JP7245930B2 - 燃料電池用加湿器及びその製造方法 - Google Patents

Description

本発明は燃料電池用加湿器及びその製造方法に関し、より詳しくは、燃料電池の運転及び停止の繰り返しによるガス漏出を確かに防止することができるだけではなく、相対的に低い製造コスト及び高い生産性で製造することができる燃料電池用加湿器及びその製造方法に関する。

燃料電池とは水素と酸素を結合させて電気を生産する発電型電池である。燃料電池は、乾電池や蓄電池などの一般化学電池と違い、水素と酸素が供給される限り、電気を継続して生産することができ、熱損失がなくて内燃機関より効率が２倍ほど高いという利点がある。

また、水素と酸素の結合によって発生する化学エネルギーを電気エネルギーに直接変換するから、公害物質の排出が少ない。したがって、燃料電池は環境に優しいだけでなくエネルギー消費増加による資源枯渇に対するおそれを減らすことができるという利点がある。

このような燃料電池は、使用電解質の種類によって、大別して高分子電解質型燃料電池（Ｐｏｌｙｍｅｒ Ｅｌｅｃｔｒｏｌｙｔｅ Ｍｅｍｂｒａｎｅ Ｆｕｅｌ Ｃｅｌｌ：ＰＥＭＦＣ）、リン酸型燃料電池（Ｐｈｏｓｐｈｏｒｉｃ Ａｃｉｄ Ｆｕｅｌ Ｃｅｌｌ：ＰＡＦＣ）、溶融炭酸塩型燃料電池（Ｍｏｌｔｅｎ Ｃａｒｂｏｎａｔｅ Ｆｕｅｌ Ｃｅｌｌ：ＭＣＦＣ）、固体酸化物型燃料電池（Ｓｏｌｉｄ Ｏｘｉｄｅ Ｆｕｅｌ Ｃｅｌｌ：ＳＯＦＣ）、及びアルカリ型燃料電池（Ａｌｋａｌｉｎｅ Ｆｕｅｌ Ｃｅｌｌ：ＡＦＣ）などに分類することができる。

これらのそれぞれの燃料電池は根本的に同じ原理で作動するが、使用燃料の種類、運転温度、触媒、電解質などが互いに異なる。この中で、高分子電解質型燃料電池（ＰＥＭＦＣ）は他の燃料電池に比べて低温で動作するという点、及び出力密度が高くて小型化が可能であるから小規模据置型発電装備だけではなく、輸送システムでも最も有望なものであると知られている。

高分子電解質型燃料電池（ＰＥＭＦＣ）の性能を向上させるのに最も重要な要因の一つは、膜電極接合体（Ｍｅｍｂｒａｎｅ Ｅｌｅｃｔｒｏｄｅ Ａｓｓｅｍｂｌｙ：ＭＥＡ）の高分子電解質膜（Ｐｏｌｙｍｅｒ Ｅｌｅｃｔｒｏｌｙｔｅ Ｍｅｍｂｒａｎｅ又はＰｒｏｔｏｎ Ｅｘｃｈａｎｇｅ Ｍｅｍｂｒａｎｅ：ＰＥＭ）に一定量以上の水分を供給することによって含水率を維持させることである。高分子電解質膜が乾燥すれば発電効率が急激に低下するからである。

高分子電解質膜を加湿する方法としては、１）耐圧容器に水を満たした後、対象気体を拡散器（ｄｉｆｆｕｓｅｒ）に通過させて水分を供給するバブラー（ｂｕｂｂｌｅｒ）加湿方式、２）燃料電池反応に必要な水分供給量を計算し、ソレノイドバルブを通してガス流動管に直接水分を供給する直接噴射（ｄｉｒｅｃｔ ｉｎｊｅｃｔｉｏｎ）方式、及び３）高分子分離膜を用いてガスの流動層に水分を供給する膜加湿方式などがある。

これらの中でも、排ガス（ｏｆｆ－ｇａｓ）中に含まれる水蒸気のみ選択的に透過させる膜を用いて水蒸気を、高分子電解質膜に供給されるガス（すなわち、空気又は燃料ガス）に提供することによって高分子電解質膜を加湿する膜加湿方式が加湿器を軽量化及び小型化することができるという点で有利である。
膜加湿方式に使われる選択的透過膜は、モジュールを形成する場合、単位体積当たり透過面積が大きい中空糸膜が好ましい。すなわち、中空糸膜を用いて加湿器を製造する場合、接触表面積が広い中空糸膜の高集積化が可能であって小容量でも高分子電解質膜の加湿を充分になすことができ、低価素材の使用が可能であり、燃料電池から高温で排出される排ガスに含まれた水分及び熱を回収して加湿器を介して再使用することができるという利点を有する。

図１に例示するように、通常の膜加湿方式の加湿器１０００は、外部から供給されるガスと燃料電池スタック（図示せず）から排出される排ガスとの間の水分交換が起こる加湿モジュール１１００、及び前記加湿モジュール１１００の両端にそれぞれ結合されたキャップ１２００を含む。
前記キャップ１２００のいずれか一方は外部から供給されるガスを前記加湿モジュール１１００に伝達し、他方は前記加湿モジュール１１００によって加湿されたガスを燃料電池スタックに伝達する。

前記加湿モジュール１１００は、排ガス流入口（ｏｆｆ－ｇａｓ ｉｎｌｅｔ）１１１０ａ及び排ガス排出口（ｏｆｆ－ｇａｓ ｏｕｔｌｅｔ）１１１０ｂを有するミッドケース（ｍｉｄ－ｃａｓｅ）１１１０と、前記ミッドケース１１１０内の多数の中空糸膜１１２０とを含む。前記中空糸膜１１２０の束の両端は固定層１１３０にポッティングされている。前記固定層１１３０は一般的にキャスティング（ｃａｓｔｉｎｇ）方式（例えば、ディップポッティングと呼ばれるディップキャスティング（ｄｉｐ ｃａｓｔｉｎｇ）又は遠心ポッティング（ｃｅｎｔｒｉｆｕｇａｌ ｐｏｔｔｉｎｇ）と呼ばれる遠心キャスティング（ｃｅｎｔｒｉｆｕｇａｌ ｃａｓｔｉｎｇ）で液状ポリウレタン樹脂のような液状ポリマーを硬化させることによって形成される。

