JP7242057B2 - 薬物性腎損傷を予防及び治療するための方法 - Google Patents

薬物性腎損傷を予防及び治療するための方法 Download PDF

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Description

本発明は、腎臓病変の予防及び治療におけるプラスミノーゲンの作用に関するものであり、さらには異なる原因に起因する腎臓病変及びその関連疾患の治療に対して全く新しい治療ストラテジーを提供する。
腎臓病変とは、様々な原因によって引き起こされる腎臓の構造変化及び機能不全のことである。腎臓病変は、腎臓組織の構造に損傷を与え、ついでにその機能に影響を与えてしまう。腎臓病変は、例えば、感染、炎症、アレルギーなどによる糸球体腎炎、慢性腎盂腎炎、ネフローゼ症候群、腎機能不全、糸球体硬化症、メサンギウム過形成、尿細管間質性病変、尿細管萎縮症などの原発性病変であり得る一方、その他の疾患に続発し得るものであり、例えば、虚血、グルコース代謝、脂肪代謝障害などの代謝障害、腫瘍、及びその他の疾患によって腎臓病変が引き起こされ得る。
例えば、高血圧、糖尿病、アテローム性動脈硬化症などの疾患にはしばしば腎臓病変が伴う。高血圧はよく見られる慢性疾患の一つであり、その主な症状は全身性動脈圧の上昇であり、高血圧症患者の血圧がうまくコントロールされていないと、脳卒中、冠状動脈性心臓病、網膜症、及び慢性腎臓病などの合併症が発生しやすい。そして、長期的な高血圧は、ますます多くの組織や臓器に影響を及ぼす。そのため、高血圧によりもたらされる害を減らすように、高血圧及び高血圧の合併症を強化して予防する必要がある[1]
糖尿病性腎症(diabetic nephropathy,DN)は糖尿病のよく見られる主な合併症であり、糖尿病による死亡や障害の主な原因である。診断と治療が時宜を得ていない場合、DNが腎臓病の末期まで進行すると、透析、ひいては腎臓移植しか使用できない。早期のDNの主な病理学的特徴は、糸球体肥大、糸球体及び尿細管基底膜の肥厚、ならびにメサンギウム領域における細胞外マトリックスの進行性蓄積であり、後期は、糸球体、尿細管間質性線維症である。早期の臨床症状は、糸球体濾過率の低下であり、その後、微量アルブミン尿、動脈血圧上昇、タンパク尿、体液貯留が出てきて、最終的に腎不全になる[2]
糖尿病性腎症は、糖尿病の微小血管合併症であり、高血糖や酸化ストレスなどの要因に関係し、高血糖は、微量アルブミン尿の発生において重要な要素である[3]。尿中微量アルブミンは、糖尿病性腎症の進行を予測することができる。糖尿病性アテローム性動脈硬化症は糖尿病性大血管合併症に属し、高血糖、血管内皮機能不全、インスリン抵抗等の要因と密接に関連している。近年来、タンパク尿症はアテローム性動脈硬化症と密接に関連していることは研究により分かった[4]
先進国では、糖尿病性腎症及び高血圧性腎動脈硬化症は慢性腎臓病の主な原因となっている。中国では、これら二つの疾患は依然として様々な病因の中で原発性糸球体腎炎に次ぐが、近年来顕著に上昇する傾向がある。
全身性硬化症、全身性エリテマトーデス、全身性血管炎、アレルギー性紫斑病、多発性筋炎、血栓性微小血管症等の全身性アレルギー疾患は、よく腎臓に影響を与える。
ほとんどの薬物とその代謝物は腎臓から***されるので、薬物によって引き起こされる腎損傷の発生率は高い。研究によれば、薬物による急性尿細管壊死(acute tubular necrоsis,ATN)または急性間質性腎炎(acute interstitial nephritis,AIN )の発生率は18.3%と高く、その中で、抗生物質による腎損傷の発生率は36%に達している[5]
アミノグリコシド系アミノグリコシド系抗生物質などの抗感染症薬は、グラム陰性菌感染症の治療に広く使用されているが、腎毒性はその臨床的応用を制限している[6]
抗ウイルス剤アシクロビル(aciclоvir,ACV)は、ヘルペスウイルスに対するデオキシグアノミンの環状類似体である。アシクロビルを大量に非経口投与すると、10%~48%の患者に急性腎不全(acute renal failure,ARF)を引き起こす可能性がある。これは、アシクロビルが尿細管に沈着し、毒性免疫反応または過敏反応等(hypersensitivity)を起こすことにより腎閉塞を引き起こすからであるかもしれない[7]。アデフォビル(adedоvir,ADV)及びシドフォビル(cidоfоvir,CDV)はヌクレオシド類似体として、臨床的には一般的にB型肝炎及びAIDSを治療するために使用されている。その腎毒性は、しばしば尿細管壊死及び間質性線維症として現れる[8]
シクロスポリンA(cyclоspоrine A,CsA)のような免疫抑制剤は、免疫抑制剤として臓器移植及び自己免疫疾患の治療に広く用いられている。CsA治療を受けた患者の約30%が中等度から重度の腎機能障害を有すると報告されている。腎障害のメカニズムは、腎血管収縮と内皮細胞の損傷による虚血、及び腎尿細管上皮細胞に対するCsAの直接な毒性作用である[9]
シスプラチン(cisplatin,Cis)などの抗腫瘍薬は細胞増殖阻害剤であり、精巣癌、卵巣癌、前立腺癌、肺癌、骨癌及び頭頚部癌などの固形腫瘍の治療に広く使用されている。Cisは高い抗腫瘍効率を有するが、それとともに、用量依存性の腎毒性等があり[10]、主には高窒素血症、多尿症、及び腎不全として現れ、糸球体と腎尿細管の両方の損傷を特徴としている。
アセチルサリチル酸(acetylsalicylic acid,ASA)などの非ステロイド系抗炎症薬は、世界で最も広く使用されている解熱鎮痛抗炎症薬である。解熱鎮痛のための投与量はめったに有害反応を引き起こさないが、大量の薬物を長期間使用すると、副作用を起こしやすい。それは、酸化的リン酸化デカップリングによりカリウムイオンが尿細管細胞から逃げ出し、カリウム欠乏症を起こし、尿中の尿酸***が高すぎるようになる。損傷が大きい場合、間質性腎炎、腎臓乳頭壊死及び腎機能低下が起こる可能性がある[11]
アリストロク酸(aristоlоchic acid,AA)などの天然物活性成分はアリストロキア由来の腎毒素として、有名なアリストロク酸腎症(aristоlоchic acid nephrоpathy,AAN)の病因である[12]。AAによって引き起こされる腎臓損傷の部位は主に腎尿細管にあり、細胞のアポトーシスまたは死亡を引き起こし、そして腎臓間質性線維芽細胞の増殖を阻害し、尿細管萎縮及びオリゴ細胞性間質性線維症をもたらす。
利尿薬は、尿細管による水や電解質の再吸収を抑制することによって排出尿量を増やす薬物である。各種の利尿薬に潜在的な腎毒性があり、使用後に腎損傷を引き起こす可能性がある。利尿薬によって引き起こされる腎毒性は、該薬物の細胞毒性、免疫応答、アレルギー反応及び代謝障害などの有害反応と関連しており、腎臓損傷の悪化を防ぐために腎毒性薬物との併用をなるべく避けるべきである。また、多くのその他の薬剤も腎損傷を引き起こす可能性がある。例えば、サルファ系薬物はよくサルファ結晶の形成を引き起こし、尿管を閉塞して閉塞性腎症を引き起こす[13]。脂質低下薬スタチンは横紋筋融解症を引き起こす可能性があり、それに次いで尿細管壊死を引き起こしてしまう[14]
腎臓疾患は後期段階へ進行すると、腎機能の部分的または全体的な喪失を引き起こし、すなわち、腎不全という病理学的状態になる。腎不全は急性腎不全と慢性腎不全に分けられ、急性腎不全の病状の進行が速く、通常は腎臓への血液の供給が不足で、何らかの要因によって腎臓の機能が障害され、あるいは毒物によって損傷され、急性腎不全が引き起こされる。慢性腎不全の主な原因は長期の腎臓病変であり、時間と病気の進行につれて腎臓の機能が徐々に低下し、腎不全を引き起こす。
慢性腎不全とは、様々な腎臓病によって引き起こされる緩徐進行性腎障害であり、最終的に***及び腎機能の完全な喪失に至り、臨床症状と生化学的内分泌などの代謝障害とからなる一連の臨床的症候群を引き起こす。原発性疾患の発症から腎不全の発症まで、間隔は数年から十何年という範囲であり得る。
***は、慢性腎不全の最終段階である。慢性腎不全は、様々な原因による腎臓損傷及び進行性の悪化の結果である。よく見られる基礎疾患は、原発性糸球体腎炎、尿細管間質性腎炎、糖尿病性腎症等がある。その臨床症状は主に、腎機能障害、代謝性廃棄物の貯留、水、電解質及び酸塩基のバランス障害であり、これらによって機体内部環境の安定性を維持することができなくなる。腎機能損傷の程度に応じて、慢性腎不全を、腎機能不全補償期、腎機能不全代償不全期、腎機能減衰期、***期との四段階に分けることができる。
慢性腎不全の早期段階では、臨床的には原発性疾患の症状のみが観察され、検査中にクレアチニンクリアランス率が減少することのみは観察できる。***代償期にある患者は常にストレス下にあり、腎機能が突然悪化し、水、電解質、酸塩基代謝障害、タンパク質、糖類、脂肪及びビタミン代謝障害、食欲不振または消化不良が現れ、症状が悪化すると、食欲不振、吐き気、嘔吐、または下痢などの胃腸症状のような***の早期症状が現れ、臨床的には可逆性***といい、ストレス要因が取り除かれると、腎機能は代償期に回復することができる。病状が健康なネフロンが体の最低要件を満たすことができない時に進行した場合、ストレス因子がなくても、***の症状も徐々に現れ、水や電解質の代謝異常、体内での代謝産物の蓄積などの全身症状、及び心血管系、呼吸器系、血液系の中毒症状として現れる。
慢性腎不全の薬物治療は主に、症状の緩和、疾患の進行の遅延、及び合併症の予防という三つの面に集中している。具体的には、例えば、アシドーシス及び水、電解質障害の修正、高血圧の治療、感染の予防、高脂血症の治療、及び心血管系、呼吸器系及び血液系の合併症の治療が挙げられ、また、血液透析や腹膜透析のような***の代替透析治療、あるいは腎臓移植を行うことができる。
「急性腎損傷(acute kidney injury,AKI)」は、長年に使用されてきた急性腎不全(acute renal failure,ARF)の代わりに使用される、近年に提出された新しい用語であり、しかも広く認められている。AKIはよく見られる臨床症候群であり、主に腎機能の急速な低下及び代謝性廃棄物の蓄積を症状とする。AKIの発生率は高く、年に上昇しているトレンドがある。海外報告によれば、過去10年間でAKIの発生率は0.65‰から5‰に上昇し、透析を必要とするAKIの発生率は0.295‰である[15~16]。入院患者におけるAKIの発生率は1.9%であり、集中治療室では高くとも60%に達する[17]。現時点ではAKIを治療する特効薬はなく、重症患者にとって腎代替療法が必要である[18]。AKIの予後も楽観的ではなく、ATNとRENALの研究[19~20]によれば、重症患者のAKI後の病死率はそれぞれ53.0%と44.7%であり、生存者も慢性腎臓病、さらに末期腎臓病までに進行しやすいと報告されている[21]。そのため、AKIはますます臨床医に重視されてきている。
様々な原因による腎臓組織損傷について、より効果的な治療薬を見つけるのが望まれている。本発明は研究により、プラスミノーゲンが損傷した腎臓組織の修復及び腎機能の回復を促進することができるとともに、損傷した腎臓組織細胞のアポトーシスを抑制し、その線維症を低下することができることを見出した。よって、プラスミノーゲンは腎臓病を治療するための新しい薬剤になる見込みがある。
本発明は下記項に係る。
一つの局面において、本発明は、項1.被験者に有効量のプラスミノーゲンを投与することを含む、薬物によって引き起こされる被験者の腎組織損傷及びその関連疾患を予防及び/または治療するための方法に係る。
項2.前記薬物は腎毒性薬物である、項1に記載の方法。
項3.前記薬物は腎臓から***される薬物である、項1または2に記載の方法。
項4.前記薬物は、化学療法薬物、血圧降下薬、脂質低下薬、血糖降下薬、非ステロイド系抗炎症薬、抗生物質薬、抗ウイルス薬を含む、項1~3のいずれか1項に記載の方法。
項5.前記プラスミノーゲンは、損傷した腎組織の修復を促進する、項1~4のいずれか1項に記載の方法。
項6.前記プラスミノーゲンは、損傷した腎組織の線維性を軽減する、項1~5のいずれか1項に記載の方法。
項7.前記プラスミノーゲンは、損傷した腎組織のアポトーシスを軽減する、項1~6のいずれか1項に記載の方法。
項8.前記薬物によって引き起こされる被験者の腎組織損傷は、急性腎組織損傷である、項1~7のいずれか1項に記載の方法。
項9.前記薬物によって引き起こされる被験者の腎組織損傷は、慢性腎組織損傷である、項1~7のいずれか1項に記載の方法。
項10.前記プラスミノーゲンは、腎臓機能の回復を促進する、項1~9のいずれか1項に記載の方法。
もう一つの局面において、本発明は、項11.前記薬物を投与する前、投与と同時、及び/または投与した後に被験者に有効量のプラスミノーゲンを投与することを含む、被験者の腎臓を保護して薬物による損傷を軽減または防止する方法に係る。
もう一つの局面において、本発明は、項12.被験者に有効量のプラスミノーゲンを投与することを含む、被験者の腎臓病変によって引き起こされる腎組織損傷及びその関連疾患を予防及び/または治療するための方法に係る。
項13.前記薬物はシスプラチンである、項13に記載の方法。
項14.前記腎組織損傷は、感染、炎症、アレルギー反応、自己免疫、虚血、微小血管疾患、血栓症、外傷、放射線損傷、糖質代謝障害、電解質異常、脂肪代謝障害、腫瘍性腎臓病変による腎組織損傷を含む、項12または13に記載の方法。
項15.前記腎臓病変は、高血圧、糖尿病、アテローム性動脈硬化症、全身性硬化症、全身性エリテマトーデス、高脂血症、非ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫、全身性血管炎、アレルギー性紫斑病、多発性筋炎、血栓性微小血管症からなる群より選ばれる全身性疾患によって引き起こされる腎臓病変である、項12~14のいずれか1項に記載の方法。
項16.前記腎臓病変は慢性腎臓病である、項12~15のいずれか1項に記載の方法。
項17.前記慢性腎臓病は、慢性糸球体腎炎、慢性腎盂腎炎、ネフローゼ症候群、腎機能不全または***である、項12~16のいずれか1項に記載の方法。
項18.前記慢性腎臓病は、糸球体硬化症、メサンギウム過形成、尿細管間質性病変、腎間質性線維症、尿細管萎縮症である、項17に記載の方法。
項19.前記慢性腎臓病は、薬物によって引き起こされる慢性腎損傷である、項12~18のいずれか1項に記載の方法。
項20.前記慢性腎臓病は、化学療法薬物、血圧降下薬、脂質低下薬、血糖降下薬、非ステロイド系抗炎症薬、抗生物質薬、抗ウイルス薬によって引き起こされる慢性腎損傷である、項19に記載の方法。
項21.前記化学療法薬物はシスプラチンである、項20に記載の方法。
項22.前記腎臓病変は、急性腎臓病である、項12~15のいずれか1項に記載の方法。
項23.前記急性腎臓病は、急性糸球体腎炎、急性腎盂腎炎、急性腎損傷、急性腎障害、急性腎機能不全、急性尿細管壊死症である、項12~15のいずれか1項に記載の方法。
項24.前記急性腎損傷は、化学療法薬物によって引き起こされる急性腎損傷である、項22または23に記載の方法。
もう一つの局面において、本発明は、項25.被験者に予防及び/または治療に有効量のプラスミノーゲンを投与することを含む、慢性腎損傷を予防及び/または治療するための方法に係る。
