JP2021154719A - インクジェット記録材料の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】顔料インクで印字した際の発色性が良好であり、かつ耐水性及びインク定着性に優れたインクジェット記録材料が得られる、インクジェット記録材料の製造方法を提供する。【解決手段】支持体上に、アルカリ条件下で分散されたシリカ、アニオン性またはノニオン性の非水溶性樹脂、及びポリビニルアルコールを少なくとも含むインク受容層用塗布液を塗布、乾燥して塗膜を形成し、更に該塗膜にカルシウム塩を含む塗布液を塗布した後、乾燥し、インク受容層を形成する。【選択図】なし

Description

本発明は顔料インクで印字した際の発色性が良好であり、かつ耐水性及びインク定着性に優れたインクジェット記録材料が得られる、インクジェット記録材料の製造方法に関するものである。
インクジェット記録方式は、カラー化や装置の小型化が容易であること、また装置の動作音が静かであることから、オフィス用及び家庭用の出力方式として広く普及している。また、該記録方式では、プリンターの進歩とともに印刷速度も高速化を達成しており、メディアにも高いインク吸収性と高いインク定着性が求められる。最近では各プリンタメーカーから市販される印字用インクの屋外耐久性が飛躍的に向上してきたことから、インクジェット記録方式は屋内用途のみならず、大型看板や電飾看板などの屋外用広告にも使用される例が増えてきている。
インクジェット記録方式に用いる印字用インクは、着色染料を水に溶解させた水性染料インク、着色顔料を水に分散させた水性顔料インク、着色顔料を有機溶剤に分散させたソルベントインク等に大別される。屋外用途の印字物の作製に用いる印字用インクとしては、耐水性、耐候性、及び画像鮮鋭性等に優れた画像を得るとの観点から、顔料インクが幅広く使用されている。また屋外用途に使用される印字物は、印字用インクのみならず、記録材料側にも高い耐久性が要求されており、屋外条件下における画像安定性(耐候性、耐水性)の試験方法としてISO 18930:2011のような試験規格も定められている。
屋内用として一般的に知られているインクジェット記録材料は、支持体上にシリカなどの顔料と、バインダー成分としてポリビニルアルコールなどの水溶性樹脂を含有するインク受容層を有しており、該記録材料は発色性、インク吸収性などの印字品質の面で非常に良好な性能を示す。例えば、特開2005−1117号公報(特許文献1)では、pHが7〜13の条件下で分散して得られた湿式粉砕シリカをインク受容層に含有することで、顔料インクで印字した際の発色性やインク吸収性に優れたインクジェット記録材料が得られることが示されている。また特開2002−274022号公報(特許文献2)では、アルカリ金属の水酸化物を含有する気相法シリカ分散液を配合して得られたインクジェット記録材料によって、顔料インクで印字した際に、良好な発色性が得られることが記載されている。
一方、インク受容層にカルシウム塩が含まれることで、印字した際の滲みの低減や、良好な発色性が得られることが知られている。例えば、国際公開第2013/121860号パンフレット(特許文献3)には、炭酸カルシウムとポリビニルアルコール、リン酸エステル化澱粉、カチオン性樹脂からなる塗工層用塗液が、塩化カルシウムや硝酸カルシウムなどのカルシウム塩を含むことで、印字した際の滲みを抑え、良好な発色性が得られることが記載されている。
しかしながら、上記した特許文献1〜3に記載されているような、ポリビニルアルコールなどの水溶性樹脂をバインダーとして含有するインク受容層を有するインクジェット記録材料では、屋外用途において求められる耐久性を満たすことはできず、インク受容層の亀裂、剥離などの劣化を生じ、特に耐水性に関しては大きな課題を残していた。
支持体上にシリカなどの顔料とポリビニルアルコールなどの水溶性樹脂から構成されるインク受容層を有するインクジェット記録材料の耐水性を改善する方法として、バインダーの主成分として、非水溶性樹脂を用いる手法が知られている。例えば特開平11−123867号公報(特許文献4)には、インク受容層にシリカとカチオン性アクリル樹脂を含む記録媒体によって、滲みを抑え、耐候性が得られることが示されている。また、特開2018−43410号公報(特許文献5)には、インク受容層に無機粒子と、バインダーとして、カチオン性またはノニオン性のアクリル樹脂やポリカーボネート変性ウレタン樹脂、あるいはポリエーテル変性ウレタン樹脂等を含有する記録媒体によって、耐傷性や耐水性、濡れた状態での耐擦過性が改善されることが示されている。更に、特開2002−52812号公報(特許文献6)には、インク受容層に無機顔料としてシリカを含有し、バインダーとしてカチオン性のアクリル樹脂を含有する記録媒体によって、耐水性、耐候性に優れたインクジェット記録材料が得られることが示されている。
しかしながら、特許文献4に記載されているカチオン性アクリル樹脂を含むインクジェット記録材料では、発色性や耐候性、インク定着性を十分に満たしているとは言えなかった。また、特許文献5、特許文献6に記載されているカチオン性樹脂を含むインクジェット記録材料では、発色性やインク定着性を向上させるためにインク受容層は水溶性アルミニウム塩やカルシウム化合物等の多価金属化合物を含有するが、発色性に関し、更なる改善が望まれていた。
