JP7238520B2 - 多層積層フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、多層積層フィルムに関する。
屈折率の低い層と高い層とを交互に多数積層させた多層積層構造を有する多層積層フィルムは、層間の構造的な光干渉によって特定波長の光を選択的に反射または透過する光学干渉フィルムとすることができる。また、このような多層積層フィルムは、各層の膜厚を厚み方向に沿って徐々に変化させたり、異なる反射ピークを有するフィルムを貼り合わせたりすることで、幅広い波長範囲に渡って光を反射または透過することができ、金属を使用したフィルムと同等の高い反射率を得ることもでき、金属光沢フィルムや反射ミラーとして使用することもできる。さらには、このような多層積層フィルムを1方向に延伸することで、特定の偏光成分のみを反射する反射偏光フィルムとしても使用でき、液晶ディスプレイなどの輝度向上部材等に使用できることが知られている(例えば、特許文献1~3参照)。
特に携帯電話、タブレット型PC等では、これらの多層積層フィルムは電力消費を抑制するために広く使用されている。
また、このような多層積層フィルムは、液晶ディスプレイ等においては一般的に光吸収型偏光板と同時に用いられる。しかしながら、多層積層フィルムと光吸収型偏光板とを別々に用意して、それらを重ね合わせて組み込むのでは、工程が増えるし、また、全体の厚みや重量が大きくなる。そこで、多層積層フィルムにポリビニルアルコール(PVA)フィルムを積層し、かかるPVAフィルムを光吸収型偏光板に加工する技術 が知られている(例えば、特許文献1~3参照)。
このような構成とすることで、大型TV等にこれらのフィルムを組み込む際に、一枚一枚では剛性がなく組み込みしにくいが、貼り合わせることで剛性が上がり、組み込みやすくなる。また、いくつかのフィルムを複合化することは、組み込みによる工程数を減らすことが出来るので、工程も簡素化出来る。さらに、あらかじめ接着されたものとすることで、フィルムとフィルムの界面で発生する光学ロスや透過軸のずれによる光学ロスの抑制や、フィルムのそり防止にもなる。
一方、多層積層フィルムにPVAフィルムを積層するに際しては、これらフィルム間の密着性が問題となる。かかる密着性を向上するために、粘着層(OCA)を使用する技術(例えば特許文献1参照)や、PVA糊で接着する技術(例えば特許文献2参照)が知られている。
特開2013-218316号公報 特開2013-218317号公報 特表2017-502330号公報
しかしながら、上記従来技術では、積層する機能層が増えるため、光学フィルム全体としての厚みや重量が増加してしまう問題がある。光学フィルムとしての厚みが増加すると、バックライトユニット全体の厚みや重量も増加してしまい、特に小型軽量化が望まれる携帯電話、タブレットPC等で問題となる。
本発明の課題は、多層積層フィルムにおいて、多層積層フィルムの厚膜化を抑制しつつ、ポリビニルアルコール系樹脂層の密着性を向上させた多層積層フィルムを提供することである。
上記課題を解決するための手段には、以下の態様が含まれる。
<1>
樹脂を主体とする第1層と樹脂を主体とする第2層とが交互に積層した多層積層構造、及び樹脂を主体とする支持層を有する多層積層体と、ポリビニルアルコール系樹脂層と、を有する多層積層フィルムであって、前記多層積層構造と前記支持層とは直接接しており、前記支持層と前記ポリビニルアルコール系樹脂層とは、直接又は厚み1μm以下の他の層を介して接しており、前記多層積層構造は、前記第1層と前記第2層とを少なくとも有する繰り返し単位の物理厚みでの層厚みプロファイルを有し、前記層厚みプロファイルは厚み単調増加領域を有し、前記厚み単調増加領域において厚みが薄い側に前記支持層と前記ポリビニルアルコール系樹脂層とが設けられる、多層積層フィルム。
<2>
前記支持層の厚みが1μm超え20μm以下である<1>に記載の多層積層フィルム。
<3>
前記厚み単調増加領域の厚みが薄い側の最表層から10組までの前記繰り返し単位の平均厚みが80nm以上120nm以下である<1>又は<2>に記載の多層積層フィルム
<4>
前記第1層が複屈折性の層であり、前記第2層が等方性の層である<1>~<3>のいずれか一つに記載の多層積層フィルム。
<5>
前記ポリビニルアルコール系樹脂層は偏光機能を有する<1>~<4>のいずれか一つに記載の多層積層フィルム
本発明によれば、多層積層フィルムにおいて、多層積層フィルムの厚膜化を抑制しつつ、ポリビニルアルコール系樹脂層の密着性を向上させた多層積層フィルムが提供される。
本発明の多層積層フィルム及び層厚みプロファイルの一例を示す模式図である。
以下、本発明の一例である実施形態について説明する。本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
[多層積層フィルム]
本発明の多層積層フィルムは、樹脂を主体とする第1層と樹脂を主体とする第2層とが交互に積層した多層積層構造、及び樹脂を主体とする支持層を有する多層積層体と、ポリビニルアルコール系樹脂層と、を有する。また、前記多層積層構造と、前記支持層と、前記ポリビニルアルコール系樹脂層と、がこの順で積層されている。
ここで、多層積層構造と支持層とは直接接している。また、支持層とポリビニルアルコール系樹脂層とは、直接接しているか、または他の層を介して接しており、他の層を介していたとしてもかかる他の層は厚み1μm以下である。
以下、本発明の多層積層フィルムの各構成要素について説明する。
[多層積層構造]
本発明の多層積層フィルムは、樹脂を主体とする第1層と樹脂を主体とする第2層とを少なくとも有する多層積層構造を有する。
かかる第1層は複屈折性で、かかる第2層は等方性であることが好ましく、第1層と第2層とによる光の干渉効果により、波長380~780nmの可視光領域において、幅広い波長範囲で反射可能であることができる。
ここで反射可能とは、少なくともフィルム面内の任意の一方向において、かかる方向と平行な偏光の垂直入射での平均反射率が50%以上であることをいう。かかる反射は、各波長範囲での平均反射率として50%以上であればよく、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上である。
なお、ここで「樹脂を主体とする」とは、各層において樹脂が70質量%以上を占めることをいい、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上である。
このような反射特性とするために、樹脂を主体とし、膜厚が10~1000nmの複屈折性の第1層と、樹脂を主体とし、膜厚が10~1000nmの等方性の第2層とが合計30層以上で厚み方向に交互に積層した構造を有することが好ましい。
多層積層構造が、上記の第1層と第2層に加え、第3層を有していてもよく、第3層を有する場合は、第1層、第2層、第3層の順の繰り返し単位が積層された構造を有することが好ましい。
