JP7228447B2 - エチレン重合用固体状チタン触媒成分の製造方法 - Google Patents
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Description
この際、エチレンを高活性で重合させることができ、水素応答性にも優れ、良好な粒子性状を有するエチレン重合体を製造する性能も併せ持つことが好ましい。
[1](1)マグネシウム化合物と炭素数1~5の電子供与体(a)と炭素数6~30の電子供与体(b)とを含む液状マグネシウム化合物(A)と、液状チタン化合物(C)とを、電子供与体(B1)を用いずに、または電子供与体(B1)を用いる場合は電子供与体(B1)の存在下に、液状マグネシウム化合物(A)に含まれるマグネシウム原子(Mg)と電子供与体(B1)とのモル比[(B1)/(Mg)]が0.04以下であり、-30~50℃の条件で接触させて、接触物を得る工程;ならびに(2)前記接触物と、電子供与体(B2)とを、前記接触物に含まれるマグネシウム原子(AC)と電子供与体(B2)とのモル比[(B2)/(AC)]が0.05~0.19であり、85~135℃の条件で、接触させる工程;を有する、チタン、マグネシウムおよびハロゲンを含有するエチレン重合用固体状チタン触媒成分(I)の製造方法。
本発明において「重合」という語は、単独重合のみならず共重合を包含した意味で用いられることがあり、また「重合体」という語は、単独重合体のみならず共重合体を包含した意味で用いられることがある。
本発明のエチレン重合用固体状チタン触媒成分(I)の製造方法は、
(1)マグネシウム化合物と炭素数1~5の電子供与体(a)と炭素数6~30の電子供与体(b)とを含む液状マグネシウム化合物(A)と、
液状チタン化合物(C)とを、
電子供与体(B1)を用いずに、または電子供与体(B1)を用いる場合は電子供与体(B1)の存在下に、液状マグネシウム化合物(A)に含まれるマグネシウム原子(Mg)と電子供与体(B1)とのモル比[(B1)/(Mg)]が0.04以下であり、-30~50℃の条件で接触させて、接触物を得る工程;ならびに
(2)前記接触物と、電子供与体(B2)とを、前記接触物に含まれるマグネシウム原子(AC)と電子供与体(B2)とのモル比[(B2)/(AC)]が0.05~0.19であり、85~135℃の条件で、接触させる工程;
を有する。
以下、各工程について説明する。各工程で使用する各成分については後述する。
工程(1)では、液状マグネシウム化合物(A)と液状チタン化合物(C)とを、電子供与体(B1)を用いずに接触させて、または電子供与体(B1)を用いる場合は電子供与体(B1)の存在下に接触させて、接触物を得る。
電子供与体(B1)を用いる場合は、上記方法の中でも、(P-2)の方法、特に、液状マグネシウム化合物(A)と電子供与体(B1)とを予め混合した液体として使用する方法によると、得られる固体状チタン触媒成分の粒子性状が良く(不定形の粒子や微粒子が生成し難い)、濾過やデカンテーションによる精製工程が順調に進むため、生産性、ハンドリング性の面から好ましい。
工程(2)では、工程(1)で得られた前記接触物と電子供与体(B2)とを、前記接触物に含まれるマグネシウム原子(AC)と電子供与体(B2)とのモル比[(B2)/(AC)]が0.05~0.19であり、85~135℃の条件で、接触させる。
工程(2)において、電子供与体(B2)による接触は複数回に分けて行ってもよい。
本発明のチタン触媒成分(I)に含まれるハロゲン/チタン(原子比)は、通常は2~100、好ましくは4~90である。本発明のチタン触媒成分(I)に含まれるマグネシウム/チタン(原子比)は、通常は1~100、好ましくは1~50である。
以下、本発明の製造方法で用いる各成分について説明する。
液状マグネシウム化合物(A)は、マグネシウム化合物と炭素数1~5の電子供与体(a)と炭素数6~30の電子供与体(b)とを含む。これら特定の電子供与体を含む液状マグネシウム化合物(A)であれば、当該化合物(A)と液状チタン化合物(C)とを接触させる工程(1)において、電子供与体(凝集剤)の使用量が少量または使用量ゼロでも優れた粒子性状の粒子を形成することができる。
塩化マグネシウム、臭化マグネシウムなどのハロゲン化マグネシウム;
メトキシ塩化マグネシウム、エトキシ塩化マグネシウムなどのアルコキシマグネシウムハライド;
フェノキシ塩化マグネシウムなどのアリーロキシマグネシウムハライド;
エトキシマグネシウム、イソプロポキシマグネシウム、ブトキシマグネシウム、2-エチルヘキソキシマグネシウムなどのアルコキシマグネシウム;
フェノキシマグネシウムなどのアリーロキシマグネシウム;
ステアリン酸マグネシウムなどのマグネシウムのカルボン酸塩などの還元能を有しないマグネシウム化合物が挙げられる。
マグネシウム化合物は1種または2種以上用いることができる。また、マグネシウム化合物は、他の金属との錯化合物、複化合物または他の金属化合物との混合物であってもよい。
前記アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、n-ペンタノール、エチレングリコールが挙げられる。これらの中では、炭素数1~3のアルコールが好ましく、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノールがより好ましく、エタノールがさらに好ましい。
前記アミンとしては、例えば、エチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、ジエチルメチルアミンが挙げられる。