他方、特開2002−331745号公報(特許文献7)には、製造の際に生じるひび割れが発生しにくく、塗布均一性が向上したインクジェット記録材料が得られるインクジェット記録材料の製造方法が示されている。かかる製造方法では、支持体上に親水性バインダーと微粒子を含有する多孔質層を塗布し、該塗布した多孔質層の減率乾燥領域以降に添加剤含有塗布液を付与することが記載され、該添加剤の一例としてMg2+、Ca2+、Zr2+、Al3+等の多価金属化合物が例示されている。
特開2005−1117号公報 特開2002−274022号公報 国際公開第2013/121860号パンフレット 特開平11−123867号公報 特開2018−43410号公報 特開2002−52812号公報 特開2002−331745号公報
本発明は、顔料インクで印字した際の発色性が良好であり、かつ耐水性及びインク定着性に優れたインクジェット記録材料を提供することを課題とする。
本発明の上記課題は、以下の発明によって達成される。
(1)支持体上に、アルカリ条件下で分散されたシリカ、アニオン性またはノニオン性の非水溶性樹脂、及びポリビニルアルコールを少なくとも含むインク受容層用塗布液を塗布、乾燥して塗膜を形成し、更に該塗膜にカルシウム塩を含む塗布液を塗布した後、乾燥し、インク受容層を形成するインクジェット記録材料の製造方法。
(2)上記した非水溶性樹脂がアニオン性アクリル樹脂であり、インク受容層を形成した後、更に該インク受容層上に少なくとも平均粒子径が60nm以下のコロイダルシリカ、または最低造膜温度が40℃以上の有機エマルジョンを含む表面層用塗布液を塗布、乾燥することを特徴とする、上記(1)に記載のインクジェット記録材料の製造方法。
(3)上記したアルカリ条件下で分散されたシリカが気相法シリカであり、非水溶性樹脂がアニオン性アクリル樹脂であり、かつポリビニルアルコールが完全けん化ポリビニルアルコールである上記(1)あるいは上記(2)に記載のインクジェット記録材料の製造方法。
本発明により、顔料インクで印字した際の発色性が良好であり、かつ耐水性及びインク定着性に優れたインクジェット記録材料を提供することができる。
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明においてインクジェット記録材料が有する支持体としては、耐水性に優れたインクジェット記録材料を得るとの観点から、非吸水性支持体が好ましい。非吸水性支持体としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹脂、セロファン、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等の樹脂フィルムや、樹脂を主原料とし、紙とフィルムの特性を併せ持った合成紙、基紙の片面または両面をポリオレフィン樹脂で被覆した樹脂被覆紙が例示される。中でも、耐水性に優れ、かつ紙に印字した記録物に近い風合いが得られる観点から、合成紙が好ましい。
合成紙は製造方法によって、フィルム形成法合成紙、ファイバー法合成紙、フィルムラミネート法合成紙に大別される。フィルム形成法合成紙は、原料となる合成樹脂をフィルム状に成型するフィルム形成法によって製造される。フィルム形成法合成紙としては、例えば、(株)ユポ・コーポレーションからユポ(登録商標)として市販されている。ファイバー法合成紙は、合成樹脂を原料にした樹脂ファイバーをパルプの代わりに使用し製造される。ファイバー法合成紙としては、例えば、帝人フロンティア(株)からレーザーエコペット(登録商標)として市販されている。フィルムラミネート法合成紙は、従来の紙の表面にフィルムをラミネートすることで製造される。フィルムラミネート法合成紙としては、例えば、日本製紙パピリア(株)からオーパー(登録商標)として市販されている。本発明では、得られるインクジェット記録材料の耐水性や記録物の風合いの観点からフィルム法合成紙が好ましく用いられる。
上記した支持体のインク受容層が塗設される側の面は、下引き層を有していてもよい。この下引き層は、インク受容層が塗設される前に、予め支持体の表面に塗布、乾燥されたものであり、皮膜形成可能な水溶性高分子化合物やポリマーラテックス等を主体に含有することが好ましい。ここで主体とは、下引き層の全固形分量に対して、水溶性高分子化合物やポリマーラテックスの占める割合が50質量%以上であることを意味する。下引き層における水溶性高分子化合物またはポリマーラテックスの含有量は、10〜500mg/mが好ましく、20〜300mg/mがより好ましい。更に、下引き層は界面活性剤や硬膜剤を含有することもできる。
次に、本発明のインク受容層用塗布液が含有する各成分について説明する。
