以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[金属積層造形システムの構成]
図1は、本実施の形態における金属積層造形システム1の概略構成例を示した図である。
図示するように、金属積層造形システム1は、溶接ロボット10と、切削ロボット15と、CAD装置20と、積層計画装置30と、制御装置50とを備える。また、積層計画装置30は、溶接ロボット10及び切削ロボット15を制御する制御プログラムを、例えばメモリカード等のリムーバブルな記録媒体70に書き込み、制御装置50は、記録媒体70に書き込まれた制御プログラムを読み出すことができるようになっている。
溶接ロボット10は、複数の関節を有する腕(アーム)11を備え、制御装置50が読み込んだ制御プログラムに従って動作することで溶接作業を行う。また、溶接ロボット10は、腕11の先端に手首部12を介して、積層造形物100を造形するための溶接トーチ13を有している。そして、金属積層造形システム1の場合、溶接ロボット10は、軟鋼製の溶加材(ワイヤ)14を溶融しながら、溶接トーチ13を移動させて、積層造形物100を製造する。具体的には、溶接トーチ13は、溶加材14を供給しつつ、シールドガスを流しながらアークを発生させて溶加材14を溶融及び固化し、母材90上にn層のビード101(1層目のビード101(1)~n層目のビード101(n))を積層して積層造形物100を製造する。尚、ここでは、溶加材14を溶融する熱源としてアークを用いるが、レーザやプラズマを用いてもよい。また、溶接ロボット10は、この他に、溶加材14を送給する送給装置等も含むが、これについては説明を省略する。
切削ロボット15は、複数の関節を有する腕(アーム)16を備え、制御装置50が読み込んだ制御プログラムに従って動作することで切削作業を行う。また、切削ロボット15は、腕16の先端に手首部17を介して、ビードの一部を切削するエンドミルや研削砥石等の金属加工工具18を有している。切削ロボット15は、母材90上に積層されたn層のビード101(1層目のビード101(1)~n層目のビード101(n))から金属加工工具18を用いて不要部分を切削することにより、積層造形物100を完成させる。
CAD装置20は、コンピュータを用いて造形物の設計を行うと共に、設計によって得られた三次元データ(以下、「三次元CADデータ」という)を保持する機能を有している。
積層計画装置30は、CAD装置20が保持するCADデータに基づいて溶接トーチ13の軌道を決定すると共に、溶接ロボット10が溶接する際の溶接条件を決定する。そして、この決定した軌道に沿って決定した溶接条件でビードを形成するように溶接ロボット10を制御するための制御プログラムを生成する。また、形成したビードの一部を切削するように更に切削ロボット15を制御するための制御プログラムを生成する。そして、この制御プログラムを記録媒体70に出力する。本実施の形態では、造形物の製造制御装置の一例として、積層計画装置30を設けている。
制御装置50は、記録媒体70から制御プログラムを読み込んで保持する。そして、この制御プログラムを動作させることにより、積層計画装置30で計画された軌道に沿って、積層計画装置30で計画された溶接条件でビードを形成するよう、溶接ロボット10を制御する。また、積層計画装置30で計画されたようにビードの一部を切削するよう、切削ロボット15を制御する。
[積層計画装置のハードウェア構成]
図2は、積層計画装置30のハードウェア構成例を示す図である。
図示するように、積層計画装置30は、例えば汎用のPC(Personal Computer)等により実現され、演算手段であるCPU31と、記憶手段であるメインメモリ32及び磁気ディスク装置(HDD:Hard Disk Drive)33とを備える。ここで、CPU31は、OS(Operating System)やアプリケーションソフトウェア等の各種プログラムを実行し、積層計画装置30の各機能を実現する。また、メインメモリ32は、各種プログラムやその実行に用いるデータ等を記憶する記憶領域であり、HDD33は、各種プログラムに対する入力データや各種プログラムからの出力データ等を記憶する記憶領域である。
また、積層計画装置30は、外部との通信を行うための通信I/F34と、ビデオメモリやディスプレイ等からなる表示機構35と、キーボードやマウス等の入力デバイス36と、記録媒体70に対してデータの読み書きを行うためのドライバ37とを備える。尚、図2は、積層計画装置30をコンピュータシステムにて実現した場合のハードウェア構成を例示するに過ぎず、積層計画装置30は図示の構成に限定されない。
また、図2に示したハードウェア構成は、制御装置50のハードウェア構成としても捉えられる。但し、制御装置50について述べるときは、図2のCPU31、メインメモリ32、磁気ディスク装置33、通信I/F34、表示機構35、入力デバイス36、ドライバ37をそれぞれ、CPU51、メインメモリ52、磁気ディスク装置53、通信I/F54、表示機構55、入力デバイス56、ドライバ57と表記するものとする。
