JP7238631B2 - 活性線硬化型インクジェットインク、および画像形成方法 - Google Patents

活性線硬化型インクジェットインク、および画像形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、活性線硬化型インクジェットインク、および画像形成方法に関する。
インクジェット画像形成方法は、簡易かつ安価に画像を形成できることから、各種印刷分野で用いられている。インクジェット画像形成方法の一つとして、活性線硬化型インクジェットインクの液滴を記録媒体に着弾させた後、活性線を上記液滴に照射して上記液滴を硬化させてなる硬化膜を集合させて、画像を形成する活性線硬化型インクジェット画像形成方法がある。活性線硬化型インクジェット画像形成方法は、インク吸収性のない記録媒体においても、高い耐擦過性と密着性を有する画像を形成できることから、近年注目されつつある。
白色用の活性線硬化型インクジェットインクには、顔料として酸化チタン(TiO)が用いられることが多い。たとえば、特許文献1には、アルミナ、ジルコニアおよび有機物により表面処理された酸化チタン顔料、分散剤および有機溶剤からなる非水系白色インクジェットインク組成物が記載されている。特許文献1には、酸化チタンを有機物で表面処理することにより、酸化チタンと分散剤との親和性が高まって酸化チタンに対する分散剤の吸着率が高まり、分散剤の配合量を減らすことができると記載されている。
また、特許文献2には、白色着色量としての二酸化チタンと、着色料分散剤と、硬化性モノマーと、ゲル化剤と、を含む、インクジェット印刷プロセスに適した相変化インクが記載されている。特許文献2には、上記ゲル化剤は、基材などの上でインクを急速に粘度増加させ、これらの上に固定させることができると記載されている。
特開2013-189566号公報 特開2009-41015号公報
特許文献2に記載のような、ゲル化剤(ワックス)を含有する活性線硬化型インクジェットインクは、着弾後のピニング性が高いため、より高精細な画像の形成を可能にすると期待される。
しかし、本発明者らの知見によると、酸化チタンを含有する活性線硬化型インクジェットインクにワックスを添加すると、当該活性線硬化型インクジェットインクを用いて形成された画像(硬化膜)には、ひび割れが生じたり、画像(硬化膜)表面の滑り性が低くなり、画像形成装置中で紙詰まりが生じやすかったりすることがあった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、酸化チタンおよびワックスを含有する活性線硬化型インクジェットインクであって、形成される硬化膜へのひび割れの発生や、形成される硬化膜表面の滑り性の低下を抑制することができる活性線硬化型インクジェットインク、および当該活性線硬化型インクジェットインクを用いた画像形成方法を提供することをその目的とする。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に関する活性線硬化型インクジェットインクは、活性線重合性化合物、表面処理された酸化チタンおよびワックスを含有する、活性線硬化型インクジェットインクである。上記表面処理された酸化チタンは、その全質量に対して0.31質量%以上2.0質量%以下の炭素原子を含有する。
また、上記課題を解決するための本発明の一実施形態に関する画像形成方法は、上記活性線硬化型インクジェットインクの液滴をインクジェットヘッドのノズルから吐出して、上記吐出された液滴を記録媒体に付着させる工程と、上記付着した液滴に活性線を照射して、上記液滴を硬化させる工程と、を含む。
本発明によれば、酸化チタンおよびワックスを含有する活性線硬化型インクジェットインクであって、形成される硬化膜へのひび割れの発生や、形成される硬化膜表面の滑り性の低下を抑制することができる活性線硬化型インクジェットインク、および当該活性線硬化型インクジェットインクを用いた画像形成方法が提供される。
図1は、本発明の一実施形態に関するインクジェット用の画像形成装置の概念を示す側面図である。
本発明の一実施形態に関する活性線硬化型インクジェットインク(以下、単に「白色インク」ともいう。)は、活性線重合性化合物、表面処理された酸化チタンおよびワックスを含有し、活性線を照射されて上記活性線重合性化合物が重合または架橋することにより硬化するインクジェットインクである。また、白色インクは、ワックスを含有することにより、加熱されてゾル化した状態でインクジェットヘッドから吐出されて、記録媒体または中間転写体の表面に着弾した後、活性線を照射される前にゲル化してピニングする。
白色インクは、上記酸化チタンが有機物で表面処理されており(以下、表面処理された酸化チタンを単に「疎水化TiO」ともいう。)、疎水化TiOは、その全質量に対して0.31質量%以上2.0質量%以下の炭素原子を含有する。
本発明者らの知見によると、酸化チタンの微粒子は、活性線硬化型インクジェットインクに用いられる他の顔料(有機顔料やカーボンブラックなど)の微粒子よりも、その表面の親水性の度合いが高い。そのため、酸化チタンの微粒子は、他の顔料の微粒子と比較して、インク中で疎水性のワックスを微粒子の近くに引き寄せにくい。そのため、酸化チタンおよびワックスを含有する活性線硬化型インクジェットインクを用いて形成した硬化膜中では、ワックスが、硬化膜中のうち顔料の近く以外の領域により広く分散し、その結果として硬化膜の表面に析出するワックスの量も比較的多くなると考えられる。そして、硬化膜表面のうち、ワックスが多く析出した領域は、結晶化したワックスにより硬度が高くなり、鱗片状にひび割れやすくなると考えられる。
また、硬化膜表面のうち、酸化チタンの微粒子が露出したり、酸化チタンの微粒子が表面近傍に配置したりされた領域は、ワックスが存在する他の領域と比較して、滑り性が低くなる。そのため、上記酸化チタンの微粒子が表面に露出したり表面の近傍に配置されたりした領域は、硬化膜を他の紙に対して滑りにくくさせてしまうことがある。
これに対して、本実施形態では、表面処理して、その表面を疎水化した酸化チタンを、活性線硬化型インクジェットインクに用いる。これにより、インク中で疎水性のワックスを酸化チタンの微粒子の近くに引き寄せやすくし、硬化膜中のうち顔料の近く以外の領域に分散するワックスの量を減らすことができ、硬化膜表面に析出したワックスによるひび割れの発生を抑制することができると考えられる。また、これにより、硬化膜の表面に露出したり表面の近傍に配置されたりした酸化チタンの微粒子の周囲にも十分な量のワックスが集合するため、上記酸化チタンの微粒子による硬化膜の滑り性の低下が生じにくくなると考えられる。
