JP7229707B2 - インクジェット記録方法 - Google Patents
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Description
本発明のインクジェット記録方法は、透明基材及び透明基材の一方の面にインク受容層を有する記録媒体の、前記インク受容層を有する面に、第1インク及び第2インクの少なくとも一部が重なるように付与して画像を記録する記録工程を有する。
第1インクは、銀粒子を含有する水性インクである。以下、第1インクを構成する成分について説明する。
銀粒子は、銀原子で構成されている。銀粒子は、銀原子以外にも、他の金属原子、酸素原子、硫黄原子、炭素原子などを含んで構成されていてもよいが、銀粒子中の銀原子の割合(%)は、50.0質量%以上であることが好ましい。
銀粒子の丸さの度合いは、走査型電子顕微鏡(SEM)又は透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて観察された投影図をもとに測定された長径及び短径を用いて判断する。具体的には、(長径+短径)/(2×短径)から算出される値によって、便宜上銀粒子の丸さの度合いを特定する。銀粒子は、下記式(1)を満たすことが好ましい。
1.0≦(長径+短径)/(2×短径)≦1.3 式(1)
式(1)を満たすと、銀粒子は球状に近い。球状ではなく、凸凹や尖っている部分を有する金属粒子を用いる場合、凸凹や尖っている部分に入射した光が散乱するため、一定の方向に反射する光の量が少なくなる。そのため、画像の光沢性が十分に得られない場合がある。特に、特許文献1に記載されているような、平板状のアルミニウム粒子を用いる場合、粒子の融着が生じず、形成されたメタリック層に隙間が多い。さらに、平板状アルミニウム粒子は、アルミニウム蒸着層を微細化して製造するため、尖っている部分を有しやすい。これにより、尖っている部分に入射した光が散乱するため、一定の方向に反射する光の量が少なくなる。これにより、画像の光沢性が十分に得られない場合がある。なかでも、銀粒子は、真球に近しいことが好ましい。
銀粒子の体積基準の累積50%粒径とは、粒径積算曲線において、測定された銀粒子の総体積を基準として小粒径側から積算して50%となる粒径である。銀粒子の体積基準の累積50%粒径(nm)は、10nm以上150nm以下であることが好ましい。D50は、動的光散乱法によって測定できる。
銀粒子の体積基準の累積90%粒径とは、粒径積算曲線において、測定された銀粒子の総体積を基準として小粒径側から積算して90%となる粒径である。銀粒子の体積基準の累積90%粒径(nm)は、200nm以下であることが好ましい。銀粒子は、粒径が大きいほど沈降しやすい。銀粒子の沈降を抑制するために、銀粒子の粒径を示す指標として、大きな粒径を有する銀粒子が含まれるような指標を用いる必要がある。このため、小粒径側から積算して90%となる粒子直径である累積90%粒径に着目した。なお、累積分布において大きい側の10%の粒径を有する銀粒子は、粒径が大きいものの頻度が少ないので、無視できる。体積基準の累積90%粒径を200nm以下と小さくすることで、銀粒子は沈降しにくくなり、インクの保存安定性が向上する。さらに、粒径の大きな銀粒子と比べて、粒径の小さい銀粒子は、融着しやすい。体積基準の累積90%粒径を200nm以下と小さくすることで、均一な銀層を形成しやすく、画像の光沢性が向上する。D90は、10nm以上であることが好ましい。D90は、動的光散乱法によって測定できる。
銀粒子の分散方法としては、分散剤として界面活性剤を用いる界面活性剤分散タイプ、分散剤として樹脂を用いる樹脂分散タイプなどが挙げられる。勿論、第1インクにおいては、分散方法が異なる銀粒子を併用することも可能である。
第1インクは、銀粒子の分散剤として用い得る界面活性剤とは別に、さらに界面活性剤を含有することが好ましい。界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤などを用いることができる。なかでも、界面活性剤は、ノニオン性界面活性剤であることが好ましい。ノニオン性界面活性剤としては、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。なかでも、ノニオン性界面活性剤は、グリフィン法によるHLB値が10以上であることが好ましい。HLB値が10より小さいと、疎水性が高いため、第1インク中で溶けにくくなる。ここで、グリフィン法によるHLB値は、界面活性剤のエチレンオキサイド基の式量と界面活性剤の分子量から、HLB値=20×(界面活性剤のエチレンオキサイド基の式量)/(界面活性剤の分子量)の式より算出される。HLB値は、界面活性剤(化合物)の親水性や親油性の程度を、0から20の範囲で示すものである。HLB値が低いほど化合物の親油性(疎水性)が高いことを示す。一方、HLB値が高いほど化合物の親水性が高いことを示す。