本発明において、インク受容層用塗布液はアルカリ条件下で分散されたシリカを含有する。より詳細には、シリカ分散液のpHが7を超えるようにアルカリ性化合物が添加された状態で分散されたシリカを含有する。アルカリ条件下で分散することで高濃度分散が可能となり、その結果分散効率が上昇し、より微細に粉砕することができ、これに伴い良好な発色性を得ることができる。更に、高濃度分散液を使用することによって、塗布液調製時に塗布液のシリカの高濃度化が可能になり、生産効率が向上する等の利点が得られる。分散後のシリカ分散液のpHは8.0以上であることが好ましく、より好ましくは9.0以上である。上限は13.0以下であることが望ましい。
本発明においてインク受容層用塗布液が含有するシリカは、製造法によって湿式法シリカ、及び気相法シリカに大別することができる。湿式法シリカは、製造方法によって沈降法シリカ、ゲル法シリカ、ゾル法シリカに分類される。沈降法シリカはケイ酸ソーダと硫酸をアルカリ条件で反応させて製造され、粒子成長したシリカ粒子が凝集・沈降し、その後濾過、水洗、乾燥、粉砕・分級の工程を経て製品化される。沈降法シリカとしては、例えば東ソー・シリカ(株)からニップシール(登録商標)として市販されている。ゲル法シリカはケイ酸ソーダと硫酸を酸性条件下で反応させて製造する。熟成中に微小粒子は溶解し、他の一次粒子同士を結合するように再析出するため、明確な一次粒子は消失し、内部空隙構造を有する比較的硬い凝集粒子を形成する。ゲル法シリカとしては、例えば水澤化学工業(株)からミズカシル(登録商標)として、東ソー・シリカ(株)からニップジェル(登録商標)として市販されている。ゾル法シリカは、コロイダルシリカとも呼ばれ、ケイ酸ソーダの酸等による複分解やイオン交換樹脂層を通して得られるシリカゾルを加熱熟成して得られ、例えば日産化学(株)からスノーテックス(登録商標)として市販されている。また、気相法シリカは乾式法シリカとも呼ばれ、一般的には火炎加水分解法によって製造される。具体的には、四塩化珪素を水素及び酸素とともに燃焼して製造される。気相法シリカとしては、例えば日本アエロジル(株)からアエロジル(登録商標)として市販されている。インク受容層におけるシリカの含有量は1〜40g/mが好ましく、3〜30g/mがより好ましい。
シリカをアルカリ条件下で分散する際、分散媒中に加えるアルカリ性化合物としては、各種無機、有機の化合物が利用でき、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、モノエタノールアミン、イソプロピルアミン、エチレンジアミン、プロパンジアミン、ジエタノールアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、トリエタノールアミン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、N−メチルピペラジン、2−ピペリジンエタノール、及びアミノエチルエタノールアミンの少なくとも1種が使用され、中でも水酸化ナトリウムが好ましく用いられる。
本発明においてインク受容層用塗布液は非水溶性樹脂を含有する。非水溶性樹脂は含有される親水性基の種類によって、アニオン性、カチオン性、ノニオン性に分類されるが、本発明においては、アニオン性またはノニオン性の非水溶性樹脂が用いられる。非水溶性樹脂が有するアニオン性基としては、カルボキシ基、スルホ基、硫酸エステル基、リン酸エステル基等が挙げられる。一方、非水溶性樹脂が有するノニオン性基としては、ヒドロキシ基、エーテル基、アミド基が挙げられる。また、本発明に用いることのできる非水溶性樹脂としては、ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体系樹脂、アクリル系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂等が挙げられる。インク受容層が上記した非水溶性樹脂を含有することで、良好な耐水性と耐候性が得られる。非水溶性樹脂は1種単独でもよいし、2種以上を併用してもよい。アニオン性またはノニオン性の非水溶性樹脂の含有量は、後述するポリビニルアルコールと合わせた全バインダー量として、前記したシリカの固形分量に対して20〜200質量%が好ましく、40〜150質量%がより好ましい。
また、非水溶性樹脂がアニオン性アクリル樹脂である場合、インク受容層上に後述する平均粒子径が60nm以下のコロイダルシリカ、または最低造膜温度が40℃以上の有機エマルジョンを含有する表面層を設けた場合、発色性に特に優れたインクジェット記録材料が得られるため、好ましい。
インク受容層用塗布液が含有するポリビニルアルコールとしては、一般的なポリビニルアルコールに加え、アニオン変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール等の各種変性ポリビニルアルコールを利用することも可能である。ポリビニルアルコールは1種単独でもよいし、2種以上を併用してもよい。インク受容層におけるポリビニルアルコールの含有量は、前述した非水溶性樹脂と合わせた全バインダー中、1〜65質量%であることが好ましく、5〜30質量%がより好ましい。
