JP2020081052A - ゴルフボール - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、ヘッドスピードがそれほど速くない、所謂アベレージゴルファーが打撃した時の飛びが優れるとともに、ソフト感のある良好な打感を有するアマチュアユーザー向けのゴルフボールを提供することを目的とする。【解決手段】コア及びカバーを具備するゴルフボールであって、該ゴルフボールの圧縮変形量において、初期荷重0.2kgfをかけた状態から終荷重5kgfをかけたときまでの圧縮変形量(A)が0.18mm以下であり、初期荷重5kgfをかけた状態から終荷重15kgfをかけたときまでの圧縮変形量(B)が0.30〜0.38mmであり、初期荷重5kgfをかけた状態から終荷重60kgfをかけたときまでの圧縮変形量(C)が1.70〜2.03mmであり、且つ、初期荷重10kgfをかけた状態から終荷重130kgfをかけたときまでの圧縮変形量(D)が3.10〜3.80mmであることを特徴とするゴルフボール。【選択図】図1

Description

本発明は、少なくともコア及びカバーを具備するゴルフボールであって、ヘッドスピードの速くないアマチュアユーザー向けのゴルフボールに関する。
アマチュアゴルファー向けのゴルフボールの市場において、従来から、飛びや打感においてアマチュアゴルファーが満足するようなゴルフボールは多く開発されている。例えば、ゴルフボールに小さな衝撃力が加わったときのボール特性に及ぼす影響の指標として、初期荷重0.2kgfをかけた状態から終荷重5kgfをかけたときまでの圧縮変形量を用い、この値を0.26〜0.40mmの範囲としたゴルフボールが特開平8−280845号公報(特許文献1)に提案されている。しかしながら、このゴルフボールは、主にアプローチスピンを重視したスピン系のゴルフボールであり、ドライバー打撃時の飛び性能において十分満足するものではなかった。
また、ボール構造を多層化し、コア、中間層及びカバー(最外層)の各層の表面硬度を適正化した機能的なマルチピースソリッドゴルフボールも種々提案されている。例えば、特開2005−211656号公報(特許文献2)、特開2007−319666号公報(特許文献3)、特開2001−218875号公報(特許文献4)、特開2005−218858号公報(特許文献5)、特開2008−212682号公報(特許文献6)、及び、特開2009−195670号公報(特許文献7)に記載されたマルチピースソリッドゴルフボールが挙げられる。これらの公報に記載されたゴルフボールは、カバーより軟らかい材料を中間層に配したスリーピースソリッドゴルフボールであり、ヘッドスピードが速くないアマチュアゴルファーにおいても優れた飛び性能を付与するものである。しかしながら、上記提案のゴルフボールは、初期荷重0.2kgfをかけた状態から終荷重5kgfをかけたときまでの圧縮変形量や、初期荷重5kgfをかけた状態から終荷重15kgfをかけたときまでの圧縮変形量、さらには、初期荷重5kgfをかけた状態から終荷重60kgfをかけたときまでの圧縮変形量などを適正化したものではなく、即ち、ゴルフボールに加わる衝撃力の程度によってボール特性がどのような影響を及ぼすことに着目したものではなく、アマチュアユーザー向けのゴルフボール製品として、飛び性能や良好な打感を得るうえで改良する余地が未だ残されている。
特開平8−280845号公報 特開2005−211656号公報 特開2007−319666号公報 特開2001−218875号公報 特開2005−218858号公報 特開2008−212682号公報 特開2009−195670号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、ヘッドスピードがそれほど速くない、所謂アベレージゴルファーが打撃した時の飛びが優れるとともに、ソフト感のある良好な打感を有するアマチュアユーザー向けのゴルフボールを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、コアとカバーとを具備するゴルフボールにおいて、ゴルフボールに加わる衝撃力の程度と飛び・打感のボール特性との関係に着目し、具体的には、ゴルフボールの圧縮変形量において、初期荷重0.2kgfをかけた状態から終荷重5kgfをかけたときまでの圧縮変形量(A)、初期荷重5kgfをかけた状態から終荷重15kgfをかけたときまでの圧縮変形量(B)、初期荷重5kgfをかけた状態から終荷重60kgfをかけたときまでの圧縮変形量(C)、及び、初期荷重10kgfをかけた状態から終荷重130kgfをかけたときまでの圧縮変形量(D)の各圧縮変形量及びこれらの比を特定することにより、ヘッドスピードが速くないゴルファーが、ドライバー(W#1)やアイアンでフルショットしたときに満足する飛び性能が十分に得られるとともに、ソフト感のある良好な打感を得ることができることを見出し、本発明のゴルフボールをなすに至ったものである。
従って、本発明は、下記のゴルフボールを提供する。
〔1〕コア及びカバーを具備するゴルフボールであって、該ゴルフボールの圧縮変形量において、初期荷重0.2kgfをかけた状態から終荷重5kgfをかけたときまでの圧縮変形量(A)が0.18mm以下であり、初期荷重5kgfをかけた状態から終荷重15kgfをかけたときまでの圧縮変形量(B)が0.30〜0.38mmであり、初期荷重5kgfをかけた状態から終荷重60kgfをかけたときまでの圧縮変形量(C)が1.70〜2.03mmであり、且つ、初期荷重10kgfをかけた状態から終荷重130kgfをかけたときまでの圧縮変形量(D)が3.10〜3.80mmであることを特徴とするゴルフボール。
〔2〕初期荷重5kgfをかけた状態から終荷重30kgfをかけたときまでの圧縮変形量(E)が0.68〜0.98mmである上記〔1〕記載のゴルフボール。
〔3〕上記圧縮変形量(D)と上記圧縮変形量(A)との比(D)/(A)の値が18.0以上である上記〔1〕又は〔2〕記載のゴルフボール。
〔4〕上記圧縮変形量(D)と上記圧縮変形量(B)との比(D)/(B)の値が9.00〜11.0である上記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のゴルフボール。
〔5〕上記圧縮変形量(D)と上記圧縮変形量(C)との比(D)/(C)の値が1.75〜1.88である上記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載のゴルフボール。
〔6〕上記圧縮変形量(D)と上記圧縮変形量(E)との比(D)/(E)の値が3.55〜4.10である上記〔2〕〜〔5〕のいずれかに記載のゴルフボール。
〔7〕上記コアと上記カバーとの間には、少なくとも中間層が含まれるものであり、ゴルフボールの構造が、コア、中間層及びカバーを具備する3層以上からなる上記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載のゴルフボール。
〔8〕下記の表面硬度の関係式(1)
カバー表面のショアC硬度>中間層表面のショアC硬度>コア表面のショアC硬度>コア中心のショアC硬度 ・・・(1)
を満たす上記〔7〕記載のゴルフボール。
〔9〕上記カバー表面には塗膜層が形成され、該塗膜層の材料硬度がコア中心硬度(Cc)より高くなる上記〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載のゴルフボール。
