JP7224194B2 - 微多孔フィルムの製造方法および微多孔フィルム - Google Patents
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Description
また、特許文献4には4-メチル-1-ペンテン系樹脂とα-オレフィン共重合体との組成物を用いた微多孔膜が示されている。
一方、特許文献4に開示の微多孔膜には、4-メチル-1-ペンテン樹脂に、融点の低いα-オレフィン共重合体が配合されており、かかる組成物から得られる微多孔膜は、耐熱性が不十分である。
すなわち本発明の課題は、4-メチル-1-ペンテン系重合体の高い耐熱性等の特性を損なうことなく、ガーレー透気度が改良された微多孔フィルムを提供することである。
[1]4-メチル-1-ペンテン系樹脂(X)を含む樹脂組成物(Y)を溶融押出成形して、X線回折による配向度が0.88以上の原反フィルム(F)を得た後、当原反フィルムを延伸することを特徴とする微多孔フィルムの製造方法。
[2]前記4-メチル-1-ペンテン系樹脂(X)が、4-メチル-1-ペンテンから導かれる構成単位を96.0~99.8モル%含有し、炭素原子数2~20のα-オレフィン(ただし、4-メチル-1-ペンテンを除く)から導かれる構成単位を0.2~4.0モル%含有することを特徴とする[1]に記載の微多孔フィルムの製造方法。
[3]前記樹脂組成物(Y)が、下記要件(Y-1)および(Y-2)を満たす、[1]または[2]に記載の微多孔フィルムの製造方法。
(Y-1)メルトフローレート(260℃、5kg荷重)が5~20g/10分の範囲にある。
(Y-2)核剤を0.1~800ppmの範囲で含有する。
[4]前記樹脂組成物(Y)を溶融押出成形して原反フィルム(F)を成形する際に、溶融状態でドロー比50~500の範囲で引き取ることを特徴とする[1]~[3]のいずれかに記載の微多孔フィルムの製造方法。
[5]前記原反フィルムの延伸が、以下の工程(1)~(3)を当該順番で含む、[1]~[4]のいずかに記載の微多孔フィルムの製造方法。
(1)原反フィルム(F)を160~210℃の範囲内の温度で熱処理する工程。
(2)前記工程(1)で得たフィルムを0~120℃の範囲内の温度で延伸する冷延伸工程。
(3)前記工程(2)で得たフィルムを前記工程(2)の延伸温度より5℃以上高く、且つ、210℃以下の範囲内の温度で延伸する熱延伸工程。
[6]以下の工程(4)をさらに含む、請求項5に記載の微多孔フィルムの製造方法。
(4)前記工程(3)で得たフィルムを160~210℃の範囲内の温度で熱固定する熱固定工程。
[7]示差走査熱量計(DSC)で測定した融点(Tm)が210~250℃の範囲にある4-メチル-1-ペンテン系樹脂(X)を含む樹脂組成物(Y)から形成されてなる透気抵抗度(ガーレー透気度)が100~1000秒/100mlの範囲にあることを特徴とする微多孔フィルム。
[8]微多孔フィルムが、電池用セパレータである、[7]に記載の微多孔フィルム。
[9][7]に記載の微多孔フィルムを含む、リチウムイオン電池。
<4-メチル-1-ペンテン系樹脂(X)>
本発明の微多孔フィルムの製造方法に用いる樹脂組成物(Y)に含まれる4-メチル-1-ペンテン系樹脂(X)、および微多孔フィルムを形成する樹脂組成物(Y)に含まれる4-メチル-1-ペンテン系樹脂(X)は、4-メチル-1-ペンテンから導かれる構成単位を主たる単位で含む重合体である。
本発明に係る4-メチル-1-ペンテン系樹脂(X)は、好ましくは下記要件(X-1)~(X-2)のうち一つ以上を満たし、さらに好ましくは(X-1)および(X-2)を同時に満たす。
メルトフローレート(ASTM D1238に準拠、260℃、5kg荷重)が5~20g/10分、好ましくは10~15g/10分の範囲にある。
MFRが上記範囲にあると、得られる樹脂組成物(Y)において、原反フィルム(F)の押出成形時の樹脂流動性の点で好ましい。MFRの調整方法としては、重合反応中の反応器内水素量を調整したり、重合中または重合後に異なるMFRを持つ複数種類の重合体をブレンドしたりする方法などがある。
示差走査熱量計(DSC)で測定した融点(Tm)が210~250℃の範囲にある。好ましくは215~245℃、より好ましくは220~240℃の範囲にある。
