JP7226365B2 - 燃料タンク支持装置および貨物用燃料電池車両 - Google Patents

燃料タンク支持装置および貨物用燃料電池車両 Download PDF

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Description

本開示は、燃料タンク支持装置、および、貨物用燃料電池車両に関する。
燃料電池と、当該燃料電池に供給する水素を蓄える燃料タンクとを、搭載する車両が知られている。このような燃料電池車両に関して、車両の衝突時に、車両内部に搭載される燃料タンクの損傷を抑制するための支持装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2008-143464号公報
燃料電池車両の中でもトラック等の貨物車両では、特に、積載量や航続距離を確保することが望まれる。これらを実現する構成としては、例えば、キャビンよりも後方で複数の水素タンクを積み上げて配置する構成が考えられる。しかしながら、このような構成を採用すると、車両の走行中に燃料タンクが外力を受け易くなるという新たな課題を本願発明者等は見出した。
本開示は、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本開示の一形態によれば、燃料電池を備える貨物用燃料電池車両に搭載されて、前記燃料電池に供給するための燃料ガスを貯蔵する複数の燃料タンクを支持する燃料タンク支持装置が提供される。この燃料タンク支持装置は、前記複数の燃料タンクのうちの少なくとも1つの燃料タンクである第1燃料タンクと、前記第1燃料タンクが固定される第1支持体と、を有する第1支持部分と、前記第1支持部分より下方に配置されて前記貨物用燃料電池車両に固定されると共に、前記複数の燃料タンクのうちの前記第1燃料タンクとは異なる少なくとも1つの燃料タンクである第2燃料タンクを有し、前記第2燃料タンクを支持する第2支持部分と、を備え、前記貨物用燃料電池車両のキャビンの後方において、前記第1支持部分の上端の方が前記キャビンの上端よりも上方に位置するように配置される支持部材と、前記第1支持部分と前記第2支持部分とを接続すると共に、前記第1支持部分に対して、前記貨物用燃料電池車両の進行方向に平行に、前記進行方向の前方から、前記燃料タンクの耐荷重よりも小さい予め定められた大きさの荷重が加えられたときに、前記第1支持部分が前記第2支持部分から外れる脱離構造と、を備える。
この形態の燃料タンク支持装置によれば、複数の燃料タンクを、貨物用燃料電池車両に搭載する際に、燃料タンクが外力を受けることがあっても、燃料タンクの損傷を抑えることができる。すなわち、キャビンの上端よりも上方にはみ出して配置される支持部材が外力を受ける場合には、支持部材の上端側の第1支持部分が、脱離構造において、第1支持部分に支持される第1燃料タンクごと第2支持部分から外れるため、第1燃料タンクに加えられる荷重を低減して、第1燃料タンクの損傷を抑えることができる。
(2)上記形態の燃料タンク支持装置において、前記支持部材は、前記支持部材における前記進行方向の後方部において、前記第1支持部分と前記第2支持部分とを接続する第1接続部を備え、前記脱離構造は、前記第1接続部よりも前記進行方向の前方で、前記第1支持部分と前記第2支持部分とを、前記第1接続部における接続強度よりも小さい接続強度で接続する第2接続部であることとしてもよい。この形態の燃料タンク支持装置によれば、貨物用燃料電池車両の進行方向前方から、支持部材におけるキャビンの上端よりも上方にはみ出した部分に対して荷重が加えられて、脱離構造において第1支持部分が第2支持部分から外れるときには、第2接続部を支点として第1支持部分が回転し、進行方向後方に移動し得る。そのため、第1燃料タンクを支持する第1支持部分が、望ましくない不測の方向に移動するのを抑えることができる。
(3)上記形態の燃料タンク支持装置において、前記第1支持体は、前記第1支持体に固定される前記第1燃料タンクを個別に収納する収納空間を内部に有する枠組み構造を備えることとしてもよい。この形態の燃料タンク支持装置によれば、支持部材の第1支持部分に荷重が加えられるときに、荷重の一部を枠組み構造によって吸収することにより、第1燃料タンクが受ける荷重を和らげると共に、第1支持体を軽量化することができる。
本開示は、燃料タンク支持装置以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、燃料タンク支持装置を搭載する貨物用燃料電池車両、燃料タンクの支持方法、等の形態で実現することができる。
貨物用燃料電池車両の外観の概略を表わす側面図。 燃料タンクが燃料タンク支持装置に支持される様子を表わす説明図。 燃料タンク支持装置の一部を拡大して示す斜視図。 燃料タンクの耐荷重の測定方法を示す説明図。 燃料タンクの耐荷重の測定方法を示す説明図。 支持部材の耐荷重の測定方法を示す説明図。 支持部材の耐荷重の測定方法を示す説明図。 燃料タンク支持装置の動作を表わす説明図。 燃料タンクを支持部材に固定する固定部に係る変形例を示す説明図。
A.第1実施形態:
(A-1)トラックの全体構成:
図1は、本開示の第1実施形態の車両10の外観の概略を表わす側面図である。図1には、互いに直行するX方向、Y方向、および、Z方向を示す矢印が図示されている。X方向は、車両10の幅方向に相当し、+X方向が車両10の右向きを示し、-X方向が車両の左向きを示す。また、Y方向は、車両10の前後方向に相当し、+Y方向が車両の進行方向前向きを示し、-Y方向が車両の進行方向後ろ向きを示す。また、Z方向は車両10の高さ方向に相当し、+Z方向が上向きを示し、-Z方向が下向きを示す。これらの方向は、後述する図2~図7においても同様に図示されている。
