JP7238873B2 - 二次電池およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は二次電池およびその製造方法に関する。
二次電池は、いわゆる蓄電池ゆえ充電・放電の繰り返しが可能であり、様々な用途に用いられている。例えば、携帯電話、スマートフォンおよびノートパソコンなどのモバイル機器に二次電池が用いられている。
二次電池は、従来より、正極、負極および正極と負極との間に配置されるセパレータを含む電極組立体;開口部を有し、かつ電極組立体を収納する外装体;および前記開口部を覆う蓋体を備えた構造を有することが一般的である(特許文献1~5)。
特開2010-140715号公報 国際公開(WO)第2015/146078号公報 特開2008-161904号公報 特開2016-38991号公報 特開2000-30675号公報
本願発明者は、従来の二次電池では克服すべき課題があることに気付き、そのための対策を取る必要性を見出した。詳しくは、以下の課題があることを本願発明者は見出した。
例えば、特許文献1~4の二次電池においては、外装体および蓋体はいずれも金属から構成されるため、それらの接合構造が複雑であったり、かつ/または二次電池の信頼性が比較的低かった。その結果、接合が煩雑であり、接合コストが比較的高かった。より詳しくは、外装体と蓋体との接合には、特許文献1のような巻き締め方式、または特許文献2のようなガスケットを挟んだ加締め方式が採用される。巻き締め方式としては、特許文献3のように内側に巻き締める方式もある。最近では電池の小型化に伴い、特許文献4のように外装体と蓋体とをレーザ溶接で接合する方式が一般になってきている。
巻き締め方式は外装体および蓋体の両方の縁を加締め用の形状に成形する必要があり、且つ2段階以上の加締め加工が必要となる。このため、接合構造が複雑であり、その結果、接合が煩雑であり、接合コストが比較的高かった。
ガスケットを挟んだ加締める方式は巻き締め方式に比べて加締め加工は容易となるが、部品代が増え、ガスケットの品質管理が重要となる。
レーザ溶接は、設備費が高く、レーザ加工による発熱及びスパッタ(溶接中に発生するスラグや金属粒)の発生による影響、特に電池の場合、内部セパレータの溶解による正・負極の短絡、電解液の変容等が発生し、加工品質管理の精度が必要であった。このため、二次電池の信頼性が比較的低く、その結果、接合が煩雑であり、接合コストが比較的高かった。
また例えば、特許文献5の二次電池においては、外装体は金属から構成され、蓋体は樹脂から構成されているものの、それらの接合構造が複雑であったり、かつ/または二次電池の信頼性が比較的低かった。その結果、接合が煩雑であり、接合コストが比較的高かった。詳しくは、外装体と蓋体との気密は、Oリングとパッキンを介して、外装体における開口部の周縁を加締めることにより達成される。より詳しくは、Oリングとパッキンは弾性体である必要があり、ゴム材質となり、ゴム材質は電解液に対する耐性が低いため長期信頼性が低くなる。さらには、このような外装体と蓋体との気密(すなわち接合)は、断面視にて、蓋体の上面で、パッキンを弾性圧縮することにより達成される。特に、弾性圧縮の方向は、外装体のアキシャル方向(すなわち、蓋体の厚み方向)である。このような接合構造は、複雑であるだけでなく、外装体のアキシャル方向(すなわち、蓋体の厚み方向)の弾性圧縮を利用したものであるため、密閉信頼性は低いものであった。
また従来の二次電池において、正極タブおよび負極タブ(集電体)は、一般的に、外装体に対しては抵抗溶接または超音波溶接で接合し、蓋体に対しては、蓋体に個別に接合する外部端子にレーザ溶接、超音波溶接、または抵抗溶接で接合する。このため、外部端子への接合は手間がかかり、接合コストが高かった。また、外部端子という別部品を構成させる必要があり、その分の構成スペースが必要となり、電池の容量確保のスペースが減り、電池の形状体積に対する電池容量の割合が悪くなった。さらに、正極タブおよび負極タブ(集電体)の外部端子への接合は溶接を伴うため、超音波溶接であれば、超音波による金属屑発生による汚染、レーザ溶接であればスパッタ飛散による汚染が発生し、電解液に混入し、特性、信頼性に悪影響を与えた。
本発明は、外装体と蓋体との接合構造が相対的に簡易であり、かつ二次電池の信頼性がより十分に高い二次電池およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明はまた、外装体と蓋体との接合構造および電極タブと外部端子との接続構造が相対的に簡易であり、かつ二次電池の信頼性がより十分に高い二次電池およびその製造方法を提供することを目的とする。
本願発明者は、従来技術の延長線上で対応するのではなく、新たな方向で対処することによって上記課題の解決を試みた。その結果、上記主たる目的が達成された二次電池の発明に至った。
本発明は、
正極、負極および前記正極と前記負極との間に配置されるセパレータを含む電極組立体;
開口部を有し、かつ前記電極組立体を収納する、金属から構成された外装体;および
前記開口部を覆い、かつ樹脂から構成された蓋体を備えた二次電池であって、
前記外装体は、前記開口部の周縁が該外装体の内側に折り返されてなる折り返し部を有し、
前記蓋体は、断面視にて、その端面で、前記外装体の前記折り返し部により、前記外装体の外側から内側に向かって弾性圧縮されつつ、前記開口部を密閉している、二次電池に関する。
本発明はまた、
正極、負極および前記正極と前記負極との間に配置されるセパレータを含む電極組立体;
開口部を有し、かつ前記電極組立体を収納する、金属から構成された外装体;および
前記開口部を覆い、かつ樹脂から構成された蓋体を備えた二次電池を製造するための二次電池の製造方法であって、
前記外装体において、前記開口部の周縁が該外装体の内側に折り返されてなる折り返し部を形成する工程;および
前記蓋体を前記外装体の前記開口部に冷やし嵌め法により嵌め合わせる工程;
を含む、二次電池の製造方法に関する。
本発明に係る二次電池においては、外装体と蓋体との接合は、外装体の折り返し部による、外装体の外側から内側に向かう方向での蓋体の弾性圧縮により達成されるため、外装体と蓋体との接合構造は相対的に簡易である。このような本発明の二次電池は、詳しくは、樹脂から構成された蓋体を、金属から構成された外装体が囲む構成となり、樹脂と金属の線膨張係数の差が比較的大きいため、より高温になるほど、樹脂製蓋体がより膨張して、外装体の折り返し部による弾性圧縮力はより高くなる。その結果、樹脂製蓋体と金属製外装体との締まり力(または嵌合力)がより高くなり、密閉信頼性が向上する。
本発明に係る二次電池においては、外装体と蓋体との接合は外装体の折り返し部による蓋体の弾性圧縮により簡易に達成されているため、従来の二次電池で必要であった外装体および蓋体の両方の縁の溶接部を有さない。このため、本発明の二次電池は、その製造過程において、溶接屑による汚染および溶接による発熱を伴わず、材料に関する材質信頼性がより十分に高い。本発明に係る二次電池は、このように、外装体と蓋体との接合構造は、相対的に簡易であり、かつ密閉信頼性および材質信頼性により十分に優れているため、接合が簡易であり、接合コストが十分に低い。
図1(A)および図1(B)は、本発明の二次電池が有する電極組立体が有し得る構造を模式的に示した断面図である(図1(A):平面積層構造、図1(B):巻回構造)。 図2は、本発明の一実施態様に係る二次電池の外観見取り図である。 図3Aは、本発明の一実施態様に係る二次電池全体を模式的に示す全体断面図およびその一部を拡大して模式的に示す一部拡大断面図である。 図3Bは、蓋体の樹脂材にPTFEを用いた場合における圧縮復元特性の挙動を示すグラフである。 図4Aは、本発明の一実施態様に係る二次電池における外装体と蓋体との接合構造および配置関係を説明するための模式的断面図である。 図4Bは、本発明の一実施態様に係る二次電池の内圧が上昇したときの外装体と蓋体との接合構造および配置関係を説明するための模式的断面図である。 図4Cは、外装体(SUS316、板厚0.1mm)の折り返し部20bおよび側壁部20cにおける密閉後の内圧上昇による「Von Misesシミュレーション結果」を示すグラフである。 図4Dは、図4Cの「Von Misesシミュレーション結果」における内圧1.7Mpaのときの圧力分布を示す外装体の模式図を示す。 図5は、本発明の一実施態様に係る二次電池における蓋体の湾曲形状を説明するための模式的断面図である。 