電子供与体(a)としては、炭素数1~5のアルコールが特に好ましい。
電子供与体(a)は、一般的に、後述する有機金属化合物触媒成分(II)との反応性が高く、触媒活性の発現が早いため、電子供与体(a)を用いることにより、エチレンの重合活性が高い触媒が得られることが多い。
ヘキサノール、2-メチルペンタノール、2-エチルブタノール、n-ヘプタノール、n-オクタノール、2-エチルヘキサノール、デカノール、ドデカノールなどの脂肪族アルコール;
シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノールなどの脂環族アルコール;
ベンジルアルコール、メチルベンジルアルコールなどの芳香族アルコール;
n-ブチルセルソルブなどのアルコキシ基含有脂肪族アルコール;
が挙げられる。
前記アミンとしては、例えば、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、ラウリルアミン、2-エチルヘキシルアミンなどの炭素数6~30のアミンが挙げられる。
電子供与体(b)は、マグネシウム化合物を少ない量(モル単位)で可溶化させることができる傾向がある。
電子供与体(b)は1種または2種以上用いることができる。
電子供与体(a)および電子供与体(b)の組合せとしては、両方ともアルコールであることが好ましく、前記電子供与体(a)が炭素数1~5のアルコールであり、前記電子供与体(b)が炭素数6~12のアルコールであることがより好ましい。
液状マグネシウム化合物(A)は、例えば、ヘプタン、オクタン、デカンなどの公知の液状炭化水素媒体に溶解させた状態であってもよい。
以下、電子供与体(B1)および(B2)をまとめて電子供与体(B)を説明する。
チタン触媒成分(I)の製造に用いられる電子供与体(B)としては、例えば、特開昭58-83006号公報、特開昭56-811号公報、特許第5374498号などに記載された、α-オレフィンの重合用固体状チタン触媒成分の調製に用いられる電子供与体が好ましい例として挙げられる。
上記電子供与体の中でも、本発明においては、ポリエーテル類が好ましい電子供与体である場合が多い。ポリエーテル類は、例えば、複数の原子を介して存在する2個以上のエーテル結合を有する化合物である。
ポリエーテル類としては、例えば、
2,2-ジシクロヘキシル-1,3-ジメトキシプロパン、
2,2-ジエチル-1,3-ジメトキシプロパン、
2,2-ジプロピル-1,3-ジメトキシプロパン、
2,2-ジブチル-1,3-ジメトキシプロパン、
2-メチル-2-プロピル-1,3-ジメトキシプロパン、
2-メチル-2-エチル-1,3-ジメトキシプロパン、
2-メチル-2-イソプロピル-1,3-ジメトキシプロパン、
2-メチル-2-シクロヘキシル-1,3-ジメトキシプロパン、
2,2-ビス(2-シクロヘキシルエチル)-1,3-ジメトキシプロパン、
2-メチル-2-イソブチル-1,3-ジメトキシプロパン、
2-メチル-2-(2-エチルヘキシル)-1,3-ジメトキシプロパン、
2,2-ジイソブチル-1,3-ジメトキシプロパン、
2,2-ビス(シクロヘキシルメチル)-1,3-ジメトキシプロパン、
2,2-ジイソブチル-1,3-ジエトキシプロパン、
2,2-ジイソブチル-1,3-ジブトキシプロパン、
2-イソブチル-2-イソプロピル-1,3-ジメトキシプロパン、
2,2-ジ-s-ブチル-1,3-ジメトキシプロパン、
2,2-ジ-t-ブチル-1,3-ジメトキシプロパン、
2,2-ジネオペンチル-1,3-ジメトキシプロパン、
2-イソプロピル-2-イソペンチル-1,3-ジメトキシプロパン、
2-シクロヘキシル-2-シクロヘキシルメチル-1,3-ジメトキシプロパン、
2,3-ジシクロヘキシル-1,4-ジエトキシブタン、
2,3-ジイソプロピル-1,4-ジエトキシブタン、
2,4-ジイソプロピル-1,5-ジメトキシペンタン、
2,4-ジイソブチル-1,5-ジメトキシペンタン、
2,4-ジイソアミル-1,5-ジメトキシペンタン、
3-メトキシメチルテトラヒドロフラン、
3-メトキシメチルジオキサン、
1,2-ジイソブトキシプロパン、
1,2-ジイソブトキシエタン、
1,3-ジイソアミロキシエタン、
1,3-ジイソアミロキシプロパン、
1,3-ジイソネオペンチロキシエタン、
1,3-ジネオペンチロキシプロパン、
2,2-テトラメチレン-1,3-ジメトキシプロパン、
2,2-ペンタメチレン-1,3-ジメトキシプロパン、
2,2-ヘキサメチレン-1,3-ジメトキシプロパン、
1,2-ビス(メトキシメチル)シクロヘキサン、
2-シクロヘキシル-2-エトキシメチル-1,3-ジエトキシプロパン、
2-シクロヘキシル-2-メトキシメチル-1,3-ジメトキシプロパン、
2,2-ジイソブチル-1,3-ジメトキシシクロヘキサン、
2-イソプロピル-2-イソアミル-1,3-ジメトキシシクロヘキサン、
2-シクロヘキシル-2-メトキシメチル-1,3-ジメトキシシクロヘキサン、
2-イソプロピル-2-メトキシメチル-1,3-ジメトキシシクロヘキサン、
2-イソブチル-2-メトキシメチル-1,3-ジメトキシシクロヘキサン、
2-シクロヘキシル-2-エトキシメチル-1,3-ジエトキシシクロヘキサン、
2-シクロヘキシル-2-エトキシメチル-1,3-ジメトキシシクロヘキサン、
2-イソプロピル-2-エトキシメチル-1,3-ジエトキシシクロヘキサン、
2-イソプロピル-2-エトキシメチル-1,3-ジメトキシシクロヘキサン、