また、各層を構成する樹脂については、詳細は後述するが、複屈折性の層および等方性の層を形成し得るものであれば特に制限されない。いずれも、フィルムを製造し易い観点から、熱可塑性樹脂が好ましい。
なお、本発明の各層においては、製膜機械軸方向(縦方向、長手方向、又はMD方向という場合ある。)、製膜機械軸方向にフィルム面内で直交する方向(横方向、幅方向、又はTD方向という場合がある。)、厚み方向の屈折率につき、最大と最小の差が0.1以上のものを複屈折性、0.1未満のものを等方性とする。
(層厚みプロファイル)
本発明における多層積層構造は、第1層と第2層とを少なくとも有する繰り返し単位の物理厚みでの層厚みプロファイルを有する。また、かかる層厚みプロファイルは、単調増加領域を有する。
なお、多層積層構造が、第3層を有する場合であっても同様に、繰り返し単位の物理厚みでの層厚みプロファイルを有し、かかる層厚みプロファイルは単調増加領域を有する。
かかる単調増加領域において、各反射波長に対応する屈折率および厚みを備える繰り返し単位を適切に配分することによって、幅広い光学厚みの第1層および第2層を有することとなり、広い波長範囲の光を反射することが可能となる。
これは、反射波長が多層積層フィルムを構成する各層の光学厚みに起因するためである。一般的に多層積層フィルムの反射波長は、下記(式1)で示される。
λ=2(n1×d1+n2×d2) (式1)
(上式中、λは反射波長(nm)、n1、n2はそれぞれの層の屈折率、d1、d2はそれぞれの層の物理厚み(nm)を表わす)
また、光学厚みλM(nm)は、下記(式2)のように、各層それぞれの屈折率nkおよび物理厚みdk(nm)の積で表される。ここでの物理厚みは透過型電子顕微鏡を用いて撮影した写真から求めたものが採用され得る。
λM(nm)=nk×dk (式2)
上記のことを鑑みれば、波長380~780nmにある光を広く反射可能である層厚みプロファイルとすることができる。例えば、後述する単調増加領域における厚み範囲を広くして、幅広い波長範囲の光を反射するように設計することもできるし、かかる単調増加領域では特定の波長範囲の光を反射するようにし、他の領域でかかる特定の波長範囲以外の光を反射するようにし、全体として幅広い波長範囲の光を反射するように設計することもできる。
本発明において繰り返し単位の物理厚みは下記(式3)で表される。
dp=d1+d2 (式3)
上式中、dpは繰り返し単位の物理厚み(nm)、d1、d2はそれぞれかかる繰り返し単位を構成する第1層、第2層の物理厚み(nm)を表す。
ここでの物理厚みは透過型電子顕微鏡を用いて撮影した写真から求めたものが採用され得る。
繰り返し単位の物理厚みは、60nm以上であることが好ましく、また、350nm以下であることが好ましい。これにより、波長380~780nmにある光を広く反射可能とし易くなる。繰り返し単位の物理厚みは、薄すぎても光学特性が発現しないし、また、厚すぎると剛直性が強くなる傾向にあり、断裁等において界面に応力が集中した際に界面での剥離が生じやすくなる傾向にある。このような観点から、繰り返し単位の物理厚みの下限値は70nmがより好ましく、80nmがさらに好ましく、95nmがさらに好ましく、また、上限値は330nmがより好ましく、310nmがさらに好ましく、300nmがさらに好ましい。
(単調増加領域)
本発明において「単調増加」とは、多層積層フィルムにおける多層積層構造の全てにおいてより厚い側の層がより薄い側の層よりも厚くなっていることを意味することが好ましいが、それに限定されず、全体を見て厚みがより薄い側からより厚い側に厚みが増加している傾向が見られればよい。具体的には、厚みがより薄い側からより厚い側に向かって層に番号を付し、それを横軸として、各層の膜厚を縦軸にプロットしたときに、膜厚が増加傾向を示す範囲内での各層の層数を5等分し、膜厚が厚くなる方向に、等分された各エリアでの膜厚の平均値が全て増加している場合は単調増加であるとし、そうでない場合は単調増加でないとした。
図1は、本発明の多層積層フィルム及び層厚みプロファイルの一例を示す模式図である。例えば図1に示すように、本発明の多層積層構造は単調増加領域を有する。図1の多層積層構造14中にグラフで示される層厚みプロファイル14Pにおいて、多層積層構造14はAからBに向かって厚みが単調増加している厚み単調増加領域を有するといえる。
図1の多層積層フィルム30は、第1層と第2層の交互積層構造である多層積層構造14が中間層16を介して2層積層され、更に多層積層構造14の外側には支持層(最外層)12及び最外層18が形成された多層積層体10に、ポリビニルアルコール系樹脂層22が密着されたものである。すなわち、一例として示される多層積層フィルム30の積層構成としては、ポリビニルアルコール系樹脂層22/支持層(最外層)12/多層積層構造14/中間層16/多層積層構造14/最外層18である。
上記単調増加については、多層積層構造における一方の最表層から他方の最表層までの全てにおいて単調増加している態様であることが好ましいが、多層積層構造において、層数で80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上の部分において単調増加している態様であってもよく、その余の部分においては厚みが一定であったり減少していたりしていてもよい。
例えば本発明の実施例1は、100%の部分において単調増加している態様であるが、かかる厚みプロファイルの層番号が小さい側および/または層番号が大きい側に単調増加でない領域を設けた態様であってもよい。
-多層積層構造の構成-
[第1層]
本発明の多層積層構造を構成する第1層は、複屈折性の層であることが好ましく、すなわちこれを構成する樹脂は、複屈折性の層を形成し得るものであることが好ましい。従って、第1層を構成する樹脂としては配向結晶性の樹脂が好ましく、かかる配向結晶性の樹脂として特にポリエステルが好ましい。該ポリエステルは、それを構成する繰り返し単位を基準として好ましくはエチレンテレフタレート単位および/またはエチレンナフタレート単位を、より好ましくはエチレンナフタレート単位を、80モル%以上、100モル%以下の範囲で含有することが、より高い屈折率の層とし易く、それにより第2層との屈折率差を大きくしやすいことから好ましい。ここで樹脂の併用の場合は、合計の含有量のことをいう。
(第1層の樹脂)
第1層の樹脂として、ポリエステルが好ましく、ポリエステルとして、ジカルボン酸成分としてナフタレンジカルボン酸成分を含有し、その含有量は該ポリエステルを構成するジカルボン酸成分を基準として80モル%以上、100モル%以下であることが好ましい。かかるナフタレンジカルボン酸成分としては、2,6-ナフタレンジカルボン酸成分、2,7-ナフタレンジカルボン酸成分、またはこれらの組み合わせから誘導される成分、もしくはそれらの誘導体成分が挙げられ、特に2,6-ナフタレンジカルボン酸成分もしくはその誘導体成分が好ましく例示される。ナフタレンジカルボン酸成分の含有量は、好ましくは85モル%以上、より好ましくは90モル%以上であり、また、好ましくは100モル%未満、より好ましくは98モル%以下、さらに好ましくは95モル%以下である。