外部から供給されるガスは前記中空糸膜１１２０の中空に沿って流れる。前記排ガス流入口１１１０ａを通して前記ミッドケース１１１０内に流入した排ガスは前記中空糸膜１１２０の外表面と接触した後、前記排ガス排出口１１１０ｂを通して前記ミッドケース１１１０から排出される。前記排ガスが前記中空糸膜１１２０の外表面と接触するとき、前記排ガス内に含有されていた水分が前記中空糸膜１１２０を透過することにより、前記中空糸膜１１２０の中空に沿って流れるガスを加湿する。
前記キャップ１２００の内部空間は前記中空糸膜１１２０の中空のみと流体連通するだけで、前記ミッドケース１１１０の内部空間とは完全に遮断されていなければならない。そうではなければ、圧力差によるガス漏出が発生し、燃料電池の発電効率が低下する。

一般に、図１に例示するように、固定層１１３０とともに、前記固定層１１３０と前記ミッドケース１１１０との間の樹脂層１１４０が前記キャップ１２００の内部空間を前記ミッドケース１１１０の内部空間から遮断する。前記固定層１１３０と同様に、前記樹脂層１１４０は一般的にキャスティング方式（ディップキャスティング又は遠心キャスティング）で液状ポリウレタン樹脂のような液状ポリマーを硬化させることによって形成される。

しかし、（ｉ）燃料電池の運転及び停止が繰り返されることにより、前記樹脂層１１４０の膨張及び収縮が交互に発生し、前記ミッドケース１１１０と前記樹脂層１１４０との熱膨張係数の差によって前記樹脂層１１４０が前記ミッドケース１１１０から分離され、これらの間にギャプが発生するか、又は（ｉｉ）振動及び／又は衝撃によって前記樹脂層１１４０と前記ミッドケース１１１０との間にギャップが発生する可能性が高い。前記樹脂層１１４０と前記ミッドケース１１１０との間のギャップはガスの漏出を引き起こして燃料電池の発電効率を低下させる。

前記樹脂層１１４０と前記ミッドケース１１１０との間のギャップの発生によるガス漏出を防止するために、韓国登録特許第１６９７９９８号は、樹脂層１１４０の側面の段差部とミッドケース１１１０の内面とによって形成された溝にシーラント（液状シーリング材）を塗布した後、パッキング部材（固状シーリング材）を前記溝に差し込み、前記シーラントを硬化させる方法を教示している。
しかし、このような方法は、（ｉ）溝に正確に合わせてシーラントを塗布しなければならないため作業性が良くなく、（ｉｉ）前記シーラントを硬化させるのに２４時間以上のかなり長い時間がかかり、（ｉｉｉ）前記シーラントが硬化するまで前記加湿モジュール１１００を保管するための別途の空間が要求されるという点で、低い生産性及び高い製造コストの問題点を有している。

したがって、本発明は上のような関連技術の制限及び欠点に起因する問題点を防止することができる燃料電池用加湿器及びその製造方法に関するものである。
本発明の一観点は、燃料電池の運転及び停止の繰り返しによるガス漏出を確かに防止することができるだけではなく、相対的に低い製造コスト及び高い生産性で製造することができる燃料電池用加湿器を提供することである。

本発明の他の観点は、燃料電池の運転及び停止の繰り返しによるガス漏出を確かに防止することができる燃料電池用加湿器を相対的に低い費用及び高い生産性で製造することができる方法を提供することである。
前述した本発明の観点の他にも、本発明の他の特徴及び利点は以下で説明され、その説明から本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に明らかに理解可能であろう。

前記のような本発明の一観点によって、外部から供給されるガスを燃料電池スタックから排出される排ガス（ｏｆｆ－ｇａｓ）内の水分（ｍｏｉｓｔｕｒｅ）で加湿する加湿モジュール（ｈｕｍｉｄｉｆｙｉｎｇ ｍｏｄｕｌｅ）と、前記加湿モジュールの両端にそれぞれ結合されたキャップ（ｃａｐｓ）とを含み、前記加湿モジュールは、両端が開放しており、内周面（ｉｎｎｅｒ ｃｉｒｃｕｍｆｅｒｅｎｔｉａｌ ｓｕｒｆａｃｅ）に段差部を有するミッドケース（ｍｉｄ－ｃａｓｅ）と、前記ミッドケース内の多数の中空糸膜と、前記中空糸膜の末端がポッティングされる固定層（ｆｉｘｉｎｇ ｌａｙｅｒ）と、前記ミッドケースの段差部によって支持され、前記固定層と接触するブラケット（ｂｒａｃｋｅｔ）と、前記ミッドケースの末端が差し込まれる溝を有し、前記ブラケットと接触するパッキング部材とを含む燃料電池用加湿器が提供される。

前記加湿モジュールは前記ブラケットと前記固定層の間又は前記ブラケットと前記パッキング部材の間に配置されたプライマー層をさらに含むことができ、前記ブラケットは前記プライマー層を介して前記固定層又は前記パッキング部材と間接的に接触することができる。
前記プライマー層は、ゴム接着成分、アクリル接着成分、ポリウレタン接着成分、エポキシ接着成分、シリコン接着成分、ポリアミド系接着成分、ポリイミド系接着成分、又はこれらの中で２種以上の混合物を含むことができる。
前記ブラケット及び前記パッキング部材は前記ミッドケースの横断面形に対応する単一閉曲線形をそれぞれ有することができる。

前記ブラケットは前記パッキング部材より高い硬度を有することができる。
前記ブラケットは６０～１００ＳｈｏｒｅＡの硬度を有することができ、前記パッキング部材は４０～５０ＳｈｏｒｅＡの硬度を有することができる。
前記パッキング部材は軟質ゴム（ｓｏｆｔ ｒｕｂｂｅｒ）を含むことができ、前記ブラケットは、金属、硬質プラスチック（ｒｉｇｉｄ ｐｌａｓｔｉｃ）、又は硬質ゴム（ｈａｒｄ ｒｕｂｂｅｒ）を含むことができる。
前記パッキング部材はシリコンゴム又はウレタンゴムを含むことができ、前記ブラケットは、ポリプロピレン（ＰＰ）、ポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）、ポリスチレン（ＰＳ）、ポリカーボネート（ＰＣ）、又はアクリル樹脂を含むことができる。

前記パッキング部材は前記固定層とも接触することができる。
前記固定層は、前記中空糸膜の末端がポッティングされる第１固定層と、前記第１固定層を取り囲み、前記ブラケットと接触する第２固定層とを含むことができる。