2-イソブチル-2-エトキシメチル-1,3-ジエトキシシクロヘキサン、
2-イソブチル-2-エトキシメチル-1,3-ジメトキシシクロヘキサン
が挙げられる。
その他の電子供与体(B)の例としては、例えば、ジカルボン酸エステル化合物などの複数のカルボン酸エステル基を有する化合物が挙げられ、具体的には、式(b2)に示す化合物が挙げられる。式(b2)に示す化合物を用いると、主として得られるエチレン重合体の粒子性状の制御に優れる場合がある。
複数個あるR1は、それぞれ独立に、炭素数1~20、好ましくは炭素数1~10、より好ましくは炭素数1~8、特に好ましくは炭素数2~3の1価の炭化水素基である。前記炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、へプチル基、オクチル基、2-エチルヘキシル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基などのアルキル基が挙げられ、好ましくはメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、へプチル基、オクチル基、2-エチルヘキシル基、デシル基であり、より好ましくはメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2-エチルヘキシル基であり、さらに好ましくはエチル基、n-プロピル基、イソプロピル基である。
複数個あるRのうちの少なくとも2個が互いに結合して環を形成していてもよく、Rが互いに結合して形成される環の骨格中には二重結合やヘテロ原子が含まれていてもよく、当該環の骨格中に、COOR1が結合したCaを2つ以上含む場合は、当該環の骨格をなす炭素原子の数は通常5~10である。
2,3-ビス(2-エチルブチル)コハク酸ジエチル、
2,3-ジベンジルコハク酸ジエチル、
2,3-ジイソプロピルコハク酸ジエチル、
2,3-ジイソプロピルコハク酸ジイソブチル、
2,3-ビス(シクロヘキシルメチル)コハク酸ジエチル、
2,3-ジイソブチルコハク酸ジエチル、
2,3-ジネオペンチルコハク酸ジエチル、
2,3-ジシクロペンチルコハク酸ジエチル、
2,3-ジシクロヘキシルコハク酸ジエチルの(S,R)(S,R)形態の純粋、または任意にラセミの形態での、混合物である。これらのジカルボン酸エステル化合物を用いると、得られるエチレン重合体の分子量および分子量分布の制御に優れる点で好ましい。
sec-ブチルコハク酸ジエチル、
テキシルコハク酸ジエチル、
シクロプロピルコハク酸ジエチル、
ノルボルニルコハク酸ジエチル、
(10-)ペルヒドロナフチルコハク酸ジエチル、
トリメチルシリルコハク酸ジエチル、
メトキシコハク酸ジエチル、
p-メトキシフェニルコハク酸ジエチル、
p-クロロフェニルコハク酸ジエチル、
フェニルコハク酸ジエチル、
シクロヘキシルコハク酸ジエチル、
ベンジルコハク酸ジエチル、
(シクロヘキシルメチル)コハク酸ジエチル、
t-ブチルコハク酸ジエチル、
イソブチルコハク酸ジエチル、
イソプロピルコハク酸ジエチル、
ネオペンチルコハク酸ジエチル、
2,2-ジメチルコハク酸ジエチル、
2-エチル-2-メチルコハク酸ジエチル、
2-ベンジル-2-イソプロピルコハク酸ジエチル、
2-(シクロヘキシルメチル)-2-イソブチルコハク酸ジエチル、
2-シクロペンチル-2-n-プロピルコハク酸ジエチル、
2,2-ジイソブチルコハク酸ジエチル、
2-シクロヘキシル-2-エチルコハク酸ジエチル、
2-イソプロピル-2-メチルコハク酸ジエチル、
2,2-ジイソプロピルコハク酸ジエチル、
2-イソブチル-2-エチルコハク酸ジエチル、
2-(1,1,1-トリフルオロ-2-プロピル)-2-メチルコハク酸ジエチル、
2-イソペンチル-2-イソブチルコハク酸ジエチル、
2-フェニル-2-n-ブチルコハク酸ジエチル、
2,2-ジメチルコハク酸ジイソブチル、
2-エチル-2-メチルコハク酸ジイソブチル、
2-ベンジル-2-イソプロピルコハク酸ジイソブチル、
2-(シクロヘキシルメチル)-2-イソブチルコハク酸ジイソブチル、
2-シクロペンチル-2-n-プロピルコハク酸ジイソブチル、
シクロブタン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3-メチルシクロブタン-1,2-ジカルボン酸ジエチル
が挙げられる。
複数個あるR1は、それぞれ独立に、炭素数1~20、好ましくは炭素数1~10、より好ましくは炭素数1~8、特に好ましくは炭素数2~3の1価の炭化水素基であり、具体例および好適例は式(b2)に示す化合物のR1における炭化水素基と同様である。
またR'は、互いに結合して環を形成していてもよく、R'が互いに結合して形成される環の骨格中には二重結合や酸素を除くヘテロ原子が含まれていてもよく、当該環の骨格中に、COOR1が結合したCaを2つ以上含む場合は、当該環の骨格をなす炭素原子の数は通常5~10である。このような環の骨格としては、例えば、ノルボルナン骨格、テトラシクロドデカン骨格が挙げられる。
R'としては、好ましくは水素原子または炭素数1~20の炭化水素基である。
シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジn-プロピル、
シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジイソプロピル、
シクロヘキサン-1,3-ジカルボン酸ジエチル、
シクロヘキサン-1,3-ジカルボン酸ジn-プロピル、
シクロヘキサン-1,3-ジカルボン酸ジイソプロピル、
