JP7254574B2 - 粒子加速器 - Google Patents

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Description

本発明は、粒子加速器に関する。
サイクロトロンなどの粒子加速器では、加速粒子を粒子加速器の外へ出射するために、フォイルストリッパーが用いられる。特許文献1には、カーボン薄膜から形成された複数のフォイルを備えたフォイルストリッパーを有する粒子加速器が記載されている。
特開2009-231007号公報
回転軸自体には放熱経路としての機能が期待されている場合も多く、熱伝導性を有する部材が選択され得る。一方で、フォイルストリッパーの回転軸のように磁場が存在する空間で回転軸を回転すると渦電流の発生により回転を止める方向の力がかかって回転効率が低下する可能性がある。
本発明は上記を鑑みてなされたものであり、放熱経路としての機能を有しながら、回転時の渦電流の発生を抑制することが可能な回転軸を含む粒子加速器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る粒子加速器は、磁場をかけることによって荷電粒子を周回させながら加速する加速部と、前記磁場中で当該磁場の方向と略平行な軸心を中心に回転する回転軸と、を有し、前記回転軸は、軸方向における電気伝導率は、断面方向に比べて高い。
回転軸の軸方向における電気伝導率が断面方向に比べて高いことで、軸方向においては熱伝導性も高められる。したがって、回転軸を放熱経路として機能させることができる。一方、断面方向での電気伝導率を低くすることで、回転軸を回転させた際に渦電流の発生を抑制することができる。したがって、上記の粒子加速器に含まれる回転軸は、放熱経路としての機能を有しながら、回転時の渦電流の発生を抑制することができる。
ここで、前記回転軸は、前記軸方向に延びる電気伝導率が高い材料が互いに離間した状態で複数組み合わせられている態様とすることができる。
軸方向の電気伝導率を確保しながら断面方向の電気伝導率を低くする構成として、軸方向に延びる電気伝導率が高い材料が互いに離間した状態で複数組み合わせることが考えられる。断面方向で見たときに電気伝導率が高い材料が互いに離間した構造とすることで、渦電流の発生を抑制することができる。
前記回転軸は、CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics)を含んで構成される態様とすることができる。上記の構成はCFRPを用いることで容易に実現することができる。
本発明によれば、放熱経路としての機能を有しながら、回転時の渦電流の発生を抑制することが可能な回転軸を含む粒子加速器が提供される。
図1(a)は本発明の一実施形態に係る粒子加速器を概略的に示す図であり、図1(b)は、(a)のIb-Ib線に沿った断面図である。 図2は、図1の粒子加速器の作用を模式的に示す平面図である。 図3は、図1の粒子加速器のフォイルストリッパーの構成を概略的に示す図である。 図4(a)、図4(b)、図4(c)は、軸部の構成例を説明する図である。 図5は、軸部の構成例を説明する図である。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1及び図2を参照して、本発明の一実施形態に係る粒子加速器100について説明する。図1(a)は本発明の一実施形態に係る粒子加速器を概略的に示す図であり、図1(b)は、図1(a)のIb-Ib線に沿った断面図である。また、図2は図1の粒子加速器の作用を模式的に示す平面図である。
粒子加速器100は、例えば、ホウ素中性子捕捉療法(BNCT:Boron Neutron Capture Therapy)を用いたがん治療を行う中性子捕捉療法システム等において、負イオンP(荷電粒子)を加速して荷電粒子線を生成するために用いられるサイクロトロンである。また、粒子加速器100は、PET用サイクロトロン、RI製造用サイクロトロン、及び原子核実験用サイクロンとして用いることもできる。
図1及び図2に示されるように、粒子加速器100は、一対に磁極10A,10B、及びそれぞれの磁極10A,10Bを囲むコイル20を含む加速部1と、荷電粒子を軌道上から逸らすことにより加速部1から荷電粒子線を引き出すフォイルストリッパー30と、を備えている。また、加速部1は、負イオンPが周回する真空箱40と、磁極10A,10Bの間に配置された一対の加速電極50と、フォイルストリッパー30によって軌道変更された陽子を取り出す出射口41と、を有している。負イオンPは、例えばイオン源装置(不図示)から真空箱40内に供給される。なお、図1(a)においてはコイル20を、図1(b)においてはイオン供給口13、真空箱40、及び加速電極50を省略している。
