JP5316395B2 - ロボットのばね定数同定方法およびロボットのばね定数同定装置 - Google Patents

ロボットのばね定数同定方法およびロボットのばね定数同定装置 Download PDF

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Description

本発明は、ロボットアームの回転関節軸のばね定数を同定する方法およびその装置に関する。
例えば、垂直多関節型ロボットにおいて、そのロボットアームは複数の回転関節軸により複数のアームを連結して構成され、各アームは回転関節軸の回転によって水平方向或は垂直方向に旋回したり、捻り回転したりして所用の動作を行う。
ロボットアームの各回転関節軸はサーボモータにより歯車減速装置を介して回転駆動されるが、回転トルクを受けて捻れ方向の撓みを生じたり、アームやワークの質量を受けて曲げ方向の撓みを生じたりする。このため、各回転関節軸のばね定数を正確に把握して、各回転関節軸がどの程度捩れたり曲がったりするのかを精度良く演算できないと、ロボットアームの先端を教示された位置・姿勢に正しく制御することが困難となる。
回転関節軸のばね定数を求めるために採用されていた従来方法の一つに、ロボットアームの先端に、質量の異なる2個の重りを交互に取り付け、重り毎に、各回転関節軸に連結されたアームの垂直方向の撓み量をレーザ変位計などの外部計測装置により計測し、2つの重りの質量の差と、各アームの撓み量の差とから、各回転関節軸のばね定数を割り出す、というものがある。
特許文献1は、ロボットではないが、構造物をばね・質点系にモデル化し、ばね・質点系の一端を加振した場合の加振力と、任意の点での加振力に対する応答を測定し、この加振力と応答とからばね定数と質点の質量を同定する方法を開示している。
特開平5−209805
ロボットアームの回転関節軸は、両端部が軸受で支持された両端支持型の他、一端側のみが軸受で支持された片持ち型のものも多く存在する。回転関節軸の回転中心軸線と同一の軸線をz軸、このz軸に直交する2軸線であって互いに直交する2軸線をx軸およびy軸とした場合、両端支持型の回転関節軸であっても、片持ち型の回転関節軸であっても、z軸を中心とする回転方向(捩り方向)の撓みを生ずることは勿論、xyの各軸を中心とする回転方向(曲げ方向)にも撓みを生ずるので、zxyの各軸を中心とする回転方向の撓みについてのばね定数(以下、単にz軸、x軸、y軸まわりのばね定数という。)を考慮する必要がある。
しかしながら、上記従来の方法、つまり、ロボットアームの先端に2つの重りを取り付けたときの各アームの垂直方向の撓み量を計測し、2つの重りの質量差と各アームの上下方向の撓み量差とからばね定数を同定する方法では、計測した撓み量に対し、z軸まわりのばね定数、x軸まわりのばね定数およびy軸まわりのばね定数がそれぞれどの程度関与しているか分からない。このため、zxyの各軸まわりのばね定数の関与の程度については、作業者が経験と勘によって推定するしかなく、結局、zxyの各軸まわりのばね定数を真のばね定数に近い値として精度良く同定することが困難となる。
そして、各回転関節軸のzxyの各軸まわりのばね定数を高精度に同定し得ないことは、サーボモータにより各回転関節軸を正しく回転させても、予測できない回転関節軸の撓みにより、予め教示された位置・姿勢に高精度に制御できなくなることを意味する。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的は、多関節のロボットアームの各回転関節軸について、z軸まわりのばね定数だけでなく、x軸まわりのばね定数、y軸まわりのばね定数をも高精度に同定することができるロボットのばね定数同定方法およびロボットのばね定数同定装置を提供することにある。
本発明では、ロボットアームの先端または先端近くに定められた測定点の位置および姿勢のうちの少なくとも位置を、計測手段により計測すると共に、各回転関節軸のzxyの各軸まわりのばね定数の予測値を用いて計算により求め、計測値と計算値の差は、各回転関節軸のzxyの各軸まわりのばね定数の真の値と、予測値として人為的に定めた値との差によるものとして、両者の差が所定の閾値以下となるようにばね定数の予測値を数学的手法により修正してゆくので、各回転関節軸の回転中心軸線(z軸)まわりのばね定数ばかりでなく、回転中心と直交する2軸(xy軸)まわりのばね定数をも求めることができ、しかも、最終的に求められた各ばね定数は、ある程度の正確さをもって真のばね定数に近い値となる。
本発明の第1の実施形態を示すもので、回転関節軸のばね定数を同定するためのシステム構成をモデル的に示す図 垂直多関節型ロボットの斜視図 ロボットアームの先端近くの測定点を示す斜視図 フローチャート 捻り回転を行うアームの回転関節軸を示すもので、(a)は回転関節軸の支持構成とサーボモータのトルク伝達構成をモデル的に示す断面図、(b)は回転関節軸の3方向の撓みの中心軸を示す斜視図 旋回を行うアームの回転関節軸を示すもので、(a)は回転関節軸の支持構成とサーボモータのトルク伝達構成をモデル的に示す断面図、(b)は回転関節軸の3方向の撓みの中心軸を示す斜視図 回転関節軸の撓みを示すもので、(a)はx軸を中心とする回転方向の撓みを示す断面図、(b)はy軸を中心とする回転方向の撓みを示す断面図、(c)はz軸を中心とする回転方向の撓み(捩れ)を示す斜視図
以下、本発明を複数の実施形態により説明する。各実施形態は例えば6軸の垂直多関節型ロボットについてのものである。
[第1の実施形態]