第1層のポリエステルを構成するジカルボン酸成分としては、ナフタレンジカルボン酸成分以外にさらに本発明の目的を損なわない範囲でテレフタル酸成分、イソフタル酸成分などを含有してもよく、中でもテレフタル酸成分を含有することが好ましい。含有量は0モル%を超え、20モル%以下の範囲であることが好ましい。かかる第2のジカルボン酸成分の含有量は、より好ましくは2モル%以上、さらに好ましくは5モル%以上であり、また、より好ましくは15モル%以下、さらに好ましくは10モル%以下である。
本発明の多層積層フィルムを液晶ディスプレイ等に用いられる輝度向上部材や反射型偏光板として使用する場合、第1層が第2層よりも相対的に高屈折率特性を有する層であり、第2層が第1層よりも相対的に低屈折率特性を有する層であり、また1軸方向に延伸されることが好ましい。
なお、この場合、本発明においては、1軸延伸方向をX方向(縦方向ともいう。)、フィルム面内においてX方向と直交する方向をY方向(横方向、非延伸方向ともいう。)、フィルム面に対して垂直な方向をZ方向(厚み方向ともいう。)と称する場合がある。
第1層に、上記のようにナフタレンジカルボン酸成分を主成分として含有するポリエステルを用いることで、X方向に高屈折率を示すと同時に1軸配向性の高い複屈折率特性を実現でき、X方向について第2層との屈折率差を大きくすることができ、高偏光度に寄与する。一方、ナフタレンジカルボン酸成分の含有量が下限値に満たないと、非晶性の特性が大きくなり、X方向の屈折率nXと、Y方向の屈折率nYとの差異が小さくなる傾向にあるため、多層積層フィルムにおいて、フィルム面を反射面とし、1軸延伸方向(X方向)を含む入射面に対して平行な偏光成分と定義される本発明におけるP偏光成分について十分な反射性能が得難くなる傾向にある。
なお、本発明におけるS偏光成分とは、多層積層フィルムにおいて、フィルム面を反射面とし、1軸延伸方向(X方向)を含む入射面に対して垂直な偏光成分と定義される。
第1層の好ましいポリエステルを構成するジオール成分としては、エチレングリコール成分が用いられ、その含有量は該ポリエステルを構成するジオール成分を基準として80モル%以上、100モル%以下であることが好ましく、より好ましくは85モル%以上、100モル%以下、さらに好ましくは90モル%以上、100モル%以下、特に好ましくは90モル%以上、98モル%以下である。該ジオール成分の割合が下限値に満たない場合は、前述の1軸配向性が損なわれることがある。
第1層のポリエステルを構成するジオール成分として、エチレングリコール成分以外に、さらに本発明の目的を損なわない範囲でトリメチレングリコール成分、テトラメチレングリコール成分、シクロヘキサンジメタノール成分、ジエチレングリコール成分などを含有してもよい。
(第1層のポリエステルの特性)
第1層に用いられるポリエステルの融点は、好ましくは220~290℃の範囲、より好ましくは230~280℃の範囲、さらに好ましくは240~270℃の範囲である。融点は示差走査熱量計(DSC)で測定して求めることができる。該ポリエステルの融点が上限値を越えると、溶融押出して成形する際に流動性が劣り、吐出などが不均一化しやすくなることがある。一方、融点が下限値に満たないと、製膜性は優れるものの、ポリエステルの持つ機械的特性などが損なわれやすくなり、また液晶ディスプレイの輝度向上部材や反射型偏光板として使用される際の屈折率特性が発現し難い傾向にある。
第1層に用いられるポリエステルのガラス転移温度(以下、Tgと称することがある。)は、好ましくは80~120℃、より好ましくは82~118℃、さらに好ましくは85~118℃、特に好ましくは100~115℃の範囲にある。Tgがこの範囲にあると、耐熱性および寸法安定性に優れ、また液晶ディスプレイの輝度向上部材や反射型偏光板として使用される際の屈折率特性を発現し易い。かかる融点やガラス転移温度は、共重合成分の種類と共重合量、そして副生物であるジエチレングリコールの制御などによって調整できる。
第1層に用いられるポリエステルは、o-クロロフェノール溶液を用いて35℃で測定した固有粘度が0.50~0.75dl/gであることが好ましく、より好ましくは0.55~0.72dl/g、さらに好ましくは0.56~0.71dl/gである。これにより適度な配向結晶性を有し易くなる傾向にあり、第2層との屈折率差を発現し易くなる傾向にある。
[第2層]
本発明の多層積層構造を構成する第2層は、等方性の層であることが好ましく、すなわちこれを構成する樹脂は、等方性の層を形成し得るものであることが好ましい。従って、第2層を構成する樹脂としては非晶性の樹脂が好ましい。中でも非晶性であるポリエステルが好ましい。なおここで「非晶性」とは、極めて僅かな結晶性を有することを排除するものではなく、本発明の多層積層フィルムが目的とする機能を奏する程度に第2層を等方性にできればよい。
(第2層の樹脂)
第2層を構成する樹脂としては、共重合ポリエステルが好ましく、特に、ナフタレンジカルボン酸成分、エチレングリコール成分およびトリメチレングリコール成分を共重合成分として含む共重合ポリエステルを用いることが好ましい。なお、かかるナフタレンジカルボン酸成分としては、2,6-ナフタレンジカルボン酸成分、2,7-ナフタレンジカルボン酸成分、またはこれらの組み合わせから誘導される成分、もしくはそれらの誘導体成分が挙げられ、特に2,6-ナフタレンジカルボン酸成分もしくはその誘導体成分が好ましく例示される。かかるナフタレンジカルボン酸成分、好ましくは2,6-ナフタレンジカルボン酸成分は、第2層の共重合ポリエステルを構成する全カルボン酸成分の30モル%以上、100モル%以下であることが好ましく、より好ましくは30モル%以上、80モル%以下、さらに好ましくは40モル%以上、70モル%以下である。これにより第1層との密着性をより高くできる。ナフタレンジカルボン酸成分の含有量が下限に満たないと相溶性の観点から密着性が低下することがある。また、ナフタレンジカルボン酸成分の含有量の上限は特に制限されないが、多すぎると第1層との屈折率差を発現し難くなる傾向にある。なお、第1層との屈折率の関係を調整するために他のジカルボン酸成分を共重合させてもよい。
なお、本発明における共重合成分とは、ポリエステルを構成するいずれかの成分であることを意味しており、従たる成分(共重合量として全酸成分または全ジオール成分に対して50モル%未満)としての共重合成分に限定されず、主たる成分(共重合量として全酸成分または全ジオール成分に対して50モル%以上)も含めて用いられる。
