、好ましくは10質量%以上、より好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは60質量%以上である。上記の高酸含量アイオノマー樹脂の配合量が少なすぎると、ドライバー(W#1)打撃時にスピンが多くなり、飛距離が出なくなることがある。
中間層材料には、任意の添加剤を用途に応じて適宜配合することができる。例えば、顔料,分散剤,老化防止剤,紫外線吸収剤,光安定剤などの各種添加剤を加えることができる。これら添加剤を配合する場合、その配合量としては、基材樹脂100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上、上限として、好ましくは10質量部以下、より好ましくは4質量部以下である。
中間層材料については、後述するカバー材で好適に用いられるポリウレタンとの密着度を高めるために中間層表面を研磨することが好適である。更に、その研磨処理の後にプライマー(接着剤)を中間層表面に塗布するか、もしくは材料中に密着強化材を添加することが好ましい。
中間層材料の比重は、通常1.1未満であり、好ましくは0.90~1.05、さらに好ましくは0.93~0.99である。その範囲を逸脱すると、ボール全体の反発が低くなり飛距離が出なくなり、または繰り返し打撃による割れ耐久性が悪くなることがある。
次に、カバー(最外層)について説明する。
カバーの材料硬度は、特に制限はないが、ショアD硬度で、好ましくは35以上、より好ましくは40以上であり、上限値として、好ましくは55以下、より好ましくは53以下、さらに好ましくは50以下である。また、中間層被覆球体をカバーで被覆した球体(ボール被覆球体)の表面硬度は、ショアD硬度で、好ましくは50以上、より好ましくは55以上、さらに好ましくは58以上であり、上限値としては、好ましくは66以下、より好ましくは64以下、さらに好ましくは63以下である。これらのカバーの材料硬度及びボール表面硬度が上記範囲よりも軟らかすぎると、ドライバー(W#1)打撃時にスピン量が増加し、飛距離が出なくなることがある。上記の材料硬度及び表面硬度が硬すぎると、ショートゲームにおけるコントロール性が悪くなり、あるいは耐擦擦過傷性が悪くなることがある。
カバーの厚さは、好ましくは0.3mm以上であり、より好ましくは0.45mm以上、さらに好ましくは0.6mm以上である。一方、カバーの厚さの上限値としては、好ましくは1.2mm以下、より好ましくは1.0mm以下、さらに好ましくは0.8mm以下である。また、上記カバーの厚さは、上記中間層より薄いことが好適である。上記カバーの厚さが上記範囲を逸脱したり、中間層より厚くなると、ドライバー(W#1)打撃時の低スピン効果が足りずに飛距離が出なくなることがある。
上記カバーの材料としては、ゴルフボールのカバー材で使用される各種の熱可塑性樹脂を使用することができるが、コントロール性と耐擦過傷性の観点から、ウレタン樹脂を好適に使用することができる。特に、ボール製品の量産性の観点から、熱可塑性ポリウレタンを主体としたものを使用することが好適であり、より好ましくは、(I)熱可塑性ポリウレタン及び(II)ポリイソシアネート化合物を主成分とする樹脂配合物により形成することができる。
上記の(I)成分と(II)成分とを合わせた合計質量が、カバーの樹脂組成物全量に対して、60%以上であることが推奨され、より好ましくは、70%以上である。上記(I)成分及び(II)成分については以下に詳述する。
上記(I)熱可塑性ポリウレタンについて述べると、その熱可塑性ポリウレタンの構造は、長鎖ポリオールである高分子ポリオール(ポリメリックグリコール)からなるソフトセグメントと、鎖延長剤およびポリイソシアネート化合物からなるハードセグメントとを含む。ここで、原料となる長鎖ポリオールとしては、従来から熱可塑性ポリウレタンに関する技術において使用されるものはいずれも使用でき、特に制限されるものではないが、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリカーボネートポリオール、ポリオレフィン系ポリオール、共役ジエン重合体系ポリオール、ひまし油系ポリオール、シリコーン系ポリオール、ビニル重合体系ポリオールなどを挙げることができる。これらの長鎖ポリオールは1種類のものを使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらのうちでも、反発弾性率が高く低温特性に優れた熱可塑性ポリウレタンを合成できる点で、ポリエーテルポリオールが好ましい。
鎖延長剤としては、従来の熱可塑性ポリウレタンに関する技術において使用されるものを好適に用いることができ、例えば、イソシアネート基と反応し得る活性水素原子を分子中に2個以上有する分子量400以下の低分子化合物であることが好ましい。鎖延長剤としては、1,4-ブチレングリコール、1,2-エチレングリコール、1,3-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。鎖延長剤としては、これらのうちでも、炭素数2~12の脂肪族ジオールが好ましく、1,4-ブチレングリコールがより好ましい。
