JP4294867B2 - 閉じた電子ドリフトを使用するイオン加速器での磁束形成 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子の閉じたドリフトを使用したイオン加速器で磁場を“形成する”ためのシステム、即ち、特に、イオンの出口側端部の領域で、磁力線の輪郭と、加速器の長手方向での磁場強度とを制御するためのシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
ホール効果スラスター(HETs)としても知られている、閉じた電子ドリフトを使用するイオン加速器は、プラズマ支援型製造と宇宙船の推進とのための方向付けられたイオン源として使用されている。代表的な宇宙での使用は、(1)ある高度もしくは傾きから他の高度もしくは傾きに宇宙船の軌道を変化することと、(2)大気抵抗の補償と、(3)推進力が、太陽風および月の移動のような影響による軌道の位置の自然なドリフトを打ち消すために使用されている“自らの位置を保つこと”である。HETsは、環状のガス放電領域に推進ガスを供給することによって推力を発生する。このような領域は、アノードを有する閉じた端部と、ガスが放出される開いた端部とを備えている。自由電子は、カソードから出口側端部の領域の中に導入される。これら電子は、長手方向の電場と結合して、ほぼ径方向に延びた磁場によって環状の放電領域内で周囲にドリフトするように誘導される。これら電子は、長手方向の電場によって外側に向かって加速されるイオンを発生させるように、推進ガス原子と衝突する。かくして、反力が、宇宙船を推進させるように発生される。
【0003】
磁束の強度の長手方向の傾斜度が、乱流振動の有無、イオン流とスラスターの壁との間の相互作用、ビームの集束および/もしくはビームの発散などのような、HETsの動作パラメータに重要な影響を与えることは、長く知られている。このような効果は、長い間、研究されている。例えば、Morozovら“Plasma Accelerator With Closed Electron Drift and Extended Acceleration Zone”Soviet Physics−Technical Physics,Vol.17,No.1,pp38−45(July 1972)と、“Effect of the Magnetic Field on a Closed Electron Drift”Soviet Physics−Technical Physics,Vol.17,No.3,pp482−487(September 1972)とに示されている。このMorozov博士と彼の同僚との業績は、アノードから加速器の出口側端部に向かって強くなる放射状の磁場を提供する利益を確立しているものとして、一般に認められている。例えば、H.R.Kaufmanの論文“Technology of Closed−Drift Thrusters”AIAA Journal,Vol.23,No.1,pp78−87(July 1983)で、Morozovらの業績を以下のように特徴付けており、同書のpp82−83に記載されている。
【0004】
かくして、長い加速チャンネルの効率は、チャンネルをより短くさせることにより、排出面の近くに総磁場をほとんど集中させることによって改良される。他の解釈、もしくは同等の概念は、長いチャンネルの上流部分で発生されたイオンが、チャンネルの壁に衝突することなく、逃げる機会がほとんどないことである。かくして、チャンネルの上流端部での磁場の集中は、電子効率を減らすイオンの発生をさらに上流に、集中することを期待され得る。
【0005】
実験的な目的のために、Morozovらは、別々の電磁石のコイルへの電流を制御することによって放射状の磁場のための異なる輪郭を達成した。所望の磁力源(電磁石もしくは永久磁石)に対して、磁場の輪郭に影響を及ぼす他の方法は、(加速器の出口側端部に透磁性部材を位置し、集中させるように)磁路中の透磁性部材の物理的なパラメータを構成しており、アノードの近くのように、磁力源と、比較的弱い磁場強度が望まれている領域との間に挿入され得る磁気の“遮蔽”もしくは分流によって構成している。例えば、論文題目“Effect of the Characteristics of a Magnetic Field on the Parameters of an Ion Current at the Output of an Accelerator with Closed Electron Drift”Sov. Phys. Tech. Phys.,Vol.26,No.4(April 1981)で、GavryushinとKimとは、加速チャンネルの遮蔽の度合いを変化させることによって磁場強度の長手方向の勾配を変更することを記している。彼らの結論は、加速チャンネル中での磁場の特性が、イオンプラズマの流れの発散に重要な影響力を有すると云うことである。
【0006】
HETsでの磁場強度の長手方向の勾配は重要であり、かつ、さらに上流の磁場強度に比較されるように、出口面かこの近くに磁場を集中もしくは強めることが望まれていることが、現在の論議であることは明らかでない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、閉じた電子ドリフト(ホール効果スラスター、即ちHET)を使用するイオン加速器で磁束を形成するための改良されたシステムを提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】
“磁束バイパスケージ”と呼ばれる、特にデザインされた磁気分路器は、内部の円筒形の壁と外部の円筒形の壁との両方で、スラスターのアノード領域、および/もしくは、スラスターの環状のガス配電領域を囲むように設けられている。この磁束バイパスケージの周側は、アノードの後ろに接続されている。最初は、このケージは、スラスターのアノード領域ほぼ全てを囲んだ、内方の側壁と外方の側壁とを有する頑丈な壁である、U形断面の回転体によって形成されていた。この構造は、スラスターの出口側端部に隣接するセラミック性の絶縁体の腐食の輪郭の測定によって確認されるように、磁場強度の軸の傾斜を急勾配にし、イオンが下流に生じさせられた領域を移動する効果を有することが示されていた。しかしながら、本発明の好ましい実施の形態においては、この磁束ケージは、内周側と外周側とに大きな開口を有する。これら開口の領域は、“ケージ”という用語から、外周側と内周側との両方の主要な部分を構成し得る。この磁束バイパスケージは、(アノードの後ろの)閉じた端部でのリングと出口側端部でのリングとを接続する、周囲に離間された、長手方向に延びた側のバーに似ている。この構成で、磁場の所望の輪郭は、要求されているよりもやや小さい全磁気保磁力に到達され得る。さらに、電磁石は、より軽量のコアおよび構造的な支持も同様に、より少ないアンペア回数も有し得、重量の減少は、スラスターそれ自身のための構造的な支持の要求を減らす。永久磁石を使用するシステムのために、より小さく、より軽量の磁石が使用され得る。このケージデザインの他の特徴は、イオン放電領域で、磁場ベクトルの形状を制御するデザインにするようにしたことである。例えば、頑丈な壁の分路器は、放電領域の中心線に関して急勾配の角度で等電位線を生じさせ得る。この結果は、イオンビームが“過度に集束され”得る、即ち最大の効率のために望ましいというよりも中央のチャンネルの中心線に向かって方向付けられた内方の側壁と外方の側壁とにイオンを有することである。