JP7245087B2 - レンズユニット及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、複数のレンズと、これらを収容・固定する鏡筒とを具備するレンズユニット、及びその製造方法に関する。
例えば、自動車、監視カメラ等に搭載される撮像装置において使用される光学系として、物体側から像側(撮像素子側)に至るまでの間に複数のレンズを光軸(撮像装置の光軸)方向に配したレンズユニットが使用されている。このレンズユニットは可視光による物体の画像を撮像素子上に良好に結像させるように設計される。このため、各レンズ間の位置関係、各レンズと鏡筒間、このレンズユニットと撮像素子間の位置関係が高い精度で固定されることが要求される。
この場合、鏡筒は対候性の高い樹脂材料で構成される。また、このような小型の撮像装置におけるレンズを構成する材料としては、ガラスと樹脂材料の2種類がある。前者は機械的強度が高いが高価であり、後者は機械的強度は低いが安価である。ガラスの熱膨張係数は一般的には樹脂材料より小さいため、高温時における熱膨張に起因する形状や位置の微細な変化が結像特性(焦点位置の変化等)に与える影響が大きくなるレンズは、ガラス製(ガラスレンズ)とすることが好ましい。一方、樹脂材料製のレンズ(プラスチックレンズ)は安価であり、更に非球面形状のものを比較的安価に製造することができる。鏡筒用の樹脂材料に対しては特に対候性が要求されるのに対し、レンズ用の樹脂材料に対しては光学特性(光透過率等)が要求されるため、これらに対しては異なる樹脂材料が用いられ、前者に対しては結晶性プラスチック、後者に対しては非晶性プラスチックが用いられる。
同様のレンズ面の形状を形成する場合でも、プラスチックレンズとガラスレンズでは異なる手法が用いられ、前者は樹脂成型が用いられるのに対し、後者は研磨加工が用いられる。一方、レンズの厚さについては、樹脂成型により製造されるプラスチックレンズの場合には数μm以下の精度となるのに対し、ガラスレンズの場合には、これよりも粗く数十μm程度の精度となる。このため、ガラスレンズとこれに光軸方向で隣接するレンズとの間の間隔を精密に設定するためには、このようなガラスレンズの厚さのばらつきを考慮する必要がある。
このため、特許文献1には、ガラスレンズが一部に用いられるレンズユニットにおいて、ガラスレンズと、これと隣接するレンズとの間の間隔を微調整可能とする技術が記載されている。ここでは、ガラスレンズは樹脂材料製のレンズホルダに固定され、レンズホルダにおいて、隣接するレンズ側に突出する複数の突出部が設けられ、このレンズとレンズホルダ(ガラスレンズ)との間の間隔は、この突出部の突出量で定まる。この突出部は樹脂材料で構成されるため、実測されたガラスレンズの厚さに応じて、その突出量が加熱溶融加工によって調整可能とされる。これによって上記のレンズ間隔を微調整することができ、ガラスレンズの厚さによらず結像特性の良好なレンズユニットを得ることができる。
特開2018-54922号公報
特許文献1に記載の技術においては、レンズ間隔の精度は突出量の精度で定まり、これは加熱溶融加工により定まるため、その精度は高くない、あるいは、この加工を高精度に行うためには高価な設備が必要になる。このため、レンズ間の間隔が高精度で調整可能、かつ安価なレンズユニットを得ることは困難であった。
本発明は、このような状況に鑑みなされたもので、レンズ間の間隔が高精度で調整可能でありかつ安価なレンズユニット及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係るレンズユニットは、光軸に沿った最も物体側に配置された第1レンズと、当該第1レンズよりも像側に配置された複数のレンズと、前記第1レンズ及び複数の前記レンズを収容する鏡筒と、を有し、複数の前記レンズのうちの一つでありガラス製であるガラスレンズは、レンズホルダで前記光軸からみた外側を支持されて前記鏡筒に収容され、前記レンズホルダには、光軸方向における一方側において当該一方側に向かい局所的に突出する複数の突出部が、突出量に応じて複数の突出部群に区分されて形成され、前記ガラスレンズと光軸方向における前記一方側で隣接する前記レンズである一方側レンズは、一つの前記突出部群に属する複数の前記突出部に係止されることによって光軸方向における前記ガラスレンズとの間の位置関係が定められ、前記一つの前記突出部群以外の他の前記突出部群に属する複数の前記突出部は、前記一つの前記突出部群に属する前記突出部よりも前記突出量が小さくなるように加工されている。
この構成においては、ガラスレンズとレンズホルダとが一体化されたレンズ体が鏡筒内に収容される。レンズ体(レンズホルダ)と一方側レンズとは、レンズホルダに形成された複数の突出部を介して当接し、ガラスレンズと一方側レンズとの間の光軸方向の間隔は、この突出部の突出量で定まる。ここで、突出部の突出量は、突出部群毎にレンズホルダの形成時に精密に定められるため、突出部群を選定することによって、この間隔を微調整することができる。これによって、ガラスレンズの厚さ等にばらつきがある場合でも、このレンズユニットの結像特性を良好とすることができる。
また、前記レンズホルダにおける他方側において前記ガラスレンズと隣接する前記レンズである他方側レンズと前記レンズホルダとは、互いに形成された係合構造同士を係合させることによって少なくとも光軸方向、光軸と垂直な方向のいずれかにおける互いの位置関係が固定され、光軸方向からみて、前記突出部と前記係合構造とは、重複する領域を有する。
この構成においては、ガラスレンズの他方側においてガラスレンズと隣接する他方側レンズと、レンズホルダとの間の位置関係が係合構造によって定まる。これによって、一方側レンズ、ガラスレンズ(レンズ体)、他方側レンズの位置関係が定まる。この際、光軸方向からみて、係合構造と突出部とを重複させることによって、レンズ体の後で他方側レンズを、あるいは他方側レンズの後でレンズ体、一方側レンズを鏡筒に組み込む際の、鏡筒やプラスチックレンズ(一方側レンズ、他方側レンズ)に歪みが生ずることが抑制される。
また、光軸方向において隣接する2つの前記レンズが接合された接合レンズが前記一方側レンズとされている。
この構成においては、一方側レンズが接合レンズとされる。こうした構成によって、レンズ系の構成の自由度が高まる。
また、前記ガラスレンズにおける像側の面に、結像の対象となる光よりも長波長の光を遮断する薄膜状の赤外カットフィルターが形成されている。
薄膜状の赤外カットフィルターを用いることによって、特に、撮像対象として不要でありかつ良好な結像特性が得られない近赤外光が像面に達することが抑制され、かつ赤外カットフィルターを個別の部品として設けることが不要となる。この際、赤外カットフィルターが形成されたガラスレンズと、一方側レンズとの間の間隔は、ゴーストやフレアの発生にも影響を及ぼすところ、上記の突出部を用いた間隔の微調整によって、こうした悪影響も抑制することができる。
また、本発明に係るレンズユニットの製造方法は、前記レンズユニットの製造方法であって、前記レンズホルダにおいて光軸周囲の領域が光軸方向に掘り下げられた孔部であるレンズ組み込み孔内に前記ガラスレンズを配置するレンズ配置工程と、配置された前記ガラスレンズと前記レンズ組み込み孔の内面との間を接着剤で固定する固定工程と、固定後の前記ガラスレンズの光軸方向に沿った厚さを測定し、当該厚さに応じて一つの前記突出部群を選定する選定工程と、選定された前記突出部群に属する前記突出部が前記一方側レンズを係止できるように、選定された前記突出部群よりも前記突出量の大きな他の前記突出部群に属する前記突出部を加工する突出部加工工程と、前記突出部加工工程後に、前記ガラスレンズが固定された前記レンズホルダを、前記鏡筒内において配置するレンズ体配置工程と、を具備する。