第1インクは、水、又は水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を含有する。水としては脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。水溶性有機溶剤としては特に限定されるものではなく、アルコール類、グリコール類、グリコールエーテル類、及び含窒素化合物類などのインクジェット用のインクに使用可能なものをいずれも用いることができる。また、これらの水溶性有機溶剤の1種又は2種以上をインクに含有させることができる。
第1インクには、上記成分の他に、尿素やその誘導体、トリメチロールプロパン、及びトリメチロールエタンなどの温度25℃で固体の水溶性有機化合物を含有させてもよい。また、本発明のインクには、必要に応じて、pH調整剤、消泡剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、及びキレート剤などの種々の添加剤を含有させてもよい。
第1インクの温度25℃における粘度(mPa・s)は、1mPa・s以上5mPa・s以下であることが好ましく、1mPa・s以上3mPa・s以下であることがさらに好ましい。また、インクの温度25℃における表面張力(mN/m)は、10mN/m以上60mN/m以下であることが好ましく、20mN/m以上60mN/m以下であることがより好ましく、30mN/m以上40mN/m以下であることがさらに好ましい。インクの表面張力は、インク中の界面活性剤の種類や含有量を適宜決定することで、調整できる。
第2インクは、染料を含有する水性のインクである。以下、第2インクを構成する成分について説明する。
染料は、一般のインクジェット用のインクの色材として用いることのできるアニオン性染料であれば、特に限定されるものではない。なかでも染料は、アゾ骨格、フタロシアニン骨格、アントラピリドン骨格、及びキサンテン骨格からなる群より選択される少なくとも1種を有する化合物であることが好ましい。
第2インクは、水、又は水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を含有する。水としては脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。水溶性有機溶剤としては特に限定されるものではなく、アルコール類、グリコール類、グリコールエーテル類、及び含窒素化合物類などのインクジェット用のインクに使用可能なものをいずれも用いることができる。また、これらの水溶性有機溶剤の1種又は2種以上をインクに含有させることができる。
第2インクには、上記成分の他に、尿素やその誘導体、トリメチロールプロパン、及びトリメチロールエタンなどの常温(温度25℃)で固体の水溶性有機化合物を含有させてもよい。また、本発明のインクには、必要に応じて、界面活性剤、樹脂、pH調整剤、消泡剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、及びキレート剤などの種々の添加剤を含有させてもよい。
第2インクの温度25℃における粘度(mPa・s)は、1mPa・s以上5mPa・s以下であることが好ましく、1mPa・s以上3mPa・s以下であることがさらに好ましい。また、第2インクの温度25℃における表面張力(mN/m)は、10mN/m以上60mN/m以下であることが好ましく、20mN/m以上60mN/m以下であることがより好ましく、30mN/m以上40mN/m以下であることがさらに好ましい。第2インクの表面張力は、第2インク中の界面活性剤の種類や含有量を適宜決定することで、調整できる。
記録媒体は、透明基材、及び透明基材の一方の面にインク受容層を有するものである。以下、記録媒体を構成する透明基材、及びインク受容層について説明する。
透明基材とは、基材に可視光線が入射する際に、可視光線の少なくとも一部の光が透過することを示す。透過することとは、基材を透過した光が基材から反射した光よりも多いことを示す。例えば、ガラスは、可視光線のほぼ全域の光を透過するため、無色透明となり、カラーガラスは、可視光線の一部の光しか透過しないため、透明ではあるものの有色となる。なかでも透明基材としては、無色透明の基材であることが好ましい。
透明基材のインク受容層を有する面とは反対の面から画像を観察する場合において、インク受容層は、記録した画像を観察できる透明性を有することが好ましい。インク受容層は、単層でもよいし、2層以上の複層でもよい。インク受容層の塗工量(g/m2)は、5.0g/m2以上30.0g/m2以下であることが好ましい。インク受容層の厚さ(μm)は、5.0μm以上であることが好ましく、5.2μm以上であることがより好ましく、5.5μm以上であることがさらに好ましい。前記厚さが5.5μm未満であると、インク受容層が薄いため、インクの吸収性が低下し、記録される画像の滲みを十分に抑制できない場合がある。インク受容層の厚さ(μm)は、30.0μm以下であることが好ましい。