[本実施の形態の概要]
このような構成を備えた金属積層造形システム1では、アークを用いて溶加材14を溶融及び固化してなるビードを複数重ねた積層造形物100を作成する際、アークがオン又はオフとなる箇所で欠陥が生じ易い。つまり、ビードの始点及び終点で欠陥が生じ易い。そこで、本実施の形態では、ビードの始点及び終点を積層造形物100から外れた位置にある新たな始点及び新たな終点にそれぞれ延伸させて、アークがオン又はオフとなる箇所で欠陥が生じたとしても、その欠陥が積層造形物100に与える影響を小さくする。
[積層計画装置の機能構成]
図3は、本実施の形態における積層計画装置30の機能構成例を示した図である。図示するように、本実施の形態における積層計画装置30は、CADデータ取得部41と、CADデータ分割部42と、軌道データ生成部43と、溶接条件生成部44と、軌道データ修正部45と、切削情報生成部46と、制御プログラム生成部47と、制御プログラム出力部48とを備える。
CADデータ取得部41は、CAD装置20から、積層造形物100の元となる造形物の三次元CADデータD3dを取得する。本実施の形態では、三次元形状データの一例として、三次元CADデータを用いている。
CADデータ分割部42は、CADデータ取得部41が取得した三次元CADデータD3dを、複数の層の積層体となるように分割(スライス)することで、層形状データDs(1層目の層形状データDs(1)~n層目の層形状データDs(n)を含むn層分のデータ)を生成する。その際、CADデータ分割部42は、三次元CADデータD3dを複数の層に分割し易い内部形式に変換してもよい。本実施の形態では、スライスデータの一例として、層形状データDsを用いている。
軌道データ生成部43は、CADデータ分割部42が生成した層形状データDsに対し、層ごとに、ビードの始点及び終点を設定して、始点から終点へのビードの形成経路である軌道を示す軌道データDt(1層目の軌道データDt(1)~n層目の軌道データDt(n)を含むn層分のデータ)を生成する。本実施の形態では、スライスデータの各層におけるビードの始点及び終点を取得する取得手段の一例として、軌道データ生成部43を設けている。
溶接条件生成部44は、CADデータ分割部42が生成した層形状データDsと、軌道データ生成部43が生成した軌道データDtとに基づいて、ビードを形成する際の条件である溶接条件Dcoを生成する。ここで、溶接条件は、例えば、溶接電流、アーク電圧、溶接速度等である。また、溶接条件生成部44は、後述する軌道データ修正部45が生成した修正軌道データDt’に基づいて、溶接条件Dcoを変更する。具体的には、ビードにおける始点及び終点から新たな始点及び新たな終点までの延伸部分の溶接速度を、ビードの延伸部分以外の部分の溶接速度よりも低速にする。ビードの延伸部分を他の部分よりも低速で形成することにより、延伸部分ではビードが少し多めに盛られることになるので、アークがオン又はオフとなる箇所で欠陥が生じ難くなる。
軌道データ修正部45は、軌道データ生成部43が生成した軌道データDtを、層ごとに、軌道データDtに設定されたビードの始点及び終点を新たな始点及び終点にそれぞれ延伸させるように修正することにより、修正軌道データDt’(1層目の修正軌道データDt’(1)~n層目の修正軌道データDt’(n)を含むn層分のデータ)を生成する。
ここで、新たな始点及び終点は、アークがオン又はオフとなることで欠陥が生じたとしてもその欠陥が積層造形物100に与える影響(例えば、その外観や機能的価値に与える影響)が小さい位置に設けるとよい。欠陥が積層造形物100に与える影響が小さい位置としては、ビードの始点及び終点を基準として、ビードの形成経路とは別の方向にある位置が例示される。具体的には、積層造形物100から外れた位置とするとよい。こうすることで、積層造形物100の内部における欠陥の発生が抑制できる。
尚、積層造形物100から外れた位置の座標としては、例えば、ビードの形成方向に交差する向きのベクトルを設定し、軌道データDtに設定された始点及び終点の座標にそのベクトルの成分のx倍(xは正の数)を加算した座標を採用すればよい。換言すれば、ビードの形成方向に対する交差線上にある点を新たな始点及び新たな終点とすればよい。
また、新たな始点及び新たな終点は、一方を積層造形物100の外側に設けて他方を積層造形物100の内側に設けてもよいし、両方を積層造形物100の外側に設けてもよいし、両方を積層造形物100の内側に設けてもよい。
そして、新たな始点及び新たな終点をビードの形成方向に対してどの方向に設けるか、及び、新たな始点及び新たな終点を積層造形物100の外側及び内側の何れに設けるかの指示情報は、ユーザが予め設定しておくとよい。また、この指示情報は、積層造形物100の形状の種類ごとに設定しておいてもよいし、個々の積層造形物100に対して設定しておいてもよい。
