JP7225073B2 - 凝集ろ過方法及び凝集ろ過装置 - Google Patents

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Description

本発明は凝集ろ過方法及び凝集ろ過装置に関し、特にろ過水の濁度を低下させるための凝集ろ過方法及び凝集ろ過装置に関する。
河川水や地下水等の原水の水処理では、凝集沈澱処理や砂ろ過処理などの固液分離技術によって、不溶解性成分である濁度成分や藻類等を除去する処理が行われている。原水を凝集ろ過するプロセスでは種々の要因によって凝集阻害を起こす場合があるが、その一因としてピコプランクトンの存在が近年問題になっている。ピコプランクトンは、0.2~2μmの大きさを持つプランクトンであり、ろ過水の濁度を上昇させる要因となることが報告されている(非特許文献1)。
ピコプランクトンは栄養摂取の仕組みから2つのグループに分類され、1つは有機物を分解して栄養源とする細菌が主体の従属栄養ピコプランクトン、もう1つは光合成を行う植物ピコプランクトンである。ピコプランクトンはクロロフィルなどの色素を持ち、蛍光顕微鏡にて観察が可能であり、原水または処理水中に存在していることが確認されている。
特開2014-240760号公報 特開2011-110504号公報 特開2004-195304号公報 特開2016-059867号公報 特開2006-7086号公報 特開2012-228673号公報
日本水道協会;生物障害を起こさないための浄水処理の手引き 平成18年 厚生労働省告示「水道におけるクリプトスポリジウム等対策指針」(平成19年)
ところで、厚生労働省は、水道水を介して発生したクリプトスポリジウムによる感染症への対応として、ろ過水濁度0.1度以下管理を指導しているため(非特許文献2参照)、各地の水道事業者は、ろ過水濁度を常時0.1度以下に管理することを最も重要な水質管理項目と位置づけている。
しかしながら、上述したように、最近、全国各地の水道水源では富栄養化に起因するピコプランクトンの大発生が頻発しており、ピコプランクトンは、大きさが0.2~2μmと微小であるため、ろ過池より漏出してろ過水濁度を0.1度以上に上昇させる原因となるので、水道事業体ではその処理対策に苦慮しているところである。
ピコプランクトンは、生物由来の濁質であるため、塩素注入が有効な手段とされていた。しかしながら、塩素注入は、副生成物として発生するトリハロメタンが、発がん性物質として健康問題となっており、安全な除去方法が求められている。
特許文献1(特開2014-240760号公報)には、水中に含まれる藻類の種類別の個数を計算する生物粒子計数方法及び生物粒子計数器が記載されており、計数可能な生物粒子として、粒径が0.1μm~100μmの大きさの生物粒子、具体的には藻類や植物プランクトンが挙げられている。そして、計数結果に応じて凝集剤や塩素などの薬品を注入制御して、浄水処理や水質の監視を行うことが記載されている。しかしながら、特許文献1には、一般的な濁度の除去方法しか記載されておらず、ピコプランクトンやその除去に関する記載はない。
特許文献2(特開2011-110504号公報)には、浄水処理自動連続式監視装置から得られた沈殿水濁度及びろ過水濁度の情報に基づき、浄水処理不良原因が微小プランクトンによるろ過障害か否かを判断し、微小プランクトンによるろ過障害と判断された時、凝集処理工程において凝集剤の自動注入を行う浄水プロセスの連続制御システムが開示されている。しかしながら、特許文献2には、微小プランクトンによるろ過障害の対処手段として凝集剤を自動注入する技術しか開示されていない。
特許文献3(特開2004-195304号公報)には、ろ過池出口における被処理水(ろ過水)の濁度を測定し、検出された濁度に応じてろ過池入口に凝集剤を添加する凝集剤注入制御システムが開示されている。しかしながら、濁度の検出結果によるろ過池への凝集剤注入する技術であり、ピコプランクトンやその除去手段に関しては記載されていない。