インク受容層は、無機粒子を含有することが好ましい。無機粒子の一次平均粒子径は、150nm以下が好ましく、1nm以上100nm以下がより好ましく、3nm以上30nm以下がさらに好ましい。無機粒子の一次平均粒子径は、電子顕微鏡によって観察した際の無機粒子の一次粒子の投影面積と等しい面積を有する円の直径の数平均粒子径である。このとき100点以上で測定を行う。
インク受容層は、バインダーを含有することが好ましい。バインダーとは、無機粒子を結着し、膜を形成することができる材料を意味する。
インク受容層は、さらに架橋剤を含有することが好ましい。架橋剤としては、ジルコニウム系化合物、アミド系化合物、アルミニウム系化合物、ホウ酸、及びホウ酸塩などが挙げられる。これらの架橋剤は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。特にバインダーとしてポリビニルアルコールやポリビニルアルコール誘導体を用いる場合は、上記した架橋剤の中でも、ホウ酸やホウ酸塩を用いることが好ましい。
インク受容層は、これまで述べてきたもの以外のその他の添加剤を含有してもよい。具体的には、pH調整剤、増粘剤、離型剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、耐水化剤、硬化剤などが挙げられる。
記録媒体を製造する方法は、インク受容層用塗工液を調製する工程、及びインク受容層用塗工液を透明基材に塗工する工程を有する記録媒体の製造方法が好ましい。以下、記録媒体の製造方法について説明する。
(無機粒子分散液1)
純水160.0g中に、粉末状のアルミナ水和物(DISPERAL HP14、サソール製)40.0g、メタンスルホン酸0.6gを添加した。その後、ミキサーで30分間撹拌し、無機粒子であるアルミナ水和物を20.0%含有する無機粒子分散液1を調製した。
無機粒子の種類を粉末状のアルミナ水和物(DISPERAL HP22、サソール製)に変更したこと以外は、無機粒子分散液1の調製方法と同様に、無機粒子分散液2を調製した。
無機粒子の種類を粉末状のアルミナ水和物(DISPERAL HP30、サソール製)に変更したこと以外は、無機粒子分散液1の調製方法と同様に、無機粒子分散液3を調製した。
純水160.0g中に、粉末状の気相法シリカ(AEROSIL 50、EVONIK製)40.0g、シャロールDC-902(第一工業製薬製)2.0gを添加した。その後、ミキサーで30分間撹拌し、無機粒子であるシリカを20.0%含有する無機粒子分散液4を調製した。
バインダーであるポリビニルアルコール(PVA235クラレ製、重合度:3500、ケン化度:88%)をイオン交換水に溶解させて、固形分8.0%のポリビニルアルコール水溶液を得た。そして、表1に記載した無機粒子分散液に得られたポリビニルアルコール水溶液を、無機粒子分散液の固形分に対して、ポリビニルアルコール水溶液の固形分換算((バインダー)/(無機粒子))が表1に記載の値となるよう混合した。次に、3.0%ホウ酸水溶液を、無機粒子の固形分を基準として、ホウ酸固形分換算で1.0%となるように混合して、塗工液を得た。
表2に記載の通り、作製した塗工液を、厚さ100μmの透明基材に、乾燥塗工量(g/m2)が表2に記載の値となるように塗工し、温度90℃の熱風で乾燥し、記録媒体を得た。表2には、ヘイズ、インク受容層の細孔径の平均値、インク受容層のインク吸収量、及びインク受容層の厚さも記載する。測定方法は、後述する。表2中、PETは、ポリエチレンテレフタラートであり、PEは、ポリエチレンであり、塩ビは、ポリ塩化ビニルである。
記録媒体のヘイズ(%)は、JIS K 7105、及びJIS K 7136に準じて、ヘーズメーター(NDH4000、日本電色工業製)を用いて測定した。
インク受容層の細孔径は、ガス透過法による細孔径分布測定装置(POROMETER 3Gz、Quantachrome INSTRUMENTS製)を使用して、測定した。ランダムに100個の細孔径を選び、100個の細孔径の平均値を、インク受容層の細孔径の平均値とした。
記録媒体に対するインク(溶媒)の吸収特性を評価する方法として、JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法No.51の『紙及び板紙の液体吸収性試験方法』に記載されたブリストー法がある。このブリストー法を用いて、インク吸収量を測定した。
国際公開第2008/049519号公報の実施例2の調製方法の記載に準じて、銀粒子分散液1~3(銀粒子の含有量が20.0%、樹脂の含有量が2.0%)を得た。調製の際に撹拌速度を変更することで、D50の値を変更した。さらに、特開2004-285106号公報の実施例2-2の調製方法の記載に準じて、銀粒子分散液4(銀粒子の含有量が20.0%、界面活性剤の含有量が2.0%)を得た。銀粒子のD50は、動的光散乱法により求め、表3に記載した。
特開2010-18651号公報の実施例のメタリック顔料分散液の調製方法の記載に準じて、アルミニウム粒子の分散液1及び2(アルミニウム粒子の含有量20.0%)を得た。分散条件を変更することで、D50の値を変更した。アルミニウム粒子のD50は、動的光散乱法により求め、表3に記載した。
