JP7235328B2 - バルブ - Google Patents

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Description

本発明は、流体の流路を切替えるバルブに関する。
流体の流路を切替えるロータリバルブとして、ハウジング及び弁体を備えるものが知られている。ハウジングは、収容部を有する環状の周壁部と、周壁部の一方の開放端に位置して収容部に面する平面部とを備えている。平面部には、収容部への流体の流入口が形成されている。また、周壁部の周方向における複数箇所には、収容部内の流体の流出口が形成されている。弁体は、収容部に配置された円柱状の弁本体部を備え、軸によりハウジングに回動可能に支持されている。弁本体部には、流入口及び流出口を連通させる可動流路が形成されている。そして、弁体が回動されることにより、可動流路を介して流入口に連通される流出口が切替えられ、流体の流路が切替えられる。
上記ロータリバルブでは、可動流路を介して流入口に連通された流出口からのみ流体を流出させるために、例えば、特許文献1に記載されているように、弁本体部と各流出口との間に流出側パッキンが配置される。
ところで、上記ロータリバルブは、通常は、単一の流体を対象とし、1つの流入口から流入した流体を複数の流出口のいずれかから流出させるが、近年では、複数の流体を対象とし、それらの流体の流路を切替えたいというニーズが高まっている。そこで、上記平面部に複数の流入口が形成される。弁本体部の回動に伴い可動流路の少なくとも一部が移動し、可動流路を介した流入口と流出口との連通状態が変更されることで、流路が切替えられる。
この場合には、流路が切替えられた状態で、流体が互いに混ざり合わないようにするために、平面部と弁本体部との間に流入側パッキンが配置される。流入側パッキンの骨格部分を構成するパッキン本体部には、同パッキン本体部の厚み方向に貫通する貫通孔が、上記流入口の数以上設けられる。そして、パッキン本体部は全ての流入口に対し、いずれかの貫通孔が対向するように配置される。パッキン本体部の厚み方向における平面部側の面であって各貫通孔の周囲には、環状の第1シール部が設けられる。パッキン本体部の厚み方向における弁本体部側の面であって各貫通孔の周囲には、環状の第2シール部が設けられる。そして、各第1シール部が平面部に圧接され、各第2シール部が弁本体部に圧接される。なお、上記従来のロータリバルブは、単一の流体の流路を切替えることを前提としているため、上記のような流入側パッキンは不要である。
特開平11-125343号公報
上記のように、流入側パッキンがハウジングの平面部と弁本体部との間に配置されるロータリバルブでは、パッキン本体部の面に沿う方向(厚み方向に対し直交する方向)における弁本体部の寸法、ひいてはロータリバルブの同方向における寸法が、パッキン本体部から大きく影響を受ける。そのため、弁本体部及びロータリバルブの小型化を図るために、パッキン本体部の面に沿う方向における流入側パッキンの小型化が望まれる。
こうした小型化は、パッキン本体部が平面部と弁本体部との間に配置され、かつそのパッキン本体部が複数の貫通孔を有するパッキンであることを条件に、流入側パッキンに限らず、流出側パッキンに対しても望まれる。さらには、ロータリバルブに限らず、他の方式、例えば弁本体部が平面部に対し、面に沿う方向にスライドすることにより流路を切替えるタイプのバルブにおけるパッキンに対しても、上記と同様の小型化が望まれる。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、パッキン本体部の面に沿う方向におけるパッキンの小型化を図ることのできるバルブを提供することにある。
上記課題を解決するバルブは流体の複数の流路の途中に配置されるものであり、収容部、及び前記収容部に面する平面部を備え、かつ、前記平面部には、前記流体が通過する複数の開口部が形成されたハウジングと、可動流路を有し、かつ前記収容部内に移動可能に収容された弁本体部を備え、前記可動流路が前記弁本体部のうち、前記平面部に対向する端面において開放された弁体と、前記平面部及び前記弁本体部の間に配置され、かつ骨格部分がパッキン本体部により構成されるパッキンと、を備え記弁本体部の移動に伴い、前記可動流路と前記開口部との接続状態を変更するバルブであって、前記パッキン本体部は、同パッキン本体部の厚み方向に貫通する貫通孔を前記開口部の数以上有し、かつ全ての前記開口部に対し、いずれかの前記貫通孔が対向するように配置され、前記パッキン本体部の前記平面部側の面であって、各貫通孔の周囲には、前記平面部に接触する環状の第1シール部が形成され、前記パッキン本体部の前記弁本体部側の面であって、各貫通孔の周囲には、前記弁本体部に接触する環状の第2シール部が形成されており、各第1シール部の周方向における一部と、隣の前記第1シール部の周方向における一部とが重複し、各第2シール部の周方向における一部と、隣の前記第2シール部の周方向における一部とが重複している。
上記の構成によれば、パッキンは、バルブに組込まれた状態では、平面部及び弁本体部の間に位置する。この状態では、貫通孔の周囲の第1シール部が、平面部に接触する。少なくとも一部の貫通孔は開口部に対向し、同貫通孔の周囲の第1シール部は、平面部における開口部の周囲に接触する。そのため、パッキン本体部と平面部との間では、各第1シール部の内側の領域と外側の領域との間で流体が、同第1シール部を経由して行き来することが規制される。また、貫通孔の周囲の第2シール部は、弁本体部の平面部に対向する端面に接触する。そのため、弁本体部とパッキン本体部との間では、第2シール部の内側の領域と外側の領域との間で流体が、同第2シール部を経由して行き来することが規制される。従って、これらの規制により、弁本体部と平面部との間で流体が混ざり合う現象が抑制される。
ところで、上記バルブでは、パッキン本体部の面に沿う方向における弁本体部の寸法、ひいてはバルブの同方向における寸法が、パッキン本体部から大きく影響を受ける。
