以下の実施形態は、一般に、点灯システム、照明制御システム、及び照明器具に関する。より詳細には、交流電圧の導通角を変化させる位相制御によって光源を調光する点灯システム、照明制御システム、及び照明器具に関する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の実施形態の一例にすぎない。本発明は、以下の実施形態に限定されず、本発明の効果を奏することができれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
実施形態の点灯システム、照明制御システム、及び照明器具は、主に、イベント会場、店舗、及びオフィスなどで用いられる。特に、実施形態の点灯システム、照明制御システム、及び照明器具は、結婚式の披露宴会場で用いられることが好ましい。また、実施形態の点灯システム、照明制御システム、及び照明器具は、住戸、及び集合住宅などで用いられてもよい。
以下に実施形態を図面に基づいて説明する。
実施形態の照明制御システムA1は、図1に示すように、照明装置1と、調光器2とを備える。そして、照明装置1と調光器2との直列回路が交流電源9の両端間に接続している。交流電源9は、公称電圧100V(又は200V)、周波数50Hz又は60Hzの商用電源である。
調光器2は、交流電源9から照明装置1に供給される交流電圧Vaを位相制御する。つまり、照明装置1は、調光器2によって位相制御された交流電圧Vaを位相制御電圧Vbとして入力される。調光器2が位相制御電圧Vbの半波毎の通電期間である導通角を調整し、照明装置1が導通角に応じて調光を行う。この場合、導通角が、後述の光源12の調光比(調光レベル)の指示値を表す指示情報に相当する。調光器2は、ユーザによって操作される例えばロータリー式又はスライド式の操作部を具備した調光操作卓、又は調光操作卓から出力されたDMX信号を変換した位相制御電圧Vbを出力する調光ユニットであり、ユーザが操作部を操作することで、導通角が調整される。
照明装置1は、調光が可能な照明器具であり、図1に示すように、点灯システム11、及び光源12を備える。本実施形態の点灯システム11は、点灯装置で構成される。点灯システム11と光源12は、共通の筐体に収納されて一体に構成されてもよいし、点灯システム11と光源12は、別体に構成されてもよい。
点灯システム11は、直流電源回路1a、コンバータ1b、位相読取回路1c、制御回路1d、整流回路1e、定電圧回路1f、定電圧回路1g、制御電源1hを備える。直流電源回路1aは、整流回路111、PFC(Power Factor Correction)回路112、及びコンデンサ113を有する。制御電源1hは、第1制御電源101、及び第2制御電源102を備える。
整流回路111は、ダイオードブリッジなどを有する全波整流回路であり、位相制御電圧Vbが入力される。整流回路111は、位相制御電圧Vbを全波整流して、脈流電圧Vcを出力する。図2は脈流電圧Vcの波形を示す。図2の脈流電圧Vcは、位相制御電圧Vbと同様に位相制御されており、半波毎に通電状態となっている期間を導通角θとする。なお、図2において、一点鎖線は、交流電圧Vaを全波整流した全波整流電圧Veの波形を示す。さらに、整流回路111の前段に、フィルタ回路を有していてもよい。フィルタ回路は、例えばノイズ除去用のインダクタ及びコンデンサ、サージアブソーバを有しており、不要な周波数成分(例えば高周波ノイズ)を減衰させる。
PFC回路112は、力率改善機能を有するスイッチング電源回路(力率改善回路)である。PFC回路112は、脈流電圧Vcを入力され、脈流電圧Vcを直流電圧に変換して、直流電圧を出力する。PFC回路112の出力端間には、コンデンサ113が接続されている。コンデンサ113は、PFC回路112から出力された直流電圧を平滑し、コンデンサ113の両端間には直流電圧Vdが生じる。PFC回路112は、半導体スイッチング素子を有する昇圧チョッパ回路、又は昇降圧チョッパ回路などであり、半導体スイッチング素子がオンオフすることによって、脈流電圧Vcが直流電圧Vdに変換される。例えば、PFC回路112は、力率改善機能を有するフライバックコンバータ(PFCフライバックコンバータ)で構成される。また、PFC回路112は、通常のフライバックコンバータ、又はSEPIC回路などの他のスイッチング電源回路でもよい。
図3は、PFC回路112の回路例を示す。図3では、PFC回路112は、トランス112a、スイッチング素子112b、ダイオード112c、駆動回路112d、及びダイオード112e、112fを備えるPFCフライバックコンバータである。トランス112aの一次巻線N1とスイッチング素子112bとの直列回路には、脈流電圧Vcが印加される。スイッチング素子112bは、例えばエンハンスメント形のNチャネルMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)である。脈流電圧Vcに対して、一次巻線N1はハイサイドに配置され、スイッチング素子112bはローサイドに配置される。一次巻線N1の両端間には、回生用のダイオード112cが接続されている。駆動回路112dは、スイッチング素子112bのゲート電圧をHレベル、Lレベルに切り換えることで、スイッチング素子112bのオン、オフを切り換える。トランス112aの二次巻線N2の一端には、ダイオード112eのアノードが接続される。ダイオード112eのカソードは、コンデンサ113の正極に接続される。トランス112aの二次巻線N2の他端は、コンデンサ113の負極に接続される。
