JP7259427B2 - 接眼レンズおよび表示装置 - Google Patents

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Description

本開示は、像(例えば画像表示素子に表示された画像)を拡大する接眼レンズ、およびそのような接眼レンズを用いたヘッドマウントディスプレイ等に好適な表示装置に関する。
画像表示素子を用いた表示装置として、電子ビューファインダ、電子双眼鏡、およびヘッドマウントディスプレイ(HMD)などが知られている。特にヘッドマウントディスプレイにおいては、表示装置本体を眼前に装着して長時間使用するため、接眼レンズおよび表示装置本体が小さく軽量であることが要求されている。また、広い視野画角で像を観察可能であることが要求されている。接眼レンズの軽量化や全長の短縮化を図るために、フレネルレンズを用いる技術がある(特許文献1参照)。
特開平7-244246号公報 特開2015-59959号公報
接眼レンズにフレネルレンズを用いたとしても、フレネルレンズを形成する面や形状によっては光学的に十分な効果が得られない場合がある。
軽量化および全長の短縮化を図りつつ、広い視野画角と良好な収差補正とを実現可能な接眼レンズ、およびそのような接眼レンズを搭載した表示装置を提供することが望ましい。
本開示の一実施の形態に係る接眼レンズは、互いに対向配置された第1レンズおよび第2レンズを備え、第1レンズは、第2レンズと対向するレンズ面における少なくとも周辺領域に形成された第1フレネルレンズ面を有し、第2レンズは、第1レンズと対向するレンズ面における少なくとも周辺領域に形成された第2フレネルレンズ面を有する。
本開示の一実施の形態に係る接眼レンズにおいて、第1レンズと第2レンズはアイポイント側から像側に向かって順に、間隔を空けて互いに対向配置され、第1レンズは、第2レンズと対向するレンズ面における中央領域に形成された凸形状の第1非フレネルレンズ面と、第2レンズと対向するレンズ面における周辺領域に形成された第1フレネルレンズ面とを有し、第2レンズは、第1レンズと対向するレンズ面における中央領域に形成された凸形状の第2非フレネルレンズ面と、第1レンズと対向するレンズ面における周辺領域に形成された第2フレネルレンズ面とを有し、第2レンズの中央領域の有効径は、第1レンズの中央領域の有効径よりも大きく、第1レンズの中央領域の有効径および第2レンズの中央領域の有効径は、瞳中心が光軸上にある状態で、瞳に35°の角度で入射する光束が通過できる有効範囲となっている構成であってもよい。
また、本開示の一実施の形態に係る接眼レンズにおいて、第1レンズは、第2レンズと対向するレンズ面において中心から周辺に亘って形成された第1フレネルレンズ面を有し、第2レンズは、第1レンズと対向するレンズ面において中心から周辺に亘って形成された第2フレネルレンズ面を有し、第1フレネルレンズ面および第2フレネルレンズ面はそれぞれ、高さが一定の複数の輪帯を有し、複数の輪帯の高さは20μm以上400μm以下であり、第1フレネルレンズ面と第2フレネルレンズ面とにおいて輪帯のピッチが互いに半周期ずつずれており、最もアイポイント側のレンズ面から像面までの距離をL’、最もアイポイント側のレンズ面から、最も像側のレンズ面までの距離をdとしたとき、
0.2<d/L’<0.6 ……(4)
を満足する構成であってもよい。
本開示の一実施の形態に係る表示装置は、画像表示素子と、画像表示素子に表示された像を拡大する接眼レンズとを含み、接眼レンズを、上記本開示の一実施の形態に係る接眼レンズによって構成している。
本開示の一実施の形態に係る接眼レンズ、または表示装置では、互いに対向配置された第1レンズおよび第2レンズを備え、フレネルレンズを用いて各レンズの構成の最適化が図られる。
例えばヘッドマウントディスプレイに用いられる接眼光学系の第1の構成例を示す説明図である。 例えばヘッドマウントディスプレイに用いられる接眼光学系の第2の構成例を示す説明図である。 像倍率についての説明図である。 一般的なフレネルレンズの構成、および作用についての説明図である。 本開示の一実施の形態に係る接眼レンズの第1の構成例を示すレンズ断面図である。 フレネルレンズの形状についての説明図である。 比較例に係る接眼レンズと本開示の第1の構成例に係る接眼レンズとにおける全長と重量とを比較して示す説明図である。 フレネルレンズ面の形成方法の第1の例を示す説明図である。 フレネルレンズ面の形成方法の第2の例を示す説明図である。 第1の構成例に係る接眼レンズにおけるフレネルレンズ面の輪帯高さと輝度ムラとの関係の一例を示す説明図である。 第1の構成例に係る接眼レンズにおいて、フレネルレンズ面の輪帯高さにより輝度ムラが変化する理由についての説明図である。 図11における2つのフレネルレンズ面の対向部分を拡大して示す部分拡大図である。 第1の構成例に係る接眼レンズにおける迷光の照度分布の一例を示す説明図である。 第1の構成例に係る接眼レンズにおける迷光の経路の一例を示す説明図である。 図14における2つのフレネルレンズ面の対向部分を拡大して示す部分拡大図である。 第1の構成例に係る接眼レンズにおける2つのフレネルレンズ面の段差面角度と迷光の照度分布との関係の一例を示す説明図である。 第2の構成例に係る接眼レンズにおける2つのフレネルレンズ面の段差面角度と迷光の照度分布との関係の一例を示す説明図である。 一般的なフレネルレンズを用いた光学系の虚像面における輪線の視認状態の一例を示す説明図である。 輪線の発生原理の概要を示す説明図である。 一般的な輪線の視認状態を改善する方法の一例を示す説明図である。 一実施の形態に係る接眼レンズの第5の構成例を示すレンズ断面図である。 第5の構成例に係る接眼レンズにおける輪線の視認状態の一例を示す説明図である。 第5の構成例に係る接眼レンズに対する比較例に係る接眼レンズの構成例を示すレンズ断面図である。 第5の構成例に係る接眼レンズにおける第1フレネルレンズ面および第2フレネルレンズ面の輪帯の構成例を比較例と共に示す説明図である。 第5の構成例に係る接眼レンズにおける第1フレネルレンズ面を形成するベースとなる非球面形状のサグ量の一例を比較例と共に示す説明図である。 第5の構成例に係る接眼レンズにおける第2フレネルレンズ面を形成するベースとなる非球面形状のサグ量の一例を比較例と共に示す説明図である。 第5の構成例に係る接眼レンズにおける第1フレネルレンズ面および第2フレネルレンズ面の輪帯の望ましい構成例を示す説明図である。 実施例1-1に係る接眼レンズのレンズ断面図である。 実施例1-1に係る接眼レンズの球面収差を示す収差図である。 実施例1-1に係る接眼レンズの像面湾曲および歪曲収差を示す収差図である。 実施例1-2に係る接眼レンズのレンズ断面図である。 実施例1-2に係る接眼レンズの球面収差を示す収差図である。 実施例1-2に係る接眼レンズの像面湾曲および歪曲収差を示す収差図である。 実施例1-3に係る接眼レンズのレンズ断面図である。 実施例1-3に係る接眼レンズの球面収差を示す収差図である。 実施例1-3に係る接眼レンズの像面湾曲および歪曲収差を示す収差図である。 実施例1-4に係る接眼レンズのレンズ断面図である。 実施例1-4に係る接眼レンズの球面収差を示す収差図である。 実施例1-4に係る接眼レンズの像面湾曲および歪曲収差を示す収差図である。 実施例1-5に係る接眼レンズのレンズ断面図である。 実施例1-5に係る接眼レンズの球面収差を示す収差図である。 実施例1-5に係る接眼レンズの像面湾曲および歪曲収差を示す収差図である。 実施例1-6に係る接眼レンズのレンズ断面図である。 実施例1-6に係る接眼レンズの球面収差を示す収差図である。 実施例1-6に係る接眼レンズの像面湾曲および歪曲収差を示す収差図である。 実施例1-7に係る接眼レンズのレンズ断面図である。 実施例1-7に係る接眼レンズの球面収差を示す収差図である。 実施例1-7に係る接眼レンズの像面湾曲および歪曲収差を示す収差図である。 実施例1-8に係る接眼レンズのレンズ断面図である。 実施例1-8に係る接眼レンズの球面収差を示す収差図である。 実施例1-8に係る接眼レンズの像面湾曲および歪曲収差を示す収差図である。 実施例2に係る接眼レンズのレンズ断面図である。 実施例2に係る接眼レンズの球面収差を示す収差図である。 実施例2に係る接眼レンズの像面湾曲および歪曲収差を示す収差図である。 実施例3に係る接眼レンズのレンズ断面図である。 実施例3に係る接眼レンズの球面収差を示す収差図である。 実施例3に係る接眼レンズの像面湾曲および歪曲収差を示す収差図である。 実施例4に係る接眼レンズのレンズ断面図である。 実施例4に係る接眼レンズの球面収差を示す収差図である。 実施例4に係る接眼レンズの像面湾曲および歪曲収差を示す収差図である。 実施例5に係る接眼レンズのレンズ断面図である。 実施例5に係る接眼レンズの球面収差を示す収差図である。 実施例5に係る接眼レンズの像面湾曲および歪曲収差を示す収差図である。 実施例6に係る接眼レンズのレンズ断面図である。 実施例6に係る接眼レンズの球面収差を示す収差図である。 実施例6に係る接眼レンズの像面湾曲および歪曲収差を示す収差図である。 実施例7に係る接眼レンズのレンズ断面図である。 実施例7に係る接眼レンズの球面収差を示す収差図である。 実施例7に係る接眼レンズの像面湾曲および歪曲収差を示す収差図である。 実施例8に係る接眼レンズのレンズ断面図である。 実施例8に係る接眼レンズの球面収差を示す収差図である。 実施例8に係る接眼レンズの像面湾曲および歪曲収差を示す収差図である。 表示装置の一例としてのヘッドマウントディスプレイを斜め前方から見た外観斜視図である。 表示装置の一例としてのヘッドマウントディスプレイを斜め後方から見た外観斜視図である。
以下、本開示の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
0.比較例
1.一実施の形態に係る接眼レンズの概要(接眼レンズの基本構成)
2.一実施の形態に係る接眼レンズの構成例および作用・効果
3.表示装置への適用例
4.レンズの数値実施例
5.その他の実施の形態
<0.比較例>
図1は、例えばヘッドマウントディスプレイに用いられる接眼光学系102の第1の構成例を示している。図2は、例えばヘッドマウントディスプレイに用いられる接眼光学系102の第2の構成例を示している。
接眼光学系102は、光軸Z1に沿ってアイポイントE.P.側より順に、接眼レンズ101と、画像表示素子100とを備えている。
画像表示素子100は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)や有機ELディスプレイ等の表示パネルである。接眼レンズ101は、画像表示素子100に表示された画像を拡大表示するために用いられる。接眼レンズ101によって、観察者は、拡大表示された虚像Imを観察する。画像表示素子100の前面には、画像表示素子100を保護するためのシールガラス等が配置されていても良い。アイポイントE.P.は、観察者の瞳孔位置に対応し、開口絞りSTOとしても機能する。
