JP7255402B2 - 分注装置 - Google Patents

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Description

この発明は、分注装置に関する。
米国特許公開第2006/0043111号(特許文献1)には、ロボット装置を用いて容器内の液体(飲料)を自動的に他の容器に注ぐように構成された飲料サーバが開示される。特許文献1では、ロボット装置は、ロボットアームおよびロボットハンドを有しており、コントローラからの指示に従ってロボットアームおよびロボットハンドを操作させることで、容器に飲料を注ぐように構成される。
米国特許公開第2006/0043111号
試料に含まれる成分の定量・定性分析を行なう際には、所定量の試料または試薬を容器から分注する分注装置が用いられることがある。近年では、ロボットハンドおよびロボットアームにより構成され、制御プログラムに従って自動的に稼働するロボット装置を、分注装置を含む分析ラインに搭載することによって、試料の前処理から分析までの一連の作業を自動化した分析システムが提案されている。
しかしながら、特許文献1に記載されるロボット装置は、容器内の液体全量を別の容器に注ぐように構成されているため、分注装置としての機能を有していない。そのため、当該ロボット装置を用いて分注量を精度良く制御するためには、分注先の別の容器を天秤に載せて、当該別の容器の重量を計測しながら試料を注ぐ必要があった。
このようにすると、天秤の計測値を用いて分注量を制御することができる一方で、天秤を設置するスペースを確保する必要性から、分注装置および容器の配置における制約を受けることになる。その結果、分注装置および周辺装置の配置の自由度が低下することが懸念される。また、分注装置の使用態様にも制限が課されることになり、分析システムにおけるユーザの利便性を低下させることが懸念される。
この発明はこのような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、試料を精度良く分注することができる分注装置であって配置の自由度が高いものを提供することである。
本発明の一態様に係る分注装置は、容器を回転させることにより容器内に収容された液体試料を分注するように構成されたロボット装置と、ロボット装置の回転に伴って変化し、ロボット装置に作用する外力を検出するための力検出部と、ロボット装置を制御する制御装置とを備える。制御装置は、力検出部の検出値を用いて液体試料の分注量を検出する。制御装置は、分注量の検出値が目標値に一致する方向に向かってロボット装置による容器の回転角度を制御する。
本発明によれば、配置の制約を受けることなく試料を精度良く分注することができる分注装置を提供することができる。
実施の形態1に係る分注装置の全体構成を示す図である。 実施の形態1に係る分注装置の制御ブロック図である。 分注量の制御の処理の流れを説明するためのフローチャートである。 容器および試料の合計質量の初期値を算出する工程を説明するための図である。 試料の粘性パラメータを算出する方法を説明するための図である。 容器および試料の合計質量の検出値を取得する方法を説明するための図である。 制御装置のうちの分注量の制御に関連する部分の構成例を示すブロック図である。 図7に示した分注量のフィードバック制御系のブロック線図である。 容器および試料の合計質量の初期値を算出する工程を説明するための図である。 容器および試料の合計質量の検出値を取得する方法を説明するための図である。 制御装置のうちの分注量の制御に関連する部分の他の構成例を示すブロック図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下では、図中の同一または相当部分には同一符号を付してその説明は原則的に繰り返さないものとする。
[実施の形態1]
(分注装置の構成)
図1は、実施の形態1に係る分注装置の全体構成を示す図である。実施の形態1に係る分注装置100は、容器50内に収容された液体試料52(以下、単に「試料」とも称する)を、別の容器に分注するための装置である。分注装置100は、ロボット装置10を用いて容器50を操作することにより、容器50から予め設定された量の試料52を自動的に分注するように構成される。
図1を参照して、実施の形態1に係る分注装置100は、ロボット装置10と、力覚センサ20と、制御装置30とを備える。ロボット装置10は、先端が移動可能である。以下の説明では、ロボット装置10が設置される空間を、水平面上において互いに直交するX軸およびY軸と、鉛直上向きを正方向とするZ軸とからなる三次元直交座標系で規定する。
ロボット装置10は、ロボットアーム12と、ロボットハンド14とを有する。ロボットアーム12は、5軸もしくは6軸の複数の関節を有しており、互いが各関節にて接続される複数のアームを有する。
図1の例では、ロボットアーム12は、6軸多関節で構成されており、基台110と、アーム部材に相当する6つのリンク111~116とを有する。6つのリンク111~116はそれぞれ、関節軸J1~J6を図示した矢印周りに回転駆動可能に構成されている。各関節は関節駆動モータ(図示せず)等の駆動源により駆動する。関節駆動モータは、例えばサーボモータである。各関節が駆動することにより、ロボットアーム12の姿勢は自由に変化する。
ロボットハンド14は、ロボットアーム12の先端のリンク116に接続される。ロボットハンド14は、対象物を把持するための一対の指部材142を有する。一対の指部材142は、図示しないモータによって開閉可能に構成される。一対の指部材142を閉じることにより、ロボットハンド14は対象物を把持することができる。また、一対の指部材142を開くことにより、ロボットハンド14は対象物を解放することができる。図1の例では、対象物は、液体試料52が収容された容器50である。
ロボットアーム12の姿勢が自由に変化することに伴い、ロボットハンド14の姿勢も自由に変化しうる。これにより、ロボット装置10は、容器50を上下方向(Z軸方向)、左右方向(X軸方向)および奥行方向(Y軸方向)の各々に移動させることができる。また、ロボット装置10は、容器50をY軸周りに回転させることもできる。
