JP7227691B2 - 粘着剤組成物、およびそれを用いてなる粘着剤、偏光板用粘着剤、ならびに画像表示装置 - Google Patents

粘着剤組成物、およびそれを用いてなる粘着剤、偏光板用粘着剤、ならびに画像表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、粘着剤組成物、およびそれを用いてなる粘着剤、偏光板用粘着剤、ならびに画像表示装置に関し、さらに詳しくは、耐熱性および耐湿熱性等の耐久性に優れた粘着剤を形成することのできる粘着剤組成物、およびそれを用いてなる粘着剤、偏光板用粘着剤、ならびに画像表示装置に関するものである。
従来より、偏光性が付与されたポリビニルアルコール系フィルム等からなる偏光子の両面が保護フィルムで被覆された偏光板を、2枚のガラス板の間に配向した液晶成分を挟持させた液晶セルの表面に積層する、液晶表示装置が製造されている。この液晶セルの表面への偏光板の積層は、偏光板表面に設けた粘着剤層を上記液晶セル面に当接し、押し付けることにより行われるのが通常である。
かかる偏光板(保護フィルム)と液晶セル(ガラス)との貼り合わせに用いられる粘着剤には、例えば、高温、高湿等の環境でも浮きや剥がれが発生しない耐久性、またこのような条件に曝した場合でも、バックライトの光の漏れを防ぐ耐光漏れ性、液晶セルから偏光フィルムを剥離する際に液晶セルを破損したり液晶セルに糊残りが発生したりするのを防止するリワーク性等の、様々な性能が要求されている。
このような耐久性等を改善させる方法として、例えば、特許文献1には、(メタ)アクリル酸アルキルエステルおよび/又は(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル4.5~89重量%、芳香環含有モノマー10~85重量%、水酸基含有モノマー0.5~10重量%、カルボキシル基またはアミノ基含有モノマー0.05~0.5重量%を共重合してなるアクリル系ポリマーを用いた粘着剤組成物が提案されている。
特開2007-138056号公報
しかしながら、かかる特許文献1の開示技術では、水酸基含有モノマーとはいうものの、具体的には、2-ヒドロキシエチルアクリレートが用いられており、かかる2-ヒドロキシエチルアクリレート由来の水酸基では、架橋剤との架橋速度が遅く、充分な架橋を得るためにはエージングに時間を要し、架橋を促進するためには酸や塩基を用いる必要があった。さらに、得られる架橋構造も2-ヒドロキシエチルアクリレート由来の水酸基と架橋剤との架橋よりも、系中の水酸基同士の水素結合が多くなり、架橋密度も高くなく、耐熱性の点でまだまだ満足の行くものではなかった。また、2-ヒドロキシエチルアクリレートの代わりに、4-ヒドロキシブチルアクリレートを用いた例もあるが、この場合には架橋密度が高くなりすぎ、耐久性のみならずリワーク性の点でもまだまだ満足のいくものではなかった。
また、湿熱環境下におけるヘイズについても考慮されていないものであった。
そこで、本発明ではこのような背景下において、架橋剤との反応速度(架橋速度)が速く、架橋密度も良好で、耐久性に優れ、湿熱環境下でのヘイズ抑制(「耐湿熱ヘイズ性」ということがある。)に優れた粘着剤を形成する粘着剤組成物を提供することを目的とするものである。
しかるに本発明者等は、かかる事情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、水酸基含有アクリル系樹脂と架橋剤とを含有する粘着剤組成物において、アクリル系樹脂を構成する水酸基含有モノマーの中でも、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートおよび炭素数4以上のヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリレートを併用し、水酸基含有モノマーの含有割合を特定範囲に調整するとともに、アクリル系樹脂(A)のガラス転移温度(Tg)を特定温度以上とすることにより、良好な粘着物性を有し、耐熱性、耐湿熱性といった耐久性にも優れ、さらに湿熱環境下でのヘイズ抑制にも優れた粘着剤を形成する粘着剤組成物を得ることができ、本発明を完成した。
即ち、本発明の要旨は、水酸基含有モノマー(a1)を含有する共重合成分(a)を重合してなるアクリル系樹脂(A)および架橋剤(B)を含有する粘着剤組成物であって、水酸基含有モノマー(a1)として2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(a1-1)および炭素数4以上のヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリレート(a1-2)を含有し、水酸基含有モノマー(a1)の含有割合が共重合成分(a)全体に対して6~13重量%であり、アクリル系樹脂(A)のガラス転移温度(Tg)が-50℃以上であることを特徴とする粘着剤組成物に関するものである。
さらに本発明は、上記粘着剤組成物を用いてなる粘着剤および偏光板用粘着剤並びに画像表示装置も提供するものである。
本発明によれば、架橋速度も速くエージングに要する時間も少なくて済み、適切な架橋構造を有するため粘着物性および耐久性に優れ、さらに湿熱環境下でのヘイズ抑制にも優れた粘着剤となるものであり、特に、液晶表示装置の製造における、偏光板(保護フィルム)と液晶セル(ガラス)との貼り合わせに用いる粘着剤として使用した際に、良好な粘着物性および耐久性を有し、偏光板用粘着剤として非常に有用なものである。
以下に、本発明を詳細に説明する。
なお、本発明において、(メタ)アクリルとはアクリルあるいはメタクリルを、(メタ)アクリロイルとはアクリロイルあるいはメタクリロイルを、(メタ)アクリレートとはアクリレートあるいはメタクリレートをそれぞれ意味するものである。また、アクリル系樹脂とは、少なくとも1種の(メタ)アクリレート系モノマーを含む重合成分を重合して得られる樹脂である。
本発明の粘着剤組成物は、水酸基含有モノマー(a1)を含有する共重合成分(a)を重合してなるアクリル系樹脂(A)および架橋剤(B)を含有するものである。
<アクリル系樹脂(A)>
本発明で用いられるアクリル系樹脂(A)は、上記のように、水酸基含有モノマー(a1)を含有する共重合成分(a)を重合してなるものである。そして、アクリル系樹脂(A)は、通常、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(a2)を主成分とし、上記水酸基含有モノマー(a1)を含有する共重合成分を重合する重合体からなる。かかる主成分とは、その材料の特性に大きな影響を与える成分の意味であり、その成分の含有量が、通常、共重合成分(a)全体の40重量%以上であることをいう。
さらに、共重合成分(a)は、必要に応じ、官能基含有モノマー(a3)(但し、水酸基含有モノマー(a1)を除く。)やその他の共重合性モノマー(a4)を含有してなるものである。以下、各共重合成分(a)を順に説明する。
〈水酸基含有モノマー(a1)〉
上記水酸基含有モノマー(a1)としては、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(a1-1)、および、炭素数4以上のヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリレート(a1-2)を含有するものであり、さらに必要に応じて、その他の水酸基含有モノマー(a1-3)を含有してもよい。
上記水酸基含有モノマー(a1)の含有割合としては、共重合成分(a)全体に対して6~13重量%であり、さらに7~12重量%、特に7~10重量%であることが好ましい。水酸基含有モノマー(a1)の含有割合が少なすぎると耐湿熱ヘイズ性に劣り、多すぎると耐久性に劣るようになる。