ここで、図1は、画像表示素子100のサイズが接眼レンズ101のレンズ径に対して小さい場合の構成例を示している。図2は、画像表示素子100のサイズが接眼レンズ101のレンズ径に対して大きい場合の構成例を示している。
共軸系の接眼光学系102を用いた、視野画角が70°を超す高視野角のヘッドマウントディスプレイでは、接眼レンズ101のレンズ径に対して画像表示素子100が大きいものが多い。このようなヘッドマウントディスプレイでは、像倍率Mvを小さく抑えられるものの、焦点距離fが比較的長くなるため、接眼光学系102の全長が長い問題がある。また、接眼光学系102のサイズが、接眼レンズ101ではなく画像表示素子100の大きさで律速されるケースもあり小型化に不向きである課題もある。
例えば図1に示したように、画像表示素子100のサイズが小さい場合、接眼光学系102の全体の大きさは、接眼レンズ101の大きさに律速される。一方、図2に示したように、画像表示素子100のサイズが大きい場合、接眼光学系102の全体の大きさは、画像表示素子100の大きさに律速される。
なお、像倍率Mvとは、Mv=α’/αで表される。図3の上段に示したように、αは接眼レンズ101が無い場合の視野画角を示す。また、図3の下段に示したように、α’は接眼レンズ101がある場合の視野画角(虚像Imに対する視野画角)を示す。図3において、hは観察する像の最大像高であり、例えば、画像表示素子100に表示される画像の最大像高である。例えば画像表示素子100が矩形の場合、hは画像表示素子100の対角のサイズの半値である。fは接眼レンズ101の焦点距離を示す。
また、像倍率Mvは、以下の式(A)で表される。
Mv=ω’/(tan-1(h/L)) ……(A)
ω’:最大視野画角の半値(rad)
h:最大像高
L:全長(アイポイントE.P.から像までの距離)
なお、像とは、例えば画像表示素子100に表示された画像のことを意味する。hは、上述したように、例えば画像表示素子100が矩形の場合、画像表示素子100の対角のサイズの半値である。Lは、例えば上記した接眼光学系102の全長(アイポイントE.P.から画像表示素子100の表示面までの距離)に相当する。
像倍率Mvを2.1倍以上の高倍率とし、図1の構成例のように画像表示素子100のサイズを接眼レンズ101のレンズ径に対して小さくすることで、接眼光学系102の占有体積を抑えることができる。しかし、その場合、高倍率であるが故に、像面湾曲や歪曲収差といった諸収差の発生量が大きくなり、十分な画像精細度を確保するためには、接眼レンズ101に例えば最低3枚のレンズを用いる必要があり得る。このため、接眼レンズ101の重量が重くなったり、全長が長くなったりする問題がある。
そこで、接眼レンズ101の軽量化や全長の短縮化の手段として、フレネルレンズを用いる方法が広く知られている。特許文献1(特開平7-244246号公報)には、フレネルレンズを用いた高倍率なヘッドマウントディスプレイの接眼光学系に関する技術が開示されている。特許文献1に記載の技術では、フレネルレンズを用いることによって、標準的なレンズを用いた接眼光学系と比べて、軽量化および全長の短縮化を実現している。特許文献1に記載の技術では、眼側に最も近いレンズ面を凹形状にし、その眼側に最も近いレンズ面をフレネルレンズ面にすることで、結像性能を高めている。このため、接眼光学系の全長が長くなったり、眼と眼側に最も近いレンズとの間の距離を十分に確保するために、レンズ径が大きくなったりする問題がある。
ここで、図4に、一般的なフレネルレンズ300の構成、および作用を示す。
フレネルレンズ300は、光軸Z1を中心にして同心円状に形成された複数の輪帯301を有している。複数の輪帯301のそれぞれの境界部分には段差面302が形成されている。フレネルレンズ300におけるフレネルレンズ面Frはのこぎり状の断面形状となっている。
フレネルレンズ300を用いた接眼光学系では、図4に示したように、段差面302に起因して設計パスとは異なる方向に迷光が発生する。この迷光がゴーストやフレアとして視認され、画質(特にコントラスト)が低下する問題がある。この迷光を低減する手段として、特許文献2(特開2015-59959号公報)に記載の技術のように、段差面302に可視光を吸収する遮光層を製膜する方法がある。しかしながら、この方法では、プロセスの難易度が高く、高精度な製膜が難しかったり、工程数の増加により製造コストが高くなったりする問題がある。
このように、接眼レンズにフレネルレンズを用いたとしても、フレネルレンズを形成する面や形状によっては光学的に十分な効果が得られない場合がある。
そこで、フレネルレンズを用いて軽量化および全長の短縮化を図りつつ、広い視野画角と良好な収差補正とを実現可能な接眼レンズの開発が望まれる。
<1.一実施の形態に係る接眼レンズの概要(接眼レンズの基本構成)>
本開示の一実施の形態に係る接眼レンズは、上記した比較例と同様に、例えばヘッドマウントディスプレイの接眼光学系102に適用可能である。
本開示の一実施の形態に係る接眼レンズは、互いに対向配置された第1レンズおよび第2レンズを備えている。第1レンズは、第2レンズと対向するレンズ面における少なくとも周辺領域に形成された第1フレネルレンズ面Fr1を有している。第2レンズは、第1レンズと対向するレンズ面における少なくとも周辺領域に形成された第2フレネルレンズ面Fr2を有している。フレネルレンズを2枚用い、かつ第1フレネルレンズ面Fr1および第2フレネルレンズ面Fr2を対向して配置することにより、全長の短い光学系を実現できる。
本開示の一実施の形態に係る接眼レンズは、条件式(1)を満足して像倍率Mvを2.1倍以上とし、図1の構成例のように画像表示素子100のサイズが接眼レンズ101のレンズ径に対して小さい接眼光学系102に対して適用することが好ましい。
Mv≧2.1 ……(1)
また、後述する第1ないし第4の構成例のように、第1フレネルレンズ面Fr1および第2フレネルレンズ面Fr2の光軸Z1に対する段差面角度θdが所定角度(例えば15°または20°)以上であることが好ましい。これにより、迷光の発生が抑えられ、ゴーストやフレアの発生を低減できる。
または、第1ないし第4の構成例に対して、後述する第5ないし第8の構成例のように、第1フレネルレンズ面Fr1および第2フレネルレンズ面Fr2における輪帯301の視認状態を改善するような構成にすることが好ましい。
本開示の一実施の形態に係る接眼レンズは、例えば1.5インチサイズ以下の4k等の小型、高解像度の画像表示素子100に対して用いることにより、軽量化および全長の短縮化を図りながら、広い視野角と高い画像精細度が確保できる。また、フレアやゴーストの発生を抑えることができ、高コントラストの目視画像を提供できる。
<2.一実施の形態に係る接眼レンズの構成例および作用・効果>
以下、上記した接眼レンズの基本構成を満足する第1ないし第4の構成例を説明する。さらに、第1ないし第4の構成例に対して、輪帯301の視認状態を改善した第5ないし第8の構成例を説明する。
(用語の定義)
なお、以下の構成例および実施例では、眼側(アイポイントE.P.側)からi番目のレンズをLiと呼称する。例えば、眼側に最も近いレンズを第1レンズL1と呼称する。また、各レンズにおいて、アイポイントE.P.側の面をR1面、接眼レンズによって拡大される像側(画像表示素子100側)の面をR2面と呼称する。例えば第1レンズL1のアイポイントE.P.側の面をL1(R1)面、第1レンズL1の像側の面をL1(R2)面等と呼称する。
また、以下の構成例および実施例では、フレネルレンズ面では無い、一般的なレンズ面を標準レンズ面と呼称する。標準レンズ面には、球面のみならず、フレネル形状以外の非球面が含まれる。
また、以下の構成例および実施例では、図4および図6のフレネルレンズ300のように、フレネルレンズ面Frにおける有効レンズ面では無い面を『段差面』(段差面302)と呼称する。フレネルレンズ面Frにおいて、同心円状に分割された複数の輪帯301のそれぞれの高さを『輪帯高さ』(輪帯高さRh)、隣接する2つの輪帯301の頂点間距離を『輪帯ピッチ』(輪帯ピッチRp)と呼称する。
また、アイポイントE.P.と接眼レンズの最もアイポイントE.P.に近い側のレンズ面(L1(R1)面)との間の軸上距離を『アイレリーフ』(アイレリーフE.R.)と呼称する。
(迷光の発生量のシミュレーション条件)
迷光の発生量(照度分布)のシミュレーション(図13、図16、図17)は、特に言及が無い限りは、下記条件のもとで計算した。
・画像表示素子100の配光特性:ランバーシアン
・画像表示素子100のサイズ:17mm×27mm(縦×横)
・瞳径:φ4mm
・フレネルレンズ面の形状:輪帯高さRh=100μm(一定)(輪帯ピッチRpは不等)
・参照波長:587.6nm(d線)
[第1の構成例]
図5は、一実施の形態に係る接眼レンズの第1の構成例を示している。この第1の構成例は、後述の実施例1-1~1-8に係る接眼レンズの構成(図28等)に対応する。
本開示の第1の構成例に係る接眼レンズは、アイポイントE.P.側から像側に向かって順に、第1レンズL1と第2レンズL2とが配置された2群2枚構成からなる。
第1フレネルレンズ面Fr1は、第1レンズL1の第2レンズL2と対向するレンズ面(L1(R2)面)において、中心から周辺に亘って全体的に形成されている。
第2フレネルレンズ面Fr2は、第2レンズL2の第1レンズL1と対向するレンズ面(L2(R1)面)において、中心から周辺に亘って全体的に形成されている。
また、第1レンズL1のアイポイントE.P.側のレンズ面(L1(R1)面)は、凸形状または平面形状とされていることが好ましい。これにより、アイレリーフE.R.を長く確保することができ、見やすい構造となる。例えば、大きなパワーをもつ凹レンズでは、ある程度のアイレリーフE.R.を確保してもレンズのコバ部と眼が干渉し、見づらい弊害が発生する。
また、第1フレネルレンズ面Fr1および第2フレネルレンズ面Fr2の光軸Z1に対する段差面角度θdは15°以上であることが好ましい。
また、第1フレネルレンズ面Fr1および第2フレネルレンズ面Fr2はそれぞれ、正の屈折力を有していることが好ましい。これにより、諸収差を効率良く補正することができ、全長の短縮化、および軽量化を実現できる。
また、第1レンズL1および第2レンズL2の少なくとも一方は、変曲点を持つ非球面を有することが好ましい。第1レンズL1および第2レンズL2において、第1フレネルレンズ面Fr1および第2フレネルレンズ面Fr2以外の面に1面以上の非球面を用い、かつ1面以上の非球面が変曲点を有することにより、少ないレンズ枚数でありながら、非点収差、像面湾曲、および歪曲収差を効率良く補正できる。また、変曲点のある非球面形状とすることで、歪曲収差を効率良く補正できる。