そして、駆動回路112dがスイッチング素子112bをオンオフさせることで、トランス112aの一次巻線N1に流れる電流が導通、遮断される。この結果、トランス112aの二次巻線N2に誘起電圧が生じ、ダイオード112eを介してコンデンサ113が充電され、コンデンサ113の両端間には直流電圧Vdが生じる。駆動回路112dは、制御回路1dからの指示に基づいて、スイッチング素子112bをオンオフ駆動することで、直流電圧Vdを電圧目標値に一致させる。駆動回路112dによるスイッチング素子112bのスイッチング制御は、不連続モード、連続モード、及び臨界モードのいずれでもよい。駆動回路112dは、スイッチング素子112bを流れるスイッチング電流のゼロクロス、及びインダクタ電流のピーク値を検出して、スイッチング素子112bのスイッチング制御を行うことが好ましい。
上述のように、直流電源回路1aは、調光器2によって位相制御された位相制御電圧Vbを入力され、直流電圧Vdを出力する。直流電圧Vdの電圧値は、コンバータ1bの出力電圧と、後述の第1制御電圧V11との和よりも十分に大きい値であることが好ましい。
コンバータ1bは、DC/DCコンバータであり、直流電圧Vdを入力されて、光源12に直流の負荷電流(出力電流)Ioを供給する。コンバータ1bは、制御回路1dからの指示に基づいて出力を制御することで、負荷電流Ioの値を電流目標値に一致させる。コンバータ1bは、制御回路1dからの指示によって電流目標値を変化させる。すなわち、コンバータ1bは、制御回路1dから指示された調光比になるように、光源12を調光する。コンバータ1bは、例えば、降圧コンバータ、昇圧コンバータ、昇降圧コンバータ、又は定電流レギュレータなどを有することが好ましい。
光源12は、複数の固体発光素子として、複数のLED(Light Emitting Diode)を具備している。そして、光源12は、コンバータ1bから負荷電流Ioを供給されることで、照明光(光出力)を発する。なお、光源12が有する複数のLEDは、直列接続、又は直列接続及び並列接続されている。
位相読取回路1cは、光源12の調光比の指示値を表す指示情報を外部から受け取る情報取得部に相当する。本実施形態では、位相制御電圧Vbの導通角θが指示情報に相当する。そして、位相読取回路1cは、導通角θを検出して、導通角検出信号Saを出力する。
位相読取回路1cは、位相制御電圧Vbを全波整流し、位相制御電圧Vbの整流電圧を判定基準値とを比較し、比較結果に基づいて生成したPWM(Power Width Modulation)信号(矩形波信号)を出力する。PWM信号は、位相制御電圧Vbに同期したパルス信号であり、PWM信号のオンデューティが導通角θに対応する。具体的に、導通角θが増加すると、PWM信号のオンデューティは増加し、導通角θが減少すると、PWM信号のオンデューティは減少する。
位相読取回路1cは、PWM信号を平滑して、導通角検出信号Saを生成し、導通角検出信号Saを制御回路1dへ出力する。PWM信号のオンデューティは、調光比の指示値に相当する。言い換えると、導通角検出信号Saの電圧値は、導通角θの検出値に相当する。したがって、PWM信号を平滑した導通角検出信号Saの電圧値には、調光比の指示値が反映される。すなわち、調光比の指示値が高いほど、導通角検出信号Saの電圧値は大きくなり、調光比の指示値が低いほど、導通角検出信号Saの電圧値は小さくなる。
位相制御電圧Vbは、ノイズ、リップル、及びサージ電圧などの影響により、瞬時的に変動することがある。そこで、位相読取回路1cは、PWM信号を平滑する平滑回路の時定数を、位相制御電圧Vbの瞬時的な変動を吸収できる値に設定されることが好ましい。この結果、位相制御電圧Vbの瞬時的な変動による光源12のちらつきや誤発光などの不具合を抑制することができる。
制御回路1dは、コンピュータを備えている。このコンピュータがプログラムを実行することによって、制御回路1dの一部又は全部の機能が実現される。コンピュータは、プログラムに従って動作するプロセッサを主なハードウェア構成として備える。プロセッサは、プログラムを実行することによって機能を実現することができれば、その種類は問わない。プロセッサは、半導体集積回路(IC)、又はLSI(large scale integration)を含む一つ又は複数の電子回路で構成される。ここでは、ICやLSIと呼んでいるが、集積の度合いによって呼び方が変わり、システムLSI、VLSI(very large scale integration)、若しくはULSI(ultra large scale integration) と呼ばれるものであってもよい。LSIの製造後にプログラムされる、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、又はLSI内部の接合関係の再構成又はLSI内部の回路区画のセットアップができる再構成可能な論理デバイスも同じ目的で使うことができる。複数の電子回路は、一つのチップに集積されてもよいし、複数のチップに設けられてもよい。複数のチップは一つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に備えられていてもよい。プログラムは、コンピュータが読み取り可能なROM、光ディスク、ハードディスクドライブなどの非一時的記録媒体に記録される。プログラムは、記録媒体に予め格納されていてもよいし、インターネット等を含む広域通信網を介して記録媒体に供給されてもよい。
また、制御回路1dは、制御用ICを備えていてもよい。制御用ICは、プログラムを実行することなく、ICチップに形成された電気回路によって、制御回路1dの一部又は全部の機能を実現する。
制御回路1dは、PFC回路112から直流電圧Vdの検出値を取得する。制御回路1dは、直流電圧Vdが電圧目標値に一致するように、PFC回路112へ電圧制御信号を出力する。PFC回路112では、駆動回路112dが、制御回路1dからの電圧制御信号に基づいて、スイッチング素子112bをオンオフ駆動し、直流電圧Vdの値を電圧目標値に一致させる。