項26.前記慢性腎損傷は、慢性腎臓病によって引き起こされる腎組織損傷である、項25に記載の方法。
項27.前記慢性腎臓病は、慢性糸球体腎炎、慢性腎盂腎炎、ネフローゼ症候群、腎機能不全または***である、項26に記載の方法。
項28.前記慢性腎臓病は、糸球体硬化症、メサンギウム過形成、尿細管間質性病変、腎間質性線維症、腎不全、尿細管萎縮症である、項26に記載の方法。
項29.前記慢性腎損傷は、全身性疾患に関連した腎組織損傷である、項25~28のいずれか1項に記載の方法。
項30.前記全身性疾患は、高血圧、糖尿病、アテローム性動脈硬化症、全身性硬化症、全身性エリテマトーデス、高脂血症、非ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫、全身性血管炎、アレルギー性紫斑病、多発性筋炎、血栓性微小血管症からなる群より選ばれる、項29に記載の方法。
項31.前記全身性疾患は、全身性硬化症である、項30に記載の方法。
項32.前記プラスミノーゲンは、損傷した腎組織の修復を促進することができる、項1~31のいずれか1項に記載の方法。
項33.前記プラスミノーゲンは、損傷した腎組織の線維性を軽減することができる、項1~31のいずれか1項に記載の方法。
項34.前記プラスミノーゲンは、アポトーシス抑制タンパク質Bcl-2の発現を促進し、腎組織細胞のアポトーシスを抑制することができる、項1~31のいずれか1項に記載の方法。
項35.前記プラスミノーゲンは、腎臓機能の回復を促進することができる、項1~31のいずれか1項に記載の方法。
項36.前記プラスミノーゲンは、腎臓による尿素窒素及び/またはクレアチニンの排除を促進することができる、項35に記載の方法。
もう一つの局面において、本発明は、項37.被験者に予防及び/または治療に必要な有効量のプラスミノーゲンを投与することを含む、急性腎損傷を予防及び/または治療するための方法に係る。
項38.前記急性腎損傷は、急性糸球体腎炎、急性腎盂腎炎、急性腎不全、急性腎機能不全、急性尿細管壊死である、項37に記載の方法。
項39.前記急性腎損傷は、化学療法薬物によって引き起こされる急性腎損傷である、項37または38に記載の方法。
項40.前記化学療法薬物はシスプラチンである、項39に記載の方法。
項41.前記プラスミノーゲンは、損傷した腎組織の線維性を軽減することができる、項37~40のいずれか1項に記載の方法。
項42.前記プラスミノーゲンは、アポトーシス抑制タンパク質Bcl-2の発現を促進し、腎組織細胞のアポトーシスを抑制することができる、項37~40のいずれか1項に記載の方法。
項43.前記プラスミノーゲンは、腎臓機能の回復を促進することができる、項37~40のいずれか1項に記載の方法。
項44.前記プラスミノーゲンは、腎臓による尿素窒素及び/またはクレアチニンの排除を促進することができる、項43に記載の方法。
もう一つの局面において、本発明は、項45.被験者に予防及び/または治療に必要な有効量のプラスミノーゲンを投与することを含む、腎組織損傷に関連する疾患を予防及び/または治療するための方法に係る。
項46.前記腎組織損傷に関連する疾患は、血尿、タンパク尿、円柱尿(cylinderuria)、糸球体濾過量の減少、乏尿、無尿、代謝物貯留、水分、電解質及び酸塩基バランス障害、腎線維症、腎不全、***からなる群より選ばれる、項45に記載の方法。
項47.前記プラスミノーゲンは配列2、6、8、10または12と少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性を有し、且つ依然プラスミノーゲン活性を有するものである、項1~46のいずれか1項に記載の方法。
項48.前記プラスミノーゲンは配列2、6、8、10または12において、1-100、1-90、1-80、1-70、1-60、1-50、1-45、1-40、1-35、1-30、1-25、1-20、1-15、1-10、1-5、1-4、1-3、1-2、1個のアミノ酸を添加、削除及び/または置換したものであり、且つ依然プラスミノーゲン活性を有するタンパク質である、項1~47のいずれか1項に記載の方法。
項49.前記プラスミノーゲンはプラスミノーゲン活性フラグメントを含有し、且つ依然プラスミノーゲン活性を有するタンパク質である、項1~48のいずれか1項に記載の方法。
項50.前記プラスミノーゲンは、Glu-プラスミノーゲン、Lys-プラスミノーゲン、ミニプラスミノーゲン、マイクロプラスミノーゲン、δ-プラスミノーゲンまたはそれらのプラスミノーゲン活性を保持した変異体である、項1~49のいずれか1項に記載の方法。
項51.前記プラスミノーゲンは、血圧降下薬、脂質低下薬、抗生物質薬、抗凝固薬、血栓溶解薬、利尿薬、抗腫瘍薬、血糖降下薬、非ステロイド系抗炎症薬、免疫調節薬、抗感染薬、抗ウイルス薬、ホルモン、天然物活性成分からなる群より選ばれる1種以上の薬物と組み合わせて投与することができる、項1~50のいずれか1項に記載の方法。
項52.前記プラスミノーゲンは、天然または合成のヒトプラスミノーゲン、または依然プラスミノーゲン活性を保持した変異体若しくはフラグメントである、項1~51のいずれか1項に記載の方法。
項53.前記プラスミノーゲンは、霊長類動物またはげっ歯類動物に由来するヒトプラスミノーゲンのオルソログ、または依然プラスミノーゲン活性を保持した変異体若しくはフラグメントである、項1~51のいずれか1項に記載の方法。
項54.前記プラスミノーゲンのアミノ酸配列は配列2、6、8、10または12に示される通りである、項1~53のいずれか1項に記載の方法。
項55.前記プラスミノーゲンは、ヒト天然プラスミノーゲンである、項1~54のいずれか1項に記載の方法。
項56.前記被験者はヒトである、項1~55のいずれか1項に記載の方法。
項57.前記被験者はプラスミノーゲンが不足、または欠乏している、項1~26のいずれか1項に記載の方法。
項58.前記不足または欠乏は、先天的、継発的及び/または局所的である、項57に記載の方法。
もう一つの局面において、本発明は、項59.項1~58のいずれか1項に記載の方法に使用されるプラスミノーゲンに係る。
もう一つの局面において、本発明は、項60.薬学的に許容される担体及び項1~58のいずれか1項に記載の方法に使用されるプラスミノーゲンを含む薬物組成物に係る。
もう一つの局面において、本発明は、項61.(i)請求項1~58のいずれか1項に記載の方法に使用されるプラスミノーゲンと、(ii)前記プラスミノーゲンを前記被験者に送達するための手段(means)とを含む、予防性または治療性キットに係る。
項62.前記手段はシリンジまたはバイアルである、項61に記載のキット。
項63.項1~58のいずれか1項に記載の方法を実施するように前記プラスミノーゲンを前記被験者に投与することを指示するラベルまたはプロトコルをさらに含む、項61または62に記載のキット。
もう一つの局面において、本発明は、ラベルを含む容器と、
(i)項1~58のいずれか1項に記載の方法に使用されるプラスミノーゲン、またはプラスミノーゲンを含む薬物組成物とを含む製品であって、前記ラベルは、項1~58のいずれか1項に記載の方法を実施するように前記プラスミノーゲンまたは組成物を前記被験者に投与することを指示する、製品に係る。
項65.その他の薬物を含む、もう一つ以上の部材または容器をさらに含む、項61~63のいずれか1項に記載のキット、または項64に記載の製品。
項66.前記その他の薬物は、脂質低下薬、抗血小板薬、血圧降下薬、抗張血管薬、血糖降下薬、抗凝固薬、血栓溶解薬、肝臓保護薬、抗不整脈薬、強心薬、利尿薬、抗感染薬、抗ウイルス薬、免疫調節薬、炎症調節薬、抗腫瘍薬、ホルモン薬、チロキシンからなる群より選ばれる、項65に記載のキットまたは製品。
本発明はさらに、項1~58のいずれか1項に記載の方法を実施するためのプラスミノーゲンの用途に係る。
本発明はさらに、プラスミノーゲンの項1~58のいずれか1項に記載の方法に用いられる薬物、薬物組成物、製品、キットの製造における用途に係る。
本発明はさらに下記項に係る。
ひとつの局面において、本発明は、項1.腎組織損傷リスク、腎組織損傷の疑いがある、または腎組織損傷の危険性がある被験者に有効量のプラスミノーゲンを投与することを含む、被験者の腎組織損傷を予防または治療するための方法に係る。
項2.前記腎組織損傷は、感染、炎症、アレルギー反応、自己免疫、虚血、血栓症、外傷、放射線損傷、糖質代謝障害、脂肪代謝障害、ガンによる腎組織損傷を含む、項1に記載の方法。
項3.前記慢腎組織損傷は、高血圧、糖尿病、アテローム性動脈硬化症、全身性硬化症、全身性エリテマトーデス、高脂血症、非ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫、全身性血管炎、アレルギー性紫斑病、多発性筋炎、血栓性微小血管症からなる群より選ばれる全身性疾患による腎組織損傷である、項1または2に記載の方法。
項4.前記腎組織損傷は、慢性腎臓病によって引き起こされる腎組織損傷である、項1または2に記載の方法。
項5.前記慢性腎臓病は、慢性糸球体腎炎、慢性腎盂腎炎、ネフローゼ症候群、腎機能不全、腎不全または***である、項4に記載の方法。
項6.前記慢性腎臓病は、薬物によって引き起こされる慢性腎損傷である、項1または2に記載の方法。
項7.前記薬物は、化学療法薬物、血圧降下薬、脂質低下薬、血糖降下薬、非ステロイド系抗炎症薬、抗生物質薬、抗ウイルス薬である、項6に記載の方法。
項8.前記薬物は化学療法薬物であり、具体的にはシスプラチンである、項7に記載の方法。
もう一つの局面において、本発明は、項9.腎組織を保護するための有効量のプラスミノーゲンを被験者に投与することを含む、被験者の急性腎組織損傷を予防及び/または治療するための方法に係る。
項10.前記プラスミノーゲンは、急性腎組織損傷によって引き起こされる腎組織細胞のアポトーシスを軽減する、項9に記載の方法。
項11.前記プラスミノーゲンは、損傷した腎組織の修復を促進する、項9または10に記載の方法。
項12.前記プラスミノーゲンは、損傷した腎組織の線維性を軽減する、項9~11のいずれか1項に記載の方法。
項13.前記プラスミノーゲンは、腎機能の回復を促進する、項9~12のいずれか1項に記載の方法。
項14.前記腎損傷は、急性糸球体腎炎、急性腎盂腎炎、急性腎損傷、急性腎障害、急性腎機能不全、急性尿細管壊死症である、項1~13のいずれか1項に記載の方法。
項15.前記急性腎損傷は、化学療法薬物によって引き起こされる急性腎損傷である、項1~13のいずれか1項に記載の方法。
もう一つの局面において、本発明は、項16.被験者に腎組織を保護するための有効量のプラスミノーゲンを投与することを含む、被験者の慢性腎損傷を予防または治療するための方法に係る。
項17.前記プラスミノーゲンは腎組織細胞のアポトーシスを軽減する、項16に記載の方法。
項18.前記プラスミノーゲンは、損傷した腎組織の修復を促進する、項16または17に記載の方法。
項19.前記プラスミノーゲンは、損傷した腎組織の線維性を軽減する、項16~18のいずれか1項に記載の方法。
項20.前記プラスミノーゲンは、腎機能の回復を促進する、項16~19のいずれか1項に記載の方法。
項21.前記慢性腎損傷は、腎組織の慢性疾患によって引き起こされる腎組織損傷である、項16~20のいずれか1項に記載の方法。
項22.前記慢性腎損傷は、他の疾患によって引き起こされる、または他の疾患に伴う腎組織損傷である、項16~20のいずれか1項に記載の方法。
項23.前記他の疾患は、高血圧、糖尿病、アテローム性動脈硬化症、高脂血症、肝炎、肝硬変、冠状動脈性心臓病、狭心症、心筋梗塞を含む、項22に記載の方法。
項24.前記他の疾患は、高血圧、糖尿病、アテローム性動脈硬化症、高脂血症である、項23に記載の方法。
もう一つの局面において、本発明は、項25.被験者に有効量のプラスミノーゲンを投与することを含む、被験者の脂質沈着によって引き起こされる腎組織損傷を予防または治療するための方法に係る。
項26.前記脂質沈着は、被験者の異常な脂肪代謝または異常な糖質代謝による高脂血症によって引き起こされる、項25に記載の方法。
もう一つの局面において、本発明は、項27.被験者に有効量のプラスミノーゲンを投与することを含む、被験者の糖尿病によって引き起こされる、または糖尿病に伴う腎組織損傷を予防または治療するための方法に係る。
もう一つの局面において、本発明は、項28.被験者に有効量のプラスミノーゲンを投与することを含む、被験者の高脂血症によって引き起こされる、または高脂血症に伴う腎組織損傷を予防または治療するための方法に係る。
もう一つの局面において、本発明は、項29.被験者に有効量のプラスミノーゲンを投与することを含む、被験者のアテローム性動脈硬化症によって引き起こされる、またはアテローム性動脈硬化症に伴う腎組織損傷を予防または治療するための方法に係る。
もう一つの局面において、本発明は、項30.被験者に有効量のプラスミノーゲンを投与することを含む、被験者の虚血性腎組織損傷を予防または治療するための方法に係る。
項31.前記プラスミノーゲンは腎組織細胞のアポトーシスを軽減する、項30に記載の方法。
項32.前記プラスミノーゲンは、損傷した腎組織の修復を促進する、項30または31に記載の方法。
項33.前記プラスミノーゲンは、損傷した腎組織の線維性を軽減する、項30~32のいずれか1項に記載の方法。
項34.前記プラスミノーゲンは、腎機能の回復を促進する、項30~33のいずれか1項に記載の方法。
項35.前記虚血は、血管内腔の狭窄によって引き起こされる、項30~34のいずれか1項に記載の方法。
項36.前記虚血は、血栓が血管を閉塞することによって引き起こされる、項30~34のいずれか1項に記載の方法。
項37.前記虚血は、高血圧、糖尿病、アテローム性動脈硬化症、心臓病によって引き起こされる、項35または36に記載の方法。
もう一つの局面において、本発明は、項38.被験者に有効量のプラスミノーゲンを投与することを含む、被験者の虚血再灌流腎組織損傷を予防または治療するための方法に係る。
もう一つの局面において、本発明は、項39.被験者に有効量のプラスミノーゲンを投与することを含む、被験者の自己免疫性腎組織損傷を予防または治療するための方法に係る。
項40.前記自己免疫性腎組織損傷は、全身性硬化症によって引き起こされる、項39に記載の方法。
もう一つの局面において、本発明は、項41.被験者に有効量のプラスミノーゲンを投与することを含む、被験者の炎症性腎組織損傷を予防または治療するための方法に係る。
項42.前記炎症は、急性または慢性腎実質炎症または腎間質性炎症である、項41に記載の方法。
項43.前記プラスミノーゲンは腎組織細胞のアポトーシスを軽減する、項42に記載の方法。
項44.前記プラスミノーゲンは、損傷した腎組織の修復を促進する、項42または43に記載の方法。
項45.前記プラスミノーゲンは、損傷した腎組織の線維性を軽減する、項41~44のいずれか1項に記載の方法。
項46.前記プラスミノーゲンは、腎機能の回復を促進する、項41~45のいずれか1項に記載の方法。