〔(a1-1)成分〕
上記の(a1)成分中の(a1-1)成分は、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートであるが、この2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(a1-1)の含有割合としては、共重合成分(a)全体に対して2~10重量%であることが耐久性の点から好ましく、さらに3~9重量%、特に4~8重量%であることが好ましい。かかる含有割合が少なすぎると耐湿熱ヘイズ性が劣る傾向があり、多すぎると耐久性が低下する傾向がある。
〔(a1-2)成分〕
上記の(a1)成分中の(a1-2)成分は、炭素数4以上のヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリレートであるが、炭素数4以上であり、好ましくは4~10、特に好ましくは4~8、さらに好ましくは4~6のヒドロキシアルキル基を有するものである。また、ヒドロキシアルキル基のアルキルは、直鎖状であっても分枝鎖状であってもよいが、好ましくは直鎖であることが、得られる粘着剤の柔軟性・リワーク性の点から好ましい。
また、上記の炭素数4以上のヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリレート(a1-2)としては、例えば、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、5-ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8-ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート等の直鎖のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等があげられ、なかでも好ましくは4-ヒドロキシブチルアクリレートである。
上記の炭素数4以上のヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリレート(a1-2)の含有割合としては、共重合成分(a)全体に対して0.05~4重量%であり、好ましくは0.05~3重量%、さらに好ましくは0.05~1重量%である。かかる含有割合が少なすぎるとエージング時間が長くなる傾向があり、多すぎると耐久性に劣る傾向がある。
そして、共重合成分(a)全体に対する2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(a1-1)の含有割合(重量基準)が、炭素数4以上のヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリレート(a1-2)の含有割合(重量基準)よりも大きいことが、耐久性の点から好ましい。具体的には、炭素数4以上のヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリレート(a1-2)に対する2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(a1-1)の重量比〔(a1-1)/(a1-2)〕は、通常1~20であり、好ましくは1.5~18、更に好ましくは5~17である。かかる重量比が小さすぎると耐久性が低下する傾向があり、大きすぎるとエージング時間が長くなる傾向がある。
〔(a1-3)成分〕
また、必要に応じて用いられる、上記その他の水酸基含有モノマー(a1-3)としては、例えば、カプロラクトン変性2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のカプロラクトン変性モノマー、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のオキシアルキレン変性モノマー;その他、2-アクリロイロキシエチル-2-ヒドロキシエチルフタル酸、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリルアミド等の1級水酸基含有モノマー;2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3-クロロ2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の2級水酸基含有モノマー;2,2-ジメチル2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の3級水酸基含有モノマー等があげられる。
上記その他の水酸基含有モノマー(a1-3)の含有割合としては、特に制限されるものではないが、共重合成分(a)全体に対して10重量%以下であることが好ましく、さらには0.01~8重量%、特には0.01~5重量%であることが好ましい。
〈(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(a2)〉
また、共重合成分(a)としては、主成分として(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(a2)を含有することが粘着物性の点から好ましい。上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(a2)におけるアルキル基の炭素数は、通常1~20であることが好ましく、さらに1~18、特に1~12、殊に1~6であることが粘着物性の点から好ましい。
このような(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(a2)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、iso-ブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等があげられる。なかでも、アルキル基の炭素数が1~6である(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマーが好ましく、汎用性、粘着物性の点でメチルアクリレート、エチルアクリレート、n-ブチルアクリレートが特に好ましい。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(a2)の含有量は、共重合成分(a)全体に対して、好ましくは40~96重量%、特に好ましくは50~95重量%、さらに好ましくは60~95重量%である。
かかる含有量が少なすぎても多すぎても、粘着物性のバランスを取りにくくなる傾向がある。
〈その他官能基含有モノマー(a3)〉
本発明では必要に応じて、その他官能基含有モノマー(a3)を用いてもよく、その他官能基含有モノマー(a3)としては、例えば、カルボキシル基含有モノマー、窒素原子含有モノマー(アミノ基含有モノマー、アミド基含有モノマー)、アセトアセチル基含有モノマー、イソシアネート基含有モノマー、グリシジル基含有モノマー等があげられる。
上記カルボキシル基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、β-カルボキシエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸のダイマー酸等があげられ、なかでも耐湿熱白化性の点、重合時の安定性の点で、(メタ)アクリル酸が好ましい。