本発明に係わる4-メチル-1-ペンテン系樹脂(X)は公知の方法により製造することができる。また、本発明に係わる4-メチル-1-ペンテン系樹脂(X)は、例えば、三井化学株式会社製TPX(商標)など市販の樹脂から選択して用いることもできる。
本発明に係わる樹脂組成物(Y)は、上記4-メチル-1-ペンテン系樹脂(X)を含む組成物である。
本発明に係わる樹脂組成物(Y)は、好ましくは下記要件(Y-1)~(Y-3)のうち一つ以上を満たし、さらに好ましくは(Y-1)および(Y-2)を同時に満たし、より好ましくは(Y-1)~(Y-3)を同時に満たす。
メルトフローレート(ASTM D1238に準拠、260℃、5kg荷重)が5~20g/10分、好ましくは10~15g/10分の範囲にある。
樹脂組成物(Y)のMFRが上記範囲にあると、原反フィルム(F)の押出成形時の樹脂流動性の点で好ましい。
核剤を0.1~800ppmの範囲で含有する。核剤の具体例については後述する。
示差走査熱量計(DSC)で測定した融点(Tm)が210~250℃の範囲にある。好ましくは215~245℃、より好ましくは220~240℃の範囲にある。
本発明に係わる樹脂組成物は、上記4-メチル-1-ペンテン系樹脂(X)に加え、その用途に応じて、本発明の効果を阻害しない範囲で他の樹脂や重合体、樹脂用添加剤等を任意に含有することができる。
添加する他の樹脂または重合体としては、下記の熱可塑性樹脂(E)を広く用いることができる。これら樹脂または重合体の添加量は樹脂組成物の総質量に対して、0.1~30質量%であることが好ましい。
本発明に係わる熱可塑性樹脂(E)は、本発明に係る4-メチル-1-ペンテン系樹脂(X)と異なる樹脂および重合体であり、本発明の効果を損なわない限り、特に制限されないが、例えば、以下の樹脂および重合体が挙げられる。
熱可塑性ポリオレフィン系樹脂、たとえば、低密度、中密度、高密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、アイソタクティックポリプロピレン、シンジオタクティックポリプロピレン、ポリ1-ブテン、ポリ3-メチル-1-ペンテン、ポリ3-メチル-1-ブテン、エチレン・α-オレフィン共重合体、プロピレン・α-オレフィン共重合体、1-ブテン・α-オレフィン共重合体、環状オレフィン共重合体、塩素化ポリオレフィン、およびこれらのオレフィン系樹脂を変性した変性ポリオレフィン樹脂;
熱可塑性ポリアミド系樹脂、たとえば、脂肪族ポリアミド(ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612);
熱可塑性ポリエステル系樹脂;たとえば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエステル系エラストマー;
熱可塑性ビニル芳香族系樹脂、たとえば、ポリスチレン、ABS樹脂、AS樹脂、スチレン系エラストマー(スチレン・ブタジエン・スチレンブロックポリマー、スチレン・イソプレン・スチレンブロックポリマー、スチレン・イソブチレン・スチレンブロックポリマー、前述の水素添加物);
熱可塑性ポリウレタン;塩化ビニル樹脂;塩化ビニリデン樹脂;アクリル樹脂;エチレン・酢酸ビニル共重合体;エチレン・メタクリル酸アクリレート共重合体;アイオノマー;エチレン・ビニルアルコール共重合体;ポリビニルアルコール;フッ素系樹脂ポリカーボネート;ポリアセタール;ポリフェニレンオキシド;ポリフェニレンサルファイドポリイミド;ポリアリレート;ポリスルホン;ポリエーテルスルホン;ロジン系樹脂;テルペン系樹脂および石油樹脂;
共重合体ゴム、たとえば、エチレン・α-オレフィン・ジエン共重合体、プロピレン・α-オレフィン・ジエン共重合体、1-ブテン・α-オレフィン・ジエン共重合体、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、ネオプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、ポリイソブチレンゴム、天然ゴム、シリコーンゴム等が例示される。
熱可塑性樹脂(E)としては、上記熱可塑性樹脂および重合体の中から1種を単独で使用することもできるし、2種以上を組み合せて使用することもできる。
