JP7228360B2 - 膜エレメントおよび膜分離機器 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば膜分離活性汚泥法(MBR)と称される分野で汚泥と処理水との分離のために用いられる膜エレメントおよび膜エレメントを備えた浸漬型の膜分離機器に関するものである。
従来、この種の膜エレメントとしては、例えば図14に示すように、樹脂製のろ板101の両面にろ過膜102を接合したものがあり、ろ過膜102の周縁部102aが熱溶着又は超音波溶着によってろ板101に固着されている。ろ板101とろ過膜102との間およびろ板101の内部には透過液流路(図示省略)が形成され、透過液流路に連通する透過液取出口103がろ板101の上端縁に設けられている。
図15の実線で示すように、上記のような膜エレメント104は、膜ケース(図示省略)内に、所定間隔おきに複数配列されている。
これによると、ろ過運転を行っている際、被処理液は、ろ過膜102を一次側から二次側へ通過してろ過され、その後、透過液105として透過液流路を流れ、透過液取出口103から外部へ取り出される。また、ろ過運転を停止し、膜エレメント104を逆洗する際、逆洗用水を透過液取出口103から透過液流路に注入する。これにより、逆洗用水がろ過膜102を二次側から一次側へ通過し、ろ過膜102が逆洗される。
このような膜エレメント104では、ろ過膜102の全体がろ板101に固着しているのではなく、ろ過膜102の周縁部102aのみがろ板101に溶着されているため、ろ過膜102を逆洗している際、図15の仮想線で示すように、ろ過膜102が外向き(一次側)に膨出し、隣の膜エレメント104のろ過膜102と接触することがあった。このように、隣り同士の膜エレメント104のろ過膜102が膨出して接触してしまうと、逆洗の効果が低下するといった虞があった。また、長期にわたり二次側へ逆洗用水を導入することで、ろ過膜102が外向きに膨出し、ろ過膜102の周縁部102aの溶着部分が開口する虞があった。
このような問題を解決するために、図16に示すように、第一ろ過膜111と、第二ろ過膜112と、これら両ろ過膜111,112の間に設けられた排液織布113と、第一ろ過膜111と排液織布113とを接着する接着性ネット114と、第二ろ過膜112と排液織布113とを接着する接着性ネット115とを有する膜エレメント116がある。尚、排液織布113は、ループを形成するように編んだ三次元構造のスペーサ布地(スペーサーファブリック)である。
第一ろ過膜111と第二ろ過膜112との間に排液織布113と接着性ネット114,115とを積層して、加熱ロールで圧延することにより、接着性ネット114,115が一時的に融解し、第一接着性ネット114を介して第一ろ過膜111と排液織布113とが接着されるとともに、第二接着性ネット115を介して第二ろ過膜112と排液織布113とが接着され、膜エレメント116が完成する。
これによると、第一ろ過膜111と排液織布113とは第一接着性ネット114を介して全面的に接着されているため、第一ろ過膜111を逆洗している際、第一ろ過膜111が外向き(一次側)に膨出することはない。同様に、第二ろ過膜112と排液織布113とは第二接着性ネット115を介して全面的に接着されているため、第二ろ過膜112を逆洗している際、第二ろ過膜112が外向き(一次側)に膨出することはない。
尚、上記のような膜エレメント116は例えば下記特許文献1に記載されている。
また、下記特許文献2には、溶剤に溶かした液状の膜材料樹脂(以下「ドープ」と言う)を、スペーサーファブリックの片側又は両側の面(フェース)に、直接塗布し、相分離法によってスペーサーファブリックのフェース上にろ過膜層を形成することが記載されている。
特表2011-519716 WO 2006/015461 A1
