JP7258475B2 - 表面保護フィルム付偏光板 - Google Patents

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Description

本発明は、表面保護フィルム付偏光板に関する。
画像表示装置(例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置、量子ドット表示装置)には、その画像形成方式に起因して、多くの場合、表示セルの少なくとも一方の側に偏光板が配置されている。画像表示装置の視認側に配置される偏光板には、外光反射や背景の映り込みの防止、色相の改善等を目的として、その表示セル側に位相差フィルムが積層される場合がある。画像表示装置の薄型化に伴い、偏光板の薄型化も強く要望されている。このような要望に対応すべく、偏光板の表示セル側の保護層を位相差フィルムとする構成が提案されている。
一方、偏光板には、当該偏光板が適用される画像表示装置が実際に使用されるまでの間、当該偏光板を保護するために表面保護フィルムが剥離可能に貼り合わせられている。実用的には、偏光板/表面保護フィルムの積層体が表示セルに貼り合わせられて画像表示装置が作製され、その後の適切な時点で表面保護フィルムが剥離除去される。しかし、上記のような表示セル側の保護層を位相差フィルムとした構成の偏光板においては、表面保護フィルムを貼り合わせると表示ムラを生じさせる場合がある。このような表示ムラは、表面保護フィルムを剥離除去した後も残ってしまうので、最終的な画像表示装置の表示特性に悪影響を与えてしまう場合がある。
特開2004-034631号公報 特開2007-304425号公報
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、表示セルに貼り合わせた際の表示ムラを抑制し得る表面保護フィルム付偏光板を提供することにある。
本発明の表面保護フィルム付偏光板は、偏光子と、該偏光子のそれぞれの側に配置された第1の保護層および第2の保護層と、該第1の保護層の該偏光子と反対側に剥離可能に仮着された表面保護フィルムと、を有する。該第2の保護層の面内位相差Re(550)は250nm~350nmであり、厚みは30μm以下であり、および、光弾性係数は10×10-12/N以上である。該表面保護フィルムの厚みは80μm以上である。
1つの実施形態においては、上記表面保護フィルムは、第1の基材と、粘着剤層を介して該第1の基材に積層された第2の基材と、を有する。
1つの実施形態においては、上記第2の保護層は、nx>nz>nyの屈折率特性を有する。
1つの実施形態においては、上記第2の保護層のNz係数は0.3~0.7である。
1つの実施形態においては、上記第2の保護層はポリカーボネート系樹脂を含む。
1つの実施形態においては、上記第2の保護層の遅相軸と上記偏光子の吸収軸とのなす角度は、実質的に直交または実質的に平行である。
本発明によれば、非常に薄くかつ所望の光学特性を有するものの光弾性係数が大きい保護層(光学補償層)を含む表面保護フィルム付偏光板において、80μm以上の厚みを有する表面保護フィルムを用いることにより、表面保護フィルム付偏光板を画像表示装置(実質的には、表示セル)に貼り合わせる際の応力の影響を良好に抑制することができる。その結果、画像表示装置の表示ムラを良好に抑制することができる。言い換えれば、上記の保護層(光学補償層)の薄型かつ良好な光学特性という利点を維持しつつ、大きい光弾性係数に起因する不具合を解消することができる。
本発明の1つの実施形態による表面保護フィルム付偏光板の概略断面図である。 (a)は、本発明の実施形態による表面保護フィルム付偏光板に用いられ得る表面保護フィルムの具体的な構成の一例を説明する概略断面図であり;(b)は別の例を説明する概略断面図である。
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
A.表面保護フィルム付偏光板の全体構成
図1は、本発明の1つの実施形態による表面保護フィルム付偏光板の概略断面図である。図示例の表面保護フィルム付偏光板100は、偏光子10と、偏光子10のそれぞれの側に配置された第1の保護層21および第2の保護層22と、第1の保護層21の偏光子10と反対側に剥離可能に仮着された表面保護フィルム30と、を有する。表面保護フィルム付偏光板100は、代表的には、第2の保護層22が表示セル側に配置されるようにして画像表示装置に適用され得る。本発明の実施形態においては、第2の保護層22の面内位相差Re(550)は250nm~350nmであり、厚みは30μm以下であり、および、光弾性係数は10×10-12/N以上である。さらに、表面保護フィルム30の厚みは80μm以上である。
偏光子10と第1の保護層21および第2の保護層22とは、任意の適切な接着層を介して貼り合わせられている。接着層の代表例としては、接着剤層、粘着剤層が挙げられる。接着剤層は、代表的にはPVA系接着剤または活性化エネルギー線硬化型接着剤で形成される。粘着剤層は、代表的にはアクリル系粘着剤で形成される。好ましくは、接着剤層である。粘着剤層に比べてさらなる薄型化が可能となるからである。
