JP7255333B2 - ウォーム減速機及び電動アシスト装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ウォームとウォームホイールとを備えるウォーム減速機、及び、該ウォーム減速機を備える電動アシスト装置に関する。
自動車用のステアリング装置では、運転者の操作によりステアリングホイールを回転させると、該ステアリングホイールの回転は、ステアリングシャフトや中間シャフトを介して、ステアリングギヤユニットの入力軸に伝達される。そして、該入力軸の回転は、ステアリングギヤユニットのラック軸の直線運動に変換されることで、1対のタイロッドが押し引きされる。これにより、1対の操舵輪にステアリングホイールの操作量に応じた舵角が付与される。
特開2001-315653号公報(特許文献1)には、電動モータを補助動力源として、運転者がステアリングホイールを操作するのに要する力を低減する電動パワーステアリング装置が開示されている。電動パワーステアリング装置は、電動モータのトルクを増大させるためのウォーム減速機を備えている。ウォーム減速機は、ハウジングと、該ハウジングに回転自在に支持されて、外周面にホイール歯を有するウォームホイールと、ハウジングに回転自在に支持されて、外周面にホイール歯と噛合するウォーム歯を有するウォームとを備えている。電動モータのトルクは、ウォームを介してウォームホイールに伝達されることにより増大されてから、ステアリングシャフトやステアリングギヤユニットの入力軸又はラック軸などの操舵力伝達部材に補助動力として付与される。これにより、運転者がステアリングホイールを操作するのに要する力が低減される。
ところで、ウォーム減速機では、ホイール歯とウォーム歯との噛合部に、ウォーム減速機を構成する部品のそれぞれの寸法誤差や組立誤差などに基づいて、不可避のバックラッシュが存在する。該バックラッシュの存在に基づき、ステアリングホイールの回転方向を変える際に、噛合部で耳障りな歯打ち音が発生する場合がある。
特開2001-315653号公報(特許文献1)には、ホイール歯とウォーム歯との噛合部での歯打ち音の発生を抑えるために、ウォームの先端部を、ウォームホイール側に向けて付勢する構造が記載されている。特開2001-315653号公報に記載の構造は、ウォームの先端部に外嵌された軸受を、ウォームホイール側に向けて弾性的に付勢するホルダを備えている。ホルダは、軸受に外嵌される内側環と、ハウジングに内嵌される外側環と、内側環の外周面と外側環の内周面とに加硫接着されたゴム部材とから成る。軸受に内側環を外嵌するとともに、ハウジングに外側環を内嵌した状態で、ゴム部材は弾性変形している。そして、ゴム部材の弾性復元力によって、ホルダに内嵌された軸受を、ウォームホイール側に向けて付勢している。これにより、ホイール歯とウォーム歯との噛合部のバックラッシュが抑えられ、歯打ち音の発生が抑えられる。
特開2001-315653号公報
特開2001-315653号公報に記載の構造では、ホルダに内嵌された軸受をウォームホイール側に向けて付勢する力を調整するために、ホルダを構成するゴム部材のラジアル剛性を、円周方向位置によって異ならせている。このため、組み立ての際には、ホルダを構成する外側環を、ハウジングに対して所定の円周方向の位置関係で内嵌する必要がある。
しかしながら、特開2001-315653号公報に記載の構造では、ハウジングと外側環との嵌合部を、単なる円筒面同士の嵌合部としている。このため、外側環をハウジングに対して所定の円周方向の位置関係で内嵌する作業が面倒になる。
本発明は、上述のような事情に鑑み、ウォームの先端部をウォームホイール側に付勢するホルダを備えたウォーム減速機において、該ホルダをハウジングに対して所定の円周方向の位置関係で組み付ける作業を容易に行える構造を実現することを目的としている。
本発明のウォーム減速機は、ハウジングと、前記ハウジングに回転自在に支持されて、外周面にホイール歯を有するウォームホイールと、前記ハウジングに回転自在に支持されて、外周面に前記ホイール歯と噛合するウォーム歯を有するウォームと、前記ウォームの先端部に外嵌された軸受と、前記軸受を、前記ウォームホイール側に向けて弾性的に付勢するホルダとを備える。
前記ハウジングは、前記ウォームの中心軸を含み、かつ、前記ホルダによる前記軸受の付勢方向に平行な仮想平面を挟んだ両側の2箇所位置に、1対のアーム収容凹部を有している。
前記ホルダは、前記軸受を内嵌し、かつ、前記ウォームホイールに対する遠近動を可能に配置されたホルダ本体部と、該ホルダ本体部の外周面から突出し、かつ、弾性を有する1対のアーム部とを有しており、前記アーム部のそれぞれを弾性変形させた状態で、前記アーム収容凹部のそれぞれに係合させ、前記アーム部のそれぞれの弾性復元力によって、前記ホルダ本体部に内嵌された前記軸受を、前記ウォームホイール側に向けて弾性的に付勢する。
前記ホルダ本体部は、外周面のうちで前記アーム部よりも前記ウォームホイールから遠い側の部分に第1ホルダ側ストッパ面を有しており、前記ハウジングは、前記第1ホルダ側ストッパ面を当接させることが可能な第1ハウジング側ストッパ面を有している構成を採用することができる。
前記ホルダ本体部は、外周面のうちで前記ホルダによる前記軸受の付勢方向に直交する方向の両側の部分に第2ホルダ側ストッパ面を有しており、前記ハウジングは、前記第2ホルダ側ストッパ面のそれぞれを当接させることが可能な第2ハウジング側ストッパ面を有している構成を採用することができる。
前記アーム部のそれぞれの先端面を、前記アーム収容凹部のそれぞれの底面に接触させることができる。
前記アーム収容凹部のそれぞれを、前記ホルダによる前記軸受の付勢方向に関して互いに同じ位置に配置することができる。
前記ホルダ本体部と前記アーム部のそれぞれとを、弾性を有する材料により一体に構成することができる。
前記ホルダを、弾性を有する材料製でかつ前記アーム部のそれぞれを備える低剛性部品と、該低剛性部品の材料よりも剛性が高い材料製の高剛性部品とを組み合わせることにより構成することができる。
前記第1ホルダ側ストッパ面は、前記低剛性部品に備えられた第1低剛性ストッパ面と、前記高剛性部品に備えられた第1高剛性ストッパ面とから構成することができる。この場合、前記第1低剛性ストッパ面は、前記第1高剛性ストッパ面よりも、径方向外側に配置されることが好ましい。
前記第1高剛性ストッパ面は、前記第1低剛性ストッパ面の軸方向両側に隣り合う位置に配置されており、前記第1高剛性ストッパ面のそれぞれは、互いに同じ径方向位置に配置されている構成を採用することができる。
この場合に、前記第1低剛性ストッパ面の軸方向中央部を、前記軸受の軸方向中央部と同じ軸方向位置に配置することができる。
また、前記第1高剛性ストッパ面のそれぞれを、前記軸受に対して径方向に重畳して配置することができる。
前記第2ホルダ側ストッパ面のそれぞれは、前記高剛性部品に備えることができる。
本発明の電動アシスト装置は、電動モータと、前記電動モータの動力を増大して操舵力伝達部材に伝達するウォーム減速機とを備える。該ウォーム減速機は、本発明のウォーム減速機である。
本発明のウォーム減速機及び電動アシスト装置によれば、ウォームの先端部をウォームホイール側に付勢するホルダのアーム部を、ハウジングのアーム収容凹部に収容することによって、ホルダをハウジングに対して組み付けることができる。すなわち、ハウジングに対するホルダの円周方向の位置決めの容易化を図れる。