しかしながら上記特許文献1に挙げた従来形式では、図16に示したように、膜エレメント116を製作するには、排液織布113とろ過膜111,112とは別に、接着性ネット114,115が必要になるため、膜エレメント116を構成する部品の種類が増えるといった問題がある。
また、上記特許文献2については、スペーサーファブリックの内部空間はろ過膜層を透過した透過液の通り道となるのであるが、ドープをスペーサーファブリックのフェースに直接塗布した際、ドープの粘性が低いと、ドープがスペーサーファブリックの内部空間に侵入して固化し、スペーサーファブリックの内部における透過液の流れが妨げられる虞がある。
本発明は、構成部品の種類を減らすことが可能な膜エレメントおよび膜分離機器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本第1発明は、ろ過膜と流路材とが接合された膜エレメントであって、
流路材は、糸を三次元構造に編んだ編物から成り、その内部に、ろ過膜を透過した透過液が流れる空隙を有し、
ろ過膜は流路材に接合する接合面を有し、
接合面を形成する糸は、芯材と、芯材を覆う鞘材とで形成され、
鞘材は流路材を構成する糸の軟化点以下の軟化点を有し、
芯材は鞘材の軟化点よりも高い軟化点を有するものである。
これによると、流路材にろ過膜の接合面を重ねて配置し、流路材とろ過膜を、接合面を形成している糸の鞘材の軟化点の温度以上で且つ流路材を構成する糸の軟化点の温度以下の加熱温度に加熱する。これにより、接合面を形成している糸の鞘材が軟化して、鞘材の樹脂が流路材に絡み付くため、ろ過膜の接合面が流路材に全面的に接合される。このように、流路材とろ過膜とで膜エレメントを製作することができるため、接着性ネット等の接着専用の部材が不要になり、膜エレメントを構成する部品の種類を減らすことができる。
また、上記のように加熱温度は流路材を構成する糸の軟化点以下であるため、流路材が軟化して流路材の内部の空隙が潰れてしまうのを防止することができる。
さらに、接合面を形成している糸の芯材は鞘材の軟化点よりも高い軟化点を有するため、芯材が軟化するのを防止することができる。これにより、鞘材よりも可撓性が低い(又は反発力が高い或いは弾性が高い)樹脂を用いて芯材を構成することにより、ろ過膜の接合面の強度が向上する。
本第2発明における膜エレメントは、ろ過膜と流路材とが接合された膜エレメントであって、
流路材は、糸を三次元構造に編んだ編物から成り、その内部に、ろ過膜を透過した透過液が流れる空隙を有し、
ろ過膜は流路材に接合する接合面を有し、
接合面を形成する糸は複数の構成糸を撚ることにより形成され、
構成糸の1本以上が、流路材を構成する糸の軟化点以下の軟化点を有する低融点糸であるものである。
これによると、流路材にろ過膜の接合面を重ねて配置し、流路材とろ過膜を、接合面を形成している低融点糸の軟化点の温度以上で且つ流路材を構成する糸の軟化点の温度以下の加熱温度に加熱する。これにより、接合面の低融点糸が軟化して、低融点糸の樹脂が流路材に絡み付くため、ろ過膜の接合面が流路材に全面的に接合される。このように、流路材とろ過膜とで膜エレメントを製作することができるため、接着性ネット等の接着専用の部材が不要になり、膜エレメントを構成する部品の種類を減らすことができる。
また、上記のように加熱温度は流路材を構成する糸の軟化点以下であるため、流路材が軟化して流路材の内部の空隙が潰れてしまうのを防止することができる。
本第3発明における膜エレメントは、低融点糸は、芯材と、芯材を覆う鞘材とで形成され、
鞘材は流路材を構成する糸の軟化点以下の軟化点を有し、
芯材は鞘材の軟化点よりも高い軟化点を有するものである。
これによると、流路材の接合面にろ過膜を配置し、流路材とろ過膜を、接合面を形成している低融点糸の鞘材の軟化点の温度以上で且つ流路材を構成する糸の軟化点の温度以下の加熱温度に加熱する。これにより、低融点糸の鞘材が軟化して、鞘材の樹脂が流路材に絡み付くため、ろ過膜の接合面が流路材に全面的に接合される。この際、低融点糸の芯材は鞘材の軟化点よりも高い軟化点を有するため、芯材が軟化するのを防止することができる。
