JP7224194B2 - 微多孔フィルムの製造方法および微多孔フィルム - Google Patents

微多孔フィルムの製造方法および微多孔フィルム Download PDF

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Description

本発明は、4-メチル-1-ペンテン系重合体を含む樹脂組成物から形成される微多孔フィルムの製造方法、微多孔フィルム、電池用セパレータおよびリチウムイオン電池に関する。
4-メチル-1-ペンテンを主たる構成モノマーとする4-メチル-1-ペンテン重合体あるいは4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体(以下、これらを4-メチル-1-ペンテン系重合体ともいう)は、耐熱性、離型性、耐薬品性に優れているので、各種用途に広く使用されている。
例えば、当該共重合体からなるフィルムは、その良好な離型性などの特長を活かして、FPC離型フィルム、複合材料成形用や離型フィルムなどに使用されており、またその耐薬品性、耐水性、透明性などの特長を活かして、実験器具およびゴムホース製造用マンドレルなどにも使用されている。
4-メチル-1-ペンテン系重合体の耐熱性の特徴を活かしてリチウムイオン電池のセパレータ用の微多孔フィルムに使用することについては、例えば特許文献1~3に開示されている。
また、特許文献4には4-メチル-1-ペンテン系樹脂とα-オレフィン共重合体との組成物を用いた微多孔膜が示されている。
国際公開2010-013467号パンフレット 特開2011-228056号公報 特開2004-224915号公報 特開2005-145999号公報
特許文献1に開示された製造方法でも4-メチル-1-ペンテン系重合体の微多孔フィルムが得られるが、本発明者らは、特に電池用セパレータに用いるには、ガーレー透気度が改良されたさらに高い開孔率の微多孔フィルムが必要であると考えた。
一方、特許文献4に開示の微多孔膜には、4-メチル-1-ペンテン樹脂に、融点の低いα-オレフィン共重合体が配合されており、かかる組成物から得られる微多孔膜は、耐熱性が不十分である。
すなわち本発明の課題は、4-メチル-1-ペンテン系重合体の高い耐熱性等の特性を損なうことなく、ガーレー透気度が改良された微多孔フィルムを提供することである。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、特定の要件を満たす原反フィルムを用いることにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、以下の[1]~[9]に関する。
[1]4-メチル-1-ペンテン系樹脂(X)を含む樹脂組成物(Y)を溶融押出成形して、X線回折による配向度が0.88以上の原反フィルム(F)を得た後、当原反フィルムを延伸することを特徴とする微多孔フィルムの製造方法。
[2]前記4-メチル-1-ペンテン系樹脂(X)が、4-メチル-1-ペンテンから導かれる構成単位を96.0~99.8モル%含有し、炭素原子数2~20のα-オレフィン(ただし、4-メチル-1-ペンテンを除く)から導かれる構成単位を0.2~4.0モル%含有することを特徴とする[1]に記載の微多孔フィルムの製造方法。
[3]前記樹脂組成物(Y)が、下記要件(Y-1)および(Y-2)を満たす、[1]または[2]に記載の微多孔フィルムの製造方法。
(Y-1)メルトフローレート(260℃、5kg荷重)が5~20g/10分の範囲にある。
(Y-2)核剤を0.1~800ppmの範囲で含有する。
[4]前記樹脂組成物(Y)を溶融押出成形して原反フィルム(F)を成形する際に、溶融状態でドロー比50~500の範囲で引き取ることを特徴とする[1]~[3]のいずれかに記載の微多孔フィルムの製造方法。
[5]前記原反フィルムの延伸が、以下の工程(1)~(3)を当該順番で含む、[1]~[4]のいずかに記載の微多孔フィルムの製造方法。
(1)原反フィルム(F)を160~210℃の範囲内の温度で熱処理する工程。
(2)前記工程(1)で得たフィルムを0~120℃の範囲内の温度で延伸する冷延伸工程。
(3)前記工程(2)で得たフィルムを前記工程(2)の延伸温度より5℃以上高く、且つ、210℃以下の範囲内の温度で延伸する熱延伸工程。
[6]以下の工程(4)をさらに含む、請求項5に記載の微多孔フィルムの製造方法。
(4)前記工程(3)で得たフィルムを160~210℃の範囲内の温度で熱固定する熱固定工程。
