JP7222404B2 - 細胞シート形成部材、細胞シート形成部材の製造方法、および、細胞シートの製造方法 - Google Patents

細胞シート形成部材、細胞シート形成部材の製造方法、および、細胞シートの製造方法 Download PDF

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Description

本開示は、細胞シートを形成するための細胞シート形成部材、細胞シート形成部材の製造方法、および、細胞シートの製造方法に関する。
細胞を培養するための方法は、従来から種々提案されている。例えば、特許文献1に記載の細胞の培養方法は、微細な側壁で区画された複数の空間構造を細胞培養用基材に設け、空間構造が相互に連通する方向と、細胞の伸長方向とを揃えることによって、細胞シートの細胞の配向性を制御する(特許文献1参照)。
特開2006-191809号公報
ところで、例えば特許文献1で記載されたような細胞シートは、脆弱であることから、細胞培養用基材から剥離する際に損傷してしまうおそれがある。
本開示の目的は、細胞シートの剥離を容易とした細胞シート形成部材、細胞シート形成部材の製造方法、および、細胞シートの製造方法を提供することにある。
本開示の一態様に係る細胞シート形成部材は、細胞シートを形成するための表面を備え、前記表面は、細胞を培養する培養部と、前記培養部に対して外側に位置し、前記細胞シートの前記表面からの剥離開始部位を形成する剥離補助部とを備え、前記培養部は、複数の第1平坦部と、複数の第1凹凸部とを備え、前記第1平坦部の各々は、第1方向に延びる形状を有し、かつ、前記第1平坦部は、前記第1方向と交差する第2方向に並び、前記第1凹凸部の各々は、相互に隣り合う前記第1平坦部の間を埋める第1段差構造を備え、前記第1段差構造は、第1ピッチで配置された凸部から構成されており、前記剥離補助部は、第2ピッチで配置された凸部から構成された第2段差構造を備えた第2凹凸部、または、第2平坦部で構成されている。
上記構成によれば、細胞シート形成部材は、培養部の外側に剥離補助部を備えているので、細胞シートを剥離し易くできる。すなわち、剥離補助部が第2段差構造を備えた第2凹凸部で構成されている場合には、剥離補助部での細胞シートに対する接触面積は、培養部での細胞シートに対する接触面積より小さくなり、接着力も低くなる。したがって、細胞シートの外周部が細胞シート形成部材の表面から剥がれ易くなる。また、剥離補助部が第2平坦部で構成されている場合には、細胞シートの外周部の強度が高まり、細胞シートの外周部を表面から剥がすときに損傷しにくくなる。
上記細胞シート形成部材において、例えば、前記細胞シート形成部材において培養される細胞は、筋芽細胞、線維芽細胞、および、心筋細胞からなる群から選ばれた少なくとも1種である。上記構成によれば、筋芽細胞、線維芽細胞、および、心筋細胞などの配向性を持たせた細胞シートを容易に製造することができ、細胞シートを損傷させることなく細胞シート形成部材から容易に剥離することができる。
上記細胞シート形成部材において、前記剥離補助部は、第2ピッチで配置された凸部から構成された第2段差構造を備えた第2凹凸部で構成されており、前記第2ピッチは、前記第1ピッチと同じであるか、前記第1ピッチよりも大きいことが好ましい。上記構成によれば、剥離補助部での細胞シートに対する接触面積は、培養部での細胞シートに対する接触面積より小さくなり、接着力も低くなる。したがって、細胞シートの外周部が細胞シート形成部材の表面から剥がれ易くなる。
上記細胞シート形成部材において、例えば、前記第1ピッチは、10nm以上、10μm以下であり、前記第2ピッチは、100nm以上、10μm以下であることが好ましい。
上記細胞シート形成部材において、前記剥離補助部は、前記培養部を包囲する一重の環状部であることが好ましい。上記構成によれば、一重の環状部で構成された剥離補助部から細胞シートを剥離し易くできる。
上記細胞シート形成部材において、前記剥離補助部は、第2ピッチで配置された凸部から構成された第2段差構造を備えた第2凹凸部で構成されており、前記剥離補助部は、前記培養部を包囲する2重以上の環状部であって、外側に位置する環状部は、内側に位置する環状部と同じか、前記内側に位置する環状部よりも大きなピッチを有する凹凸構造を備えることが好ましい。上記構成によれば、外側に向かうほど、細胞シートの接着力を弱めることができる。これにより、剥離補助部において、外側から細胞シートを剥離し易くできる。