この点、上記の構成を有するパッキンでは、各第1シール部の周方向の一部と、隣の第1シール部の周方向の一部とが重複(ラップ)し、各第2シール部の周方向の一部と、隣の第2シール部の周方向の一部とが重複(ラップ)している。そのため、隣り合う第1シール部が互いに離れ、隣り合う第2シール部が互いに離れている場合に比べ、隣り合う貫通孔間の距離が短くなる。その結果、パッキン本体部の面に沿う方向におけるパッキンの寸法が小さくなる。これに伴い、隣り合う開口部間の距離が短くなり、上記方向におけるバルブの小型化を図ることが可能となる。
上記バルブにおいて、隣り合う前記第1シール部は重複部分において互いに重複しており、前記重複部分には、前記平面部に接触する側の面において開放されて、同重複部分の周方向に延びるスリットが形成され、前記スリットの底部は、前記第1シール部のうち、前記パッキン本体部よりも前記平面部側へ離れた箇所に位置することが好ましい。
ここで、第1シール部の周方向における一部と、隣の第1シール部の周方向における一部とが重複されると、その重複部分では、第1シール部の径方向における寸法(幅)が、同方向における非重複部分の幅よりも大きくなる。これに伴い、重複部分では、圧縮により、パッキン本体部の厚み方向に弾性変形し得る寸法(圧縮代)が、非重複部分よりも短くなる。また、重複部分では、非重複部分に比べ、平面部に対する圧接により発生する面圧が増加する。これは、重複部分では、非重複部分よりも断面積が増加するためである。
この点、上記の構成によるように、重複部分に、同重複部分の周方向に延びるスリットが設けられることにより、スリットが設けられない場合よりも重複部分の圧縮代が長くなる。また、スリットの分、断面積が小さくなり、重複部分と非重複部分とで、平面部に対する圧接により発生する面圧のバラツキが小さくなる。
上記バルブにおいて、前記パッキン本体部には、前記バルブへの組付けに際し、前記平面部に設けられた規制部に接触することで、前記第1シール部が前記平面部に着座した状態での前記パッキン本体部の前記平面部への接近方向を、同平面部に直交する方向に規制する被規制部が設けられていることが好ましい。
ここで、パッキンのバルブへの組付けに際し、第1シール部が平面部に着座した状態で、パッキン本体部が平面部に対し傾斜する方向へ接近すると、次の現象が起こる懸念がある。それは、重複部分のうち、スリットの幅方向における両側部分が、同両側部分の間隔が平面部に近づくほど拡がるといった狙いの形状に弾性変形しないことである。例えば、両側部分は、拡がることなく互いに接触した状態で同一方向に倒れるように弾性変形する。
この点、上記の構成によれば、パッキンのバルブへの組付けに際し、パッキン本体部が平面部に接近される過程で、パッキン本体部に設けられた被規制部が、平面部に設けられた規制部に接触する。この接触により、第1シール部が平面部に着座した状態でのパッキン本体部の平面部への接近方向が、同平面部に直交する方向に規制される。その結果、平面部に着座した重複部分が、同平面部に直交する方向に圧縮される。重複部分のうち、スリットの幅方向における両側部分が、同両側部分の間隔が平面部に近づくほど拡がるといった、狙いの形状に弾性変形する。
上記バルブによれば、パッキン本体部の面に沿う方向におけるパッキンの小型化を図ることができる。
一実施形態におけるロータリバルブの斜視図。 一実施形態におけるロータリバルブの平面図。 (a)は一実施形態におけるロータリバルブの分解斜視図、(b)は図3(a)の一部を拡大して示す斜視図。 一実施形態における弁体を弁本体部側から見た斜視図。 一実施形態における流入側パッキンを第1シール部側から見た斜視図。 一実施形態における流入側パッキンを第2シール部側から見た斜視図。 図2の7-7線断面図。 図7の8-8線断面図。 図7におけるX部の拡大断面図。 図9に対応する図であり、重複部分が狙い通りの形状に弾性変形した場合の部分断面図。 図9に対応する図であり、重複部分が狙いとは異なる形状に弾性変形した場合の部分断面図。 カバーの平面部における規制部と、流入側パッキンにおける被規制部との対応関係を示す分解斜視図。 (a)は図2の13a-13a線断面図、(b)は図13(a)の一部を拡大して示す部分断面図。 一実施形態における流入側パッキンの部分断面図。 比較例を示す図であり、第1シール部の重複部分にスリットが形成されない場合の流入側パッキンの部分断面図。 図5に対応する図であり、第1シール部が隣の第1シール部から独立した状態で形成された比較例の流入側パッキンの斜視図。
以下、バルブの一実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態のバルブ用パッキンは、ロータリバルブに組込まれて使用される。このロータリバルブは、複数の流体の流路の途中に設けられて、流路の接続状態を切替えるバルブの一つの形態である。
ここで、流体には、液体及び気体のいずれか一方又は両者が含まれる。また、複数の流体には、成分の異なる複数種類の流体が含まれるほか、同一種類の複数の流体も含まれる。同一種類の複数の流体には、同一の複数の流体が含まれるほか、成分は同一であるが、温度又はその他の要素、例えば粘度等の異なる複数の流体が含まれる。本実施形態では、成分が同一であるが、互いに温度の異なる2種類の冷却水を、流体としている。なお、流体として、冷却水とは異なる種類の液体が用いられてもよい。
図1及び図3に示すように、ロータリバルブ10は、ハウジング11、弁体51、流入側パッキン71及び流出側パッキン95を備えている。これらの部材のうち、流入側パッキン71が特許請求の範囲におけるパッキンに相当する。次に、各部材について説明する。
<ハウジング11>
ハウジング11は、ボディ12及びカバー31を備えている。ボディ12は、軸線L1に沿って延びる略円筒状をなし、かつ内部空間を収容部41として有する周壁部13を備えている。軸線L1に沿う方向における周壁部13の一方の端部は閉塞部14によって塞がれ、他方の端部は開放されている(図7参照)。