力覚センサ20は、リンク116とロボットハンド14との間に設けられる。力覚センサ20は、ロボットアーム12の手首に相当する位置に配置されている。力覚センサ20は、ロボットアーム12にかかる外力を検出し、検出値を示す信号を制御装置30へ送信する。
図1の例では、力覚センサ20は、互いに直交する第1の軸方向および第2の軸方向に作用する外力を少なくとも検出するように構成される。第1の軸方向および第2の軸方向は、リンク116の端面に対して水平な方向である。説明の便宜上、第1の軸を「A軸」、第2の軸を「B軸」と定めるものとする。力覚センサ20は、さらに、A軸およびB軸の各々に発生するモーメント荷重つまりトルクを検出する機能を有していてもよい。力覚センサ20は「力検出部」の一実施例に対応する。
制御装置30は、ロボット装置10の動作を制御する。具体的には、制御装置30は、ロボットアーム12の6つの関節軸J1~J6の各々に設けられた関節駆動モータを制御することにより、リンク111~116の各々を駆動させる。制御装置30がリンク111~116の各々の回転角度を制御することにより、先端のリンク116を任意の3次元位置で任意の方向に向けることができる。
制御装置30は、また、ロボットハンド14の一対の指部材142を駆動するモータを制御することにより、一対の指部材142を駆動させて対象物の把持/解放を制御する。
図2は、実施の形態1に係る分注装置100の制御ブロック図である。
図2を参照して、制御装置30は、主な構成要素として、プロセッサ302と、メモリ304と、入出力インターフェイス(I/F)306と、通信I/F308とを有する。これらの各部は、図示しないバスを介して互いに通信可能に接続される。
プロセッサ302は、典型的には、CPU(Central Processing Unit)またはMPU(Multi Processing Unit)などの演算処理部である。プロセッサ302は、メモリ304に記憶されたプログラムを読み出して実行することで、分注装置100の各部の動作を制御する。具体的には、プロセッサ302は、当該プログラムを実行することによって、後述する分注装置100の処理の各々を実現する。なお、図1の例では、プロセッサが単数である構成を例示しているが、制御装置30は複数のプロセッサを有する構成としてもよい。
メモリ304は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)およびフラッシュメモリなどの不揮発性メモリによって実現される。メモリ304は、プロセッサ302によって実行されるプログラム、またはプロセッサ302によって用いられるデータなどを記憶する。
入出力I/F306は、プロセッサ302と、ロボット装置10および力覚センサ20との間で各種データをやり取りするためのインターフェイスである。
通信I/F308は、分注装置100と他の装置との間で各種データをやり取りするための通信インターフェイスであり、アダプタまたはコネクタなどによって実現される。なお、通信方式は、無線LAN(Local Area Network)などによる無線通信方式であってもよいし、USB(Universal Serial Bus)などを利用した有線通信方式であってもよい。
制御装置30には、表示部310および入力部312が接続される。表示部310は、画像を表示可能な液晶パネルなどで構成される。入力部312は、分注装置100に対するユーザの操作入力を受け付ける。入力部312は、典型的には、タッチパネル、キーボード、マウスなどで構成される。
制御装置30は、ロボットアーム12、ロボットハンド14および力覚センサ20と通信接続されている。制御装置30とロボットアーム12、ロボットハンド14および力覚センサ20との間の通信は、無線通信で実現されてもよいし、有線通信で実現されてもよい。制御装置30は、実体を有するコンピュータである必要はなく、クラウド上に保存されたソフトウェアにより実現されてもよい。
(分注量の制御)
実施の形態1に係る分注装置100は、ロボット装置10を用いて容器50を操作することにより、容器50から所定の液量の試料52を分注するように構成される。試料52の分注量の制御は、ロボット装置10に設けられた力覚センサ20の検出値に基づいて行なうことができる。以下、実施の形態1に係る分注装置100において実行される分注量の制御について説明する。
図3は、分注量の制御の処理の流れを説明するためのフローチャートである。
図3を参照して、分注量の制御は、容器50および試料52の合計質量の初期値を算出する工程(S10)、分注量の目標値を設定する工程(S20)、試料の粘性パラメータを取得する工程(S30)および、分注量をフィードバック制御する工程(S40)を備える。以下、各工程について説明する。
(1)容器および試料の合計質量の初期値を算出する工程(図3のS10)
図4は、容器50および試料52の合計質量の初期値を算出する工程を説明するための図である。図4を参照して、容器50は、ロボットハンド14の一対の指部材142によって把持されている。容器50の上面50aは開口となっている。
図中矢印A1に示すように、ロボットアーム12によって容器50をY軸周りに回転させることにより、容器50の回転角度θに応じた液量の試料52を容器50から分注することができる。
力覚センサ20は、ロボットハンド14にかかる外力を検出する。具体的には、力覚センサ20は、ロボットハンド14に対してA軸方向(第1の方向)に作用する外力Faと、ロボットハンド14に対してB軸方向(第2の方向)に作用する外力Fbとを検出するように構成される。図4の例では、A軸方向は容器50の底面50bに対して垂直な方向に設定され、B軸方向は容器50の底面50bに対して水平な方向に設定されている。
本工程では、容器50の回転角度θを0degに設定した状態で、容器50および試料52の合計質量の初期値を算出する。図4に示すように、回転角度θ=0degのときには、力覚センサ20のA軸と、ロボット装置10の座標系におけるZ軸とが一致する。
回転角度θ=0degのとき、容器50には、重力方向であるZ軸方向下方(A軸方向下方)に重力Fが作用する。容器50および試料52の合計質量の初期値をmiとすると、重力Fは初期値miおよび重力加速度gの積(F=mi×g)で表される。