図6は、本発明の二次電池の製造方法における折り返し工程において、電極タブを折り返し部に挿入したときの一部拡大模式図と全体模式図である。 図7は、本発明の二次電池の製造方法における折り返し工程において、電極タブを折り返し部に接続および固定したときの一部拡大模式図と全体模式図である。 図8は、本発明の二次電池の製造方法における嵌合工程において、蓋体を外装体の開口部に嵌め合わせる直前の二次電池前駆体を示す模式的断面図である。 図9Aは、本発明の二次電池の製造方法における嵌合工程において、蓋体を外装体の開口部に嵌め合わせた後の二次電池前駆体を示す模式的断面図である。 図9Bは、本発明の二次電池の製造方法における嵌合工程において、蓋体を外装体の開口部に嵌め合わせた後の二次電池前駆体の外観および断面を示す模式図である。 図10Aは、本発明の二次電池の製造方法における加締め工程において、リベットの加締め部を加締めた後の二次電池の外観および断面を示す模式図である。 図10Bは、本発明の二次電池の製造方法における加締め工程を説明するための二次電池の模式的断面図である。 図10Cは、図10Bにおける二次電池前駆体のリベット近傍を示す一部拡大模式図であって、蓋体を透視する透視図である。 図11Aは、本発明の二次電池の製造方法における加締め工程をより詳細に説明するためのリベット近傍の一部拡大断面図であり、加締め前の断面図である。 図11Bは、本発明の二次電池の製造方法における加締め工程をより詳細に説明するためのリベット近傍の一部拡大断面図であり、加締め後の断面図である。 図12は、本発明の一実施態様に係る二次電池における外装体と蓋体と接着剤充填部との配置関係を説明するための模式的断面図である。 図13Aは、中空リベットの見取り図と断面図を示す模式図である。 図13Bは、図13Aの中空リベットを加締めた後の模式的断面図の一例である。 図13Cは、図13Aの中空リベットを加締めた後の模式的断面図の一例である。 図14Aは、ブラインドリベットおよびその治具の見取り図を示す模式図である。 図14Bは、ブラインドリベットを加締めた後の模式的断面図の一例である。 図14Cは、ブラインドリベットを加締めた後の模式的断面図の一例である。
以下では、本発明の一実施形態に係る二次電池をより詳細に説明する。必要に応じて図面を参照して説明を行うものの、図面における各種の要素は、本発明の理解のために模式的かつ例示的に示したにすぎず、外観や寸法比などは実物と異なり得る。
本明細書で直接的または間接的に説明される「断面視」は、二次電池を構成する電極組立体・電極構成層の積層方向に沿って二次電池を切り取った仮想的な断面に基づいている。同様にして、本明細書で直接的または間接的に説明される“厚み”の方向は、二次電池を構成する電極材の積層方向に基づいている。例えばボタン型・コイン型などの「板状に厚みを有する二次電池」でいえば、“厚み”の方向は、かかる二次電池の板厚方向に相当する。本明細書で用いる「平面視」とは、かかる厚みの方向に沿って対象物を上側または下側からみた場合の見取図に基づいている。
また、本明細書で直接的または間接的に用いる“上下方向”および“左右方向”は、それぞれ図中における上下方向および左右方向に相当する。特記しない限り、同じ符号または記号は、同じ部材・部位または同じ意味内容を示すものとする。ある好適な態様では、電極組立体の積層方向が上下方向に相当し得るところ、鉛直方向下向き(すなわち、重力が働く方向)が「下方向」に相当し、その逆向きが「上方向」に相当すると捉えることができる。
[二次電池の基本構成]
本明細書でいう「二次電池」は、充電・放電の繰り返しが可能な電池のことを指している。従って、本発明に係る二次電池は、その名称に過度に拘泥されるものでなく、例えば蓄電デバイスなどの電気化学デバイスも対象に含まれ得る。本発明の二次電池は、二次電池内部(特に後述する外装体内部)の密閉性の観点から、「密閉型二次電池」とも称され得る。
本発明に係る二次電池は、正極、負極及びセパレータを含む電極構成層が積層した電極組立体を有して成る。図1(A)および1(B)には電極組立体10を例示している。図示されるように、正極1と負極2とはセパレータ3を介して積み重なって電極構成層5を成しており、かかる電極構成層5が少なくとも1つ以上積層して電極組立体が構成されている。図1(A)では、電極構成層5が巻回されずに平面状に積層した平面積層構造を有している。一方、図1(B)では、電極構成層5が巻回状に巻かれた巻回積層構造を有している。つまり、図1(B)では、正極、負極および正極と負極との間に配置されたセパレータを含む電極構成層がロール状に巻回した巻回構造を有している。二次電池ではこのような電極組立体が電解質(例えば非水電解質)と共に外装体に封入されている。なお、電極組立体の構造は必ずしも平面積層構造または巻回構造に限定されず、例えば、電極組立体は、正極、セパレータおよび負極を長いフィルム状に積層してから折りたたんだ、いわゆるスタック・アンド・フォールディング型構造を有していてもよい。図1(A)および図1(B)は、本発明の二次電池が有する電極組立体が有し得る構造を模式的に示した断面図である(図1(A):平面積層構造、図1(B):巻回構造)。
正極は、少なくとも正極材層および正極集電体から構成されている。正極では正極集電体の少なくとも片面に正極材層が設けられており、正極材層には電極活物質として正極活物質が含まれている。例えば、電極組立体における複数の正極は、それぞれ、正極集電体の両面に正極材層が設けられているものでもよいし、あるいは、正極集電体の片面にのみ正極材層が設けられているものでもよい。
負極は、少なくとも負極材層および負極集電体から構成されている。負極では負極集電体の少なくとも片面に負極材層が設けられており、負極材層には電極活物質として負極活物質が含まれている。例えば、電極組立体における複数の負極は、それぞれ、負極集電体の両面に負極材層が設けられているものでもよいし、あるいは、負極集電体の片面にのみ負極材層が設けられているものでもよい。
正極および負極に含まれる電極活物質、即ち、正極活物質および負極活物質は、二次電池において電子の受け渡しに直接関与する物質であり、充放電、すなわち電池反応を担う正負極の主物質である。より具体的には、「正極材層に含まれる正極活物質」および「負極材層に含まれる負極活物質」に起因して電解質にイオンがもたらされ、かかるイオンが正極と負極との間で移動して電子の受け渡しが行われて充放電がなされる。正極材層および負極材層は特にリチウムイオンを吸蔵放出可能な層であることが好ましい。つまり、本発明に係る二次電池は、非水電解質を介してリチウムイオンが正極と負極との間で移動して電池の充放電が行われる非水電解質二次電池となっていることが好ましい。充放電にリチウムイオンが関与する場合、本発明に係る二次電池は、いわゆる“リチウムイオン二次電池”に相当し、正極および負極がリチウムイオンを吸蔵放出可能な層を有する。
正極材層の正極活物質は例えば粒状体から構成されるところ、粒子同士のより十分な接触と形状保持のためにバインダーが正極材層に含まれていることが好ましい。更には、電池反応を推進する電子の伝達を円滑にするために導電助剤が正極材層に含まれていてもよい。同様にして、負極材層の負極活物質は例えば粒状体から構成されるところ、粒子同士のより十分な接触と形状保持のためにバインダーが含まれることが好ましく、電池反応を推進する電子の伝達を円滑にするために導電助剤が負極材層に含まれていてもよい。このように、複数の成分が含有されて成る形態ゆえ、正極材層および負極材層はそれぞれ“正極合材層”および“負極合材層”などと称すこともできる。
正極活物質は、特に制限されるわけではないが、リチウムイオンの吸蔵放出に資する物質であることが好ましい。かかる観点でいえば、正極活物質は例えばリチウム含有複合酸化物であることが好ましい。より具体的には、正極活物質は、リチウムと、コバルト、ニッケル、マンガンおよび鉄から成る群から選択される少なくとも1種の遷移金属とを含むリチウム遷移金属複合酸化物であることが好ましい。つまり、本発明に係る二次電池の正極材層においては、そのようなリチウム遷移金属複合酸化物が正極活物質として好ましくは含まれている。例えば、正極活物質はコバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウム、リン酸鉄リチウム、または、それらの遷移金属の一部を別の金属で置き換えたものであってよい。このような正極活物質は、単独種として含まれてよいものの、二種以上が組み合わされて含まれていてもよい。