ケージでの大きな開口の領域は、スラスターのコアから熱を取り去るための大量の熱分路器の必要性を減らすもしくは除去する、スラスターの放射冷却も可能にする。本発明の他の態様において、HETの出口側端部での磁極は、より高い効率とより長い寿命とのために磁場形状をさらに向上させる、絶縁材料でコーティングされている。同じことが、添付の図面と関連して見て取る場合、以下の詳細な記述に関してより理解され得るので、本発明の先の態様と多くの付随した利点とが、よりたやすく、正しく認識され得る。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1は、宇宙船の推進のために構成され得るような、本発明に関するタイプの代表的なホール効果スラスター(HET)を示している。このHET10は、宇宙船に装着されるブラケット11によって支持されている。HETのわずかの細部は、電子を放出するカソード12と、環状の放電チャンバ、即ち領域16の出口側端部14と、外部の電磁石18とが、この図に示されていることが、外部から確認できる。以下でより詳細に記述されるように、推進力は、環状の放電領域16から、図1で右側に見られるように、見る人へと外側に向かって加速されるイオンによって達成される。
【0010】
より詳細には、図2の断面図に示されている。エンドレスな環状のイオン形成、並びに、放電領域16は、外方セラミックリング20と内方セラミックリング22との間に形成されている。このようなセラミックは、電気的に絶縁性で、頑強で、軽量で、耐腐食性がある。外方の強磁性極片24と内方の強磁性極片26との間の放電領域内で、実質的に径方向の磁場を生じさせることが望ましい。図示された実施の形態において、これは、内部の強磁性のコア32を有するボビン30に巻かれた巻き線28を備えた外方の電磁石18によって達成される。加速器の出口側端部で、前記コア32は、外方の磁極片24に磁気結合されている。加速器の後部、即ち閉じた端部で、コア32は、強磁性のセンターコア、即ちステム36に磁気結合された強磁性のバックプレート34に磁気結合されている。そして、このステム36は、内方の極26に磁気結合されている。これら部材は、外方の極24から内方の極26に連続的な磁路を形成し、かつ、磁束が、環状の放電領域16の出口側端部で多かれ少なかれ集中されるように構成されている。付加された磁束が、センターコア36の周りの巻き線38を有する内方の電磁石によって与えられ得る。
【0011】
構造的な支持が、一端で外方のセラミックリング20と外方の極24との間を橋渡しする絶縁性で非磁性材の外方の構造部材39と、他端のバックプレート34とにより果たされている。同様の内方の構造部材40が、内方のリング22とバックプレート34との間にほぼ延びている。皿型ばね41は、スラスターフレーム全体の熱膨張と熱収縮とを主として可能にするように、構造部材39,40の後端部とバックプレート34との間に介在されている。
【0012】
図2に概略的に示されているカソード12は、外方セラミックリング20と内方セラミックリング22との間に規定された、環状のガス放電領域16の出口側端部の上流に位置した、加速器のアノード42に電気的に接続されている。カソード12とアノード42との間の電位は、HET10のバックプレート34を通して延びた1もしくは複数の伝導体のロッド46によりアノードに電位が伝えられるようにした、電源並びに調整電子部品44によって得られる。図示の実施の形態において、このアノードは、導電体のそれぞれ内方および外方の壁48および50と、これら内方と外方との壁の間の環状の突出部52とを有する。この突出部の先端側は、出口側リング20,22の上流側のエッジの近くで下流側に延びている。
【0013】
前記アノードの後部は、1もしくは複数のガス配電チャンバ54を有する。ガス供給システム56から、キセノンのような推進ガスが、1もしくは複数の供給導管58を通してチャンバ54に送られる。放電領域に向かってアノードの突出部52の反対側に沿って外側に向かって流れるために、好ましくは、一連の小さな開口が、前方のガス配電チャンバと後方のガス配電チャンバとの間、並びに、前方のチャンバと一連のほぼ径方向に延びたガス供給開口60との間のバッフルに形成されている。
【0014】
以下により詳細に記述されるように、本発明によれば、1つ以上の透磁性の部材、即ち、特にデザインされたバイパス構成部材61が設けられており、この部材は、バイパス構成部材の内方と外方との壁を接続する、アノード42の後部、即ちウエブと同様に、内方のアノード壁48の内側と外方のアノード壁50の外側との周側に設けられている。
【0015】
一般に、カソード12からの電子は、カソードとアノード42との間の電位差によって放電領域16へと引かれる。そして、これら電子は、推進ガスの原子に衝突して、イオンと二次電子とを発生させる。これら二次電子は、アノードに向かって連続して流れ、また、イオンは、宇宙船を加速するために使用され得る反力を生じさせるように、放電領域からほぼ外方に指向されたビームとなって加速される。
【0016】
外方の極24と内方の極26との間の磁場は、電子の挙動を制御することを含む数々の重要な特性を有する。電子が、アノードに向かって引かれるのに従って、電子は、サイクロトロン運動と、クロスフィールドドリフトと、時折の衝突による偏向とを主として含む複雑な運動を実行する。これら電子は、壁もしくは好ましくない粒子に衝突する衝突振動数νcよりも非常に大きい、いわゆるジャイロ振動数ωb=qB/mでらせん運動を実行するように、高磁化されるとみなされる。ここでqは電子電荷、Bは磁場強度、そして、mは電子の質量である。衝突振動数νcに対するジャイロ振動数の比は、ホールパラメータβ=ωb/νcと呼ばれている。このらせん運動に、互いに直交した電場と磁場との組合せから生じるドリフトが重ねられる。このドリフトは、電場の方向に対して垂直で、かつ磁場に対して垂直である。この電場は、長手方向に延び、また磁場は、径方向に延びているので、ドリフトは、環状の放電領域16内でほぼ周方向に誘導される。このドリフトによる電流は、ホール電流と呼ばれ、
【0017】
【式1】
によって与えられる。ここで、neは電子密度、
【0018】
【式2】
は電場ベクトル、そして、
【0019】
【式3】
は磁場ベクトルである。
【0020】
【式4】
に対して垂直な電流は、j⊥=qne{μe/(β2+1)}〔E⊥+{1/(qne)}∇⊥pe〕のように示され得る。ここで、μeはスカラー電子移動度、peは電子圧力である。前記垂直な電流に対するホール電流の比もまた、jh/j⊥=βのように示され得る。この装置のための電場は、磁場に対してほぼ垂直である。これは、磁場に対して平行な方向、対、垂直な方向で異なる電子移動度から生じている。平行な電子の動きは、衝突と電場の力とを除いて妨害されない。垂直な動きは、めったに起こらない衝突によって偏向されるサイクロトロン軌道に制限される。結果として、垂直な移動度に対する平行な移動度の比は、1/(β2+1)であり、β=100の場合には、磁場の方向での電位の変化を効果的に少なくする。従って、磁場の方向を規定する曲線は、等電位線の輪郭に近くなる。かくして、電場は、ホール加速器では磁場に対して有効的には垂直となる。
【0021】