なお、本発明のインク受容層用塗布液が含有するアルカリ条件下で分散されたシリカが気相法シリカであり、非水溶性樹脂がアニオン性アクリル樹脂であり、かつポリビニルアルコールが完全けん化ポリビニルアルコールである場合、とりわけ光沢性に優れたインクジェット記録材料が得られる。更に、後述する少なくとも平均粒子径が60nm以下のコロイダルシリカまたは最低造膜温度が40℃以上の有機エマルジョンを含む表面層と組み合わせることによって、更に光沢性を向上させることができる。
本発明において、インク受容層用塗布液は、支持体上に塗設される際の塗布性を向上させるため、増粘剤を含有することができる。増粘剤は一般に高分子型と会合型に分類される。高分子型増粘剤は、分子量の大きい高分子がアルカリ条件下で水に溶解し、絡み合うことで増粘効果が発揮される。高分子型の増粘剤の代表的な例としては、アクリル酸系増粘剤がある。会合型増粘剤は親水性高分子の両末端に疎水基を有しており、疎水性物質と疎水基が会合力により結合することで網目構造を構築し、増粘効果が発揮される。会合型の増粘剤の代表的な例としては、ポリエーテル系増粘剤などがある。本発明においては、アルカリ条件下で分散したシリカ分散液の良好な分散性が保たれることから、高分子型の増粘剤が好ましく用いられる。インク受容層における増粘剤の含有量は50〜500mg/mが好ましく、100〜300mg/mがより好ましい。
本発明により得られるインクジェット記録材料のインク受容層はカルシウム塩を含有する。該カルシウム塩はインク定着剤として作用する。カルシウム塩としては、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸カルシウムなどが挙げられ、中でも顔料インクの耐擦過性の観点から、塩化カルシウム及び硝酸カルシウムが好ましく用いられる。インク受容層におけるカルシウム塩の含有量は0.1〜10.0g/mが好ましく、0.2〜5.0g/mがより好ましい。
前記したインク受容層用塗布液を塗布、乾燥して塗膜を形成した後にカルシウム塩を含有する塗布液を塗布した場合、得られるインク受容層の多孔質体表面のカチオン化度が高くなると考えられる。一般的にインクジェット記録用インクはアニオン性であることから、本発明によって得られたインク受容層表面のカチオン化度が高いインクジェット記録材料は、とりわけ強固なインクの定着が可能になる。
なお、前記したインク受容層用塗布液にカルシウム塩を直接添加した場合、後述する実施例に示したように、非水溶性樹脂が凝集し、インク受容層用塗布液が得られない。また、インク受容層用塗布液を塗布、乾燥して塗膜を形成した後に、カチオン性樹脂やポリ塩化アルミニウムなど、カルシウム塩以外のインク定着剤を含む塗布液を塗布し、乾燥してインク受容層を形成した場合、後述する実施例に示したように、良好な発色性とインク定着性は得られない。よって、インク受容層用塗布液を塗布、乾燥して得られた塗膜に、カルシウム塩とカルシウム塩以外のインク定着剤を含む塗布液を塗布する場合、カルシウム塩以外のインク定着剤はカルシウム塩の含有量を超えない範囲で併用することが好ましい。
本発明においてインク受容層は、上記した成分に加え、更に紫外線吸収剤、光安定剤を含有することができる。紫外線吸収剤や光安定剤はインク受容層中に存在することで、ガス、光等による退色から色材を守り、色材の耐候性を向上させることができる。紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系、ヒドロキシフェニルトリアジン系、ベンズフェノン系、フェニルサリシレート系等の化合物が例示される。また、光安定剤としては、ヒンダードアミン系が例示される。これらは一種類を用いてもよく、二種類以上を併用してもよい。該紫外線吸収剤や光安定剤は、インク受容層用塗布液が含有することが好ましい。
本発明においてインク受容層は、更に着色染料、着色顔料、酸化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、蛍光増白剤、架橋剤、pH調節剤などの公知の各種添加剤を含有することもできる。
本発明において、インク受容層用塗布液の固形分塗布量は5〜60g/mであることが好ましく、10〜50g/mであることがより好ましい。
本発明において、インク受容層用塗布液の塗布方法は、特に限定されず、公知の塗布方法を用いることができる。例えば、スライドビード方式、カーテン方式、エクストルージョン方式、エアナイフ方式、ロールコーティング方式、ロッドバーコーティング方式等がある。
本発明において、カルシウム塩を含む塗布液の塗布方法は、特に限定されず、公知の塗布方法を用いることができる。例えば、スライドビード方式、カーテン方式、エクストルージョン方式、エアナイフ方式、ロールコーティング方式、ロッドバーコーティング方式、スロットダイ方式、スプレー方式、グラビア方式、マイクログラビア方式等がある。