ポリイソシアネート化合物としては、従来の熱可塑性ポリウレタンに関する技術において使用されるものを好適に用いることができ、特に制限はない。具体的には、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4-(又は)2,6-トルエンジイソシアネート、p-フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレン1,5-ジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネートからなる群から選択された1種又は2種以上を用いることができる。ただし、イソシアネート種によっては射出成形中の架橋反応をコントロールすることが困難なものがある。本発明においては生産時の安定性と発現される物性とのバランスとの観点から、芳香族ジイソシアネートである4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートが最も好ましい。
具体的な(I)成分の熱可塑性ポリウレタンとして、市販品を用いることもでき、例えば、パンデックスT8295,同T8290,同T8260(いずれもディーアイシーコベストロポリマー社製)などが挙げられる。
必須成分ではないが、上記(I)及び(II)成分に、別の成分である(III)成分として、上記熱可塑性ポリウレタン以外の熱可塑性エラストマーを配合することができる。この(III)成分を上記樹脂配合物に配合することにより、樹脂配合物の更なる流動性の向上や反発性、耐擦過傷性等、ゴルフボールカバー材として要求される諸物性を高めることができる。
上記(I)、(II)及び(III)成分の組成比については、特に制限はないが、本発明の効果を十分に有効に発揮させるためには、質量比で(I):(II):(III)=100:2~50:0~50であることが好ましく、さらに好ましくは、(I):(II):(III)=100:2~30:8~50(質量比)とすることである。
さらに、上記の樹脂配合物には、必要に応じて、上記の熱可塑性ポリウレタンを構成する成分以外の種々の添加剤を配合することができ、例えば顔料、分散剤、酸化防止剤、耐光安定剤、紫外線吸収剤、離型剤等を適宜配合することができる。
上述したコア,内側包囲層,外側包囲層,中間層及びカバー(最外層)の各層を積層して形成されたマルチピースソリッドゴルフボールの製造方法については、公知の射出成形法等の常法により行なうことができる。例えば、コアの周囲に、内側包囲層,外側包囲層,中間層の各材料を順次、それぞれの射出成形用金型で射出して各被覆球体を得、最後に、最外層であるカバーの材料を射出成形することによりマルチピースのゴルフボールを得ることができる。また、各被覆層として、予め半殻球状に成形した2枚のハーフカップで該被覆球体を包み加熱加圧成形することによりゴルフボールを作製することもできる。
各層の硬度関係
本発明では、上記コアの中心硬度及び表面硬度と、該コアを内側包囲層で被覆した球体(内側包囲層被覆球体)の表面硬度と、該内側包囲層被覆球体を外側包囲層で被覆した球体(外側包囲層被覆球体)と、該外側包囲層被覆球体を中間層で被覆した球体(中間層被覆球体)の表面硬度と、ボールの表面硬度とが、下記式
コア中心硬度<コア表面硬度<内側包囲層被覆球体の表面硬度>外側包囲層被覆球体の表面硬度<中間層被覆球体の表面硬度>ボール表面硬度
を満たすことが好適である。上記の硬度関係を満たさないと、ドライバー(W#1)ショット時の飛び性能が十分に得られず、或いは、その際の打感が硬くなるおそれがあり、さらには、アプローチショット時のスピン量が小さくなり、コントロール性能が悪くなるおそれがある。
上記の硬度関係については、更に、ドライバー(W#1)ショット時のスピンを抑え良好な飛距離を確保する点からは、(コア表面硬度)<(包囲層外側表面硬度)を満たすことが好適である。
各層の厚さ関係
本発明では、飛びとショートゲームにおけるコントロール性との両立の点から、(内側・外側)包囲層の厚さについては、(内側包囲層の厚さ)≧(外側包囲層の厚さ)を満たすことが好適であり、特に、内側包囲層が外側包囲層よりも厚くなることが好ましく、さらには内側包囲層が中間層よりも厚くなることが好ましい。
また、外側包囲層及び中間層の厚さについては、(中間層の厚さ)≧(外側包囲層の厚さ)を満たすことが好適であり、特に、中間層が外側包囲層よりも厚くなることが好ましい。
中間層はカバーよりも厚く形成することが好ましいことは上述したとおりであるが、この場合、中間層とカバーとの厚さの差が、0.2mm以上であり、1.2mm以下であることが好適である。上記の範囲を逸脱すると、飛びとショートゲームのコントロール性との両立が達成できない場合がある。
