JP7227707B2 - 揮散性成分の揮散方法 - Google Patents
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Description
(1)フィルムに少なくとも第1の揮散性成分が内包された内包体を、第1の揮散性成分とは異なる第2の揮散性成分を含む液相に浸漬させる工程を含み、フィルムが、第1の揮散性成分を透過させないフィルムであり、液相がフィルムに対して浸食性を有する溶剤を主として含有し、浸食されたフィルムを介して溶剤が内包体に浸入して第1の揮散性成分を溶解し、第1の揮散性成分が、溶剤および第2の揮散性成分の少なくとも一方により浸食されたフィルムを透過して液相に移動する揮散性成分の揮散方法。
(2)溶剤が、アルコール類、グリコール類、炭化水素類および水からなる群より選択される少なくとも1種を含む溶剤である上記(1)に記載の揮散性組成物。
(3)内包体および液相のうち、少なくとも内包体に着色剤がさらに含まれる上記(1)または(2)に記載の揮散性組成物。
(4)フィルムに少なくとも第1の揮散性成分が内包された内包体と、フィルムに対して浸食性を有する溶剤および第1の揮散性成分とは異なる第2の揮散性成分を含む容器とを備え、フィルムが、第1の揮散性成分を透過させないフィルムであり、内包体を容器内の溶剤に浸漬させることにより、内包体を構成するフィルムが溶剤および第2の揮散性成分の少なくとも一方により浸食され、溶剤が、浸食されたフィルムを介して内包体に浸入し、第1の揮散性成分を溶解して容器内に移動させる、揮散性成分を揮散させるためのキット。
フィルムとしてポリビニルアルコール製のフィルム(水溶性ポバールVF-H#3500、厚さ35μm、(株)クラレ製)を使用した。このフィルムを縦10cmおよび横5cmに切断し、l-メントールの結晶(鈴木薄荷(株)製)1.0gを包んで密閉して内包体を得た。得られた内包体からl-メントールの香りが漏れていないことを確認した。50mL容量のガラス瓶容器(口部径32mm×胴径45mm×高さ78mm)に得られた内包体とエタノール(無水エタノール)35.0gを入れ、内包体とエタノールとを接触させて静置した。静置してから1日後には、容器からl-メントールの香りが発生していた。
エタノールの代わりにジプロピレングリコールを用いた以外は、実施例1と同様の手順で内包体とエタノールとを接触させて静置した。静置してから約1ヶ月後には、容器からl-メントールの香りが発生していた。
フィルムとしてポリエチレン製のフィルム(厚さ40μm、(株)生産日本社製)を使用した。このフィルムを縦10cmおよび横5cmに切断し、テルピネオール(長谷川香料(株)製)1.0gを包んで密閉して内包体を得た。得られた内包体からテルピネオールの香りが漏れていないことを確認した。50mL容量のガラス瓶容器(実施例1と同サイズ)に得られた内包体とイソパラフィン(IP1620、出光興産(株)製)を入れ、内包体とイソパラフィンとを接触させて静置した。静置してから5時間後には、容器からテルピネオールの香りが発生していた。
l-メントールの結晶の代わりに、シトラス系の香料(長谷川香料(株)製)を1.0g用いた以外は実施例1と同様の手順で、内包体とエタノールとを接触させて静置した。静置してから1日後に、容器からシトラス系の香りが発生した。
l-メントールの結晶の代わりに、テルピネオール(長谷川香料(株)製)を1.0g用いた以外は実施例1と同様の手順で、内包体とエタノールとを接触させて静置した。静置してから1日後には、容器からテルピネオールの香りが発生していた。
無水ケイ酸(カープレックス#80、エボニックジャパン(株)製)0.2gにテルピネオール1.0gを含浸させて香料組成物を得た。l-メントールの結晶の代わりに、得られた香料組成物を用いた以外は実施例1と同様の手順で、内包体とエタノールとを接触させて静置した。静置してから1日後には、容器からテルピネオールの香りが発生していた。
粒状パルプ(LBKP(L-材漂白クラフトパルプ)/シリカ(SiO2)、北上製紙(株)製)0.5gにテルピネオール1.0gを含浸させて香料組成物を得た。l-メントールの結晶の代わりに、得られた香料組成物を用いた以外は実施例1と同様の手順で、内包体とエタノールとを接触させて静置した。静置してから1日後には、容器からテルピネオールの香りが発生していた。
揮散紙(ティッシュ/パルプ繊維/ティッシュ不織布、王子キノクロス(株)製)を2cm×2cm×4mmの大きさに切断した。切断した揮散紙にテルピネオール(長谷川香料(株)製)1.0gを含浸させて香料組成物を得た。l-メントールの結晶の代わりに、得られた香料組成物を用いた以外は実施例1と同様の手順で、内包体とエタノールとを接触させて静置した。静置してから1日後には、容器からテルピネオールの香りが発生していた。
l-メントールの結晶1.0gおよび0.05gの着色剤(青色1号)を4.0gのエタノール(無水エタノール)に溶解させて溶液を得た。l-メントールの結晶の代わりに、得られた溶液を用いた以外は実施例1と同様の手順で、内包体とエタノールとを接触させて静置した。静置してから1日後には、容器中のエタノールが透明から青色に変色し始め、容器からl-メントールの香りが発生していた。