前記第１固定層と前記第２固定層は同じ物質から形成されることができる。
前記第１固定層と前記第２固定層はいずれもポリウレタン（ＰＵ）樹脂を含むことができる。
前記加湿モジュールは、両端が開放したインナーケース（ｉｎｎｅｒ ｃａｓｅ）を前記ミッドケース内にさらに含むことができ、前記中空糸膜は前記インナーケース内に配置されることができる。
前記インナーケースの末端は前記第１固定層にポッティングされることができる。

前記中空糸膜は、第１グループの中空糸膜及び第２グループの中空糸膜を含むことができ、前記加湿モジュールは、前記第１グループの中空糸膜が内部に配置される第１インナーケースと、前記第２グループの中空糸膜が内部に配置される第２インナーケースとをさらに含むことができ、前記固定層は、前記第１グループの中空糸膜の末端がポッティングされる第１固定層と、前記第２グループの中空糸膜の末端がポッティングされる第２固定層と、前記第１及び第２固定層を取り囲み、前記ブラケットと接触する第３固定層とを含むことができる。

前記第１インナーケースの末端は前記第１固定層にポッティングされることができ、前記第２インナーケースの末端は前記第２固定層にポッティングされることができる。

本発明の他の観点によって、多数の中空糸膜の末端が第１固定層にポッティングされている中空糸膜カートリッジを準備する段階と、両端が開放し、内周面に段差部を有するミッドケース内に前記中空糸膜カートリッジを挿入する段階と、ブラケットを前記ミッドケースの前記段差部上に装着する段階と、前記ミッドケースの末端に対応する溝を有するパッキング部材を、前記ミッドケースの末端が前記溝に挟まれるようにかつ前記パッキング部材の一部が前記ブラケットに接触するように、前記ミッドケースの末端上に装着する段階と、前記ミッドケース、前記ブラケット及び前記パッキング部材と前記中空糸膜カートリッジの末端との間のギャップを埋める第２固定層を形成する段階と、前記第１固定層、前記第２固定層、及び前記中空糸膜を同時にカッティングすることにより、前記中空糸膜の末端を開放させる段階と、前記キャップによって前記パッキング部材が圧縮されるように前記ミッドケースにキャップを締結する段階とを含む燃料電池用加湿器の製造方法が提供される。

前記中空糸膜カートリッジを準備する段階は、前記中空糸膜のそれぞれの少なくとも一部をインナーケース内に挿入する段階と、ディップキャスティング工程又は遠心キャスティング工程を遂行することによって前記第１固定層を形成する段階とを含むことができる。

前記ディップキャスティング工程又は遠心キャスティング工程を遂行するとき、前記インナーケースの末端も前記中空糸膜の末端とともに前記第１固定層にポッティングすることができる。
前記ミッドケースに前記キャップを締結するときに前記パッキング部材が圧縮されるように、前記ブラケットは前記パッキング部材より高い硬度を有することができる。
以上のような本発明についての一般的な敍述は本発明を例示するか説明するためのものであるだけで、本発明の権利範囲を制限しない。

本発明によれば、従来技術で要求されるシーラント塗布工程及びシーラント硬化工程を省略するから作業性が向上するだけでなく製造時間が縮まることによりその生産性を画期的に向上させることができる。
また、シーラント硬化工程のために半製品を保管する別途の空間が要求されないから加湿器の生産コストを節減することができる。

添付図面は本発明の理解を助け、本明細書の一部を構成するためのものであり、本発明の実施例を例示し、発明の詳細な説明とともに本発明の原理を説明する。
通常の燃料電池用加湿器の分解斜視図（ｅｘｐｌｏｄｅｄ ｐｅｒｓｐｅｃｔｉｖｅ ｖｉｅｗ）である。 本発明の第１実施例による加湿器の断面図である。 図３の（ａ）は、本発明の一実施例によるブラケットの斜視図であり、（ｂ）は（ａ）のＡ－Ａ線についての断面図である。 図４の（ａ）は、本発明の一実施例によるパッキング部材の斜視図であり、（ｂ）は、（ａ）のＡ－Ａ線についての断面図である。 プライマー層が適用された加湿器の断面図である。 本発明の第２実施例による加湿器の断面図である。 本発明の一実施例による加湿器製造方法を説明するための断面図である。 本発明の一実施例による加湿器製造方法を説明するための断面図である。 本発明の一実施例による加湿器製造方法を説明するための断面図である。 本発明の一実施例による加湿器製造方法を説明するための断面図である。 本発明の一実施例による加湿器製造方法を説明するための断面図である。 本発明の一実施例による加湿器製造方法を説明するための断面図である。 本発明の一実施例による加湿器製造方法を説明するための断面図である。

以下では添付図面に基づいて本発明の実施例を詳細に説明する。ただ、以下で説明する実施例は本発明の明確な理解を助けるための例示的目的で提示するものであるだけで、本発明の範囲を制限しない。
図２及び図５～図７ｇの断面図は加湿器又は半製品の一端の断面図であり、その他端も実質的に同じ（又は対称の）断面を有する。

図２に例示するように、本発明の燃料電池用加湿器２０００は、外部から供給されるガスを燃料電池スタックから排出される排ガス内の水分で加湿する加湿モジュール２１００を含む。前記加湿モジュール２１００の両端のそれぞれはキャップ２２００と締結されている。
前記キャップ２２００のいずれか一方はポート２２１０を通して外部からガスを受けて前記加湿モジュール２１０に伝達し、他方は前記加湿モジュール２１００によって加湿されたガスをポート２２１０を通して燃料電池スタックに伝達する。前記キャップ２２００は硬質プラスチック（例えば、ポリカーボネート、ポリアミド（ＰＡ）、ポリフタルアミド（ＰＰＡ）など）又は金属から形成することができ、単一閉曲線形（ｓｉｍｐｌｅ ｃｌｏｓｅｄ ｃｕｒｖｅ－ｓｈａｐｅｄ）（例えば、円形又は多角形）の横断面（ｔｒａｖｅｒｓｅ ｓｅｃｔｉｏｎ）を有することができる。

本発明の一実施例による加湿モジュール２１００は外部から供給されるガスと燃料電池スタックから供給される排ガスとの間の水分交換が起こる装置であり、両端が開放しており、内周面に段差部２１１２を有するミッドケース２１１０、前記ミッドケース２１１０内の多数の中空糸膜２１２１、前記中空糸膜２１２１の末端がポッティングされている固定層２１２２、前記ミッドケース２１１０の段差部２１１２によって支持され、前記固定層２１２２と接触するブラケット２１３０、及び前記ミッドケース２１１０の末端が差し込まれる溝を有し、前記ブラケット２１３０と接触するパッキング部材２１４０を含む。