この製造方法においては、レンズ配置工程、固定工程によって、前記のレンズ体が製造される。その後、選定工程、突出部加工工程によって、一方側レンズと当接する突出部(突出部群)が、一方側レンズとガラスレンズとの間の間隔を適正とするために定められた後で、レンズ体配置工程により、このレンズ体が鏡筒内に配置される。突出部加工工程においては、選定された突出部群よりも突出量の大きな突出部に対して加工が行われるが、この加工には高い精度は要求されない。このため、このレンズ間隔の微調整が可能であり、かつこのレンズユニットの製造は容易である。
また、光軸からみた前記レンズホルダにおける前記レンズ組み込み孔の周囲に、光軸方向に沿って前記レンズ組み込み孔が掘り下げられた側と反対側に突出する突起部が形成され、前記レンズ配置工程の後、かつ前記固定工程の前に、前記突起部を前記ガラスレンズと非接触の状態として光軸側に屈曲させるカシメ工程が設けられる。
このように突起部をレンズホルダに設けることによって、レンズ組み込み孔内にガラスレンズを収容する作業が容易であり、固定工程後には、突起部がある箇所でもガラスレンズがレンズホルダに対して固定される。また、接着剤の固化前にガラスレンズがレンズホルダから移動することが抑制される。
また、前記固定工程の後、かつ前記レンズ体配置工程の前に、前記レンズホルダにおける前記他方側の面に絞りを装着する絞り配置工程が設けられる。
この製造方法により、ガラスレンズだけでなく、絞りもレンズホルダに対して固定される。このため、ガラスレンズ、一方側レンズ、他方側レンズ、及びこれらと絞りの位置関係もレンズホルダを介して固定される。
本発明によれば、レンズ間の間隔が高精度で調整可能でありかつ安価なレンズユニット及びその製造方法を得ることができる。
実施形態に係るレンズユニットの断面図である。 実施形態に係るレンズユニットで用いられる鏡筒の断面図(a)、斜視図(b)である。 実施形態に係るレンズユニットの分解組立図である。 実施形態に係るレンズユニットにおける、レンズホルダを像側から見た斜視図である。 実施形態に係るレンズユニットにおける、第5レンズが配置された状態のレンズホルダを物体側から見た平面図である。 実施形態に係るレンズユニットにおける、レンズホルダ単体(a)、第5レンズが配置されたレンズホルダ(b)を像側から見た平面図である。 実施形態に係るレンズユニットにおける、第5レンズ体の光軸に沿った断面図である。 実施形態に係るレンズユニットにおける、第5レンズ体と絞りの関係を示す斜視図である。 実施形態に係るレンズユニットにおける、第5レンズ体を製造する際の工程断面図である。 実施形態に係るレンズユニットにおける、レンズユニットにおける突出部とこれよりも上側の段差部等との間の位置関係を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
図1は本実施形態に係るレンズユニット1の、光軸Aに沿った断面図である。ここでは、物体(Ob)側は図中上側、像(Im)側は図中下側であり、撮像素子100は図中最下部に位置する。レンズL1~L7の各々は、鏡筒10に対して直接あるいは間接的に固定される。図1においては、各レンズ、絞り20、あるいは各レンズと鏡筒10の間を固定するための構成が主に記載されており、実際には撮像素子100と鏡筒10の位置関係を固定するための構造も設けられているが、その記載は省略されている。
撮像素子100は2次元CMOSイメージセンサであり、各画素は光軸Aと垂直な面内で2次元に配列されており、実際には撮像素子100はカバーガラス(図示せず)で覆われている。図1において、第1レンズL1から第7レンズL7を備えるレンズユニット1が構成される。レンズユニット1は、撮像対象の可視光の画像を所望の視野、所望の形態で撮像素子100上(像面)に結像させるように構成される。
図1において、最も物体側(図中上側)に設けられた第1レンズL1は、魚眼レンズであり、主にこれによって、撮像装置の視野等が定まる。これよりも撮像素子100側(像側)に、第2レンズL2、第3レンズL3、第4レンズL4、第5レンズL5、第6レンズL6、第7レンズL7が順次配置されている。各レンズは、光軸Aの周りで略対称な形状を具備する。また、光束を制限するための絞り20が第4レンズL4と第5レンズL5の間に設けられている。また、不要な光を除去するための遮光板も第2レンズL2と第3レンズL3の間に適宜設けられるが、その記載は図1では省略されている。
また、図2(a)は、鏡筒10のみの光軸Aに沿った断面図、図2(b)は、鏡筒10を図1における斜め上側(物体側)からみた斜視図である。この鏡筒10の物体側(図中上側)に、内周面が略円筒形状の空洞部である第1収容部10Aが設けられ、第1収容部10Aの像側の底面は第1レンズL1と当接する第1載置部11である。また、第1載置部11よりも像側(図中下側)には、第1収容部10Aと同軸とされ、第1収容部10Aより小径とされた略円筒形状の空洞部である第2収容部10Bが設けられ、第2収容部10Bの像側の底面は接合レンズL60(後述する像側レンズ)と当接する第2載置部12である。第1収容部10A、第2収容部10Bの中心軸は共通とされ、光軸Aと等しい。また、図2(a)に示されるように、実際には第2収容部10Bの内周面は物体側から像側に向かって徐々に小さくされる。
図1において、各レンズにおける物体側、像側のレンズ面(画像を形成する光が通過する面)は、レンズユニット1が所望の結像特性をもたらすように、適宜曲面(凸曲面、凹曲面)加工されている。以下では、各レンズにおける物体側のレンズ面を第1表面R1、像側のレンズ面を第2表面R2と呼称する。また、レンズ面の形状(凸曲面又は凹曲面)としては、第1表面R1の形状については物体側からみた形状、第2表面R2の形状については像側からみた形状を、それぞれ意味するものとする。
一般的に、このような小型の撮像装置におけるレンズを構成する材料としては、ガラスと樹脂材料の2種類がある。前者は機械的強度が高いが高価であり、後者は機械的強度は低いが安価である。また、ガラスの熱膨張係数は樹脂材料より小さいため、高温時における熱膨張に起因する形状や位置の微細な変化が結像特性(焦点位置の変化等)に与える影響が大きくなるレンズは、ガラスレンズとすることが好ましい。このため、レンズユニット1を高性能かつ安価とするためには、ガラス製のものが好ましいレンズのみガラス製のレンズ(ガラスレンズ)とし、他のレンズを樹脂材料製のレンズ(プラスチックレンズ)とすることが好ましい。
この観点において、本実施の形態では、最も物体側に配置された第1レンズL1は撮像装置1の最表面に位置するために、傷が付きにくいガラスレンズとされる。また、絞り20と隣接するレンズ(第4レンズL4及び第5レンズL5)は、温度変化に起因する焦点距離の変化が顕著に表れるため、いずれか一方(本実施の形態では第5レンズL5)がガラスレンズとされる。他のレンズとしては、安価なプラスチックレンズが用いられる。
