JP7257875B2 - 電力変換装置及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電力変換装置及びその製造方法に関する。
特開2001-357986号公報(特許文献1)は、金属ケースと、金属ケース内に収容されている回路基板と、樹脂で形成されている絶縁シートとを備える放電点灯装置を開示している。回路基板には、トランスまたはインダクタンス素子のような回路部品が搭載されている。絶縁シートは、金属ケースと回路基板との間に配置されている。絶縁シートは、回路基板を金属ケースから電気的に絶縁している。
特開2001-357986号公報
特許文献1に開示された放電点灯装置では、回路部品または回路基板と金属ケースとの間には、空気層と、絶縁シートとが介在している。絶縁シートは、反りやすく、かつ、金属ケースと回路部品または回路基板との間の間隔に比べて非常に薄い厚さを有している。金属ケースと回路部品または回路基板との間の空間における絶縁シートの位置が大きくばらつく。絶縁シートと空気層との間の界面における中間電圧は、金属ケースと回路部品または回路基板との間に印加される電圧と、絶縁体として絶縁シートを有するキャパシタの静電容量と、絶縁体として空気層を有するキャパシタの静電容量とによって決まる。絶縁シートの位置が大きくばらつくと、これら静電容量が大きくばらつく。そのため、絶縁シートと空気層との間の界面における中間電圧も大きくばらつく。
回路部品または回路基板と金属ケースとの間に大きな電圧が印加されると、この中間電圧の大きなばらつきのために、回路部品もしくは回路基板と絶縁シートと空気層との間の界面との間、または、絶縁シートと空気層との間の界面と金属ケースとの間で部分放電が発生することがあった。こうして、絶縁シートに絶縁破壊が発生することがあった。本発明は、上記の課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、改善された絶縁性能を有する電力変換装置及びその製造方法を提供することである。
本発明の電力変換装置は、金属ケースと、第1回路基板と、第1回路部品と、絶縁封止部材とを備える。金属ケースは、底板と、底板から突出する側壁とを含む。第1回路基板は、金属ケース内に収容されている。第1回路基板は、金属ケースの底板に対向する第1主面と、第1主面とは反対側の第2主面とを含む。第1回路部品は、第1回路基板の第1主面上に搭載されている。絶縁封止部材は、第1回路部品を封止している。第1主面と第2主面との間を接続する第1貫通孔が第1回路基板に設けられている。第1回路基板の第1主面と金属ケースの底板との間の第1空間は、絶縁封止部材で充填されている。
本発明の電力変換装置の製造方法は、金属ケース内に絶縁封止材料を供給することを備える。金属ケースは、底板と、底板から突出する側壁とを含む。本発明の電力変換装置の製造方法は、絶縁封止材料上に第1回路基板を載置することを備える。第1回路基板は、金属ケース内に収容されている。第1回路基板は、金属ケースの底板に対向する第1主面と、第1主面とは反対側の第2主面とを含む。第1主面と第2主面との間を接続する第1貫通孔が第1回路基板に設けられている。第1回路部品は、第1主面上に搭載されている。本発明の電力変換装置の製造方法は、第1回路基板を絶縁封止材料に向けて押圧することと、絶縁封止材料を硬化させて、第1回路基板の第1主面と金属ケースの底板との間の第1空間を充填する絶縁封止部材を形成することとを備える。第1回路部品は、絶縁封止部材によって封止される。
第1回路基板の第1貫通孔を通して、絶縁封止部材から気泡が取り除かれている。第1回路部品が配置されている、第1回路基板の第1主面と底板との間の第1空間は、絶縁封止部材で充填されている。電力変換装置の動作時に、金属ケースと第1回路部品または第1回路基板との間で部分放電が発生することが防止され得る。絶縁封止部材に絶縁破壊が発生することが防止され得る。本発明の電力変換装置は、改善された絶縁性能を有する。本発明の電力変換装置の製造方法は、改善された絶縁性能を有する電力変換装置を製造することができる。
実施の形態1から実施の形態6の電力変換装置の回路図である。 実施の形態1の電力変換装置の概略平面図である。 実施の形態1の電力変換装置の、図2に示される断面線III-IIIにおける概略断面図である。 実施の形態1から実施の形態3の電力変換装置の製造方法のフローチャートを示す図である。 実施の形態1の電力変換装置の概略部分拡大断面図である。 実施の形態1の電力変換装置の等価回路を示す図である。 比較例の電力変換装置の概略部分拡大断面図である。 比較例の電力変換装置の等価回路を示す図である。 実施の形態2の電力変換装置の概略平面図である。 実施の形態2の電力変換装置の、図9に示される断面線X-Xにおける概略断面図である。 実施の形態3の電力変換装置の概略断面図である。 実施の形態4の電力変換装置の概略断面図である。 実施の形態4の電力変換装置の製造方法の一例のフローチャートを示す図である。 実施の形態4の電力変換装置の製造方法の別の例のフローチャートを示す図である。 実施の形態5の電力変換装置の概略断面図である。 実施の形態5の電力変換装置の製造方法の一例のフローチャートを示す図である。 実施の形態5の電力変換装置の製造方法の別の例のフローチャートを示す図である。 実施の形態6の電力変換装置の概略断面図である。 実施の形態6の電力変換装置の製造方法の一例のフローチャートを示す図である。 実施の形態6の電力変換装置の製造方法の別の例のフローチャートを示す図である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、同一の構成には同一の参照番号を付し、その説明は繰り返さない。
実施の形態1.
図1を参照して、本実施の形態の電力変換装置1の回路構成の一例を説明する。電力変換装置1は、例えば、絶縁型フルブリッジAC/DCコンバータである。電力変換装置1は、入力端子60a,60bと、第1整流回路51と、第1平滑回路52と、フルブリッジ回路53と、変圧回路54と、第2整流回路55と、第2平滑回路56と、出力端子70a,70bとを主に備える。電力変換装置1は、電圧電流検出回路57と、制御回路59とをさらに備えてもよい。電力変換装置1はフォトカプラ58をさらに備えてもよい。
入力端子60a,60bに、交流の入力電圧Vinが入力される。第1整流回路51は、入力端子60a,60bに接続されている。第1整流回路51は、交流の入力電圧Vinを整流するように構成されている。第1整流回路51は、例えば、ダイオードのような第1半導体素子61a,61b,61c,61dを含んでいる。第1平滑回路52は、第1整流回路51に接続されている。第1平滑回路52は、第1整流回路51から出力された電圧を平滑化するように構成されている。第1平滑回路52は、例えば、第1キャパシタ62を含んでいる。
フルブリッジ回路53は、第1平滑回路52に接続されている。第1平滑回路52によって平滑化された電圧(一次平滑電圧)Vcは、フルブリッジ回路53に入力される。フルブリッジ回路53は、例えば、トランジスタのような第2半導体素子63a,63b,63c,63dを含んでいる。第2半導体素子63a,63b,63c,63dには、それぞれ、ダイオードが並列に接続されてもよい。フルブリッジ回路53(第2半導体素子63a,63b,63c,63d)は、例えば、矩形波を有する交流電圧を出力するように制御回路59によって駆動され得る。
変圧回路54(一次コイル64a)は、フルブリッジ回路53に接続されている。変圧回路54は、例えば、一次コイル64aと、磁性コア64bと、二次コイル64cとを含んでいる。フルブリッジ回路53から出力された電圧(すなわち、変圧回路54の一次電圧VT)は、変圧回路54(一次コイル64a)に入力される。変圧回路54は、一次電圧VTを二次電圧に変換する。
第2整流回路55は、変圧回路54(二次コイル64c)に接続されている。第2整流回路55は、変圧回路54の二次電圧を全波整流するように構成されている。第2整流回路55は、例えば、ダイオードのような第3半導体素子65a,65b,65c,65dを含んでいる。第2整流回路55は、二次整流電圧V2Rを出力する。
第2平滑回路56は、第2整流回路55に接続されている。第2平滑回路56は、第2整流回路55から出力された二次整流電圧V2Rを平滑化するように構成されている。第2平滑回路56は、例えば、リアクトルとして機能するように構成されている第2コイル部品66と、第2キャパシタ67とを含んでいる。第2コイル部品66と第2キャパシタ67とは、LCフィルタを形成している。第2平滑回路56は、平滑化された電圧を出力端子70a,70bに出力する。第2平滑回路56は、出力端子70a,70bに接続されている。電力変換装置1は、出力端子70a,70bから、出力電圧Voと出力電流Ioとを出力する。
第2平滑回路56と出力端子70a,70bとの間に、電圧電流検出回路57が設けられてもよい。電圧電流検出回路57は、第2平滑回路56と出力端子70a,70bとに接続されている。電圧電流検出回路57は、電力変換装置1からの出力電圧Voと出力電流Ioとを検出するように構成されている。電圧電流検出回路57は、出力電圧Voと出力電流Ioとに対応する電気信号(以下「フィードバック信号」という。)を、フォトカプラ58を介して、制御回路59に出力するように構成されている。電圧電流検出回路57は、例えば、集積回路(IC)によって構成されてもよい。
制御回路59は、例えば、マイクロコントローラ、または、デジタル信号プロセッサ(DSP)のようなプロセッサにより構成されている。制御回路59は、第2半導体素子63a,63b,63c,63dのゲート端子に、オン信号Sa,Sb,Sc,Sdを出力するように構成されている。制御回路59からオン信号Sa,Sb,Sc,Sdが出力されると、第2半導体素子63a,63b,63c,63dはオン状態となる。制御回路59からのオン信号Sa,Sb,Sc,Sdの出力が停止されると、第2半導体素子63a,63b,63c,63dは、オフ状態になる。制御回路59は、第2半導体素子63a,63b,63c,63dをオン状態とオフ状態との間で切り換えて、第2半導体素子63a,63b,63c,63dをパルス幅変調(PWM)制御することができる。制御回路59は、フィードバック信号を用いて、出力電圧Vo及び出力電流Ioを適切に調整するように、オン信号Sa,Sb,Sc,Sdのパルス幅を設定する。
制御回路59は、例えば、第2半導体素子63a,63bに対するオン信号Sa,Sbと、第2半導体素子63c,63dに対するオン信号Sc,Sdとを交互に出力する。第2半導体素子63a,63bと第2半導体素子63c,63dとは、交互にオン状態となる。フルブリッジ回路53から出力される電圧(すなわち、変圧回路54の一次電圧VT)は、矩形波を有する交流電圧となる。
フォトカプラ58は、電圧電流検出回路57と制御回路59間とを互いに電気的に絶縁しながら、電圧電流検出回路57から出力されたフィードバック信号を制御回路59に伝達するように構成されている。フォトカプラ58は、例えば、電圧電流検出回路57に電気的に接続されている発光素子58aと、制御回路59に電気的に接続されている受光素子58bとを含む。発光素子58aは、例えば、発光ダイオードである。受光素子58bは、例えば、フォトトランジスタである。