力覚センサ20は、重力Fを検出する。A軸方向の外力をFaとすると、θ=0degのときにはFa=Fが成立する。すなわち、Fa=mi×gとなる。したがって、力覚センサ20により検出されたA軸方向の外力Faを重力加速度gで除することにより、合計質量の初期値miを算出することができる。合計質量の初期値miは次式(1)で与えられる。
mi=Fa/g ・・・(1)
制御装置30は、容器50の回転角度θ=0degのときに力覚センサ20から与えられる検出信号に基づいて、合計質量の初期値miを算出する。
(2)分注量の目標値を設定する工程(図3のS20)
容器50および試料52の合計質量の初期値miが求められると、次に、分注量の目標値d*が設定される。制御装置30は、入力I/F306または通信I/F308(図2参照)に入力される信号に基づいて、分注量の目標値d*を設定することができる。または、制御装置30は、予めメモリ304に記憶されている、分析条件を定めたメソッドファイルを参照することにより、分注量の目標値d*を設定することができる。
(3)試料の粘性パラメータを取得する工程(図3のS30)
容器50内に収容される試料52は、その物質によって粘性が異なる。例えば、アンモニアは水に比べて粘性が低く、灯油は水に比べて粘性が高い。また、物質によっては、温度によって粘性が変化する場合がある。一般的に、液体は、温度が高くなるほど粘性が低くなる。
そのため、図4の状態から容器50をY軸周りに回転させた場合、粘性の低い試料52であれば、容器50の回転に追従して試料52が容器50内を速やかに移動し、容器50の上面50aから試料52が吐出される。一方、粘性の高い試料52の場合には、容器50の回転から遅れて試料52が容器50内を緩やかに移動し、容器50の上面50aから試料52が吐出される。
これによると、容器50の回転角度θが同じであっても、試料52の粘性の違いによって分注量に差が生じてしまう可能性がある。その結果、回転角度θの時間的変化率、すなわち単位時間当たりの回転角度θの変化量を固定値とした場合、試料52によっては、分注量が目標値d*を上回るオーバーシュートまたは、分注量が目標量d*を下回るアンダーシュートが生じることになり、分注精度に影響を及ぼすことが懸念される。
そこで、実施の形態1では、試料52の粘性を表すパラメータ(以下、「粘性パラメータ」とも称する)を取得し、取得した粘性パラメータを分注量の制御に反映させる構成とする。具体的には、試料52となる物質および温度等から試料52の粘性パラメータが既知である場合には、制御装置30は、入力I/F306または通信I/F308(図2参照)を介して、既知の粘性パラメータを取得することができる。試料52の粘性パラメータは、例えば、試料52の粘度μ[Pa・s(パスカル秒)]で与えられる。
一方、試料52の粘性パラメータが未知である場合には、制御装置30は、ロボットアーム12を駆動することによって容器50を操作することにより、試料52の粘性パラメータを算出する。図5は、試料52の粘性パラメータを算出する方法を説明するための図である。
図5を参照して、制御装置30は、ロボットアーム12を駆動することによって、容器50を水平方向に一定周期で振動させる。水平方向とは、例えばX軸方向であり、力覚センサ20のB軸方向と一致している。なお、容器50の振動は周期的であれば、その方向は必ずしも水平方向に限定されない。
図5(A)には、容器50をB軸の負方向(図中矢印B1方向)に移動させた場合の容器50内の試料52の振る舞いが模式的に示される。図5(B)には、容器50をB軸の正方向(図中矢印B2方向)に移動させた場合の容器50内の試料52の振る舞いが模式的に示される。
図5(A)に示すように、容器50をB軸の負方向に所定の距離だけ移動させると、図中矢印C1に示すように、試料52が同方向に移動する。これにより、容器50には、重力F以外に、B軸方向に力Fbが作用する。力覚センサ20は、B軸方向の力Fbを検出する。一方、図5(B)に示すように、容器50をB軸の正方向に所定の距離だけ移動させると、図中矢印C2に示すように、試料52が同方向に移動する。容器50には、重力F以外に、B軸方向に力Fbが作用する。力覚センサ20は、B軸方向の力Fbを検出する。
このように容器50をB軸方向に振動(往復移動)させると、容器50内の試料52もB軸方向に振動する。そして、試料52の振動は、力覚センサ20により検出されるB軸方向の力Fbの振動となって現れる。このとき、ロボットアーム12による容器50の振動と、試料52の振動との間には、試料52の粘性に応じたずれが生じる。このずれは、試料52の粘性が高くなるに従って大きくなる。
制御装置30は、容器50の振動に対する、力覚センサ20により検出される力Fbの振動の追従性を検出することにより、試料52の粘性を推測する。具体的には、制御装置30は、容器50の振動周期を変化させながら、振動周期ごとに力Fbの振動を測定することにより、容器50の振動と力Fbの振動とが同期するときの容器50の振動周期を検出する。制御装置30は、検出した容器50の振動周期を、試料52の粘性パラメータとする。得られた粘性パラメータにおいては、粘性が高い試料52に対する容器50振動周期は、粘性が低い試料52に対する容器50の振動周期に比べて高くなる傾向が現れる。
あるいは、制御装置30は、所定の振動周期で容器50を振動させたときの力Fbの振動を測定し、力Fbの振動周期を算出する。制御装置30は、容器50の振動周期に対する力Fbの振動周期の偏差を検出する。制御装置30は、検出した振動周期の偏差を、試料52の粘性パラメータとする。得られた粘性パラメータにおいては、粘性が高い試料52に対する振動周期の偏差は、粘性が低い試料52に対する振動周期の偏差に比べて大きくなる傾向が現れる。
(4)分注量をフィードバック制御する工程(図3のS40)
本工程では、制御装置30は、工程S20で設定した目標値d*を用いて、試料52の分注量dをフィードバック制御する。具体的には、制御装置30は、分注量dの検出値と目標値d*との偏差に応じて、ロボットアーム12による容器50の回転角度θを操作することにより、分注量dをフィードバック制御するように構成される。