上記細胞シート形成部材において、前記表面には、温度応答性ポリマーが塗布されていることが好ましい。上記構成によれば、細胞シートの剥離・回収を容易にすることができる。
上記細胞シート形成部材において、前記剥離補助部は、第2ピッチで配置された凸部から構成された第2段差構造を備えた第2凹凸部で構成されており、前記表面に対して平行な仮想平面と前記剥離補助部とが単位面積当たりに接触する面積は、前記仮想平面と前記第1凹凸部とが単位面積当たりに接触する面積よりも小さいことが好ましい。上記構成によれば、表面に対して平行な仮想平面と前記剥離補助部とが単位面積当たりに接触する面積が、仮想平面と前記第1凹凸部とが単位面積当たりに接触する面積よりも小さいので、接着力も低くなる。したがって、細胞シートの外周部が細胞シート形成部材の表面から剥がれ易くなる。
上記細胞シート形成部材において、前記剥離補助部は、第2平坦部で構成されており、前記表面に対して平行な仮想平面と前記剥離補助部とが単位面積当たりに接触する面積は、前記仮想平面と前記第1凹凸部とが単位面積当たりに接触する面積よりも大きいことが好ましい。上記構成によれば、表面に対して平行な仮想平面と剥離補助部とが単位面積当たりに接触する面積が、仮想平面と前記第1凹凸部とが単位面積当たりに接触する面積よりも大きいので、細胞シートの外周部の強度が高まり、細胞シートの外周部を表面から剥がすときに損傷しにくくなる。
本開示の別の態様に係る細胞シート形成部材は、細胞シートを形成するための表面を備え、前記表面は、細胞を培養する培養部と、前記表面の縁に位置して前記細胞シートの前記表面からの剥離開始部位を形成する剥離補助部とを備え、前記培養部は、複数の第1平坦部と、複数の第1凹凸部とを備え、前記第1平坦部の各々は、第1方向に延びる形状を有し、かつ、前記第1平坦部は、前記第1方向と交差する第2方向に並び、前記表面に対して平行な仮想平面と前記剥離補助部とが単位面積当たりに接触する面積は、前記仮想平面と前記第1凹凸部とが単位面積当たりに接触する面積よりも小さい。
上記構成によれば、表面に対して平行な仮想平面と前記剥離補助部とが単位面積当たりに接触する面積が、仮想平面と前記第1凹凸部とが単位面積当たりに接触する面積よりも小さいので、接着力も低くなる。したがって、細胞シートの外周部が細胞シート形成部材の表面から剥がれ易くなる。
本開示の更なる別の態様に係る細胞シート形成部材は、細胞シートを形成するための表面を備え、前記表面は、細胞を培養する培養部と、前記表面の縁に位置して前記細胞シートの前記表面からの剥離開始部位を形成する剥離補助部とを備え、前記培養部は、複数の第1平坦部と、複数の第1凹凸部とを備え、前記第1平坦部の各々は、第1方向に延びる形状を有し、かつ、前記第1平坦部は、前記第1方向と交差する第2方向に並び、前記表面に対して平行な仮想平面と前記剥離補助部とが単位面積当たりに接触する面積は、前記仮想平面と前記第1凹凸部とが単位面積当たりに接触する面積よりも大きい。
上記構成によれば、表面に対して平行な仮想平面と剥離補助部とが単位面積当たりに接触する面積が、仮想平面と前記第1凹凸部とが単位面積当たりに接触する面積よりも大きいので、細胞シートの外周部の強度が高まり、細胞シートの外周部を表面から剥がすときに損傷しにくくなる。
上記課題を解決するための細胞シート形成部材の製造方法は、凹版を形成することと、細胞シートを形成するための細胞シート形成部材の表面を前記凹版の転写によって形成することとを含み、前記表面は、細胞を培養する培養部と、前記培養部に対して外側に位置し、前記細胞シートの前記表面からの剥離開始部位を形成する剥離補助部とを備え、前記培養部は、複数の第1平坦部と、複数の第1凹凸部とを備え、前記第1平坦部の各々は、第1方向に延びる形状を有し、かつ、前記第1平坦部は、前記第1方向と交差する第2方向に並び、前記第1凹凸部の各々は、相互に隣り合う前記第1平坦部の間を埋める第1段差構造を備え、前記第1段差構造は、第1ピッチで配置された凸部から構成されており、前記剥離補助部は、第2ピッチで配置された凸部で構成された第2段差構造を備えた第2凹凸部、または、第2平坦部で構成されており、前記凹版は、前記第1平坦部を成形する第1平坦成形部と、前記第1凹凸部を成形する第1凹凸成形部と、前記第2凹凸部または前記第2平坦部を成形する第2成形部とを備え、前記凹版を形成することは、前記第1平坦成形部、前記第1凹凸成形部、および、前記第2成形部を、フォトリソグラフィー法、コロイダルリソグラフィー法、陽極酸化法、および、干渉露光法の少なくとも1種を用いて形成することを含む。