更には、上記包囲層,中間層及びカバーの各層の厚さについて、[内側包囲層と外側包囲層との合計厚さ(mm)]-[中間層とカバーとの合計厚さ(mm)]の値が0.1mm以上となることが好適であり、より好ましくは0.3mm以上、さらに好ましくは0.4mm以上である。上限としては、好ましくは1.0mm以下、より好ましくは0.8mm以下、さらに好ましくは0.6mm以下である。上記の範囲を逸脱すると、飛びとショートゲームのコントロール性との両立が達成できない場合がある。
最外層であるカバーの外表面には多数のディンプルを形成することができる。カバー表面に配置されるディンプルについては、特に制限はないが、好ましくは250個以上、より好ましくは300個以上、さらに好ましくは320個以上であり、上限として、好ましくは380個以下、より好ましくは350個以下、さらに好ましくは340個以下具備することができる。ディンプルの個数が上記範囲より多くなると、ボールの弾道が低くなり、飛距離が低下することがある。逆に、ディンプル個数が少なくなると、ボールの弾道が高くなり、飛距離が伸びなくなる場合がある。
ディンプルの形状については、円形、各種多角形、デュードロップ形、その他楕円形など1種類又は2種類以上を組み合わせて適宜使用することができる。例えば、円形ディンプルを使用する場合には、直径は2.5mm以上6.5mm以下程度、深さは0.08mm以上0.30mm以下とすることができる。
ディンプルがゴルフボールの球面に占めるディンプル占有率、具体的には、ディンプルの縁に囲まれた平面の面縁で定義されるディンプル面積の合計が、ディンプルが存在しないと仮定したボール球面積に占める比率(SR値)については、空気力学特性を十分に発揮し得る点から70%以上90%以下であることが望ましい。また、各々のディンプルの縁に囲まれた平面下のディンプルの空間体積を、前記平面を底面とし、かつこの底面からのディンプルの最大深さを高さとする円柱体積で除した値V0は、ボールの弾道の適正化を図る点から0.35以上0.80以下とすることが好適である。更に、ディンプルの縁に囲まれた平面から下方に形成されるディンプル容積の合計がディンプルが存在しないと仮定したボール球容積に占めるVR値は、0.6%以上1.0%以下とすることが好ましい。上述した各数値の範囲を逸脱すると、良好な飛距離が得られない弾道となり、十分満足した飛距離を出せない場合がある。
カバー表面には塗膜層(コーティング層)を形成することができる。この塗膜層は、各種塗料を用いて塗装することができ、塗料としては、ゴルフボールの過酷な使用状況に耐えうる必要から、ポリオールとポリイソシアネートとからなるウレタン塗料を主成分とする塗料用組成物を用いることが好適である。
上記ポリオール成分としては、アクリル系ポリオールやポリエステルポリオールなどが挙げられる。なお、これらのポリオールには、ポリオールの変性体が含まれ、更に作業性を向上させるため、他のポリオールを追加することもできる。
ポリオール成分としては、2種類のポリエステルポリオールを併用することが好適である。この場合、2種類のポリエステルポリオールを(a)成分及び(b)成分とすると、(a)成分のポリエステルポリオールとしては、樹脂骨格に環状構造が導入されたポリエステルポリオールを採用することができ、例えば、シクロヘキサンジメタノール等の脂環構造を有するポリオールと多塩基酸との重縮合、或いは、脂環構造を有するポリオールとジオール類又はトリオールと多塩基酸との重縮合により得られるポリエステルポリオールが挙げられる。一方、(b)成分のポリエステルポリオールとしては、多分岐構造を有するポリエステルポリオールを採用することができ、例えば、東ソー社製の「NIPPOLAN 800」等の枝分かれ構造を有するポリエステルポリオールが挙げられる。
一方、ポリイソシアネートについては、特に制限はなく、一般的に用いられている芳香族、脂肪族、脂環式などのポリイソシアネートであり、具体的には、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,4-シクロヘキシレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1-イソシアナト-3,3,5-トリメチル-4-イソシアナトメチルシクロヘキサン等が挙げられる。これらは,単独で或いは混合して使用することができる。
塗料組成物には、塗装条件により、各種の有機溶剤を混合することができる。このような有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルプロピオネート等のエステル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶剤、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素系溶剤、ミネラルスピリット等の石油炭化水素系溶剤等が使用できる。
上記塗料組成物からなる塗膜層の厚さについては、特に制限はないが、通常5~40μm、好ましくは10~20μmである。なお、ここで言う塗膜層の厚さとは、ディンプルの中心部、ディンプル中心部とディンプルエッジの間の位置2箇所の計3箇所を測定し、平均した塗膜の厚さを意味する。