図面は本発明の第1の実施形態を示す。図2には、6軸の垂直多関節型ロボット1が示されている。このロボット1のロボットアーム2は、ベース3と、このベース3に第1軸Lc−1を中心に水平方向に旋回可能に支持されたショルダ部4と、このショルダ部4に第2軸Lc−2を中心に上下方向に旋回可能に支持された下アーム5と、この下アーム5に第3軸Lc−3を中心に上下方向に旋回可能に支持された第1の上アーム6と、この第1の上アーム6の先端部に第4軸Lc−4を中心に捻り回転可能に支持された第2の上アーム7と、この第2の上アーム7に第5軸Lc−5を中心に上下方向に旋回可能に支持された手首8と、この手首8に第6軸Lc−6を中心に捻り回転可能に支持されたフランジ9とから構成されている。
ベース3、ショルダ部4、下アーム5、第1の上アーム6、第2の上アーム7、手首8、フランジ9は、ロボットアーム2におけるアームとして機能し、ベース3を除く各アーム4〜9は、図5および図6に示すように、前段のアームに軸受10を介して回転可能に支持された回転関節軸11に固定連結されている。なお、各回転関節軸11は、上記第1軸Lc−1〜第6軸Lc−6に相当するものである。
また、各回転関節軸11は、それぞれ駆動源であるサーボモータ12により減速装置、例えば歯車減速装置13を介して回転駆動され、各アーム4〜9は、回転関節軸11の回転に伴って旋回動作或は捻り動作を行うようになっている。図5および図6では、回転関節軸を示すに同じ符号11を用いているが、各アーム4〜9の回転関節軸11はそれぞれ径や長さの異なるものが用いられ、また、サーボモータ12も、駆動するアームに応じた容量のものが各回転関節軸11に一対一の関係で設けられているものである。
ロボット1は、動作プログラムに従ってサーボモータ12を制御することによってロボットアーム2を制御する制御部(以下、ロボット制御部という。)14を備えている。このロボット制御部14には、図1に示すように、回転関節軸11の回転角度を検出する関節角度検出器(軸角度検出手段)15と記憶部16が接続されている。関節角度検出器15は、サーボモータ12の回転軸(図示せず)に連結された回転検出手段としてのロータリエンコーダ(図示せず)をセンサとし、このロータリエンコーダの回転角検出情報に基づいて回転関節軸11の回転角0度の基準位置からの回転角度を検出する。つまり、関節角度検出器15は、回転関節軸11の実際の回転角を検出するものではなく、ロボット制御部14の回転指令によってサーボモータ12の回転軸が回転したとき、そのサーボモータ12の回転軸の回転角を検出し、検出した角度を歯車減速装置13の減速比で除することにより、回転関節軸11の回転角度に換算してロボット制御部14に出力するものである。
上記記憶部16には、ロボット制御用の各種ソフトウエアなどが予め記憶されており、また、実際のロボット作業に際しては、ティーチングされた動作プログラムなどが記憶される。更に、この記憶部16には、後述する各種のパラメータが記憶されている。
ベース3および各アーム4〜9には、3次元の座標が規定されている。このうち、床面に据え付けられるベース3の座標系は、不動の座標系としてロボット座標(基準座標)とされるものである。各アーム4〜9の座標系は、各アーム4〜9の基端部(回転関節軸11の回転中心軸線上の所定位置)に規定されており、各アーム4〜9の回転によりロボット座標上での姿勢(向き)、或は位置と姿勢が変化する。図1には、ベース3および各アーム4〜9の座標のうち、ロボット座標がZr,Xr,Yrの座標軸で示され、フランジ9の座標(以下、フランジ座標という。)が、Zf,Xf,Yfの座標軸で示されている。
記憶部16には、ロボット座標上におけるショルダ部4の座標位置、ショルダ部4の座標上における下アーム5の座標位置、下アーム5の座標上における第1の上アーム6の座標位置、第1の上アーム6の座標上における第2の上アーム7の座標位置、第2の上アーム7の座標上における手首8の座標位置、手首8の座標上におけるフランジ9の座標位置、および各アーム6〜9の長さを表す数値がパラメータとして記憶されている。
そして、ロボット制御部14は、各アーム4〜9の座標の位置と姿勢とを、各アーム6〜9の回転位置と各アーム4〜9の座標の相互位置関係から、座標変換の計算機能によりロボット座標上での位置と姿勢とに変換して認識することができるようになっている。なお、各アーム4〜9の姿勢は、各アーム4〜9の座標をロボット座標まで平行移動したとき、各アーム4〜9の座標軸上の単位ベクトルの先端がロボット座標上でどの位置にあるかによって表される。
さて、図1にはロボットアーム2の各回転関節軸11のばね定数を同定するためのシステム構成がモデル化して示されている。同定対象となるばね定数は、次のようなものである。つまり、図5(b)、図6(b)および図7に示すように、撓みのない状態での各回転関節軸11の回転中心軸線Lcと同一の軸線をz軸、このz軸に直交する2軸線であって互いに直交する2軸線をx軸およびy軸とする3次元座標を想定し、z軸まわりのばね定数をKz、x軸まわりのばね定数をKxおよびy軸まわりのばね定数をKyとしている。これら各回転関節軸11の各ばね定数Kz,Kx,Kyのうち、同定すべきばね定数としては、全てを対象とすることもでき、所望のものを選択することもできる。なお、ばね定数の3次元座標は各アーム4〜9の固有座標と同一であっても良いし、異なるものであっても良い。
ここで、z軸まわりのばね定数Kzとは、図7(c)に示す回転関節軸11単独の撓み(捩れ)だけでなく、サーボモータ12の回転軸から歯車減速装置13を経て回転関節軸11までのアーム4〜9へのトルク伝達経路を含んだ撓み(捩れ)についてのものとされる。また、x軸およびy軸を中心とする回転方向の撓みは、図7(a)および(b)に示すように、軸受10において生ずるものがほとんどで、回転関節軸11の曲げはほとんど生じないことから、x軸まわりのばね定数Kxおよびy軸まわりのばね定数Kyについては、回転関節軸11を剛体として扱うこととする。