本開示の一態様に係る細胞シートの製造方法は、以上のような細胞シート形成部材を用い、前記第1平坦部および前記第1凹凸部の何れか一方に対する接着が他方に対する接着よりも優勢である細胞を前記細胞シート形成部材の表面に接着させて、前記細胞シート形成部材の表面に細胞シートを形成することと、前記細胞シート形成部材の前記剥離補助部上の前記剥離開始部位から前記細胞シートを前記表面から剥離することとを含む。
(a)は、本開示に係る細胞シート形成部材の構造をシャーレと共に示す斜視図、(b)は、図1(a)の細胞シート形成部材の表面全体を示す平面図、(c)は、図1(b)の細胞シート形成部材の培養部表面の一部を拡大して示す斜視図、(d)は、図1(b)の細胞シート形成部材の培養部表面の一部を拡大して示す平面図、(e)は、図1(b)の細胞シート形成部材の培養部の一部を拡大して示す部分断面図、(f)は、図1(b)の細胞シート形成部材の表面を走査電子顕微鏡によって撮影した画像。 (a)は、第1細胞シート形成部材の平面図であり、(b)は、図2(a)の第1細胞シート形成部材の要部断面図。 (a)は、第2細胞シート形成部材の平面図であり、(b)は、図3(a)の第2細胞シート形成部材の要部断面図。 (a)は、第3細胞シート形成部材の平面図であり、(b)は、図4(a)の第3細胞シート形成部材の要部断面図。 (a)は、第4細胞シート形成部材の平面図であり、(b)は、図5(a)の第4細胞シート形成部材の要部断面図。 図2(a)および図2(b)に示す細胞シート形成部材の製造方法の一例を説明するための工程図。 (a)~(c)は、細胞シートの製造過程を説明するための模式図。 本開示に係る細胞シート形成部材を用いて培養した筋芽細胞の蛍光染色画像。 参考例としての細胞培養シャーレを用いて培養した筋芽細胞の蛍光染色画像。 (a)~(c)は、細胞シートの製造過程を説明するための模式図。 (a)~(c)は、細胞シートの製造過程を説明するための模式図。 (a)は培養細胞を示す図であり、(b)は、培養細胞が接着膜で被覆された状態を示す図、(c)は、培養細胞が三次元組織化された状態を示す図、(d)は、細胞シート形成部材を用いて培養した筋芽細胞の蛍光染色画像。
以下、細胞シート形成部材、細胞シート形成部材の製造方法、および、細胞シートの製造方法の実施形態について説明する。まず、細胞シート形成部材の構成を説明し、次いで、細胞シート形成部材の製造方法、細胞シートの製造方法を説明する。
[細胞シート形成部材]
図1(a)に示すように、細胞シート形成部材100は、例えば、シャーレの培養皿110に配置されるシート材である。細胞シート形成部材100は、培養皿110に載置されるものであってもよいし、シャーレを直接加工して設けるものであってもよい。シャーレに直接加工して設ける場合、細胞シート形成部材100は、例えばシャーレを射出成型して賦形される。シャーレは、培養皿110と蓋120とに囲まれた空間に細胞懸濁液を保持する。細胞懸濁液に含まれる細胞は、例えば、筋芽細胞、線維芽細胞、および心筋細胞からなる群から選ばれた少なくとも1種であるが、これに限定されるものではない。
図1(b)に示すように、細胞シート形成部材100の表面111は、細胞培養する培養部101と、表面111からの細胞シートの剥離を行い易くする剥離補助部102とを備えている。剥離補助部102は、培養部101の外側において、培養部101を包囲する環状部として構成されている。また、剥離補助部102は、表面111の縁に位置している。剥離補助部102では、一例として、剥離補助部102に対する細胞シートの接着力が培養部101に対する細胞シートの接着力よりも低くなるようにし、細胞シートの外周部が剥離開始部位となるように、表面111から剥がれ易くなるように構成されている。また、剥離補助部102では、別の例として、剥離補助部102に対する細胞シートの接着力が培養部101に対する細胞シートの接着力よりも高くなるようにし、細胞シートの外周部の強度を高め、細胞シートの外周部を表面111から剥がすときに損傷しにくくしている。
[培養部]
図1(c)に示すように、培養部101は、複数の第1平坦部130と、複数の第1凹凸部140とを備える。各第1凹凸部140は、段差構造(第1段差構造)を備え、複数の段差構造は、相互に隣り合う第1平坦部130の間を埋める。段差構造は、凸部、または、凹部である。なお、本実施形態における段差構造は、凸部141であり、第1凹凸部140は、相互に隣り合う第1平坦部130に挟まれた凹部と、凹部の底面に位置する複数の凸部141とを備える。