これにより、鞘材よりも可撓性が低い(又は反発力が高い或いは弾性が高い)樹脂を用いて芯材を構成することにより、ろ過膜の接合面の強度が向上する。
本第4発明における膜エレメントは、低融点糸の材質がポリオレフィン系樹脂であるものである。
本第5発明における膜エレメントは、鞘材の材質がポリオレフィン系樹脂であるものである。
本第6発明における膜エレメントは、流路材を構成する糸の材質の一部がポリエステル系樹脂であるものである。
本第7発明は、ろ過膜と流路材とが接合された膜エレメントであって、
流路材は、糸を三次元構造に編んだ編物から成り、その内部に、ろ過膜を透過した透過液が流れる空隙を有し、
ろ過膜は、多孔質の膜シートと、膜シートの裏面に設けられた不織布とを積層したものであり、
不織布は流路材に接合する接合面を有し、
接合面を形成する糸の少なくとも一部が、流路材を構成する糸の軟化点以下の軟化点を有する低融点糸であり、
膜シートの軟化点が不織布に含まれる低融点糸の軟化点よりも高いものである。
これによると、流路材にろ過膜の接合面を重ねて配置し、流路材とろ過膜を、不織布に含まれる低融点糸の軟化点の温度以上で且つ膜シートの軟化点の温度よりも低い加熱温度に加熱する。これにより、不織布に含まれる低融点糸が軟化して、低融点糸の樹脂が流路材に絡み付くため、ろ過膜の接合面が流路材に全面的に接合される。
また、上記のように加熱温度は膜シートの軟化点よりも低いため、膜シートが軟化して膜シートの微細孔径が変化するのを防止することができる。
本第8発明における膜エレメントは、多孔質の膜シートはePTFEを材質とするものである。
本第9発明は、第1発明から第8発明のいずれか1項に記載の膜エレメントを備えた膜分離機器であって、
複数の膜エレメントを支持する支持部材を備え、
支持部材は内部に集水空間を有し、
各膜エレメントの端部が集水空間に挿入され、
ろ過膜を透過した透過液が流路材内の空隙を通って支持部材の集水空間に流れ込むものである。
これによると、膜分離機器を被処理液中に浸漬させた状態で、ろ過運転を行うことにより、被処理液は、膜エレメントのろ過膜を一次側から二次側へ通過してろ過され、その後、透過液として、流路材の内部の空隙に流れ込み、流路材内の空隙を通って、支持部材の集水空間に流出する。
以上のように本発明によると、流路材とろ過膜とで膜エレメントを製作することができるため、接着性ネット等の接着専用の部材が不要になり、膜エレメントを構成する部品の種類を減らすことができる。
本発明の第1の実施の形態における複数台の膜分離機器を用いた膜分離装置の正面図である。 同、膜分離機器の斜視図である。 同、膜分離機器の断面図である。 同、膜分離機器の膜エレメントの構成を示す一部切欠き斜視図である。 同、膜エレメントの断面を拡大した模式図である。 同、膜エレメントの流路材の断面を拡大した模式図である。 図6におけるX-X矢視図であり、流路材のフェースを拡大した模式図である。 同、膜エレメントのろ過膜の断面を拡大した模式図である。 同、膜エレメントのろ過膜の構成を示す一部切欠き斜視図である。 本発明の第2の実施の形態における膜エレメントのろ過膜の断面を拡大した模式図である。 同、膜エレメントのろ過膜の構成を示す一部切欠き斜視図である。 本発明の第3の実施の形態における膜エレメントのろ過膜の断面を拡大した模式図である。 同、膜エレメントのろ過膜の不織布の低融点糸の断面を拡大した模式図である。 従来の膜エレメントの正面図である。 同、膜エレメントの側面図であり、複数の膜エレメントを所定間隔おきに配置した状態を示す。 別の従来の膜エレメントの構成を示す一部切欠き斜視図である。