本発明では、上記塗料組成物からなる塗膜層の弾性仕事回復率が60%以上とすることを要し、好ましくは80%以上である。この塗膜層の弾性仕事回復率が上記範囲であれば、塗膜層が高弾性力を有するため自己修復機能が高く、耐摩耗性に非常に優れる。また、上記塗料組成物で塗装されたゴルフボールの諸性能を向上させることができる。上記の弾性仕事回復率の測定方法については以下のとおりである。
弾性仕事回復率は、押し込み荷重をマイクロニュートン(μN)オーダーで制御し、押し込み時の圧子深さをナノメートル(nm)の精度で追跡する超微小硬さ試験方法であり、塗膜層の物性を評価するナノインデンテーション法の一つのパラメータである。従来の方法では最大荷重に対応した変形痕(塑性変形痕)の大きさしか測定できなかったが、ナノインデンテーション法では自動的・連続的に測定することにより、押し込み荷重と押し込み深さとの関係を得ることができる。そのため、従来のような変形痕を光学顕微鏡で目視測定するときのような個人差がなく、精度高く塗膜層の物性を評価することができると考えられる。ボール表面の塗膜層がドライバーや各種のクラブの打撃により大きな影響を受け、塗膜層がゴルフボールの物性に及ぼす影響は小さくないことから、塗膜層を超微小硬さ試験方法で測定し、従来よりも高精度に行うことは、非常に有効な評価方法となる。
また、上記塗膜層の硬度は、ショアM硬度は、好ましくは40以上、より好ましくは60以上であり、上限として、好ましくは95以下、より好ましくは85以下である。なお、このショアM硬度は、ASTM D2240に準ずるものである。また、上記塗膜層の硬度は、ショアC硬度で好ましくは40以上であり、上限として、好ましくは80以下である。なお、このショアC硬度は、ASTM D2240に準ずるものである。塗膜層が上記硬度範囲よりも高すぎると、繰り返し打撃した際に塗膜が脆くなり、カバー層を保護できなくなるおそれがある。塗膜層が上記硬度範囲よりも小さすぎると、ボール表面が硬いものに当たった際に傷がつきやすくなり好ましくない。
上記塗膜層のショアC硬度をHcとするとき、飛びとアプローチスピン性能とを両立させる点から、上記コアの中心と表面との中点MのショアC硬度CMとHcとの差(CM-Hc)が-10以上となることが好ましく、より好ましくは-5以上であり、上限としては、好ましくは10以下、より好ましくは5以下である。
上記の塗料組成物を使用する際は、公知の方法で製造されたゴルフボールに対し、本発明の塗料組成物を塗装時に調整し、通常の塗装工程を採用して表面に塗布し、乾燥工程を経てボール表面に塗膜層を形成することができる。この場合、塗装方法としては、スプレー塗装法、静電塗装法、ディッピング法などを好適に採用することができ、特に制限はない。
なお、本発明のマルチピースソリッドゴルフボールは、競技用としてゴルフ規則に従うものとすることができ、ボール外径は42.672mm内径のリングを通過しない大きさで42.80mm以下、質量は好ましくは45.0~45.93gに形成することができる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
〔実施例1~4、比較例1~8〕
コアの形成
表1に示した各実施例及び比較例のゴム組成物を調製した後、155℃、15分の加硫条件により加硫成形することによりソリッドコアを作製した。
Figure 0007263749000001
なお、表1に記載した各成分の詳細は以下の通りである。
・ポリブタジエンA:JSR社製、商品名「BR01」
・ポリブタジエンB:JSR社製、商品名「BR51」
・ポリブタジエンC:JSR社製、商品名「BR730」
・アクリル酸亜鉛:「ZN-DA85S」(日本触媒社製)
・有機過酸化物(1):ジクミルパーオキサイド、商品名「パークミルD」(日油社製)
・有機過酸化物(2):1,1-ジ(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサンとシリカとの混合物、商品名「パーヘキサC-40」(日油社製)
・水:純水(正起薬品工業株式会社製)
・老化防止剤:2,2-メチレンビス(4-メチル-6-ブチルフェノール)、商品名ノクラックNS-6(大内新興化学工業社製)
・硫酸バリウム:ヒ性硫酸バリウム バリコ#100(白水化学工業社製)
・酸化亜鉛:商品名「三種酸化亜鉛」(堺化学工業社製)
・ペンタクロロチオフェノール亜鉛塩:和光純薬工業社製
包囲層(内側・外側)
次に、比較例6を除く各実施例及び各比較例については、コアの周囲に、表2に示したNo.1又はNo.4の配合の内側包囲層材料を用いて射出成形法により内側包囲層を形成し、その後に、同表に示したNo.2,No.3,No.5,No.6又はNo.7の配合の外側包囲層材料を用いて射出成形法により外側包囲層を形成した。比較例6については、表2のNo.2の配合の材料を用いて、射出成形法によりコアの周囲に単層の包囲層(外側包囲層)を形成した。
中間層及びカバー(最外層)の形成