項47.前記プラスミノーゲンは配列2、6、8、10または12と少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性を有し、且つ依然プラスミノーゲン活性を有するものである、項1~46のいずれか1項に記載の方法。
項48.前記プラスミノーゲンは配列2、6、8、10または12において、1-100、1-90、1-80、1-70、1-60、1-50、1-45、1-40、1-35、1-30、1-25、1-20、1-15、1-10、1-5、1-4、1-3、1-2、1個のアミノ酸を添加、削除及び/または置換したものであり、且つ依然プラスミノーゲン活性を有するタンパク質である、項1~47のいずれか1項に記載の方法。
項49.前記プラスミノーゲンはプラスミノーゲン活性フラグメントを含有し、且つ依然プラスミノーゲン活性を有するタンパク質である、項1~48のいずれか1項に記載の方法。
項50.前記プラスミノーゲンは、Glu-プラスミノーゲン、Lys-プラスミノーゲン、ミニプラスミノーゲン、マイクロプラスミノーゲン、δ-プラスミノーゲンまたはそれらのプラスミノーゲン活性を保持した変異体である、項1~49のいずれか1項に記載の方法。
項51.前記プラスミノーゲンは、血圧降下薬、脂質低下薬、抗生物質薬、抗凝固薬、血栓溶解薬、利尿薬、抗腫瘍薬、血糖降下薬、非ステロイド系抗炎症薬、免疫調節薬、抗感染薬、抗ウイルス薬、ホルモン、天然物活性成分からなる群より選ばれる1種以上の薬物と組み合わせて投与することができる、項1~50のいずれか1項に記載の方法。
項52.前記プラスミノーゲンは、天然または合成のヒトプラスミノーゲン、または依然プラスミノーゲン活性を保持した変異体若しくはフラグメントである、項1~51のいずれか1項に記載の方法。
項53.前記プラスミノーゲンは、霊長類動物またはげっ歯類動物に由来するヒトプラスミノーゲンのオルソログ、または依然プラスミノーゲン活性を保持した変異体若しくはフラグメントである、項1~51のいずれか1項に記載の方法。
項54.前記プラスミノーゲンのアミノ酸配列は配列2、6、8、10または12に示される、項1~53のいずれか1項に記載の方法。
項55.前記プラスミノーゲンは、ヒト天然プラスミノーゲンである、項1~54のいずれか1項に記載の方法。
項56.前記被験者はヒトである、項1~55のいずれか1項に記載の方法。
項57.前記被験者はプラスミノーゲンが不足、または欠乏している、項1~26のいずれか1項に記載の方法。
項58.前記不足または欠乏は、先天的、継発的及び/または局所的である、項57に記載の方法。
もう一つの局面において、本発明は、項59.項1~58のいずれか1項に記載の方法に使用されるプラスミノーゲンに係る。
もう一つの局面において、本発明は、項60.薬学的に許容される担体及び項1~58のいずれか1項に記載の方法に使用されるプラスミノーゲンを含む薬物組成物に係る。
もう一つの局面において、本発明は、項61.(i)請求項1~58のいずれか1項に記載の方法に使用されるプラスミノーゲンと、(ii)前記プラスミノーゲンを前記被験者に送達するための手段(means)とを含む、予防性または治療性キットに係る。
項62.前記手段はシリンジまたはバイアルである、項61に記載のキット。
項63.項1~58のいずれか1項に記載の方法を実施するように前記プラスミノーゲンを前記被験者に投与することを指示するラベルまたはプロトコルをさらに含む、項61または62に記載のキット。
もう一つの局面において、本発明は、ラベルを含む容器と、
(i)項1~58のいずれか1項に記載の方法に使用されるプラスミノーゲン、またはプラスミノーゲンを含む薬物組成物とを含む製品であって、前記ラベルは、項1~58のいずれか1項に記載の方法を実施するように前記プラスミノーゲンまたは組成物を前記被験者に投与することを指示する、製品に係る。
項65.その他の薬物を含む、もう一つ以上の部材または容器をさらに含む、項61~63のいずれか1項に記載のキット、または項64に記載の製品。
項66.前記その他の薬物は、脂質低下薬、抗血小板薬、血圧降下薬、抗張血管薬、血糖降下薬、抗凝固薬、血栓溶解薬、肝臓保護薬、抗不整脈薬、強心薬、利尿薬、抗感染薬、抗ウイルス薬、免疫調節薬、炎症調節薬、抗腫瘍薬、ホルモン薬、チロキシンからなる群より選ばれる、項65に記載のキットまたは製品。
本発明はさらに、項1~58のいずれか1項に記載の方法を実施するためのプラスミノーゲンの用途に係る。
本発明はさらに、プラスミノーゲンの項1~58のいずれか1項に記載の方法に用いられる薬物、薬物組成物、製品、キットの製造における用途に係る。
前記方法の一部の実施形態において、前記プラスミノーゲンは全身または局所投与により投与され、好ましくは、静脈内、筋肉内、皮下という経路により投与される。前記方法の一部の実施形態において、前記プラスミノーゲンは適切なポリペプチド担体または安定剤と組み合わせて投与する。前記方法の一部の実施形態において、前記プラスミノーゲンは毎日0.0001~2000mg/kg、0.001~800mg/kg、0.01~600mg/kg、0.1~400mg/kg、1~200mg/kg、1~100mg/kg、10~100mg/kg(体重一キロあたりで計算)または0.0001~2000mg/cm2、0.001~800mg/cm2、0.01~600mg/cm2、0.1~400mg/cm2、1~200mg/cm2、1~100mg/cm2、10~100mg/cm2(体表面積平方センチメートルあたりで計算)の用量を投与し、好ましくは少なくとも一回繰り返し、好ましくは少なくとも毎日投与する。
本発明は、本発明に係る実施形態どうしの技術的特徴のすべての組み合わせを明確にカバーし、且つこれらの組み合わせた技術構成は前記実施形態が単独且つ明確に開示されているように、本出願で明確に開示されている。また、本発明はさらに各実施形態及び要素のすべてのサブの組み合わせを明確にカバーし、この組み合わせた技術構成は本明細書中において明確に開示されている。
図1はシスプラチン損傷モデルマウスにプラスミノーゲンを7日投与したあとの腎臓のIgM免疫染色の観察結果を示したものである。Aは溶媒PBS投与対照群であり、Bはプラスミノーゲン投与群であり、Cは定量分析の結果である。その結果、プラスミノーゲン投与群のIgM陽性発現は溶媒PBS投与対照群より明らかに低く、しかもその差が統計学的に有意である(*は、P<0.05を表す)ことは示されている。これは、プラスミノーゲンがシスプラチンによる腎損傷の修復を促進できることを示している。 図2はシスプラチン損傷モデルマウスにプラスミノーゲンを7日投与したあとの腎臓IV型コラーゲン免疫染色の代表的写真である。Aは溶媒PBS投与対照群であり、Bはプラスミノーゲン投与群である。その結果、プラスミノーゲン投与群のIV型コラーゲンの陽性発現は溶媒PBS投与対照群より明らかに低いことは示されている。これは、プラスミノーゲンがシスプラチンによる腎線維症を改善できることを示している。 図3はプリンにより誘発された慢性腎損傷モデルマウスにプラスミノーゲンを10日投与した後の腎臓HE染色の代表的写真である。Aは溶媒PBS投与対照群であり、Bはプラスミノーゲン投与群であり、CとDはPLG-/-群である。その結果、PLG-/-マウスの腎臓病変が最も重度であり、大量の膿キャスト(矢印に示される)、少量のプリン結晶(三角で表記されている)、大面積の腎尿細管萎縮、及び扁平上皮細胞が見えられる。PLG-/-マウスと比べ、溶媒PBS投与対照群のマウスの腎損傷は軽い。糸球体萎縮及び腎尿細管の壊死は依然として深刻であるが、明らかなプリン結晶は見られず、膿キャストも比較的に軽い。プラスミノーゲン投与群のマウスの腎尿細管の萎縮面積は、PBS投与対照群より小さく、腎尿細管の拡張も軽く、膿キャストは発見していない。これは、プラスミノーゲンが慢性腎不全モデルマウスの腎損傷を軽減できることを示している。 図4はプリンにより誘発された慢性腎損傷モデルマウスにプラスミノーゲンを10日投与した後の腎臓シリウスレッド染色の代表的写真である。Aは溶媒PBS投与対照群であり、Bはプラスミノーゲン投与群であり、CはPLG-/-群であり、Dは定量分析結果である。その結果、プラスミノーゲン投与群と溶媒PBS投与対照群のコラーゲン沈着はPLG-/-群より明らかに少なく、しかもその差が統計学的に有意である(*は、P<0.05を表し、**は、P<0.01を表す)ことは示されている。また、プラスミノーゲン投与群のコラーゲン沈着は、溶媒PBS投与対照群より明らかに少ない。これは、プラスミノーゲンが慢性腎不全モデルマウスの腎線維症を修復する過程において肝心な役割を果たすことを示している。 図5はプリンにより誘発された慢性腎損傷モデルマウスにプラスミノーゲンを10日投与した後の腎臓のBcl-2免疫組織化学的染色の代表的写真である。Aはブランク対照群であり、Bは溶媒PBS投与対照群であり、Cはプラスミノーゲン投与群である。その結果、プラスミノーゲン投与群の腎臓の陽性着色は溶媒PBS投与対照群より明らかに深く、しかもブランク対照群のマウスの発現レベルに近いことは示されている。これは、プラスミノーゲンが慢性腎不全モデルマウスの腎細胞アポトーシス抑制分子Bcl-2の発現を促進でき、それによってマウス腎組織細胞のアポトーシスを抑制できることを示している。 図6はプリンに誘発された慢性腎損傷モデルマウスにプラスミノーゲンを10日投与した後の腎臓のIgM免疫組織化学的染色の写真である。Aはブランク対照群であり、Bは溶媒PBS投与対照群であり、Cはプラスミノーゲン投与群である。その結果、プラスミノーゲン投与群マウスの腎臓IgMの陽性着色は溶媒PBS投与対照群より浅く、しかも範囲は対照群より小さく、着色は正常マウスにより近いことは示されている。これは、プラスミノーゲン投与後、腎損傷が明らかに改善されており、プラスミノーゲンが慢性腎損傷マウスの腎損傷に対して顕著な修復効果を持っていることを示している。 図7はプリンにより誘発された慢性腎損傷モデルマウスにプラスミノーゲンを4日投与した後の腎フィブリン免疫組織化学的染色の代表的写真である。Aは溶媒PBS投与対照群であり、Bはプラスミノーゲン投与群であり、CはPLG-/-群である。その結果、溶媒PBS投与対照群の腎フィブリンの陽性着色はプラスミノーゲン投与群マウスより深く、しかもPLG-/-群の着色は溶媒PBS投与対照群より深いことは示されている。これは、プラスミノーゲンが腎損傷を軽減できることを示している。 図8は24~25週齢の糖尿病マウスにプラスミノーゲンを31日投与した後の腎臓のIV型コラーゲン免疫染色の代表的写真である。Aは溶媒PBS投与対照群であり、Bはプラスミノーゲン投与群である。その結果、プラスミノーゲン投与群のIVコラーゲン陽性着色は溶媒PBS投与対照群より明らかに浅いことは示されている。これは、プラスミノーゲンが糖尿病マウスの腎線維症を改善できることを示している。 図9は26週齢の糖尿病マウスにプラスミノーゲンを35日投与した後の腎臓マッソン(massоn)染色の代表的写真である。Aは溶媒PBS投与対照群であり、Bはプラスミノーゲン投与群である。その結果、溶媒PBS投与対照群の腎間質に軽度の線維症があり、過形成した線維症は青色である。プラスミノーゲン投与群の腎間質線維症は明らかに減少している。これは、プラスミノーゲンが糖尿病マウスの腎間質線維症を低下させることができることを示している。 図10はブレオマイシンにより誘発された全身性硬化症モデルマウスにプラスミノーゲンを21日投与した後の腎臓シリウスレッド染色の代表的写真である。Aは溶媒PBS投与対照群であり、Bはプラスミノーゲン投与群である。その結果、ゼブラマイシンにより誘発された全身性硬化症モデルマウスにおいて、溶媒PBS投与対照群の腎臓コラーゲン沈着がプラスミノーゲン投与群より明らかに多いことは示されている。これは、プラスミノーゲンが全身性硬化症マウスの腎線維症を効果的に減少させたことを示している。 図11はプリンにより誘発された慢性腎損傷モデルマウスの血清尿素窒素検出の結果を示すものである。その結果、PLG+/+群の血清における尿素窒素濃度がPLG-/-群より明らかに低く、しかもその差が統計学的に有意である(*は、P<0.05を表す)ことは示されている。これは、プラスミノーゲンが慢性腎不全モデルマウスの腎機能を顕著に改善できることを示している。 図12はプリンにより誘発された慢性腎損傷モデルマウスにプラスミノーゲンを4日投与した後の血清クレアチニン濃度の検出結果を示すものである。その結果、溶媒PBS投与対照群とプラスミノーゲン投与群の血清クレアチニン濃度がPLG-/-群マウスより明らかに低く、しかもその差が統計学的に有意である(*は、P<0.05を表す)ことは示されている。また、プラスミノーゲン投与群の血清クレアチニン濃度は溶媒PBS投与対照群より明らかに低い。これは、プラスミノーゲンが慢性腎損傷モデルマウスの腎機能を顕著に改善できることを示している。 図13は葉酸によって誘発された急性腎損傷マウスの血清尿素窒素の検出結果を示すものである。その結果、プラスミノーゲン投与群の血清中の尿素窒素濃度は溶媒PBS投与対照群より明らかに低く、しかもその差が統計学的に有意に近い(P=0.06)ことは示されている。これは、プラスミノーゲンが急性腎損傷モデルマウスの腎機能を顕著に改善できることを示している。 図14はプラスミノーゲンを30日投与した後の3%コレステロール高脂血症モデルマウスの腎臓オイルレッドO染色の観察結果を示すものである。Aはブランク対照群であり、Bは溶媒PBS投与対照群であり、Cはプラスミノーゲン投与群であり、Dは定量分析結果である。その結果、プラスミノーゲン投与群マウスの腎脂肪沈着(矢印に表記される)は溶媒PBS投与対照群より明らかに少なく、しかもその差が統計学的に有意である。また、プラスミノーゲン投与群の脂質沈着レベルはブランク対照群マウスに似ている。これは、プラスミノーゲンが高脂血症モデルマウスの腎臓における脂肪の沈着を低減でき、それによって脂肪沈着による腎損傷を減少させることができることを示している。 図15はプラスミノーゲンを7日投与した後の葉酸による急性腎損傷モデルマウスの腎臓HE染色の代表的写真である。Aはブランク対照群であり、Bは溶媒PBS投与対照群であり、Cはプラスミノーゲン投与群である。その結果、ブランク対照群の腎臓核は円形または楕円形であり、細胞質は赤色に染色され、糸球体及び腎尿細管は正常な形態を呈する。溶媒PBS投与対照群では腎に大量の腎尿細管上皮細胞が扁平化し(太い矢印に表記される)、刷子縁が剥がれ、一部の核濃縮が観察され、一部の腎尿細管のみにわずかに染色された細胞質が呈され、一部の腎尿細管には膿キャスト(細い矢印に表記される)も見えられ、糸球体及び腎間質性に軽度の炎症細胞浸潤が示されている。溶媒PBS投与対照群と比べ、プラスミノーゲン投与群の腎尿細管拡張及び上皮細胞扁平化は明らかに改善され、腎尿細管細胞質の大部分は赤色に染色され、膿キャストは見られていない。これは、プラスミノーゲンが葉酸によって誘発された急性腎損傷を改善できることを示している。 図16はプラスミノーゲンを7日投与した後の葉酸急性腎損傷モデルマウスの腎臓Bcl-2免疫組織化学的観察結果を示すものである。Aは溶媒PBS投与対照群であり、Bはプラスミノーゲン投与群であり、Cは定量分析の結果である。その結果、プラスミノーゲン投与群の腎臓Bcl-2の陽性着色は溶媒PBS投与対照群より明らかに多く、しかもその差が統計学的に有意である(*は、P<0.05を示す)。