第2の保護層22は、上記のとおり面内位相差を有するので、遅相軸を有する。第2の保護層22の遅相軸と偏光子10の吸収軸とのなす角度は、代表的には、実質的に直交または実質的に平行である。本明細書において「実質的に直交」および「略直交」という表現は、2つの方向のなす角度が90°±7°である場合を包含し、好ましくは90°±5°であり、さらに好ましくは90°±3°である。「実質的に平行」および「略平行」という表現は、2つの方向のなす角度が0°±7°である場合を包含し、好ましくは0°±5°であり、さらに好ましくは0°±3°である。さらに、本明細書において単に「直交」または「平行」というときは、実質的に直交または実質的に平行な状態を含み得るものとする。また、本明細書において角度に言及するときは、基準方向に対して時計回りおよび反時計回りの両方を包含する。
表面保護フィルム付偏光板100は、第2の保護層22の偏光子10と反対側(表示セル側)に、目的に応じて任意の適切な機能層をさらに有していてもよい(図示せず)。機能層の代表例としては、位相差層、導電層が挙げられる。機能層の種類、数、組み合わせ、配置位置、特性(例えば、屈折率特性、面内位相差、厚み方向位相差、Nz係数のような光学特性)は、目的に応じて適切に設定され得る。表面保護フィルム層付偏光板が導電層をさらに有することにより、当該表面保護フィルム層付偏光板は、インナータッチパネル型入力表示装置に好適に用いられ得る。
実用的には、表面保護フィルム付偏光板100は、最外層として粘着剤層を有する(図示せず)。粘着剤層は、代表的には、第2の保護層22の偏光子10と反対側(表示セル側)の最外層となる。粘着剤層には、セパレーターが剥離可能に仮着され、実際の使用まで粘着剤層を保護するとともに、ロール形成を可能としている。
以下、表面保護フィルム付偏光板の構成要素について説明する。
B.偏光子
偏光子10は、代表的には、二色性物質を含む樹脂フィルムで構成される。
樹脂フィルムとしては、偏光子として用いられ得る任意の適切な樹脂フィルムを採用することができる。樹脂フィルムは、代表的には、ポリビニルアルコール系樹脂(以下、「PVA系樹脂」と称する)フィルムである。
上記PVA系樹脂フィルムを形成するPVA系樹脂としては、任意の適切な樹脂が用いられ得る。例えば、ポリビニルアルコール、エチレン-ビニルアルコール共重合体が挙げられる。ポリビニルアルコールは、ポリ酢酸ビニルをケン化することにより得られる。エチレン-ビニルアルコール共重合体は、エチレン-酢酸ビニル共重合体をケン化することにより得られる。PVA系樹脂のケン化度は、通常85モル%~100モル%であり、好ましくは95.0モル%~99.95モル%、さらに好ましくは99.0モル%~99.93モル%である。ケン化度は、JIS K 6726-1994に準じて求めることができる。このようなケン化度のPVA系樹脂を用いることによって、耐久性に優れた偏光子を得ることができる。ケン化度が高すぎる場合には、ゲル化してしまうおそれがある。
PVA系樹脂の平均重合度は、目的に応じて適切に選択され得る。平均重合度は、通常1000~10000であり、好ましくは1200~4500、さらに好ましくは1500~4300である。なお、平均重合度は、JIS K 6726-1994に準じて求めることができる。
樹脂フィルムに含まれる二色性物質としては、例えば、ヨウ素、有機染料等が挙げられる。これらは、単独で、または、二種以上組み合わせて用いられ得る。好ましくは、ヨウ素が用いられる。
樹脂フィルムは、単層の樹脂フィルムであってもよく、二層以上の積層体であってもよい。
単層の樹脂フィルムから構成される偏光子の具体例としては、PVA系樹脂フィルムにヨウ素による染色処理および延伸処理(代表的には、一軸延伸)が施されたものが挙げられる。上記ヨウ素による染色は、例えば、PVA系フィルムをヨウ素水溶液に浸漬することにより行われる。上記一軸延伸の延伸倍率は、好ましくは3~7倍である。延伸は、染色処理後に行ってもよいし、染色しながら行ってもよい。また、延伸してから染色してもよい。必要に応じて、PVA系樹脂フィルムに、膨潤処理、架橋処理、洗浄処理、乾燥処理等が施される。例えば、染色の前にPVA系樹脂フィルムを水に浸漬して水洗することで、PVA系フィルム表面の汚れやブロッキング防止剤を洗浄することができるだけでなく、PVA系樹脂フィルムを膨潤させて染色ムラなどを防止することができる。
積層体を用いて得られる偏光子の具体例としては、樹脂基材と当該樹脂基材に積層されたPVA系樹脂層(PVA系樹脂フィルム)との積層体、あるいは、樹脂基材と当該樹脂基材に塗布形成されたPVA系樹脂層との積層体を用いて得られる偏光子が挙げられる。樹脂基材と当該樹脂基材に塗布形成されたPVA系樹脂層との積層体を用いて得られる偏光子は、例えば、PVA系樹脂溶液を樹脂基材に塗布し、乾燥させて樹脂基材上にPVA系樹脂層を形成して、樹脂基材とPVA系樹脂層との積層体を得ること;当該積層体を延伸および染色してPVA系樹脂層を偏光子とすること;により作製され得る。本実施形態においては、延伸は、代表的には積層体をホウ酸水溶液中に浸漬させて延伸することを含む。さらに、延伸は、必要に応じて、ホウ酸水溶液中での延伸の前に積層体を高温(例えば、95℃以上)で空中延伸することをさらに含み得る。得られた樹脂基材/偏光子の積層体はそのまま用いてもよく(すなわち、樹脂基材を偏光子の保護層としてもよく)、樹脂基材/偏光子の積層体から樹脂基材を剥離し、当該剥離面に目的に応じた任意の適切な保護層を積層して用いてもよい。このような偏光子の製造方法の詳細は、例えば特開2012-73580号公報に記載されている。当該公報は、その全体の記載が本明細書に参考として援用される。
