JP7262694B1 - 流れ場予測装置、学習装置、流れ場予測プログラム及び学習プログラム - Google Patents

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Abstract

流れ場予測装置1は、複数の建物を含む街区を対象領域とした流れ場について、少なくとも建物間の影響が解析される第1の計算手法に基づく解析結果を取得する解析結果取得部14と、少なくとも第1の計算手法に基づく解析結果を含む入力データに対して、第1の計算手法よりも高精度な第2の計算手法に基づく解析結果を正解データとする教師データにより学習された学習モデルに対して、解析結果取得部により取得された新たな解析結果を入力し、当該学習モデルの出力を流れ場の予測結果として出力する予測処理部15と、を備える。

Description

特許法第30条第2項適用 (1)令和4年7月20日に配布が開始された「2022年度 日本建築学会大会(北海道)学術講演梗概集・建築デザイン発表梗概集DVD」にて公開 (2)令和4年9月8日、2022年度 日本建築学会大会(北海道)学術講演会にてオンライン発表
本発明は、建物周辺の流れ場を予測するための装置及びプログラムに関する。
従来、高層建物等の大規模構造物の建築に際して、周辺にビル風が発生する可能性等、風環境の変化を調査するため、風洞実験及びCFD(Computational Fluid Dynamics)によって構造物周辺の風環境を解析し、風環境を悪化させない設計案を作成することが行われている。
風環境は、例えば風速分布により評価されるが、建物の周りに形成される風速分布は、該当の建物の形状及び風向の他に、この建物の周辺にある建物等の障害物に影響されることが知られている。このため、複数の建物を含む広い領域を対象とした解析手法が望まれている。
例えば、特許文献1では、複数の建物を含む市街地を対象として、ニューラルネットワークにより風速分布を予測する手法が提案されている。
特開2021-124368号公報
しかしながら、従来の手法で複数の建物を含む領域(以下、街区と呼ぶ)を対象として、風速分布を高精度に予測することは難しく、CFDによる解析には長時間を要していた。一方、簡易的な解析手法、又はニューラルネットワークによる予測手法では、その精度が十分でなかった。
本発明は、街区の流れ場を高精度にかつ効率的に予測できる流れ場予測装置、学習装置、流れ場予測プログラム及び学習プログラムを提供することを目的とする。
本発明に係る流れ場予測装置は、複数の建物を含む街区を対象領域とした流れ場について、少なくとも建物間の影響が解析される第1の計算手法に基づく解析結果を取得する解析結果取得部と、少なくとも前記第1の計算手法に基づく解析結果を含む入力データに対して、前記第1の計算手法よりも高精度な第2の計算手法に基づく解析結果を正解データとする教師データにより学習された学習モデルに対して、前記解析結果取得部により取得された新たな解析結果を入力し、当該学習モデルの出力を前記流れ場の予測結果として出力する予測処理部と、を備える。
前記解析結果取得部は、前記街区における所定の高さの流れ場の情報からなる平面データを含む複数の平面データを、前記解析結果として取得し、前記学習モデルは、前記解析結果の入力に対して、少なくとも前記所定の高さの予測結果を出力するものであってもよい。
前記解析結果取得部は、所定範囲の高さの連続した複数の前記平面データを前記解析結果として取得し、前記学習モデルは、前記解析結果の入力に対して、当該入力と同一範囲の高さの連続した複数の予測結果を出力するものであってもよい。
前記解析結果取得部は、所定範囲の高さの連続した複数の前記平面データを前記解析結果として取得し、前記学習モデルは、前記平面データを入力して得られる連続した高さ方向の出力を順次入力に加えることにより、高さの連続した複数の予測結果を出力するものであってもよい。
前記解析結果取得部は、時間の連続した複数の前記平面データを前記解析結果として取得し、前記学習モデルは、前記平面データを入力して得られる連続した時間方向の出力を順次入力に加えることにより、時間の連続した複数の予測結果を出力するものであってもよい。
前記第1の計算手法に基づく解析結果は、風の剥離、後流、及び縮流の少なくともいずれかの情報を含んでもよい。