尚、軌道データ修正部45は、軌道データDtに設定されたビードの始点及び終点を新たな始点及び終点にそれぞれ延伸させることにより、結果的に層形状データDsを修正することになる。その意味で、軌道データ修正部45は、スライスデータを修正する修正手段の一例と言える。
切削情報生成部46は、軌道データ修正部45が生成した修正軌道データDt’が示す軌道に沿って形成されるビードの切削する部分及びその部分を切削するタイミングを示す切削情報Dcuを生成する。
ここで、ビードの切削する部分は、軌道データDtにおける始点から修正軌道データDt’における新たな始点までの延伸部分、及び、軌道データDtにおける終点から修正軌道データDt’における新たな終点までの延伸部分とすればよい。但し、これらの延伸部分の一方又は両方を、切削する部分としなくてもよい。例えば、積層造形物100が中空部を有し、中空部は流体が流れれば十分であるような場合、積層造形物100の内側にある延伸部分は、切削する部分としなくてもよい。また、積層造形物100が鋳型であり、鋳型に流し込んだ溶融金属から最終的な製品が作られるような場合、積層造形物100の外側にある延伸部分は、切削する部分としなくてもよい。
また、ビードの部分を切削するタイミングとしては、積層造形物100を造形する際に、全てのビードが形成された後に切削する場合と、ビードを積層するごとに切削する場合とがある。例えば、軌道データDtに設定された始点及び終点を積層造形物100の外側にある新たな始点及び新たな終点にそれぞれ延伸させて修正軌道データDt’とする場合は、工程数を減少させるために、全てのビードが形成された後に延伸部分を切削するとよい。また、軌道データDtに設定された始点及び終点を積層造形物100の内側にある新たな始点及び新たな終点にそれぞれ延伸させて修正軌道データDt’とする場合は、後でまとめて切削することが難しいため、ビードを積層するごとに延伸部分を切削するとよい。
制御プログラム生成部47は、溶接ロボット10及び切削ロボット15を制御するための制御プログラムDpを生成する。ここで、制御プログラムDpは、軌道データ修正部45が生成した修正軌道データDt’が示す軌道に沿って、溶接条件生成部44が生成した溶接条件Dcoで積層造形を行うよう、溶接ロボット10の制御を行う。また、切削情報生成部46が切削情報Dcuを生成した場合には、切削情報Dcuが示すビードの部分を、切削情報Dcuが示すタイミングで切削するよう、切削ロボット15の制御も行う。
制御プログラム出力部48は、制御プログラム生成部47が生成した制御プログラムDpを記録媒体70に出力する。本実施の形態では、造形物の製造を制御するための情報の一例として、制御プログラムDpを用いており、その情報を出力する出力手段の一例として、制御プログラム出力部48を設けている。
[制御装置の機能構成]
図4は、本実施の形態における制御装置50の機能構成例を示した図である。図示するように、本実施の形態における制御装置50は、制御プログラム取得部61と、制御プログラム記憶部62と、制御プログラム実行部63とを備える。
制御プログラム取得部61は、記録媒体70に記録された制御プログラムを取得する。
制御プログラム記憶部62は、制御プログラム取得部61が取得した制御プログラムを記憶する。
制御プログラム実行部63は、制御プログラム記憶部62に記憶された制御プログラムを読み出して実行する。その際、制御プログラム実行部63は、軌道データ修正部45が生成した修正軌道データDt’が示す軌道に沿って、溶接条件生成部44が生成した溶接条件Dcoで溶接を行うよう、溶接ロボット10の制御を行う。また、制御プログラム実行部63は、切削情報生成部46が生成した切削情報Dcuが示すビードの部分を、切削情報Dcuが示すタイミングで切削するよう、切削ロボット15の制御を行うこともある。
[積層計画装置の動作]
図5は、本実施の形態における積層計画装置30の動作例を示したフローチャートである。
積層計画装置30では、まず、CADデータ取得部41が、CAD装置20から三次元CADデータD3dを取得する(ステップ301)。
次に、CADデータ分割部42が、ステップ301で取得された三次元CADデータD3dを複数の層に分割して、層形状データDsを生成する(ステップ302)。
次に、軌道データ生成部43が、ステップ302で生成された層形状データDsにビードの始点及び終点を設定し、軌道データDtを生成する(ステップ303)。
また、溶接条件生成部44が、ステップ302で生成された層形状データDsと、ステップ303で生成された軌道データDtとに基づいて、ビードを形成する際の条件である溶接条件Dcoを生成する(ステップ304)。
次いで、軌道データ修正部45が、ステップ303で生成された軌道データDtを、ビードの始点及び終点を新たな始点及び新たな終点にそれぞれ延伸させるように修正して、修正軌道データDt’を生成する(ステップ305)。