正極材層に含まれる得るバインダーとしては、特に制限されるわけではないが、ポリフッ化ビニリデン、ビニリデンフルオライド-ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ビニリデンフルオライド-テトラフルオロエチレン共重合体およびポリテトラフルオロエチレンなどから成る群から選択される少なくとも1種を挙げることができる。正極材層に含まれる得る導電助剤としては、特に制限されるわけではないが、サーマルブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、ケッチェンブラックおよびアセチレンブラック等のカーボンブラック、黒鉛、カーボンナノチューブや気相成長炭素繊維等の炭素繊維、銅、ニッケル、アルミニウムおよび銀等の金属粉末、ならびに、ポリフェニレン誘導体などから選択される少なくとも1種を挙げることができる。
負極活物質は、特に制限されるわけではないが、リチウムイオンの吸蔵放出に資する物質であることが好ましい。かかる観点でいえば、負極活物質は例えば各種の炭素材料、酸化物、および/または、リチウム合金などであることが好ましい。
負極活物質の各種の炭素材料としては、黒鉛(天然黒鉛、人造黒鉛)、ハードカーボン、ソフトカーボン、ダイヤモンド状炭素などを挙げることができる。特に、黒鉛は電子伝導性が高く、負極集電体との接着性が優れる。負極活物質の酸化物としては、酸化シリコン、酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜鉛および酸化リチウムなどから成る群から選択される少なくとも1種を挙げることができる。負極活物質のリチウム合金は、リチウムと合金形成され得る金属であればよく、例えば、Al、Si、Pb、Sn、In、Bi、Ag、Ba、Ca、Hg、Pd、Pt、Te、Zn、Laなどの金属とリチウムとの2元、3元またはそれ以上の合金であってよい。このような酸化物は、その構造形態としてアモルファスとなっていることが好ましい。結晶粒界または欠陥といった不均一性に起因する劣化が引き起こされにくくなるからである。
負極材層に含まれる得るバインダーとしては、特に制限されるわけではないが、スチレンブタジエンゴム、ポリアクリル酸、ポリフッ化ビニリデン、ポリイミド系樹脂およびポリアミドイミド系樹脂から成る群から選択される少なくとも1種を挙げることができる。例えば、負極材層に含まれるバインダーはスチレンブタジエンゴムとなっていてよい。負極材層に含まれる得る導電助剤としては、特に制限されるわけではないが、サーマルブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、ケッチェンブラックおよびアセチレンブラック等のカーボンブラック、黒鉛、カーボンナノチューブや気相成長炭素繊維等の炭素繊維、銅、ニッケル、アルミニウムおよび銀等の金属粉末、ならびに、ポリフェニレン誘導体などから選択される少なくとも1種を挙げることができる。なお、負極材層には、電池製造時に使用された増粘剤成分(例えばカルボキシルメチルセルロース)に起因する成分が含まれていてもよい。
正極および負極に用いられる正極集電体および負極集電体は、電池反応に起因して活物質で発生した電子を集めたり供給したりするのに資する部材である。このような集電体は、シート状の金属部材であってよく、多孔または穿孔の形態を有していてよい。例えば、集電体は金属箔、パンチングメタル、網またはエキスパンドメタル等であってよい。正極に用いられる正極集電体は、アルミニウム、ステンレスおよびニッケル等から成る群から選択される少なくとも1種を含んだ金属箔から成るものが好ましく、例えばアルミニウム箔であってよい。一方、負極に用いられる負極集電体は、銅、ステンレスおよびニッケル等から成る群から選択される少なくとも1種を含んだ金属箔から成るものが好ましく、例えば銅箔であってよい。
正極集電体および負極集電体はそれぞれ、正極タブおよび負極タブを構成し得る。正極タブおよび負極タブはそれぞれ正極および負極と電気的に接続され、それぞれの外部端子とも電気的に接続されている。正極タブおよび負極タブはそれぞれ正極および負極集電体の延長部分であってもよいし、または別部材としての正極および負極と接合されていてもよい。正極タブは正極集電体と同様の材料からなる金属箔または金属板であってもよく、好ましくはアルミニウム箔またはアルミニウム板である。負極タブは負極集電体と同様の材料からなる金属箔または金属板であってもよく、好ましくは銅箔または銅板である。
セパレータは、正負極の接触による短絡防止および電解質保持などの観点から設けられる部材である。換言すれば、セパレータは、正極と負極と間の電子的接触を防止しつつイオンを通過させる部材であるといえる。好ましくは、セパレータは多孔性または微多孔性の絶縁性部材であり、その小さい厚みに起因して膜形態を有している。あくまでも例示にすぎないが、ポリオレフィン製の微多孔膜がセパレータとして用いられてよい。この点、セパレータとして用いられる微多孔膜は、例えば、ポリオレフィンとしてポリエチレン(PE)のみ又はポリプロピレン(PP)のみを含んだものであってよい。更にいえば、セパレータは、“PE製の微多孔膜”と“PP製の微多孔膜”とから構成される積層体であってもよい。セパレータの表面が無機粒子コート層や接着層等により覆われていてもよい。セパレータの表面が接着性を有していてもよい。なお、本発明において、セパレータは、その名称によって特に拘泥されるべきでなく、同様の機能を有する固体電解質、ゲル状電解質、または絶縁性の無機粒子などであってもよい。
本発明の二次電池では、正極、負極およびセパレータを含む電極構成層から成る電極組立体が電解質と共に外装体に封入されている。正極および負極がリチウムイオンを吸蔵放出可能な層を有する場合、電解質は有機電解質・有機溶媒などの“非水系”の電解質であることが好ましい。すなわち、電解質が非水電解質となっていることが好ましい。電解質では電極(正極・負極)から放出された金属イオンが存在することになり、それゆえ、電解質は電池反応における金属イオンの移動を助力する。
非水電解質は、溶媒と溶質とを含む電解質である。具体的な非水電解質の溶媒としては、少なくともカーボネートを含んで成るものであってよい。かかるカーボネートは、環状カーボネート類および/または鎖状カーボネート類であってもよい。特に制限されるわけではないが、環状カーボネート類としては、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート(BC)およびビニレンカーボネート(VC)から成る群から選択される少なくとも1種を挙げることができる。鎖状カーボネート類としては、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)およびジプロピルカーボネート(DPC)から成る群から選択される少なくも1種を挙げることができる。あくまでも例示にすぎないが、非水電解質として環状カーボネート類と鎖状カーボネート類との組合せが用いられてよく、例えばエチレンカーボネートとジエチルカーボネートとの混合物を用いてよい。また、具体的な非水電解質の溶質としては、例えば、LiPFおよび/またはLiBFなどのLi塩が用いられてよい。
二次電池の外装体は、正極、負極およびセパレータを含む電極構成層が積層した電極組立体を包み込む部材である。
[本発明の二次電池の特徴]
本発明の二次電池は、電極組立体を包み込む外装体およびその周辺部品(例えば蓋体)に関して特徴を有している。特に、二次電池の外装体とそれに取り付けられる蓋体に関連する要素の点で特徴を有している。
本発明の二次電池は、図2に示すように、外装体20および蓋体30を備えている。図2は、本発明の一実施態様に係る二次電池の外観見取り図である。
(外装体および蓋体)
外装体20は、開口部を有し、かつ電極組立体を収納する、または包み込むため、「外装ケース」とも称され得る。外装体20は有底筒状を有している。図2等において、外装体は有底円筒状を有しているが、これに限定されず、例えば、有底四角筒状などの有底多角筒状を有していてもよい。外装体は、外装体と蓋体との間の密閉信頼性のさらなる向上の観点から、有底円筒状を有することが好ましい。有底円筒状は、平面視形状が略円形である有底円筒状を包含する。「略円形(略円形状)」とは、完全な円形(すなわち単に“円”または“真円”)であることに限らず、それから変更されつつも当業者の認識として“丸い形”に通常含まれ得る形状も含んでいる。例えば、円・真円のみならず、その円弧の曲率が局所的に異なるものであってよく、さらには例えば楕円などの円・真円から派生した形状であってもよい。