電力変換装置1は、例えば、オンボードチャージャー(OBC)に適用されてもよい。具体的には、電力変換装置1は、電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)、または、プラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)などに搭載されてもよい。入力端子60a,60bは、例えば、これら電気自動車のいずれかの外部に設けられた交流電源に電気的に接続されている。出力端子70a,70bは、これら電気自動車のいずれかに搭載されたバッテリーに電気的に接続されている。バッテリーは、出力電圧Voによって、充電される。
図2及び図3を参照して、電力変換装置1の構成を説明する。電力変換装置1は、金属ケース7と、第1回路基板15と、第1回路部品17と、絶縁封止部材12とを主に備える。電力変換装置1は、第2回路部品18をさらに備えてもよい。電力変換装置1は、キャップ20をさらに備えてもよい。
金属ケース7は、特に限定されないが、アルミニウムのような非磁性金属材料で形成されている。金属ケース7は、底板8と、底板8から突出する側壁9とを含む。金属ケース7には、開口7aが設けられている。金属ケース7の開口7aは、側壁9によって画されており、かつ、第1回路基板15に対して底板8とは反対側に位置している。
第1回路基板15は、金属ケース7内に収容されている。第1回路基板15は、第1絶縁基材と、第1配線(図示せず)と、第1コイル導体(図示せず)とを含む。第1回路基板15は、金属ケース7の底板8に対向する第1主面15aと、第1主面15aとは反対側の第2主面15bとを含む。
第1主面15aと第2主面15bとの間を接続する一つ以上の第1貫通孔16が、第1回路基板15に設けられている。第1貫通孔16の幅(または直径)は、1.5mm以上であってもよい。そのため、絶縁封止材料に含まれていた気泡が、第1貫通孔16から容易に排出される。第1貫通孔16は、絶縁封止材料で容易に充填され得る。一つ以上の第1貫通孔16は、複数の第1貫通孔16であってもよい。複数の第1貫通孔16は、第1回路基板15の第1主面15aに、例えば、400mm2以上1600mm2以下の面積当たり一つ設けられてもよい。第1回路基板15の第2主面15bの平面視において、複数の第1貫通孔16は等間隔に配置されてもよい。
第1主面15aと第2主面15bとを接続する第1回路基板15の端面は、金属ケース7の側壁9に対向している。第1回路基板15の端面は、金属ケース7の側壁9から離間されてもよい。第1回路基板15の端面と金属ケース7の側壁9との間に隙間22が設けられてもよい。
第1絶縁基材は、例えば、ガラス繊維強化エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)のような樹脂材料で形成されてもよい。第1絶縁基材は、酸化アルミニウム(Al23)、窒化アルミニウム(AlN)などのセラミック材料で形成されてもよい。第1配線と第1コイル導体とは、第1絶縁基材の裏面(第1回路基板15の第1主面15a)または第1絶縁基材のおもて面(第1回路基板15の第2主面15b)上に設けられている。第1配線と第1コイル導体とは、例えば、銅またはアルミニウムのような導電材料で形成されている。
一つ以上の第1回路部品17は、第1回路基板15の第1主面15a上に搭載されている。一つ以上の第1回路部品17は、複数の第1回路部品17であってもよい。一つ以上の第2回路部品18は、第1回路基板15の第2主面15b上に搭載されてもよい。一つ以上の第2回路部品18は、複数の第2回路部品18であってもよい。第1回路部品17及び第2回路部品18は、図1に示される入力端子60a,60bと、第1整流回路51と、第1平滑回路52と、フルブリッジ回路53と、変圧回路54と、第2整流回路55と、第2平滑回路56と、出力端子70a,70bとのいずれかであってもよい。第1回路部品17及び第2回路部品18は、電圧電流検出回路57(図1を参照)を構成する集積回路(IC)部品、または、制御回路59(図1を参照)を構成するプロセッサであってもよい。
絶縁封止部材12は、第1回路部品17を封止している。第1回路基板15の第1主面15aと金属ケース7の底板8との間の第1空間は、絶縁封止部材12で充填されている。第1空間は、第1回路部品17が配置されている空間である。絶縁封止部材12は、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、または、シリコーン樹脂のような絶縁樹脂材料で形成されている絶縁樹脂部材であってもよい。
絶縁封止部材12は、微粒子のようなフィラーを含んでもよい。フィラーは、絶縁封止部材12中に分散されてもよい。フィラーは、例えば、シリカ(SiO2)、アルミナ(Al23)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ホウ素(BN)、窒化シリコン(Si34)、ダイヤモンド(C)または炭化ケイ素(SiC)のような無機セラミックス材料で形成されてもよい。フィラーは、絶縁封止部材12の主成分である絶縁封止材料よりも、高い熱伝導率を有してもよく、絶縁封止部材12の熱伝導性を向上させてもよい。
絶縁封止部材12は、中央アンカー部13を含んでもよい。中央アンカー部13は、第1回路基板15の中央部を固定している。中央アンカー部13は、第1回路基板15の第1貫通孔16内にあるネック部13aと、第1回路基板15の第2主面15b上にあるヘッド部13bとを含む。第1貫通孔16は、ネック部13aによって充填されてもよい。ヘッド部13bは、ネック部13aに接続されており、かつ、第1貫通孔16より大きな幅(または直径)を有している。絶縁封止部材12は、第2回路部品18から離間されてもよい。
キャップ20は、第1回路基板15の第2主面15b上に設けられている。図2に示されるように、第1回路基板15の第2主面15bからの平面視において、キャップ20は、対応する第1貫通孔16を閉塞している。キャップ20は、接着材またははんだを用いて、第1回路基板15の第2主面15bに固定されている。図3に示されるように、キャップ20には、第1貫通孔16に連通する空洞が設けられている。ヘッド部13bは、キャップ20の空洞内に設けられている。ヘッド部13bとキャップ20との間には、隙間がある。キャップ20は、絶縁封止部材12(ヘッド部13b)を第2回路部品18から離間させる。
図4を参照して、本実施の形態の電力変換装置1の製造方法の一例を説明する。
本実施の形態の電力変換装置1の製造方法は、金属ケース7内に絶縁封止材料を供給すること(S1)を備える。絶縁封止材料は、例えば、液状の硬化性樹脂材料であってもよいし、弾性を有する半硬化性樹脂材料であってもよいし、粘着性を有する硬化性樹脂材料であってもよい。
本実施の形態の電力変換装置1の製造方法は、絶縁封止材料上に第1回路基板15を載置すること(S2)を備える。第1回路基板15は、金属ケース7内に収容される。第1回路基板15は、金属ケース7の底板8に対向する第1主面15aと、第1主面15aとは反対側の第2主面15bとを含む。第1主面15aと第2主面15bとの間を接続する第1貫通孔16が第1回路基板15に設けられている。第1回路部品17は、第1回路基板15の第1主面15a上に搭載されている。第2回路部品18は、第1回路基板15の第2主面15b上に搭載されてもよい。キャップ20は、第1回路基板15の第2主面15b上に設けられてもよい。第1回路基板15の第2主面15bからの平面視において、キャップ20は、対応する第1貫通孔16を閉塞している。
本実施の形態の電力変換装置1の製造方法は、第1回路基板15を絶縁封止材料に向けて押圧すること(S3)を備える。絶縁封止材料に含まれていた気泡が、第1貫通孔16から、第1回路基板15の第1主面15aと金属ケース7の底板8との間の第1空間の外に排出される。絶縁封止材料に含まれていた気泡は、第1回路基板15の端面と金属ケース7の側壁9との間に隙間22からも排出されてもよい。気泡の排出を促進するために、第1回路基板15の第1主面15aに沿う方向に第1回路基板15を揺動させながら、第1回路基板15を絶縁封止材料に向けて押圧してもよい。
第1回路基板15を絶縁封止材料に向けて押圧すること(S3)は、絶縁封止材料を、第1回路基板15の第1貫通孔16内と第1回路基板15の第2主面15b上とに供給することを含んでもよい。絶縁封止材料のネック部は、第1回路基板15の第1貫通孔16内に形成される。第1回路基板15の第1貫通孔16は、絶縁封止材料で充填されてもよい。絶縁封止材料のヘッド部は、第1回路基板15の第2主面15b上に形成される。絶縁封止材料のヘッド部は、第1回路基板15の第1貫通孔16より大きな幅(または直径)を有している。絶縁封止材料のヘッド部は、絶縁封止材料のネック部に接続されている。
第1回路基板15を絶縁封止材料に向けて押圧すること(S3)は、キャップ20の空洞内に絶縁封止材料を供給することを含んでもよい。図2に示されるように、第1回路基板15の第2主面15bからの平面視において、キャップ20は、対応する第1貫通孔16を閉塞している。キャップ20は、第1貫通孔16から第1回路基板15の第2主面15b上に供給された絶縁封止材料をせき止める。キャップ20の空洞内に、絶縁封止材料のヘッド部が形成される。キャップ20の空洞は、絶縁封止材料で完全には充填されていない。絶縁封止材料とキャップ20との間に隙間がある。絶縁封止材料に含まれていた気泡中のガスは、第1回路基板15の第1貫通孔16を通って、この隙間に溜まる。キャップ20は、絶縁封止材料を、第2回路部品18から離間させる。
本実施の形態の電力変換装置1の製造方法は、絶縁封止材料を硬化させて、第1回路基板15の第1主面15aと金属ケース7の底板8との間の第1空間を充填する絶縁封止部材12を形成すること(S4)を備える。第1回路部品17は、絶縁封止部材12によって封止される。
絶縁封止材料を硬化させること(S4)は、絶縁封止部材12に、中央アンカー部13を形成することを含んでもよい。具体的には、絶縁封止材料を硬化させること(S4)は、第1回路基板15の第2主面15b上に絶縁封止部材12のヘッド部13bを、第1回路基板15の第1貫通孔16内に絶縁封止部材12のネック部13aを形成することを含んでもよい。中央アンカー部13は、第1貫通孔16内にあるネック部13aと、第2主面15b上にあるヘッド部13bとを含む。第1貫通孔16は、ネック部13aによって充填されてもよい。ヘッド部13bは、ネック部13aに接続されており、かつ、第1貫通孔16より大きな幅(または直径)を有している。特定的には、絶縁封止部材12のヘッド部13bは、キャップ20の空洞内に形成されてもよい。絶縁封止部材12とキャップ20との間に隙間がある。
図5から図8を参照して、比較例の電力変換装置1aと比べながら、本実施の形態の電力変換装置1の作用を説明する。