3-メチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3-メチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジn-プロピル、
3-メチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジイソプロピル、
4-メチルシクロヘキサン-1,3-ジカルボン酸ジエチル、
4-メチルシクロヘキサン-1,3-ジカルボン酸ジn-プロピル、
4-メチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
4-メチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジn-プロピル、
4-メチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジイソプロピル、
5-メチルシクロヘキサン-1,3-ジカルボン酸ジエチル、
5-メチルシクロヘキサン-1,3-ジカルボン酸ジn-プロピル、
5-メチルシクロヘキサン-1,3-ジカルボン酸ジイソプロピル、
3,4-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3,4-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジn-プロピル、
3,4-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジイソプロピル、
3,6-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3,6-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジn-プロピル、
3,6-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジイソプロピル、
3-ヘキシルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3-ヘキシルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジn-プロピル、
3,6-ジヘキシルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジn-プロピル、
3-ヘキシル6-ペンチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
シクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
シクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジn-プロピル、
シクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジイソプロピル、
シクロペンタン-1,3-ジカルボン酸ジエチル、
シクロペンタン-1,3-ジカルボン酸ジn-プロピル、
3-メチルシクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3-メチルシクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジn-プロピル、
3-メチルシクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジイソプロピル、
4-メチルシクロペンタン-1,3-ジカルボン酸ジエチル、
4-メチルシクロペンタン-1,3-ジカルボン酸ジn-プロピル、
4-メチルシクロペンタン-1,3-ジカルボン酸ジイソプロピル、
4-メチルシクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
4-メチルシクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジn-プロピル、
4-メチルシクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジイソプロピル、
5-メチルシクロペンタン-1,3-ジカルボン酸ジエチル、
5-メチルシクロペンタン-1,3-ジカルボン酸ジn-プロピル、
3,4-ジメチルシクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3,4-ジメチルシクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジn-プロピル、
3,4-ジメチルシクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジイソプロピル、
3,5-ジメチルシクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3,5-ジメチルシクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジn-プロピル、
3,5-ジメチルシクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジイソプロピル、
3-ヘキシルシクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3,5-ジヘキシルシクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
シクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
シクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジn-プロピル、
シクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジイソプロピル、
シクロヘプタン-1,3-ジカルボン酸ジエチル、
シクロヘプタン-1,3-ジカルボン酸ジn-プロピル、
3-メチルシクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3-メチルシクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジn-プロピル、
3-メチルシクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジイソプロピル、
4-メチルシクロヘプタン-1,3-ジカルボン酸ジエチル、
4-メチルシクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
4-メチルシクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジn-プロピル、
4-メチルシクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジイソプロピル、
5-メチルシクロヘプタン-1,3-ジカルボン酸ジエチル、
3,4-ジメチルシクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3,4-ジメチルシクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジn-プロピル、
3,4-ジメチルシクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジイソプロピル、
3,7-ジメチルシクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3,7-ジメチルシクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジn-プロピル、
3,7-ジメチルシクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジイソプロピル、
3-ヘキシルシクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3,7-ジヘキシルシクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
シクロオクタン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3-メチルシクロオクタン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
シクロデカン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3-メチルシクロデカン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
シクロオキシペンタン-3,4-ジカルボン酸ジエチル、
3,6-ジシクロヘキシルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジエチル
などのジカルボン酸エステルが挙げられる。
上記化合物の中で特に好ましいのは、式(b3)においてn=6であるシクロヘキサンジカルボン酸エステル類である。その理由は、触媒性能だけでなく、これらの化合物がディールスアルダー(Diels Alder)反応を利用して比較的安価に製造できる点にある。さらにシクロヘキサンジカルボン酸エステル類を用いた場合、水素応答性に優れ、且つ高活性を維持し、しかも粒子性状に優れた重合体を得ることができる。
その他の電子供与体(B)の例としては、例えば、以下の酸ハライド類、酸アミド類、ニトリル類、酸無水物および有機酸エステル類から選ばれる1種以上の化合物や、テトラアルコキシシラン、後述する一般式RnSi(OR')4-nで表されるアルコキシシラン化合物も挙げられる。
酢酸N,N-ジメチルアミド、安息香酸N,N-ジエチルアミド、トルイル酸N,N-ジメチルアミドなどの酸アミド類;
アセトニトリル、ベンゾニトリル、トリニトリルなどのニトリル類;
無水酢酸、無水フタル酸、無水安息香酸などの酸無水物;
ギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ビニル、酢酸プロピル、酢酸オクチル、酢酸シクロヘキシル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、吉草酸エチル、クロル酢酸メチル、ジクロル酢酸エチル、メタクリル酸メチル、クロトン酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、安息香酸オクチル、安息香酸シクロヘキシル、安息香酸フェニル、安息香酸ベンジル、トルイル酸メチル、トルイル酸エチル、トルイル酸アミル、エチル安息香酸エチル、アニス酸メチル、アニス酸エチル、エトキシ安息香酸エチル、γ-ブチルラクトン、δ-バレロラクトン、クマリン、フタリド、炭酸エチルなどの炭素数2~18の有機酸エステル類;