本発明に係わる樹脂用添加剤としては、例えば、核剤、アンチブロッキング剤、顔料、染料、充填剤、滑剤、可塑剤、離型剤、酸化防止剤、難燃剤、紫外線吸収剤、抗菌剤、界面活性剤、帯電防止剤、耐候安定剤、耐熱安定剤、スリップ防止剤、ブ発泡剤、結晶化助剤、防曇剤、老化防止剤、塩酸吸収剤、衝撃改良剤、架橋剤、共架橋剤、架橋助剤、粘着剤、軟化剤、加工助剤などが挙げられる。これらの添加剤は、1種単独でも、適宜2種以上を組み合わせても用いることができる。
本発明に係わる核剤は、上記4-メチル-1-ペンテン系樹脂(X)を含む樹脂組成物(Y)を溶融押出し成形して、原反フィルム(F)を得る際の成形性をさらに改善させる、すなわち結晶化温度を高め、得られる原反フィルム(F)の結晶化速度を速めるための核剤である。
とりわけ、微多孔フィルムの製造にあたり、原反フィルム(F)の結晶化度を高めることは、得られる微多孔フィルムの開孔率向上、透気度向上に寄与する。
本発明に係わる樹脂組成物(Y)の製造方法は特に限定されないが、例えば、4-メチル-1-ペンテン系樹脂(X)と上記核剤等の他の成分とを混合したのち、溶融混練して得られる。
溶融混練の方法は、特に制限されず、一般的に市販されている押出機などの溶融混練装置を用いて行うことが可能である。
本発明の微多孔フィルムの製造方法は、上記4-メチル-1-ペンテン系樹脂(X)を含む樹脂組成物(Y)を溶融押出し成形して、X線回折による配向度が0.88以上の原反フィルム(F)を得た後、当原反フィルムを延伸することを特徴とする微多孔フィルムを製造する方法である。
上記原反フィルム(F)はX線回折による配向度が0.88以上であり、配向度の値は最大でも1.00である。本発明に係わる原反フィルム(F)は、好ましくは配向度が0.88以上0.99以下、より好ましくは0.90以上0.0.96以下である。
本発明に係わるX線回折による配向度が0.88以上の原反フィルム(F)を得る方法としては、Tダイ押出成形、インフレーション成形、カレンダー成形等の成形方法を採用し得る。中でも、本実施形態の微多孔性フィルムに要求される物性や用途の観点から、Tダイ押出成形が好ましい。
上記製造方法で得た原反フィルム(F)の延伸は、種々公知の延伸方法、具体的には、例えば、原反フィルム(F)を一方向に延伸する一軸延伸法の他に、一方向に延伸した後、もう一方の方向に延伸する逐次二軸延伸法;縦横方向に同時に延伸する同時二軸延伸法;一軸方向に多段延伸を行う方法;逐次二軸延伸や同時二軸延伸の後、さらに延伸する方法、などが含まれる。中でも、一軸延伸法あるいは二軸延伸法が好ましく、特に一軸方向に多段延伸を行う方法が好ましい。
(1)原反フィルム(F)を160~210℃の範囲内の温度で熱処理する工程。
(2)前記工程(1)で得たフィルムを0~120℃の範囲内の温度で延伸する冷延伸工程。
(3)前記工程(2)で得たフィルムを前記工程(2)の延伸温度より5℃以上高く、且つ、210℃以下の範囲内の温度で延伸する熱延伸工程。
より好ましくは、さらに以下の工程(4)をさらに含む。
(4)前記工程(3)で得たフィルムを160~210℃の範囲内の温度で熱固定する熱固定工程。
本発明の微多孔フィルムは、示差走査熱量計(DSC)で測定した融点(Tm)が210~250℃、好ましくは215~245℃、より好ましくは220~240℃の範囲にある4-メチル-1-ペンテン系樹脂(X)を含む樹脂組成物(Y)から形成されてなる、透気抵抗度(ガーレー透気度)が100~1000秒/100ml、好ましくは、100~800秒/100ml、より好ましくは100~600秒/100ml、特に好ましくは150~500秒/100mlの範囲にある微多孔フィルムである。
上記微多孔フィルムのガーレー透気度は、原反フィルム(F)の配向度により調整され、配向度は、ドロー比を大きくすることによって、配向度が大きい方向に調節可能である。
本発明の4-メチル-1-ペンテン系樹脂(X)を含む樹脂組成物(Y)から形成される微多孔フィルムは、高融点であり、かつ高いガーレー透気度を有する。このため、リチウムイオン電池、ニッケルカドミニウム電池、ニッケル水素電池等の電池用セパレータ、特に高温での形状保持性に優れ、かつ高いイオン伝導性が求められるリチウムイオン電池用セパレータに適している。
a)各層を微多孔化したのち、微多孔化された各層を熱圧着すること、または接着剤等により接着することにより積層する方法。