図1において、床面に据え付けられたロボットアーム2はスケルトンにて示されている。また、床面上には、ロボットアーム2に相対するようにして、3次元の座標測定装置(計測手段)17が設置されている。そして、ロボット制御部14および座標測定装置17の制御部(以下、測定制御部という。)18の双方がばね定数同定装置19に接続されている。このばね定数同定装置19は、パソコンからなり、CPUを主体とする制御部、ばね定数同定のためのソフトウエアなどを記憶した記憶部、キーボードやマウスなどの入力部、液晶ディスプレイなどの出力部を備えている。
上記座標測定装置17は、ロボットアーム2の先端または先端近くに定められた測定点の位置および姿勢を測定するためのものである。この実施形態では、フランジ9の手首8側を基端、手首8とは反対側を先端としたとき、図3に示すように、フランジ9の先端面(ロボットアーム2の先端)に、ばね定数の同定のために使用する重り20が接着などによって固定されている。そして、この重り20の先端面の重心位置が測定点tとして定められている。従って、測定点tは、この実施形態においては、ロボットアーム2の先端近くに定められていることとなる。なお、重り20は、ねじによりフランジ9に取り付けるようにしても良い。
上記測定点tには、当該測定点tを原点とする測定点座標が規定されている。この測定点座標は、重り20の先端面に直交する軸線をZt座標軸、このZt座標軸に直交する2軸線であって重り20の先端面上に存在する2軸線をXt座標軸およびYt座標軸とした3次元座標によって構成されている。そして、Xt,Yt,Ztの各座標軸上の単位ベクトルがそれぞれアプローチベクトルA、ノーマルベクトルNおよびオリエントベクトルOとして定義されている。
図3には、Zf,Xf,Yfで表されたフランジ9座標も示されている。この場合、重り20の先端面をフランジ9の先端面と平行、先端面の測定点tをフランジ9の先端面に垂直のZf座標軸と一致させることにより、フランジ座標についての測定点座標の位置・姿勢は既知となっている。つまり、測定点tはフランジ座標の原点から重り20の厚さだけ離れ、測定点座標のZt座標軸はフランジ座標のZf座標軸に重なり、測定点座標のXt,Ytの各座標軸はフランジ座標のXf,Yfの各座標軸と平行になっている。
重り20の先端面には、3個の発光ダイオード21〜23が接着などによって固定されている。この3個の発光ダイオード21〜23は発光色が互いに異なり、その固定位置は、例えば測定点tを重心とし且つ1つの頂点が例えばYt座標軸上に位置する正三角形を描いたとき、その正三角形の頂点となる位置に定められている。
前記座標測定装置17は、例えば3台のCCDカメラを備えた3次元計測器(例えば、株式会社東洋テクニカ;ロボットキャリブレーションROCALシステム)からなるもので、3台のカメラで3個の発光ダイオード21〜23を撮影することにより、測定制御部18が撮影画像を解析して測定点の位置と姿勢を計測する。この測定制御部18により解析される測定点tの位置・姿勢は、図1においてXm,Ym,Zmの3次元座標で示す座標測定装置17の座標(以下、計測座標という。)における位置・姿勢で示される。なお、座標測定装置17はレーザトラッカなどであっても良い。上記3個の発光ダイオード21〜23の発光色を異ならせる理由はそれぞれを座標測定装置17に個別に認識させるためであるが、そのためには、3個の発光ダイオード21〜23の色を同一にして発光のタイミングを互いに異ならせるようにしても良い。
さて、本発明のばね定数の同定方法の基本的な考え方は次のようなものである。つまり、ロボット制御部14からの回転指令より各サーボモータ12が回転してロボットアーム2を動作させたとき、ロボット制御部14から各回転関節軸11の回転角がばね定数同定装置19に与えると共に、測定制御部18から測定点tの位置・姿勢についての計測情報がばね定数同定装置19に与えられる。ばね定数同定装置19は、ロボット制御部14から与えられた各回転関節軸11の回転角と、各回転関節軸11のzxyの各軸まわりに作用するトルクと、各回転関節軸11のばね定数Kx,Ky,Kzの予測値Kz0,Kx0,Ky0を用いて測定点tの位置・姿勢を計算する。
そして、各アーム3〜9は構造上ほとんど撓みを生じないことから剛体として扱うことができるので、計測した測定点tの位置・姿勢と、計算により求めた測定点tの位置・姿勢との間に差が生じた場合、その差は、各回転関節軸11のばね定数Kx,Ky,Kzの予測値Kz0,Kx0,Ky0と、各回転関節軸11のばね定数Kx,Ky,Kzの真の値との差によって生じたものと考えられる。従って、計測した測定点tの位置・姿勢と、計算により求めた測定点tの位置・姿勢との間に差がなくなるように、予測値Kz0,Kx0,Ky0を変化させてゆくことによってばね定数Kx,Ky,Kzの真の値、或はそれに近い値に同定することができるものである。なお、当初の予測値Kz0,Kx0,Ky0は、例えばロボット1の記憶部16に予め記憶されている。
このような考え方を基にして各回転関節軸11のばね定数Kx,Ky,Kzを同定する同定方法について、図4のフローチャートをも参照して説明する。まず、ばね定数を同定するには、その基となる情報を取得するためのロボットアーム2の動作位置(姿勢を含む)を複数決定する(図4のステップS1)。この場合、ロボットアーム2の動作領域の全体を網羅するように動作位置を定めると共に、各動作位置を取らせる場合に全ての回転関節軸11が回転するようにして、各回転関節軸11が複数の動作位置間で同じ回転角とならないようにすることが好ましい。