第1レンズL1は、その物体側のレンズ面L1R1が凸曲面、その像側のレンズ面L1R2が凹曲面とされた負レンズである。第1レンズL1の上面側では、レンズ面L1R1がほぼ全体を占めている。第1レンズL1の下面側(像側)において、レンズ面L2R2の外側には、光軸Aと垂直な平面で構成された第1レンズ第1下面L1Aが設けられる。第1レンズ第1下面L1Aの更に外側には、第1レンズ第1下面L1Aと平行かつ第1下面L1Aよりも物体側(図中上側)に位置する第1レンズ第2下面L1Bが設けられる。また、第1レンズL1の最外周部は、光軸Aを中心軸とする円筒形状の第1レンズ外周面L1Cを構成する。これらの面のうち、光学的に使用されるのは、レンズ面L1R1、L1R2であり、他の面は、第1レンズL1を鏡筒10に対して固定するために用いられる。
図1において、鏡筒10の上端側は、第1レンズL1の物体側への移動を規制するように光軸A(中心)側に向かって屈曲した第1レンズ係止部13となっている。また、第1レンズ第1下面L1Aは、鏡筒10の第1載置部11と当接する。このため、第1レンズL1の鏡筒10に対する光軸A方向における位置関係は、物体側(図中上側)では第1レンズ係止部13によって定まり、像側(図中下側)では第1載置部11により定まる。この際、第1レンズ第1下面L1Aよりも外側においては、第1レンズ第2下面L1Bと第1載置部11との隙間に、光軸A方向と垂直な方向で圧縮されて弾性変形したリング状のOリング30が配されることにより、鏡筒10内部における防水機能が得られる。なお、上記のような第1レンズ係止部13の形状は、第1レンズl1を鏡筒10に固定するために加工(熱カシメ)した後の形状であり、固定前における鏡筒10の上端部側の形状は、図2(a)に示されるように、上側から第1レンズL1を図1に示されるように鏡筒10内に挿入可能な形状とされる。
また、第1レンズ外周面L1Cは、鏡筒10における第1収容部10Aの内周面と当接する。これによって、第1レンズL1と鏡筒10の光軸Aと垂直な方向における位置関係が定まる。すなわち、上記の構成により、第1レンズL1は鏡筒10に対して固定される。
第2レンズL2は、その物体側のレンズ面L2R1が凸曲面、その像側のレンズ面L2R2が凹曲面とされた負レンズである。第2レンズL2の物体側(図中上側)において、レンズ面L2R1の外側には、光軸Aと垂直でありレンズ面L2R1よりも像側(図中下側)に位置する平面である第2レンズ第1上面L2Aが設けられる。また、第2レンズL2の像側(図中下側)において、レンズ面L2R2よりも外側には、光軸Aと平行な面及び垂直な面で構成された段差部(係合構造)L2Bが設けられる。第2レンズL2の最外周を構成する面である第2レンズ外周面L2Cは、第2収容部10Bの内周面と当接する。第2レンズ外周面L2Cは、その光軸A周りの内径が像側に向かって徐々に小さくなるような略円錐面形状に形成されている。これにより、第2レンズL2と鏡筒10の光軸Aと垂直な方向における位置関係は定まる。
また、第1載置部11よりも内側(光軸Aに近い側)かつレンズ面L1R2及びレンズ面L2R1よりも外側の領域において、第2レンズ第1上面L2Aと第1レンズ第下面L1の間には、弾性体で構成され、かつ光軸A方向で薄い弾性部材40が配されている。すなわち、第1レンズL1と第2レンズL2は光軸Aに沿った方向では直接接さず、これらの間には弾性部材40が設けられている。
第3レンズL3は、その物体側のレンズ面L3R1が凹曲面、その像側のレンズ面L3R2が凸曲面とされた正レンズである。第3レンズL3の物体側(図中上側)において、レンズ面L3R1の外側には、第2レンズL2における段差部L2Bと係合するように形成された段差部(係合構造)L3Aが設けられる。また、第3レンズL3の像側(図中下側)において、レンズ面L3R2よりも外側には、光軸Aと平行な面及び垂直な面で構成された段差部(係合構造)L3Bが設けられる。また、第3レンズL3の最外周を構成する略円筒形状の面である第3レンズ外周面L3Cは、第2収容部10Bの内周面とは非接触とされる。
第4レンズL4は、その物体側の面L4R1が凹曲面、その像側の面L4R2が凸曲面とされた正レンズである。第4レンズL4の物体側(図中上側)において、レンズ面L4R1の外側には、第3レンズL3における段差部L3Bと係合するように形成された段差部(係合構造)L4Aが設けられる。また、第4レンズL4の像側(図中下側)において、レンズ面L4R2よりも外側には、光軸Aと平行な面及び垂直な面で構成された段差部(係合構造)L4Bが設けられる。また、第4レンズL4の最外周を構成する略円筒形状の面である第4レンズ外周面L4Cは、第2収容部10Bの内周面とは非接触とされる。すなわち、第3レンズL3、第4レンズL4は鏡筒10とは非接触とされる。
前記の通り、第5レンズL5はガラス製であり、その物体側の面L5R1が凸曲面、その像側の面L5R2が凸曲面とされた正レンズである。ただし、第5レンズL5は、他のレンズとは異なり、樹脂材料製のレンズホルダ51に圧入固定されて一体化された第5レンズ体L50とされた状態で鏡筒10に収容される。すなわち、第5レンズL5は、第5レンズ体L50となった状態で、樹脂材料製である第3レンズL3、第4レンズL4と同様にレンズとして扱われる。
第5レンズ体L50の物体側(図中上側)において、第5レンズL5の外側のレンズホルダ51には、第4レンズL4における段差部L4Bと係合するように形成された段差部(係合構造)L50Aが設けられる。また、第5レンズ体L50の像側(図中下側)において、第5レンズL5よりも外側には、周囲よりも像側(図中下側)に向かって局所的に突出した突出部L50Bが設けられる。突出部L50Bの詳細については後述する。また、第5レンズ体L50の最外周を構成する面である第5レンズ体外周面L50Cは、第2収容部10Bの内周面と当接する。第5レンズ体外周面L50Cは、その光軸A周りの内径が像側に向かって徐々に小さくなるような略円錐面形状に形成されている。これにより、第5レンズ体L50(第5レンズL5)と鏡筒10の光軸Aと垂直な方向における位置関係は定まる。
また、IRカットコーティング層(赤外カットフィルター)52が、第5レンズL5の像側のレンズ面L5R2に形成されている。IRカットコーティング層52によって、撮像素子100側に向かう可視光以外の成分である近赤外光を除去することができる。レンズユニット1の結像特性が可視光に対して最適化された場合、近赤外光に対しては最適とはならないため、良好な画像を得るためには、近赤外光は撮像素子100に達さない構成とすることが好ましい。IRカットコーティング層52は、このような近赤外光が撮像素子100側に向かうことを抑制し、これによって、良好な結像特性が得られる可視光の画像のみを撮像素子100で得ることができる。IRカットコーティング層52は、カットオフ波長よりも短波長の光を透過させ、これよりも長波長の光を透過させないような多層膜として、例えば蒸着等によって薄膜状に形成される。このようなIRカットコーティング層52は、特にガラスレンズ上に良好に成膜することができるため、レンズ面L5R2に容易に形成することができる。
第6レンズL6は、その物体側の面L6R1が凹曲面、その像側の面L6R2が凹曲面とされた負レンズである。第7レンズL7は、外径が第6レンズL6よりも小さく、その物体側の面L7R1が凸曲面、その像側の面L7R2が凸曲面とされた正レンズである。また、第6レンズL6、第7レンズL7は対向するレンズ面が嵌合して接合されることにより、最も像側にある接合レンズ(像側レンズ)L60を構成するように設定される。つまり、実質的に最も像側のレンズとなる像側レンズは、第6レンズL6の像側のレンズ面L6R2と第7レンズL7の物体側のレンズ面L7R1とが嵌合して接合された接合レンズL60となる。