一方で、本発明者らの知見によると、酸化チタンの表面の疎水性の度合いが高すぎると、酸化チタンがワックスをその近くに引き寄せすぎてしまい、硬化膜表面に析出するワックスの量が減少してしまう。上記析出するワックスの量が減少すると、硬化膜表面の滑り性が低下してしまい、硬化膜(画像)表面で他の記録媒体が滑りにくくなるため、画像形成装置中で紙詰まりが生じやすくなると考えられる。
これらの知見に鑑み、本発明者らは、酸化チタンを表面処理して疎水化することで硬化膜表面へのひび割れの発生および滑り性の低下を抑制し、一方で過剰な疎水化による滑り性の低下を抑制できるような表面処理条件を鋭意検討し、その全質量に対して0.31質量%以上2.0質量%以下の炭素原子を含有するようになるように、酸化チタンを表面処理することで、上記ひび割れの抑制および滑り性の低下の抑制を両立し得ることを見出し、さらに検討および実験を重ねて、本発明を完成させた。
以下、本発明の一実施形態に関する活性線硬化型インクジェットインク(白色インク)、白色インクを用いた画像形成方法、および白色インクを用いた画像形成方法を実施できる画像形成装置について、より詳しく説明する。
1.白色インク
1-1.活性線重合性化合物
活性線重合性化合物は、活性線の照射により重合するものであれば特に制限されない。活性線重合性化合物の例には、ラジカル重合性化合物およびカチオン重合性化合物が含まれる。これらのうち、活性線重合性化合物は、ラジカル重合性化合物であることが好ましい。
なお、上記活性線の例には、電子線、紫外線、α線、γ線およびエックス線などが含まれる。これらのうち、紫外線および電子線が好ましく、紫外線がより好ましい。
ラジカル重合性化合物は、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物(モノマー、オリゴマー、ポリマーあるいはこれらの混合物)である。ラジカル重合性化合物は、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物の例には、不飽和カルボン酸とその塩、不飽和カルボン酸エステル化合物、不飽和カルボン酸ウレタン化合物、不飽和カルボン酸アミド化合物およびその無水物、アクリロニトリル、スチレン、不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ウレタンなどが挙げられる。不飽和カルボン酸の例には、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸などが含まれる。
ラジカル重合性化合物は、不飽和カルボン酸エステル化合物であることが好ましく、(メタ)アクリレートであることがより好ましい。なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレートまたはメタアクリレートを意味し、「(メタ)アクリル」は、アクリルまたはメタクリルを意味する。
単官能の(メタ)アクリレートの例には、イソアミル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソミルスチル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル-ジグリコール(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2-(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸、2-(メタ)アクリロイロキシエチル-2-ヒドロキシエチル-フタル酸およびt-ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレートが含まれる。
多官能の(メタ)アクリレートの例には、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール-トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのPO付加物ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレートおよびトリプロピレングリコールジアクリレートを含む2官能の(メタ)アクリレート、ならびに、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレートおよびペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレートを含む3官能以上の(メタ)アクリレートが含まれる。
ラジカル重合性化合物は、エチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドで変性された(メタ)アクリレート(以下、単に「変性(メタ)アクリレート」ともいう。)を含むことが好ましい。変性(メタ)アクリレートは、感光性がより高い。また、変性(メタ)アクリレートは、高温下でも他の成分とより相溶しやすい。さらには、変性(メタ)アクリレートは、硬化収縮が少ないため、活性線照射時の印刷物のカールをより生じさせにくい。
カチオン重合性化合物の例には、エポキシ化合物、ビニルエーテル化合物およびオキセタン化合物などが含まれる。
上記エポキシ化合物の例には、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3′,4′-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4-エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビニルシクロヘキセンモノエポキサイド、ε-カプロラクトン変性3,4-エポキシシクロヘキシルメチル3′,4′-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、1-メチル-4-(2-メチルオキシラニル)-7-オキサビシクロ[4,1,0]ヘプタン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル-5,5-スピロ-3,4-エポキシ)シクロヘキサノン-メタ-ジオキサンおよびビス(2,3-エポキシシクロペンチル)エーテルなどの脂環式エポキシ樹脂、1,4-ブタンジオールのジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル、グリセリンのトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコールのジグリシジルエーテル、エチレングリコール、プロピレングリコール、およびグリセリンなどの脂肪族多価アルコールに1種または2種以上のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイドなど)を付加することにより得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテルなどを含む脂肪族エポキシ化合物、ならびに、ビスフェノールAまたはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールAまたはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル、およびノボラック型エポキシ樹脂などを含む芳香族エポキシ化合物などが含まれる。