図1は、本発明の実施の形態の第1例の電動アシスト装置を組み込んだ、コラムアシスト型の電動パワーステアリング装置を示す部分切断側面図である。 図2は、図1のA-A断面図である。 図3は、本発明の実施の形態の第1例の電動アシスト装置を前方から見た部分切断斜視図である。 図4は、一部を分解した状態で示す図3の右側部に相当する図である。 図5は、図2のB部拡大図である。 図6は、蓋体を取り外すとともに、ウォーム歯とホイール歯とが噛合していない状態で示す、図2のC矢視図である。 図7は、蓋体を取り外すとともに、ウォーム歯とホイール歯とが噛合している状態で示す、図2のC矢視図である。 図8は、本発明の実施の形態の第1例のホルダの斜視図である。 図9は、本発明の実施の形態の第2例に関する、図5に相当する図である。 図10は、本発明の実施の形態の第3例に関する、図6に相当する図である。 図11は、本発明の実施の形態の第3例に関する、ホルダの斜視図である。 図12は、本発明の実施の形態の第4例に関する、図3の右側部に相当する図である。 図13は、本発明の実施の形態の第4例に関する、図4に相当する図である。 図14は、本発明の実施の形態の第4例に関する、図6に相当する図である。 図15は、ウォームを省略して示す、図14のD-D断面図である。 図16は、本発明の実施の形態の第4例に関する、ホルダの斜視図である。 図17は、本発明の実施の形態の第4例に関する、ホルダの分解斜視図である。 図18は、本発明の実施の形態の第4例に関する、ホルダを構成する主高剛性部品の斜視図である。 図19は、本発明の実施の形態の第4例に関する、ホルダを構成する低剛性部品の斜視図である。 図20は、本発明の実施の形態の第4例に関する、ホルダを構成する副高剛性部品の斜視図である。 図21は、本発明の実施の形態の第5例に関する、図6に相当する図である。 図22は、ウォームを省略して示す、図21のE-E断面図である。 図23は、図22の上部拡大図である。 図24は、本発明の実施の形態の第5例に関する、ホルダの斜視図である。 図25は、本発明の実施の形態の第5例に関する、ホルダの分解斜視図である。
[実施の形態の第1例]
本発明の実施の形態の第1例について、図1~図8を用いて説明する。
本例は、本発明の電動アシスト装置を、コラムアシスト型の電動パワーステアリング装置に適用した例である。
図1に示すように、電動パワーステアリング装置1では、運転者の操作によりステアリングホイール2を回転させると、該ステアリングホイール2の回転は、ステアリングギヤユニット3の入力軸4に伝達される。入力軸4の回転は、ステアリングギヤユニット3の図示しないラック軸の直線運動に変換されることで、1対のタイロッド5が押し引きされる。これにより、1対の操舵輪にステアリングホイール2の操作量に応じた舵角が付与される。ステアリングホイール2は、ステアリングシャフト6の後端部に支持固定されており、ステアリングシャフト6は、ステアリングコラム7の内側に回転自在に支持されている。ステアリングシャフト6の前端部は、自在継手8aを介して中間シャフト9の後端部に接続され、中間シャフト9の前端部は、別の自在継手8bを介して、入力軸4に接続されている。
電動パワーステアリング装置1は、運転者がステアリングホイール2を操作するのに要する力を低減すべく、ステアリングシャフト6に補助動力を付与する電動アシスト装置10を備えている。電動アシスト装置10は、電動モータ11と、ウォーム減速機12を備えている。すなわち、電動アシスト装置10は、電動モータ11の出力軸13のトルクを、ウォーム減速機12により増大させてから、ステアリングシャフト6に補助動力として付与する。
ウォーム減速機12は、図2~図7に示すように、ハウジング14と、ハウジング14に回転自在に支持されて、外周面にホイール歯25を有するウォームホイール15と、ハウジング14に回転自在に支持されて、外周面にホイール歯25と噛合するウォーム歯28を有するウォーム16と、ウォーム16の先端部に外嵌された先端側軸受18と、先端側軸受18をウォームホイール15側に向けて弾性的に付勢するホルダ19とを備えている。
ハウジング14は、例えば、アルミニウム合金、マグネシウム合金などの軽金属製、あるいは、ポリアミド(PA)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などの合成樹脂製、あるいは、該合成樹脂にガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維などの補強材を混入した強化合成樹脂製で、ウォームホイール15が収容されるホイール収容部20と、ウォーム16が収容されるウォーム収容部21とを備えている。ウォーム収容部21の中心軸は、ホイール収容部20の中心軸に対して、ねじれの位置に配置されている。このようなハウジング14は、ステアリングコラム7の前端部に、ホイール収容部20の中心軸とステアリングコラム7の中心軸とが同軸となるように結合固定されている。
ウォーム収容部21は、筒状で、軸方向両側が開口するとともに、軸方向中間部がホイール収容部20内に開口している。ウォーム収容部21の軸方向一方側の開口部は、蓋体22により塞がれており、ウォーム収容部21の軸方向他方側の開口部は、ハウジング14に結合固定された電動モータ11により塞がれている。
なお、ウォーム収容部21、ウォーム16、及びホルダ19に関して、軸方向一方側は、図2~5における右側であり、軸方向他方側は、図2~5における左側である。また、ウォーム16に関して、軸方向一方側は先端側であり、軸方向他方側は基端側である。
ウォーム収容部21は、軸方向一方側の端部に、ホルダ保持部24を有している。ホルダ保持部24は、軸方向一方側が開口しており、該開口が蓋体22により塞がれている。
なお、以下の説明では、ホルダ19が先端側軸受18を付勢する方向、すなわち、ホルダ19が先端側軸受18を付勢する力P(図7参照)を表すベクトルの伸長方向(図2~図7の上下方向)を「第1方向」とし、ウォーム16の中心軸OWを含み、かつ、第1方向に平行な仮想平面をS(図6及び図7参照)とし、仮想平面Sに直交する方向(図2及び図5の表裏方向、図6及び図7の左右方向)を「第2方向」とする。
ホルダ保持部24は、図5~図7に示すように、内周面に、本体収容凹部41と、1対のアーム収容凹部42とを有している。本例では、ホルダ保持部24の内周面は、第1方向に関して対称な形状を有するとともに、第2方向に関して対称な形状を有している。
本体収容凹部41は、第1方向に関してウォームホイール15から遠い側(図2~7の上側)の部分に、第1ハウジング側ストッパ面43を有している。第1ハウジング側ストッパ面43は、ウォーム収容部21の中心軸OHを中心とする円筒状凹面である。また、本例では、本体収容凹部41のうちで第1方向に関してウォームホイール15に近い側(図2~7の下側)の部分を、第1方向に関して第1ハウジング側ストッパ面43と対称な円筒状凹面としている。ただし、当該部分の形状は、第1方向に関して第1ハウジング側ストッパ面43と非対称な形状にすることもできる。
本体収容凹部41は、第2方向に関する両側の部分に、第2ハウジング側ストッパ面44を有している。第2ハウジング側ストッパ面44のそれぞれは、第2方向に対して直交する平面である。本例では、第2ハウジング側ストッパ面44のそれぞれは、次述するアーム収容凹部42を挟んで第1方向に2分割されている。
1対のアーム収容凹部42は、本体収容凹部41のうち、第2方向に関する両側の端部に、径方向外方に凹むように形成されている。このような1対のアーム収容凹部42は、第2方向に関して仮想平面Sを挟んだ両側で、第1方向に関して互いに同じ位置に配置されており、具体的には、第1方向に関してウォーム収容部21の中心軸OHと同じ位置に配置されている。アーム収容凹部42のそれぞれの内面は、第1方向の両側に位置する1対の内側面45のそれぞれを第1方向に直交する平面とし、底面46を第2方向に直交する平面としている。
