JP7246613B2

JP7246613B2 - 水耕栽培用育成鉢

Info

Publication number: JP7246613B2
Application number: JP2019117334A
Authority: JP
Inventors: 守信新野
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 2019-06-25
Filing date: 2019-06-25
Publication date: 2023-03-28
Anticipated expiration: 2039-06-25
Also published as: JP2021003009A

Description

植物を室内やベランダ等の居住空間において野菜等の食用植物を水耕栽培するための水耕栽培用育成鉢に関する。

居住空間内において植物を水耕栽培することは、ヒヤシンス球根の育成栽培によって広く知られるところであり、この水耕栽培を居住空間での野菜等の食用植物の育成・収穫に適用しようとする発明がこれまでにも多数行われている。
その中にあって、種子から育成可能なものとして、例えば、特許文献１には、
『（１）上面開放の箱体液槽の底面から適宜高さの内壁に、突起又は段差部を設置し、箱状物に無数の細孔を設けるか、線材をかご目編みにした箱状の育成体を、段差部に嵌合し、育成体内に肥培物を充填し、肥培物の上面に、有孔の培養液散布用のパイプを横に適当列配置し、養液を肥培物の上面に散布し、肥培物に直接播種するか、海綿状のスポンジ切片等に育苗した苗を、移植するとかして、栽培することを特徴とする網状の育成体を用いた水耕栽培器』が開示され、
また特許文献２には、
『［請求項１］水槽と、前記水槽の内部に固定する栽培ベッドと、前記栽培ベッドに前記水槽内に水を供給する開口と、植物の種子または苗を配置するための複数個の開口を設けて成る水耕栽培装置において、前記水槽に内部の水に酸素を供給するエアー・ポンプ装置を設けたことと、前記水槽の底部に内部の水を活性カルシウム化するための物質を収容したカートリッジを配したことを特徴とする水耕栽培用装置。
［請求項２］前記エアー・ポンプ装置の出力側を前記カートリッジに接続して成る請求来い１に記載の装置。』が開示されている。

特開昭５３－２２０４号公報特開平６－３２７３６６号公報

上記特許文献１の発明の実施第１例として、「上面開放の箱状液槽の底面から適宜高さの内壁に、突起又は段差を設けた段差部を設置し、箱状物に無数の細孔を設けるか、線材をかご目編みにした箱状の育成体を段差部に嵌合し、育成体に保水性の高い籾殻くん炭、及びスポンジ屑ようのものを用いれば、育成体の上面に適当列配設された有孔の養液散布パイプからの養液散布だけで充分であって，従来の水耕や礫耕の如く，養液を常時湛水す必要はなく，根の生理上からも、肥培物は湿潤して居る程度の方が，浸漬して居る状態よりも好ましいものであるので、植物の繁茂や健康は比較にならない旺盛である。」と記載されている。しかし、これは地上部が繁茂する葉菜類の栽培には適用できるが、地表部分から根が肥大する人参等の根菜類の栽培には適用できないという課題がある。
また特許文献２の発明では、栽培ベッドは、たとえば発泡スチロールなどの板体とし、その表面には所定の間隔をとって載頭円錐状の開口が複数個設けられこの開口に植物の種子あるいは苗を配置する植え付け部材あるいは発芽容器を取り付けるとされ、植え付け部材としては繊維質の物質、たとえば綿、水苔などの他砂糖黍を粉末にしてこれを固形化した市販の商品名［オアシス］などを用いることができると、明細書の段落「０００８」～００１１」にかけて記載されている。したがって、この発明にあっては，複数の植え付け部材あるいは発芽容器にそれぞれ植え付け部材を充填し、苗の移植、あるいは種播きした後に，これらを栽培ベッドの開口に取り付けていかなくてはなず、播種、移植時に手間がかかるという課題がある。