第1実施形態では、車両10は、牽引車両であるトラクターヘッド11と、貨物が積載される被牽引車両であるトレーラ12と、を備え、いわゆるセミトレーラとして構成されている。トラクターヘッド11は、運転者を含む乗員が搭乗する空間が内部に形成されるキャビン13と、キャビン13の下方から後方(-Y方向)に延びるサイドフレームである一対の車両フレーム15と、前輪16および後輪17を備える。前輪16および後輪17は、それぞれ、一対の車両フレーム15のX方向における両外側に外取り付けられている。前輪16は、キャビン13の下方に配置され、後輪17は、車両フレーム15の後端部近傍に配置されている。前輪16は、図示しない駆動力源に接続され、当該駆動力源から伝達される駆動力によって回転する駆動輪である。本実施形態では、駆動力源は、後述する燃料電池ユニット30から電力を供給される図示しないモータによって構成される。後輪17の近傍には、一対の車両フレーム15に挟まれた中央部に被連結部18が設けられている。被連結部18には、トレーラ12の連結部24が連結される。被連結部18は、いわゆるカプラによって構成される。
トレーラ12は、貨物が収納される荷室を内部に有するコンテナ22と、コンテナ22を下方から支持する車台21と、を有する。車台21の一対の側部の後端部近傍には、従動輪23が取り付けられている。また、車台21の前端部近傍には、上述したトラクターヘッド11の被連結部18に連結する連結部24が設けられている。連結部24は、いわゆるキングピンによって構成される。連結部24は、下方に突出しており、被連結部18に上方から挿入されて係合する。トレーラ12は、キングピンを中心として回動する動きが許容された状態で、トラクターヘッド11に連結される。
上記のように、車両10では、トラクターヘッド11の後方にトレーラ12が連結されることによって、キャビン13の後方に貨物の積載スペースMSが形成される。第1実施形態では、コンテナ22内の荷室が貨物の積載スペースMSを構成する。このように、本実施形態の車両10は、貨物用燃料電池車両として構成される。本明細書において、「貨物用燃料電池車両」とは、貨物の運搬を主目的とする燃料電池車両であって、運転者が搭乗するキャビンの後方に、キャビンと区画されて貨物が積載される積載スペースを有する車両を意味する。「積載スペースを有する」構成には、積載スペースが形成されるように、荷室や荷台を追加可能に構成されている態様が含まれる。そのため、トラクターヘッド11とトレーラ12とが結合された車両10だけでなく、トレーラ12が連結されていない状態のトラクターヘッド11単体も「貨物用燃料電池車両」に相当する。また、例えば、車両10のトレーラ12において、コンテナ22は省略されてもよく、あるいは、コンテナ22に代えて、車台21の上に貨物を固定するための固定具が設けられてもよい。
車両10は、燃料電池車両として構成されており、燃料電池を含む燃料電池ユニット30を電力源として備える。燃料電池ユニット30は、発電の本体である燃料電池と、燃料電池に一体的に取り付けられる機器と、で構成されるユニットである。「燃料電池に一体的に接続される機器」には、例えば、燃料電池を収納するケースや、燃料電池を支持するフレーム、センサ類、バルブ、ポンプ、配管接続部材などを含むことができる。
燃料電池ユニット30は、トラクターヘッド11のキャビン13の下方領域に搭載されている。第1実施形態では、燃料電池ユニット30が有する燃料電池は、固体高分子形燃料電池であり、複数の単セルが積層された燃料電池スタックとして構成されている。なお、車両10に搭載される燃料電池は、固体高分子形燃料電池に限定されることはなく、例えば、固体酸化物形燃料電池等、他の種々のタイプの燃料電池を採用することが可能である。
車両10は、燃料電池ユニット30の他に、燃料電池システムを構成する種々の機器を搭載している。燃料電池システムを構成する種々の機器には、例えば、燃料電池に反応ガスを供給するための機器や、燃料電池の温度を調整するための機器、燃料電池の電圧や電流を制御するための機器、燃料電池システムの運転を制御する制御装置などが含まれる。燃料電池システムを構成する上記した種々の機器のうち、燃料タンク32以外の機器については、図示を省略している。
車両10は、燃料電池に反応ガスを供給するための機器の一つとして、燃料ガスである水素を貯蔵する燃料タンク32を搭載している。車両10は、その航続距離をより長く確保するために、複数の燃料タンク32を備える。
燃料タンク32は、例えば、高圧の水素を蓄える容器である樹脂製ライナーの外表面上に、補強層として、熱硬化性樹脂を含有する繊維を巻回した繊維強化プラスチック(FRP)層を有する樹脂製タンクとすることができる。ライナーは、樹脂に代えて、アルミニウム等の軽金属によって構成してもよい。FRP層は、例えば、カーボン繊維強化プラスチック(Carbon Fiber Reinforced Plastics:CFRP)を備える層を含むことができる。このようなFRP層は、フィラメント・ワインディング法によって形成することができる。
トラクターヘッド11は、車両10が搭載する燃料タンク32のうちの少なくとも一部である複数の燃料タンク32を搭載するために、キャビン13とコンテナ22との間において、キャビン13の背面に沿って配置される収納部35を備える。収納部35は、内部に燃料タンク32を収容する中空の箱体として構成されて、車両フレーム15上に固定されている。収納部35の構成材料は、例えば、ABS樹脂等の樹脂とすることができる。収納部35内に燃料タンク32が収納されることにより、収納部35内の燃料タンク32から水素が漏れ出した場合であっても、運転者を含む乗員が搭乗するキャビン13内の空間に、漏れ出した水素が流入することを抑えることができる。収納部35は、キャビン13の上端よりも上方に収納部35の上端がはみ出すように配置されている。収納部35に収納される複数の燃料タンク32は、収納部35内に配置される後述する燃料タンク支持装置50によって支持されている。なお、本願明細書において「キャビン」には、キャビンの上部に取り付けられている構造物、例えば、エアディフレクタ、表示板、あるいは表示灯等は含まないものとする。