これは、プラスミノーゲンが急性腎損傷モデルマウスの腎細胞アポトーシス抑制分子Bcl-2の発現を促進でき、それによって急性腎損傷マウスの腎組織細胞をアポトーシスから保護できることを示している。 図17はプラスミノーゲンを7日投与した後の葉酸による急性腎損傷モデルマウスの腎臓のIgM免疫組織化学的観察結果を示すものである。Aは溶媒PBS投与対照群であり、Bはプラスミノーゲン投与群である。その結果、プラスミノーゲン投与群マウスの腎臓IgMの陽性着色は溶媒PBS投与対照群より浅く、しかも範囲は対照群より小さいことは示されている。これは、プラスミノーゲンの注射後、腎臓のIgMの発現は明らかに低下し、プラスミノーゲンが葉酸による急性腎損傷マウスの腎損傷を効果的に減少させることができることを示している。 図18はプラスミノーゲンを30日投与した後の3%コレステロール高脂血症モデルマウスの腎臓シリウスレッド染色の観察結果を示すものである。Aはブランク対照群であり、Bは溶媒PBS投与対照群であり、Cはプラスミノーゲン投与群であり、Dは定量分析の結果である。その結果、プラスミノーゲン投与群の腎臓コラーゲン沈着(矢印に表記される)は溶媒PBS投与対照群より明らかに少なく、しかもその差が統計学的に有意である。プラスミノーゲン投与群の線維症は基本的に正常レベルに回復している。これは、プラスミノーゲンが3%コレステロール高脂血症モデルマウスの腎線維症を効果的に減少させることができることを示している。 図19はプラスミノーゲンを7日投与した後の虚血再灌流による急性腎損傷モデルマウスの腎臓HE染色の代表的写真である。Aは偽手術群であり、Bは溶媒PBS投与対照群であり、Cはプラスミノーゲン投与群である。その結果、偽手術群の糸球体毛細血管は開存的であり、腎尿細管細胞質は赤色に染色され、正常な腎尿細管形態を呈する。溶媒PBS投与対照群の糸球体には軽度の炎症細胞浸潤(三角で表記されている)が見えられ、腎間質に大量の炎症細胞浸潤が見えられ、一部の腎尿細管に膿キャスト(細い矢印に表記される)があり、少量の腎尿細管核濃縮、大面積の上皮細胞扁平化(太い矢印に表記される)、腎尿細管の拡張が見えられる。溶媒PBS投与対照群と比べ、プラスミノーゲン投与群には、少量の腎尿細管上皮のみが扁平化しており、ほとんどの腎尿細管は正常な腎尿細管の形態に回復しており、細胞質は赤色に染色され、明らかな腎尿細管萎縮は発見されず、腎間質に軽度の炎症細胞浸潤のみがあり、偽手術群の形態に近い。これは、プラスミノーゲンが虚血再灌流による急性腎損傷モデルマウスの腎損傷を改善できることを示している。
発明の詳細な説明
「腎臓病変」とは、様々な原因に起因する腎臓構造と機能障害のことである。
「プラスミン」は血液中に存在する非常に重要な酵素であり、フィブリン凝塊をフィブリン分解生成物及びD-二量体に加水分解する。
「プラスミノーゲン」はプラスミンの酵素前駆体の形であり、swiss prot中の配列に基づいて、シグナルペプチドの天然ヒト由来プラスミノーゲンのアミノ酸配列(配列4)は計算によれば810個のアミノ酸からなり、分子量は約92kDであり、主に肝臓において合成され且つ血液中で循環できる糖タンパク質であり、該アミノ酸配列をコードするcDNA配列は配列3に示される通りである。フルサイズのプラスミノーゲンは七つのドメインを含む:C末端に位置するセリンプロテアーゼドメイン、N末端に位置するPan Apple(PAp)ドメイン及び5つのKringleドメイン(Kringle1-5)を含む。swiss prot中の配列を参照すれば、そのシグナルペプチドは残基Met1-Gly19を含み、Papは残基Glu20-Val98を含み、Kringle1は残基Cys103-Cys181を含み、Kringle2は残基Glu184-Cys262を含み、Kringle3は残基Cys275-Cys352を含み、Kringle4は残基Cys377-Cys454を含み、Kringle5は残基Cys481-Cys560を含む。NCBIデータによれば、セリンプロテアーゼドメインは残基Val581-Arg804を含む。
Glu-プラスミノーゲンは天然のフルサイズのプラスミノーゲンであり、791個のアミノ酸からなる(19個のアミノ酸からなるシグナルペプチドを含まない)。該配列をコードするcDNA配列は配列1に示される通りであり、そのアミノ酸配列は配列2に示される通りである。体内において、さらにGlu-プラスミノーゲンの第76-77位のアミノ酸の位置で加水分解することにより形成されたLys-プラスミノーゲンが存在し、例えば配列6に示されるものであり、該アミノ酸配列をコードするcDNA配列は配列5が示す通りである。δ-プラスミノーゲン(δ-plasminogen)はフルサイズのプラスミノーゲンにKringle2-Kringle5構造の欠損が生じているフラグメントであり、Kringle1及びセリンプロテアーゼドメインしか含有せず[22、23]、δ-プラスミノーゲンのアミノ酸配列(配列8)を報告している文献があり[23]、該アミノ酸配列をコードするcDNA配列は例えば配列7である。ミニプラスミノーゲン(Mini-plasminogen)はKringle5及びセリンプロテアーゼドメインからなり、残基Val443-Asn791(シグナルペプチドGlu-プラスミノーゲン配列を含まないGlu残基を開始アミノ酸とする)について文献が報告しており[24]、そのアミノ酸配列は配列10に示される通りであり、該アミノ酸配列をコードするcDNA配列は配列9が示す通りである。しかしマイクロプラスミノーゲン(Micro-plasminogen)はセリンプロテアーゼドメインのみ含有し、そのアミノ酸配列は残基Ala543-Asn791(シグナルペプチドを含まないGlu-プラスミノーゲン配列のGlu残基は開始アミノ酸である)と文献が報告し[25]、特許文献CN102154253Aはそれが残基Lys531-Asn791を含むと開示し(シグナルペプチドを含まないGlu-プラスミノーゲン配列のGlu残基を開始アミノ酸とする)、本特許の配列は特許文献CN102154253Aを参照でき、そのアミノ酸配列は配列12に示される通りであり、該アミノ酸配列をコードするcDNA配列は配列11に示される通りである。
本発明の「プラスミン」と「フィブリンプラスミン」、「繊維タンパクプラスミン」は互いに置き換えて使用でき、その意味は同じである。「プラスミノーゲン」と「フィブリンプラスミノーゲン」、「繊維タンパクプラスミノーゲン」は互いに置き換えて使用でき、その意味は同じである。
本願において、プラスミノーゲンの「欠乏」とは、被験者体内のプラスミノーゲンの含有量または活性が正常な人より低く、被験者の正常な生理学的機能に影響を及ぼすのに十分に低いことをいう。プラスミノーゲンの「欠乏」の意味は、被験者体内のプラスミノーゲンの含有量または活性が正常な人より明らかに低く、活性または発現が極微量であり、外部供給によってのみ正常な生理学的機能を維持できることである。
当業者は以下のように理解できる。本発明のプラスミノーゲンのすべての技術構成はプラスミンに適用でき、そのため、本発明に記載の技術構成はプラスミノーゲン及びプラスミンをカバーするものである。
循環プロセスにおいて、プラスミノーゲンは閉鎖した非活性コンフォメーションであるが、血栓または細胞表面に結合した際、プラスミノーゲン活性化剤(plasminogen activator,PA)の介在下において、開放性のコンフォメーションを有する活性プラスミンとなる。活性を有するプラスミンはさらにフィブリン凝塊をフィブリン分解生成物及びD-二量体に加水分解させ、これにより血栓を溶解させる。そのうちプラスミノーゲンのPapドメインはプラスミノーゲンを非活性閉鎖コンフォメーションにする重要なエピトープであり、しかしKRドメインは受容体及び基質上のリジン残基と結合できるものである。プラスミノーゲン活性化剤としての酵素は、既に複数種類知られ、組織プラスミノーゲン活性化剤(tPA)、ウロキナーゼプラスミノーゲン活性化剤(uPA)、カリクレイン及び凝結因子XII(ハーゲマン因子)などを含む。
「プラスミノーゲン活性フラグメント」とはプラスミノーゲンタンパク質において、基質中のターゲット配列と結合してタンパク質加水分解機能を発揮できる活性フラグメントである。本発明のプラスミノーゲンに係る技術構成が、プラスミノーゲン活性フラグメントでプラスミノーゲンの代替とする技術構成を含む。本発明に記載のプラスミノーゲン活性フラグメントはプラスミノーゲンのセリンプロテアーゼドメインを含むタンパク質であり、好ましくは、本発明に記載のプラスミノーゲン活性フラグメントは配列14、配列14と少なくとも80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%の同一性のアミノ酸配列を含有するタンパク質を含むものである。そのため、本発明に記載のプラスミノーゲンは該プラスミノーゲン活性フラグメントを含み、且つ依然として該プラスミノーゲン活性を有するタンパク質を含む。
現在、血液中のプラスミノーゲン及びその活性測定方法は以下を含む:組織フィブリンプラスミノーゲン活性化剤の活性に対する測定(t-PAA)、血漿組織プラスミノーゲン活性化剤抗原に対する測定(t-PAAg)、血漿組織プラスミノーゲン活性に対する測定(plgA)、血漿組織プラスミノーゲン抗原に対する測定(plgAg)、血漿組織プラスミノーゲン活性化剤の阻害物活性に対する測定、血漿組織プラスミノーゲン活性化剤の阻害物抗原に対する測定、血漿プラスミン-抗プラスミン複合物に対する測定(PAP)。最もよく見られる測定方法は発色基質法である:測定対象(被験者)の血漿中にストレプトキナーゼ(SK)と発光基質を添加し、測定対象の血漿中のPLGはSKの作用下においてプラスミンとなり、後者は発光基質に作用し、それから分光光度計で測定し、吸光度の増加はプラスミノーゲンの活性と正比例の関係となる。この他にも免疫化学法、ゲル電気泳動法、免疫比濁法、放射免疫拡散法などを用いて血液中のフィブリンプラスミノーゲン活性に対して測定を行うことができる。
「オルソログ(ortholog)」とは異なる種どうしのホモログであり、タンパク質の相同物もDNAの相同物も含む。それは具体的に異なる種どうしの同じ祖先の遺伝子から進化して得られるタンパク質または遺伝子を言う。本発明のプラスミノーゲンはヒト天然プラスミノーゲンを含み、さらには異なる種に由来する、プラスミノーゲン活性を有するプラスミノーゲンオルソログを含む。
「保存的置換バリアント」とはそのうちの一つの指定されたアミノ酸残基が改変されたがタンパク質または酵素の全体のコンフォメーション及び機能を変えないものであり、これは類似の特性(例えば酸性、アルカリ性、疎水性など)のアミノ酸でペアレントタンパク質中のアミノ酸配列中のアミノ酸を置換するものを含むがこれらに限られない。類似の性質を有するアミノ酸は知られている通りである。例えば、アルギニン、ヒスチジン及びリジンは親水性のアルカリ性アミノ酸であり且つ互いに置き換えることができる。同じように、イソロイシンは疎水アミノ酸であり、ロイシン、メチオニンまたはバリンによって置換されることができる。そのため、機能の類似する二つのタンパク質またはアミノ酸配列の類似性は異なる可能性もある。例えば、MEGALIGNアルゴリズムに基づいて70%~99%の類似性(同一性)を有する。「保存的置換バリアント」はさらにBLASTまたはFASTAアルゴリズムに基づいて60%以上のアミノ酸同一性を有するポリペプチドまたは酵素を含み、75%以上に達すればさらによく、最も好ましくは85%以上に達し、さらには90%以上に達するのが最も好ましく、さらに天然またはペアレントタンパク質または酵素と比較して同じまたは基本的に類似する性質または機能を有する。
「分離された」プラスミノーゲンとは天然環境から分離及び/または回収されたプラスミノーゲンタンパク質である。いくつかの実施形態において、前記プラスミノーゲンは(1)90%を超える、95%を超える、または98%を超える純度(重量で計算した場合)になるまで精製し、例えばLowry法によって決まるもので、例えば99%(重量で計算した場合)を超えるまで精製する、(2)少なくともスピニングカップ配列分析装置によりN末端または内部アミノ酸配列の少なくとも15個の残基が得られる程度になる精製する、または(3)同質性になるまで精製する。該同質性はクマシーブリリアントブルーまたは銀染色により還元性または非還元性条件下のドデシル硫酸ナトリウムーポリアクリルアミノゲル電気泳動(SDS-PAGE)によって決まるものである。分離されたプラスミノーゲンはバイオエンジニアリング技術により組み換え細胞から製造することができ、さらに少なくとも一つの精製ステップで分離されたプラスミノーゲンを含む。
用語の「ポリペプチド」、「ペプチド」及び「タンパク質」は本明細書において互いに置き換えて使用でき、いかなる長さのアミノ酸の重合体を指し、遺伝的にコードされた及び非遺伝的にコードされたアミノ酸、化学的または生化学的に修飾されまたは派生したアミノ酸、及び修飾されたペプチド主鎖を有するポリペプチドを含む。該用語は融合タンパク質を含み、異種性アミノ酸配列を有する融合タンパク質を含むがこれに限られず、異種性と同種性由来のリーダー配列(N端メチオニン残基を有するか有しない)を含む融合物;等々である。
参照ペプチド配列の「アミノ酸配列同一性パーセンテージ(%)」の定義は、必要に応じてギャップを導入することで最大のパーセンテージ配列の同一性を実現した後、如何なる保存的な置換も配列同一性の一部として見なさない場合、候補配列中における参照ポリペプチド配列中のアミノ酸残基と同じアミノ酸残基のパーセンテージである。パーセンテージのアミノ酸配列の同一性を測定することを目的とした比較は本分野の技術範囲における複数種類の方式によって実現でき、例えば公衆が入手できるコンピュータソフトウエア、例えばBLAST、BLAST-2、ALIGNまたはMegalign(DNASTAR)ソフトウエアによって実現できる。当業者は配列をアライメントするための適切なパラメータを決めることができ、該パラメータが比較対象の配列のフルサイズに対して最大比較の要求を実現するための如何なるアルゴリズムも含む。しかし、本発明の目的のために、アミノ酸配列の同一性パーセンテージは配列比較コンピュータソフトウエアALIGN-2により得られるものである。
ALIGN-2を用いることによりアミノ酸配列を比較する場合、所定のアミノ酸配列Aの所定のアミノ酸配列Bに対するアミノ酸配列同一性%(または所定のアミノ酸配列Bに対して、と、またはについてのあるアミノ酸配列と同一性を有する又は含む所定のアミノ酸配列Aともいう)は以下のように計算される:
分数X/Y×100
そのうちXは配列アライメントプログラムALIGN-2において該プログラムのA及びBのアライメントにおいて同一でマッチングすると評価したアミノ酸残基の数であり、且つそのうちYはBにおけるアミノ酸残基の総数である。以下のように理解するべきである:アミノ酸配列Aの長さとアミノ酸配列Bの長さが等しくない場合、AのBに対するアミノ酸配列の同一性%は、BのAに対するアミノ酸配列同一性%とは異なる。特に断りのない限り、本文中において使用するすべてのアミノ酸配列同一性値%は前記の段落に記載の通りであり、ALIGN-2コンピュータプログラムによって得られるものである。