外装体20は、導電性材料、特に金属から構成されている。外装体を構成し得る金属としては、従来より、外装体を構成し得る金属として使用されている、あらゆる金属が使用可能であり、例えば、銅、銀、金、アルミニウム、ステンレス、ニッケルおよびそれらの金属のうちの2種以上からなる合金等が挙げられる。外装体20が、後で詳述するように、電極の外部端子(特に負極の外部端子)として使用される場合、外装体は、銅、ステンレス、ニッケル、およびそれらの金属のうちの2種以上からなる合金から構成されることが好ましく、銅から構成されることがより好ましい。外装体の厚みr1(図3A参照)は特に限定されず、例えば、10μm以上1000μm以下、特に50μm以上200μm以下であってもよく、好ましい例を挙げると、100μm以上150μm以下である。
外装体20は、図3Aに示すように、開口部の周縁20aが当該外装体の内側に折り返されてなる折り返し部20bを有している。周縁20aが当該外装体の内側に折り返されるとは、外装体20における開口部側の端部20aが外装体の内側方向に折り曲げられて、外装体の重なり部分として折り返し部20bが形成されているという意味である。開口部の周縁20aを折り返すことで、開口部の周縁の剛性を上げて、樹脂製蓋体への締め付け力維持を図ることができる。また、開口部周縁の折り返しにより、外装体全体としての剛性が上がるので、外装体の厚みを薄くでき、その分、内容積を大きくでき、電池容量の向上につながる。さらに、外装体にエッジがなくなるので取り扱いが安全である。図3Aは、本発明の一実施態様に係る二次電池全体を模式的に示す全体断面図およびその一部を拡大して模式的に示す一部拡大断面図である。
図3Aにおいては、折り返し回数は1回のみで、外装体の二重の重なり部分として折り返し部20bが形成されているが、折り返し回数がn回(nは2以上の整数)で、外装体の「n+1」重の重なり部分として折り返し部が形成されてもよい。折り返し回数が2以上の場合、折り返し方向は特に限定されない。例えば、折り返し回数が2以上の場合、断面視において、折り返し部が渦巻き形状を有するように、全ての折り返し方向を内側としてもよいし、または折り返し部が蛇腹形状を有するように、折り返し方向を内側と外側の交互としてもよい。折り返し回数を増やして、折り返し部の断面視形状を蛇腹状にすることで、膨張および収縮の追従性が上がり、また、衝撃吸収性が上がり、更に密閉信頼性があがる。このとき、折り返し回数は2~4回が好適である。加工コストおよび形状安定性を考えると、折り返し回数は1回が好ましい。
折り返し部20bの折り返し長さr2(図3A参照)は、外装体と蓋体との間の密閉が達成される限り特に限定されず、通常は、蓋体30の厚みs(μm)に対して、0.5×s以上、5.0×s以下であり、外装体と蓋体との間の密閉信頼性のさらなる向上の観点から、好ましくは0.8×s以上、2.0×s以下であり、より好ましくは0.8×s以上、1.2×s以下である。
外装体の幅寸法r3(図3A参照)は特に限定されず、例えば、3mm以上100mm以下であってもよく、外装体と蓋体との間の密閉信頼性のさらなる向上の観点から、好ましくは5mm以上30m以下、より好ましくは8mm以上12m以下である。外装体の幅寸法r3は、外装体の平面視における内側寸法としての最大寸法であってもよい。
外装体の高さ寸法r4(図3A参照)は特に限定されず、例えば、1mm以上200mm以下であってもよく、外装体と蓋体との間の密閉信頼性のさらなる向上の観点から、好ましくは2mm以上10mm以下、より好ましくは3mm以上6mm以下である。
蓋体30は、外装体20の開口部を覆う部材であり、蓋体30の平面視形状は外装体における開口部の平面視形状に応じて、例えば、円形状(略円形状)、楕円形状(略楕円形状)、四角形状等の多角形状であってもよい。蓋体の平面視形状および外装体における開口部の平面視形状は、外装体と蓋体との間の密閉信頼性のさらなる向上の観点から、ともに円形状(略円形状)であることが好ましい。
蓋体30は、高分子ポリマー等の樹脂から構成されており、この場合、蓋体30は通常、電気絶縁性を有している。蓋体を構成し得る樹脂としては、従来より、蓋体または外装体を構成し得る樹脂として使用されている、あらゆる樹脂が使用可能であり、例えば、電解質の溶媒との接触の観点から、耐溶剤性を有する樹脂が使用される。そのような樹脂の具体例として、例えば、フッ素系樹脂、変性ポリフェニレンエーテル(m-PPE)、ポリアセタール(POM)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリメチルペンテン(TPX)、フェノール樹脂(PF)等が挙げられる。フッ素系樹脂として、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルコキシエチレンコポリマー)(PFA)、エチレン-テトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)、パーフルオロエチレン-プロペンコポリマー(FEP)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、エチレン-クロロトリフルオロエチレンコポリマー(ECTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)等のフッ素原子含有ポリマー)が挙げられる。フッ素系樹脂は、電池内の電解液との耐溶剤性に優れ、線膨張係数が樹脂の中では比較的大きいので好ましい。
蓋体の厚みs(図3A参照)は特に限定されず、例えば、50μm以上10000μm以下、特に100μm以上1000μm以下であってもよく、好ましい例を挙げると、300μm以上800μm以下である。
蓋体30は、外装体20の折り返し部20bにより、弾性圧縮されつつ、開口部を密閉している。詳しくは、蓋体30は、図3Aに示すように、断面視にて、その端面30aで、外装体20の折り返し部20b(特に折り返された周縁20a)により、外装体の外側から内側に向かう方向pで弾性圧縮されつつ、開口部を密閉している。方向pは、外装体の高さ方向または厚み方向に対する垂直方向であり、平面視において、外装体の外側から内側に向かう方向である。方向pは、特に外装体が有底円筒形状を有する場合、平面視における径方向のことである。折り返し部20bによる方向pでの蓋体30の弾性圧縮により、外装体20と蓋体30との間隙がなくなり、密閉が達成される。その結果、樹脂製蓋体と金属製外装体との締まり力(または嵌合力)がより十分に高くなり、外装体と蓋体との間の密閉信頼性が向上する。さらには、本発明の二次電池は、樹脂から構成された蓋体を、金属から構成された外装体が囲む構成となり、樹脂と金属の線膨張係数の差が比較的大きいため、より高温になるほど、樹脂製蓋体がより膨張して、外装体の折り返し部による弾性圧縮力はより高くなる。ここで「高温」とは、蓋体を構成する樹脂の融点未満の高温であり、例えば、50℃以上150℃以下、特に50℃以上120℃以下の温度であってもよい。
本発明の二次電池においては、外装体20と蓋体30との接合は、外装体20の折り返し部20bによる蓋体30の弾性圧縮により達成されるため、当該接合構造は相対的に簡易である。
二次電池において、折り返し部20bによる方向pでの蓋体30の弾性圧縮が起こっているか否かは、外装体20の開口部から蓋体30を取り外したとき、開口部の寸法xおよび蓋体30の寸法yから容易に判別できる。詳しくは、蓋体30の装着時における蓋体30の平面視形状の中心を通る任意の10方向について、蓋体30を取り外したときの開口部の寸法x(mm)および蓋体30の寸法y(mm)が以下の関係式を満たせば、弾性圧縮が起こっていたものと判別できる。平面視形状の中心は、蓋体をその厚み方向から二次元の平面でとらえたときの当該蓋体の平面視形状における重心を意味する。重心は、等質の材料(例えば、紙)を当該蓋体の平面視形状の輪郭で切り取り、均衡をとって点で支えたときの当該点である。
x<y、特に1.005×x≦y、通常は1.01×x≦y≦1.10×x。