(A-2)燃料タンク支持装置の構成:
図2は、複数の燃料タンク32が燃料タンク支持装置50によって支持される様子を表わす説明図であり、トラクターヘッド11を+X方向に見たときの概略側面図である。図2では、収納部35を一点鎖線で示している。
図3は、燃料タンク32を支持する燃料タンク支持装置50の一部を拡大して示す斜視図である。以下では、図2および図3を参照して、燃料タンク支持装置50の構成の詳細を説明する。
図2に示すように、本実施形態では、燃料タンク支持装置50は、3つの燃料タンク32a~32cを支持している。以下では、個々の燃料タンクを区別するときには燃料タンク32a、32b、あるいは32cと呼び、区別しないときには燃料タンク32と呼ぶ。燃料タンク支持装置50が支持する燃料タンク32の数は、3以外の複数であってもよい。燃料タンク支持装置50は、上方から燃料タンク32a、32b、32cの順で、車両10の高さ方向に3つの燃料タンク32a~32cを積み上げた状態で、燃料タンク32a~32cを支持している。このとき、積み上げられた複数の燃料タンク32のうちの一部が、キャビン13の上端よりも上方にはみ出している。図2では、積み上げられた3つの燃料タンク32のうちの、最も上方に配置された燃料タンク32aが、キャビン13の上端よりも上方にはみ出す様子を示している。
燃料タンク支持装置50は、燃料タンク32を支持するための構造として、支持部材55を備える。支持部材55は、枠体36a~36dを備え、枠体36a~36dは、この順で上方から配置されるように枠体36a~36dを積み上げて連結することにより構成されている。枠体36a~36dのうちの、上方に配置された枠体36a~36cは、燃料タンク32a~32cの各々を個別に収納する。既述したようにキャビン13の上端よりも上方にはみ出す燃料タンク32aを収納する枠体36aの上端は、キャビンの上端よりも上方に位置している。そして、最も下方に配置される枠体36dは、車両10の車体に固定されている。燃料タンク支持装置50が4以上の燃料タンク32を支持する場合には、例えば、枠体36dにも燃料タンクを配置すればよい。図2では、枠体36d内に、システム補機40を配置する様子を二点鎖線で示している。システム補機40は、燃料電池システムを構成する種々の機器を含むことができる。例えば、システム補機40は、燃料電池システムの運転を制御するECU(Electronic Control Unit)を含むことができる。また、システム補機40には、ECUに加えて、あるいは、ECU41に代えて、例えば二次電池等の他の機器が含まれてもよい。
各枠体36a~36dは、内部に空間を形成する枠組み構造であり、枠体36a~36cは、内部に燃料タンク32a~32cを個別に収納する収納空間を形成している。より具体的には、枠体36a~36dは、四角柱の各辺に対応する形状を有する部材によって構成される枠組み構造である。そして、各枠体36a~36dは、Z方向に見たときに、互いに一致して重なるように積み上げられて、枠体36a~36d全体の外形も四角柱形状となっている。図3では、支持部材55のうちの上部に配置された枠体36aおよび枠体36bが、それぞれ、燃料タンク32a、32bを個別に支持する様子を示している。各枠体36a~36dは、四角柱の高さ方向(長手方向)が車両10の幅方向(X方向)となるように配置されて、車両10の高さ方向(Z方向)に積み上げられている。枠体36a~36dは、燃料タンク32を支持するための十分な強度を有していればよく、例えば、金属製の部材とすることができる。各枠体36a~36dは、例えば、中実の多角柱状あるいは円柱状に形成された棒状部材や、中空の角柱状あるいは円柱状に形成されたパイプ状部材を組み合わせることによって構成することができる。
図3に示すように、各燃料タンク32は、円筒状の部分の両端に略半球状の部分を設けた形状を有しており、各燃料タンク32の長手方向(各燃料タンク32の中心軸に沿った方向であり、図3に示すX方向)の両端部には、口金部33が設けられている。図2および図3では、一対の口金部33のうちの一方のみが表われている。一方の口金部33の内部には、燃料タンク32に水素を充填する際に水素が流れる充填流路と、燃料タンク32から燃料電池に水素を供給する際に水素が流れる供給流路と、これらの流路の流通状態を調節するバルブ機構が設けられている(図示せず)。各燃料タンク32a~32cは、長手方向が、枠体36a~36cの長手方向に一致するように、対応する枠体36a~36c内に収納される。なお、本実施形態では、燃料タンク32a~32c同士、および、枠体36a~36c同士は、同じ大きさとしたが、異なる構成としてもよい。例えば、各燃料タンク32の直径や長手方向の長さが互いに異なっていてもよい。枠体36a~36cは、対応する燃料タンク32a~32cを収納可能であればよい。
車両10において、キャビン13と積載スペースMSとの間の空間であれば、高さ方向における寸法の制約が小さい。そのため、このような場所に燃料タンク支持装置50を配置することにより、複数の燃料タンク32を高さ方向に多段に配置して、複数の燃料タンク32の配置スペースを容易に確保することができる。また、本実施形態では、燃料タンク32の長手方向の長さおよび枠体36a~36dのX方向の幅は、車両10の幅よりも小さい。これにより、燃料タンク支持装置50を用いた燃料タンク32の搭載によって車両10が幅方向に大型化することが抑制されている。