図1(d)に示すように、各第1平坦部130は、1つの方向である第1方向(図1(d)の上下方向)に延びる平坦面である。第1平坦部130は、表面111の全体において、第1方向と直交する第2方向(図1(d)の左右方向)に並ぶ。各第1凹凸部140もまた、第1方向に延び、かつ、第1凹凸部140は、表面111の全体において、第2方向に並ぶ。このことは、図1(f)に示すように、細胞シート形成部材100の表面を走査電子顕微鏡によって撮影した画像からも明らかである。
第1凹凸部140を構成する各凸部141は、表面111と対向する方向から見て、例えば、三角格子の各頂点に位置する。各第1凹凸部140は、凸部141のこのような配列を、第1方向、および、第2方向に繰り返す。三角格子の各頂点に凸部141が位置する第1凹凸部140であれば、凸部141を形成するための原盤を、微小な繰り返し構造を形成することに適したマスク、例えば、単粒子膜をマスクとしたエッチング法によって形成することが可能となる。
表面111と対向する方向から見て、各凸部141は、例えば円形状を有する。相互に隣り合う凸部141の中心間の距離の最頻値は、凸部141のピッチである。また、凸部141の平面視形状における凸部の最大幅は、凸部141の直径である。
凸部141のピッチである第1ピッチが下記(A)および(B)を満たす構成は、ヒト・マウスなどの動物細胞、特に上述した筋芽細胞、線維芽細胞、および、心筋細胞の伸長方向を第1方向に揃える観点において好適である。すなわち、凸部141のピッチ(第1ピッチ)が下記(A)および(B)を満たす構成は、動物細胞、特に上述した筋芽細胞、線維芽細胞、および、心筋細胞などの接着に対する優劣が、第1平坦部130と第1凹凸部140との間で明確に区画される観点において好適である。
(A)凸部141の第1ピッチ:10nm以上、10μm以下(好ましくは、100nm以上、10μm以下)
なお、凸部141のピッチが、たとえば300nm以下であれば、細胞シートを透過した可視光が、凸部141によって干渉されにくい。凸部141の干渉によって表示される色は、顕微鏡を使用した細胞シートの観察を複雑にする。こうした視認性の観点において、凸部141のピッチは10nm以上300nm以下が好ましい。一方、凸部141のピッチが大きいほど、射出成形等によって樹脂表面に凸部の微細構造を正確に形成することができる。たとえば、凸部141のピッチが500nm以上であれば、樹脂表面への微細構造の形成は容易である。こうした加工性の観点において、凸部141のピッチは500nm以上10μm以下であることが好ましい。
(B)凸部141の直径:凸部141のピッチの50%以上、100%以下
各第1平坦部130の第2方向(短辺方向)での長さは、第1平坦部130の幅である。また、相互に隣り合う平坦部130間の第2方向(短辺方向)での長さは、第1凹凸部140の幅である。
第1平坦部130の幅、および、第1凹凸部140の幅は、例えば、培養の対象となる細胞の大きさ(5μm以上、100μm以下)の1/10倍以上、10倍以下である。第1平坦部130の幅、および、第1凹凸部140の幅が下記(C)および(D)を満たす構成は、動物細胞、特に上述した筋芽細胞、線維芽細胞、および、心筋細胞の伸長方向を第1方向に揃えることを容易なものとする観点において好適である。
(C)第1平坦部130の幅:10μm以上、50μm以下
(D)第1凹凸部140の幅:10μm以上、50μm以下
図1(e)に示すように、第1凹凸部140は、相互に隣り合う凸部141、および、第1平坦部130とそれに隣接する凸部141との間に、凹部142を備えても良い。複数の凸部141が第1凹凸部140に点在するため、凸部141間の空間である凹部142は、第1凹凸部140において、第1方向、および、第2方向に連なる。
細胞シート形成部材100の厚み方向において、凹部142の底面と第1平坦部130との間の長さは、第1平坦部130の高さである。また、細胞シート形成部材100の厚み方向において、各凸部141の先端面と第1平坦部130との間の高低差は、境界段差である。凹部142の底面と各凸部141の先端面の高低差は、凸部141の高さである。各凸部141の先端面と平坦部130とが面一である構成では、第1平坦部130の高さと、凸部141の高さとが、相互に等しい。凸部141の高さに対する凸部141のピッチの比は、凸部141のアスペクト比である。
境界段差が下記(E)を満たす構成は、細胞シートの平坦性を高める観点において好適である。凸部141の高さが下記(F)を満たす構成、また、凸部141のアスペクト比が下記(G)を満たす構成は、第1凹凸部140の構造上での安定性を高められる観点、また、第1凹凸部140の形成を容易なものとする観点において好適である。