上記構成において、制御装置30は、所定の制御周期ごとに、力覚センサ20の検出値から容器50および試料52の合計質量の検出値を取得する。そして、制御装置30は、工程S10で算出された合計質量の初期値miから、取得した合計質量の検出値を減算することにより、分注量を算出する。
図6は、容器50および試料52の合計質量の検出値を取得する方法を説明するための図である。
図6に示すように、容器50は、Y軸周りに回転角度θ回転している。この状態で、容器50には、重力方向であるZ軸方向下方に重力Fが作用する。容器50および試料52の合計質量をm[t]とすると、重力Fは合計質量m[t]および重力加速度gの積(F=m[t]×g)で表される。
重力Fは、A軸方向の外力FaおよびB軸方向の外力Fbに分解される。力覚センサ20は、外力Fa,Fbを検出する。今回取得された力覚センサ20の検出値をFa[t],Fb[t]とすると、重力Fと外力Fa[t],Fb[t]との間には次式(2)の関係が成立する。
m[t]×g=(Fa[t]+Fb[t]1/2 ・・・(2)
この式(2)を変形した次式(3)を用いることにより、力覚センサ20の出力信号から今回の合計質量の検出値m[t]を求めることができる。
m[t]=1/g×(Fa[t]+Fb[t]1/2 ・・・(3)
今回の分注量の検出値をd[t]とすると、d[t]は、次式(4)に示すように、合計質量の初期値miから今回の合計質量の検出値m[t]を減算することにより取得することができる。
d[t]=mi-m[t] ・・・(4)
次に、制御装置30は、今回の分注量の検出値d[t]を目標値d*に一致させるように、ロボットアーム12を操作するための制御信号を生成する。図7は、制御装置30のうちの分注量の制御に関連する部分の構成例を示すブロック図である。
図7を参照して、制御装置30は、設定部322と、減算器324と、制御部326と、取得部328と、演算器330,332とを有する。設定部322は、入出力I/F306または通信I/F308に入力される信号あるいは、メモリ304に記憶されたメソッドファイルに基づいて、分注量の目標値d*を設定する。
取得部328は、入出力I/F306または通信I/F308に入力される信号に基づいて、試料52の粘性パラメータ(例えば、試料52の粘度)を取得する。試料52の粘性パラメータが未知である場合には、取得部328は、図5で説明した方法に従って、ロボットアーム12を駆動して容器50を振動させるとともに、容器50の振動に対する力覚センサ20の検出値の追従性に基づいて、試料52の粘性パラメータを算出する。
演算器332は、試料52の分注の開始前であって、容器50の回転角度θ=0degのときに、式(1)を用いることにより、力覚センサ20の検出値Faから容器50および試料52の合計質量の初期値miを算出する。演算器332は、また、分注中において、式(3)を用いることにより、力覚センサ20の検出値Fa[t],Fb[t]から今回の合計質量m[t]を検出する。
演算器330は、分注中に演算器332から今回の合計質量m[t]を受けると、式(4)を用いることにより、今回の分注量の検出値d[t]を算出する。
減算器324は、分注量の目標値d*と分注量の検出値d[t]との偏差(d*-d[t])を算出する。減算器324は、算出した偏差(d*-d[t])を制御部326へ出力する。
制御部326は、減算器324から出力される偏差(d*-d[t])に基づいて、検出値d[t]を目標値d*に追従させるための制御信号を生成し、生成した制御信号をロボット装置10へ出力する。
ここで、図7に示すフィードバック制御系において、ロボット装置10はアクチュエータに対応し、容器50および試料52は制御対象に対応し、分注量dは制御量に対応する。ロボット装置10(ロボットアーム12)が容器50をY軸周りに回転させることにより、分注量d(制御量)が制御される。
このフィードバック制御系において、制御部326は、制御対象である容器50に設けられた力覚センサ20の検出値から求められる分注量dが目標量d*と一致するように、制御量に変化を生じさせるための操作量として、容器50の回転角度θを決定する。ロボットアーム12は、決定された操作量に従って容器50の回転角度θを変化させる。
具体的には、制御部326は、PID制御部を有する。本願明細書において、PID制御部は、比例動作(Proportional Operation:P動作)を行なう比例要素、積分動作(Integral Operation:I動作)を行なう積分要素および、微分動作(Derivative Operation:D動作)を行なう微分要素のうち、少なくとも1つの要素を含む制御部を意味する。すなわち、本願明細書において、PID制御部は、比例要素、積分要素および微分要素のいずれをも含む制御部に加えて、一部の制御要素、例えば比例要素および積分要素のみを含む制御部(PI制御部)なども包括する概念である。
PID制御部は、偏差(d*-d[t])を入力として比例積分微分演算を行なうことにより、容器50の回転角度θ(操作量)を算出する。この比例積分微分演算において、PID制御部は、取得部328から与えられる試料52の粘性パラメータに応じて、比例要素、積分要素および微分要素の少なくとも1つを調整する。これにより、試料52の粘性パラメータに応じて、分注量のフィードバック制御の応答性を変化させることができる。
図8は、図7に示した分注量のフィードバック制御系のブロック線図である。図8に示すブロック線図において、G(s)は、PID制御部の伝達関数を示す。伝達関数G(s)は、比例要素の伝達関数K(Kは比例ゲイン)と、積分要素の伝達関数K(Kは積分ゲイン)と、微分要素の伝達関数K(Kは微分ゲイン)とを足し合わせたものとなる。なお、積分ゲインK=K/Ts(Tは積分時間)であり、微分ゲインK=Ks(Tは微分時間)である。H(s)は、力覚センサ20を含むフィードバック要素の伝達関数である。
図8に示すフィードバック制御系は、伝達関数G(s)における比例ゲインK、積分時間Tおよび微分時間Tなどのパラメータを変更することによって、フィードバック制御の応答速度(時定数)を変更することが可能に構成されている。本実施の形態では、試料52の粘性パラメータに応じて、PID制御部におけるこれらのパラメータを変更することによって、分注量dのオーバーシュートおよびアンダーシュートを抑え、分注量dを目標値d*へ正確かつ安定的に近づけることができる。