[7]示差走査熱量計(DSC)で測定した融点(Tm)が210~250℃の範囲にある4-メチル-1-ペンテン系樹脂(X)を含む樹脂組成物(Y)から形成されてなる透気抵抗度(ガーレー透気度)が100~1000秒/100mlの範囲にあることを特徴とする微多孔フィルム。
[8]微多孔フィルムが、電池用セパレータである、[7]に記載の微多孔フィルム。
[9][7]に記載の微多孔フィルムを含む、リチウムイオン電池。
本発明によれば、4-メチル-1-ペンテン系重合体の高い耐熱性等の特性を損なうことなく、ガーレー透気度が改良された微多孔フィルムを提供できる。
以下、本発明について詳説する。
<4-メチル-1-ペンテン系樹脂(X)>
本発明の微多孔フィルムの製造方法に用いる樹脂組成物(Y)に含まれる4-メチル-1-ペンテン系樹脂(X)、および微多孔フィルムを形成する樹脂組成物(Y)に含まれる4-メチル-1-ペンテン系樹脂(X)は、4-メチル-1-ペンテンから導かれる構成単位を主たる単位で含む重合体である。
本発明に係わる4-メチル-1-ペンテン系樹脂(X)は、好ましくは、4-メチル-1-ペンテンから導かれる構成単位を96.0~99.8モル%、好ましくは96.5~99.7モル%、より好ましくは98.0~99.6モル%、特に好ましくは98.5~99.5モル%有し、炭素原子数2~20のα-オレフィン(ただし、4-メチル-1-ペンテンを除く)から導かれる構成単位を0.2~4.0モル%、好ましくは、0.3~3.5モル%、より好ましくは0.4~2.0モル%、特に好ましくは0.5~1.5モル%含有する。
炭素原子数2~20のα-オレフィンとして具体的には、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、3-メチル-1-ブテン、1-ヘキセン、3-メチル-1-ペンテン、3-エチル-1-ペンテン、4,4-ジメチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ヘキセン、4-エチル-1-ヘキセン、3-エチル-1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセンおよび1-エイコセンなどが挙げられる。これらのうち好ましくは、エチレン、プロピレン、1-ブテン、3-メチル-1-ブテン、1-ヘキセン、3-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセンであり、これらのα-オレフィンは、1種単独でもよく、または2種以上の組み合わせでもよい。
構成単位の含有量は、重合反応中に添加する4-メチル-1-ペンテン、ならびに、炭素原子数2~20のα-オレフィン(4-メチル-1-ペンテンを除く)から選ばれる少なくとも1種のα-オレフィンの量によって調整することができる。
本発明に係る4-メチル-1-ペンテン系樹脂(X)は、好ましくは下記要件(X-1)~(X-2)のうち一つ以上を満たし、さらに好ましくは(X-1)および(X-2)を同時に満たす。
〈要件(X-1)〉
メルトフローレート(ASTM D1238に準拠、260℃、5kg荷重)が5~20g/10分、好ましくは10~15g/10分の範囲にある。
MFRが上記範囲にあると、得られる樹脂組成物(Y)において、原反フィルム(F)の押出成形時の樹脂流動性の点で好ましい。MFRの調整方法としては、重合反応中の反応器内水素量を調整したり、重合中または重合後に異なるMFRを持つ複数種類の重合体をブレンドしたりする方法などがある。
〈要件(X-2)〉
示差走査熱量計(DSC)で測定した融点(Tm)が210~250℃の範囲にある。好ましくは215~245℃、より好ましくは220~240℃の範囲にある。
<4-メチル-1-ペンテン系樹脂(X)の製造方法>
本発明に係わる4-メチル-1-ペンテン系樹脂(X)は公知の方法により製造することができる。また、本発明に係わる4-メチル-1-ペンテン系樹脂(X)は、例えば、三井化学株式会社製TPX(商標)など市販の樹脂から選択して用いることもできる。
<樹脂組成物(Y)>
本発明に係わる樹脂組成物(Y)は、上記4-メチル-1-ペンテン系樹脂(X)を含む組成物である。
本発明に係わる樹脂組成物(Y)は、好ましくは下記要件(Y-1)~(Y-3)のうち一つ以上を満たし、さらに好ましくは(Y-1)および(Y-2)を同時に満たし、より好ましくは(Y-1)~(Y-3)を同時に満たす。
〈要件(Y-1)〉
メルトフローレート(ASTM D1238に準拠、260℃、5kg荷重)が5~20g/10分、好ましくは10~15g/10分の範囲にある。
樹脂組成物(Y)のMFRが上記範囲にあると、原反フィルム(F)の押出成形時の樹脂流動性の点で好ましい。
〈要件(Y-2)〉
核剤を0.1~800ppmの範囲で含有する。核剤の具体例については後述する。
