JP7237351B2 - リザーバ及び体外循環システム - Google Patents

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Description

本発明は、圧力検出手段を備える血液貯留用のリザーバと、これを備える体外循環システムとに関する。
人工心肺を構成する血液の体外循環回路には、脱血した血液を貯留する貯血槽として機能するリザーバが設けられている。そして、患者が出血した場合、及び脱血流量が過小又は過大である場合等に、リザーバに貯留された血液によって送血流量を増減させることがある。このリザーバ内の血液の液位は、脱血流量が変動した場合、及び吸引した血液等の液体をリザーバに流入させた場合等に変動する。ここで安定して送血するためには、リザーバ内に所定の基準量以上の血液が貯留されていることが望ましい。また、送血中にリザーバ内の血液が空になることを防止する必要もある。そのため、経時的に変動するリザーバ内の血液の液位を、正確に検出することが望まれている。
特許文献1には、リザーバ内に挿入された管と、管の上部に連結されるとともに、大気に連通可能とされた弁と、弁に連通された圧力計とからなる液面計測器が開示されている。この液面計測器によれば、弁を大気に開放した後に大気との連通を遮断して、弁と圧力計とを連通することにより、圧力計が管内の空気圧を検知できる。そして、リザーバ内の液面が上下すると、管内に流入した液の上において空気圧が変化する。そのため、圧力計が検知した空気圧に基づいて、液位を演算して表示させることができる。
実開平3-35430号公報
しかし、特許文献1に記載の構成においては、液位の検出が不正確になる可能性がある。具体的に、リザーバ内が陰圧となった場合、例えば脱血流量を増加させるためにリザーバ内を陰圧にする吸引補助脱血を行う場合、管内の空気圧が変化してしまう。そのため、液位を正確に演算することができなくなってしまう。
本発明の一態様に係るリザーバは、血液を貯留する本体と、前記本体内に挿入されるとともに、封止された下端部を有する導管と、前記導管の下部に配置され、前記導管内に露出する導管側検出部と、前記本体内に露出する本体側検出部とを有する圧力検出手段と、を備え、前記導管の上部には、前記本体の内部と通じる開口部が形成されており、前記圧力検出手段は、前記導管内の圧力と前記本体内に貯留される血液の水頭圧との間の差圧を検出する。
これにより、開口部と圧力検出手段との間で液面が変動する場合に、本体に貯留された液体(血液)の液位を正確に検出できる。具体的に、圧力検出手段は、開口部を介して本体の内部と通じる導管内の圧力と、本体内に貯留される血液の高さ(液面から圧力検出手段までの高さ)に対応する水頭圧との間の差圧を検出する。そのため、本体の内部圧力の変化が補正され、リザーバ内の正確な液位を算出することができる。
また、本発明の一態様に係るリザーバにおいて、前記圧力検出手段は、前記本体において警告液位位置よりも下に配置されている。
また、本発明の一態様に係るリザーバにおいて、前記開口部は、前記本体において最大液位位置よりも上に形成されている。
また、本発明の一態様に係るリザーバにおいて、前記導管は、封止された上端部を有し、前記上端部を介して外部に延びている信号線が、前記導管内を通って前記圧力検出手段と電気的に接続されている。
また、本発明の一態様に係る体外循環システムは、上記リザーバと、脱血した血液を前記リザーバに移送する脱血ラインと、前記リザーバから血液を移送する送血ラインと、前記送血ラインを介して血液を送血する送血ポンプと、前記差圧を前記圧力検出手段から取得して、貯留される血液の液位を算出する算出部と、前記算出された液位を表示する表示部と、を備える。
本発明によれば、導管の内部圧力と貯留された血液の水頭圧との差圧を検出する際に、開口部を介して本体と導管との間で気体が移動する。そのため、本体の内部圧力の変化が補正され、リザーバ内の液体の正確な液位を算出することができる。
体外循環システムの概略図。 リザーバの概略正面図。 検出管部の概略図。
以下、本発明を実施するための例示的な実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。ただし、以下の実施形態において説明する寸法、材料、形状及び構成要素の相対的な位置は任意に設定でき、本発明が適用される装置の構成又は様々な条件に応じて変更できる。また、特別な記載がない限り、本発明の範囲は、以下に具体的に記載された実施形態に限定されない。なお、本明細書において、上下とは重力方向における上方向と下方向とにそれぞれ対応する。