図2、図7及び図8に示すように、周壁部13には、それぞれ径方向における外方へ突出する複数の突出壁部15が形成されている。軸線L1に沿う方向における周壁部13の閉塞部14とは反対側の端部には、環状突部16が形成されている。図3及び図7に示すように、閉塞部14の中心部分には軸受孔17が形成されている。
カバー31は、周壁部13を挟んで、軸線L1に沿う方向における閉塞部14とは反対側に配置されている。カバー31の外周部分には、ボディ12側の面において開放された環状凹部32が形成されている。カバー31において、環状凹部32によって囲まれた部分には、流入側パッキン71を装着するための装着部33が形成されている。装着部33の底部は、平面部34によって構成されている。平面部34におけるボディ12側の面は、上記軸線L1に対し直交する平面によって構成されている。
ボディ12の環状突部16は、カバー31の環状凹部32に嵌合されている。環状突部16の外周面には、環状凹部32の壁面に接触して、環状突部16と環状凹部32との間をシールするOリング35が装着されている。
ボディ12の外周部の複数箇所には、径方向における外方へ突出する連結突部18が形成されている。また、カバー31の外周部であって、上記連結突部18に対応する複数箇所には、径方向における外方へ突出する連結突部36が形成されている。互いに対応する連結突部18,36毎にボルト37が挿通され、各ボルト37にナット38が締付けられることにより、ボディ12とカバー31とが連結されている。
カバー31における上記平面部34は、収容部41に面している。平面部34において上記軸線L1が通る箇所には、流体が通過する開口部の一部として、流体FL1の流入口42が形成されている。カバー31における流入口42の周縁部からは、上記軸線L1に沿って収容部41から遠ざかる側へ向けて接続管部43が突出している。接続管部43には、流体FL1の流路101を有する配管102が接続される。また、平面部34の上記流入口42から径方向における外方へ僅かにずれた箇所には、流体が通過する開口部の一部として、流体FL2の流入口44が形成されている。カバー31における流入口44の周縁部からは、接続管部45が突出している。接続管部45には、流体FL2の流路103を有する配管104が接続される。
図8に示すように、各突出壁部15には、流出口21~23のいずれかが形成されている。これらの流出口21~23は、収容部41に面して開放されている。突出壁部15における流出口21~23のそれぞれの周縁部からは、ボディ12の径方向における外方へ向けて接続管部24~26が突出している。接続管部24には、流路111を有する配管112が接続され、接続管部25には、流路113を有する配管114が接続され、接続管部26には、流路115を有する配管116が接続される。
<弁体51>
図7及び図8に示すように、弁体51は、弁本体部52及び軸部56を備えている。弁本体部52は、弁体51の骨格部分をなす部分であり、円柱状に形成されている。弁本体部52の軸線L1に沿う方向における両側の端面53,54は、いずれも同軸線L1に対し直交する平面によって構成されている。弁本体部52の外周面55は、上記軸線L1を中心とする円筒面によって構成されている。
軸部56は、弁本体部52における端面53の中心部に設けられている。軸部56は、カバー31から遠ざかる側へ突出している。軸部56は、上記周壁部13の軸線L1を自身の軸線として有している。そして、弁本体部52が収容部41に収容され、軸部56が軸受孔17に挿通されている。弁本体部52の端面54は、カバー31の平面部34に対向し、同弁本体部52の外周面55は、周壁部13の内周面に対向している。軸部56は、軸受孔17においてボディ12に対し回動可能に支持されている。軸部56と閉塞部14との間にはOリング57が介在されている。
図4、図7及び図8に示すように、弁本体部52には、流体FL1が流れる1つの可動流路61と、流体FL2が流れる2つの可動流路65,67とが形成されている。
可動流路61は、流体FL1の流れ方向における上流部を構成する1つの共通流路部62と、同流れ方向における下流部をそれぞれ構成する2つの分岐流路部63とからなる。上記流れ方向における可動流路61の上流端61aは、上記端面54の中心部において開放されており、上記流入口42に対向している。上記流れ方向における可動流路61の下流端61bは、上記外周面55において開放されている。可動流路61は、弁体51の回動に伴い、両分岐流路部63が移動(旋回)することで、可動流路61を介した流入口42と流出口21,22との連通状態を変更する。
上記流れ方向における可動流路65の上流端65aは、上記端面54のうち、軸線L1(上流端61a)から径方向における外方へずれた箇所において開放されている。上記流れ方向における可動流路65の下流端65bは、上記外周面55において開放されている。可動流路65は、弁体51の回動に伴い、同可動流路65の全体が軸線L1の周りを移動(旋回)することで、同可動流路65を介した流入口44と流出口22との連通状態を変更する。
上記流れ方向における可動流路67の上流端67aは、弁本体部52の端面54のうち、軸線L1(上流端61a)から径方向における外方へずれた箇所において開放されている。上記流れ方向における可動流路67の下流端67bは、上記外周面55において開放されている。可動流路67は、弁体51の回動に伴い、同可動流路67の全体が軸線L1の周りを移動(旋回)することで、同可動流路67を介した流入口44と流出口23との連通状態を変更する。
上述した各種連通状態の変更は、少なくとも可動流路61,65,67と流入口42,44との接続状態が変更されることを条件として行なわれる。
上記構成の弁体51は、図示しないモータ、手動操作等によって回動される。