上記アミノ基含有モノマーとしては、例えば、アミノメチル(メタ)アクリレート、アミノエチル(メタ)アクリレート等の1級アミノ基含有モノマー、t-ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の2級アミノ基含有モノマー、エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等の3級アミノ基含有モノマー、アクリロイルモルホリン等の複素環式アミンモノマー等があげられる。
なかでも、架橋促進効果が高い点、エージング特性に優れる点、アクリル系樹脂の保存安定性が高い点等から、3級アミノ基含有モノマーが好ましく、特にはジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
また耐久性に優れる点、金属や金属酸化物との密着性に優れる点で、(メタ)アクリロイルモルホリン等の複素環式アミンモノマーが好ましい。
上記アミド基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリルアミド;メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、プロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、イソプロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、n-ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等のアルコキシアルキル(メタ)アクリルアミド系モノマー;ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド等のアルキル(メタ)アクリルアミド系モノマー;N-(ヒドロキシメチル)アクリルアミド等の水酸基含有アミドモノマー等があげられる。
なかでも、樹脂溶液の安定性の点や、帯電防止剤の移行を抑制する点で、アルコキシアルキル(メタ)アクリルアミド系モノマー、アルキルアミドモノマーが好ましい。
上記アセトアセチル基含有モノマーとしては、例えば、2-(アセトアセトキシ)エチル(メタ)アクリレート、アリルアセトアセテート等があげられる。
上記イソシアネート基含有モノマーとしては、例えば、2-アクリロイルオキシエチルイソシアネート、2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネートや、それらのアルキレンオキサイド付加物等があげられる。
上記グリシジル基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸アリルグリシジル等があげられる。
かかるその他官能基含有モノマー(a3)の含有量は、共重合成分(a)全体に対して3重量%以下であることが好ましく、特に好ましくは2.5重量%以下、さらに好ましくは2重量%以下である。
かかる含有量が多すぎるとポットライフが低下する傾向がある。
なお、本発明においてはリワーク性の点からカルボキシル基含有モノマーは含まないほうが好ましい。
〈その他の共重合性モノマー(a4)〉
本発明では必要に応じて、その他の共重合性モノマー(a4)を用いてもよく、その他の共重合性モノマー(a4)としては、例えば、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、オルトフェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート等の芳香環含有モノマー;シクロへキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルオキシアルキル(メタ)アクリレート、t-ブチルシクロヘキシルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート等の脂環含有モノマー;2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、2-エトキシエチル(メタ)アクリレート、3-メトキシブチル(メタ)アクリレート、2-ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2-ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール-モノ(メタ)アクリレート、ラウロキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ステアロキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のエーテル鎖含有モノマー等があげられる。
なお、屈折率の調整および複屈折の調整をしやすい点では、その他の共重合性モノマー(a4)として芳香環含有モノマーを用いることが好ましく、なかでも特にベンジル(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。
また、屈折率の調整および複屈折の調整をしやすく、被着体への密着性に優れる点からは、その他の共重合性モノマー(a4)として、アルキル基の炭素数が1~6である(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマーとベンジル(メタ)アクリレートを併用することが好ましい。
上記その他の共重合性モノマー(a4)の含有量は、共重合成分(a)全体に対して、25重量%以下であることが好ましく、特に好ましくは5~22重量%、さらに好ましくは12~20重量%である。
かかる含有量が多すぎても耐光漏れ性が低下する傾向がある。
かくして、上記(a1)と、好ましくはさらに(a2)、必要に応じて(a3)及び(a4)成分とを含有する共重合成分(a)を重合することにより、アクリル系樹脂(A)を製造するのであるが、これらの(a1)~(a4)の各成分は、それぞれ単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。
上記アクリル系樹脂(A)の重合方法としては、溶液ラジカル重合、懸濁重合、塊状重合、乳化重合等の従来公知の方法を用いることができ、例えば、有機溶媒中に、共重合成分、重合開始剤を混合あるいは滴下し所定の重合条件にて重合する。なかでも、安全性・製造安定性の点から、溶液ラジカル重合、塊状重合が好ましく、特に好ましくは溶液ラジカル重合である。
上記重合反応に用いられる有機溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ヘキサン等の脂肪族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の脂肪族アルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。
これらの溶媒の中でも、重合反応のしやすさや連鎖移動の効果や粘着剤塗工時の乾燥のしやすさ、安全上から、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸ブチル、トルエン、メチルイソブチルケトンが好ましく、特に好ましくは、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトンである。
溶媒の配合量としては、通常、共重合成分(a)全体の0.1~5倍を配合する。