上記のとおり、本実施の形態の電力変換装置1では、絶縁封止部材12から気泡が取り除かれている。図5に示されるように、絶縁封止部材12で、第1回路部品17が配置されている第1回路基板15の第1主面15aと金属ケース7の底板8との間の第1空間は充填されている。電力変換装置1の間の等価回路は、図6に示されるとおりである。第1回路部品17または第1回路基板15は、電源24の一方の端子に接続されている。金属ケース7の底板8は、電源24の他方の端子に接続されている。第1回路部品17または第1回路基板15と金属ケース7の底板8との間に、絶縁体として絶縁封止部材12を有するキャパシタC1が形成される。しかし、図7及び図8に示される比較例の電力変換装置1aのように、絶縁体として空気層25を有するキャパシタC2は形成されず、界面26もばらつく中間電位も存在しない。
そのため、電力変換装置1の動作時に金属ケース7と第1回路部品17または第1回路基板15との間に高い電圧が印加されても、金属ケース7と第1回路部品17または第1回路基板15との間で部分放電が発生することが防止され得る。電力変換装置1では、絶縁封止部材12に絶縁破壊が発生することが防止され得る。
これに対し、比較例の電力変換装置1aでは、絶縁封止部材12に代えて、特許文献1に開示された絶縁シート12sが設けられている。図7に示されるように、第1回路部品17または第1回路基板15と金属ケース7との間に、空気層25と、絶縁シート12sとが介在している。比較例の電力変換装置1aの等価回路は、図8に示されるとおりである。第1回路部品17または第1回路基板15は、電源24の一方の端子に接続されている。金属ケース7の底板8は、電源24の他方の端子に接続されている。空気層25と絶縁シート12sとは、第1回路部品17または第1回路基板15と金属ケース7の底板8とで挟まれている。第1回路部品17または第1回路基板15と金属ケース7の底板8との間に、キャパシタC1とキャパシタC2とが形成される。キャパシタC1は、絶縁体として絶縁シート12sを有している。キャパシタC2は、絶縁体として空気層25を有している。キャパシタC1とキャパシタC2とは、互いに直列に接続されている。
絶縁シート12sは、反りやすく、かつ、金属ケース7と第1回路部品17または第1回路基板15との間の間隔に比べて非常に薄い厚さを有している。第1回路基板15の第1主面15aと金属ケース7の底板8との間の第1空間における絶縁シート12sの位置は大きくばらつく。絶縁シート12sと空気層25との間の界面26における中間電圧は、金属ケース7と第1回路部品17または第1回路基板15との間に印加される電圧と、キャパシタC1の静電容量と、キャパシタC2の静電容量とによって決まる。絶縁シート12sの位置が大きくばらつくと、キャパシタC1,C2の静電容量が大きくばらつく。そのため、絶縁シート12sと空気層25との間の界面26における中間電圧も大きくばらつく。
第1回路部品17または第1回路基板15と金属ケース7との間に大きな電圧が印加されると、この中間電圧の大きなばらつきのために、第1回路部品17または第1回路基板15と界面26との間、または、絶縁シート12sと空気層25との間の界面26と金属ケース7との間で部分放電が発生することがあった。こうして、絶縁シート12sに絶縁破壊が発生することがあった。
本実施の形態の電力変換装置1及びその製造方法の効果を説明する。
本実施の形態の電力変換装置1は、金属ケース7と、第1回路基板15と、第1回路部品17と、絶縁封止部材12とを備える。金属ケース7は、底板8と、底板8から突出する側壁9とを含む。第1回路基板15は、金属ケース7内に収容されている。第1回路基板15は、金属ケース7の底板8に対向する第1主面15aと、第1主面15aとは反対側の第2主面15bとを含む。第1回路部品17は、第1回路基板15の第1主面15a上に搭載されている。絶縁封止部材12は、第1回路部品17を封止している。第1主面15aと第2主面15bとの間を接続する第1貫通孔16が第1回路基板15に設けられている。第1回路基板15の第1主面15aと金属ケース7の底板8との間の第1空間は、絶縁封止部材12で充填されている。
第1回路基板15の第1貫通孔16を通して、絶縁封止部材12から気泡が取り除かれている。第1回路部品17が配置されている、第1回路基板15の第1主面15aと金属ケース7の底板8との間の第1空間は、絶縁封止部材12で充填されている。電力変換装置1の動作時に、電力変換装置1内で部分放電が発生することが防止され得る。絶縁封止部材12に絶縁破壊が発生することが防止され得る。電力変換装置1は、改善された絶縁性能を有する。
第1回路部品17が配置されている、第1回路基板15の第1主面15aと金属ケース7の底板8との間の第1空間は、絶縁封止部材12で充填されている。そのため、第1回路部品17または第1回路基板15において発生した熱は、絶縁封止部材12を通って、金属ケース7に伝達され得る。この熱は、金属ケース7から、電力変換装置1の外部に放散され得る。電力変換装置1は、向上された放熱性を有する。電力変換装置1では追加の放熱部材が不要となるため、電力変換装置1は小型化され得る。
第1回路部品17が配置されている、第1回路基板15の第1主面15aと金属ケース7の底板8との間の第1空間は、絶縁封止部材12で充填されている。そのため、電力変換装置1では、電力変換装置1内に結露が発生することが防止され得る。
本実施の形態の電力変換装置1では、絶縁封止部材12は、中央アンカー部13を含んでもよい。中央アンカー部13は、第1貫通孔16内にあるネック部13aと、第1回路基板15の第2主面15b上にあるヘッド部13bとを含む。ヘッド部13bは、ネック部13aに接続されており、かつ、第1貫通孔16より大きな幅を有している。中央アンカー部13は、第1回路基板15を絶縁封止部材12に固定する。電力変換装置1に振動が加わっても、中央アンカー部13は、第1回路基板15が振動することを防止し得る。電力変換装置1の耐振動性が向上され得る。
本実施の形態の電力変換装置1は、第1回路基板15の第2主面15b上に設けられているキャップ20をさらに備えてもよい。ヘッド部13bは、キャップ20の空洞内に設けられている。キャップ20は、絶縁封止部材12のヘッド部13bを機械的衝撃から保護している。電力変換装置1に機械的衝撃が加わっても、キャップ20は、第1回路基板15が絶縁封止部材12から外れることを防止し得る。電力変換装置1の耐機械的衝撃性が向上され得る。
本実施の形態の電力変換装置1の製造方法は、金属ケース7内に絶縁封止材料を供給すること(S1)を備える。金属ケース7は、底板8と、底板8から突出する側壁9とを含む。本実施の形態の電力変換装置1の製造方法は、絶縁封止材料上に第1回路基板15を載置すること(S2)を備える。第1回路基板15は、金属ケース7内に収容されている。第1回路基板15は、金属ケース7の底板8に対向する第1主面15aと、第1主面15aとは反対側の第2主面15bとを含む。第1主面15aと第2主面15bとの間を接続する第1貫通孔16が第1回路基板15に設けられている。第1回路部品17は、第1回路基板15の第1主面15a上に搭載されている。本実施の形態の電力変換装置1の製造方法は、第1回路基板15を絶縁封止材料に向けて押圧すること(S3)と、絶縁封止材料を硬化させて、第1回路基板15の第1主面15aと金属ケース7の底板8との間の第1空間を充填する絶縁封止部材12を形成すること(S4)とを備える。第1回路部品17は、絶縁封止部材12によって封止される。
第1回路基板15を絶縁封止材料に向けて押圧する(S3)際に、絶縁封止材料に含まれていた気泡は、第1回路基板15の第1貫通孔16を通して、絶縁封止部材12から取り除かれる。第1回路部品17が配置されている第1回路基板15の第1主面15aと金属ケース7の底板8との間の第1空間は、絶縁封止部材12で充填されている。電力変換装置1の動作時に、電力変換装置1内で部分放電が発生することが防止され得る。絶縁封止部材12に絶縁破壊が発生することが防止され得る。本実施の形態の電力変換装置1の製造方法は、改善された絶縁性能を有する電力変換装置1を製造することができる。
本実施の形態の電力変換装置1の製造方法では、絶縁封止材料に含まれている気泡を取り除くために、高価な真空装置を導入する必要がない。本実施の形態の電力変換装置1の製造方法は、改善された絶縁性能を有する電力変換装置1を安価かつ大量に生産することを可能にする。
第1回路部品17が配置されている、第1回路基板15の第1主面15aと金属ケース7の底板8との間の第1空間は、絶縁封止部材12で充填されている。そのため、第1回路部品17または第1回路基板15において発生した熱は、絶縁封止部材12を通って、金属ケース7に伝達され得る。この熱は、金属ケース7から、電力変換装置1の外部に放散され得る。本実施の形態の電力変換装置1の製造方法は、電力変換装置1の放熱性を向上させることができる。また、電力変換装置1では追加の放熱部材が不要となる。そのため、本実施の形態の電力変換装置1の製造方法によれば、小型化された電力変換装置1が製造され得る。
第1回路部品17が配置されている、第1回路基板15の第1主面15aと金属ケース7の底板8との間の第1空間は、絶縁封止部材12で充填されている。そのため、本実施の形態の電力変換装置1の製造方法によれば、結露の発生が防止される電力変換装置1が製造され得る。
本実施の形態の電力変換装置1の製造方法では、第1回路基板15を絶縁封止材料に向けて押圧すること(S3)は、絶縁封止材料を第1貫通孔16内と第1回路基板15の第2主面15b上とに供給することを含んでもよい。本実施の形態の電力変換装置1の製造方法では、絶縁封止材料を硬化させること(S4)は、絶縁封止部材12に中央アンカー部13を形成することを含んでもよい。中央アンカー部13は、第1貫通孔16内にあるネック部13aと、第2主面15b上にあるヘッド部13bとを含む。ヘッド部13bは、ネック部13aに接続されており、かつ、第1貫通孔16より大きな幅を有している。
中央アンカー部13は、第1回路基板15を絶縁封止部材12に固定する。電力変換装置1に振動が加わっても、中央アンカー部13は、第1回路基板15が振動することを防止し得る。本実施の形態の電力変換装置1の製造方法によれば、耐振動性が向上された電力変換装置1が製造され得る。
本実施の形態の電力変換装置1の製造方法では、キャップ20が第1回路基板15の第2主面15b上に設けられてもよい。第1回路基板15を絶縁封止材料に向けて押圧すること(S3)は、キャップ20の空洞内に絶縁封止材料を供給することを含んでもよい。絶縁封止材料を硬化させること(S4)は、第1回路基板15の第2主面15b上かつキャップ20の空洞内に絶縁封止部材12のヘッド部13bを、第1貫通孔16内に絶縁封止部材12のネック部13aを形成することを含んでもよい。
キャップ20は、絶縁封止部材12の中央アンカー部13を形成することを容易にする。キャップ20は、絶縁封止部材12のヘッド部13bを機械的衝撃から保護している。本実施の形態の電力変換装置1の製造方法によれば、耐振動性及び耐機械的衝撃性が向上された電力変換装置1が容易に製造され得る。
実施の形態2.