図3に示すように、本実施形態では、各燃料タンク32の両端に設けられた一対の口金部33において、各燃料タンク32a~32cが枠体36a~36cに固定されている。各枠体36a~36cは、四角柱形状の側面のうちの、車両10の進行方向前方の側面と後方の側面との各々において、X方向に延びる母線に対応する形状の一対の第1梁37aを備える。そして、各枠体36a~36cは、四角柱形状の両底面の近傍において、一対の第1梁37aの端部同士を結ぶ一対の第2梁37bを備える。各第2梁37bには、第1保持部材37cが固定されている。第1保持部材37cは、第2保持部材37dと対になっており、第1保持部材37cと第2保持部材37dとは、これらを隣り合わせに並べたときに、口金部33を挟むことができる空間を形成する形状を有している。そして、第1保持部材37cおよび第2保持部材37dによって口金部33を挟み、ねじ37eを用いて第1保持部材37cと第2保持部材37dとを締結することで、燃料タンク32a~32cを、枠体36a~36cに固定することができる。
本実施形態では、枠体36a~36dのうちの隣り合う枠体間は、ボルトを用いて締結することにより接続されている。本実施形態では、このようなボルトを用いた締結は、隣り合う枠体間で、四角柱形状の枠体の角部同士が重なる位置の近傍において行なわれる。車両10の進行方向(Y方向)の前方部において、枠体36aの下方に形成される一対の角部と、枠体36bの上方に形成される一対の角部との間には、枠体36aと枠体36bとを締結するボルトによって構成される接続部54aおよび54bが設けられている(図3では、接続部54aは示されているが、接続部54bの位置は、燃料タンク32aに隠されている)。また、図3に示すように、車両10の進行方向(Y方向)の後方部において、枠体36aの下方に形成される一対の角部と、枠体36bの上方に形成される一対の角部との間には、枠体36aと枠体36bとを締結するボルトによって構成される接続部54cおよび54dが設けられている。ここで、後方部に設けた接続部54c、54dを「第1接続部」とも呼び、前方部に設けた接続部54a、54bを「第2接続部」とも呼ぶ。なお、高さ方向に隣り合う枠体間の接続は、四角柱形状の枠体の角部同士が重なる位置に加えて、あるいは、四角柱形状の枠体の角部同士が重なる位置に代えて、他の箇所において行なってもよい。
上記のように、高さ方向に隣り合う枠体間を接続部54a~54dにおいて接続することにより、高さ方向に隣り合う枠体同士が接する箇所には、接触部52a~52cが形成される(図2参照)。すなわち、枠体36aと枠体36bとが接する箇所には第1接触部52aが形成され、枠体36bと枠体36cとが接する箇所には第2接触部52bが形成され、枠体36cと枠体36dとが接する箇所には第3接触部52cが形成される。各接触部52a~52cは、枠体同士が接する箇所の全周を指す。本実施形態では、接触部52a~52cのうち、最も上部に形成された第1接触部52aにおける接続強度が、最も小さくなっている。接触部52a~52cの各々における接続強度は、例えば、各接触部に設けられた接続部54a~54dに用いられるボルトの径や、各接触部に設けられた接続部に用いられるボルトの数により調節することができる。第1接触部52aにおける接続強度を最も小さくするには、例えば、第1接触部52aの接続のために用いるボルトの径を、他の接触部52b、52cの接続のために用いるボルトの径よりも小さくすればよい。あるいは、第1接触部52aの接続のために用いるボルトの数よりも、他の接触部52b、52cの接続のために用いるボルトの数を、多くしてもよい。具体的には、例えば、他の接触部52b、52cでは、既述した角部に対応する4箇所に加えて、ボルトを用いて締結を行なう接続部をさらに他の箇所にも設けることとすればよい。なお、第1接触部52aに設けられた接続部54a~54dで用いるボルトの径は、互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。また、第1接触部52aに設けられた接続部54a~54dの各々における接続強度は、互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。本実施形態では、接続部54a~54dの各々における接続強度は互いに同じとしている。
図2に示すように、支持部材55は、枠体36a~36dに加えて、さらに支持メンバ39を備える。支持メンバ39は、棒状部材によって構成されており、枠体36a~36dを積み重ねた構造の高さ方向の中ほどから、収納部35の底面へと斜めに架設されている。このように、支持メンバ39を車両10の進行方向後方に設けることにより、支持部材55の前後方向における姿勢の安定性が高められる。
既述したように、燃料タンク支持装置50では、接触部52a~52cのうちで、最も上部に形成された第1接触部52aにおける接続強度が、最も小さくなっている。さらに、支持部材55が収納部35の床面に固定される強度は、第1接触部52aの接続強度よりも大きい。そのため、燃料タンク支持装置50におけるキャビン13の上端よりも上方にはみ出した部分に対して、進行方向前方からの荷重が加わったときには、燃料タンク32aが固定された枠体36aを、燃料タンク32aごと、燃料タンク支持装置50の残余の部分から脱離させることができる。図2では、燃料タンク支持装置50におけるキャビン13の上端よりも上方にはみ出した部分に対して、進行方向前方からの力が加わる様子を、白抜き矢印により表わしている。
第1接触部52aにおいて枠体36aと枠体36bとを接続する箇所であって、上記荷重が加わったときに外れ得る構造は、「脱離構造」とも呼び、本実施形態の脱離構造は、接続部54a~54dによって構成される。図2に示すように、支持部材55において、キャビン13の上端よりも上方にはみ出した部分に対して進行方向に平行に前方からの荷重が加わったときに、脱離構造で脱離する部分、すなわち、燃料タンク32aと、燃料タンク32aが固定された枠体36aとを有する部分は、「第1支持部分31」とも呼ぶ。この第1支持部分31が備える燃料タンク32aは、「第1燃料タンク」とも呼ぶ。第1燃料タンクを支持する上記枠体36aは、「第1支持体」とも呼ぶ。また、支持部材55において、第1支持部分31以外の部分は、「第2支持部分34」とも呼ぶ。第2支持部分34は、既述したように、燃料タンク32b、32cと、枠体36b~36dと、を備える。第2支持部分34が備える燃料タンク32b、32cは、「第2燃料タンク」とも呼ぶ。第2燃料タンクを支持する枠体36b、36cは、「第2支持体」とも呼ぶ。