開口部の寸法x(mm)および蓋体30の寸法y(mm)(図示せず)は、蓋体30を取り外したときの断面視における幅方向の寸法である。図3Aは、蓋体30が外装体20の開口部に嵌合されているときの断面図であるが、図3Aが、蓋体を開口部から取り外したときの断面図であるものと仮定したとき、開口部の寸法x(mm)および蓋体30の寸法y(mm)は、例えば、図3Aにおける幅方向(左右方向)(特に圧縮方向p)の寸法である。特に、開口部の平面視形状が円形状の場合、開口部の寸法x(mm)および蓋体30の寸法y(mm)はそれぞれ、開口部の直径x(mm)および蓋体30の直径y(mm)のことである。
例えば、蓋体30の樹脂材にPTFEを用いた場合、圧縮復元特性は図3Bのような挙動を示し、圧縮永久歪が発生する。この圧縮永久歪以上に圧縮代を設けないと密閉力は発生しない。蓋体30を外装体20に嵌合して密閉を保持できる圧力を2N/mm程度とすると、圧縮変形量は0.04mm以上必要であることがわかる。従って、材料により嵌合代:(y-x)/2寸法を圧縮永久歪以上に設定すれば密閉が保持できる。具体的には、蓋体30の樹脂材にPTFEを用いた場合、(y-x)/2≧0.04を満たすことが好ましい。図3Bは、蓋体の樹脂材にPTFEを用いた場合における圧縮復元特性の挙動を示すグラフである。
外装体と蓋体を嵌合により組み立てるとき、圧入法により蓋体を外装体の開口部に嵌め合わせてもよい。圧入法とは、常温(例えば10~30℃)にて、蓋体の弾性変形を伴いながら、外装体開口部への嵌合・挿入を達成する方法である。このように、本発明の二次電池は、樹脂製蓋体を金属製外装体が囲む構成を有するため、加締めもレーザ溶接も行わず、圧入のみで外装体と蓋体との密閉を構築することができる。このように樹脂製蓋体を外装体に嵌め合わせるという工程だけで、外装体と蓋体との密閉構造を構築できるため、製造コストが安い。これに対して、溶接を行うには溶接機器が必要になる。また接着剤による接合法もあるが、接着剤塗布機器が必要となる。溶接および接着剤による接合では接合コストが比較的高い。本発明における外装体と蓋体との密閉は、超音波またはレーザによる密閉ではないため、コンタミ、スパッタ飛散等の問題が発生しない。また、抵抗溶接も使用しないので溶接時の異常放電によるトラブルも発生しない。
圧入法の場合、挿入時に蓋体の変形により、蓋体にすり傷等が発生する可能性がある。このため、蓋体を冷やし嵌め法により外装体の開口部に嵌め合わせることが好ましい。冷やし嵌め法とは、冷却による収縮を利用して嵌め合わせを達成する方法であり、詳しくは、蓋体を冷却(例えば-50℃以下の超低温まで)して、その寸法を小さくした状態で外装体の開口部内に配置した後、常温に戻るときの膨張により、嵌め合わせを達成する方法である。これにより、蓋体への負荷を低減しながら、蓋体を外装体開口部に嵌め合わせることができ、外装体と蓋体との間の密閉信頼性をより十分に確実に保つことができる。このような冷やし嵌め法は、外装体の金属と蓋体の樹脂では、線膨張係数が十分に相異するため、実施できる方法である。
冷やし嵌め法による蓋体の外装体開口部への嵌合の一実施態様について詳しく説明する。なお、蓋体および外装体開口部の平面視形状が円形の場合について述べる。
蓋体をPFAから構成させる場合、その線膨張係数は11.5×10-5/℃(-180℃以上23℃以下)である。外装体をSUS316Lから構成させ、常温25℃で蓋体の嵌合を行う。このとき、外径12mmの蓋体を-100℃に冷却すると、寸法変化(収縮)が起こり、以下の計算式より、当該蓋体の外径は11.8275mmとなる。
(115×10-6)×(12)×(-100-25)=-0.1725
この寸法差を利用して、外装体に蓋体を挿入することができる。
蓋体の常温での外径を12.1mmにして、超低温-100℃にすると、外径11.9275mmとなり、外装体開口部内径12.0mmに対して0.036mmのクリアランスで挿入できる。その後、蓋体が常温に戻ると0.05mm圧入代ができたことになる。
この圧入代分が常に蓋体を潰す力(すなわち圧縮力)となり、封止力を発現できる。
仮に、-10℃以上60℃以下の温度範囲が電池の作動温度範囲としても、SUS316Lの線膨張係数は16×10-6/℃(0~100℃)であるので、例えば、-10℃の時、外装体の開口部内径は11.9933mm、蓋体の外径は12.0513mmであり、圧入代は0.0290mmを確保できる。また例えば、60℃の時、外装体の開口部内径は12.0067mm、蓋体の外径は12.1487mmであり、圧入代は0.071mmを確保できる。よって、圧入代は常に確保することができ、密閉は保たれる。
蓋体を冷却する方法として、例えば、液化窒素を利用した冷却システム、ボルテックスの原理を応用した簡易型スポット冷却方式、ペルチェ効果を利用した冷却方式等がある。
本発明においては、樹脂製蓋体のため、外装体との電気絶縁が確実で、また、電極組立体との接触による電気ショートの心配がなく、電気的に安全な設計となる。
外装体の開口部周縁を折り返すことで、当該周縁部の剛性が上がり、衝撃等による外装体の開きが防止でき、樹脂製蓋体との密閉信頼性がさらに高くなる。
外装体20の折り返し部20bにおいて、周縁部20aを、図4Aに示すように、鉛直線Lよりさらに深く折り返すことにより、外装体と蓋体との間の密閉信頼性をさらに向上させることができる。これにより、圧縮方向p1が、図4Aに示すように、二次電池内部側にシフトし、蓋体30が開くこと(例えば図4Aにおいて上位へ移動すること)をより十分に防止できるためである。折り返し角度θ1は、鉛直線Lからのさらなる折り返し角度であり、通常、0°以上30°以下であり、外装体と蓋体との間の密閉信頼性のさらなる向上の観点から、好ましくは0°超20°以下、より好ましくは3°以上12°以下、さらに好ましくは5°以上10°以下である。図4Aは、本発明の一実施態様に係る二次電池における外装体と蓋体との接合構造および配置関係を説明するための模式的断面図である。
本発明においては、二次電池の内圧上昇時においても、外装体と蓋体との間の密閉信頼性をより十分に確保することができる。例えば、図4Bに示すように、二次電池の内圧v1が上昇したとき、外装体20の折り返し部20bの開き(例えば図4Bにおいて左方向への移動)はより十分に防止される一方で、その側壁部20cの開き(例えば図4Bにおいてv2方向への変形)は起こる。このため、折り返し部20bは二次電池内部側(v3方向)に傾斜する。これにより、圧縮方向p2が、図4Bに示すように、二次電池内部側にシフトし、見かけの折り返し角度θ2が適度に大きくなり、蓋体30が開くこと(例えば図4Bにおいて上位へ移動すること)をより十分に防止できる。また折り返し部20bが樹脂製蓋体を内側に締める力がより十分に働く。これらの結果として、本発明の二次電池は、内圧上昇により十分に耐えることができる。このような内圧上昇に対する密閉信頼性のさらなる向上効果は、外装体の厚みが薄くなっても(例えば厚み0.1mm以下になっても)、享受できる。このような内圧上昇に対する密閉信頼性のさらなる向上効果はまた、内圧上昇前の折り返し角度θ1が上記範囲内のときであっても、享受できる。図4Bは、本発明の一実施態様に係る二次電池の内圧が上昇したときの外装体と蓋体との接合構造および配置関係を説明するための模式的断面図である。
このような内圧上昇に対する密閉信頼性のさらなる向上効果はシミュレーション結果によっても裏付けられている。詳しくは、外装体における折り返し部20bおよび側壁部20cの、密閉後の内圧による挙動を予測すると、図4Cおよび図4Dに示すように、内圧の上昇に伴い、側壁部20cに対する圧力は上昇するが、折り返し部20bに対する圧力はほとんど上昇しない。これは、外装体の開口部周縁部20aを折り返す事で折り返し部20bの剛性が上がるためと考えられる。このため、折り返し部20bは外側に変形し難くなる。一方、側壁部20cは、図4Bに示すように、外側(方向v2)に変形する。これらの結果、折り返し部20bの内側面200は外装体底に向かって広がる傾斜面となり、挿入された蓋体30が折り返し部20bから受ける力(方向p2の力)が外装体底方向にシフトして働き、蓋体外れ防止の効果を発揮する。このように、外装体内圧が上昇し、外装体(特に側壁部20c)が変形しても、それにより、折り返し部20b(特にその内側面200)は外装体底に向かうこととなり、逆に蓋体30を押さえる力が働き、蓋体外れがより十分に防止される。図4Cは、外装体(SUS316、板厚0.1mm)の折り返し部20bおよび側壁部20cにおける密閉後の内圧上昇による「Von Misesシミュレーション結果」を示すグラフである。図4Dは、図4Cの「Von Misesシミュレーション結果」における内圧1.7Mpaのときの圧力分布を示す外装体の模式図を示す。図4Cにおいて「缶側面中央」は「側壁部20cにおける高さ方向中央内側」のことであり、「縁内側」は「折り返し部20b(特に折り返された周縁20a)の内側」のことである。