次に、ロボットアーム2を決定した複数の動作位置に順次移動させる(ステップS2)。このとき、各動作位置に移動させる毎に、座標測定装置17によりロボットアーム2の測定点tの位置と姿勢を計測する。そして、計測結果である位置・姿勢計測情報を測定制御部18からばね定数同定装置19に送る共に、各回転関節軸11を駆動するサーボモータ12の回転数から検出された各回転関節軸11の回転角情報をロボット制御部14からばね定数同定装置19に送る。このばね定数同定装置19に送られた位置・姿勢計測情報と各回転関節軸11の回転角情報は、当該ばね定数同定装置19のRAMなどの記憶部(図示せず)に記憶される(以上、ステップS2〜5で「NO」の繰り返し;情報取得手段)。
ロボットアーム2を複数の動作位置の全てに移動させ終えると(ステップS5で「YES」)、ばね定数同定装置19は、位置・姿勢計測情報から測定点tの位置・姿勢を表すベクトルの同次変換行列Tmea(請求項でいうTm)を求める。勿論、この計測情報から求めた測定点tの位置・姿勢の同次変換行列Tmeaは、計測座標(所定の固定座標)についてのものである。
また、ばね定数同定装置19は、各回転関節軸11の回転角情報を用いて測定点tの位置・姿勢を計算によって求める(測定点計算手段)。ここで、図1において、meabaserobbaseは計測座標についてのロボット座標の位置・姿勢を示す同次変換行列、robbaseflangeはロボット座標についてのフランジ座標の位置・姿勢を示す同次変換行列、flangetoolはフランジ座標についての測定点tの位置・姿勢を示す同次変換行列である。
従って、計測座標についての測定点tの位置・座標を示す同次変換行列Trob(請求項でいうTc)は、
meabaserobbaserobbaseflangeflangetoolの積によって求めることができる。このうち、前述したようにflangetoolは既知、計測座標とロボット座標との関係は測定可能であるからmeabaserobbaseも既知である。そして、
robbaseflangeは、各回転関節軸11の回転角情報や各回転関節軸11に作用するトルクを用いて計算することができる。
さて、ロボット座標についてのフランジ9の位置姿勢を示す同次変換行列
robbaseflangeは、次の(1)式に示されているように、回転関節軸11(第1軸〜第6軸)間の同次変換行列の積で表現される。
Figure 0005316395
なお、(1)式において、0はベース(ロボット座標)、1〜6は第1軸〜第6軸を示す。
(1)式における軸間の同次変換行列は、次の(2)式に示すように、パラメータθ,a,b,d,α,βで表される行列の積で表現される。なお、iは第1軸〜第6軸を示す1〜6までの整数であり、パラメータθ,a,b,d,α,βの各軸Lc−1〜Lc−6(各回転関節軸11)の値はパラメータ表に示されている。
Figure 0005316395
上記パラメータの定義は、aiはi軸(iアーム)の座標とi+1軸(i+1アーム)座標のX座標軸方向のオフセット、biはY座標軸方向のオフセット、diはZ座標軸方向のオフセットである。また、θiはZ座標軸まわりの回転角、αiはX座標軸まわりの回転角、βiはY座標軸まわりの回転角である。
ところで、ZXYの各座標軸まわりの実際の回転角は、サーボモータ12による回転各に、回転関節軸11の撓みによる回転角を加えたものとなる。各回転関節軸11のzxyの各軸まわりの撓みによる回転角(撓み角;rad)szi,sxi,syiは、各回転関節軸11のz軸まわり、x軸まわり、y軸まわりに作用するトルク(Nm)をtzi,txi,tyi、記憶部16にパラメータとして記憶された各回転関節軸11のzxyの各軸まわりのばね定数(Nm/rad)の予測値をKz0i,Kx0i,Ky0iとすると、
zi=tzi/Kz0i … (7)
xi=txi/Kx0i … (8)
yi=tyi/Ky0i … (9)
で表される。
上記トルクtzi,txi,tyiは、関節角度検出器15によって検出された各回転関節軸11の回転角情報から得られる回転角、各アーム4〜9の質量、各アーム4〜9の重心位置、各アーム4〜9のイナーシャ、重り20の質量および重心位置により、ニュートンオイラー法によって計算する。なお、ニュートンオイラー法は、角速度、角加速度に関する情報を必要とするが、ロボットアーム2は停止しているので、角速度、角加速度に関する情報はなくて良い。
そして、ばね定数の予測値の逆数をkz0i,kx0i,ky0iとおくと、各回転関節軸11のzxyの各軸まわりの回転角は、ばね定数の予測値の逆数kz0i,kx0i,ky0iを用いて次のように表される。
zi=tzi・kz0i … (10)
xi=txi・kx0i … (11)
yi=tyi・ky0i … (12)
従って、実際のzxyの各座標軸まわりの回転角は、
θi=θi+tzi・kz0i … (13)
αi=αi+txi・kx0i … (14)
βi=βi+tyi・ky0i … (15)
と表すことができるので、この撓み角を考慮した回転角を前記(3),(5),(6)式に代入し、前記(2)式によって軸間の同次変換行列を求めるものである。そして、求めた各軸間の同次変換行列の積によって(1)式のロボット座標についてのフランジ9の位置・姿勢を示す同次変換行列robbaseflangeを求めることができる。
計算により同次変換行列robbaseflangeを求めた後、前述したように次の(16)式によって計測座標についての測定点tの位置・姿勢を示す同次変換行列Trobを求める(ステップS6:同次変換行列計算手段)。