本実施形態の燃料タンク支持装置50では、車両10の進行方向に平行に、車両10の進行方向の前方から、支持部材55におけるキャビン13の上端よりも上方にはみ出した部分に対して、燃料タンク32aの耐荷重よりも小さい予め定められた大きさの荷重が加えられたときに、キャビン13の上端よりも上方にはみ出して配置される燃料タンク32aごと、第1支持部分31が備える枠体36aが、第2支持部分34から外れる。上記した予め定められた大きさの荷重は、「支持部材55の耐荷重」とも呼ぶ。
上記した支持部材55の耐荷重は、例えば、燃料タンク32aの耐荷重の80%以下とすることができ、75%以下がより望ましく、70%以下がさらに望ましい。具体的には、支持部材55におけるキャビン13の上端よりも上方にはみ出す部分に対して、進行方向前方から荷重がかかるときに、当該荷重が燃料タンク32aの耐荷重の80%に達するまでに、より望ましくは75%に達するまでに、さらに望ましくは70%に達するまでに、第1支持部分31が第2支持部分34から外れるように、脱離構造である接続部54a~54dが形成されている。このようにすることで、燃料タンク支持装置50に対して荷重が加えられたときに、燃料タンク32aが損傷する前に燃料タンク32aを燃料タンク支持装置50から脱離させる動作の信頼性を高めて、燃料タンク32aが受ける荷重を低減させることができる。ただし、燃料タンク32aと枠体36aとを備える第1支持部分31の第2支持部分34からの脱離は、接続部54a~54dの全てで同時に起こる必要はない。
第1接触部52aにおいて枠体36aが枠体36bに接続する接続強度は、既述したように、例えば、枠体36aと枠体36bとを接続する接続部を構成するボルトの径やボルトの数によって調節することができる。支持部材55に対して既述した荷重が加えられたときに、枠体36aが第2支持部分34の枠体36b~36dから外れるときの上記荷重の下限値、すなわち、支持部材55の耐荷重の下限値は、例えば、30kNとすることができる。このようにすることで、車両10の振動など、通常の使用条件下で支持部材55に加えられる荷重によって、枠体36aが枠体36bから外れることを抑えることができる。
図4A、図4Bは、本願明細書で規定する燃料タンク32aの耐荷重の測定方法を模式的に示す説明図であり、図5A、図5Bは、本願明細書で規定する支持部材55の耐荷重の測定方法を模式的に示す説明図である。これらの図面では、燃料タンク32の口金部33等は省略して、記載を簡略化している。図5A、図5Bでは、枠体として枠体36aおよび枠体36bのみを有する支持部材55における耐荷重を測定する様子を示している。すなわち、図5A、図5Bでは、支持部材55は、枠体36c、36dを有しておらず、枠体36bが台座64に固定される様子を示している。支持部材55の耐荷重は、脱離構造を備える第1接触部52aにおける接続強度を表わすため、本実施形態では、このように、枠体として枠体36aおよび枠体36bのみを有する支持部材55を対象とする方法により、支持部材55の耐荷重を規定している。以下では、これらの図を用いて、燃料タンク32aおよび支持部材55の耐荷重の測定方法について説明する。
図4A、図4Bに示すように、燃料タンク32aの耐荷重を測定する際には、燃料タンク32aに対して、燃料タンク32aの長手方向に垂直に(-Z方向に)、四角柱状の基部の先端が次第に尖ったくさび形形状の剛体60を押し当てて、剛体60から燃料タンク32aに加える荷重を次第に増加させる。そして、剛体60が燃料タンク32aを貫通するとき(荷重が急激に減少するとき)の荷重を、燃料タンク32aの耐荷重と定義する。図4Aおよび図4Bでは、剛体60を燃料タンク32aに押し当てる様子を、白抜き矢印で示している。図4A、図4Bに示すように、用いる剛体60における四角柱状の基部の断面の一辺の長さはそれぞれ400mmであり、剛体60をZ方向に切断した断面における先端の角度は90°である。
図5A、図5Bに示すように、支持部材55の耐荷重を測定する際には、枠体36aにおける最も上方であってX方向に延びる部分の中央部に対して、燃料タンク32aの長手方向に垂直に(-Y方向に)、四角柱状の剛体62を押し当てて、剛体62から枠体36aに加える荷重を次第に増加させる。そして、枠体36aが枠体36bから外れるときの荷重を、支持部材55の耐荷重と定義する。上記のように支持部材55の耐荷重を定義する際に、枠体36aが枠体36bから外れるときとは、本実施形態では、4つの接続部54a~54dのうちの、少なくともいずれかが外れるときをいう。図5Bでは、剛体62を支持部材55に押し当てる様子を、白抜き矢印で示している。図5A、図5Bに示すように、用いる四角柱状の剛体62の横断面の一辺の長さは、それぞれ400mmである。
なお、本実施形態の支持部材55は、既述したように、支持部材55の前後方向における姿勢の安定性を高める支持メンバ39を備えるが、本実施形態では、支持メンバ39は、第1接触部52aにおける接続強度に寄与していない。そのため、支持メンバ39は、支持部材55の耐荷重を規定する際には無視している。また、本実施形態の燃料タンク支持装置50は、収納部35内に収納されているが、樹脂製の収納部35は比較的柔らかく、燃料タンク支持装置50が外力を受ける際に、収納部35は、支持部材55の耐荷重にほとんど寄与しない。そのため、本実施形態では、支持部材55の耐荷重を規定する際に、収納部35は無視している。