本発明の二次電池は樹脂製蓋体を備えるため、危険なガス内圧が発生した際、樹脂製蓋体自身が破損したり、外れたり、又は樹脂製蓋体と外装体との界面が破壊されたりして、ガスが排出されるため、結果として爆発の危険がない。後述するように、蓋体の端子引出孔から蓋体の外部側に突出するように配置されたリベットを電極の外部端子として機能させる場合、樹脂製蓋体の破損または外れにより、電極(例えば正極)への給電も破断されるため、内部電気ショート時の発熱も絶つことができる。
樹脂製蓋体の場合、落下等の衝撃荷重が加わった際、樹脂製蓋体が振動吸収機能および変形吸収機能を有するため、電池の破損を低減できる。
本発明の二次電池は樹脂製蓋体を備えるため、蓋体の形状に自由度があり、回り止め、刻印等を付加できる。また樹脂製蓋体は絶縁体であるため、簡単な構成で外部端子の形成が可能である。例えば、後述するように樹脂製蓋体に端子引出孔を設け、そこに外部端子としてのリベットを挿入して加締めれば、外部端子と蓋体との間の密閉は可能である。そのリベットと樹脂製蓋体との間に、例えば正極タブを挟めばリベットが外部電極と形成できる。当然、リベットの加締め側には金属円板を挟み、金属円板全体に加締め局所荷重を分散させ、密閉部が均一に変形、閉じるようにする。
本発明の二次電池において、樹脂製蓋体30を、図5に示すように、装着前から下凸になるように湾曲させた形状にすることで内圧発生時の耐圧力があがる。湾曲寸法tは、特に限定されず、通常は外装体の幅寸法r3(mm)に対して、0.1×r3以上2×r3以下であり、内圧発生時の耐圧力のさらなる向上の観点から、好ましくは0.1×r3以上1.0×r3以下である。図5は、本発明の一実施態様に係る二次電池における蓋体の湾曲形状を説明するための模式的断面図である。
(折り返し部による電極タブの挟持構造:電極タブと外部端子との接続構造)
外装体20は、図3A、図4Aおよび図4Bに示すように、折り返し部20bの内側で、正極または負極の一方の電極(好ましくは負極)のタブ13を挟持することにより、当該一方の電極のタブと電気的に接続されていることが好ましい。これにより、外装体は当該電極の外部端子として機能する。詳しくは、前述した通り、外装体における開口部周縁を折り返すことで剛性を上げることができるが、この折り返しにより発生する折り返し部20b内側の空間を利用する。より詳しくは電極タブ(例えば負極タブ)を折り返し部20b内側の空間に差し込み、折り返された周縁部20aを外側に向け加締めることにより、電極タブを固定および接合することができる。この構成では、外装体の平面視形状における周囲(例えば円周)上のどの位置に電極タブがあっても、加締め接合が可能となり、電極タブの位置決め等の制約がない。このよう構成においては、外装体と蓋体との密閉ならびに電極タブ(特に負極タブ)の接合において、レーザ溶接、超音波溶接、抵抗溶接を一切使用する必要がない。本明細書中、外部端子とは、二次電池において外部機器との接続に供する出力端子を意味している。
このような折り返し部による電極タブの挟持構造において、電極タブ13と外部端子(外装体20)との接続は、外装体20の折り返し部20bによる電極タブ13の挟持により達成されるため、当該接続構造は相対的に簡易である。
二次電池が中・大型二次電池である場合、1個の電極タブでは電流容量が取れないので、複数個の電極タブを接続する必要があるところ、このような折り返し部による電極タブの挟持構造においては、電極タブ(特に負極タブ)は、外装体の平面視形状における全周囲(例えば全円周)に取り付けることが可能である。このため、電気容量安定化が図れる。
このような折り返し部による電極タブの挟持構造において、電極タブの接合は加締めで行えるので、接合コストが安価である。超音波またはレーザによる接合ではないため、コンタミ、スパッタ飛散等の問題が発生しない。また、抵抗溶接も使用しないので溶接時の異常放電によるトラブルも発生しない。
このような折り返し部による電極タブの挟持構造においては、必要とされる電極タブの長さは比較的短い。詳しくは、電極タブは最短長さで使用され得る。このため、材料コストが下げることができる。また、撓みもないため撓みによる短絡の心配がない。
(リベットによる電極タブの挟持構造:電極タブと外部端子との接続構造)
二次電池は、リベットをさらに備え、当該リベットにより電極タブを挟持することが好ましい。電極タブは、正極または負極の一方の電極のタブであり、一方の電極のタブが上記したように折り返し部により挟持されている場合、他方の電極のタブである。
リベットは、図3A、図4Aおよび図4Bにおいて、符号「40」で表され、加締め部41および鍔部42を有している。リベット40は、加締め部41が蓋体30の端子引出孔31(図5ならびに後述の図8、図9Aおよび図9B参照)から蓋体30の外部側に突出するように配置され、かつ加締め部41が加締められている。本明細書中、リベット40は、加締め部が加締められた状態のリベットであり、加締め部が加締められる前のリベットは符号「40’」で表す。加締め部41は、加締められた状態の加締め部であり、加締められる前の加締め部は符号「41’」で表す。図8は、本発明の二次電池の製造方法における嵌合工程において、蓋体を外装体の開口部に嵌め合わせる直前の二次電池前駆体を示す模式的断面図である。図9Aは、本発明の二次電池の製造方法における嵌合工程において、蓋体を外装体の開口部に嵌め合わせた後の二次電池前駆体を示す模式的断面図である。
リベット40’は、後述する図11Aに示すように、加締め部41’、鍔部42および加締め部41’と鍔部42とを連結する軸部43を有し、加締め部41’を図11Bに示すように加締めることにより、加締め部は塑性変形し、軸部は膨張する。これにより、リベット40は、加締め部41と鍔部42との間で少なくとも電極のタブ60および蓋体30を挟持して、一体的に接合するとともに、リベットと蓋体との間の密封を達成する。鍔部42は、「フランジ部」とも称され得る部材であり、通常、軸部43の周囲に連続して形成されているが、少なくとも電極タブが配置される部分のみに形成されていてもよい。図11Aは、本発明の二次電池の製造方法における加締め工程をより詳細に説明するためのリベット近傍の一部拡大断面図であり、加締め前の断面図である。
リベット40は、加締め部41が加締められて、加締め部41と鍔部42との間で少なくとも電極のタブ60および蓋体30を挟持することにより、電極タブ60と電気的に接続されている。これにより、リベット40は、電極(好ましくは正極)の外部端子として機能する。
二次電池は、電極板50をさらに有していることが好ましい。電極板50は、端子引出孔51(図8参照)を有するとともに、蓋体30の外側表面上に配置されている。二次電池が電極板50を有する場合、リベット40は、加締め部41が蓋体30の端子引出孔31および電極板50の端子引出孔51(図8および図9A参照)から蓋体30の外部側に突出するように配置され、かつ加締め部41が加締められている。このとき、リベット40は、加締め部41が加締められて、加締め部41と鍔部42との間で電極タブ60、蓋体30および電極板50を挟持することにより、電極板50および電極タブ60と電気的に接続されている。これにより、リベット40および電極板50は、電極(好ましくは正極)の外部端子として機能する。
このようなリベットによる電極タブの挟持構造において、電極タブ60とリベット40(および電極板50)との接続は、加締め部41の加締めによる加締め部41と鍔部42との間での電極タブ60(および電極板50)の挟持により達成されるため、当該接続構造は相対的に簡易である。
リベット40は、導電性を有する材料から構成される限り、あらゆる材料から構成されていてもよい。リベット40を構成し得る材料として、例えば、銅、銀、金、アルミニウム、ステンレス、ニッケルおよびそれらの金属のうちの2種以上からなる合金等の金属が挙げられる。リベット40が正極の外部端子として使用される場合、リベット40は、アルミニウムから構成されることが好ましい。
このようなリベットによる電極タブの挟持構造において、電極タブの接合は加締めで行えるので、接合コストが安価である。また、超音波およびレーザによる接合ではないため、コンタミ、スパッタ飛散等の問題が発生しない。また、抵抗溶接も使用しないので溶接時の異常放電によるトラブルも発生しない。