テトラエトキシシラン、テトラブトキシシランなどのテトラアルコキシシラン;
が挙げられる。
電子供与体(B)の中でも、ポリエーテル類を必須とする態様が、本発明の効果が特に顕著となる場合があるので好ましい。
チタン触媒成分(I)の調製に用いられる液状チタン化合物(C)としては、例えば、特開昭58-83006号公報、特開昭56-811号公報に記載されているチタン化合物が挙げられる。液状チタン化合物(C)の具体例としては、式(4)に示す4価のチタン化合物が挙げられる。
式(4)中、Rは炭素数1~5の脂肪族炭化水素基であり、Xはハロゲン原子であり、0≦g≦4である。
TiCl4、TiBr4などのテトラハロゲン化チタン;
Ti(OCH3)Cl3、Ti(OC2H5)Cl3、Ti(O n-C4H9)Cl3、Ti(OC2H5)Br3、Ti(O iso-C4H9)Br3などのトリハロゲン化アルコキシチタン;
Ti(OCH3)2Cl2、Ti(OC2H5)2Cl2などのジハロゲン化アルコキシチタン;
Ti(OCH3)3Cl、Ti(O n-C4H9)3Cl、Ti(OC2H5)3Brなどのモノハロゲン化アルコキシチタン;
Ti(OCH3)4、Ti(OC2H5)4、Ti(OC4H9)4、Ti(O 2-エチルヘキシル)4などのテトラアルコキシチタン;
が挙げられる。
液状チタン化合物(C)は1種または2種以上用いることができる。
本発明において、液状マグネシウム化合物(A)および液状チタン化合物(C)の少なくとも一方がハロゲンを含むことが好ましい。液状マグネシウム化合物(A)およびチタン化合物(C)の何れもハロゲンを含まない場合、任意の工程でハロゲン含有ケイ素化合物などの公知のハロゲン含有化合物と接触させることができる。このようなハロゲン含有化合物の代表例としては四塩化ケイ素が挙げられる。
本発明のエチレン重合用触媒は、上記のようにして得られたエチレン重合用固体状チタン触媒成分(I)と、有機金属化合物触媒成分(II)とを含み、必要に応じて電子供与体(III)を含むことができる。
なお、本発明のエチレン重合用触媒を用いて、プロピレンなどのα-オレフィンを重合させることも可能である。
有機金属化合物触媒成分(II)としては、周期表の第1族、第2族、第13族から選択される金属を含有する有機金属化合物が好ましく、例えば、有機アルミニウム化合物、第1族金属とアルミニウムとの錯アルキル化物、グリニャール試薬や有機マグネシウム化合物などの第2族金属の有機金属化合物が挙げられる。これらの中でも有機アルミニウム化合物が好ましい。
電子供与体(III)としては、有機ケイ素化合物が好ましい。
有機ケイ素化合物としては、例えば、式(5)に示す化合物が挙げられる。
RnSi(OR')4-n ・・・(5)
式(5)中、RおよびR'は、それぞれ独立に炭素数1~20の脂肪族、脂環族または芳香族の炭化水素基であり、0<n<4である。
電子供与体(III)としては、その他、エチレン重合用固体状チタン触媒成分(I)の製造に用いられる電子供与体(B)、電子供与体(a)および電子供与体(b)として例示した化合物が挙げられ、ポリエーテル類が好ましい例として挙げられる。
本発明のエチレン重合用触媒は、上記各成分以外にも必要に応じて、帯電防止剤、粒子凝集剤、保存安定剤などの、オレフィン重合に有用な他の成分を含むことができる。
本発明のエチレンの重合方法は、上記エチレン重合用触媒を用いてエチレンを単独で重合させ、またはエチレンを含むオレフィンを重合させ、エチレン重合体を得る工程を有する。すなわち、上記エチレン重合用触媒の存在下に、エチレンの単独重合、またはエチレンと他のオレフィンとの共重合を行う。
プロパン、ブタン、ヘプタン、ヘプタン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油などの脂肪族炭化水素;
シクロヘプタン、シクロヘプタン、メチルシクロヘプタンなどの脂環族炭化水素;
ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;
エチレンクロリド、クロルベンゼンなどのハロゲン化炭化水素;
が挙げられる。
不活性炭化水素媒体の中でも、脂肪族炭化水素が好ましい。
一方、オレフィン自体を溶媒として予備重合を行うこともできるし、また実質的に溶媒のない状態で予備重合することもできる。この場合には、予備重合を連続的に行うことが好ましい。予備重合で使用されるオレフィンは、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテンなどの公知のオレフィンを使用できる。これらの中でもエチレン、プロピレンが好ましい。
次に、本重合(polymerization)について説明する。
SP(%)=100×(α)/((α)+(β))
(α):パウダー状重合体量
(β):重合に使用した溶媒に溶解したエチレン重合体量
尚、(β)は重合後に濾別した濾液から溶媒を留去して得られる固体の重量として測定される。
以下の実施例において、エチレン重合用固体状チタン触媒成分の組成および粒度分布、エチレン重合体の嵩比重、MFR、NNIおよび粒度分布は下記のように測定した。
ICP分析(島津製作所、ICPF 1000TR)により測定した。
硝酸銀滴定法により測定した。
10重量%の水を加えたアセトン溶液に充分乾燥した触媒を加え、加水分解して得られたアルコールをガスクロマトグラフィーで定量した。
固体状チタン触媒成分のD50(中位径)はレーザー粒度分布測定装置(ベックマンコールター社 LS13 320)を用いて求めた。