robmeabaserobbaserobbaseflangeflangetool…(16)
以上のようにしてTrobを計算によって求めると、次に、ばね定数同定装置19は、ロボットアーム2の動作位置毎に、計測によって求められた測定点tの同時変換行列Tmeaと計算によって求めた測定点tの同次変換行列Trobとの差を示す誤差行列ΔTを求め(ステップS7:誤差行列計算手段)、次いで、各動作位置における上記誤差行列ΔTの総和(誤差和)ΔTall(請求項でいう誤差和行列ΔRに相当)を次の(17)式によって求める(誤差和行列計算手段)。
Figure 0005316395
なお、(17)式のhは、動作位置の数を示す。
続いて、ばね定数同定装置19は、この誤差和ΔTallが所定の閾値ε以下であるか否かを判断し(ステップS8:判断手段)、閾値ε以下のときには、ばね定数の予測値Kz0i,Kx0i,Ky0iをばね定数として同定し(同定手段)、この同定したばね定数が予め予測された適切な値以内かどうかを判断する。そして、適切な値以内であれば、同定したばね定数を記憶部16に保存し(ステップS9で「YES」、ステップS10)、ばね定数の同定を終了する。
同定したばね定数が適切な値以内でなければ(ステップS9で「NO」)、前述のステップS1から同定作業をやり直すこととなる。
一方、前記誤差和ΔTallが閾値εを越えている場合(ステップS8で「NO」)、ばね定数同定装置19は、推定回数カウンタxをインクリメントし(ステップS11)、次にxが予め定められた所定の上限回数Xmax未満であるかどうかを判断し(ステップS12)、未満であれば、作業者に同定したいばね定数を選択するように促す(ステップS12で「YES」、ステップS13)。これに応じて、作業者は、ばね定数同定装置19の入力部(選択手段)を操作して全てのばね定数Kallから同定したいm個のばね定数K1〜Kmを選択する。例えば、両端支持型の回転関節軸では、xyの両軸まわりの撓みは0と考えられるから、そのばね定数は同定しなくとも良いので、同定したいばね定数から除外する。勿論、全てのばね定数を選択しても良い。
ところで、以上の説明から理解されるように、計算により求めた測定点tの位置・姿勢を示す同次変換行列Trobは、各回転関節軸11の未知の撓み角sの関数であり、撓み角sはzxyの各軸のばね定数Kx,Ky,Kzの逆数kの関数であるから、次の(18)式で表すことができ、また、全てのばね定数の逆数kは(19)式の行列で表すことができる。なお、(19)式の括弧の右肩に小さくtで示す符号は、この行列が横書きされているが、実際には転置行列であることを示している。また、nは回転関節軸11の数、本実施形態では6である。
Figure 0005316395
選択された同定したいm個のばね定数K1〜Kmの逆数k1〜kmは次の行列(20)で示される。
Figure 0005316395
ロボットアーム2に取らせた各動作位置についてTmeaとTrobとの誤差行列ΔTは、次の(21)式で示されるように、同定したいm個のばね定数K1〜Kmの逆数k1〜kmの微小変動Δkの線形結合和で近似され、従って、計算により求めた測定点tの同次変換行列Trobおよび同定したいm個のばね定数K1〜Kmの逆数k1〜kmについてのヤコビ行列Jとなる。
Figure 0005316395
ここで、TmeaとTrobとの差は、測定点座標のノーマルベクトル、オリエントベクトルおよびアプローチベクトルの差Δn,ΔoおよびΔaと、計測座標からの位置ベクトルの差Δpで示すと、次の(22)式のようになる。
Figure 0005316395
従って、TmeaとTrobとの差は、Δo、ΔaおよびΔpを用いて表すと、次の(25)式のようになる。
Figure 0005316395
また、前記ヤコビ行列Jは、オリエントベクトル、アプローチベクトルおよび位置ベクトルを用いて表すと、次の(26)式で示されるように、計算により求めた測定点のノーマルベクトル、オリエントベクトル、アプローチベクトルのうちの例えばオリエントベクトル、アプローチベクトルの計測座標のZm,Xm,Ymの各座標軸上での位置および測定点の位置ベクトルの計測座標のZm,Xm,Ymの各座標軸上での位置を同定したいばね定数の逆数k1〜kmで除した値の行列で表される。
Figure 0005316395
ここで、ノーマルベクトル、オリエントベクトル、アプローチベクトルには、次の(27)式の関係がある。
Figure 0005316395
つまり、上記の3つのベクトルのうち2つのベクトルが既知であれば、残る1つのベクトルは算出できる。このことから、上記(25)式、(26)式は、次の(28)式と(29)式、(30)式と(31)式の組み合わせとすることもできる。
Figure 0005316395
なお、(22)式のΔTの添え字のmatrixは、ΔTがノーマルベクトル、オリエントベクトル、アプローチベクトルの全てを使用して表されたことを意味し、(25),(28),(30)の各式のΔTにmatrixの添え字がないことは、ノーマルベクトル、オリエントベクトル、アプローチベクトルのいずれか2つのベクトルを使用して表したことを意味している。
さて、前記(21)式、つまり各位置・姿勢におけるTmeaとTrobとの誤差(Tmea−Trob)を全ての動作位置に拡張してその総和ΔR(誤差和行列)を求めると、次の(32)式、(33)式となる。
Figure 0005316395
Figure 0005316395
上記(33)式を次の(34)式、(35)式のように変形してゆくと、(36)式のように、同定したいばね定数の逆数の微小変動行列Δkはヤコビ和行列Aの疑似逆行列で表される。