また、溶接条件生成部44が、ステップ304で生成した溶接条件Dcoを、ステップ305で生成された修正軌道データDt’に基づいて変更する(ステップ306)。具体的には、ビードの始点及び終点から新たな始点及び新たな終点までの延伸部分の溶接速度を、ビードの延伸部分以外の部分の溶接速度よりも低速にする。
更に、切削情報生成部46が、ステップ305で生成された修正軌道データDt’が示す軌道に沿って形成されるビードの切削する部分及びその部分を切削するタイミングを示す切削情報Dcuを生成する(ステップ307)。
次いで、制御プログラム生成部47が、ステップ305で生成された修正軌道データDt’と、ステップ306で生成された溶接条件Dcoと、ステップ307で生成された切削情報Dcuとに基づいて、溶接ロボット10及び切削ロボット15を制御するための制御プログラムDpを生成する(ステップ308)。具体的には、修正軌道データDt’が示す軌道に沿って溶接条件Dcoで溶接する溶接ロボット10の制御と、切削情報Dcuが示すビードの部分を切削情報Dcuが示すタイミングで切削する切削ロボット15の制御とを行う制御プログラムDpを生成する。
最後に、制御プログラム出力部48が、ステップ308で生成された制御プログラムDpを記録媒体70に出力する(ステップ309)。
[制御装置の動作]
制御装置50では、まず、制御プログラム取得部61が、記録媒体70から制御プログラムを取得して制御プログラム記憶部62に記憶する。この状態で、溶接ロボット10及び切削ロボット15を用いて実際に積層造形物100の製造を行う際には、制御プログラム実行部63が制御プログラム記憶部62に記憶された制御プログラムを読み出してこれを実行する。
ここで、制御プログラム実行部63の動作例としては、切削情報Dcuが示す切削のタイミングに応じて、2つの異なる動作例が考えられる。1つは、n層分のビードを全て積層した後にn層分の延伸部分をまとめて切削する動作例である。もう1つは、1層分のビードを積層するごとにその層の延伸部分を切削しつつn層分のビードを積層する動作例である。以下では、前者を第1の動作例として、後者を第2の動作例として説明する。
図6は、制御プログラム実行部63の第1の動作例を示したフローチャートである。
制御プログラム実行部63は、まず、積層造形物100を構成する層のインデックスiを1に設定する(ステップ501)。
次に、制御プログラム実行部63は、インデックスiを1からnまで1ずつ増加させながらi層目のビードを形成することにより、1層目のビードからn層目のビードまで形成する処理を行う。即ち、制御プログラム実行部63は、i層目のビードを、i層目の修正軌道データDt’(i)に設定された新たな始点から新たな終点に向けて形成するよう溶接ロボット10を制御する(ステップ502)。また、制御プログラム実行部63は、インデックスiに1を加算し(ステップ503)、インデックスiがnを超えたかどうかを判定する(ステップ504)。制御プログラム実行部63は、インデックスiがnを超えていないと判定すれば、まだ形成すべきビードがあるので、処理をステップ502へ戻す。一方、インデックスiがnを超えたと判定すれば、n層目のビードまで形成したので、処理をステップ505へ進める。
その後、制御プログラム実行部63は、1層目からn層目までのビードにおける始点及び終点から新たな始点及び新たな終点までの延伸部分をまとめて切削するよう切削ロボット15を制御し(ステップ505)、処理を終了する。
図7は、制御プログラム実行部63の第2の動作例を示したフローチャートである。
制御プログラム実行部63は、まず、積層造形物100を構成する層のインデックスiを1に設定する(ステップ551)。
次に、制御プログラム実行部63は、インデックスiを1からnまで1ずつ増加させながらi層目のビードをその延伸部分を切削しながら形成することにより、1層目のビードからn層目のビードまで形成する処理を行う。即ち、制御プログラム実行部63は、i層目のビードを、i層目の修正軌道データDt’(i)に設定された新たな始点から新たな終点に向けて形成するよう溶接ロボット10を制御する(ステップ552)。そして、i層目のビードについて、i層目の修正軌道データDt’(i)における始点及び終点から新たな始点及び新たな終点までの延伸部分を切削するよう切削ロボット15を制御する(ステップ553)。また、制御プログラム実行部63は、インデックスiに1を加算し(ステップ554)、インデックスiがnを超えたかどうかを判定する(ステップ555)。制御プログラム実行部63は、インデックスiがnを超えていないと判定すれば、まだ形成すべきビードがあるので、処理をステップ552へ戻す。一方、インデックスiがnを超えたと判定すれば、n層目のビードまで形成したので、処理を終了する。
[具体例]