このようなリベットによる電極タブの挟持構造においては、蓋体の端子引出孔にリベットが配置されるため、リベットの加締めを行うことで、蓋体の径方向の収縮を妨げることができる。また、蓋体が径方向に拡大する力も発生する。これらの結果、蓋体の圧縮固定効果がより一層、高められ、蓋体と外装体と蓋体との間の密閉信頼性およびがさらに向上する。
二次電池が中・大型二次電池である場合、1個の電極タブでは電流容量が取れないので、複数個の電極タブを接続する必要があるところ、このようなリベットによる電極タブの挟持構造においては、電極タブ(特に正極タブ)はリベットと蓋体の間に何枚も重ねることが可能である。このため、電気容量安定化が図れる。
本発明の二次電池が、上記した折り返し部による電極タブの挟持構造およびリベットによる電極タブの挟持構造を有する場合、以下の効果を奏する:
・二次電池表面上で正極と負極の距離が十分開いており、短絡の心配がない;および
・二次電池の上面のみで正極と負極の通電ができる。
本発明の二次電池は、図12に示すように、外装体20(特にその折り返し部20b)と蓋体30との間の間隙に接着剤充填部70を有することが好ましい。接着剤充填部70は、外装体20(特にその折り返し部20b)と蓋体30との間隙を狙って封止用接着剤を塗布し、乾燥させることにより、形成することができる。これにより、外装体20(特にその折り返し部20b)と蓋体30との間からのゴミおよび水分の侵入を防ぎ、外装体と蓋体との間の密閉信頼性をさらに向上させることができる。図12は、本発明の一実施態様に係る二次電池における外装体と蓋体と接着剤充填部との配置関係を説明するための模式的断面図である。
封止用接着剤としては、例えば、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤、シリコーン系接着剤が使用可能である。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、あくまでも典型例を例示したに過ぎない。従って、本発明はこれに限定されず、種々の態様が考えられることを当業者は容易に理解されよう。
例えば、上記では、「平面視円形の二次電池」として、ボタン型・コイン型の二次電池について触れたが、本発明は必ずしもこれに限定されない。例えば、角型の二次電池であってもよい。つまり、二次電池は、その平面視形状が、円形に限らず、四角形や矩形などの形状を有していてもよい。
[二次電池の製造方法]
本発明の二次電池は、開口部周縁の折り返し工程および蓋体の嵌合工程を含む方法により製造することができる。
(開口部周縁の折り返し工程)
開口部周縁の折り返し工程においては、開口部の周縁部20aを、外装体20の平面視形状の全周囲にわったって、外装体の内側に折り返し、折り返し部を形成する。周縁部20aの折り返しは、カーリング加工、またはヘミング加工によって、容易に達成することができる。
二次電池が折り返し部による電極タブの挟持構造を有する場合、開口部周縁の折り返しは、通常、少なくとも2段階で行う。例えば、図6に示すように、電極タブ13を挿入できる程度の間隙を残して、開口部周縁20aを折り返し、折り返し部20b’を形成した後、折り返し部20b’に電極タブ13を挿入する(第1段階)。その後、図7に示すように、開口部周縁20aをさらに折り返して、折り返し部20bを形成し、電極タブ13の外装体20への電気的接続および固定を達成する(第2段階)。電極タブ13は、正極または負極の一方の電極のタブであり、好ましくは負極タブである。このとき、他方の電極のタブ(好ましくは正極タブ)60が、電極組立体10に設けられていることが好ましい。図6は、本発明の二次電池の製造方法における折り返し工程において、電極タブを折り返し部に挿入したときの一部拡大模式図と全体模式図である。図7は、本発明の二次電池の製造方法における折り返し工程において、電極タブを折り返し部に接続および固定したときの一部拡大模式図と全体模式図である。
(蓋体の嵌合工程)
蓋体の嵌合工程においては、図8、図9Aおよび図9Bに示すように、蓋体30を外装体20の開口部に嵌め合わせる。嵌め合わせは、例えば、前記したように、圧入法により達成してもよいし、または冷やし嵌め法により達成してもよい。外装体と蓋体との間の密閉信頼性をより十分に確実に保つ観点から、嵌め合わせは冷やし嵌め法により達成することが好ましい。本工程により、蓋体30が、断面視にて、その端面30a(図3A参照)で、外装体20の折り返し部20bにより外装体の外側から内側に向かって(すなわち方向pにて)弾性圧縮され、外装体と蓋体との間の密閉が達成される。図8は、本発明の二次電池の製造方法における嵌合工程において、蓋体を外装体の開口部に嵌め合わせる直前の二次電池前駆体を示す模式的断面図である。図9Aは、本発明の二次電池の製造方法における嵌合工程において、蓋体を外装体の開口部に嵌め合わせた後の二次電池前駆体を示す模式的断面図である。図9Bは、本発明の二次電池の製造方法における嵌合工程において、蓋体を外装体の開口部に嵌め合わせた後の二次電池前駆体の外観および断面を示す模式図である。二次電池前駆体とは、二次電池完成前の二次電池のことを意味する。
本工程においては、電極組立体が巻回構造を有する場合、詳しくは、図8、図9Aおよび図9Bに示すように、予め、電極組立体10の巻き芯パイプ15によりリベット40’(特にその鍔部42)を支持させた状態で、蓋体30を外装体20の開口部に嵌め合わせることが好ましい。リベット40’は詳しくは、蓋体30の嵌め合わせにより、加締め部41’が蓋体30の端子引出孔31から蓋体30の外部側に突出するように支持および配置される。リベット40’は、さらに詳しくは、蓋体30の嵌め合わせにより、その加締め部41’を蓋体の端子引出孔31に挿入されて、当該端子引出孔を貫通し、蓋体の外部側に突出している。それらの結果、リベット40’は、鍔部42が蓋体30における二次電池内部側に位置付けられ、かつ加締め部41’が蓋体30における二次電池外部側に位置付けられる。このとき、電極タブ60を、図8、図9Aおよび図9Bに示すように、蓋体30と鍔部42との間にさらに配置させることが好ましい。より好ましい実施態様においては、図8、図9Aおよび図9Bに示すように、蓋体30の外側表面上に電極板50をさらに配置させる。このとき、リベット40’(特に加締め部41’)は蓋体30の端子引出孔31および電極板50の端子引出孔51から蓋体30の外部側に突出するように配置されている。
(加締め工程)
本発明の二次電池の製造方法は通常、加締め部の加締め工程をさらに含む。本工程において、加締め部41’(41)を加締めることにより、図10A、図10B、図10C、図11Aおよび図11Bに示すように、加締め部41と鍔部42との間で少なくとも電極タブ60および蓋体30が挟持される。これにより、リベット40が電極タブ60と電気的に接続される。特に、蓋体30の外側表面上に電極板50をさらに配置させる場合においては、加締め部41と鍔部42との間で電極タブ60および蓋体30とともに、当該電極板50が挟持される。これにより、リベット40および電極板50が電極タブ60と電気的に接続される。図10Aは、本発明の二次電池の製造方法における加締め工程において、リベットの加締め部を加締めた後の二次電池の外観および断面を示す模式図である。図10Bは、本発明の二次電池の製造方法における加締め工程を説明するための二次電池の模式的断面図である。図10Cは、図10Bにおける二次電池前駆体のリベット近傍を示す一部拡大模式図であって、蓋体を透視する透視図である。図11Aは、本発明の二次電池の製造方法における加締め工程をより詳細に説明するためのリベット近傍の一部拡大断面図であり、加締め前の断面図である。図11Bは、本発明の二次電池の製造方法における加締め工程をより詳細に説明するためのリベット近傍の一部拡大断面図であり、加締め後の断面図である。
加締め方法は、特に限定されず、例えば、プレス加工、またはスピンカシメにより、加締めを達成することができる。
リベットは図13Aに示すように中空部44Aを有する中空リベット40Aを使用しても良く、この場合、加締めは更に低圧力で容易になる。図13Aは、中空リベットの見取り図と断面図を示す模式図である。中空リベット40Aにおいて、いわゆる頭部は鍔部42Aに対応し、中空部44Aを有するスリーブ部45Aは、図13Bおよび図13Cに示すように、加締められて加締め部41A、41A’を構成する。図13Bにおいて加締め部41Aは加締めにより開裂部は形成されていないが、図13Cにおいて加締め部41A’は加締めにより開裂部が形成されている。図13Cの加締め部41A’の加締め径は、図13Bの加締め部41Aの加締め径よりも大きくすることができ、蓋体30および電極板50の保持性を高めることができる。図13Bにおいては、加締め部41Aの加締め径(すなわちカール径)よりも大きなワッシャー46Aを用いることで、蓋体30および電極板50の保持性を高めることができる。図13Bおよび図13Cはいずれも、図13Aの中空リベットを加締めた後の模式的断面図の一例である。