また、第1レンズL1および第2レンズL2のそれぞれのd線に対する屈折率をndとしたとき、以下の条件式(2)を満足し、屈折率ndが1.7以下であることが好ましい。これにより、接眼レンズを軽量化できる。
nd≦1.7 ……(2)
また、第1フレネルレンズ面Fr1の屈折力をψ1、第2フレネルレンズ面Fr2の屈折力をψ2としたとき、
ψ1≦ψ2 ……(3)
を満足することが好ましい。これにより、諸収差を効率良く補正することができ、全長の短縮化、および軽量化を実現できる。
なお、屈折力ψ1は、第1フレネルレンズ面Fr1のd線に対する屈折率をnd1、曲率半径をR1としたとき、(nd1-1)/R1で表される。屈折力ψ2は、第2フレネルレンズ面Fr2のd線に対する屈折率をnd2、曲率半径をR2としたとき、(nd2-1)/R2で表される。
第1レンズL1および第2レンズL2の材料は、フレネルレンズ面および非球面の加工容易性の観点から、アクリル系、ポリオレフィン系、またはポリカーボネイトなどの樹脂材料を用いることが望ましい。第1レンズL1および第2レンズL2を樹脂材料のみで構成することにより、1枚以上のガラスレンズを含む構成にした場合と比較して、軽量化と小型化を実現できる。これは、屈折力を稼ぐために用いる屈折率の高いガラス材を、薄くて軽量なフレネルレンズに置き換えることができるためである。
(フレネルレンズ面を対向配置することの効果)
本開示の第1の構成例に係る接眼レンズは、上述したように、第1フレネルレンズ面Fr1と第2フレネルレンズ面Fr2との2つのフレネルレンズ面を対向配置することを特徴としている。以下、その理由について説明する。
図7に、比較例1~3に係る接眼レンズと、本開示の第1の構成例に係る接眼レンズ(実施例1)とにおける全長と重量とを比較して示す。
図7において比較例1に係る接眼レンズは、第1レンズL1のL1(R2)面にのみ、フレネルレンズ面(第1フレネルレンズ面Fr1)を形成した構成となっている。比較例2に係る接眼レンズは、第2レンズL2のL2(R1)面にのみ、フレネルレンズ面(第2フレネルレンズ面Fr2)を形成した構成となっている。比較例3に係る接眼レンズは、2つのフレネルレンズ面を、対向配置せずに、第1レンズL1のL1(R2)面と第2レンズL2のL2(R2)面とに形成した構成となっている。
図7の比較例1~3および実施例1に係る接眼レンズの仕様は以下のとおりである。
最大FOV(Field of view):100°
アイレリーフE.R.:13mm
画像表示素子100のサイズ:17mm×27mm(縦×横)
図7より、第1レンズL1のL1(R2)面と第2レンズL2のL2(R1)面とをフレネルレンズ面とすることにより、全長およびレンズ重量を最小化できることが分かる。これは、屈折力を必要とするL1(R2)面およびL2(R1)面をフレネルレンズとすることで、スペース効率良く光線を屈折させることができるためである。
本開示の第1の構成例に係る接眼レンズは、全長やレンズ重量を最小化するだけでなく、像側テレセントリックな光学系であり、レンズや画像表示素子100の偏心に対する敏感度を低く抑えることができる。さらに、画像表示素子100の視野角特性に起因する輝度ムラや色ムラも低減することができ、画質の観点でも他の構成に比べて優位性を持つ。
(フレネルレンズ面の輪帯の分割方法(形成方法)について)
図8は、第1フレネルレンズ面Fr1および第2フレネルレンズ面Fr2の形成方法の第1の例を示している。図9は、第1フレネルレンズ面Fr1および第2フレネルレンズ面Fr2の形成方法の第2の例を示している。
図8の第1の形成方法では、輪帯高さRhが一定(輪帯ピッチRpは不等)となるように、凸レンズ400を同心円状に分割して複数の輪帯301を形成している。図9の第2の形成方法では、輪帯ピッチRpが一定(輪帯高さRhは不等)となるように、凸レンズ400を同心円状に分割して複数の輪帯301を形成している。
本開示の接眼レンズでは、図8の第1の形成方法のように、輪帯高さRhが一定となるように複数の輪帯301を形成することが好ましい。これは、図9の第2の形成方法のように、輪帯ピッチRpを一定にした構造と比較して、レンズの中心領域が分割されず、ヘッドマウントディスプレイ等で重要となる視野中心領域の画質を確保できるためである。
さらに、最適な輪帯高さRhについて説明する。図10は、第1の構成例に係る接眼レンズにおけるフレネルレンズ面の輪帯高さと輝度ムラとの関係の一例を示している。図11は、第1の構成例に係る接眼レンズにおいて、フレネルレンズ面の輪帯高さにより輝度ムラが変化する理由についての説明図である。図12は、図11における第1フレネルレンズ面Fr1および第2フレネルレンズ面Fr2の対向部分の一部の領域600を拡大して示している。
図10は、画像表示素子100に全白を表示したときの、虚像面における照度分布を解析した結果であり、照度分布の輪帯高さRh依存を示している。輪帯高さRhを大きくしていくと、輝度ムラの発生が大きくなることが分かる。これは、図11、図12の領域600に示したように、段差面302による光線のケラレの影響で、像高によって、第1フレネルレンズ面Fr1および第2フレネルレンズ面Fr2の段差面302を通過する光束の面積が異なり、輪帯高さRhが大きくなるほど、段差面302を通過する光束の面積が大きくなるためである。
図10より、400μmを超えると輝度ムラが顕著に視認されることから、輪帯高さRhは約400μm以下であることが望ましい。ただし、複数の輪帯301を細かく刻みすぎると、回折による光の拡がりの影響により精細度が低くなる問題がある。回折によって精細度を損なわないために、輪帯高さRhは約20μm以上であることが望ましい。
(輪帯の段差面について)
図13は、第1の構成例に係る接眼レンズにおける迷光の照度分布の一例を示している。図14は、第1の構成例に係る接眼レンズにおける迷光の経路の一例を示している。図15は、図14における2つのフレネルレンズ面の対向部分の一部の領域600を拡大して示している。
第1フレネルレンズ面Fr1および第2フレネルレンズ面Fr2において、輪帯301の段差面302の勾配角度(段差面角度θd)を変えることにより、眼球500に入射する迷光の光量を低減することができる。図13は、本開示の第1の構成例に係る接眼レンズにおいて、第1フレネルレンズ面Fr1および第2フレネルレンズ面Fr2のそれぞれの段差面角度θdを0°とし、画像表示素子100に白色を表示したときの虚像面の照度分布において、迷光の成分のみを抽出した結果を示している。
なお、迷光はフレアやゴーストの要因となるため、理想的には発生しないことが望ましく、すなわち光量が0となることが望ましい。図14および図15は、この迷光の支配的な経路を解析した結果であり、迷光が、段差面302を経由して眼球500に入射する成分であることが分かる。すなわち、段差面302を適切に設定することにより、迷光の眼球500への入射量を低減することができる。
図16は、第1の構成例(実施例1)に係る接眼レンズにおける2つのフレネルレンズ面の段差面角度θd(L1),θd(L2)と迷光の照度分布との関係の一例を示している。なお、図16において第1フレネルレンズ面Fr1における段差面角度をθd(L1)、第2フレネルレンズ面Fr2における段差面角度をθd(L2)とする。
図16には、第1フレネルレンズ面Fr1および第2フレネルレンズ面Fr2におけるそれぞれの段差面角度θd(L1),θd(L2)を振ったときの、虚像面における迷光の照度分布を計算した結果を示す。図16より、第1の構成例に係る接眼レンズでは、段差面角度θd(L1),θd(L2)を15°以上の角度にすることで、支配的な迷光を低減でき、高コントラストな目視画像を提供することができる。
[第2の構成例]
本開示の第2の構成例に係る接眼レンズは、後述の実施例2に係る接眼レンズの構成(図52)に対応する。
本開示の第2の構成例に係る接眼レンズは、上述の第1の構成例に係る接眼レンズの構成に対して、第1レンズL1および第2レンズL2よりも像側に配置された第3レンズL3をさらに備えた構成となっている。すなわち、本開示の第2の構成例に係る接眼レンズは、アイポイントE.P.側から像側に向かって順に、第1レンズL1と第2レンズL2と第3レンズL3とが配置された3群3枚構成からなる。
第3レンズL3は、フレネルレンズ面を用いない標準レンズである。第3レンズL3は、少なくとも1面に変曲点を有する非球面が形成された非球面レンズであることが好ましい。
本開示の第2の構成例に係る接眼レンズは、第1の構成例に係る接眼レンズと略同様に、第1レンズL1および第2レンズL2において、互いに対向配置された第1フレネルレンズ面Fr1および第2フレネルレンズ面Fr2を有している。
本開示の第2の構成例に係る接眼レンズは、第1の構成例に係る接眼レンズと比較して、第3レンズL3を追加した分、重量や光学系の全長が大きくなるものの、後述の実施例2に示すように、より十分な収差補正を行うことができ、精細度の高い映像を提供することができる。
図17は、第2の構成例(実施例2)に係る接眼レンズにおける2つのフレネルレンズ面の段差面角度θd(L1),θd(L2)と迷光の照度分布との関係の一例を示している。なお、図17において第1フレネルレンズ面Fr1における段差面角度をθd(L1)、第2フレネルレンズ面Fr2における段差面角度をθd(L2)とする。
図17には、第1フレネルレンズ面Fr1および第2フレネルレンズ面Fr2におけるそれぞれの段差面角度θd(L1),θd(L2)を振ったときの、虚像面における迷光の照度分布を計算した結果を示す。図17より、第2の構成例(実施例2)に係る接眼レンズでは、段差面角度θd(L1),θd(L2)を20°以上の角度にすることで、支配的な迷光を低減でき、高コントラストな目視画像を提供することができる。
その他の構成は、上述の第1の構成例に係る接眼レンズと略同様であることが好ましい。
[第3の構成例]
本開示の第3の構成例に係る接眼レンズは、後述の実施例3に係る接眼レンズの構成(図55)に対応する。
本開示の第3の構成例に係る接眼レンズは、上述の第1の構成例に係る接眼レンズと同様に、アイポイントE.P.側から像側に向かって順に、第1レンズL1と第2レンズL2とが配置された2群2枚構成からなる。
本開示の第3の構成例に係る接眼レンズは、第1の構成例に係る接眼レンズと略同様に、第1レンズL1および第2レンズL2において、互いに対向配置された第1フレネルレンズ面Fr1および第2フレネルレンズ面Fr2を有している。
ただし、本開示の第3の構成例に係る接眼レンズにおいては、第1フレネルレンズ面Fr1および第2フレネルレンズ面Fr2は、周辺領域のみに形成されている。