前記ミッドケース２１１０は、排ガスの流入／流出のためのポート２１１１（図２には一つのみ示されている）を有する。前記ミッドケース２１１０は硬質プラスチック（例えば、ポリカーボネート、ポリアミド（ＰＡ）、ポリフタルアミド（ＰＰＡ）など）又は金属から形成することができ、単一閉曲線形（例えば、円形又は多角形）の横断面を有することができる。本発明の一実施例によれば、前記ミッドケース２１１０は前記キャップ２２００と同じ形状の横断面を有することができる。

前記中空糸膜２１２１は、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、スルホン化ポリスルホン樹脂、ポリビニリデンフルオリド（ＰＶＤＦ）樹脂、ポリアクリロニトリル（ＰＡＮ）樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステルイミド樹脂、又はこれらの中で２種以上の混合物を含むことができる。
いずれか一キャップ２２００を通して外部から供給されるガスは前記中空糸膜２１２１の中空に沿って流れながら加湿された後、他のキャップ２２００を通して燃料電池スタックに伝達される。

前記ミッドケース２１１０内に流入した排ガスが前記中空糸膜２１２１の外表面と接触した後、前記ミッドケース２１１０から排出される。前記排ガスが前記中空糸膜２１２１の外表面と接触するとき、前記排ガス内に含有されていた水分が前記中空糸膜２１２１を透過することにより、前記中空糸膜２１２１の中空に沿って流れる空気を加湿する。
硬質又は軟質のポリウレタン樹脂から形成することができる前記固定層２１２２は、前記キャップ２２００が前記中空糸膜２１２１のみと流体連通することができるように、前記キャップ２２００の内部空間を前記ミッドケース２１１０の内部空間から遮断しなければならない。

しかし、前述したように、（ｉ）燃料電池の運転及び停止が繰り返されることによって前記固定層２１２２の膨張及び収縮が交互に発生し、前記ミッドケース２１１０と前記固定層２１２２との熱膨張係数差によって前記固定層２１２２が前記ミッドケース２１１０から分離され、これらの間にギャップが発生するか、（ｉｉ）振動及び／又は衝撃によって前記固定層２１２２とミッドケース２１１０との間にギャップが発生する可能性が高い。前記固定層２１２２と前記ミッドケース２１１０との間のギャップはガス漏出を引き起こして燃料電池の発電効率を低下させる。

前記固定層２１２２と前記ミッドケース２１１０との間のギャップの発生によって引き起こされるガス漏出は、（ｉ）前記ミッドケース２１１０の内部空間内の排ガスが前記固定層２１２２と前記ミッドケース２１１０との間のギャップ及び前記キャップ２２００と前記ミッドケース２１１０との間のギャップを順次通過して加湿器２０００の外に漏出する外部漏出（ｅｘｔｅｒｎａｌ ｌｅａｋａｇｅ）、及び（ｉｉ）前記ミッドケース２１１０の内部空間内の排ガスが前記固定層２１２２と前記ミッドケース２１１０との間のギャップ及び前記固定層２１２２と前記キャップ２２００との間のギャップを順次通過して前記キャップ２２００の内部空間に入る内部漏出（ｉｎｔｅｒｎａｌ ｌｅａｋａｇｅ）を含む。

前記固定層２１２２と前記ミッドケース２１１０との間のギャップの発生によるガス漏出を防止するために、本発明の燃料電池用加湿器２０００の加湿モジュール２１００は前記ブラケット２１３０及び前記パッキング部材２１４０をさらに含む。
図３に例示するように、前記ミッドケース２１１０の段差部２１１２によって支持される前記ブラケット２１３０は、前記ミッドケース２１１０の横断面形に対応する単一閉曲線形を有することができる。

同様に、図４に例示するように、前記ミッドケース２１１０の末端が差し込まれる溝Ｇを有する前記パッキング部材２１４０もやはり前記ミッドケース２１１０の横断面形に対応する単一閉曲線形を有することができる。
本発明の一実施例によれば、前記ブラケット２１３０は前記パッキング部材２１４０より高い硬度を有し、前記固定層２１２２と強く接着されている。

例えば、前記パッキング部材２１４０は、前記キャップ２２００がボルト２３１０及びナット２３２０によって前記ミッドケース２１１０に締結されるときに加わる圧力によって圧縮できるように、３０～６０ＳｈｏｒｅＡ、より好ましくは４０～５０ＳｈｏｒｅＡの相対的に低い硬度を有することができ、前記ブラケット２１３０は前記パッキング部材２１４０の硬度より高い６０～１００ＳｈｏｒｅＡ、より好ましくは７０～１００ＳｈｏｒｅＡの硬度を有することができる。

本発明の一実施例によれば、前記パッキング部材２１４０は軟質ゴム（例えば、シリコンゴム又はウレタンゴム）を含むことができ、前記ブラケット２１３０は、金属、硬質プラスチック［例えば、ポリプロピレン（ＰＰ）、ポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）、ポリスチレン（ＰＳ）、ポリカーボネート（ＰＣ）、又はアクリル樹脂］、又は硬質ゴムを含むことができる。

前記キャップ２２００がボルト２３１０及びナット２３２０によって前記ミッドケース２１１０に締結されるとき、前記キャップ２２００と前記ミッドケース２１１０との間に配置された前記パッキング部材２１４０の部分（特に、前記ミッドケース２１１０の末端が挟まれた溝に対応する前記パッキング部材２１４０の部分）が前記キャップ２２００と前記ミッドケース２１１０によって加わる圧力によって圧縮されることにより、前記パッキング部材２１４０と前記ミッドケース２１１０との間の界面を通してのガスの移動（すなわち、外部漏出）を防止してタイトな外部シーリング（ｅｘｔｅｒｎａｌ ｓｅａｌｉｎｇ）を保障することができる。

また、前記ブラケット２１３０が前記ミッドケース２１１０の段差部２１１２によって支持されるだけでなく相対的に高い硬度を有するから、前記キャップ２２００がボルト２３１０及びナット２３２０によって前記ミッドケース２１１０に締結されるとき、前記ブラケット２１３０が前記キャップ２２００とともに前記パッキング部材２１４０に圧力を効果的に加えることができる。その結果、前記キャップ２２００と前記ブラケット２１３０との間に配置された（すなわち、前記ミッドケース２１１０の内部に位置する）前記パッキング部材２１４０の部分が充分に圧縮されることにより、前記パッキング部材２１４０と前記ブラケット２１３０との間の界面を通してのガスの移動（すなわち、内部漏出）を防止して優れた内部シーリング（ｉｎｔｅｒｎａｌ ｓｅａｌｉｎｇ）を保障することができる。