ウォームホイール15は、外周面にホイール歯25を有している。ウォームホイール15は、ホイール収容部20の内側に回転自在に支持されたステアリングシャフト6の前端部の周囲に、該ステアリングシャフト6と一体に回転するように支持固定されている。なお、本例では、ウォームホイール15は、鉄鋼などの金属製で円輪板状の内側ホイール素子26の周囲に、ポリアミド(PA)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリカーボネート(PC)、ポリアセタール(POM)などの合成樹脂製、あるいは、該合成樹脂にガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維などの補強材を混入した強化合成樹脂製で外周面にホイール歯25を有する外側ホイール素子27を結合固定してなる。
ウォーム16は、鉄鋼などの金属製で、軸方向中間部外周面に、ウォーム歯28を有しており、先端部に、先端側軸受18が外嵌される円柱状の小径部30を有している。ウォーム16は、ウォーム歯28をウォームホイール15のホイール歯25に噛合させた状態で、基端側軸受17及び先端側軸受18により、ウォーム収容部21の内側に回転自在に支持されている。また、この状態で、図5及び図7に示すように、ウォーム16の中心軸OWは、ウォーム収容部21の中心軸OHよりも、第1方向に関してウォームホイール15から遠い側にずれた位置に配置されている。
基端側軸受17は、玉軸受であり、ウォーム16の軸方向他方側部である基端側部をウォーム収容部21に対して回転自在に支持している。また、基端側軸受17は、ウォーム収容部21に対してウォーム16を揺動可能に支持している。また、ウォーム16の軸方向他方側端部である基端部は、カップリング29を介して、電動モータ11の出力軸13に接続されている。カップリング29は、出力軸13とウォーム16との間のトルクの伝達、及び、出力軸13に対するウォーム16の揺動を可能としている。なお、出力軸13とウォーム16との間のトルクの伝達、及び、出力軸13に対するウォーム16の揺動を可能にできる限り、出力軸13とウォーム16との接続方法は特に限定されず、例えばスプライン係合による接続方法を採用することもできる。
先端側軸受18は、玉軸受であり、ウォーム16の先端部に備えられた小径部30に外嵌固定された内輪31と、該内輪31の周囲に、該内輪31と同軸に配置された外輪32と、内輪31の外周面に備えられた内輪軌道と外輪32の内周面に備えられた外輪軌道との間に転動自在に配置された、それぞれが転動体である複数個の玉33とを備えている。なお、先端側軸受として、例えば、ころ軸受やニードル軸受などを用いることもできる。
ホルダ19は、図5~図8に示すように、全体を環状に構成され、先端側軸受18を内嵌保持するとともに、ハウジング14のウォーム収容部21に備えられたホルダ保持部24の内側に保持されている。ホルダ19は、例えば、アクリルゴム(ACM)、エチレンアクリルゴム(AEM)などのゴム、ポリエステルエラストマー、ポリウレタンエラストマー、オレフィン系エラストマーなどのエラストマー、ポリアミド(PA)、ポリアセタール(POM)などの軟らかい合成樹脂といった、弾性を有する材料製である。
ホルダ19は、ホルダ本体部34と、1対のアーム部35とを備えている。また、本例では、ホルダ19は、図8に示すような、ホルダ保持部24の内側に保持される前の自由状態で、第1方向に関して対称な形状を有するとともに、第2方向に関して対称な形状を有している。
ホルダ本体部34は、先端側軸受18の外輪32を内嵌保持する部位であり、円筒状に構成されている。ホルダ本体部34は、内周面の軸方向両端部に1対の内向鍔部36a、36bを有している。1対の内向鍔部36a、36bのうちの軸方向他方側の内向鍔部36bは、その内周面を、軸方向一方側から軸方向他方側に向かうほど内径寸法が大きくなるテーパ面23としている。
ホルダ本体部34は、外周面のうちで第1方向に関してウォームホイール15から遠い側(図2~7の上側)の部分に、第1ハウジング側ストッパ面43と対向する、第1ホルダ側ストッパ面37を有している。第1ホルダ側ストッパ面37は、ホルダ本体部34の中心軸を中心とする円筒状凸面であり、その曲率半径は、第1ハウジング側ストッパ面43の曲率半径よりも小さい。なお、第1ホルダ側ストッパ面37の曲率半径は、第1ハウジング側ストッパ面43の曲率半径と同じにすることもできる。また、本例では、ホルダ本体部34の外周面のうちで第1方向に関してウォームホイール15に近い側(図2~7の下側)の部分を、第1方向に関して第1ホルダ側ストッパ面37と対称な円筒状凸面としている。ただし、当該部分の形状は、ホルダ19をホルダ保持部24の内側に保持した状態で、本体収容凹部41のうちで第1方向に関してウォームホイール15に近い側の部分と干渉しない限り、第1方向に関して第1ホルダ側ストッパ面37と非対称な形状にすることもできる。
ホルダ本体部34は、外周面のうちで第2方向に関する両側の部分に、第2ハウジング側ストッパ面44と対向する、第2ホルダ側ストッパ面38を有している。第2ホルダ側ストッパ面38のそれぞれは、第2方向に対して直交する平面である。本例では、第2ホルダ側ストッパ面38のそれぞれは、次述するアーム部35を挟んで第1方向に2分割されている。第2方向の両側に位置する1対の第2ホルダ側ストッパ面38同士の第2方向に関する間隔は、第2方向の両側に位置する1対の第2ハウジング側ストッパ面44同士の第2方向に関する間隔よりも小さい。
1対のアーム部35は、ホルダ19が先端側軸受18をウォームホイール15側に付勢するための弾力を発生させる部位であり、ホルダ本体部34の第2方向の両側の端部から、第2方向に関して互いに反対側に突出している。このようなアーム部35は、第1方向に関して互いに同じ位置に配置されており、具体的には、それぞれの第1方向の中央部が、第1方向に関してホルダ本体部34の中心軸と同じ位置に配置されている。アーム部35のそれぞれは、第1方向に関する幅寸法を、先端側部で基端側部よりも大きくしている。また、該先端側部の第1方向に関する両側の側面39のそれぞれの形状を、第2方向に関する凹凸形状としている。換言すれば、アーム部35の先端側部の第1方向に関する両側の側面39のうち、第2方向に関する複数箇所(図示の例では2箇所)に、第1方向に突出した突条68を軸方向にわたり形成している。また、アーム部35のそれぞれは、先端面40を、ホルダ本体部34の中心軸と平行な中心軸を中心とする円筒状の凸面としている。
以上のような構成を有するホルダ19は、例えば図4→図3に示すように、該ホルダ19に内嵌した先端側軸受18とともに、ホルダ保持部24の軸方向一方側の開口から該ホルダ保持部24の内側に挿入される。そして、この状態で、ホルダ本体部34が本体収容凹部41に収容されるとともに、1対のアーム部35のそれぞれがアーム収容凹部42に収容(係合)され、かつ、先端側軸受18の内輪31がウォーム16の先端部に備えられた小径部30に外嵌固定されている。
この状態で、より具体的には、ホルダ本体部34は、図5に示すように、軸方向中間部に外輪32を内嵌している。これとともに、1対の内向鍔部36a、36bにより外輪32を軸方向両側から挟持することで、ホルダ19と外輪32とが軸方向に分離することを防止している。本例では、軸方向他方側の内向鍔部36bの内周面は、軸方向一方側から軸方向他方側に向かうほど内径寸法が大きくなるテーパ面23であるため、ホルダ本体部34に外輪32を内嵌する際に、テーパ面23を案内面として、ホルダ本体部34の内側に外輪32を軸方向他方側から押し込みやすい。
また、ホルダ本体部34は、第1ホルダ側ストッパ面37を第1ハウジング側ストッパ面43に対向させるとともに、1対の第2ホルダ側ストッパ面38のそれぞれを第2ハウジング側ストッパ面44に対向させている。
また、1対のアーム部35のそれぞれは、先端側部がアーム収容凹部42の内側に圧入されている。そして、該先端部の1対の側面39のそれぞれの突条68が、アーム収容凹部42の内側面45に弾性的に当接している。また、1対のアーム部35のそれぞれの先端面40が、アーム収容凹部42の底面46に弾性的に当接している。これにより、ホルダ保持部24の内側でホルダ19が第2方向に関して位置決めされている。