偏光子の厚みは、好ましくは15μm以下であり、より好ましくは1μm~12μmであり、さらに好ましくは3μm~10μmであり、特に好ましくは3μm~8μmである。偏光子の厚みがこのような範囲であれば、加熱時のカールを良好に抑制することができ、および、良好な加熱時の外観耐久性が得られる。さらに、偏光子の厚みがこのような範囲であれば、表面保護フィルム付偏光板(結果として、偏光板および画像表示装置)の薄型化に貢献し得る。
偏光子は、好ましくは、波長380nm~780nmのいずれかの波長で吸収二色性を示す。偏光子の単体透過率は、好ましくは40.0%~45.0%であり、より好ましくは41.5%~43.5%である。偏光子の偏光度は、好ましくは97.0%以上であり、より好ましくは99.0%以上であり、さらに好ましくは99.9%以上である。
C.第1の保護層
第1の保護層21としては、任意の適切な樹脂フィルムが用いられる。樹脂フィルムの形成材料としては、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース等のセルロース系樹脂、ノルボルネン系樹脂等のシクロオレフィン系樹脂、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂等のエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、これらの共重合体樹脂等が挙げられる。なお、「(メタ)アクリル系樹脂」とは、アクリル系樹脂および/またはメタクリル系樹脂をいう。
第1の保護層の厚みは、代表的には10μm~100μmであり、好ましくは20μm~40μmである。
第1の保護層の偏光子と反対側の表面には、必要に応じて、ハードコート処理、反射防止処理、スティッキング防止処理、アンチグレア処理等の表面処理が施されていてもよい。さらに/あるいは、第1の保護層の偏光子と反対側の表面には、必要に応じて、偏光サングラスを介して視認する場合の視認性を改善する処理(代表的には、(楕)円偏光機能を付与すること、超高位相差を付与すること)が施されていてもよい。なお、表面処理が施されて表面処理層が形成される場合、第1の保護層の厚みは、表面処理層を含めた厚みである。
D.第2の保護層
第2の保護層22は、本発明の実施形態においては、上記のとおり面内位相差Re(550)が250nm~350nmである。すなわち、本発明の実施形態においては、第2の保護層は、偏光子の保護層と位相差層(または光学補償層)とを兼ねる。このような構成とすることにより、保護層と光学補償層とを別個に設ける必要がなくなるので、画像表示装置の薄型化に大きく貢献し得る。第2の保護層の面内位相差Re(550)は、好ましくは270nm~330nmであり、より好ましくは290nm~310nmである。第2の保護層の面内位相差Re(550)がこのような範囲であれば、ポアンカレ球上での移動距離が短いので優れた色相および輝度特性が実現され、かつ、画像表示パネルのカラーシフトおよびTFTの位相差成分によるずれも小さくなる。なお、本明細書において「Re(λ)」は、23℃における波長λnmの光で測定した面内位相差である。Re(λ)は、層(フィルム)の厚みをd(nm)としたとき、式:Re=(nx-ny)×dによって求められる。例えば、「Re(550)」は、23℃における波長550nmの光で測定した面内位相差である。また、後述する「Nz係数」は、Nz=Rth(λ)/Re(λ)で求められる。ここで、「Rth(λ)」は、23℃における波長λnmの光で測定した厚み方向の位相差である。Rth(λ)は、層(フィルム)の厚みをd(nm)としたとき、式:Rth=(nx-nz)×dによって求められる。例えば、「Rth(550)」は、23℃における波長550nmの光で測定した厚み方向の位相差である。さらに、「nx」は面内の屈折率が最大になる方向(すなわち、遅相軸方向)の屈折率であり、「ny」は面内で遅相軸と直交する方向(すなわち、進相軸方向)の屈折率であり、「nz」は厚み方向の屈折率である。
第2の保護層は、好ましくは、屈折率特性がnx>nz>nyの関係を示す。第2の保護層がこのような屈折率特性を有することにより、表面保護フィルム付偏光板(実用においては、表面保護フィルムを剥離除去した偏光板)を適用する画像表示装置の斜め方向の色相を良好に改善することができる。さらに、このような斜め方向の色相改善は、保護層と光学補償層とを別個に設けることなく、かつ、光学補償層(第2の保護層)1層で行うことができるので、偏光板(結果として、画像表示装置)の薄型化に顕著に貢献し得る。