磁極10A,10Bは互いに対向して配置されており、その形状は円柱状である。磁極10A,10Bの互いに対向する面は、複数の谷領域(ヴァレー)11と複数の山領域(ヒル)12を含む複数のセクタに分割されていてもよい。また、谷領域11と山領域12とは、交互に現れるように形成されていてもよい。
コイル20は円環状であり、磁極10A,10Bの周囲を囲うようにそれぞれ配置されている。コイル20に対して電流を供給することにより、一方の磁極10Aから他方の磁極10Bへ向かう磁場が発生する。すなわち、磁極10A(又は磁極10B)及びコイル20によって電磁石が形成されている。
フォイルストリッパー30は、磁極10A,10Bの径方向に沿って延在する動力伝達部31と、動力伝達部31の先端部に設けられたフォイル部32と、フォイル部32を動かすフォイル駆動部33(駆動部)と、を備えている。フォイル駆動部33は高精度のモータ等を備えており、フォイル駆動部33の駆動制御によって、負イオンPの周回軌道K上に配置されたフォイル部32を動かすことが可能である。フォイルストリッパー30は、例えば、磁極10A,10Bの谷領域11に配置される。
真空箱40は、例えば、箱本体(不図示)と箱蓋(不図示)とを有している。真空箱40の低壁部には、一方の磁極10Aの外形と略同径の開口部が設けられており、この開口部から、一方の磁極10Aの谷領域11及び山領域12を備える面が、真空箱40内に突出している。また、箱本体には、真空排気用の排気口(不図示)が設けられており、この排気口には真空ポンプ(不図示)が接続されている。箱蓋は、真空ポンプによって真空箱40内を真空化できるように、箱本体の上部開口を塞いている。箱蓋には、箱本体と同様に、他方の磁極10Bの谷領域11及び山領域12を備える面を真空箱40内に突出させるために、他方の磁極10Bの外形と略同径の開口部が設けられている。
一対の加速電極50は、それぞれ平面視において三角形状であり、それぞれの頂角を突き合わせるようにして対向配置されている。各加速電極50は、例えば、銅等の電気導体から構成されており、上下に二枚の三角形を底辺で連結して構成されている。加速電極50の板面には、冷却用の冷媒を通すための管が設けられている。
一対の加速電極50は、磁極10A,10Bの谷領域11に位置している。そして、加速電極50の先端部同士が、接続部材により、機械的且つ電気的に接続されている。なお、接続部材の形態は特に限定されず、様々な形状を採用可能である。例えば、一対の加速電極50の先端部同士は電気的に接続されていなくてもよい。この場合、一対の加速電極50に対して別々に高周波の電圧を供給してもよい。
磁極10A(又は磁極10B)の中心位置には、負イオン源装置で生成された負イオンPを真空箱40内に供給するイオン供給口13が設けられている。負イオン源装置は、水素ガス等の原材料中でアーク放電を行って負イオンPを生成する装置である。負イオン源装置で生成された負イオンPはイオン供給口13を介して真空箱40内に引き込まれるように供給され、高周波の電圧がかけられている加速電極50によって周回しながら加速し、次第にエネルギーを増す。エネルギーが増せば負イオンPの回転半径は大きくなり、螺旋運動をしているような周回軌道Kを描く。周回軌道Kは、一対の磁極10A,10Bの間の中央の平面(メディアンプレーン)上に位置する。なお、負イオン源装置は、粒子加速器100の外部に配置されていてもよいし、粒子加速器100の内部に設けられていてもよい。
フォイルストリッパー30のフォイル部32は、例えば炭素性の薄膜からなる。フォイル部32は、周回する負イオンPの周回軌道K上に配置され、負イオンPに接触すると、その負イオンPから電子を剥ぎ取る。電子を剥奪されて負電荷から正電荷となった陽子は、周回軌道Kの曲率が反転し、その軌道が周回軌道Kの外側に飛び出す方向に向けて変更される。反転後の陽子の軌道上には、陽子を真空箱40から取り出すための出射口41が設けられている。フォイル部32は、負イオンPから電子を奪うことで、結果的に陽子を出射口41まで誘導することになる。
次に、図3を参照して、フォイルストリッパー30について詳細に説明する。図3は、図1の粒子加速器のフォイルストリッパー30の構成を概略的に示す図である。図3に示されるように、フォイルストリッパー30は、フォイル部32を駆動するフォイル駆動部33と、フォイル部32を支持するフォイル支持部34と、フォイル駆動部33において発生した動力をフォイル支持部34に伝達する動力伝達部31と、を更に有している。