特許文献4(特開2016-059867号公報)には、紫外線照射により、ピコプランクトン増殖を防止する浄水場における処理方法及びその設備の技術が開示されている。しかしながら、この発明では、紫外線照射をするための工程及び装置が必要となるため工数及びコストが増えるという問題がある。
特許文献5(特開2006-7086号公報)には、凝集沈殿水処理方法及び装置に関する発明であり、凝集改良剤(凝集助剤)の特性と処理方法について記載されている。しかしながら、特許文献5には、ピコプランクトンやその除去手段についての記載はない。
特許文献6(特開2012-228673号公報)には、凝集改良剤(凝集助剤)による良好な微フロック形成について記載してある。しかしながら、ピコプランクトンやその除去手段については記載されていない。
したがって、本発明の目的は、原水中にピコプランクトンが多量に存在する場合であっても、濁度の低いろ過水を得ることができる安全な凝集ろ過方法を提供することにある。また、本発明の目的は、その凝集ろ過方法に使用する凝集ろ過装置を提供することにある。
上記目的は、原水に含まれるピコプランクトンを低減させるための凝集剤及び凝集助剤を前記原水に添加する凝集剤・凝集助剤添加工程と、
前記凝集剤及び前記凝集助剤が添加された前記原水からろ過水を得るために該原水をろ過するろ過工程と、
前記原水又は前記ろ過水中の微粒子中のピコプランクトン数を測定する微粒子測定工程と、
前記測定された原水又はろ過水中のピコプランクトン数が1×10~2×10cells/mLの範囲内の所定の値以上の時に、前記凝集剤及び凝集助剤の添加量を調節する制御を行うことにより前記ろ過水の濁度を所定値以下に維持する制御工程と、
を含むことを特徴とする凝集ろ過方法により達成される。
本発明の凝集ろ過方法の好ましい態様は以下のとおりである。
(1)前記1×10~2×10cells/mLの範囲内で、濁度が0.1度以下のろ過水が得られるピコプランクトン数を閾値として設定し、前記測定されたピコプランクトン数が前記閾値以上の時に前記凝集剤または前記凝集助剤の添加量を増加させる。
(2)前記凝集剤は、無機凝集剤であり、前記凝集助剤は、凝集改良剤または高分子凝集剤である。
また、上記目的は、原水を導入する導入手段と、
前記原水中のピコプランクトンを含む微粒子を低減させるための凝集剤及び凝集助剤を前記原水に添加する添加手段と、
前記凝集剤が添加された原水からろ過水を得るろ過手段と、
前記凝集剤及び凝集助剤が添加された原水を固液分離する凝集手段と、
前記固液分離された原水又は前記ろ過水の微粒子中のピコプランクトン数を測定し測定結果を得る微粒子測定手段と、
前記測定結果に基づいて、前記凝集剤及び凝集助剤の添加量を調節し、前記原水の濁度を低減するように制御を行う制御手段と、
を有することを特徴とする凝集ろ過装置により達成される。
本発明の凝集ろ過装置の好ましい態様は以下のとおりである。
(1)前記制御手段は、前記ろ過水のピコプランクトン数の測定結果が、1×10~2×10cells/mLの範囲内の所定の値以上の時に、前記凝集剤及び凝集助剤の添加量を調節してろ過水の濁度が所定値以下となるように制御する。
(2)前記ピコプランクトン数の測定結果、凝集剤及び凝集助剤の添加量、濁度、ろ過の水質状況の少なくともいずれかを監視のために前記制御手段の制御によって報知する報知手段を有する。
本発明によれば、測定されたピコプランクトン数に基づいて凝集剤および凝集助剤の添加量を制御することにより、ピコプランクトンの多量発生による濁度の上昇を防止することができる。
本発明の凝集ろ過方法の一実施形態を示すフローである。 本発明の凝集ろ過装置の一実施形態を示す概略図である。 ピコプランクトン数と濁度との関係を示すグラフである。 原水中のピコプランクトンの様子を示す写真(A)及びろ過水中のピコプランクトンの様子を示す顕微鏡写真(B)である。 原水中とろ過水中のピコプランクトン数を比較するためのグラフである。 凝集改良剤の注入率とろ過水濁度及び上澄水濁度との関係を示すグラフである。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る凝集ろ過方法のフローである。本発明の方法では、上述したように、凝集剤・凝集助剤添加工程、ろ過工程、微粒子測定工程、及び制御工程を含む。以下、各工程についてそれぞれ説明する。