リベットとして、図14A、図14Bおよび図1Cに示すようなブラインドリベット40B、40B’を使用すれば、リベットを後入れで組み立てることが可能となり、巻き芯15も不要となり、組み立てが容易となる。図14Aは、ブラインドリベットおよびその治具の見取り図を示す模式図である。図14Bおよび図14Cはいずれも、ブラインドリベットを加締めた後の模式的断面図の一例である。ブラインドリベット40B、40B’は、図14Bおよび図14Cに示すように、スリーブ47、47’内に加締め部材48A、48A’が収容されている。ブラインドリベット40B、40B’においては、図14Aに示すように、治具Gにより、加締め部材48A、48A’を上位方向(すなわち、図14Bおよび図14Cにおける矢印方向)に移動させることにより、図14Bおよび図14Cに示すように、スリーブ47、47’に膨らみ部49、49’を形成する。これにより、スリーブ47、47’におけるフランジ部470、470’と膨らみ部49、49’との間で、蓋体30および電極板50を保持することができる。ブラインドリベット40B、40B’においては、スリーブ47、47’が袋状のため、密閉性(例えば封止性)を確保することができる。
加締め工程の後は、図12に示すように、外装体20(特にその折り返し部20b)と蓋体30との間隙に、封止用接着剤を塗布し、乾燥させることにより、接着剤充填部70を形成することが好ましい。
本発明に係る二次電池は、蓄電が想定される様々な分野に利用することができる。あくまでも例示にすぎないが、本発明の二次電池は、電気・電子機器などが使用される電気・情報・通信分野(例えば、携帯電話、スマートフォン、ノートパソコンおよびデジタルカメラ、活動量計、アームコンピューター、電子ペーパーなどや、RFIDタグ、カード型電子マネー、スマートウォッチなどの小型電子機などを含む電気・電子機器分野あるいはモバイル機器分野)、家庭・小型産業用途(例えば、電動工具、ゴルフカート、家庭用・介護用・産業用ロボットの分野)、大型産業用途(例えば、フォークリフト、エレベーター、湾港クレーンの分野)、交通システム分野(例えば、ハイブリッド車、電気自動車、バス、電車、電動アシスト自転車、電動二輪車などの分野)、電力系統用途(例えば、各種発電、ロードコンディショナー、スマートグリッド、一般家庭設置型蓄電システムなどの分野)、医療用途(イヤホン補聴器などの医療用機器分野)、医薬用途(服用管理システムなどの分野)、ならびに、IoT分野、宇宙・深海用途(例えば、宇宙探査機、潜水調査船などの分野)などに利用することができる。
1 正極
2 負極
3 セパレータ
5 電極構成層
10 電極組立体
13 電極タブ(例えば負極タブ)
15 巻き芯パイプ
20 外装体
20a 外装体における開口部の周縁
20b 外装体における折り返し部
20c 外装体における側壁部
30 蓋体
31 蓋体における端子引出孔
40 リベット(加締め後)
40’ リベット(加締め前)
41 リベットにおける加締め部(加締め後)
41’ リベットにおける加締め部(加締め前)
42 リベットにおける鍔部
43 リベットにおける軸部
50 電極板(例えば正極版)
51 電極板における端子引出孔
60 電極タブ(例えば正極タブ)
70 接着剤充填部

Claims (16)

  1. 正極、負極および前記正極と前記負極との間に配置されるセパレータを含む電極組立体;
    開口部を有し、かつ前記電極組立体を収納する、金属から構成された外装体;および
    前記開口部を覆い、かつ樹脂から構成された蓋体を備えた二次電池であって、
    前記外装体は、前記開口部の周縁が該外装体の内側に折り返されてなる折り返し部を有し、
    前記蓋体は、断面視にて、その端面で、前記外装体の前記折り返し部により、前記外装体の外側から内側に向かって弾性圧縮されつつ、前記開口部を密閉している、二次電池。
  2. 前記外装体は、前記折り返し部の内側で、前記正極または前記負極の一方の電極のタブを挟持することにより、前記一方の電極のタブと電気的に接続されている、請求項1に記載の二次電池。
  3. 前記二次電池は、
    加締め部および鍔部を有し、かつ前記加締め部が前記蓋体の端子引出孔から前記蓋体の外部側に突出するように配置されているリベットをさらに備え、
    前記リベットは、前記加締め部が加締められて、該加締め部と前記鍔部との間で少なくとも前記正極または前記負極の他方の電極のタブおよび前記蓋体を挟持することにより、前記他方の電極のタブと電気的に接続されている、請求項2に記載の二次電池。
  4. 前記二次電池は、
    前記蓋体の外側表面上に配置され、かつ前記リベットの前記加締め部と前記鍔部との間で前記他方の電極のタブおよび前記蓋体とともに挟持される電極板をさらに有する、請求項3に記載の二次電池。
  5. 前記樹脂と前記金属の線膨張係数の差に起因して、より高温になるほど、前記蓋体はより膨張して、前記外装体の前記折り返し部による弾性圧縮力はより高くなる、請求項1~4のいずれかに記載の二次電池。
  6. 前記外装体は有底筒状を有している、請求項1~5のいずれかに記載の二次電池。
  7. 前記蓋体は電気絶縁性を有している、請求項1~6のいずれかに記載の二次電池。
  8. 前記蓋体は、断面視において、前記二次電池の内側に湾曲している、請求項1~7のいずれかに記載の二次電池。
  9. 前記二次電池は密閉型二次電池である、請求項1~8のいずれかに記載の二次電池。
  10. 前記二次電池はリチウムイオン二次電池である、請求項1~9のいずれかに記載の二次電池。
  11. 正極、負極および前記正極と前記負極との間に配置されるセパレータを含む電極組立体;
    開口部を有し、かつ前記電極組立体を収納する、金属から構成された外装体;および
    前記開口部を覆い、かつ樹脂から構成された蓋体を備えた二次電池を製造するための二次電池の製造方法であって、
    前記外装体において、前記開口部の周縁が該外装体の内側に折り返されてなる折り返し部を形成する折り返し工程;および
    前記蓋体を前記外装体の前記開口部に嵌め合わせ、前記蓋体が、断面視にて、その端面で、前記外装体の前記折り返し部により前記外装体の外側から内側に向かって弾性圧縮されつつ、前記開口部を密閉する、嵌合工程;
    を含む、二次電池の製造方法。
  12. 前記嵌合工程において、冷やし嵌め法または圧入法を用いる、請求項11に記載の二次電池の製造方法。
  13. 前記折り返し工程において、
    前記折り返し部を形成するに際し、前記外装体は、前記折り返し部の内側で、前記正極または前記負極の一方の電極のタブを挟持することにより、前記一方の電極のタブと電気的に接続する、請求項11または12に記載の二次電池の製造方法。
  14. 前記嵌合工程において、
    加締め部および鍔部を有するリベットを、前記蓋体の嵌め合わせにより前記加締め部が前記蓋体の端子引出孔から前記蓋体の外部側に突出するように配置させ、かつ
    前記正極または前記負極の他方の電極のタブを、前記蓋体と前記鍔部との間にさらに配置させ、
    前記加締め部の加締め工程により、
    前記加締め部と前記鍔部との間で少なくとも前記他方の電極のタブおよび前記蓋体を挟持することにより、前記リベットを前記他方の電極のタブと電気的に接続する、請求項13に記載の二次電池の製造方法。
  15. 前記嵌合工程において、
    前記蓋体の外側表面上に電極板をさらに配置させ、
    前記加締め部の加締め工程により、
    前記加締め部と前記鍔部との間で前記他方の電極のタブおよび前記蓋体とともに前記電極板を挟持することにより、前記リベットおよび電極板を前記他方の電極のタブと電気的に接続する、請求項14に記載の二次電池の製造方法。
  16. 請求項1~10のいずれかに記載の二次電池を製造する、請求項11~15のいずれかに記載の二次電池の製造方法。
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