次に、全ての実施例及び比較例については、上記で得た包囲層被覆球体の周囲に、表2に示した配合のNo.8,No.9又はNo.10の配合の中間層材料を用いて射出成形法により中間層を形成した。次いで、上記の各例の中間層被覆球体の周囲に、表2に示した配合のNo.11,No.12又はNo.13の配合のカバー材料を用いて射出成形法によりカバー(最外層)を形成した。この際、カバー表面には、全ての実施例及び比較例に共通する所定の多数のディンプルを形成した。
Figure 0007263749000002
表中に記載した主な材料の商品名は以下の通りである。
「HPF1000」Dupont HPF(商標)1000
「HPF2000」Dupont HPF(商標)2000
「ハイミラン」三井デュポンポリケミカル社製のアイオノマー
「サーリン」デュポン社製のアイオノマー
「ハイトレル」東レ・デュポン社製の熱可塑性ポリエーテルエステルエラストマー
「トリメチロールプロパン」(TMP)東京化成工業社製
「ポリテールH」三菱化成(株)製、ポリヒドロキシ炭化水素系重合体
「T-8295,T-8290,T-8283」ディーアイシーコベストロポリマー社製、MDI-PTMGタイプ熱可塑性ポリウレタン
「ポリエチレンワックス」三洋化成社製「サンワックス161P」
「イソシアネート化合物」4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート
塗膜層(コーティング層)の形成
次に、全ての実施例及び比較例に共通する塗料組成物として、下記表3に示す塗料組成物Iを使用し、多数形成されたカバー(最外層)表面に、エアースプレーガンにより上記塗料を塗装し、厚み15μmの塗膜層を形成したゴルフボールを作製した。
Figure 0007263749000003
[ポリエステルポリオール(A)の合成例]
環流冷却管、滴下漏斗、ガス導入管及び温度計を備えた反応装置に、トリメチロールプロパン140質量部、エチレングリコール95質量部、アジピン酸157質量部、1,4-シクロヘキサンジメタノール58質量部を仕込み、撹拌しながら200~240℃まで昇温させ、5時間加熱(反応)させた。その後、酸価4,水酸基価170,重量平均分子量(Mw)28,000の「ポリエステルポリオール(A)」を得た。
次に、上記の合成したポリエステルポリオール(A)を酢酸ブチルで溶解させ、不揮発分70質量%のワニスを調整した。
表3の塗料組成物Iは、上記ポリエステルポリオール溶液23質量部に対して、「ポリエステルポリオール(B)」(東ソー(株)製の飽和脂肪族ポリエステルポリオール「NIPPOLAN 800」、重量平均分子量(Mw)1,000、固形分100%)を15質量部と有機溶剤とを混合し、主剤とした。この混合物は、不揮発分38.0質量%であった。
弾性仕事回復率
塗料の弾性仕事回復率の測定には、厚み50μmの塗膜シートを使用して測定する。測定装置は、エリオニクス社の超微小硬度計「ENT-2100」が用いられ、測定の条件は、以下の通りである。
・圧子:バーコビッチ圧子(材質:ダイヤモンド、角度α:65.03°)
・荷重F:0.2mN
・荷重時間:10秒
・保持時間:1秒
・除荷時間:10秒
塗膜の戻り変形による押し込み仕事量Welast(Nm)と機械的な押し込み仕事量
Wtotal(Nm)とに基づいて、下記数式によって弾性仕事回復率が算出される。
弾性仕事回復率=Welast / Wtotal × 100(%)
ショアC硬度及びショアM硬度
上記表3のショアC硬度及びショアM硬度は、厚さ2mmのシートを作成し、3枚重ねて試験片としてASTM D2240規格に準拠したショアC硬度計及びショアM硬度計を用いてそれぞれ計測した。
得られた各ゴルフボールにつき、コアの各位置における内部硬度、コアや各被覆球体の外径、各層の厚さ及び材料硬度、各被覆球体の表面硬度などの諸物性を下記の方法で評価し、表4に示す。
コア、(内側・外側)包囲層被覆球体及び中間層被覆球体の各球体の外径
23.9±1℃の温度で、任意の表面5箇所を測定し、その平均値を1個の各球体の測定値とし、測定個数10個での平均値を求めた。
ボールの直径
23.9±1℃の温度で、任意のディンプルのない部分を15箇所測定し、その平均値を1個のボールの測定値とし、測定個数10個のボールの平均値を求めた。
コアのたわみ量
コア(球体)を硬板の上に置き、初期荷重98N(10kgf)を負荷した状態から終荷重1275N(130kgf)に負荷したときまでのたわみ量を計測した。なお、上記のたわみ量は23.9℃に温度調整した後の測定値である。
コア硬度分布
コアの表面は球面であるが、その球面に硬度計の針をほぼ垂直になるようにセットし、ASTM D2240に従ってショアC硬度でコア表面硬度を計測した。コアの中心及び各コアの所定位置における断面硬度については、コアを半球状にカットして断面を平面にして測定部分に硬度計の針を垂直に押し当てて測定した。ショアC硬度の値で示される。
また、コアの中心硬度Cc、コアの表面硬度をCs、コアの中心と表面との中点硬度CM、中点Mからコア表面側に2.5mm、5.0mm及び7.5mmの位置のショアC硬度CM+2.5、CM+5.0及びCM+7.5、中点Mからコア中心側に2.5mm、5.0mm及び7.5mmの位置硬度CM-2.5、CM-5.0及びCM-7.5については、下記の面積A~F・面積A:1/2×2.5×(CM-5.0-CM-7.5)、