〔10〕下記の初速の関係式(2)を満たす上記〔7〕〜〔9〕のいずれかに記載のゴルフボール。
(中間層被覆球体の初速)>(コア初速)>(ボール初速) ・・・(2)
〔11〕コア及びカバーを具備するゴルフボールであって、該ゴルフボールの圧縮変形量において、初期荷重0.2kgfをかけた状態から終荷重5kgfをかけたときまでの圧縮変形量を(A)、初期荷重5kgfをかけた状態から終荷重15kgfをかけたときまでの圧縮変形量を(B)、初期荷重5kgfをかけた状態から終荷重60kgfをかけたときまでの圧縮変形量を(C)、及び、初期荷重10kgfをかけた状態から終荷重130kgfをかけたときまでの圧縮変形量を(D)とするとき、(D)の値が3.10〜3.80mmであると共に、
(D)/(A)の値:18.0以上
(D)/(B)の値:9.00〜11.0、及び
(D)/(C)の値:1.75〜1.88
を満たすことを特徴とするゴルフボール。
〔12〕初期荷重5kgfをかけた状態から終荷重30kgfをかけたときまでの圧縮変形量(E)が0.68〜0.98mmである上記〔11〕記載のゴルフボール。
〔13〕上記圧縮変形量(D)と上記圧縮変形量(E)との比(D)/(E)の値が3.55〜4.10である上記〔12〕記載のゴルフボール。
本発明のゴルフボールは、ヘッドスピードがそれほど速くないゴルファーが打撃した時の飛び性能に優れ、ドライバー打撃時にはソフト感のある良好な打感を有すると共に、ウェッジでのアプローチ時及びパターの実打の際も良好な打感を有するものであり、アマチュアユーザー向けのゴルフボールとして好適である。
本発明の一実施態様であるゴルフボール(3層構造)の概略断面図である。
以下、本発明につき、更に詳しく説明する。
本発明のゴルフボールは、コアとカバーとを有するものである。なお、本発明において、カバーとは、ボール構造において最外層に位置する部材であって、通常、射出成形等の成形によって形成される。また、カバーの外表面には、通常、多数個のディンプルが該カバー材の射出成形と同時に形成されるものである。
コアの直径は、好ましくは36.0mm以上、より好ましくは36.5mm以上、更に好ましくは37.0mm以上であり、上限としては、好ましくは39.0mm以下、より好ましくは38.5mm以下、更に好ましくは38.0mm以下である。コアの直径が小さすぎると、ドライバー(W#1)打撃時にスピンが多くなり、狙いの飛距離が得られなくなることがある。一方、コアの直径が大きすぎると、繰り返し打撃時の耐久性が悪くなり、または打感が悪くなることがある。
コアに対して、初期荷重98N(10kgf)から終荷重1,275N(130kgf)を負荷したときまでの圧縮変形量(mm)は、特に制限はないが、好ましくは3.5mm以上、より好ましくは3.8mm以上、更に好ましくは4.2mm以上であり、上限値として、好ましくは6.0mm以下、より好ましくは5.3mm以下、更に好ましくは4.8mm以下である。上記コアの圧縮変形量が小さすぎる、即ち、コアが硬すぎると、ボールのスピンが増えすぎて飛ばなくなったり、打感が硬くなりすぎることがある。一方、上記コアの圧縮変形量が大きすぎる、即ち、コアが軟らかすぎると、反発性が低くなりすぎて飛ばなくなったり、打感が軟らかくなりすぎ、あるいは繰り返し打撃時の割れ耐久性が悪くなることがある。
コアは、単層もしくは複数層のゴム材料により形成される。このコア用のゴム材料としては、具体的には、基材ゴムを主体とし、これに、共架橋剤、有機過酸化物、不活性充填剤、有機硫黄化合物等を配合させてゴム組成物を作成することができる。基材ゴムとしては、ポリブタジエンを用いることが好ましい。
ポリブタジエンの種類としては、市販品を用いることができ、例えば、BR01、BR51、BR730(JSR社製)などが挙げられる。また、基材ゴム中のポリブダジエンの割合は、好ましくは60質量%以上であり、より好ましくは80質量%以上である。上記基材ゴムには、上記ポリブタジエン以外にも他のゴム成分を本発明の効果を損なわない範囲で配合し得る。上記ポリブタジエン以外のゴム成分としては、上記ポリブタジエン以外のポリブタジエン、その他のジエンゴム、例えばスチレンブタジエンゴム、天然ゴム、イソプレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム等を挙げることができる。
共架橋剤としては、例えば不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸の金属塩等が挙げられる。不飽和カルボン酸として具体的には、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸等を挙げることができ、特にアクリル酸、メタクリル酸が好適に用いられる。不飽和カルボン酸の金属塩としては特に限定されるものではないが、例えば上記不飽和カルボン酸を所望の金属イオンで中和したものが挙げられる。具体的にはメタクリル酸、アクリル酸等の亜鉛塩やマグネシウム塩等が挙げられ、特にアクリル酸亜鉛が好適に用いられる。
上記不飽和カルボン酸及び/又はその金属塩は、上記基材ゴム100質量部に対し、通常5質量部以上、好ましくは9質量部以上、更に好ましくは13質量部以上、上限として通常60質量部以下、好ましくは50質量部以下、更に好ましくは40質量部以下配合する。配合量が多すぎると、硬くなりすぎて耐え難い打感になる場合があり、配合量が少なすぎると、反発性が低下してしまう場合がある。
上記有機過酸化物としては市販品を用いることができ、例えば、パークミルD(日本油脂(株)製)、パーヘキサC−40、パーヘキサ3M(日本油脂(株)製)、Luperco 231XL(アトケム社製)等を好適に用いることができる。これらは1種を単独であるいは2種以上を併用してもよい。有機過酸化物の配合量は、上記基材ゴム100質量部に対し、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.3質量部以上、更に好ましくは0.5質量部以上、最も好ましくは0.6質量部以上であり、上限として、好ましくは5質量部以下、より好ましくは4質量部以下、更に好ましくは3質量部以下、最も好ましくは2.5質量部以下配合する。配合量が多すぎたり、少なすぎたりすると好適な打感、耐久性及び反発性を得ることができない場合がある。
そのほか、基材ゴムに配合される配合剤として、不活性充填剤が挙げられ、例えば、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等を好適に用いることができる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。不活性充填剤の配合量は、上記基材ゴム100質量部に対し、好ましくは1質量部以上、より好ましくは5質量部以上、上限として好ましくは50質量部以下、より好ましくは40質量部以下、更に好ましくは35質量部以下とする。配合量が多すぎたり、少なすぎたりすると適正な質量、及び好適な反発性を得ることができない場合がある。
更に、必要に応じて老化防止剤を配合することができ、例えば、市販品としてはノクラックNS−6、同NS−30(大内新興化学工業(株)製)、ヨシノックス425(吉富製薬(株)製)等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