前記第1の計算手法は、RANS(Reynolds-Averaged Navier-Stokes Simulation)であってもよく、前記第2の計算手法は、LES(Large Eddy Simulation)であってもよい。
前記学習モデルは、CNN(Convolutional Neural Network)により構成されてもよい。
本発明に係る学習装置は、複数の建物を含む街区を対象領域とした流れ場について、少なくとも建物間の影響が解析される第1の計算手法に基づく第1の解析結果を取得する第1のデータ取得部と、前記街区を対象領域とした流れ場について、前記第1の計算手法よりも高精度な第2の計算手法に基づく第2の解析結果を取得する第2のデータ取得部と、前記第1の解析結果を含む入力データに対して、前記第2の解析結果を正解データとする教師データにより、学習モデルを更新する学習処理部と、を備える。
本発明に係る流れ場予測プログラムは、前記流れ場予測装置としてコンピュータを機能させるためのものである。
本発明に係る学習プログラムは、前記学習装置としてコンピュータを機能させるためのものである。
本発明によれば、街区の流れ場を高精度にかつ効率的に予測できる。
第1実施形態における流れ場予測装置の機能構成を示すブロック図である。 第1実施形態において学習モデルに入力される画像データを例示する図である。 第1実施形態の学習モデルにおける入力データと出力データとの関係を例示する図である。 第2実施形態の学習モデルにおける入力データと出力データとの関係を例示する図である。 第3実施形態の学習モデルにおける入力データと出力データとの関係を例示する図である。 テスト用データ全体における各モデルの精度指標の平均値を示す表である。 街区における高さ毎の精度指標の平均値を示すグラフである。 モデルB及びRANSのそれぞれについて、LESとのユークリッド距離の分布を示す図である。
本実施形態では、CNN(Convolutional Neural Network)等の機械学習モデルを用いて、入力データに対して正解データとして風速、又は風圧等の流れ場のデータを与える教師あり学習によって、街区における高精度な流れ場を予測可能な学習済みモデルを提供する。
なお、流れ場としては、風速又は風圧等が想定されるが、以下の実施形態では、平均風速の分布を予測する場合を例に説明する。
学習モデルの入力データには、従来の断面高さ等の建物情報及び風向情報に代えて、又は加えて、街区を対象としていることにより考慮されるべき建物間の影響について解析された情報が含まれる。
具体的には、周囲の建物における風の剥離、後流、及び縮流の少なくともいずれかの情報を含む複雑な流れ場の情報を入力とする。
本実施形態では、複雑な流れ場の情報の取得には、高速に計算可能な比較的簡易な手法(第1の計算手法)が用いられ、より高精度な計算手法(第2の計算手法)による解析結果を正解データとして、学習モデルの教師あり学習が実施される。
第1の計算手法には、例えば、RANS(Reynolds-Averaged Navier-Stokes Simulation)、渦度法、ニュートン法等を適用できる。
第2の計算手法には、例えば、LES(Large Eddy Simulation)、DNS(Direct Numerical Simulation)、実験によるPIV(Particle Image Velocimetry)、格子ボルツマン法等を適用できる。
以下、学習モデルへの入力の態様がそれぞれ異なる第1~第4実施形態を例示して説明する。
なお、第1の計算手法はRANS、第2の計算手法はLESであるとする。
[第1実施形態]
第1施形態では、学習モデルへの入力は、RANSにより計算された、街区内のある高さにおけるx軸、y軸、z軸の3方向それぞれの風速分布を表す画像データ3枚と、予測精度向上のために適宜追加される画像データである。
図1は、本実施形態における流れ場予測装置1の機能構成を示すブロック図である。
流れ場予測装置1は、学習装置としての機能も併せ持ち、学習モデルの学習フェーズ、及び学習済みモデルを用いた予測フェーズのそれぞれを実行する。
なお、学習装置としての機能は、他の情報処理装置に設けられてもよい。この場合、十分な数の教師データにより学習された学習モデルのパラメータが流れ場予測装置1に提供される。
流れ場予測装置1は、制御部10及び記憶部20の他、入出力及び通信インタフェース等を備えた情報処理装置(コンピュータ)である。