他の重要な特性は、ドリフト速度方向での密度と磁場との一様性である。環状の加速器にとって、これは、方位角方向、即ち放電領域16中でほぼ周方向である。中性の密度での変動は、電子密度の変化になる。ホール電流は、変化する密度の領域を通るのに従って、電子は、加速、並びに減速されて、磁場を横切る動きを増す。これは、ホールパラメータの効果的な飽和となる。ドリフト方向における磁場強度の変化は、同種の効果を有する。例えば、電子密度の5%の変化は、最大約20に制限された効果的なホールパラメータになり得る。
【0022】
磁場強度は、ラーモア半径としても知られている、電子のジャイロ半径の長さrg=V⊥/ωbが、放電領域16の径方向の幅ΔRよりも小さくなるように調節される。ここで、V⊥は、磁場に対して垂直な電子の速度成分である。イオンのジャイロ半径は、電子質量に対するイオン質量の比だけ、多数の要因によってより大きくなる。従って、イオンの曲率半径は、装置のディメンションに比較して大きく、イオンは、磁場によって比較的影響を受けないでアノードから離れるように加速される。
【0023】
磁場は、粒子の加速に影響を及ぼす電位を形成する。凹(上流)および凸(下流)形状は、イオンビームをそれぞれ集束および非集束するレンズのような特性を有する。さらに詳しく言うと、イオンは、等電位線の正接に対して垂直な方向で加速される傾向にある。この線が、上流から下流に向かって凸である場合、イオンは、放電領域の中心に向かって加速され、集束する効果が生じる。このような集束する特性により、この磁気システムの特徴は、プラズマレンズと呼ばれている。
【0024】
絶縁性リング20,22間の中央の磁場の大きさと、電場の強度との間で、関連性がある。電場は、中央のチャンネルの磁力線がB/Bmax=0.6の強度を有するアノードからある距離で始まる強度であると仮定される。これは、イオン形成の位置であると考えられ得る。例えば、Belanらは、“Stationary Plasma Engines”,NASA Technical Translation Report No.TT−21002,October 1991,p210に示している。
【0025】
本発明の一般的なアイディアは、イオン形成と放電とが、等電位線、即ち等電位曲線に近い、一定の磁力線、即ち磁力曲線に起因し、また、この曲線を移動し、形成することにより、イオン形成と加速位置と(そして、方向)が、操作され得ることである。例えば、磁束バイパス構成部材61がなければ、図1および2に示されている一般的なデザインのスラスターは、異なるセンター磁極の形状と位置とにより動作された。外方の極に対して下流にセンター磁極を移動することによって、下流に移動された出口側のリング20,22の腐食の位置が見つけられた。これは、絶縁体の腐食位置が、磁力線を移動することによって移動され得るという仮定を確認した。磁極間の磁力線は、中心線と内方のリングへとイオンを向ける平均角度を有することを見い出し、外方の絶縁性リングの腐食の位置と比較して内方の絶縁性リングの腐食の位置によって証明された。中央のステム、即ちコア36の周りに他の電磁コイルを付加することによって、磁場は、傾きをなくすように調節され得ることが、見い出された。これは、内方、並びに外方の絶縁体の腐食パターンが、センターコイルが使用された場合に、軸方向に均一に生じたことを示している、短期のテストによって確認された。全ての電磁石のために同じアンペア回数の総数を維持することによって、電磁石の電流の必要性は、同じ様に維持された。内方と外方との絶縁性リングの両方は、同じ長手方向の位置で腐食されるが、異なる比率が異なるスラスターの外形、材料、並びに動作パラメータのために要求され得るようなセンターコイルのアンペア回数の総数と外部のコイル(4つの全ての外部の電磁石)のアンペア回数の総数との比率7:3は、傾きをなくした。とにかく、発生された全磁束は、センターコイルが使用されていようとなかろうと、ほぼ同じ磁束であった。
【0026】
重要なことに下流へ放電を移動するために、磁場の重要な操作が、要求されたことが見い出された。初期の計算は、U形状の断面の環状の強磁性体の帯61をアノードの周りに付加することにより、磁束がアノード領域の周りおよび後ろで回転され得る、並びに内外方の周側を有することを示した。“磁束バイパス”という用語は、この特徴のために選択された。ピーク磁力線(Bmax)が下流に移動され、また、イオン形成が生じると仮定された0.6のような強度の所望の割合での線の位置は、下流とBmax線の近くとの両方に移動されたことがまた、見い出された。磁束バイパスは、さらに下流にBmaxの位置を押すことに加えて、磁場強度の軸勾配を急にする。イオン形成および放電が、さらに下流でなされるので、スラスターは、これが磁極を通して腐食する以前の長い期間に渡って動作し得る。磁場の動作の正味結果は、2以上の要因によってスラスターの寿命を長くしたことである。
【0027】
さらに詳しく言うと、テストは、中心線Aから測定された41mmの中央のチャンネル半径と、出口側のリング間の12mmの径方向の幅ΔRとを有する、図1および2に示されている一般的なデザインのHETに対してなされた。外部の傾斜した部分を含む絶縁性リング20,22の、これらの表面に沿った軸長は、12mmであり、各絶縁性リングの径方向の幅は、磁極片に隣接して配置された位置で6mmであった。4つの外部のコイルとセンターコイルとのためのアンペア回数の比率は、露出された、内方の絶縁性リング22の外方の長手方向側面に沿って測定されたような、約690ガウスの最大磁場強度を達成するために十分な電流で、上述されたように与えられた。電源と調整電子部品とが、カソード12とアノード42との間に350ボルトの電位と1.7kWの電力とを与えた。キセノンガスが、5.4mg/secの流量で中空のアノードを通して供給された。磁場強度は、アノードの内方の壁48と外方の壁50とを囲んだ頑丈な円筒状のシートの内側壁および外側壁を有し、図2に示されているように絶縁性リング20,22の中に一部が突出した、磁気分路器61がある場合とない場合とで、測定された。本発明によれば、分路器の後部は、この分路器の外側壁からこの分路器の内側壁に磁路の磁気抵抗を制御するためのリブの間に、大きな開口を有する径方向の複数のリブによって形成された。
【0028】
図3のライン63は、適所に磁束バイパス構成部材を有さない内方の絶縁性リングの上流側のエッジから測定されるような、磁場の形状を示している。図3のライン65は、アノードの背後で一緒に接続された頑丈なシート状の内壁と外壁とを有する磁束バイパス構成部材が適用された場合の、磁場の輪郭を示している。図3に示されているように、磁束の勾配は、磁束バイパス構成部材の使用によって実質的に増加され、最大磁場強度の位置は、さらに下流に移動されている。
【0029】
絶縁性リングの腐食は、テストの異なる段階で測定された。図4(放電チャンネル16の中心線A’から外側の、外方の絶縁性リング20下流側の端部と、隣接した磁極片24との拡大部分概略図)に関して、バイパス構成部材が使用されない場合の、腐食の輪郭は、放電領域16中でライン68のイオン形成上流に対応する、ライン66によって示されている。上述されたタイプの磁束バイパス構成部材を加えることによって、腐食の輪郭が、磁束バイパスケージを有さないHETに対するよりもさらに下流に、図4のライン70に移動される、上流のライン72のイオン形成に対応する。
【0030】