以上のように構成された本実施形態の燃料タンク支持装置50によれば、キャビン13の上端よりも上方にはみ出した枠体36aを含む第1支持部分31に対して、車両10の進行方向前方から、燃料タンク32aの耐荷重よりも小さい予め定められた大きさの荷重が加えられたときに、枠体36aが支持する燃料タンク32aごと、脱離構造である接続部54a~54dが設けられた第1接触部52aにおいて、枠体36aが、枠体36b~36dから外れる。そのため、燃料タンク32aが、キャビン13の上端よりも上方からの外力(例えば、外部からの衝撃荷重)を受け易い配置となっていても、燃料タンク32aが受ける荷重を低減して、燃料タンク32aに対して、燃料タンク32aの耐荷重以上の荷重が入力されることを抑えることができる。そのため、車両10において、貨物の積載を妨げないように複数の燃料タンク32を効率良く搭載しつつ、燃料タンク32が外力によって損傷されることを抑えることができる。
B.第2実施形態:
第1実施形態では、第1接触部52aに設けられた接続部54a~54dは、同等の接続強度を有することとしたが、異なる構成としてもよい。以下では、第1接触部52aにおける接続強度が不均一である構成の一例を、第2実施形態として説明する。第2実施形態において、第1実施形態と共通する部分には、同じ参照番号を付す。
図6は、第2実施形態の車両10において、キャビン13の上端よりも上方にはみ出した枠体36aに対して、車両10の進行方向前方から荷重が加えられたときの動作を表わす説明図である。図6では、上記荷重が加わる様子を、白抜き矢印により表わしている。
第2実施形態では、第1接触部52aに設けた接続部のうち、車両10の進行方向の前方部に設けた接続部54a、54bを備える第2接続部は、進行方向の後方部に設けた接続部54c、54dを備える第1接続部よりも、接続強度が小さく形成されている。具体的には、接続部54a、54bは、接続部54c、54dよりも、径が小さなボルトを用いて構成されている。あるいは、第1接触部52aにおいて、進行方向後方部の第1接続部は、接続部54c、54dに加えてさらに他の接続部(ボルトで締結した接続部)を備えることにより、接続強度を大きくしてもよい。そして、第2実施形態の燃料タンク支持装置50では、車両10の進行方向前方から、支持部材55におけるキャビン13の上端よりも上方にはみ出した部分に対して、燃料タンク32aの耐荷重よりも小さい予め定められた大きさの荷重が加えられたときに、第1接続部である接続部54c、54dは接続状態を維持したまま、第2接続部である接続部54a、54bにおいて、枠体36aが、第2支持部分34の枠体36b~36dから外れる。第2実施形態では、上記した予め定められた大きさの荷重を、「支持部材55の耐荷重」とも呼ぶ。
上記のように、第2実施形態では、第2接続部である接続部54a、54bの方が、第1接続部である接続部54c、54dよりも、接続強度が小さく、図6に示す白抜き矢印のようにして支持部材55の耐荷重を超える荷重が加えられたときには、接続部54c、54dが接合された状態であっても、接続部54a、54bが外れ得る。そして、接続部54c、54dが接合された状態で接続部54a、54bが外れると、枠体36aは、燃料タンク32aごと、接続部54c、54dにより接続される箇所を支点とし、第1接触部52aにおける接続部54cと接続部54dとを結ぶ線分に対応する部分を中心として回転する。このようにして、枠体36aは、進行方向後方に移動する。枠体36aが回転する様子を、図6中に矢印で示す。第2実施形態では、第2接続部である接続部54a、54bを「脱離構造」とも呼ぶ。
第2実施形態における支持部材55の耐荷重は、例えば、燃料タンク32aの耐荷重の80%以下とすることができ、75%以下がより望ましく、70%以下がさらに望ましい。第2実施形態における燃料タンク32aの耐荷重および支持部材55の耐荷重は、図4A、図4B、図5A、図5Bを用いて説明したように、第1実施形態と同様にして規定することができる。ただし、第2実施形態では、支持部材55の耐荷重は、接続部54c、54dの接続状態を維持したまま、接続部54a、54bの双方が外れるときに剛体62を介して加えられる荷重の大きさとしている。
このような構成とすれば、車両10の進行方向前方から荷重が加えられて、脱離構造である接続部54a、54bにおいて枠体36aが枠体36bから外れるときには、燃料タンク32aを収容する枠体36aは、接続部54c、54dを中心として回転し、進行方向後方に移動する。このように、燃料タンク支持装置50に対して荷重が加えられたときの枠体36aの移動方向を予め設定することができるため、燃料タンク32aを収容する枠体36aが望ましくない方向に移動するのを抑えることができる。このように、不測の方向に枠体36aが飛ぶことを抑えることができるため、車両10に荷重が加えられた際の安全性を高めることができる。
第2実施形態では、第1接続部である接続部54c、54dと、第2接続部である接続部54a、54bとは、枠体36aと枠体36bとが各々の角部同士で接する箇所に設けたが、異なる構成としてもよい。第1接続部は、支持部材55における車両10の進行方向の後方部に設けられ、第2接続部は、第1接続部よりも進行方向の前方で、第1接続部の接続強度よりも小さい接続強度で、枠体36aと枠体36bとを接続していればよい。これにより、上記したように、支持部材55に対して車両10の進行方向前方から荷重が加えられたときに、第1接続部の接続を維持した状態で第2接続部が脱離し、枠体36aを後方に移動させることが可能になる。
C.他の実施形態:
(C1)第1支持部分に含まれる枠体の変形:
上記各実施形態では、キャビン13の上端よりも上方にはみ出して配置されるのは、燃料タンク32aを収納する枠体36aのみとしたが、異なる構成としてもよい。燃料タンクが固定された2以上の枠体が、キャビン13の上端よりも上方にはみ出して配置されてもよい。また、キャビン13の上端よりも上方にはみ出して配置される枠体は、当該枠体全体がキャビン13の上端よりも上方にはみ出して配置される必要はなく、一部のみが上方にはみ出して配置されてもよい。この場合には、支持部材55におけるキャビン13の上端よりも上方にはみ出した部分に対して、進行方向前方から荷重が加えられたときに、少なくとも一部がキャビン13の上端よりも上方にはみ出す枠体のすべてが脱離可能となる位置に、脱離構造を設ければよい。