制御部10は、流れ場予測装置1の全体を制御する部分であり、記憶部20に記憶された流れ場予測プログラムを含む各種ソフトウェアを適宜読み出して実行することにより、本実施形態における各機能を実現する。制御部10は、CPUであってよい。
記憶部20は、ハードウェア群を流れ場予測装置1として機能させるための各種プログラム、及び各種データ等の記憶領域であり、ROM、RAM、フラッシュメモリ又はハードディスクドライブ(HDD)等であってよい。
具体的には、記憶部20は、流れ場予測プログラム等の各種ソフトウェアの他、学習モデルを構成するための各種パラメータ、教師データ等を記憶する。
制御部10は、学習フェーズを担う第1のデータ取得部11、第2のデータ取得部12、及び学習処理部13と、予測フェーズを担う解析結果取得部14、及び予測処理部15を備える。
第1のデータ取得部11は、街区を対象領域とした流れ場について、少なくとも建物間の影響が解析される第1の計算手法(例えば、RANS)に基づく第1の解析結果を取得する。
このとき、第1のデータ取得部11は、街区における所定の高さの流れ場の情報(XY断面情報)からなる平面データに加えて、近接する複数の平面データを、解析結果として取得してもよい。例えば、ある高さのXY断面情報1枚に加えて、計算メッシュの幅(例えば、数十センチメートル~数メートルの所定の幅)で上下いずれか又は両方の1枚ずつ、又は数枚ずつが取得されてもよい。
第2のデータ取得部12は、第1のデータ取得部11と同一の流れ場について、第1の計算手法よりも高精度な第2の計算手法(例えばLES)に基づく第2の解析結果を取得する。
この第2の解析結果は、第1のデータ取得部11により得られる第1の解析結果に対応した、同一の街区における同一高さの流れ場の情報を示す、より高精度な解析結果である。
学習処理部13は、第1の解析結果を含む入力データに対して、第2の解析結果を正解データとする教師データにより、学習モデルを更新する。
なお、本実施形態における学習モデルは、例えば、CNNの一種であるU-Net++を用いることとするが、これには限られず、各種の機械学習モデルが採用されてよい。
解析結果取得部14は、予測の対象とする街区の流れ場について、第1の計算手法に基づく解析結果を取得し、学習モデルへの入力として予測処理部15に提供する。
このとき、解析結果取得部14は、第1のデータ取得部11と同一の形式で解析結果を取得する。
予測処理部15は、学習処理部13により学習された学習モデルに対して、解析結果取得部14により取得された新たな解析結果を入力し、学習モデルの出力を流れ場の予測結果として出力する。
このとき、学習モデルは、予測対象の街区における所定の高さ、及び近接する高さの解析結果の入力に対して、少なくとも所定の高さの予測結果を出力する。
ここで、学習フェーズ及び予測フェーズにおいて、学習モデルへの入力データは、第1の計算手法であるRANSによる解析結果のみであってもよいが、次の各種データが追加されてもよい。
図2は、本実施形態において学習モデルに入力される画像データを例示する図である。
まず、RANSによる解析結果は、ある高さに対して、3軸方向それぞれの風速分布を示す3枚の画像データとして提供され、画素値が各セルの平均風速を示している。
風向データは、街区に対して入力される風向を示し、例えば、風上側から風下側へのグラデーションで表現された画像データである。
建物高さデータは、街区内に存在する建物の位置及び高さを示し、例えば、画素値で各位置(セル)の高さが表現された画像データである。
建物からの距離データは街区内の各位置(セル)から最も近い建物までの距離を示し、例えば、画素値で距離が表現された画像データである。
これらの追加データにより、学習モデルで処理される情報量が増加するため、RANSによる解析結果を、LESによる解析結果に補正する精度、すなわち流れ場の予測精度の向上が期待できる。
図3は、本実施形態の学習モデルにおける入力データと出力データとの関係を例示する図である。
ここでは、予測対象とする高さに関する入力データに対して、上下の近接する高さのRANSによる解析結果である6枚の画像が追加されている。
この入力データに対して、出力データは、LESによる解析結果に相当する少なくとも3枚の画像である。
このように、予測対象の高さに関する入力データに対して、上下の近接する高さの情報が追加されることにより、RANSによる解析結果を、LESに相当する解析結果に補正する精度、すなわち流れ場の予測精度の向上が期待できる。
[第2実施形態]