該老化防止剤の配合量は上記基材ゴム100質量部に対し、0質量部以上であり、更に好ましくは0.05質量部以上、特に好ましくは0.1質量部以上、上限として好ましくは3質量部以下、更に好ましくは2質量部以下、特に好ましくは1質量部以下、最も好ましくは0.5質量部以下とする。配合量が多すぎたり、少なすぎたりすると好適な反発性、耐久性を得ることができない場合がある。
また、上記コアには、良好な反発性付与させるために、有機硫黄化合物を配合することができる。有機硫黄化合物としては、ゴルフボールの反発性を向上させ得るものであれば特に制限されないが、例えばチオフェノール類、チオナフトール類、ハロゲン化チオフェノール類又はそれらの金属塩等が挙げられる。より具体的には、ペンタクロロチオフェノール、ペンタフルオロチオフェノール、ペンタブロモチオフェノール、パラクロロチオフェノール、ペンタクロロチオフェノールの亜鉛塩、ペンタフルオロチオフェノールの亜鉛塩、ペンタブロモチオフェノールの亜鉛塩、パラクロロチオフェノールの亜鉛塩、硫黄数が2〜4のジフェニルポリスルフィド、ジベンジルポリスルフィド、ジベンゾイルポリスルフィド、ジベンゾチアゾイルポリスルフィド、ジチオベンゾイルポリスルフィド等が挙げられ、特に、ペンタクロロチオフェノールの亜鉛塩が好適に用いられる。有機硫黄化合物の配合量は、上記基材ゴム100質量部に対し、0質量部以上であり、より好ましくは0.1質量部以上、更に好ましくは0.2質量部以上、上限として、好ましくは5質量部以下、より好ましくは3質量部以下、更に好ましくは2質量部以下であることが推奨される。配合量が多すぎると、反発性(特に、W#1による打撃)の改良効果がそれ以上期待できなくなり、コアが軟らかくなりすぎ、または打感が悪くなる場合がある。一方、配合量が少なすぎると、反発性の改善効果が期待できなくなる。
上記コアは、上記各成分を含有するゴム組成物を加硫硬化させることにより製造することができる。例えば、バンバリーミキサーやロール等の混練機を用いて混練し、コア用金型を用いて圧縮成形又は射出成型し、有機過酸化物や共架橋剤が作用するのに十分な温度として、100〜200℃、好ましくは140〜180℃、10〜40分の条件にて成形体を適宜加熱することにより、該成形体を硬化させて製造することができる。
また、上記コアは単層のみならず、内層コア及び外層コアの2層に形成することができる。コアを内層コア及び外層コアの2層に形成する場合、内層及び外層コアの材料としては、いずれも上述したゴム材を主材として用いることができる。また、内層コアを被覆する外層コアのゴム材は、内層コアの材料と同種であっても異種であってもよい。具体的には、上記コアのゴム材料の各成分で説明したのと同様である。
次に、上記コアの硬度分布について説明する。
上記コアの中心硬度(Cc)は、ショアC硬度で好ましくは46以上、より好ましくは48以上、さらに好ましくは50以上であり、その上限値は、好ましくは63以下、より好ましくは60以下、さらに好ましくは58以下である。この値が大きすぎると、打感が硬くなり、あるいはフルショットでスピンが増えて狙いの飛距離が得られない場合がある。一方、上記値が小さすぎると、実打したときのボール初速が低くなって飛ばなくなり、あるいは繰り返し打撃した時の割れ耐久性が悪くなることがある。なお、上記のショアC硬度は、ASTM D2240規格に準拠したショアC硬度計にて計測した硬度値である。
上記コアの表面硬度(Cs)は、ショアC硬度で好ましくは65以上、より好ましくは68以上、さらに好ましくは70以上であり、その上限値は、好ましくは88以下、より好ましくは84以下、さらに好ましくは80以下である。これらの硬度を逸脱した場合、上記コアの中心硬度(Cc)で説明したのと同様の不利な結果を招くおそれがある。
コアの表面硬度(Cs)とコアの中心硬度(Cc)との差は、ショアC硬度で好ましくは15以上、より好ましくは17以上、さらに好ましくは19以上であり、上限値として、好ましくは35以下、より好ましくは30以下、さらに好ましくは25以下である。この値が小さすぎると、ドライバー(W#1)で打撃した時のボールの低スピン効果が足りずに飛距離が出なくなることがある。上記値が大きすぎると、実打した時のボール初速が低くなり飛距離が出なくなり、あるいは繰り返し打撃した際の割れ耐久性が悪くなることがある。
次に、カバーについて説明する。
カバーの材料硬度は、特に制限はないが、ショアD硬度で、好ましくは54以上、より好ましくは56以上、さらに好ましくは58以上であり、上限値として、好ましくは68以下、より好ましくは65以下、さらに好ましくは62以下である。また、カバー表面硬度(ボール表面硬度とも言う。)は、ショアD硬度で、好ましくは60以上、より好ましくは62以上、さらに好ましくは64以上であり、上限値としては、好ましくは74以下、より好ましくは71以下、さらに好ましくは68以下である。これらのカバーの材料硬度及びボール表面硬度が上記範囲よりも軟らかすぎると、ドライバー(W#1)打撃時にスピンが増えるとともにボール初速が低くなり、飛距離が出なくなることがある。上記の材料硬度及び表面硬度が硬すぎると、繰り返し打撃耐久時の割れ耐久性が悪くなることがある。
カバーの厚さは、好ましくは0.6mm以上であり、より好ましくは0.8mm以上、さらに好ましくは1.1mm以上である。一方、カバーの厚さの上限値としては、好ましくは1.8mm以下、より好ましくは1.6mm以下、さらに好ましくは1.4mm以下である。このカバーが薄すぎると、繰り返し打撃による割れ耐久性が悪くなる場合がある。また、カバーが厚すぎると、ドライバー(W#1)打撃時のスピン量が多くなり過ぎて飛距離が出なくなり、あるいはショートゲームおよびパターの打感が硬くなりすぎる場合がある。
カバーの材料としては、ゴルフボールのカバー材で使用される各種の熱可塑性樹脂、特にアイオノマー樹脂を採用することが好適であり、アイオノマー樹脂としては市販品を用いることができる。また、カバーの樹脂材料として、市販品のアイオノマー樹脂のうち酸含量18質量%以上の高酸含量アイオノマー樹脂を通常のアイオノマー樹脂にブレンドして用いることもできる。上記の高酸含量アイオノマー樹脂の配合量が多すぎると、繰り返し打撃耐久時の割れ耐久性が悪くなることがある。
上記コアと上記カバーとの間には中間層を設けることができる。即ち、本発明の好適なボール構造としては、コア及びカバー(単層)のツーピースゴルフボールに限られず、スリーピースゴルフボールやフォーピースゴルフボールを採用することができる。特に、コア、中間層及びカバーを具備する3層からなるゴルフボールを採用することが好適であり、そのゴルフボールとして、図1に示すゴルフボールGが挙げられる。図1のゴルフボールGは、コア1と、該コア1を被覆する中間層2と、該中間層を被覆するカバー3を有している。このカバー3は、塗膜層を除き、ゴルフボールの層構造での最外層に位置するものである。なお、中間層は、単層であっても2層以上に形成することもできる。なお、上記カバー(最外層)3の表面には、通常、空力特性の向上のためにディンプルDが多数形成される。また、カバー3の表面には、塗膜層4が形成される。
次に、中間層について下記に説明する。