上記ビニルエーテル化合物の例には、エチルビニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2-エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n-プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルエーテル-o-プロピレンカーボネート、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、およびオクタデシルビニルエーテルなどを含むモノビニルエーテル化合物、ならびにエチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、およびトリメチロールプロパントリビニルエーテルなどを含むジまたはトリビニルエーテル化合物などが含まれる。
上記オキセタン化合物の例には、3-ヒドロキシメチル-3-メチルオキセタン、3-ヒドロキシメチル-3-エチルオキセタン、3-ヒドロキシメチル-3-プロピルオキセタン、3-ヒドロキシメチル-3-ノルマルブチルオキセタン、3-ヒドロキシメチル-3-フェニルオキセタン、3-ヒドロキシメチル-3-ベンジルオキセタン、3-ヒドロキシエチル-3-メチルオキセタン、3-ヒドロキシエチル-3-エチルオキセタン、3-ヒドロキシエチル-3-プロピルオキセタン、3-ヒドロキシエチル-3-フェニルオキセタン、3-ヒドロキシプロピル-3-メチルオキセタン、3-ヒドロキシプロピル-3-エチルオキセタン、3-ヒドロキシプロピル-3-プロピルオキセタン、3-ヒドロキシプロピル-3-フェニルオキセタン、3-ヒドロキシブチル-3-メチルオキセタン、1,4ビス{[(3-エチル-3-オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン、3-エチル-3-(2-エチルヘキシロキシメチル)オキセタンおよびジ[1-エチル(3-オキセタニル)]メチルエーテルなどが含まれる。
活性線重合性化合物の含有量は、白色インクの全質量に対して1質量%以上97質量%以下であることが好ましく、10質量%以上95質量%以下であることがより好ましく、30質量%以上95質量%以下であることがさらに好ましい。
1-2.活性線重合開始剤
白色インクは、活性線重合開始剤を含有してもよい。
活性線重合開始剤は、活性線の照射により上記活性線重合性化合物の重合および架橋を開始させる化合物である。なお、電子線の照射により画像を形成するときなど、活性線重合開始剤なしでも上記活性線重合性化合物の重合および架橋が開始できるときは、白色インクは、活性線重合開始剤を含有しなくてもよい。
活性線重合開始剤は、白色インクがラジカル重合性化合物を有するときはラジカル開始剤とすることができ、白色インクがカチオン重合性化合物を有するときはカチオン開始剤(光酸発生剤)とすることができる。
ラジカル重合開始剤には、分子内結合開裂型のラジカル重合開始剤と分子内水素引き抜き型のラジカル重合開始剤とが含まれる。
分子内結合開裂型のラジカル重合開始剤の例には、ジエトキシアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、ベンジルジメチルケタール、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル-(2-ヒドロキシ-2-プロピル)ケトン、1-ヒドロキシシクロヘキシル-フェニルケトン、2-メチル-2-モルホリノ(4-メチルチオフェニル)プロパン-1-オン、および2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-ブタノンなどを含むアセトフェノン系の開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、およびベンゾインイソプロピルエーテルなどを含むベンゾイン類、2,4,6-トリメチルベンゾインジフェニルホスフィンオキシドなどを含むアシルホスフィンオキシド系の開始剤、ならびに、ベンジルおよびメチルフェニルグリオキシエステルなどが含まれる。
分子内水素引き抜き型のラジカル重合開始剤の例には、ベンゾフェノン、o-ベンゾイル安息香酸メチル、4-フェニルベンゾフェノン、4,4’-ジクロロベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4’-メチル-ジフェニルサルファイド、アクリル化ベンゾフェノン、3,3’,4,4’-テトラ(t-ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、および3,3’-ジメチル-4-メトキシベンゾフェノンなどを含むベンゾフェノン系の開始剤、2-イソプロピルチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2,4-ジクロロチオキサントンなどを含むチオキサントン系の開始剤、ミヒラーケトン、4,4’-ジエチルアミノベンゾフェノンなどを含むアミノベンゾフェノン系の開始剤、10-ブチル-2-クロロアクリドン、2-エチルアンスラキノン、9,10-フェナンスレンキノン、ならびにカンファーキノンなどが含まれる。
カチオン系の重合開始剤の例には、光酸発生剤が含まれる。光酸発生剤の例には、ジアゾニウム、アンモニウム、ヨードニウム、スルホニウム、およびホスホニウムなどを含む芳香族オニウム化合物のB(C 、PF 、AsF 、SbF 、CFSO 塩など、スルホン酸を発生するスルホン化物、ハロゲン化水素を光発生するハロゲン化物、ならびに鉄アレン錯体などが含まれる。
活性線重合開始剤の含有量は、活性線の照射によって白色インクが十分に硬化し、かつ白色インクの吐出性を顕著に低下させない範囲において、任意に設定することができる。たとえば、白色インクは、その全質量に対して、0.1質量%以上10質量%以下の活性線重合開始剤を含有することが好ましく、0.1質量%以上8質量%以下の活性線重合開始剤を含有することがより好ましい。