第2実施形態では、流れ場予測装置1の機能構成は第1実施形態と同様であるが、学習モデルの入出力が異なる。
第1のデータ取得部11及び解析結果取得部14は、所定範囲の高さの連続した複数の平面データを解析結果として取得する。
具体的には、学習モデルへの入力は、RANSにより計算された、街区内の所定範囲の連続する各高さにおけるX軸、Y軸、Z軸の3方向それぞれの風速分布を表す画像データ3枚ずつと、予測精度向上のために適宜追加される画像データである。すなわち、高さ範囲に応じて、連続した複数枚の画像セットが軸毎の3セット用意される。
そして、学習モデルは、この解析結果の入力に対して、入力と同一範囲の高さの連続した複数の予測結果を出力するものである。
すなわち、第2のデータ取得部12が取得する解析結果についても、第1のデータ取得部11と同一の範囲の高さの連続した複数の平面データである。
図4は、本実施形態の学習モデルにおける入力データと出力データとの関係を例示する図である。
ここでは、高さ方向に連続したRANSによる解析結果を示す例えば32枚の画像群が3セット入力されている。
この入力データに対して、出力データも同様に、予測結果を示す32枚の画像群が3セットである。
このように、高さ方向を加えた3次元の解析結果を入出力とした学習モデルにより、街区領域における3次元の風環境について、RANSによる解析結果をLESに相当する解析結果に補正する精度、すなわち流れ場の予測精度の向上が期待できる。
[第3実施形態]
第3実施形態では、流れ場予測装置1の機能構成は第1実施形態及び第2実施形態と同様であるが、学習モデルの構成及び入出力がいずれとも異なる。
第1のデータ取得部11及び解析結果取得部14は、所定範囲の高さの連続した複数の平面データを、学習モデルに入力するための解析結果として取得する。
学習モデルへは、RANSにより計算された、街区内の所定範囲の連続する各高さにおける風速分布を表す画像データを順次入力するのに加えて、さらに、直前の入力に応じて得られた出力が順次入力に加えられる。これにより、高さ方向に連続した複数の予測結果が順次出力される。
なお、第1実施形態及び第2実施形態と同様に、予測精度向上のために追加の情報が適宜入力されてもよい。
図5は、本実施形態の学習モデルにおける入力データと出力データとの関係を例示する図である。
ここでは、学習モデルの一例として、時系列データを扱う回帰型ニューラルネットワークの一種であるLSTM(Long Short Term Memory)がU-Netと組み合わせて用いられている。
例えば、高層から低層へと順に、RANSによる解析結果が順次U-Netに入力され(1)、その出力がLSTMに入力され(2)、さらにその出力が近接する下の層のLSTMに対して入力される(3)。
このように、連続する高さの流れ場を順次予測する際に、予測結果を順次、次の入力に加えることにより、街区領域における3次元の風環境について、RANSによる解析結果をLESに相当する解析結果に補正する精度、すなわち流れ場の予測精度の向上が期待できる。
[第4実施形態]
第4実施形態では、流れ場予測装置1の機能構成は第3実施形態と同一であるが、学習モデルの入出力が異なる。
第1のデータ取得部11及び解析結果取得部14は、街区内における時間方向に連続した複数の平面データを、学習モデルに入力するための解析結果として取得する。
学習モデルは、第3実施形態と同様に、複数の解析結果を順次処理するが、このとき時系列に入力されるのは、第3実施形態の高さ方向に連続するデータと異なり、時間方向に連続するデータである。これにより、時間の連続した複数の予測結果が出力される。
すなわち、図5において、例えば、時刻の推移の順にRANSにより解析された結果が順次U-Netに入力され(1)、その出力がそれぞれLSTMに入力され(2)、さらにその出力が後続の時刻に対応するLSTMに対して入力される(3)。
このように、連続する時刻の流れ場を順次予測する際に、予測結果を順次、次の入力に加えることにより、街区領域における風環境の変化について、RANSによる解析結果をLESに相当する解析結果に補正する精度、すなわち流れ場の予測精度の向上が期待できる。
[実験結果]
前述の実施形態による流れ場の予測精度に関して、第1の計算手法としてのRANSによる解析結果を利用しない場合と比較した結果を示す。
ここでは、RANSによる解析結果に加えて、断面形状、風向、建物高さ、建物からの距離、近接するXY断面(水平面)の情報を学習モデルの入力とし、第1実施形態による予測結果を例示する。