本発明の一態様によれば、バイパス分路器は、図5および7に示されているように、ケージを形成する分路器本体の(アノードの後ろの)内方接続部と、一方もしくは両方の側壁に大きな開口が形成されている。このケージ61は、出口側端部で、開口したリング80,82が、それぞれセラミック性の絶縁性リングにはめ込まれているように、アノードのハウジング周りに取り付けられている。さらに詳しく言うと、図9に概略的に示されているように、外方の出口側端部のリング80は、外方の絶縁体20の内面にはめ込まれ、そして、内方の出口側端部のリング82は、内方の絶縁体22の内面にはめ込まれている。側方の開口81は、ケージの周囲の領域の主要な部分よりも大きく囲み得る。図5および7に示されている実施の形態において、4つの薄い透磁性材のストリップ84は、ケージの後部、即ち閉じた端部で外方の出口側端部のリングと似通ったリング86とを接続する。これらストリップ84は、内方の端部のリング82と、ケージの反対の端部に対応するリング90との間に延びた似通ったストリップ88に径方向に配置されている。これらストリップは、ケージの開いた側を通り抜けるために、より磁束の余地があるように4つの外部の電磁石から45°に配置され得る。図5および6の実施の形態において、外方のリングと内方のリングとの間の磁路はケージの閉じた端部でリング86,90の間に、アノードの後ろに延びた短い径方向のスポーク92によって揃えられている。閉じた端部での大きな開口94は、アノードの中に直接送るように、推力と電力線とを割り当てる。4つのストリップ84と、4つのストリップ88と、4つのリブ即ちスポーク92とが示されているが、これら多数のストリップおよびスポークは、ケージによって規定された磁路の所望の磁気抵抗を達成するために、図6および8に示されているように、好ましくは一様に離間されて使用され得る。図7および8の実施の形態において、ケージの後部の磁気抵抗は、図5および6の実施の形態のリングに対応するよりも大きな半径のディメンションを有する後端部のリング86,90の間の環状のギャップ95の幅によって制御される。それでも、内方および外方のリングは、ギャップを横切って磁気結合される。
【0031】
開いたケージデザインに対する頑丈な壁のバイパスの1つの主要な利点は、アンペア回数の要求とスラスターの重量とを減少させることである。磁束バイパスを使用する一般的な閉じたドリフト加速器において、図10に示されているような、3つの主要な磁路がある。第1の磁束路96は、磁極24,26の間の径方向のギャップを横切る磁束線を示している。第2の磁路98は、磁束バイパスケージ61の内方のコーナーに内方の極26を接続し、バイパスケージの外方のコーナーから外方の極24に接続している。第3の磁路100は、内方と外方との磁気体系から磁束バイパスの中央に接続している。開いたケージデザインを有する重量とアンペア回数とを減少させることは、磁路96を横切って通過する全磁束の割合を増す磁路98,100の平均的な磁気抵抗を増すことによって達成される。アノードと中央のステムとを囲んだ頑丈な壁の遮蔽材と比較して、磁路100を通す所定の磁束が、30ないし40%より少なく、磁路98を通す所定の磁束が、15ないし25%より少ない。
【0032】
図11は、頑丈な磁束バイパス構成部材(ライン99)と、開いたケージデザインのある型の磁束バイパス構成部材(ライン101)との放電領域16の中央のチャンネルでの磁場強度を示している。これらデータは、次のパラメータを有する図1および2に示されているタイプの実験室用の加速器のデザインで実行されたガウスメータの測定結果を得られた。これらパラメータは、スラスターの中心線から測定された中央のチャンネルの半径65mmと、端部のリングの間の径方向の幅−R18mmと、表面に沿った絶縁性リングの軸長15mmと、磁極片に隣接して配置された位置での各絶縁性リングの径方向の幅8mmと、350ボルトの電位を有する電源および調整電子部品の電力4kWと、中空のアノードを通して供給されたキセノンガスの流量12.8mg/secとを有する。図11の横座標は、外方の絶縁性リング20に沿った軸の距離である。ゼロは、絶縁体に沿って最も遠くの上流の点に取られている。各例において、絶縁体の腐食は、上流のエッジから約4.5mmで始まった。開いたケージデザインのために、これは、最大の約0.85、即ち0.85Bmaxの中央のチャンネルでの磁場強度に対応する。中央のチャンネルのBmax曲線の位置もまた、各例で磁極片の下流にある。これら測定結果は、多数のアンペア回数を与えられたために、全磁束の大きな割合が、磁極の間の径方向のギャップを横切って通過するので、磁場強度が、開いたケージデザインを有する中央のチャンネルで約15%より高いと示している。要求された全磁束の減少は、最小質量が重要である宇宙への適用のために特に有利である。強磁性コンダクタと電磁コイルとの重量は、構造的な支持の要求に反対のように磁束容量の必要性によって動作される。かくして、全磁束の減少は、重要な重量を省くことによって生じる。
【0033】
ケージデザインの他の特徴は、放電チャンネルで磁場ベクトルの形状を制御させるデザインにすることである。ケージバーの厚さと幅とを調節することによって、磁場の流線が内方および外方の絶縁体をなす角度は、増加もしくは減少され得る。例えば、図12は、全面的に頑丈な側壁と、実質的に開いた後部のケージ(ライン103)および図5(ライン105)に示されているように、側方に開口を有するケージとのために、外方の絶縁性リング20で達成される、角度の変化を示している。スラスターの物理的なパラメータは、図11に関して、上述されたパラメータと同様であった。x軸のディメンションは、外方の絶縁性リングに沿った距離である。ゼロは、絶縁体に沿って最も遠くの上流の点に取られている。この場合において、角度は、外方の絶縁性リングに沿って50%程度減少される。磁力線が、軸の構成部材を有さない点は、ほぼ1mmだけ下流に移動される。磁場の形状を調節することは、プラズマの力学と絶縁体の腐食と、特に、イオン流の集束と発散とを制御する。上述されたように、磁力線の形状は、等電位線の形状に強く影響を及ぼし、かくして、イオン形成の位置と加速方向とに影響を及ぼす。絶縁性リングに沿った適当な磁場ベクトルの角度が、壁から離れるようにイオンを向け得、腐食を減少させ得る。かくして、このパラメータを制御することは、スラスターの寿命を長くするように磁力線の形状を与える。この磁力線の形状はまた、出口側端部のリング80,82の形状を修正し、絶縁性リングの間の径方向の距離−Rを調節することによっても制御され得る。
【0034】
磁力線の輪郭に影響を及ぼし、かくして、磁場ベクトルの角度とイオンビームの発散もしくは集束に影響を及ぼす他の要因がある。電位は、境界値によって設定され、傾斜度は、磁力線に沿う、および、横切る電子の動きによって制御される。電源は、アノードとカソードとの電位差を設定する。ホール加速器で、磁化されたプラズマのために、電位差は、磁力線に沿って小さくなる。小さな電位差は、磁力線の方向で電子の相対的な自由運動に対応する。磁力線が絶縁した面と交差する場合に、電位の傾斜度は、電子移動度によって左右される。磁力線を横切る電子移動度が低いので、高電位差は、アノードに向かって電子を押すように磁力線を横切って発達する。磁力線が、下流の磁力線の磁鉄極のように、伝導面と交差する場合に、これら磁力線での電位は、磁鉄極の電圧に近くなる。云いかえると、この磁鉄極は、磁力線と交差する境界電圧を設定する。効果的には、これら全磁力線は、共通の電位を得る。従って、磁鉄極は、絶縁されない面と直接交差する磁力線の領域の電位差を十分に与えない。本発明に関するタイプのスラスターの構造のある結果は、ほとんどのイオン加速がこの領域で生じるように、電場がBmax線の上流で最も強くなることである。下流の位置で、磁力線は、ほとんど加速しない、もしくは加速しない領域を生じるように、磁極と交差する。本発明によれば、この影響は、磁極の露出された面に絶縁性のコーティングを行うことによって減らされ得る。