本発明においては、上述したように、第1層の樹脂としてエチレンナフタレート単位を主成分とするポリエステルを用いることが好ましく、そのとき、第2層の樹脂としてナフタレンジカルボン酸成分を含む共重合ポリエステルを用いることで、第1層との相溶性が高くなり、第1層との層間密着性が向上する傾向にあり、層間剥離が生じ難くなるため好ましい。
第2層の共重合ポリエステルは、ジオール成分がエチレングリコール成分と、トリメチレングリコール成分の少なくとも2成分を含むことが好ましい。このうち、エチレングリコール成分は、フィルム製膜性などの観点より主たるジオール成分として用いられることが好ましい。
エチレングリコール成分は、第2層の共重合ポリエステルを構成する全ジオール成分の50モル%以上、95モル%以下であることが好ましく、より好ましくは50モル%以上、90モル%以下、さらに好ましくは50モル%以上、85モル%以下、特に好ましくは50モル%以上、80モル%以下である。これにより第1層との屈折率差を発現し易くなる傾向にある。
本発明における第2層の共重合ポリエステルは、さらにジオール成分としてトリメチレングリコール成分を含有することが好ましい。トリメチレングリコール成分を含有することで、層構造の弾性を補い、層間剥離を抑制する効果が高まる。
トリメチレングリコール成分は、第2層の共重合ポリエステルを構成する全ジオール成分の3モル%以上、50モル%以下であることが好ましく、さらに5モル%以上、40モル%以下であることが好ましく、より好ましくは10モル%以上、40モル%以下、特に好ましくは10モル%以上、30モル%以下である。これにより第1層との層間密着性をより高くできる。また、第1層との屈折率差を発現し易くなる傾向にある。トリメチレングリコール成分の含有量が下限に満たないと層間密着性の確保が難しくなる傾向にあり、上限を超えると所望の屈折率とガラス転移温度の樹脂とすることがし難くなる。
本発明における第2層は、本発明の目的を損ねない範囲であれば、第2層の質量を基準として10質量%以下の範囲内で該共重合ポリエステル以外の熱可塑性樹脂を第2のポリマー成分として含有してもよい。
第2層の共重合ポリエステルの具体例として、(1)ジカルボン酸成分として2,6-ナフタレンジカルボン酸成分を含み、ジオール成分としてエチレングリコール成分およびトリメチレングリコール成分を含む共重合ポリエステル、(2)ジカルボン酸成分として2,6-ナフタレンジカルボン酸成分およびテレフタル酸成分を含み、ジオール成分としてエチレングリコール成分およびトリメチレングリコール成分を含む共重合ポリエステル、が挙げられる。
(第2層の共重合ポリエステルの特性)
本発明において、上述する第2層の共重合ポリエステルは、85℃以上のガラス転移温度を有することが好ましく、より好ましくは90℃以上、150℃以下、さらに好ましくは90℃以上、120℃以下、特に好ましくは93℃以上、110℃以下である。これにより耐熱性により優れる。また、第1層との屈折率差を発現し易くなる傾向にある。第2層の共重合ポリエステルのガラス転移温度が下限に満たない場合、耐熱性が十分に得られないことがあり、例えば90℃近辺での熱処理などの工程を含むときに第2層の結晶化や脆化によってヘーズが上昇し、輝度向上部材や反射型偏光板として使用される際の偏光度の低下を伴うことがある。また、第2層の共重合ポリエステルのガラス転移温度が高すぎる場合には、延伸時に第2層のポリエステルも延伸による複屈折性が生じることがあり、それに伴い延伸方向において第1層との屈折率差が小さくなり、反射性能が低下することがある。
上述した共重合ポリエステルの中でも、90℃×1000時間の熱処理で結晶化によるヘーズ上昇を極めて優れて抑制できる点から、非晶性の共重合ポリエステルであることが好ましい。ここでいう非晶性とは、DSCにおいて昇温速度20℃/分で昇温させたときの結晶融解熱量が0.1mJ/mg未満であることを指す。
第2層の共重合ポリエステルは、o-クロロフェノール溶液を用いて35℃で測定した固有粘度が0.50~0.70dl/gであることが好ましく、さらに好ましくは0.55~0.65dl/gである。第2層に用いられる共重合ポリエステルが共重合成分としてトリメチレングリコール成分を有する場合、製膜性が低下することがあり、該共重合ポリエステルの固有粘度を上述の範囲とすることで製膜性をより高めることができる。第2層として上述する共重合ポリエステルを用いる場合の固有粘度は、製膜性の観点からはより高い方が好ましいものの、上限を超える範囲では第2層のポリエステルとの溶融粘度差が大きくなり、各層の厚みが不均一になることがある。
[支持層]
本発明の多層積層フィルムは、多層積層構造とポリビニルアルコール系樹脂層との間に、多層積層構造を支持する機能を有する支持層を有する。多層積層構造が支持層を有することにより、多層積層構造の操作性が向上すると共に、最終的に得られる多層積層フィルムの操作性が向上する。
かかる支持層は、樹脂を主体とする。なお、ここで「主体とする」とは、層において樹脂が70質量%以上を占めることをいい、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上である。また、支持層は、等方性の層であることが好ましく、製造上の容易性の観点からは第2層と同一樹脂であってもよく、上述した第2層の共重合ポリエステルから構成することができ、そのような態様が好ましい。
支持層の厚みは、好ましくは1μmを超える範囲、より好ましくは1.5μm以上、さらに好ましくは2μm以上、さらに好ましくは3μm以上、特に好ましくは4μm以上であり、また、好ましくは20μm以下、より好ましくは15μm以下、さらに好ましくは12μm以下である。このような支持層であると、光学的に厚膜であるから、多層積層構造によって奏される光学特性に影響を及ぼし難い。また、ポリビニルアルコール系樹脂層の密着性向上効果により優れる。支持層が薄すぎると、光学特性に影響を及ぼし易くなる傾向にあり、光学特性の劣化につながる可能性がある。また、ポリビニルアルコール系樹脂層の密着性の観点では、薄すぎるとバランスよく応力が緩和できず、厚すぎると剛直過ぎのため、密着性の向上効果が低下する傾向にある。
[ポリビニルアルコール系樹脂層]
本発明の多層積層フィルムは、ポリビニルアルコール系樹脂層(以下、「PVA系樹脂層」とも称する。)を有する。また、ポリビニルアルコール系樹脂層は偏光機能を有するものであることが好ましい。ここで、「偏光機能を有する」とは、PVA系樹脂層の透過軸に平行な偏光の透過率と、前記透過軸と直交する軸(吸収軸)に平行な偏光の透過率とに50%以上の差があることをいう。かかる差は、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上、更に好ましくは80%以上である。