(E)境界段差:0.5μm以下(好ましくは0.3μm以下)
(F)凸部141の高さ:5nm以上、5μm以下(好ましくは、50nm以上、5μm以下
(G)凸部141のアスペクト比:0.1以上、10以下
そして、上記(A)および(B)を満たす構成であれば、第1平坦部130に対する接着が優勢である細胞であれ、第1凹凸部140に対する接着が優勢である細胞であれ、一方の構造体に対して細胞が優先的に接着し、他方の構造体に対する接着の劣勢と相まって、双方の構造体の延在方向である第1方向に、細胞の伸長方向が揃えられる。結果として、表面111に沿った二次元方向に広がる細胞シートにおいて、細胞の伸長方向を一次元方向に揃えること、すなわち、細胞の配向性を向上させることが可能となる。なお、細胞シートは、培養細胞が一次元方向に揃った状態、すなわち配向性を有する状態で厚さ方向に積み上がって三次元組織を形成することも可能である。
また、上記(E)を満たす構成、特に、各凸部141の先端面と第1平坦部130とが面一である構成は、第1凹凸部140と第1平坦部130とを覆うように形成された細胞シートにおいて、それの平坦性を高めることを可能とする。さらに、上記(F)を満たす構成は、細胞シートの平坦性をより一層に高めることが可能である。
なお、細胞シート形成部材100の表面111が、第1平坦部130と第1凹凸部140とを備えるため、第1平坦部130に対する接着が優勢である細胞と、第1凹凸部140に対する接着が優勢である細胞との両方に、共通する細胞シート形成部材100を適用することが可能ともなる。すなわち、細胞シート形成部材100の汎用性を高めることも可能となる。
細胞シート形成後に細胞シートの剥離・回収を容易にするために、刺激応答性材料を塗布しても良い。刺激応答性材料としては、温度変化によって水親和性が変化する温度応答性ポリマーが好ましい。具体的にはポリ-N-イソプロピルアクリルアミド(PIPAAm)が好ましい。刺激応答性材料は慣用の塗布方法を用いて基材に塗布しても良い。なお、細胞シートの剥離・回収を容易にするために、細胞シートが形成された細胞シート形成部材は、超音波処理を施されてもよい。
[剥離補助部]
[第1細胞シート形成部材]
図2(a)および図2(b)に示すように、細胞シート形成部材100の一実施形態である第1細胞シート形成部材の剥離補助部102は、培養部101を包囲する環状部として構成された第2凹凸部121を備える。第2凹凸部121は、細胞シート形成部材100の外周部に位置している。第2凹凸部121は、培養部101を囲む一重の段差構造(第2段差構造)を備える。剥離補助部102における段差構造は、凸部122であり、第2凹凸部121は、第1平坦部130に対して隣接する凹部と、凹部の底面に位置する複数の凸部122とを備える。
第2凹凸部121を構成する各凸部122は、表面111と対向する方向から見て、例えば、三角格子の各頂点に位置する。第2凹凸部121は、三角格子の各頂点に凸部122が位置するものであれば、凸部122を形成するための原盤を、微小な繰り返し構造を形成することに適したマスク、例えば、単粒子膜をマスクとしたエッチング法によって形成することが可能となる。そして、第2凹凸部121は、第1凹凸部140と同時に形成することができる。第2凹凸部121の幅は、0.5mm以上、20mm以下であることが好ましい。
表面111と対向する方向から見て、各凸部122は、例えば円形状を有する。相互に隣り合う凸部122の中心間の距離の最頻値は、凸部122のピッチである。また、凸部122の平面視形状における凸部の最大幅は、凸部122の直径である。
凸部122のピッチである第2ピッチが下記(H)を満たす構成は、ヒト・マウスなどの動物細胞、特に上述した筋芽細胞、線維芽細胞、および、心筋細胞の剥離性を高める観点において好適である。
(H)凸部122の第2ピッチ:100nm以上、10μm以下(好ましくは、300nm以上、5μm以下、より好ましくは、500nm以上、1μm以下)
第2ピッチは第1ピッチと同じであるか、第2ピッチよりも大きいことが好ましい。すなわち、第2ピッチは、第1ピッチ以上の大きさを有することが好ましい。換言すると、表面111に対して平行な仮想平面と剥離補助部102の第2凹凸部121とが単位面積当たりに接触する面積は、当該仮想平面と第1凹凸部140とが単位面積当たりに接触する面積よりも小さくなる。これにより、細胞シートは、培養部101に対する接着力よりも剥離補助部102に対する接着力が小さくなる。したがって、細胞シートは、表面111の外周縁(剥離開始部位)から剥離が容易となり、損傷しにくくなる。また、第2ピッチが第1ピッチと同じ場合であっても、第1平坦部130の外周側に隣接しているときは、第2凹凸部121の細胞シートに対する接触面積が第1平坦部130の細胞シートに対する接触面積よりも小さくなることで、接着力が弱まり、表面111の外周縁から剥離が容易となる。