図1に示すように、人工心肺システムである体外循環システム100は、例えば、脱血した血液を貯留する貯血槽であるリザーバ20と、脱血した血液をリザーバ20に移送する脱血ライン12(脱血回路)と、リザーバ20から血液を移送する送血ライン13(送血回路)とを備えている。さらに、体外循環システム100は、送血ライン13を介して血液を送血する送血ポンプ14と、血液中の二酸化炭素を排出して血液に酸素を付加する人工肺15とを備えている。また、体外循環システム100は、リザーバ20の圧力検出手段の一例としての圧力トランスデューサ50から差圧(例えば、導管40内の圧力と本体21内に貯留される血液の水頭圧との間の差圧に対応する差圧信号)を取得し、送血ポンプ14等を制御する制御部30を備えている。
一例として、制御部30は、不図示のプロセッサと、制御プログラムを記憶した記憶部としてのメモリとを有している。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)、又はMPU(Micro-Processing Unit)であり、メモリに記憶されたプログラムに基づいて、体外循環システム100の全体を制御すると共に、各種処理についても統括的に制御する。また、メモリは、プロセッサが動作するためのシステムワークメモリであるRAM(Random Access Memory)、並びにプログラム及びシステムソフトウェアを格納するROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disc Drive)及びSSD(Solid State Drive)等の記憶装置を含む。本実施形態では、CPUが、ROM又はHDDに記憶された制御プログラムに従って、種々の演算、制御、及び判別等の処理動作を実行できる。また、制御部30には、所定の指令及びデータを入力するキーボード若しくは各種スイッチを含む不図示の操作部が、有線接続又は無線接続されている。さらに、制御部30は、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、CF(Compact Flash)カード、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の可搬記録媒体、又はインターネット上のサーバ等の外部記憶媒体に記憶されたプログラムに従って制御を行うこともできる。
制御部30は、圧力トランスデューサ50から差圧を取得して、貯留される血液の液位を算出する算出部31を有している。また、体外循環システム100は、算出部31が算出した液位を表示する表示部60を備えている。この表示部60は、単体のディスプレイであってもよく、又は複数のディスプレイを有していてもよい。また、表示部60は、制御部30に有線又は無線接続されている。一例として、表示部60は、液位の経時的な変化を示すグラフ等の画像又は動画を表示する。さらに、表示部60は、液位が後述する最大液位位置P1、警告液位位置P2、又は最小液位位置P3に到達した時に、ユーザに注意を促す警告を表示してもよい。
また、体外循環システム100は、胸腔内又は心腔内出血のサクションライン若しくはベントラインを有していてもよい。さらに、体外循環システム100は、吸引補助脱血を行うための吸引補助ライン、補助循環を実施する際に使用する補助循環ライン、心筋保護液を注入するための心筋保護液ライン、及び体外循環血液を濃縮するための血液濃縮器及び血液濃縮ラインを有していてもよい。加えて、体外循環システム100には、心筋保護液を貯留する心筋保護液貯液槽、体外循環血液中の気泡、異物及び白血球を除去するためのラインフィルタ、異物を除去するための洗浄用フィルタ及び送血フィルタ、血液を冷却加温する熱交換器が設けられてもよい。
脱血ライン12においては、不図示の脱血カニューレ等を介して患者Pの上大静脈及び下大静脈から脱血した血液が、リザーバ20に向かって流れる。そして、リザーバ20は、脱血された血液を一時的に貯留する。このリザーバ20は、血液ライン16によって人工肺15と接続されている。その後、リザーバ20内の血液は、送血ポンプ14によって人工肺15に送られ、送血ライン13を介して患者Pに循環される。すなわち、送血ポンプ14によって送血される血液は、送血ライン13を通り、不図示の送血カニューレ等を介して患者Pの大動脈に向かって流れる。