第2の保護層のNz係数は、好ましくは0.3~0.7であり、より好ましくは0.4~0.6であり、さらに好ましくは0.45~0.55である。Nz係数がこのような範囲であれば、斜め方向の色相をさらに良好に改善することができる。
第2の保護層は、位相差値が測定光の波長に応じて大きくなる逆分散波長特性を示してもよく、位相差値が測定光の波長に応じて小さくなる正の波長分散特性を示してもよく、位相差値が測定光の波長によってもほとんど変化しないフラットな波長分散特性を示してもよい。第2の保護層は、好ましくは、逆分散波長特性を示す。第2の保護層が逆分散波長特性を示すことにより、優れた反射色相を達成することができる。この場合、第2の保護層の面内位相差は、Re(450)<Re(550)の関係を満たす。Re(450)/Re(550)は、好ましくは0.8以上1未満であり、より好ましくは0.8以上0.95以下である。より好ましくは、第2の保護層の面内位相差は、Re(550)<Re(650)の関係も満たす。Re(550)/Re(650)は、好ましくは0.8以上1未満であり、より好ましくは0.8以上0.95以下である。
第2の保護層は、その光弾性係数が上記のとおり10×10-12/N以上であり、好ましくは1.0×10-10/N以上であり、より好ましくは1.0×10-10/N~3.0×10-10/Nである。本発明の実施形態においては、第2の保護層は、後述のような薄い厚みで上記所望の面内位相差およびNz係数を達成することができる。この場合、光弾性係数は上記のように大きくなる場合が多いところ、後述するように表面保護フィルムの構成を最適化することにより、光弾性係数が大きい層を用いても画像表示装置の表示ムラを良好に抑制することができる。
第2の保護層は、代表的には、上記特性を実現し得る任意の適切な樹脂で形成された位相差フィルムである。この位相差フィルムを形成する樹脂としては、例えば、ポリアリレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリアリールエーテルケトン、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド、ポリビニルアルコール、ポリフマル酸エステル、ポリエーテルサルフォン、ポリサルフォン、ノルボルネン樹脂、ポリカーボネート樹脂、セルロース樹脂およびポリウレタンが挙げられる。これらの樹脂は、単独で用いてもよく組み合わせて用いてもよい。好ましくは、ポリアリレートまたはポリカーボネート樹脂である。
ポリアリレートは、好ましくは下記式(1)で表される。
Figure 0007258475000001
式(I)において、AおよびBは、それぞれ、置換基を表し、ハロゲン原子、炭素原子数1~6のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基であり、AおよびBは同一でも異なっていてもよい。aおよびbは、対応するAおよびBの置換数を表し、それぞれ、1~4の整数である。Dは、共有結合、CH基、C(CH基、C(CZ基(ここで、Zはハロゲン原子である)、CO基、O原子、S原子、SO基、Si(CHCH基、N(CH)基である。R1は、炭素原子数1~10の直鎖若しくは分岐のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基である。R2は、炭素原子数2~10の直鎖若しくは分岐のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基である。R3、R4、R5およびR6は、それぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1~4の直鎖若しくは分岐のアルキル基であり、R3、R4、R5およびR6は同一でも異なっていてもよい。p1は、0~3の整数であり、p2は、1~3の整数であり、nは、2以上の整数である。
ポリカーボネート樹脂としては、本発明の効果が得られる限りにおいて、任意の適切なポリカーボネート樹脂を用いることができる。好ましくは、ポリカーボネート樹脂は、フルオレン系ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位と、イソソルビド系ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位と、脂環式ジオール、脂環式ジメタノール、ジ、トリまたはポリエチレングリコール、ならびに、アルキレングリコールまたはスピログリコールからなる群から選択される少なくとも1つのジヒドロキシ化合物に由来する構造単位と、を含む。好ましくは、ポリカーボネート樹脂は、フルオレン系ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位と、イソソルビド系ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位と、脂環式ジメタノールに由来する構造単位ならびに/あるいはジ、トリまたはポリエチレングリコールに由来する構造単位と、を含み;さらに好ましくは、フルオレン系ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位と、イソソルビド系ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位と、ジ、トリまたはポリエチレングリコールに由来する構造単位と、を含む。ポリカーボネート樹脂は、必要に応じてその他のジヒドロキシ化合物に由来する構造単位を含んでいてもよい。なお、本発明に好適に用いられ得るポリカーボネート樹脂の詳細は、例えば、特開2014-10291号公報、特開2014-26266号公報に記載されており、当該記載は本明細書に参考として援用される。