中間層の材料硬度は、特に制限はないが、ショアD硬度で、好ましくは50以上、より好ましくは52以上、さらに好ましくは55以上であり、上限値として、好ましくは62以下、より好ましくは60以下、さらに好ましくは58以下である。また、コアを中間層で被覆した球体(中間層被覆球体)の表面硬度は、ショアD硬度で、好ましくは56以上、より好ましくは58以上、さらに好ましくは61以上であり、上限値としては、好ましくは68以下、より好ましくは66以下、さらに好ましくは64以下である。これらの中間層の材料硬度及び表面硬度が上記範囲よりも軟らかすぎると、フルショット時のスピン量が増えすぎて飛距離が出なくなり、或いは繰り返し打撃による耐久性が悪くなることがある。上記の材料硬度及び表面硬度が硬すぎると、繰り返し打撃による割れ耐久性が悪くなり、或いは所望の打感が悪くなることがある。
中間層の厚さは、好ましくは0.7mm以上であり、より好ましくは0.9mm以上、さらに好ましくは1.1mm以上である。一方、中間層の厚さの上限値としては、好ましくは1.6mm以下、より好ましくは1.5mm以下、さらに好ましくは1.4mm以下である。この中間層が薄すぎると、繰り返し打撃による割れ耐久性が悪くなり、または打感が悪くなることがある。また、中間層が厚すぎると、フルショット時のボールのスピン量が増えて飛距離が出なくなることがある。
中間層を形成する材料としては、公知の樹脂を用いることができ、特に制限されるものではないが、好ましい材料の例としては、下記(A)〜(D)成分、
(a−1)オレフィン−不飽和カルボン酸2元ランダム共重合体及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸2元ランダム共重合体の金属イオン中和物と、
(a−2)オレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル3元ランダム共重合体及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル3元ランダム共重合体の金属イオン中和物とを質量比で100:0〜0:100になるように配合した(A)ベース樹脂と、
(B)非アイオノマー熱可塑性エラストマーとを
質量比で100:0〜50:50になるように配合した樹脂成分100質量部に対して、
(C)分子量が228〜1500の脂肪酸及び/又はその誘導体5〜120質量部と、
(D)上記(A)成分及び(C)成分中の未中和の酸基を中和できる塩基性無機金属化合
物0.1〜17質量部
とを必須成分として配合してなる樹脂組成物を例示することができる。
上記(A)〜(D)成分については、例えば、特開2010−253268号公報に記
載される中間層の樹脂材料(A)〜(D)成分を好適に採用することができる。
なお、上記中間層材料には、非アイオノマー熱可塑性エラストマーを配合することができる。非アイオノマー熱可塑性エラストマーの配合量は、上記ベース樹脂の合計量100質量部に対して、0〜50質量部配合することが好適である。
上記の非アイオノマー熱可塑性エラストマーとしては、例えば、ポリオレフィン系エラストマー(ポリオレフィン、メタロセンポリオレフィン含む)、ポリスチレン系エラストマー、ジエン系ポリマー、ポリアクリレート系ポリマー、ポリアミド系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアセタールなどを挙げることができる。
中間層材料には、任意の添加剤を用途に応じて適宜配合することができる。例えば、顔料,分散剤,老化防止剤,紫外線吸収剤,光安定剤などの各種添加剤を加えることができる。これら添加剤を配合する場合、その配合量としては、上記ベース樹脂の総和100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上、上限として、好ましくは10質量部以下、より好ましくは4質量部以下である。
コアを中間層で被覆した球体(中間層被覆球体)に対して、初期荷重98N(10kgf)から終荷重1,275N(130kgf)を負荷したときまでの圧縮変形量(mm)は、特に制限はないが、好ましくは3.5mm以上、より好ましくは3.7mm以上、更に好ましくは3.9mm以上であり、上限値として、好ましくは4.7mm以下、より好ましくは4.5mm以下、更に好ましくは4.3mm以下である。上記球体の圧縮変形量が小さすぎる、即ち、上記球体が硬すぎると、ボールのスピンが増えすぎて飛ばなくなったり、打感が硬くなりすぎることがある。一方、上記球体の圧縮変形量が大きすぎる、即ち、上記球体が軟らかすぎると、ボールの反発性が低くなりすぎて飛ばなくなり、または打感が軟らかくなりすぎ、あるいは繰り返し打撃時の割れ耐久性が悪くなることがある。
上述したコア,中間層及びカバー(最外層)の各層を積層して形成されたマルチピースソリッドゴルフボールの製造方法については、公知の射出成形法等の常法により行なうことができる。例えば、コアの周囲に、中間層材料を射出して中間層被覆球体を得、次いで、カバーの材料を射出成形することによりマルチピースのゴルフボールを得ることができる。また、中間層又はカバーの各被覆部材について、予め半殻球状に成形した2枚のハーフカップを用いて、コア又は中間層被覆球を包み加熱加圧成形することによりゴルフボールを作製することもできる。
本発明のゴルフボールの初期荷重0.2kgfをかけた状態から終荷重5kgfをかけたときまでの圧縮変形量(A)は、0.18mm以下であることが好ましく、より好ましくは0.17mm以下、さらに好ましくは0.16mm以下である。この下限値は、好ましくは0.10mm以上であり、より好ましくは0.12mm以上である。この値が小さくなるとき、それがカバー硬度に起因する場合は、カバーが硬すぎ、繰り返し打撃した時の割れ耐久性が悪くなることがある。また、上記値が小さくなることが内層のコンプレッションに起因する場合はフルショットした時のボールの打感が硬くなりすぎることがある。一方、上記の値が大きくなるとき、それがカバー硬度に起因する場合は、フルショットした時のボールのスピン量が増加してしまい飛距離が出なくなることがある。また、上記値が大きくなることが内層のコンプレッションに起因の場合はフルショットした時の実打初速が低くなり、飛距離が出なくなることがある。
本発明のゴルフボールの初期荷重5kgfをかけた状態から終荷重15kgfをかけたときまでの圧縮変形量(B)は、好ましくは0.30mm以上であり、より好ましくは0.31mm以上、より好ましくは0.32mm以上である。上限値としては、好ましくは0.38mm以下であり、より好ましくは0.37mm以下、さらに好ましくは0.36mm以下である。この値が小さいと、パターやアプローチなどのショートゲームで打感が硬くなりすぎることがある。カバーや中間層の硬度が起因して上記の値が小さい場合は、打感が硬くなり過ぎたり、繰り返し打撃による割れ耐久性が悪くなることがある。コア硬度が起因して上記の値が小さい場合は、フルショット時の打感が硬くなり過ぎたり、フルショット時にスピンが多くなり飛距離が出なくなることがある。一方、上記圧縮変形量(B)の値が大きいと、パターやアプローチなどのショートゲームで打感が軟らかすぎることがある。カバーや中間層の硬度が起因して上記の値が大きい場合は、フルショット時にスピンが増え飛距離が出なくなることがある。また、コア硬度が起因して上記の値が大きい場合は、実打初速が低くなり、飛距離が出ない打撃条件が出たり、繰り返し打撃による割れ耐久性が悪くなることがある。