なお、上記のように可動流路61が分岐流路部63を有する場合、その分岐流路部63の数は3以上であってもよい。また、弁体51における可動流路61,65,67の数が1又は3以上であってもよい。可動流路61,65,67が1つの場合、途中で複数に分岐されてもよい。
<流入側パッキン71>
図5、図6及び図9に示すように、流入側パッキン71は、パッキン本体部72、第1シール部74a,74b,74c、第2シール部81a,81b,81c及びシート86を備えている。流入側パッキン71は、上記平面部34と弁本体部52の端面54との間に配置されていて、カバー31の装着部33に係合されている。パッキン本体部72、第1シール部74a,74b,74c及び第2シール部81a,81b,81cは、ゴム等の弾性材料によって一体に形成されている。これに対し、シート86はフッ素樹脂によって形成されており、上記パッキン本体部72及び第2シール部81a,81b,81cにおける弁本体部52側の面に貼付けられている。このシート86は、流入側パッキン71と弁本体部52の端面54との間の摩擦を小さくし、弁体51を回転させるために必要な荷重を小さくする役割を担っている。
パッキン本体部72は、流入側パッキン71の骨格部分を構成する部分である。パッキン本体部72は、上記軸線L1に沿う方向を自身の厚み方向としていて、同方向における寸法(厚み)が略均一な板状をなしている。
パッキン本体部72は、その厚み方向に貫通する貫通孔を、上記流入口42,44の数以上有している。本実施形態では、パッキン本体部72は、流入口42,44よりも1つ多い数である3つの貫通孔73a,73b,73cを有している。各貫通孔73a,73b,73cは、流入口42,44よりも若干大きな径を有する円形の孔によって構成されている。貫通孔73aは、パッキン本体部72において、流入口42に対向する箇所に形成されている。貫通孔73bは、パッキン本体部72において、流入口44に対向する箇所に形成されている。上述したように流入口42,44が互いに接近していることから、貫通孔73a,73bもまた互いに接近している。従って、流入側パッキン71がロータリバルブ10に組付けられた状態では、全ての流入口42,44には、貫通孔73a,73b,73cのいずれかが対向することになる。
残りの1つの貫通孔73cは、パッキン本体部72において、いずれの流入口42,44にも対向しない箇所であって、隣の貫通孔73aに接近した箇所に形成されている。本実施形態では、貫通孔73cは、貫通孔73aの一部を間に挟んで、上記貫通孔73bと対向する箇所に配置されている。貫通孔73a,73cの配列方向は、貫通孔73a,73bの配列方向に対し交差している。
図5、図9及び図14に示すように、第1シール部74aは、パッキン本体部72の平面部34側の面であって、貫通孔73aの周囲に形成されていて、円環状をなしている。第1シール部74aは、流入口42の周囲において平面部34に接触している。第1シール部74bは、パッキン本体部72の平面部34側の面であって、貫通孔73bの周囲に形成されていて、円環状をなしている。第1シール部74bは、流入口44の周囲において平面部34に接触している。第1シール部74cは、パッキン本体部72の平面部34側の面であって、貫通孔73cの周囲に形成されていて、円環状をなしている。第1シール部74cは、流入口42,44とは異なる箇所において平面部34に接触している。
第1シール部74aの周方向における一部と、隣の第1シール部74bの周方向における一部とは重複している。両第1シール部74a,74bは、重複部分75において互いに繋がっている。
第1シール部74a,74bにおいて、重複部分75とは異なる箇所(非重複部分)では、同第1シール部74a,74bの内周面76は、軸線L1に対し平行に延びる、又は平行に近い角度で傾斜している。第1シール部74a,74bの外周面77は、パッキン本体部72から遠ざかるに従い、上記内周面76に近づくように、上記軸線L1に対し大きく傾斜したテーパ面によって構成されている。従って、第1シール部74a,74bの径方向における非重複部分の寸法(幅)は、パッキン本体部72から平面部34側へ遠ざかるに従い小さくなる。
上記重複部分75には、その周方向、表現を変えると、第1シール部74a,74bの共通の接線方向、へ延びる1本のスリット78が形成されている。スリット78は、重複部分75のうち、平面部34に接触する側の面において開放されている。より詳しくは、スリット78は上記面のうち、第1シール部74a,74bの径方向における中央部分で開放されている。上記径方向におけるスリット78の寸法を同スリット78の幅とすると、その幅は、上記平面部34に接触する側の面において最大となり、パッキン本体部72に近づくに従い小さくなっている。
スリット78は、重複部分75の周方向における全長にわたって形成されている。スリット78は、重複部分75のうち、周方向における両端部において開放されている。
重複部分75にスリット78が形成されることにより、同重複部分75のうちスリット78よりも第1シール部74a側には可撓部75aが形成され、第1シール部74b側には可撓部75bが形成されている。
図5に示すように、第1シール部74aの周方向における別の一部(重複部分75とは異なる部分)と、隣の第1シール部74cの周方向における一部とは重複している。両第1シール部74a,74cは、重複部分79において互いに繋がっている。
第1シール部74cにおいて重複部分79とは異なる箇所(非重複部分)は、図示はしないが、上記第1シール部74a,74bにおける非重複部分と同様の断面形状を有している。
重複部分79には、その周方向、表現を変えると、第1シール部74a,74cの共通の接線方向に延びる1本のスリット80が形成されている。このスリット80は、上記重複部分75におけるスリット78と同様の形状をなしている。ただし、スリット80の延びる方向は、スリット78の延びる方向とは異なっている。
重複部分79にスリット80が形成されることにより、同重複部分79のうちスリット80の幅方向における両側には、一対の可撓部79a,79bが形成されている。