本開示の第3の構成例に係る接眼レンズにおいては、第1フレネルレンズ面Fr1は、第1レンズL1の第2レンズL2と対向するレンズ面(L1(R2)面)において、周辺領域のみに形成されている。第1レンズL1におけるL1(R2)面の中央領域は第1非フレネルレンズ面(球面または非球面)とされている。
同様に、本開示の第3の構成例に係る接眼レンズにおいては、第2フレネルレンズ面Fr2は、第2レンズL2の第1レンズL1と対向するレンズ面(L2(R1)面)において、周辺領域のみに形成されている。第2レンズL2におけるL2(R1)面の中央領域は第2非フレネルレンズ面(球面または非球面)とされている。
一般的に、フレネルレンズは、標準レンズと比べると段差面302や製造誤差の影響により、鮮鋭度が悪くなるが、本開示の第3の構成例に係る接眼レンズでは、中央領域に標準レンズを用いているため、画像中心領域の精細度を高く確保することができる。中央領域と周辺領域の光学系は、境界部が滑らかに接続されていることで境界が視認されてしまうのを防ぐことができる。
後述の実施例3に係る接眼レンズ(図55)では、第1レンズL1におけるL1(R2)面の中央領域の有効径φv1は25.004、第2レンズL2におけるL2(R1)面の中央領域の有効径φv2は27.054である。この中央領域の有効径φv1,φv2は、瞳中心が光軸上にある状態で、瞳に35°の角度で入射する光束が通過できる有効範囲となっている。このようにフレネルレンズ面と標準レンズ面との境界部を視野の約35°以上に設けることにより、中央領域と周辺領域との境界が認識されにくくなり、自然な見栄えを実現できる。35°を大きく下回ると、境界部が目立ち、画像品質の低下が懸念される。
その他の構成は、上述の第1の構成例に係る接眼レンズと略同様であることが好ましい。
[第4の構成例]
本開示の第4の構成例に係る接眼レンズは、後述の実施例4に係る接眼レンズの構成(図58)に対応する。
本開示の第4の構成例に係る接眼レンズは、上述の第3の構成例に係る接眼レンズの構成に対して、第1レンズL1および第2レンズL2よりも像側に配置された第3レンズL3をさらに備えた構成となっている。すなわち、本開示の第4の構成例に係る接眼レンズは、アイポイントE.P.側から像側に向かって順に、第1レンズL1と第2レンズL2と第3レンズL3とが配置された3群3枚構成からなる。
第3レンズL3は、フレネルレンズ面を用いない標準レンズである。第3レンズL3は、少なくとも1面に変曲点を有する非球面が形成された非球面レンズであることが好ましい。
本開示の第4の構成例に係る接眼レンズは、第3の構成例に係る接眼レンズと比較して、第3レンズL3を追加した分、重量や光学系の全長が大きくなるものの、後述の実施例4に示すように、より十分な収差補正を行うことができ、精細度の高い映像を提供することができる。
本開示の第4の構成例に係る接眼レンズは、第1の構成例に係る接眼レンズと略同様に、第1レンズL1および第2レンズL2において、互いに対向配置された第1フレネルレンズ面Fr1および第2フレネルレンズ面Fr2を有している。
ただし、本開示の第4の構成例に係る接眼レンズにおいては、第3の構成例に係る接眼レンズと同様に、第1フレネルレンズ面Fr1および第2フレネルレンズ面Fr2は、周辺領域のみに形成されている。
後述の実施例4に係る接眼レンズ(図58)では、第1レンズL1におけるL1(R2)面の中央領域の有効径φv1は24.116、第2レンズL2におけるL2(R1)面の中央領域の有効径φv2は27.038である。この中央領域の有効径φv1,φv2は、実施例3に係る接眼レンズと同様に、瞳中心が光軸上にある状態で、瞳に35°の角度で入射する光束が通過できる有効範囲となっている。
その他の構成は、上述の第3の構成例に係る接眼レンズと略同様であることが好ましい。
(輪帯の視認状態の概要)
次に、上記第1ないし第4の構成例に対して、輪帯301の視認状態を改善した第5ないし第8の構成例を説明する。まず、輪帯301の視認状態の概要を説明する。
以上で説明したように、上記第1ないし第4の構成例では、第1フレネルレンズ面Fr1および第2フレネルレンズ面Fr2におけるそれぞれの段差面角度θd(L1),θd(L2)を適切に設定することで、段差面302に起因する迷光の発生が抑えられる。
一方、図18の(B)に示したように、一般的なフレネルレンズを用いた光学系において、虚像面で輪帯301による同心円状の線(「輪線」と呼称する)が視認される問題がある。なお、図18の(A)には、輪線の視認が無い状態の一例を示す。
図19は、輪線の発生原理の概要を示している。図20は、一般的な輪線の視認状態を改善する方法の一例を示している。図19および図20では、上記第1の構成例に係る接眼レンズのように、第1レンズL1と第2レンズL2とが配置された2群2枚構成で、互いに対向するレンズ面が第1フレネルレンズ面Fr1および第2フレネルレンズ面Fr2とされた構成を例にしている。
図19に示したように、第1フレネルレンズ面Fr1および第2フレネルレンズ面Fr2におけるそれぞれの段差面302による光のケラレが原因で、ケラレの発生量は画角に応じて変化する。これにより、虚像面内で輪線が視認される。これを解決する手段として、図20に示したように、第1フレネルレンズ面Fr1および第2フレネルレンズ面Fr2への光線入射角度と段差面角度θdとを揃える方法がある。この方法によれば、輪線は改善できるものの、段差面角度θdを上記第1ないし第4の構成例で説明した所定角度(例えば15°または20°)よりも小さくする必要があるため、迷光が発生してコントラストが低下してしまう。このため、上記第1ないし第4の構成例では、迷光の抑制と輪線の視認の抑制とを両立することが困難である。
そこで、第1ないし第4の構成例に対して、さらに輪線の視認状態を改善し、より高画質の目視画像を提供可能な接眼レンズの構成例を説明する。以下の第5ないし第8の構成例によれば、特に、視野の中心領域における画質が向上する。
(第5ないし第8の構成例の概要)
第5ないし第8の構成例は、段差面角度θdは上記第1ないし第4の構成例とは異なるものの、基本的な構成は上記第1ないし第4の構成例と同様であり、少なくとも第1レンズL1と第2レンズL2とを備え、互いに対向するレンズ面が第1フレネルレンズ面Fr1および第2フレネルレンズ面Fr2とされている。第5ないし第8の構成例に係る接眼レンズは、上記条件式(1)を満足して像倍率Mvを2.1倍以上とし、図1の構成例のように画像表示素子100のサイズが接眼レンズ101のレンズ径に対して小さい接眼光学系102に対して適用することが好ましい。
(シミュレーション条件)
第5ないし第8の構成例におけるシミュレーションは、特に言及が無い限りは、下記条件のもとで計算した。
・画像表示素子100の配光特性:ランバーシアン
・画像表示素子100のサイズ:17mm×27mm(縦×横)
・瞳径:φ4mm
・フレネルレンズ面の形状:輪帯高さRh=150μm(一定)(輪帯ピッチRpは不等)
・参照波長:587.6nm(d線)
[第5の構成例]
本開示の第5の構成例に係る接眼レンズは、後述の実施例5に係る接眼レンズの構成(図61)に対応する。
図21は、一実施の形態に係る接眼レンズの第5の構成例を示している。図21に示したように、第5の構成例に係る接眼レンズは、上述の第1の構成例に係る接眼レンズの構成に対して、第1レンズL1および第2レンズL2よりも像側に配置された第3レンズL3をさらに備えた構成となっている。すなわち、第5の構成例に係る接眼レンズは、アイポイントE.P.側から像側に向かって順に、第1レンズL1と第2レンズL2と第3レンズL3とが配置された3群3枚構成からなる。
第1フレネルレンズ面Fr1は、第1レンズL1の第2レンズL2と対向するレンズ面(L1(R2)面)において、中心から周辺に亘って全体的に形成されている。
第2フレネルレンズ面Fr2は、第2レンズL2の第1レンズL1と対向するレンズ面(L2(R1)面)において、中心から周辺に亘って全体的に形成されている。
第3レンズL3は、フレネルレンズ面を用いない標準レンズである。第3レンズL3は、非球面レンズであることが好ましい。
第5の構成例に係る接眼レンズは、図21に示したように、最もアイポイント側のレンズ面から像面までの距離をL’、最もアイポイント側のレンズ面から最も像側のレンズ面までの距離をdとしたとき、
0.2<d/L’<0.6 ……(4)
を満足することが望ましい。
条件式(4)は、接眼レンズの全長からアイレリーフE.R.を引いた距離(L’)と最もアイポイント側のレンズ面から最も像側のレンズ面までの距離dとの比の適切な範囲に関する。条件式(4)を満たすことで、短い全長で、バランスよく収差補正を行うことができる。
(フレネルレンズ面の位置と輪線の視認状態との関係)
図22は、第5の構成例に係る接眼レンズにおける輪線の視認状態の一例を示している。図23は、第5の構成例に係る接眼レンズに対する比較例に係る接眼レンズの構成例を示している。
画像表示素子100からの光は、第1フレネルレンズ面Fr1および第2フレネルレンズ面Fr2におけるそれぞれの段差面302によってケラレが生じる。これにより、第1フレネルレンズ面Fr1および第2フレネルレンズ面Fr2の近傍における面内輝度分布は、図22の(A)に示したように明暗の差が大きくなる。第5の構成例に係る接眼レンズは、第1フレネルレンズ面Fr1および第2フレネルレンズ面Fr2を眼球500に近い側(例えば15mm程度)に配置していることを特徴としている。人の眼の焦点位置は第1フレネルレンズ面Fr1および第2フレネルレンズ面Fr2から離れた位置、例えば眼球500から100mm以上離れた位置にある。人の眼は第1フレネルレンズ面Fr1および第2フレネルレンズ面Fr2の位置には合焦させることができないため、図22の(B)に示したようにデフォーカスされて輪線として視認される。
このように、第5の構成例に係る接眼レンズでは、第1フレネルレンズ面Fr1および第2フレネルレンズ面Fr2を眼球500に近い側に配置したことにより、輪線のボケ量を大きくでき、輪線の視認性を下げることが可能である。これに対し、図23の比較例に係る接眼レンズでは、第2レンズL2の像側のレンズ面に第2フレネルレンズ面Fr2を配置している。図23の比較例に係る接眼レンズでは、第5の構成例に係る接眼レンズに比べて第2フレネルレンズ面Fr2が眼球500から離れた位置となるため、第5の構成例に係る接眼レンズに比べて輪線が視認されやすくなる。
(フレネルレンズ面における輪帯の位置と輪線の視認状態との関係)
図24は、第5の構成例に係る接眼レンズにおける第1フレネルレンズ面Fr1および第2フレネルレンズ面Fr2の輪帯301の構成例を比較例と共に示している。