以下、本発明における実施の形態を、図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態では、図1に示すように、1は膜ろ過を行う浸漬型の膜分離装置であり、有機性排水等の被処理液2中に浸漬されて処理槽3内に設置されている。膜分離装置1は、上下方向に積み重ねられた複数台の膜分離機器5(膜ろ過モジュールとも言う)と、最下段に設けられた散気装置6とを有している。
図2,図3に示すように、膜分離機器5は、左右一対の集水ケース11(支持部材の一例)と、これら両集水ケース11間に支持されている複数の膜エレメント12と、前後一対の連結板13とを有している。集水ケース11は内部に集水空間15を有する中空状の部材である。また、連結板13は両集水ケース11の前端部間および後端部間にそれぞれ設けられている。
尚、下位の膜分離機器5の集水ケース11内の集水空間15と上位の膜分離機器5の集水ケース11内の集水空間15とは連通口16によって連通している。
集水ケース11の内側壁17には、上下方向に細長い複数の貫通孔が形成され、各膜エレメント12の左右両端部が各貫通孔に挿入されて集水空間15内に突入している。
膜エレメント12は、例えば四角形のシート状の部材であり、流路材21と、流路材21の表裏両面に接合されたろ過膜22とを有している。
図4~図7に示すように、流路材21は、糸を三次元構造に編んだ編物からなるスペーサーファブリックであり、表裏一対のフェース25と、一対のフェース25をつなぐ多数本のパイル糸27とを有している。尚、フェース25は多数本の互いに縦横に交差するフェース糸29を有する編物である。
流路材21の内部におけるパイル糸27間には、ろ過膜22を透過した透過液33が流れる微小な空隙32が形成されている。
例えば、パイル糸27とフェース糸29には、約240℃~280℃の軟化点T1を有するポリエチレンテレフタラート(PET)製の糸が用いられている。
上記のようなスペーサーファブリックからなる流路材21の糸使いは、例えば、フェース糸29が「56T24」、パイル糸27が「56T1」、パイル糸27の密度が379本/cmである。また、膜エレメント12を製作する前の流路材21の単体での厚さAは例えば約2mm~5mmである。尚、上記「56T24」とは、撚り合わせた糸の太さが56dtex、撚り糸数が24本であることを表しており、「56T1」とは、撚り合わせた糸の太さが56dtex、撚り糸数が1本であることを表している。
図5,図8,図9に示すように、ろ過膜22は、多数の微細孔を有する多孔質の膜シート34を外面側に有するとともに、この膜シート34を支持する不織布35を内面側に有しており、これら膜シート34と不織布35とを積層したものである。
ろ過膜22の不織布35は、坪量が30~300g/mであり、流路材21のフェース25に接合する接合面36を有している。また、不織布35は、流路材21を構成するパイル糸27およびフェース糸29の軟化点T1以下の軟化点T2を有する複数の低融点糸37と、低融点糸37よりも高い軟化点T3を有する複数の高融点糸38とを含んでいる。これにより、ろ過膜22の接合面36を形成する糸の一部が低融点糸37である構成が得られる。
低融点糸37としては、約80℃~120℃の軟化点T2を有するポリエチレン(PE)製の糸が用いられている。また、高融点糸38としては、約240℃~280℃の軟化点T3を有するポリエチレンテレフタラート(PET)製の糸が用いられている。尚、不織布35は、ポリエチレンとポリエチレンテレフタラートの2種類の綿を混合した後、分散および熱圧延したサーマルボンド不織布である。
また、膜シート34の材質には、約330℃~350℃の軟化点T4を有するポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)が用いられている。膜シート34の軟化点T4は、パイル糸27とフェース糸29の軟化点T1および不織布35に含まれる低融点糸37の軟化点T2ならびに高融点糸38の軟化点T3のいずれの軟化点よりも高い。すなわち、各軟化点は、T2≦T1,T3<T4の関係にある。