図1、図9及び図10を参照して、実施の形態2に係る電力変換装置1bを説明する。本実施の形態の電力変換装置1bは、実施の形態1の電力変換装置1と同様の構成を備えるが、主に以下の点で異なっている。
絶縁封止部材12は、サイドアンカー部14を含んでいる。サイドアンカー部14は、第1回路基板15の縁部15eを保持している。第1回路基板15の端面と金属ケース7の側壁9との間に設けられている隙間22は、サイドアンカー部14で充填されている。
金属ケース7は、側壁9から金属ケース7の内側に突出する突出部11を含んでもよい。突出部11は、隙間22に対向している。突出部11は、例えば、板状部材である。突出部11は、金属ケース7と同じ金属材料で形成されてもよいし、金属ケース7とは異なる材料で形成されてもよい。突出部11は、第1回路基板15の第2主面15bに対して底板8から遠位する側に配置されている。サイドアンカー部14は、突出部11に接触している。
図4を参照して、本実施の形態に係る電力変換装置1bの製造方法を説明する。本実施の形態の電力変換装置1bの製造方法は、実施の形態1の電力変換装置1の製造方法と同様の工程を備えているが、主に以下の点で異なっている。
本実施の形態の電力変換装置1bの製造方法では、第1回路基板15を絶縁封止材料に向けて押圧すること(S3)は、絶縁封止材料を、第1回路基板15の端面と金属ケース7の側壁9との間に隙間22から、第1回路基板15の縁部15e上に供給することを含む。絶縁封止材料は、第1主面15aの縁部上と第2主面15bの縁部上とに供給される。突出部11は、絶縁封止材料を、第1回路基板15の縁部15eにガイドするガイド部材として機能する。突出部11は、サイドアンカー部14を形成することを容易にする。絶縁封止材料を硬化させること(S4)は、絶縁封止部材12にサイドアンカー部14を形成することを含む。サイドアンカー部14は、第1回路基板15の縁部15eを保持している。
本実施の形態の変形例では、絶縁封止部材12は、サイドアンカー部14を含んでいるが、中央アンカー部13を含んでいなくてもよい。第1回路基板15の第1主面15aの面積が、例えば、5000mm2以下のように小さい場合には、サイドアンカー部14だけで第1回路基板15が絶縁封止部材12に固定されてもよい。
本実施の形態の電力変換装置1b及びその製造方法は、実施の形態1の電力変換装置1及びその製造方法の効果に加えて、以下の効果を奏する。
本実施の形態の電力変換装置1bでは、第1回路基板15は側壁9から離間されている。絶縁封止部材12は、第1回路基板15の縁部15eを保持するサイドアンカー部14を含む。そのため、第1回路基板15は、サイドアンカー部14によって、絶縁封止部材12に固定される。電力変換装置1bに振動が加わっても、サイドアンカー部14は、第1回路基板15が振動することを防止し得る。電力変換装置1bの耐振動性が向上され得る。
本実施の形態の電力変換装置1bでは、金属ケース7は、側壁9から金属ケース7の内側に突出する突出部11を含む。突出部11は、第1回路基板15の第2主面15bに対して底板8から遠位する側に配置されている。サイドアンカー部14は、突出部11に接触している。突出部11は、サイドアンカー部14を機械的衝撃から保護している。電力変換装置1bに機械的衝撃が加わっても、突出部11は、第1回路基板15が絶縁封止部材12から外れることを防止し得る。電力変換装置1bの耐機械的衝撃性が向上され得る。
本実施の形態の電力変換装置1bの製造方法では、第1回路基板15を絶縁封止材料に向けて押圧すること(S3)は、絶縁封止材料を、第1回路基板15の端面と金属ケース7の側壁9との間に隙間22から、第1回路基板15の縁部15e上に供給することを含む。絶縁封止材料を硬化させること(S4)は、絶縁封止部材12にサイドアンカー部14を形成することを含む。そのため、第1回路基板15は、サイドアンカー部14によって、絶縁封止部材12に固定される。電力変換装置1bに振動が加わっても、サイドアンカー部14は、第1回路基板15が振動することを防止し得る。本実施の形態の電力変換装置1bの製造方法によれば、耐振動性が向上された電力変換装置1bが製造され得る。
本実施の形態の電力変換装置1bの製造方法では、金属ケース7は、側壁9から金属ケース7の内側に突出する突出部11を含んでもよい。第1回路基板15を絶縁封止材料に向けて押圧すること(S3)は、突出部11が、絶縁封止材料を、第1回路基板15の縁部15eにガイドすることを含んでもよい。突出部11は、絶縁封止材料を、第1回路基板15の縁部15eにガイドする。突出部11は、サイドアンカー部14を形成することを容易にする。突出部11は、サイドアンカー部14を機械的衝撃から保護している。本実施の形態の電力変換装置1bの製造方法によれば、耐振動性及び耐機械的衝撃性が向上された電力変換装置1bが容易かつ安価に製造され得る。
実施の形態3.
図1及び図11を参照して、実施の形態3に係る電力変換装置1cを説明する。本実施の形態の電力変換装置1cは、実施の形態2の電力変換装置1bと同様の構成を備えるが、主に以下の点で異なっている。
電力変換装置1cは、第1回路基板15の第1主面15aと金属ケース7の底板8との間に設けられている一つ以上のスペーサ28をさらに備える。一つ以上のスペーサ28は、第1回路基板15の第1主面15aと金属ケース7の底板8とに接触してもよい。一つ以上のスペーサ28は、金属ケース7の底板8に設けられた凹部に嵌合されてもよい。スペーサ28の高さは、第1回路部品17の高さ(または複数の第1回路部品17の最大高さ)よりも高い。スペーサ28は、第1回路部品17または第1回路基板15と金属ケース7の底板8との間の絶縁距離を確保することを可能にする。絶縁距離は、電力変換装置1cに求められる安全規格によって定められる。
スペーサ28は、例えば、絶縁材料で構成されてもよい。スペーサ28は、第1回路基板15の第1主面15aに固定されてもよい。スペーサ28は、例えば、第1回路基板15の第1主面15a上のダミーパッド(図示せず)と、ダミーパッドにはんだ付けされたダミー回路部品(図示せず)とで構成されてもよい。ダミーパッドは、第1回路基板15に含まれる配線(図示せず)から電気的に絶縁されている。スペーサ28は、金属ケース7の底板8に固定されてもよい。一つ以上のスペーサ28は、複数のスペーサ28であってもよい。第1回路基板15の第2主面15bの平面視において、複数のスペーサ28は等間隔に配置されてもよい。
図4を参照して、本実施の形態に係る電力変換装置1cの製造方法を説明する。本実施の形態の電力変換装置1cの製造方法は、実施の形態2の電力変換装置1bの製造方法と同様の工程を備えているが、主に以下の点で異なっている。
本実施の形態に係る電力変換装置1cの製造方法では、第1回路基板15を絶縁封止材料に向けて押圧すること(S3)は、スペーサ28を第1回路基板15の第1主面15aと金属ケース7の底板8との間に設けることを含む。本実施の形態の一例では、スペーサ28は、第1回路基板15の第1主面15a上に設けられている。第1回路基板15を絶縁封止材料に向けて押圧すること(S3)は、スペーサ28を金属ケース7の底板8に接触させて、スペーサ28を第1回路基板15の第1主面15aと金属ケース7の底板8との間に設けることを含む。本実施の形態の別の例では、スペーサ28は、金属ケース7の底板8上に固定されている。第1回路基板15を絶縁封止材料に向けて押圧すること(S3)は、第1回路基板15の第1主面15aをスペーサ28に接触させて、スペーサ28を第1回路基板15の第1主面15aと金属ケース7の底板8との間に設けることを含む。
本実施の形態の電力変換装置1c及びその製造方法は、実施の形態2の電力変換装置1b及びその製造方法の効果に加えて、以下の効果を奏する。
本実施の形態では、第1回路基板15の第1主面15aと金属ケース7の底板8との間にスペーサ28が設けられている。第1回路基板15が反っていても、スペーサ28は、第1回路部品17または第1回路基板15と金属ケース7の底板8との間の絶縁距離を確保することを可能にする。電力変換装置1cは、改善された絶縁性能を有する。本実施の形態の電力変換装置1cの製造方法によれば、絶縁性能が改善された電力変換装置1cが製造され得る。
実施の形態4.