本発明において、インク受容層用塗布液が含む非水溶性樹脂がアニオン性アクリル樹脂であり、インク受容層を形成した後、更に該インク受容層上に、少なくとも平均粒子径が60nm以下のコロイダルシリカ、または最低造膜温度が40℃以上の有機エマルジョン含む表面層塗布液を塗布し、乾燥することが好ましい。このようにして得られたインクジェット記録材料は、とりわけ良好な発色性が得られる。なお表面層塗布液が含むコロイダルシリカの平均粒子径が60nmより大きくなると、インク受容層へのコロイダルシリカの定着が悪くなり、表面層が脱落しやすくなる場合がある。コロイダルシリカの平均粒子径は、BET法による比表面積測定値と密度から求めることができる。
本発明において、平均粒子径が60nm以下のコロイダルシリカの粒子形状は球形でも良いし、鎖状あるいはネックレス状であっても良い。球形のコロイダルシリカとしては、例えば日産化学(株)から市販されているスノーテックス(登録商標)ST−S(平均粒子径9nm)、スノーテックスST−30(平均粒子径12nm)、スノーテックスST−50T(平均粒子径22nm)、スノーテックスST−30L(平均粒子径45nm)、スノーテックスST−YL(平均粒子径60nm)等を例示することができ、また鎖状あるいはネックレス状のコロイダルシリカとしては、スノーテックスST−PS−S(平均粒子径15nm)、スノーテックスST−PS−M(平均粒子径25nm)等を例示することができる。
一般的に、有機エマルジョンは合成樹脂の粒子が水中に均一に分散しており、本発明においてもそのような有機エマルジョンを用いることが好ましい。また、表面層用塗布液が含有する有機エマルジョンの最低造膜温度は40℃以上であることが好ましい。有機エマルジョンの最低造膜温度が40℃未満の場合、インク受容層表面に該有機エマルジョンが含まれた表面層用塗布液を塗布し、その後乾燥した際に、該インク受容層表面に皮膜が形成されてしまい、インクの吸収が阻害され鮮明な画像が得られない場合がある。最低造膜温度は、ISO規格2115に規定される温度勾配板法に準拠した最低造膜温度測定装置を用いて測定することができる。
上記した有機エマルジョンを構成する合成樹脂粒子の成分としては、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリルアミド系樹脂、エポキシ系樹脂等が挙げられ、またこれらの樹脂が混合された有機エマルジョンであっても良い。更には、これら樹脂成分はコロイダルシリカとの複合体であっても良い。中でも、良好な発色性が得られる観点からアクリル系樹脂あるいはスチレン−アクリル系樹脂が好ましい。このような有機エマルジョンとしては、例えばジャパンコーティングレジン(株)よりモビニール(登録商標)1711、同6520、同8055A等として市販されており、これらを入手し用いることができる。
本発明における表面層用塗布液では、平均粒子径が60nm以下のコロイダルシリカや最低造膜温度が40℃以上の有機エマルジョンは水を主体とする溶媒成分中に含有することが好ましい。表面層用塗布液には、平均粒子径が60nm以下のコロイダルシリカを2種類以上、あるいは最低造膜温度が40℃以上の有機エマルジョンを2種類以上併用しても良く、平均粒子径が60nm以下のコロイダルシリカと最低造膜温度が40℃以上の有機エマルジョンを併用してもよい。また、上記した成分に加え、紫外線吸収剤や光安定剤、および界面活性剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、蛍光増白剤、pH調節剤などの公知の添加剤を含有することが可能であるが、良好な発色性が得られる観点から、表面層用塗布液が含有する全固形分に占める平均粒子径が60nm以下のコロイダルシリカ、あるいは全固形分に占める最低造膜温度が40℃以上の有機エマルジョンの割合は、90質量%以上であることが好ましく、より好ましくは95質量%以上である。
本発明において表面層用塗布液の塗布方法は特に限定されず、公知の塗布方法を用いることができ、例えば前記したカルシウム塩を含む塗布液の塗布方法と同様の方法を例示することができる。
以下、本発明に関し実施例を用いて詳細に説明する。なお、本発明は実施例に限定されるものではないことは言うまでもない。以下、「%」は、特に説明のない限り質量%であり、「部」は、特に説明のない限り質量部である。
(実施例1)
<シリカ分散液1の作製>
水に水酸化ナトリウム2.5部、ゲル法シリカ(水澤化学工業(株)製、ミズカシルP−78A)100部をそれぞれ添加し、高速分散機で分散処理を行い、固形分濃度16%のシリカ分散液1を作製した。なお、該シリカ分散液1のpHは10.2であった。
<インク受容層用塗布液1の作製>
シリカ分散液1 (固形分として)102.5部
ポリビニルアルコール 10部
((株)クラレ製クラレポバール(登録商標)25−98R)
アニオン性アクリル樹脂(非水溶性樹脂) (固形分として) 50部
((株)イーテック製AE986B)
界面活性剤 0.5部
(日信化学工業(株)製オルフィン(登録商標)E1010)
高分子型増粘剤 2.0部
(サンノプコ(株)製SNシックナー640)
水を溶媒として、塗布液の固形分濃度を16%に調整した。
<オーバーコート液1の作製>
塩化カルシウムをCaCl換算で3%になるよう水に溶解させ、オーバーコート液1を作製した。
<インクジェット記録材料の作製>