患者Pの体外に脱血(誘導)された酸素付加前の静脈血は、リザーバ20に貯血された後に人工肺15へ送血される。人工肺15は、静脈血から熱交換部の外周に配置されたフィルタによって、気泡を分離する。その後に、人工肺15は、熱交換部によって静脈血を温調する。そして、人工肺15は、ガス交換部によって、ガス交換エレメントを介して静脈血を動脈血化(酸素付加及び二酸化炭素除去)する。人工肺15は、ガス交換部の内周に配置されたフィルタによって、酸素付加後の動脈血から凝固塊を分離する。その後、動脈血は、送血ライン13を通って患者Pへと送血される。
代替的に、リザーバ20は、静脈血に代えて動脈血を貯留してもよい。この場合、脱血された血液は、脱血ライン12から人工肺15へと流れる。そして、人工肺15は、血液中の二酸化炭素を排出して血液に酸素を付加する。その後、動脈血は、人工肺15からリザーバ20へと流れて、リザーバ20において一時的に貯留される。
脱血ライン12、送血ライン13及び血液ライン16は、一例として、ポリ塩化ビニルにより形成されたチューブを有している。また、脱血ライン12には、脱血流量調整部(不図示)が設けられている。この脱血流量調整部は、一例としてクランプ部材及びその駆動部を有しており、手動により又はモータ等の駆動部の駆動力により、クランプ量(挟込量)を調整できる。これにより、脱血ライン12の断面積を変化させて、脱血ライン12を流れる脱血流量を調整できる。さらに、脱血ライン12には、脱血流量を検知するセンサ、血液濃度を検知するセンサ、及び酸素濃度を検知するセンサが接続されてもよい。
送血ライン13には、送血流量を検知するセンサ、血液濃度を検知するセンサ、及び酸素濃度を検知するセンサが設けられていてもよい。さらに、送血ライン13には、送血流量調整部(不図示)が設けられていてもよい。この送血流量調整部は、一例としてクランプ部材であり、手動により、又は接続されたモータからの駆動力により、クランプ量を調整できる。これにより、送血ライン13の断面積を変化させて、送血ライン13を流れる送血流量を調整できる。
送血ポンプ14は、一例として、回転ローラがチューブを押し潰しながら回転移動することにより、チューブ内の血液を吸引及び押し出すローラポンプである。リザーバ20に貯留された血液は、血液ライン16を介して吸引され且つ人工肺15に移送される。また、送血ポンプ14は、流量制御部32に制御され、回転ローラの回転数に応じた量の血液を吸引及び送血する。具体的には、回転ローラの回転数が上がると送血流量が増加し、回転ローラの回転数が下がると送血流量が減少する。
人工肺15は、例えば、気体透過性に優れた中空糸膜又は平膜等を備えており、血液中の二酸化炭素を排出して酸素を付加する。また、人工肺15は、血液の温度を調整するための熱交換器を有していてもよい。
体外循環システム100において、体外に導き出された血液の量を把握することは、安全に体外循環を実施する上で重要である。また、意図せずにリザーバ20内の血液が空になってしまうことを防止する必要がある。そのために、ユーザは、目視によってリザーバ20に貯留された貯血量を確認する。さらに、液位が低下した場合に警報を発する液位検出装置を設けることもでき。しかし、液位検出装置は、リザーバ20内の一定の位置を監視するように設置されるため、任意の設置位置に変更できない。また、リザーバ20内の血液量を定量化できないため、体外循環の状態に合わせた液位の制御は、体外循環を実施する臨床工学士が行う必要がある。そこで、貯血量を連続的に検出して、経時的な貯血量の変化(連続的に変化する液位)を、検出することが望まれている。そのために、リザーバ20は、圧力トランスデューサ50を備えている。