テルピネオール1.0gおよび着色剤(青色403号)0.5mgを4.0gのイソパラフィンに溶解させて溶液を得た。l-メントールの結晶の代わりに、得られた溶液を用いた以外は実施例1と同様の手順で内包体を得た。得られた内包体からテルピネオールの香りが漏れていないことを確認した。内包体とは別に、樟脳(福建青松股フン有限公司製(「フン」はにんべんに分))0.02gおよび着色剤(橙色205号)0.05gを35.0gのエタノール(無水エタノール)に溶解させて液相を得た。
液相において、エタノール(無水エタノール)の代わりに、含水エタノール(エタノール31.5gおよび水3.5g)を用いた以外は実施例10と同様の手順で、図3(A)に示すように、容器に吸液芯24(実施例10と同じ仕様)を入れて静置した。静置してから1日後に、内包体20に含まれる溶剤の一部が容器中に流出し始め、図3(B)に示すように、容器内において液相23と内包体20由来の溶剤とが分離していた。さらに、テルピネオールおよび樟脳の香りを確認することができ、液相23中の着色剤と内包体20由来の溶剤中の着色剤とが一部混合し、液相23および内包体20由来の溶剤は橙色および青色を呈していた。吸液芯24は、静置直後、液相23由来の橙色を呈していたものの、徐々に内包体20由来の青色に変化した。静置してから7日後には、テルピネオールの香りを強く確認することができた。吸液芯24の色の変化で香りの変化を明示することができた。24日後には液相23がすべてなくなり、香りもほとんど確認することができなくなった
液相において、エタノール(無水エタノール)の代わりに、含水エタノール(エタノール24.5gおよび水10.5g)を用いた以外は実施例10と同様の手順で、図3(A)に示すように、容器に吸液芯24を入れて静置した。静置してから10分後に、内包体20に含まれる溶剤が容器中に流出し始め、図3(B)に示すように、容器内において液相23と内包体20由来の溶剤とが分離していた。さらに、テルピネオールおよび樟脳の香りを確認することができ、液相23中の着色剤と内包体20由来の溶剤中の着色剤とが一部混合し、液相23および内包体20由来の溶剤は橙色および青色を呈していた。吸液芯24は、静置直後、液相23由来の橙色を呈していたものの、徐々に内包体20由来の青色に変化した。静置してから7日後、24日後には、テルピネオールの香りを強く確認することができた。吸液芯24の色の変化で香りの変化を明示することができた。2ヶ月後には、液相23がすべてなくなり、香りもほとんどなくなり、香りもほとんど確認することができなくなった。
2 フィルム
3、13、23 液相
10、20 内包体
24 吸液芯
Claims (3)
- フィルムに少なくとも第1の揮散性成分が内包された内包体を、第1の揮散性成分とは異なる第2の揮散性成分を含む液相に浸漬させる工程を含み、
フィルムが、ポリビニルアルコール製のフィルムまたはポリエチレン製のフィルムであり、
液相が、フィルムに対して浸食性を有する溶剤を主として含有し、浸食されたフィルムを介して溶剤が内包体に浸入して第1の揮散性成分を溶解し、
溶剤が、無水エタノール、含水エタノール、ジプロピレングリコールまたはイソパラフィンであり、
第1の揮散性成分が、溶剤および第2の揮散性成分の少なくとも一方により浸食されるものの、外観に変化が生じていないフィルムを透過して液相に移動する、
揮散性成分の揮散方法。 - 前記内包体および液相のうち、少なくとも前記内包体に着色剤がさらに含まれる請求項1に記載の揮散方法。
- フィルムに少なくとも第1の揮散性成分が内包された内包体と、
フィルムに対して浸食性を有する溶剤および第1の揮散性成分とは異なる第2の揮散性成分を含む容器と、
を備え、
フィルムが、ポリビニルアルコール製のフィルムまたはポリエチレン製のフィルムであり、
溶剤が、無水エタノール、含水エタノール、ジプロピレングリコールまたはイソパラフィンであり、
内包体を容器内の溶剤に浸漬させることにより、内包体を構成するフィルムが溶剤および第2の揮散性成分の少なくとも一方により浸食され、
溶剤が、浸食されたフィルムを介して内包体に浸入し、第1の揮散性成分を溶解し、外観に変化が生じていないフィルムを透過して容器内に移動させる、
揮散性成分を揮散させるためのキット。
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JP2018125268A JP7227707B2 (ja) | 2018-06-29 | 2018-06-29 | 揮散性成分の揮散方法 |
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JP2020000708A JP2020000708A (ja) | 2020-01-09 |
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Citations (1)
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JP2000355533A (ja) | 1999-06-10 | 2000-12-26 | Hayashibara Biochem Lab Inc | 浴用製品 |
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Patent Citations (1)
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