本文において使用されているように、用語の「治療」及び「処理」は期待される薬理及び/または生理的効果が得られることを言う。前記効果は疾患またはその症状を完全または一部予防すること、及び/または疾患及び/またはその症状を一部または完全に治癒するものとすることができる。さらに以下を含む:(a)疾患が被験者の体内で発生することを予防し、前記被験者は疾患の要因を持っているが、該疾患を有すると診断されていない状況であること;(b)疾患を抑制し、その形成を阻害すること;及び(c)疾患及び/またはその症状を減軽し、即ち疾患及び/またはその症状を減退させること。
用語の「個体」、「被験者」及び「患者」は本明細書中において互いに置き換えて使用でき、哺乳動物を指し、ネズミ(ラット、マウス)、ヒト以外の霊長類、ヒト、イヌ、ネコ、有蹄動物(例えばウマ、ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギ)などを含むがこれらに限られない。
「治療上有効量」または「有効量」とは、哺乳動物またはその他の被験者に投与して疾患の治療に用いられる際に疾患の前記予防及び/または治療を実現できるプラスミノーゲンの量である。「治療上有効量」は使用するプラスミノーゲン、治療しようとする被験者の疾患及び/または症状の重症度及び年齢、体重などに従って変化するものである。
2.本発明のプラスミノーゲンの調製
プラスミノーゲンは治療の用途に用いられるために、自然界から分離及び精製されるものでもよく、標準的な化学ペプチド合成技術によって合成することでもよい。化学的手法によりポリペプチドを合成する際、液相または固相で合成を行うことができる。固相ポリペプチド合成(SPPS)(配列のC末端アミノ酸を不溶性支持体に附着させ、順番に配列中の残りのアミノ酸を添加する)はプラスミノーゲンの化学的合成に適したものである。各種形式のSPPS、例えばFmoc及びBocは、プラスミノーゲンの合成に用いることができる。固相合成に用いられる技術は以下に記載されている:Barany及びSolid-Phase Peptide Synthesis;3-284ページ、The Peptides:Analysis,Synthesis,Biology.第二巻:Special Methods in Peptide Synthesis,Part A.,Merrifield,tら J.Am.Chem.Soc.,85:2149-2156(1963);Stewartら,Solid Phase Peptide Synthesis,2nd ed.Pierce Chem.Co.,Rockford,Ill.(1984);及びGanesan A.2006Mini Rev.Med Chem.6:3-10及びCamarero JAら 2005Protein Pept Lett.12:723-8。簡単に言えば、その上にペプチド鎖が構築されている機能性ユニットにより不溶性の多孔ビーズを処理する。カップリング/脱保護の繰り返し循環後に、附着した固相の遊離N末端アミンと単一のN保護を受けているアミノ酸ユニットをカップリングさせる。それから、該ユニットを脱保護し、他のアミノ酸と接続する新しいN末端アミンを露出させる。ペプチドを固相上に固定したままにし、それからそれを切除する。
標準的な組み換え方法により本発明のプラスミノーゲンを生産する。例えば、プラスミノーゲンをコードする核酸を発現ベクター中に挿入し、それと発現ベクター中の制御配列を操作可能に接続させる。発現制御配列はプロモーター(例えば天然に関連されているプロモーター、または異種由来のプロモーター)、シグナル配列、エンハンサーエレメント及び転写終了配列を含むが、これらに限られない。発現の制御はベクター中の真核プロモーターシステムとすることができ、前記ベクターは真核宿主細胞(例えばCOSまたはCHO細胞)を形質転換またはトランスフェクションさせる。一旦ベクターを適切な宿主に導入すれば、ヌクレオチド配列の高レベル発現及びプラスミノーゲンの収集及び精製に適した条件下において宿主を維持する。
適切な発現ベクターは通常宿主体内において附加体または宿主染色体DNAの整合部分として複製される。通常、発現ベクターは選択マーカー(例えばアンピシリン耐性、ハイグロマイシン耐性、テトラサイクリン耐性、カナマイシン耐性またはネオマイシン耐性)を含み、インビトロで所望のDNA配列によって形質転換されたそれらの細胞に対して測定を行うことに有用である。
大腸菌(Escherichia coli)はターゲット抗体をコードするポリヌクレオチドをクローンする原核宿主細胞の例である。その他の使用に適した微生物宿主は桿菌を含み、例えばバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)及びその他の腸内細菌科(Enterobacteriaceae)、例えばサルモネラ属(Salmonella)、セラチア属(Serratia)、及び各種シュードモナス属(Pseudomonas)種である。これらの原核宿主において、発現ベクターを生成でき、通常は宿主細胞と相容する発現制御配列(例えば複製開始点)を含むものである。また、多くの公知のプロモーターが存在し、例えば乳糖プロモーターシステム、トリプトファン(trp)プロモーターシステム、β-ラクタマーゼプロモーターシステム、またはファージλ由来のプロモーターシステムである。プロモーターは一般的に発現を制御し、必要に応じて遺伝子配列を制御する場合に、転写及び翻訳を起動するために、さらにリボソームの結合位置配列を有してもよい。
その他の微生物、例えば酵母も発現に用いることができる。酵母(例えばサッカロミセス(S.cerevisiae))及びピキア(Pichia)が適した酵母宿主細胞の例であり、そのうちの適切な担体は必要に応じて発現制御配列(例えばプロモーター)、複製開始点、終止配列など含む。典型的なプロモーターは3-ホスホグリセリン酸キナーゼ及びその他の糖分解酵素を含む。誘導型酵母プロモーターにはアルコール脱水素酵素、イソチトクロムC、及び麦芽糖とガラクトースの利用のための酵素のプロモーターを含む。
微生物以外に、哺乳動物細胞(例えば体外細胞培養物中において培養された哺乳動物細胞)も本発明のプラスミノーゲンの発現および生成に用いることができる(例えば目的抗-Tau抗体をコードするポリヌクレオチド)。例えばWinnacker,From Genes to Clones,VCH Publishers,N.Y.,N.Y.(1987)参照。適した哺乳動物宿主細胞はCHO細胞系、各種Cos細胞系、HeLa細胞、骨髄腫細胞系、及び形質転換されたB細胞またはハイブリドーマを含む。これらの細胞に用いられる発現ベクターは発現制御配列、例えば複製開始点、プロモーター、及びエンハンサー(Queenら,Immunol.Rev.89:49(1986))、及び必要とされる加工情報サイト、例えばリボソームの結合サイト、RNAの切断サイト、ポリアデノシン酸化サイト、及び転写ターミネーター配列を含むことができる。適切な発現制御配列の例はウサギ免疫グロブリン遺伝子、SV40、アデノウイルス、ウシ乳頭腫ウイルス、サイトメガロウイルスなどの派生のプロモーターである。Coら、J.Immunol.148:1149(1992)を参照すること。
一旦合成(化学または組み換え的に)されれば、本分野の標準的な手順、例えば硫酸アンモニウム沈殿、アフィニテイカラム、カラムクロマトグラフィー、高速液相クロマトグラフィー(HPLC)、ゲル電気泳動などにより本発明に記載のプラスミノーゲンを精製することができる。該プラスミノーゲンは基本的に純粋なものであり、例えば少なくとも約80%から85%の純度で、少なくとも約85%~90%の純度で、少なくとも約90%~95%の純度で、または98%~99%の純度またはさらに純度が高いものであり、例えば汚染物を含まず、前記汚染物は例えば細胞砕片、目的抗体以外の大分子などである。
3.薬物配合剤
所望の純度のプラスミノーゲンと必要に応じた薬用担体、賦形剤、または安定化剤(Remington’s Pharmaceutical Sciences,第16版,Osol,A.ed.(1980))を混合して凍結乾燥製剤または水溶液を形成して治療用の配合剤を得る。許容可能な担体、賦形剤、安定化剤は所要の用量及び濃度下において被験者に対して毒性がなく、さらに例えばリン酸塩、クエン酸塩及びその他の有機酸などの緩衝剤を含む。抗酸化剤はアスコルビン酸和メチオニンを含む;防腐剤(例えばオクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド;塩化ヘキサメチレンジアミン;塩化ベンザルコニウム(benzalkonium chloride)、ベンゼトニウムクロリド;フェノール、ブタノールまたはベンジルアルコール;アルキルパラヒドロキシ安息香酸エステル、例えばメチルまたはプロピルパラヒドロキシ安息香酸エステル;ピロカテコール;レソルシノール;シクロヘキサノール;3-ペンタノール;m-クレゾール);低分子量ポリペプチド(少なくとも10個の残基を有するもの);タンパク質例えば血清アルブミン、ゼラチン、または免疫グロブリン;親水性重合体、例えばポリビニルピロリドン;アミノ酸、例えばグリシン、グルタミン、アスパラギン酸、ヒスチジン、アルギニンまたはリシンである;単糖、二糖及びその他の炭水化物はグルコース、マンノース、またはデキストリンを含む;キレート剤は例えばEDTAである;糖類は例えばショ糖、マンニトール、フコースまたはソルビトールである;塩形成対イオン、例えばナトリウム;金属複合体(例えば亜鉛-タンパク複合体);及び/または非イオン界面活性剤、例えばTWEENTM、PLURONICSTMまたはポリエチレングリコール(PEG)である。好ましくは凍結乾燥された抗-VEGF抗体配合剤であり、WO 97/04801に記載されているとおりであり、本明細書において参考とされるものである。
本発明の配合剤は治療を必要とする具体的な症状の必要とする一種類以上の活性化合物を含有してもよく、好ましくは活性が相補的で互いに副作用を有しないものである。例えば、血圧降下薬、抗不整脈薬、糖尿病治療薬等である。
本発明のプラスミノーゲンは例えば凝集技術または界面重合によって作られるマイクロカプセル中に内包ことができ、例えば、膠質薬物輸送系(例えば、リポソーム、アルブミンミクロスフェア、マイクロエマルジョン剤、ナノ粒子及びナノカプセル)中に入れまたは粗エマルジョン状液中のヒドロキシメチルセルロースまたはゲルーマイクロカプセル及びポリ―(メタアクリル酸メチル)マイクロカプセル中に入れることができる。これらの技術はRemington’s Pharmaceutical Sciences 16th edition,Osol,A.Ed.(1980)に開示されている。。
体内に投与することに用いられる本発明のプラスミノーゲンは必ず無菌である必要がある。これは凍結乾燥及び再度配合する前または後に除菌濾過膜で濾過することで容易に実現できる。
本発明のプラスミノーゲンは緩衝製剤を調製できる。緩衝製剤の適切な実例は一定の形状を有し且つ糖タンパクを含む固体の疎水性重合体の半透過マトリックスを含み、例えば膜またはマイクロカプセルである。緩衝基質の実例はポリエステル、水性ゲル(例えばポリ(2-ヒドロキシエチル-メタアクリル酸エステル)(Langerら,J.Biomed.Mater.Res.,15:167-277(1981);Langer,Chem.Tech.,12:98-105(1982))またはポリ(ビニールアルコール)、ポリラクチド(米国特許3773919,EP 58,481)、L-グルタミン酸とエチル-L-グルタミン酸の共重合体(Sidman,ら,Biopolymers 22:547(1983)),分解できないエチレン-ビニルアセテート(ethylene-vinyl acetate)(Langer,ら,出所は前記と同じ)、または分解可能な乳酸-ヒドロキシ酢酸共重合体、例えばLupron DepotTM(乳酸-ヒドロキシ酢酸共重合体及びリュープロレリン(leuprolide)酢酸エステルからなる注射可能なミクロスフェア体)、及びポリD-(-)-3-ヒドロキシ酪酸を含む。重合体、例えばエチレン-酢酸エチル及び乳酸-ヒドロキシ酢酸は、持続的に分子を100日間以上放出することができ、しかしいくつかの水性ゲルがタンパク質を放出する時間は比較的短い。関連のメカニズムに応じてタンパク質を安定化させる合理的なストラテジーにより設計できる。例えば、凝集のメカニズムが硫化ジスルフィド結合の交換によって分子間S-S結合を形成するであれば、メルカプト基残基を修飾することにより、酸性溶液中から凍結乾燥させ、湿度を制御し、適切な添加剤を用いて、及び特定の重合体基質組成物を開発することで安定化を実現できる。
4.投与及び使用量
異なる方式、例えば静脈内、腹膜内、皮下、頭蓋骨内、髄腔内、動脈内(例えば頸動脈)、筋肉内、鼻内、体表または皮内投与または脊髄または脳内輸送により本発明の薬物組成物の投与を実現できる。エアロゾル製剤例えば鼻噴霧製剤は活性化剤を含有する精製した水性またはその他の溶液及び防腐剤と等張剤を含有する。このような製剤を鼻粘膜と相容し得るpH及び等張状態に調整する。
一部の場合において、以下の方式により本発明のプラスミノーゲン薬剤組成物を修飾または配合することができ、これにより血液脳関門を通過できる能力を提供する。各種の腸内及び胃腸外の投与経路、内服、静脈内等を用いて患者に対して血栓及び/または血栓関連疾患を患っている個体に対してこのようなプラスミノーゲンの組成物を投与することを含む。
胃腸外での投与に用いられる製造物は無菌水性または非水性溶液、懸濁液及び乳剤を含む。非水性溶媒の例はプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、例えばオリーブオイルのような植物油、及び注射可能な有機エステル、例えばオレイン酸エチルである。水性担体は水、アルコール性/水性溶液、乳剤または懸濁液を含み、食塩水及び緩衝媒介を含む。胃腸外媒介物は塩化ナトリウム溶液、リンガーデキストロース、デキストロース及び塩化ナトリウム、または固定油である。静脈内媒介物は液体及び栄養補充物、電気分解補充物などを含む。されには防腐剤及びその他の添加剤、例えば抗微生物製剤、抗酸化剤、キレート剤、不活性ガスなども存在してもよい。
いくつかの実施形態において、本発明のプラスミノーゲンは血液脳関門の通過を促進する薬剤と配合されている。いくつかの場合において、本発明のプラスミノーゲンは直接またはリンカにより血液脳関門の通過を促進する担体分子、ペプチドまたはタンパク質と融合する。一部の実施形態において、本発明のプラスミノーゲンは内在性血液脳関門(BBB)受容体に結合するポリペプチドと融合する。プラスミノーゲンと内在性血液脳関門受容体に結合するポリペプチドは、BBBの通過を促進する。内在性血液脳関門(BBB)受容体に結合するポリペプチドは抗体、例えばモノクローナル抗体、またはその抗原結合フラグメントを含み、それは特異的に内在性BBB受容体に結合する。適切な内在性BBB受容体はインスリン受容体を含むがこれに限られず、抗体はリポソームに内包されたものである。例えば米国特許公開書類No.2009/0156498を参照すること。