また、制御回路1dは、コンバータ1bから負荷電流Ioの検出値を取得する。そして、制御回路1dは、導通角検出信号Sa、及び負荷電流Ioの検出値に基づいて電流制御信号を生成し、電流制御信号をコンバータ1bへ出力する。
制御回路1dは、導通角検出信号Saの電圧値から導通角θ(調光比の指示値)を読み取り、読み取った導通角θの値に応じて電流目標値を決定する。そして、制御回路1dは、負荷電流Ioの検出値と電流目標値との偏差(差分)が小さくなるように(ゼロに近付くように)、コンバータ1bの動作を制御する。
制御回路1dは、負荷電流Ioを制御して光源12を調光するために、振幅調光、及びバースト調光などの少なくとも1つを行う。振幅調光は、負荷電流Ioを光源12へ連続的に供給し、負荷電流Ioの大きさを制御することで、光源12の調光比を制御する。この場合、コンバータ1bの制御パラメータは、負荷電流Ioの大きさになる。バースト調光は、負荷電流Ioを光源12へ間欠的に供給し、負荷電流Ioを光源12へ供給するオン期間をPWM制御することで、光源12の調光比を制御する。この場合、コンバータ1bの制御パラメータは、負荷電流Ioを光源12へ供給するオン期間になる。また、制御回路1dは、コンバータ1bのスイッチング素子をスイッチング制御する場合、一般的に数十kHz~数百kHzの高周波でスイッチングさせることが好ましい。また、制御回路1dは、バースト調光を行う場合、数十kHz~数百kHzよりも低い低周波で、負荷電流Ioを間欠的に出力させることが好ましい。また、制御回路1dは、光源12の調光方法として、振幅調光、及びバースト調光以外を用いてもよく、光源12の調光方法は、特定の調光方法に限定されない。
すなわち、制御回路1dは、負荷電流Ioの検出値と電流目標値との偏差が小さくなるように制御パラメータを調整し、コンバータ1bを制御するフィードバック制御を行う。この結果、光源12の調光比が指示値になるように、負荷電流Ioが制御される。なお、導通角θが大きいほど調光比の指示値は高いので、導通角θが大きいほど電流目標値は大きくなる。また、導通角θが小さいほど調光比の指示値は低いので、導通角θが小さいほど電流目標値は小さくなる。調光比は、0~100%の範囲内の値をとる。調光比0%であれば、光源12は消灯する。調光比100%であれば、光源12は全点灯する。本実施形態では、制御回路1dは、光源12の点灯時には、調光比1%~100%の範囲内で調光比を制御することができる。この場合、光源12の点灯時に、点灯システム11が調整可能な調光比の下限値(調光下限値)は1%になる。なお、調光下限値は、特定の値に限定されない。
次に、点灯システム11の制御電圧について説明する。制御電源1hは、電圧V1、V2、V3を入力され、第1制御電圧V11、及び第2制御電圧V12を出力する。
具体的に、整流回路1eは、位相制御電圧Vbを全波整流し、位相制御電圧Vbの全波整流電圧を出力する。定電圧回路1fは、整流回路1eの出力(位相制御電圧Vbの全波整流電圧)を入力され、直流の電圧V1を第1制御電源101へ出力する。定電圧回路1fは、例えばシリーズレギュレータ又はシャントレギュレータなどのリニアレギュレータで構成され、電圧V1を一定の電圧値に定電圧制御する。リニアレギュレータは、抵抗、トランジスタ、コンデンサ、及びツェナダイオードなどを有する。
PFC回路112は、脈流電圧Vcを直流電圧Vdに変換する電力変換処理を実行しているときに、パルス状の電圧V2を出力する。本実施形態のPFC回路112は、起動後の定常期間では、スイッチング素子112bをオンオフすることによってトランス112aの一次巻線N1に流れる電流を導通、遮断する(図3参照)。そして、トランス112aの制御巻線N3(図3参照)に生じる誘起電圧が、ダイオード112fを介して電圧V2として第1制御電源101へ出力される。
定電圧回路1gは、コンデンサ113の両端電圧である直流電圧Vdを入力され、直流の電圧V3を第1制御電源101へ出力する。定電圧回路1gは、例えばシリーズレギュレータ又はシャントレギュレータなどのリニアレギュレータで構成され、電圧V3を一定の電圧値に定電圧制御する。リニアレギュレータは、抵抗、トランジスタ、コンデンサ、及びツェナダイオードなどを有する。
第1制御電源101は、上述の3系統の電圧V1、V2、V3を入力されて、3系統の電圧V1、V2、V3のいずれかを用いて、直流の第1制御電圧V11を生成する。本実施形態では、3系統の電圧V1、V2、V3の大小関係は、V2>V1、かつ、V2>V3となる。第1制御電源101は、第1制御電圧V11を一定の電圧値に定電圧制御する。第1制御電圧V11は、PFC回路112及びコンバータ1bの各動作電源になる。例えば、第1制御電圧V11は、PFC回路112及びコンバータ1bの各スイッチング素子(FET、バイポーラトランジスタなど)の駆動電圧になる。第1制御電圧V11は、部品の発熱など考慮し、PFC回路112及びコンバータ1bの各スイッチング素子を駆動可能な最小限の電圧値であることが望ましい。
図4は、第1制御電源101の回路例を示す。図4では、第1制御電源101は、ダイオード121、122、コンデンサ123、抵抗124、ツェナダイオード125、トランジスタ126、及びコンデンサ127を有する。
ダイオード121のアノードは、定電圧回路1fの出力に接続され、ダイオード121のカソードは、コンデンサ123の正極に接続される。ダイオード122のアノードは、定電圧回路1gの出力に接続され、ダイオード122のカソードは、コンデンサ123の正極に接続される。すなわち、コンデンサ123は、ダイオード121を介して電圧V1を印加され、ダイオード122を介して電圧V3を印加される。さらに、コンデンサ123は、電圧V2を印加される。本実施形態では、コンデンサ123の両端間に、15~25V程度の直流電圧が発生する。