図1及び図12を参照して、実施の形態4に係る電力変換装置1dを説明する。本実施の形態の電力変換装置1dは、実施の形態1の電力変換装置1と同様の構成を備えるが、主に以下の点で異なっている。
電力変換装置1dは、蓋40をさらに備える。蓋40は、金属ケース7の開口7aを閉塞している。蓋40は、金属蓋であってもよい。蓋40は、金属ケース7と同じ金属材料で形成されてもよい。蓋40は、絶縁材料で形成されてもよい。蓋40は、第1回路基板15の第2主面15bに面する内面40aと、内面40aとは反対側の外面40bとを含む。内面40aと外面40bとを接続する孔41が、蓋40に設けられている。
第1回路基板15は、絶縁封止部材12に埋設されている。第1回路基板15の第2主面15bと蓋40の内面40aとの間の第2空間は、絶縁封止部材12で充填されている。第2空間は、第2回路部品18が配置されている空間である。絶縁封止部材12は、第2回路部品18を封止している。第1空間と第2空間とは、第1回路基板15の端面と金属ケース7の側壁9との間に設けられている隙間22を介して連通している。隙間22は、絶縁封止部材12で充填されている。絶縁封止部材12は、第1回路基板15の縁部15eを保持している。
絶縁封止部材12は、中央アンカー部13を含んでもよい。中央アンカー部13は、蓋40の中央部を固定している。中央アンカー部13は、蓋40の孔41内にあるネック部13aと、外面40b上にあるヘッド部13bとを含む。蓋40の孔41は、ネック部13aによって充填されてもよい。ヘッド部13bは、ネック部13aに接続されており、かつ、蓋40の孔41より大きな幅(または直径)を有している。
キャップ20は、蓋40の外面40b上に設けられている。蓋40の外面40bからの平面視において、キャップ20は、対応する孔41を閉塞している。キャップ20は、接着材またははんだを用いて、蓋40の外面40bに固定されている。キャップ20には、孔41に連通する空洞が設けられている。ヘッド部13bは、キャップ20の空洞内に設けられている。ヘッド部13bとキャップ20との間には、隙間がある。
本実施の形態の電力変換装置1dは、実施の形態3の電力変換装置1cと同様に、第1主面15aと金属ケース7の底板8との間に設けられているスペーサ28をさらに備える。
図13を参照して、本実施の形態の電力変換装置1dの製造方法の一例を説明する。本実施の形態の電力変換装置1dの製造方法の一例は、実施の形態1の電力変換装置1の製造方法(図4を参照)の工程S4に代えて、以下の工程S5からS8を備えている点で主に異なっている。
本実施の形態に係る電力変換装置1dの製造方法では、実施の形態3に係る電力変換装置1cの製造方法と同様に、第1回路基板15を絶縁封止材料に向けて押圧すること(S3)は、スペーサ28を第1主面15aと金属ケース7の底板8との間に設けることを含む。
それから、本実施の形態に係る電力変換装置1dの製造方法は、第1回路基板15の第2主面15b上に絶縁封止材料を供給すること(S5)を備える。絶縁封止材料は、例えば、液状の硬化性樹脂材料であってもよいし、弾性を有する半硬化性樹脂材料であってもよいし、粘着性を有する硬化性樹脂材料であってもよい。
本実施の形態の電力変換装置1dの製造方法は、絶縁封止材料上に蓋40を載置すること(S6)を備える。蓋40は、金属ケース7の開口7aを閉塞している。蓋40は、第1回路基板15の第2主面15bに面する内面40aと、内面40aとは反対側の外面40bとを含む。内面40aと外面40bとを接続する孔41が蓋40に設けられている。キャップ20は、蓋40の外面40b上に設けられてもよい。蓋40の外面40bからの平面視において、キャップ20は、対応する孔41を閉塞している。
本実施の形態の電力変換装置1dの製造方法は、蓋40を絶縁封止材料に向けて押圧すること(S7)を備える。絶縁封止材料に含まれていた気泡が、孔41から、第1回路基板15の第2主面15bと蓋40の内面40aとの間の第2空間の外に排出される。気泡の排出を促進するために、蓋40の内面40aに沿う方向に蓋40を揺動させながら、蓋40を絶縁封止材料に向けて押圧してもよい。
蓋40を絶縁封止材料に向けて押圧すること(S7)は、絶縁封止材料を、蓋40の孔41内と蓋40の外面40b上とに供給することを含んでもよい。絶縁封止材料のネック部は、蓋40の孔41内に形成される。蓋40の孔41は、絶縁封止材料で充填されてもよい。絶縁封止材料のヘッド部は、蓋40の外面40b上に形成される。絶縁封止材料のヘッド部は、蓋40の孔41より大きな幅(または直径)を有している。絶縁封止材料のヘッド部は、絶縁封止材料のネック部に接続されている。
蓋40を絶縁封止材料に向けて押圧すること(S7)は、キャップ20の空洞内に絶縁封止材料を供給することを含んでもよい。蓋40の外面40bからの平面視において、キャップ20は、対応する孔41を閉塞している。キャップ20は、孔41から蓋40の外面40b上に供給された絶縁封止材料をせき止める。キャップ20の空洞内に、絶縁封止材料のヘッド部が形成される。キャップ20の空洞は、絶縁封止材料で完全には充填されていない。絶縁封止材料とキャップ20との間に隙間がある。絶縁封止材料に含まれていた気泡中のガスは、蓋40の孔41を通って、この隙間に溜まる。
本実施の形態の電力変換装置1dの製造方法は、絶縁封止材料を硬化させて、第1回路基板15の第2主面15bと蓋40の内面40aとの間の第2空間を充填する絶縁封止部材12を形成すること(S8)を備える。第2回路部品18は、絶縁封止部材12によって封止される。
絶縁封止材料を硬化させること(S8)は、絶縁封止部材12に、中央アンカー部13を形成することを含んでもよい。具体的には、絶縁封止材料を硬化させること(S8)は、蓋40の外面40b上に絶縁封止部材12のヘッド部13bを、蓋40の孔41内に絶縁封止部材12のネック部13aを形成することを含んでもよい。中央アンカー部13は、蓋40の孔41内にあるネック部13aと、蓋40の外面40b上にあるヘッド部13bとを含む。蓋40の孔41は、ネック部13aによって充填されてもよい。ヘッド部13bは、ネック部13aに接続されており、かつ、蓋40の孔41より大きな幅(または直径)を有している。特定的には、絶縁封止部材12のヘッド部13bは、キャップ20の空洞内に形成されてもよい。絶縁封止部材12とキャップ20との間に隙間がある。
本実施の形態の電力変換装置1dの製造方法の一例では、複数回に分けて供給された絶縁封止材料が、工程S8で一括して硬化されている。
図14を参照して、本実施の形態の電力変換装置1dの製造方法の別の例を説明する。本実施の形態の電力変換装置1dの製造方法の別の例は、本実施の形態の電力変換装置1dの製造方法の一例(図13を参照)と同様の工程を備えているが、工程S3と工程S5との間に、実施の形態1の電力変換装置1の製造方法の一例(図4を参照)の工程S4をさらに備えている。本実施の形態の電力変換装置1dの製造方法の別の例では、絶縁封止材料が供給されかつ押圧される度に、絶縁封止材料が硬化されている。
本実施の形態の電力変換装置1dは、実施の形態1の電力変換装置1の効果に加えて、以下の効果を奏する。
本実施の形態の電力変換装置1dは、蓋40と、第2回路部品18とをさらに備える。蓋40は、金属ケース7の開口7aを閉塞している。金属ケース7の開口7aは、側壁9によって画されており、かつ、第1回路基板15に対して底板8とは反対側に位置している。蓋40は、第1回路基板15の第2主面15bに面する内面40aと、内面40aとは反対側の外面40bとを含む。内面40aと外面40bとを接続する孔41が蓋40に設けられている。第2回路部品18は、第1回路基板15の第2主面15b上に搭載されている。第1回路基板15は、絶縁封止部材12に埋設されている。第1回路基板15の第2主面15bと蓋40の内面40aとの間の第2空間は、絶縁封止部材12で充填されている。絶縁封止部材12は、第2回路部品18を封止している。
蓋40の孔41を通して、絶縁封止部材12から気泡が取り除かれている。第2回路部品18が配置されている、第1回路基板15の第2主面15bと蓋40の内面40aとの間の第2空間は、絶縁封止部材12で充填されている。電力変換装置1dの動作時に、蓋40と第2回路部品18または第1回路基板15との間に高い電圧が印加されても、蓋40と第2回路部品18または第1回路基板15との間で部分放電が発生することが防止され得る。絶縁封止部材12に絶縁破壊が発生することが防止され得る。電力変換装置1dは、改善された絶縁性能を有する。
第2回路部品18が配置されている、第1回路基板15の第2主面15bと蓋40の内面40aとの間の第2空間は、絶縁封止部材12で充填されている。そのため、第1回路部品17、第2回路部品18または第1回路基板15において発生した熱は、絶縁封止部材12を通って、金属ケース7及び蓋40に伝達され得る。この熱は、金属ケース7及び蓋40から、電力変換装置1dの外部に放散され得る。電力変換装置1dは、向上された放熱性を有する。電力変換装置1dでは追加の放熱部材が不要となるため、電力変換装置1dは小型化され得る。
第2回路部品18が配置されている、第1回路基板15の第2主面15bと蓋40の内面40aとの間の第2空間は、絶縁封止部材12で充填されている。そのため、電力変換装置1dでは、電力変換装置1d内に結露が発生することが防止され得る。
蓋40は、第1回路基板15、第1回路部品17及び第2回路部品18を機械的衝撃から保護している。電力変換装置1dに機械的衝撃が加わっても、蓋40は、第1回路基板15、第1回路部品17及び第2回路部品18が破壊されることを防止し得る。電力変換装置1dの耐機械的衝撃性が向上され得る。
第1回路基板15は絶縁封止部材12に埋設されている。そのため、電力変換装置1dに振動が加わっても、絶縁封止部材12は、第1回路基板15が振動することを防止し得る。電力変換装置1dの耐振動性が向上され得る。
本実施の形態の電力変換装置1dでは、絶縁封止部材12は、中央アンカー部13を含んでもよい。中央アンカー部13は、蓋40の孔41内にあるネック部13aと、蓋40の外面40b上にあるヘッド部13bとを含む。ヘッド部13bは、ネック部13aに接続されており、かつ、蓋40の孔41より大きな幅を有している。中央アンカー部13は、蓋40を絶縁封止部材12に固定する。電力変換装置1dに振動が加わっても、中央アンカー部13は、蓋40が絶縁封止部材12から外れることを防止し得る。電力変換装置1dの耐振動性が向上され得る。
本実施の形態の電力変換装置1dは、蓋40の外面40b上に設けられているキャップ20をさらに備える。ヘッド部13bは、キャップ20の空洞内に設けられている。キャップ20は、絶縁封止部材12のヘッド部13bを機械的衝撃から保護している。電力変換装置1dに機械的衝撃が加わっても、キャップ20は、蓋40が絶縁封止部材12から外れることを防止し得る。電力変換装置1dの耐機械的衝撃性が向上され得る。
本実施の形態の電力変換装置1dでは、第1回路基板15の第1主面15aと金属ケース7の底板8との間にスペーサ28が設けられている。第1回路基板15が反っていても、スペーサ28は、第1回路部品17または第1回路基板15と金属ケース7の底板8との間の絶縁距離を確保することを可能にする。電力変換装置1dは、改善された絶縁性能を有する。
実施の形態5.