〈要件(Y-3)〉
示差走査熱量計(DSC)で測定した融点(Tm)が210~250℃の範囲にある。好ましくは215~245℃、より好ましくは220~240℃の範囲にある。
〔4-メチル-1-ペンテン系樹脂(X)以外の各種成分〕
本発明に係わる樹脂組成物は、上記4-メチル-1-ペンテン系樹脂(X)に加え、その用途に応じて、本発明の効果を阻害しない範囲で他の樹脂や重合体、樹脂用添加剤等を任意に含有することができる。
添加する他の樹脂または重合体としては、下記の熱可塑性樹脂(E)を広く用いることができる。これら樹脂または重合体の添加量は樹脂組成物の総質量に対して、0.1~30質量%であることが好ましい。
〈熱可塑性樹脂(E)〉
本発明に係わる熱可塑性樹脂(E)は、本発明に係る4-メチル-1-ペンテン系樹脂(X)と異なる樹脂および重合体であり、本発明の効果を損なわない限り、特に制限されないが、例えば、以下の樹脂および重合体が挙げられる。
熱可塑性ポリオレフィン系樹脂、たとえば、低密度、中密度、高密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、アイソタクティックポリプロピレン、シンジオタクティックポリプロピレン、ポリ1-ブテン、ポリ3-メチル-1-ペンテン、ポリ3-メチル-1-ブテン、エチレン・α-オレフィン共重合体、プロピレン・α-オレフィン共重合体、1-ブテン・α-オレフィン共重合体、環状オレフィン共重合体、塩素化ポリオレフィン、およびこれらのオレフィン系樹脂を変性した変性ポリオレフィン樹脂;
熱可塑性ポリアミド系樹脂、たとえば、脂肪族ポリアミド(ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612);
熱可塑性ポリエステル系樹脂;たとえば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエステル系エラストマー;
熱可塑性ビニル芳香族系樹脂、たとえば、ポリスチレン、ABS樹脂、AS樹脂、スチレン系エラストマー(スチレン・ブタジエン・スチレンブロックポリマー、スチレン・イソプレン・スチレンブロックポリマー、スチレン・イソブチレン・スチレンブロックポリマー、前述の水素添加物);
熱可塑性ポリウレタン;塩化ビニル樹脂;塩化ビニリデン樹脂;アクリル樹脂;エチレン・酢酸ビニル共重合体;エチレン・メタクリル酸アクリレート共重合体;アイオノマー;エチレン・ビニルアルコール共重合体;ポリビニルアルコール;フッ素系樹脂ポリカーボネート;ポリアセタール;ポリフェニレンオキシド;ポリフェニレンサルファイドポリイミド;ポリアリレート;ポリスルホン;ポリエーテルスルホン;ロジン系樹脂;テルペン系樹脂および石油樹脂;
共重合体ゴム、たとえば、エチレン・α-オレフィン・ジエン共重合体、プロピレン・α-オレフィン・ジエン共重合体、1-ブテン・α-オレフィン・ジエン共重合体、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、ネオプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、ポリイソブチレンゴム、天然ゴム、シリコーンゴム等が例示される。
これらの熱可塑性樹脂(E)の中で、好ましいのは、低密度、中密度、高密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、アイソタクティックポリプロピレン、シンジオタクティックポリプロピレン、ポリ1-ブテン、ポリ3-メチル-1-ペンテン、ポリ3-メチル-1-ブテン、エチレン・α-オレフィン共重合体、プロピレン・α-オレフィン共重合体、1-ブテン・α-オレフィン共重合体、スチレン系エラストマー、酢酸ビニル共重合体、エチレン・メタクリル酸アクリレート共重合体、アイオノマー、フッ素系樹脂、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂および石油樹脂であり、より好ましいのは、耐熱性向上、低温耐性向上、柔軟性の点で、ポリエチレン、アイソタクティックポリプロピレン、シンジオタクティックポリプロピレン、ポリ1-ブテン、エチレン・α-オレフィン共重合体、プロピレン・α-オレフィン共重合体、1-ブテン・α-オレフィン共重合体、酢酸ビニル共重合体、スチレン系エラストマー、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂および石油樹脂である。
熱可塑性樹脂(E)としては、上記熱可塑性樹脂および重合体の中から1種を単独で使用することもできるし、2種以上を組み合せて使用することもできる。