金属積層造形システム1を用いた積層造形物100の造形に関し、具体的な例を挙げて説明を行う。尚、ここでは、矩形状の母材90上に、円筒状の積層造形物100を形成する場合を例にとる。
まず、積層造形物100の造形に用いられる各種データについて説明する。
図8は、三次元CADデータD3dの一例を示している。尚、この三次元CADデータD3dは、実際には、バイナリ形式やアスキー形式等によって表現されるが、ここでは、理解を助けるために模式的に表現している。
図8に示す三次元CADデータD3dは、上述したように、CAD装置20により生成され、積層計画装置30のCADデータ取得部41により取得される。
図9(a)は、層形状データDsの一例を示している。また、図9(b)は、図9(a)に示す層形状データDsを構成する、1層目の層形状データDs(1)の一例を示している。尚、この層形状データDs及び1層目の層形状データDs(1)も、実際には、バイナリ形式やアスキー形式等によって表現されるが、ここでは、理解を助けるために模式的に表現している。
図9(a)に示す層形状データDsは、上述したように、積層計画装置30のCADデータ分割部42により生成される。そして、この例では、層形状データDsが、1層目の層形状データDs(1)~n層目の層形状データDs(n)を含むn層構成となっている。
また、図9(b)に示す1層目の層形状データDs(1)は、元となる三次元CADデータD3dが円筒状であることに対応して、円環状となっている。
尚、ここでは詳細な説明を行わないが、2層目の層形状データDs(2)~n層目の層形状データDs(n)のそれぞれも、円環状となっている。そして、この例では、1層目の層形状データDs(1)~n層目の層形状データDs(n)が、同一形状となっている。
図10(a)は、軌道データDtの一例を示している。また、図10(b)は、図10(a)に示す軌道データDtを構成する、1層目の軌道データDt(1)の一例を示している。尚、この軌道データDt及び1層目の軌道データDt(1)も、実際には、バイナリ形式やアスキー形式等によって表現されるが、ここでは、理解を助けるために模式的に表現している。
図10(a)に示す軌道データDtは、上述したように、積層計画装置30の軌道データ生成部43により生成される。そして、この例では、軌道データDtが、1層目の軌道データDt(1)~n層目の軌道データDt(n)を含むn層構成となっている。但し、図10(a)では、作図の都合上、n層目の軌道データDt(n)のみ全体を実線で示し、1層目の軌道データDt(1)~(n-1)層目の軌道データDt(n-1)は一部を破線で示している。尚、図10(a)には、後述するn層目の始点Ps(n)及び終点Pe(n)も示している。
また、図10(b)に示す1層目の軌道データDt(1)は、元となる1層目の層形状データDs(1)が円環状であることに対応して、円周状となっている。
更に、1層目の軌道データDt(1)では、元となる1層目の層形状データDs(1)に対し、周上の互いに近接する箇所に始点Ps(1)及び終点Pe(1)が設定されている。その結果、この1層目の軌道データDt(1)は、始点Ps(1)から終点Pe(1)に至るまで、円周に沿って1パス(所謂一筆書き)で表現できる状態となっている。
尚、ここでは詳細な説明を行わないが、2層目の軌道データDt(2)~n層目の軌道データDt(n)のそれぞれについても、始点Ps(2)及び終点Pe(2)~始点Ps(n)及び終点Pe(n)が設定される。そして、この例では、共通の形状を有する1層目の軌道データDt(1)~n層目の軌道データDt(n)において、始点Ps(1)及び終点Pe(1)~始点Ps(n)及び終点Pe(n)のそれぞれは、鉛直上方から見たときに重なるように配置されている。
図11(a)は、修正軌道データDt’の一例を示している。また、図11(b)は、図11(a)に示す修正軌道データDt’を構成する、1層目の修正軌道データDt’(1)の一例を示している。尚、この修正軌道データDt’及び1層目の修正軌道データDt’(1)も、実際には、バイナリ形式やアスキー形式等によって表現されるが、ここでは、理解を助けるために模式的に表現している。
図11(a)に示す修正軌道データDt’は、上述したように、積層計画装置30の軌道データ修正部45により生成される。そして、この例では、修正軌道データDt’が、1層目の修正軌道データDt’(1)~n層目の修正軌道データDt’(n)を含むn層構成となっている。但し、図11(a)では、作図の都合上、n層目の修正軌道データDt’(n)のみ全体を実線で示し、1層目の修正軌道データDt’(1)~(n-1)層目の修正軌道データDt’(n-1)は一部を破線で示している。尚、図11(a)には、後述するn層目の始点Ps(n)及び終点Pe(n)並びに新たな始点Ps’(n)及び新たな終点Pe’(n)も示している。