医療関係者は各種臨床的要素により用量案を決めることができる。例えば医学分野で公知のように、任意の患者の用量は複数の要素によって決められ、これらの要素は患者の体型、体表面積、年齢、投与される具体的な化合物、性別、投与回数及び経路、全体の健康度、及び同時に投与するその他の薬物を含む。本発明が含有するプラスミノーゲンの薬物組成物の用量の範囲は例えば被験者体重に対して毎日約0.0001~2000mg/kgであり、または約0.001~500mg/kg(例えば0.02mg/kg,0.25mg/kg,0.5mg/kg,0.75mg/kg,10mg/kg,50mg/kgなど)とすることができる。例えば、用量は1mg/kg体重または50mg/kg体重または1-50mg/kgの範囲とすることができ、または少なくとも1mg/kgである。この例示性の範囲より高いまたは低い用量もカバーされ、特に前記の要素を考慮した場合である。前記範囲中の中間用量も本発明の範囲内に含まれるものである。被験者は毎日、隔日、毎週または経験分析によって決められた任意のスケジュール表に従ってこのような用量を投与できる。例示的な用量のスケジュール表は連続数日1-10mg/kg投与することである。本発明の薬物の投与過程において血栓及びその関連疾患の治療効果及び安全性はリアルタイムに評価、定期的に評価すべきである。
5.治療の効力
本発明の一つの実施形態はプラスミノーゲンを用いて被験者を治療した後、治療効力及び治療安全性に対して判断を行うことに係る。その臨床上における治療効力を判断する方法は以下の指標を測定することにより腎臓機能を評価することを含むが、これらに限られない:血清クレアチニンレベル、クレアチニン除去率、24-時間尿タンパク排出率(UAER)、糸球体濾過率、尿アルブミン/クレアチニン比、アルブミン分泌率及び腎臓生検等である。例えば、糸球体濾過率は糸球体の過剰濾過及び過剰灌流の状況を示すことができ、これは糖尿病性腎症の早期症状の緩和の程度を示すものである。糸球体濾過率は腎臓から1分間に生じる濾液の体積であり、各種方法によって決めることができ、例えばプロテオグリカン、イオタラム酸塩またはイオヘキソールのような濾過マーカーの尿除去率を測定することで測定できる。最もよく見られる方法は、クレアチニン(筋肉によって生じさらに血液中に放出されるタンパク質)の除去率を知ることによって糸球体濾過率を予測することである。クレアチニン除去率(通常はml/分と示される)は所定時間(例えば12時間または24時間)内の尿液中で収集されたクレアチニンレベル及び血液中のクレアチニンレベルを比較することによって知ることができる。成人男性の典型的なクレアチニン除去率は約97-137ml/分であり、成人女性は約88-128ml/分である。クレアチニン除去率と尿クレアチニン***は正比例の関係であり、血清クレアチニン濃度と逆比例の関係である。
通常はクレアチニン除去率/糸球体濾過率または尿アルブミン排出率を主な効力評価指標とする。これとともにその他の二次的な指標を加えて本発明の薬物の対応の合併症に対する効力を評価し、例えばトリグリセリド、総コレステロール、低密度リポタンパク等を用いて血中脂質変化を評価し、治療前後の収縮圧、拡張圧のレベルを測定することを増やすことによって高血圧状況の緩和の程度などについて評価する。
6.製品または薬物キット
本発明の一つの実施形態は製品または薬物キットに係るものであり、糖尿病腎症を治療するための本発明のプラスミノーゲンを含有する。前記製品は好ましくは一つの容器、ラベルまたはプロトコルを含む。適切な容器はボトル、小瓶、注射器などである。容器は各種材料例えばガラスまたはプラスチックから作られることができる。前記容器は組成物を含有し、前記組成物は本発明の疾患または症状を有効に治療し且つ無菌の入口を有する(例えば前記容器は静脈輸液用パックまたはバイアルであり、皮下注射針によって貫通される栓を含む)。前記組成物中の少なくとも一種類の活性化剤がプラスミノーゲンである。前記容器上にあるまたは添付されているラベルは前記組成物を本発明の前記糖尿病によって引き起こされる糖尿病性腎症及びその関連疾患の治療に用いられると説明するものである。前記製品はさらに薬用緩衝液を含有する第二容器を含み、前記薬用緩衝液は例えばリン酸塩緩衝の食塩水、リンガー溶液及びグルコース溶液を含む。さらには商業及び使用者の角度から見ると必要とされるその他の物質、即ちその他の緩衝液、希釈剤、濾過物、針及び注射器を含むことができる。また、前記製品は使用説明を有するプロトコルを含み、これは例えば前記組成物の使用者にプラスミノーゲン組成物及び疾患の治療に伴うその他の薬物を患者に投与することを指示するものである。
[実施例1]
実施例1は、プラスミノーゲンがシスプラチンによる腎損傷の修復を促進することに関するものである。
8~9週齢の健康なオスC57マウスを10匹取り、ランダムに二つの群に分け、それぞれ溶媒PBS投与対照群及びプラスミノーゲン投与群で、各群5匹ずつである。群分けが完了した後に、10mg/Kg体重で一回経腹腔でシスプラチンを注射し[33]、化学療法損傷モデルを構築した。モデル構築が完了した後にプラスミノーゲン投与群に1mg/0.1mL/匹/日でプラスミノーゲンを尾静脈注射により投与し、溶媒PBS投与対照群にも同じ体積のPBSを同じ方法で投与した。実験開始当日を0日目として体重を測ってから群分けし、一日目からシスプラチンを腹腔注射してモデル構築を行い、モデル構築後3時間以内にプラスミノーゲンまたは溶媒PBSを投与し、投与期間は7日間である。8日目にマウスを殺処分し、腎臓を取って10%中性フルマリン固定液において24~48時間固定を行った。固定後の腎臓組織をアルコールで段階的に脱水させ及びキシレンで透徹化処理した後にパラフィンで包埋処理を行った。組織切片の厚みは4μmであり、切片を脱パラフィンさせさらに浸水してから一回水洗いした。クエン酸で30分間修復し、室温にて10分間冷却してから水でやさしく洗い流した。PAPマーカーで組織を丸で囲み、3%過酸化水素水で15分間インキュベーションし、0.01M PBSで2回洗い、毎回5分間であった。5%の健常ヒツジ血清液(Vector laboratories,Inc.,USA)で30分間ブロッキングした;時間になった後、ヒツジ血清液を廃棄し、ヤギ抗マウスIgM(HRP)抗体(Abcam)を滴加して室温で1時間インキュベーションし、PBSで2回洗い、毎回5分間であった。DABキット(Vector laboratories,Inc.,USA)で呈色させ、3回水洗いした後にヘマトキシリンで30秒複染色して、流水で5分間流した。段階的に脱水してから透徹にし封入させ、切片を顕微鏡下で200倍にて観察した。
IgM抗体は、アポトーシス細胞及び壊死細胞の排除において重要な役割を果たし、組織器官損傷の局所的IgM抗体のレベルは、損傷の程度と正比例に相関している[29,30]。よって、検出した組織器官の局所的IgM抗体のレベルは該組織器官の損傷状況を反映することができる。
その結果、プラスミノーゲン投与群(図1B)のIgM陽性発現は、溶媒PBS投与対照群(図1A)より明らかに低く、しかもその差が統計学的に有意である(図1C)。これは、プラスミノーゲンが腎損傷の修復を促進できることを示している。
[実施例2]
実施例2は、プラスミノーゲンがシスプラチン化学療法損傷モデルマウスの腎線維症を軽減することに関するものである。
8~9週齢の健康なオスC57マウスを10匹取り、ランダムに二つの群に分け、それぞれ溶媒PBS投与対照群及びプラスミノーゲン投与群で、各群5匹ずつである。群分けが完了した後に、化学療法損傷モデルを構築し、10mg/Kg体重で一回経腹腔でシスプラチンを注射した[33]。モデル構築が完了した後にプラスミノーゲン投与群に1mg/0.1mL/匹/日でプラスミノーゲンを尾静脈注射により投与し、溶媒PBS投与対照群にも同じ体積のPBSを尾静脈注射により投与した。実験開始当日を0日目として体重を測ってから群分けし、一日目からシスプラチンを腹腔注射してモデル構築を行い、モデル構築後3時間以内にプラスミノーゲンまたは溶媒PBSを投与し、投与期間は7日間である。8日目にマウスを殺処分し、腎臓を取って4%パラホルムアルデヒド固定液において24時間固定を行った。固定後の腎臓組織をアルコールで段階的に脱水させ及びキシレンで透徹化処理した後にパラフィンで包埋処理を行った。組織切片の厚みは4μmであり、切片を脱パラフィンさせさらに浸水してから一回水洗いした。PAPマーカーで組織を丸で囲み、3%過酸化水素水で15分間インキュベーションし、0.01M PBSで2回洗い、毎回5分間であった。5%の健常ヒツジ血清液(Vector laboratories,Inc.,USA)で30分間ブロッキングした;時間になった後、ヒツジ血清液を廃棄し、ウサギ抗マウスIgG(HRP)抗体(Abcam)二次抗体を滴加して室温で1時間インキュベーションし、TBSで2回洗い、毎回5分間であった。DABキット(Vector laboratories,Inc.,USA)で呈色させ、3回水洗いした後にヘマトキシリンで30秒複染色して、流水で5分間ブルーイングさせてからTBSで1回洗った。段階的に脱水してから透徹にし封入させ、切片を顕微鏡下で200倍にて観察した。
その結果、溶媒PBS投与対照群(図2A)の腎臓IV型コラーゲンの陽性発現はプラスミノーゲン投与群(図2B)より明らかに高い。これは、プラスミノーゲンがシスプラチンによる損傷モデルマウスの腎線維症を軽減できることを示している。
[実施例3]
実施例3は、プラスミノーゲンが慢性腎損傷モデルの腎臓に対する保護作用に関するものである。
8~9週齢のPLG+/+マウス20匹、及びPLG-/-マウス6匹を取り、PLG+/+マウスをランダムに二つの群に分け、それぞれプラスミノーゲン投与群と溶媒PBS投与対照群で、各群10匹ずつとした。プラスミノーゲン投与群、溶媒PBS投与対照群、及びPLG-/-マウスに毎日0.25%のプリン飼料(南通トロフィー)を給餌し、慢性腎損傷モデルを構築した[26]。モデル構築した当日を1日目として投薬を始めた。プラスミノーゲン投与群に1mg/0.1mL/匹/日でプラスミノーゲンを尾静脈注射により投与し、溶媒PBS投与対照群にも同じ体積のPBSを尾静脈注射により投与し、モデル構築投薬を10日間連続し、PLG-/-マウスは処置しなかった。11日目にマウスを殺処分して腎臓を取り、4%パラホルムアルデヒド固定液において24時間固定を行った。固定後の腎臓組織をアルコールで段階的に脱水させ及びキシレンで透徹化処理した後にパラフィンで包埋処理を行った。組織切片の厚みは3μmであり、切片を脱パラフィンさせさらに浸水してヘマトキシリン及びエオシンで染色(HE染色)させ、1%塩酸エタノールで分別させ、アンモニア水でブルーイングさせ、さらにアルコールで段階的に脱水させてキシレンで透徹にし、中性ゴムに封入させ、切片を光学顕微鏡下で200倍(図3A、B、C)、400倍(1D)にて観察した。
その結果、PLG-/-マウスの腎臓(図3C、3D)病変が最も重度であり、大量の膿キャスト(矢印に示される)、少量のプリン結晶(三角で表記されている)、大面積の腎尿細管萎縮、及び扁平上皮細胞が観察される。PLG-/-マウスと比べ、溶媒PBS投与対照群のマウスの腎(図3A)損傷は軽い。糸球体萎縮及び腎尿細管の壊死は依然として深刻であるが、明らかなプリン結晶は見られず、膿キャストも比較的に軽い。プラスミノーゲン投与群のマウス(図3B)の腎尿細管の萎縮面積は、PBS投与対照群より小さく、腎尿細管の拡張も軽く、膿キャストは発見していない。これは、プラスミノーゲンが慢性腎損傷モデルマウスの腎損傷を修復できることを示している。
[実施例4]
実施例4は、プラスミノーゲンが慢性腎損傷モデルの腎線維症を修復することに関するものである。
8~9週齢のPLG+/+マウス12匹、及びPLG-/-マウス6匹を取り、PLG+/+マウスをランダムに二つの群に分け、それぞれプラスミノーゲン投与群と溶媒PBS投与対照群で、各群6匹ずつとした。慢性腎損傷モデルの構築方法は実施例1と同様である。モデル構築した当日を1日目として投薬を始めた。プラスミノーゲン投与群に1mg/0.1mL/匹/日でプラスミノーゲンを尾静脈注射により投与し、溶媒PBS投与対照群にも同じ体積のPBSを尾静脈注射により投与し、モデル構築投薬を10日間連続し、PLG-/-マウスは処置しなかった。11日目にマウスを殺処分して腎臓を取り、4%パラホルムアルデヒド固定液において24時間固定を行った。固定後の腎臓をアルコールで段階的に脱水させ及びキシレンで透徹化処理した後にパラフィンで包埋処理を行った。組織切片の厚みは3μmであり、切片を脱パラフィンさせてから1回水洗い、0.1%シリウスレッドで60分間染色させた後、流水で洗い、ヘマトキシリンで1分間染色してから流水で洗い、1%塩酸エタノール及びアンモニア水で分別させてブルーイングさせ、流水で洗い、乾燥させてから封入し、切片を顕微鏡下で200倍にて観察した。
シリウスレッド染色は、コラーゲンを長期的に染色することができ、病理学的切片の特殊染色法として、シリウスレッド染色はコラーゲン組織を特異的に表示することができる。
その結果、プラスミノーゲン投与群(図4B)と溶媒PBS投与対照群(図4A)のコラーゲン沈着はPLG-/-群(図4C)より明らかに少なく、しかもその差が統計学的に有意である(図4D)ことは示されている。また、プラスミノーゲン投与群のコラーゲン沈着は、溶媒PBS投与対照群より明らかに少ない。これは、プラスミノーゲンが慢性腎損傷モデルマウスの腎線維症を修復する過程において肝心な役割を果たすことを示している。
[実施例5]
実施例5は、プラスミノーゲンが慢性腎損傷マウスの腎臓アポトーシス抑制タンパク質Bcl-2の発現を促進することに関するものである。
8~9週齢のオスPLG+/+マウス18匹を取り、ランダムに三つの群に分け、それぞれブランク対照群、プラスミノーゲン投与群、及び溶媒PBS投与対照群で、各群6匹ずつとした。慢性腎損傷モデルの構築方法は実施例1と同様である。モデル構築した当日を1日目として投薬を始めた。ブランク対照群に通常の維持食を給餌した。プラスミノーゲン投与群に1mg/0.1mL/匹/日でプラスミノーゲンを尾静脈注射により投与し、溶媒PBS投与対照群にも同じ体積のPBSを尾静脈注射により投与し、モデル構築投薬を10日間連続し、ブランク対照群マウスは処置しなかった。モデル構築投薬を始めた日を1日目として、11日目にマウスを殺処分して腎臓を取り、4%パラホルムアルデヒド固定液において24時間固定を行った。固定後の腎臓をアルコールで段階的に脱水させ及びキシレンで透徹化処理した後にパラフィンで包埋処理を行った。組織切片の厚みは3μmであり、切片を脱パラフィンさせてから1回水洗った。PAPマーカーで組織を丸で囲み、3%過酸化水素水で15分間インキュベーションし、0.01M PBSで2回洗い、毎回5分間であった。5%の健常ヒツジ血清液(Vector laboratories,Inc.,USA)で30分間ブロッキングした;時間になった後、ヒツジ血清液を廃棄し、ウサギ抗マウスBcl-2抗体(Abcam)を滴加して4℃で終夜インキュベーションし、0.01M PBSで2回洗い、毎回5分間であった。ヤギ抗ウサギIgG(HRP)抗体(Abcam)二次抗体を室温で1時間インキュベーションし、0.01M PBSで2回洗い、毎回5分間であった。DABキット(Vector laboratories,Inc.,USA)で呈色させ、3回水洗いした後にヘマトキシリンで30秒複染色して、流水で5分間流した。アルコールで段階的に脱水させてキシレンで透徹にし、中性ゴムに封入させ、切片を光学顕微鏡下で200倍にて観察した。