PVA系樹脂層を形成するポリビニルアルコール系樹脂(以下、「PVA系樹脂」とも称する。)としては、任意の適切な樹脂が用いられる。たとえば、ポリビニルアルコール、エチレン―ビニルアルコール共重合体が挙げられる。ポリビニルアルコールは、ポリ酢酸ビニルをケン化すること により得られる。エチレン―ビニルアルコール共重合体は、エチレン―酢酸ビニル共重合体をケン化することにより得られる。PVA系樹脂のケン化度は、通常85モル%~100モル%であり、好ましくは95.0モル%~99.5モル%、さらに好ましくは99.0モル%~99.93モル%である。ケン化度は、JIS K 6726-1994に準じて求めることが出来る。このようなケン化度のPVA系樹脂を用いることによって、耐久性や光学特性に優れた偏光膜を得ることが出来る。ケン化度が高すぎる場合には、ゲル化してしまうおそれがある。
PVA系樹脂の平均重合度は、目的に応じて適切に選択される。平均重合度は、通常1000~10000であり、好ましくは1200~4500、さらに好ましくは1500~4300である。なお、平均重合度はJIS K 6726-1994に準じて求めることが出来る。
PVA系樹脂層には、液晶ディスプレイに必要な偏光性を発現させるために、二色性物質を含むことができる。二色性物質としては、例えばヨウ素、有機染料等が挙げられる。これらは単独で、または二種類以上組み合わせて用いられる。好ましくはヨウ素が用いられる。
PVA系樹脂層の厚みは、任意の適切な値に設定される。厚みは、好ましくは20μm以下、より好ましくは10μm以下、更に好ましくは6μm以下、特に好ましくは4μm以下である。PVA系樹脂層は、熱による収縮力が大きく、通常、厚みに依存する。収縮力が大きすぎると、界面での剥離や、フィルムのそりにつながるため、厚みは薄いほど好ましい。一方、厚みが薄すぎると、十分な光学特性が発現しない可能性があるため、1.0μm以上であることが好ましく、より好ましくは1.5μm以上、更に好ましくは2.0μm以上、更に好ましくは4.0μm以上である。
本発明の多層積層フィルムは、多層積層構造と支持層とを有する多層積層体と、ポリビニルアルコール系樹脂層を備えており、多層積層構造、支持層、ポリビニルアルコール系樹脂層はこの順で積層されている。
そして、かかる多層積層構造は、層厚みプロファイルの単調増加領域を有し、支持層とPVA系樹脂層は、かかる単調増加領域の厚みが薄い側にある。このような積層構成とすることで、PVA系樹脂層の密着性に優れる。
この原因は定かではないが、次のようなメカニズムが考えられる。すなわち、多層積層構造の単調増加領域においては、比較的厚い第1層および第2層が交互積層している部分よりも、比較的薄い第1層および第2層が交互積層している部分の方が、外部からの応力が緩和されやすいと考えられる。外部からの応力がかかったときに、単調増加領域の厚みが薄い側では、応力が緩和され、層の凝集破壊や層間の界面剥離が生じにくく、結果としてPVA系樹脂層の密着性が向上すると考えられる。
そのため、PVA系樹脂層を密着させるための機能層(例えば、粘着層等)を特段設ける必要がないか、または、設けたとしても薄いもので足りるため、多層積層フィルムの厚膜化を抑制することができる。
本発明における多層積層フィルムにおいて、ポリビニルアルコール系樹脂層の密着性は、多層積層構造の単調増加領域における厚みが薄い側の層の応力緩和が関与すると考えられる。ポリビニルアルコール系樹脂層の密着性向上の観点から、多層積層構造は、単調増加領域の薄い側の端から繰り返し単位の層番号が増加する方向に沿って10組までの繰り返し単位の平均厚み(以下、「最小10点平均厚み」とも称する。)が80nm以上120nm以下の範囲であることが好ましく、85nm以上115nm以下の範囲であることがより好ましく、90nm以上113nm以下の範囲であることがさらに好ましい。
なお、最小10点平均厚みは、上記の方法により多層積層構造の薄い側から10組の繰り返し単位の物理厚みdpを算出し、その平均値を求めることにより算出される。
[中間層・最外層]
本発明の多層積層フィルムを構成する多層積層体は、中間層や、多層積層構造の支持層となる最外層とは別の最外層を有していてもよい。
中間層は、本発明において内部厚膜層などと称することがあるが、第1層と第2層の交互積層構造の内部に存在する厚膜の層を指す。なお、ここで厚膜とは、光学的に厚膜であることをいう。本発明においては、多層積層フィルムの製造の初期段階で交互積層構造の両側に膜厚の厚い層(厚み調整層、バッファ層と称することがある。)を形成し、その後ダブリングにより積層数を増やす方法が好ましく用いられるが、その場合は、膜厚の厚い層同士が2層積層されて中間層が形成されることとなり、内部に形成された厚膜の層が中間層となり、外側に形成された厚膜の層が最外層となる。すなわち、最外層/多層積層構造/中間層/多層積層構造/最外層との積層構成となる。かかる最外層のうち、PVA系樹脂層が設けられる側の最外層は、上記した支持層となる。
中間層は、たとえば層厚みが5μm以上100μm以下であることが好ましく、50μm以下の厚さであることがより好ましい。このような中間層を第1層と第2層の交互積層構造の一部に有する場合、偏光機能に影響をおよぼすことなく、第1層および第2層を構成する各層厚みを均一に調整しやすくなる。中間層は、第1層、第2層のいずれかと同じ組成、またはこれらの組成を部分的に含む組成であってもよく、層厚みが厚いため、反射特性には寄与しない。一方、透過特性には影響することがあるため、層中に粒子を含める場合は光線透過率を考慮して粒子径や粒子濃度を選択すればよい。
中間層の厚さが5μm以上であると、多層積層構造の層構成に乱れが生じにくく、反射性能の低下を抑制できる傾向がある。また、中間層の厚さが100μm以下であると、多層積層フィルム全体の厚みを抑制することができ、薄型の液晶ディスプレイの反射型偏光板や輝度向上部材として用いた場合の省スペース化の観点から有利である。また、多層積層フィルム内に複数の中間層を含む場合には、それぞれの中間層の厚みは、上記範囲の下限以上であることが好ましく、また中間層の厚みの合計は、上記範囲の上限以下であることが好ましい。
中間層に用いられるポリマーは、本発明の多層積層フィルムの製造方法を用いて多層積層体中に存在させることができれば、第1層あるいは第2層と異なる樹脂を用いてもよいが、層間接着性の観点より、第1層または第2層のいずれかと同じ組成か、これらの組成を部分的に含む組成であることが好ましい。
該中間層の形成方法は特に限定されないが、例えばダブリングを行う前の交互積層構成の両側に膜厚の厚い層を設け、それをレイヤーダブリングブロックと呼ばれる分岐ブロックを用いて交互積層方向に垂直な方向に2分割し、それらを交互積層方向に再積層することで中間層を1層設けることができる。同様の手法で3分割、4分割することにより中間層を複数設けることもできる。
上記した支持層とは別の最外層は、多層積層体において、多層積層構造を支持する支持層とは反対側の面に有することができる。かかる別の最外層の好ましい樹脂は、前述した支持層と同様であるが、厚みについては、1μmを超える範囲が好ましく、3μm以上がより好ましく、5μm以上がさらに好ましく、また、100μm以下が好ましく、50μm以下がより好ましい。