<第2シール部81a,81b,81c>
図6、図9及び図14に示すように、流入口42に対応する第2シール部81aは、パッキン本体部72の弁本体部52側の面であって、貫通孔73aの周囲に形成されていて、円環状をなしている。第2シール部81aは、弁体51の回動位相に拘わらず、可動流路61の上流端61aの周囲において端面54に対しシート86を介して接触している。
流入口44に対応する第2シール部81bは、パッキン本体部72の弁本体部52側の面であって、貫通孔73bの周囲に形成されていて、円環状をなしている。第2シール部81bは、端面54に対しシート86を介して接触しているが、特に、可動流路65,67の上流端65a,67aが流入口44に対向した場合には、上流端65a,67aの周囲において端面54に対しシート86を介して接触する。
いずれの流入口42,44にも対応しない第2シール部81cは、パッキン本体部72の弁本体部52側の面であって、貫通孔73cの周囲に形成されていて、円環状をなしている。第2シール部81cは、端面54に対しシート86を介して接触しているが、特に、図8に示すように、可動流路67の下流端67bが流出口21に対向した場合には、上流端67aの周囲において端面54に対し、シート86を介して接触する。
図6、図9及び図14に示すように、第2シール部81aの周方向における一部と、隣の第2シール部81bの周方向における一部とは重複している。両第2シール部81a,81bは、重複部分82において互いに繋がっている。同様に、第2シール部81aの周方向における別の一部(重複部分82とは異なる部分)と、隣の第2シール部81cの周方向における一部とは重複している。両第2シール部81a,81cは、重複部分83において互いに繋がっている。
なお、いずれの重複部分82,83においても、上記第1シール部74a,74b,74cにおける重複部分75,79とは異なり、スリットが形成されていない。
重複部分82,83でも、第2シール部81a,81b,81cにおいて重複部分82,83とは異なる箇所(非重複部分)でも、第2シール部81a,81b,81cの内周面84及び外周面85は、パッキン本体部72から遠ざかるに従い、互いに徐々に接近するように、上記軸線L1に対し傾斜している。従って、第2シール部81a,81b,81cの径方向における重複部分82,83及び非重複部分の寸法(幅)は、パッキン本体部72から遠ざかるに従い徐々に小さくなる。
また、第2シール部81a,81b,81cの径方向における重複部分82,83の寸法(幅)は、同重複部分82,83の周方向における中央部分で最小となる。重複部分82,83における上記幅は、同重複部分82,83の周方向における中央部から同周方向へ遠ざかるに従い増加し、同周方向における端部において最大となる。上記重複部分82,83の周方向における中央部分は、非重複部分と略同一の断面形状を有している。
ところで、図5、図12及び図13(a),(b)に示すように、パッキン本体部72には、流入側パッキン71のロータリバルブ10への組付けに際し、平面部34に設けられた規制部87,88,89に接触する被規制部91,92,93が設けられている。被規制部91~93は、上記組付けの際に、規制部87,88,89との上記接触により、流入側パッキン71のカバー31に対する位置決めを行なう機能を有する。また、被規制部91~93は、第1シール部74a,74b,74cが平面部34に着座した状態でのパッキン本体部72の平面部34への接近方向を、上記接触により、同平面部34に直交する方向に規制する機能も有する。被規制部91~93は、パッキン本体部72において、第1シール部74a,74b,74cとは異なる複数箇所、本実施形態では3箇所に設けられている。各被規制部91~93は、パッキン本体部72の平面部34側の面において開放され、かつパッキン本体部72の厚み方向に貫通する孔部により構成されている。
規制部87~89は、平面部34において、被規制部91~93に対向する複数箇所(3箇所)に設けられている。各規制部87~89は、平面部34から弁本体部52側へそれぞれ突出する突部により構成されている。各規制部87~89は、対応する被規制部91~93に挿入し得る太さに形成されている。
そして、各被規制部91~93が同被規制部91~93に入り込んだ規制部87~89に接触することにより、接近方向の上記規制が行なわれる。
<流出側パッキン95>
図3(a)、(b)及び図8に示すように、流出側パッキン95は、3箇所のそれぞれの突出壁部15と弁本体部52の外周面55との間に配置されている。各流出側パッキン95は、互いに同一の構成を有している。
各流出側パッキン95は、パッキン本体部96、第3シール部98、第4シール部99及びシート100を備えている。各パッキン本体部96は、流出側パッキン95の骨格部分を構成する部分であり、弁本体部52の径方向を自身の厚み方向としていて、板状をなしている。
各パッキン本体部96は、流出口21~23のそれぞれに対向する箇所に貫通孔97を有している。各貫通孔97は、流出口21~23よりも若干大きな径を有する円形の孔によって構成されている。
各第3シール部98は、パッキン本体部96の周壁部13側の面であって、貫通孔97の周囲において環状に形成されている。各第3シール部98は、流出口21~23の周囲において突出壁部15に接触している。
また、各第4シール部99は、パッキン本体部96の弁本体部52側の面であって、貫通孔97の周囲において環状に形成されている。各第4シール部99は、弁本体部52の外周面55に接触しているが、特に、可動流路61,65,67の下流端61b,65b,67bが流出口21~23に対向した場合には、その下流端61b,65b,67bの周囲において外周面55に接触する。