具体的には、階段状の目標量d*(ステップ入力)がフィードバック制御系に与えられた場合、伝達関数G(s)に入力される偏差E(s)の変化によって、伝達関数G(s)から出力される制御量C(s)(すなわち分注量d)が変化する。なお、制御量C(s)の変化は時間の経過とともに減少し、やがて安定した状態となる。伝達関数G(s)は、制御量C(s)が安定するまでの過渡応答の速度を、試料52の粘性パラメータに応じて変更するように構成される。
上記構成によると、制御部326は、例えば、試料52の粘性が高くなるに従って、分注量dが目標値d*にゆっくり近づくようにPID制御におけるパラメータを変更することができる。これによると、容器50内を試料52が移動する速度を、容器50を回転させる速度に追従させることができるため、分注量dを安定的に制御することが可能となる。反対に、試料52の粘性が低いときには、分注量dを安定的かつ速やかに目標値d*に近づけることができる。
なお、制御部326は、分注量dが目標量d*に到達すると、容器50をY軸周りに反対方向に回転させることによって、容器50を分注開始前の姿勢(図4参照)に戻すように構成される。これにより、1回の分注動作が終了する。
以上説明したように、実施の形態1に係る分注装置によれば、ロボット装置10に設けられた力覚センサ20の検出値を用いて分注量の検出値を取得し、取得した分注量の検出値に基づいて分注量を制御することにより、分注量を計測するための天秤の設置が不要となる。これによると、容器から分注された試料を受ける別の容器の配置の制約が少なくなるため、分注装置および周辺装置の配置の自由度を高めることができる。また、分注装置の使用態様のバリエーションを増やすことができるため、分析システムにおけるユーザの利便性を向上させることができる。
さらに、実施の形態1に係る分注装置によれば、容器内の試料の粘性パラメータに応じて分注量のフィードバック制御における応答性を変化させることにより、分注量のオーバーシュートおよびアンダーシュートを抑え、分注量を目標値へ正確かつ安定的に近づけることができる。この結果、試料の粘性に影響されず高い分注精度を実現することができる。
[実施の形態2]
上述した実施の形態1では、力検出部として、互いに直交する2軸の外力を検出可能な力覚センサ20を用いる構成について説明したが、単一の軸の外力を検出可能な力覚センサを用いる構成とすることも可能である。
実施の形態2では、A軸の外力のみを検出可能な力覚センサ22の検出値を用いた分注量の制御について説明する。なお、実施の形態2に係る分注装置100の構成は、力覚センサの構成を除いて、図1に示した分注装置100の構成と同じであるため説明を省略する。
(分注量の制御)
実施の形態2においても、図3に示したフローチャートに従って分注量の制御が行なわれる。ただし、力覚センサ22が1軸のセンサであるため、容器50および試料52の合計質量の初期値を算出する工程(図3のS10)および分注量をフィードバック制御する工程(図3のS40)において力覚センサ22の検出値の扱いが異なる。
(1)容器および試料の合計質量の初期値を算出する工程(図3のS10)
図9は、容器50および試料52の合計質量の初期値を算出する工程を説明するための図である。図9を参照して、容器50は、ロボットハンド14の一対の指部材142によって把持されており、回転角度θ=0degに設定されている。この状態からロボットアーム12によって容器50をY軸周り(図中矢印A1方向)に回転させることにより、容器50の回転角度θに応じた液量の試料52を容器50から分注することができる。
力覚センサ22は、ロボットハンド14に対してA軸方向(第1の方向)に作用する外力Faを検出する。図3で説明したように、力覚センサ22のA軸を、ロボット装置10の座標系におけるZ軸に一致させた場合には、回転角度θ=0degのときに、重力FとA軸方向の外力Faとは等しくなる(F=Fa)。
ここで、A軸方向の外力Faは重力Fのcos関数であるため、容器50の回転角度θを0degから増加させるに従って、A軸方向の外力Faの大きさが減少する。回転角度θが90deg近傍においては、A軸方向の外力Faは0近傍の値をとることになる。そのため、力覚センサ22に対しては、0近傍の変化を高精度に検出するための高い分解能が求められる。言い換えると、力覚センサ22の分解能が分注量の制御精度に影響を及ぼすことになる。
実施の形態2では、図9に示すように、分注開始前の初期状態において、力覚センサ22のA軸(第1の軸)を容器50の回転方向に対して反対方向(図中矢印A2方向)に所定角度だけ予め傾斜させておくこととする。図9の例では、力覚センサ22のA軸を、Z軸に対して角度(-φ)傾斜させている。所定角度φは、例えば30deg~60deg程度である。
このようにすると、容器50の回転角度θ=0degのときには、重力FとA軸方向の外力Faとの間にはFa=Fcosφが成立する。すなわち、Fa=mi×g×cosφとなる。したがって、合計質量の初期値miは次式(5)で与えられる。
mi=Fa/(g×cosφ) ・・・(5)
(4)分注量をフィードバック制御する工程(図3のS40)
本工程では、制御装置30は、所定の制御周期ごとに、力覚センサ22の検出値から容器50および試料52の合計質量の検出値を取得する。そして、制御装置30は、図3の工程S10で算出された合計質量の初期値miから、取得した合計質量の検出値を減算することにより、分注量を算出する。
図10は、容器50および試料52の合計質量の検出値を取得する方法を説明するための図である。
図10に示すように、容器50は、Y軸周りに回転角度θ回転している。この状態で、容器50には、重力方向であるZ軸方向下方に重力Fが作用する。容器50および試料52の合計質量をm[t]とすると、重力Fは合計質量m[t]および重力加速度gの積(F=m[t]×g)で表される。
重力Fは、A軸方向の外力Faに分解される。力覚センサ20は、外力Faを検出する。今回取得された力覚センサ20の検出値をFa[t]とすると、重力Fと外力Fa[t]との間には次式(6)の関係が成立する。