・面積B:1/2×2.5×(CM-2.5-CM-5.0)、
・面積C:1/2×2.5×(CM-CM-2.5)、
・面積D:1/2×2.5×(CM+2.5-CM)、
・面積E:1/2×2.5×(CM+5-CM+2.5)、及び
・面積F:1/2×2.5×(CM+7.5-CM+5
を計算し、下記の3個の数式の値を求めた。
・(面積D+面積E+面積F)-(面積A+面積B+面積C)
・(面積D+面積E)-(面積A+面積B+面積C)
・〔(面積D+面積E+面積F)-(面積A+面積B+面積C)〕/(Cs-Cc)
なお、コア硬度分布の面積A~Fの説明として、実施例1のコア硬度分布データを用いて面積A~Fを表した概略図を図2に示す。
(内側・外側)包囲層、中間層及びカバーの材料硬度(ショアD硬度)
各層の樹脂材料を厚さ2mmのシート状に成形し、2週間以上放置した。その後、ショアD硬度はASTM D2240規格に準拠して計測した。
(内側・外側)包囲層被覆球体、中間層被覆球体及びボールの各球体の表面硬度(ショアD硬度)
各球体の表面に対して針を垂直になるように押し当てて計測した。なお、ボール(カバー)の表面硬度は、ボール表面においてディンプルが形成されていない陸部における測定値である。ショアD硬度はASTM D2240規格に準拠したタイプDデュロメータによって計測した。
Figure 0007263749000004
各ゴルフボールの飛び性能(W#1)、アプローチ時のスピン量、打感及び耐擦過傷性について下記の方法で評価した。その結果を表5に示す。
飛び性能
ゴルフ打撃ロボットにドライバー(W#1)をつけて、ヘッドスピード45m/sにて打撃した時の飛距離を測定し、下記の基準で判定した。クラブは、ブリヂストンスポーツ社製の「TourStage X-Drive709 D430ドライバー/2013モデル」(ロフト角9.5°)を使用した。また、スピン量は同様に打撃した直後のボールを初期条件計測装置により測定した。
〈判定基準〉
トータル飛距離230.0m以上 … ○
トータル飛距離230.0m未満 … ×
アプローチ時のスピン量の評価
ゴルフ打撃ロボットにサンドウエッジをつけてヘッドスピード22m/sにて打撃した時のスピンの量で判断した。スピン量は同様に打撃した直後のボールを初期条件計測装置により測定した。サンドウエッジは、ブリヂストンスポーツ社製の「TOUR B XW-1 2018モデル」(ロフト角56°)を使用した。
〈判定基準〉
スピン量が6200rpm以上 … ○
スピン量が6200rpm未満 … ×
打感
ドライバー(W#1)によるヘッドスピードが40~50m/sの上級者ユーザーによる実打における官能評価を行い、下記の基準で判定した。
〈判定基準〉
10人中8人以上が良い打感と評価 … ○
良い打感と評価した人10人中5~7人 … △
良い打感と評価した人10人中4人以下 … ×
耐擦過傷性
ノンメッキのピッチングサンドウェッジを打撃ロボットにセットし、ヘッドスピード35m/sにて1回打撃し、ボール表面の状態を目視にて観察し、下記基準にて評価した。
○:まだ使える
×:もう使用に耐えない
Figure 0007263749000005
表5の結果に示されるように、比較例1~8のゴルフボールは、本発明品(実施例)に比べて以下の点で劣る。
比較例1は、コア表面硬度よりも外側包囲層の表面硬度が軟らかくなり、その結果、ドライバー(W#1)でのスピン量が増加してしまい、飛距離が劣る。
比較例2は、内側包囲層の表面硬度がコア表面硬度と同硬度以下であり、且つ、包囲層表面硬度がコア表面硬度より軟らかくなり、その結果、ドライバー(W#1)でのスピン量が増加してしまい、飛距離が劣る。
比較例3は、内側包囲層の表面硬度よりも外側包囲層の表面硬度が硬くなり、その結果、打感が硬すぎる。
比較例4は、外側包囲層の表面硬度よりも中間層表面硬度が軟らかくなり、その結果、ドライバー(W#1)でのスピン量が増加してしまい、飛距離が劣る。
比較例5は、中間層表面硬度よりボール表面硬度が硬くなり、その結果、アプローチでのスピン量が少なくなり、ショートゲームでのコントロール性が劣るとともに、耐擦過傷性も劣る。
比較例6は、包囲層が1層のフォーピース(4P)ソリッドゴルフボールであり、ドライバー(W#1)でのスピン量が増加してしまい、飛距離が劣る。
比較例7は、コアの硬度分布が(面積:D+E+F)-(面積:A+B+C)の値が3未満であり、その結果、ドライバー(W#1)でのスピン量が増加してしまい、飛距離が劣るとともに、内側包囲層の表面硬度よりも外側包囲層の表面硬度が硬くなり、打感が硬すぎる。
比較例8は、コアの硬度分布が(面積:D+E+F)-(面積:A+B+C)の値が3未満であり、その結果、ドライバー(W#1)でのスピン量が増加してしまい、飛距離が劣るとともに、内側包囲層の表面硬度よりも外側包囲層の表面硬度が硬くなり、打感が硬すぎる。