接合レンズL60(第6レンズL6)の物体側(図中上側)において、レンズ面L6R1の外側においては、第5レンズ体L50における突出部L50Bと当接する平面である接合レンズ上面L6Aが設けられる。なお、図1においては、便宜上、光軸Aを挟んだ両側で突出部L50Bが接合レンズ上面L6Aと当接しているように記載されており、ここでは後述するような突出部L50Bの位置は正確には反映されていない。突出部L50Bの実際の構成、正確な位置については後述する。
また、接合レンズL60(第6レンズL6)の像側(図中下側)において、レンズ面L7R2よりも外側には、光軸Aと垂直な平面である接合レンズ下面L6Bが設けられる。接合レンズ下面L6Bは、第2載置部12と当接する。接合レンズL60(第6レンズL6)の最外周を構成する面である第6レンズ外周面L6Cは第2収容部10Bの内周面と当接する。第6レンズ外周面L6Cは、その光軸A周りの内径が像側に向かって徐々に小さくなるような略円錐面形状に形成されている。このため、接合レンズL60の光軸Aに沿った方向における位置は、像側では鏡筒10(第2載置部12)によって制限される。
この場合、第5レンズ体L50(突出部L50B)は像側で接合レンズL60に係止されるため、第5レンズ体L50の光軸Aに沿った方向における位置は、像側では接合レンズL60を介して第2載置部12(鏡筒10)によって制限される。
また、前記の構成により、第4レンズL4の光軸Aに沿った方向における位置は、段差部L4Bと段差部L50Aが係合することによって、像側では第5レンズ体L50、接合レンズL60を介して鏡筒10によって制限される。一方、第4レンズL4の光軸Aと垂直な方向における位置は、段差部L4Bと段差部L50Aが係合することによって、第5レンズ体L50を介して第2収容部10Bの内周面により定まる。同様に、第3レンズL3の光軸Aに沿った方向における位置は、段差部L3Bと段差部L4Aが係合することによって、像側では第4レンズL4、第5レンズ体L50、接合レンズL60を介して鏡筒10によって制限される。一方、第3レンズL3の光軸Aと垂直な方向における位置は、段差部L3Bと段差部L4Aが係合することによって、第4レンズL4、第5レンズ体L50を介して第2収容部10Bの内周面により定まる。
また、前記の構成により、第2レンズL2の光軸Aに沿った方向における位置は、段差部L2Bと段差部L3Aが係合することによって、像側では第3レンズL3、第4レンズL4、第5レンズ体L50、接合レンズL60を介して鏡筒10によって制限される。一方、第2レンズL2の光軸Aと垂直な方向における位置は、前記の通り、第2収容部10Bの内周面により定まる。
すなわち、上記の構成において、第2レンズL2~接合レンズL60(第7レンズL7)のうち、第2レンズL2、第5レンズL5(第5レンズ体L50)、接合レンズL60は、その外周部が鏡筒10における第2収容部10Bの内周面と当接する接触レンズとなる。これらの接触レンズは、これにより、光軸Aと垂直な方向における鏡筒10との間の位置関係が固定される。一方、第3レンズL3、第4レンズL4は、第2収容部10Bの内周面とは直接接触しない非接触レンズとなる。非接触レンズは、上記のような段差部(係合構造)を介してその物体側、像側の接触レンズと直接あるいは間接的に係合することによって接触レンズとの間の光軸Aと垂直な方向における位置関係が固定されることによって、この方向での鏡筒10との間の位置関係が固定される。これにより、第2レンズL2~接合レンズL60(第7レンズL7)の全ての、光軸Aと垂直な方向における鏡筒10との間の位置関係が固定される。
一方、第3レンズL3、第4レンズL4の外周面は第2収容部10Bの内周面とは非接触とされる。このため、第3レンズL3、第4レンズL4と鏡筒10の熱膨張差に起因して第3レンズL3、第4レンズL4(レンズ系)、鏡筒10に対して力が加わることが抑制される。このため、熱膨張差に起因するレンズの歪み等が抑制され、温度変化が結像特性に与える悪影響が低減される。
図3は、このレンズユニット1の分解斜視図であり、ここでは、図1で記載が省略された遮光板21も記載されている。ここでは、接合レンズL60、第5レンズ体L50、絞り20、第4レンズL4、第3レンズL3、遮光板21、第2レンズL2、弾性部材40、Oリング30、第1レンズL1が図中上側(物体側)から鏡筒10に対して順次装着される。図示されるように、弾性部材40、Oリング30は、環状とされる。
鏡筒10の材料としては、対候性に優れた結晶性プラスチック(ポリエチレン、ポリアミド、ポリテトラフルオロエチレン)が好ましく用いられる。一方、第2レンズL2、第3レンズL3、第4レンズL4、第6レンズL6、第7レンズL7は、レンズとしての性能(光透過性や成形性)に優れる非晶性プラスチック(ポリカーボネート等)で構成される。また、レンズホルダ51は第4レンズL4等と同じ非晶性プラスチックで構成されるため、第5レンズ体L50は、全体としては第4レンズL4等と同様のプラスチックレンズとして取り扱うことができる。前記の通り、第1レンズL1、第5レンズL5はガラス製とされる。
このレンズユニット1において、絞り20と像側で隣接する第5レンズL5と、第5レンズL5と像側で隣接する接合レンズ(像側レンズ)L60との間の間隔は、結像特性に及ぼす影響が大きいため、この間隔を精密に定めることが要求される。また、第5レンズL5において、接合レンズL60側のレンズ面であるL5R2には、赤外カットコーティング層52が形成されている。このような場合に、この間隔が最適化されない場合には、フレアやゴーストが発生する場合がある。
一方で、例えばプラスチックレンズである第4レンズL4等の光軸A方向に沿った厚さの誤差が数μm以下の範囲となるのに対し、研磨加工によって製造されるガラスレンズである第5レンズL5の厚さの誤差は、これよりも粗く数十μm程度の範囲となり、大きい。このレンズユニット1は、第5レンズL5と接合レンズL60の間隔に対する、このような第5レンズL5の厚さのばらつきの影響が補償可能な構成とされる。以下に、この点について説明する。
図4は、第5レンズ体L50を構成するレンズホルダ51を像側からみた斜視図である。図5は、第5レンズL5が配置された状態のレンズホルダ51(第5レンズ体L50)を物体側から見た平面図であり、図6は、レンズホルダ51を像側から見た平面図(a:レンズホルダ51単体、b:第5レンズL5が配置された状態)である。なお、以上においては主に図1の組み立て後の構造に基づいた説明がされたのに対し、以下では主に図1の状態とする前(組み立て前)の各構成要素について説明される。この際、光軸A、物体側、像側等とは、各構成要素が図1の配置とされた場合におけるものを意味する。