リザーバ20は、ハードシェル型の貯血槽であり、図1においては側方から見たリザーバ20が概略的に示されている。このリザーバ20は、血液を貯留する本体21と、本体21の上部に取り付けられて本体21の開口した上端を覆うキャップ22とを備えている。また、リザーバ20は、本体21内に挿入されるとともに、気密に封止された下端部43を有する導管40と、導管40の下部に配置された圧力トランスデューサ50とを備えている。この導管40は、圧力トランスデューサ50へと圧力を導く導圧管として機能し、圧力トランスデューサ50とともに検出管部を構成する。さらに、リザーバ20は、本体21の内部に配置される仕切板(不図示)と、血液を濾過するための又は気泡を除去するためのフィルタ(不図示)とを備えている。また、リザーバ20は、脱血した血液の他に、胸腔内血液又は心腔内血液等の患者Pから吸引した血液、及び液位を調整するための充填液等の液体を貯留してもよい。
リザーバ20の本体21は、下方に延びる突出部を有しており、突出部の下端には血液が流れ出る流出口23が形成されている。この流出口23は血液ライン16と接続されており、流出口23を介して流れ出た血液は、送血ポンプ14によって人工肺15へと送られる。また、キャップ22には、脱血血液が流入する流入口24が形成されており、流入口24が脱血ライン12に接続されている。また、キャップ22には、サクションラインに接続される吸引血液の流入口がさらに形成されていてもよい。
リザーバ20の概略正面図である図2に示すように、本体21の前面には、リザーバ20に貯留される血液の液位を目視によって確認可能な目盛25が表示されている。代替的に、目盛25は本体21の側面又は裏面に表示されていてもよく、前面及び側面の両方に表示されていてもよい。この目盛25は、本体21の長手方向に沿って上下方向に延びている。また、目盛25は、本体21内に貯留可能な最大量に対応する液位を示す最大液位位置P1と、本体21内に貯留されている血液が所定の液位よりも低いことを警告する警告液位位置P2とを示している。また、目盛25は、本体21内に貯留可能な最小量に対応する液位を示す最小液位位置P3と、安定的な送血が可能な液位を示す基準液位位置P4とをさらに示している。例えば、最大液位位置P1、警告液位位置P2、及び最小液位位置P3は、基準液位位置P4とは異なる色で示されている。これにより、液位を監視するユーザに対して、血液が所定の液位よりも低いこと、又は最大量に対応する液位よりも高いことを警告できる。
最大液位位置P1は、一例として、4000mLの血液に対応する。代替的に、最大液位位置P1は、4500mL、2500mL、又は2000mLの血液に対応していてもよい。また、警告液位位置P2は、一例として、100mLの血液に対応する。代替的に、警告液位位置P2は、80mL、60mL、40mL、20mLの血液に対応してもよい。また、最小液位位置P3は、一例として、20mLの血液に対応する。代替的に、最小液位位置P3は、15mL、10mL、5mLの血液に対応してもよい。また、基準液位位置P4は、一例として、400mLの血液に対応する。代替的に、基準液位位置P4は、300mL、500mL、1000mLの血液に対応してもよい。
また、キャップ22には、導管40を挿入するための挿入口26が形成されている。この挿入口26はキャップ22を貫通しており、挿入口26の周囲は気密に封止されている。そして、挿入口26には、目盛25と平行になるように導管40が挿入されている。なお、図2においては、挿入口26に挿入された導管40の一部を点線で示している。この導管40の上部には、導管40の壁を貫通するように、本体21の内部空間と通じる開口部41が形成されている。開口部41は、単なる貫通した穴であってもよく、疎水性の医療用ガス透過膜で覆われていてもよい。
開口部41は、本体21内の液面上に位置するように形成されており、気体(空気)が充満している上部空間(空隙)に位置している。これにより、開口部41と圧力トランスデューサ50との間で液面が変動する場合に、本体21に貯留された液体(血液)の液位を正確に検出できる。具体的に、圧力トランスデューサ50は、導管40内の圧力と、本体21内に貯留される血液の高さH(液面から圧力トランスデューサ50までの高さ)に対応する水頭圧との間の差圧を検出する。