前記ポリカーボネート樹脂のガラス転移温度は、110℃以上180℃以下であることが好ましく、より好ましくは120℃以上165℃以下である。ガラス転移温度が過度に低いと耐熱性が悪くなる傾向にあり、フィルム成形後に寸法変化を起こす可能性があり、又、得られる有機ELパネルの画像品質を下げる場合がある。ガラス転移温度が過度に高いと、フィルム成形時の成形安定性が悪くなる場合があり、又フィルムの透明性を損なう場合がある。なお、ガラス転移温度は、JIS K 7121(1987)に準じて求められる。
前記ポリカーボネート樹脂の分子量は、還元粘度で表すことができる。還元粘度は、溶媒として塩化メチレンを用い、ポリカーボネート濃度を0.6g/dLに精密に調製し、温度20.0℃±0.1℃でウベローデ粘度管を用いて測定される。還元粘度の下限は、通常0.30dL/gが好ましく、より好ましは0.35dL/g以上である。還元粘度の上限は、通常1.20dL/gが好ましく、より好ましくは1.00dL/g、更に好ましくは0.80dL/gである。還元粘度が前記下限値より小さいと成形品の機械的強度が小さくなるという問題が生じる場合がある。一方、還元粘度が前記上限値より大きいと、成形する際の流動性が低下し、生産性や成形性が低下するという問題が生じる場合がある。
第2の保護層は、例えば、上記樹脂を任意の適切な溶媒に溶解または分散した塗布液を収縮性フィルムに塗布して塗膜を形成し、当該塗膜を収縮させることにより形成され得る。代表的には、塗膜の収縮は、収縮性フィルムと塗膜との積層体を加熱して収縮性フィルムを収縮させ、このような収縮性フィルムの収縮により塗膜を収縮させる。塗膜の収縮率は、好ましくは0.50~0.99であり、より好ましくは0.60~0.98であり、さらに好ましくは、0.70~0.95である。加熱温度は、好ましくは130℃~170℃であり、より好ましくは150℃~160℃である。1つの実施形態においては、塗膜を収縮させる際に、当該収縮方向と直交する方向に積層体を延伸してもよい。この場合、積層体の延伸倍率は、好ましくは1.01倍~3.0倍であり、より好ましくは1.05倍~2.0倍であり、さらに好ましくは1.10倍~1.50倍である。収縮性フィルムを構成する材料の具体例としては、ポリオレフィン、ポリエステル、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、ノルボルネン樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、セルロース樹脂、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリイミド、ポリアクリル、アセテート樹脂、ポリアリレート、ポリビニルアルコール、液晶ポリマーが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく組み合わせて用いてもよい。収縮性フィルムは、好ましくは、これらの材料から形成される延伸フィルムである。
第2の保護層の厚みは、上記のとおり30μm以下であり、好ましくは10μm~25μmであり、より好ましくは17μm~20μmである。本発明の実施形態においては、このような薄い厚みにもかかわらず上記所望の面内位相差およびNz係数が得られるので、偏光板(結果として、画像表示装置)の薄型化に顕著に貢献し得る。
E.表面保護フィルム
表面保護フィルム30は、代表的には、基材と粘着剤層とを有する。本発明の実施形態においては、表面保護フィルムの厚みは、上記のとおり80μm以上であり、好ましくは85μm以上であり、より好ましくは90μm以上であり、さらに好ましくは100μm以上である。表面保護フィルムの厚みの上限は、例えば150μmである。本発明の実施形態によれば、このように厚みの大きい表面保護フィルムを用いることにより、非常に薄く、かつ、光弾性係数が大きい保護層(光学補償層)を含む偏光板を画像表示装置(実質的には、表示セル)に貼り合わせた場合であっても、貼り合わせ時の応力の影響を良好に抑制することができる。その結果、画像表示装置の表示ムラを良好に抑制することができる。言い換えれば、上記D項に記載のような、非常に薄くかつ所望の光学特性を有するものの光弾性係数が大きい第2の保護層(光学補償層)を用いても、薄型かつ良好な光学特性という利点を維持しつつ、大きい光弾性係数に起因する不具合を解消することができる。したがって、薄型で、かつ、表示ムラのない(結果として、全体的な表示特性に優れた)画像表示装置を実現することができる。言うまでもなく、表面保護フィルムは実用の際には剥離除去されるので、分厚い表面保護フィルムを用いても画像表示装置の薄型化に悪影響を与えることはない。なお、本明細書において「表面保護フィルムの厚み」とは、基材と粘着剤層との合計厚みをいう。