図4に示されるように、前記の突出部L50Bは、周方向において21個等間隔で形成され、各々が3個の突出部L50Bで構成されたL50B1からなる群(突出部群)~L50B7からなる群に、その像側への突出量に応じて分類される。この突出量は、L50B1からL50B7に向かうに従って大きくなるように設定されている。このため、このレンズユニット1を製造するに際しては、前記のようにレンズホルダ51に接合された後における第5レンズL5の実測された厚さに応じて、第5レンズL5と接合レンズL60との間の間隔が適正値となるように、実際に接合レンズ上面L6Aと当接する突出部L50Bを、上記のL50B1~L50B7のうちから選択することができる。この際、選択された突出部群よりも突出量の大きな突出部群の突出部L50Bは、機械的あるいは加熱溶融加工によって、選択された突出部群よりも突出量が低くなるようにすることができる。
突出部L50Bに対して加工が行われる点については、特許文献1に記載の技術と同様である。しかしながら、特許文献1に記載の技術においては、この加工後の突出量の精度がそのままレンズ間隔の精度を反映するため、高い加工精度が要求される。これに対し、このレンズユニット1の場合に行われる加工は、選択された突出部群よりも突出量が低くなるようにするためのみに行われるため、高い加工精度は要求されない。一方、レンズ間隔はこの加工にはよらず選択された突出部群の突出部L50Bの突出量のみで定まり、これはレンズホルダ51の製造(成型)の精度で定まり、この精度は前記の加工精度よりも高い。
また、図示されるように突出部L50B1~L50B7を各々3個ずつ設ければ、第5レンズ体50(レンズホルダ51)を接合レンズL60上の3点で支持することができるため、第5レンズL5と接合レンズL60の間隔を、上記のような第5レンズL5の厚さのばらつきを補償した上で高精度で定めることができる。第5レンズL5の厚さのばらつきだけに対してだけでなく、接合レンズL60や鏡筒10の製造時におけるばらつきに対しても同様である。このため、高精度の加工を必要とせず、レンズ間隔の微調整が可能となる。
また、第5レンズ体L50は、突出部L50Bにおいて接合レンズL60(接合レンズ上面L6A)によって像側で支持されるため、第5レンズ体L50の装着(圧入)時には、特にこの3つの突出部L50Bの箇所で接合レンズL60に力が加わる。この力が不均一である場合には、接合レンズL60を介して鏡筒10に、鏡筒10に変形(歪み)を生じさせるような力が働く場合がある。上記の構成によっては、各突出部群に属する3つの突出部L50Bは、図4に示されるように、光軸Aの周りで対称に、周方向において等間隔(位相120°)で配置されるため、このように鏡筒10を変形させるような力が働くことが抑制される。
次に、レンズホルダ51と第5レンズL5の関係について説明する。図4に示されるように、このレンズホルダ51においては、第5レンズL5を像側から収容するための孔部であるレンズ組み込み孔51Cが形成され、第5レンズL5は、レンズ組み込み孔51Cにおける物体側の底面となるレンズ固定面51Dによって物体側で係止される。すなわち、第5レンズL5は、光軸A方向において、物体側でレンズ固定面51Dにより係止されてレンズホルダ51に対して固定される。図6(a)に示されるように、レンズ固定面51Dは、第5レンズL5の外周部に沿って形成されるが、周方向で3つに分断されて形成される。
また、レンズ組み込み孔51C内において、第5レンズL5の外周部は、図4に示されるように局所的に光軸A側に突出したリブ51Eと当接する。リブ51Eは、周方向において等間隔でレンズ固定面51Dが設けられない箇所に3つ形成される。すなわち、第5レンズL5は、光軸Aと垂直な方向においては、周囲が3つのリブ51Eにより係止されてレンズホルダ51に対して固定される。
また、図4において、前記の第1レンズ係止部13と同様に光軸A側に屈曲した小さな爪状の突起部51Fが周方向に3つ設けられている。後述するように、突起部51Fの形状は製造の過程で変化し、ここでは第5レンズ体L50が形成された後の状態が示されている。
また、図6に示されるように、レンズホルダ51の像側において、レンズ組み込み孔51Cの外側には、光軸Aと垂直な底面であるレンズホルダ底面51Gに対して掘り下げられた部分(溝)である第1接着剤用溝51Hが、周方向においてリブ51E、突起部51Fが形成されない部分に形成される。第1接着剤用溝51Hは、レンズ組み込み孔51Cと連結するように、周方向において等間隔で6つ形成されている。また、図5に示されるように、レンズホルダ51の物体側において、レンズ組み込み孔51Cの外側には、光軸Aと垂直な底面である絞り載置面51Bに対して掘り下げられた部分(溝)である第2接着剤用溝(切り欠き部)51Jが形成される。絞り載置面51Bについては後述する。第2接着剤用溝51Jは、レンズ組み込み孔51Cと連結するように、周方向においてリブ51Eが形成された部分において、周方向において等間隔で3つ形成されている。
図7は、第5レンズ体L50における図5のB-B方向の光軸Aに沿った断面図である。図7において、光軸Aに対して左側は、レンズ固定面51Dがあり、かつリブ51E及び第2接着剤用溝51Jがない部分の断面が示されている。光軸Aに対して右側は、レンズ固定面51Dがなく、かつリブ51E及び第2接着剤用溝51Jがある部分の断面が示されている。第5レンズL5とレンズホルダ51の間は接着剤を用いて固定され、ここでは、図5とは異なり、固定後の接着剤層200も示されている。
一方、図8は、絞り20及び第5レンズ体L50の物体側からみた斜視図である。図8に示されるように、レンズホルダ51の物体側には、周方向において等間隔で、光軸Aと垂直な断面形状が円形である凸部51Aが3つ形成されている。また、凸部51Aの周囲は、光軸Aと垂直な平面(絞り載置面51B)とされる。一方、薄い平板状の絞り20には、これを光軸A方向で貫通する位置決め孔20Aが、中央の開口20Bの外側で凸部51Aに対応するように3つ形成されている。このため、凸部51Aに位置決め孔20Aを係合させ、絞り20を絞り載置面51Bに載置した状態で固定することができる。この際、例えば絞り20の載置後に位置決め孔20Aから物体側に突出した凸部51Aを溶融し周囲と融着することによって、レンズホルダ51(第5レンズ体L50)に絞り20を固定することができる。
図1において、絞り20は光軸Aに対して垂直に設けられ、この角度が変動した場合には、撮像装置においてゴーストが発生することがある。これに対して、こうした構成によって、絞り20を第5レンズ体L50に対して適正な態様で固定し、絞り20の光軸Aに対する角度が変動することが抑制される。
この際、図8に示されるように、位置決め孔20Aは、光軸Aの径方向よりも、光軸Aの周りの周方向で長く形成されている。これによって、絞り20が装着された状態で、絞り20を光軸Aの周りで僅かな量だけ回動させることができるため、絞り20の第5レンズ体L50への装着が特に容易となる。一方、絞り20の開口20Bが光軸Aを中心とした円形とされれば、開口20Bの状況は上記の回動に際しても変化しないため、絞り20がこのように回動しても、結像特性に悪影響はない。このため、この構成によって、再現性よく高精度の位置関係で絞り20をレンズホルダ51に固定することができる。上記の例では凸部51Aが円形状とされたが、この形状が円形状ではない場合を含め、より一般的には、光軸Aの周りの周方向に沿った位置決め孔20Aの長さが、同方向に沿った凸部51Aの長さよりも長く設定されればよい。これによって、絞りをレンズホルダに装着する作業が容易となり、かつこれによる結像特性に対する悪影響は発生しない。