開口部41と圧力トランスデューサ50との間に液面が位置する範囲において、開口部41は、圧力トランスデューサ50より上の任意の位置に配置できる。ただし、好ましくは、開口部41は、本体21において最大液位位置P1よりも上に形成されている。これにより、最大量の血液が貯留されても、開口部41は、導管40の内部と本体21の内部とを気体が移動可能に接続できる。また、開口部41を介して導管40から気体(例えば空気)が本体21へと移動できるので、本体21の内部圧力と導管40の内部圧力とが同一になる。そのため、本体21に陰圧が付加されても、本体21の内部圧力の変化が補正され、正確な液位を算出できる。また、導管40には、導管40の壁を貫通する貫通口42が形成されている。そして、貫通口42には、圧力トランスデューサ50が気密に挿入されている。圧力トランスデューサ50は、自身と貫通口42との間の隙間を封止する封止部材(例えばシリコーンゴム製の環状シール部材)をさらに備えていてもよい。
また、開口部41と圧力トランスデューサ50との間に液面が位置する範囲において、圧力トランスデューサ50は、開口部41より下の任意の位置に配置できる。ただし、好ましくは、圧力トランスデューサ50は、本体21において警告液位位置P2よりも下に配置されている。より好ましくは、圧力トランスデューサ50は、本体21において最小液位位置P3よりも下に配置されている。これにより、液位が圧力トランスデューサ50よりも下に到達する前に、つまり、液面よりも下に圧力トランスデューサ50が位置する間に警告を示すことができる。なお、警告を示すという表現の意味には、ユーザに液位を示すことによって注意を促すことも含まれる。
導管40は、気密に封止された下端部43と気密に封止された上端部44とを有している。一例として、下端部43と上端部44のそれぞれには、例えばシリコーンゴム製のシール部材が挿入されている。これにより、下端部43と上端部44を介して血液が導管40内に侵入することが防止される。また、導管40は中空形状を有しており、上端部44を介して外部に延びている信号線51が、導管40内を通って圧力トランスデューサ50と電気的に接続されている。この信号線51は、上端部44に配置された外部コネクタ52と電気的に接続されている。そして、外部コネクタ52は、制御部30と電気的に接続されている。これにより、信号線51の配線経路を別途設ける必要がない。また、貯血開始の前後に関わらず、制御部30と圧力トランスデューサ50とを接続できる。圧力トランスデューサ50は、信号線51を介して、検出した差圧を制御部30に送信する。
下端部43は圧力トランスデューサ50より下の部分であり、上端部44は開口部41よりも上の部分であればよい。そのため、下端部43を封止するシール部材は、圧力トランスデューサ50を固定する固定部材として兼用されてもよい。また、上端部44を封止するシール部材は、開口部41の近傍まで挿入されていてもよい。さらに、導管40はキャップ22を貫通してなくともよい。この場合、気密にカバーされた信号線51が上端部44から延びて、キャップ22を貫通して外部コネクタ52と接続される。
図3は、導管40を有する検出管部の概略断面図であり、長手方向に沿った導管40の中央断面を示している。図3に示すように、圧力トランスデューサ50は、導管40内に露出する導管側検出部53と、本体21内に露出する本体側検出部54とを有する。本体側検出部54は、圧力を伝達可能な樹脂膜等によって被覆されており、本体21に貯留された血液の液面下に位置するように配置されている。そして、本体側検出部54には、本体21内に貯蓄される血液を介して血液の水頭圧(静水圧)が加わる。また、導管側検出部53には、導管40を介して本体21内の内部圧力が加わる。これにより、圧力トランスデューサ50は、液圧と内部圧力との差圧を検出する。そして、圧力トランスデューサ50は、検出した差圧(差圧に対応する差圧信号)を信号線51及び外部コネクタ52を介して制御部30へと送信する。
図3においては、導管側検出部53及び本体側検出部54が導管40から突出している。しかし、導管40の壁を肉厚に構成した場合には、導管側検出部53及び本体側検出部54が突出していなくともよい。さらに、導管側検出部53及び本体側検出部54には、不図示の圧力伝達部材を介して、間接的に圧力を加えることもできる。
本実施形態のリザーバ20によれば、開口部41を介して本体21と導管40との間で気体が移動する。そのため、本体21の内部圧力の変化が補正され、正確な液位を算出することができる。したがって、高精度に送血流量を増減することができる。また、圧力トランスデューサ50及び導管40は、血液の貯留を開始する前に設置できるため、衛生的に設置することができる。さらに、導管40の下端部43よりも下に至るほどに液位が低下してしまった後でも、導管40内の圧力にずれが生じない。そのため、液位が復帰すれば、正確に差圧を検出して液位を算出することができる。