また、本発明の一実施例による前記ブラケット２１３０は前記固定層２１２２に対して優れた接着力を有することにより、前記ブラケット２１３０と前記固定層２１２２との間の界面を通してのガスの移動（すなわち、内部漏出）を防止してより強い内部シーリングを提供することができる。
オプションで（ｏｐｔｉｏｎａｌｌｙ）、図５に示すように、本発明の一実施例による加湿モジュール２１００は、前記ブラケット２１３０の表面の少なくとも一部上にプライマー層２１５０をさらに含むことができる。

図５は前記ブラケット２１３０の全表面上にプライマー層２１５０が存在する加湿器２０００を例示しているが、本発明がこれに限定されるものではなく、前記プライマー層２１５０は、（ｉ）ブラケット２１３０とミッドケース２１１０との間、（ｉｉ）ブラケット２１３０と固定層２１２２との間、及び／又は（ｉｉｉ）ブラケット２１３０とパッキング部材２１４０との間に配置されることができる。

ブラケット２１３０がミッドケース２１１０及び／又はパッキング部材２１４０と前記プライマー層２１５０を介して間接的に接触する場合には、これらの間の接着力が向上することにより、これらの間の界面を通してのガスの移動（すなわち、内部漏出及び外部漏出）を防止してより強い内外部シーリングを提供することができる。
同様に、ブラケット２１３０が固定層２１２２と前記プライマー層２１５０を介して間接的に接触する場合には、これらの間の接着力がより向上することにより、内部シーリング効果を極大化することができる。

接着力向上によるシーリング効果の増大のために採択される本発明の前記プライマー層２１５０は、ゴム接着成分、アクリル接着成分、ポリウレタン接着成分、エポキシ接着成分、シリコン接着成分、ポリアミド系接着成分、ポリイミド系接着成分、又はこれらの中で２種以上の混合物を含むことができる。
前記ゴム接着成分のために、天然ゴム（ＮＲ）及び／又は合成ゴムを使うことができる。前記合成ゴムは、ＳＢＲ、ＮＢＲ、ＣＲ、ＢＲ、ＩＩＲ、及び／又はＥＰＤＭであることができる。

前記アクリル接着成分のために、アクリルエマルジョン（ａｃｒｙｌｉｃ ｅｍｕｌｓｉｏｎ）、嫌気性アクリル樹脂（ａｎａｅｒｏｂｉｃ ａｃｒｙｌｉｃ ｒｅｓｉｎ）、及び／又はアクリル樹脂系粘着テープ（ａｃｒｙｌｉｃ ｒｅｓｉｎ－ｂａｓｅｄ ａｄｈｅｓｉｖｅ ｔａｐｅ）を使うことができる。

ポリウレタン接着成分のために、溶剤型ポリウレタン（ｓｏｌｖｅｎｔ－ｔｙｐｅ ｐｏｌｙｕｒｅｔｈａｎｅ）、ポリウレタンホットメルト（ｐｏｌｙｕｒｅｔｈａｎｅ ｈｏｔ ｍｅｌｔ）、ウレタンエマルジョン（ｕｒｅｔｈａｎｅ ｅｍｕｌｓｉｏｎ）を使うことができる。
前記ポリアミド系接着成分のために、ポリアミドホットメルトを使うことができる。
本発明の一実施例によるキャップ２２００は、図２及び図５に例示するように、前記パッキング部材２１４０の溝に差し込まれる前記ミッドケース２１１０の末端に対応する位置に突起２２２０を有することができる。前記突起２２２０は前記ミッドケース２１１０の末端とともにパッキング部材２１４０を一層効果的に圧縮させることにより、よりタイトな外部シーリングを可能にする。

本発明の一実施例による前記パッキング部材２１４０は、図２及び図５に例示するように、前記固定層２１２２と接触することができる。前記固定層２１２２の形成に使われる液状樹脂（例えば、液状ポリウレタン樹脂）が前記パッキング部材２１４０に接触した状態で硬化するようにすることにより、前記パッキング部材２１４０と前記固定層２１２２との接着強度を向上させて内部シーリングを強化することができる。
本発明の一実施例によれば、図２及び図５に例示するように、前記固定層２１２２は、前記中空糸膜２１２１の末端がポッティングされている第１固定層２１２２－１、及び前記第１固定層２１２２－１を取り囲み、前記ブラケット２１３０と接触する第２固定層２１２２－２を含むことができる。

前記第１固定層２１２２－１と前記第２固定層２１２２－２は、ディップキャスティング方式又は遠心キャスティング方式で液状ポリウレタン樹脂のような液状樹脂を硬化させることによってそれぞれ形成することができる。前記第１固定層２１２２－１と前記第２固定層２１２２－２は相異なる物質からそれぞれ形成することができるが、これらの間の接着強度の側面で同種の物質（例えば、ポリウレタン樹脂）からそれぞれ形成することが好ましい。

前記加湿モジュール２１００は、図２及び図５に例示するように、両端が開放しているインナーケース（ｉｎｎｅｒ ｃａｓｅ）２１２３を前記ミッドケース２１１０内にさらに含むことができる。この場合、前記中空糸膜２１２１は前記インナーケース２１２３内に配置される。前記中空糸膜２１２１の末端部がポッティングされている前記第１固定層２１２２－１が前記インナーケース２１２３の開放した末端（ｏｐｅｎ ｅｎｄｓ）を閉鎖させる。

本発明の一実施例によれば、前記インナーケース２１２３は、排ガスの流入／流出のためのポート２１１１（図２には一つのみ示されている）に対応する位置に多数のホールＨをそれぞれ有する。第１ポート２１１１を通して前記ミッドケース２１１０内に流入した排ガスが前記第１ホールＨを通過した後、前記中空糸膜２１２１の外表面に沿って流れながら水分が除去される。次いで、反対側の第２ホールＨを通して前記インナーケース２１２３を離脱した後、第２ポート２１１１を通して前記ミッドケース２１１０から排出される。
前記中空糸膜２１２１、前記第１固定層２１２２－１、及び前記インナーケース２１２３は中空糸膜カートリッジ２１２０を構成する。