また、上記ラジカル重合に用いられる重合開始剤としては、例えば、通常のラジカル重合開始剤である2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス-2-メチルブチロニトリル、4,4’-アゾビス(4-シアノ吉草酸)、2,2’-アゾビス(メチルプロピオン酸)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロリルパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物系重合開始剤等があげられ、使用するモノマーに合わせて適宜選択して用いることができる。これらの重合開始剤は、単独でもしくは2種以上併せて用いることができ、好ましくは2種併用することである。
重合開始剤の含有量としては、通常、共重合成分(a)100重量部に対して0.01~10重量部、更には0.03~2重量部であることが好ましい。
このようにして得られるアクリル系樹脂(A)の重量平均分子量については、80万~200万であることが好ましく、特に好ましく100万~180万、さらに好ましくは120万~150万である。
かかる重量平均分子量が小さすぎると耐久性が低下する傾向があり、大きすぎると粘度が高いため製造時に希釈溶剤を大量に必要とし、乾燥性が低下し、粘着剤層中に残溶剤が多くなり、耐熱性が低下する傾向がある。
また、アクリル系樹脂(A)の分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は、15以下であることが好ましく、特に好ましく10以下、さらに好ましくは7以下である。かかる分散度が高すぎると凝集力が低下しやすい傾向がある。なお、かかる分散度の下限は通常2である。
なお、本発明において重量平均分子量とは、標準ポリスチレン分子量換算による重量平均分子量であり、高速液体クロマトグラフ(日本Waters社製、「Waters 2695(本体)」と「Waters 2414(検出器)」)に、カラム:Shodex GPC KF-806L(排除限界分子量:2×107、分離範囲:100~2×107、理論段数:10,000段/本、充填剤材質:スチレン-ジビニルベンゼン共重合体、充填剤粒径:10μm)の3本直列を用いることにより測定されるものであり、数平均分子量も同様の方法で測定することができる。また、分散度は重量平均分子量と数平均分子量より求められる。
上記アクリル系樹脂(A)のガラス転移温度(Tg)は、-50℃以上であり、50~0℃であることが好ましく、特に好ましくは-50~-15℃、さらに好ましくは-50~-20℃である。
かかるガラス転移温度が高すぎるとタックが低下しやすくなる傾向があり、低すぎると耐熱性が低下する傾向がある。
また、アクリル系樹脂(A)のガラス転移温度については、Foxの式を用いて算出し、アクリル系樹脂(A)を構成するモノマーのホモポリマーとした際のガラス転移温度は、通常DSCにより測定されてなる文献値およびカタログ記載値を用いた。
ガラス転移温度は下記のFoxの式より算出されるものである。
Figure 0007227691000001
Tg:共重合体のガラス転移温度(K)
Tga:モノマーAのホモポリマーのガラス転移温度(K) Wa:モノマーAの重量分率
Tgb:モノマーBのホモポリマーのガラス転移温度(K) Wb:モノマーBの重量分率
Tgn:モノマーNのホモポリマーのガラス転移温度(K) Wn:モノマーNの重量分率
(Wa+Wb+・・・+Wn=1)
アクリル系樹脂(A)は溶媒等により粘度調整され、アクリル系樹脂(A)溶液として塗工に供せられる。かかるアクリル系樹脂(A)溶液の粘度としては、取扱い易さの点から500~20,000mPa・sであることが好ましく、特には1,000~18,000mPa・sが好ましく、さらには2,000~15,000mPa・sが好ましい。 かかる粘度が高すぎると流動性が低下して取り扱いにくくなる傾向にあり、低すぎると粘着剤の塗工が困難となる傾向がある。
アクリル系樹脂(A)溶液の粘度の測定に関しては、JIS K5400(1990)の4.5.3 回転粘度計法に準じて測定した。
<架橋剤(B)>
本発明の粘着剤組成物は、上記アクリル系樹脂(A)に加え、架橋剤(B)を含有する。ここで上記架橋剤(B)とは、アクリル系樹脂(A)中の官能基と反応し、架橋構造を形成させるものであり、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、アジリジン系架橋剤、メラミン系架橋剤、アルデヒド系架橋剤、アミン系架橋剤、金属キレート系架橋剤等があげられる。なかでも、耐湿熱性の点から、イソシアネート系架橋剤を用いることが好ましい。
上記イソシアネート系架橋剤としては、例えば、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート等のトリレンジイソシアネート系化合物;1,3-キシリレンジイソシアネート、1,4-キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等のキシリレンジイソシアネート系化合物;1,5-ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート等の芳香族イソシアネート系化合物;ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、およびこれらのイソシアネート系化合物とトリメチロールプロパン等のポリオール化合物とのアダクト体、これらポリイソシアネート化合物のビュレット体やイソシアヌレート体等があげられる。
上記エポキシ系架橋剤としては、例えば、ビスフェノールA・エピクロルヒドリン型のエポキシ樹脂、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエリスリトール、ジグリセロールポリグリシジルエーテル等があげられる。
上記アジリジン系架橋剤としては、例えば、テトラメチロールメタン-トリ-β-アジリジニルプロピオネート、トリメチロールプロパン-トリ-β-アジリジニルプロピオネート、N,N’-ジフェニルメタン-4,4’-ビス(1-アジリジンカルボキシアミド)、N,N’-ヘキサメチレン-1,6-ビス(1-アジリジンカルボキシアミド)等があげられる。
上記メラミン系架橋剤としては、例えば、へキサメトキシメチルメラミン、ヘキサエトキシメチルメラミン、ヘキサプロポキシメチルメラミン、ヘキサプトキシメチルメラミン、ヘキサペンチルオキシメチルメラミン、ヘキサヘキシルオキシメチルメラミン、メラミン樹脂等があげられる。
上記アルデヒド系架橋剤としては、例えば、グリオキザール、マロンジアルデヒド、スクシンジアルデヒド、マレインジアルデヒド、グルタルジアルデヒド、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド等があげられる。
上記アミン系架橋剤としては、例えば、ヘキサメチレンジアミン、トリエチルジアミン、ポリエチレンイミン、ヘキサメチレンテトラアミン、ジエチレントリアミン、トリエチルテトラアミン、イソフォロンジアミン、アミノ樹脂、ポリアミド等があげられる。
上記金属キレート系架橋剤としては、例えば、アルミニウム、鉄、銅、亜鉛、スズ、チタン、ニッケル、アンチモン、マグネシウム、パナジウム、クロム、ジルコニウム等の多価金属のアセチルアセトンやアセトアセチルエステル配位化合物等があげられる。
上記架橋剤(B)は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記架橋剤(B)の中でも基材との粘着性を向上させる点やアクリル系樹脂との反応性の点で、イソシアネート系架橋剤が好ましい。なかでも、トリレンジイソシアネート系化合物がポットライフや、樹脂との相溶性、耐久性のバランスに優れる点から好ましく、なかでも特に、2,4-トリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとのアダクト体が好ましい。