また、血液温度の変化に伴って導管40内の気体温度が変化した場合であっても、導管40内の気体の体積変化が補正される。そのため、正確に差圧を検出して液位を算出することができる。さらに、導管40内に血液が滞留しないため、滞留した血液が凝固して液位の検出を妨げてしまうことを防止できる。また、リザーバ20に陰圧が加わった状態で外部コネクタ52と制御部30との接続を外しても、外気がリザーバ20内に侵入することがない。加えて、リザーバ20に形成した貫通孔にセンサを配置して、当該センサによって本体21内の血液の水頭圧を検出する場合と比較すると、本体21に貫通孔を形成する必要がないという安全上の利点が存在する。
[送血流量の増減方法]
図1に戻り、送血流量の増減方法の一例を説明する。制御部30は、送血流量が増減されるように、送血ポンプ14を制御する流量制御部32を有している。この流量制御部32は、脱血ライン12を流れる脱血流量が増減されるように、脱血流量調整部(不図示)をさらに制御することもできる。流量制御部32は、リザーバ20内の液位が基準液位位置P4より低い場合、送血流量を脱血流量よりも減少させるように、送血ポンプ14又は脱血流量調整部を制御する。さらに、流量制御部32は、リザーバ20内の液位が基準液位位置P4より高い場合、送血流量を脱血流量よりも増加させるように、送血ポンプ14又は脱血流量調整部を制御する。
また、流量制御部32は、リザーバ20内の液位が基準液位位置P4より低い場合、吸引補助脱血を行うように、リザーバ20の本体21内を陰圧にしてもよい。これにより、脱血ライン12からリザーバ20へと血液が吸引されるため、脱血流量を増加させることができる。一例として、流量制御部32は、本体21に陰圧が加わるように、リザーバ20に接続された吸引補助ラインに設けられた吸引装置を制御する。さらに、流量制御部32は、リザーバ20内の液位が最大液位位置P1より高い場合、脱血流量を減少又は脱血を停止するように脱血流量調整部を制御してもよい。
算出部31は、送血流量を検知するセンサから送られた信号に基づいて送血流量を算出できる。また、算出部31は、脱血流量を検知するセンサから送られた信号に基づいて脱血流量を算出できる。流量制御部32は、算出部31が算出した液位と、送血流量及び脱血流量とを取得する。そして、流量制御部32は、取得した液位、送血流量、及び脱血流量に基づいて、送血ポンプ14又は脱血流量調整部を制御する。
また、算出部31は、圧力トランスデューサ50から送られる差圧(差圧信号)を受信する。そして、算出部31は、例えば、不図示のテーブルを参照して、受け取った差圧信号からリザーバ20内の液位を算出する。代替的に、算出部31は、液位が基準液位位置P4(例えば、400mLに対応する位置)に到達しているときの差圧信号を基準液位信号として受信して、当該基準液位信号に基づいて液位を算出してもよい。この基準液位信号は、ユーザが不図示のスイッチを操作することによって、圧力トランスデューサ50から算出部31に送ることができる。この場合、ユーザは、液位が基準液位位置P4に到達したことを確認してスイッチを操作する。
さらに、制御部30は、不図示の充填液供給装置をさらに制御してもよい。この場合、制御部30は、リザーバ20内の液位が警告液位位置P2又は最小液位位置P3に到達した時に、充填液をリザーバ20に供給するように充填液供給装置を制御する。
また、制御部30は、表示部60に警告を表示させる警告部33を有している。警告部33は、算出部31から液位を取得して、取得した液位が最大液位位置P1、警告液位位置P2、又は最小液位位置P3に到達した時に表示部60に警告画像又は警告文字を表示させる。代替的に、警告部33は、取得した液位が最大液位位置P1より高くなった時、又は取得した液位が警告液位位置P2又は最小液位位置P3より低くなった時に、表示部60に警告画像又は警告文字を表示させてもよい。さらに、警告部33は、警告液位位置P2又は最小液位位置P3に到達した時に送血を停止させてもよい。また、警告部33は、不図示のスピーカ等に警告音を発生させてもよい。