図２及び図５に例示するように、前記インナーケース２１２３の末端が前記第１固定層２１２２－１にポッティングされることにより、前記中空糸膜２１２１と前記インナーケース２１２３の相対的位置を一定に維持することができる。
以下では、図６を参照して本発明の第２実施例による燃料電池用加湿器２０００を説明する。
図６に例示するように、本発明の第２実施例による燃料電池用加湿器２０００は、２個の中空糸膜カートリッジ２１２０ａ、２１２０ｂを含んでいることを除き、上述した第１実施例と実質的に同様である。

すなわち、本発明の第２実施例によれば、前記中空糸膜は、第１グループの中空糸膜２１２１ａ及び第２グループの中空糸膜２１２１ｂを含み、前記加湿モジュール２１００は、前記第１グループの中空糸膜２１２１ａが内部に配置された第１インナーケース２１２３ａ及び前記第２グループの中空糸膜２１２１ｂが内部に配置された第２インナーケース２１２３ｂを含み、前記固定層２１２２は、前記第１グループの中空糸膜２１２１ａの末端がポッティングされている第１固定層２１２２－１ａ、前記第２グループの中空糸膜の末端２１２１ｂがポッティングされている第２固定層２１２２－１ｂ、及び前記第１及び第２固定層２１２２－１ａ、２１２２－１ｂを取り囲み、前記ブラケット２１３０と接触する第３固定層２１２２－２を含む。

前記第１グループの中空糸膜２１２１ａ、前記第１固定層２１２２－１ａ、及び前記第１インナーケース２１２３ａは第１中空カートリッジ２１２０ａを構成し、前記第２グループの中空糸膜２１２１ｂ、前記第２固定層２１２２－１ｂ、及び前記第２インナーケース２１２３ｂは第２中空カートリッジ２１２０ｂを構成する。
図６に例示するように、前記第１及び第２インナーケース２１２３ａ、２１２３ｂの末端が前記第１及び第２固定層２１２２－１ａ、２１２２－１ｂにそれぞれポッティングされることにより、前記第１グループの中空糸膜２１２１ａと前記第１インナーケース２１２３ａの相対的位置及び前記第２グループの中空糸膜２１２１ｂと前記第２インナーケース２１２３ｂの相対的位置をそれぞれ一定に維持することができる。

より大きい加湿容量のためには、中空糸膜２１２１の数を増加させなければならない。しかし、１個の中空糸膜カートリッジ２１２０のみを含む第１実施例の場合、中空糸膜２１２１が多いほど中央に位置する中空糸膜２１２１に排ガスが伝達されにくくなるという問題点がある。
これに対して、本発明の第２実施例では、２個の中空糸膜カートリッジ２１２０ａ、２１２０ｂが互いに離隔して配置されるから、全ての中空糸膜２１２１ａ、２１２１ｂの数が増加しても排ガスが前記全ての中空糸膜２１２１ａ、２１２１ｂに比較的均一に伝達されることができる。すなわち、中空糸膜の数が同一である場合、２個の中空糸膜カートリッジ２１２０ａ、２１２０ｂを含む前記第２実施例の構造が１個の中空糸膜カートリッジ２１２０のみを含む第１実施例の構造に比べて中空糸膜活用度の側面で有利である。

燃料電池の容量（又は、所要加湿容量）、加湿器のサイズ、加湿器の重さなどを全体的に考慮して前記ミッドケース２１１０内に装着される中空糸膜カートリッジ（等）の数を決定することができる。
以下では、図７ａ～図７ｇを参照して本発明の一実施例による燃料電池用加湿器２０００の製造方法をより具体的に説明する。

まず、図７ａに例示するように、多数の中空糸膜２１２１’の末端が第１固定層２１２２－１’にポッティングされている中空糸膜カートリッジ２１２０’を準備する。
前記中空糸膜カートリッジ２１２０’は、前記中空糸膜２１２１’のそれぞれの少なくとも一部をインナーケース２１２３内に挿入した後、液状ポリウレタン樹脂のような液状樹脂を用いたディップキャスティング工程又は遠心キャスティング工程を遂行することによって製造することができる。前記液状樹脂の硬化によって、前記中空糸膜２１２１’の末端がポッティングされている前記第１固定層２１２２－１’を形成する。
前記ディップキャスティング工程又は遠心キャスティング工程を遂行するとき、前記インナーケース２１２３の末端も前記中空糸膜２１２１’の末端とともに前記第１固定層２１２２－１’にポッティングすることができる。

前記インナーケース２１２３はその長手方向に沿って互いに反対側に位置する第１及び第２グループのホールＨを有することができる。
次いで、図７ｂに例示するように、両端が開放しており、内周面に段差部２１１２を有するミッドケース２１１０内に前記中空糸膜カートリッジ２１２０’を挿入する。

本発明の一実施例によれば、前記ミッドケース２１１０は開放している末端を有し、単一閉曲線形の横断面を有する。前記ミッドケース２１１０はその内部空間を長手方向に沿って互いに反対側に位置する排ガス流入空間と排ガス排出空間とに分割する隔壁を有することができ、前記隔壁に形成されたホールに前記中空糸膜カートリッジ２１２０’が挿入されることにより前記隔壁によって支持されることができる。この際、前記インナーケース２１２３の第１グループのホールＨは前記排ガス流入空間内に存在し、前記インナーケース２１２３の第２グループのホールＨは前記排ガス排出空間内に存在する。

この場合、前記排ガス流入空間に流入した排ガスは、前記第１グループのホールＨを通して前記インナーケース２１２３内に流入し、前記インナーケース２１２３内で前記第２グループのホールＨに向かって流れ、前記第２グループのホールＨを通して前記排ガス排出空間に移動し、次いで前記ミッドケース２１１０から排出される。
次いで、図７ｃに示すように、ブラケット２１３０を前記ミッドケース２１１０の前記段差部２１１２上に装着する。前述したように、前記ミッドケース２１１０は単一閉曲線形の横断面を有し、前記ブラケット２１３０は前記ミッドケース２１１０の横断面形に対応する単一閉曲線形を有することができる。

本発明の一実施例による前記ブラケット２１３０は、金属、硬質プラスチック［例えば、ポリプロピレン（ＰＰ）、ポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）、ポリスチレン（ＰＳ）、ポリカーボネート（ＰＣ）、又はアクリル樹脂］、又は硬質ゴムから形成することができる。