図5、7に示されるように、光軸A方向からみて、第5レンズL5を支持するレンズ固定面51Dと絞り20を固定する絞り載置面51Bは、重複するように形成されている。このように、レンズ固定面51Dにおいて第5レンズL5と当接する領域と、絞り載置面51Bにおいて絞り20と当接する領域とが、光軸A方向からみて重複する構成とすることによって、レンズホルダ51、第5レンズL5、絞り20の光軸A方向における位置関係を特に精密に定めることができる。
以下に、このように第5レンズ体L50を形成し、その後にこの第5レンズ体L50を鏡筒10に装着する際の方法(レンズユニットの製造方法)について説明する。
図9は、第5レンズ体L50を製造する際の製造工程を示す、図7に対応した工程断面図である。実際の製造の際には第5レンズ体L50は図1、図7の状態とは上下が反転した状態とされるため、ここでは図7の構造が180°回転した状態が示されている。まず、図9(a)においては、第5レンズL5をレンズホルダ51に圧入させる前の状況が示されている。ここで、前記の突起部51Fは、図4、7に示されたように光軸A側に向かって屈曲した形状ではなく、像側に向けて突出した形状とされている。このため、第5レンズL5をレンズ組み込み孔51C内に像側(図中上側)から収容する際に突起部51Fが障害となることはない。また、第5レンズL5のレンズ面L5R2には、前記のようにIRカットコーティング層(赤外カットフィルター)52が形成されている。
次に、図9(b)に示されるように、第5レンズL5が像側からレンズ組み込み孔51C内に圧入される(レンズ配置工程)。この際、前記の通り、第5レンズL5は、光軸A方向における位置がレンズ固定面51Dにより、光軸Aと垂直な方向における位置がリブ51Eにより定まる。
この際、リブ51Eは、第5レンズL5の外周面と3つのリブ51Eが当接するように形成されている。レンズホルダ51は樹脂材料製であるため、この際に、特に物体側に向けて小さな切り屑が放出されるおそれがある。前記のように、リブ51Eと重複するように第2接着剤用溝(切り欠き部)51Jを設けた場合、リブ51Eが存在する箇所では、第5レンズL5を物体側で係止するレンズ固定面51Dの代わりに第2接着剤用溝(切り欠き部)51Jが設けられることになる。このため、この切り屑がレンズ固定面51Dと第5レンズL5の間に介在してしまうことが抑制され、この切り屑はレンズホルダ51から落下する、あるいは第2接着剤用溝51J内に収容される。このため、これによりこの切り屑が第5レンズL5のレンズホルダ51に対する位置関係や、その後における第4レンズL4とレンズホルダ51の位置関係に及ぼす影響が低減される。
次に、図9(c)に示されるように、突起部51Fを光軸A側(内側)に向けて屈曲させた形態とするような加工(カシメ加工)が行われる(カシメ工程)。ただし、この際に、突起部51Fは第5レンズL5とは非接触とされる。このため、このカシメ加工によって第5レンズL5とレンズホルダ51の位置関係は影響を受けない。
この状態で、第5レンズL5がレンズ組み込み孔51C内で接着剤によって固定される(固定工程)。この場合には、固化前の接着剤を図4~6における第1接着剤用溝51H、第2接着剤用溝51Jに供給することによって、特に図9(c)における左側の第5レンズL5の外周部とレンズ組み込み孔51Cの内面との間の空隙に接着剤が充填される。その後に接着剤が固化することによって、図7に示されるように固化した接着剤層200が形成され、第5レンズL5がレンズホルダ51に対して固定される。この際、突起部51Fを前記のように加工することで、接着剤の固化前に第5レンズL5が移動することを抑制することができる。更に、図7に示されるように、固化前の接着剤は突起部51Fと第5レンズL5の間の空隙にも溜まるため、この部分においても第5レンズL5がレンズホルダ51に対して固定され、第5レンズL5をレンズホルダ51に対してより強固に接合することができる。
上記の作業の際に、固化した余剰の接着剤が第5レンズ体L50における接合レンズL60、第4レンズL4、鏡筒10と当接する箇所にある場合には、これにより第5レンズL5自身や第4レンズL4の位置の精度が劣化する。これに対して、固定工程において、共に局所的に掘り下げられて形成された第1接着剤用溝51H、第2接着剤用溝51Jに固化前の接着剤を供給することによって、固化前の接着剤が他の箇所に存在することが抑制される。また、接合の際に像側に漏れ出した余剰の接着剤は第1接着剤用溝51H内に、物体側に漏れ出した余剰の接着剤は第2接着剤用溝51J内にそれぞれ収容される。以上により、図7に示された断面構造の第5レンズ体L50を得ることができる。
その後、図7の状態で、光軸A方向における第5レンズL5の厚さが測定される。これは、接触あるいは非接触の各種の形状の測定方法によって行われる。その後、前記のように、実測されたこの厚さに応じて突出部群L50B1~L50B7のうち、どの突出部群を用いることにより最適なレンズ間隔が得られるかが認識される(選定工程)。
その後、ここで選定された突出部群よりも突出量が大きな突出部群に属する全ての突出部L50Bに対して、機械的あるいは加熱溶融加工が行われ、これらの突出部L50Bの突出量が、選定された突出部群よりも低くなるように加工される(突出部加工工程)。前記の通り、この際、選定された突出部群の突出部L50Bのみが接合レンズ上面L6Aと当接することができれば十分であり、突出量を精密に制御することは不要であるため、この加工には高い加工精度は要求されない。
また、上記のように形成された第5レンズ体L50の物体側において、図8に示されたように、位置決め孔20Aを凸部51Aに係合させて、絞り20が装着される(絞り配置工程)。その後、位置決め孔20Aから物体側に突出した凸部51Aに対して加熱溶融加工等を施すことによって、絞り20が第5レンズ体L50(レンズホルダ51)に対して固定される。
その後、接合レンズL60が設置された後の鏡筒10に対して、上記のような突出部への加工後の第5レンズ体L50が設置される(レンズ体配置工程)。その後、図3における第4レンズL4よりも物体側の構成要素が順次鏡筒10に対して装着される。このように、上記のレンズユニット1を、第5レンズL5と、接合レンズL60、第4レンズL4、鏡筒10、絞り20との間の位置関係を精密に定めた状態で容易に製造することができる。
この際、前記のように、接合レンズL60、第5レンズ体L50、第4レンズL4、第3レンズL3、第2レンズL2は、鏡筒10(第2収容部10B)内に圧入される。この際、図3における第1レンズL1までを鏡筒10に装着した際の形態を図1に対応させて、図10に示す。ここでは、特に、突出部L50Bと、これよりも物体側に位置する段差部L4B(L50A)、L3B(L4A)、L2B(L3A)、弾性部材40の位置関係が強調して示されている。
前記の通り、第5レンズ体L50は、既に鏡筒10に対して設置された接合レンズL60によって突出部L50Bで係止されるため、第5レンズL50の圧入時において接合レンズL60側に加わる力のバランスによって、鏡筒10側に対して、これを変形させるような力が加わる場合がある。前記のように、選択された突出部L50Bが光軸A周りで対称とされているために、このような状況は抑制される。しかしながら、このように鏡筒10側に対して力が働くのは、図3における第4レンズL4よりも物体側の構成要素を装着する場合においても同様である。あるいは、これにより、装着される側の各プラスチックレンズ(第4レンズL4~第2レンズL2)に歪みが発生する場合もある。