上記架橋剤(B)の含有量は、アクリル系樹脂(A)100重量部に対して、0.05~10重量部であることが好ましく、さらに好ましくは0.1~3重量部、特に好ましくは0.2~1重量部である。
かかる架橋剤の含有量が少なすぎると、耐久性が低下しやすい傾向があり、多すぎると応力緩和性が低下して基板が反りやすくなったり、長時間のエージングが必要となったりする傾向がある。
また、本発明の粘着剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲において、上記アクリル系樹脂(A)および架橋剤(B)以外に、シランカップリング剤(C)、帯電防止剤(D)を配合することができる。
<シランカップリング剤(C)>
シランカップリング剤(C)は、構造中に、反応性官能基とケイ素原子と結合したアルコキシ基をそれぞれ1つ以上含有する有機ケイ素化合物であり、本発明の粘着剤組成物に含有されていることが好ましい。
上記シランカップリング剤(C)中の反応性官能基としては、例えば、エポキシ基、(メタ)アクリロイル基、メルカプト基、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基、イソシアネート基等があげられ、これらのなかでも、耐久性の点からエポキシ基が好ましい。
上記シランカップリング剤(C)中のアルコキシ基としては、耐久性と保存安定性の点から炭素数1~8のアルコキシ基を含有することが好ましく、メトキシ基、エトキシ基を含有することが特に好ましい。
上記シランカップリング剤(C)は、リワーク性の点から重量平均分子量2,000以上のものが好ましく、更には3,000~20,000、特には4,000~15,000のものが好ましい。
なお、上記シランカップリング剤(C)は、反応性官能基およびケイ素原子と結合したアルコキシ基以外の有機官能基、例えば、アルキル基、フェニル基等を有していてもよい。
上記シランカップリング剤(C)は、有機ケイ素化合物の一部が加水分解して重縮合した2量体、3量体等のオリゴマー型の有機ケイ素化合物(オルガノシロキサン化合物)であることが好ましく、例えば、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン等のメルカプト基含有シラン化合物の一部が加水分解し重縮合したメルカプト基含有オリゴマー型シランカップリング剤や、上記メルカプト基含有シラン化合物と、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン等のアルキル基含有シラン化合物との共縮合物であるメルカプト基含有オリゴマー型シランカップリング剤;γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、メチルトリ(グリシジル)シラン、β-(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β-(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ基含有シラン化合物の一部が加水分解し重縮合したエポキシ基含有オリゴマー型シランカップリング剤;上記エポキシ基含有シラン化合物と、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン等のアルキル基含有シラン化合物との共縮合物であるエポキシ基含有オリゴマー型シランカップリング剤;これらエポキシ基含有オリゴマー型シランカップリング剤の一部をエーテル変性したエポキシ基含有オリゴマー型シランカップリング剤等があげられる。
これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記シランカップリング剤(C)としては、具体的には、市販品である信越化学工業社製の「X-24-9590」(重量平均分子量:13,700、含有官能基:エポキシ基、含有ケイ素原子結合アルコキシ基:メトキシ基、有機置換基当量:590g/mol)等がある。
上記シランカップリング剤(C)の含有量としては、アクリル系樹脂(A)100重量部に対して、0.01~0.50重量部であることが好ましく、特に好ましくは0.02~0.20重量部、さらに好ましくは0.025~0.15重量部である。
かかる含有量が少なすぎると耐久性が低下する傾向があり、多すぎると離型シート(フィルム)の剥離性が低下したり、シランカップリング剤がブリードして耐久性が低下したりする傾向がある。
なお、本発明の効果を阻害しない範囲で、例えばモノマー型シランカップリング剤等の上記オリゴマー型シランカップリング剤以外のシランカップリング剤を用いることができるが、かかるシランカップリング剤の含有量が多すぎるとブリードにより耐久性が低下する傾向があるため、具体的には、アクリル系樹脂(A)100重量部に対して0.5重量部以下であることが好ましく、特に好ましくは0.3重量部以下、さらに好ましくは0.2重量部以下である。
<帯電防止剤(D)>
本発明の粘着剤組成物には、さらに帯電防止剤(D)を含有することが静電対策の点から好ましい。
上記帯電防止剤(D)としては、融点と粘着剤との相溶性の点でアンモニウム系帯電防止剤が好ましく、具体的には、アルキルアンモニウムスルホン酸塩等の第四級アンモニウム塩があげられる。
上記第四級アンモニウム塩としては、例えば、メチルトリ-n-ブチルアンモニウムN,N-ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、テトラブチルアンモニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラペンチルアンモニウムブロミド、テトラオクチルアンモニウムブロミド、エチルジメチルプロピルアンモニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、n-ブチルトリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、メチルトリオクチルアンモニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、トリブチルメチルアンモニウムメチルスルフェート、トリブチルメチルアンモニウムメチルサルフェート、テトラブチルアンモニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、テトラエチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホネート、テトラブチルアンモニウムベンゾエート、テトラブチルアンモニウムメタンスルフェート、テトラブチルアンモニウムノナフルオロブタンスルホネート、テトラ-n-ブチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート、テトラブチルアンモニウムトリフルオロアセテート、テトラヘキシルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラヘキシルアンモニウムブロミド等があげられる。
これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記帯電防止剤(D)は、常温(25℃)で固体であることが好ましく、また溶解性の点から、融点が25~120℃であることが好ましく、特に好ましくは25~100℃、さらに好ましくは25~50℃である。融点が低すぎると、ブリードアウトした際に耐久性が低下する傾向があり、高すぎると、溶解する際に帯電防止剤が凝集したりして溶解までに時間がかかり製造効率が低下する傾向がある。