さらに、ウォーム歯28とホイール歯25とが噛合した状態であって、ホルダ19及び先端側軸受18を、ホルダ保持部24の内周面とウォーム16の小径部30との間に組み付けた状態では、図7に示すように、1対のアーム部35のそれぞれの基端側部は、基端側に向かうほど第1方向に関してウォームホイール15から遠い側に向かう方向に弾性的に曲げ変形した状態となっている。仮に、ウォーム歯28とホイール歯25とが噛合していない状態で、ホルダ19及び先端側軸受18を、ホルダ保持部24の内周面とウォーム16の小径部30との間に組み付けると、図6に示すように、ウォーム収容部21の中心軸OHとウォーム16の中心軸(ホルダ本体部34の中心軸)OWとが一致する。そして、1対のアーム部35のそれぞれは、基端側部が曲げ変形することなく、第2方向に関して真っ直ぐに伸長した状態となる。これに対し、ウォーム歯28とホイール歯25とが噛合している実際の組立状態では、図5及び図7に示すように、ウォーム16の中心軸(ホルダ本体部34の中心軸)OWが、ウォーム収容部21の中心軸OHよりも、第1方向に関してウォームホイール15から遠い側にずれた位置に配置されている。そして、これに伴い、図7に示すように、1対のアーム部35の基端側部は、基端側に向かうほどウォームホイール15から遠い側に向かう方向に弾性的に曲げ変形した状態となっている。なお、図5及び図7は、ウォーム16とウォームホイール15との間でトルクを伝達していない状態を示している。
そして、本例では、上述のような1対のアーム部35の基端側部の弾性的な曲げ変形によって発生するモーメントMにより、ホルダ本体部34に、第1方向に関してウォームホイール15側を向いた弾性的な付勢力Pが加わるようにしている。そして、この付勢力Pに基づいて、先端側軸受18を介して、ウォーム16の先端部を第1方向に関してウォームホイール15側に向けて弾性的に付勢している。
また、本例では、図6に示した状態と、図5及び図7に示した状態との、それぞれの状態で、ホルダ19を構成するホルダ本体部34の外周面は、本体収容凹部41に対して接触していない。すなわち、互いに対向する第1ホルダ側ストッパ面37と第1ハウジング側ストッパ面43との間と、互いに対向する第2ホルダ側ストッパ面38と第2ハウジング側ストッパ面44との間とを含む、ホルダ本体部34の外周面と本体収容凹部41との間には、全周にわたり隙間が存在している。ホルダ本体部34は、このような隙間の存在に基づいて、本体収容凹部41の内側での第1方向の移動及び第2方向の移動を可能とされている。
なお、本発明を実施する場合、ホルダ本体部34の外周面と本体収容凹部41との間に存在する隙間のうち、第1方向に関する隙間の大きさと、第2方向に関する隙間の大きさとの大小関係は、任意に設定することができる。
また、本例において、アーム部35の先端側部の1対の側面39のそれぞれを凹凸形状としている理由は、該先端側部をアーム収容凹部42の内側に圧入するための圧入荷重を小さく抑えるためである。ただし、本発明を実施する場合、アーム部の先端側部の1対の側面の形状は、特に限定されない。たとえば、該先端側部の1対の側面のそれぞれを単なる平面とすることもできる。また、該先端側部の1対の側面同士で互いの形状を異ならせることもできる。この場合に、該先端側部の1対の側面のうち、第1方向に関してウォームホイール15から遠い側の側面は、後述するようにウォーム16とウォームホイール15との間でトルクを伝達する際に、ウォーム16に加わる噛み合い反力によって、アーム収容凹部42の内側面45に強く押し付けられる面となる。このため、該先端側部の1対の側面のうち、第1方向に関してウォームホイール15から遠い側の側面を、第1方向に関してウォームホイール15に近い側の側面よりも剛性が高くなる形状として、ウォームホイール15から遠い側の側面を保護することもできる。また、本発明を実施する場合、アーム部の先端面の形状も、特に限定されない。
上述のような構成を有する本例の電動パワーステアリング装置1では、図7に示すように、1対のアーム部35の基端側部の弾性的な曲げ変形によって発生するモーメントMにより、ホルダ本体部34に、第1方向に関してウォームホイール15側を向いた弾性的な付勢力Pが加わる。そして、この付勢力Pが先端側軸受18を介してウォーム16の先端部に付与されることで、ウォーム歯28がホイール歯25に向け付勢され、ウォーム歯28とホイール歯25との噛合部のバックラッシュが抑えられる。
また、ウォーム減速機12の組立状態において、第1方向に関するウォーム16の位置、換言すれば、ウォーム16の中心軸OWとウォーム収容部21の中心軸OHとの間隔は、ウォーム減速機12を構成する各部材の寸法誤差や組立誤差、ハウジング14や外側ホイール素子27を構成する樹脂材料の温度変化や吸水による寸法変化、ウォーム歯28及びホイール歯25の摩耗などによって変化する。本例では、このような変化に伴って、1対のアーム部35の基端側部の曲げ変形量が変化する。ただし、該基端側部の曲げに対する抵抗(ばね定数)は小さいため、該基端側部の曲げ変形量の変化に対する、付勢力Pの大きさの変化を小さくできる。したがって、ウォーム16の中心軸OWとウォーム収容部21の中心軸OHとの間隔が変化することにかかわらず、ウォーム歯28とホイール歯25との噛合部の摩擦力を適度な大きさに保つことができる。
また、本例の電動アシスト装置10では、電動モータ11に通電することにより、ウォーム16からウォームホイール15にトルクを伝達すると、ホイール歯25とウォーム歯28との噛合部からウォーム16に噛み合い反力が加わる。該噛み合い反力には、第1方向に関する成分だけでなく、第2方向に関する成分も含まれる。噛み合い反力のうち、第2方向に関する成分の向きは、ウォーム16が所定方向に回転する場合と、ウォーム16が所定方向と反対方向に回転する場合とで、互いに逆方向となる。すなわち、ウォーム16とウォームホイール15との間でトルクを伝達する際には、図7に示すように、ウォーム16の回転方向に応じて、ウォーム16の先端部に、噛み合い反力F又はFが加わる。
ウォーム16とウォームホイール15との間でトルクを伝達する際に、ウォーム16に加わる噛み合い反力F又はFのうち、第1方向に関する成分(分力)によって、ウォーム16の先端部が、第1方向に関してウォームホイール15から遠い側に移動する際には、1対のアーム部35の基端側部の曲げ変形量を増大させながら当該移動が進行する。そして、当該移動によって、第1ホルダ側ストッパ面37が第1ハウジング側ストッパ面43に当接した後は、ホルダ本体部34の高い圧縮剛性によって、当該移動が規制される。
一方、ウォーム16に加わる噛み合い反力F又はFのうち、第2方向に関する成分(分力)によって、ウォーム16の先端部が、第2方向に移動する際には、1対のアーム部35のうち、当該移動の方向の前方に位置するアーム部35が第2方向に圧縮されながら当該移動が進行する。そして、当該移動によって、当該移動の方向の前方に位置する第2ホルダ側ストッパ面38が第2ハウジング側ストッパ面44に当接した後は、ホルダ本体部34の高い圧縮剛性によって、当該移動が規制される。
そして、以上のように、ウォーム16の先端部の第1方向及び第2方向の移動が規制されることによって、ウォーム歯28とホイール歯25との噛み合いのずれを抑えることができる。これとともに、ウォーム16の揺動中心となる基端側軸受17の内輪と外輪との相互の傾き量を抑えられ、基端側軸受17のトルクが増大することを抑えられる。