本発明者は上記課題に鑑みてなされたものであって、下記の手段によってその課題を解決した。
（１）室内やベランダ等の居住空間において、野菜等の食用植物を水耕栽培によって育成する育成鉢であって、
栽培植物の種を播き育成する播種床と、
該播種床を載置して支持する、可撓性で弾力性を有する紐状体で格子状に張架してなる播種床支持網と、
前記播種床の上面に当接して平行線状に張架された複数本の可撓性で弾力性を有する紐状体でなる播種床押さえとで構成されてなることを特徴とする水耕栽培用育成鉢。
（２）前記育成鉢が、上面が開放され、底面に複数の通水孔を有する樹脂製の直方体でなり、
前記播種床支持網は、１本の可撓性で弾力性を有する紐状体を前記育成鉢の四囲の側壁に穿たれた複数の穿設孔を介して前後左右に折り返して格子状に編まれて形成され、
播種床押さえは、１本の可撓性で弾力性を有する紐状体を育成鉢短辺側側壁に穿たれた複数の穿設孔を介して折り返して張設され、かつ前記播種床支持網の長辺方向に張られた可撓性で弾力性を有する紐状体の真上に配置されてなることを特徴とする（１）に記載の水耕栽培用育成鉢。
（３）前記播種床支持網が、格子状の編み目の交点で縦横の可撓性で弾力性を有する紐状体を固定することなく移動可能に張架してなることを特徴とする（１）又は（２）に記載の水耕栽培用育成鉢。
（４）紐状体がゴム状弾性を示す天然ゴム、合成ゴムウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ポリ塩化ビニールゴム、オリフィン系ゴム、ポリスチレン系ゴム、、ポリエステル系ゴム、ポリアミド系ゴム等のエラストマー製の物であることを特徴とする請求項１～３のいずれか１項に記載の水耕栽培用育成鉢。

本発明の植物容器によって下記の効果が発揮される。
〈１〉室内やベランダ等の居住空間において、野菜等の食用植物を水耕栽培によって育成する育成鉢であって、
栽培植物の種を播き育成する播種床と、
該播種床を載置して支持する可撓性で弾力性を有する紐状体で格子状に張架してなる播種床支持網と、
前記播種床の上面に当接して平行線状に張架してなる複数本の可撓性で弾力性を有する紐状体でなる播種床押さえとで構成されているので、
構造が極めて簡単で製造しやすく、かつ播種床を播種床支持網上に載置する手作業や、播種床上に種を載置する手作業が、播種床押さえを手指で簡単に拡げて容易に実施できる。〈２〉前記育成鉢が、上面が開放され、底面に複数の通水孔を有する樹脂製の直方体でなり、
前記播種床支持網は、１本の可撓性で弾力性を有する紐状体を前記育成鉢の四囲の側壁に穿たれた複数の穿設孔を介して前後左右に折り返して編まれて形成され、
播種床押さえは、１本の可撓性で弾力性を有する紐状体を育成鉢短辺側側壁に穿たれた複数の穿設孔を介して折り返して張設され、かつ前記播種床支持網の長辺方向に張られた可撓性で弾力性を有する紐状体の真上に配置されているので、
播種床が後述する培養液槽内に満たされた培養液に浸されるように配設して播種すればよく、発芽した植物は播種床支持網と播種床押さえとで挟持されて安定に固定された播種床に根を張り培養水内に伸びて育成植物の安定生長を促すことができる。
〈３〉前記播種床支持網が、その編み目の交点で縦横の可撓性で弾力性を有する紐状体を固定することなく移動可能に張設されているので、
根菜類の栽培において根の肥大に伴って根の周りの編み目が拡大し、その生育を妨げることがない。
また本発明の水耕栽培用鉢は，養液水槽とは切り離されているので、葉菜類の栽培時の浅い水槽に適合するように製作しておけば、根菜類の栽培時には深い水槽内に足台を設けるだけで適合でき、葉菜類、根菜類いずれの水耕栽培にも適合できる。

本発明の水耕栽培用育成鉢の播種床支持網と播種床押さえの可撓性で弾力性を有する紐状体の張架構造を示す斜視図本発明の水耕栽培用育成鉢における播種床押さえの可撓性で弾力性を有する紐状体の張架構成図（ａ）、及び播種床支持網の可撓性で弾力性を有する紐状体の張架構成図（ｂ）本発明の水耕栽培用育成鉢の正面からの横断面図（ａ），及び左側面からの横断面図（ｂ）本発明の水耕栽培用育成鉢の使用法の説明図