本発明のゴルフボールの初期荷重5kgfをかけた状態から終荷重60kgfをかけたときまでの圧縮変形量(C)は、好ましくは1.70mm以上であり、より好ましくは1.72mm以上、さらに好ましくは1.74mm以上である。上限値としては、好ましくは2.03mm以下であり、より好ましくは2.02mm以下、さらに好ましくは2.01mm以下である。この値が小さいと、ボールのスピン量が増加してしまい飛ばなくなり、或いは打感が硬くなりすぎることがある。一方、上記値が大きいと、実打初速が低くなりすぎて飛距離が出なくなったり、打感が軟らかくなりすぎたり、繰り返し打撃した時の割れ耐久性が悪くなることがある。
本発明のゴルフボールの初期荷重10kgfをかけた状態から終荷重130kgfをかけたときまでの圧縮変形量(D)は、好ましくは3.10mm以上であり、より好ましくは3.15mm以上、さらに好ましくは3.20mm以上であり、上限値としては、好ましくは3.80mm以下、より好ましくは3.70mm以下、さらに好ましくは3.60mm以下である。この値が小さいと、ボールのスピン量が増加してしまい飛ばなくなったり、打感が硬くなりすぎることがある。一方、上記値が大きいと、実打初速が低くなりすぎて飛距離が出なくなったり、打感が軟らかくなりすぎたり、繰り返し打撃した時の割れ耐久性が悪くなることがある。
本発明のゴルフボールの初期荷重5kgfをかけた状態から終荷重30kgfをかけたときまでの圧縮変形量(E)は、好ましくは0.68mm以上であり、より好ましくは0.75mm以上、さらに好ましくは0.81mm以上である。上限値としては、好ましくは0.98mm以下であり、より好ましくは0.96mm以下、さらに好ましくは0.94mm以下である。この値が小さいと、アイアンで打った際に打感が硬くなり過ぎることがあり、或いはスピン量が多くなり飛距離が出なくなることがある。一方、上記値が大きいと、アイアンで打った際の実打初速が低くなり、飛距離が出なくなることがある。
上記圧縮変形量(D)と上記圧縮変形量(A)との比(D)/(A)の値は、18.0以上であることが好ましく、より好ましくは20.0以上、さらに好ましくは22.0以上である。一方、上限値は、好ましくは24.5以下、より好ましくは23.5以下である。この値が上記範囲を外れる場合、ボールにスピンがかかりすぎたり、実打初速が低くなり飛距離が落ちる打撃条件が出てくることがある。
上記圧縮変形量(D)と上記圧縮変形量(B)との比(D)/(B)の値は、9.00以上であることが好ましく、より好ましくは9.40以上、さらに好ましくは9.80以上である。一方、上限値は、好ましくは11.00以下、より好ましくは10.75以下、さらに好ましくは10.50以下である。この範囲を外れると、パターで打つときやアプローチショット時には適度な良い打感が得られなくなることがある。
上記圧縮変形量(D)と上記圧縮変形量(C)との比(D)/(C)の値は、1.75以上であることが好ましく、より好ましくは1.77以上、さらに好ましくは1.79以上である。一方、上限値は、好ましくは1.88以下、より好ましくは1.87以下、さらに好ましくは1.86以下である。この範囲を外れると、ボールのスピン量が増加したり実打初速が低くなって飛距離が落ちる打撃条件が出てくることがある。
上記圧縮変形量(D)と上記圧縮変形量(E)との比(D)/(E)の値は、3.55以上であることが好ましく、より好ましくは3.65以上であり、さらに好ましくは3.75以上である。一方、上限値は、好ましくは4.10以下、より好ましくは4.08以下、さらに好ましくは4.06以下である。この範囲を外れると、ボールのスピン量が増加してしまい、飛距離が落ちる打撃条件が出てくることがある。
各層の表面硬度関係
本発明では、各層の硬度関係については、以下の数式(1)を満たすことが好適である。
カバー表面のショアC硬度>中間層表面のショアC硬度>コア表面のショアC硬度>コア中心のショアC硬度 ・・・(1)
上記カバー表面の硬度は、ボールの表面硬度を意味する。また、上記中間層表面の硬度は、中間層被覆球体の表面硬度を意味する。
上記の硬度関係を満たさないと、良好な飛びと軟らかい打感とが両立できないことがある。
上記式の通り、カバー表面硬度は中間表面硬度よりも大きい。カバー表面硬度−中間層表面硬度の値は、ショアC硬度で、好ましくは13〜33であり、より好ましくは17〜30、さらに好ましくは20〜27である。この値が小さいと、フルショットでのボールのスピン量が増加してしまい飛距離が出なくなり、あるいは打感が悪くなることがある。一方、この値が大きいと、実打初速が低下して飛距離が出なくなったり、繰り返し打撃の耐久性が悪くなることがある。
上記式の通り、中間層表面硬度はコア表面硬度よりも大きい。中間層表面硬度−コア表面硬度の値は、ショアC硬度で、好ましくは11〜27であり、より好ましくは13〜25、さらに好ましくは15〜23である。この値が小さいと、ボールのスピン量が増加してしまい飛距離が出なくなることがある。一方、この値が大きいと、打感が悪くなったり、繰り返し打撃の耐久性が悪くなることがある。
上記式の通り、コア表面硬度はコア中心硬度よりも大きい。コア表面硬度(Cs)とコア中心硬度(Cc)との関係については既に述べたとおりである。
各被覆球体の圧縮変形量関係
コア及び中間層被覆球体の各球体の初期荷重98N(10kgf)から終荷重1,275N(130kgf)を負荷したときまでの圧縮変形量(mm)をそれぞれO,Mとすると、O−Mの値は、好ましくは0.1〜0.8mmであり、より好ましくは0.2〜0.7mm、さらに好ましくは0.3〜0.6mmである。この値が小さいと、ボールのスピン量が増加してしまい飛距離が出なくなることがある。一方、この値が大きいと、打感が悪くなったり、繰り返し打撃の耐久性が悪くなることがある。
コア及びボールの各球体の初期荷重98N(10kgf)から終荷重1,275N(130kgf)を負荷したときまでの圧縮変形量(mm)をそれぞれO,(D)とすると、O−(D)の値は、好ましくは0.5〜1.7mmであり、より好ましくは0.7〜1.4mm、さらに好ましくは0.9〜1.2mmである。この値が小さいと、ボールのスピン量が増加してしまい飛距離が出なくなることがある。一方、この値が大きいと、ドライバー(W#1)打撃時での実打初速が低くなり飛距離が出なくなったり、繰り返し打撃による割れ耐久性が悪くなることがある。
各被覆球体の初速関係
中間層被覆球体の初速−コアの初速の値は、好ましくは−0.3〜0.5m/sであり、好ましくは−0.2〜0.4m/s、さらに好ましくは0〜0.3m/sである。この値が小さ過ぎると、フルショット時の低スピン効果が足りずに飛距離が出なくなることがある。一方、上記の値が大き過ぎると、中間層材料が脆くなり、繰り返し打撃した時の割れ耐久性が悪くなることがある。
ボール初速−中間層被覆球体の初速の値は、好ましくは−0.7〜0.4m/sであり、より好ましくは−0.6〜0m/s、さらに好ましくは−0.5〜−0.4m/sである。この値が大き過ぎると、カバーが硬くなることにより繰り返し打撃した時の割れ耐久性が悪くなることがある。一方、上記の値が小さ過ぎると、カバーが軟らかくなることによりフルショットでスピンが増えて飛距離が出なくなったり、飛び感が悪くなることがある。