かかる別の最外層の厚さが1μm超えであると、多層積層構造の層構成に乱れが生じにくく、反射性能の低下を抑制できる傾向がある。また、別の最外層の厚さが100μm以下であると、多層積層フィルム全体の厚みを抑制することができ、薄型の液晶ディスプレイの反射型偏光板や輝度向上部材として用いた場合の省スペース化の観点から有利である。
[他の層]
本発明の多層積層フィルムは、支持層とポリビニルアルコール系樹脂層とは、直接接しているか、或いは、厚さが1μm以下の他の層を介して接している。
本発明によれば、上述のように多層積層構造の厚みが薄い側における応力緩和があるため、支持層とポリビニルアルコール系樹脂層とが直接接していたとしても、密着性の向上が得られる。
他の層としては、例えばポリビニルアルコール系樹脂層の密着性を向上するための機能層があるが、厚さが1μmを超えるようなものでは、本発明の前提である小型化、軽量化に係る目的が達成されない。密着性を向上するための機能層は、通常は密着性向上のために1μmを超える厚みで設けるものが多いが、本発明によれば、厚みが1μm以下でも密着性向上の効果が得られるため、多層積層フィルムの厚膜化を抑制することができる。他の層の厚みは、1μm以下であり、0.8μm以下であることが、小型化、軽量化の観点から好ましい。
(塗布層)
本発明の多層積層フィルムは、上記他の層の一例として、支持層とポリビニルアルコール系樹脂層との間に塗布層を有することができる。
かかる塗布層としては、これら層の密着性を向上するようなプライマー層が挙げられるが、その他滑り性を付与するための易滑層などでもよい。
塗布層は、バインダー成分を含み、滑り性を付与するためにはたとえば粒子を含有させるとよい。易接着性を付与するためには、用いるバインダー成分を、接着したい層の成分と化学的に近いものとすることが挙げられる。また、塗布層を形成するための塗布液は、環境の観点から水を溶媒とする水系塗布液であることが好ましいが、特にそのような場合等において、多層積層体に対する塗布液の濡れ性を向上させる目的で、界面活性剤を含有することができる。その他、塗布層の強度を高めるために架橋剤を添加したりなど、機能剤を添加したりしてもよい。
[多層積層体及び多層積層フィルムの製造方法]
本発明の多層積層フィルムの製造方法について詳述する。なお、ここで以下に示す製造方法は一例であり、本発明はこれに限定されるものでない。また、異なる態様についても、以下を参照して得ることができる。
本発明の多層積層フィルムにおける多層積層体は、第1層を構成する樹脂と第2層を構成する樹脂とを、多層フィードブロック装置を用いて溶融状態で交互に重ね合わせて、例えば、合計で30層以上の交互積層構成を作成し、その両面にバッファ層を設け、その後レイヤーダブリングと呼ばれる装置を用いて該バッファ層を有する交互積層構成を例えば2~4分割し、該バッファ層を有する交互積層構成を1ブロックとしてブロックの積層数(ダブリング数)が2~4倍になるように再度積層する方法で積層数を増やすことで得ることができる。かかる方法によると、多層積層体の内部にバッファ層同士が2層積層された中間層と、バッファ層1層からなる最外層を両面に有する多層積層体を得ることができる。
かかる交互積層構成は、第1層と第2層の各層の厚みが所望の傾斜構造を有するように積層される。これは、たとえば、多層フィードブロック装置においてスリットの間隔や長さを変化させることで得られる。
上述した方法で所望の積層数に積層したのち、ダイより押出し、キャスティングドラム上で冷却し、多層未延伸体を得る。この多層未延伸体にPVA系樹脂層を形成し、その後、後述する延伸によって多層積層フィルムを得る。PVA系樹脂層の形成には、任意の適切な方法を採用することが出来る。好ましくは、多層積層体上に、PVA系樹脂を含む塗布液を塗布し、乾燥することにより、PVA系樹脂層を形成する。
上記塗布液は、代表的には、上記PVA系樹脂を溶媒に溶解させた溶液である。溶媒としては、水、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、各種グリコール類、トリメチロールプロパン等の多価アルコール類、エチレンジアミン等のアミン類が挙げられる。これらは単独で、または、二種類以上の組み合わせて用いることが出来る。これらの中でも好ましくは水である。溶液のPVA系樹脂濃度は、溶媒100重量部に対して、好ましくは3~20重量部である。このような樹脂濃度であれば、多層積層体との密着性が良好で、均一な塗布膜を形成できる。また、塗布液には、添加剤を配合しても良い。
塗布液の塗布方法としては、任意の適切な方法を採用することが出来る、例えば、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ダイコート法、スプレーコート法、等が挙げられる。
また、上記塗布方法における塗布後の乾燥温度は、多層積層体の各層を構成する樹脂のうち、より低いガラス転移温度(Tg)(例えば本発明において好ましくは第2層を構成する樹脂のガラス転移温度(Tg))以下であることが好ましく、Tg-20℃以下であることがより好ましい。このような温度で塗布液を乾燥することで、PVA系樹脂層を形成する前に、多層積層体が変形するのを防止し、良好な多層積層フィルムを得ることが出来る。
上記方法により得られた多層未延伸体及びPVA系樹脂層は、製膜機械軸方向、またはそれにフィルム面内で直交する方向(横方向、幅方向またはTDという場合がある)の少なくとも1軸方向(かかる1軸方向はフィルム面に沿った方向である。)に延伸されることが好ましい。延伸温度は、第1層の樹脂のガラス転移点温度(Tg)~(Tg+20)℃の範囲で行うことが好ましい。従来よりも低めの温度で延伸を行うことにより、フィルムの配向特性をより高度に制御することができる。
上記多層未延伸体及びPVA系樹脂層の延伸は、倍率2.0~7.0倍で行うことが好ましく、4.5~6.5倍であることがより好ましい。かかる範囲内で延伸倍率が大きいほど、第1層および第2層における個々の層の面方向の屈折率のバラツキが延伸による薄層化により小さくなり、多層積層体の光干渉が面方向に均一化され、また第1層と第2層の延伸方向の屈折率差が大きくなるので好ましい。このときの延伸方法は、棒状ヒータによる加熱延伸、ロール加熱延伸、テンター延伸など公知の延伸方法を用いることができるが、ロールとの接触によるキズの低減や延伸速度などの観点から、テンター延伸が好ましい。
また、かかる延伸方向とフィルム面内で直交する方向(Y方向)にも延伸処理を施し、2軸延伸を行う場合は、用途にもよるが、反射偏光特性を具備させたいときは、1.01~1.20倍程度の延伸倍率にとどめることが好ましい。Y方向の延伸倍率をこれ以上高くすると、偏光性能が低下することがある。
また、延伸後にさらに(Tg)~(Tg+30)℃の温度で熱固定を行いながら、5~15%の範囲で延伸方向にトーアウト(再延伸)させることにより、得られた多層積層フィルムの配向特性を高度に制御することができる。