抵抗124とツェナダイオード125との直列回路は、コンデンサ123に並列接続される。抵抗124の一端は、コンデンサ123の正極に接続され、抵抗124の他端は、ツェナダイオード125のカソードに接続される。ツェナダイオード125のアノードは、コンデンサ123の負極に接続される。トランジスタ126は、npn型のバイポーラトランジスタであり、ツェナダイオード125のカソードは、トランジスタ126のベースに接続される。トランジスタ126のコレクタは、コンデンサ123の正極に接続され、トランジスタ126のエミッタは、コンデンサ127の正極に接続される。コンデンサ127の負極は、コンデンサ123の負極に接続される。
上述の第1制御電源101では、コンデンサ127の両端間に、ツェナダイオード125のツェナ電圧にほぼ等しい電圧が発生する。そして、第1制御電源101は、コンデンサ127の両端電圧を第1制御電圧V11として出力する。本実施形態では、第1制御電圧V11(コンデンサ127の両端電圧)として、12V程度の直流電圧が発生する。
第2制御電源102は、第1制御電圧V11を入力され、第2制御電圧V12を出力する。第2制御電圧V12は、制御回路1dの動作電源になる。第2制御電源102は、例えばシリーズレギュレータ又はシャントレギュレータなどのリニアレギュレータで構成され、第2制御電圧V12を一定の電圧値に定電圧制御する。第2制御電圧V12は、制御回路1dが動作可能となる電圧値であればよい。特に、第2制御電圧V12は、部品の発熱など考慮し、制御回路1dが動作可能となる最小限の電圧値であることが望ましい。本実施形態では、第2制御電圧V12は、5V程度の直流電圧である。
そして、交流電源9から調光器2を介して点灯システム11への電力供給が開始された直後の始動期間では、PFC回路112が動作しておらず、電圧V1、V2、V3のうち電圧V1のみが生成される。第1制御電源101は、電圧V1から第1制御電圧V11を生成し、第2制御電源102は、第2制御電圧V12を生成する。第1制御電圧V11が生成されると、PFC回路112及びコンバータ1bは、各動作を開始することができる。第2制御電圧V12が生成されると、制御回路1dが動作を開始する。制御回路1dは、PFC回路112を制御し、PFC回路112は、直流電圧Vdの出力を開始する。直流電圧Vdが出力され、直流電圧Vdが電圧目標値に達すると、制御回路1dは、コンバータ1bを制御し、コンバータ1bは、負荷電流Ioの出力を開始する。
さらに、PFC回路112が動作を開始すると、スイッチング素子112bのオンオフによって、トランス112aの制御巻線N3に誘起電圧が生じ(図3参照)、電圧V2が生成される。制御巻線N3は、第1制御電圧V11及び第2制御電圧V12を生成可能な誘起電圧が発生するように設計される。そして、第2制御電圧V12が出力されて、始動期間から定常期間に移行すると、定電圧回路1fは電圧V1の出力を停止し、第1制御電源101は、電圧V2から第1制御電圧V11を生成する。すなわち、第1制御電源101は、始動期間では電圧V1から第1制御電圧V11を生成し、定常期間では電圧V2から第1制御電圧V11を生成する。
なお、第1制御電源101は、始動期間及び定常期間の両方において、電圧V1から第1制御電圧V11を生成してもよい。また、第1制御電源101は、定常期間において、電圧V1、V2の両方を用いて第1制御電圧V11を生成してもよい。
定常期間において、制御回路1dは、直流電圧Vdの値を電圧目標値に一致させる。また、定常期間において、制御回路1dは、光源12の調光比が調光器2による調光比の指示値になるように、負荷電流Ioを制御する。
次に、調光器2によってフェードアウト(調光オフ動作)を指示された点灯システム11の動作について説明する。
ユーザが調光器2の操作部を操作することで、調光比を徐々に低下させて光源12を消灯させるフェードアウトが指示される。以降、フェードアウトを指示するための調光器2の操作をフェードアウト操作と呼ぶ。調光器2に対してフェードアウト操作が行われると、導通角θが徐々に減少し、導通角検出信号Saの電圧値は徐々に低下する。そして、制御回路1dは、負荷電流Ioが徐々に0(ゼロ)にまで減少するようにコンバータ1bを制御するフェードアウト制御を行う。この結果、光源12の調光比が徐々に低下して、光源12は消灯し、光源12の光出力はフェードアウトする。
調光器2に対してフェードアウト操作が行われると、導通角θが徐々に減少し、脈流電圧Vcの実効値は徐々に低下する。そして、負荷電流IoがIo(1%)未満にまで低下すると(光源12の調光比が調光下限値未満にまで低下すると)、脈流電圧Vcの実効値が過度に低くなることで、PFC回路112は動作を停止し、PFC回路112の出力電圧は0になる。
すなわち、調光器2に対してフェードアウト操作が行われ、負荷電流IoがIo(1%)未満にまで低下すると、位相制御電圧Vbの実効値は、PFC回路112が動作不能になる値にまで低下する。この結果、本実施形態とは異なる比較例(電圧V3を用いずに、電圧V1、V2のみを用いて制御電圧を生成する点灯システム)では、フェードアウトする光源12の;光出力が、調光下限値付近で急激に0(ゼロ)になって、人の目には、光源12が唐突に消灯したと感じられることがあった。このような光出力の急激な変化は、人に違和感を覚えさせる。しかしながら、舞台又はイベントなどの演出照明の分野では、フェードアウト操作時に、光源が消灯するまで人の目に違和感なく滑らかに光出力が減少したように感じさせる必要がある。例えば、40Wクラスの照明システムでは、フェードアウト操作時に調光比が1%以下になっても、光源が消灯するまで光出力を徐々に減少させることが求められる。しかしながら、位相制御電圧を入力とする点灯システムでは、フェードアウト操作時に調光比が1%以下になると、光源が消灯するまで光出力を徐々に減少させることは困難であった。