Fa[t]=F×cos(θ-φ) ・・・(6)
この式(6)を変形した次式(7)を用いることにより、力覚センサ20の出力信号から今回の合計質量の検出値m[t]を求めることができる。
m[t]=Fa[t]/{g×cos(θ-φ)} ・・・(7)
今回の分注量の検出値をd[t]とすると、d[t]は、次式(8)に示すように、合計質量の初期値miから今回の合計質量の検出値m[t]を減算することにより取得することができる。
d[t]=mi-m[t] ・・・(8)
制御装置30は、今回の分注量の検出値d[t]を目標値d*に一致させるように、ロボットアーム12を操作するための制御信号を生成する。
式(7)から明らかなように、容器50の回転角度θが90deg近傍においても、A軸方向の外力Faは0近傍よりも大きな値をとることになる。したがって、力覚センサ22の分解能が分注量の制御精度に影響を及ぼすことを回避することができる。その結果、実施の形態2に係る分注装置によれば、力覚センサが1軸のセンサであっても、上述した実施の形態1に係る分注装置と同様の効果を得ることができる。
[実施の形態に係る分注装置のその他の構成例]
(1)上述した実施の形態1,2においては、分注の開始前に試料52の粘性パラメータを予め取得しておき、取得された粘性パラメータに応じて、分注量をフィードバック制御するときの応答性を変化させる構成について説明した。しかしながら、試料52の粘性パラメータ以外に、試料52を収容する容器50の形状および容器50内の試料52の液量などに応じて、フィードバック制御の応答性を変化させる構成とすることも可能である。このような構成では、試料52の粘性パラメータに加えて、容器50の形状および試料52の液量を示すパラメータを予め取得しておき、これらのパラメータに応じて、PID制御部における比例ゲインK、積分時間Tおよび微分時間Tなどのパラメータを変更させることができる。
(2)上述した実施の形態1,2においては、試料52の粘性パラメータなどを予め取得しておき、取得した粘性パラメータを分注量のフィードバック制御における応答性に反映させる構成について説明したが、分注中において、容器50の回転角度θの変化に対する力覚センサ20の検出値の追従性を見ながら、フィードバック制御の応答性を変化させる構成としてもよい。
図11は、制御装置30のうちの分注量の制御に関連する部分の他の構成例を示すブロック図である。図11に示す制御装置30は、図7に示す制御装置30に対して演算器334を付加したものである。
演算器334は、所定の制御周期ごとに制御部326から操作量θを受け、かつ、演算器332から今回の合計質量m[t]を受けると、操作量θの時間的変化率dθ/dtおよび、合計質量m[t]の時間的変化率dm/dtを算出する。操作量θの時間的変化率dθ/dtは、前回の制御周期における操作量θに対する今回の制御周期における操作量θの変化量から求めることができる。合計質量m[t]の時間的変化率dm/dtは、前回の制御周期における合計質量mに対する今回の制御周期における合計質量mの変化量から求めることができる。
演算器334は、操作量θの時間的変化率dθ/dtと、合計質量m[t]の時間的変化率dm/dtとを比較し、dθ/dtに対するdm/dtの偏差を求める。
操作量θの時間的変化率dθ/dtに対する合計質量m[t]の時間的変化率dm/dtの偏差は、容器50の回転に対する容器50内の試料52の移動(すなわち、分注量)のずれを示す指標となる。例えば、試料52の粘性が高くなるに従って、偏差が大きくなる。
演算器334は、算出した偏差を制御部326へ出力する。制御部326は、演算器334から偏差を受けると、この偏差が小さくなるようにフィードバック制御の応答速度を調整する。これにより、操作量θの時間的変化率dθ/dtは、合計質量m[t]の時間的変化率dm/dtに近づくことになる。例えば、上述したように試料52の粘性が高いために偏差が大きくなる場合には、操作量θの時間的変化率dθ/dtが小さくなるようにフィードバック制御の応答性を変更することにより、容器50の回転に対して試料52の移動(分注量)を追従させることができる。
なお、図11の構成例において、dθ/dtに対するdm/dtの偏差には、試料52の粘性以外に、容器50の形状および容器50内の試料の液量などが反映されることになる。制御部326がこの偏差に応じてフィードバック制御の応答速度を変化させることにより、分注量を目標量へ正確かつ安定的に近づけることができる。
(3)上述した実施の形態1,2においては、分注中に、試料52の粘性パラメータに応じて容器50の回転速度(操作量θの時間的変化率dθ/dt)を変更する構成について説明したが、制御装置30はさらに、容器50を元の姿勢に戻すときの容器50の回転速度を試料52の粘性に応じて変化させる構成としてもよい。例えば、制御部326は、試料52の粘性が高くなるに従って、容器50を元の姿勢に戻すための容器50の回転速度を速くするように構成される。これによると、分注量dが目標値d*に達すると速やかに容器50を元の姿勢に戻すことによって、粘性の高い試料52が容器50の回転から遅れて移動することによる分注量dのオーバーシュートが生じることを抑制することができる。
(4)上述した実施の形態1,2では、ロボット装置を用いて試料が収容される容器を操作することにより分注量を制御する構成について説明したが、試料を受け入れる容器をロボット装置を用いて操作することにより分注量を制御する構成としてもよい。
[態様]
上述した複数の例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
(第1項)一態様に係る分注装置は、容器を回転させることにより容器内に収容された液体試料を分注するように構成されたロボット装置と、ロボット装置の回転に伴って変化し、ロボット装置に作用する外力を検出するための力検出部と、ロボット装置を制御する制御装置とを備える。制御装置は、力検出部の検出値を用いて液体試料の分注量を検出する。制御装置は、分注量の検出値が目標値に一致する方向に向かってロボット装置による容器の回転角度を制御する。