ヘッドマウントディスプレイ等の接眼光学系は、とくに視野の中心領域で十分な精細度を確保できることが望ましい。図24の(A)の比較例に示したように、第1フレネルレンズ面Fr1および第2フレネルレンズ面Fr2の輪帯301が中心領域にあると、輪帯301によって精細度が低下し、輪線も視認されやすくなる。このため、図24の(B)に示したように、第1フレネルレンズ面Fr1および第2フレネルレンズ面Fr2において、中心から1番目の輪帯(第1輪帯)を可能な限り、周辺領域に配置することが望ましい。
上述の図8および図9に示したように、第1フレネルレンズ面Fr1および第2フレネルレンズ面Fr2における複数の輪帯301は、例えば凸レンズ400を同心円状に分割することによって形成される。複数の輪帯301を形成するベースとなる凸レンズ400は、例えば非球面形状である。第1輪帯を周辺領域に配置するために、ベースとなる非球面形状は、中心領域の屈折力を小さく抑えることが望ましい。
このため、第1フレネルレンズ面Fr1の屈折力をψ1、第2フレネルレンズ面Fr2の屈折力をψ2、接眼レンズ全体の屈折力をψallとしたとき、
(ψ1+ψ2)/ψall<0.30 ……(5)
を満足することが望ましい。
条件式(5)は、接眼レンズ全体の屈折力ψallに占める、第1フレネルレンズ面Fr1および第2フレネルレンズ面Fr2の屈折力の割合を意味する。条件式(5)の値が小さいことは、第1フレネルレンズ面Fr1および第2フレネルレンズ面Fr2の軸上における屈折力が小さいことを意味する。
図25は、第5の構成例に係る接眼レンズにおける第1フレネルレンズ面Fr1を形成するベースとなる非球面形状のサグ量の一例を比較例と共に示している。図26は、第5の構成例に係る接眼レンズにおける第2フレネルレンズ面Fr2を形成するベースとなる非球面形状のサグ量の一例を比較例と共に示している。
図25および図26に示したサグ量は、後述の実施例5に係る接眼レンズのデータを使用したデータを示す。また、図25および図26には、比較例として、第1の構成例に相当する後述の実施例1-1に係る接眼レンズのデータを使用したサグ量を示す。実施例5に係る接眼レンズでは、ベースとなる非球面形状は、実施例1-1に係る接眼レンズに比べて、中心領域のサグ量が比較的小さく抑えられている。このようにサグ量を小さく抑えた非球面形状をベースとして輪帯301を形成すると、レンズ中心から第1輪帯までの距離を視野の周辺にシフトすることができる。例えば輪帯高さRhを150μmとして輪帯301を形成すると、レンズ中心から第1輪帯までの距離は、実施例1-1と実施例5とで、以下のようになる。
・実施例1-1
第1フレネルレンズ面Fr1の第1輪帯までの距離:2.5mm
第2フレネルレンズ面Fr2の第1輪帯までの距離:2.1mm
・実施例5
第1フレネルレンズ面Fr1の第1輪帯までの距離:4.1mm
第2フレネルレンズ面Fr2の第1輪帯までの距離:6.6mm
上記のような輪帯301の構成で、実施例1-1に係る接眼レンズと実施例5に係る接眼レンズとの輪線の視認性をシミュレーションして比較したところ、実施例5に係る接眼レンズでは、視野の中心領域では輪線が無く、良好な画質が得られることが確認された。
なお、第1輪帯の輪帯高さRhのみを大きくすることで、第1輪帯位置を周辺にシフトさせることも可能であるが、フレネルレンズの軸上の厚みが大きくなるため、上記のように、中心領域のサグ量を抑える方が望ましい。
(2つのフレネルレンズ面同士の輪帯の関係)
図27は、第5の構成例に係る接眼レンズにおける第1フレネルレンズ面Fr1および第2フレネルレンズ面Fr2の輪帯301の望ましい構成例を示している。
図22を参照して説明したように、輪線はフレネルレンズ面近傍における輝度の明暗がデフォーカスされて、低周波成分が視認される。このため、フレネルレンズ面近傍における明暗の発生周期を高周波にすることによって、輪線の視認性を低減することができる。
これを実現するに辺り、図27に示したように、第1フレネルレンズ面Fr1と第2フレネルレンズ面Fr2とにおいて輪帯301のピッチが互いに半周期ずつずれていることが望ましい。第5の構成例に係る接眼レンズにおいて、ピッチをずらした場合と、ピッチをずらさなかった場合とで輪線の視認性をシミュレーションして比較したところ、ピッチをずらした場合には、輪線の視認性が下がっていることが確認された。
以上のことを考慮すると、輪帯301の構成に関し、実施例5に係る接眼レンズは、
0.1≦L1Φr1/Φd1 ……(6)
0.2≦L2Φr1/Φd2 ……(7)
を満足することが望ましい。ここで、図27に示したように、第1フレネルレンズ面Fr1における中心から1番目の輪帯301の直径をL1Φr1、第1フレネルレンズ面Fr1の有効径をΦd1、第2フレネルレンズ面Fr2における中心から1番目の輪帯301の直径をL2Φr1、第2フレネルレンズ面Fr2の有効径をΦd2とする。
条件式(6)は、第1フレネルレンズ面Fr1における第1輪帯の径(L1Φr1)と有効径(Φd1)との比に関する。条件式(6)を満たすことで、視野中心における精細度を高く確保することができる。
条件式(7)は、第2フレネルレンズ面Fr2における第1輪帯の径(L2Φr1)と有効径(Φd2)との比に関する。条件式(7)を満たすことで、視野中心における精細度を高く確保することができる。
その他の構成は、上述の第1または第2の構成例に係る接眼レンズと略同様であることが好ましい。
[第6の構成例]
本開示の第6の構成例に係る接眼レンズは、後述の実施例6に係る接眼レンズの構成(図64)に対応する。
第6の構成例に係る接眼レンズは、上述の第5の構成例に係る接眼レンズの構成に対して、第3レンズL3を省いた構成となっている。すなわち、第6の構成例に係る接眼レンズは、アイポイントE.P.側から像側に向かって順に、第1レンズL1と第2レンズL2とが配置された2群2枚構成からなる。
第1フレネルレンズ面Fr1は、第1レンズL1の第2レンズL2と対向するレンズ面(L1(R2)面)において、中心から周辺に亘って全体的に形成されている。
第2フレネルレンズ面Fr2は、第2レンズL2の第1レンズL1と対向するレンズ面(L2(R1)面)において、中心から周辺に亘って全体的に形成されている。
第6の構成例に係る接眼レンズは、上述の第5の構成例に係る接眼レンズの構成に対して、レンズを1枚減らすことにより、全長の短縮化および軽量化が期待できる。なお、第6の構成例に係る接眼レンズにおいて、第1フレネルレンズ面Fr1および第2フレネルレンズ面Fr2の輪帯301の全体的な構成や第1輪帯の位置等については、第5の構成例に係る接眼レンズと同様のコンセプトで設計されている。第6の構成例に係る接眼レンズにおいて、輪線の視認性をシミュレーションしたところ、第1の構成例に係る接眼レンズに比べて、輪線の視認性が改善できていることが確認された。
その他の構成は、上述の第5の構成例に係る接眼レンズと略同様であることが好ましい。
[第7の構成例]
本開示の第7の構成例に係る接眼レンズは、後述の実施例7に係る接眼レンズの構成(図67)に対応する。
本開示の第7の構成例に係る接眼レンズは、上述の第5の構成例に係る接眼レンズと同様に、アイポイントE.P.側から像側に向かって順に、第1レンズL1と第2レンズL2と第3レンズL3とが配置された3群3枚構成からなる。
第1フレネルレンズ面Fr1は、第1レンズL1の第2レンズL2と対向するレンズ面(L1(R2)面)において、中心から周辺に亘って全体的に形成されている。
第2フレネルレンズ面Fr2は、第2レンズL2の第1レンズL1と対向するレンズ面(L2(R1)面)において、中心から周辺に亘って全体的に形成されている。
第3レンズL3は、フレネルレンズ面を用いない標準レンズである。第3レンズL3は、非球面レンズであることが好ましい。
第7の構成例に係る接眼レンズにおいて、第1フレネルレンズ面Fr1および第2フレネルレンズ面Fr2の輪帯301の全体的な構成や第1輪帯の位置等については、基本的に、上述の第5の構成例に係る接眼レンズと同様のコンセプトで設計されている。ただし、第7の構成例に係る接眼レンズでは、対向する第1フレネルレンズ面Fr1および第2フレネルレンズ面Fr2の有効面を同一形状にしていることを特徴としている。すなわち、後述の実施例7の[表38],[表40]に示すように、第1フレネルレンズ面Fr1および第2フレネルレンズ面Fr2の曲率半径や非球面係数の絶対値が同一の値となるように設計されている。
このように第1フレネルレンズ面Fr1および第2フレネルレンズ面Fr2の有効面を同一形状にすることで、例えば、上述の図27に示したように、第1フレネルレンズ面Fr1および第2フレネルレンズ面Fr2における輪帯301のピッチを互いに半周期ずつずらすことが容易となる。また、2つのフレネルレンズ面が同一形状であるため、2つのフレネルレンズ面に起因する輪線の明暗がほぼ同じになる。このため、第7の構成例に係る接眼レンズでは、輪線の視認性をより良好に改善することが可能となる。
その他の構成は、上述の第5の構成例に係る接眼レンズと略同様であることが好ましい。
[第8の構成例]
本開示の第8の構成例に係る接眼レンズは、後述の実施例8に係る接眼レンズの構成(図70)に対応する。
本開示の第8の構成例に係る接眼レンズは、上述の第5の構成例に係る接眼レンズと同様に、アイポイントE.P.側から像側に向かって順に、第1レンズL1と第2レンズL2と第3レンズL3とが配置された3群3枚構成からなる。
第8の構成例に係る接眼レンズは、第5の構成例に係る接眼レンズと同様に、第1レンズL1と第2レンズL2との互いに対向する面に、第1フレネルレンズ面Fr1と第2フレネルレンズ面Fr2とが形成されている。さらに、第8の構成例に係る接眼レンズでは、第1レンズL1のアイポイントE.P.側のレンズ面(L1(R1)面)が、第3フレネルレンズ面Fr3とされている。この点で、第5の構成例に係る接眼レンズの構成とは異なっている。
第8の構成例に係る接眼レンズでは、フレネルレンズ面を3つ用いているため、第5の構成例に係る接眼レンズと比較して、収差補正を十分に行えるため、精細度をより高めることができる。また、輪帯301の数が増えるため、3つのフレネルレンズ面について、輪帯301の全体的な構成や第1輪帯の位置等を、上述の第5の構成例に係る接眼レンズと同様のコンセプトで設計することにより、輪線の周波数をより高くすることが可能となる。これにより、輪線の視認性をより下げることができる。第8の構成例に係る接眼レンズにおいて、輪線の視認性をシミュレーションしたところ、第5の構成例に係る接眼レンズに比べて、輪線の視認性がより改善できていることが確認された。
その他の構成は、上述の第5の構成例に係る接眼レンズと略同様であることが好ましい。
[発明の効果]
本開示の一実施の形態に係る接眼レンズによれば、互いに対向配置された第1レンズL1および第2レンズL2の構成を、フレネルレンズを用いて最適化するようにしたので、軽量化および全長の短縮化を図りつつ、広い視野画角と良好な収差補正とを実現可能となる。