また、ホルダ19は、弾性を有する軟らかい材料で造られているため、第1ホルダ側ストッパ面37と第1ハウジング側ストッパ面43とが当接する際の衝撃及び打音や、第2ホルダ側ストッパ面38と第2ハウジング側ストッパ面44とが当接する際の衝撃及び打音を抑えられる。特に、ホルダ本体部34が第2方向に移動する際には、当該移動の方向の前方に位置するアーム部36が第2方向に圧縮されるが、該圧縮の剛性は、アーム部36の基端側部の曲げ剛性よりも高いため、当該移動の勢いを効果的に抑えられる。したがって、第2ホルダ側ストッパ面38と第2ハウジング側ストッパ面44とが当接する際の衝撃及び打音を効果的に抑えられる。また、以上のような衝撃を抑えられる結果、運転者に対して、該衝撃に基づいて発生する可能性のある、操舵感の変化を感じさせにくくすることができる。
また、本例では、ウォーム減速機12を組み立てる際に、ホルダ19を構成する1対のアーム部35のそれぞれを、アーム収容凹部42の内側に、該アーム収容凹部42の軸方向一方側の開口から軸方向に挿入することによって、ホルダ19をホルダ保持部24に対して組み付けることができる。このため、ハウジング14のホルダ保持部24に対するホルダ19の円周方向の位置決めの容易化を図れる。
なお、本発明を実施する場合には、1対のアーム収容凹部42、及び、該アーム収容凹部42に収容する1対のアーム部35の円周方向位置は、本例の場合と異ならせることもできる。具体的には、例えば、1対のアーム収容凹部42(1対のアーム部35)のうちの少なくとも一方のアーム収容凹部42(アーム部35)の円周方向位置を、本例の場合よりも第1方向に関してウォームホイール15から遠い側(又はウォームホイール15に近い側)に変更することができる。この場合に、アーム収容凹部42(アーム部35)の形成方向は、例えば、変更後の円周方向位置における径方向とすることもできるし、変更前と同じように第2方向とすることもできる。
[実施の形態の第2例]
本発明の実施の形態の第2例について、図9を用いて説明する。
本例では、ホルダ19aを構成するホルダ本体部34aの第1ホルダ側ストッパ面37aの断面形状(母線形状)を、凸円弧形状としている。
このような構成を有する本例の構造では、ホイール歯25とウォーム歯28との噛合部(図2参照)からウォーム16に噛み合い反力が作用することによって、ウォーム16の先端部(小径部30)が第1方向に関してウォームホイール15から遠い側(図9の上側)に移動し、第1ホルダ側ストッパ面37aが第1ハウジング側ストッパ面43と当接する際の衝撃及び打音を、より効果的に抑えられる。すなわち、本例では、第1ホルダ側ストッパ面37aの断面形状を凸円弧形状としているため、第1ホルダ側ストッパ面37aが第1ハウジング側ストッパ面43と当接する際には、第1ホルダ側ストッパ面37aが第1ハウジング側ストッパ面43に押し潰されるように弾性変形することによって、第1ハウジング側ストッパ面43に対する第1ホルダ側ストッパ面37aの当接部の軸方向幅寸法が徐々に大きくなり、これに伴って、ホルダ本体部34aの圧縮剛性が緩やかに増大していく。このため、第1ホルダ側ストッパ面37aが第1ハウジング側ストッパ面43と当接する際の衝撃及び打音をより効果的に抑えられる。この結果、運転者に対して、該衝撃に基づいて発生する可能性のある、操舵感の変化を、より感じさせにくくすることができる。
その他の構成及び作用効果は、実施の形態の第1例と同様である。
[実施の形態の第3例]
本発明の実施の形態の第3例について、図10及び図11を用いて説明する。
本例では、ホルダ19bを構成するアーム部35aのうち、ウォーム減速機の組立状態で弾性的に曲げ変形する基端側部の曲げに対する抵抗(ばね定数)を、実施の形態の第1例の場合よりも小さくしている。このために、アーム部35aの基端側部を、実施の形態の第1例の場合よりも細くしかつ長くしている。具体的には、アーム部35aの基端側部を細くするために、ホルダ19bの軸方向に関して、アーム部35a全体(基端側部を含む)の幅寸法WAを、ホルダ本体部34bの幅寸法WBよりも小さくしている(WA<WB)。また、アーム部35aの基端側部をより細くするために、第1方向に関して、アーム部35aの基端側部の厚さ寸法TAbを、アーム部35aの先端側部の厚さ寸法TAaよりも、大幅に(実施の形態の第1例よりも大きい割合で)小さくしている(TAb<TAa)。また、アーム部35aの基端側部を長くするために、ホルダ本体部34bの外周面のうち、アーム部35aの根元部の周囲部分に、第1方向に隣接する第2ホルダ側ストッパ面38よりも径方向内側に凹んだ凹部47を設けている。これにより、該凹部47の径方向深さの分だけ、アーム部35aの基端側部の長さ寸法LAを大きくしている。
さらに、本例では、アーム部35aの基端側部の曲げに対する抵抗をより小さくするために、ホルダ本体部34bの内周面のうちでアーム部35aの内径側に位置する部分に、軸方向の全長にわたる切り欠き48を設けている。これにより、ホルダ本体部34bのうち、アーム部35aの付け根の周辺部分を弾性的に曲がりやすくすることで、アーム部35aの基端側部の曲げに対する抵抗をより小さくしている。
また、本例では、軸方向一方側の内向鍔部36cの内周面を単なる円筒面とすることで、その分、該内向鍔部36cの形状を簡素化している。なお、内周面に1対の内向鍔部36c、36bを備えたホルダ本体部34bの剛性は低いため、本例のように内向鍔部36cの内周面を単なる円筒面としても、ホルダ本体部34bに外輪32を内嵌する際に、ホルダ本体部34bの内側に外輪32を軸方向から押し込む作業を容易に行える。
以上のような構成を有する本例の構造では、アーム部35aの基端側部の曲げに対する抵抗を小さくしているため、ホイール歯25とウォーム歯28との噛合部(図2参照)からウォーム16に噛み合い反力が作用することによって、ウォーム16の先端部が、第1方向に関してウォームホイール15から遠い側(図10の上側)に移動する場合に、アーム部35aの基端側部の弾性的な曲げ変形によって発生するモーメントM(図7参照)の増大量、すなわち、ウォーム16の先端部に加わる付勢力P(図7参照)の増大量を小さくすることができ、ホイール歯25とウォーム歯28との噛合部の摩擦力の増大量をより小さく抑えることができる。
その他の構成及び作用効果は、実施の形態の第1例と同様である。
[実施の形態の第4例]
本発明の実施の形態の第4例について、図12~図20を用いて説明する。
本例では、ホルダ19cは、図14~図17に示すように、低剛性部品49と主高剛性部品50と副高剛性部品51との3つの部品を組み合わせることにより構成されている。そして、ホルダ19cを構成する1対のアーム部35bは、低剛性部品49に備えられている。また、ホルダ19cを構成するホルダ本体部34cは、低剛性部品49のうちの1対のアーム部35b以外の部分と、主高剛性部品50及び副高剛性部品51とによって構成されている。本例の場合も、ホルダ19c(低剛性部品49、主高剛性部品50、副高剛性部品51)は、第1方向に関して対称な形状を有するとともに、第2方向に関して対称な形状を有している。
ホルダ19cを軸方向に分解した状態で、ホルダ19cを構成する3つの部品は、図17に示すように、軸方向一方側から、主高剛性部品50、低剛性部品49、副高剛性部品51の順に並んでいる。そこで、以下、これらの部品について、主高剛性部品50、低剛性部品49、副高剛性部品51の順に説明する。
主高剛性部品50は、図17及び図18に示すように、嵌合筒部52と、フランジ部53と、1対の連結部54とを有している。このような主高剛性部品50は、低剛性部品49の材料よりも剛性が高い材料製である。該材料としては、例えば、ポリアミド(PA)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリカーボネート(PC)、ポリアセタール(POM)などの合成樹脂製、あるいは、該合成樹脂にガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維などの補強材を混入した強化合成樹脂などを用いることができる。