上記荷重が加えられた際に脱離する第1支持部分31に含まれる枠体は、少なくとも1つの燃料タンク32を支持していればよいが、第1支持部分31は、少なくとも一部がキャビン13の上端よりも上方にはみ出す枠体よりも、下方に配置される枠体を含むこととしてもよい。すなわち、上記荷重が加えられた際に脱離する第1支持部分31に支持される燃料タンクである第1燃料タンクは、少なくとも一部がキャビン13の上端よりも上方にはみ出して配置される燃料タンク32に加えて、さらに、キャビン13の上端よりも上方にはみ出さない燃料タンク32を含んでもよい。脱離構造で脱離可能な第1支持部分31の上端の方が、キャビン13の上端よりも上方に位置するように、配置されていればよい。ただし、第1支持部分31に含まれる枠体の数が少ない方が、外れた枠体の移動の自由度を確保し易く、脱離構造で支持部材55の一部が脱離する動作の信頼性を高めることができる。そのため、支持部材55の第1支持部分31は、キャビン13の上端よりも上方にはみ出す部分を有しない枠体を、含まない方が望ましい。
(C2)接続部の変形:
上記各実施形態では、枠体間を接続する接続部を、ボルトを用いた締結部として形成したが、異なる構成としてもよい。例えば、枠体間を溶接により接続してもよい。この場合には、例えば、溶接箇所の数を異ならせることにより、枠体間の接続強度を調節することができる。あるいは、個々の溶接箇所の大きさを異ならせることにより、枠体間の接続強度を調節してもよい。また、枠体間を接続する接続部は、例えば、リベットによって構成してもよい。この場合には、リベットの径やリベットによる接続箇所の数を異ならせることにより、枠体間の接続強度を調節することができる。支持部材55において、キャビン13の上端よりも上方にはみ出して配置される部分を含む第1支持部分31と、第1支持部分31の下方に配置される第2支持部分34との間に、既述した脱離の動作が可能な脱離構造が設けられていれば、実施形態と同様の効果が得られる。
また、第2実施形態において、第1接続部は、ボルトに代えてヒンジを用いて、枠体36aと枠体36bとを接続することとしてもよい。第1接続部よりも第2接続部の接続強度を小さくすることで、第2実施形態と同様の効果が得られる。
(C3)支持部材の変形:
上記各実施形態では、支持部材55が備える第1支持体および第2支持体は、四角柱の各辺に対応する形状を有する枠組み構造である枠体36a~36dによって構成したが、異なる構成としてもよい。例えば、四角柱以外の多角柱の各辺に対応する形状を有する枠組み構造である多角柱状枠体を組み合わせて第1支持体および第2支持体を構成してもよい。この場合には、複数の多角柱状枠体を組み合わせた第1支持体および第2支持体において、第1燃料タンクを収納する第1支持体の最も下方に位置する多角柱状枠体と、第2支持体の最も上方に位置する多角柱状枠体との間に、上記各実施形態と同様の脱離構造を設ければよい。なお、上記した多角柱状枠体は、枠組み構造の一部、具体的には多角柱の各辺のうちの一部に対応する部分が、湾曲しているものを含む。
あるいは、第1支持体および第2支持体は、枠組み構造を組み合わせるのではなく、例えば、角柱の側面の少なくとも一部が閉じた形状、箱状、あるいは、燃料タンク32を個別に載置する板状部材が高さ方向に複数段設けられた棚状等とすることができる。また、第1支持体と第2支持体とは、異なる形状であってもよい。キャビンの上端よりも上方にはみ出した部分を含む第1支持部分と、第1支持部分よりも下方の第2支持部分との間に、上述した脱離の動作が可能な脱離構造が設けられていればよい。ただし、上記各実施形態のように、個々の燃料タンク32を個別に囲む枠状部材を組み合わせることによって第1支持体および第2支持体を構成するならば、支持部材の軽量化と、外部から加えられた荷重の一部を支持部材によって吸収して燃料タンクが受ける荷重を和らげる機能と、を両立することができて望ましい。
上記各実施形態では、支持部材55は、複数の燃料タンク32を、高さ方向に1列で積み上げることとしたが、異なる構成としてもよい。例えば、複数の燃料タンク32を高さ方向に積み上げる構造を、複数列並べて設けてもよい。この場合に、複数の燃料タンク32を高さ方向に積み上げる構造を複数列並べる方向は、車両10の前後方向(Y方向)であってもよく、車両10の幅方向(X方向)であってもよい。車両10の幅方向に並べる場合には、個々の燃料タンク32の長手方向の長さを抑えて、燃料タンク支持装置全体が、車両10から幅方向にはみ出さないようにすることが望ましい。
(C4)燃料タンクを支持部材に固定する固定部の変形:
上記各実施形態では、図3に示すように、個々の燃料タンク32は、燃料タンク32の両端に設けられた一対の口金部33を介して第1支持体および第2支持体に固定されているが、異なる構成としてもよい。
図7は、燃料タンク32を第1支持体および第2支持体に固定する固定部に係る変形例を示す説明図である。図7において、実施形態と共通する部分には同じ参照番号を付す。本変形例では、燃料タンク32a~32cを枠体36a~36cに固定する構成は、いずれも同様である。図7では、枠体として枠体36a、36bのみを示しており、以下では、枠体36aについて説明する。変形例の枠体36aは、燃料タンク32aを枠体36aに固定するための構造として、燃料タンク32aの外周形状に沿った湾曲した帯状に形成された部材である第3保持部材38aおよび第4保持部材38bを備える。第3保持部材38aおよび第4保持部材38bは、それぞれ、X方向から見たときに半円形状となる部分を含み、当該半円形状となる部分において、第3保持部材38aは燃料タンク32を下方から支持し、第4保持部材38bは燃料タンク32の上方部分に接する。そして、第3保持部材38aと第4保持部材38bとの間に燃料タンク32aを配置して、第3保持部材38aと第4保持部材38bとの両端部同士を、ボルト38cを用いて締結することにより、燃料タンク32aを枠体36aに固定している。