フォイル部32は、フォイル支持部34に固定されている。動力伝達部31は、例えばベルト状の部材であり、フォイル駆動部33及びフォイル支持部34を接続するように設けられている。このような構造により、フォイル駆動部33において発生した動力によってフォイル部32を動かすことが可能になっている。
フォイル駆動部33は、負イオンPが加速されている間にフォイル部32を動かすことにより、フォイル部32において負イオンPが衝突する位置を変更させる。
フォイル支持部34は、例えば真空箱40内に配置された部材により、真空箱40内で回転可能に支持されている。なお、図3においては、フォイル支持部34を回転可能に支持する部材を省略している。フォイル支持部34は、中心に軸部35を有している。この軸部35の軸心35aを中心として回転可能とされている。
本実施形態において、フォイル駆動部33は、軸33aを中心に回転する動力を発生させる。フォイル部32は円形状であり、フォイル部32の中心部はフォイル支持部34によって支持されている。これにより、フォイル支持部34より外周側においてフォイル部32が露出した状態となっている。フォイル部32及びフォイル支持部34は、軸部35の35aを中心に回転可能に構成されている。フォイル駆動部33において発生した動力は、動力伝達部31を介してフォイル支持部34の軸部35に伝達され、その結果フォイル部32が回転する。フォイル駆動部33は、負イオンPが加速されている間、連続的にフォイル部32を回転させることにより、フォイル部32において負イオンPが衝突する位置を変更させる。換言すれば、フォイル駆動部33は、イオン源で生成された負イオンPが順次放出され、コイル20及び加速電極50に高周波電力が供給されてイオン源から放出された負イオンPが順次加速されている間、連続的にフォイル部32を回転させる。これにより、フォイル部32の周縁部が負イオンPの衝突範囲となる。フォイル部32の回転速度は、例えば60rpm~3000rpm程度とすることができる。
なお、動力伝達部31の構成は特に限定されず、例えば、ギヤ機構によってフォイル駆動部33の動力をフォイル支持部34の軸部35に伝達してもよい。また、フォイル駆動部33は、負イオンPが加速されている間、断続的にフォイル部32を動かしてもよい。
ここで、フォイル支持部34の軸部35を構成する材料についてさらに説明する。図3に示すようにフォイルストリッパー30のフォイル支持部34と、フォイル支持部34により支持されるフォイル部32は、フォイル駆動部33からの動力により軸部35を中心に回転する。これらの部材のうち、フォイル部32には負イオンPが衝突するため、負イオンPの衝突による熱負荷を受けて発熱する。フォイル部32の熱による消耗を押さえるためには、フォイル部32を冷却することが必要となる。フォイル部32の冷却には軸部35を含むフォイル支持部34が冷却経路として機能する。したがって、軸部35は熱抵抗を十分低くすることが求められる。すなわち、軸部35として熱伝導率が高い材料を選択することが求められる。
一方、軸部35を含むフォイル支持部34は、真空箱40内に設けられるが(図1及び図2参照)、真空箱40内には磁極10A,10Bにより磁場が形成されている。すなわち、軸部35を含むフォイル支持部34及びフォイル部32は、磁場中で回転することになる。磁極10A,10Bにより形成される磁場は所謂強磁場であるため、軸部35が強磁場内で回転すると渦電流が発生する。渦電流は、電気伝導体が受ける磁場が変化した際に発生するものである。真空箱40内では磁極10A,10Bにより磁場が形成されているので、理論上は磁極10Aと磁極10Bとの間には一様な磁場が形成されていると考えられる。しかしながら、実際にはフォイル部32及びフォイル支持部34(軸部35を含む)が配置されているのは磁極10A,10Bの端部に近い位置であるから、位置の周辺の磁場は一様ではなく磁場分布の勾配を有する。そのため、軸部35の回転に伴って軸部35が受ける磁場が変化し、軸部35による電磁誘導によって軸部35に渦電流が発生し得る。渦電流が発生すると、軸部35の回転に対して逆方向の回転力が働くため、電磁ブレーキとしての力が軸部35にかかることになる。フォイル部32の回転速度の低下はフォイル部32の消耗を早める可能性がある。そのため、軸部35の回転による渦電流の発生を抑制することが求められる。