嵌合筒部52は、円筒形状を有しており、内周面の軸方向両側端部に1対の内向鍔部55a、55bを有している。嵌合筒部52は、図15及び図16に示すように、軸方向中間部に先端側軸受18の外輪32を内嵌保持している。また、この状態で、1対の内向鍔部55a、55bにより外輪32を軸方向両側から挟持することで、主高剛性部品50と外輪32とが軸方向に分離することを防止している。
フランジ部53は、嵌合筒部52の軸方向一方側部から径方向外方に突出している。フランジ部53は、円輪形状を有しており、軸方向他方側の側面の径方向内側部に、軸方向他方側の側面の径方向外側部よりも軸方向に張り出した円輪状の平面である抑え面56aを有している。フランジ部53は、外周面のうちで第1方向に関してウォームホイール15から遠い側(図12~図20の上側)に、第1高剛性ストッパ面57aを有している。第1高剛性ストッパ面57aは、主高剛性部品50の中心軸を中心とする円筒状凸面である。また、本例では、フランジ部53の外周面のうちで第1方向に関してウォームホイール15側(図12~図20の下側)の部分を、第1方向に関して第1高剛性ストッパ面57aと対称な円筒状凸面としている。また、第1高剛性ストッパ面57aは、図15に示すように、軸方向他方側の端部が先端側軸受18に対して径方向に重畳している。
1対の連結部54は、フランジ部53の第2方向に関する両側の端部から軸方向他方側に突出している。1対の連結部54のそれぞれは、第1方向の中間部に、軸方向の全長にわたる切り欠き58を有しており、該切り欠き58は、軸方向他方側に開口している。また、1対の連結部54のそれぞれは、切り欠き58を挟んだ第1方向の両側部を1対の連結素子59としている。1対の連結素子59のそれぞれは、先端部に、切り欠き58側に突出する係止突起60を有している。また、主高剛性部品50は、第2方向の両側の側面に、連結部54の外径側側面とフランジ部53の外周面とに跨り、かつ、第2方向に対して直交する平面61aを有している。
低剛性部品49は、図17及び図19に示すように、低剛性本体部62と、1対のアーム部35bとを有している。このような低剛性部品49は、例えば、アクリルゴム(ACM)、エチレンアクリルゴム(AEM)などのゴム、ポリエステルエラストマー、ポリウレタンエラストマー、オレフィン系エラストマーなどのエラストマー、ポリアミド(PA)、ポリアセタール(POM)などの軟らかい合成樹脂といった、弾性を有する材料製である。
低剛性本体部62は、円輪形状を有している。低剛性本体部62は、外周面のうちで第1方向に関してウォームホイール15から遠い側に、第1低剛性ストッパ面63を有している。第1低剛性ストッパ面63は、低剛性本体部62の中心軸を中心とする円筒状凸面である。また、本例では、低剛性本体部62の外周面のうちで第1方向に関してウォームホイール15側の部分を、第1方向に関して第1低剛性ストッパ面63と対称な円筒状凸面としている。
1対のアーム部35bは、低剛性本体部62の第2方向の両側の端部から、第2方向に関して互いに反対側に突出している。本例では、アーム部35bは、先端側部の第1方向両側の側面64を、第1方向に対して直交する平面としている。
このような低剛性部品49は、図15及び図16に示すように、主高剛性部品50の軸方向中間部に組み付けられている。この状態で、低剛性本体部62は、主高剛性部品50の嵌合筒部52の軸方向中間部に圧入により外嵌されるとともに、主高剛性部品50の1対の連結部54同士の間に配置されている。また、低剛性本体部62の軸方向一方側の側面の径方向内側部は、主高剛性部品50の抑え面56aに当接しており、低剛性本体部62の軸方向一方側の側面の径方向外側部と、主高剛性部品50のフランジ部53の軸方向他方側の側面の径方向外側部(抑え面56aよりも径方向外側の部分)との間には、軸方向の隙間が存在している。また、1対のアーム部35bのそれぞれは、主高剛性部品50の切り欠き58の内側を挿通して連結部54の外径側に突出し、かつ、主高剛性部品50に接触していない。さらに、第1低剛性ストッパ面63は、その軸方向中央部が先端側軸受18の軸方向中央部と同じ軸方向位置に配置されており、かつ、その全体が先端側軸受18に対して径方向に重畳している。
副高剛性部品51は、図17及び図20に示すように、高剛性本体部65と、1対の係合凸部66とを有している。このような副高剛性部品51は、低剛性部品49の材料よりも剛性が高い材料製である。該材料としては、例えば、ポリアミド(PA)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリカーボネート(PC)、ポリアセタール(POM)などの合成樹脂製、あるいは、該合成樹脂にガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維などの補強材を混入した強化合成樹脂などを用いることができる。なお、図20では、副高剛性部品51の軸方向の向きを、図17とは逆向きにして表している。
高剛性本体部65は、円輪形状を有しており、軸方向一方側の側面の径方向内側部に、軸方向一方側の側面の径方向外側部よりも軸方向に張り出した円輪状の平面である抑え面56bを有している。高剛性本体部65は、外周面のうちで第1方向に関してウォームホイール15から遠い側に、第1高剛性ストッパ面57bを有している。第1高剛性ストッパ面57bは、副高剛性部品51の中心軸を中心とする円筒状凸面である。また、本例では、高剛性本体部65の外周面のうちで第1方向に関してウォームホイール15側の部分を、第1方向に関して第1高剛性ストッパ面57bと対称な円筒状凸面としている。
1対の係合凸部66は、高剛性本体部65の第2方向の両側の端部から、第2方向に関して互いに反対側に突出している。1対の係合凸部66のそれぞれは、先端面に、第2方向に対して直交する平面61bを有している。
このような副高剛性部品51は、図15及び図16に示すように、主高剛性部品50の軸方向他方側部に組み付けられている。この状態で、高剛性本体部65は、主高剛性部品50の嵌合筒部52の軸方向他方側部に圧入により外嵌されるとともに、主高剛性部品50の1対の連結部54同士の間に配置されている。また、高剛性本体部65の抑え面56bは、低剛性本体部62の軸方向他方側の側面の径方向内側部に当接しており、高剛性本体部65の軸方向一方側の側面の径方向外側部(抑え面56bよりも径方向外側の部分)と、低剛性本体部62の軸方向他方側の側面の径方向外側部との間には、軸方向の隙間が存在している。また、1対の係合凸部66のそれぞれは、主高剛性部品50の切り欠き58の内側に挿入されるとともに、その軸方向一方側の側面に主高剛性部品50の係止突起60が係合することによって、切り欠き58からの軸方向の抜け止めがされている。また、1対のアーム部35bのそれぞれは、主高剛性部品50だけでなく、副高剛性部品51にも接触していない。さらに、第1高剛性ストッパ面57bは、軸方向一方側の端部が先端側軸受18に対して径方向に重畳している。
本例では、上述のように低剛性部品49と主高剛性部品50と副高剛性部品51とを組み合わせることにより、ホルダ19cを組み立てた状態で、第1低剛性ストッパ面63と2つの第1高剛性ストッパ面57a、57bとが第1ホルダ側ストッパ面37bを構成し、平面61aと平面61bとが第2ホルダ側ストッパ面38aを構成している。図15に示すように、2つの第1高剛性ストッパ面57a、57bは、互いに同じ径方向位置に配置されており、第1低剛性ストッパ面63は、2つの第1高剛性ストッパ面57a、57bよりも径方向外側に配置されている。また、図14及び図16に示すように、平面61aと平面61bとは、互いに同一の平面上に配置されている。