[凝集剤・凝集助剤添加工程]
図1に示されるように、本発明の方法の1つの実施形態では、まず、凝集剤添加手段及び凝集助剤添加手段(以下、まとめて凝集剤・凝集助剤添加手段とも称する)から原水に凝集剤及び凝集助剤を添加する。原水は、一般に、河川から取水した水や地下水などであり、沈砂池や着水井を経た原水である。凝集剤及び凝集助剤は従来から使用されているものを使用することができ、当業者により適宜選択される。
凝集剤としては、例えば、無機凝集剤などを使用することができる。無機凝集剤としては、ポリ塩化アルミニウム(PAC)、硫酸アルミニウム(硫酸ばん土)、塩化鉄、ポリ硫酸鉄などが適用可能である。これらは1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
凝集剤の添加量は、選択された凝集剤の種類に応じて適宜選択されるが、通常は、1~50mg/Lであり、この範囲で後述する制御工程で凝集剤の添加量の制御(増減)を行う。なお、本発明において、凝集剤とは、水中の懸濁粒子やコロイド状物質の荷電を中和する能力と、これを集塊しフロックを形成させる架橋能力を持った薬剤のことをいう。
凝集助剤としては、フロック形成助剤、アルカリ剤、活性ケイ酸、アルギン酸、有機凝集助剤、高分子凝集剤、凝集改良剤などが挙げられる。
高分子凝集剤としては、重液中の粒子の表面電荷等を考慮し、カチオン系高分子凝集剤、アニオン系高分子凝集剤、及びノニオン系高分子凝集剤のいずれか又は複数を適宜選択すればよい。
凝集改良剤としては、例えば、100μm以上の質量割合が5%以下であり、且つ10μm以下の質量割合が30%以下である粒度分布を有し、且つ比重が2.0~4.0である微細砂を使用することができる。そのような微細砂は、水に不溶解性で、かつ被処理水に添加した場合のゼータ電位が-30mV~-60mVであることがさらに好ましい。
凝集助剤の添加量は、選択された凝集剤の種類に応じて適宜選択されるが、通常は、原水の量に対して5~40mg/Lであり、この範囲で後述する制御工程で凝集剤の添加量の制御(増減)を行う。なお、本発明において、凝集助剤とは、凝集処理における凝集フロックの沈降分離性や急速ろ過池での捕捉性を改善させるため、経が大きく緻密で強固なフロックを形成させる目的で、凝集剤と併用して原水に添加する薬剤のことをいう。
凝集剤及び凝集助剤の添加の順序は、凝集剤及び凝集助剤の種類によって適宜変更される。凝集剤及び凝集助剤を添加した後、通常は、原水と凝集剤及び凝集剤とを混和し、フロックを形成させ、フロックを沈殿させる。
[ろ過工程]
次に、ろ過工程について説明する。ろ過工程では、凝集剤及び凝集助剤を添加したフロック形成後の原水(被処理水)をろ過する。ろ過の方法は従来から行われている方法を使用することができ、一般に、砂ろ過が使用される。
[微粒子測定工程]
次に、微粒子測定工程について説明する。微粒子測定工程では、原水およびろ過水に含まれる微粒子中のピコプランクトン数を測定する。ここで、本発明において、微粒子とは、粒径0.1μm~数百μmである粒子をいうが、微粒子測定工程では、その微粒子のうち粒径0.2μm~2.0μmのピコプランクトンの数を測定する。ピコプランクトンは、微小プランクトン、植物プランクトン、小型プランクトン、小型藻類、藻類の生物粒子などの総称する用語である。
なお、本発明において、ピコプランクトンの粒径は、ピコプランクトンの最小長さのことをいう。また、あらゆるサイズの微粒子の中から0.2μm~2.0μmのピコプランクトンのみを抽出する方法は、0.2μmの開口サイズを有するフィルター及び2.0μmの開口サイズを有するフィルターを使用し、それらに原水またはろ過水を通すことによって行われる。
微粒子測定工程においてピコプランクトン数を計測するために使用される方法としては、例えば、蛍光顕微鏡による蛍光測定を使用することができる。蛍光測定では、ピコプランクトンに含まれるクロロフィルが発する蛍光を測定することによってピコプランクトンの存在が確認され、その存在数をカウンターによって計数する。また、微粒子測定工程では、ピコプランクトン数の計測と同じタイミングで原水及びろ過水の濁度の測定を行うことが好適である。濁度の測定は従来から使用されている濁度計で行うことができる。