図7では、第3保持部材38aおよび第4保持部材38bの端部のうち、一方の端部同士を締結する様子のみを示し、他方の端部同士を締結する様子は、燃料タンク32aに隠されている。また、図7では、第3保持部材38aと第4保持部材38bとの組み合わせを2組用いて、燃料タンク32aを枠体36aに固定する様子を示している。また、図7では、ボルト38cを用いた締結の動作を、矢印により示している。
支持部材55に対して進行方向前方からの荷重が加えられたときに、脱離構造において、燃料タンク32ごと第1支持部分31が第2支持部分34から外れることができれば、燃料タンク32を第1支持体に固定する固定部は、実施形態や変形例以外にも種々の態様を取ることができる。また、既述した進行方向前方からの荷重が加えられたときに、第1燃料タンクが固定された第1支持体が第2支持体から外れるならば、第2支持体から離脱した第1支持体から、第1燃料タンクがさらに外れてもよい。
第2支持部分34の第2燃料タンクが第2支持体に取り付けられる態様は、第1燃料タンクが第1支持体に取り付けられる態様とは異なっていてもよい。第2燃料タンクは、車両走行時の振動などの通常の使用条件下で支持部材55に加えられる荷重では第2燃料タンクが外れない強度で、第2支持体に支持されていればよい。
(C5)支持部材の配置の変形:
上記各実施形態では、支持部材55は、キャビン13とコンテナ22との間において、キャビン13の背面に近接して、キャビン13の背面に沿って配置されているが、異なる構成としてもよい。支持部材55は、キャビン13の後方に配置されていればよく、例えば、キャビン13と支持部材55との間に、さらに他の部材が存在してもよい。支持部材55が備える第1支持部分31の上端の方がキャビン13の上端よりも上方に位置するように配置されるならば、同様の効果が得られる。ただし、支持部材55の配置は、キャビン13の背面に近いほど、貨物の積載を妨げないため望ましい。
(C6)車両の変形:
上記各実施形態では、車両10は、いわゆるセミトレーラとして構成されることとしたが、異なる構成としてもよい。車両10は、燃料電池を電源として備え、キャビンの後方に貨物が積載される積載スペースを有する貨物用燃料電池車両であればよい。このような車両10において、実施形態と同様の燃料タンク支持装置50を、キャビンの後方に配置するならば、実施形態と同様の効果が得られる。
本開示は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
10…車両、11…トラクターヘッド、12…トレーラ、13…キャビン、15…車両フレーム、16…前輪、17…後輪、18…被連結部、21…車台、22…コンテナ、23…従動輪、24…連結部、30…燃料電池ユニット、31…第1支持部分、32、32a~32c…燃料タンク、33…口金部、34…第2支持部分、35…収納部、36a~36d…枠体、37a…第1梁、37b…第2梁、37c…第1保持部材、37d…第2保持部材、38a…第3保持部材、38b…第4保持部材、38c…ボルト、39…支持メンバ、40…システム補機、50…燃料タンク支持装置、52a…第1接触部、52b…第2接触部、52c…第3接触部、54a~54d…接続部、55…支持部材、60、62…剛体、64…台座

Claims (4)

  1. 燃料電池を備える貨物用燃料電池車両に搭載されて、前記燃料電池に供給するための燃料ガスを貯蔵する複数の燃料タンクを支持する燃料タンク支持装置であって、
    前記複数の燃料タンクのうちの少なくとも1つの燃料タンクである第1燃料タンクと、前記第1燃料タンクが固定される第1支持体と、を有する第1支持部分と、前記第1支持部分より下方に配置されて前記貨物用燃料電池車両に固定されると共に、前記複数の燃料タンクのうちの前記第1燃料タンクとは異なる少なくとも1つの燃料タンクである第2燃料タンクを有し、前記第2燃料タンクを支持する第2支持部分と、を備え、前記貨物用燃料電池車両のキャビンの後方において、前記第1支持部分の上端の方が前記キャビンの上端よりも上方に位置するように配置される支持部材と、
    前記第1支持部分と前記第2支持部分とを接続すると共に、前記第1支持部分に対して、前記貨物用燃料電池車両の進行方向に平行に、前記進行方向の前方から、前記燃料タンクの耐荷重よりも小さい予め定められた大きさの荷重が加えられたときに、前記第1支持部分が前記第2支持部分から外れる脱離構造と、
    を備える
    燃料タンク支持装置。
  2. 請求項1に記載の燃料タンク支持装置であって、
    前記支持部材は、前記支持部材における前記進行方向の後方部において、前記第1支持部分と前記第2支持部分とを接続する第1接続部を備え、
    前記脱離構造は、前記第1接続部よりも前記進行方向の前方で、前記第1支持部分と前記第2支持部分とを、前記第1接続部における接続強度よりも小さい接続強度で接続する第2接続部である
    燃料タンク支持装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の燃料タンク支持装置であって、
    前記第1支持体は、前記第1支持体に固定される前記第1燃料タンクを個別に収納する収納空間を内部に有する枠組み構造を備える
    燃料タンク支持装置。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の燃料タンク支持装置を搭載する貨物用燃料電池車両。
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