Bcl-2は細胞アポトーシス抑制タンパク質であり、アポトーシス刺激因子により発現が低くなる[27,28]。Bcl-2免疫組織化学的結果によって、プラスミノーゲン投与群(図5C)の腎臓Bcl-2の陽性着色は溶媒PBS投与対照群(図5B)より明らかに深く、しかもブランク対照群(図5A)のBcl-2の陽性着色の程度に近いことは示されている。これは、プラスミノーゲンが慢性腎損傷モデルマウスの腎細胞アポトーシス抑制分子Bcl-2の発現を促進でき、それによって慢性腎損傷マウスの腎組織細胞をアポトーシスから保護することに寄与できることを示している。
[実施例6]
実施例6は、プラスミノーゲンが慢性腎損傷マウスの腎臓の局所損傷を改善することに関するものである。
8~9週齢のオスPLG+/+マウス18匹を取り、ランダムに三つの群に分け、それぞれブランク対照群、プラスミノーゲン投与群、及び溶媒PBS投与対照群で、各群6匹ずつとした。慢性腎損傷モデルの構築方法は実施例1と同様である。モデル構築した当日を1日目として投薬を始めた。ブランク対照群に通常の維持食を給餌した。プラスミノーゲン投与群に1mg/0.1mL/匹/日でプラスミノーゲンを尾静脈注射により投与し、溶媒PBS投与対照群にも同じ体積のPBSを尾静脈注射により投与し、モデル構築投薬を10日間連続し、ブランク対照群マウスは処置しなかった。11日目にマウスを殺処分して腎臓を取り、4%パラホルムアルデヒド固定液において24時間固定を行った。固定後の腎臓をアルコールで段階的に脱水させ及びキシレンで透徹化処理した後にパラフィンで包埋処理を行った。組織切片の厚みは3μmであり、切片を脱パラフィンさせてから1回水洗った。PAPマーカーで組織を丸で囲み、3%過酸化水素水で15分間インキュベーションし、0.01M PBSで2回洗い、毎回5分間であった。5%の健常ヒツジ血清液(Vector laboratories,Inc.,USA)で30分間ブロッキングした;時間になった後、ヒツジ血清液を廃棄し、ヤギ抗ウサギIgG(HRP)抗体(Abcam)を滴加して室温で1時間インキュベーションし、PBSで2回洗い、毎回5分間であった。DABキット(Vector laboratories,Inc.,USA)で呈色させ、3回水洗いした後にヘマトキシリンで30秒複染色して、流水で5分間流した。段階的に脱水させて透徹にして封入させ、切片を顕微鏡下で200倍にて観察した。
IgM抗体は、アポトーシス細胞及び壊死細胞の排除において重要な役割を果たし、組織器官損傷の局所IgM抗体のレベルは、損傷の程度と正比例に相関している[29,30]。よって、検出した組織器官の局所IgM抗体のレベルは該組織器官の損傷程度を反映することができる。
その結果、プラスミノーゲン投与群(図6C)マウスの腎臓IgMの陽性着色は溶媒PBS投与対照群(図6B)より浅く、しかも範囲は対照群より小さく、着色はブランク対照マウス(図6A)に非常に近いことは示されている。これは、プラスミノーゲンの注射後、糸球体損傷が明らかに改善されており、プラスミノーゲンが慢性腎損傷マウスの腎損傷に対して顕著な修復効果を持っていることを示している。
[実施例7]
実施例7は、プラスミノーゲンが慢性腎損傷マウスの腎臓フィブリンの発現を減少することに関するものである。
8~9週齢のPLG+/+マウス12匹、及びPLG-/-マウス6匹を取り、PLG+/+マウスをランダムに二つの群に分け、それぞれプラスミノーゲン投与群と溶媒PBS投与対照群で、各群6匹ずつとした。慢性腎損傷モデルの構築方法は実施例1と同様である。モデル構築した当日を1日目として投薬を始めた。モデル構築と投薬期間は4日間であり、ブランク対照群に通常の維持食を給餌した。プラスミノーゲン投与群に1mg/0.1mL/匹/日でプラスミノーゲンを尾静脈注射により投与し、溶媒PBS投与対照群にも同じ体積のPBSを尾静脈注射により投与し、PLG-/-マウスは処置しなかった。5日目にマウスを殺処分して腎臓を取り、4%パラホルムアルデヒド固定液において24時間固定を行った。固定後の腎臓をアルコールで段階的に脱水させ及びキシレンで透徹化処理した後にパラフィンで包埋処理を行った。組織切片の厚みは3μmであり、切片を脱パラフィンさせてから1回水洗った。PAPマーカーで組織を丸で囲み、3%過酸化水素水で15分間インキュベーションし、0.01M PBSで2回洗い、毎回5分間であった。5%の健常ヒツジ血清液(Vector laboratories,Inc.,USA)で30分間ブロッキングした;時間になった後、ヒツジ血清液を廃棄し、ウサギ抗マウスBcl-2抗体(Abcam)を滴加して4℃で終夜インキュベーションし、PBSで2回洗い、毎回5分間であった。ヤギ抗ウサギIgG(HRP)抗体(Abcam)二次抗体を室温で1時間インキュベーションし、PBSで2回洗い、毎回5分間であった。DABキット(Vector laboratories,Inc.,USA)で呈色させ、3回水洗いした後にヘマトキシリンで30秒複染色して、流水で5分間流した。段階的に脱水させて透徹にして封入させ、切片を光学顕微鏡下で200倍にて観察した。
フィブリノーゲンはフィブリンの前駆体であり、組織に損傷が存在する状況下において、生体の損傷に対する応答反応として、フィブリノーゲンはフィブリンに加水分解されて損傷部位に沈着する[31,32]。そのため、損傷局所のフィブリンのレベルを損傷程度の一つの指標とすることができる。
その結果、溶媒PBS投与対照群(図7A)の腎フィブリンの陽性着色はプラスミノーゲン投与群マウス(図7B)より深く、しかもPLG-/-群(図7C)の着色は溶媒PBS投与対照群より深いことは示されている。これは、プラスミノーゲンが一定の程度で腎臓組織の損傷を修復できることを示している。
[実施例8]
実施例8は、プラスミノーゲンが糖尿病マウスの腎線維症を軽減することに関するものである。
24~25週齢のオスdb/dbマウス10匹を取り、ランダムに二つの群に分け、それぞれ溶媒PBS投与対照群とプラスミノーゲン投与群で、各群5匹ずつとした。実験開始当日を0日目として体重を測ってから群分けし、1日目からプラスミノーゲンまたはPBSを投与し、31日間連続して投与した。プラスミノーゲン投与群マウスに2mg/0.2mL/匹/日でプラスミノーゲンを尾静脈注射により投与し、溶媒PBS投与対照群にも同じ体積のPBSを尾静脈注射により投与した。プラスミノーゲンを31日間投与した後にマウスを殺処分して腎臓組織を取り、4%パラホルムアルデヒド固定液において24時間固定を行った。固定後の腎臓組織をアルコールで段階的に脱水させ及びキシレンで透徹化処理した後にパラフィンで包埋処理を行った。組織切片の厚みは4μmであり、切片を脱パラフィンさせてから1回水洗った。PAPマーカーで組織を丸で囲み、3%過酸化水素水で15分間インキュベーションし、0.01M PBSで2回洗い、毎回5分間であった。5%の健常ヒツジ血清液(Vector laboratories,Inc.,USA)で30分間ブロッキングした;時間になった後、ヒツジ血清液を廃棄し、IVコラーゲンのウサギポリクローナル抗体(Abcam)を滴加して4℃で終夜インキュベーションし、TBSで2回洗い、毎回5分間であった。ヤギ抗ウサギIgG(HRP)抗体(Abcam)二次抗体を室温で1時間インキュベーションし、TBSで2回洗った。DABキット(Vector laboratories,Inc.,USA)で呈色させ、3回水洗いした後にヘマトキシリンで30秒複染色して、流水で5分間流した。段階的に脱水させて透徹にして封入させ、切片を光学顕微鏡下で200倍にて観察した。
糖尿病性腎症は糖尿病の慢性合併症であり、糸球体硬化症及び腎間質性線維症はその典型的な病理学的変化である[34]。本発明実験の結果によって、プラスミノーゲン投与群(図8B)のIVコラーゲン陽性着色は溶媒PBS投与対照群(図8A)より明らかに浅いことは示されている。これは、プラスミノーゲンが糖尿病マウスの腎線維症を軽減できることを示している。
[実施例9]
実施例9は、プラスミノーゲンが糖尿病マウスの腎線維症を軽減することに関するものである。
26週齢のオスdb/dbマウス10匹を取り、ランダムに二つの群に分け、それぞれ溶媒PBS投与対照群とプラスミノーゲン投与群で、各群5匹ずつとした。実験開始当日を0日目として体重を測ってから群分けし、1日目からプラスミノーゲンまたはPBSを投与し、35日間連続して投与した。プラスミノーゲン投与群マウスに2mg/0.2mL/匹/日でプラスミノーゲンを尾静脈注射により投与し、溶媒PBS投与対照群にも同じ体積のPBSを尾静脈注射により投与した。36日目にマウスを殺処分して腎臓組織を取り、4%パラホルムアルデヒド固定液において24時間固定を行った。固定後の腎臓組織をアルコールで段階的に脱水させ及びキシレンで透徹化処理した後にパラフィンで包埋処理を行った。組織切片の厚みは4μmであり、切片を脱パラフィンさせて浸水してから重クロム酸カリウム溶液に終夜置いた。鉄ヘマトキシリンで3~5分間染色して流水で流した。1%塩酸エタノールで分別させてアンモニア水で1秒処理してから水で洗った。ポンソー酸性マゼンタ溶液にて8分間染色し、水中で素早く濯いだ。1%リンモリブデン酸水溶液で約2分間処理し、アニリンブルー溶液にて6分間複染色した。1%氷酢酸で約1分間濯いだ。無水エタノールで脱水させてキシレンで透徹にしてから封入し、切片を光学顕微鏡下で200倍にて観察した。
マッソン(Masson)染色は組織の線維症を示すことができる。その結果、溶媒PBS投与対照群(図9A)の腎間質に軽度の線維症があり、過形成した線維症は青色である。溶媒PBS投与対照群と比べ、プラスミノーゲン投与群(図9B)の腎間質線維症は明らかに減少している。これは、プラスミノーゲンが糖尿病マウスの腎線維症を低下させることができることを示している。
[実施例10]
実施例10は、プラスミノーゲンが全身性硬化症モデルマウスの腎線維症を減少させることに関するものである。
12週齢のC57オスマウス10匹を取り、体重をはかった後にランダムに二つの群に分け、それぞれ溶媒PBS投与対照群とプラスミノーゲン投与群で、各群5匹ずつとした。すべてのマウスに1mg/0.1mL/匹/日でブレオマイシンを皮下注射して全身性硬化症を誘発させ[35]、当日からプラスミノーゲンまたはPBSを投与し、その日を1日目とし、21日間連続して投与した。プラスミノーゲン投与群マウスに1mg/0.1mL/匹/日でプラスミノーゲンを尾静脈注射により投与し、溶媒PBS投与対照群にも同じ体積のPBSを尾静脈注射により投与した。22日目にマウスを殺処分して腎臓を取り、4%パラホルムアルデヒド固定液において24時間固定を行った。固定後の腎臓をアルコールで段階的に脱水させ及びキシレンで透徹化処理した後にパラフィンで包埋処理を行った。組織切片の厚みは3μmであり、切片を脱パラフィンさせて1回水で洗い、0.1%シリウスレッド飽和ピクリン酸で30分間染色した後、流水で2分間流し、ヘマトキシリンで1分間染色してから流水で流し、1%塩酸エタノールで分別させてアンモニア水でブルーイングさせ、流水で流した。乾燥した後に中性ゴムに封入させ、光学顕微鏡下で200倍にて観察した。
その結果、ブレオマイシンにより誘発された全身性硬化症モデルマウスにおいて、溶媒PBS投与対照群(図10A)の腎臓コラーゲン沈着がプラスミノーゲン投与群(図10B)より明らかに多いことは示されている。これは、プラスミノーゲンが全身性硬化症マウスの腎線維症を効果的に減少させたことを示している。
[実施例11]
実施例11は、プラスミノーゲンが慢性腎損傷モデルマウスの腎臓機能の修復を促進することに関するものである。
8~9週齢のPLG+/+マウス10匹、及びPLG-/-マウス6匹を取り、慢性腎損傷モデルの構築方法は実施例1と同様である。モデル構築の当日を1日目とし、モデル構築期間は10日間である。11日目に眼球を摘出して採血し、遠心分離して上澄み液を取り、血清中の尿素窒素濃度を測定した。尿素窒素含有量は、尿素窒素検出キット(南京建成生物工程研究所、品目番号C013-2)を用い、該尿素窒素検出キットに記載された方法に従って測定した。
その結果、PLG+/+群の血清における尿素窒素濃度がPLG-/-群より明らかに低く、しかもその差が統計学的に有意である(図11)ことは示されている。これは、プラスミノーゲンが慢性腎損傷モデルマウスの腎機能を顕著に改善できることを示している。
[実施例12]
実施例12は、プラスミノーゲンが慢性腎損傷モデルマウスの腎臓機能の修復を促進することに関するものである。
8~9週齢のPLG+/+マウス20匹、及びPLG-/-マウス6匹を取り、PLG+/+マウスをランダムに二つの群に分け、それぞれプラスミノーゲン投与群と溶媒PBS投与対照群で、各群10匹ずつとした。慢性腎損傷モデルの構築方法は実施例1と同様である。モデル構築の当日を1日目としてその日から投薬し、投与期間は4日間である。プラスミノーゲン投与群に1mg/0.1mL/匹/日でプラスミノーゲンを尾静脈注射により投与し、溶媒PBS投与対照群にも同じ体積のPBSを尾静脈注射により投与し、PLG-/-マウスは処置しなかった。5日目に眼球を摘出して採血し、遠心分離して上澄み液を取り、血清中のクレアチニン濃度を測定した。血清クレアチニン濃度は、クレアチニン検出キット(南京建成生物工程研究所、品目番号C011-2)を用い、該キットに記載された方法に従って測定した。
その結果、溶媒PBS投与対照群とプラスミノーゲン投与群の血清クレアチニン濃度がPLG-/-群マウスより明らかに低く、しかもその差が統計学的に有意であることは示されている。また、プラスミノーゲン投与群の血清クレアチニン濃度は溶媒PBS投与対照群(図12)より明らかに低い。これは、プラスミノーゲンが慢性腎損傷モデルマウスの腎機能を顕著に改善できることを示している。
[実施例13]
実施例13は、プラスミノーゲンが急性腎損傷モデルマウスの腎臓機能の修復を促進することに関するものである。
7週齢のオスC57マウス9匹を取り、ランダムに二つの群に分け、プラスミノーゲン投与群で5匹、溶媒PBS投与対照群で4匹とした。すべてのマウスに250mg/kg体重で一回経腹腔で葉酸(sigma A7876)溶液を注射し、急性腎損傷を誘発した[36]。葉酸を0.3mоl/L NaHCOに溶解した。モデル構築の当日を1日目とし、その日からプラスミノーゲンまたは溶媒PBSを投与し、プラスミノーゲン投与群に1mg/0.1mL/匹/日でプラスミノーゲンを尾静脈注射により投与し、溶媒PBS投与対照群にも同じ体積のPBSを尾静脈注射により投与し、投与期間は7日間である。8日目に眼球を摘出して採血し、遠心分離して上澄み液を取り、血清中の尿素窒素濃度を測定した。尿素窒素含有量は、尿素窒素検出キット(南京建成生物工程研究所、品目番号C013-2)を用い、該尿素窒素検出キットに記載された方法に従って測定した。
その結果、プラスミノーゲン投与群の血清中の尿素窒素濃度は溶媒PBS投与対照群より明らかに低く、しかもその差が統計学的な有意に近い(P=0.06)(図13)ことは示されている。これは、プラスミノーゲンが急性腎損傷モデルマウスの腎機能を顕著に改善できることを示している。
[実施例14]