〈樹脂用添加剤〉
本発明に係わる樹脂用添加剤としては、例えば、核剤、アンチブロッキング剤、顔料、染料、充填剤、滑剤、可塑剤、離型剤、酸化防止剤、難燃剤、紫外線吸収剤、抗菌剤、界面活性剤、帯電防止剤、耐候安定剤、耐熱安定剤、スリップ防止剤、ブ発泡剤、結晶化助剤、防曇剤、老化防止剤、塩酸吸収剤、衝撃改良剤、架橋剤、共架橋剤、架橋助剤、粘着剤、軟化剤、加工助剤などが挙げられる。これらの添加剤は、1種単独でも、適宜2種以上を組み合わせても用いることができる。
〈核剤〉
本発明に係わる核剤は、上記4-メチル-1-ペンテン系樹脂(X)を含む樹脂組成物(Y)を溶融押出し成形して、原反フィルム(F)を得る際の成形性をさらに改善させる、すなわち結晶化温度を高め、得られる原反フィルム(F)の結晶化速度を速めるための核剤である。
本発明に係わる核剤は、上記機能を有する限り、種々公知の核剤を使用することが可能である。
とりわけ、微多孔フィルムの製造にあたり、原反フィルム(F)の結晶化度を高めることは、得られる微多孔フィルムの開孔率向上、透気度向上に寄与する。
本発明に係わる核剤としては、具体的には、ジベンジリデンソルビトール系核剤、リン酸エステル塩系核剤、ロジン系核剤、安息香酸金属塩系核剤、フッ素化ポリエチレン、2,2-メチレンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)リン酸ナトリウム、ピメリン酸やその塩、2,6-ナフタレン酸ジカルボン酸ジシクロヘキシルアミド等が挙げられる。
核剤の配合量は、特に限定されないが、4-メチル-1-ペンテン系樹脂(X)100質量部に対して、好ましくは0.1~1質量部である。核剤は、重合中、重合後、あるいは成形加工時などの時点で適宜添加することが可能である。
上記充填剤、滑剤、可塑剤、離型剤、酸化防止剤、難燃剤、紫外線吸収剤、抗菌剤、界面活性剤、帯電防止剤などの各種添加剤の添加量は、本発明の目的を損なわない範囲内で用途に応じて、特に限定されないが、4-メチル-1-ペンテン系樹脂(X)を含む樹脂組成物の総質量に対して、それぞれ、0.1~30質量%であることが好ましい。
<樹脂組成物(Y)の製造方法>
本発明に係わる樹脂組成物(Y)の製造方法は特に限定されないが、例えば、4-メチル-1-ペンテン系樹脂(X)と上記核剤等の他の成分とを混合したのち、溶融混練して得られる。
溶融混練の方法は、特に制限されず、一般的に市販されている押出機などの溶融混練装置を用いて行うことが可能である。
例えば、混練機を用いる場合は、混練を行う部分のシリンダー温度は、通常220~320℃、好ましくは250~300℃である。シリンダー温度が220℃以上にあることで十分に溶融し混練が十分となるので好ましく、320℃以下であることで、4-メチル-1-ペンテン系樹脂(X)の熱分解が抑制される点で好ましい。混練時間は、通常0.1~30分間、特に好ましくは0.5~5分間である。上記範囲にあることで溶融混練が十分かつ熱分解が抑制される点において好ましい。
<微多孔フィルムの製造方法>
本発明の微多孔フィルムの製造方法は、上記4-メチル-1-ペンテン系樹脂(X)を含む樹脂組成物(Y)を溶融押出し成形して、X線回折による配向度が0.88以上の原反フィルム(F)を得た後、当原反フィルムを延伸することを特徴とする微多孔フィルムを製造する方法である。
<原反フィルム(F)>
上記原反フィルム(F)はX線回折による配向度が0.88以上であり、配向度の値は最大でも1.00である。本発明に係わる原反フィルム(F)は、好ましくは配向度が0.88以上0.99以下、より好ましくは0.90以上0.0.96以下である。
本発明に係わる原反フィルム(F)の配向度が上記下限値以上にあることは、得られる微多孔フィルムのガーレー透気度において好ましい。配向度は、原反フィルム(F)の製造において、樹脂組成物(Y)の樹脂温度の調整や引き取り速度の向上、ダイリップクリアランスの調整など、原反フィルムの配向がかかる製造条件とすることで調整できる。後述するようにTダイを用いた成形の場合は、例えば後述するドロー比を大きくすることによって、配向度が大きい方向に調節可能である。
<原反フィルム(F)の製造方法>
本発明に係わるX線回折による配向度が0.88以上の原反フィルム(F)を得る方法としては、Tダイ押出成形、インフレーション成形、カレンダー成形等の成形方法を採用し得る。中でも、本実施形態の微多孔性フィルムに要求される物性や用途の観点から、Tダイ押出成形が好ましい。