以上説明した実施形態に係るリザーバ20、及び当該リザーバ20を備える体外循環システム100によれば、開口部41を介して本体21と導管40との間で気体が移動する。そのため、本体21の内部圧力の変化が補正され、正確な液位を算出することができる。これにより、適切なタイミングで送血流量及び脱血流量を増減することができる。また、適切なタイミングで警告を表示させることができる。
以上、各実施形態を参照して本発明について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明に反しない範囲で変更された発明、及び本発明と均等な発明も本発明に含まれる。また、各実施形態及び各変形形態は、本発明に反しない範囲で適宜組み合わせることができる。
例えば、リザーバ20は、箱状又はバッグ状の貯血槽であってもよい。さらに、リザーバ20は、可撓性の材料によって構成されていてもよい。ただし、リザーバ20が剛性の材料によって構成されていれば、吸引補助脱血の際により低い陰圧を加えることができる。また、信号線51は、導管40の外を通っていてもよい。さらに、体外循環システム100は、液位検出装置(レベルセンサ)を備えていてもよい。ただし、リザーバ20に圧力トランスデューサ50が内蔵されているため、液位検出装置は省略することができる。
さらに、圧力トランスデューサ50は、最小液位位置P3より上の位置、例えば最小液位位置P3と警告液位位置P2との間の位置に配置してもよい。この場合であっても、警告を示すことが可能であり、液位が復帰すれば、正確に差圧を検出して液位を算出できる。また、開口部41は、血液の侵入を防止する侵入防止部分を有していてもよい。一例として、侵入防止部分は、上方から落下する血液の侵入を防止するように、本体21内に突出する張り出し部である。または、侵入防止部分は、本体21の内部と通じる中空管部の湾曲部分であって、当該湾曲部分に空気を溜めることによって、液位が上昇した際に血液の侵入が防止される。
また、算出部31は、圧力トランスデューサ50と協働して圧力検出手段を構成してもよい。この場合、算出部31は、圧力トランスデューサ50から送られる差圧として、導管40内の圧力に対応する第1圧力信号と、本体21内に貯留される血液の水頭圧に対応する第2圧力信号とを受信する。その後、算出部31は、第1圧力信号と第2圧力信号とに基づいて、導管40内の圧力と本体21内に貯留される血液の水頭圧との間の差圧を算出する。そして、算出部31は、算出した差圧に基づいて、リザーバ20内の液位を算出する。
12 :脱血ライン
13 :送血ライン
14 :送血ポンプ
20 :リザーバ
21 :本体
31 :算出部
40 :導管
41 :開口部
43 :下端部
44 :上端部
50 :圧力検出手段(圧力トランスデューサ)
51 :信号線
53 :導管側検出部
54 :本体側検出部
60 :表示部
100 :体外循環システム
P1 :最大液位位置
P2 :警告液位位置

Claims (4)

  1. 血液を貯留する本体と、
    前記本体内に挿入されるとともに、封止された下端部を有する導管と、
    前記導管の下部に配置され、前記導管内に露出する導管側検出部と、前記本体内に露出する本体側検出部とを有する圧力検出手段と、を備え、
    前記導管の上部には、前記本体の内部と通じる開口部が形成されており、
    前記圧力検出手段は、前記導管内の圧力と前記本体内に貯留される血液の水頭圧との間の差圧を検出
    前記導管は、封止された上端部を有し、
    前記上端部を介して外部に延びている信号線が、前記導管内を通って前記圧力検出手段と電気的に接続されている、リザーバ。
  2. 前記圧力検出手段は、前記本体において警告液位位置よりも下に配置されている、請求項1に記載のリザーバ。
  3. 前記開口部は、前記本体において最大液位位置よりも上に形成されている、請求項1又は2に記載のリザーバ。
  4. 請求項1からのいずれか一項に記載のリザーバと、
    脱血した血液を前記リザーバに移送する脱血ラインと、
    前記リザーバから血液を移送する送血ラインと、
    前記送血ラインを介して血液を送血する送血ポンプと、
    前記差圧を前記圧力検出手段から取得して、貯留される血液の液位を算出する算出部と、
    前記算出された液位を表示する表示部と、を備える、体外循環システム。
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