図1及び図15を参照して、実施の形態5に係る電力変換装置1eを説明する。本実施の形態の電力変換装置1eは、実施の形態3の電力変換装置1cと同様の構成を備えるが、第2回路基板30、第3回路部品32及び第4回路部品33をさらに備えている点と、スペーサ28(図11を参照)に代えて、第1スペーサ35及び第2スペーサ36を備えている点とで主に異なっている。
第2回路基板30は、金属ケース7内に収容されている。第2回路基板30は、第2絶縁基材と、第2配線(図示せず)と、第2コイル導体(図示せず)とを含む。第2回路基板30は、金属ケース7の底板8に対向する第3主面30aと、第3主面30aとは反対側の第4主面30bとを含む。第2回路基板30は、金属ケース7の底板8と第1回路基板15との間に配置されている。第2回路基板30の第4主面30bは、第1回路基板15の第1主面15aに面している。
第3主面30aと第4主面30bとの間を接続する一つ以上の第2貫通孔31が、第2回路基板30に設けられている。第2貫通孔31の幅(または直径)は、1.5mm以上であってもよい。そのため、絶縁封止材料に含まれていた気泡が、第2貫通孔31から容易に排出される。第2貫通孔31が、絶縁封止材料で容易に充填され得る。一つ以上の第2貫通孔31は、複数の第2貫通孔31であってもよい。複数の第2貫通孔31は、第2回路基板30の第3主面30aに、例えば、400mm2以上1600mm2以下の面積当たり一つ設けられてもよい。第2回路基板30の第4主面30bの平面視において、複数の第2貫通孔31は等間隔に配置されてもよい。
第3主面30aと第4主面30bとを接続する第2回路基板30の端面は、金属ケース7の側壁9に対向している。第2回路基板30の端面は、金属ケース7の側壁9から離間されてもよい。第2回路基板30の端面と金属ケース7の側壁9との間に隙間37が設けられてもよい。
第2絶縁基材は、例えば、ガラス繊維強化エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)のような樹脂材料で形成されてもよい。第1絶縁基材は、酸化アルミニウム(Al23)、窒化アルミニウム(AlN)などのセラミック材料で形成されてもよい。第2配線と第2コイル導体とは、第2絶縁基材の裏面(第2回路基板30の第3主面30a)または第2絶縁基材のおもて面(第2回路基板30の第4主面30b)上に設けられている。第2配線と第2コイル導体とは、例えば、銅またはアルミニウムのような導電材料で形成されている。
一つ以上の第3回路部品32は、第2回路基板30の第3主面30a上に搭載されてもよい。一つ以上の第3回路部品32は、複数の第3回路部品32であってもよい。一つ以上の第4回路部品33は、第2回路基板30の第4主面30b上に搭載されてもよい。一つ以上の第4回路部品33は、複数の第4回路部品33であってもよい。第3回路部品32及び第4回路部品33は、図1に示される入力端子60a,60bと、第1整流回路51と、第1平滑回路52と、フルブリッジ回路53と、変圧回路54と、第2整流回路55と、第2平滑回路56と、出力端子70a,70bとのいずれかであってもよい。第3回路部品32及び第4回路部品33は、電圧電流検出回路57(図1を参照)を構成する集積回路(IC)部品、または、制御回路59(図1を参照)を構成するプロセッサであってもよい。
第2回路基板30は、絶縁封止部材12に埋設されている。絶縁封止部材12は、第3回路部品32を封止している。第2回路基板30の第3主面30aと金属ケース7の底板8との間の第1部分空間は、絶縁封止部材12で充填されている。第1部分空間は、第3回路部品32が配置されている空間である。絶縁封止部材12は、第4回路部品33を封止している。第2回路基板30の第4主面30bと第1回路基板15の第1主面15aとの間の第2部分空間は、絶縁封止部材12で充填されている。第2部分空間は、第1回路部品17と第4回路部品33とが配置されている空間である。第2回路基板30は、第1回路基板15の第1主面15aと金属ケース7の底板8との間の第1空間を、第1部分空間と第2部分空間とに分けている。隙間22と隙間37とは、絶縁封止部材12で充填されている。絶縁封止部材12は、第2回路基板30の縁部30eを保持している。
一つ以上の第1スペーサ35は、第2回路基板30の第3主面30aと金属ケース7の底板8との間に設けられている。一つ以上の第1スペーサ35は、第2回路基板30の第3主面30aと金属ケース7の底板8とに接触してもよい。一つ以上の第1スペーサ35は、金属ケース7の底板8に設けられた凹部に嵌合されてもよい。第1スペーサ35の高さは、第3回路部品32の高さ(または複数の第3回路部品32の最大高さ)よりも高い。
第1スペーサ35は、例えば、絶縁材料で構成されてもよい。第1スペーサ35は、第2回路基板30の第3主面30aに固定されてもよい。第1スペーサ35は、例えば、第2回路基板30の第3主面30a上のダミーパッド(図示せず)と、ダミーパッドにはんだ付けされたダミー回路部品(図示せず)とで構成されてもよい。第1スペーサ35は、金属ケース7の底板8に固定されてもよい。一つ以上の第1スペーサ35は、複数の第1スペーサ35であってもよい。第2回路基板30の第4主面30bの平面視において、複数の第1スペーサ35は等間隔に配置されてもよい。
一つ以上の第2スペーサ36は、第1回路基板15の第1主面15aと第2回路基板30の第4主面30bとの間に設けられている。一つ以上の第2スペーサ36は、第1回路基板15の第1主面15aと第2回路基板30の第4主面30bとに接触してもよい。第2スペーサ36の高さは、第1回路部品17の高さ(または複数の第1回路部品17の最大高さ)よりも高い。第2スペーサ36の高さは、第4回路部品33の高さ(または複数の第4回路部品33の最大高さ)よりも高い。
第2スペーサ36は、例えば、絶縁材料で構成されてもよい。第2スペーサ36は、第1回路基板15の第1主面15aに固定されてもよい。第2スペーサ36は、例えば、第1回路基板15の第1主面15a上のダミーパッド(図示せず)と、第2回路基板30の第4主面30b上のダミーパッド(図示せず)と、これらダミーパッドにはんだ付けされたダミー回路部品(図示せず)とで構成されてもよい。第2スペーサ36は、第2回路基板30の第4主面30bに固定されてもよい。一つ以上の第2スペーサ36は、複数の第2スペーサ36であってもよい。第1回路基板15の第2主面15bの平面視において、複数の第2スペーサ36は等間隔に配置されてもよい。
図16を参照して、本実施の形態の電力変換装置1eの製造方法の一例を説明する。
本実施の形態の電力変換装置1eの製造方法は、金属ケース7内に絶縁封止材料を供給すること(S11)を備える。金属ケース7は、底板8と、底板8から突出する側壁9とを含む。絶縁封止材料は、例えば、液状の硬化性樹脂材料であってもよいし、弾性を有する半硬化性樹脂材料であってもよいし、粘着性を有する硬化性樹脂材料であってもよい。
本実施の形態の電力変換装置1eの製造方法は、絶縁封止材料上に第2回路基板30を載置すること(S12)を備える。第2回路基板30は、金属ケース7内に収容される。第2回路基板30は、金属ケース7の底板8に対向する第3主面30aと、第3主面30aとは反対側の第4主面30bとを含む。第3主面30aと第4主面30bとの間を接続する第2貫通孔31が、第2回路基板30に設けられている。第3回路部品32は、第2回路基板30の第3主面30a上に搭載されている。第4回路部品33は、第2回路基板30の第4主面30b上に搭載されてもよい。
本実施の形態の電力変換装置1eの製造方法は、第2回路基板30を絶縁封止材料に向けて押圧すること(S13)を備える。絶縁封止材料に含まれていた気泡が、第2貫通孔31から、第2回路基板30の第3主面30aと金属ケース7の底板8との間の第1部分空間の外に排出される。絶縁封止材料に含まれていた気泡は、第2回路基板30の端面と金属ケース7の側壁9との間に隙間37からも排出されてもよい。気泡の排出を促進するために、第2回路基板30の第3主面30aに沿う方向に第2回路基板30を揺動させながら、第2回路基板30を絶縁封止材料に向けて押圧してもよい。
本実施の形態に係る電力変換装置1eの製造方法では、第2回路基板30を絶縁封止材料に向けて押圧すること(S13)は、第1スペーサ35を第2回路基板30の第3主面30aと金属ケース7の底板8との間に設けることを含む。本実施の形態の一例では、第1スペーサ35が、第2回路基板30の第3主面30a上に設けられている。第2回路基板30を絶縁封止材料に向けて押圧すること(S13)は、第1スペーサ35を金属ケース7の底板8に接触させて、第1スペーサ35を第2回路基板30の第3主面30aと金属ケース7の底板8との間に設けることを含む。本実施の形態の別の例では、第1スペーサ35が、金属ケース7の底板8上に固定されている。第2回路基板30を絶縁封止材料に向けて押圧すること(S13)は、第2回路基板30の第3主面30aを第1スペーサ35に接触させて、第1スペーサ35を第2回路基板30の第3主面30aと金属ケース7の底板8との間に設けることを含む。
本実施の形態の電力変換装置1eの製造方法は、第2回路基板30の第4主面30b上に絶縁封止材料を供給すること(S15)を備える。絶縁封止材料は、液状の硬化性樹脂材料であってもよいし、弾性を有する半硬化性樹脂材料であってもよいし、粘着性を有する硬化性樹脂材料であってもよい。