したがって、帯電防止剤(D)は、上記アンモニウム系帯電防止剤のなかでも、融点の点から、メチルトリ-n-ブチルアンモニウムN,N-ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(スリーエム社製)、テトラブチルアンモニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(メルク社製)、テトラブチルアンモニウムブロミド(和光純薬工業社製)、テトラペンチルアンモニウムブロミド(和光純薬工業社製)、テトラオクチルアンモニウムブロミド(和光純薬工業社製)、トリブチルメチルアンモニウムメチルスルフェート(シグマアルドリッチジャパン社製)が好ましく用いられ、メチルトリ-n-ブチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド〔スリーエム社製、融点27.5℃(メーカー公表値)〕が、特に好ましく用いられる。
また、帯電防止性能と耐久性のバランスの点からは、上記帯電防止剤(D)のアニオン成分が(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオンである帯電防止剤が好ましく、なかでも特に、メチルトリ-n-ブチルアンモニウムN,N-ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(スリーエム社製)が好ましく用いられる。
また、アンモニウム系帯電防止剤のカチオン成分としては、アルキルアンモニウムカチオンであることが好ましく、アクリル系樹脂(A)との相溶性に優れる点で、アルキル鎖の炭素数が1~6のアルキル基を有するアルキルアンモニウムカチオンが、特に好ましい。アルキル鎖の炭素数が大きすぎると、融点および導電率が低下する傾向がある。
上記アンモニウム系帯電防止剤以外の帯電防止剤としては、例えば、イミダゾリウム塩、脂肪族スルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルコールアルキレンオキサイド付加物硫酸エステル塩、高級アルコールリン酸エステル塩、高級アルコールアルキレンオキサイド付加物リン酸エステル塩等のアニオン型帯電防止剤、カリウムビス(フルオロスルホニル)イミド、リチウムビス(トリフルオロスルホニル)イミドや塩化リチウム等のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、高級アルコールアルキレンオキサイド付加物、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル等があげられる。
上記帯電防止剤(D)の含有量は、アクリル系樹脂(A)100重量部に対して1~15重量部であることが好ましく、特に好ましくは2~5重量部、さらに好ましくは2.5~4.5重量部である。
かかる帯電防止剤(D)の含有量が少なすぎると、帯電防止性能が得られず静電気による表示ムラが発生しやく、また帯電防止性能の経時安定性が低下する傾向があり、多すぎるとブリードアウトして、偏光板の偏光度が低下したり、耐久性が低下したりする傾向がある。
さらに、本発明の粘着剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲において、その他の成分として、樹脂成分、アクリルモノマーや、重合禁止剤、酸化防止剤、腐食防止剤、架橋促進剤、ラジカル発生剤、過酸化物、ラジカル捕捉剤等の各種添加剤、金属および樹脂粒子等を配合することができる。また、上記の他にも、粘着剤組成物の構成成分の製造原料等に含まれる不純物等が少量含有されたものであってもよい。
上記その他の成分の含有量は、アクリル系樹脂(A)100重量部に対して5重量部以下であることが好ましく、特に好ましくは1重量部以下、さらに好ましくは0.5重量部以下である。
かかる含有量が多すぎるとアクリル系樹脂(A)との相溶性が低下し、耐久性が低下する傾向にある。
また、本発明の粘着剤組成物は、上記のように、アクリル系樹脂(A)および架橋剤(B)に加え、必要に応じて、シランカップリング剤(C)、帯電防止剤(D)を配合することが好ましいが、さらには、紫外線吸収剤、酸化防止剤、可塑剤、顔料、安定化剤、充填剤等を含有するものであってもよい。
かくして上記成分を配合することにより、本発明の粘着剤組成物を得ることができる。
本発明の粘着剤組成物は、架橋剤で架橋させることにより粘着剤とすることができる。また、かかる粘着剤は偏光板用粘着剤として用いることができ、かかる粘着剤からなる粘着剤層を偏光板(光学積層体)上に積層形成することにより、粘着剤層付き偏光板を得ることができる。
具体的には、上記粘着剤組成物を、酢酸エチル等の溶媒に溶解させて、固形分濃度が10~20重量%になるように塗工用の粘着剤組成物溶液を調液し、この溶液を偏光板に塗工、乾燥することにより粘着剤層付き偏光板を得ることができる。かかる粘着剤層付き偏光板には、粘着剤層の偏光板とは逆の面に、さらに離型シートを設けることが好ましい。
一方、調液した粘着剤組成物溶液を、離型シート上に塗工、乾燥して粘着剤層を形成し、その粘着剤層面を、偏光板に貼り合わせることで、粘着剤層付き偏光板を得ることもできる。
粘着剤を形成する粘着剤組成物溶液を基材に塗工する際に用いる塗工装置は、通常使用されている塗工装置を用いればよく、例えば、ロールナイフコーター、ダイコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアロールコーター、リバースロールコーター、ディッピング、ブレードコーター等があげられる。
また、乾燥条件は、乾燥時に粘着剤中の溶媒や残留モノマーが乾燥し除去される場合にはベース樹脂が有する官能基と架橋剤とが反応し、架橋構造が形成され得る条件であればよい。乾燥条件として、例えば、60~120℃、1~5分間程度が好ましい。乾燥後、基材で粘着剤層を挟んだ状態で、室温(23℃)で3~7日間養生し、さらに架橋反応を進行させることができる。
本発明の粘着剤組成物は、従来のものと比較して架橋剤との架橋速度が速く、エージング時間の短縮化が図れるとともに、得られる架橋構造もリワーク性に適した充分な架橋密度を有する。このことは、水酸基含有モノマーとして、2-ヒドロキシエチルアクリレート単体を用いた場合に、架橋速度が遅く時間がかかるばかりか、得られる架橋構造も充分な架橋密度とはいい難いものであることからわかる。
本発明の偏光板用粘着剤は、偏光板上に積層形成された、上記粘着剤組成物を硬化することにより得られる粘着剤層における粘着剤をいう。
上記粘着剤層の乾燥後の厚みとしては、5~200μmであることが好ましく、特に好ましくは10~150μm、さらに好ましくは15~130μmである。
かかる厚みが厚すぎると粘着剤の塗工が困難になる傾向があり、薄すぎると充分な粘着力が得られない傾向がある。
上記粘着剤層のゲル分率は、90重量%以下、特には60~90重量%、更には75~88重量%であることが好ましい。
かかるゲル分率が好ましい範囲より高すぎると粘着力が低下する傾向があり、好ましい範囲より低すぎると凝集力が低下し、所望の粘着力が得られにくい傾向がある。
上記ゲル分率は、架橋密度(硬化度合い)の目安となるもので、例えば、以下の方法にて算出される。すなわち、基材となる高分子フィルム(例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム等)に粘着剤層が形成された粘着テープ(離型シートを設けていないもの)を200メッシュのSUS製金網で包み、トルエン等の溶媒中に23℃×48時間浸漬し、金網中に残存した不溶解の粘着剤成分の重量百分率をゲル分率とする。ただし、基材の重量は差し引いておく。