一方、本実施形態のフェードアウト制御について、図5を用いて説明する。図5は、導通角検出信号Sa、及び負荷電流Ioの各波形を示す。この場合、導通角検出信号Saが調光比の指示値に対応し、負荷電流Ioが光源12の光出力に対応する。時間t0でフェードアウト操作が開始されると、導通角検出信号Saの電圧値が低下し、負荷電流Ioが減少する。制御回路1dは、光源12の光出力をフェードアウトさせるときに、負荷電流Ioの値がIo(1%)以上である期間を、追従フェード期間Taとする。さらに、制御回路1dは、光源12の光出力をフェードアウトさせるときに、負荷電流Ioの値がIo(1%)未満になってから光源12を消灯させるまでの期間を、固定フェード期間Tbとする。Io(1%)は、調光下限値に対応する負荷電流Ioの値である。
追従フェード期間Taでは、PFC回路112が動作しており、直流電圧Vdは電圧目標値を維持している。そして、制御回路1dは、追従フェード期間Taにおいて、導通角検出信号Saの電圧値に基づいて制御パラメータを随時更新しながら、フェードアウト制御を行う。このとき、制御回路1dは、人の目には光出力が滑らかに減少していると見えるように、追従フェード期間Taに亘って負荷電流Ioを滑らかに減少させる。制御回路1dは、一例として演出分野で用いられている2.3乗カーブ、2.7乗カーブ、又は3.7乗カーブなどを用いて、追従フェード期間Taに亘って負荷電流Ioを減少させる。
導通角検出信号Saの電圧値がさらに低下すると、固定フェード期間Tbでは、PFC回路112が動作を停止する。しかし、PFC回路112が動作を停止した直後では、コンデンサ113には電荷が蓄積されており、PFC回路112が動作を停止した直後の直流電圧Vdは、電圧目標値を維持している。そこで、制御回路1dは、固定フェード期間Tbではコンデンサ113の充電電力を用いて、光源12が消灯するまで光源12の光出力を滑らかに減少させて、フェードアウト制御を完了させる。すなわち、制御回路1dは、固定フェード期間Tbにおいて、直流電圧Vd(コンデンサ113の充電電力)を用いてコンバータ1bを制御する。コンバータ1bは、固定フェード期間Tbにおいて、直流電圧Vd(コンデンサ113の充電電力)を用いて光源12に点灯電力を供給する。
具体的に、制御回路1dは、固定フェード期間Tbでは、コンバータ1bの制御パラメータを固定して、コンデンサ113の正極を光源12の正極に電気的に接続し、コンデンサ113の負極を光源12の負極に電気的に接続する。すなわち、光源12には、コンデンサ113の両端電圧である直流電圧Vdが連続的に印加され、コンデンサ113の充電電力が光源12に放電される。この結果、固定フェード期間Tbでは、負荷電流Ioは、人の目には光出力が滑らかに減少していると見えるように滑らかに0(ゼロ)まで減少する。したがって、点灯システム11は、フェードアウト操作時に、光源12が消灯するまで人の目に違和感なく滑らかに光出力が減少したように感じさせることができる。
また、制御回路1dは、固定フェード期間Tbでは、コンバータ1bの制御パラメータを更新しながら、コンバータ1bを制御してもよい。すなわち、制御回路1dは、固定フェード期間Tbにおいて、負荷電流Ioを制御しながら、コンデンサ113の充電電力を放電させる。この固定フェード期間Tbでは、制御回路1dは、予め決められた調光カーブとなるように、予め決められた制御パターンにしたがって制御パラメータを変化させる。また、制御回路1dは、固定フェード期間Tbでは制御パラメータをフィードバック制御してもよい。この結果、固定フェード期間Tbでは、負荷電流Ioは、人の目には光出力が滑らかに減少していると見えるように滑らかに0(ゼロ)まで減少する。したがって、点灯システム11は、フェードアウト操作時に、光源12が消灯するまで人の目に違和感なく滑らかに光出力が減少したように感じさせることができる。
上記説明では、ユーザが調光器2の操作部をゆっくり操作しており、位相制御電圧Vbの導通角θがゆっくり減少している。しかしながら、ユーザが調光器2の操作部を速く操作して、位相制御電圧Vbの導通角θが急激に低下すると、負荷電流Io(光出力)の減少量が導通角θの減少量に追従しないことがある。そこで、制御回路1dは、導通角θが急激に減少したときの制御パラメータの更新量を、導通角θがゆっくり減少しているときの制御パラメータの更新量より大きくする。すなわち、制御回路1dは、フェードアウト制御を行うとき、光出力の減少が導通角θの減少に追従していない場合の制御パラメータの更新量を、光出力の減少が導通角θの減少に追従している場合の制御パラメータの更新量より大きくする。なお、制御パラメータの更新量とは、制御回路1dが続けて設定した2つの制御パラメータの差分である。
図3のPFC回路112では、ユーザが調光器2の操作部を速く操作すると、位相制御電圧Vbの実効値が急激に低下する。この結果、制御回路1dは、スイッチング素子112bのオンデューティを急激に大きくすることで、直流電圧Vdを電圧目標値に一致させる。したがって、制御回路1dは、スイッチング素子112bのオンデューティが急激に大きくなれば、導通角θが急激に減少して、光出力の減少が導通角θの減少に追従できないと判定できる。そこで、制御回路1dは、スイッチング素子112bのオンデューティの単位時間当たりの減少量が閾値を上回ると、制御パラメータの更新量を増大させる。制御パラメータの更新量が大きくなると、コンバータ1bは、負荷電流Ioを急激に減少させることができ、光出力の減少が導通角θの減少に追従する。