実施例14は、プラスミノーゲンが3%コレステロール高脂血症モデルマウスの腎脂肪沈着を低減することに関するものである。
9週齢のオスC57マウス16匹に3%コレステロール高脂肪食(南通トロフィー)を4週間給餌して高脂血症を誘発し[37,38]、このモデルを3%コレステロール高脂血症モデルとし、モデル化後のマウスに引き続き3%コレステロール高脂肪食を与えた。また、同じ週齢のオスC57マウスを5匹取ってブランク対照群とし、実験期間中に通常の維持食を給餌した。投薬の3日前に各マウスから50μLの血液を採取し、総コレステロールを測定し、モデルマウスを総コレステロール濃度と体重によってランダムに二つの群に分け、プラスミノーゲン投与群と溶媒PBS投与対照群で、各群で8匹ずつとした。投薬し始めた日を1日目とし、プラスミノーゲン投与群マウスに1mg/0.1mL/匹/日でプラスミノーゲンを尾静脈注射により投与し、溶媒PBS投与対照群にも同じ体積のPBSを尾静脈注射により投与し、投与期間は30日間である。31日目にマウスを殺処分して腎臓を取り、4%パラホルムアルデヒド固定液において24時間固定を行った。それぞれ15%、30%スクロース中において4℃で終夜沈めさせ、OCTで包埋処理を行い、凍結切片の厚みは8μmであり、オイルレッドOで15分間染色し、75%アルコールで5秒間分別し、そしてヘマトキシリンで30秒間核を染色し、グリセリンゼラチンに封入させた。切片を光学顕微鏡下で400倍にて観察した。
オイルレッドO染色は脂質沈着を示し、脂質沈着の程度を反映することができる[37]。その結果、プラスミノーゲン投与群(図14C)マウスの腎脂肪沈着(矢印に表記される)は溶媒PBS投与対照群(図14B)より明らかに少なく、しかもその差が統計学的に有意である(図14D)。また、プラスミノーゲン投与群の脂質沈着レベルはブランク対照群マウス(図14A)に似ている。これは、プラスミノーゲンが高脂血症モデルマウスの腎臓における脂肪の沈着を低減でき、それによって脂肪沈着による腎損傷を減少させることができることを示している。
[実施例15]
実施例15は、プラスミノーゲンが葉酸急性腎損傷モデルマウスの腎損傷を改善することに関するものである。
7週齢のオスC57マウス15匹を取り、ランダムに三つの群に分け、ブランク対照群で3匹、プラスミノーゲン投与群で7匹、溶媒PBS投与対照群で5匹とした。プラスミノーゲン投与群と溶媒PBS投与対照群マウスに250mg/kg体重で一回経腹腔で葉酸(sigma A7876)溶液を注射し、急性腎損傷モデルを誘発し[36]、ブランク対照群に一回経腹腔で同じ体積のNaHCO溶液を注射した。葉酸を0.3mоl/L NaHCOに溶解した。モデル構築の当日を1日目とし、その日からプラスミノーゲンまたは溶媒PBSを投与し、プラスミノーゲン投与群に1mg/0.1mL/匹/日でプラスミノーゲンを尾静脈により投与し、溶媒PBS投与対照群にも同じ体積のPBSを尾静脈により投与し、投与期間は7日間である。8日目にマウスを殺処分して腎臓を取り、4%パラホルムアルデヒド固定液において24時間固定を行った。組織切片の厚みは3μmであり、切片を脱パラフィンさせさらに浸水してヘマトキシリン及びエオシンで染色(HE染色)させ、1%塩酸エタノールで分別させ、アンモニア水でブルーイングさせ、さらにアルコールで段階的に脱水させてキシレンで透徹にし、中性ゴムに封入させ、切片を光学顕微鏡下で200倍にて観察した。
その結果、ブランク対照群(図15A)の腎臓核は円形または楕円形であり、細胞質は赤色に染色され、糸球体及び腎尿細管は正常な形態を呈する。溶媒PBS投与対照群(図15B)では腎に大部分の腎尿細管上皮細胞が扁平化し(太い矢印に表記される)、刷子縁が剥がれ、一部の核濃縮が観察され、一部の腎尿細管のみにわずかに染色された細胞質が呈され、一部の腎尿細管には膿キャスト(細い矢印に表記される)も見えられ、糸球体及び腎間質性に軽度の炎症細胞浸潤が示されている。溶媒PBS投与対照群と比べ、プラスミノーゲン投与群(図15C)の腎尿細管拡張及び上皮細胞扁平化は明らかに改善され、腎尿細管細胞質の大部分は赤色に染色され、膿キャストは見られていない。これは、プラスミノーゲンが葉酸によって誘発された急性腎損傷を改善できることを示している。
[実施例16]
実施例16は、プラスミノーゲンが葉酸急性腎損傷モデルマウスの腎臓Bcl-2の発現を促進することに関するものである。
7週齢のオスC57マウス12匹を取り、ランダムに二つの群に分け、プラスミノーゲン投与群で7匹、溶媒PBS投与対照群で5匹とした。すべてのマウスに250mg/kg体重で一回経腹腔で葉酸(sigma A7876)溶液を注射し、急性腎損傷を誘発した[36]。葉酸を0.3mоl/L NaHCOに溶解した。モデル構築の当日を1日目とし、その日からプラスミノーゲンまたは溶媒PBSを投与し、プラスミノーゲン投与群に1mg/0.1mL/匹/日でプラスミノーゲンを尾静脈注射により投与し、溶媒PBS投与対照群にも同じ体積のPBSを尾静脈注射により投与し、投与期間は7日間である。8日目にマウスを殺処分して腎臓を取り、4%パラホルムアルデヒド固定液において24時間固定を行った。固定後の腎臓をアルコールで段階的に脱水させ及びキシレンで透徹化処理した後にパラフィンで包埋処理を行った。組織切片の厚みは3μmであり、切片を脱パラフィンさせて浸水してから1回水洗った。PAPマーカーで組織を丸で囲み、3%過酸化水素水で15分間インキュベーションし、0.01M PBSで2回洗い、毎回5分間であった。5%の健常ヒツジ血清液(Vector laboratories,Inc.,USA)で30分間ブロッキングした;時間になった後、ヒツジ血清液を廃棄し、ウサギ抗マウスBcl-2抗体(Abcam)を滴加して4℃で終夜インキュベーションし、0.01M PBSで2回洗い、毎回5分間であった。ヤギ抗ウサギIgG(HRP)抗体(Abcam)二次抗体を室温で1時間インキュベーションし、0.01M PBSで2回洗い、毎回5分間であった。DABキット(Vector laboratories,Inc.,USA)で呈色させ、3回水洗いした後にヘマトキシリンで30秒複染色して、流水で5分間流した。アルコールで段階的に脱水させてキシレンで透徹にし、中性ゴムに封入させ、切片を光学顕微鏡下で200倍にて観察した。
Bcl-2免疫組織化学的結果によって、プラスミノーゲン投与群(図16B)の腎臓Bcl-2の陽性着色は溶媒PBS投与対照群(図16A)より明らかに深く、しかもその差が統計学的に有意である(図16C)ことは示されている。これは、プラスミノーゲンが急性腎損傷モデルマウスの腎細胞アポトーシス抑制タンパクBcl-2の発現を促進でき、それによって急性腎損傷マウスの腎組織細胞をアポトーシスから保護することに寄与できることを示している。
[実施例17]
実施例17は、プラスミノーゲンが葉酸による急性腎損傷モデルマウスの腎損傷を低減することに関するものである。
7週齢のオスC57マウス12匹を取り、ランダムに二つの群に分け、プラスミノーゲン投与群で7匹、溶媒PBS投与対照群で5匹とした。すべてのマウスに250mg/kg体重で一回経腹腔で葉酸(sigma A7876)溶液を注射し、急性腎損傷を誘発した[36]。葉酸を0.3mоl/L NaHCO溶液に溶解した。モデル構築の当日を1日目とし、その日からプラスミノーゲンまたは溶媒PBSを投与し、プラスミノーゲン投与群に1mg/0.1mL/匹/日でプラスミノーゲンを尾静脈注射により投与し、溶媒PBS投与対照群にも同じ体積のPBSを尾静脈注射により投与し、投与期間は7日間である。8日目にマウスを殺処分して腎臓を取り、4%パラホルムアルデヒド固定液において24時間固定を行った。固定後の腎臓をアルコールで段階的に脱水させ及びキシレンで透徹化処理した後にパラフィンで包埋処理を行った。組織切片の厚みは3μmであり、切片を脱パラフィンさせて浸水してから1回水洗った。PAPマーカーで組織を丸で囲み、3%過酸化水素水で15分間インキュベーションし、0.01M PBSで2回洗い、毎回5分間であった。5%の健常ヒツジ血清液(Vector laboratories,Inc.,USA)で30分間ブロッキングした;時間になった後、ヒツジ血清液を廃棄し、ヤギ抗マウスIgM(HRP)抗体(Abcam)を室温で1時間インキュベーションし、PBSで2回洗い、毎回5分間であった。DABキット(Vector laboratories,Inc.,USA)で呈色させ、3回水洗いした後にヘマトキシリンで30秒複染色して、流水で5分間流した。段階的に脱水させて透徹にし、切片を光学顕微鏡下で200倍にて観察した。
その結果、プラスミノーゲン投与群(図17B)マウスの腎臓IgMの陽性着色は溶媒PBS投与対照群(図17A)より浅く、しかも範囲は対照群より小さいことは示されている。これは、プラスミノーゲンの注射後、腎臓IgMの発現は明らかに低下し、プラスミノーゲンが葉酸による急性腎損傷マウスの腎損傷を効果的に低減できることを示している。
[実施例18]
実施例18は、プラスミノーゲンが3%コレステロール高脂血症モデルマウスの腎線維症を低減することに関するものである。
9週齢のオスC57マウス16匹に3%コレステロール高脂肪食(南通トロフィー)を4週間給餌して高脂血症を誘発し[37,38]、このモデルを3%コレステロール高脂血症モデルとし、モデル化後のマウスに引き続き3%コレステロール高脂肪食を与えた。また、同じ週齢のオスC57マウスを5匹取ってブランク対照群とし、実験期間中に通常の維持食を給餌した。投薬の3日前に各マウスから50μLの血液を採取し、総コレステロールを測定し、モデルマウスを総コレステロール濃度と体重によってランダムに二つの群に分け、プラスミノーゲン投与群と溶媒PBS投与対照群で、各群で8匹ずつとした。投薬し始めた日を1日目とし、プラスミノーゲン投与群マウスに1mg/0.1mL/匹/日でプラスミノーゲンを尾静脈注射により投与し、溶媒PBS投与対照群にも同じ体積のPBSを尾静脈注射により投与し、投与期間は30日間である。31日目にマウスを殺処分して腎臓を取り、4%パラホルムアルデヒド固定液において24~48時間固定を行った。固定後の組織をアルコールで段階的に脱水させ及びキシレンで透徹化処理した後にパラフィンで包埋処理を行った。組織切片の厚みは3μmであり、切片を脱パラフィンさせて浸水して1回水で洗い、0.1%シリウスレッド飽和ピクリン酸で30分間染色した後、流水で2分間流し、ヘマトキシリンで1分間染色してから流水で流し、1%塩酸エタノールで分別させてアンモニア水でブルーイングさせ、流水で流した。乾燥した後に中性ゴムに封入させ、光学顕微鏡下で200倍にて観察した。
その結果、プラスミノーゲン投与群(図18C)の腎臓コラーゲン沈着(矢印に表記される)は溶媒PBS投与対照群(図18B)より明らかに少なく、しかもその差が統計学的に有意である(図18D)。プラスミノーゲン投与群の線維症は基本的に正常レベルに回復している(図18A)。これは、プラスミノーゲンが3%コレステロール高脂血症モデルマウスの腎線維症を効果的に減少させることができることを示している。
[実施例19]
実施例19は、プラスミノーゲンが虚血再灌流による急性腎損傷モデルマウスの腎損傷を低減することに関するものである。
7~9週齢のオスPLG+/+マウス9匹を取り、ランダムに三つの群に分け、偽手術群、プラスミノーゲン投与群、及び溶媒PBS投与対照群で、各群3匹ずつとした。すべてのマウスに50mg/kg体重で経腹腔でペントバルビタールナトリウムを注射して麻酔した。プラスミノーゲン投与群と溶媒PBS投与対照群マウスの腹部にすき間を開け、腎臓を露出させ、両側の動脈と静脈を分離し、両側の動脈と静脈を血管クランプでクリップし、クリップした後に腎臓を腹腔に移動させて創傷を45分間閉じた。時間になった後腎臓を再び露出させ、血管クランプを取り除き、腎臓の状況を観察し、再灌流を確定した後に創傷を縫合した。偽手術群では腹部にすき間を開け、虚血処理をせずに腎臓を露出させ、時間になった後に創傷を縫合した[39]。術後、各マウスに37℃の生理食塩水1mLを経腹腔注射した。手術中に体温を36.5~38℃に維持した。モデル構築の当日を1日目とし、その日からプラスミノーゲンまたは溶媒PBSを投与し始め、プラスミノーゲン投与群に1mg/0.1mL/匹/日でプラスミノーゲンを尾静脈注射により投与し、溶媒PBS投与対照群にも同じ体積のPBSを尾静脈注射により投与し、偽手術群マウスには注射処置をしなかった。投与期間は7日間である。8日目にマウスを殺処分して腎臓を取り、4%パラホルムアルデヒド固定液において24時間固定を行った。組織切片の厚みは3μmであり、切片を脱パラフィンさせて浸水してヘマトキシリン及びエオシンで染色(HE染色)させ、1%塩酸エタノールで分別させ、アンモニア水でブルーイングさせ、さらにアルコールで段階的に脱水させてキシレンで透徹にし、中性ゴムに封入させ、光学顕微鏡下で200倍にて観察した。
その結果、偽手術群(図19A)の糸球体毛細血管は開存的であり、腎尿細管細胞質は赤色に染色され、正常な腎尿細管形態を呈する。溶媒PBS投与対照群(図19B)の糸球体には軽度の炎症細胞浸潤(三角で表記されている)が見えられ、腎間質に大量の炎症細胞浸潤が見えられ、一部の腎尿細管に膿キャスト(細い矢印に表記される)があり、少量の腎尿細管核濃縮、大面積の上皮細胞扁平化(太い矢印に表記される)、腎尿細管の拡張が見えられる。溶媒PBS投与対照群と比べ、プラスミノーゲン投与群(図19C)には、少量の腎尿細管上皮のみが扁平化しており、ほとんどの腎尿細管は正常な腎尿細管の形態に回復しており、細胞質は赤色に染色され、明らかな腎尿細管萎縮は発見されず、腎間質に軽度の炎症細胞浸潤のみがあり、偽手術群の形態に近い。これは、プラスミノーゲンが虚血再灌流による急性腎損傷モデルマウスの腎損傷を改善できることを示している。
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  1. 有効量の、配列番号2のプラスミノーゲンおよびそれと少なくとも90%のアミノ酸同一性を有するその保存的置換バリアントからなる群から選択されるプラスミノーゲンを含む、化学療法薬物によって引き起こされる被験者の腎組織損傷を予防及び/または治療するための薬物組成物。
  2. 前記薬物は腎毒性薬物である、請求項1に記載の薬物組成物。
  3. 前記薬物は腎臓から***される薬物である、請求項1または2に記載の薬物組成物。
  4. 前記薬物はシスプラチンである、請求項1または2に記載の薬物組成物。
  5. 前記プラスミノーゲンは、損傷した腎組織の修復を促進する、腎臓機能の回復を促進する、損傷した腎組織の線維性を軽減する、及び/または損傷した腎組織のアポトーシスを軽減する、請求項1~4のいずれか1項に記載の薬物組成物。
  6. 前記薬物によって引き起こされる被験者の腎組織損傷は、急性腎組織損傷または慢性腎組織損傷である、請求項1~5のいずれか1項に記載の薬物組成物。
  7. 前記プラスミノーゲンは、腎臓機能の回復を促進する、請求項1~6のいずれか1項に記載の薬物組成物。
  8. 前記プラスミノーゲンは、腎臓による尿素窒素及び/またはクレアチニンの排除を促進する、請求項1~7のいずれか1項に記載の薬物組成物。
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