Figure 0005316395
そこで、この(36)式を計算してΔkを求める(ステップS14:ヤコビ和行列計算手段、微小変動行列計算手段)。このとき、ヤコビ和行列ATAの行列式Sが0となる(但し、S=|ATA|)場合には、ヤコビ和行列Aの擬似逆行列が得られなくなるので、この場合(ステップS15で「NO」)には、推定回数カウンタxを0にし(ステップS18)、そして、ステップS1に戻って再度動作位置を決定することから同定作業をやり直す。
(36)式により求めたΔkは、同定したいm個のばね定数K1〜Kmの真の値の逆数と予測値の逆数k1〜kmの微小な差(微小変動)Δk1,〜,Δkmを表す行列であるから、このΔkは次の(37)式のようになる。
Figure 0005316395
そして、ばね定数同定装置19は、このΔkを算出(ステップS16)した後、次の(38)式のkvに、同定したいばね定数K1〜Kmの予測値の逆数k1〜kmの行列(請求項にいうk0)を代入し、同定したいばね定数の予測値の逆数の行列を更新する(ステップS17:予測値逆数行列更新手段)。
Figure 0005316395
その後、ばね定数同定装置19は、前記(13)〜(15)式のばね定数の予測値の逆数に、同定したいばね定数K1〜Kmについては更新した予測値の逆数kv+1を用い、同定を希望しないばね定数については当初の予測値の逆数をそのまま用い、そして、前記行列(1)式および(2)により各動作位置についてのrobbaseflangeを再度求める。次いで、ばね定数同定装置19は、前記(16)式からTrobを再度求め(ステップS6:同時変換行列再計算手段)、且つ、先に求めたTmeaとの誤差ΔTを再度求め(ステップS7:誤差行列再計算手段)、続いて、(17)式により誤差ΔTの総和ΔTall(ΔR)を再度求め(誤差和行列再計算手段)、その誤差和ΔTall(ΔR)が所定の閾値ε以下であるかを判断する(ステップS8)。
誤差和ΔTallが所定の閾値ε以下であれば、ばね定数同定装置19は、更新した同定したいばね定数の予測値の逆数kv+1から求めたばね定数、同定を希望しないばね定数については当初の予測値を各ばね定数として同定し、同定した値が適切であれば(ステップS9で「YES」)、これを記憶部16に記憶する(ステップS10)。
閾値ε以下でなければ、ばね定数同定装置19は、推定回数カウンタxをインクリメントし(ステップS11)、再度、(36)式により、ばね定数の逆数の微小変動行列Δkを求め、(38)式により、このΔkに、先に更新したばね定数の逆数kv+1を足して再度同定したいばね定数の予測値の逆数を更新する。なお、推定回数カウンタxが2以上のときは、同定したいばね定数の選択は必ずしも行わなくとも良い。勿論、x=1のときと同じばね定数をxが2以上のときにも選択操作するものであっても良く、更には、ばね定数の推定に影響のない範囲で同定したいばね定数を追加すべく、xが2以上のときに選択操作するようにしても良い。
そして、再度更新した同定したいばね定数の予測値の逆数kv+1を用いて行列(2)により各位置・姿勢についての同次変換行列Trobを求め、且つ、先に求めたTmeaとの差ΔTを求め、次いで、その総和(誤差和)ΔTall(ΔR)が所定の閾値ε以下であるか判断し、閾値ε以下でなければ、再度、(36)式によりΔkを求め、(38)式により、このΔkに、先に更新した同定したいばね定数の予測値の逆数kvを足して再度同定したいばね定数の予測値の逆数kv+1を更新するという動作を、誤差ΔTの総和ΔRが所定の閾値ε以下となるまで繰り返し実行する(繰り返し実行手段)。
そして、誤差和ΔTallが所定の閾値以下となったところで、kv+1を同定したいばね定数の逆数とし、このkv+1からばね定数を求めてこれを記憶部16に記憶する。
実際にロボットアーム2を動作させる場合、以上のようにして同定したばね定数を用いて回転関節軸11のzxyの各軸方向の撓みを求め、この撓みを用いて各サーボモータ12の回転数を補正することにより、ロボットアーム2の先端を教示された位置・姿勢に精度良く動作させることができるようになる。
このように本実施形態によれば、各回転関節軸11のばね定数を、z軸まわりのばね定数ばかりでなく、xyの各軸まわりのばね定数をも同定することができる。しかも、各回転関節軸11に作用するzxyの各軸を中心とするトルクを解析してzxyの各軸まわりのばね定数を同定するので、同定したばね定数は真のばね定数に精度良く一致させることができる。
また、従来のばね定数同定方法の場合には、各回転関節軸11の撓みをベース3に近いものから順に計測する必要があり、間違えて回転関節軸を飛ばしてしまうと、正しく計測できないという不具合があり、計測作業自体が難しいという問題があったが、本実施形態の同定方法によれば、計測としては、ロボットアーム2を動作させる都度、測定点tの位置・姿勢を座標測定装置17によって計測するだけで済むので、計測作業は簡単なものとなり、間違える恐れがない。
[第2の実施形態]
上述の第1の実施形態では、動作位置毎の位置と姿勢の双方を用いてばね定数を同定した。本実施形態では、姿勢を計測できない場合などに対応できるように、位置だけでばね定数を同定することができるようにしたものである。
つまり、前記(32)式において、位置のみに着目すると、次の(39)式のようになる。
Figure 0005316395
上記(39)式を次の(40)式のように表し、この(40)式を変形してゆくと、前記(36)式で表される同定したいm個のばね定数の逆数の微小変動行列Δkは次の(45)式のようになる。
Figure 0005316395
Figure 0005316395