ここで、第4レンズL4よりも物体側の構成要素を装着する場合において、特に力が加わるのは、図10において、像側から段差部L4B(L50A)、L3B(L4A)、L2B(L3A)、弾性部材40である。図10において破線で示された領域(荷重領域X)は、突出部L50Bを光軸A方向に延長した範囲を示す。ここで示されたように、上記の段差部L4B(L50A)、L3B(L4A)、L2B(L3A)、弾性部材40は、いずれもこの荷重領域X内にある、あるいは荷重領域Xと重複する。このため、第4レンズL、第3レンズL3、第2レンズL2を圧入する際、あるいは弾性部材40を介して第1レンズL1を圧入する際に像側に加わる力は、いずれも直下の突出部L50Bに伝わり、第5レンズ体L50が圧入される場合と同様に、この力によって鏡筒10や各レンズに歪みが発生することが抑制される。このため、レンズユニット1を製造する際に鏡筒10等に歪みが発生することが抑制される。このため、結像特性が良好なレンズユニット1を容易に製造することができる。この際、図8に示されるように段差部L50A(L4B)を円周として形成し、かつ図4に示されるように複数の突出部L50Bを円周上に配置した構成とすれば、どの突出部群を選択した場合においても、上記の位置関係が保たれる。段差部L3B(L4A)、L2B(L3A)についても同様である。
なお、上記の例では、第5レンズL5(像側隣接レンズ)がガラスレンズであり、これと像側(一方側)で隣接する接合レンズL60とレンズホルダ51における突出部L50Bとが当接し、これと物体側(他方側)で隣接する第4レンズL4とが段差部L4B(L50B)で係合する構成とされた。しかしながら、ガラスレンズと、その物体側のレンズとの間の間隔の精密な調整が必要である場合には、レンズホルダにおいて突出部、段差部(係合構造)がそれぞれ設けられる側を上記の例と逆転して、同様の製造方法を実施すればよい。すなわち、ガラスレンズを保持するレンズホルダにおけるどちらの側に突出部、段差部(係合構造)を形成するかは、レンズ系の構成に応じて適宜設定される。
また、図1の構成においては、第2レンズL2、第5レンズL5(第5レンズ体L50)、接合レンズL60は、その外周部が鏡筒10と当接する接触レンズであり、第3レンズL3、第4レンズL4は、鏡筒10とは他のレンズを介してのみ接触する非接触レンズとされた。しかしながら、複数のレンズのうち、どれを接触レンズ、非接触レンズとするかは適宜設定され、どの場合においても、上記の構成により、ガラスレンズ(レンズホルダ)と隣接するレンズとの間の位置関係を定めることができる。
(本形態の主な特徴)
本実施形態の特徴を簡単に纏めると次の通りである。
(1)このレンズユニット1は、光軸Aに沿った最も物体(Ob)側に配置された第1レンズL1と、第1レンズL1よりも像(Im)側に配置された複数のレンズ(第2レンズL2~第7レンズL7)と、第1レンズL1及び複数の前記レンズを収容する鏡筒10と、を有し、複数の前記レンズのうちの一つでありガラス製であるガラスレンズ(第5レンズL5)は、レンズホルダ51で光軸Aからみた外側を支持されて鏡筒10に収容されている。レンズホルダ51には、光軸A方向における一方側(像側)において一方側に向かい局所的に突出する複数の突出部L50Bが、突出量に応じて複数の突出部群(L50B1~L50B7)に区分されて形成され、ガラスレンズ(第5レンズL5)と光軸A方向における一方側で隣接するレンズである一方側レンズ(接合レンズL60)は、一つの突出部群に属する複数の突出部L50Bに係止されることによって光軸A方向におけるガラスレンズ(第5レンズL5)との間の位置関係が定められている。
この構成においては、第5レンズL5とレンズホルダ51とが一体化された第5レンズ体L50が鏡筒10内に収容される。第5レンズ体L50(レンズホルダ51)と接合レンズL60とは、レンズホルダ51に形成された複数の突出部L50Bを介して当接し、第5レンズL5と接合レンズL60との間の光軸A方向の間隔は、この突出部L50Bの突出量で定まる。ここで、突出部L50Bの突出量は、突出部群(L50B1~L50B7)毎にレンズホルダ51の形成時に精密に定められるため、突出部群を選定することによって、この間隔を微調整することができる。これによって、第5レンズL5の厚さ等にばらつきがある場合でも、このばらつきを補償し、このレンズユニット1の結像特性を良好とすることができる。
(2)レンズホルダ61における他方側(物体側)において第5レンズL5と隣接するレンズである他方側レンズ(第4レンズL4)とレンズホルダ51とは、互いに形成された係合構造(L4B、L50A)同士を係合させることによって少なくとも光軸A方向、光軸Aと垂直な方向のいずれかにおける互いの位置関係が固定される。ここで、光軸A方向からみて、前記突出部L50Bと係合構造(L4B、L50A)とは、重複する領域を有する。
この構成においては、第5レンズL5の物体側において第5レンズL5と隣接する第4レンズL4と、レンズホルダ51との間の位置関係が係合構造(L4B、L50A)によって定まる。これによって、接合レンズL60、第5レンズL5(第5レンズ体L50)、第4レンズL4の位置関係が定まる。この際、光軸A方向からみて、係合構造(L4B、L50A)と突出部L50Bとを重複させることによって、第5レンズ体L50の後で第4レンズL4を鏡筒10に組み込む際の、鏡筒10やプラスチックレンズ(第4レンズL4)に歪みが生ずることが抑制される。
(3)光軸A方向において隣接する2つのレンズ(第6レンズL6、第7レンズL7)が接合された接合レンズL60が一方側レンズとされている。
この構成においては、一方側レンズが接合レンズL60とされる。こうした構成によって、レンズ系の構成の自由度が高まる。
(4)第5レンズL5における像側のレンズ面L5R2に、結像の対象となる光よりも長波長の光を遮断する薄膜状の赤外カットフィルター52が形成されている。
薄膜状の赤外カットフィルター52を用いることによって、特に、撮像対象として不要でありかつ良好な結像特性が得られない近赤外光が像面(撮像素子100)に達することが抑制され、かつ赤外カットフィルターを個別の部品として設けることが不要となる。この際、赤外カットフィルタ―52が形成された第5レンズL5と、像側レンズL60との間の間隔は、ゴーストやフレアの発生にも影響を及ぼすところ、上記の突出部L50Bを用いた間隔の微調整によって、こうした悪影響も抑制することができる。
(5)このレンズユニット1の製造方法は、レンズホルダ51において光軸A周囲の領域が光軸A方向に掘り下げられた孔部であるレンズ組み込み孔51C内に第5レンズL5を配置するレンズ配置工程と、配置された第5レンズL5とレンズ組み込み孔51Cの内面との間を接着剤で固定する固定工程と、固定後の第5レンズL5の光軸A方向に沿った厚さを測定し、この厚さに応じて一つの突出部群を選定する選定工程と、選定された突出部群に属する突出部L50Bが接合レンズL60を係止できるように、選定された突出部群よりも突出量の大きな他の突出部群に属する突出部L50Bを加工する突出部加工工程と、突出部加工工程後に、第5レンズL5が固定されたレンズホルダ51を、鏡筒10内において配置するレンズ体配置工程と、を具備する。