表面保護フィルムは、単一の基材を含んでいてもよく、複数の基材を含んでいてもよい。1つの実施形態においては、表面保護フィルムは、図2(a)に示すように基材31と粘着剤層32とを有する。すなわち、表面保護フィルムは単一の基材31を含み、粘着剤層32は偏光板との積層に用いられる。別の実施形態においては、表面保護フィルムは、図2(b)に示すように、基材(第1の基材)31と粘着剤層(第1の粘着剤層)32と別の基材(第2の基材)33と別の粘着剤層(第2の粘着剤層)34とを有する。すなわち、表面保護フィルムは、複数の基材31および32を含む。より具体的には、表面保護フィルムは、第1の基材31と、第1の粘着剤層32を介して第1の基材31に積層された第2の基材33と、を有する。第2の粘着剤層34は偏光板との積層に用いられる。言うまでもなく、表面保護フィルムは、3つ以上の基材を含んでいてもよい。
基材は、任意の適切な樹脂フィルムで構成され得る。樹脂フィルムの形成材料としては、ポリエチレンテレフタレート系樹脂等のエステル系樹脂、ノルボルネン系樹脂等のシクロオレフィン系樹脂、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、これらの共重合体樹脂等が挙げられる。好ましくは、エステル系樹脂(特に、ポリエチレンテレフタレート系樹脂)である。このような材料であれば、弾性率が十分に高く、搬送および/または貼り合わせ時に張力をかけても変形が生じにくいという利点がある。
基材の弾性率は、好ましくは2.5N/mm~3.5N/mmである。基材の弾性率がこのような範囲であれば、表面保護フィルム付偏光板を表示セルに貼り合わせる際の応力の発生を適切に抑制し得るので、表示ムラを良好に抑制することができる。なお、弾性率は、JIS K 6781に準拠して測定される。
基材の厚み(表面保護フィルムが複数の基材を含む場合には、その合計厚み)は、好ましくは70μm~90μmである。表面保護フィルムの厚みに対する基材の厚みの割合は、好ましくは70%~90%である。基材の厚みおよび表面保護フィルムの厚みに対する基材の厚みの割合は、基材の弾性率、粘着剤層の弾性率、粘着剤層の厚み、表面保護フィルムの厚み等に応じて適切に設定され得る。
基材の粘着剤層側の表面には、表面処理が施されていてもよい。表面処理の代表例としては、コロナ処理が挙げられる。表面処理を施すことにより、基材と粘着剤層との密着性が向上し得る。また、基材の粘着剤層と反対側には、必要に応じて任意の適切な処理層が設けられてもよい。処理層の具体例としては、帯電防止層、親水層、ハードコート層が挙げられる。処理層は業界で周知の構成が採用されるので、詳細な説明は省略する。
粘着剤層を形成する粘着剤としては、任意の適切な粘着剤が採用され得る。粘着剤のベース樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂、ゴム系樹脂が挙げられる。耐薬品性、浸漬時における処理液の浸入を防止するための密着性、被着体への自由度等の観点から、アクリル系樹脂が好ましい。粘着剤に含まれ得る架橋剤としては、例えば、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物が挙げられる。粘着剤は、例えばシランカップリング剤を含んでいてもよい。粘着剤の配合処方は、目的に応じて適切に設定され得る。
粘着剤層の弾性率は、好ましくは0.03N/mm~0.14N/mmである。粘着剤層の弾性率がこのような範囲であれば、表面保護フィルム付偏光板を表示セルに貼り合わせる際の応力の発生を適切に抑制し得るので、表示ムラを良好に抑制することができる。なお、弾性率は、JIS K 6781に準拠して測定される。
粘着剤層の厚み(表面保護フィルムが複数の粘着剤層を含む場合には、その合計厚み)は、好ましくは10μm~30μmである。表面保護フィルムの厚みに対する粘着剤層の厚みの割合は、好ましくは10%~30%である。粘着剤層の厚みおよび表面保護フィルムの厚みに対する粘着剤層の厚みの割合は、基材の弾性率、粘着剤層の弾性率、基材の厚み、表面保護フィルムの厚み等に応じて適切に設定され得る。
F.画像表示装置
本発明の実施形態による表面保護フィルム付偏光板は、画像表示装置に適用され得る。代表的には、表面保護フィルム付偏光板は、表面保護フィルムが視認側となるようにして画像表示装置の視認側に配置され、実用に際しては、表面保護フィルムは剥離除去される。画像表示装置の代表例としては、液晶表示装置、有機エレクトロルミネセンス(EL)表示装置、量子ドット表示装置が挙げられる。好ましくは液晶表示装置であり、より好ましくはIPSモードの液晶表示装置である。斜め方向の色相改善がより顕著だからである。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。特に明記しない限り、実施例における「部」および「%」は重量基準である。
[実施例1]
(1)偏光子の作製