従って、同定したいばね定数の予測値K01〜K0mの逆数を与えると、次の(46)式によって同定したいばね定数の予測値の逆数を更新することができるので、第1の実施形態と同様に、誤差和ΔRpが閾値ε以下となるように繰り返し計算することによってばね定数を同定することができる。
Figure 0005316395
[第3の実施形態]
この実施形態は、meabaserobbase或はflangetoolが未知である場合、これらをばね定数の同定前に同定(推定)しようとするものである。
一般に、ロボットアーム2が1つの位置・姿勢を取ったとき、座標測定装置17による計測値と、計算値との誤差ΔT(9行1列)は次の(47)式のように同定したいパラメータaの微小変動Δaの線形結合和で近似される。
Figure 0005316395
上記Tmeaは、第1の実施形態で説明したと同様の座標測定装置17による計測値による同次変換行列、Trobは、計算値による同次変換行列である。ただし、本実施形態では、Trobを求めるに際し、各回転関節軸11の撓みを考慮せず、各回転関節軸11の回転角だけを基にする。
meabaserobbaseおよびflangetoolを表す同次変換行列は、次の(51)式および(52)式で表される。
Figure 0005316395
また、同定したいパラメータaは、次の(53)式で示され、当該パラメータaの微小変動Δaは、(54)式で示される。
Figure 0005316395
ここで、ノーマルベクトル、アプローチベクトル、オリエントベクトルは、第1の実施形態で示した関係があるので、(47)式の誤差ΔTおよびヤコビ行列Jをオリエントベクトルとアプローチベクトルを用いて表すと、それぞれ(55)式および(56)式のようになる。
Figure 0005316395
誤差ΔTを複数の動作位置の全ての動作位置に拡張すると、(57)式のようになる。
Figure 0005316395
上記(57)式を次の(58)式のように表し、この(58)式を前記第1の実施形態における(34)式、(35)式のように変形してゆくと、同定したいパラメータaの微小変動行列Δaは、(61)式のようになる。
Figure 0005316395
Figure 0005316395
従って、次の(62)式のavに同定したいパラメータの予測値a0を与えると、パラメータaの予測値を更新することができる。
Figure 0005316395
そして、以上の計算を、ΔRが所定の閾値以下となるまで繰り返すことによって同定したいパラメータaを求めることができる。
[その他の実施形態]
meabaserobbaseおよびflangetoolは、ばね定数と同時に同定するようにしても良い。
ロボットアームの先端に重りを付けなくても良い。但し、重りを付けた方が回転関節軸11の撓みが大きくなるので、ばね定数を同定し易くなる。
ばね定数Kz,Kx,Kyの予測値Kz0,Kx0,Ky0は、ばね定数同定装置19の記憶部に記憶させるようにしても良い。
(22)式から理解されるように、1つの動作位置について9つの連立方程式ができるので、理論的には、同定したいばね定数が9個以下の場合には、ロボットアーム2の動作位置は1つで良く、18個以下であれば、動作位置は2つあれば良い。
図面中、2はロボットアーム、9はフランジ(ロボットアームの先端)、11は回転関節軸、14はロボット制御部、15は関節角度検出器、16は記憶部(記憶手段)、17は座標測定装置(計測手段)、18はばね定数同定装置(情報取得手段、測定点計算手段、誤差和行列計算手段、同定手段、選択手段、ヤコビ和行列計算手段、微小変動行列計算手段、予測値逆数行列更新手段、同時変換行列再計算手段、繰り返し実行手段)、19は測定制御部、20は重り、tは測定点を示す。

Claims (2)

  1. 複数の回転関節軸により複数のアームを連結して構成された多関節のロボットアームにおいて、前記各回転関節軸の回転中心軸線と同一の軸線をz軸、このz軸に直交する2軸線であって互いに直交する2軸線をx軸およびy軸とし、前記各回転関節軸へのトルク伝達経路を含む前記z軸を中心とする回転方向の撓みのばね定数をKz、前記x軸を中心とする回転方向の撓みのばね定数をKxおよび前記y軸を中心とする回転方向の撓みのばね定数をKyとしたとき、
    前記ロボットアームの先端または当該ロボットアームの先端近くに測定点を定め、前記ロボットアームの先端に重りを付け、または重りを付けないで、前記ロボットアームを複数の互いに異なる位置に動作させ、複数の動作位置毎に、前記測定点の位置および姿勢のうちの少なくとも位置を計測手段により計測すると共に、前記各回転関節軸の回転角、前記各回転関節軸に作用する前記zxyの各軸を中心とするトルクおよび予め定められた前記各回転関節軸の各ばね定数Kx,Ky,Kzの予測値を用いて前記測定点の位置および姿勢のうちの少なくとも位置を計算により求め、
    前記複数の動作位置毎に、前記計測手段により計測された前記測定点の少なくとも位置についての所定の固定座標に基づく同時変換行列Tmと前記計算により求めた前記測定点の少なくとも位置についての前記所定の固定座標に基づく同時変換行列Tcとの誤差行列ΔTを求め、且つ、当該誤差行列ΔTを前記複数の動作位置について合計した誤差和行列ΔRを求め、
    前記誤差和行列ΔRの値が所定の閾値以下であるか否かを判断し、
    前記誤差和行列ΔRの値が前記所定の閾値以下であれば、前記各回転関節軸の前記各ばね定数Kx,Ky,Kzの予測値を前記各ばね定数Kx,Ky,Kzとして同定し、
    前記誤差和行列ΔRの値が前記所定の閾値を超えていた場合には、その後、
    前記各回転関節軸の前記zxyの各軸についての前記各ばね定数Kx,Ky,Kzのうちから同定すべきばね定数を選択し、