また、本例の場合も、実施の形態の第1例の場合と同様、図14(実施の形態の第1例の図6に相当する図)に示すように、ホルダ19cを構成する1対のアーム部35bのそれぞれが、アーム収容凹部42の内側に軸方向一方側から挿入され、かつ、1対のアーム部35bのそれぞれの先端側部がアーム収容凹部42の内側に圧入された状態、及び、図示は省略するが実施の形態の第1例の図7に相当する実際の組立状態で、ホルダ19cを構成するホルダ本体部34cの外周面は、本体収容凹部41の内周面に対して接触していない。すなわち、互いに対向する第1ホルダ側ストッパ面37bと第1ハウジング側ストッパ面43との間と、互いに対向する第2ホルダ側ストッパ面38aと第2ハウジング側ストッパ面44との間とを含む、ホルダ本体部34cの外周面と本体収容凹部41との間には、全周にわたり隙間が存在している。
上述のような構成を有する本例の構造では、ウォーム16とウォームホイール15との間でトルクを伝達する際に、ウォーム16に加わる噛み合い反力によって、ウォーム16の先端部が、第1方向に関してウォームホイール15から遠い側に移動する際には、1対のアーム部35bの基端側部の曲げ変形量を増大させながら当該移動が進行することによって、まず、第1低剛性ストッパ面63が第1ハウジング側ストッパ面43に当接する。それ以降は、低剛性本体部62が嵌合筒部52の外周面と第1ハウジング側ストッパ面43との間で圧縮されながら当該移動が進行する。その後、当該移動がさらに進むと、2つの第1高剛性ストッパ面57a、57bが第1ハウジング側ストッパ面43に当接する。それ以降は、主高剛性部品50及び副高剛性部品51の高い圧縮剛性によって、当該移動が規制される。
なお、本例では、ホルダ19cを組み立てた状態で、低剛性部品49を構成する1対のアーム部35bは、主高剛性部品50及び副高剛性部品51に対して接触していない。このため、1対のアーム部35bの基端側部の曲げ変形量が増大する際に、該基端側部の動きが、主高剛性部品50及び副高剛性部品51によって阻害されることはない。したがって、ウォーム歯28とホイール歯25との噛合部の摩擦力を過度に増大させることはない。また、低剛性部品49を構成する低剛性本体部62は、径方向内側部のみが、主高剛性部品50の抑え面56aと副高剛性部品51の抑え面56bとによって軸方向に挟持されており、低剛性本体部62の軸方向一方側の側面の径方向外側部と、主高剛性部品50のフランジ部53の軸方向他方側の側面の径方向外側部(抑え面56aよりも径方向外側の部分)との間、及び、低剛性本体部62の軸方向他方側の側面の径方向外側部と、高剛性本体部65の軸方向一方側の側面の径方向外側部(抑え面56bよりも径方向外側の部分)との間には、それぞれ軸方向の隙間が存在している。このため、低剛性本体部62が嵌合筒部52の外周面と第1ハウジング側ストッパ面43との間で圧縮される際に、上述のような軸方向の隙間によって、低剛性本体部62の圧縮部が軸方向に関して弾性的に膨らむことを許容できる。したがって、低剛性本体部62の当該圧縮方向の剛性が、過度に高くなることはない。この結果、第1低剛性ストッパ面63が第1ハウジング側ストッパ面43に当接する際の衝撃を、効果的に抑えることができる。
また、本例では、第1低剛性ストッパ面63は、その軸方向中央部が先端側軸受18の軸方向中央部と同じ軸方向位置に配置されており、その全体が先端側軸受18に対して径方向に重畳している。このため、第1低剛性ストッパ面63が第1ハウジング側ストッパ面43に当接した際に、先端側軸受18の内輪31と外輪32とが傾くことを防止できる。さらに、本例では、2つの第1高剛性ストッパ面57a、57bは、第1低剛性ストッパ面63の軸方向両側に隣り合う位置において、互いに同じ径方向位置に配置されている。このため、第1低剛性ストッパ面63の軸方向両側に隣り合う位置において、2つの第1高剛性ストッパ面57a、57bを、第1ハウジング側ストッパ面43に対して同時に当接させることができる。したがって、該当接の際に、先端側軸受18の内輪31と外輪32とが傾くことを防止できる。この結果、本例では、先端側軸受18の内輪31と外輪32とが傾くことによって、先端側軸受18のトルクが増大することを防止できる。
また、本例では、第1高剛性ストッパ面57aは、軸方向他方側の端部が先端側軸受18に対して径方向に重畳しており、第1高剛性ストッパ面57bは、軸方向一方側の端部が先端側軸受18に対して径方向に重畳している。このため、2つの第1高剛性ストッパ面57a、57bが第1ハウジング側ストッパ面43に押し付けられることに伴って嵌合筒部52に作用する、曲げモーメントMX(図15参照)を小さく抑えることができる。したがって、嵌合筒部52の耐久性を向上させることができる。
また、本例の構造では、ウォーム16とウォームホイール15との間でトルクを伝達する際に、ウォーム16に加わる噛み合い反力によって、ウォーム16の先端部が、第2方向に移動する際には、当該移動の方向の前方に位置するアーム部35bが第2方向に圧縮されることによって、当該移動の方向の前方に位置する第2ホルダ側ストッパ面38aが第2ハウジング側ストッパ面44に当接する。それ以降は、主高剛性部品50及び副高剛性部品51の高い圧縮剛性によって、当該移動が規制される。
以上のように、本例では、ウォーム16の先端部の第1方向及び第2方向の移動規制を、主高剛性部品50及び副高剛性部品51によって行うため、低剛性部品49の材料として、低い弾性係数の材料を用いることができる。したがって、低剛性部品49の弾性によりウォーム歯28とホイール歯25との噛合部のバックラッシュを抑える効果と、ウォーム16の先端部の第1方向及び第2方向の移動を規制する効果とを、高いレベルで両立することができる。また、主高剛性部品50及び副高剛性部品51による移動の規制によって、低剛性部品49の弾性変形量を抑えられるため、低剛性部品49にクリープが発生しにくくなる。
その他の構成及び作用効果は、実施の形態の第1例と同様である。
[実施の形態の第5例]
本発明の実施の形態の第5例について、図21~図25を用いて説明する。
本例では、ホルダ19dを構成する低剛性部品49aの第1低剛性ストッパ面63aの断面形状(母線形状)を、凸円弧形状としている。これにより、第1低剛性ストッパ面63aが第1ハウジング側ストッパ面43と当接する際に、第1低剛性ストッパ面63aが第1ハウジング側ストッパ面43に押し潰されるように弾性変形することで、第1ハウジング側ストッパ面43に対する第1低剛性ストッパ面63aの当接部の軸方向幅寸法が徐々に大きくなるようにしている。そして、これにより、低剛性本体部62aの圧縮剛性が緩やかに増大するようにして、第1低剛性ストッパ面63aが第1ハウジング側ストッパ面43と当接する際の衝撃及び打音をより効果的に抑えられるようにしている。この結果、本例の構造では、運転者に対して、当該衝撃に基づいて発生する可能性のある、操舵感の変化を、より感じさせにくくすることができる。
また、本例では、低剛性部品49aの低剛性本体部62aの軸方向幅寸法を小さくし、その分、主高剛性部品50aのフランジ部53a、及び、副高剛性部品51aの高剛性本体部65aの、それぞれの軸方向寸法を大きくしている。これにより、第1高剛性ストッパ面57aが先端側軸受18に対して径方向に重畳する部分の軸方向幅寸法La、及び、第1高剛性ストッパ面57bが先端側軸受18に対して径方向に重畳する部分の軸方向幅寸法Lbを大きくしている。この結果、本例の構造では、2つの第1高剛性ストッパ面57a、57bが第1ハウジング側ストッパ面43に押し付けられることに伴って嵌合筒部52に作用する曲げモーメントMX(図22参照)を、より小さく抑えることができる。したがって、嵌合筒部52の耐久性をより向上させることができる。
また、本例では、上述のように副高剛性部品51aの軸方向寸法を大きくしたことに伴い、主高剛性部品50aの嵌合筒部52に対する副高剛性部品51aの圧入嵌合部に作用する摩擦力を大きくすることができる。このため、本例では、主高剛性部品50aの1対の連結部54aのそれぞれを構成する連結素子59aの先端部に係止突起を設けず、当該摩擦力のみによって、主高剛性部品50aと副高剛性部品51aとの軸方向の分離を防止している。したがって、前記係止突起を設けていない分、主高剛性部品50aの形状を簡素化して、ホルダ19dの製造コストを低減することができる。