ボール初速−コア初速の値は、好ましくは−0.8〜0m/sであり、より好ましくは−0.6〜−0.1m/s、さらに好ましくは−0.5〜−0.2m/sである。この値が小さ過ぎると、ボール全体での反発性が低くなったり、フルショットした時のスピン量が増え過ぎてしまい飛距離が出なくなることがある。一方、この値が大き過ぎると、カバーが硬くなり、繰り返し打撃した時の割れ耐久性が悪くなることがある。
ここで、上記の「初速」は、コア,中間層被覆球体及びボールの各球体を対象として、USGAのドラム回転式の初速度計と同方式の初速測定器を用いてゴルフボールの初速ルールに規定された測定方式にて測定した初速度を意味する。
最外層であるカバーの外表面には多数のディンプルを形成することができる。カバー表面に配置されるディンプルについては、特に制限はないが、好ましくは250個以上、より好ましくは300個以上、さらに好ましくは320個以上であり、上限として、好ましくは380個以下、より好ましくは350個以下、さらに好ましくは340個以下具備することができる。ディンプルの個数が上記範囲より多くなると、ボールの弾道が低くなり、飛距離が低下することがある。逆に、ディンプル個数が少なくなると、ボールの弾道が高くなり、飛距離が伸びなくなる場合がある。
ディンプルの形状については、円形、各種多角形、デュードロップ形、その他楕円形など1種類又は2種類以上を組み合わせて適宜使用することができる。例えば、円形ディンプルを使用する場合には、直径は2.5mm以上6.5mm以下程度、深さは0.08mm以上0.30mm以下とすることができる。
ディンプルがゴルフボールの球面に占めるディンプル占有率、具体的には、ディンプルの縁に囲まれた平面の面縁で定義されるディンプル面積の合計が、ディンプルが存在しないと仮定したボール球面積に占める比率(SR値)については、空気力学特性を十分に発揮し得る点から70%以上90%以下であることが望ましい。また、各々のディンプルの縁に囲まれた平面下のディンプルの空間体積を、前記平面を底面とし、かつこの底面からのディンプルの最大深さを高さとする円柱体積で除した値V0は、ボールの弾道の適正化を図る点から0.35以上0.80以下とすることが好適である。更に、ディンプルの縁に囲まれた平面から下方に形成されるディンプル容積の合計がディンプルが存在しないと仮定したボール球容積に占めるVR値は、0.6%以上1.0%以下とすることが好ましい。上述した各数値の範囲を逸脱すると、良好な飛距離が得られない弾道となり、十分満足した飛距離を出せない場合がある。
カバー表面には、外観を確保する観点からも、クリア塗装を塗布することが好ましい。クリア塗装で用いられる塗料組成物は、主剤として2種類のポリエステルポリオールを使用すると共に、硬化剤として、ポリイソシアネートを使用することが好適である。この場合、塗装条件により、各種の有機溶剤を混合することができる。このような有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルプロピオネート等のエステル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶剤、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素系溶剤、ミネラルスピリット等の石油炭化水素系溶剤等を採用できる。
上記クリア塗装による塗膜層(コーティング層)の硬度は、ショアC硬度で、好ましくは40〜80であり、より好ましくは47〜72、さらに好ましくは55〜65である。このコーティング層が軟らかすぎると、ゴルフ使用の際、ボール表面に泥が付きやすくなることがある。また、コーディング層が硬すぎると、ボールを打撃した際、コーティング層が剥がれやすくなることがある。
上記のコア中心硬度(Cc)−コーティング層の硬度の値は、ショアC硬度で、好ましくは−18〜5であり、より好ましくは−15〜0、さらに好ましくは−12〜−5である。この値が上記範囲を逸脱すると、フルショット時のボールのスピン量が増加していまい飛距離が出なくなることがある。
上記塗膜層(コーティング層)の厚さは、通常、9〜22μmであり、好ましくは11〜20μm、より好ましくは13〜18μmである。塗膜層が上記範囲より薄くなると、カバーの保護効果が足りなくなることがある。一方、塗膜層が上記範囲より厚くなると、ディンプル形状がシャープでなくなり、その結果、飛距離が出なくなることがある。
なお、本発明のマルチピースソリッドゴルフボールは、競技用としてゴルフ規則に従うものとすることができ、ボール外径は42.672mm内径のリングを通過しない大きさで42.80mm以下、質量は好ましくは45.0〜45.93gに形成することができる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
〔実施例1〜4、比較例1〜5〕
コアの形成
表1に示した各実施例及び比較例のゴム組成物を調製した後、155℃、15分の加硫条件により加硫成形することによりソリッドコアを作製した。
Figure 2020081052
なお、表1に記載した各成分の詳細は以下の通りである。
・ポリブタジエンA:JSR社製、商品名「BR01」
・ポリブタジエンB:JSR社製、商品名「BR51」
・イソプレンゴム:JSR社製、商品名「IR2200」
・アクリル酸亜鉛:「ZN−DA85S」(日本触媒社製)
・有機過酸化物(1):ジクミルパーオキサイド、商品名「パークミルD」(日油社製)
・有機過酸化物(2):1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサンとシリカとの混合物、商品名「パーヘキサC−40」(日油社製)
・ステアリン酸亜鉛:「ジンクステアレートG」(日油社製)
・老化防止剤:2,2−メチレンビス(4−メチル−6−ブチルフェノール)、商品名「ノクラックNS−6」(大内新興化学工業社製)
・硫酸バリウム:ヒ性硫酸バリウム、商品名「バリコ#100」(白水化学工業社製)
・酸化亜鉛:商品名「三種酸化亜鉛」(堺化学工業社製)
・ペンタクロロチオフェノール亜鉛塩:和光純薬工業社製
中間層の形成
次に、比較例4及び比較例5を除く各実施例及び各比較例については、コアの周囲に、表2に示した配合の中間層材料を用いて射出成形法により中間層を形成し、該中間層を被覆した球体を得た。
カバー(最外層)の形成
次に、比較例4及び比較例5を除く各実施例及び各比較例については、上記で得た中間層被覆球体の周囲に、表2に示した配合のカバー材料を用いて射出成形法によりカバー(最外層)を形成した。比較例4及び比較例5については、コアの周囲に直接カバー材料を射出成形し、カバー(最外層)を形成した。なお、カバー表面には、全ての実施例及び比較例に共通する所定の多数のディンプルを形成した。
Figure 2020081052
表中に記載した主な材料の商品名は以下の通りである。
「ハイミラン」「AM7329」:三井・デュポンポリケミカル社製のアイオノマー
「サーリン」:Dupont社製のアイオノマー
「AN4319」:三井・デュポンポリケミカル社製の「ニュクレル」
「HPF1000」:Dupont HPF(商標)1000
「HPF2000」:Dupont HPF(商標)2000
「酸化チタン」:堺化学工業社製
塗膜層(コーティング層)の形成
次に、下記表3に示す塗料配合において、ディンプルが多数形成されたカバー(最外層)表面に、エアースプレーガンにより上記塗料を塗装し、厚み15μmの塗膜層を形成したゴルフボールを作製した。