1-3.疎水化TiO
疎水化TiOは、表面処理により、炭素原子の含有量がその全質量に対して0.31質量%以上2.0質量%以下とされた酸化チタン(TiO)である。
上記炭素原子の含有量が0.31質量%以上であると、ワックスを疎水化TiOの近くにより引き寄せやすくなり、硬化膜表面に析出するワックス量を低減して、ひび割れをより生じにくくすることができる。また、上記炭素原子の含有量が0.31質量%以上であると、硬化膜の表面に露出したり表面の近傍に配置されたりした疎水化TiOの周囲にも十分な量のワックスが集合するため、酸化チタンによる滑り性の低下をより抑制することができる。上記炭素原子の含有量が2.0質量%以下であると、ワックスを疎水化TiOの近くに引き寄せすぎず、硬化膜表面に析出するワックスの量を維持して、硬化膜表面の滑り性の低下を抑制することができる。上記ひび割れの発生の抑制および滑り性の低下の抑制を両立させる観点から、炭素原子の含有量は、0.36質量%以上1.0質量%以下であることが好ましく、0.4質量%以上0.8質量%以下であることがより好ましい。
上記炭素原子の含有量は、燃焼法で測定された値とすることができる。
上記表面処理は、公知の表面処理剤による表面処理であればよい。
上記表面処理剤は、疎水化TiOが含有する炭素原子量を上記範囲にすることができる限りにおいて特に限定されないものの、有機系の表面処理剤とすることができ、ポリオール、シロキサン化合物またはシランカップリング剤であることが好ましい。これらのうち、疎水化TiOの近くにワックスをより引き寄せやすくし、ひび割れの発生および滑り性の低下をより効率的に抑制する観点からは、上記表面処理剤はシロキサン化合物であることが好ましい。
上記ポリオールの例には、炭素数4以上10以下のポリオールが含まれる。上記炭素数4以上10以下のポリオールの例には、エチレングリコール、2-メチル-1,2,3-プロパントリオール、ペンタエリスリトール、トリメチロールエタン、およびトリメチロールプロパンなどが含まれる。
上記シロキサン化合物の例には、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、およびメチルフェニルポリシロキサンなどを含む各種のシリコーンオイルが含まれる。
上記シランカップリング剤の例には、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、およびn-オクタデシルジメチル(3-(トリメトキシシリル)プロピル)アンモニウムクロライドなどを含む各種アルキルシラン、トリフルオロメチルエチルトリメトキシシラン、およびヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシランなどを含む各種フルオロアルキルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ならびにγ-アミノプロピルトリメトキシシランなどが含まれる。
なお、上記表面処理剤は、チタン系、アルミ系、およびアルミナ-ジルコニア系などを含む各種金属系カップリング剤、イソステアリン酸およびステアリン酸などを含む脂肪酸ならびにそれらの金属塩、ならびに公知の界面活性剤などであってもよい。
酸化チタンの表面処理は、公知の方法で行うことができる。たとえば、酸化チタン粒子、表面処理剤および溶剤を攪拌ミルで混合し、その後、溶媒を除去すればよい。上記混合前に、酸化チタン粒子、表面処理剤および溶剤を予備混合してスラリー化してもよい。
疎水化TiOは、典型的には粒子状である。疎水化TiOの重量平均粒子径は、50nm以上500nm以下であることが好ましく、100nm以上300nm以下であることがより好ましい。疎水化TiOの重量平均粒子径を50nm以上とすることで、十分な隠蔽性を有する画像を形成することができる。一方、疎水化TiOの重量平均粒子径を500nm以下とすることで、疎水化TiOを安定して分散させることができ、白色インクの保存性および射出安定性を高めることができる。
上記酸化チタンの結晶形態は、ルチル型、アナターゼ型およびブルーカイト型のいずれでもよいが、疎水化TiOをより小粒径化しやすくする観点からは、比重が小さいアナターゼ型が好ましく、形成される画像の隠蔽性をより高める観点からは、可視光領域における屈折率が大きいルチル型が好ましい。
疎水化TiOの含有量は、白色インクの全質量に対して5質量%以上30質量%以下であることが好ましく、8質量%以上20質量%以下であることがより好ましい。
1-4.ワックス
ワックスは、1個以上4個以下のアルキル鎖を有する化合物であり、かつ温度変化により白色インクをゾルゲル相変化させる化合物である。ワックスは、白色インクを加熱状態ではゾル化させ、室温付近ではゲル化させる。これにより、加熱されてゾル化された白色インクをインクジェットヘッドから吐出させ、かつ、記録媒体に着弾して冷却してゲル化された白色インクを仮固化させて、白色インクのピニング性を高めることができる。
ワックスは、白色インクのゲル化温度より高い温度で、白色インクに含有される活性線重合性化合物に溶解し、かつ、白色インクのゲル化温度以下の温度で、白色インク中で結晶化する化合物であることが好ましい。ゲル化温度とは、加熱によりゾル化または液体化した白色インクを冷却していったときに、白色インクがゾルからゲルに相転移し、白色インクの粘度が急変する温度を意味する。具体的には、ゾル化または液体化した白色インクを、レオメータ(たとえばAntonPaar社製、MCR300)で粘度を測定しながら冷却していったときに、粘度が急激に上昇した温度を、そのインクのゲル化温度とすることができる。
ワックスが白色インク中で結晶化すると、板状に結晶化したワックスによって形成された三次元空間に活性線重合性化合物が内包される構造が形成されることがある(このような構造を、以下「カードハウス構造」という)。カードハウス構造が形成されると、液体状の活性線重合性化合物が上記空間内に保持されるため、白色インクが記録媒体に付着して形成されたドットがより濡れ広がりにくくなり、インクのピニング性がより高まる。インクのピニング性が高まると、インクが記録媒体に付着して形成されたドット同士が合一しにくくなる。
カードハウス構造を形成させやすくする観点からは、活性線重合性化合物とワックスとが白色インク中で相溶していることが好ましい。
上記ワックスの例には、高級脂肪酸、高級アルコール、脂肪酸エステル、脂肪酸アミン、脂肪族ケトン、および脂肪酸アミドなどが含まれる。