細胞シート形成部材100の厚み方向において、凹部の底面と凸部122との間の長さが凸部122の高さである。各凸部122の先端面と凸部141および第1平坦部130とが面一である構成では、細胞シートの平坦性を高めることができる。
[第2細胞シート形成部材]
図3(a)および図3(b)に示すように、細胞シート形成部材100の別の実施形態である第2細胞シート形成部材の剥離補助部102は、第2凹凸部121として、内側環状部123と外側環状部124とを備えている。すなわち、第2凹凸部121は、培養部101を囲む二重の段差構造(第2段差構造)を有し、内側環状部123は、培養部101に隣接して位置し、外側環状部124は、内側において、内側環状部123と隣接し、外側において、細胞シート形成部材100の外周縁を構成する。
内側環状部123および外側環状部124の各々の段差構造は、凸部、または、凹部である。内側環状部123の段差構造は、凸部123aであり、内側環状部123は、第1平坦部130に対して隣接する凹部と、凹部の底面に位置する複数の凸部123aとを備える。外側環状部124の段差構造は、凸部124aであり、外側環状部124は、凹部の底面に位置する複数の凸部124aを備える。
各凸部123a,124aは、表面111と対向する方向から見て、例えば、三角格子の各頂点に位置する。環状部123,124の各々は、三角格子の各頂点に凸部123a,124aが位置するものであれば、凸部123a,124aを形成するための原盤を、微小な繰り返し構造を形成することに適したマスク、例えば、単粒子膜をマスクとしたエッチング法によって形成することが可能となる。そして、環状部123,124は、第1凹凸部140と同時に形成することができる。
凸部123aのピッチである内側第2ピッチおよび凸部124aのピッチである外側第2ピッチが下記(I)および(J)を満たす構成は、ヒト・マウスなどの動物細胞、特に上述した筋芽細胞、線維芽細胞、および、心筋細胞の剥離性を高める観点において好適である。さらに、この構成は、外側環状部124の方が内側環状部123よりも細胞シートが剥がれ易くする観点において好適である。
(I)内側環状部123における凸部123aの内側第2ピッチ:100nm以上、10μm以下(好ましくは、300nm以上、1μm以下)
(J)外側環状部124における凸部124aの外側第2ピッチ:500nm以上、10μm以下(好ましくは、700nm以上、2μm以下)
このような構成により、表面111に対して平行な仮想平面と剥離補助部102の環状部123,124とが単位面積当たりに接触する面積は、当該仮想平面と第1凹凸部140とが単位面積当たりに接触する面積よりも小さくなる。これにより、細胞シートは、培養部101に対する接着力よりも剥離補助部102に対する接着力が小さくなる。したがって、細胞シートは、表面111の外周縁(剥離開始部位)から剥離が容易となり、損傷しにくくなる。
さらに具体的には、内側第2ピッチは、第1ピッチと同じであるか、第1ピッチよりも大きいことが好ましい。細胞シートは、培養部101に対する単位面積当たりの接触面積よりも剥離補助部102に対する接触面積が小さくなることで、接触力が弱まる。内側第2ピッチが第1凹凸部140の第1ピッチと同じ場合であっても、第1平坦部130の外周側に隣接しているときは、内側環状部123の細胞シートに対する接触面積が第1平坦部130の細胞シートに対する接触面積よりも小さくなることで、接着力が弱まる。これにより、内側環状部123の方が第1平坦部130よりも細胞シートの接着力が弱まり剥がれ易くなる。内側環状部123の凸部123aの内側第2ピッチは、外側環状部124の凸部124aの外側第2ピッチよりも小さい。すなわち、外側第2ピッチは、内側第2ピッチよりも大きい。これにより、外側環状部124の方が細胞シートに対する単位面積当たりの接触面積が内側環状部123よりも小さくなり、細胞シートの接着力が弱まり剥がれ易くなる。
細胞シート形成部材100の厚み方向において、凹部の底面と凸部123a,124aの間の長さが凸部123a,124aの高さである。各凸部123a,124aの先端面と凸部141および第1平坦部130とが面一である構成では、細胞シートの平坦性を高めることができる。