上記粘着剤層の粘着力としては、後記のリワーク性(粘着剤力)の粘着力測定方法において、リワーク性の点から、使用される被着体に対して1~15N/25mmであることが好ましい。なかでも、偏光板を被着体とした場合は、1~13N/25mmであることが好ましく、特に好ましくは2~12N/25mm、さらに好ましくは5~10N/25mmである。
上記粘着力が高すぎると貼り直し等のリワーク性が低下する傾向があり、低すぎると初期の目的を達成する粘着力が得られない傾向がある。
なお、粘着力は被着体の組成(材質)や表面状態(表面粗さ)、処理(洗浄)条件等で変わるため、上記の粘着力範囲に限定されるものではない。
かかる粘着力の測定は、JIS Z0237に準じて測定する値である。具体的には、後記実施例に記載の方法で測定することができる。
また、上記粘着剤層の耐久性としては、例えば、後記実施例に記載の方法で測定した場合、すなわち、100℃×100時間の耐熱性試験および60℃×90%RH×100時間の耐湿熱性試験において、粘着剤層の発泡や粘着剤層からの剥がれ等の欠点がないことが好ましい。
上記粘着剤層は、湿熱環境下におけるヘイズ抑制に優れ、例えば、60℃×90%RH×175時間の湿熱環境下においても、ヘイズ値が1.0%以下であることが好ましい。
かかるヘイズ値が高すぎると、ディスプレイ等の光学部品に使用した時に視認性が低下する傾向がある。なお、ヘイズ値の下限は通常0%である。
ここで、上記のヘイズ値はJIS K7361-1に準拠したヘイズメーター(HAZE MATER NDH2000(日本電飾工業社製)を使用して測定した値である。
本発明の偏光板用粘着剤を用いることにより、偏光板と液晶セルとを貼り合わせて画像表示装置を作製することができる。本発明の偏光板用粘着剤は、上記のように、リワーク性および耐久性に優れることから、これを用いて得られる画像表示装置も精度よく作製でき、耐久性に優れるようになる。
ここで、偏光板を構成する保護フィルムとしては、トリアセチルセルロース系フィルム、アクリル系フィルム、ポリエチレン系フィルム、ポリプロピレン系フィルム、シクロオレフィン系フィルムなどがあげられ、本発明はいずれの保護フィルムを用いた偏光板に対しても好適に用いられる。
以下、実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、例中、「部」、「%」とあるのは、重量基準を意味する。
まず、下記のようにして各種アクリル系樹脂を調製した。なお、アクリル系樹脂(A)およびシランカップリング剤(C)の重量平均分子量、分散度、ガラス転移温度に関しては、前述の方法にしたがって測定した。
なお、粘度の測定に関しては、JIS K5400(1990)の4.5.3 回転粘度計法に準じて測定した。
<アクリル系樹脂(A)>
〔アクリル系樹脂(A-1)の製造〕
還流冷却器、撹拌器、窒素ガスの吹き込み口および温度計を備えた4ツ口丸底フラスコに、2-ヒドロキシエチルアクリレート(a1-1)7.5部、4-ヒドロキシブチルアクリレート(a1-2)0.5部、n-ブチルアクリレート57部(a2)、メチルアクリレート(a2)20部、ベンジルアクリレート(a4)15部、酢酸エチル83.6部、アセトン16.4部、重合開始剤として2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.05部を仕込み、反応開始から30分後に重合開始剤として2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)(ADVN)を0.1部含有する酢酸エチル溶液を滴下しながら還流温度で1時間反応させ、さらにその15分後に酢酸エチルを1時間滴下、さらに30分反応させた後、酢酸エチルにて希釈してアクリル系樹脂(A-1)溶液〔固形分23.1%、粘度6,100mPa・s/25℃、アクリル系樹脂(A-1)の重量平均分子量123万、分散度5.5、ガラス転移温度(計算Tg)-34.2℃〕を得た。
〔アクリル系樹脂(A-2)~(A-3)および(A’-1)~(A’-5)の製造〕
表1に記載の共重合成分を用いて、上記アクリル系樹脂(A-1)の製造方法に準じて行い、アクリル系樹脂溶液を得た。得られたアクリル系樹脂溶液は下記表1に記載の通りのものである。
Figure 0007227691000002
<架橋剤(B)>
架橋剤(B)として以下のものを用意した。
(B-1):トリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンのアダクト体(東ソー社製、「コロネートL55E」)
<シランカップリング剤(C)>
シランカップリング剤(C-1)として、以下のものを用意した。
信越化学工業社製「X-24-9590」(重量平均分子量;13,700、含有官能基:エポキシ基、含有ケイ素原子結合アルコキシ基:メトキシ基、有機置換基当量:590g/mol)
<帯電防止剤(D)>
帯電防止剤(D-1)として、以下のものを用意した。
メチルトリ-n-ブチルアンモニウムN,N-ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド〔スリーエム社製「FC-4400」、融点27.5℃(メーカー公表値)〕
<実施例1~5、比較例1~5>
上記のようにして調製、準備した各配合成分を下記表2の通りに配合し、これを酢酸エチルにて固形分濃度を15%に調液し、粘着剤組成物溶液を得た。
Figure 0007227691000003
得られた粘着剤組成物溶液を用いて、以下の通り、粘着シートを作製してゲル分率を測定し、また、粘着剤層付き偏光板を作製して、リワーク性および耐久性について評価した。その結果を後記の表3に併せて示す。
〔粘着シートの作製〕
上記粘着剤組成物溶液を重剥離38μmポリエステル系離型シート(三井化学東セロ社製、ルミラーSP03-38BU)に乾燥後の厚みが20μmとなるように塗工し、100℃で3分間乾燥した後、軽剥離38μmポリエステル系離型シート(三井化学東セロ社製、ルミラーSP01-38BU)に貼り合わせし、23℃×50%RH環境下で7日間養生し、粘着シートを得た。
なお、上記実施例1~5に示すような、(a1-1)成分および(a1-2)成分をともに有する本発明の粘着剤では、架橋速度が速く充分な架橋が完了するまでの養生時間が7日間であった。これに対し、比較例1のような(a1-2)成分を有しない系では、架橋速度が比較的遅く、養生時間が7日間では架橋が完了しないものであった。
<ゲル分率>
上記得られた粘着シートを40×40mmに裁断した後、軽剥離38μmポリエステル系離型シートを剥がし、粘着剤層側を50×100mmのSUSメッシュシート(200メッシュ)に貼り合わせしてから、重剥離38μmポリエステル系離型シートを剥がしSUSメッシュシートの長手方向に対して中央部より折り返してサンプルを包み込んだ後、酢酸エチル250gの入った密封容器にて23℃×24時間浸漬した際の、酢酸エチル浸漬前後の粘着剤層の重量変化にてゲル分率(%)の測定を行なった。
〔粘着剤層付き偏光板の作製〕
上記粘着剤組成物溶液を軽剥離38μmポリエステル系離型シートに乾燥後の厚みが25μmとなるように塗工し、100℃で3分間乾燥したのち、保護フィルムとしてトリアセチルセルロース(TAC)フィルムを両面に積層した偏光板の一方のTACフィルム表面に、離型シートと反対側の粘着剤層面を貼り合わせ、23℃×50%RH環境下で7日間養生し、粘着剤層付き偏光板を得た(層構成:離型シート/粘着剤層/TACフィルム/偏光板/TACフィルム)。