オプションで（ｏｐｔｉｏｎａｌｌｙ）、前述したプライマー層２１５０の形成のために、前記ブラケット２１３０の表面の少なくとも一部をプライマーで処理した後、前記ミッドケース２１１０の段差部２１１２上に装着するか、又は前記ブラケット２１３０を前記ミッドケース２１１０の段差部２１１２上に装着した後、その露出面をプライマーで処理することができる。前述したように、前記プライマーは、ゴム接着成分、アクリル接着成分、ポリウレタン接着成分、エポキシ接着成分、シリコン接着成分、ポリアミド系接着成分、ポリイミド系接着成分、又はこれらの中で２種以上の混合物を含むことができる。

次いで、図７ｅに例示するように、前記ミッドケース２１１０、前記ブラケット２１３０及び前記パッキング部材２１４０と前記中空糸膜カートリッジ２１２０’の末端との間のギャップを埋める第２固定層２１２２－２’を形成する。
前記第２固定層２１２２－２’は、前記ミッドケース２１１０にポッティングキャップ（図示せず）を締結し、前記ポッティングキャップが前記ミッドケース２１１０の下に位置する状態で前記ポッティングキャップに液状ポリウレタン樹脂のような液状樹脂を注入して硬化させるディップキャスティング工程を遂行し、次いで前記ポッティングキャップを除去することによって製造することができる。代案として、前記第２固定層２１２２－２’は遠心キャスティング工程で形成することもできる。

前記第１及び第２固定層２１２２－１’、２１２２－２’は相異なる液状樹脂からそれぞれ造成することができるが、これらの間の接着強度の側面で同じ物質（例えば、液状ポリウレタン樹脂）からそれぞれ形成することが好ましい。
本発明の一実施例によれば、前記第２固定層２１２２－２’の形成に使われる液状樹脂（例えば、液状ポリウレタン）が前記ブラケット２１３０及びパッキング部材２１４０と接触した状態で硬化するようにすることにより、これに対する前記第２固定層２１２２－２’の接着力を向上させて内部シーリングを強化することができる。

本発明の一実施例によれば、前記ブラケット２１３０が前記第２固定層２１２２－２’に対して優れた接着力を有する物質から形成されるから、これらの間の界面を通してのガスの移動（すなわち、内部漏出）を防止してより強い内部シーリングを提供することができる。また、プライマーで処理されたブラケット２１３０及び／又はプライマーで処理されたパッキング部材２１４０を用いる場合、前記ブラケット２１３０と前記第２固定層２１２２－２’の接着強度及び／又は前記パッキング部材２１４０と前記第２固定層２１２２－２’の接着強度が極大化することによってより優れた内部シーリングを提供することができる。

次いで、図７ｅのカッティングラインＣＬに沿って前記第１固定層２１２２－１’、前記第２固定層２１２２－２’、及び前記中空糸膜２１２１’を同時にカッティングすることにより、図７ｆに例示するように、第２固定層２１２２－２によって取り囲まれた第１固定層２１２２－１にポッティングされた末端が開放している中空糸膜２１２１を得る。
次いで、図７ｇに例示するように、前記ミッドケース２１１０にキャップ２２００を締結する。この際、前記キャップ２２００によって前記パッキング部材２１４０が圧縮されるように前記キャップ２２００を締結する。

本発明の一実施例によるキャップ２２００は、図７ｇに例示するように、前記パッキング部材２１４０の溝に差し込まれる前記ミッドケース２１１０の末端に対応する位置に突起２２２０を有することができる。前記突起２２２０は前記ミッドケース２１１０の末端とともに前記パッキング部材２１４０を一層効果的に圧縮させることによってよりタイトな外部シーリングができるようにする。
また、本発明の一実施例によれば、前記ブラケット２１３０が前記パッキング部材２１４０より高い硬度を有することにより、前記ミッドケース２１１０に前記キャップ２２００が締結されるとき、前記パッキング部材２１４０が圧縮されることができる。

すなわち、前記ブラケット２１３０が前記ミッドケース２１１０の段差部２１１２によって支持されるだけでなく、前記パッキング部材２１４０の硬度（３０～６０ＳｈｏｒｅＡ、より好ましくは４０～５０ＳｈｏｒｅＡ）より高い硬度（６０～１００ＳｈｏｒｅＡ、より好ましくは７０～１００ＳｈｏｒｅＡ）を有するから、前記キャップ２２００がボルト２３１０及びナット２３２０によって前記ミッドケース２１１０に締結されるとき、前記ブラケット２１３０が前記キャップ２２００とともに前記パッキング部材２１４０に圧力を効果的に加えることができる。その結果、前記キャップ２２００と前記ブラケット２１３０との間に配置された（すなわち、前記ミッドケース２１１０の内部に位置する）前記パッキング部材２１４０の部分が充分に圧縮されることにより、前記パッキング部材２１４０と前記ブラケット２１３０との間の界面を通してのガスの移動（すなわち、内部漏出）を防止して優れた内部シーリングを保障することができる。

以上で説明した本発明によれば、従来技術のシーラント塗布及び硬化工程なしに、前記ブラケット２１３０と前記パッキング部材２１４０の機械的組立のみによって前記外部漏出及び前記内部漏出のいずれも効果的に防止することができる。よって、本発明によれば、従来技術で要求されるシーラント塗布工程及びシーラント硬化工程を省略するから作業性が向上するだけでなく、製造時間が縮まることによりその生産性を画期的に向上させることができる。また、シーラント硬化工程中に半製品を保管する別途の空間が要求されないから加湿器の生産コストを節減することができる。

Claims (19)