本実施の形態の電力変換装置1eの製造方法は、絶縁封止材料上に第1回路基板15を載置すること(S16)を備える。第1回路基板15は、金属ケース7内に収容される。第1回路基板15は、金属ケース7の底板8と第2回路基板30の第4主面30bとに対向する第1主面15aと、第1主面15aとは反対側の第2主面15bとを含む。第1主面15aと第2主面15bとの間を接続する第1貫通孔16が、第1回路基板15に設けられている。第1回路部品17は、第1回路基板15の第1主面15a上に搭載されている。第2回路部品18は、第1回路基板15の第2主面15b上に搭載されてもよい。キャップ20は、第1回路基板15の第2主面15b上に設けられてもよい。キャップ20は、接着材またははんだを用いて、第1回路基板15の第2主面15bに固定されてもよい。第1回路基板15の第2主面15bからの平面視において、キャップ20は、対応する第1貫通孔16を閉塞している。
本実施の形態の電力変換装置1eの製造方法は、第1回路基板15を絶縁封止材料に向けて押圧すること(S17)を備える。絶縁封止材料に含まれていた気泡が、第1貫通孔16から、第1回路基板15の第1主面15aと第2回路基板30の第4主面30bとの間の第2部分空間の外に排出される。絶縁封止材料に含まれていた気泡は、第1回路基板15の端面と金属ケース7の側壁9との間に隙間22からも排出されてもよい。気泡の排出を促進するために、第1回路基板15の第1主面15aに沿う方向に第1回路基板15を揺動させながら、第1回路基板15を絶縁封止材料に向けて押圧してもよい。
第1回路基板15を絶縁封止材料に向けて押圧すること(S17)は、第2スペーサ36を第1回路基板15の第1主面15aと第2回路基板30の第4主面30bとの間に設けることを含む。本実施の形態の一例では、第2スペーサ36が、第1回路基板15の第1主面15a上に設けられている。第1回路基板15を絶縁封止材料に向けて押圧すること(S17)は、第2スペーサ36を第2回路基板30の第4主面30bに接触させて、第2スペーサ36を第1回路基板15の第1主面15aと第2回路基板30の第4主面30bとの間に設けることを含む。本実施の形態の別の例では、第2スペーサ36が、第2回路基板30の第4主面30b上に設けられている。第1回路基板15を絶縁封止材料に向けて押圧すること(S17)は、第1回路基板15の第1主面15aを第2スペーサ36に接触させて、第2スペーサ36を第1回路基板15の第1主面15aと第2回路基板30の第4主面30bとの間に設けることを含む。
第1回路基板15を絶縁封止材料に向けて押圧すること(S17)は、絶縁封止材料を、第1回路基板15の第1貫通孔16内と第1回路基板15の第2主面15b上とに供給することを含んでもよい。絶縁封止材料のネック部は、第1回路基板15の第1貫通孔16内に形成される。絶縁封止材料のヘッド部は、第1回路基板15の第2主面15b上に形成される。絶縁封止材料のヘッド部は、第1回路基板15の第1貫通孔16より大きな幅(または直径)を有している。絶縁封止材料のヘッド部は、絶縁封止材料のネック部に接続されている。
第1回路基板15を絶縁封止材料に向けて押圧すること(S17)は、キャップ20の空洞内に絶縁封止材料を供給することを含んでもよい。第1回路基板15の第2主面15bからの平面視において、キャップ20は、対応する第1貫通孔16を閉塞している。キャップ20は、第1貫通孔16から第1回路基板15の第2主面15b上に供給された絶縁封止材料をせき止める。キャップ20の空洞内に、絶縁封止材料のヘッド部が形成される。キャップ20の空洞は、絶縁封止材料で完全には充填されていない。絶縁封止材料とキャップ20との間に隙間がある。絶縁封止材料に含まれていた気泡中のガスは、第1回路基板15の第1貫通孔16を通って、この隙間に溜まる。
本実施の形態の電力変換装置1eの製造方法では、第1回路基板15を絶縁封止材料に向けて押圧すること(S17)は、絶縁封止材料を、第1回路基板15の端面と金属ケース7の側壁9との間に隙間22から、第1回路基板15の縁部15e上に供給することを含む。絶縁封止材料は、第1主面15aの縁部上と第2主面15bの縁部上とに供給される。突出部11は、絶縁封止材料を、第1回路基板15の縁部15eにガイドするガイド部材として機能する。突出部11は、サイドアンカー部14を形成することを容易にする。
本実施の形態の電力変換装置1eの製造方法は、絶縁封止材料を硬化させて、第1回路基板15の第1主面15aと第2回路基板30の第4主面30bとの間の第2部分空間を充填する絶縁封止部材12を形成すること(S18)を備える。第1回路部品17は、絶縁封止部材12によって封止される。
絶縁封止材料を硬化させること(S18)は、絶縁封止部材12に、中央アンカー部13を形成することを含んでもよい。具体的には、絶縁封止材料を硬化させること(S18)は、第1回路基板15の第2主面15b上に絶縁封止部材12のヘッド部13bを、第1回路基板15の第1貫通孔16内に絶縁封止部材12のネック部13aを形成することを含んでもよい。中央アンカー部13は、第1貫通孔16内にあるネック部13aと、第2主面15b上にあるヘッド部13bとを含む。ヘッド部13bは、ネック部13aに接続されており、かつ、第1貫通孔16より大きな幅(または直径)を有している。特定的には、絶縁封止部材12のヘッド部13bは、キャップ20の空洞内に形成されてもよい。絶縁封止部材12とキャップ20との間に隙間がある。
絶縁封止材料を硬化させること(S18)は、絶縁封止部材12にサイドアンカー部14を形成することを含んでもよい。サイドアンカー部14は、第1回路基板15の縁部15eを保持している。
本実施の形態の電力変換装置1eの製造方法の一例では、複数回に分けて供給された絶縁封止材料が、工程S18で一括して硬化されている。
図17を参照して、本実施の形態の電力変換装置1eの製造方法の別の例を説明する。本実施の形態の電力変換装置1eの製造方法の別の例は、本実施の形態の電力変換装置1eの製造方法の一例(図16を参照)と同様の工程を備えているが、工程S13と工程S15との間に工程S14をさらに備えている。工程S14では、絶縁封止材料は硬化されて、第2回路基板30の第3主面30aと金属ケース7の底板8との間の第1部分空間を充填する絶縁封止部材12が形成される。第3回路部品32は、絶縁封止部材12によって封止される。本実施の形態の電力変換装置1eの製造方法の別の例では、絶縁封止材料が供給されかつ押圧される度に、絶縁封止材料が硬化されている。
本実施の形態の変形例では、絶縁封止部材12は、中央アンカー部13またはサイドアンカー部14を含んでもよい。第1回路基板15の第1主面15aの面積が、例えば、5000mm2以下のように小さい場合には、サイドアンカー部14だけで第1回路基板15が固定されてもよい。第1回路基板15の第1主面15aの面積がさらに大きい場合には、中央アンカー部13だけで第1回路基板15が固定されてもよい。第1回路基板15の第1主面15aの面積がより一層大きい場合には、中央アンカー部13とサイドアンカー部14とで第1回路基板15が固定されてもよい。
本実施の形態の電力変換装置1e及びその製造方法は、実施の形態3の電力変換装置1cの効果に加えて、以下の効果を奏する。
本実施の形態の電力変換装置1eは、第2回路基板30と、第3回路部品32とをさらに備える。第2回路基板30は、金属ケース7内に収容されている。第2回路基板30は、金属ケース7の底板8と第1回路基板15との間に配置されている。第2回路基板30は、金属ケース7底板8に対向する第3主面30aと、第3主面30aとは反対側にありかつ第1回路基板15の第1主面15aに面している第4主面30bとを含む。第3主面30aと第4主面30bとの間を接続する第2貫通孔31が、第2回路基板30に設けられている。第3回路部品32は、第2回路基板30の第3主面30a上に搭載されている。第2回路基板30は、絶縁封止部材12に埋設されている。絶縁封止部材12は、第3回路部品32を封止している。
第1回路基板15の第1貫通孔16及び第2回路基板30の第2貫通孔31を通して、絶縁封止部材12から気泡が取り除かれている。第3回路部品32が配置されている、第2回路基板30の第3主面30aと金属ケース7の底板8との間の第1部分空間と、第1回路部品17が配置されている、第1回路基板15の第1主面15aと第2回路基板30の第4主面30bとの間の第2部分空間とは、絶縁封止部材12で充填されている。電力変換装置1eの動作時に、電力変換装置1e内で部分放電が発生することが防止され得る。絶縁封止部材12に絶縁破壊が発生することが防止され得る。電力変換装置1eは、改善された絶縁性能を有する。
電力変換装置1eは、第1回路基板15に加えて、第2回路基板30を備えている。電力変換装置1eの回路(一例として、図1を参照)は、第1回路基板15と第2回路基板30とで構成される。また、第2回路基板30は、金属ケース7の底板8と第1回路基板15との間に配置されている。そのため、第1回路基板15の第2主面15bの平面視における電力変換装置1eのサイズが小型化され得る。
第2回路基板30は、絶縁封止部材12に埋設されている。そのため、電力変換装置1eに振動が加わっても、絶縁封止部材12は、第2回路基板30が振動することを防止し得る。電力変換装置1eの耐振動性が向上され得る。
本実施の形態の電力変換装置1eでは、第1スペーサ35と、第2スペーサ36とをさらに備える。第1スペーサ35は、第2回路基板30の第3主面30aと金属ケース7の底板8との間に設けられている。第2スペーサ36は、第1回路基板15の第1主面15aと第2回路基板30の第4主面30bとの間に設けられている。第2回路基板30が反っていても、第1スペーサ35は、第3回路部品32または第2回路基板30と金属ケース7の底板8との間の絶縁距離を確保することを可能にする。第1回路基板15が反っていても、第2スペーサ36は、第1回路部品17または第1回路基板15と第4回路部品33または第2回路基板30との間の絶縁距離を確保することを可能にする。電力変換装置1eは、改善された絶縁性能を有する。
実施の形態6.