【0035】
絶縁された磁極片と絶縁されない磁極片との腐食の輪郭の比較は、絶縁体のコーティングが磁極片に行われている場合、腐食の位置がより好ましく、即ち、より下流にあることを示している。本発明による加速器のための最良の態様は、好ましくは1ないし10mm程度、磁極面の下流にピークを有する中央のチャンネルの直径で磁場を使用することである。この極面は、様々な材料によって絶縁され得る。強磁性体の磁極に、プラズマ溶射されたニッケルコーティングを使用することは、約0.5mmの厚さにプラズマ溶射された酸化アルミニウムコーティングの優れた密着性を効果的にする。絶縁性材料の別々のシートよりむしろコーティングは、宇宙船の推進への適用を高く望み得る、磁極片からの熱放射を改良する。
【0036】
本発明の重要な態様を要約すると、改良された加速器の操作は、高いスラスト効率と同時に長い動作寿命とを達成するようになっている。動作と強度と軸の傾斜度と磁場の形状とを改良されるように制御されねばならない、磁場のほぼ3つの態様を有する。
【0037】
この長い寿命は、図13で要約された磁場の重要な特性を移動することによって得られ、これは、出口側のリングの間の放電領域の中央のチャンネルで磁力線に沿った磁場強度を示している。磁場の計算は、Engineer Mechanics Research Center CorporationによるEMAGのようなデザインツールを自動化された通常のコンピュータで実行される。これは、測定された磁場にほぼ一致する有限要素解である。これら計算は、図11に参照される、記述された物理的および動作上のスラスターのパラメータを使用する。
【0038】
図13で参照符号を付けられたポイント1,2,3の順を追って、磁気システムのための中央のチャンネルでの最大磁場強度Bmaxは、磁束バイパスなし(ポイント1)、頑丈な磁束バイパス(ポイント2)、ケージ磁束バイパス(ポイント3)である。これらポイントは、磁束バイパスなしに代表される図14と、頑丈な側壁を有する磁束バイパス構成部材に代表される図15と、側壁に開口を有する磁束バイパス構成部材に代表される図16とのための2次元の磁場の計算で特定の磁束線を示している。
【0039】
磁束バイパスケージを使用すると、磁場のピークは、下流にシフトされる。磁束バイパスケージなしの場合、Bmaxは、磁極の軸の中間点近くに生じる。ポイント2,3において、最大磁場強度は、軸の範囲が、図13で点線107の間にある、磁極の下流に生じることを示している。
【0040】
次に、図11に関して記述された基本型の腐食パターンに基づいて、本発明による改良されたスラスターのためにイオンを生じるほぼ正確な位置である、図13で参照符号を付けられたポイント4,5,6を0.85Bmaxの代表的な位置であるとみなされている。これらポイントは、図14(バイパスなし)、図15(頑丈な側壁を有するバイパスケージ)、図16(開いた側壁を有するバイパスケージ)でそれぞれポイント4,5,6によって示されているような特定の2次元の磁力線に対応する。さらに、磁束バイパスケージを使用することによって、0.85Bmaxの位置が、磁束バイパスケージがない場合に比較して下流にシフトされる。この装置のために、0.85Bmaxを通り抜ける磁束線は、放電の腐食性部分の開始、即ち、絶縁体の腐食の最も上流の位置に、対応するように実験的に決定される。従って、この磁場強度の位置を移動することは、放電の腐食性部分の位置を変化することを示している。中央のチャンネルと、ポイント4,5の軸の位置とを比較して、頑丈な磁束バイパスケージ(図15)を使用することによって、放電の腐食性部分が、下流に移動され得ることを示している。ポイント5の軸の位置は、磁束バイパスケージの軸の位置を変化させることによって調節され得る。下流にバイパスを移動することは、ある割合で下流にポイント2,5を移動する。図16に関して、このほぼ同じ効果は、磁束バイパスケージ(開いた側壁)を保持し、さらに下流にケージを移動することは、さらに下流にポイント3,6を移動する。しかしながら、ポイント3,6の位置は、磁束バイパス差の磁力線の形状と角度とのために頑丈な側壁のバイパスとは異なる。
【0041】
磁力線の形状、即ち輪郭は、プラズマレンズの集束に影響を及ぼす。この集束は、効率に主な影響を有する。図14(バイパスなし)で、参照符号4を付けられた磁力線は、ほぼ80mmの曲率半径を有する。これは、0.85Bmaxの位置にある。図15に代表される、頑丈な側壁の磁束バイパスが使用される場合、曲率半径は、参照符号5を付けられた磁力線(0.85Bmax)でほぼ20mmである。図16に代表される、側壁に開口を有する磁束バイパスケージで、磁力線6(0.85Bmax)の曲率半径は、ほぼ40mmである。図16で磁力線6は、腐食されていない絶縁体から腐食された絶縁体を分けるコーナーに効果的に適する位置で、絶縁体の壁と交差することも示している。
【0042】
変化する開口の領域の磁束バイパスケージを使用して、磁気レンズの集束特性は、腐食性のコーナーの重要な再配置なしで変化され得る。(アノードの後ろの)ケージの後部で径方向のスポークの断面領域の集合体を調節することは、アノード領域をバイパスする磁束量を変化させ、図16で参照符号6を付けられた磁力線の曲率に影響を及ぼす。
【0043】
この加速器の十分に下流でのイオン電流、対、イオン位置の分布を測定することによって、推進のための煙柱の発散の度合いが、決定され得る。図15に示されるようなプラズマレンズの特性を有する加速器のために、350Vの放電のために図16のレンズの特性のためよりも高い発散を見い出している。かくして、図16で、磁気レンズの長い焦点距離は、発散角度の観点から改良された煙柱の特性を有する。
【0044】
中央のチャンネルでのピーク磁場強度はまた、アノード領域をバイパスする磁束量によって影響を及ぼされる。図13の曲線は、1000アンペア回数の保磁力の中央のチャンネルの磁場強度を代表している。主要な磁気回路中で、磁場が、透過性材を飽和しないと仮定すると、各場合の最大磁場強度は、保磁力にほぼ比例する。ポイント1に等しくなるようにポイント2の強度を増すと、頑丈な分路器の輪郭のための保磁力は、磁場のポイント1/ポイント2の比、即ち42%の比で増加されなければならない。磁束バイパスケージは、ポイント1のような同じピーク磁場に到達するように保磁力に20%だけ増加を必要とする。宇宙船のスラスターとして使用される加速器のアンペア回数の回数の減少は、磁気システムの重量での有益な減少を有し得る。
【0045】
ケージデザインはまた、熱の観点から都合が良い。アノードと中央のステムとを囲んだ以外では別々である遮蔽材の欠点の1つは、これら遮蔽材がアノードの放射冷却を抑制することである。放射冷却は、宇宙船への熱伝導を減らし、その磁束容量を増加する冷却器温度で動作するように中央のステムを割り当てる。ケージタイプの磁束バイパスのための減少されるアンペア回数の要求は、コイルに散在されたオーム電源を減らす。これら熱の散在における減少と、放射冷却における増加とは、スラスターのコアから離れる熱を伝導するための熱分路器の必要性を減らす。
【0046】