[制御工程]
次に、制御工程について説明する。制御工程では、微粒子測定工程において測定された原水又はろ過水中のピコプランクトン数に基づいて凝集剤及び凝集助剤の添加量を調節する制御を行う。例えば、原水中またはろ過水中のピコプランクトン数が1×10~2×10cells/mLの範囲内の所定値以上である時に凝集剤または凝集助剤の添加量を増加させる制御を行う。また、凝集剤または凝集助剤の添加量が増加した結果、ろ過水中のピコプランクトン数が減少した場合、凝集剤または凝集助剤の添加量を減少させるなどの制御をすることも可能である。なお、本発明において、「cells/mL」という単位は、原水またはろ過水1mL当たりのピコプランクトンの数を指す。
好ましくは、本発明では、原水中またはろ過水中のピコプランクトン数1×10~2×10cells/mLの範囲内で、濁度が0.1度以下のろ過水が得られるピコプランクトン数を閾値として設定し、測定されたピコプランクトン数が閾値以上の時に凝集剤または凝集助剤の添加量を増加させることが好ましい。
例えば、図3は、ピコプランクトン数と濁度との関係を示すグラフであり、A浄水場及びB浄水場ともにピコプランクトン数が増えるほど濁度が上昇することを示しており、両者に相関性があることが示されている。そして、例えば、B浄水場の場合は、ピコプランクトン数が1×10cells/mL未満の場合は、濁度が0.1以下であることが示されていることから、この場合、凝集剤及び凝集助剤の添加量を増加させるときのピコプランクトン数の閾値を1×10cells/mLと設定し、その値以上の場合に凝集剤及び凝集助剤の添加量を増加させる制御を行うことで、ろ過水の濁度を0.1度以下に管理することが可能となる。
また、A浄水場の場合、ピコプランクトン数が2×10cells/mL未満の場合は、濁度が0.1以下であることが示されていることから、この場合、凝集剤及び凝集助剤の添加量を増加させるときのピコプランクトン数の閾値を2×10cells/mLと設定し、その値以上の場合に凝集剤及び凝集助剤の添加量を増加させる制御を行うことで、ろ過水の濁度を0.1度以下に管理することが可能となる。
また、制御工程では、ろ過水の濁度を測定することが好適である。ピコプランクトン数と濁度の両方を測定し、その情報に基づいて凝集剤または凝集助剤の添加量を制御することで、濁度を低い値で維持するという目標を確実に達成することができる。
制御手段に接続されている報知手段は、制御手段の情報、例えば微粒子測定値(ピコプランクトン数)、濁度、凝集剤の添加量の増減等、濁度、ろ過の水質状況などのいずれか1つ以上をモニタに表示したり、図4のような原水中及びろ過水中のピコプランクトン発生の状況を画像表示するようにしておよい。更に、音声で上記の各情報を随時知らせても良く、ろ過手段の前後での水質状況、凝集剤の添加状況などを監視することができる。
上述した凝集ろ過方法では、微粒子測定工程から得られた情報に基づいて凝集剤及び凝集助剤の添加量を制御することにより、ろ過水の濁度が所定値以下に常時維持され、清澄なろ過水を得ることができる。また、この凝集ろ過方法では、ピコプランクトンを減少させるための他の工程、例えば、紫外線照射工程や塩素添加工程等を必要とすることなく、ピコプランクトン数を減少させることが可能であり、凝集ろ過処理の効率性の面でも有利な方法といえる。
[凝集ろ過装置]
次に、本発明の凝集ろ過装置について説明する。図2は、本発明の凝集ろ過装置の一実施形態を示す概略図である。図示されているように、凝集ろ過装置は、原水の導入手段としての着水井、凝集剤及び凝集助剤の添加手段としての凝集剤添加装置及び凝集助剤添加装置、混和槽、フロック形成槽、沈殿池、及びろ過手段としてのろ過池を基本的な構成として備え、更に、原水またはろ過水中のピコプランクトン数を測定する微粒子測定手段としての微粒子測定装置と、原水及びろ過水の濁度を測定する濁度測定装置と、微粒子測定結果に基づいて凝集剤及び凝集助剤の添加量を調節する制御手段としての制御装置とを有している。この構成において、混和槽、フロック形成槽及び沈殿池を総じて凝集手段としている。