以下、上記構成における作用を説明する。
膜エレメント12を製作する際、一対のろ過膜22間に流路材21を挟んで配置し、これら流路材21と両ろ過膜22との3つの部材を、上下一対の加熱ロール間に挿通して、圧縮しながら加熱する。
この際、流路材21とろ過膜22とを、ろ過膜22の不織布35の低融点糸37の軟化点T2の温度以上で且つ流路材21のパイル糸27およびフェース糸29の軟化点T1以下の加熱温度に加熱する。これにより、不織布35の接合面36の低融点糸37が軟化して、低融点糸37の樹脂が流路材21のフェース糸29に絡み付くため、ろ過膜22の接合面36が流路材21に全面的に接合される。尚、このときの加熱温度は例えば120℃~200℃に設定される。
また、上記のように加熱温度は流路材21のパイル糸27およびフェース糸29の軟化点T1の温度以下と低いため、流路材21が軟化して流路材21の内部の空隙32が潰れてしまうのを防止することができる。これにより、流路材21の内部における透過液33の流れが阻害されることはない。
また、流路材21とろ過膜22とで膜エレメント12を製作することができるため、接着性ネット等の接着専用の部材が不要になり、膜エレメント12を構成する部品の種類を減らすことができる。このようにして製作された膜エレメント12の厚さは、例えば0.8~3mmである。
また、本発明の膜エレメント12は加熱することによってろ過膜22を流路材21(スペーサーファブリック)に融着しており、従来のように溶剤に溶かしたドープをスペーサーファブリックのフェースに直接塗布してろ過膜層を形成するものではないため、透過液33の通り道となる流路材21(スペーサーファブリック)内の微小な空隙32(内部空間)に、ドープが侵入して固化することはない。
また、加熱温度は膜シート34の軟化点T4よりも低いため、膜シート34が軟化して膜シート34の微細孔径が変化するのを防止することができる。
このようにして製作された可撓性を有する膜エレメント12が備えられた膜分離機器5を、図1~図3に示すように、被処理液2中に浸漬した状態で、ろ過運転を行う。これにより、被処理液2は、膜エレメント12のろ過膜22を一次側から二次側へ通過してろ過され、その後、透過液33として、流路材21の内部の微小な空隙32に流れ込み、この空隙32を通って流路材21から集水ケース11内の集水空間15に流出し、連通孔16を通って最上位の膜分離機器5の集水ケース11内から処理槽3の外部へ取り出される。
(第2の実施の形態)
以下に、第2の実施の形態を図10,図11に基づいて説明する。尚、先述した第1の実施の形態における部材と同じ部材については、同一の符号を付記して、詳細な説明を省略する。
ろ過膜22の不織布35は複数本(多数本)の糸45を有している。これらの糸45のそれぞれは複数本の構成糸を撚ることにより形成されている。これにより、ろ過膜22の接合面36を形成する糸45は複数本の構成糸を撚ることにより形成される。
このような糸45を形成している複数本の構成糸の1本以上が、流路材21を構成するパイル糸27およびフェース糸29の軟化点T1以下の軟化点T2を有する低融点糸である。尚、低融点糸としては、約80℃~120℃の軟化点T2を有するポリエチレン(PE)製の糸が用いられている。
以下、上記構成における作用を説明する。
膜エレメント12を製作する際、一対のろ過膜22間に流路材21を挟んで配置し、これら流路材21と両ろ過膜22との3つの部材を、上下一対の加熱ロール間に挿通して、圧縮しながら加熱する。
この際、流路材21とろ過膜22とを、ろ過膜22の不織布35の低融点糸の軟化点T2の温度以上で且つ流路材21のパイル糸27およびフェース糸29の軟化点T1の温度以下の加熱温度に加熱する。これにより、不織布35の接合面36の低融点糸が軟化して、低融点糸の樹脂が流路材21のフェース糸29に絡み付くため、ろ過膜22の接合面36が流路材21に全面的に接合される。