現在までの実験、並びに計算に基づいて、磁束バイパスケージと、絶縁性リングおよび磁極面に相対的に位置することとが最適な物理特性を特定することは、困難である。それでも、いくつかの好ましい関係は、最大磁場強度(Bmax)の位置決めと、磁場強度の勾配(0.85Bmax線の主要な位置)と、所望の最大磁場強度に到達するための要求された全保磁力と、増加された効率のための集束を達成するための磁力線の曲率とを有する、磁場形状の所望の態様を達成するために観察されている。図9に関して、1つの重要なパラメータは、内方の磁極片26の上流のエッジで径方向のラインと、バイパスケージの隣接したコーナーに極片の内方の上流のコーナーからのラインとの間の角度θである。最も好都合な結果は、θがほぼ45°の場合に達成されており、また、所望の結果は、20°と80°との範囲内でθを測定、並びに、計算される。この角度が大きすぎると、磁極からのバイパスケージの離間は、磁束の十分なバイパスに到達せず、θが20°よりも小さい場合、磁場強度は、全保磁力が所望の強度に到達するように要求されるポイントに中央のチャンネルで減らされる。
【0047】
他の重要な態様は、ケージの外方の側壁にケージの内方の側壁の結合の磁気抵抗であり、これは、内方および外方の側壁を接続する磁性材によって調節され得る。一般に、最良の結果は、ケージの後端部の開いた領域が、全領域のほぼ97%である、即ち、ほんの僅かの薄い径方向のスポークが、ケージの外方の側壁にケージの内方の側壁を接続するために使用される場合に、測定されている。同じ効果は、ギャップ95が非常に狭い場合に、図6に従う実施の形態によって達成され得る。いずれにしても、ケージの後端部の少なくとも主要な部分、かつ、好ましくは90%より多くの部分は、内方および外方のケージの側壁の間に開けられていることが、信頼される。
【0048】
他の態様は、ケージの側壁中での開いた領域の量である。現在までの最良の結果は、側壁の開口が周囲の領域の主要な部分を囲んだ場合、開口を通り抜ける磁束を許容し、要求された全保磁力を減らすことを達成されている。
【0049】
バイパスケージの効果を集束、非集束することに関して、最良の結果は、0.85Bmax線の曲率半径が40mmである場合、図11に関して記述された基本型を達成されている。これは、磁極面(図9を参照)の間の距離−Rpの約0.85に対応する。過度な集束と小さい効率とは、曲率半径20mmに測定され、また、不充分な集束(大きな発散)は、80mmの曲率半径に測定される。現在までに役立つ情報に基づいて、好ましい範囲は、30mm(0.9−Rp)ないし50mm(1.5−Rp)である。特定された曲率半径を有する磁力線に到達された集束の度合いは、Bmax線が磁極の下流の位置に押される、高い効率に到達する。
【0050】
発明の好ましい実施の形態が、図示および記述されるうちに、様々な変化は、本発明の精神および範囲から逸脱しないでなされ得ることが認識され得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明に関連した代表的なタイプの閉じた電子ドリフトを使用するイオン加速器のやや概略的な上部および出口側端部の斜視図である。
【図2】 図2は、図1の2−2線に沿ったやや概略的な長手方向の断面図である。
【図3】 図3は、本発明に関連したタイプの加速器で磁場の輪郭に磁束バイパス構成部材の効果を示すグラフである。
【図4】 図4は、本発明に関連したタイプの加速器のイオン出口側端部の、拡大部分概略断面図である。
【図5】 図5は、閉じた電子ドリフトを使用するイオン加速器で使用するための、本発明による、磁束バイパスケージの第1の実施の形態の上部および後部の斜視図である。
【図6】 図6は、閉じた電子ドリフトを使用するイオン加速器で使用するための、本発明による、磁束バイパスケージの第2の実施の形態の上部および後部の斜視図である。
【図7】 図7は、閉じた電子ドリフトを使用するイオン加速器で使用するための、本発明による、磁束バイパスケージの第3の実施の形態の上部および後部の斜視図である。
【図8】 図8は、閉じた電子ドリフトを使用するイオン加速器で使用するための、本発明による、磁束バイパスケージの第4の実施の形態の上部および後部の斜視図である。
【図9】 図9は、本発明による磁束バイパスケージを有する加速器の非常に概略的な部分断面図である。
【図10】 図10は、磁力線と磁路とを示す、本発明に関するタイプの加速器の概略的な部分断面図である。
【図11】 図11は、閉じた電子ドリフトを使用するイオン加速器で、磁場強度と輪郭とに異なるバイパス構成部材の効果を示すグラフである。
【図12】 図12は、閉じた電子ドリフトを使用するイオン加速器で、異なるバイパス構成部材のための磁場のベクトルの角度を示すグラフである。
【図13】 図13は、閉じた電子ドリフトを使用するイオン加速器で、磁場強度と輪郭とに異なるバイパス構成部材の効果を示すグラフである。
【図14】 図14は、磁力線および磁路と電場線および電路とを示す、本発明に関するタイプの加速器の概略的で、断片的な断面図である。
【図15】 図15は、磁力線および磁路と電場線および電路とを示す、本発明に関するタイプの加速器の概略的で、断片的な断面図である。
【図16】 図16は、磁力線および磁路と電場線および電路とを示す、本発明に関するタイプの加速器の概略的で、断片的な断面図である。
Claims (29)
- 下流方向を規定した、出口側端部を通してガスを放電する、この出口側端部を含む環状のガス放電領域を有する閉じた電子ドリフトを使用するイオン加速器であって、
前記出口側端部に隣接した環状のガス放電領域の内側に位置し、このガス放電領域に囲まれた内方の磁極と、
前記出口側端部に隣接した環状のガス放電領域の外側に位置し、このガス放電領域を囲んだ外方の磁極と、
前記ガス放電領域の出口側端部の付近で、前記内方の極と外方の極との間にほぼ径方向に延びる磁場を生じさせるための磁場源と、
前記ガス放電領域の出口側端部の上流に位置したアノードと、
前記出口側端部に向かう下流方向への流れのために、前記ガス放電領域にイオン化可能なガスを供給するためのガス源と、
ほぼ上流方向で、前記ガス放電領域の出口側端部に向かう導入のために、自由電子を供給するための電子源と、
前記出口側端部を通して下流方向にアノードから延びる電場を生じさせることによって、推進の反力を生じさせるために電場によって下流方向に加速されるイオンを生じさせるように、前記ガス源からのイオン化可能なガスと前記電子源からの自由電子とを相互に作用させる電場源と、
前記ガス放電領域の出口側端部の領域中に磁場を形成するための磁束バイパス構成部材とを具備し、この構成部材は、
前記出口側端部に隣接した環状のガス放電領域の内側に位置し、このガス放電領域に囲まれた透磁性材の下流の内方のリングと、
前記下流の内方のリングから上流に所定の距離の位置での前記環状のガス放電領域の内側に位置し、このガス放電領域に囲まれた透磁性材の上流の内方のリングと、
前記下流の内方のリングと上流の内方のリングとを磁気結合させる内方の透磁性材と、
前記出口側端部に隣接した環状のガス放電領域の外側に位置し、この放電領域を囲んだ透磁性材の下流の外方のリングと、
前記下流の外方のリングから上流の位置での前記環状のガス放電領域を囲んだ透磁性材の上流の外方のリングと、
前記下流の外方のリングと上流の外方のリングとを磁気結合させる外方の透磁性材と、