RANSの解析結果を用いないモデルAに対して、RANSにより計算された平均風速の3成分をさらに入力する第1実施形態のケースをモデルBとする。いずれの場合も、学習フェーズにおける正解データは、LESにより計算された平均風速の3成分である。
具体的には、機械学習に用いるデータは、複数種類の街区について、風洞実験を再現した縮尺1/400のモデルに対する計算結果をRANS及びLESそれぞれで準備した。計算メッシュは、RANS及びLESで共通して約5000万要素である。また、風向角は、0度から360度までを22.5度ずつ回転した16方位を計算した。
RANS及びLESによる解析結果を表すデータは、街区領域から、X,Y,Z方向に769×769×399のセルをもつ同寸法の領域に線形補間して作成した。分割された各セルは、X,Y,Z方向の時間平均風速を成分として持つ。また、建物形状を表すデータは、各セル内における建物の占有率を要素とする769×769×399の3次元データとした。学習の際は、これらのデータをXY平面(水平面)でスライスし、さらに街区の中心部分を512×512にトリミングした2次元データにして用いた。
予測精度は、LESによる解析結果を正解とみなし、これとの乖離度を評価する。
具体的には、風速ベクトルのユークリッド距離の他、次の文献Aで示されているhit rate、及びFAC2を用いた。なお、hit rate及びFAC2は、LESの計算結果を真値とし、1風向のデータに関してセル毎の風速ベクトルのスカラー値を比較して算出した。
文献A: Okaze et al.: Large-eddy simulation of flow around an isolated building: A step-by-step analysis of influencing factors on turbulent statistics, Building and Environment, 2021.
図6は、テスト用データ全体における各モデルの精度指標の平均値を示す表である。
ユークリッド距離が小さいほど、また、hit rate及びFAC2の値が1に近いほど、LESの計算結果を再現できていると考えることができる。
図7は、街区における高さ毎の精度指標の平均値を示すグラフである。
モデルAでは、図6の指標によると、全体的にはRANSと同等程度、LESに近い予測ができていると考えられる。しかし、図7のグラフでモデルAとRANSとを比較すると、モデルAはRANSよりも中低層部分の予測精度に課題があり、該当部分の街区の流れ場の複雑さに十分に対応できていない。
一方、モデルBに関しては、図6に示す通り、RANSのユークリッド距離を約33%改善している。さらに、図7のグラフでモデルBとRANSとを比較すると、モデルBはどの高さでも何れの指標においても、RANSより良い結果を示している。
図8は、モデルB及びRANSのそれぞれについて、LESとのユークリッド距離の分布を示す図である。
ここでは、高さ6m付近と高さ40m付近における実験結果を示している。
6m付近のLES-RANSの分布では距離の大きい建物隅角部周辺等において、LES-モデルBの分布では誤差が補正されていることがわかる。また、40m付近の分布を比較すると、モデルBでは、建物に起因する剥離及び後流域等での改善がみられ、RANSが苦手とする流れ場が改善されている。
以上のように、前述の実施形態によれば、流れ場予測装置1は、第1の計算手法(例えば、RANS)による解析結果を入力データとし、より高精度な第2の計算手法(例えば、LES)を正解データとする教師あり学習により、街区における流れ場を予測した。
これにより、流れ場予測装置1は、処理負荷が比較的小さい第1の計算手法による解析結果を、より高精度な第2の計算手法による解析結果に相当する精度に補正することができた。
したがって、流れ場予測装置1は、複数の建物を含む街区における複雑な流れ場を高精度に、かつ、効率的に予測することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限るものではない。また、前述した実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
例えば、前述の実施形態では、3次元の風速ベクトルを解析対象としたが、これには限られず、2次元ベクトル又はスカラー値等を対象としてもよい。