b)各層を積層して積層フィルムを得た後、該積層フィルムを延伸して微多孔化する方法。
a)の方法には、本発明の微多孔フィルムと、他の微多孔フィルムとをドライラミネート法、押出ラミネート法、熱ラミネート法等により熱圧着する方法が含まれる。
b)の方法には、本発明の4-メチル-1-ペンテン系樹脂(X)を含む樹脂組成物(Y)層と他の樹脂組成物層とを共押出することにより積層フィルムを得た後、延伸して微多孔化する方法等が含まれる。
本発明に係わるリチウムイオン電池は、正極板と負極板が電池用セパレータを介して積層されて捲回された捲回体と、電解液と、これらを収納する電池ケースと、を有する。電池セパレータは、4-メチル-1-ペンテン系樹脂(X)を含む樹脂組成物からなる微多孔フィルムを含む。
本発明の実施例および比較例で用いた4-メチル-1-ペンテン系樹脂(X1)等を以下に記載する。
国際公開2006/054613号の比較例9に記載の重合方法に準じて、4-メチル-1-ペンテン、その他のα-オレフィン(1-ヘキサデセン、1-オクタデセン等質量混合物)、水素の割合を変更することによって、4-メチル-1-ペンテン系共重合体(X1)を得た。すなわち、いずれも、無水塩化マグネシウム、2-エチルヘキシルアルコール、2-イソブチル-2-イソプロピル-1,3-ジメトキシプロパンおよび四塩化チタンを反応させて得られる固体状チタン触媒を重合用触媒として用いて得られたことになる。
2,4,8,10-Tetra(tert-butyl)-6-hydroxy-12H-dibenzo[d,g][1,3,2]dioxaphosphocin 6-oxide, sodium salt〔商品名:アデカスタブNA-11(株式会社ADEKA製)〕、フェノール系安定剤としてスミライザーGA80(住友化学株式会社製)、リン系安定剤としてスミライザーGP(住友化学株式会社製)、加工助剤としてステアリン酸カルシウム、中和剤としてステアリン酸表面処理したハイドロタルサイトを配合した。ヘンシェルミキサーで混合後、二軸押出機(池貝株式会社製PCM43)を用いて評価用ペレットを得た。
後述する製造方法で原反フィルム、微多孔フィルムを作製し、評価した。
以下、4-メチル-1-ペンテン系樹脂(X1)、評価用ペレットおよび原反フィルム、微多孔フィルムの評価方法を具体的に記載する。
4-メチル-1-ペンテン系樹脂(X1)中のエチレンおよび炭素原子数3~20のα-オレフィン(4-メチル-1-ペンテンを除く)から選ばれる少なくとも1種のオレフィンに由来の構成単位(コモノマー)の含量は、以下の装置および条件により、13C-NMRスペクトルより算出した。
コモノマー由来の構成単位の含量(%)=[P/(P+M)]×100
[メルトフローレート(MFR)](g/10分)
樹脂組成物(Y1)のメルトフローレート(MFR)はASTM D1238に準拠して260℃、5kg荷重の条件で測定した。
樹脂組成物(Y1)の融点(Tm)は、セイコーインスツルメンツ社製DSC測定装置(DSC220C)を用い、測定用アルミパンに約5mgの試料をつめて、10℃/分で280℃まで昇温した。280℃で5分間保持した後、10℃/分で20℃まで降温させた。20℃で5分間保持した後、10℃/分で280℃まで昇温した。2回目の昇温時に観測された結晶溶融ピークの頂点が現れる温度を融点とした。
Tダイ付きキャストフィルム成形機を用いて、シリンダー温度265℃、チルロール80℃でフィルム成形することで厚み25μmのキャストフィルムを得た。
原反フィルムの結晶性パラメータは、X線解析装置(リガク製RINT2550)を用いて測定した。試料中央部を切り出し、重ねてMD方向を基準軸としてホルダーに固定し、2θ=10°付近[TPX(200)面]の方位角分布強度を、以下の条件で測定した。
X線源 CuKα
出力 40kV 370mA
検出器 シンチレーションカウンター
軸配向度は、方位角分布曲線の軸配向由来ピークの半価幅(α)を用いて次式より算出した。
軸配向度=(180-α)/180
工程(1)熱処理
原反フィルムを、190℃で60分間熱処理した。
工程(2)冷延伸
熱処理後のフィルムを、フィルム製膜方向(MD方向)にロール設定温度90℃で延伸倍率(厚みより算出)30%、1軸延伸装置を用いて冷延伸した。
工程(3)熱延伸
次いで、ロール設定温度180℃で30%(厚みより算出)、1軸延伸装置を用いて熱延伸し、微多孔フィルムを得た。