上記第1および第2の実施の形態では、低融点糸37の材質にポリエチレンを用いているが、これに限定されるものではなく、ポリエチレン以外のポリオレフィン系樹脂を用いてもよい。また、流路材21を構成するパイル糸27およびフェース糸29の材質および高融点糸38の材質にそれぞれポリエチレンテレフタラートを用いているが、これに限定されるものではなく、例えばポリエチレンテレフタラート以外のポリエステル系樹脂を用いてもよい。
(第3の実施の形態)
以下に、第3の実施の形態を図12,図13に基づいて説明する。尚、先述した第1の実施の形態における部材と同じ部材については、同一の符号を付記して、詳細な説明を省略する。
不織布35は複数本(多数本)の低融点糸37(ろ過膜の接合面を形成する糸の一例)からなるが、複数本(多数本)の高融点糸38を含んでいてもよい。
低融点糸37は、芯材51と、芯材51を覆う鞘材52とで形成されている。鞘材52は流路材21を構成するパイル糸27およびフェース糸29の軟化点T1以下の軟化点T2を有している。尚、鞘材52としては、約80℃~120℃の軟化点T2を有するポリエチレン(PE)製の鞘材が用いられている。
また、芯材51は鞘材52の軟化点T2よりも高い軟化点T3を有している。尚、芯材51としては、約240℃~280℃の軟化点T3を有するポリエチレンテレフタラート(PET)製の芯材が用いられている。
高融点糸38は低融点糸37の鞘材52よりも高い軟化点T3を有している。尚、高融点糸38としては、約240℃~280℃の軟化点T3を有するポリエチレンテレフタラート(PET)製の糸が用いられている。
また、不織布35は、上記低融点糸37からなる綿を分散および熱圧延したスパンボンド不織布であってもよいし、上記低融点糸37からなる綿と高融点糸38からなる綿とを分散および熱圧延したサーマルボンド不織布であってもよい。
以下、上記構成における作用を説明する。
膜エレメント12を製作する際、一対のろ過膜22間に流路材21を挟んで配置し、これら流路材21と両ろ過膜22との3つの部材を、上下一対の加熱ロール間に挿通して、圧縮しながら加熱する。
この際、流路材21とろ過膜22とを、ろ過膜22の不織布35の低融点糸37の鞘材52の軟化点T2の温度以上で且つ流路材21のパイル糸27およびフェース糸29の軟化点T1以下の加熱温度に加熱する。これにより、不織布35の接合面36の低融点糸37の鞘材52が軟化して、鞘材52の樹脂が流路材21のフェース糸29に絡み付くため、ろ過膜22の接合面36が流路材21に全面的に接合される。
この際、芯材51は鞘材52の軟化点T2よりも高い軟化点T3を有するため、加熱温度を芯材51の軟化点T3の温度よりも低くすることにより、芯材51が軟化するのを防止することができる。これにより、鞘材52よりも可撓性が低い(又は反発力が高い或いは弾性が高い)樹脂を用いて芯材51を構成することにより、ろ過膜22の接合面36の強度が向上する。
上記第3の実施の形態では、鞘材52の材質にポリエチレンを用いているが、これに限定されるものではなく、ポリエチレン以外のポリオレフィン系樹脂を用いてもよい。また、芯材51の材質にポリエチレンテレフタラートを用いているが、これに限定されるものではなく、例えばポリエチレンテレフタラート以外のポリエステル系樹脂を用いてもよい。
上記各実施の形態では、図4に示すように、流路材21の表裏両面にそれぞれろ過膜22を接合しているが、ろ過膜22を流路材21の表裏いずれか一面に接合し、他面側を水密にしてもよい。
上記各実施の形態では、各軟化点T1~T4を指標にしているが、軟化点T1~T4の代わりに融点を指標にしてもよい。尚、融点を指標にする場合であっても、軟化点T1~T4と同様の温度の高低関係が成立する。
上記各実施の形態では、流路材21のパイル糸27とフェース糸29に、ポリエチレンテレフタラート製の糸を用いているが、ポリエチレンテレフタラート製の糸とポリエチレン製の糸とを混在させてもよい。