そこで、本実施形態に係る軸部35は、軸部35の電気伝導率に異方性を持たせる。具体的には、軸部35の軸方向における電気伝導率が、断面方向(軸方向に対して交差する断面の方向)に比べて高くされている。渦電流の発生に寄与するのは、磁場に対して交差する断面における導体の抵抗率である。軸部35の場合は、図1及び図2に示すように、軸部35の軸方向に磁場が形成される。すなわち、軸部35は、磁場の方向を軸心として回転する。したがって、軸部35の断面方向における軸部の抵抗率、すなわち、電気伝導率を小さくすることで、渦電流を抑制することができる。一方、上述のように、軸部35は、冷却経路としての機能を高めるためには軸方向に沿った熱伝導率を高めることが求められる。そこで、軸部35の軸方向と断面方向とで電気伝導率を異ならせ、軸方向の電気伝導率を断面方向に比べて高くすることで、軸方向の電気伝導率を高くすることで熱伝導率を高くしながら、回転による渦電流の発生を抑制することができる。金属に代表されるように電気伝導率が高い物質は熱伝導率も高い場合が多いため、比例関係にあるので、軸方向の電気伝導率を高くすることで熱伝導率を高めることができる。すなわち、放熱経路としての機能を有しながら、回転時の渦電流の発生を抑制することが可能な回転軸としての軸部35を設けることができる。
軸方向の電気伝導率を断面方向に比べて高くした軸部35の具体例について、図4及び図5を参照しながら説明する。軸部35を軸方向で見たときの材料の構成と断面方向と見たときの材料の構成とを変化させることで、軸方向と断面方向との電気伝導率の差異を作ることができる。具体的には、渦電流の発生に寄与する断面方向において、導電性材料を複数に分割し離間させる構成とすることで、断面方向での電気伝導率を低下させて渦電流の発生を抑制することができる。
図4(a)に示す軸部35Aは、円柱状の導電性材料351に対してその周囲を非導電性材料352で覆った例である。導電性材料351としては、例えば、金属材料等を用いることができる。また、非導電性材料352としては、例えば、樹脂材料等を用いることができる。ただし、このような構成の場合には、断面方向の電気伝導率を低下させることは難しい。これに対して、図4(b)に示す軸部35Bは、軸方向に延びる複数の導電性材料351が束ねられた状態で、非導電性材料352によって一体的に円柱状にされている。断面方向において軸部35Aの導電性材料351の断面積と、軸部35Bの導電性材料351(複数の導電性材料351の断面積の和)とを同じにした場合、軸方向の電気伝導率は軸部35Aと軸部35Bとで同じになるが、断面方向の電気伝導率に由来する渦電流の発生を抑制することができる。
なお、導電性材料として、導電性の炭素繊維が含まれる炭素繊維強化プラスチック(CFRP:Carbon Fiber Reinforced Plastics)を用いることもできる。CFRPは、プラスチック材料中に所定の方向に複数の炭素繊維が延在した構造とされている。したがって、炭素繊維の延在方向が軸方向になるようにして軸部として用いると、断面方向で見た場合には複数の導電性材料(炭素繊維)が分散した構造となる。したがって、CFRP自体が炭素繊維の延在方向と、その断面方向との間で電気伝導率が異なる材料である。
したがって、軸方向の電気伝導性は確保しつつ、渦電流の発生を抑制することができる。上記のCFRPを用いる場合、図4(a)に示す構造であっても、導電性材料351としてのCFRP自体が、複数の導電性材料が断面方向で分散している構造であるため、渦電流の発生を抑制することができる。また、CFRP単体を軸部35(回転軸)として用いた場合でも、軸方向の電気伝導率が高く断面方向での電気伝導率が低くすることができるため、放熱経路としての機能を実現しつつ渦電流の発生を抑制することができる。
図4(c)に示す軸部35Cは金属製の円柱の導電性材料351を軸方向に沿って2つに分割し、接着剤353等で固めた構造とされている。このように、少なくとも断面方向で導電性材料が複数に分割された状態とされていると、軸方向での電気伝導率は維持しつつ、軸部が回転した場合でも渦電流の発生を抑制することができる。
図5に示す軸部35Dは、図4(b)に示す複数の導電性材料351及び非導電性材料352からなる軸部35Bに対応する構成を、さらに筒状の外装354に収容したものである。図5では、外装354に対して内部の軸部35Bに対応する構造を軸方向に移動させた状態を示している。外装354は、例えば、金属材料(例えば、耐熱性の高い鉄または合金等)を用い、外装354の表面に所望の加工を施すことで摺動性を高める構成とすることができる。このように、軸部35の構造は特に限定されず、種々の変更を行うことができる。