一実施の形態に係る接眼レンズをヘッドマウントディスプレイに適用することで、高視野角で高精細な映像美を提供できる。一実施の形態に係る接眼レンズによれば、全長(アイポイントE.P.から像までの距離L)を短縮することができる。また、接眼光学系102に適用した場合の光学系のサイズを小さく抑えることができる。
なお、本明細書に記載された効果はあくまでも例示であって限定されるものではなく、また他の効果があってもよい。
<3.表示装置への適用例>
図73および図74は、本開示の一実施の形態に係る接眼レンズを適用した表示装置の一例としてのヘッドマウントディスプレイ200の一構成例を示している。ヘッドマウントディスプレイ200は、本体部201と、額当て部202と、鼻当て部203と、ヘッドバンド204と、ヘッドフォン205とを備えている。額当て部202は、本体部201の中央上部に設けられている。鼻当て部203は、本体部201の中央下部に設けられている。
ユーザがヘッドマウントディスプレイ200を頭部に装着したとき、額当て部202がユーザの額に当接するとともに、鼻当て部203が鼻に当接する。さらに、ヘッドバンド204が頭部の後方に当接する。これにより、このヘッドマウントディスプレイ200では、装置の荷重を頭部全体に分散させて、ユーザの負担を軽減して装着することができる。
ヘッドフォン205は、左耳用のものと右耳用のものとが設けられ、左耳と右耳とに独立して音声を提供可能となっている。
本体部201には、映像を表示するための回路基板や光学系等が内蔵されている。本体部201には、図74に示したように左眼表示部210Lおよび右眼表示部210Rが設けられ、左眼と右眼とに独立して映像を提供可能となっている。左眼表示部210Lには、左眼用の画像表示素子100と、左眼用の画像表示素子100に表示された画像を拡大する左眼用の接眼光学系とが設けられている。右眼表示部210Rには、右眼用の画像表示素子100と、右眼用の画像表示素子100に表示された画像を拡大する右眼用の接眼光学系とが設けられている。これら左眼用の接眼光学系および右眼用の接眼光学系として、本開示の一実施の形態に係る接眼レンズを適用可能である。
なお、画像表示素子100には、図示しない画像再生装置から画像データが供給される。画像再生装置から3次元画像データを供給し、左眼表示部210Lと右眼表示部210Rとで互いに視差のある画像を表示することで、3次元表示を行うことも可能である。
なお、ここでは表示装置をヘッドマウントディスプレイ200に適用した例を示したが、表示装置の適用範囲はヘッドマウントディスプレイ200に限られることはなく、例えば、電子双眼鏡や、カメラの電子ビューファインダ等に適用しても良い。
また、本開示の一実施の形態に係る接眼レンズは、画像表示素子100に表示された画像を拡大する用途だけでなく、対物レンズによって形成された光学像を拡大するような観察装置にも適用可能である。
[実施例の概要]
以下の実施例1-1~1-8に係る接眼レンズは、上述の第1の構成例の接眼レンズ(図5)に対応する。実施例2は、上述の第2の構成例の接眼レンズに対応する。実施例3は、上述の第3の構成例の接眼レンズに対応する。実施例4は、上述の第4の構成例の接眼レンズに対応する。実施例5は、上述の第5の構成例の接眼レンズに対応する。実施例6は、上述の第6の構成例の接眼レンズに対応する。実施例7は、上述の第7の構成例の接眼レンズに対応する。実施例8は、上述の第8の構成例の接眼レンズに対応する。
<4.レンズの数値実施例>
なお、以下の各表や説明において示した記号の意味等については、下記に示す通りである。「Si」は、アイポイントE.P.を1番目として、像側に向かうに従い順次増加するようにして符号を付したi番目の面の番号を示している。「Ri」は、i番目の面の近軸の曲率半径(mm)を示す。「Di」はi番目の面とi+1番目の面との間の光軸上の間隔(mm)を示す。「Ndi」はi番目の面を有する光学要素の材質(媒質)のd線(波長587.6nm)における屈折率の値を示す。「νdi」はi番目の面を有する光学要素の材質のd線におけるアッベ数の値を示す。曲率半径が「∞」である面は平面または絞り面(開口絞りSTO)であることを示す。また、「COMMENT」には、レンズ面の種類等を示す。
各実施例に係る接眼レンズは、非球面を含んでいる。非球面形状は以下の非球面の式によって定義される。なお、以下の非球面係数を示す各表において、「E-n」は10を底とする指数表現、すなわち、「10のマイナスn乗」を表しており、例えば、「0.12345E-05」は「0.12345×(10のマイナス5乗)」を表している。
(非球面の式)
Z=(Y2/R)/[1+{1-(1+K)(Y2/R2)}1/2]+ΣAi・Yi
ただし、
Z:非球面の深さ
Y:光軸からの高さ
R:近軸曲率半径
K:円錐定数
Ai:第i次(iは3以上の整数)の非球面係数
とする。
(フレネルレンズ面のデータについて)
また、各実施例に係る接眼レンズは、フレネルレンズ面を含んでいる。以下の各実施例では、フレネルレンズ面の形状を、上記非球面の式によって等価的に表す。以下の各実施例では、フレネルレンズ面の段差面302の高さを無限小とした理想的なフレネルレンズ面として示す。
[実施例1-1]
[表1]に、実施例1-1に係る接眼レンズの基本的なレンズデータを示す。また、非球面のデータを[表2],[表3]に示す。[表2]には標準レンズ面の非球面データを示す。[表3]にはフレネルレンズ面の非球面データを示す。
Figure 0007259427000001
Figure 0007259427000002
Figure 0007259427000003
図28には、実施例1-1に係る接眼レンズのレンズ断面を示す。図29~図30には、実施例1-1に係る接眼レンズの諸収差を示す。各収差は、アイポイントE.P.側から光線追跡したものである。特に、図29には、球面収差を示す。図30には、非点収差(像面湾曲)、および歪曲収差を示す。球面収差図、および非点収差図には、波長486.1(nm)、波長587.6(nm)、波長656.3(nm)の値を示す。歪曲収差図には、波長587.6(nm)の値を示す。非点収差図において、Sはサジタル像面、Tはタンジェンシャル像面における値を示す。以降の他の実施例における収差図についても同様である。
各収差図から分かるように、実施例1-1では、良好な光学性能を有していることが明らかである。
[実施例1-2]
[表4]に、実施例1-2に係る接眼レンズの基本的なレンズデータを示す。また、非球面のデータを[表5],[表6]に示す。[表5]には標準レンズ面の非球面データを示す。[表6]にはフレネルレンズ面の非球面データを示す。
Figure 0007259427000004
Figure 0007259427000005
Figure 0007259427000006
図31には、実施例1-2に係る接眼レンズのレンズ断面を示す。図32~図33には、実施例1-2に係る接眼レンズの諸収差を示す。
各収差図から分かるように、実施例1-2に係る接眼レンズは、良好な光学性能を有していることが明らかである。
[実施例1-3]
[表7]に、実施例1-3に係る接眼レンズの基本的なレンズデータを示す。また、非球面のデータを[表8],[表9]に示す。[表8]には標準レンズ面の非球面データを示す。[表9]にはフレネルレンズ面の非球面データを示す。
Figure 0007259427000007
Figure 0007259427000008
Figure 0007259427000009
図34には、実施例1-3に係る接眼レンズのレンズ断面を示す。図35~図36には、実施例1-3に係る接眼レンズの諸収差を示す。
各収差図から分かるように、実施例1-3に係る接眼レンズは、良好な光学性能を有していることが明らかである。
[実施例1-4]
[表10]に、実施例1-4に係る接眼レンズの基本的なレンズデータを示す。また、非球面のデータを[表11],[表12]に示す。[表11]には標準レンズ面の非球面データを示す。[表12]にはフレネルレンズ面の非球面データを示す。
Figure 0007259427000010
Figure 0007259427000011
Figure 0007259427000012
図37には、実施例1-4に係る接眼レンズのレンズ断面を示す。図38~図39には、実施例1-4に係る接眼レンズの諸収差を示す。
各収差図から分かるように、実施例1-4に係る接眼レンズは、良好な光学性能を有していることが明らかである。
[実施例1-5]
[表13]に、実施例1-5に係る接眼レンズの基本的なレンズデータを示す。また、非球面のデータを[表14],[表15]に示す。[表14]には標準レンズ面の非球面データを示す。[表15]にはフレネルレンズ面の非球面データを示す。
Figure 0007259427000013
Figure 0007259427000014
Figure 0007259427000015
図40には、実施例1-5に係る接眼レンズのレンズ断面を示す。図41~図42には、実施例1-5に係る接眼レンズの諸収差を示す。
各収差図から分かるように、実施例1-5に係る接眼レンズは、良好な光学性能を有していることが明らかである。
[実施例1-6]
[表16]に、実施例1-6に係る接眼レンズの基本的なレンズデータを示す。また、非球面のデータを[表16],[表17]に示す。[表16]には標準レンズ面の非球面データを示す。[表17]にはフレネルレンズ面の非球面データを示す。
Figure 0007259427000016
Figure 0007259427000017
Figure 0007259427000018
図43には、実施例1-6に係る接眼レンズのレンズ断面を示す。図44~図45には、実施例1-6に係る接眼レンズの諸収差を示す。
各収差図から分かるように、実施例1-6に係る接眼レンズは、良好な光学性能を有していることが明らかである。
[実施例1-7]
[表19]に、実施例1-7に係る接眼レンズの基本的なレンズデータを示す。また、非球面のデータを[表20],[表21]に示す。[表20]には標準レンズ面の非球面データを示す。[表21]にはフレネルレンズ面の非球面データを示す。
Figure 0007259427000019
Figure 0007259427000020
Figure 0007259427000021
図46には、実施例1-7に係る接眼レンズのレンズ断面を示す。図47~図48には、実施例1-7に係る接眼レンズの諸収差を示す。
各収差図から分かるように、実施例1-7に係る接眼レンズは、良好な光学性能を有していることが明らかである。
[実施例1-8]
[表22]に、実施例1-8に係る接眼レンズの基本的なレンズデータを示す。また、非球面のデータを[表23],[表24]に示す。[表23]には標準レンズ面の非球面データを示す。[表24]にはフレネルレンズ面の非球面データを示す。