上記各実施の形態では、パイル糸27の糸使いを「56T1」、パイル糸27の密度を379本/cmにしているが、これらに限定されるものではなく、例えば「33T1」、密度約370~390本/cmであってもよい。
また、上記各実施の形態において示したポリエチレン、ポリエチレンテレフタラート、ポリテトラフルオロエチレン等の材質および数値は、一例であって、これらに限定されるものではない。
5 膜分離機器
11 集水ケース(支持部材)
12 膜エレメント
15 集水空間
21 流路材
22 ろ過膜
27 パイル糸(流路材を構成する糸)
29 フェース糸(流路材を構成する糸)
32 空隙
33 透過液
34 膜シート
35 不織布
36 接合面
37 低融点糸
45 糸(接合面を形成する糸)
51 芯材
52 鞘材

Claims (9)

  1. ろ過膜と流路材とが接合された膜エレメントであって、
    流路材は、糸を三次元構造に編んだ編物から成り、その内部に、ろ過膜を透過した透過液が流れる空隙を有し、
    ろ過膜は流路材に接合する接合面を有し、
    接合面を形成する糸は、芯材と、芯材を覆う鞘材とで形成され、
    鞘材は流路材を構成する糸の軟化点以下の軟化点を有し、
    芯材は鞘材の軟化点よりも高い軟化点を有することを特徴とする膜エレメント。
  2. ろ過膜と流路材とが接合された膜エレメントであって、
    流路材は、糸を三次元構造に編んだ編物から成り、その内部に、ろ過膜を透過した透過液が流れる空隙を有し、
    ろ過膜は流路材に接合する接合面を有し、
    接合面を形成する糸は複数の構成糸を撚ることにより形成され、
    構成糸の1本以上が、流路材を構成する糸の軟化点以下の軟化点を有する低融点糸であることを特徴とする膜エレメント。
  3. 低融点糸は、芯材と、芯材を覆う鞘材とで形成され、
    鞘材は流路材を構成する糸の軟化点以下の軟化点を有し、
    芯材は鞘材の軟化点よりも高い軟化点を有することを特徴とする請求項2に記載の膜エレメント。
  4. 低融点糸の材質がポリオレフィン系樹脂であることを特徴とする請求項2に記載の膜エレメント。
  5. 鞘材の材質がポリオレフィン系樹脂であることを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の膜エレメント。
  6. 流路材を構成する糸の材質がポリエステル系樹脂であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の膜エレメント。
  7. ろ過膜と流路材とが接合された膜エレメントであって、
    流路材は、糸を三次元構造に編んだ編物から成り、その内部に、ろ過膜を透過した透過液が流れる空隙を有し、
    ろ過膜は、多孔質の膜シートと、膜シートの裏面に設けられた不織布とを積層したものであり、
    不織布は流路材に接合する接合面を有し、
    接合面を形成する糸の少なくとも一部が、流路材を構成する糸の軟化点以下の軟化点を有する低融点糸であり、
    膜シートの軟化点が不織布に含まれる低融点糸の軟化点よりも高いことを特徴とする膜エレメント。
  8. 多孔質の膜シートはePTFEを材質とすることを特徴とする請求項7に記載の膜エレメント。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の膜エレメントを備えた膜分離機器であって、
    複数の膜エレメントを支持する支持部材を備え、
    支持部材は内部に集水空間を有し、
    各膜エレメントの端部が集水空間に挿入され、
    ろ過膜を透過した透過液が流路材内の空隙を通って支持部材の集水空間に流れ込むことを特徴とする膜分離機器。
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