銀粒子、アルミニウム粒子のD50は、動的光散乱法による粒度分布計(ナノトラックUPA-EX150、日機装製)を使用して、測定した。測定条件は、SetZero:30秒、測定回数:3回、測定時間:180秒、形状:真球形、屈折率:1.6である。
表4に記載の各成分を混合して、十分撹拌した後、ポアサイズ1.2μmのフィルターにて加圧ろ過を行い、第1インクを得た。アセチレノールE100は、川研ファインケミカル製のノニオン性界面活性剤である。アセチレノールE100は、グリフィン法により求められるHLB値が13である。化合物1は、後述に記載のとおり、C.I.アシッドブルー9である。
(染料の準備)
下記の化合物を準備した。化合物3の構造式は、遊離酸型で示すが、カリウム塩として使用した。
化合物1:C.I.アシッドブルー9
化合物2:C.I.アシッドレッド249
化合物3:特開2016-108545号公報の合成方法の記載に準じて合成した、下記式(2)で表される化合物
酸価が150mgKOH/gで、重量平均分子量が8,000のスチレン-アクリル酸エチル-アクリル酸共重合体(樹脂分散剤)を準備した。この共重合体20.0部を、その酸価と等モルの水酸化カリウムで中和し、適量の純水を加え、樹脂(固形分)の含有量が20.0%である樹脂分散剤の水溶液を調製した。顔料(モナク1100、キャボット製)20.0部、樹脂分散剤の水溶液10.0部、及び純水75.0部を混合した。この混合物と、0.3mm径のジルコニアビーズ200部を、バッチ式縦型サンドミル(アイメックス製)に入れて、水冷しながら5時間分散させた。その後、遠心分離して粗大粒子を除去し、ポアサイズ3.0μmのセルロースアセテートフィルター(アドバンテック製)にて加圧ろ過して、顔料の含有量が20.0%、樹脂分散剤の含有量が2.0%の顔料分散液を調製した。
表5に記載の各成分を混合して、十分撹拌した後、ポアサイズ1.2μmのフィルターにて加圧ろ過を行い、第2インクを得た。アセチレノールE100は、川研ファインケミカル製のノニオン性界面活性剤である。
粉末状の気相法シリカ(CAB-O-SPERSE PG002、キャボット製)15部、ウレタン樹脂(ユーコート UWS-145、三洋化成工業製)5部、イオン交換水80部を含有する処理剤を調製した。
表6に記載の第1インク及び第2インクを、それぞれインクカートリッジに充填し、熱エネルギーによりインクを吐出する記録ヘッドを搭載したインクジェット記録装置(PIXUS MG3630、キヤノン製)にセットした。本実施例において、第1インク及び第2インクは、1/1200インチ×1/1200インチの単位領域に、約11.2pLのインク滴を1滴付与する条件で記録した画像を記録デューティが100%であると定義する。実施例1~7、9~14、15、16、及び比較例1~5、7は、前記インクジェット記録装置を用いて、表6に記載の記録媒体に、記録デューティ100%で第2インクを付与した。その後、前記第2インクを付与した領域と少なくとも一部が重なるように、記録デューティ100%で第1インクを付与した。比較例6は、前記インクジェット記録装置を用いて、表6に記載の記録媒体に、記録デューティ100%で第1インクを付与した。その後、前記第1インクを付与した領域と少なくとも一部が重なるように、記録デューティ100%で第2インクを付与した。参考例1は、記録媒体に処理剤をローラで塗布した後、記録デューティ100%で第2インクを付与した。記録媒体への処理剤の単位面積あたりの付与量(g/m2)は、1g/m2であった。その後、前記第2インクを付与した領域と少なくとも一部が重なるように、記録デューティ100%で第1インクを付与した。比較例1で使用した光沢紙は、キヤノン写真用紙(光沢プロ プラチナグレード、キヤノン製)であった。本発明においては、下記の評価の評価基準で、A又はBを許容できるレベルとし、Cを許容できないレベルとした。評価結果は、表6に記載する。
得られた画像について、変角分光光度計(GSP-2、村上色彩製)を用いて、鮮明度=L/w(Lは、分光光度計の受光部で測定される明度のうち、最も高い明度の値で、wはLの半値(L/2)を示す2点の受光角の幅)を測定した。鮮明度の値が0.2以上となると、画像を目視で観察する場合に、観察する角度によって明度が変化するため、光沢性を有していると認識できる。
A:鮮明度が4.0以上だった
B:鮮明度が3.0以上4.0未満だった
C:鮮明度が3.0未満だった。
積分球型測色計CM-2600d(コニカミノルタ製)のSCIモードを用いて、以下のように測定し、発色性の評価を行った。銀粒子を含有する第1インクのみを用いて記録デューティ100%で記録した画像のa0 *及びb0 *、銀粒子を含有するインク及び染料を含有するインクを用いて各インクを記録デューティ100%で記録した画像のa1 *及びb1 *を測定した。これらの値を用いて、色差ΔEab={(a1 *-a* 0)2+(b1 *-b* 0)2}1/2の式からΔEabを算出した。a*及びb*は、CIE(国際照明委員会)により規定されたL*a*b*表示系の値である。ΔEabが2.0以上であると、銀色ではなく使用した染料の色調が認識できる画像となる。ΔEabの値が大きいと、使用した染料の色調が良く認識される画像となる。