本発明を実施するための形態を実施例の図に基づいて説明する。
本発明の水耕栽培用育成鉢１は，図１に示すように、上面が開放され、底面に複数の通水孔１ａ［図３（ａ）参照］を有する樹脂製の直方体でなる鉢体内に、可撓性で弾力性を有する紐状体５で格子状に張架してなる播種床支持網３［図２（ｂ）参照］と、
その上方に複数本の可撓性で弾力性を有する紐状体５を平行線状に張架してなる播種床押さえ４［図２（ａ）参照］とが形成され、両者によって播種して発芽させ育成する播種床を上下から挟持するよう構成されている。
可撓性で弾力性を有する紐状体を構成する材料としては、天然ゴム、合成ゴムウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ポリ塩化ビニールゴム、オリフィン系ゴム、ポリスチレン系ゴム、、ポリエステル系ゴム、ポリアミド系ゴム等のエラストマー製のが使用できる。
そして前記播種床支持網３は、図２（ｂ）に示すように、１本の可撓性で弾力性を有する紐状体５を前記育成鉢１の四囲の側壁に穿たれた複数の穿設孔を介して前後左右に折り返して格子状に編まれて形成され、かつその格子状の編み目の交点においては、縦横に交差する可撓性で弾力性を有する紐状体５は固定されておらずことなく移動可能にしてあり、根菜類栽培時の根の肥大にも対応可能としている。
また、播種床押さえ４は、図２（ａ）に示すように、１本の可撓性で弾力性を有する紐状体５を育成鉢１短辺側側壁に穿たれた複数の穿設孔を介して折り返して張設され、かつ前記播支持網３の長辺方向に張られた可撓性で弾力性を有する紐状体５の真上に配置されており、葉菜類や枝物等の育成の妨げにならないように考慮されている。
本発明においては、前記播種床支持網３と播種床押さえ４とは、それぞれが１本の可撓性で弾力性を有する紐状体で形成されているが、図３（ｂ）に育成鉢１の外側面の１箇所に符号５’を付して示したように、上下に配設された両可撓性紐状体の１端末同士を連結させるれるような渡り部を設けて、播種床支持網３と播種床押さえ４とを全て１本の可撓性で弾力性を有する紐状体５によって形成することもできる。

次いで、本発明の水耕栽培用育成鉢１の使用方法について、図４によって説明する。
本発明の水耕栽培用育成鉢１は、培養液を１１を満たした培養液槽１０内に設置される。そして、該育成鉢１底面の通水孔１ａから育成鉢１内に流入した培養液１１が浸潤した播種床２の上に栽培植物の種を播けば、発根、発芽し、播種床２内に張った根が栽培植物の体幹を支え、播種床支持網３の下方まで伸びた根が培養液中の養分を取り込んで植物が生長する。この成長期において必要となる根の呼吸を確保するため培養液挿１０内の培養液の水位を下げて根の上部を空気にさらすことが好ましい。

１：水耕栽培用育成鉢
１ａ：通水孔
２：播種床
３：播種床支持網
４：播種床押さえ
５：可撓性で弾力性を有する紐状体
１０：培養液槽
２０：育成植物

Claims

室内やベランダ等の居住空間において、野菜等の食用植物を水耕栽培によって育成する水耕栽培用育成鉢（１）であって、
栽培植物の種を播き育成する播種床（２）と、
該播種床（２）を載置して支持する、可撓性で弾力性を有する紐状体で格子状に張架してなる播種床支持網（３）と、
前記播種床の上面に当接して平行線状に張架された複数本の可撓性で弾力性を有する紐状体でなる播種床押さえ（４）とで構成されてなることを特徴とする水耕栽培用育成鉢。
前記育成鉢（１）が、上面が開放され、底面に複数の通水孔（１ａ）を有する樹脂製の直方体でなり、
前記播種床支持網（３）は、１本の可撓性で弾力性を有する紐状体を前記育成鉢（１）の四囲の側壁に穿たれた複数の穿設孔（１ｂ）を介して前後左右に折り返して格子状に編まれてなり、
播種床押さえ（４）は、１本の可撓性で弾力性を有する紐状体を育成鉢（１）の短辺側側壁に穿たれた複数の穿設孔（１ｂ）を介して折り返して張架され、かつ前記播種床支持網（３）の長辺方向に張られた可撓性で弾力性を有する紐状体の真上に配置されてなることを特徴とする請求項１に記載の水耕栽培用育成鉢。
前記播種床支持網（３）が、その編み目の交点で縦横の可撓性で弾力性を有する紐状体を固定することなく移動可能に張架してなることを特徴とする請求項１又は２に記載の水耕栽培用育成鉢。
紐状体がゴム状弾性を示す天然ゴム、合成ゴムウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ポリ塩化ビニールゴム、オリフィン系ゴム、ポリスチレン系ゴム、ポリエステル系ゴム、ポリアミド系ゴム等のエラストマー製の物であることを特徴とする請求項１～３のいずれか１項に記載の水耕栽培用育成鉢。