前記下流の内方のリングから、前記内方の透磁性材を通して上流の内方のリングに、また、前記上流の透磁性材を通して上流の外方のリングに、そして、前記外方の透磁性材を通して下流の外方のリングへの連続した磁路を形成し、前記磁性材の少なくとも1つが、前記ガス放電領域の出口側端部の付近での磁場の形状を制御するように磁路の磁気抵抗を調節するための開口を有し、前記上流の内方のリングと上流の外方のリングとを結合させる上流の透磁性材とを備えている、加速器。 - 前記両内方のリングは、同じ直径で、下流から上流方向にアラインメントされて前記磁束バイパス構成部材の内周側を規定し、また、前記両外方のリングは、同じ直径で、上流から下流にアラインメントされて前記バイパス構成部材の外周側を規定した、請求項1に記載の加速器。
- 前記下流の内方のリングは、下流のエッジを有し、この下流のエッジと内方の磁極とを結ぶラインによって規定された角度は、前記内方の磁極を交差する環状のガス放電領域の半径に対して20°と80°との間にある、請求項1に記載の加速器。
- 前記角度は、約45°である、請求項3に記載の加速器。
- 前記開口は、前記上流の透磁性材に形成されている、請求項1に記載の加速器。
- 前記上流の透磁性材に形成された前記開口は、前記両上流のリングの間の領域の90%より大きい、請求項5に記載の加速器。
- 前記上流の透磁性材は、前記アノードの上流の位置で前記両上流のリングを結合している、請求項5に記載の加速器。
- 前記上流の透磁性材は、前記両上流のリングの間に延びた径方向のリブによって形成されている、請求項5に記載の加速器。
- 前記両上流のリングは、環状のギャップを横切って磁気結合されている、請求項1に記載の加速器。
- 前記両開口は、前記内方の透磁性材に形成されている、請求項1に記載の加速器。
- 前記両開口は、前記外方の透磁性材に形成されている、請求項1に記載の加速器。
- 前記内方の透磁性材と外方の透磁性材と上流の透磁性材との各々は、中に開口を有する、請求項1に記載の加速器。
- 前記内方の透磁性材は、前記両内方のリングを結合した透磁性材の互いに周方向に離間した複数のストリップを有し、前記外方の透磁性材は、前記両外方のリングを結合した透磁性材の周方向に離間した複数のストリップを有する、請求項1に記載の加速器。
- 最大強度の磁力線は、前記磁場源が内方と外方との磁極の下流に位置したことによって生じさせられ、また、前記最大強度の磁力線の上流で、最大磁場強度の0.85倍の磁力線は、約40mmの曲率半径を有するように磁束バイパス構成部材が構成されている、請求項1に記載の加速器。
- 前記曲率半径は、前記内方の磁極と外方の磁極との間の距離の約0.85倍である、請求項14に記載の加速器。
- 前記放電領域から離れた、前記両磁極の両面に形成された絶縁材のコーティングを有する、請求項1に記載の加速器。
- 前記コーティングは、プラズマ溶射されたニッケルの上にプラズマ溶射された酸化アルミニウムを有する、請求項16に記載の加速器。
- 前記曲率半径は、前記内方の磁極と外方の磁極との間の距離の約0.85倍である、請求項16に記載の加速器。
- 前記曲率半径は、30mmと50mmとの間にある、請求項16に記載の加速器。
- 前記曲率半径は、約40mmである、請求項16に記載の加速器。
- 下流方向を規定した、出口側端部を通してガスを放電する、この出口側端部を含む環状のガス放電領域を有する閉じた電子ドリフトを使用するイオン加速器であって、
前記出口側端部に隣接した環状のガス放電領域の内側に位置し、この環状のガス放電領域に囲まれた内方の磁極と、
前記出口側端部に隣接した環状のガス放電領域の外側に位置し、この環状のガス放電領域を囲んだ外方の磁極と、
前記ガス放電領域の出口側端部の付近で、前記内方および外方の極の間にほぼ径方向に延びる磁場を生じさせるための磁場源と、
前記ガス放電領域の出口側端部の上流に位置したアノードと、
前記出口側端部に向かう下流方向への流れのために、前記ガス放電領域にイオン化可能なガスを供給するためのガス源と、
ほぼ上流方向で、前記ガス放電領域の出口側端部に向かう導入のために、自由電子を供給するための電子源と、
前記出口側端部を通して下流方向にアノードから延びる電場を生じさせることによって、推進の反力を生じさせるために電場によって下流方向に加速されるイオンを生じさせるように、前記ガス源からのイオン化可能なガスと前記電子源からの自由電子とを相互に作用させる電場源と、
前記ガス放電領域の出口側端部の領域中に磁場を形成するための磁束バイパス構成部材とを具備し、この構成部材は、
前記出口側端部に隣接した環状のガス放電領域の内側に位置し、このガス放電領域に囲まれた透磁性材の下流の内方のリングと、
前記下流の内方のリングから上流の位置での前記環状のガス放電領域の内側に位置し、このガス放電領域に囲まれた透磁性材の上流の内方のリングと、
前記両内方のリングを磁気結合させる内方の透磁性材と、
前記出口側端部に隣接した環状のガス放電領域の外側に位置し、この放電領域を囲んだ透磁性材の下流の外方のリングと、
前記下流の外方のリングから上流に所定の距離の位置での前記環状のガス放電領域を囲んだ透磁性材の上流の外方のリングと、
前記両外方のリングを磁気結合させる外方の透磁性材と、
前記下流の内方のリングから、前記内方の透磁性材を通して上流の内方のリングに、また、前記上流の透磁性材を通して上流の外方のリングに、そして、前記外方の透磁性材を通して下流の外方のリングへの連続した磁路を形成し、最大磁場強度の磁力線は、前記内方の磁極と外方の磁極との下流に位置し、最大磁場強度の磁力線から上流方向で、最大磁場強度の0.85倍の磁力線の曲率半径は、前記内方の磁極と外方の磁極との間の距離の0.9から1.5倍の曲率半径を有するように前記磁束バイパス構成部材が構成、並びに配置され、前記両上流のリングを結合させる上流の透磁性材とを備えている、加速器。 - 前記放電領域から離れた、前記両磁極の両面に形成された絶縁材のコーティングを有する、請求項21に記載の加速器。
- 前記コーティングは、プラズマ溶射されたニッケルの上にプラズマ溶射された酸化アルミニウムを有する、請求項22に記載の加速器。
- 下流方向を規定した、出口側端部を通してガスを放電する、この出口側端部を含む環状のガス放電領域を有する閉じた電子ドリフトを使用するイオン加速器であって、
前記出口側端部に隣接した環状のガス放電領域の内側に位置し、この環状のガス放電領域に囲まれた内方の磁極と、
前記出口側端部に隣接した環状のガス放電領域の外側に位置し、この環状のガス放電領域を囲んだ外方の磁極と、
前記ガス放電領域の出口側端部の付近で、前記内方および外方の極の間にほぼ径方向に延びる磁場を生じさせるための磁場源と、
前記ガス放電領域の出口側端部の上流に位置したアノードと、
前記出口側端部に向かう下流方向への流れのために、前記ガス放電領域にイオン化可能なガスを供給するためのガス源と、
ほぼ上流方向で、前記ガス放電領域の出口側端部に向かう導入のために、自由電子を供給するための電子源と、
前記出口側端部を通して下流方向にアノードから延びる電場を生じさせることによって、推進の反力を生じさせるために電場によって下流方向に加速されるイオンを生じさせるように、前記ガス源からのイオン化可能なガスと前記電子源からの自由電子とを相互に作用させる電場源と、
前記ガス放電領域の出口側端部の領域中に磁場を形成するための磁束バイパス構成部材とを具備し、この構成部材は、
前記出口側端部に隣接した環状のガス放電領域の内側に位置し、このガス放電領域に囲まれた透磁性材の下流の内方のリングと、