Figure 2020081052
主剤のポリオールとしては、以下の方法によって合成したポリエステルポリオールを用いた。
環流冷却管、滴下漏斗、ガス導入管及び温度計を備えた反応装置に、トリメチロールプロパン140質量部、エチレングリコール95質量部、アジピン酸157質量部、1,4−シクロヘキサンジメタノール58質量部を仕込み、撹拌しながら200〜240℃まで昇温させ、5時間加熱(反応)させた。その後、酸価4、水酸基価170、重量平均分子量(Mw)28,000のポリエステルポリオールを得た。添加剤、すなわち、撥水性添加剤は、いずれも市販品を用い、シリコーン系添加剤であり、汚染性向上シリコーン添加剤、であり、フッ素系ポリマーのアルキル基鎖長が7以下であるものを添加した。
硬化剤のイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)のヌレート体(イソシアヌレート体)である旭化成社製の商品名デュラネートTPA−100(NCO含有量23.1%、不揮発分100%)を用いた。
主剤の溶剤としては、酢酸ブチルを用い、硬化剤の溶剤としては、酢酸エチルと酢酸ブチルとを用いた。上記表のC硬度は、厚さ2mmのシートを作成し、3枚重ね、ASTM D2240規格に準拠したショアC硬度計にて計測した。
得られた各ゴルフボールにつき、コアの中心・表面硬度、コアや各被覆球体の外径、各層の厚さ及び材料硬度、各被覆球体の表面硬度、初速及び所定荷重の圧縮変形量の諸物性を下記の方法で評価し、表4に示す。
コア及び中間層被覆球体の各球体の外径
23.9±1℃の温度で、3時間以上温調した後に、任意の表面5箇所を測定し、その平均値を1個の各球体の測定値とし、測定個数10個での平均値を求めた。
ボールの直径
23.9±1℃の温度で、3時間以上温調した後に、任意のディンプルのない部分を15箇所測定し、その平均値を1個のボールの測定値とし、測定個数10個のボールの平均値を求めた。
コア、中間層被覆球体及びボールの各球体の圧縮変形量
各球体を硬板の上に置き、初期荷重0.2kgfをかけた状態から終荷重5kgfをかけたときまでの圧縮変形量(A)、初期荷重5kgfをかけた状態から終荷重15kgfをかけたときまでの圧縮変形量(B)、初期荷重5kgfをかけた状態から終荷重60kgfをかけたときまでの圧縮変形量(C)、初期荷重10kgfをかけた状態から終荷重130kgfをかけたときまでの圧縮変形量(D)、及び、初期荷重5kgfをかけた状態から終荷重30kgfをかけたときまでの圧縮変形量(E)をそれぞれ計測した。なお、上記の圧縮変形量はいずれも23.9℃に温度調節した後の測定値である。また、測定器はミュー精器株式会社製の高荷重コンプレッションテスターを使用し、加圧ヘッドのダウン速度は、4.7mm/秒で計測した。
コア硬度分布
コアの表面は球面であるが、その球面に硬度計の針をほぼ垂直になるようにセットし、ASTM D2240に従ってショアC硬度でコア表面硬度を計測した。コアの中心については、コアを半球状にカットして断面を平面にして中心部分に硬度計の針を垂直に押し当てて測定した。ショアC硬度の値で示される。
中間層及びカバーの材料硬度(ショアD硬度)
各層の樹脂材料を厚さ2mmのシート状に成形し、2週間以上放置した。その後、ショアD硬度はASTM D2240規格に準拠して計測した。
中間層被覆球体及びボールの各球体の表面硬度(ショアD及びショアC硬度)
各球体の表面に対して針を垂直になるように押し当てて計測した。なお、ボール(カバー)の表面硬度は、ボール表面においてディンプルが形成されていない陸部における測定値である。ショアD硬度はASTM D2240規格に準拠したタイプDデュロメータによって計測し、ショアC硬度は、ASTM D2240規格に準拠したショアC硬度計にて計測した。
コア、中間層被覆球体及びボールの各球体の初速
R&Aの承認する装置であるUSGAのドラム回転式の初速計と同方式の初速測定器を用いて測定した。コア、中間層被覆球体及びボールを23.9±1℃環境下で3時間以上温調した後、室温23.9±2℃の部屋でテストした。250ポンド(113.4kgf)のヘッド(ストライキングマス)を用いて打撃速度143.8ft/s(43.83m/s)にてボールを打撃し、1ダースのボールを各々4回打撃して6.28ft(1.91m)の間を通過する時間を測定し、初速(m/s)を算出した。約15分間でこのサイクルを行なった。
Figure 2020081052
各ゴルフボールの飛び性能及び打感を下記の方法で評価した。その結果を表6に示す。
飛び性能
ゴルフ打撃ロボットに各種のクラブ(W#1,I#6)をつけて、下記の表5に示した条件で打撃した時の飛距離を測定し、下記表の基準で判定した。
Figure 2020081052
なお、上記表中のクラブ名の「PHYZ」は、ブリヂストンスポーツ社製の「PHYZドライバー」(ロフト角10.5°)及び「PHYZアイアンI#6」を使用した。
打感
ドライバー(W#1)により、ヘッドスピードが30〜40m/sのアマチュアユーザーによる実打における官能評価を行い、「ソフト感」について下記の基準で判定した。
・ソフト感がありと評価した人が20人中12人以上 ・・・ ○
・ソフト感があると評価した人が20人中7〜11人 ・・・ △
・ソフト感があると評価した人が20人中6人以下 ・・・ ×
また、ウェッジでのアプローチ時及びパターを使用した際の打感の評価も行った。この打感については、“ほどよい軟らかさとヒット感とを併せ持つ感覚”を「良い打感」と評価して下記の基準で判定した。
・良い打感と評価した人が20人中12人以上 ・・・ ○
・良い打感と評価した人が20人中7〜11人 ・・・ △
・良い打感と評価した人が20人中6人以下 ・・・ ×
Figure 2020081052
表6の結果に示されるように、比較例1〜5のゴルフボールは、本発明品(実施例)に比べて以下の点で劣る。
比較例1は、初期荷重5kgfをかけた状態から終荷重15kgfをかけたときまでの圧縮変形量(B)が0.38mmより大きい値となり、且つ、初期荷重5kgfをかけた状態から終荷重60kgfをかけたときまでの圧縮変形量(C)が2.03mmより大きい値となり、その結果、ショートゲームでの打感が軟らかすぎると共に、6番アイアン(I#6)で打撃したときのスピン量が増大してしまい飛距離が劣る。
比較例2は、上記圧縮変形量(B)が0.30mmより小さい値となり、上記圧縮変形量(C)が1.70mmより小さい値となり、且つ、初期荷重10kgfをかけた状態から終荷重130kgfをかけたときまでの圧縮変形量(D)が3.10mmより小さくなり、その結果、6番アイアン(I#6)で打撃したときのスピン量が増大してしまい飛距離が劣ると共に、打感が硬すぎる。
比較例3は、上記圧縮変形量(B)が0.30mmより小さい値となり、上記圧縮変形量(C)が1.70mmより小さい値となり、且つ、上記圧縮変形量(D)が3.10mmより小さくなり、その結果、ドライバー(W#1)及び6番アイアン(I#6)で打撃したときのスピン量が増大してしまい飛距離が劣ると共に、打感が硬すぎる。
比較例4は、初期荷重0.2kgfをかけた状態から終荷重5kgfをかけたときまでの圧縮変形量(A)が0.18mmを超える値となり、上記圧縮変形量(B)が0.38mmを超える値となり、且つ、上記圧縮変形量(C)が2.03mmを超える値となり、その結果、ドライバー(W#1)及び6番アイアン(I#6)で打撃したときの実打初速が低くなり、飛距離が劣り、ショートゲームでの打感が軟らかすぎる。