支持体として、二軸延伸フィルム形成法によって得られた厚み110μmの合成紙((株)ユポ・コーポレーション製ニューユポFGS110)を用い、該支持体上にインク受容層用塗布液1を乾燥固形分量で16g/mになるように、ロッドバーコーティング方式で塗布した。その後フィルムドライヤーを使用して40℃の温風で5分間乾燥し、塗膜を形成した。次に、上記で得られた塗膜上にオーバーコート液1を、上記塗膜と合わせて乾燥固形分量で17g/mになるようにロッドバーコーティング方式で塗布し、再び40℃の温風で5分間乾燥させてインク受容層とし、実施例1のインクジェット記録材料を得た。
(実施例2)
<オーバーコート液2の作製>
硝酸カルシウムをCa(NO換算で3%になるよう水に溶解させ、オーバーコート液2を作製した。
実施例1のインクジェット記録材料の作製において、オーバーコート液1を上記したオーバーコート液2に変更した以外は同様にして、実施例2のインクジェット記録材料を得た。
(実施例3)
<オーバーコート液3の作製>
塩化カルシウムをCaCl換算で3%、ポリ塩化アルミニウムを2%になるよう水に溶解させ、オーバーコート液3を作製した。
実施例1のインクジェット記録材料の作製において、オーバーコート液1を上記したオーバーコート液3に変更した以外は同様にして、実施例3のインクジェット記録材料を得た。
(実施例4)
<シリカ分散液2の作製>
水に水酸化ナトリウム1.8部、ゲル法シリカ(水澤化学工業(株)製、ミズカシルP−78A)100部をそれぞれ添加し、高速分散機で分散処理を行い、固形分濃度21%のシリカ分散液2を作製した。なお、シリカ分散液2のpHは9.0であった。
実施例1のインクジェット記録材料の作製において、インク受容層用塗布液1のシリカ分散液1を上記したシリカ分散液2に変更してインク受容層用塗布液2を作製し、該塗布液を塗布したこと以外は同様にして、実施例4のインクジェット記録材料を得た。
(実施例5)
実施例1のインクジェット記録材料の作製において、インク受容層用塗布液1の作製における非水溶性樹脂であるアニオン性アクリル樹脂を、非水溶性樹脂であるアニオン性ウレタン樹脂(DIC(株)製ハイドラン(登録商標)WLS−210)に変更してインク受容層用塗布液3を作製し、該塗布液を塗布したこと以外は同様にして、実施例5のインクジェット記録材料を得た。
(実施例6)
実施例1のインクジェット記録材料の作製において、インク受容層用塗布液1の作製における非水溶性樹脂であるアニオン性アクリル樹脂を、非水溶性樹脂であるノニオン性アクリル樹脂(ジャパンコーティングレジン(株)製モビニール7720)に変更してインク受容層用塗布液4を作製し、該塗布液を塗布したこと以外は同様にして、実施例6のインクジェット記録材料を得た。
(比較例1)
実施例1のインクジェット記録材料の作製において、オーバーコート液を塗布しなかったこと以外は同様にして、比較例1のインクジェット記録材料を得た。
(比較例2)
<シリカ分散液3の作製>
上記したシリカ分散液1の作製において、水酸化ナトリウムを添加しなかったこと以外は同様にしてシリカ分散液3を作製した。なお、該シリカ分散液3のpHは6.1であった。
実施例1のインクジェット記録材料の作製において、インク受容層用塗布液1のシリカ分散液1を上記したシリカ分散液3に変更してインク受容層用塗布液5を作製し、該塗布液を塗布したこと以外は同様にして、比較例2のインクジェット記録材料を得た。
(比較例3)
実施例1のインクジェット記録材料の作製において、インク受容層用塗布液1の作製におけるアニオン性アクリル樹脂を60部に変更し、ポリビニルアルコールを用いずにインク受容層用塗布液6を作製し、塗布したこと以外は同様にして、比較例3のインクジェット記録材料を得た。
(比較例4)
実施例1のインクジェット記録材料の作製において、インク受容層用塗布液1の作製におけるポリビニルアルコールを60部に変更し、アニオン性アクリル樹脂を用いずにインク受容層用塗布液7を作製し、塗布したこと以外は同様にして、比較例4のインクジェット記録材料を得た。
(比較例5)
<オーバーコート液4の作製>
カチオン性樹脂であるポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド(第一工業製薬(株)製シャロール(登録商標)DC−902P)を3%になるよう水に溶解させ、オーバーコート液4を得た。
実施例1のインクジェット記録材料の作製において、オーバーコート液1を上記したオーバーコート液4に変更した以外は同様にして、比較例5のインクジェット記録材料を得た。
(比較例6)
<オーバーコート液5の作製>
多価金属塩であるポリ塩化アルミニウムを3%になるよう水に溶解させ、オーバーコート液5を得た。
実施例1のインクジェット記録材料の作製において、オーバーコート液1を上記したオーバーコート液5に変更した以外は同様にして、比較例6のインクジェット記録材料を得た。
(比較例7)
上記したインク受容層用塗布液1の作製において、該インク受容層用塗布液に塩化カルシウムをCaCl換算で10部加えた以外は同様にして、インク受容層用塗布液8の作製を試みたが、アニオン性アクリル樹脂の凝集により、インク受容層用塗布液8を作製できなかった。
(比較例8)