また、本例では、主高剛性部品50aの1対の内向鍔部55c、55bのうち、軸方向一方側の内向鍔部55cの内周面の軸方向一方側部を、軸方向他方側から軸方向一方側に向かうほど内径寸法が大きくなるテーパ面67としている。これにより、主高剛性部品50aに外輪32を内嵌する際に、テーパ面67を案内面として、主高剛性部品50aの内側に外輪32を軸方向一方側から押し込みやすくしている。
その他の構成及び作用効果は、実施の形態の第4例と同様である。
なお、本発明の電動アシスト装置は、コラムアシスト型の電動パワーステアリング装置に限らず、各種構造の電動パワーステアリング装置に組み込むことができる。具体的には、例えば、補助動力を付与する操舵力伝達部材として、ステアリングギヤユニットの入力軸(ピニオン軸)を採用した、ピニオンアシスト型の電動パワーステアリング装置や、補助動力を付与する操舵力伝達部材として、ステアリングギヤユニットのラック軸を採用した、ラックアシスト型の電動パワーステアリング装置に、本発明の電動アシスト装置を組み込むことができる。
また、本発明のウォーム減速機は、電動アシスト装置に限らず、各種機械装置に組み込むことができる。
1 電動パワーステアリング装置
2 ステアリングホイール
3 ステアリングギヤユニット
4 入力軸
5 タイロッド
6 ステアリングシャフト
7 ステアリングコラム
8a、8b 自在継手
9 中間シャフト
10 電動アシスト装置
11 電動モータ
12 ウォーム減速機
13 出力軸
14 ハウジング
15 ウォームホイール
16 ウォーム
17 基端側軸受
18 先端側軸受
19、19a、19b、19c、19d ホルダ
20 ホイール収容部
21 ウォーム収容部
22 蓋体
23 テーパ面
24 ホルダ保持部
25 ホイール歯
26 内側ホイール素子
27 外側ホイール素子
28 ウォーム歯
29 カップリング
30 小径部
31 内輪
32 外輪
33 玉
34、34a、34b、34c ホルダ本体部
35、35a、35b アーム部
36a、36b 内向鍔部
37、37a、37b 第1ホルダ側ストッパ面
38 第2ホルダ側ストッパ面
39 側面
40 先端面
41 本体収容凹部
42 アーム収容凹部
43 第1ハウジング側ストッパ面
44 第2ハウジング側ストッパ面
45 内側面
46 底面
47 凹部
48 切り欠き
49、49a 低剛性部品
50、50a 主高剛性部品
51、51a 副高剛性部品
52 嵌合筒部
53、53a フランジ部
54、54a 連結部
55a、55b、55c 内向鍔部
56a、56b 抑え面
57a、57b 第1高剛性ストッパ面
58 切り欠き
59、59a 連結素子
60 係止突起
61a、61b 平面
62、62a 低剛性本体部
63、63a 第1低剛性ストッパ面
64 側面
65、65a 高剛性本体部
66 係合凸部
67 テーパ面
68 突条

Claims (14)

  1. ハウジングと、
    前記ハウジングに回転自在に支持されて、外周面にホイール歯を有するウォームホイールと、
    前記ハウジングに回転自在に支持されて、外周面に前記ホイール歯と噛合するウォーム歯を有するウォームと、
    前記ウォームの先端部に外嵌された軸受と、
    前記軸受を、前記ウォームホイール側に向けて弾性的に付勢するホルダと、を備え、
    前記ハウジングは、前記ウォームの中心軸を含み、かつ、前記ホルダによる前記軸受の付勢方向である第1方向に平行な仮想平面を挟んだ両側の2箇所位置に、互いに離隔した1対のアーム収容凹部を有しており、
    前記ホルダは、前記軸受を内嵌し、かつ、前記ウォームホイールに対する遠近動を可能に配置されたホルダ本体部と、該ホルダ本体部の外周面から突出し、かつ、弾性を有する1対のアーム部とを有しており、前記アーム部のそれぞれを弾性変形させた状態で、前記アーム収容凹部のそれぞれに係合させ、前記アーム部のそれぞれの弾性復元力によって、前記ホルダ本体部に内嵌された前記軸受を、前記ウォームホイール側に向けて弾性的に付勢しており、
    それぞれの前記アーム収容凹部の内面は、前記第1方向の両側に位置する1対の内側面と、前記仮想平面に直交する方向である第2方向の奥側の端部に位置する底面とを含み、
    それぞれの前記アーム部の前記第1方向に関する両側の側面が、それぞれの前記アーム収容凹部のそれぞれの前記内側面に弾性的に接触し、かつ、それぞれの前記アーム部の前記第2方向に関する先端面が、それぞれの前記アーム収容凹部の前記底面に弾性的に接触している、
    ウォーム減速機。
  2. 前記ホルダ本体部は、外周面のうちで前記アーム部よりも前記ウォームホイールから遠い側の部分に第1ホルダ側ストッパ面を有しており、
    前記ハウジングは、前記第1ホルダ側ストッパ面を当接させることが可能な第1ハウジング側ストッパ面を有している、
    請求項1に記載のウォーム減速機。
  3. 前記ホルダ本体部は、外周面のうちで前記第2方向の両側の部分に第2ホルダ側ストッパ面を有しており、
    前記ハウジングは、前記第2ホルダ側ストッパ面のそれぞれを当接させることが可能な第2ハウジング側ストッパ面を有している、
    請求項1又は2に記載のウォーム減速機。
  4. それぞれの前記アーム部の前記第1方向に関する両側の側面が、前記第2方向に関する凹凸形状を有する、請求項1~3のうちのいずれか1項に記載のウォーム減速機。
  5. 前記アーム収容凹部のそれぞれが、前記第1方向に関して互いに同じ位置に配置されている、
    請求項1~4のうちのいずれか1項に記載のウォーム減速機。
  6. 前記ホルダ本体部と前記アーム部のそれぞれとが、弾性を有する材料により一体に構成されている、
    請求項1~5のうちのいずれか1項に記載のウォーム減速機。
  7. 前記ホルダ本体部が、全周が連続的につながった円筒状に構成されている、請求項6に記載のウォーム減速機。
  8. 前記ホルダは、弾性を有する材料製でかつ前記アーム部のそれぞれを備える低剛性部品と、該低剛性部品の材料よりも剛性が高い材料製の高剛性部品とを組み合わせることにより構成されている、
    請求項1~5のうちのいずれか1項に記載のウォーム減速機。
  9. 前記第1ホルダ側ストッパ面は、前記低剛性部品に備えられた第1低剛性ストッパ面と、前記高剛性部品に備えられた第1高剛性ストッパ面とからなり、
    前記第1低剛性ストッパ面は、前記第1高剛性ストッパ面よりも、径方向外側に配置されている、
    請求項2を直接的又は間接的に引用する請求項に記載のウォーム減速機。
  10. 前記第1高剛性ストッパ面は、前記第1低剛性ストッパ面の軸方向両側に隣り合う位置に配置されており、
    前記第1高剛性ストッパ面のそれぞれは、互いに同じ径方向位置に配置されている、
    請求項に記載のウォーム減速機。
  11. 前記第1低剛性ストッパ面の軸方向中央部が前記軸受の軸方向中央部と同じ軸方向位置に配置されている、
    請求項10に記載のウォーム減速機。
  12. 前記第1高剛性ストッパ面のそれぞれが前記軸受に対して径方向に重畳して配置されている、
    請求項11に記載のウォーム減速機。
  13. 前記第2ホルダ側ストッパ面のそれぞれが前記高剛性部品に備えられている、
    請求項3を直接的又は間接的に引用する請求項12のうちのいずれか1項に記載のウォーム減速機。
  14. 電動モータと、
    前記電動モータの動力を増大して操舵力伝達部材に伝達するウォーム減速機と、
    を備え、
    前記ウォーム減速機が、請求項1~13のうちのいずれか1項に記載のウォーム減速機である、電動アシスト装置。
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