粒度分布の指標であるSPANはレーザー粒度分布測定装置(ベックマンコールター社 LS13 320)を用いて、下記式より求めた。
SPAN=(D90-D10)/D50
D10:積算10体積%にあたる粒子径(μm)
D50:積算50体積%にあたる粒子径(中位径)(μm)
D90:積算90体積%にあたる粒子径(μm)
JIS K-6721規格に準拠して測定した。
ASTM D1238Eに準拠し、190℃、荷重2.16kgの条件で測定した。
ポリエチレンの分子量分布の指標であるNNI(Non Newton Index)は190℃での溶融状態における、下記式に示した2種の特定のせん断応力におけるせん断速度の比から求めた。
NNI = γ2 /γ1
γ1:せん断応力 4.0 x104 Paにおけるせん断速度(s-1)
γ2:せん断応力 2.4 x105 Paにおけるせん断速度(s-1)
振動機(飯田製作所、ロータップ製)およびふるい(Bunsei Furui、内径200mm、目開き45μm)を用いて、45μm未満の微粉の含有率を測定した。
「エチレン重合用固体状チタン触媒成分の調製」
無水塩化マグネシウム2.50g(26.2ミリモル)、デカン10.3mlおよび2-エチルヘキシルアルコール(EHA、2-エチルヘキサノール)12.3g(94.3ミリモル)を140℃で4時間加熱反応させて均一溶液とした後、エチルアルコール(EtOH、エタノール)0.72g(15.7ミリモル)を加え、50℃で1時間加熱反応させた後、室温に徐冷した。
得られた固体状チタン触媒成分(I-1)のデカン懸濁液をレーザー粒度分布測定装置で計測したところ、D50は2.7μm、SPANは0.85であった。
内容積1リットルのオートクレーブ中に、エチレン雰囲気下、精製n-ヘプタン500mlを装入し、トリエチルアルミニウム0.25ミリモル、および上記で得られたエチレン重合用固体状チタン触媒成分(I-1)のデカン懸濁液をチタン原子換算で0.005ミリモル相当量加えた後、80℃に昇温し、水素を0.3MPa供給し、次いでゲージ圧で0.6MPaとなるようにエチレンを連続的に1.5時間供給した。重合温度は80℃に保った。
「エチレン重合用固体状チタン触媒成分の調製」
2-イソプロピル-2-イソブチル-1,3-ジメトキシプロパンの添加量を0.53g(2.62ミリモル)から0.66g(3.28ミリモル、Mgに対して0.125モル比)に変えた以外は、実施例1と同様に実施して、エチレン重合用固体状チタン触媒成分(I-2)を得た。レーザー粒度分布測定装置による測定結果を表1に示す。
エチレン重合用固体状チタン触媒成分(I-2)を用いた以外は実施例1と同様にしてエチレンの重合を行った。結果を表2に示す。
「エチレン重合用固体状チタン触媒成分の調製」
2-イソプロピル-2-イソブチル-1,3-ジメトキシプロパンの添加量を0.53g(2.62ミリモル)から0.80g(3.93ミリモル、Mgに対して0.15モル比)に変えた以外は、実施例1と同様に実施して、エチレン重合用固体状チタン触媒成分(I-3)を得た。レーザー粒度分布測定装置による測定結果を表1に示す。
エチレン重合用固体状チタン触媒成分(I-3)を用いた以外は実施例1と同様にしてエチレンの重合を行った。結果を表2に示す。
「エチレン重合用固体状チタン触媒成分の調製」
無水塩化マグネシウム2.50g(26.2ミリモル)、デカン10.3mlおよび2-エチルヘキシルアルコール(EHA)12.3g(94.3ミリモル)を140℃で4時間加熱反応させて均一溶液とした後、エチルアルコール(EtOH)0.72g(15.7ミリモル)を加え、50℃で1時間加熱反応させた後、室温に徐冷した。
得られた固体状チタン触媒成分(I-4)のデカン懸濁液をレーザー粒度分布測定装置で計測したところ、D50が4.0μm、SPANが1.15であった。
エチレン重合用固体状チタン触媒成分(I-4)を用いた以外は実施例1と同様にしてエチレンの重合を行った。結果を表2に示す。
「エチレン重合用固体状チタン触媒成分の調製」
無水塩化マグネシウム2.50g(26.2ミリモル)、デカン10.3mlおよび2-エチルヘキシルアルコール(EHA)12.3g(94.3ミリモル)を140℃で4時間加熱反応させて均一溶液とした後、エチルアルコール(EtOH)0.97g(21.0ミリモル)を加え、50℃で1時間加熱反応させた後、室温に徐冷した。
得られた固体状チタン触媒成分(I-5)のデカン懸濁液をレーザー粒度分布測定装置で計測したところ、D50が3.2μm、SPANが0.81であった。
エチレン重合用固体状チタン触媒成分(I-5)を用いた以外は実施例1と同様にしてエチレンの重合を行った。結果を表2に示す。
「エチレン重合用固体状チタン触媒成分の調製」
エチルアルコール(EtOH)の添加量を0.97g(21.0ミリモル)から1.21g(26.2ミリモル)に変えた以外は、実施例5と同様に実施して、エチレン重合用固体状チタン触媒成分(I-6)を得た。レーザー粒度分布測定装置による測定結果を表1に示す。
エチレン重合用固体状チタン触媒成分(I-6)を用いた以外は実施例1と同様にしてエチレンの重合を行った。結果を表2に示す。
「エチレン重合用固体状チタン触媒成分の調製」
無水塩化マグネシウム2.50g(26.2ミリモル)、デカン14.8mlおよび2-エチルヘキシルアルコール(EHA)8.53g(65.5ミリモル)を140℃で4時間加熱反応させて均一溶液とした後、エチルアルコール(EtOH)0.72g(15.7ミリモル)および2-イソプロピル-2-イソブチル-1,3-ジメトキシプロパンを0.66g(3.28ミリモル、Mgに対して0.125モル比)を加え、50℃で1時間加熱反応させた後、室温に徐冷した。