上記ワックスは、これらのうち、脂肪酸エステルまたは脂肪族ケトンであることが好ましく、下記一般式(G1)で表される化合物または一般式(G2)で表される化合物であることがより好ましい。
一般式(G1): R1-CO-R2
一般式(G2): R3-COO-R4
一般式(G1)において、R1およびR2は、独立して炭素数9以上25以下の、分岐鎖を有してもよい直鎖状の炭化水素基を示し、一般式(G2)において、R3およびR4は、独立して炭素数9以上25以下の、分岐鎖を有してもよい直鎖状の炭化水素基を示す。
一般式(G1)で表される化合物の例には、ジリグノセリルケトン(炭素数:23-24)、ジベヘニルケトン(炭素数:21-22)、ジステアリルケトン(炭素数:17-18)、ジエイコシルケトン(炭素数:19-20)、ジパルミチルケトン(炭素数:15-16)、ジミリスチルケトン(炭素数:13-14)、ジラウリルケトン(炭素数:11-12)、ラウリルミリスチルケトン(炭素数:11-14)、ラウリルパルミチルケトン(11-16)、ミリスチルパルミチルケトン(13-16)、ミリスチルステアリルケトン(13-18)、ミリスチルベヘニルケトン(13-22)、パルミチルステアリルケトン(15-18)、バルミチルベヘニルケトン(15-22)およびステアリルベヘニルケトン(17-22)などが含まれる。なお、上記括弧内の炭素数は、カルボニル基で分断される2つの炭化水素基それぞれの炭素数を表す。
一般式(G1)で表される化合物の市販品の例には、18-Pentatriacontanon、およびHentriacontan-16-on(いずれもAlfa Aeser社製)、ならびにカオーワックスT1(花王株式会社製)などが含まれる。
一般式(G2)で表される化合物の例には、ベヘニン酸ベヘニル(炭素数:21-22)、イコサン酸イコシル(炭素数:19-20)、ステアリン酸ステアリル(炭素数:17-18)、ステアリン酸パルミチル(炭素数:17-16)、ステアリン酸ラウリル(炭素数:17-12)、パルミチン酸セチル(炭素数:15-16)、パルミチン酸ステアリル(炭素数:15-18)、ミリスチン酸ミリスチル(炭素数:13-14)、ミリスチン酸セチル(炭素数:13-16)、ミリスチン酸オクチルドデシル(炭素数:13-20)、オレイン酸ステアリル(炭素数:17-18)、エルカ酸ステアリル(炭素数:21-18)、リノール酸ステアリル(炭素数:17-18)、オレイン酸ベヘニル(炭素数:18-22)およびリノール酸アラキジル(炭素数:17-20)などが含まれる。なお、上記括弧内の炭素数は、エステル基で分断される2つの炭化水素基それぞれの炭素数を表す。
一般式(G2)で表される化合物の市販品の例には、ユニスターM-2222SL、スパームアセチ、ニッサンエレクトールWEP-2およびニッサンエレクトールWEP-3(いずれも日油株式会社製、「ユニスター」および「ニッサンエレクトール」はいずれも同社の登録商標)、エキセパールSSおよびエキセパールMY-M(いずれも花王株式会社製、「エキセパール」は同社の登録商標)、EMALEX CC-18およびEMALEX CC-10(日本エマルジョン株式会社製、「EMALEX」は同社の登録商標)、ならびにアムレプスPC(高級アルコール工業株式会社製、「アムレプス」は同社の登録商標)などが含まれる。これらの市販品は、二種類以上の混合物であることが多いため、必要に応じて分離・精製して白色インクに含有させてもよい。
上記ワックスの含有量は、白色インクのピニング性が十分に高まり、かつ白色インクの吐出性を顕著に低下させない範囲において、任意に設定することができる。たとえば、白色インクは、その全質量に対して、0.3質量%以上8.0質量%以下のワックスを含むことが好ましく、0.5質量%以上5.0質量%以下のワックスを含むことがより好ましく、0.8質量%以上3.5質量%以下のワックスを含むことがさらに好ましい。
また、上記ワックスの含有量は、疎水化TiOの含有量に対して5質量%以上30質量%以下であることが好ましく、7.5質量%以上25質量%以下であることがより好ましく、10質量%以上20質量%以下であることがさらに好ましい。上記疎水化TiOに対するワックスの含有量が5質量%以上であると、疎水化TiOの含有量が多すぎないため白色インクの吐出性が低下しにくく、あるいはワックスの含有量が十分となるため白色インクのピニング性が十分に高まりやすい。特に、上記疎水化TiOに対するワックスの含有量が7.5質量%以上あるいは10質量%であると、ワックスの含有量が十分となり、硬化膜の表面に露出したり表面の近傍に配置されたりした疎水化TiOの周囲にも十分な量のワックスが集合するため、酸化チタンによる滑り性の低下をより抑制することができる。上記疎水化TiOに対するワックスの含有量が30質量%以下であると、白色インク内に存在するワックスのうち十分な量を疎水化TiOが引き寄せて、硬化膜表面に析出するワックス量を少なくできるため、ひび割れを効果的に抑制することができる。
1-5.その他の成分
白色インクは、界面活性剤、重合禁止剤、pH調整剤、紫外線吸収剤、および保湿剤などのその他の成分をさらに含有してもよい。また、白色インクは、必要に応じて疎水化TiO以外の顔料を含有してもよい。
上記その他の成分の含有量は、白色インクの全質量に対して0.001質量%以上10質量%以下であることが好ましい。
1-6.物性
インクジェットヘッドからの射出性をより高める観点からは、白色インクの80℃における粘度は3mPa・s以上20mPa・s以下であることが好ましい。
白色インクは、40℃以上70℃以下にゾルゲル相転移する相転移温度を有することが好ましい。白色インクの相転移温度が40℃以上であると、記録媒体に着弾後、白色インクが速やかに増粘するため、濡れ広がりの程度をより調整しやすくなる。白色インクの相転移温度が70℃以下であると、組成物温度が通常80℃程度である吐出ヘッドからの白色インクの射出時に白色インクがゲル化しにくいため、より安定して白色インクを射出することができる。
白色インクの80℃における粘度および相転移温度は、レオメータにより、白色インクの動的粘弾性の温度変化を測定することにより求めることができる。
1-7.白色インクの調製方法
白色インクは、上述した各成分を混合して、調製することができる。このとき、各成分の溶解性を高めるため、加熱しながら混合することが好ましい。
なお、疎水化TiOおよび任意に含有される他の顔料と、顔料分散剤と、を含む顔料分散液をあらかじめ調製しておき、これに残りの成分を添加して混合してもよい。このときも、顔料分散剤などの溶解性を高めるため、顔料および分散剤などを加熱しながら混合して顔料分散液を調製することが好ましい。
2.画像形成方法