    前記複数の動作位置毎に、前記計算により求めた前記測定点の少なくとも位置についての前記同次変換行列Tcと前記同定すべきばね定数の予測値の逆数の行列である予測値逆数行列kvについてのヤコビ行列Jを求め、且つ、求めた前記各動作位置のヤコビ行列Jを合計するヤコビ和行列Aを求め、
    前記ヤコビ和行列Aの疑似逆行列と前記誤差和行列ΔRとの積から前記同定すべきばね定数の予測値についての逆数の微小変動行列Δkを求め、
    前記同定すべきばね定数の前記予測値逆数行列kvに前記微小変動行列Δkを加算して前記同定すべきばね定数の予測値逆数行列kvを更新し、
    前記同定すべきばね定数については前記更新した予測値逆数行列kv+1から求めたばね定数、前記同定すべきばね定数以外のばね定数については当初の予測値を用いて前記複数の各動作位置について前記測定点の少なくとも位置を再計算して当該再計算した前記測定点の少なくとも位置についての前記同次変換行列Tcを再度求め、
    前記複数の動作位置について、前記計測手段により求めた前記測定点の前記同次変換行列Tmと前記再度計算により求めた前記測定点の前記同次変換行列Tcとから前記誤差行列ΔTを再度求め、且つ、再度求めた前記誤差行列ΔTを前記複数の動作位置について合計して前記誤差和行列ΔRを再度求め、当該誤差和行列ΔRの値が前記所定の閾値以下であるか否かを、前記誤差和行列ΔRが所定の閾値以下となるまで繰り返して前記同定すべき各ばね定数を同定するようにしてなるロボットのばね定数同定方法。
  2. 複数の回転関節軸により複数のアームを連結して構成された多関節のロボットアームの制御部、および前記ロボットアームの先端または当該ロボットアームの先端近くに定められた測定点の位置および姿勢のうちの少なくとも位置を計測する計測手段の制御部に接続され、
    前記各回転関節軸の回転中心軸線と同一の軸線をz軸、このz軸に直交する2軸線であって互いに直交する2軸線をx軸およびy軸とし、前記各回転関節軸へのトルク伝達経路を含む前記z軸を中心とする回転方向の撓みのばね定数をKz、前記x軸を中心とする回転方向の撓みのばね定数をKxおよび前記y軸を中心とする回転方向の撓みのばね定数をKyとしたとき、それらばね定数Kx,Ky,Kzの予測値を記憶した記憶手段と、
    前記ロボットアームの先端に重りを付け、または重りを付けないで、前記ロボットアームを複数の互いに異なる位置に動作させたとき、複数の動作位置毎に、前記ロボットアームの前記制御部から前記各回転関節軸の回転角情報を取得すると共に、前記計測手段の前記制御部から前記測定点の位置および姿勢のうちの前記少なくとも位置の情報を取得する情報取得手段と、
    前記複数の動作位置毎に、前記測定点の位置および姿勢のうちの少なくとも位置を、前記各回転関節軸の回転角、前記各回転関節軸に作用する前記zxyの各軸を中心とするトルクおよび予め定められた前記各回転関節軸の各ばね定数Kx,Ky,Kzの予測値を用いて計算により求める測定点計算手段と、
    前記複数の動作位置毎に、前記計測手段から取得した情報から前記測定点の少なくとも位置について所定の固定座標に基づく同時変換行列Tmを求めると共に前記計算により求められた前記測定点の少なくとも位置についての前記所定の固定座標に基づく同時変換行列Tcとの誤差行列ΔTを求めて当該誤差行列ΔTを前記複数の動作位置について合計した誤差和行列ΔRを求める誤差和行列計算手段と、
    前記誤差和行列ΔRの値が所定の閾値以下であるか否かを判断する判断手段と、
    前記誤差和行列ΔRの値が前記所定の閾値以下であれば、前記予測値を前記各ばね定数として同定する同定手段と、
    前記誤差和行列ΔRの値が前記所定の閾値を超えていた場合に、前記各回転関節軸の前記各ばね定数Kx,Ky,Kzのうちから同定すべきばね定数を選択する選択手段と、
    前記複数の動作位置毎に、前記計算により求めた前記同次変換行列Tcと前記同定すべきばね定数の予測値の逆数の行列である予測値逆数行列kvについてのヤコビ行列Jを求め、且つ、求めた前記各動作位置のヤコビ行列Jを合計するヤコビ和行列Aを求めるヤコビ和行列計算手段と、
    前記ヤコビ和行列Aの疑似逆行列と前記誤差和行列ΔRとの積から前記同定すべきばね定数の予測値についての逆数の微小変動行列Δkを求める微小変動行列計算手段と、
    前記同定すべきばね定数の前記予測値逆数行列kvに前記微小変動行列Δkを加算して前記同定すべきばね定数についての前記予測値逆数行列kvを更新する予測値逆数行列更新手段と、
    前記同定すべきばね定数については前記更新した前記予測値逆数行列kv+1から求めたばね定数、前記同定すべきばね定数以外のばね定数については当初の予測値を用いて、前記複数の動作位置毎に、前記測定点の少なくとも位置を再計算して当該再計算した前記測定点の少なくとも位置についての前記同次変換行列Tcを再度求める同時変換行列再計算手段と、
    前記複数の動作位置について、前記計測手段により求めた前記測定点の前記同次変換行列Tmと前記再度求めた前記測定点の前記同次変換行列Tcとから前記誤差行列ΔTを再度求め、且つ、再度求めた前記誤差行列ΔTを前記複数の動作位置について合計して前記誤差和行列ΔRを再度求め当該誤差和行列ΔRの値が前記所定の閾値以下であるか否かを判断する動作を、前記誤差和行列ΔRが前記所定の閾値以下となるまで繰り返させて前記同定すべき各ばね定数を同定させる繰り返し実行手段と
    を具備してなるロボットのばね定数同定装置。
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