シート100は、上記流入側パッキン71におけるシート86と同様に、フッ素樹脂によって形成されており、上記パッキン本体部96及び第4シール部99における弁本体部52側の面に貼付けられている。このシート100は、流出側パッキン95と弁本体部52の外周面55との間の摩擦を小さくし、弁体51を回転させるために必要な荷重を小さくする役割を担っている。
次に、上記のように構成された本実施形態の作用について説明する。また、作用に伴い生ずる効果についても併せて説明する。
図7に示すように、流路101を流れる流体FL1は、接続管部43を介して流入口42に送られてくる。流路103を流れる流体FL2は、接続管部45を介して流入口44に送られてくる。
一方、弁体51が、図示しないモータ、手動操作等によって回動されると、その回動に伴い可動流路61,65,67の少なくとも一部が移動する。
図4、図7及び図8に示すように、弁体51の回動に伴い、可動流路61では、共通流路部62が軸線L1を中心として回動し、両分岐流路部63が軸線L1の周りを移動(旋回)する。その結果、可動流路61と流入口42との接続状態が変更され、可動流路61を介した流入口42と流出口21,22との連通状態が変更される。例えば、図示はしないが、流入口42と流出口21とが可動流路61を介して連通されると、流体FL1は、流入口42、可動流路61及び流出口21を順に流れ、その後、接続管部24を介して流路111に流出される。
これに対し、流入口42と流出口22とが可動流路61を介して連通されると、流体FL1は、流入口42、可動流路61及び流出口22を順に流れ、その後、接続管部25を介して流路113に流出される(図8参照)。
また、弁体51の回動に伴い、可動流路65の全体が軸線L1の周りを移動(旋回)する。この移動により、可動流路65と流入口44との接続状態が変更され、可動流路65を介した流入口44と流出口22との連通状態が変更される。例えば、図示はしないが、流入口44と流出口22とが可動流路65を介して連通されると、流体FL2は、流入口44、可動流路65及び流出口22を順に流れ、その後、接続管部25を介して流路113に流出される。
さらに、弁体51の回動に伴い、可動流路67の全体が軸線L1の周りを移動(旋回)する。この移動により、可動流路67と流入口44との接続状態が変更され、可動流路67を介した流入口44と流出口23との連通状態が変更される。例えば、図示はしないが、流入口44と流出口23とが可動流路67を介して連通されると、流体FL2は、流入口44、可動流路67及び流出口23を順に流れ、その後、接続管部26を介して流路115に流出される。
このようにして、可動流路61,65,67と流入口42,44との接続状態が変更されて、同可動流路61,65,67を介した流入口42,44及び流出口21~23の連通状態が変更される。複数の流入系の流路101,103と、複数の流出系の流路111,113,115との接続状態が切替えられる。
ここで、図5、図7及び図10に示すように、流入側パッキン71の第1シール部74a,74bが、平面部34における流入口42,44の周囲に圧接する。そのため、パッキン本体部72と平面部34との間では、各第1シール部74a,74bの内側の領域と外側の領域との間で流体FL1,FL2が、同第1シール部74a,74bを経由して行き来することが規制される。
また、図6、図7及び図10に示すように、流路101,103と、流路111,113,115との接続状態が切替えられると、流入側パッキン71の第2シール部81a,81b,81cは、弁本体部52の端面54のうち、可動流路61,65,67の上流端61a,65a,67aの周囲に圧接する。そのため、弁本体部52とパッキン本体部72との間では、第2シール部81a,81b,81cの内側の領域と外側の領域との間で流体FL1,FL2が、同第2シール部81a,81b,81cを経由して行き来することが規制される。
従って、流路101,103と流路111,113,115との接続状態が切替えられると、上記規制により、弁本体部52と平面部34との間で流体FL1,FL2が混ざり合う現象が抑制される。
このように、本実施形態によると、1つのロータリバルブ10でありながら、弁体51を回動させて流入口42,44と流出口21~23との連通状態を変更することで、流体FL1,FL2のそれぞれについて流入系の流路101,103と流出系の流路111,113,115の接続状態を切替えることができる。また、切替え後の状態では、弁体51の回動位相に拘わらず、流体FL1,FL2が混ざり合うのを抑制することができる。
なお、流入口42,44のいずれにも対向しない貫通孔73cの周りに設けられた第1シール部74c及び第2シール部81cは、図8に示すように、弁体51の回動により、可動流路67の上流端67aがどの流入口42,44にも対向せず、下流端67bが流出口21に対向した場合に、同上流端67aをシールするために用いられる。
すなわち、接続管部24へ一旦流出した流体FL1が流出口21から可動流路67に逆流した場合、同可動流路67内の流体FL2が上流端67aから弁本体部52とハウジング11との隙間に入り込む。この流体FL2は、下流端61bがいずれの流出口21~23にも対向せず、シールされていない可動流路61内へ入り込み、流入口42から流入してくる流体FL1と混ざり合うおそれがある。
しかし、本実施形態では、可動流路67を逆流しようとする流体FL2は、上流端67aを取り囲む第1シール部74c及び第2シール部81cによって止められる。そのため、流体FL2が可動流路61に入り込んで流体FL1と混ざり合う現象を抑制することができる。
ところで、上記流入側パッキン71が平面部34と弁本体部52との間に配置されるロータリバルブ10では、パッキン本体部72の面に沿う方向における弁本体部52の寸法、ひいてはロータリバルブ10の径方向における寸法が、同パッキン本体部72から大きく影響を受ける。
この点、本実施形態では、図5に示すように、第1シール部74aの周方向の一部と、隣の第1シール部74bの周方向の一部とが重複部分75において重複(ラップ)し、第1シール部74aの周方向の別の一部と、隣の第1シール部74cの周方向の一部とが重複部分79において重複(ラップ)している。