Claims (12)

  1. コア、包囲層、中間層及びカバーを具備するマルチピースソリッドゴルフボールであって、上記コアは基材ゴムを主材として形成され、上記包囲層,中間層及びカバーの各層は、樹脂材料により形成され、上記包囲層は内側層及び外側層の2層に形成されると共に、上記コアの中心硬度及び表面硬度と、該コアを内側包囲層で被覆した球体(内側包囲層被覆球体)の表面硬度と、該内側包囲層被覆球体を外側包囲層で被覆した球体(外側包囲層被覆球体)と、該外側包囲層被覆球体を中間層で被覆した球体(中間層被覆球体)の表面硬度と、ボールの表面硬度とが、下記式
    コア中心硬度<コア表面硬度<内側包囲層被覆球体の表面硬度>外側包囲層被覆球体の表面硬度<中間層被覆球体の表面硬度>ボール表面硬度
    の関係を満たし、且つ、上記コアの硬度分布において、コアの中心のショアC硬度をCc、コアの表面のショアC硬度をCs、コアの中心と表面との中点MのショアC硬度をC M 、中点Mからコア表面側に2.5mm、5.0mm及び7.5mmの位置のショアC硬度をそれぞれ、C M+2.5 、C M+5.0 及びC M+7.5 とし、中点Mからコア中心側に2.5mm、5.0mm及び7.5mmの位置のショアC硬度をそれぞれ、C M-2.5 、C M-5.0 及びC M-7.5 としたとき、下記の面積A~F
    ・面積A:1/2×2.5×(C M-5.0 -C M-7.5 )、
    ・面積B:1/2×2.5×(C M-2.5 -C M-5.0 )、
    ・面積C:1/2×2.5×(C M -C M-2.5 )、
    ・面積D:1/2×2.5×(C M+2.5 -C M )、
    ・面積E:1/2×2.5×(C M+5 -C M+2.5 )、及び
    ・面積F:1/2×2.5×(C M+7.5 -C M+5
    について、(面積D+面積E+面積F)-(面積A+面積B+面積C)≧3 を満たすことを特徴とするマルチピースソリッドゴルフボール。
  2. コア、包囲層、中間層及びカバーを具備するマルチピースソリッドゴルフボールであって、上記コアは基材ゴムを主材として形成され、上記包囲層,中間層及びカバーの各層は、樹脂材料により形成され、上記包囲層は内側層及び外側層の2層に形成されると共に、上記コアの中心硬度及び表面硬度と、該コアを内側包囲層で被覆した球体(内側包囲層被覆球体)の表面硬度と、該内側包囲層被覆球体を外側包囲層で被覆した球体(外側包囲層被覆球体)と、該外側包囲層被覆球体を中間層で被覆した球体(中間層被覆球体)の表面硬度と、ボールの表面硬度とが、下記式
    コア中心硬度<コア表面硬度<内側包囲層被覆球体の表面硬度>外側包囲層被覆球体の表面硬度<中間層被覆球体の表面硬度>ボール表面硬度
    の関係を満たし、且つ、上記包囲層,中間層及びカバーの各層の厚さについて、下記の式
    [内側包囲層と外側包囲層との合計厚さ(mm)]-[中間層とカバーとの合計厚さ(mm)]≧0.1
    を満たすことを特徴とするマルチピースソリッドゴルフボール。
  3. 上記コア硬度分布の面積A~Eについて、(面積D+面積E)-(面積A+面積B+面積C)≧0 を満たす請求項記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
  4. 上記コア硬度分布の面積A~Fについて、0.15≦〔(面積D+面積E+面積F)-(面積A+面積B+面積C)〕/(Cs-Cc)≦0.6 を満たす請求項又は3記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
  5. 上記コア硬度分布の面積B~Eについて、面積B<面積C≦面積D<面積E を満たす請求項1、3又は4記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
  6. 上記包囲層の厚さについて、内側包囲層の厚さ≧外側包囲層の厚さ を満たす請求項1~5のいずれか1項記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
  7. 上記外側包囲層及び中間層の厚さについて、中間層の厚さ≧外側包囲層の厚さ を満たす請求項1~6のいずれか1項記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
  8. 上記カバー表面には塗膜層が形成され、該塗膜層の硬度がショアC硬度で40~80である請求項1~のいずれか1項記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
  9. 上記塗膜層のショアC硬度をHcとするとき、上記コアの中心と表面との中点MのショアC硬度CMとHcとの差(CM-Hc)が-10以上10以下である請求項記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
  10. コア、内側包囲層、外側包囲層、中間層及びカバーを具備するマルチピースソリッドゴルフボールであって、上記コアの表面硬度と、該コアを内側包囲層で被覆した球体(内側包囲層被覆球体)の表面硬度と、該内側包囲層被覆球体を外側包囲層で被覆した球体(外側包囲層被覆球体)と、該外側包囲層被覆球体を中間層で被覆した球体(中間層被覆球体)の表面硬度と、ボールの表面硬度とが、下記式
    コア表面硬度<内側包囲層被覆球体,外側包囲層被覆球体及び中間層被覆球体の各球体の表面硬度>ボール表面硬度
    (但し、外側包囲層被覆球体の表面硬度がショアD硬度で60以下であり、中間層被覆球体の表面硬度がショアD硬度で66以上である。)
    の関係を満たすと共に、上記コアの硬度分布において、コアの中心のショアC硬度をCc、コアの表面のショアC硬度をCs、コアの中心と表面との中点MのショアC硬度をCM、中点Mからコア表面側に2.5mm、5.0mm及び7.5mmの位置のショアC硬度をそれぞれ、CM+2.5、CM+5.0及びCM+7.5とし、中点Mからコア中心側に2.5mm、5.0mm及び7.5mmの位置のショアC硬度をそれぞれ、CM-2.5、CM-5.0及びCM-7.5としたとき、下記の面積A~F
    ・面積A:1/2×2.5×(CM-5.0-CM-7.5)、
    ・面積B:1/2×2.5×(CM-2.5-CM-5.0)、
    ・面積C:1/2×2.5×(CM-CM-2.5)、
    ・面積D:1/2×2.5×(CM+2.5-CM)、
    ・面積E:1/2×2.5×(CM+5-CM+2.5) 、及び
    ・面積F:1/2×2.5×(CM+7.5-CM+5
    について、(面積D+面積E+面積F)-(面積A+面積B+面積C)≧6 を満たすことを特徴とするマルチピースソリッドゴルフボール。
  11. 上記コア硬度分布の面積A~Fについて、0.15≦〔(面積D+面積E+面積F)-(面積A+面積B+面積C)〕/(Cs-Cc)≦0.6 を満たす請求項10記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
  12. 上記カバー表面には塗膜層が形成され、該塗膜層のショアC硬度をHcとするとき、上記コアの中心と表面との中点MのショアC硬度CMとHcとの差(CM-Hc)が-10以上10以下である請求項10又は11記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
JP2018229798A 2018-12-07 2018-12-07 マルチピースソリッドゴルフボール Active JP7263749B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018229798A JP7263749B2 (ja) 2018-12-07 2018-12-07 マルチピースソリッドゴルフボール
US16/690,240 US20200179767A1 (en) 2018-12-07 2019-11-21 Multi-piece solid golf ball