比較例5は、上記圧縮変形量(A)が0.18mmを超える値となり、上記圧縮変形量(B)が1.69mmより大きく、且つ、上記圧縮変形量(C)が2.90mmより大きくなり、その結果、ドライバー(W#1)及び6番アイアン(I#6)で打撃したときの実打初速が低くなり、飛距離が劣り、ショートゲームでの打感が軟らかすぎる。
〔比較例6〜11〕
下記表7に示す製品のゴルフボールについて、上記実施例と同様に、比較例6〜11の各例のゴルフボールの各圧縮変形量を測定するとともに、各ゴルフボールの飛び性能及び打感を上記実施例と同様の方法で評価した。これらの圧縮変形量及びボール特性を同表に示す。なお、比較例7,8及び11のゴルフボールは、単層コア及びカバーを具備するツーピースソリッドソリッドゴルフボールであり、比較例6,9及び10のゴルフボールは、単層コア、中間層及びカバーを具備するスリーピースソリッドソリッドゴルフボールである。
比較例6〜11の各製品の内容は下記のとおりである。
・「比較例6」・・・「Titleist ProV1 2017年モデル」(Acushnet社製)
・「比較例7」・・・「Titleist TourSoft 2018年モデル」(Acushnet 社製)
・「比較例8」・・・「Titleist VELOCITY 2018年モデル」(Acushnet 社製)
・「比較例9」・・・「Callaway SUPERHOT 70 2017年モデル」(Callaway 社製)
・「比較例10」・・・「VOLVIK VIVID 2016年モデル」(VOLVIK 社製)
・「比較例11」・・・「Wilson Staff DUO SOFT 2018年モデル」(Wilson 社製)
Figure 2020081052
表7の結果に示されるように、比較例6〜11のゴルフボールは、本発明品(実施例)に比べて以下の点で劣る。
比較例6は、上記圧縮変形量(A)が0.18mmより大きく、上記圧縮変形量(C)が1.70mmより小さく、且つ、上記圧縮変形量(D)が3.10mmより小さい値となり、その結果、6番アイアン(I#6)で打撃したときのスピン量が増大してしまい飛距離が劣ると共に、フルショット時の十分なソフト感が得られない。
比較例7は、上記圧縮変形量(B)が0.38mmより大きい値となり、その結果、6番アイアン(I#6)で打撃したときのスピン量が増大してしまい飛距離が劣ると共に、ショートゲーム時の打感が軟らかすぎる。
比較例8は、上記圧縮変形量(A)が0.18mmより大きく、上記圧縮変形量(D)が3.10mmより小さい値となり、その結果、6番アイアン(I#6)で打撃したときのスピン量が増大してしまい飛距離が劣ると共に、フルショット時の十分なソフト感が得られない。
比較例9は、上記圧縮変形量(A)が0.18mmより大きく、上記圧縮変形量(D)が3.10mmより小さい値となり、その結果、6番アイアン(I#6)で打撃したときのスピン量が増大してしまい飛距離が劣ると共に、フルショット時の十分なソフト感が得られない。
比較例10は、上記圧縮変形量(C)が1.70mmより小さく、上記圧縮変形量(D)が3.10mmより小さい値となり、その結果、6番アイアン(I#6)で打撃したときのスピン量が増大してしまい飛距離が劣ると共に、十分なソフト感が得られない。
比較例11は、上記圧縮変形量(A)が0.18mmより大きく、上記圧縮変形量(B)が0.38mmより大きく、且つ、上記圧縮変形量(C)が2.03mmより大きい値となり、その結果、実打初速が低くなり、ドライバー(W#1)及び6番アイアン(I#6)打撃での飛距離が劣り、ショートゲーム時の打感が悪くなる。

Claims (13)

  1. コア及びカバーを具備するゴルフボールであって、該ゴルフボールの圧縮変形量において、初期荷重0.2kgfをかけた状態から終荷重5kgfをかけたときまでの圧縮変形量(A)が0.18mm以下であり、初期荷重5kgfをかけた状態から終荷重15kgfをかけたときまでの圧縮変形量(B)が0.30〜0.38mmであり、初期荷重5kgfをかけた状態から終荷重60kgfをかけたときまでの圧縮変形量(C)が1.70〜2.03mmであり、且つ、初期荷重10kgfをかけた状態から終荷重130kgfをかけたときまでの圧縮変形量(D)が3.10〜3.80mmであることを特徴とするゴルフボール。
  2. 初期荷重5kgfをかけた状態から終荷重30kgfをかけたときまでの圧縮変形量(E)が0.68〜0.98mmである請求項1記載のゴルフボール。
  3. 上記圧縮変形量(D)と上記圧縮変形量(A)との比(D)/(A)の値が18.0以上である請求項1又は2記載のゴルフボール。
  4. 上記圧縮変形量(D)と上記圧縮変形量(B)との比(D)/(B)の値が9.00〜11.0である請求項1〜3のいずれか1項記載のゴルフボール。
  5. 上記圧縮変形量(D)と上記圧縮変形量(C)との比(D)/(C)の値が1.75〜1.88である請求項1〜4のいずれか1項記載のゴルフボール。
  6. 上記圧縮変形量(D)と上記圧縮変形量(E)との比(D)/(E)の値が3.55〜4.10である請求項2〜5のいずれか1項記載のゴルフボール。
  7. 上記コアと上記カバーとの間には、少なくとも中間層が含まれるものであり、ゴルフボールの構造が、コア、中間層及びカバーを具備する3層以上からなる請求項1〜6のいずれか1項記載のゴルフボール。
  8. 下記の表面硬度の関係式(1)
    カバー表面のショアC硬度>中間層表面のショアC硬度>コア表面のショアC硬度>コア中心のショアC硬度 ・・・(1)
    を満たす請求項7記載のゴルフボール。
  9. 上記カバー表面には塗膜層が形成され、該塗膜層の材料硬度がコア中心硬度(Cc)より高くなる請求項1〜8のいずれか1項記載のゴルフボール。
  10. 下記の初速の関係式(2)を満たす請求項7〜9のいずれか1項記載のゴルフボール。
    (中間層被覆球体の初速)>(コア初速)>(ボール初速) ・・・(2)
  11. コア及びカバーを具備するゴルフボールであって、該ゴルフボールの圧縮変形量において、初期荷重0.2kgfをかけた状態から終荷重5kgfをかけたときまでの圧縮変形量を(A)、初期荷重5kgfをかけた状態から終荷重15kgfをかけたときまでの圧縮変形量を(B)、初期荷重5kgfをかけた状態から終荷重60kgfをかけたときまでの圧縮変形量を(C)、及び、初期荷重10kgfをかけた状態から終荷重130kgfをかけたときまでの圧縮変形量を(D)とするとき、(D)の値が3.10〜3.80mmであると共に、
    (D)/(A)の値:18.0以上
    (D)/(B)の値:9.00〜11.0、及び
    (D)/(C)の値:1.75〜1.88
    を満たすことを特徴とするゴルフボール。
  12. 初期荷重5kgfをかけた状態から終荷重30kgfをかけたときまでの圧縮変形量(E)が0.68〜0.98mmである請求項11記載のゴルフボール。
  13. 上記圧縮変形量(D)と上記圧縮変形量(E)との比(D)/(E)の値が3.55〜4.10である請求項12記載のゴルフボール。
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