以上のように、本実施形態に係る粒子加速器100に設けられたフォイルストリッパー30の軸部35は、軸方向における電気伝導率が断面方向に比べて高い。軸部35の軸方向における電気伝導率を高くすることで、熱伝導性も高められる。したがって、この軸部35をフォイル部32からの放熱経路として機能させることができる。一方、断面方向での電気伝導率を低くすることで、軸部35を回転させた際に渦電流の発生を抑制することができる。したがって、上記の粒子加速器100に含まれる回転軸としての軸部35は、放熱経路としての機能を有しながら、回転時の渦電流の発生を抑制することができる。
ここで、軸部35は、軸方向に延びる電気伝導率が高い材料が互いに離間した状態で複数組み合わせられている。軸方向の電気伝導率を確保しながら断面方向の電気伝導率を低くする構成として、軸方向に延びる電気伝導率が高い材料が互いに離間した状態で複数組み合わせることが考えられる。このように、断面方向で見たときに電気伝導率が高い材料が互いに離間した構造とすることで、渦電流の発生を抑制することができる。
また、軸部35はCFRPを含んで構成される態様とすることができる。上記の構成はCFRPを用いることで容易に実現することができる。ただし、軸部35に用いられる電気伝導率が高い材料及び電気伝導率が低い材料の組み合わせは、CFRPとは異なる材料によって実現されていてもよい。また、CFRPとは異なる繊維強化系の材料等を用いてもよい。
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記の実施形態においては、粒子加速器100がサイクロトロンである例について説明したが、粒子加速器100の種類は円形加速器であればよく、サイクロトロンに限定されない。例えば、粒子加速器100はシンクロトロン等であってもよい。また、フォイルストリッパー30の形状等についても適宜変更することができる。例えば、フォイル部32は円形ではなくてもよい。
また、上記の実施形態では、回転軸がフォイルストリッパー30の軸部35である場合について説明したが、フォイルストリッパー30以外に設けられている回転軸に対しても適用が可能である。粒子加速器内の磁場がかかる領域において、当該磁場の方向と略平行な軸心を中心に回転する全ての回転軸に対して本実施形態で説明した構成を適用することができる。略平行とは、軸心と当該磁場における主要な磁場の方向とのなす角度が0°~30°程度である状態をいう。このような場合、断面方向の電気伝導率を小さくすることで、軸心の回転による渦電流の発生を抑制することができる。
また、粒子加速器内に設けられる回転軸の例としては、例えば、粒子加速器内の磁場または加速器内の荷電粒子に係る測定等を行うために粒子加速器内に設けられる検出機構等が挙げられる。そのほか、粒子加速器内のイオン源の近傍で移動可能とされていて、ビーム軌道外から軌道上に移動することで、イオン源からのイオンビームを遮断するシャッタにも回転軸を用いることが考えられる。軌道外と軌道上との間でシャッタを移動させる手法として、シャッタをシャッタ軸に取り付けて、シャッタ軸を回動させることでシャッタを軌道上へ移動させる構成が用いられる場合がある。このようなシャッタ軸も、磁場内で回動することにより渦電流を発生させることが考えられるため、本実施形態で説明した構成を用いて放熱経路としての機能を有しつつ渦電流の発生を抑制することができる。
1…加速部、10A,10B…磁極、11…谷領域、12…山領域、13…イオン供給口、20…コイル、30…フォイルストリッパー、31…動力伝達部、32…フォイル部、33…フォイル駆動部、34…フォイル支持部、35…軸部、40…真空箱、41…出射口、50…加速電極、100…粒子加速器。

Claims (4)

  1. 磁場をかけることによって荷電粒子を周回させながら加速する加速部と、
    心を中心に回転する回転軸と、
    を有し、
    前記回転軸が配置されている前記磁場中には、前記軸心と略平行な磁場成分が存在しており、
    前記回転軸は、軸方向における電気伝導率は、断面方向に比べて高い、粒子加速器。
  2. 磁場をかけることによって荷電粒子を周回させながら加速する加速部と、
    軸心を中心とした回転に伴って受ける磁場が変化し、電磁誘導によって渦電流が発生し得る位置に配置された回転軸と、
    を有し、
    前記回転軸は、軸方向における電気伝導率は、断面方向に比べて高い、粒子加速器。
  3. 前記回転軸は、前記軸方向に延びる電気伝導率が高い材料が互いに離間した状態で複数組み合わせられている、請求項1又は2に記載の粒子加速器。
  4. 前記回転軸は、CFRPを含んで構成される、請求項1~3の何れか一項に記載の粒子加速器。
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