本発明に係わるX線回折による配向度が0.88以上の原反フィルム(F)をTダイ押出成形して上記原反フィルムを得る場合、好ましくは、樹脂組成物(Y)を、溶融状態で、ドロー比50~500、好ましくは50~300、より好ましくは70~250の範囲で引き取る方法が挙げられる。より詳しくは、Tダイ付きキャストフィルム成形機などの押出成形機により樹脂組成物(Y)を溶融押出した後、冷却ロールで冷却固化してキャストフィルムを得ることができる。なお、本発明においてドロー比は、ダイリップのクリアランスを、引き取り後のフィルム厚みで除した値である。
<原反フィルム(F)を延伸する工程>
上記製造方法で得た原反フィルム(F)の延伸は、種々公知の延伸方法、具体的には、例えば、原反フィルム(F)を一方向に延伸する一軸延伸法の他に、一方向に延伸した後、もう一方の方向に延伸する逐次二軸延伸法;縦横方向に同時に延伸する同時二軸延伸法;一軸方向に多段延伸を行う方法;逐次二軸延伸や同時二軸延伸の後、さらに延伸する方法、などが含まれる。中でも、一軸延伸法あるいは二軸延伸法が好ましく、特に一軸方向に多段延伸を行う方法が好ましい。
特に、原反フィルム(F)を、以下の工程(1)~(3)を当該順番で含む工程で延伸することが好ましい。
(1)原反フィルム(F)を160~210℃の範囲内の温度で熱処理する工程。
(2)前記工程(1)で得たフィルムを0~120℃の範囲内の温度で延伸する冷延伸工程。
(3)前記工程(2)で得たフィルムを前記工程(2)の延伸温度より5℃以上高く、且つ、210℃以下の範囲内の温度で延伸する熱延伸工程。
より好ましくは、さらに以下の工程(4)をさらに含む。
(4)前記工程(3)で得たフィルムを160~210℃の範囲内の温度で熱固定する熱固定工程。
前記工程(1)における原反フィルム(F)の熱処理方法としては、例えば、原反フィルム(F)を加熱ロール上に接触させる方法、巻き取る前に加熱気相中に曝す方法、原反フィルム(F)を芯体上に巻き取り加熱気相又は加熱液相中に曝す方法、並びにこれらを組み合わせて行う方法が挙げられる。また、熱処理温度は通常160~210℃である。
前記工程(2)における工程(1)で熱処理した原反フィルムの冷延伸温度は通常0~120℃である。好ましくは50~110℃である。原反フィルムの冷延伸は、少なくとも一方向に行い、二方向に行ってもよいが、好ましくは、原反フィルムの押出し方向(以下「MD方向」という)にのみ一軸延伸を行う。
前記工程(3)における冷延伸した原反フィルムの熱延伸温度は、通常、前記工程の延伸温度よりも5℃高い温度かつ210℃以下の温度範囲である。好ましくは120~210℃である。熱延伸は、少なくとも一方向に行い、二方向に行ってもよいが、好ましくは、MD方向にのみ一軸延伸を行う。
前記工程(4)における熱固定温度は通常160~210℃である。熱固定工程により、残存歪みを緩和し、得られる微多孔フィルムの熱収縮をより抑制することができる。
<微多孔フィルム>
本発明の微多孔フィルムは、示差走査熱量計(DSC)で測定した融点(Tm)が210~250℃、好ましくは215~245℃、より好ましくは220~240℃の範囲にある4-メチル-1-ペンテン系樹脂(X)を含む樹脂組成物(Y)から形成されてなる、透気抵抗度(ガーレー透気度)が100~1000秒/100ml、好ましくは、100~800秒/100ml、より好ましくは100~600秒/100ml、特に好ましくは150~500秒/100mlの範囲にある微多孔フィルムである。
上記微多孔フィルムのガーレー透気度は、原反フィルム(F)の配向度により調整され、配向度は、ドロー比を大きくすることによって、配向度が大きい方向に調節可能である。
<電池用セパレータ>
本発明の4-メチル-1-ペンテン系樹脂(X)を含む樹脂組成物(Y)から形成される微多孔フィルムは、高融点であり、かつ高いガーレー透気度を有する。このため、リチウムイオン電池、ニッケルカドミニウム電池、ニッケル水素電池等の電池用セパレータ、特に高温での形状保持性に優れ、かつ高いイオン伝導性が求められるリチウムイオン電池用セパレータに適している。
本発明の電池用セパレータは、本発明の微多孔フィルム単独であってもよいし、本発明の微多孔フィルムと他の微多孔フィルムとを積層した多層微多孔フィルムであってもよい。多層微多孔フィルムは、電池用セパレータの電気抵抗を低減する点から、好ましくは2層または3層である。
多層微多孔フィルムにおける他の微多孔フィルムは、特に制限されないが、例えば4-メチル-1-ペンテンよりも低融点の樹脂でありうる。低融点の樹脂の例には、ポリエチレン、ポリプロピレン、α-オレフィンの含有量が多い4-メチル-1-ペンテン共重合体等が含まれる。このような多層微多孔フィルムは、高温での形状安定性に優れるだけでなく、比較的低温でのシャットダウン特性にも優れる。