本発明の他の実施形態に関する画像形成方法は、白色インクを用いて画像を形成する方法に関する。上記画像形成方法は、白色インクを用いる以外は、インクジェットインクを用いる従来公知の画像形成方法を同様に実施することができる。
具体的には、上記画像形成方法は、1)白色インクをインクジェットヘッドのノズルから吐出して、吐出された液滴を記録媒体に付着させる工程と、2)記録媒体に付着した白色インクの液滴に活性線を照射して、白色インクの液滴を硬化させる工程と、を含む。
2-1.付着させる工程
第1の工程では、白色インクの液滴をインクジェットヘッドから吐出して、記録媒体の、形成すべき画像に応じた位置に付着させる。
インクジェットヘッドからの吐出方式は、オンデマンド方式とコンティニュアス方式のいずれでもよい。オンデマンド方式のインクジェットヘッドは、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型およびシェアードウォール型などの電気-機械変換方式、ならびにサーマルインクジェット型およびバブルジェット(「バブルジェット」はキヤノン社の登録商標)型などの電気-熱変換方式などのいずれでもよい。
また、インクジェットヘッドは、スキャン式およびライン式のいずれのインクジェットヘッドでもよいが、ライン式であることが好ましい。
白色インクの液滴は、加熱されてゾル化した状態でインクジェットヘッドから吐出される。インクジェットヘッドからの白色インクの吐出性を高める観点からは、インクジェットヘッドに充填されたときの白色インクの温度を、白色インクのゲル化温度+10℃以上、ゲル化温度+30℃以下に設定することが好ましい。インクジェットヘッド内の白色インクの温度が、ゲル化温度+10℃以上であると、インクジェットヘッド内もしくはノズル表面で白色インクがゲル化することによる吐出性の低下が生じにくい。一方、インクジェットヘッド内の白色インクの温度がゲル化温度+30℃以下であると、高温による成分の劣化が生じにくい。また、吐出される際の白色インクの粘度は、7mPa・s以上15mPa・s以下であることが好ましく、8mPa・s以上13mPa・s以下であることがより好ましい。
白色インクの加熱方法は、特に制限されない。例えば、ヘッドキャリッジを構成するインクタンク、供給パイプおよびヘッド直前の前室インクタンクなどのインク供給系、フィルター付き配管ならびにピエゾヘッドなどの少なくともいずれかをパネルヒーター、リボンヒーターおよび保温水などによって加熱することができる。
吐出されるときの白色インクの液滴量は、記録速度および画質をより高める観点から、2pL以上20pL以下であることが好ましい。
記録媒体は、特に制限されず、通常の非コート紙、コート紙などの他、合成紙ユポ(「ユポ」は株式会社ユポ・コーポレーションの登録商標)、軟包装に用いられる各種プラスチックおよびそのフィルムを用いることができる。各種プラスチックフィルムとしては、例えば、PPフィルム、PETフィルム、OPSフィルム、OPPフィルム、ONyフィルム、PVCフィルム、PEフィルム、TACフィルムがある。その他のプラスチックとしては、ポリカーボネート、(メタ)アクリル樹脂、ABS、ポリアセタール、PVA、ゴム類などが使用できる。また、記録媒体は、金属類や、ガラス類などであってもよい。
記録媒体への付着は、上記吐出された白色インクをそのまま記録媒体に着弾させて付着させてもよいし、上記吐出された白色インクを中間転写体に着弾させて中間画像を形成し、上記中間画像を中間転写体から記録媒体に転写して付着させてもよい。
2-2.硬化させる工程
第2の工程では、第1の工程で記録媒体に付着させた白色インクの液滴に活性線を照射して上記液滴を硬化させる。これにより、白色インクの硬化膜からなる画像が形成される。
活性線は、たとえば電子線、紫外線、α線、γ線、およびエックス線などから選択することができるが、紫外線または電子線であることが好ましい。上記紫外線は、360nm以上410nm以下にピーク波長を有する光であることが好ましい。また、上記紫外線は、LED光源から照射されることが好ましい。LEDは従来の光源(例えばメタルハライドランプなど)と比較して、輻射熱が少ない。したがって、LEDは、活性線照射時に、インクが溶け難く、光沢ムラなどを生じさせ難い。
3.画像形成装置
本発明のさらに他の実施形態に関する画像形成装置は、上記方法を実施可能なインクジェット用の画像形成装置である。
図1は、本実施形態に関するインクジェット用の画像形成装置100の概念を示す側面図である。
図1に示されるように、画像形成装置100は、インクジェットヘッド110、搬送部120、および照射部130を有する。なお、図1において、矢印は記録媒体の搬送方向を示す。
3-1.インクジェットヘッド110
インクジェットヘッド110は、ノズル111の吐出口が設けられたノズル面113を、画像を形成する際に搬送部120に対向する面に有しており、搬送部120によって搬送される記録媒体200に対して白色インクを吐出する。白色インクの吐出性を高める観点から、インクジェットヘッド110は、インクの温度を調整してインクを低粘度に調整するための温度調整手段を有してもよい。温度調整手段の例には、パネルヒーター、リボンヒーターおよび保温水による加熱手段が含まれる。
インクジェットヘッド110は、記録媒体の搬送方向に直行する方向の幅が記録媒体200よりも小さいスキャン式のインクジェットヘッドでもよく、記録媒体の搬送方向に直行する方向の幅が記録媒体200よりも大きいライン式のインクジェットヘッドでもよい。
ノズル111は、ノズル面113に吐出口を有する。ノズル111の数は、画像形成に使用するインクの数(例えば4つ)以上であればよい。インクジェットヘッド110が複数のノズル111を有する場合、装置の構成を単純化して制御を容易にする観点からは、複数のノズル111は、ほぼ等間隔となるように記録媒体の搬送方向に並んで設けられることが好ましい。
インクジェットヘッド110は、吐出されて記録媒体200に着弾するインクの量を変更可能に構成される。たとえば、インクジェットヘッド110は、制御部に制御されて、圧電素子の振動幅を変更したり、一部のノズルからインクを吐出させなくしたりすることができるように構成される。
3-2.搬送部120
搬送部120は、画像を形成する際に、インクジェットヘッド110の鉛直方向直下において、インクジェットヘッド110に対向する記録媒体200が移動するように、記録媒体200を搬送する。たとえば、搬送部120は、駆動ローラ121および従動ローラ122、ならびに搬送ベルト123を有する。
駆動ローラ121および従動ローラ122は、記録媒体200の搬送方向に所定の間隔をあけるとともに、記録媒体200の搬送方向に直交する方向に延在した状態で配置される。駆動ローラ121は、不図示の駆動源によって回転する。