第1項に記載の分注装置によれば、ロボット装置に設けられた力検出部の検出値を用いて分注量の検出値を取得し、取得した分注量の検出値に基づいて分注量を制御することにより、分注量を計測するための天秤の設置が不要となる。これによると、容器から分注された試料を受ける別の容器の配置の制約が少なくなるため、分注装置および周辺装置の配置の自由度を高めることができる。また、分注装置の使用態様のバリエーションを増やすことができるため、分析システムにおけるユーザの利便性を向上させることができる。
(第2項)第1項に記載の分注装置において、制御装置は、所定周期ごとに力検出部の検出値を用いて分注量を検出する。制御装置は、目標値に対する分注量の検出値の偏差に基づいて容器の回転角度を設定することにより分注量をフィードバック制御する。
第2項に記載の分注装置によれば、分注量を計測する天秤を用いることなく分注量をフィードバック制御を実行して、分注量を目標量に一致させることができる。
(第3項)第2項に記載の分注装置において、制御装置は、液体試料の粘性パラメータを取得し、取得した粘性パラメータに応じて分注量のフィードバック制御の応答性を変化させる。
第3項に記載の分注装置によれば、容器内の液体試料の粘性パラメータに応じて分注量のフィードバック制御における応答性を変化させることにより、分注量のオーバーシュートおよびアンダーシュートを抑え、分注量を目標値へ正確かつ安定的に近づけることができる。よって、液体試料の粘性に影響されず高い分注精度を実現することができる。
(第4項)第3項に記載の分注装置において、制御装置は、分注の開始前に、ロボット装置を駆動して容器を振動させるとともに、容器の振動に対する力検出部の検出値の振動の追従性に基づいて粘性パラメータを取得する。
第4項に記載の分注装置によれば、ロボット装置および力検出部を利用して液体試料の粘性パラメータを取得することができる。
(第5項)第3項または第4項に記載の分注装置において、制御装置は、目標値に対する分注量の検出値の偏差を入力として比例積分微分演算を行なうことにより、容器の回転角度を設定するように構成された制御部を含む。制御部は、取得した粘性パラメータに応じて、比例積分微分演算に用いるゲインを変化させる。
第5項に記載の分注装置によれば、液体試料の粘性パラメータに応じて分注量のフィードバック制御における応答性を変化させることにより、分注量のオーバーシュートおよびアンダーシュートを抑え、分注量を目標値へ正確かつ安定的に近づけることができる。
(第6項)第3項から第5項に記載の分注装置において、制御装置は、液体試料の粘性が高いときには、液体試料の粘性が低いときに比べて、分注量のフィードバック制御の応答性を低下させる。
第6項に記載の分注装置によれば、液体試料の粘性に影響されず高い分注精度を実現することができる。
(第7項)第2項に記載の分注装置において、制御装置は、分注中、ロボット装置による容器の回転角度の時間的変化率に対する力検出部の検出値の時間的変化率の偏差に応じて、分注量のフィードバック制御の応答性を変化させる。
第7項に記載の分注装置によれば、分注中に、容器の回転角度の変化に対する力検出部の検出値の追従性を見ながら、フィードバック制御の応答性を変化させることにより、分注量のオーバーシュートおよびアンダーシュートを抑え、分注量を目標値へ正確かつ安定的に近づけることができる。
(第8項)第7項に記載の分注装置において、制御装置は、目標値に対する分注量の検出値の偏差を入力として比例積分微分演算を行なうことにより、容器の回転角度を設定するように構成された制御部を含む。制御部は、容器の回転角度の時間的変化率に対する力検出部の検出値の時間的変化率の偏差に応じて、比例積分微分演算に用いるゲインを変化させる。
第8項に記載の分注装置によれば、分注中に、容器の回転角度の変化に対する力検出部の検出値の追従性に応じて分注量のフィードバック制御における応答性を変化させることにより、分注量のオーバーシュートおよびアンダーシュートを抑え、分注量を目標値へ正確かつ安定的に近づけることができる。
(第9項)第7項または第8項に記載の分注装置において、制御装置は、容器の回転角度の時間的変化率に対する力検出部の検出値の時間的変化率の偏差が大きいときには、当該偏差が小さいときに比べて、分注量のフィードバック制御の応答性を低下させる。
第9項に記載の分注装置によれば、容器の回転角度の変化に対する力検出部の検出値の追従性に影響されず高い分注精度を実現することができる。
(第10項)第1項から第9項に記載の分注装置において、力検出部は、容器の回転方向に対して水平であり、かつ互いに直交する第1の方向および第2の方向に作用する外力を検出するように構成された力覚センサを含む。制御装置は、力覚センサの検出値を用いて分注量を検出する。
第10項に記載の分注装置によれば、ロボット装置に設けられた力覚センサの検出値を用いて分注量を制御することにより、分注量を計測するための天秤の設置が不要となる。
(第11項)第1項から第9項に記載の分注装置において、力検出部は、容器の回転方向に対して水平である第1の方向に作用する外力を検出するように構成された力覚センサを含む。制御装置は、容器の回転角度が0degであるときに第1の方向を容器の重力方向に対して容器の回転方向と反対の方向に所定角度だけ傾斜させるとともに、容器を回転させたときの力覚センサの検出値を用いて分注量を検出する。
第11項に記載の分注装置によれば、ロボット装置に設けられた1軸の力覚センサを分注前に予め傾斜させておくことにより、力覚センサの検出値を用いて分注量を制御することができる。これにより、分注量を計測するための天秤の設置が不要となる。
なお、上述した実施の形態および変更例について、明細書内で言及されていない組み合わせを含めて、不都合または矛盾が生じない範囲内で、実施の形態で説明された構成を適宜組み合わせることは出願当初から予定されている。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 ロボット装置、12 ロボットアーム、14 ロボットハンド、20,22 力覚センサ、30 制御装置、50 容器、52 液体試料、100 分注装置、110 基台、111~116 リンク、142 一対の指部材、302 プロセッサ、304 メモリ、306 入力I/F、308 通信I/F、310 表示部、312 入力部、322 設定部、324 減算器、326 制御部、328 取得部、330,332,334 演算器。