また、図11(b)に示す1層目の修正軌道データDt’(1)は、元となる1層目の軌道データDt(1)が円周状であることに対応して、基本的には円周状となっているものの、軌道の一端が周の外側に突出し、軌道の他端が周の内側に突出した形状となっている。具体的には、図11(b)に示す1層目の修正軌道データDt’(1)は、元となる1層目の軌道データDt(1)を、始点Ps(1)を周の外側の新たな始点Ps’(1)まで延伸させ、終点Pe(1)を周の内側の新たな終点Pe’(1)まで延伸させるように修正することにより、生成される。
尚、ここでは詳細な説明を行わないが、2層目の修正軌道データDt’(2)~n層目の修正軌道データDt’(n)のそれぞれについても、新たな始点Ps’(2)及び新たな終点Pe’(2)~新たな始点Ps’(n)及び新たな終点Pe’(n)が設定される。そして、この例では、共通の形状を有する1層目の修正軌道データDt’(1)~n層目の修正軌道データDt’(n)において、新たな始点Ps’(1)及び新たな終点Pe’(1)~新たな始点Ps’(n)及び新たな終点Pe’(n)のそれぞれも、鉛直上方から見たときに重なるように配置されている。
ところで、新たな始点Ps’及び新たな終点Pe’については、上述したように、一方を周の外側に設定し、他方を周の内側に設定する態様、両方を周の外側に設定する態様、両方を周の内側に設定する態様、の3つの態様がある。図11(a),(b)は、この3つの態様のうちの1つ目の態様を採用した場合における修正軌道データDt’を示したが、この3つの態様のうちの2つ目又は3つ目の態様を採用してもよい。
次に、図8~図11に示す各種データを用いた、積層造形物100の製造プロセスについて説明する。
図12(a)~(d)は、積層造形物100の製造プロセスの第1の例を示した図である。この積層造形物100は、新たな始点Ps’及び新たな終点Pe’について、上記3つの態様のうち、両方を周の外側に設定する態様を採用したものである。また、この態様の採用により、製造プロセスの動作を、制御プログラム実行部63の第1の動作例として示した、n層分のビードを全て積層した後にn層分の延伸部分をまとめて切削する動作例としたものである。尚、ここでは、積層造形物100を構成するビード101の総層数が、5(n=5)である場合を例として説明を行う。
図12(a)は、1層目の修正軌道データDt’(1)に基づき、母材90上に、1層目のビード101(1)を形成した後の状態を示す斜視図である。
ここで、1層目のビード101(1)の元となる1層目の修正軌道データDt’(1)には、1層目の始点Ps(1)、1層目の終点Pe(1)、1層目の新たな始点Ps’(1)、及び1層目の新たな終点Pe’(1)が設定されている。これらの始点Ps(1)、終点Pe(1)、新たな始点Ps’(1)、及び新たな終点Pe’(1)は、図12(a)の斜視図で、ビード101(1)上に実際に見えるわけではないが、仮想的に示している。
そして、溶接ロボット10は、母材90上で、1層目の修正軌道データDt’(1)が示す軌道に沿って、溶接トーチ13に保持された溶加材14を、1層目の新たな始点Ps’(1)から、1層目の始点Ps(1)及び1層目の終点Pe(1)を経由して、1層目の新たな終点Pe’(1)まで移動させる。これにより、図12(a)に示すように、母材90上に1層目のビード101(1)が形成される。その際、1層目のビード101(1)には、1層目の始点Ps(1)から1層目の新たな始点Ps’(1)までの延伸部分と、1層目の終点Pe(1)から1層目の新たな終点Pe’(1)までの延伸部分とからなる突起部102(1)が形成される。
図12(b)は、2層目の修正軌道データDt’(2)に基づき、1層目のビード101(1)上に、2層目のビード101(2)を形成した後の状態を示す斜視図である。
ここで、2層目のビード101(2)の元となる2層目の修正軌道データDt’(2)にも、2層目の始点Ps(2)、2層目の終点Pe(2)、2層目の新たな始点Ps’(2)、及び2層目の新たな終点Pe’(2)が設定されている。これらの始点Ps(2)、終点Pe(2)、新たな始点Ps’(2)、及び新たな終点Pe’(2)は、図12(b)の斜視図で、ビード101(2)上に実際に見えるわけではないが、仮想的に示している。尚、この例では、1層目の修正軌道データDt’(1)と2層目の修正軌道データDt’(2)とが、同一形状となっていることから、2層目の始点Ps(2)は1層目の始点Ps(1)と、2層目の終点Pe(2)は1層目の終点Pe(1)と、2層目の新たな始点Ps’(2)は1層目の新たな始点Ps’(1)と、2層目の新たな終点Pe’(2)は1層目の新たな終点Pe’(1)と、それぞれ重なっている。
そして、溶接ロボット10は、1層目のビード101(1)上で、2層目の修正軌道データDt’(2)が示す軌道に沿って、溶接トーチ13に保持された溶加材14を、2層目の新たな始点Ps’(2)から、2層目の始点Ps(2)及び2層目の終点Pe(2)を経由して、2層目の新たな終点Pe’(2)まで移動させる。これにより、図12(b)に示すように、1層目のビード101(1)上に2層目のビード101(2)が形成される。その際、2層目のビード101(2)には、2層目の始点Ps(2)から2層目の新たな始点Ps’(2)までの延伸部分と、2層目の終点Pe(2)から2層目の新たな終点Pe’(2)までの延伸部分とからなる突起部102(2)が形成される。