多層微多孔フィルムの製造方法は、多孔化と積層の順序によって、以下の2つに大別される。
a)各層を微多孔化したのち、微多孔化された各層を熱圧着すること、または接着剤等により接着することにより積層する方法。
b)各層を積層して積層フィルムを得た後、該積層フィルムを延伸して微多孔化する方法。
a)の方法には、本発明の微多孔フィルムと、他の微多孔フィルムとをドライラミネート法、押出ラミネート法、熱ラミネート法等により熱圧着する方法が含まれる。
b)の方法には、本発明の4-メチル-1-ペンテン系樹脂(X)を含む樹脂組成物(Y)層と他の樹脂組成物層とを共押出することにより積層フィルムを得た後、延伸して微多孔化する方法等が含まれる。
本発明に係わる電池用セパレータの厚みは、例えば、通常5~100μmであり、好ましくは10~30μmである。電池用セパレータの厚みが5μm以上であれば、実質的に必要な電気絶縁性を得ることができ、例えば大きな電圧がかかった場合にも短絡しにくい。電池用セパレータの厚みが100μm以下であれば、リチウムイオン電池用セパレータの電気抵抗を小さくできるので電池の性能を十分に確保できるとともに、電池サイズを小型化できる。
<リチウムイオン電池>
本発明に係わるリチウムイオン電池は、正極板と負極板が電池用セパレータを介して積層されて捲回された捲回体と、電解液と、これらを収納する電池ケースと、を有する。電池セパレータは、4-メチル-1-ペンテン系樹脂(X)を含む樹脂組成物からなる微多孔フィルムを含む。
正極板は、集電体と、正極活物質層とを有する。正極活物質層の主成分である正極活物質の例には、リチウムコバルト酸化物、リチウムニッケル酸化物、リチウムマンガン酸化物、二酸化マンガン等の金属酸化物などが含まれる。正極活物質層は、必要に応じて、導電助剤やポリテトラフルオロエチレンなどの結着剤を含んでもよい。正極板の集電体の例には、ステンレス鋼製網、アルミニウム箔等が含まれる。正極板の集電体には、金属製のリードが溶接されており、電池ケースの正極端子と接続している。
負極板は、集電体と、負極活物質層とを有する。負極活物質層の主成分である負極活物質の例には、炭素材料、金属酸化物等が含まれる。炭素材料の例には、黒鉛、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素類などである。負極板の集電体の例には、銅箔等が含まれる。負極板の集電体には、それぞれ金属製のリードが溶接されており、電池ケースの負極端子と接続している。
正極板や負極板は、任意の方法で得られる。例えば、正極板は、正極活物質に導電助剤や結着剤などを配合した配合剤を、集電用の金属箔上に塗布および乾燥後、圧延することにより得られる。
電解液は、リチウム塩等の電解質を有機溶媒に溶解させた溶液またはポリマー溶液である。有機溶媒の例には、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ-ブチロラクトン等が含まれる。これらの有機溶媒は、単独で用いてもよいし、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。電解質は、例えば六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)等である。
電池ケースは、絶縁板や安全弁等を内蔵している。電池ケースの形状は、特に制限はなく、円筒型、角型、ラミネート型などが含まれる。電池ケースの材質は、軽量であること等の観点から、アルミニウムなどである。
本発明に係わる4-メチル-1-ペンテン系樹脂(X)を含む樹脂組成物から得られる微多孔フィルムを含む電池用セパレータは、高融点であり、ガーレー透気度も高い。このため、本発明の微多孔フィルムを含む電池用セパレータは、イオン伝導率が高く、電池の異常発熱時などの高温での形状保持性に優れており、両極の短絡を防止できる。したがって、電池用セパレータに起因する電気抵抗が小さく、安全性の高いリチウムイオン電池を提供できる。
次に本発明を実施例に基づき詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
本発明の実施例および比較例で用いた4-メチル-1-ペンテン系樹脂(X1)等を以下に記載する。
[製造例1]4-メチル-1-ペンテン系樹脂(X1)、樹脂組成物(Y1)の製造
国際公開2006/054613号の比較例9に記載の重合方法に準じて、4-メチル-1-ペンテン、その他のα-オレフィン(1-ヘキサデセン、1-オクタデセン等質量混合物)、水素の割合を変更することによって、4-メチル-1-ペンテン系共重合体(X1)を得た。すなわち、いずれも、無水塩化マグネシウム、2-エチルヘキシルアルコール、2-イソブチル-2-イソプロピル-1,3-ジメトキシプロパンおよび四塩化チタンを反応させて得られる固体状チタン触媒を重合用触媒として用いて得られたことになる。