上記したインク受容層用塗布液1の作製において、非水溶性樹脂であるアニオン性アクリル樹脂を非水溶性樹脂であるカチオン性アクリル樹脂(ジャパンコーティングレジン(株)製モビニール(登録商標)7820)に変更した以外は同様にして、上記したインク受容層用塗布液9の作製を試みたが、カチオン性アクリル樹脂の凝集により、インク受容層用塗布液9を作製できなかった。
上記のようにして得られた実施例1〜6及び比較例1〜6のインクジェット記録材料のインク受容層面に、市販の顔料インクジェットプリンター(セイコーエプソン(株)製SC−PX5VII、印刷品質:高精細、色補正:無し)で、下記の評価画像を印字した後、更に乾燥し、以下の評価を実施した。
評価用の画像にはシアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、及びレッド、グリーン、ブルー、ホワイト(未印字部)の各ベタ画像を縦25mm、横20mmの大きさで縦二列、横四列に0.5mm間隔で並べ、各ベタ画像間に空白部ができるようにした。
<発色性>
全てのベタ画像部をX−Rite社製分光測色計i1Proで測定し、LVolumeにおけるGamut値を算出して、発色性を評価した。本評価方法ではGamut値が大きいほど発色性が高いとした。評価結果を表1に示す。
○:Gamut値が270000以上。
△:Gamut値が240000以上、270000未満。
×:Gamut値が240000未満。
<耐水性>
上記した評価用の画像が印字されたインクジェット記録材料を50℃の温水中に168時間浸漬後、温水中で印字部を指で軽く擦って評価した。評価結果を表1に示す。
○:インク受容層に大きな変化は見られない。
△:部分的にインクや受容層が剥がれた。
×:基材表面からインク受容層が簡単に剥がれた。
<インク定着性>
上記のように評価用の画像を印字する際、インクジェットプリンターのインク濃度の設定を1.5倍に設定し、通常の印字モードよりもインク吐出量を多くして、ベタ画像の境界部の滲みを評価した。本評価方法では境界部に滲みがないほどインク定着性が高いとした。評価結果を表1に示す。
○:色境界部に滲みがない。
△:色の境界がはっきりせず、隣接する境界部を超えて移動している。
×:色の境界が分からず、隣接する色への滲み出しが大きい。
Figure 2021154719
表1の結果から、本発明の前記した(1)に記載されるインクジェット記録材料の製造方法により、顔料インクで印字した際の発色性が良好であり、かつ耐水性、インク定着性に優れるインクジェット記録材料が得られることがわかる。
(実施例7)
<表面層用塗布液1の作製>
コロイダルシリカ1(日産化学(株)製スノーテックスST−50T、平均粒子径22nm)を固形分濃度が30%になるよう水で希釈し、表面層用塗布液1を作製した。
<インクジェット記録材料の作製>
実施例1のインクジェット記録材料が有するインク受容層上に、上記した表面層用塗布液1をインク受容層と合わせて乾燥固形分量で19g/mになるようにロッドバーコーティング方式で塗布し、40℃の温風で5分間乾燥させ、実施例7のインクジェット記録材料を得た。
(実施例8)
実施例7のインクジェット記録材料の作製において、実施例1のインクジェット記録材料の代わりに実施例2のインクジェット記録材料を用いたこと以外は同様にして、実施例8のインクジェット記録材料を得た。
(実施例9)
実施例7のインクジェット記録材料の作製において、実施例1のインクジェット記録材料の代わりに実施例3のインクジェット記録材料を用いたこと以外は同様にして、実施例9のインクジェット記録材料を得た。
(実施例10)
実施例7のインクジェット記録材料の作製において、実施例1のインクジェット記録材料の代わりに実施例4のインクジェット記録材料を用いたこと以外は同様にして、実施例10のインクジェット記録材料を得た。
(実施例11)
実施例7のインクジェット記録材料の作製における表面層用塗布液1の作製において、コロイダルシリカ1をコロイダルシリカ2(日産化学(株)製スノーテックスST−YL、平均粒子径60nm)に変更して、表面層用塗布液2を作製し、該塗布液を塗布したこと以外は同様にして、実施例11のインクジェット記録材料を得た。
(実施例12)
実施例7のインクジェット記録材料の作製における表面層用塗布液1の作製において、コロイダルシリカ1を有機エマルジョン1(ジャパンコーティングレジン(株)製モビニール8055A、最低造膜温度100℃以上)に変更して、表面層用塗布液3を作製し、該塗布液を塗布したこと以外は同様にして、実施例12のインクジェット記録材料を得た。
(実施例13)
実施例7のインクジェット記録材料の作製における表面層用塗布液1の作製において、コロイダルシリカ1を有機エマルジョン2(ジャパンコーティングレジン(株)製モビニール6520、最低造膜温度50℃)に変更して、表面層用塗布液4を作製し、該塗布液を塗布したこと以外は同様にして、実施例13のインクジェット記録材料を得た。