例えば、制御回路1dは、バースト調光を行う場合、負荷電流Ioを間欠的に光源12へ供給するオン期間の大きさを、制御パラメータとして制御する。この場合、制御回路1dは、追従フェード期間Taにおいて、光出力の減少が導通角θの減少に追従していない場合のオン期間の更新量(オン期間の単位時間当たりの減少量)を、光出力の減少が導通角θの減少に追従している場合のオン期間の更新量より大きくする。
また、制御回路1dは、振幅調光を行う場合、負荷電流Ioの大きさを制御パラメータとして制御する。この場合、制御回路1dは、追従フェード期間Taにおいて、光出力の減少が導通角θの減少に追従していない場合の負荷電流Ioの更新量(負荷電流Ioの単位時間当たりの減少量)を、光出力の減少が導通角θの減少に追従している場合の負荷電流Ioの更新量より大きくする。
さらに、制御回路1dは、バースト調光及び振幅調光を切り換えてもよい。例えば、制御回路1dは、光源12の調光比が所定値以上であれば、振幅調光を行う。また、制御回路1dは、光源12の調光比が所定値未満であれば、バースト調光を行う。したがって、制御回路1dは、追従フェード期間Taにおいて、光出力の減少が導通角θの減少に追従していない場合の負荷電流Ioの更新量(オン期間の単位時間当たりの減少量、又は負荷電流Ioの単位時間当たりの減少量)を、光出力の減少が導通角θの減少に追従している場合の負荷電流Ioの更新量より大きくする。
したがって、ユーザが調光器2の操作部を速く操作して、導通角θが急激に減少した場合でも、光出力は導通角θの減少に追従して減少する。この結果、調光器2の速いフェードアウト操作にも追従できるフェードアウト制御が実現される。
次に、フェードアウト制御における第1制御電圧V11及び第2制御電圧V12の生成処理について説明する。
フェードアウト制御の追従フェード期間Taでは、直流電圧Vdは電圧目標値を維持しており、電圧V1、V2は定常期間の値を維持する。したがって、制御電源1hは、追従フェード期間Taでは、電圧V1又は電圧V2から第1制御電圧V11、及び第2制御電圧V12を生成できる。例えば、制御電源1hは、追従フェード期間Taの前半では、電圧V2から第1制御電圧V11、及び第2制御電圧V12を生成し、追従フェード期間Taの後半では、電圧V1から第1制御電圧V11、及び第2制御電圧V12を生成する。
しかしながら、光源12の調光比が調光下限値未満にまで低下し(負荷電流IoがIo(1%)未満にまで低下し)、追従フェード期間Taから固定フェード期間Tb(第1期間)に移行すると、位相制御電圧Vbの実効値の低下によって、電圧V1、V2も低下する。したがって、第1制御電源101は、電圧V1、V2から第1制御電圧V11及び第2制御電圧V12を生成できなくなる。
すなわち、調光器2に対してフェードアウト操作が行われ、光源12の調光比が調光下限値未満にまで低下すると、固定フェード期間Tbの電圧V1は、第1制御電源101が動作不能になる値にまで低下する。また、光源12の調光比が調光下限値未満にまで低下すると、PFC回路112は動作を停止し、固定フェード期間Tbの電圧V2は、第1制御電源101が動作不能になる値にまで低下する。
そこで、本実施形態の点灯システム11では、光源12の光出力をフェードアウトさせるときに、電圧V1、V2が電圧V3よりも低下すると、第1制御電源101は、電圧V3を用いて第1制御電圧V11を生成する。
さらに、フェードアウト操作によって光源12の調光比が調光下限値未満にまで低下して、PFC回路112が動作を停止しても、コンデンサ113には電荷が蓄積されている。PFC回路112が動作を停止した直後の直流電圧Vdは、電圧目標値を維持している。したがって、フェードアウト制御時に、第1制御電源101は、電圧V3を用いて第1制御電圧V11を生成することができる。
この結果、点灯システム11は、光源12の光出力をフェードアウトさせる際に、電圧V1、V2が低下し、さらにPFC回路112が動作を停止しても、第1制御電圧V11及び第2制御電圧V12を暫くの間確保することができる。
この場合、コンデンサ113の容量C1は、以下の式1を満たす値に設定される。なお、直流電圧Vdの電圧目標値をVd1とする。さらに、固定フェード期間Tbの時間長さをTb1とする。また、固定フェード期間Tbにおける負荷電流Io、並びに定電圧回路1g、第1制御電源101、第2制御電源102、及び制御回路1dなどの各動作に必要なコンデンサ113の放電電流の平均値をI1とする。
C1≧I1・Tb1/Vd1 ……… (式1)。
コンデンサ113の容量を、上述の式1を満たす容量C1とすることで、制御回路1dは、固定フェード期間Tbに亘ってコンバータ1bを制御できる。すなわち、制御電源1hは、フェードアウト制御時に、少なくとも光源12が消灯するまで、第1制御電圧V11を、PFC回路112及びコンバータ1bを駆動可能な値に維持できる。さらに、制御電源1hは、フェードアウト制御時に、少なくとも光源12が消灯するまで、第2制御電圧V12を制御回路1dが動作可能な値に維持できる。
図6は、第1制御電源101が、電圧V3を用いずに、電圧V1、V2のみを用いて第1制御電圧V11及び第2制御電圧V12を生成した場合の各部の波形を示す。図6では、直流電圧Vd、第1制御電圧V11、及び負荷電流Ioの各波形を示す。
時間t10でフェードアウト操作が開始されると、位相制御電圧Vbの実効値が低下し、直流電圧Vd及び第1制御電圧V11も低下する。時間t10から時間t11までは、第1制御電源101が、電圧V1又は電圧V2を用いて第1制御電圧V11を生成しており、第1制御電圧V11は、コンバータ1b及び制御回路1dをそれぞれ動作させることができる値となる。したがって、時間t10から時間t11までは、制御回路1dは、コンバータ1bを制御して、負荷電流Ioを徐々に低下させることができる。しかし、時間t11では、第1制御電圧V11の過度の低下によって、第2制御電圧V12も低下する。この結果、制御回路1dが動作を停止し、コンバータ1bの動作が停止する。コンバータ1bの動作が停止すると、負荷電流Ioが急激に0(ゼロ)にまで低下する。この結果、人の目には、光源12が唐突に消灯したと感じられる。