1. 外部から供給されるガスを燃料電池スタックから排出される排ガス（ｏｆｆ－ｇａｓ）内の水分（ｍｏｉｓｔｕｒｅ）で加湿する加湿モジュール（ｈｕｍｉｄｉｆｙｉｎｇ ｍｏｄｕｌｅ）と、
   前記加湿モジュールの両端にそれぞれ結合されたキャップ（ｃａｐｓ）と、
   を含み、
   前記加湿モジュールは、
   両端が開放しており、内周面（ｉｎｎｅｒ ｃｉｒｃｕｍｆｅｒｅｎｔｉａｌ ｓｕｒｆａｃｅ）に段差部を有するミッドケース（ｍｉｄ－ｃａｓｅ）と、
   前記ミッドケース内の多数の中空糸膜と、
   前記中空糸膜の末端がポッティングされる固定層（ｆｉｘｉｎｇ ｌａｙｅｒ）と、
   前記ミッドケースの段差部によって支持され、前記固定層と接触するブラケット（ｂｒａｃｋｅｔ）と、
   前記ミッドケースの末端が差し込まれる溝を有し、前記ブラケットと接触するパッキング部材と、
   を含み、
   前記固定層は、
   前記中空糸膜の末端がポッティングされる第１固定層と、
   前記第１固定層を取り囲み、前記ブラケットと接触する第２固定層と、
   を含む、燃料電池用加湿器。
2. 前記加湿モジュールは前記ブラケットと前記固定層の間又は前記ブラケットと前記パッキング部材の間に配置されたプライマー層をさらに含み、
   前記ブラケットは前記プライマー層を介して前記固定層又は前記パッキング部材と間接的に接触する、請求項１に記載の燃料電池用加湿器。
3. 前記プライマー層は、ゴム接着成分、アクリル接着成分、ポリウレタン接着成分、エポキシ接着成分、シリコン接着成分、ポリアミド系接着成分、ポリイミド系接着成分、又はこれらの中で２種以上の混合物を含む、請求項２に記載の燃料電池用加湿器。
4. 前記ブラケット及び前記パッキング部材は前記ミッドケースの横断面形に対応する単一閉曲線形をそれぞれ有する、請求項１に記載の燃料電池用加湿器。
5. 前記ブラケットは前記パッキング部材より高い硬度を有する、請求項１に記載の燃料電池用加湿器。
6. 前記ブラケットは６０～１００ＳｈｏｒｅＡの硬度を有し、
   前記パッキング部材は４０～５０ＳｈｏｒｅＡの硬度を有する、請求項５に記載の燃料電池用加湿器。
7. 前記パッキング部材は軟質ゴム（ｓｏｆｔ ｒｕｂｂｅｒ）を含み、
   前記ブラケットは、金属、硬質プラスチック（ｒｉｇｉｄ ｐｌａｓｔｉｃ）、又は硬質ゴム（ｈａｒｄ ｒｕｂｂｅｒ）を含む、請求項１に記載の燃料電池用加湿器。
8. 前記パッキング部材はシリコンゴム又はウレタンゴムを含み、
   前記ブラケットは、ポリプロピレン（ＰＰ）、ポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）、ポリスチレン（ＰＳ）、ポリカーボネート（ＰＣ）、又はアクリル樹脂を含む、請求項７に記載の燃料電池用加湿器。
9. 前記パッキング部材は前記固定層とも接触する、請求項１に記載の燃料電池用加湿器。
10. 前記第１固定層と前記第２固定層は同じ物質から形成される、請求項１に記載の燃料電池用加湿器。
11. 前記第１固定層と前記第２固定層はいずれもポリウレタン（ＰＵ）樹脂を含む、請求項１に記載の燃料電池用加湿器。
12. 前記加湿モジュールは、両端が開放したインナーケース（ｉｎｎｅｒ ｃａｓｅ）を前記ミッドケース内にさらに含み、
    前記中空糸膜は前記インナーケース内に配置される、請求項１に記載の燃料電池用加湿器。
13. 前記インナーケースの末端は前記第１固定層にポッティングされる、請求項１２に記載の燃料電池用加湿器。
14. 外部から供給されるガスを燃料電池スタックから排出される排ガス内の水分で加湿する加湿モジュールと、
    前記加湿モジュールの両端にそれぞれ結合されたキャップと、
    を含み、
    前記加湿モジュールは、
    両端が開放し、内周面に段差部を有するミッドケースと、
    前記ミッドケース内の多数の中空糸膜と、
    前記中空糸膜の末端がポッティングされる固定層と、
    前記ミッドケースの段差部によって支持され、前記固定層と接触するブラケットと、
    前記ミッドケースの末端が差し込まれる溝を有し、前記ブラケットと接触するパッキング部材と、
    を含み、
    前記中空糸膜は、第１グループの中空糸膜及び第２グループの中空糸膜を含み、
    前記加湿モジュールは、
    前記第１グループの中空糸膜が内部に配置される第１インナーケースと、
    前記第２グループの中空糸膜が内部に配置される第２インナーケースと、
    をさらに含み、
    前記固定層は、
    前記第１グループの中空糸膜の末端がポッティングされる第１固定層と、
    前記第２グループの中空糸膜の末端がポッティングされる第２固定層と、
    前記第１及び第２固定層を取り囲み、前記ブラケットと接触する第３固定層と、
    を含む、燃料電池用加湿器。
15. 前記第１インナーケースの末端は前記第１固定層にポッティングされ、
    前記第２インナーケースの末端は前記第２固定層にポッティングされる、請求項１４に記載の燃料電池用加湿器。
16. 多数の中空糸膜の末端が第１固定層にポッティングされている中空糸膜カートリッジを準備する段階と、
    両端が開放し、内周面に段差部を有するミッドケース内に前記中空糸膜カートリッジを挿入する段階と、
    ブラケットを前記ミッドケースの前記段差部上に装着する段階と、
    前記ミッドケースの末端に対応する溝を有するパッキング部材を、前記ミッドケースの末端が前記溝に挟まれるようにかつ前記パッキング部材の一部が前記ブラケットに接触するように、前記ミッドケースの末端上に装着する段階と、
    前記ミッドケース、前記ブラケット及び前記パッキング部材と前記中空糸膜カートリッジの末端との間のギャップを埋める第２固定層を形成する段階と、
    前記第１固定層、前記第２固定層、及び前記中空糸膜を同時にカッティングすることにより、前記中空糸膜の末端を開放させる段階と、
    キャップによって前記パッキング部材が圧縮されるように前記ミッドケースに前記キャップを締結する段階と、
    を含む、燃料電池用加湿器の製造方法。
17. 前記中空糸膜カートリッジを準備する段階は、
    前記中空糸膜のそれぞれの少なくとも一部をインナーケース内に挿入する段階と、
    ディップキャスティング工程又は遠心キャスティング工程を遂行することによって前記第１固定層を形成する段階と、
    を含む、請求項１６に記載の燃料電池用加湿器の製造方法。
18. 前記ディップキャスティング工程又は遠心キャスティング工程を遂行するとき、前記インナーケースの末端も前記中空糸膜の末端とともに前記第１固定層にポッティングする、請求項１７に記載の燃料電池用加湿器の製造方法。
19. 前記ミッドケースに前記キャップを締結するときに前記パッキング部材が圧縮されるように、前記ブラケットは前記パッキング部材より高い硬度を有する、請求項１６に記載の燃料電池用加湿器の製造方法。
    

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