同様に、図6に示すように、第2シール部81aの周方向の一部と、隣の第2シール部81bの周方向の一部とが重複部分82において重複(ラップ)し、第2シール部81aの周方向の別の一部と、隣の第2シール部81cの周方向の一部とが重複部分83において重複(ラップ)している。
そのため、隣り合う第1シール部74a,74bが互いに離れ、隣り合う第2シール部81a,81b(図示略)が互いに離れている場合(図16参照)に比べ、隣り合う貫通孔73a,73b間の距離が短くなる。また、隣り合う第1シール部74a,74cが互いに離れ、隣り合う第2シール部81a,81c(図示略)が互いに離れている場合(図16参照)に比べ、隣り合う貫通孔73a,73c間の距離が短くなる。
その結果、パッキン本体部72の面に沿う方向における流入側パッキン71の寸法が小さくなる。これに伴い、隣り合う流入口42,44間の距離が短くなり、上記面に沿う方向、すなわち径方向におけるロータリバルブ10の小型化を図ることができる。
また、本実施形態では、重複部分82が、第2シール部81a,81bのそれぞれの周方向の一部を兼ねる。また、重複部分83が、第2シール部81a,81cのそれぞれの周方向の一部を兼ねる。そのため、第2シール部81aの周方向の一部と、隣の第2シール部81bの周方向の一部とが重複(ラップ)していない場合(図16参照)に比べ、全ての第2シール部81a,81b,81cの弁本体部52との接触面積が小さくなる。従って、シールに必要な荷重を小さくし、流路101,103と流路111,113,115との接続状態の切替えに際し、弁本体部52を回動させるために必要なトルクを低減させることができる。
ここで、仮に、図15に示すように、第1シール部74aの周方向における一部と、隣の第1シール部74bの周方向における一部とが重複するもののスリット78が設けられないと、重複部分75では、同第1シール部74a,74bの径方向における寸法(幅)が、非重複部分における幅よりも大きくなる。これに伴い、重複部分75では、圧縮により、パッキン本体部72の厚み方向に弾性変形し得る寸法(圧縮代A)が、非重複部分よりも小さくなる。また、重複部分75では、非重複部分に比べ、平面部34に対する圧接により発生する面圧が増加する。これは、第1シール部74a,74bの断面(図15における二点鎖線のラインよりも下側の部分)の断面積が、重複部分75において、非重複部分におけるよりも大きくなるためである。図示はしないが、隣り合う第1シール部74a,74cにおける重複部分79についても、同様である。
この点、本実施形態では、図5及び図14に示すように、重複部分75にスリット78が設けられ、重複部分79にスリット80が設けられているため、スリット78,80が設けられない場合よりも圧縮代Aを大きくすることができる。また、スリット78,80の分、断面積を小さくし、重複部分75,79と非重複部分とで、平面部34に対する圧接により発生する面圧のバラツキを小さくすることができる。
ところで、流入側パッキン71のロータリバルブ10への組付けに際し、図9に示すように、第1シール部74a,74b,74cにおいて平面部34に着座した流入側パッキン71のパッキン本体部72が、仮に図11において矢印Bで示すように、平面部34に対し傾斜する方向へ押されて同方向へ接近すると、次の現象が起こる懸念がある。それは、重複部分75のうち、スリット78の幅方向における両側の可撓部75a,75bが、それらの間隔が平面部34に近づくほど拡がるといった、狙いの形状(図10参照)に弾性変形しないことである。例えば、図11に示すように、両可撓部75a,75bは、拡がることなく互いに接触した状態で同一方向に倒れるように弾性変形する懸念がある。両可撓部75a,75bが狙いの形状に弾性変形した場合より、シール性が低下する。図示はしないが、重複部分79における可撓部79a,79bについても同様である。
この点、本実施形態では、図12及び図13(a),(b)に示すように、ロータリバルブ10への組付けに際し、流入側パッキン71が平面部34に接近される過程で、パッキン本体部72に設けられた被規制部91~93が、平面部34に設けられた規制部87~89に接触する。より具体的には、被規制部91~93を構成する孔部に対し、規制部87~89を構成する突部が入り込むことで、被規制部91~93が規制部87~89に接触する。この接触により、第1シール部74a,74b,74cが図9に示すように平面部34に着座した状態でのパッキン本体部72の平面部34への接近方向が、図10において矢印Cで示すように、同平面部34に直交する方向に規制される。パッキン本体部72が、平面部34に対し傾斜する方向へ接近することが起こりにくくなる。その結果、平面部34に着座した重複部分75の可撓部75a,75bが同平面部34に直交する方向に圧縮される。両可撓部75a,75bが、拡がることなく互いに接触した状態で同一方向に倒れるように弾性変形する現象(図11参照)が起こりにくくなる。図10に示すように、可撓部75a,75bを、それらの間隔が平面部34に近づくほど拡がる、狙いの形状に弾性変形させて、シール性の低下を抑制することができる。
なお、図示はしないが、重複部分79における可撓部79a,79bについても、上記と同様、狙いの形状に弾性変形させることができる。
特に、本実施形態では、ロータリバルブ10への組付けに際し、パッキン本体部72が平面部34に接近される過程で、被規制部91~93の規制部87~89との接触が、図5に示すように、スリット78,80を、同スリット78,80の延びる方向における両側から非接触状態で挟み込む箇所で行なわれる。そのため、第1シール部74a,74b,74cが平面部34に着座した状態でのパッキン本体部72の平面部34への接近方向の規制を、より的確に行なうことができる。
本実施形態によると、上記以外にも、次の効果が得られる。