図1及び図18を参照して、実施の形態6に係る電力変換装置1fを説明する。本実施の形態の電力変換装置1fは、実施の形態4の電力変換装置1dと同様の構成を備えるが、第2回路基板30、第3回路部品32及び第4回路部品33をさらに備えている点と、スペーサ28(図11を参照)に代えて、第1スペーサ35及び第2スペーサ36を備えている点で主に異なっている。
本実施の形態の第2回路基板30、第3回路部品32及び第4回路部品33は、それぞれ、実施の形態5の第2回路基板30、第3回路部品32及び第4回路部品33と同じである。本実施の形態の第1スペーサ35及び第2スペーサ36は、それぞれ、実施の形態5の第1スペーサ35及び第2スペーサ36と同じである。
図19を参照して、本実施の形態の電力変換装置1fの製造方法の一例を説明する。本実施の形態の電力変換装置1fの製造方法の一例は、実施の形態4の電力変換装置1dの製造方法の一例(図13を参照)と同様の工程を備えているが、以下の点で主に異なっている。本実施の形態の電力変換装置1fの一例の製造方法は、実施の形態4の電力変換装置1dの製造方法の一例の工程S1から工程S3に代えて、実施の形態5に係る電力変換装置1eの製造方法の一例(図16を参照)の工程S11から工程S13及び工程S15から工程S17を備えている。本実施の形態の電力変換装置1fの製造方法の一例では、複数回に分けて供給された絶縁封止材料が、工程S8で一括して硬化されている。
図20を参照して、本実施の形態に係る電力変換装置1fの製造方法の別の例を説明する。本実施の形態の電力変換装置1fの製造方法の別の例は、実施の形態4の電力変換装置1dの製造方法の一例(図13を参照)と同様の工程を備えているが、以下の点で主に異なっている。本実施の形態の電力変換装置1fの別のの製造方法は、実施の形態4の電力変換装置1dの製造方法の一例の工程S1から工程S3に代えて、実施の形態5に係る電力変換装置1eの製造方法の別の例(図17を参照)の工程S11から工程S18を備えている。本実施の形態の電力変換装置1fの製造方法の別の例では、絶縁封止材料が供給されかつ押圧される度に、絶縁封止材料が硬化されている。
本実施の形態の電力変換装置1fは、実施の形態4及び実施の形態5の電力変換装置1d,1eの効果と同様の効果を奏する。本実施の形態の電力変換装置1fの効果の一つは、以下のとおりである。
本実施の形態の電力変換装置1fは、第2回路基板30と、第3回路部品32とをさらに備える。第2回路基板30は、金属ケース7内に収容されている。第2回路基板30は、金属ケース7の底板8と第1回路基板15との間に配置されている。第2回路基板30は、金属ケース7の底板8に対向する第3主面30aと、第3主面30aとは反対側にありかつ第1回路基板15の第1主面15aに面している第4主面30bとを含む。第3回路部品32は、第2回路基板30の第3主面30a上に搭載されている。第2回路基板30は、絶縁封止部材12に埋設されている。絶縁封止部材12は、第3回路部品32を封止している。第3主面30aと第4主面30bとの間を接続する第2貫通孔31が、第2回路基板30に設けられている。第2貫通孔31は、絶縁封止部材12で充填されている。
第1回路基板15の第1貫通孔16、第2回路基板30の第2貫通孔31及び蓋40の孔41を通して、絶縁封止部材12から気泡が取り除かれている。第3回路部品32が配置されている、第2回路基板30の第3主面30aと金属ケース7の底板8との間の第1部分空間と、第1回路部品17が配置されている、第1回路基板15の第1主面15aと第2回路基板30の第4主面30bとの間の第2部分空間と、第2回路部品18が配置されている、第1回路基板15の第2主面15bと蓋40の内面40aとの間の第2空間は、絶縁封止部材12で充填されている。電力変換装置1fの動作時に、電力変換装置1f内で部分放電が発生することが防止され得る。絶縁封止部材12に絶縁破壊が発生することが防止され得る。電力変換装置1fは、改善された絶縁性能を有する。
今回開示された実施の形態1-6はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることを意図される。
1,1a,1b,1c,1d,1e,1f 電力変換装置、7 金属ケース、7a 開口、8 底板、9 側壁、11 突出部、12 絶縁封止部材、12s 絶縁シート、13 中央アンカー部、13a ネック部、13b ヘッド部、14 サイドアンカー部、15 第1回路基板、15a 第1主面、15b 第2主面、15e,30e 縁部、16 第1貫通孔、17 第1回路部品、18 第2回路部品、20 キャップ、22,37 隙間、24 電源、25 空気層、26 界面、28 スペーサ、30 第2回路基板、30a 第3主面、30b 第4主面、31 第2貫通孔、32 第3回路部品、33 第4回路部品、35 第1スペーサ、36 第2スペーサ、40 蓋、40a 内面、40b 外面、41 孔、51 第1整流回路、52 第1平滑回路、53 フルブリッジ回路、54 変圧回路、55 第2整流回路、56 第2平滑回路、57 電圧電流検出回路、58 フォトカプラ、58a 発光素子、58b 受光素子、59 制御回路、60a,60b 入力端子、61a,61b,61c,61d 第1半導体素子、62 第1キャパシタ、63a,63b,63c,63d 第2半導体素子、64a 一次コイル、64b 磁性コア、64c 二次コイル、65a,65b,65c,65d 第3半導体素子、66 第2コイル部品、67 第2キャパシタ、70a,70b 出力端子。

Claims (13)

  1. 底板と、前記底板から突出する側壁とを含む金属ケースと、
    前記金属ケース内に収容されている第1回路基板とを備え、前記第1回路基板は、前記底板に対向する第1主面と、前記第1主面とは反対側の第2主面とを含み、さらに、
    前記第1主面上に搭載されている第1回路部品と、
    前記第1回路部品を封止している絶縁封止部材とを備え、
    前記第1主面と前記第2主面との間を接続する第1貫通孔が前記第1回路基板に設けられており、
    前記第1回路基板の前記第1主面と前記底板との間の第1空間は、前記絶縁封止部材で充填されており、
    前記絶縁封止部材は、中央アンカー部を含み、
    前記中央アンカー部は、前記第1貫通孔内にあるネック部と、前記第2主面上にあるヘッド部とを含み、
    前記ヘッド部は、前記ネック部に接続されており、かつ、前記第1貫通孔より大きな幅を有している、電力変換装置。
  2. 前記第2主面上に設けられているキャップをさらに備え、
    前記ヘッド部は、前記キャップの空洞内に設けられている、請求項に記載の電力変換装置。
  3. 底板と、前記底板から突出する側壁とを含む金属ケースと、
    前記金属ケース内に収容されている第1回路基板とを備え、前記第1回路基板は、前記底板に対向する第1主面と、前記第1主面とは反対側の第2主面とを含み、さらに、
    前記第1主面上に搭載されている第1回路部品と、
    前記第1回路部品を封止している絶縁封止部材とを備え、
    前記第1主面と前記第2主面との間を接続する第1貫通孔が前記第1回路基板に設けられており、
    前記第1回路基板の前記第1主面と前記底板との間の第1空間は、前記絶縁封止部材で充填されており、
    前記第1回路基板は前記側壁から離間されており、
    前記絶縁封止部材は、前記第1回路基板の縁部を保持するサイドアンカー部を含む、電力変換装置。
  4. 前記金属ケースは、前記側壁から前記金属ケースの内側に突出する突出部を含み、
    前記突出部は、前記第2主面に対して前記底板から遠位する側に配置されており、
    前記サイドアンカー部は、前記突出部に接触している、請求項に記載の電力変換装置。
  5. 底板と、前記底板から突出する側壁とを含む金属ケースと、
    前記金属ケース内に収容されている第1回路基板とを備え、前記第1回路基板は、前記底板に対向する第1主面と、前記第1主面とは反対側の第2主面とを含み、さらに、
    前記第1主面上に搭載されている第1回路部品と、
    前記第1回路部品を封止している絶縁封止部材とを備え、
    前記第1主面と前記第2主面との間を接続する第1貫通孔が前記第1回路基板に設けられており、
    前記第1回路基板の前記第1主面と前記底板との間の第1空間は、前記絶縁封止部材で充填されており、
    前記第1主面と前記底板との間に設けられているスペーサをさらに備える、電力変換装置。
  6. 底板と、前記底板から突出する側壁とを含む金属ケースと、
    前記金属ケース内に収容されている第1回路基板とを備え、前記第1回路基板は、前記底板に対向する第1主面と、前記第1主面とは反対側の第2主面とを含み、さらに、
    前記第1主面上に搭載されている第1回路部品と、
    前記第1回路部品を封止している絶縁封止部材とを備え、
    前記第1主面と前記第2主面との間を接続する第1貫通孔が前記第1回路基板に設けられており、
    前記第1回路基板の前記第1主面と前記底板との間の第1空間は、前記絶縁封止部材で充填されており、
    前記金属ケースの開口を閉塞する蓋をさらに備え、前記金属ケースの前記開口は、前記側壁によって画されており、かつ、前記第1回路基板に対して前記底板とは反対側に位置しており、前記蓋は、前記第2主面に面する内面と、前記内面とは反対側の外面とを含み、さらに、
    前記第2主面上に搭載されている第2回路部品を備え、
    前記内面と前記外面とを接続する孔が前記蓋に設けられており、
    前記第1回路基板は、前記絶縁封止部材に埋設されており、
    前記第1回路基板の前記第2主面と前記蓋の前記内面との間の第2空間とは、前記絶縁封止部材で充填されており、
    前記絶縁封止部材は、前記第2回路部品を封止している、電力変換装置。
  7. 前記第1主面と前記底板との間に設けられているスペーサをさらに備える、請求項に記載の電力変換装置。
  8. 底板と、前記底板から突出する側壁とを含む金属ケースと、
    前記金属ケース内に収容されている第1回路基板とを備え、前記第1回路基板は、前記底板に対向する第1主面と、前記第1主面とは反対側の第2主面とを含み、さらに、
    前記第1主面上に搭載されている第1回路部品と、
    前記第1回路部品を封止している絶縁封止部材とを備え、
    前記第1主面と前記第2主面との間を接続する第1貫通孔が前記第1回路基板に設けられており、
    前記第1回路基板の前記第1主面と前記底板との間の第1空間は、前記絶縁封止部材で充填されており、
    前記金属ケース内に収容されている第2回路基板をさらに備え、前記第2回路基板は、
    前記底板と前記第1回路基板との間に配置されており、前記第2回路基板は、前記底板に対向する第3主面と、前記第3主面とは反対側にありかつ前記第1主面に面している第4主面とを含み、さらに、
    前記第3主面上に搭載されている第3回路部品を備え、
    前記第2回路基板は、前記絶縁封止部材に埋設されており、
    前記絶縁封止部材は、前記第3回路部品を封止しており、
    前記第3主面と前記第4主面との間を接続する第2貫通孔が前記第2回路基板に設けられている、電力変換装置。
  9. 前記金属ケース内に収容されている第2回路基板をさらに備え、前記第2回路基板は、前記底板と前記第1回路基板との間に配置されており、前記第2回路基板は、前記底板に対向する第3主面と、前記第3主面とは反対側にありかつ前記第1主面に面している第4主面とを含み、さらに、
    前記第3主面上に搭載されている第3回路部品を備え、
    前記第2回路基板は、前記絶縁封止部材に埋設されており、
    前記絶縁封止部材は、前記第3回路部品を封止しており、
    前記第3主面と前記第4主面との間を接続する第2貫通孔が前記第2回路基板に設けられており、
    前記第2貫通孔は、前記絶縁封止部材で充填されている、請求項に記載の電力変換装置。
  10. 前記絶縁封止部材は、中央アンカー部を含み、
    前記中央アンカー部は、前記孔内にあるネック部と、前記外面上にあるヘッド部とを含み、
    前記ヘッド部は、前記ネック部に接続されており、かつ、前記孔より大きな幅を有している、請求項のいずれか一項に記載の電力変換装置。
  11. 前記外面上に設けられているキャップをさらに備え、
    前記ヘッド部は、前記キャップの空洞内に設けられている、請求項10に記載の電力変換装置。
  12. 前記第3主面と前記底板との間に設けられている第1スペーサと、
    前記第1主面と前記第4主面との間に設けられている第2スペーサとをさらに備える、請求項または請求項に記載の電力変換装置。
  13. 金属ケース内に絶縁封止材料を供給することを備え、前記金属ケースは、底板と、前記底板から突出する側壁とを含み、さらに、
    前記絶縁封止材料上に第1回路基板を載置することを備え、前記第1回路基板は、前記金属ケース内に収容されており、かつ、前記底板に対向する第1主面と、前記第1主面とは反対側の第2主面とを含み、前記第1主面と前記第2主面との間を接続する第1貫通孔が前記第1回路基板に設けられており、第1回路部品は前記第1主面上に搭載されており、さらに、
    前記第1回路基板を前記絶縁封止材料に向けて押圧することと、
    前記絶縁封止材料を硬化させて、前記第1回路基板の前記第1主面と前記底板との間の第1空間を充填する絶縁封止部材を形成することとを備え、前記第1回路部品は前記絶縁封止部材によって封止される、電力変換装置の製造方法。
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