Claims (8)

  1. 容器を回転させることにより前記容器内に収容された液体試料を分注するように構成されたロボット装置と、
    前記ロボット装置の回転に伴って変化し、前記ロボット装置に作用する外力を検出するための力検出部と、
    前記ロボット装置を制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置は、前記力検出部の検出値を用いて前記液体試料の分注量を検出し、かつ、前記分注量の検出値が目標値に一致する方向に向かって前記ロボット装置による前記容器の回転角度を制御するように構成され、
    前記制御装置は、
    所定周期ごとに前記力検出部の検出値を用いて前記分注量を検出し、かつ、前記目標値に対する前記分注量の検出値の偏差に基づいて前記容器の回転角度を設定することにより前記分注量をフィードバック制御し、
    前記液体試料の粘性パラメータを取得し、取得した前記粘性パラメータに応じて前記分注量のフィードバック制御の応答性を変化させ、
    前記液体試料の粘性が高いときには、前記液体試料の粘性が低いときに比べて、前記分注量のフィードバック制御の応答性を低下させる、分注装置。
  2. 容器を回転させることにより前記容器内に収容された液体試料を分注するように構成されたロボット装置と、
    前記ロボット装置の回転に伴って変化し、前記ロボット装置に作用する外力を検出するための力検出部と、
    前記ロボット装置を制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置は、前記力検出部の検出値を用いて前記液体試料の分注量を検出し、かつ、前記分注量の検出値が目標値に一致する方向に向かって前記ロボット装置による前記容器の回転角度を制御するように構成され、
    前記制御装置は、
    所定周期ごとに前記力検出部の検出値を用いて前記分注量を検出し、かつ、前記目標値に対する前記分注量の検出値の偏差に基づいて前記容器の回転角度を設定することにより前記分注量をフィードバック制御し、
    前記液体試料の粘性パラメータを取得し、取得した前記粘性パラメータに応じて前記分注量のフィードバック制御の応答性を変化させ、
    前記制御装置は、前記目標値に対する前記分注量の検出値の偏差を入力として比例積分微分演算を行なうことにより、前記容器の回転角度を設定するように構成された制御部を含み、
    前記制御部は、取得した前記粘性パラメータに応じて、前記比例積分微分演算に用いるゲインを変化させる、分注装置。
  3. 前記制御装置は、分注の開始前に、前記ロボット装置を駆動して前記容器を振動させるとともに、前記容器の振動に対する前記力検出部の検出値の振動の追従性に基づいて前記粘性パラメータを取得する、請求項1または2に記載の分注装置。
  4. 容器を回転させることにより前記容器内に収容された液体試料を分注するように構成されたロボット装置と、
    前記ロボット装置の回転に伴って変化し、前記ロボット装置に作用する外力を検出するための力検出部と、
    前記ロボット装置を制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置は、前記力検出部の検出値を用いて前記液体試料の分注量を検出し、かつ、前記分注量の検出値が目標値に一致する方向に向かって前記ロボット装置による前記容器の回転角度を制御するように構成され、
    前記制御装置は、
    所定周期ごとに前記力検出部の検出値を用いて前記分注量を検出し、かつ、前記目標値に対する前記分注量の検出値の偏差に基づいて前記容器の回転角度を設定することにより前記分注量をフィードバック制御し、
    分注中、前記ロボット装置による前記容器の回転角度の時間的変化率に対する前記力検出部の検出値の時間的変化率の偏差に応じて、前記分注量のフィードバック制御の応答性を変化させる、分注装置。
  5. 前記制御装置は、前記目標値に対する前記分注量の検出値の偏差を入力として比例積分微分演算を行なうことにより、前記容器の回転角度を設定するように構成された制御部を含み、
    前記制御部は、前記容器の回転角度の時間的変化率に対する前記力検出部の検出値の時間的変化率の偏差に応じて、前記比例積分微分演算に用いるゲインを変化させる、請求項に記載の分注装置。
  6. 前記制御装置は、前記容器の回転角度の時間的変化率に対する前記力検出部の検出値の時間的変化率の偏差が大きいときには、当該偏差が小さいときに比べて、前記分注量のフィードバック制御の応答性を低下させる、請求項4または5に記載の分注装置。
  7. 前記力検出部は、前記容器の回転方向に対して水平であり、かつ互いに直交する第1の方向および第2の方向に作用する外力を検出するように構成された力覚センサを含み、
    前記制御装置は、前記力覚センサの検出値を用いて前記分注量を検出する、請求項1からのいずれか1項に記載の分注装置。
  8. 容器を回転させることにより前記容器内に収容された液体試料を分注するように構成されたロボット装置と、
    前記ロボット装置の回転に伴って変化し、前記ロボット装置に作用する外力を検出するための力検出部と、
    前記ロボット装置を制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置は、前記力検出部の検出値を用いて前記液体試料の分注量を検出し、かつ、前記分注量の検出値が目標値に一致する方向に向かって前記ロボット装置による前記容器の回転角度を制御するように構成され、
    前記力検出部は、前記容器の回転方向に対して水平である第1の方向に作用する外力を検出するように構成された力覚センサを含み、
    前記制御装置は、前記容器の回転角度が0degであるときに前記第1の方向を前記容器の重力方向に対して前記容器の回転方向と反対の方向に所定角度だけ傾斜させるとともに、前記容器を回転させたときの前記力覚センサの検出値を用いて前記分注量を検出する、分注装置。
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