Figure 0007259427000022
Figure 0007259427000023
Figure 0007259427000024
図49には、実施例1-8に係る接眼レンズのレンズ断面を示す。図50~図51には、実施例1-8に係る接眼レンズの諸収差を示す。
各収差図から分かるように、実施例1-8に係る接眼レンズは、良好な光学性能を有していることが明らかである。
[実施例2]
[表25]に、実施例2に係る接眼レンズの基本的なレンズデータを示す。また、非球面のデータを[表26],[表27]に示す。[表26]には標準レンズ面の非球面データを示す。[表27]にはフレネルレンズ面の非球面データを示す。
Figure 0007259427000025
Figure 0007259427000026
Figure 0007259427000027
図52には、実施例2に係る接眼レンズのレンズ断面を示す。図53~図54には、実施例2に係る接眼レンズの諸収差を示す。
各収差図から分かるように、実施例2に係る接眼レンズは、良好な光学性能を有していることが明らかである。
[実施例3]
[表28]に、実施例3に係る接眼レンズの基本的なレンズデータを示す。また、非球面のデータを[表29]に示す。なお、実施例3に係る接眼レンズの第1レンズL1におけるL1(R2)面の中央領域の有効径φv1は25.004、第2レンズL2におけるL2(R1)面の中央領域の有効径φv2は27.054である。この中央領域の有効径φv1,φv2は、瞳中心が光軸上にある状態で、瞳に35°の角度で入射する光束が通過できる有効範囲となっている。
Figure 0007259427000028
Figure 0007259427000029
図55には、実施例3に係る接眼レンズのレンズ断面を示す。図56~図57には、実施例3に係る接眼レンズの諸収差を示す。
各収差図から分かるように、実施例3に係る接眼レンズは、良好な光学性能を有していることが明らかである。
[実施例4]
[表30]に、実施例4に係る接眼レンズの基本的なレンズデータを示す。また、非球面のデータを[表31]に示す。なお、実施例4に係る接眼レンズの第1レンズL1におけるL1(R2)面の中央領域の有効径φv1は24.116、第2レンズL2におけるL2(R1)面の中央領域の有効径φv2は27.038である。この中央領域の有効径φv1,φv2は、瞳中心が光軸上にある状態で、瞳に35°の角度で入射する光束が通過できる有効範囲となっている。
Figure 0007259427000030
Figure 0007259427000031
図58には、実施例4に係る接眼レンズのレンズ断面を示す。図59~図60には、実施例4に係る接眼レンズの諸収差を示す。
各収差図から分かるように、実施例4に係る接眼レンズは、良好な光学性能を有していることが明らかである。
[実施例5]
[表32]に、実施例5に係る接眼レンズの基本的なレンズデータを示す。また、非球面のデータを[表33],[表34]に示す。[表33]には標準レンズ面の非球面データを示す。[表34]にはフレネルレンズ面の非球面データを示す。
Figure 0007259427000032
Figure 0007259427000033
Figure 0007259427000034
図61には、実施例5に係る接眼レンズのレンズ断面を示す。図62~図63には、実施例5に係る接眼レンズの諸収差を示す。
各収差図から分かるように、実施例5に係る接眼レンズは、良好な光学性能を有していることが明らかである。
[実施例6]
[表35]に、実施例6に係る接眼レンズの基本的なレンズデータを示す。また、非球面のデータを[表36],[表37]に示す。[表36]には標準レンズ面の非球面データを示す。[表37]にはフレネルレンズ面の非球面データを示す。
Figure 0007259427000035
Figure 0007259427000036
Figure 0007259427000037
図64には、実施例6に係る接眼レンズのレンズ断面を示す。図65~図66には、実施例6に係る接眼レンズの諸収差を示す。
各収差図から分かるように、実施例6に係る接眼レンズは、良好な光学性能を有していることが明らかである。
[実施例7]
[表38]に、実施例7に係る接眼レンズの基本的なレンズデータを示す。また、非球面のデータを[表39],[表40]に示す。[表39]には標準レンズ面の非球面データを示す。[表40]にはフレネルレンズ面の非球面データを示す。
Figure 0007259427000038
Figure 0007259427000039
Figure 0007259427000040
図67には、実施例7に係る接眼レンズのレンズ断面を示す。図68~図69には、実施例7に係る接眼レンズの諸収差を示す。
各収差図から分かるように、実施例7に係る接眼レンズは、良好な光学性能を有していることが明らかである。
[実施例8]
[表41]に、実施例8に係る接眼レンズの基本的なレンズデータを示す。また、非球面のデータを[表42],[表43]に示す。[表42]には標準レンズ面の非球面データを示す。[表43]にはフレネルレンズ面の非球面データを示す。
Figure 0007259427000041
Figure 0007259427000042
Figure 0007259427000043
図70には、実施例8に係る接眼レンズのレンズ断面を示す。図71~図72には、実施例8に係る接眼レンズの諸収差を示す。
各収差図から分かるように、実施例8に係る接眼レンズは、良好な光学性能を有していることが明らかである。
[各実施例のその他の数値データ]
[表44],[表45]には、各実施例に係る接眼レンズが満たす諸特性を、各実施例についてまとめたものを示す。[表44],[表45]には諸特性として、h(最大像高、画像表示素子100の対角のサイズの半値)、L(全長、アイポイントE.P.から像(画像表示素子100)までの距離),ω(半画角)、E.R.(アイレリーフ)、Mv(像倍率)の値を示す。また、[表44],[表45]には諸特性として、フレネルレンズの枚数、第1レンズL1のアイポイントE.P.側の面L1(R1)の形状、第1および第2フレネルレンズ面Fr1,Fr2の配置方法、第1および第2フレネルレンズ面Fr1,Fr2の屈折力の符号、変曲点を持つ非球面レンズの有無を示す。また、[表44],[表45]には諸特性として、第1および第2レンズL1,L2のそれぞれのd線に対する屈折率nd1,nd2の値、第1および第2フレネルレンズ面Fr1,Fr2のそれぞれの屈折力ψ1,ψ2の値を示す。その他、[表44],[表45]には諸特性として、上述の条件式(4)~(7)に関する、d/L’、(ψ1+ψ2)/ψall、L1Φr1/Φd1、L2Φr1/Φd2の値を示す。[表44],[表45]に示したように、全ての実施例に係る接眼レンズが、上述の条件式(1)~(3)を満たしている。実施例5~8に係る接眼レンズは、さらに、上述の条件式(4)~(7)を満たしている。
Figure 0007259427000044
Figure 0007259427000045
<5.その他の実施の形態>
本開示による技術は、上記実施の形態および実施例の説明に限定されず種々の変形実施が可能である。
例えば、上記各数値実施例において示した各部の形状および数値は、いずれも本技術を実施するための具体化のほんの一例に過ぎず、これらによって本技術の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
また、上記実施の形態および実施例では、実質的に3つまたは4つのレンズからなる構成について説明したが、実質的に屈折力を有さないレンズ、または屈折力が極小なレンズをさらに備えた構成であってもよい。
上述の各構成例において、複数の輪帯301のそれぞれの輪帯高さRhは固定である必要は無く、例えば、レンズの中心に近い領域は輪帯高さRhを大きくすることで、視野の中心領域の輪帯数を減らした形成方法でも良い。また、複数の輪帯301のそれぞれにおいて輪帯ピッチRpを固定にし、輪帯高さRhを変えてもよい。他にも、複数の輪帯301のそれぞれにおいて輪帯高さRhと輪帯ピッチRpとがランダムであってもよい。
また、第1フレネルレンズ面Fr1および第2フレネルレンズ面Fr2は、平坦な面に形成されている必要は無く、凸面や凹面上に形成されていてもよい。
また、実施例3,4において、第1レンズL1および第2レンズL2は、標準レンズ面を形成する中央領域に対応するレンズ部分とフレネルレンズ面を形成する周辺領域に対応するレンズ部分とがそれぞれ別材料で構成されていてもよい。
また例えば、本技術は以下のような構成を取ることができる。
以下の構成の本技術によれば、互いに対向配置された第1レンズおよび第2レンズの構成を、フレネルレンズを用いて最適化するようにしたので、軽量化および全長の短縮化を図りつつ、広い視野画角と良好な収差補正とを実現可能となる。
[1]
互いに対向配置された第1レンズおよび第2レンズを備え、
前記第1レンズは、前記第2レンズと対向するレンズ面における少なくとも周辺領域に形成された第1フレネルレンズ面を有し、
前記第2レンズは、前記第1レンズと対向するレンズ面における少なくとも周辺領域に形成された第2フレネルレンズ面を有する
接眼レンズ。
[2]
像倍率をMvとしたとき、
Mv≧2.1 ……(1)
を満足する
上記[1]に記載の接眼レンズ。
[3]
前記第1レンズは、前記第2レンズよりもアイポイント側に配置され、
前記第1レンズの前記アイポイント側のレンズ面が、凸形状または平面形状である
上記[1]または[2]に記載の接眼レンズ。
[4]
前記第1フレネルレンズ面は、前記第1レンズの前記第2レンズと対向するレンズ面において、中心から周辺に亘って形成され、
前記第2フレネルレンズ面は、前記第2レンズの前記第1レンズと対向するレンズ面において、中心から周辺に亘って形成されている
上記[1]ないし[3]のいずれか1つに記載の接眼レンズ。
[5]
前記第1レンズは、前記第2レンズと対向するレンズ面における中央領域に形成された第1非フレネルレンズ面をさらに有し、
前記第2レンズは、前記第1レンズと対向するレンズ面における中央領域に形成された第2非フレネルレンズ面をさらに有する
上記[1]ないし[3]のいずれか1つに記載の接眼レンズ。
[6]
アイポイント側から像側に向かって順に、前記第1レンズと前記第2レンズとが配置された2群2枚構成からなる
上記[1]ないし[5]のいずれか1つに記載の接眼レンズ。
[7]
前記第1フレネルレンズ面および前記第2フレネルレンズ面はそれぞれ、
複数の輪帯を有し、
前記複数の輪帯のそれぞれの境界部分には段差面が形成され、
前記第1フレネルレンズ面および前記第2フレネルレンズ面のそれぞれにおいて、前記段差面の光軸に対する角度が15°以上である
上記[6]に記載の接眼レンズ。
[8]
前記第1レンズおよび前記第2レンズよりも像側に配置された第3レンズ、をさらに備え、