工程(4)熱固定
熱延伸後のフィルムを、190℃で10分間の熱固定を行った。
熱固定前後の微多孔フィルムの物性を下記方法で評価した結果を表2に示した。
JIS-P8117(ガーレー試験法)に基づき、微多孔フィルムの透気度を測定した。
なお、微多孔フィルムを熱固定すると、熱固定した微多孔フィルムは、ガーレー透気度が小さくなり、より透気度に優れることが分かる。
NMC111(日本化学工業製、正極活物質)を94重量%、アセチレンブラック(導電剤)を3重量%、ポリフッ化ビニリデン(結着剤)を3重量%の割合で混合し、これに1-メチル-2-ピロリドン溶剤を加えて混合したものをアルミニウム箔(厚み20um)上に塗布し、乾燥、加圧成型、加熱処理して正極を調製した。天然黒鉛(負極活物質)を98重量%、SBRゴム(JSR製TRD2001、結着剤)を1重量%の割合で混合し、これにCMC(日本製紙製 MAC350HC、増粘剤)を加え、混合したものを銅箔(厚み20um)上に塗布し、乾燥、加圧成型、加熱処理して負極を調製した(電極組成を表3に示す)。次に、これらの正極・及び負極とセパレータ(セル1:実施例6、セル2:セルガード社製PPセパレータ製品名2500 透気度200sec/100mL,25um厚)、Alタブリード(株式会社サンクメタル製)、Niタブリード(株式会社サンクメタル製)、アルミ外装材(Ny/Al/PP)からラミネートセルを作成し、上記の非水電解液を注入後、減圧熱封止(-80kPa以下、180℃)を行いラミネートセルを作製した。
上記ラミネートセルを用いて、充放電装置(北斗電工製 SD8)にて充放電特性を測定した。
25℃下、2.2A(1C)の定電流で4.2Vまで充電した後、終止電圧4.2Vとして定電圧下に合計3時間充電した。次に2.2A(1C)の定電流下、終止電圧2.8Vまで放電し、この充放電を繰り返し、初期放電特性を測定した(表4)。
Claims (8)
- 4-メチル-1-ペンテン系樹脂(X)を含む樹脂組成物(Y)を溶融押出成形して、X線回折による配向度が0.88以上の原反フィルム(F)を得た後、当原反フィルムを延伸する微多孔フィルムの製造方法であって、
前記樹脂組成物(Y)を溶融押出成形して原反フィルム(F)を成形する際に、溶融状態でドロー比50~500の範囲で引き取ることを特徴とする微多孔フィルムの製造方法。 - 前記4-メチル-1-ペンテン系樹脂(X)が、4-メチル-1-ペンテンから導かれる構成単位を96.0~99.8モル%含有し、炭素原子数2~20のα-オレフィン(ただし、4-メチル-1-ペンテンを除く)から導かれる構成単位を0.2~4.0モル%含有することを特徴とする請求項1に記載の微多孔フィルムの製造方法。
- 前記樹脂組成物(Y)が、下記要件(Y-1)および(Y-2)を満たす、請求項1または2に記載の微多孔フィルムの製造方法。
(Y-1)メルトフローレート(260℃、5kg荷重)が5~20g/10分の範囲にある。
(Y-2)核剤を0.1~800ppmの範囲で含有する。 - 前記原反フィルムの延伸が、以下の工程(1)~(3)を当該順番で含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の微多孔フィルムの製造方法。
(1)原反フィルム(F)を160~210℃の範囲内の温度で熱処理する工程。
(2)前記工程(1)で得たフィルムを0~120℃の範囲内の温度で延伸する冷延伸工程。
(3)前記工程(2)で得たフィルムを前記工程(2)の延伸温度より5℃以上高く、且つ、210℃以下の範囲内の温度で延伸する熱延伸工程。 - 以下の工程(4)をさらに含む、請求項4に記載の微多孔フィルムの製造方法。
(4)前記工程(3)で得たフィルムを160~210℃の範囲内の温度で熱固定する熱固定工程。 - 得られた微多孔フィルムの透気抵抗度(ガーレー透気度)が100~1000秒/100mlの範囲にあることを特徴とする請求項1~5の何れか一項に記載の微多孔フィルムの製造方法。
- 微多孔フィルムが、電池用セパレータである、請求項1~6の何れか一項に記載の微多孔フィルムの製造方法。
- 前記電池がリチウムイオン電池である、請求項7に記載の微多孔フィルムの製造方法。
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