A:ΔEabが6.0以上だった
B:ΔEabが2.0以上6.0未満だった
C:ΔEabが2.0未満だった。
得られた画像において、第1インク及び第2インクの両方が付与された領域を目視で観察することで、評価した。
A:画像に滲みがなかった
B:画像に滲みがあった。
Claims (18)
- 透明基材及び前記透明基材の一方の面にインク受容層を有する記録媒体の、前記インク受容層を有する面に、第1インク及び第2インクを少なくとも一部が重なるように付与してカラーメタリック画像を記録する記録工程を有するインクジェット記録方法であって、
前記第1インクが、銀粒子を含有する水性インクであり、
前記第2インクが、染料を含有する水性インクであり、
前記銀粒子の体積基準の累積50%粒径(nm)が、前記インク受容層の細孔径の平均値(nm)よりも大きいことを特徴とするインクジェット記録方法。 - 前記インク受容層のインク吸収量(mL/m2)が、0.4mL/m2以上である請求項1に記載のインクジェット記録方法。
- 前記インク受容層のインク吸収量(mL/m 2 )が、2.0mL/m 2 以下である請求項2に記載のインクジェット記録方法。
- 前記インク受容層の細孔径の平均値(nm)が、40nm以下である請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
- 前記インク受容層の細孔径の平均値(nm)が、10nm以上30nm以下である請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
- 前記インク受容層の厚さ(μm)が、5.5μm以上である請求項1乃至5のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
- 前記インク受容層の厚さ(μm)が、30.0μm以下である請求項6に記載のインクジェット記録方法。
- 前記インク受容層中のバインダーの含有量(質量%)が、前記インク受容層中の無機粒子の含有量(質量%)に対する質量比率(倍)で、0.50倍以下である請求項1乃至7のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
- 前記インク受容層中のバインダーの含有量(質量%)が、前記インク受容層中の無機粒子の含有量(質量%)に対する質量比率(倍)で、0.05倍以上である請求項8に記載のインクジェット記録方法。
- 前記透明基材が、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、又はポリ塩化ビニル樹脂である請求項1乃至9のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
- 前記透明基材の厚さが、1μm以上5,000μm以下である請求項1乃至10のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
- 前記第1インク中の前記銀粒子の含有量(質量%)が、第1インク全質量を基準として、2.0質量%以上15.0質量%以下である請求項1乃至11のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
- 前記第1インク中の前記銀粒子の体積基準の累積50%粒径(nm)が、10nm以上150nm以下である請求項1乃至12のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
- 前記第1インク中の前記銀粒子の体積基準の累積90%粒径(nm)が、10nm以上200nm以下である請求項1乃至13のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
- 前記第2インク中の前記染料の含有量(質量%)が、第2インク全質量を基準として、1.0質量%以上10.0質量%以下である請求項1乃至14のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
- 前記記録媒体に、前記第2インクを付与した後に、前記第2インクを付与した領域と少なくとも一部が重なるように前記第1インクを付与する請求項1乃至15のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
- 前記画像が、前記記録媒体の前記インク受容層を有する面とは反対の面から観察されるものである請求項1乃至16のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
- 前記画像が記録された前記記録媒体において、前記第2インクに含有されていた前記染料が、前記記録媒体の前記インク受容層中に存在する請求項1乃至17のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
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