他の層としての塗布層を設ける場合、フィルムの製造工程において、PVA系樹脂を含む塗布液を多層積層体上に塗布する前に、塗布、乾燥して設けることができる。
かくして本発明の多層積層フィルムが得られる。
-多層積層体及び多層積層フィルムの光学特性-
本発明において、多層積層体として、波長380~780nmでの透過軸における平均透過率は70%以上が好ましく、さらに好ましくは80%以上、最も好ましくは85%以上であり、波長380~780nmでの反射軸における平均透過率は、30%以下が好ましく、さらに好ましくは20%以下、最も好ましくは15%以下である。
またPVA系樹脂層を染色をした多層積層フィルムとして、波長380~780nmでの透過軸における平均透過率は60%以上が好ましく、さらに好ましくは70%以上、最も好ましくは75%以上であり、波長380~780nmでの反射軸(ただし、PVA系樹脂層については吸収軸)における平均透過率は、5%未満が好ましく、さらに好ましくは1%未満、最も好ましくは0.5%未満である。
以下に、本発明の実施例を挙げて説明するが、本発明は以下に示した実施例に制限されるものではない。なお、実施例中の物性や特性は、下記の方法にて測定または評価した。
-各層の厚みの測定-
多層積層フィルムをフィルム長手方向2mm、幅方向2cmに切り出し、包埋カプセルに固定後、エポキシ樹脂(リファインテック(株)製エポマウント)にて包埋した。包埋されたサンプルをミクロトーム(LEICA製ULTRACUT UCT)で幅方向に垂直に切断し、50nm厚の薄膜切片にした。透過型電子顕微鏡(日立S-4300)を用いて加速電圧100kVにて観察撮影し、写真から各層の厚み(物理厚み)を測定した。
1μmを超える厚さの層について、多層構造の内部に存在しているものを中間層、最表層に存在しているものを最外層(PVA系樹脂層側のものは支持層)とし、それぞれの厚みを測定した。
なお、第1層か第2層かは、屈折率の態様により判断できるが、それが困難な場合は、NMRでの解析や、TEMでの解析による電子状態により判断することも可能である。
-延伸後の屈折率の測定-
多層積層構造の第1層及び第2層の屈折率は、得られた多層積層構造の製造条件と同様の条件で、層の厚み比率が1:1である2層積層フィルムを作成し、それを用いて測定した第1層及び第2層の屈折率を、それぞれ多層積層構造の第1層及び第2層の屈折率として求める。
例えば、本実施形態においては、厚み比率が第1層:第2層=1:1である2層積層フィルムとする以外は後述する実施例1と同様の条件で合計厚み75μmのフィルムを作成し、第1層、第2層のそれぞれについて、それぞれ延伸方向(X方向)とその直交方向(Y方向)、厚み方向(Z方向)のそれぞれの屈折率(それぞれnX、nY、nZとする)を、メトリコン製プリズムカプラを用いて波長633nmにおける屈折率を測定して求め、第1層及び第2層それぞれの延伸後の屈折率とした。
-単調増加の判断-
多層積層構造の単調増加の判断は、第1層と第2層との組み合わせを1つの繰り返し単位とし、かかる繰り返し単位の物理厚みの値を縦軸に入力し、各繰り返し単位の層番号(薄い側から付した番号)を横軸に入力した際の層厚みプロファイルの任意の領域において、膜厚が増加傾向を示す範囲内での層繰り返し単位数を5等分し、膜厚が厚くなる方向に、等分された各エリアでの膜厚の平均値が全て増加している場合は単調増加であるとし、そうでない場合は単調増加でないとした。
-密着性評価(クロスカット試験)-
PVA系樹脂層の密着性の評価は以下の方法により行った。PVA系樹脂層を形成した多層積層フィルムのPVA系樹脂層の表面に4mmのクロスカットを25個入れ、それを4か所実施した(合計100個)。セロハンテープ(ニチバン社製)をその上に貼り付け、指で強く押し付けた後、90°方向に剥離し、PVA系樹脂層が残存した個数により下記のように評価を行った。
A:90<残存個数≦100・・・密着性極めて良好
B:80<残存個数≦ 90・・・密着性良好
C:70<残存個数≦ 80・・・密着性やや良好
D: 残存個数≦ 70・・・密着性不良
-透過率の評価-
偏光フィルム測定装置(日本分光株式会社製「VAP7070S」)を用いて、得られた多層積層体および多層積層フィルムの透過スペクトルを測定した。
なお、測定はグランテーラープリズム、スポット径調整用マスクΦ1.4、および偏角ステージを使用し、測定光の入射角は0度設定とし、クロスニコルサーチ(650nm)で定まる多層積層体及び多層積層フィルムの透過軸及び該透過軸に直交する軸(反射軸)の波長380~780nmの範囲における平均透過率(それぞれ「透過軸平均透過率」、「反射軸平均透過率」ともいう。)を、5nm間隔で測定した。
また、多層積層体及び多層積層フィルムそれぞれの透過軸平均透過率及び反射軸平均透過率は以下の基準により評価した。
・多層積層体の透過軸平均透過率の評価
A:80%以上
B:70%以上80%未満
C:70%未満
・多層積層体の反射軸平均透過率の評価
A:20%以下
B:20%超え30%以下
C:30%を超える
・多層積層フィルムの透過軸平均透過率の評価
A:70%以上
B:60%以上70%未満
C:60%未満
・多層積層フィルムの反射軸平均透過率の評価
A:1%未満
B:1%以上5%未満
C:5%以上
-PVA系樹脂層の偏光機能の評価-
得られた多層積層フィルムから、フィルム端面においてPVA系樹脂層との界面に針等で切欠を作る等してPVA系樹脂層を剥離し、上記「透過率の評価」と同様にして透過軸平均透過率および吸収軸平均透過率を測定し、これらの差(透過軸平均透過率-吸収軸平均透過率)を求め、PVA系樹脂層の偏向機能の評価をした。なお、本評価においては、透過軸に直交する軸を吸収軸といい、吸収軸平均透過率の測定は、上記「透過率の評価」における反射軸平均透過率の測定方法と同様である。
A:差が80%以上
B:差が70%以上80%未満
C:差が50%以上70%未満
D:差が50%未満
[製造例1]ポリエステルA
第1層用ポリエステルとして、2,6-ナフタレンジカルボン酸ジメチル、テレフタル酸ジメチル、そしてエチレングリコールを、チタンテトラブトキシドの存在下でエステル交換反応を行い、さらに引き続いて重縮合反応を行って、酸成分の95モル%が2,6-ナフタレンジカルボン酸成分、酸成分の5モル%がテレフタル酸成分、グリコール成分がエチレングリコール成分である共重合ポリエステル(固有粘度0.64dl/g)(o―クロロフェノール、35℃、以下同様)を準備した。
[製造例2]ポリエステルB
第2層用ポリエステルとして、2,6-ナフタレンジカルボン酸ジメチル、テレフタル酸ジメチル、そしてエチレングリコールとトリメチレングリコールを、チタンテトラブトキシドの存在下でエステル交換反応を行い、さらに引き続いて重縮合反応を行って、酸成分の50モル%が2,6-ナフタレンジカルボン酸成分、酸成分の50モル%がテレフタル酸成分、グリコール成分の85モル%がエチレングリコール成分、グリコール成分の15モル%がトリメチレングリコール成分である共重合ポリエステル(固有粘度0.63dl/g)を準備した。