上記の通り、比較例1ではSPAN値が比較的大きいので、プラント運転に使用した場合、微粉や溶媒可溶成分が十分に低減できない可能性が有る。
「エチレン重合用固体状チタン触媒成分の調製」
無水塩化マグネシウム2.50g(26.2ミリモル)、デカン10.3mlおよび2-エチルヘキシルアルコール(EHA)12.3g(94.3ミリモル)を140℃で4時間加熱反応させて均一溶液とした後、エチルアルコール(EtOH)0.72g(15.7ミリモル)および2-イソプロピル-2-イソブチル-1,3-ジメトキシプロパンを0.27g(1.31ミリモル、Mgに対して0.05モル比)を加え、50℃で1時間加熱反応させた後、室温に徐冷した。
得られた固体状チタン触媒成分(C-2)のデカン懸濁液をレーザー粒度分布測定装置で計測したところ、D50が3.3μm、SPANが0.82であった。
エチレン重合用固体状チタン触媒成分(C-2)を用いた以外は実施例1と同様にして
エチレンの重合を行った。結果を表2に示す。
比較例2の結果は、NNI値が高めで、分子量分布がやや広い結果であった。
「エチレン重合用固体状チタン触媒成分の調製」
2-イソプロピル-2-イソブチル-1,3-ジメトキシプロパンの添加量を0.27g(1.31ミリモル)から0.53g(2.62ミリモル、Mgに対して0.10モル比)に変えた以外は、比較例2と同様に実施した。その結果、十分な大きさへの粒子の生長が起きなかったことで、濾過の際に固体部がすべて濾液側に流出したため、エチレン重合用固体状チタン触媒成分を得ることができなかった。
「エチレン重合用固体状チタン触媒成分の調製」
2-イソプロピル-2-イソブチル-1,3-ジメトキシプロパンの添加温度を110℃から80℃に変えた以外は、実施例1と同様に実施したところ、エチレン重合用固体状チタン触媒成分(C-3)を得た。レーザー粒度分布測定装置による測定結果を表1に示す。
上記の通り、比較例4ではSPAN値が比較的大きいので、プラント運転に使用した場合、微粉や溶媒可溶成分が十分に低減できない可能性が有る。
「エチレン重合用固体状チタン触媒成分の調製」
2-イソプロピル-2-イソブチル-1,3-ジメトキシプロパンを添加しなかったこと以外は、実施例1と同様に実施したところ、エチレン重合用固体状チタン触媒成分(C-4)を得た。レーザー粒度分布測定装置による測定結果を表1に示す。
上記の通り、比較例5ではSPAN値が比較的大きいので、プラント運転に使用した場合、微粉や溶媒可溶成分が十分に低減できない可能性が有る。
「エチレン重合用固体状チタン触媒成分の調製」
2-イソプロピル-2-イソブチル-1,3-ジメトキシプロパンの添加量を0.53g(2.62ミリモル)から1.06g(5.24ミリモル、Mgに対して0.20モル比)に変えた以外は、実施例1と同様に実施して、エチレン重合用固体状チタン触媒成分(C-7)を得た。レーザー粒度分布測定装置による測定結果を表1に示す。
エチレン重合用固体状チタン触媒成分(C-7)を用いた以外は実施例1と同様にしてエチレンの重合を行った。結果を表2に示す。
比較例6は、活性が低く、嵩比重も高めの結果となった。
Claims (7)
- (1)マグネシウム化合物と炭素数1~5の電子供与体(a)と炭素数6~30の電子供与体(b)とを含む液状マグネシウム化合物(A)と、
液状チタン化合物(C)とを、
電子供与体(B1)を用いずに、または電子供与体(B1)を用いる場合は電子供与体(B1)の存在下に、液状マグネシウム化合物(A)に含まれるマグネシウム原子(Mg)と電子供与体(B1)とのモル比[(B1)/(Mg)]が0.04以下であり、-30~50℃の条件で接触させて、接触物を得る工程;ならびに
(2)前記接触物と、電子供与体(B2)とを、前記接触物に含まれるマグネシウム原子(AC)と電子供与体(B2)とのモル比[(B2)/(AC)]が0.05~0.19であり、85~135℃の条件で、接触させる工程;
を有する、チタン、マグネシウムおよびハロゲンを含有するエチレン重合用固体状チタン触媒成分(I)の製造方法。 - 前記電子供与体(a)の使用量と前記電子供与体(b)の使用量とのモル比[(a)/(b)]が1未満であり、かつ、前記電子供与体(a)、前記電子供与体(b)、前記電子供与体(B1)および前記電子供与体(B2)が、環状エーテル化合物を除くヘテロ原子含有化合物である請求項1に記載のエチレン重合用固体状チタン触媒成分(I)の製造方法。
- 前記電子供与体(a)が炭素数1~5のアルコールであり、
前記電子供与体(b)が炭素数6~12のアルコールである
請求項1または2に記載のエチレン重合用固体状チタン触媒成分(I)の製造方法。 - 前記電子供与体(B1)および/または(B2)が、ポリエーテル類を含む請求項1~3の何れか1項に記載のエチレン重合用固体状チタン触媒成分(I)の製造方法。
- 請求項1~5の何れか1項に記載の製造方法でエチレン重合用固体状チタン触媒成分(I)を得、前記エチレン重合用固体状チタン触媒成分(I)と有機金属化合物触媒成分(II)とを含む態様とするエチレン重合用触媒の製造方法。
- 請求項6に記載のエチレン重合用触媒の製造方法でエチレン重合用触媒を得、その存在下に、エチレンの単独重合、またはエチレンと他のオレフィンとの共重合を行う、エチレンの重合方法。
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