搬送ベルト123は、その上に乗せられた記録媒体200を搬送するためのベルトであり、駆動ローラ121および従動ローラ122に架け渡されている。搬送ベルト123は、たとえば、記録媒体200よりも幅広に形成された無端のベルトとすることができる。このとき、駆動源が駆動ローラ121を回転させると、駆動ローラ121に追従して搬送ベルト123が周回して、搬送ベルト123上の記録媒体200が搬送される。
3-3.照射部130
照射部130は、光源を有し、搬送部120の上面に光源から活性線を照射する。これにより、搬送される記録媒体200上に着弾した白色インクの液滴に活性線を照射して、液滴を硬化させることができる。照射部130は、インクジェットヘッド110よりも下流側で搬送部120の直上に配設することができる。
3-4.その他の構成
画像形成装置100は、上記構成以外にも、吐出前の白色インクを貯蔵するためのインクタンク(不図示)、インクタンクとインクジェットヘッド110とをインクが流通可能に連通するインク流路(不図示)、ならびに、インクジェットヘッド110、搬送部120、および照射部130の動作を制御する制御部(不図示)を有していてもよい。
また、画像形成装置100は、中間転写体および転写部(いずれも不図示)を有してもよい。このとき、インクジェットヘッド110は、中間転写体に対して白色インクを吐出して中間転写体の表面に着弾させ、白色インクの液滴が集合してなる中間画像を中間転写体の表面に形成する。その後、転写部は、中間転写体の表面から記録媒体の表面へと、中間画像を転写する。そして、照射部130は、記録媒体の表面に転写された中間画像に活性線を照射して、白色インクの液滴を硬化させる。
以下、本実施形態の具体的な実施例を比較例とともに説明する。ただし、以下の実施例の記載は、本発明の技術的範囲をこれらの記載の範囲内に限定することを意図するものではない。
1.活性線硬化型インクジェットインクの調製
1-1.酸化チタンの表面処理および炭素原子量の測定
3.0質量部の表面処理剤としてのメチルトリメトキシシランと、97.0質量部の表面処理されていない酸化チタン(堺化学工業株式会社製、R32)と、を溶剤中に投入して調製したスラリーを、撹拌器で混合し、さらに横型連続式サンドグラインダーミル(アイメックス社製、ウルトラビスコミル)により5分間の分散処理を行った。上記分散処理後の混合物をニーダーに投入し、減圧加熱して溶媒を除去した。その後、得られた粉末を120~150℃でキュアリングして、粉末状の表面処理された酸化チタンであるTiO-1を得た。
前処理剤の種類および量、ならびに表面処理されていない酸化チタンの量を変更した以外は同様にして、TiO-2~TiO-9を得た。
上記得られたTiO-1~TiO-9に含まれる炭素原子量を、Elmentar社製、vario ELcube を用いて、燃焼法-熱伝導度(TCD)検出法により、以下の条件で測定した。
測定項目: CHNS同時測定
燃焼管温度: 1150℃
還元管温度: 850℃
キャリアガス: ヘリウム
キャリアガス流量: 230ml/min.
酸素流量(燃焼時): 40ml/min.
TiO-1~TiO-9の表面処理に用いた表面処理剤の種類および量、表面処理された酸化チタンの量、および測定された炭素原子量を、表1に示す。
Figure 0007238631000001
1-2.酸化チタン分散液の調製
40質量部の3PO変性トリメチロールプロパントリアクリレートと、10質量%の顔料分散剤であるアジスパーPB824(味の素ファインテクノ株式会社製)と、を、ステンレスビーカーに入れた混合液を用意し、上記混合液を65℃のホットプレート上で加熱しながら1時間加熱攪拌した。
その後、上記混合液を室温まで冷却し、さらに、50質量部のTiO-1を加えた。さらに、上記混合液を、直径0.5mmのジルコニアビーズ200gと共にガラス瓶に入れて密栓し、ペイントシェーカーにて5時間分散処理した後にジルコニアビーズを除去して、酸化チタン分散液-1を得た。
TiO-1の代わりにTiO-2~TiO-9を用いた以外は同様にして、酸化チタン分散液-2~酸化チタン分散液-9を得た。
60質量部の3PO変性トリメチロールプロパントリアクリレートと、10質量%の顔料分散剤であるアジスパーPB824(味の素ファインテクノ株式会社製)と、を、ステンレスビーカーに入れた混合液を用意し、上記混合液を65℃のホットプレート上で加熱しながら1時間加熱攪拌した。
その後、上記混合液を室温まで冷却し、さらに、30質量部のPigmentBlack 7(三菱ケミカル株式会社製、#52)を加えた。さらに、上記混合液を、直径0.5mmのジルコニアビーズ200gと共にガラス瓶に入れて密栓し、ペイントシェーカーにて5時間分散処理した後にジルコニアビーズを除去して、カーボンブラック分散液-10を得た。
1-3.活性線硬化型インクジェットインクの調製
表2に記載された成分比にしたがって、上記顔料分散液と下記に示す各材料とを混合して、80℃に加熱して攪拌した。その後、上記混合液を加熱しながら、ADVANTEC社製テフロン(「テフロン」はザケマーズ カンパニーの登録商標)3μmメンブランフィルターで濾過して、いずれも活性線硬化型インクジェットインクであるインク1~インク12を得た。なお、表の数値は質量%である。
活性線重合性化合物-1: 4EO変性ヘキサンジオールジアクリレート
活性線重合性化合物-2: トリプロピレングリコールジアクリレート
活性線重合性化合物-3: 6EO変性トリメチロールプロパントリアクリレー
活性線重合開始剤-1: DUROCUR TPO(BASF社製)
活性線重合開始剤-2: IRGACURE 819(BASF社製)
界面活性剤: BYK UV3500(ビックケミー・ジャパン社製)
重合禁止剤: Irgastab UV10(BASF社製)
ワックス-1: ニッサンエレクトール WEP-2(日油株式会社製)
ワックス-2: ジペンタデシルケトン(Arfa Aeser社製、Hentriacontan-16-on)
Figure 0007238631000002
2.評価
2-1.耐ひび割れ性
インク1~インク12を、それぞれ、ピエゾ型インクジェットノズルを備えたインクジェットヘッドを有するシングルパスのインクジェット画像形成装置に装填した。インク供給系は、インクタンク、インク流路、インクジェットヘッド直前のサブインクタンク、フィルター付き配管、およびインクジェットヘッドからなり、インクジェットヘッドの温度は80℃に設定した。
インクジェットヘッドは、解像度が600dpiであるコニカミノルタ社製インクジェット(ピエゾ式)を、2ヘッドを1セット(1200dpi)としたヘッドモジュールを有していた。