[第3細胞シート形成部材]
図4(a)および図4(b)に示すように、細胞シート形成部材100の更なる別の実施形態である第3細胞シート形成部材の剥離補助部102は、第2凹凸部121として、内側環状部125と外側環状部126とを備えている。すなわち、第2凹凸部121は、培養部101を囲む二重の段差構造を有し、内側環状部125は、培養部101に隣接して位置し、外側環状部126は、内側において、内側環状部125と隣接し、外側において、細胞シート形成部材100の外周縁を構成する。
内側環状部125および外側環状部126の各々の段差構造は、凸部、または、凹部である。内側環状部125の段差構造(第2段差構造)は、円錐台形状を有した凸部125aであり、内側環状部125は、第1平坦部130に対して隣接する凹部と、凹部の底面に位置する複数の凸部125aとを備える。外側環状部126の段差構造は、円錐形状を有した凸部126aであり、外側環状部126は、凹部の底面に位置する複数の凸部126aを備える。
各凸部125a,126aは、表面111と対向する方向から見て、例えば、三角格子の各頂点に位置する。環状部125,126の各々は、三角格子の各頂点に凸部125a,126aが位置するものであれば、凸部125a,126aを形成するための原盤を、微小な繰り返し構造を形成することに適したマスク、例えば、単粒子膜をマスクとしたエッチング法によって形成することが可能となる。そして、環状部125,126は、第1凹凸部140と同時に形成することができる。
凸部125aのピッチである内側第2ピッチおよび凸部126aのピッチである外側第2ピッチが下記(K)を満たす構成は、動物細胞、特に上述した筋芽細胞、線維芽細胞、および、心筋細胞の剥離性を高める観点において好適である。
(K)環状部125,126における凸部125a,126aの内側第2ピッチおよび外側第2ピッチ:100nm以上、10μm以下(好ましくは、300nm以上、1μm以下)
このような構成により、表面111に対して平行な仮想平面と剥離補助部102の環状部125,126とが単位面積当たりに接触する面積は、当該仮想平面と第1凹凸部140とが単位面積当たりに接触する面積よりも小さくなる。これにより、細胞シートは、培養部101に対する接着力よりも剥離補助部102に対する接着力が小さくなる。したがって、細胞シートは、表面111の外周縁(剥離開始部位)から剥離が容易となり、損傷しにくくなる。
さらに具体的には、内側第2ピッチは、第1ピッチと同じであるか、第1ピッチよりも大きいことが好ましい。細胞シートは、培養部101に対する単位面積当たりの接触面積よりも剥離補助部102に対する接触面積が小さくなることで、接触力が弱まる。内側第2ピッチが第1ピッチと同じ場合であっても、第1平坦部130の外周側に隣接しているときは、内側環状部125の細胞シートに対する接触面積が第1平坦部130の細胞シートに対する接触面積よりも小さくなることで、接着力が弱まる。これにより、内側環状部125の方が第1平坦部130よりも細胞シートの接着力が弱まり剥がれ易くなる。また、外側環状部126は、各凸部126aが円錐形状で、内側環状部125は、各凸部125aが円錐台形状である。したがって、内側環状部125の方が外側環状部124よりも単位面積当たりの接触面積が大きくなる。これにより、外側環状部126の方が内側環状部125よりも細胞シートが剥がれ易くなる。
細胞シート形成部材100の厚み方向において、凹部の底面と凸部125a,126aとの間の長さが凸部125a,126aの高さである。各凸部125a,126aの先端面と凸部141および第1平坦部130とが面一である構成では、細胞シートの平坦性を高めることができる。
[第4細胞シート形成部材]
図5(a)および図5(b)に示すように、細胞シート形成部材100の更なる別の実施形態である第4細胞シート形成部材の剥離補助部102は、第2平坦部127を備えている。第2平坦部127は、平坦面である。細胞シート形成部材100の厚み方向において、凹部142の底面と第2平坦部127との間の長さは、第2平坦部127の高さである。凹部142の底面と第2平坦部127の先端面の高低差は、第2平坦部127の高さである。各凸部141の先端面と第1平坦部130と第2平坦部127とが面一である構成が好ましい。このような表面111は、凸部122を形成するための原盤を、微小な繰り返し構造を形成することに適したマスク、例えば、単粒子膜をマスクとしたエッチング法によって形成することが可能となる。そして、第2平坦部127は、第1凹凸部140と同時に形成することができる。第2平坦部127の幅は、0.5mm以上、20mm以下であることが好ましい。