樹脂組成物(Y1)は、表1の比率にしたがって、核剤として
2,4,8,10-Tetra(tert-butyl)-6-hydroxy-12H-dibenzo[d,g][1,3,2]dioxaphosphocin 6-oxide, sodium salt〔商品名:アデカスタブNA-11(株式会社ADEKA製)〕、フェノール系安定剤としてスミライザーGA80(住友化学株式会社製)、リン系安定剤としてスミライザーGP(住友化学株式会社製)、加工助剤としてステアリン酸カルシウム、中和剤としてステアリン酸表面処理したハイドロタルサイトを配合した。ヘンシェルミキサーで混合後、二軸押出機(池貝株式会社製PCM43)を用いて評価用ペレットを得た。
[実施例1~5、比較例1]
後述する製造方法で原反フィルム、微多孔フィルムを作製し、評価した。
以下、4-メチル-1-ペンテン系樹脂(X1)、評価用ペレットおよび原反フィルム、微多孔フィルムの評価方法を具体的に記載する。
[構成単位の含量]
4-メチル-1-ペンテン系樹脂(X1)中のエチレンおよび炭素原子数3~20のα-オレフィン(4-メチル-1-ペンテンを除く)から選ばれる少なくとも1種のオレフィンに由来の構成単位(コモノマー)の含量は、以下の装置および条件により、13C-NMRスペクトルより算出した。
ブルカー・バイオスピン製AVANCEIIIcryo-500型核磁気共鳴装置を用い、溶媒はo-ジクロロベンゼン/ベンゼン-d6(4/1 v/v)混合溶媒、試料濃度は55mg/0.6mL、測定温度は120℃、観測核は13C(125MHz)、シーケンスはシングルパルスプロトンブロードバンドデカップリング、パルス幅は5.0μ秒(45°パルス)、繰返し時間は5.5秒、積算回数は64回とし、ベンゼン-d6の128ppmをケミカルシフトの基準値として測定した。主鎖メチンシグナルの積分値を用い、下記式によってコモノマー由来の構成単位の含量を算出した。
コモノマー由来の構成単位の含量(%)=[P/(P+M)]×100
ここで、Pはコモノマー主鎖メチンシグナルの全ピーク面積を示し、Mは4-メチル-1-ペンテン主鎖メチンシグナルの全ピーク面積を示す。
[メルトフローレート(MFR)](g/10分)
樹脂組成物(Y1)のメルトフローレート(MFR)はASTM D1238に準拠して260℃、5kg荷重の条件で測定した。
[融点(Tm)]
樹脂組成物(Y1)の融点(Tm)は、セイコーインスツルメンツ社製DSC測定装置(DSC220C)を用い、測定用アルミパンに約5mgの試料をつめて、10℃/分で280℃まで昇温した。280℃で5分間保持した後、10℃/分で20℃まで降温させた。20℃で5分間保持した後、10℃/分で280℃まで昇温した。2回目の昇温時に観測された結晶溶融ピークの頂点が現れる温度を融点とした。
[原反フィルムの製造]
Tダイ付きキャストフィルム成形機を用いて、シリンダー温度265℃、チルロール80℃でフィルム成形することで厚み25μmのキャストフィルムを得た。
[原反フィルムの配向度(X線回折)]
原反フィルムの結晶性パラメータは、X線解析装置(リガク製RINT2550)を用いて測定した。試料中央部を切り出し、重ねてMD方向を基準軸としてホルダーに固定し、2θ=10°付近[TPX(200)面]の方位角分布強度を、以下の条件で測定した。
X線源 CuKα
出力 40kV 370mA
検出器 シンチレーションカウンター
軸配向度は、方位角分布曲線の軸配向由来ピークの半価幅(α)を用いて次式より算出した。
軸配向度=(180-α)/180
[微多孔フィルムの製造(原反フィルムの延伸)]
工程(1)熱処理
原反フィルムを、190℃で60分間熱処理した。
工程(2)冷延伸
熱処理後のフィルムを、フィルム製膜方向(MD方向)にロール設定温度90℃で延伸倍率(厚みより算出)30%、1軸延伸装置を用いて冷延伸した。
工程(3)熱延伸
次いで、ロール設定温度180℃で30%(厚みより算出)、1軸延伸装置を用いて熱延伸し、微多孔フィルムを得た。
工程(4)熱固定
熱延伸後のフィルムを、190℃で10分間の熱固定を行った。
熱固定前後の微多孔フィルムの物性を下記方法で評価した結果を表2に示した。
[ガーレー透気度]
JIS-P8117(ガーレー試験法)に基づき、微多孔フィルムの透気度を測定した。
Figure 0007224194000001
Figure 0007224194000002