以降、同様の手順で、3層目のビード101(3)、4層目のビード101(4)及び5層目のビード101(5)の積層が行われる。
図12(c)は、5層目の修正軌道データDt’(5)に基づき、4層目のビード101(4)上に、最終層となる5層目のビード101(5)を形成した後の状態を示す斜視図である。
本実施の形態の場合、5層目のビード101(5)を形成した後の造形物の形状は、元となる円筒状の造形物の外周面側に、鉛直方向に沿って延びる突起部102(1層目の突起部102(1)~5層目の突起部102(5))が形成されたものとなっている。
図12(d)は、図12(c)に示す造形物に機械加工を施して得られた積層造形物100を示している。
切削ロボット15は、図12(c)に示す1層目のビード101(1)から5層目のビード101(5)に対して、金属加工工具18を用いて、1層目の突起部102(1)から5層目の突起部102(5)を切削する機械加工を行う。これにより、元となる造形物の形状(三次元CADデータD3d)に近い形状を有する積層造形物100が得られる。
図13(a)~(f)は、積層造形物100の製造プロセスの第2の例を示した図である。この積層造形物100は、新たな始点Ps’及び新たな終点Pe’について、上記3つの態様のうち、両方を周の内側に設定する態様を採用したものである。また、この態様の採用により、製造プロセスの動作を、制御プログラム実行部63の第2の動作例として示した、1層分のビードを積層するごとにその層の延伸部分を切削しつつn層分のビードを積層する動作例としたものである。尚、ここでも、積層造形物100を構成するビード101の総層数が、5(n=5)である場合を例として説明を行う。
図13(a)は、1層目の修正軌道データDt’(1)に基づき、母材90上に、1層目のビード101(1)を形成した後の状態を示す斜視図である。
ここで、1層目のビード101(1)の元となる1層目の修正軌道データDt’(1)には、1層目の始点Ps(1)、1層目の終点Pe(1)、1層目の新たな始点Ps’(1)、及び1層目の新たな終点Pe’(1)が設定されている。これらの始点Ps(1)、終点Pe(1)、新たな始点Ps’(1)、及び新たな終点Pe’(1)は、図13(a)の斜視図で、ビード101(1)上に実際に見えるわけではないが、仮想的に示している。
そして、溶接ロボット10は、母材90上で、1層目の修正軌道データDt’(1)が示す軌道に沿って、溶接トーチ13に保持された溶加材14を、1層目の新たな始点Ps’(1)から、1層目の始点Ps(1)及び1層目の終点Pe(1)を経由して、1層目の新たな終点Pe’(1)まで移動させる。これにより、図13(a)に示すように、母材90上に1層目のビード101(1)が形成される。その際、1層目のビード101(1)には、1層目の始点Ps(1)から1層目の新たな始点Ps’(1)までの延伸部分と、1層目の終点Pe(1)から1層目の新たな終点Pe’(1)までの延伸部分とからなる突起部102(1)が形成される。
図13(b)は、図13(a)に示す1層目のビード101(1)の突起部102(1)を切削した後の状態を示した斜視図である。
切削ロボット15は、図13(a)に示す1層目のビード101(1)に対して、金属加工工具18を用いて、1層目の突起部102(1)を切削する機械加工を行う。これにより、図13(b)に示すように、1層目のビード101(1)の突起部102(1)が除去される。
図13(c)は、2層目の修正軌道データDt’(2)に基づき、1層目のビード101(1)上に、2層目のビード101(2)を形成した後の状態を示す斜視図である。
ここで、2層目のビード101(2)の元となる2層目の修正軌道データDt’(2)にも、2層目の始点Ps(2)、2層目の終点Pe(2)、2層目の新たな始点Ps’(2)、及び2層目の新たな終点Pe’(2)が設定されている。これらの始点Ps(2)、終点Pe(2)、新たな始点Ps’(2)、及び新たな終点Pe’(2)は、図13(c)の斜視図で、ビード101(2)上に実際に見えるわけではないが、仮想的に示している。尚、この例では、1層目の修正軌道データDt’(1)と2層目の修正軌道データDt’(2)とが、同一形状となっていることから、データ上では、2層目の始点Ps(2)は1層目の始点Ps(1)と、2層目の終点Pe(2)は1層目の終点Pe(1)と、2層目の新たな始点Ps’(2)は1層目の新たな始点Ps’(1)と、2層目の新たな終点Pe’(2)は1層目の新たな終点Pe’(1)と、それぞれ重なっている。但し、実際には、突起部102(1)が除去されているため、2層目の新たな始点Ps’(2)及び2層目の新たな終点Pe’(2)の下に、1層目の新たな始点Ps’(1)及び1層目の新たな終点Pe’(1)は存在しない。また、このように突起部102(1)が除去されたことにより、突起部102(2)は垂れ落ちてしまうかもしれないが、これはその後の切削に大きな影響を及ぼすものではない。