・流入側パッキン71のロータリバルブ10への組付けに際し、流入側パッキン71をカバー31の装着部33に近付ける過程で、被規制部91,92,93を規制部87,88,89に接触させることで、流入側パッキン71をカバー31に対し、位置決めすることができる。
この際、被規制部91~93の規制部87~89との接触を複数箇所で行なうため、流入側パッキン71のカバー31に対する回転を規制することができる。
なお、上記実施形態は、これを以下のように変更した変形例として実施することもできる。上記実施形態及び以下の変形例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組合わせて実施することができる。
・平面部34に設けられる複数の開口部は、上記実施形態とは異なり、収容部41からの流体FL1,FL2の複数の流出口21~23であってもよいし、流入口42,44と流出口21~23との組合せであってもよい。
・貫通孔73a,73b,73cの形状が、円形とは異なる形状に変更されてもよい。
・パッキン本体部72における貫通孔の数は、2又は4以上であってもよい。
・スリット78,80は、重複部分75,79の周方向における複数箇所に形成されてもよい。
・スリット78,80は、重複部分75,79の周方向における一部にのみ形成されてもよい。
・重複部分75,79におけるスリット78,80が省略されてもよい。
・スリット78,80は、第1シール部74a,74b,74cの重複部分75,79に代えて、又は加えて第2シール部81a,81b,81cの重複部分82,83に形成されてもよい。
・スリット78,80の幅が深さ方向に一定となるように形成されてもよい。
・シート86,100は適宜省略可能である。
・被規制部91~93は、上記孔部に代え、パッキン本体部72の平面部34側の面において開口し、かつパッキン本体部72の厚み方向に凹む凹部によって構成されてもよい。
・被規制部91~93は、上記実施形態とは逆に、パッキン本体部72から平面部34側へ突出する突部によって構成されてもよい。この場合、規制部87~89は、平面部34において開口し、かつパッキン本体部72から遠ざかる側へ延びる凹部又は孔部によって構成される。
・第1シール部74a,74b,74c及び第2シール部81a,81b,81cは、必ずしも貫通孔73a,73b,73cと同一軸線上に形成されなくてもよい。
・第1シール部74a,74b,74c及び第2シール部81a,81b,81cのそれぞれは、円環状とは異なる環状、例えば、楕円環状に形成されてもよいし、三角環状、四角環状、五角環状等の多角環状に形成されてもよい。
・上記バルブ用パッキンは、パッキン本体部が平面部と弁本体部との間に配置され、かつパッキン本体部が複数の貫通孔を有するパッキンであることを条件に、流入側パッキン71に限らず、流出側パッキンに対しても適用可能である。
・上記バルブ用パッキンは、ロータリバルブに限らず、他の方式、例えば弁本体部が平面部に対し、面に沿う方向にスライドすることにより流路を切替えるタイプのバルブにおけるパッキンに対しても、上記と同様に適用可能である。この場合にも、上記実施形態と同様の効果が得られる。
10…ロータリバルブ
11…ハウジング
34…平面部
41…収容部
42,44…流入口(開口部)
51…弁体
52…弁本体部
54…端面
61,65,67…可動流路
71…流入側パッキン(バルブ用パッキン)
72…パッキン本体部
73a,73b,73c…貫通孔
74a,74b,74c…第1シール部
75,79,82,83…重複部分
78,80…スリット
81a,81b,81c…第2シール部
87,88,89…規制部
91,92,93…被規制部
101,103,111,113,115…流路
FL1,FL2…流体

Claims (3)

  1. 流体の複数の流路の途中に配置されるものであり、収容部、及び前記収容部に面する平面部を備え、かつ、前記平面部には、前記流体が通過する複数の開口部が形成されたハウジングと、
    可動流路を有し、かつ前記収容部内に移動可能に収容された弁本体部を備え、前記可動流路が前記弁本体部のうち、前記平面部に対向する端面において開放された弁体と、
    前記平面部及び前記弁本体部の間に配置され、かつ骨格部分がパッキン本体部により構成されるパッキンと、を備え、
    記弁本体部の移動に伴い、前記可動流路と前記開口部との接続状態を変更するバルブであって
    前記パッキン本体部は、同パッキン本体部の厚み方向に貫通する貫通孔を前記開口部の数以上有し、かつ全ての前記開口部に対し、いずれかの前記貫通孔が対向するように配置され、
    前記パッキン本体部の前記平面部側の面であって、各貫通孔の周囲には、前記平面部に接触する環状の第1シール部が形成され、前記パッキン本体部の前記弁本体部側の面であって、各貫通孔の周囲には、前記弁本体部に接触する環状の第2シール部が形成されており、各第1シール部の周方向における一部と、隣の前記第1シール部の周方向における一部とが重複し、各第2シール部の周方向における一部と、隣の前記第2シール部の周方向における一部とが重複しているバルブ。
  2. 隣り合う前記第1シール部は重複部分において互いに重複しており、
    前記重複部分には、前記平面部に接触する側の面において開放されて、同重複部分の周方向に延びるスリットが形成され、
    前記スリットの底部は、前記第1シール部のうち、前記パッキン本体部よりも前記平面部側へ離れた箇所に位置する請求項1に記載のバルブ。
  3. 前記パッキン本体部には、前記バルブへの組付けに際し、前記平面部に設けられた規制部に接触することで、前記第1シール部が前記平面部に着座した状態での前記パッキン本体部の前記平面部への接近方向を、同平面部に直交する方向に規制する被規制部が設けられている請求項2に記載のバルブ。
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