一方、図7は、第1制御電源101が、電圧V1、V2、V3を用いて第1制御電圧V11を生成した場合の各部の波形を示す。図7では、直流電圧Vd、第1制御電圧V11、及び負荷電流Ioの各波形を示す。
時間t10でフェードアウト操作が開始されると、位相制御電圧Vbの実効値が低下し、直流電圧Vd及び第1制御電圧V11も低下する。第1制御電源101は、時間t10から時間t11までは、電圧V1又は電圧V2を用いて第1制御電圧V11を生成する。さらに、第1制御電源101は、時間t11以降では、電圧V3を用いて第1制御電圧V11を生成する。したがって、時間t11以降も、第1制御電源101は第1制御電圧V11を生成でき、第2制御電源102は第2制御電圧V12を生成でき、制御回路1dはコンバータ1bを制御できる。時間t11以降も、制御回路1dは、コンバータ1bを制御することで、光源12が消灯するまで光源12の光出力を滑らかに減少させて、フェードアウト制御を完了させることができる(時間t12)。
つまり、制御電源1hは、フェードアウト制御が行われると、光源12の消灯タイミング(時間t12)を含む所定期間では、直流電圧Vdから第1制御電圧V11及び第2制御電圧V12を生成できる。上述の式1において、「C1=I1・Tb1/Vd1」であれば、制御電源1hは、フェードアウト制御が行われると、固定フェード期間Tbに亘って、直流電圧Vdから第1制御電圧V11及び第2制御電圧V12を生成できる。また、上述の式1において、「C1>I1・Tb1/Vd1」であれば、制御電源1hは、フェードアウト制御が行われると、固定フェード期間Tb+α(図7参照)に亘って、直流電圧Vdから第1制御電圧V11及び第2制御電圧V12を生成できる。
上述のように、制御回路1dは、フェードアウト制御を行う場合、直流電圧Vdが、光源12の点灯を可能とする最小の電圧値VL1(図7参照)に低下するまでに、コンバータ1bを制御して光源12を消灯させる。したがって、点灯システム11は、交流電圧Vaの位相制御によって光出力をフェードアウトさせる際に、光出力を滑らかに変化させることができる。
また、点灯システム11は、交流電圧Vaの位相制御によって光源12の光出力をフェードアウトさせる際に、少なくとも光源12が消灯するまで、第1制御電圧V11、及び第2制御電圧V12の各値を維持できる。したがって、点灯システム11は、フェードアウト制御時に、少なくとも光源12が消灯するまでは、制御回路1dの動作を維持することができる。
(変形例)
位相読取回路1cは、PWM信号を平滑せずに、PWM信号を導通角検出信号Saとして出力してもよい。この場合、制御回路1dは、導通角検出信号Saを読み取る際に移動平均処理を行うことが好ましい。
また、位相読取回路1cは、時定数が異なる2つの平滑回路を有していてもよい。この場合、時定数が大きい平滑回路は、導通角θの変化に対する感度が低い第1導通角検出信号を制御回路1dへ出力することができる。さらに、時定数が小さい平滑回路は、導通角θの変化に対する感度が高い第2導通角検出信号を制御回路1dへ出力することができる。そして、制御回路1dは、第1導通角検出信号及び第2導通角検出信号を用いることで、導通角θの大小に関わらず、コンバータ1bを精度よく制御できる。
なお、光源12が有する複数の固体発光素子の各々は、LEDに限らず、有機EL(Organic Electro Luminescence、OEL)、又は無機ELなどの他の固体発光素子であってもよい。また、固体発光素子の数は、複数に限らず、1つであってもよい。複数の固体発光素子の電気的な接続関係は、直列接続、並列接続のいずれであってもよいし、直列接続と並列接続とを組み合わせた接続関係であってもよい。
また、光源12が白熱灯などを有する場合、制御回路1dは、コンバータ1bの出力電圧の大きさを制御することで、光源12の調光比を制御する。この場合、コンバータ1bの制御パラメータは、コンバータ1bの出力電圧の大きさになる。
(照明器具)
図8は、天井パネルに設置された給電ダクト4に取り付けられる照明器具B1を示す。照明器具B1は、給電ダクト4に固定される固定部31と、光源12を保持した筐体32とを備える。筐体32は、円柱形状であって、光源12の光を軸方向の一面から出射させる。点灯システム11は、固定部31又は筐体32に収納される。また、点灯システム11は、固定部31及び筐体32に分散して収納されてもよい。照明器具B1の点灯システム11には、給電ダクト4内の導電体(図示せず)を介して、位相制御電圧Vbが入力される。
さらに、筐体32は、固定部31に対して回転可能に連結されている。具体的に説明すると、照明器具B1は、第1連結部33と、第2連結部34とを備える。第1連結部33は、固定部31に対して鉛直方向の周りに回転可能に連結される。第2連結部34は、第1連結部33に対して筐体32を水平方向の周りに回転可能に連結する。つまり、固定部31に対して第1連結部33を回転させることで、筐体32の水平方向の向きを変更することができる。また、第2連結部34によって筐体32を回転させることで、筐体32の鉛直方向の向きを変更することができる。