そして、溶接ロボット10は、1層目のビード101(1)上で、2層目の修正軌道データDt’(2)が示す軌道に沿って、溶接トーチ13に保持された溶加材14を、2層目の新たな始点Ps’(2)から、2層目の始点Ps(2)及び2層目の終点Pe(2)を経由して、2層目の新たな終点Pe’(2)まで移動させる。これにより、図13(c)に示すように、1層目のビード101(1)上に2層目のビード101(2)が形成される。その際、2層目のビード101(2)には、2層目の始点Ps(2)から2層目の新たな始点Ps’(2)までの延伸部分と、2層目の終点Pe(2)から2層目の新たな終点Pe’(2)までの延伸部分とからなる突起部102(2)が形成される。
図13(d)は、図13(c)に示す2層目のビード101(2)の突起部102(2)を切削した後の状態を示した斜視図である。
切削ロボット15は、図13(c)に示す2層目のビード101(2)に対して、金属加工工具18を用いて、2層目の突起部102(2)を切削する機械加工を行う。これにより、図13(d)に示すように、2層目のビード101(2)の突起部102(2)が除去される。
以降、同様の手順で、3層目のビード101(3)の積層及び3層目の突起部102(3)の切削、4層目のビード101(4)の積層及び4層目の突起部102(4)の切削、並びに5層目のビード101(5)の積層が行われる。
図13(e)は、5層目の修正軌道データDt’(5)に基づき、4層目のビード101(4)上に、最終層となる5層目のビード101(5)を形成した後の状態を示す斜視図である。
図13(f)は、図13(e)に示す5層目のビード101(5)の突起部102(5)を切削した後の状態を示した斜視図である。
切削ロボット15は、図13(e)に示す5層目のビード101(5)に対して、金属加工工具18を用いて、5層目の突起部102(5)を切削する機械加工を行う。これにより、図13(f)に示すように、5層目のビード101(5)の突起部102(5)が除去される。そして、元となる造形物の形状(三次元CADデータD3d)に近い形状を有する積層造形物100が得られる。
ところで、新たな始点Ps’及び新たな終点Pe’について、図12(a)~(d)では、両方を周の外側に設定する態様を採用し、図13(a)~(f)では、両方を周の内側に設定する態様を採用した。しかしながら、一方を周の外側に設定し、他方を周の内側に設定する態様を採用した場合について、同様の説明を行うことも可能である。
この場合、製造プロセスの動作としては、3つの動作が考えられる。1つ目は、n層分のビードを全て積層した後にn層分の外側及び内側の延伸部分をまとめて切削する動作である。2つ目は、1層分のビードを積層するごとにその層の外側及び内側の延伸部分を切削しつつn層分のビードを積層する動作である。3つ目は、1層分のビードを積層するごとにその層の内側の延伸部分を切削しつつn層分のビードを積層してその後にn層分の外側の延伸部分をまとめて切削する動作である。これら3つの動作の何れを行うかは、溶接ロボット10及び切削ロボット15の機構的な特徴を加味して決定するとよい。
[変形例]
本実施の形態では、積層計画装置30が、軌道データDtを生成し、これを修正することにより修正軌道データDt’を生成するようにしたが、これには限らない。積層計画装置30が、軌道データDtを生成し、制御装置50が、これを修正することにより修正軌道データDt’を生成するようにしてもよい。
また、本実施の形態では、n層分のビードを全て積層した後にn層分の延伸部分をまとめて切削する場合、溶接ロボット10とは別に設けられた切削ロボット15がn層分の延伸部分を切削するようにしたが、これには限らない。溶接ロボット10の溶接トーチ13を金属加工工具18に交換して切削ロボットとして駆動することにより、n層分の延伸部分を切削するようにしてもよい。
更に、本実施の形態では、n層分のビードを全て積層した後にn層分の延伸部分をまとめて切削する場合、金属積層造形システム1に含まれる切削ロボット15がn層分の延伸部分を切削するようにしたが、これには限らない。金属積層造形システム1がn層分のビードを積層する工程とは別の工程で、金属積層造形システム1に含まれない手段により、n層分の延伸部分を切削するようにしてもよい。
[本実施の形態の効果]
以上述べたように、本実施の形態では、例えば、三次元CADデータD3dから軌道計画を作成する際に、アークがオン又はオフとなる箇所を調整するようにした。これにより、最終的な積層造形物100の特定の箇所に欠陥の発生が集中する事態を予防することができることとなった。