前記下流の内方のリングから上流の位置での前記環状のガス放電領域の内側に位置し、このガス放電領域に囲まれた透磁性材の上流の内方のリングと、
前記両内方のリングを磁気結合させる内方の透磁性材と、
前記出口側端部に隣接した環状のガス放電領域の外側に位置し、この放電領域を囲んだ透磁性材の下流の外方のリングと、
前記下流の外方のリングから上流に所定の距離の位置での前記環状のガス放電領域を囲んだ透磁性材の上流の外方のリングと、
前記両外方のリングを磁気結合させる外方の透磁性材と、
前記下流の内方のリングから、前記内方の透磁性材を通して上流の内方のリングに、また、前記上流の透磁性材を通して上流の外方のリングに、そして、前記外方の透磁性材を通して外方のリングへの連続した磁路を形成し、最大磁場強度の磁力線は、前記内方の磁極と外方の磁極との下流に位置し、前記放電領域から離れた両磁極の両面は、絶縁材のコーティングを有するように、前記磁束バイパス構成部材が構成、並びに配置され、前記両上流のリングを結合させる上流の透磁性材とを備えている、加速器。 - 前記放電領域から離れた、前記両磁極の両面に形成された絶縁材のコーティングを有する、請求項24に記載の加速器。
- 前記コーティングは、プラズマ溶射されたニッケルの上にプラズマ溶射された酸化アルミニウムを有する、請求項25に記載の加速器。
- 閉じた電子ドリフトを使用するイオン加速器のための磁束形成部材であって、この加速器は、
下流方向を規定した、出口側端部を通してガスを放電する、この出口側端部を有する環状のガス放電領域と、
前記出口側端部に隣接した環状のガス放電領域の内側の位置し、この環状のガス放電領域に囲まれた内方の磁極と、
前記出口側端部に隣接した環状のガス放電領域の外側の位置し、この環状のガス放電領域を囲んだ外方の磁極と、
前記ガス放電領域の出口側端部の付近で、前記内方および外方の極の間にほぼ径方向に延びる磁場を生じさせるための磁場源と、
前記ガス放電領域の出口側端部の上流に位置したアノードと、
前記出口側端部に向かう下流方向への流れのために、前記ガス放電領域にイオン化可能なガスを供給するためのガス源と、
ほぼ上流方向で、前記ガス放電領域の出口側端部に向かう導入のために、自由電子を供給するための電子源と、
前記出口側端部を通して下流方向にアノードから延びる電場を生じさせることによって、推進の反力を生じさせるために電場によって下流方向に加速されるイオンを生じさせるように、前記ガス源からのイオン化可能なガスと前記電子源からの自由電子とを相互に作用させる電場源とを具備し、前記磁束形成部材は、
前記出口側端部に隣接した環状のガス放電領域の内側に位置し、この環状のガス放電領域のよって囲まれた透磁性材の下流の内方のリングと、
前記下流の内方のリングから上流の位置で、前記環状のガス放電領域の内側に位置し、この環状のガス放電領域に囲まれた透磁性材の上流の内方のリングと、
前記下流の内方のリングと上流の内方のリングとを磁気結合させる内方の透磁性材と、
前記出口側端部に隣接した環状のガス放電領域の外側に位置し、この環状の放電領域を囲んだ透磁性材の下流の外方のリングと、
前記下流の外方のリングから上流に所定の距離の位置で、前記環状のガス放電領域の外側に位置し、この環状のガス放電領域を囲んだ透磁性材の上流の外方のリングと、
前記下流の外方のリングと上流の外方のリングとを磁気結合させる外方の透磁性材と、
前記下流の内方のリングから、前記内方の透磁性材を通して上流の内方のリングに、また、前記上流の透磁性材を通して上流の外方のリングに、そして、前記外方の透磁性材を通して下流の外方のリングへの連続した磁路を形成し、前記磁性材の少なくとも1つが、前記加速器のガス放電領域の出口側端部の付近での磁場の形状を制御するように磁路の磁気抵抗を調節するための開口を有し、前記上流の内方のリングと上流の外方のリングとを結合させる上流の透磁性材とを備えている磁束形成部材。 - 閉じた電子ドリフトを使用する加速器でほぼ径方向に磁場を形成する方法において、この加速器は、
下流方向を規定した、出口側端部を通してガスを放電する、この出口側端部を有する環状のガス放電領域と、
前記出口側端部に隣接した環状のガス放電領域の内側に位置し、この環状のガス放電領域に囲まれた内方の磁極と、
前記出口側端部に隣接した環状のガス放電領域の外側に位置し、この環状のガス放電領域を囲んだ外方の磁極と、
前記ガス放電領域の出口側端部の付近で、前記内方の極と外方の極との間にほぼ径方向に延びる磁場を生じさせるための磁場源と、
前記ガス放電領域の出口側端部の上流に位置したアノードと、
前記出口側端部に向かう下流方向への流れのために、前記ガス放電領域にイオン化可能なガスを供給するためのガス源と、
ほぼ上流方向に前記ガス放電領域の出口側端部に向かう導入のために、自由電子を供給する電子源と、
前記出口側端部を通して下流方向にアノードから延びる電場を生じさせることによって、推進の反力を生じさせるために電場によって下流方向に加速されるイオンを生じさせるように、前記ガス源からのイオン化可能なガスと前記電子源からの自由電子とを相互に作用させる電場源とを具備し、この方法は、
最大磁場強度が、前記内方の磁極と外方の磁極との下流に位置し、最大磁場強度の磁力線から上流方向で、最大磁場強度の0.85倍の磁力線の曲率が、この内方の磁極と外方の磁極との間の距離の0.9から1.5倍の曲率半径を有するように磁路の磁気抵抗が選択され、この内方の磁極に隣接した位置から、前記アノードの上流の位置に対して上流に、このアノードの外方の位置に対して外方に向かって、前記外方の磁極に隣接した位置に対して下流に、前記磁路に沿って前記磁場源によって設けられた磁束をそらす工程を具備する方法。 - 閉じた電子ドリフトを使用する加速器でほぼ径方向に磁場を形成する方法であって、この加速器は、
下流方向を規定した、出口側端部を通してガスを放電する、この出口側端部を有する環状のガス放電領域と、
前記出口側端部に隣接した前記環状のガス放電領域の内側に位置し、この環状のガス放電領域に囲まれた内方の磁極と、
前記出口側端部に隣接した前記環状のガス放電領域の外側に位置し、この環状のガス放電領域を囲んだ外方の磁極と、
前記ガス放電領域の出口側端部の付近で、前記内方の極と外方の極との間にほぼ径方向に延びる磁場を生じさせるための磁場源と、
前記ガス放電領域の出口側端部の上流に位置したアノードと、
前記出口側端部に向かう下流方向への流れのために、前記ガス放電領域にイオン化可能なガスを供給するためのガス源と、
ほぼ上流方向に前記ガス放電領域の出口側端部に向かう導入のために、自由電子を供給する電子源と、
前記出口側端部を通して下流方向にアノードから延びる電場を生じさせることによって、推進の反力を生じさせるために電場によって下流方向に加速されるイオンを生じさせるように、前記ガス源からのイオン化可能なガスと前記電子源からの自由電子とを相互に作用させる電場源とを具備し、この方法は、
最大磁場強度が、前記内方の磁極と外方の磁極との下流に位置し、最大磁場強度の磁力線から上流方向で、最大磁場強度の0.85倍の磁力線の曲率が、30mmと50mmとの間の曲率半径を有するように磁路の磁気抵抗が選択され、この内方の磁極に隣接した位置から、前記アノードの上流の位置に対して上流に、このアノードの外方の位置に対して外方に向かって、外方の磁極に隣接した位置に対して下流に、磁路に沿って前記磁場源によって設けられた磁束をそらす工程を具備する方法。
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