表2に示すように、配向度が0.88を超える原反フィルムを延伸して得られる微多孔フィルム(実施例1~6)はガーレー透気度が1000秒/100ml以下と透気度が極めて優れていることが分かる。一方、配向度が0.86の原反フィルムを延伸して得られる微多孔フィルム(比較例1)はガーレー透気度が14700秒/100mlと透気度が低いことが分かる。
なお、微多孔フィルムを熱固定すると、熱固定した微多孔フィルムは、ガーレー透気度が小さくなり、より透気度に優れることが分かる。
〔ラミネートセルの作製〕
NMC111(日本化学工業製、正極活物質)を94重量%、アセチレンブラック(導電剤)を3重量%、ポリフッ化ビニリデン(結着剤)を3重量%の割合で混合し、これに1-メチル-2-ピロリドン溶剤を加えて混合したものをアルミニウム箔(厚み20um)上に塗布し、乾燥、加圧成型、加熱処理して正極を調製した。天然黒鉛(負極活物質)を98重量%、SBRゴム(JSR製TRD2001、結着剤)を1重量%の割合で混合し、これにCMC(日本製紙製 MAC350HC、増粘剤)を加え、混合したものを銅箔(厚み20um)上に塗布し、乾燥、加圧成型、加熱処理して負極を調製した(電極組成を表3に示す)。次に、これらの正極・及び負極とセパレータ(セル1:実施例6、セル2:セルガード社製PPセパレータ製品名2500 透気度200sec/100mL,25um厚)、Alタブリード(株式会社サンクメタル製)、Niタブリード(株式会社サンクメタル製)、アルミ外装材(Ny/Al/PP)からラミネートセルを作成し、上記の非水電解液を注入後、減圧熱封止(-80kPa以下、180℃)を行いラミネートセルを作製した。
〔充放電特性の測定〕
上記ラミネートセルを用いて、充放電装置(北斗電工製 SD8)にて充放電特性を測定した。
25℃下、2.2A(1C)の定電流で4.2Vまで充電した後、終止電圧4.2Vとして定電圧下に合計3時間充電した。次に2.2A(1C)の定電流下、終止電圧2.8Vまで放電し、この充放電を繰り返し、初期放電特性を測定した(表4)。
Figure 0007224194000003
Figure 0007224194000004
表4の結果より、実施例6をセパレータとして用いたラミネートセルは市販のセパレータと比較してラミネート型電池として遜色なく使用できるということを確認した。

Claims (8)

  1. 4-メチル-1-ペンテン系樹脂(X)を含む樹脂組成物(Y)を溶融押出成形して、X線回折による配向度が0.88以上の原反フィルム(F)を得た後、当原反フィルムを延伸する微多孔フィルムの製造方法であって、
    前記樹脂組成物(Y)を溶融押出成形して原反フィルム(F)を成形する際に、溶融状態でドロー比50~500の範囲で引き取ることを特徴とする微多孔フィルムの製造方法
  2. 前記4-メチル-1-ペンテン系樹脂(X)が、4-メチル-1-ペンテンから導かれる構成単位を96.0~99.8モル%含有し、炭素原子数2~20のα-オレフィン(ただし、4-メチル-1-ペンテンを除く)から導かれる構成単位を0.2~4.0モル%含有することを特徴とする請求項1に記載の微多孔フィルムの製造方法。
  3. 前記樹脂組成物(Y)が、下記要件(Y-1)および(Y-2)を満たす、請求項1または2に記載の微多孔フィルムの製造方法。
    (Y-1)メルトフローレート(260℃、5kg荷重)が5~20g/10分の範囲にある。
    (Y-2)核剤を0.1~800ppmの範囲で含有する。
  4. 前記原反フィルムの延伸が、以下の工程(1)~(3)を当該順番で含む、請求項1~のいずれか一項に記載の微多孔フィルムの製造方法。
    (1)原反フィルム(F)を160~210℃の範囲内の温度で熱処理する工程。
    (2)前記工程(1)で得たフィルムを0~120℃の範囲内の温度で延伸する冷延伸工程。
    (3)前記工程(2)で得たフィルムを前記工程(2)の延伸温度より5℃以上高く、且つ、210℃以下の範囲内の温度で延伸する熱延伸工程。
  5. 以下の工程(4)をさらに含む、請求項に記載の微多孔フィルムの製造方法。
    (4)前記工程(3)で得たフィルムを160~210℃の範囲内の温度で熱固定する熱固定工程。
  6. 得られた微多孔フィルムの透気抵抗度(ガーレー透気度)が100~1000秒/100mlの範囲にあることを特徴とする請求項1~5の何れか一項に記載の微多孔フィルムの製造方法
  7. 微多孔フィルムが、電池用セパレータである、請求項1~6の何れか一項に記載の微多孔フィルムの製造方法
  8. 前記電池がリチウムイオン電池である、請求項7に記載の微多孔フィルムの製造方法
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