以上のように、実施形態に係る第1の態様の点灯システム(11)は、直流電源回路(1a)と、コンバータ(1b)と、位相読取回路(1c)と、制御回路(1d)と、を備える。直流電源回路(1a)は、導通角(θ)が可変に設定された交流電圧(Va)である位相制御電圧(Vb)を直流電圧(Vd)に変換する。コンバータ(1b)は、直流電圧(Vd)を入力され、光源(12)に点灯電力を供給する。位相読取回路(1c)は、導通角(θ)を検出する。制御回路(1d)は、導通角(θ)の検出値に応じて少なくともコンバータ(1b)を制御し、導通角(θ)の検出値が小さいほど光源(12)の調光比を低くする調光制御を行う。そして、制御回路(1d)は、調光制御として、光源(12)の光出力をフェードアウトさせるフェードアウト制御を行う場合、直流電圧(Vd)が、光源(12)の点灯を可能とする最小の電圧値(VL1)に低下するまでに、コンバータ(1b)を制御して光源(12)を消灯させる。
上述の点灯システム(11)は、交流電圧(Va)の位相制御によって光出力をフェードアウトさせる際に、光出力を滑らかに変化させることができる。したがって、点灯システム(11)は、フェードアウト操作時に、光源(12)が消灯するまで人の目に違和感なく滑らかに光出力が減少したように感じさせることができる。
また、実施形態に係る第2の態様の点灯システム(11)では、第1の態様において、制御回路(1d)がフェードアウト制御を行うときに、調光比が調光下限値未満になってから光源(12)を消灯させるまでの期間を固定フェード期間(Tb)とする。制御回路(1d)は、固定フェード期間(Tb)において、直流電圧(Vd)を用いてコンバータ(1b)を制御することが好ましい。コンバータ(1b)は、固定フェード期間(Tb)において、直流電圧(Vd)を用いて光源(12)に点灯電力を供給することが好ましい。
上述の点灯システム(11)は、コンデンサ(113)の充電電力を用いて、固定フェード期間(Tb)において、光源(12)が消灯するまでの点灯電力(負荷電流(Io))を確保することができる。また、点灯システム(11)は、固定フェード期間(Tb)にコンデンサ(113)の電荷を放電させることによって、光源(12)が消灯に至るまで光出力を滑らかに変化させることができる。
また、実施形態に係る第3の態様の点灯システム(11)では、第2の態様において、制御回路(1d)がフェードアウト制御を行うときに、固定フェード期間(Tb)より前の期間を追従フェード期間(Ta)とする。そして、制御回路(1d)は、追従フェード期間(Ta)では、コンバータ(1b)の制御パラメータを更新することで光源(12)の光出力を減少させることが好ましい。
上述の点灯システム(11)は、追従フェード期間(Ta)において、導通角(θ)の減少に合わせて、光出力を滑らかに減少させることができる。
また、実施形態に係る第4の態様の点灯システム(11)では、第3の態様において、制御回路(1d)は、フェードアウト制御を行うとき、光出力の減少が導通角(θ)の減少に追従していない場合の制御パラメータの更新量を、光出力の減少が導通角(θ)の減少に追従している場合の制御パラメータの更新量より大きくすることが好ましい。
上述の点灯システム(11)では、調光器(2)の速いフェードアウト操作にも追従できるフェードアウト制御が実現される。
また、実施形態に係る第5の態様の点灯システム(11)では、第3又は第4の態様において、制御回路(1d)は、調光制御として、光源(12)に点灯電力を間欠的に供給するオン期間を調整するバースト調光を行う。制御パラメータの更新量は、コンバータ(1b)が光源(12)に点灯電力を供給するオン期間の減少量であることが好ましい。
上述の点灯システム(11)では、バースト調光を採用した場合に、調光器(2)の速いフェードアウト操作にも追従できるフェードアウト制御が実現される。
また、実施形態に係る第6の態様の点灯システム(11)では、第3又は第4の態様において、制御回路(1d)は、調光制御として、コンバータ(1b)の出力電流(Io)又は出力電圧(Vo)の大きさを調整する振幅調光を行う。制御パラメータの更新量は、出力電流(Io)又は出力電圧の大きさの減少量であることが好ましい。
上述の点灯システム(11)は、振幅調光を採用した場合に、調光器(2)の速いフェードアウト操作にも追従できるフェードアウト制御が実現される。
また、実施形態に係る第7の態様の点灯システム(11)では、第3又は第4の態様において、制御回路(1d)は、調光制御として、光源(12)に点灯電力を間欠的に供給するオン期間を調整するバースト調光、及びコンバータ(1b)の出力電流(Io)又は出力電圧の大きさを調整する振幅調光を組み合わせて行う。制御パラメータの更新量は、コンバータ(1b)が光源(12)に点灯電力を供給するオン期間の減少量、及び出力電流(Io)又は出力電圧の大きさの減少量であることが好ましい。
上述の点灯システム(11)は、バースト調光及び振幅調光を採用した場合に、調光器(2)の速いフェードアウト操作にも追従できるフェードアウト制御が実現される。
また、実施形態に係る第8の態様の照明制御システム(A1)は、交流電源(9)に接続された第1乃至第7の態様のいずれか一つの点灯システム(11)と調光器(2)との直列回路を備える。調光器(2)は、導通角(θ)が可変に設定された交流電圧(Va)である位相制御電圧(Vb)を点灯システム(11)へ出力する。
上述の照明制御システム(A1)は、交流電圧(Va)の位相制御によって光出力をフェードアウトさせる際に、光出力を滑らかに変化させることができる。
また、実施形態に係る第9の態様の照明器具(B1)は、第1乃至第7の態様のいずれか一つの点灯システム(11)と、点灯システム(11)から点灯電力を供給される光源(12)と、少なくとも光源(12)が支持される筐体(32)と、を備える。
上述の照明器具(B1)は、交流電圧(Va)の位相制御によって光出力をフェードアウトさせる際に、光出力を滑らかに変化させることができる。
また、上述の実施形態及び変形例は一例である。このため、本発明は、上述の実施形態及び変形例に限定されることはなく、この実施形態及び変形例以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。