[製造例3]PVA系樹脂
日本酢ビ・ポバール社製VP18をPVA系樹脂として、溶媒を水とし、8重量%に希釈したPVA水溶液を準備した。また、4重量%のホウ酸水溶液1000mlにヨウ素0.4gとヨウ化カリウム1.0gを溶解させた染色液を作成した。得られたPVA水溶液と染色液を1000:1の割合で混合させたものを準備し、塗布液Aとした。
<実施例1>
第1層用にポリエステルAを170℃で5時間乾燥した後、第2層用にポリエステルBを85℃で8時間乾燥した後、それぞれ第1、第2の押し出し機に供給し、300℃まで加熱して溶融状態とし、第1層用ポリエステルを139層、第2層用ポリエステルを138層に分岐させた後、第1層と第2層が交互に積層され、かつ表1に示すような層厚みプロファイルとなるような櫛歯を備える多層フィードブロック装置を使用して、総数277層の積層状態の溶融体とし、その積層状態を保持したまま、その両側に第3の押し出し機から第2層用ポリエステルと同じポリエステルを3層フィードブロックへと導き、層数277層の積層状態(両表層は第1層である)の溶融体の積層方向の両側にバッファ層をさらに積層した。両側のバッファ層の合計が全体の47%となるよう第3の押し出し機の供給量を調整した。その積層状態をさらにレイヤーダブリングブロックにて、2分岐して1:1の比率で積層し、内部に中間層、最表層に2つの最外層を含む全層数557層の未延伸多層積層構造を作製した。
この未延伸多層積層構造における厚み単調増加領域の厚みが薄い側に、上記で得られた塗布液Aを、ロールコーターにて塗布し未延伸積層体を得た。塗布厚みは乾燥・一軸延伸後に3μmとなる厚みになるよう塗布した。
この未延伸多層積層体を130℃の温度で幅方向に5.9倍に延伸した。得られた1軸延伸多層積層フィルムの厚みは78μmであった。
この多層積層フィルムを、多層積層フィルムの繰り返し単位の層番号を薄い側から付与したとき、上述した評価方法により評価し、その結果を表1に示す。
また、上述した延伸後の屈折率から、第1層は複屈折性であり、第2層は等方性であることを確認した。
<実施例2、3>
実施例2、3の多層積層フィルムは、多層積層構造の厚みプロファイルを表1に示す値となるように作製した以外は、実施例1と同様にして多層積層フィルムを作製した。
実施例2、3で得られた多層積層フィルムの評価結果を表1に示す。
<実施例4、5>
実施例4、5では、支持層の厚み及び多層積層構造の厚みプロファイルを表1に示す値となるようにし、それに伴い中間層及び最外層の厚み調整のため、第3の押し出し機によるバッファ層の供給量を調整した以外は、実施例1と同様にして多層積層フィルムを作製した。
実施例4、5で得られた多層積層フィルムの評価結果を表1に示す。
<実施例6、7>
実施例6、7では、PVA系樹脂層の厚みを表1に示す厚みとした以外は、実施例1と同様にして多層積層フィルムを作製した。
実施例6、7で得られた多層積層フィルムの評価結果を表1に示す。
<実施例8、9>
実施例8、9では、支持層の厚みを表1に示す値となるようにし、それに伴い中間層及び最外層の厚み調整のため、第3の押し出し機によるバッファ層の供給量を調整した以外は、実施例1と同様にして多層積層フィルムを作製した。
実施例8、9で得られた多層積層フィルムの評価結果を表1に示す。
なお、実施例2~9で得られたフィルムは全て、上述した延伸後の屈折率の評価から、第1層は複屈折性であり、第2層は等方性であることを確認した。
<比較例1>
比較例1では、多層積層構造が単調増加領域を有しないもの、すなわち第1層と第2層の繰り返し単位の1組の厚みが一定(125μm)であるものを使用した以外は、実施例1と同様にして、多層積層フィルムを得た。
比較例1で得られた多層積層フィルムの評価結果を表1に示す。
<比較例2>
比較例2では、支持層及びPVA系樹脂層が、多層積層構造の厚み単調増加領域の厚みが厚い側に設けられた以外は実施例1と同様にして、多層積層フィルムを得た。
比較例2で得られた多層積層フィルムの評価結果を表1に示す。
<比較例3>
比較例3では、支持層及びPVA系樹脂層が、多層積層構造の厚み単調増加領域の厚みが厚い側に設けられた以外は実施例8と同様にして、多層積層フィルムを得た。
比較例3で得られた多層積層フィルムの評価結果を表1に示す。
<比較例4>
比較例4では、支持層及びPVA系樹脂層が、多層積層構造の厚み単調増加領域の厚みが厚い側に設けられた以外は実施例9と同様にして、多層積層フィルムを得た。
比較例4で得られた多層積層フィルムの評価結果を表1に示す。
Figure 0007238520000001
表1からわかるように、実施例の多層積層フィルムでは、PVA系樹脂層の密着性に優れていた。一方、比較例の多層積層フィルムでは、PVA系樹脂層の密着性が評価基準を満たさなかった。
したがって、実施例の多層積層フィルムでは、PVA系樹脂層が多層積層体から剥離するのを防止する1μm超えの密着性向上層等を省略することができるため、実施例の多層積層フィルムを光学フィルムとして、例えば液晶ディスプレイ及びそれを備えるデバイス等に適用された場合、それらの小型化、軽量化に寄与することができる。
10 多層積層体
12 支持層(最外層)
14 多層積層構造
16 中間層
18 最外層
22 ポリビニルアルコール系樹脂層
30 多層積層フィルム

Claims (4)

  1. 樹脂を主体とする第1層と樹脂を主体とする第2層とが交互に積層した多層積層構造、及び樹脂を主体とする支持層を有する多層積層体と、
    ポリビニルアルコール系樹脂層と、
    を有する多層積層フィルムであって、
    前記多層積層構造と前記支持層とは直接接しており、
    前記支持層と前記ポリビニルアルコール系樹脂層とは、直接接しており、
    前記多層積層構造は、前記第1層と前記第2層とを少なくとも有する繰り返し単位の物理厚みでの層厚みプロファイルを有し、前記層厚みプロファイルは厚み単調増加領域を有し、
    前記厚み単調増加領域の厚みが薄い側の最表層から10組までの前記繰り返し単位の平均厚みが80nm以上120nm以下であり、
    前記厚み単調増加領域において厚みが薄い側に前記支持層と前記ポリビニルアルコール系樹脂層とが設けられる、多層積層フィルム。
  2. 前記支持層の厚みが1μm超え20μm以下である請求項1に記載の多層積層フィルム。
  3. 前記第1層が複屈折性の層であり、前記第2層が等方性の層である請求項1又は請求項2に記載の多層積層フィルム。
  4. 前記ポリビニルアルコール系樹脂層は偏光機能を有する請求項1~請求項のいずれか一項に記載の多層積層フィルム。
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