また、風速に代えて、又は加えて風圧を解析対象としてもよい。
流れ場予測装置1による流れ場予測方法は、ソフトウェアにより実現される。ソフトウェアによって実現される場合には、このソフトウェアを構成するプログラムが、情報処理装置(コンピュータ)にインストールされる。また、これらのプログラムは、CD-ROMのようなリムーバブルメディアに記録されてユーザに配布されてもよいし、ネットワークを介してユーザのコンピュータにダウンロードされることにより配布されてもよい。さらに、これらのプログラムは、ダウンロードされることなくネットワークを介したWebサービスとしてユーザのコンピュータに提供されてもよい。
1 流れ場予測装置
10 制御部
11 第1のデータ取得部
12 第2のデータ取得部
13 学習処理部
14 解析結果取得部
15 予測処理部
20 記憶部

Claims (11)

  1. 複数の建物を含む街区を対象領域とした流れ場について、少なくとも建物間の影響が解析される第1の計算手法に基づく解析結果を取得する解析結果取得部と、
    少なくとも前記第1の計算手法に基づく解析結果を含む入力データに対して、前記第1の計算手法よりも高精度な第2の計算手法に基づく解析結果を正解データとする教師データにより学習された学習モデルに対して、前記解析結果取得部により取得された新たな解析結果を入力し、当該学習モデルの出力を前記流れ場の予測結果として出力する予測処理部と、を備える流れ場予測装置。
  2. 前記解析結果取得部は、前記街区における所定の高さの流れ場の情報からなる平面データを含む複数の平面データを、前記解析結果として取得し、
    前記学習モデルは、前記解析結果の入力に対して、少なくとも前記所定の高さの予測結果を出力するものである請求項1に記載の流れ場予測装置。
  3. 前記解析結果取得部は、所定範囲の高さの連続した複数の前記平面データを前記解析結果として取得し、
    前記学習モデルは、前記解析結果の入力に対して、当該入力と同一範囲の高さの連続した複数の予測結果を出力するものである請求項2に記載の流れ場予測装置。
  4. 前記解析結果取得部は、所定範囲の高さの連続した複数の前記平面データを前記解析結果として取得し、
    前記学習モデルは、前記平面データを入力して得られる連続した高さ方向の出力を順次入力に加えることにより、高さの連続した複数の予測結果を出力するものである請求項2に記載の流れ場予測装置。
  5. 前記解析結果取得部は、時間の連続した複数の前記平面データを前記解析結果として取得し、
    前記学習モデルは、前記平面データを入力して得られる連続した時間方向の出力を順次入力に加えることにより、時間の連続した複数の予測結果を出力するものである請求項2に記載の流れ場予測装置。
  6. 前記第1の計算手法に基づく解析結果は、風の剥離、後流、及び縮流の少なくともいずれかの情報を含む請求項1から請求項5のいずれかに記載の流れ場予測装置。
  7. 前記第1の計算手法は、RANS(Reynolds-Averaged Navier-Stokes Simulation)であり、
    前記第2の計算手法は、LES(Large Eddy Simulation)である請求項1から請求項5のいずれかに記載の流れ場予測装置。
  8. 前記学習モデルは、CNN(Convolutional Neural Network)により構成される請求項1から請求項5のいずれかに記載の流れ場予測装置。
  9. 複数の建物を含む街区を対象領域とした流れ場について、少なくとも建物間の影響が解析される第1の計算手法に基づく第1の解析結果を取得する第1のデータ取得部と、
    前記街区を対象領域とした流れ場について、前記第1の計算手法よりも高精度な第2の計算手法に基づく第2の解析結果を取得する第2のデータ取得部と、
    前記第1の解析結果を含む入力データに対して、前記第2の解析結果を正解データとする教師データにより、学習モデルを更新する学習処理部と、を備える学習装置。
  10. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の流れ場予測装置としてコンピュータを機能させるための流れ場予測プログラム。
  11. 請求項9に記載の学習装置としてコンピュータを機能させるための学習プログラム。
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