アイポイント側から像側に向かって順に、前記第1レンズと前記第2レンズと前記第3レンズとの3群3枚構成からなる
上記[1]ないし[5]のいずれか1つに記載の接眼レンズ。
[9]
前記第1フレネルレンズ面および前記第2フレネルレンズ面はそれぞれ、
複数の輪帯を有し、
前記複数の輪帯のそれぞれの境界部分には段差面が形成され、
前記第1フレネルレンズ面および前記第2フレネルレンズ面のそれぞれにおいて、前記段差面の光軸に対する角度が20°以上である
上記[8]に記載の接眼レンズ。
[10]
前記第1フレネルレンズ面および前記第2フレネルレンズ面はそれぞれ、正の屈折力を有する
上記[1]ないし[9]のいずれか1つに記載の接眼レンズ。
[11]
前記第1レンズおよび前記第2レンズの少なくとも一方は、変曲点を持つ非球面を有する
上記[1]ないし[10]のいずれか1つに記載の接眼レンズ。
[12]
前記第1レンズと前記第2レンズとのそれぞれのd線に対する屈折率をndとしたとき、
nd≦1.7 ……(2)
を満足する
上記[1]ないし[11]のいずれか1つに記載の接眼レンズ。
[13]
前記第1フレネルレンズ面の屈折力をψ1、
前記第2フレネルレンズ面の屈折力をψ2としたとき、
ψ1≦ψ2 ……(3)
を満足する
上記[1]ないし[12]のいずれか1つに記載の接眼レンズ。
[14]
最もアイポイント側のレンズ面から像面までの距離をL’、
前記最もアイポイント側のレンズ面から、最も像側のレンズ面までの距離をdとしたとき、
0.2<d/L’<0.6 ……(4)
を満足する
上記[1]ないし[4]、[6]、[8]、および[10]ないし[13]のいずれか1つに記載の接眼レンズ。
[15]
前記第1フレネルレンズ面の屈折力をψ1、
前記第2フレネルレンズ面の屈折力をψ2、
前記接眼レンズ全体の屈折力をψallとしたとき、
(ψ1+ψ2)/ψall<0.30 ……(5)
を満足する
上記[1]ないし[4]、[6]、[8]、および[10]ないし[14]のいずれか1つに記載の接眼レンズ。
[16]
前記第1フレネルレンズ面および前記第2フレネルレンズ面はそれぞれ、複数の輪帯を有し、
前記第1フレネルレンズ面における中心から1番目の輪帯の直径をL1Φr1、
前記第1フレネルレンズ面の有効径をΦd1、
前記第2フレネルレンズ面における中心から1番目の輪帯の直径をL2Φr1、
前記第2フレネルレンズ面の有効径をΦd2としたとき、
0.1≦L1Φr1/Φd1 ……(6)
0.2≦L2Φr1/Φd2 ……(7)
を満足する
上記[1]ないし[4]、[6]、[8]、および[10]ないし[15]のいずれか1つに記載の接眼レンズ。
[17]
前記第1フレネルレンズ面および前記第2フレネルレンズ面はそれぞれ、複数の輪帯を有し、
前記第1フレネルレンズ面と前記第2フレネルレンズ面とにおいて前記輪帯のピッチが互いに半周期ずつずれている
上記[1]ないし[4]、[6]、[8]、および[10]ないし[16]のいずれか1つに記載の接眼レンズ。
[18]
前記第1レンズは、アイポイント側のレンズ面に形成された第3フレネルレンズ面を有する
上記[1]ないし[4]、[8]、および[10]ないし[17]のいずれか1つに記載の接眼レンズ。
[19]
画像表示素子と、前記画像表示素子に表示された像を拡大する接眼レンズとを含み、
前記接眼レンズは、
互いに対向配置された第1レンズおよび第2レンズを備え、
前記第1レンズは、前記第2レンズと対向するレンズ面における少なくとも周辺領域に形成されたフレネルレンズ形状の第1フレネル面を有し、
前記第2レンズは、前記第1レンズと対向するレンズ面における少なくとも周辺領域に形成されたフレネルレンズ形状の第2フレネル面を有する
表示装置。
[20]
前記接眼レンズのレンズ径は、前記画像表示素子のサイズよりも大きい
上記[19]に記載の表示装置。
100…画像表示素子、101…接眼レンズ、102…接眼光学系、200…ヘッドマウントディスプレイ、201…本体部、202…額当て部、203…鼻当て部、204…ヘッドバンド、205…ヘッドフォン、210L…左眼表示部、210R…右眼表示部、Im…虚像、L1…第1レンズ、L2…第2レンズ、L3…第3レンズ、STO…開口絞り、300…フレネルレンズ、301…輪帯、302…段差面、400…凸レンズ、500…眼球、600…対向部分の一部の領域、θd…段差面角度、θd(L1)…第1フレネルレンズ面における段差面角度、θd(L2)…第2フレネルレンズ面における段差面角度、Rp…輪帯ピッチ、Rh…輪帯高さ、Fr…フレネルレンズ面、Fr1…第1フレネルレンズ面、Fr2…第2フレネルレンズ面、Fr3…第3フレネルレンズ面、E.P.…アイポイント、E.R.…アイレリーフ、Z1…光軸。

Claims (18)

  1. アイポイント側から像側に向かって順に、間隔を空けて互いに対向配置された第1レンズおよび第2レンズを備え、
    前記第1レンズは、前記第2レンズと対向するレンズ面における中央領域に形成された凸形状の第1非フレネルレンズ面と、前記第2レンズと対向するレンズ面における周辺領域に形成された第1フレネルレンズ面とを有し、
    前記第2レンズは、前記第1レンズと対向するレンズ面における中央領域に形成された凸形状の第2非フレネルレンズ面と、前記第1レンズと対向するレンズ面における周辺領域に形成された第2フレネルレンズ面とを有し、
    前記第2レンズの前記中央領域の有効径は、前記第1レンズの前記中央領域の有効径よりも大きく、
    前記第1レンズの前記中央領域の有効径および前記第2レンズの前記中央領域の有効径は、瞳中心が光軸上にある状態で、瞳に35°の角度で入射する光束が通過できる有効範囲となっている
    接眼レンズ。
  2. 像倍率をMvとしたとき、
    Mv≧2.1 ……(1)
    を満足する
    請求項1に記載の接眼レンズ。
  3. 前記第1レンズは、前記第2レンズよりもアイポイント側に配置され、
    前記第1レンズの前記アイポイント側のレンズ面が、凸形状である
    請求項1に記載の接眼レンズ。
  4. 前記第1フレネルレンズ面および前記第2フレネルレンズ面はそれぞれ、高さが一定の複数の輪帯を有し、
    前記複数の輪帯の高さは20μm以上400μm以下である
    請求項1に記載の接眼レンズ。
  5. アイポイント側から像側に向かって順に、前記第1レンズと前記第2レンズとが配置された2群2枚構成からなる
    請求項1に記載の接眼レンズ。
  6. 前記第1フレネルレンズ面および前記第2フレネルレンズ面はそれぞれ、
    複数の輪帯を有し、
    前記複数の輪帯のそれぞれの境界部分には段差面が形成され、
    前記第1フレネルレンズ面および前記第2フレネルレンズ面のそれぞれにおいて、前記段差面の光軸に対する角度が15°以上である
    請求項に記載の接眼レンズ。
  7. 前記第1レンズおよび前記第2レンズよりも像側に配置された第3レンズ、をさらに備え、
    アイポイント側から像側に向かって順に、前記第1レンズと前記第2レンズと前記第3レンズとの3群3枚構成からなる
    請求項1に記載の接眼レンズ。
  8. 前記第1フレネルレンズ面および前記第2フレネルレンズ面はそれぞれ、
    複数の輪帯を有し、
    前記複数の輪帯のそれぞれの境界部分には段差面が形成され、
    前記第1フレネルレンズ面および前記第2フレネルレンズ面のそれぞれにおいて、前記段差面の光軸に対する角度が20°以上である
    請求項に記載の接眼レンズ。
  9. 前記第1フレネルレンズ面および前記第2フレネルレンズ面はそれぞれ、正の屈折力を有する
    請求項1に記載の接眼レンズ。
  10. 前記第1レンズおよび前記第2レンズの少なくとも一方は、変曲点を持つ非球面を有する
    請求項1に記載の接眼レンズ。
  11. 前記第1レンズと前記第2レンズとのそれぞれのd線に対する屈折率をndとしたとき、
    nd≦1.7 ……(2)
    を満足する
    請求項1に記載の接眼レンズ。
  12. 前記第1フレネルレンズ面の屈折力をψ1、
    前記第2フレネルレンズ面の屈折力をψ2としたとき、
    ψ1≦ψ2 ……(3)
    を満足する
    請求項1に記載の接眼レンズ。
  13. 互いに対向配置された第1レンズおよび第2レンズを備え、
    前記第1レンズは、前記第2レンズと対向するレンズ面において中心から周辺に亘って形成された第1フレネルレンズ面を有し、
    前記第2レンズは、前記第1レンズと対向するレンズ面において中心から周辺に亘って形成された第2フレネルレンズ面を有し、
    前記第1フレネルレンズ面および前記第2フレネルレンズ面はそれぞれ、高さが一定の複数の輪帯を有し、
    前記複数の輪帯の高さは20μm以上400μm以下であり、
    前記第1フレネルレンズ面と前記第2フレネルレンズ面とにおいて前記輪帯のピッチが互いに半周期ずつずれており、
    最もアイポイント側のレンズ面から像面までの距離をL’、
    前記最もアイポイント側のレンズ面から、最も像側のレンズ面までの距離をdとしたとき、
    0.2<d/L’<0.6 ……(4)
    を満足する
    接眼レンズ。
  14. 前記第1フレネルレンズ面の屈折力をψ1、
    前記第2フレネルレンズ面の屈折力をψ2、
    前記接眼レンズ全体の屈折力をψallとしたとき、
    (ψ1+ψ2)/ψall<0.30 ……(5)
    を満足する
    請求項13に記載の接眼レンズ。
  15. 前記第1フレネルレンズ面および前記第2フレネルレンズ面はそれぞれ、複数の輪帯を有し、
    前記第1フレネルレンズ面における中心から1番目の輪帯の直径をL1Φr1、
    前記第1フレネルレンズ面の有効径をΦd1、
    前記第2フレネルレンズ面における中心から1番目の輪帯の直径をL2Φr1、
    前記第2フレネルレンズ面の有効径をΦd2としたとき、
    0.1≦L1Φr1/Φd1 ……(6)
    0.2≦L2Φr1/Φd2 ……(7)
    を満足する
    請求項13に記載の接眼レンズ。
  16. 前記第1レンズは、アイポイント側のレンズ面に形成された第3フレネルレンズ面を有する
    請求項13に記載の接眼レンズ。
  17. 画像表示素子と、前記画像表示素子に表示された像を拡大する接眼レンズとを含み、
    前記接眼レンズが、前記請求項1ないし16のいずれか1つに記載の接眼レンズによって構成されている
    表示装置。
  18. 前記接眼レンズのレンズ径は、前記画像表示素子のサイズよりも大きい
    請求項17に記載の表示装置。
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