着水井には、水源から取水された原水が導入され、原水の水量の調節及び水質把握が行われる。着水井を経た被処理水は混和槽に送られるときに、凝集剤添加装置及び凝集助剤添加装置から凝集剤及び凝集助剤が添加され、混和槽において原水と凝集剤及び凝集助剤とが十分に混合される。その後、原水はフロック形成槽に移され、フロックが十分に形成されるまで所定時間保持される。その後、フロックを含む原水は沈殿池に移され、フロックを沈殿させ、取り除く。その後、原水をろ過池に移し、常法(砂ろ過など)によりろ過を行う。各設備は従来から使用されているものを使用することができる。
上述したように、本実施の形態では、微粒子測定装置、濁度測定装置及び制御装置が更に備えられている。微粒子測定装置により、固液分離された原水及びろ過水の微粒子中のピコプランクトン数が測定され、濁度測定装置により、原水及びろ過水の濁度が測定される。測定された情報は、制御装置に送られ、制御装置では、原水またはろ過水中の上述した所定のピコプランクトン数が検出された場合に、凝集剤添加装置及び凝集助剤添加装置に対してその添加量を制御する指令を送る。
上述した凝集ろ過装置では、微粒子測定装置から得られた情報に基づいて凝集剤及び凝集助剤の添加量が制御される。これにより、ろ過水の濁度が所定値以下に管理され、清澄なろ過水を得ることができる。また、この凝集ろ過装置では、ピコプランクトンを減少させるための他の設備や薬品、例えば、紫外線照射装置や塩素添加設備等を必要とすることなく、ピコプランクトン数を減少させることが可能であり、コスト及び安全性の面でも有利な装置といえる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。本発明は以下の実施例により限定されるものではない。
図2に示すタイプの凝集ろ過装置を使用して試験を行った。原水の主な水質としては、濁度が2.98度、色度が12度、pHが7.6であった。着水井を経た原水に凝集剤添加装置及び凝集助剤添加装置から、まず、凝集剤としてポリ塩化アルミニウム(PAC)を注入率30mg/Lで添加し、凝集助剤として凝集改良剤を10mg/Lの注入率で添加した。凝集剤及び凝集助剤が添加された原水を混和槽で混和し、フロック形成槽でフロックを形成させ、沈殿池でフロックを沈殿させた後、ろ過槽でろ過を行った。なお、凝集剤及び凝集剤を添加する前の原水とろ過を経たろ過水について、それらに含まれるピコプランクトンの数を蛍光測定器によって測定した。
原水にはピコプランクトンが6.8×10cells/mLの量で観察され、ろ過処理水にはピコプランクトンが7.4×10cells/mLの量で観察された。濁度についても測定したところ、処理水の上澄水濁度は0.1度、ろ過水濁度は0.05度で清澄なろ過水が得られたことが認められた。図4は、原水(A)とろ過水(B)中のピコプランクトンの存在の様子を示す写真である。図4は、グレースケールの図面であるが、本特許出願後に物件提出書により提出したカラー写真においては、生菌が緑色で示されており、死菌は赤色で示されている。図5は、原水中とろ過水中のピコプランクトン数の対比を示すグラフである。図4及び図5により、上述の凝集ろ過処理によりピコプランクトンが大幅に減少したことが確認された。
また、同じ原水について凝集改良剤の注入率(添加率)を変えて凝集沈殿及びろ過を行ったところ、改良剤注入率とろ過水濁度との関係を示した図6(A)に示されるように、PAC注入のみで凝集改良剤が未注入の場合と、凝集改良剤が5mg/Lの場合、ろ過水濁度が0.1を超えたが、10mg/L、15mg/L、20mg/Lの場合は、0.1未満に維持されることが認められた。なお、図6(B)は上澄水濁度を参考として示している。凝集改良剤の添加により濁度が低下することが認められた。