樹脂基材として、長尺状で、吸水率0.75%、Tg75℃の非晶質のイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート(IPA共重合PET)フィルム(厚み:100μm)を用いた。基材の片面に、コロナ処理を施し、このコロナ処理面に、ポリビニルアルコール(重合度4200、ケン化度99.2モル%)およびアセトアセチル変性PVA(重合度1200、アセトアセチル変性度4.6%、ケン化度99.0モル%以上、日本合成化学工業社製、商品名「ゴーセファイマーZ200」)を9:1の比で含む水溶液を25℃で塗布および乾燥して、厚み11μmのPVA系樹脂層を形成し、積層体を作製した。
得られた積層体を、120℃のオーブン内で周速の異なるロール間で縦方向(長手方向)に2.0倍に自由端一軸延伸した(空中補助延伸)。
次いで、積層体を、液温30℃の不溶化浴(水100重量部に対して、ホウ酸を4重量部配合して得られたホウ酸水溶液)に30秒間浸漬させた(不溶化処理)。
次いで、液温30℃の染色浴に、偏光板が所定の透過率となるようにヨウ素濃度、浸漬時間を調整しながら浸漬させた。本実施例では、水100重量部に対して、ヨウ素を0.2重量部配合し、ヨウ化カリウムを1.5重量部配合して得られたヨウ素水溶液に60秒間浸漬させた(染色処理)。
次いで、液温30℃の架橋浴(水100重量部に対して、ヨウ化カリウムを3重量部配合し、ホウ酸を3重量部配合して得られたホウ酸水溶液)に30秒間浸漬させた(架橋処理)。
その後、積層体を、液温70℃のホウ酸水溶液(水100重量部に対して、ホウ酸を4重量部配合し、ヨウ化カリウムを5重量部配合して得られた水溶液)に浸漬させながら、周速の異なるロール間で縦方向(長手方向)に総延伸倍率が5.5倍となるように一軸延伸を行った(水中延伸)。
その後、積層体を液温30℃の洗浄浴(水100重量部に対して、ヨウ化カリウムを4重量部配合して得られた水溶液)に浸漬させた(洗浄処理)。
最後に、積層体を乾燥して、樹脂基材上に偏光子が形成された積層体を得た。なお、偏光子の厚みは5μm、単体透過率は42.3%であった。
(2)第1の保護層の貼り合わせ
上記(1)で得られた積層体の偏光子表面に、第1の保護層として、ハードコート層が形成されたシクロオレフィン系フィルム(総厚み27μm、シクロオレフィン系フィルムの厚み25μm、ハードコート層の厚み2μm)を、紫外線硬化型接着剤を介して貼り合せた。具体的には、硬化型接着剤の総厚みが1.0μmになるように塗工し、ロール機を使用して貼り合わせた。ここで、第1の保護層は、シクロオレフィン系フィルムが偏光子に隣接するようにして貼り合わせた。その後、UV光線を第1の保護層側から照射して接着剤を硬化させた。次いで、樹脂基材を剥離し、第1の保護層(ハードコート層/シクロオレフィン系フィルム)/偏光子の構成を有する積層体を得た。
(3)第2の保護層(位相差フィルム)の作製
(3-1)ポリアリレートの合成
撹拌装置を備えた反応容器中で、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-4-メチルペンタン27.0kgおよびテトラブチルアンモニウムクロライド0.8kgを、水酸化ナトリウム溶液250Lに溶解させた。この溶液に、テレフタル酸クロライド13.5kgとイソフタル酸クロライド6.30kgを300Lのトルエンに溶解させた溶液を撹拌しながら一度に加え、室温で90分間撹拌して、重縮合溶液とした。その後、前記重縮合溶液を静置分離してポリアリレートを含んだトルエン溶液を分離した。ついで、前記分離液を、酢酸水で洗浄し、さらにイオン交換水で洗浄した後、メタノールに投入してポリアリレートを析出させた。析出したポリアリレートを濾過し、減圧下で乾燥させることで、白色のポリアリレート34.1kg(収率92%)を得た。
(3-2)位相差フィルムの作製
上記で得られたポリアリレート10kgをトルエン73kgに溶解させ、塗工液を調製した。その後、当該塗工液を、収縮性フィルム(縦一軸延伸ポリプロピレンフィルム、東京インキ(株)製、商品名「ノーブレン」)の上に直接塗工し、その塗膜を乾燥温度60℃で5分間、80℃で5分間乾燥させ、収縮性フィルム/複屈折層の積層体を形成した。得られた積層体を、同時2軸延伸機を用いて、延伸温度155℃でMD方向に収縮倍率0.70、TD方向に1.15倍延伸することで収縮性フィルム上に位相差フィルムを形成した。ついで、当該位相差フィルムを収縮性フィルムから剥離した。位相差フィルムの厚みは17.0μm、Re(550)=300nm、Nz=0.5であった。この位相差フィルムを第2の保護層とした。
(4)偏光板の作製
上記(2)で得られた積層体の偏光子表面に、上記(3)で得られた位相差フィルム(第2の保護層)を、上記(2)と同様に紫外線硬化型接着剤を介して貼り合せた。このようにして、第1の保護層/偏光子/第2の保護層の構成を有する偏光板(実質的には、光学補償層付偏光板)を得た。
(5)表面保護フィルム付偏光板の作製
図2(b)に示すような2つの基材(PETフィルム)を有する表面保護フィルム(厚み103μm、第1の基材厚み38μm、第1の粘着剤層厚み13.5μm、第2の基材厚み38μm、第2の粘着剤層厚み13.5μm)を用いた。表面保護フィルムの第2の粘着剤層を介して、上記(4)で得られた偏光板の第1の保護層に表面保護フィルムを貼り合わせた。このようにして、表面保護フィルム付偏光板を得た。