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018229798A JP7263749B2 (ja) 2018-12-07 2018-12-07 マルチピースソリッドゴルフボール

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020089633A JP2020089633A (ja) 2020-06-11
JP7263749B2 true JP7263749B2 (ja) 2023-04-25

Family

ID=70972337

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018229798A Active JP7263749B2 (ja) 2018-12-07 2018-12-07 マルチピースソリッドゴルフボール

Country Status (2)

Country Link
US (1) US20200179767A1 (ja)
JP (1) JP7263749B2 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001037914A (ja) 1999-07-28 2001-02-13 Bridgestone Sports Co Ltd ソリッドゴルフボール
JP2012130674A (ja) 2010-12-17 2012-07-12 Bridgestone Sports Co Ltd マルチピースソリッドゴルフボール
JP2013126543A (ja) 2011-12-16 2013-06-27 Bridgestone Sports Co Ltd ゴルフボール

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6527652B1 (en) * 1999-07-28 2003-03-04 Bridgestone Sports Co., Ltd. Solid golf ball
US8371960B2 (en) * 2007-10-29 2013-02-12 Bridgestone Sports Co., Ltd. Multi-piece solid golf ball
US8827838B2 (en) * 2007-10-29 2014-09-09 Bridgestone Sports Co., Ltd. Multi-piece solid golf ball
US7637826B2 (en) * 2007-10-29 2009-12-29 Bridgestone Sports Co., Ltd. Multi-piece solid golf ball
US8545346B2 (en) * 2009-01-28 2013-10-01 Bridgestone Sports Co., Ltd. Multi-piece solid golf ball
US20110224024A1 (en) * 2010-03-10 2011-09-15 Nike, Inc. Golf Ball Having A Protective Coating
JP2015073665A (ja) * 2013-10-08 2015-04-20 ダンロップスポーツ株式会社 ゴルフボール
US10058742B2 (en) * 2014-12-19 2018-08-28 Bridgestone Sports Co., Ltd. Multi-piece solid golf ball
JP6648409B2 (ja) * 2015-03-24 2020-02-14 ブリヂストンスポーツ株式会社 マルチピースソリッドゴルフボール
JP6900714B2 (ja) * 2017-03-10 2021-07-07 ブリヂストンスポーツ株式会社 マルチピースソリッドゴルフボール

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001037914A (ja) 1999-07-28 2001-02-13 Bridgestone Sports Co Ltd ソリッドゴルフボール
JP2012130674A (ja) 2010-12-17 2012-07-12 Bridgestone Sports Co Ltd マルチピースソリッドゴルフボール
JP2013126543A (ja) 2011-12-16 2013-06-27 Bridgestone Sports Co Ltd ゴルフボール

Also Published As

Publication number Publication date
US20200179767A1 (en) 2020-06-11
JP2020089633A (ja) 2020-06-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10610741B2 (en) Multi-piece solid golf ball
JP7501086B2 (ja) マルチピースソリッドゴルフボール
US11376477B2 (en) Multi-piece solid golf ball
JP2022180138A (ja) ゴルフボール
JP2022177633A (ja) ゴルフボール
JP2020081052A (ja) ゴルフボール
JP7363081B2 (ja) マルチピースソリッドゴルフボール
JP7279500B2 (ja) マルチピースソリッドゴルフボール
JP7263761B2 (ja) マルチピースソリッドゴルフボール
JP7367302B2 (ja) ゴルフボール
JP7327013B2 (ja) マルチピースソリッドゴルフボール
JP7501085B2 (ja) マルチピースソリッドゴルフボール
JP2023019338A (ja) ゴルフボール
JP2022180144A (ja) ゴルフボール
US10953287B2 (en) Multi-piece solid golf ball
JP7358770B2 (ja) マルチピースソリッドゴルフボール
JP7298140B2 (ja) ゴルフボール
JP7263749B2 (ja) マルチピースソリッドゴルフボール
US11654335B2 (en) Multi-piece solid golf ball
JP7298120B2 (ja) ゴルフボール
JP7225798B2 (ja) ゴルフボール
US20220280840A1 (en) Multi-piece solid golf ball
JP2022122500A (ja) マルチピースソリッドゴルフボール
JP2023012820A (ja) ゴルフボール
JP2022041841A (ja) マルチピースソリッドゴルフボール

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211112

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220830

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221004

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221129

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230314

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230327

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7263749

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150