以上の結果及び図3のピコプランクトン数と濁度との関係のデータによれば、ろ過水濁度を0.1以下に維持するには、ろ過水または原水中のピコプランクトン数を1.0×10~2.0×10cells/mL範囲内の所定値未満にすればよいことが明らかであり、かつ、ピコプランクトン数をその値未満にするには、凝集剤及び凝集助剤の添加量を変動させることにより行うことができることが明らかである。
また、計測の特徴として、手動でカウントした場合等の測定誤差等も考慮すると、処理水中のピコプランクトン数が1×10~2×10cells/mLの範囲内の所定値以上となった場合に凝集剤及び凝集助剤の添加量を制御する設定とすれば十分であり、その所定値は原水の種類や含まれる成分、測定誤差等により適宜決定される。なお、本実施例では、凝集助剤の添加量を増減した例を示したが、凝集剤の添加量を増減してもよい。

Claims (8)

  1. 原水に含まれるピコプランクトンを低減させるための凝集剤及び凝集助剤を前記原水に添加する凝集剤・凝集助剤添加工程と、
    前記凝集剤及び前記凝集助剤が添加された原水からろ過水を得るために該原水をろ過するろ過工程と、
    前記原水又は前記ろ過水中の微粒子中の粒径0.2μm以上2.0μm以下のピコプランクトンのみを前記原水又は前記ろ過水中のピコプランクトン数として測定する微粒子測定工程と、
    前記測定された原水又はろ過水中のピコプランクトン数が1×10~2×10cells/mLの範囲内の所定の値以上の時に、前記凝集剤及び凝集助剤の添加量を調節する制御を行うことにより前記ろ過水の濁度を所定値以下に維持する制御工程と、
    を含むことを特徴とする凝集ろ過方法。
  2. 前記請求項1に記載の凝集ろ過方法において、
    前記1×10~2×10cells/mLの範囲内で、濁度が0.1度以下のろ過水が得られるピコプランクトン数を閾値として設定し、前記測定されたピコプランクトン数が前記閾値以上の時に前記凝集剤または前記凝集助剤の添加量を増加させることを特徴とする凝集ろ過方法。
  3. 前記請求項1または2に記載の凝集ろ過方法において、
    前記凝集剤は、無機凝集剤であり、
    前記凝集助剤は、凝集改良剤または高分子凝集剤であることを特徴とする凝集ろ過方法。
  4. 前記ピコプランクトンを減少させるための塩素添加工程を含まないことを特徴とする請求項1~3の何れか一項に記載の凝集ろ過方法。
  5. 原水を導入する導入手段と、
    前記原水中のピコプランクトンを含む微粒子を低減させるための凝集剤及び凝集助剤を前記原水に添加する添加手段と、
    前記凝集剤が添加された原水からろ過水を得るろ過手段と、
    前記凝集剤及び凝集助剤が添加された原水を固液分離する凝集手段と
    前記固液分離された原水又は前記ろ過水の微粒子中の粒径0.2μm以上2.0μm以下のピコプランクトンのみを前記原水又は前記ろ過水中のピコプランクトン数として測定し測定結果を得る微粒子測定手段と、
    前記測定結果に基づいて、前記凝集剤及び凝集助剤の添加量を調節し、前記原水の濁度を低減するように制御を行う制御手段と、
    を有することを特徴とする凝集ろ過装置。
  6. 前記請求項に記載の凝集ろ過装置において、
    前記制御手段は、前記ろ過水のピコプランクトン数の測定結果が、1×10~2×10cells/mLの範囲内の所定の値以上の時に、前記凝集剤及び凝集助剤の添加量を調節してろ過水の濁度が所定値以下となるように制御することを特徴とする凝集ろ過装置。
  7. 前記請求項またはに記載の凝集ろ過装置において、
    前記ピコプランクトン数の測定結果、凝集剤及び凝集助剤の添加量、濁度、ろ過の水質状況の少なくともいずれかを監視のために前記制御手段の制御によって報知する報知手段を有することを特徴とする凝集ろ過装置。
  8. 前記ピコプランクトンを減少させるための塩素添加設備を含まないことを特徴とする請求項5~7の何れか一項に記載の凝集ろ過装置。
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Citations (5)

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