インク1~インク12のそれぞれをインクジェットヘッドのノズルから射出して、アルミ蒸着PET紙(五條製紙株式会社製、SPECIALITIES No.314-400)に着弾させた。着弾後1秒以内に、LEDランプ(395nm、8W/cm、Phoseon Technology社製)を照射して着弾したインクを硬化させた。
このようにして形成した、付き量が10g/mのベタ画像(16cm×4cm)を顕微鏡および目視で観察し、下記の基準に従って耐ひび割れ性を評価した。
◎: 顕微鏡100倍で画像表面を観察しても、ひび割れは全く観察されなかった
○: 顕微鏡100倍で画像表面を観察すると、一部に細かいひび割れが観察されたが、目視ではひび割れは視認されなかった
△: 顕微鏡100倍で画像表面を観察すると、全面に細かいひび割れが観察されたが、目視ではひび割れは視認されなかった
×: 目視でひび割れが視認できた
2-2.表面滑り性
上記耐ひび割れ性の試験と同様に形成した画像に対して、500gの荷重をかけながら試験片を一定速度で動かしたときのフォースゲージ(株式会社イマダ製)の値の変化から、形成された画像の動摩擦係数を算出した。試験片は、25mm×25mmのアルミ蒸着PET紙(五條製紙株式会社製、SPECIALITIES No.314-400)を用いた。得られた動摩擦係数の値から、下記の基準に従って表面滑り性を評価した。
◎: 動摩擦係数は0.1未満であった
○: 動摩擦係数は0.1以上0.15未満であった
△: 動摩擦係数は0.15以上0.2未満であった
×: 動摩擦係数は0.2以上であった
インク1~インク12の評価結果を、表3に示す。
Figure 0007238631000003
表3から明らかなように、活性線重合性化合物、表面処理された酸化チタンおよびワックスを含有し、上記表面処理された酸化チタンは、その全質量に対して0.31質量%以上2.0質量%以下の炭素原子を含有する活性線硬化型インクジェットインクであるインク1~インク9を用いると、ひび割れが生じにくく、かつ硬化膜表面の滑り性の低下も抑制された画像が形成されていた。なお、酸化チタン以外の顔料(カーボンブラック)を含有するインク12では、ひび割れが発生したり、硬化膜表面の滑り性が低下したりするという問題が生じなかった。
また、上記表面処理された酸化チタンが、その全質量に対して0.36質量%以上1.0質量%以下の炭素原子を含有するインク2およびインク3は、インク1およびインク4と比較して、耐ひび割れ性および硬化膜表面の滑り性のバランスがより良好であった。
また、上記表面処理された酸化チタンが、シロキサン化合物により表面処理されたものであるインク5は、インク6およびインク7と比較して、耐ひび割れ性および硬化膜表面の滑り性が良好であった。これは、上記シロキサン化合物により表面処理された酸化チタンは、ワックスをより引き寄せやすかったためだと考えられる。
また、ワックスの含有量が、表面処理された酸化チタンの含有量に対して5質量%以上30質量%以下であるインク8およびインク9は、ひび割れがより生じにくかった。これは、インク内に存在するワックスのうち十分な量を表面処理された酸化チタンが引き寄せることができ、硬化膜表面に析出するワックス量を少なくできたためだと考えられる。
これに対し、酸化チタン微粒子の炭素原子含有量が0.2質量%と少ないインク10を用いて形成した画像では、ひび割れが生じやすかった。これは、酸化チタンがワックスを引き寄せにくく、より多量のワックスが表面に析出したためと考えられる。
また、酸化チタン微粒子の炭素原子含有量が2.5質量%と多いインク11を用いて形成した画像では、硬化膜表面の滑り性が低下していた。これは、疎水化処理された酸化チタンがワックスを引き寄せすぎて、硬化膜表面に析出するワックスの量が少なくなったためと考えられる。
本発明の活性線硬化型インクジェットインクは、形成される画像へのひび割れが発生しにくく、かつ画像形成装置内での紙詰まりも発生しにくい。そのため、本発明は、下地層の形成など、特には白色によるベタ画像の形成などへの活性線硬化型インクジェットインクの適用の幅を広げ、同分野の技術の進展および普及に貢献することが期待される。
100 画像形成装置
110 インクジェットヘッド
111 ノズル
113 ノズル面
120 搬送部
121 駆動ローラ
122 従動ローラ
123 搬送ベルト
130 照射部
200 記録媒体

Claims (7)

  1. 活性線重合性化合物、表面処理された酸化チタンおよびワックスを含有し、
    前記表面処理された酸化チタンは、その全質量に対して0.31質量%以上2.0質量%以下の炭素原子を含有する、
    活性線硬化型インクジェットインク。
  2. 前記酸化チタンは、ポリオール、シロキサン化合物およびシランカップリング剤からなる群から選択される表面処理剤により表面処理されている、請求項1に記載の活性線硬化型インクジェットインク。
  3. 前記ワックスの含有量は、前記表面処理された酸化チタンの含有量に対して5質量%以上30質量%以下である、請求項1または2に記載の活性線硬化型インクジェットインク。
  4. 前記表面処理された酸化チタンは、その全質量に対して0.36質量%以上1.0質量%以下の炭素原子を含有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の活性線硬化型インクジェットインク。
  5. 前記酸化チタンは、シロキサン化合物により表面処理されている、請求項1~4のいずれか1項に記載の活性線硬化型インクジェットインク。
  6. 前記ワックスは、一般式(G1)で表される化合物または一般式(G2)で表される化合物を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の活性線硬化型インクジェットインク。
    一般式(G1): R1-CO-R2
    一般式(G2): R3-COO-R4
    (一般式(G1)において、R1およびR2は、独立して炭素数9以上25以下の、分岐鎖を有してもよい直鎖状の炭化水素基を示し、一般式(G2)において、R3およびR4は、独立して炭素数9以上25以下の、分岐鎖を有してもよい直鎖状の炭化水素基を示す。)
  7. 請求項1~6のいずれか1項に記載の活性線硬化型インクジェットインクの液滴をインクジェットヘッドのノズルから吐出して、前記吐出された液滴を記録媒体に付着させる工程と、
    前記付着した液滴に活性線を照射して、前記液滴を硬化させる工程と、
    を含む、画像形成方法。
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