上記のようにして得られた実施例7〜13のインクジェット記録材料のインク受容層面に、市販の顔料インクジェットプリンター(セイコーエプソン(株)製SC−PX5VII、印刷品質:高精細、色補正:無し)で、下記の評価画像を印字した後、更に乾燥し、以下の評価を実施した。かかる評価結果を表2に示す。なお表2には、先の実施例1のインクジェット記録材料の評価結果も併せて記載した。
評価用の画像にはシアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、及びレッド、グリーン、ブルー、ホワイト(未印字部)の各ベタ画像を縦25mm、横20mmの大きさで縦二列、横四列に0.5mm間隔で並べ、各ベタ画像間に空白部ができるようにした。
<発色性>
全てのベタ画像部をX−Rite社製分光測色計i1Proで測定し、LVolumeにおけるGamut値を算出して、発色性を評価した。本評価方法ではGamut値が大きいほど発色性が高いとした。
◎:Gamut値が350000以上。
○:Gamut値が270000以上、350000未満。
△:Gamut値が240000以上、270000未満。
×:Gamut値が240000未満。
<耐水性>
上記のようにして得られた実施例7〜13のインクジェット記録材料について、先の実施例1〜6のインクジェット記録材料に行った同様の方法にて耐水性の評価を行った。
<インク定着性>
上記のようにして得られた実施例7〜13のインクジェット記録材料について、先の実施例1〜6のインクジェット記録材料に行った同様の方法にてインク定着性の評価を行った。
Figure 2021154719
表2の結果から、本発明の前記した(2)に記載されるインクジェット記録材料の製造方法により、顔料インクで印字した際の発色性にとりわけ優れたインクジェット記録材料が得られることがわかる。
(実施例14)
<シリカ分散液4の作製>
水に水酸化ナトリウム0.5部、気相法シリカ(日本アエロジル(株)製、アエロジルA90G)100部をそれぞれ添加し、高速分散機で分散処理を行い、固形分濃度20%のシリカ分散液4を作製した。なお、該シリカ分散液4のpHは9.6であった。
<インク受容層用塗布液10の作製>
シリカ分散液4 (固形分として)100.5部
ポリビニルアルコール 10部
(日本酢ビ・ポバール(株)製完全けん化型ポリビニルアルコールJC−33)
アニオン性アクリル樹脂(非水溶性樹脂) (固形分として) 50部
((株)イーテック製AE986B)
界面活性剤 0.5部
(日信化学工業(株)製オルフィン(登録商標)E1010)
高分子型増粘剤 1.0部
(ソマール(株)製ソマレックス270K)
水を溶媒として、塗布液の固形分濃度を20%に調整した。
<インクジェット記録材料の作製>
実施例1のインクジェット記録材料の作製において、インク受容層用塗布液1を上記したインク受容層用塗布液10に変更したこと以外は同様にして、実施例14のインクジェット記録材料を得た。
(実施例15)
実施例14のインクジェット記録材料が有するインク受容層上に、前記した表面層用塗布液2をインク受容層と合わせて乾燥固形分量で19g/mになるようにロッドバーコーティング方式で塗布し、40℃の温風で5分間乾燥させ、実施例15のインクジェット記録材料を得た。
<発色性、耐水性、およびインク定着性>
上記のようにして得られた実施例14、15および実施例1、11のインクジェット記録材料について、先の実施例7〜13のインクジェット記録材料を評価する際に行った方法と同様の方法にて、発色性、耐水性、およびインク定着性を評価した。結果を表3に示す。
<光沢性>
上記のようにして得られた実施例14、15および実施例1,11のインクジェット記録材料の表面層の75度鏡面光沢度を精密光沢計((株)村上色彩技術研究所製GM−26D)で測定した。結果を表3に示す。
Figure 2021154719
表3の結果から、本発明の前記した(3)に記載されるインクジェット記録材料の製造方法により、とりわけ光沢性に優れたインクジェット記録材料が得られることがわかる。

Claims (3)

  1. 支持体上に、アルカリ条件下で分散されたシリカ、アニオン性またはノニオン性の非水溶性樹脂、及びポリビニルアルコールを少なくとも含むインク受容層用塗布液を塗布、乾燥して塗膜を形成し、更に該塗膜にカルシウム塩を含む塗布液を塗布した後、乾燥し、インク受容層を形成するインクジェット記録材料の製造方法。
  2. 前記した非水溶性樹脂がアニオン性アクリル樹脂であり、インク受容層を形成した後、更に該インク受容層上に少なくとも平均粒子径が60nm以下のコロイダルシリカまたは最低造膜温度が40℃以上の有機エマルジョンを含む表面層用塗布液を塗布し、乾燥することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録材料の製造方法。
  3. 前記したアルカリ条件下で分散されたシリカが気相法シリカであり、非水溶性樹脂がアニオン性アクリル樹脂であり、かつポリビニルアルコールが完全けん化ポリビニルアルコールである前記請求項1あるいは前記請求項2に記載のインクジェット記録材料の製造方法。
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