得られた粘着剤層付き偏光板を用いて、以下の評価を行った。
<リワーク性(粘着力)>
上記で得られた粘着剤層付き偏光板を25mm幅にカットし、離型シートを剥離して粘着剤層面を無アルカリガラス(コーニング社製、イーグルXG、厚み1.1mm)に押しつけ2kgローラーにて貼り合わせ、オートクレーブ処理(0.5MPa×50℃×20分間)を行ったのち、23℃×50%RH環境下で20日間静置し、その後、180°に引き剥がした時の粘着力を測定し、以下の基準にて評価した。
(評価基準)
○・・・1N/25mm以上、10N/25mm未満
×・・・1N/25mm未満もしくは10N/25mm以上
<耐久性>
離型シートおよび粘着剤層付き偏光板の離型シートを剥離して、粘着剤層側を無アルカリガラス板(コーニング社製、イーグルXG)に押圧して、偏光板とガラス板とを貼り合わせした後、オートクレーブ処理(50℃、0.5MPa、20分)を行ない、その後、下記の耐久性試験を行い、発泡、剥がれ等の有無により、下記の通り評価した。なお、試験に使用した試験片のサイズは200mm×150mmである。また、発泡、剥がれ等の有無は目視とルーペ(東海産業社製、PEAK LUPE 15×)で観察した。
(1)耐熱試験
100℃×100時間の耐久性試験にて、下記の通り評価した。
(2)耐湿熱試験
60℃×90%RH×100時間の耐久性試験にて、下記の通り評価した。
(1)および(2)の試験それぞれにおいて、欠点(発泡、スジ、浮き、剥がれ)の有無について目視とルーペにより評価した。評価基準は下記の通りである。
(評価基準)
◎・・・剥がれ等の外観上の変化が全く無し。
○・・・端部にわずかな浮き等が見られるものの、実用上問題なし。
×・・・端部に顕著な浮きもしくは剥がれがあり、実用上問題あり。
Figure 0007227691000004
上記表3の結果より、実施例1~4は、ほどよいゲル分率であり、リワーク性および耐久性を満足できる、適切な架橋密度を有するものであった。
これに対して、(a1-1)成分のみを含有する比較例1は、リワーク性を満足するものの耐久性で劣ることがわかる。また、(a1-2)成分のみを含有する比較例2は、リワーク性、耐久性ともに劣ることがわかる。また、(a1-1)成分と(a1-2)成分との合計量が多すぎる比較例3は、耐久性に劣るものである。
<耐湿熱ヘイズ>
上記離型シートおよび粘着剤層付き偏光板の離型シートを剥離して、無アルカリガラス板(コーニング社製、イーグルXG)に貼り合わせした後、オートクレーブ処理(50℃、0.5MPa、20分)を行ない、粘着剤層および偏光板付き無アルカリガラス板を得た。
得られたこの粘着剤層および偏光板付き無アルカリガラス板を60℃×90%RH×175時間の環境下で耐久性試験を行い、その後、23℃×50%RH環境下で1時間放置した後、ヘイズ値を測定し、耐久性試験後のヘイズ値を求めた。
上記粘着剤層付き無アルカリガラス板の拡散透過率および全光線透過率を、HAZE MATER NDH2000(日本電色工業社製)を用いて測定した。なお、本機はJISK7361-1に準拠している。
得られた拡散透過率と全光線透過率の値を下記式に代入して、ヘイズを算出し、下記の基準にて評価した。
〔式〕
ヘイズ(%)=(拡散透過率/全光線透過率)×100
(評価基準)
○・・・1.0%以下
×・・・1.0%より大きい
Figure 0007227691000005
上記表4の結果より、水酸基含有モノマー(a1)量の合計が共重合成分(a)全体の6~13重量%である実施例2および5は、ヘイズ値が低く、湿熱環境下でのヘイズ抑制に優れていることがわかる。一方、水酸基含有モノマー(a1)量が少ない比較例4および5は、ヘイズ値が大きく、湿熱環境下でヘイズが大きく変化してしまうものであった。
また、上記実施例1~5の粘着剤組成物溶液を用いて、偏光板と液晶セルとを貼り合わせて画像表示装置を作製したところ、得られた画像表示装置は、精度よく作製でき、耐久性に優れ、さらに湿熱環境下でのヘイズ抑制にも優れるものであった。
本発明の粘着剤組成物は、液晶表示装置の製造時に、偏光板(保護フィルム)と液晶セル(ガラス)との貼り合わせに用いる粘着剤として使用した際に、長期間にわたり優れたリワーク性を示し、かつ、より過酷な条件下での耐久性にも優れるため、ディスプレイやそれを構成する光学部品を貼り合わせるための光学部材用粘着剤、特に、偏光板と液晶セルのガラス基板等を貼り合わせるための偏光板用粘着剤として有用である。

Claims (8)

  1. 水酸基含有モノマー(a1)、(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(a2)を含有する共重合成分(a)を重合してなるアクリル系樹脂(A)、架橋剤(B)および帯電防止剤(D)を含有する粘着剤組成物であって、水酸基含有モノマー(a1)として2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(a1-1)および炭素数4以上のヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリレート(a1-2)を含有し、水酸基含有モノマー(a1)の含有割合が共重合成分(a)全体に対して6~13重量%であり、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(a2)の含有割合が共重合成分(a)全体に対して40重量%以上であり、上記共重合成分(a)全体に対する、その他の官能基含有モノマー(a3)の含有量が2重量%以下であり、かつ、上記共重合成分(a)がカルボキシル基含有モノマーを含まず、アクリル系樹脂(A)のガラス転移温度(Tg)が-50℃以上であり、上記帯電防止剤(D)がアンモニウム系帯電防止剤を含有することを特徴とする粘着剤組成物。
  2. 2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(a1-1)の含有割合が、共重合成分(a)全体に対して2~10重量%であることを特徴とする請求項1記載の粘着剤組成物。
  3. 炭素数4以上のヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリレート(a1-2)の含有割合が、共重合成分(a)全体に対して0.05~4重量%であることを特徴とする請求項1または2記載の粘着剤組成物。
  4. 共重合成分(a)全体に対する2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(a1-1)の含有割合(重量基準)が、炭素数4以上のヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリレート(a1-2)の含有割合(重量基準)よりも大きいことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の粘着剤組成物。
  5. シランカップリング剤(C)を含有することを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の粘着剤組成物。
  6. 請求項1~5のいずれか一項に記載の粘着剤組成物が、架橋剤(B)により架橋されてなることを特徴とする粘着剤。
  7. 請求項6記載の粘着剤を用いてなることを特徴とする偏光板用粘着剤。
  8. 請求項7記載の偏光板用粘着剤で、偏光板と液晶セルを貼り合わせてなることを特徴とする画像表示装置。
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