(6)表示ムラ
厚さ0.05mmのガラス板の上側(視認側)に上記(5)で得られた表面保護フィルム付偏光板を、粘着剤層を介して貼り合わせた。さらに、当該ガラス板の下側(表面保護フィルム付偏光板と反対側)に常用の背面側偏光板を、粘着剤層を介してクロスニコル状態になるように貼り合わせた。このようにして得られた表面保護フィルム付偏光板/ガラス板/背面側偏光板の積層体を、8000cdのバックライト上に載置し、目視により表示ムラを観察し、以下の基準で評価した。結果を表1に示す。
◎:表示ムラは認められなかった
○:わずかな表示ムラが認められたが、全体の表示特性に影響を与えない程度であった
△:全体の表示特性に影響を与え得る程度の表示ムラが認められた
×:表示ムラが顕著であった
[実施例2]
図2(b)に示すような2つの基材(PETフィルム)を有する表面保護フィルム(厚み86μm、第1の基材厚み38μm、第1の粘着剤層厚み5μm、第2の基材厚み38μm、第2の粘着剤層厚み5μm)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、表面保護フィルム付偏光板を得た。得られた表面保護フィルム付偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
参考例3
図2(a)に示すような1つの基材(TACフィルム)を有する表面保護フィルム(厚み103μm、基材厚み80μm、粘着剤層厚み23μm)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、表面保護フィルム付偏光板を得た。得られた表面保護フィルム付偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
[比較例1]
図2(a)に示すような1つの基材(PETフィルム)を有する表面保護フィルム(厚み48μm、基材厚み38μm、粘着剤層厚み10μm)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、表面保護フィルム付偏光板を得た。得られた表面保護フィルム付偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
[比較例2]
図2(a)に示すような1つの基材(PETフィルム)を有する表面保護フィルム(厚み60μm、基材厚み50μm、粘着剤層厚み10μm)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、表面保護フィルム付偏光板を得た。得られた表面保護フィルム付偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
Figure 0007258475000002
表1から明らかなように、本発明の実施例の表面保護付偏光板は、表示ムラを良好に抑制することができる。さらに、実施例1および2と参考例3とを比較すると明らかなように、表面保護フィルムが複数の基材を含むことにより、表示ムラをさらに良好に抑制することができる。
本発明の表面保護フィルム付偏光板は、液晶表示装置、有機EL表示装置、量子ドット表示装置のような画像表示装置に好適に用いられ得、特に液晶表示装置に好適に用いられ得る。
10 偏光子
21 第1の保護層
22 第2の保護層
30 表面保護フィルム
100 表面保護フィルム付偏光板

Claims (5)

  1. 偏光子と、該偏光子のそれぞれの側に配置された第1の保護層および第2の保護層と、該第1の保護層の該偏光子と反対側に剥離可能に仮着された表面保護フィルムと、を有し、
    該第2の保護層の面内位相差Re(550)が250nm~350nmであり、厚みが30μm以下であり、および、光弾性係数が10×10-12/N以上であり、
    該表面保護フィルムの厚みが80μm以上であり、
    該表面保護フィルムが、第1の基材と、第1の粘着剤層と、第2の基材と、第2の粘着剤層とを有し、
    該第2の基材が、該第1の粘着剤層を介して該第1の基材に積層され、
    該表面保護フィルムが、該第2の粘着剤層によって該第1の保護層に貼り合わされ、
    該第1の粘着剤層と該第2の粘着剤層との合計厚みが10μm~30μmである、表面保護フィルム付偏光板。
  2. 前記第2の保護層が、nx>nz>nyの屈折率特性を有する、請求項に記載の表面保護フィルム付偏光板。
  3. 前記第2の保護層のNz係数が0.3~0.7である、請求項1または2に記載の表面保護フィルム付偏光板。
  4. 前記第2の保護層がポリカーボネート系樹脂を含む、請求項1からのいずれかに記載の表面保護フィルム付偏光板。
  5. 前記第2の保護層の遅相軸と前記偏光子の吸収軸とのなす角度が、実質的に直交または実質的に平行である、請求項1からのいずれかに記載の表面保護フィルム付偏光板。
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