この製造方法においては、レンズ配置工程、固定工程によって、第5レンズ体L50が製造される。その後、選定工程、突出部加工工程によって、接合レンズL60と当接する突出部(突出部群)が、接合レンズL60と第5レンズL5との間の間隔を適正とするために定められた後で、レンズ体配置工程により、この第5レンズ体L50が鏡筒10内に配置される。突出部加工工程においては、選定された突出部群よりも突出量の大きな突出部L50Bに対して加工が行われるが、この加工には高い精度は要求されない。このため、このレンズ間隔の微調整が可能であり、かつこのレンズユニット1の製造は容易である。
(6)光軸Aからみたレンズホルダ51におけるレンズ組み込み孔51Cの周囲に、光軸A方向に沿ってレンズ組み込み孔51Cが掘り下げられた側(物体側)と反対側(像側)に突出する突起部51Fが形成される。レンズ配置工程の後、かつ固定工程の前に、この突起部51Fを第5レンズL5と非接触の状態として光軸A側に屈曲させるカシメ工程が設けられる。
このように突起部51Fをレンズホルダ51に設けることによって、レンズ組み込み孔51C内に第5レンズL5を収容する作業が容易であり、固定工程後には、突起部51Fがある箇所でも第5レンズL5がレンズホルダ51に対して固定される。また、カシメ工程の後では、接着剤の固化前に第5レンズL5がレンズホルダ51から移動することが抑制される。
(7)固定工程の後、かつレンズ体配置工程の前に、レンズホルダ51における他方側(物体側)の面(絞り載置面51B)に絞り20を装着する絞り配置工程が設けられる。
この製造方法により、第5レンズL5だけでなく、絞り20もレンズホルダ51に対して固定される。これによって、第5レンズL5、接合レンズL60、第4レンズL4、及びこれらと絞り20の位置関係もレンズホルダ51を介して固定される。
なお、上記の例以外でも、上記のようなガラスレンズ、及びその一方側、像側、あるいは更に絞りを含むレンズ系を構成することが可能である。この際、レンズ系における他のレンズの数は任意である。
本発明を、実施形態及びその変形例をもとに説明したが、この実施形態は例示であり、それらの各構成要素の組み合わせ等にいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
1 レンズユニット
10 鏡筒
10A 第1収容部
10B 第2収容部
11 第1載置部
12 第2載置部
13 第1レンズ係止部
20 絞り
20A 位置決め孔
20B 開口
21 遮光板
30 Oリング
40 弾性部材
51 レンズホルダ
51A 凸部
51B 絞り載置面
51C レンズ組み込み孔
51D レンズ固定面
51E リブ
51F 突起部
51G レンズホルダ底面
51H 第1接着剤用溝
51J 第2接着剤用溝(切り欠き部)
52 IRカットコーティング層(赤外カットフィルター)
100 撮像素子
200 接着剤層
A 光軸
Im 像(側)
L1 第1レンズ
L1A 第1レンズ第1下面
L1B 第1レンズ第2下面
L1C 第1レンズ外周面
L2 第2レンズ
L2A 第2レンズ第1上面
L2B、L3A、L3B、L4A、L4B、L50A 段差部(係合構造)
L2C 第2レンズ外周面
L3 第3レンズ
L3C 第3レンズ外周面
L4 第4レンズ(他方側レンズ)
L4C 第4レンズ外周面
L5 第5レンズ(ガラスレンズ)
L6 第6レンズ
L6A 接合レンズ上面
L6B 接合レンズ下面
L6C 第6レンズ外周面
L7 第7レンズ
L50 第5レンズ体
L50B、L50B1~L50B7 突出部
L50C 第5レンズ体外周面
L60 接合レンズ(像側レンズ:一方側レンズ)
Ob 物体(側)
R1 第1表面
R2 第2表面
X 荷重領域

Claims (7)

  1. 光軸に沿った最も物体側に配置された第1レンズと、
    当該第1レンズよりも像側に配置された複数のレンズと、
    前記第1レンズ及び複数の前記レンズを収容する鏡筒と、
    を有し、
    複数の前記レンズのうちの一つでありガラス製であるガラスレンズは、レンズホルダで前記光軸からみた外側を支持されて前記鏡筒に収容され、
    前記レンズホルダには、光軸方向における一方側において当該一方側に向かい局所的に突出する複数の突出部が、突出量に応じて複数の突出部群に区分されて形成され、
    前記ガラスレンズと光軸方向における前記一方側で隣接する前記レンズである一方側レンズは、一つの前記突出部群に属する複数の前記突出部に係止されることによって光軸方向における前記ガラスレンズとの間の位置関係が定められ
    前記一つの前記突出部群以外の他の前記突出部群に属する複数の前記突出部は、前記一つの前記突出部群に属する前記突出部よりも前記突出量が小さくなるように加工されたことを特徴とするレンズユニット。
  2. 前記レンズホルダにおける他方側において前記ガラスレンズと隣接する前記レンズである他方側レンズと前記レンズホルダとは、互いに形成された係合構造同士を係合させることによって少なくとも光軸方向、光軸と垂直な方向のいずれかにおける互いの位置関係が固定され、
    光軸方向からみて、前記突出部と前記係合構造とは、重複する領域を有することを特徴とする請求項1に記載のレンズユニット。
  3. 光軸方向において隣接する2つの前記レンズが接合された接合レンズが前記一方側レンズとされたことを特徴とする請求項1又は2に記載のレンズユニット。
  4. 前記ガラスレンズにおける像側の面に、結像の対象となる光よりも長波長の光を遮断する薄膜状の赤外カットフィルターが形成されたことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のレンズユニット。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のレンズユニットの製造方法であって、
    前記レンズホルダにおいて光軸周囲の領域が光軸方向に掘り下げられた孔部であるレンズ組み込み孔内に前記ガラスレンズを配置するレンズ配置工程と、
    配置された前記ガラスレンズと前記レンズ組み込み孔の内面との間を接着剤で固定する固定工程と、
    固定後の前記ガラスレンズの光軸方向に沿った厚さを測定し、当該厚さに応じて一つの前記突出部群を選定する選定工程と、
    選定された前記突出部群に属する前記突出部が前記一方側レンズを係止できるように、選定された前記突出部群よりも前記突出量の大きな他の前記突出部群に属する前記突出部を加工する突出部加工工程と、
    前記突出部加工工程後に、前記ガラスレンズが固定された前記レンズホルダを、前記鏡筒内において配置するレンズ体配置工程と、
    を具備することを特徴とするレンズユニットの製造方法。
  6. 光軸からみた前記レンズホルダにおける前記レンズ組み込み孔の周囲に、光軸方向に沿って前記レンズ組み込み孔が掘り下げられた側と反対側に突出する突起部が形成され、
    前記レンズ配置工程の後、かつ前記固定工程の前に、前記突起部を前記ガラスレンズと非接触の状態として光軸側に屈曲させるカシメ工程を具備することを特徴とする請求項5に記載のレンズユニットの製造方法。
  7. 前記固定工程の後、かつ前記レンズ体配置工程の前に、
    前記レンズホルダにおける他方側の面に絞りを装着する絞り配置工程を具備することを特徴とする請求項5又は6に記載のレンズユニットの製造方法。
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