このような構成により、表面111に対して平行な仮想平面と剥離補助部102の第2平坦部127とが単位面積当たりに接触する面積は、当該仮想平面と第1凹凸部140とが単位面積当たりに接触する面積よりも大きくなる。これにより、第2平坦部127は、一例として、剥離補助部102に対する細胞シートの接着力が培養部101に対する細胞シートの接着力よりも高くなる。したがって、細胞シートの外周部の強度を高め、細胞シートの外周部を表面111から剥がすときに損傷しにくくできる。
なお、剥離補助部102は、第2平坦部127を段差構造を有する第2凹凸部で構成するようにしてもよい。この場合の第2凹凸部は、第1凹凸部140のピッチより小さくして、単位面積当たりの細胞シートとの接触面積が培養部101より大きくなるようにしてもよい。このような構成によって、剥離補助部102での細胞シートの強度を高めることができる。そして、第2凹凸部を2以上の多重の環状部で構成するときには、外側に位置する環状部が、内側に位置する環状部よりも凹凸構造のピッチ小さくなるように構成する。このような構成によって、表面111の縁に近づくほど、細胞シートの強度を高めることができる。
[細胞シート形成部材の製造方法]
次に、細胞シート形成部材の製造方法の一例について説明する。なお、以下の説明では、ナノインプリント法を用いて、細胞シート形成部材の表面111を、凹版150の転写によって形成する例を説明する。ここでは、一例として、上述した第1細胞シート形成部材(図2(a)および図2(b))の製造方法を説明する。
図6に示すように、細胞シート形成部材の製造方法は、凹版150を形成する工程と、細胞シート形成部材100の表面111を凹版150の転写によって形成する工程とを含む。
凹版150の下面は、第1方向(紙面と直交する方向)に延びる形状を有し、かつ、第1方向と交差する第2方向(紙面の左右方向)に並ぶ複数の第1平坦成形部151と、相互に隣り合う第1平坦成形部151の間を埋める複数の段差構造を有する第1凹凸成形部152とを備える。第1平坦成形部151は、第1平坦部130を形成するための部分であって、第1凹凸成形部152は、第1凹凸部140を形成するための部分である。さらに、凹版150における第1平坦成形部151の外側の部分は、剥離補助部102を形成する部分であって、図6の例では、第2凹凸部121を形成するための第2凹凸成形部153を備えている。第1凹凸成形部152の凹凸構造は、第1凹凸部140の凹凸構造に対応したピッチや高さなどを有している。また、第2凹凸成形部153の凹凸構造は、第2凹凸部121の凹凸構造に対応したピッチや高さなどを有している。なお、図2示すような第2平坦部127を成形するときには、これに対応する第2平坦成形部を凹版150の下面に設けることになる。
凹版150を形成する工程では、例えば、凹版150を形成するためのシリコン基板に対する、フォトリソグラフィー法、コロイダルリソグラフィー法、陽極酸化法、および、干渉露光法の少なくとも1種を用いて、凹凸部が形成される。また、凹版150自体を原盤からの1回、あるいは複数回の転写によって得てもよい。原盤には、例えば、シリコン基板に対するフォトリソグラフィー法、コロイダルリソグラフィー法、陽極酸化法、および、干渉露光法の少なくとも1種を用いて凹版150の表面形状に対応する形状が作り込まれている。
次に、細胞シート形成部材100を形成するための基材160の表面111に、凹版150の下面を対向させる。基材160の形成材料は、例えば、熱可塑性樹脂や光硬化性樹脂である。そして、基材160が流動性を有する状態で、基材160の表面111に、凹版150の下面を押し付ける。次いで、基材160の流動性を抑えた状態で、凹版150を基材160の表面111から離型する。これによって、基材160の表面111に凹版150の第1平坦成形部151、第1凹凸成形部152、および、第2凹凸成形部153が転写され、第1平坦部130、第1凹凸部140、第2凹凸部121などが形成される。
基材160の形成材料の熱可塑性樹脂や光硬化性樹脂の表面に、細胞の接着性を高めることを目的として、例えば、ラミニン、コラーゲン、ゼラチン、フィブロネクチン、ポリーリシン(PDLまたはPLL)、ヒアルロン酸などの細胞外マトリックス、ポリマー、ゲルなどの接着因子を含む有機物が塗布されていてもよい。また、基材160の形成材料として、多糖類やタンパク質などの生体材料を用いてもよい。
[細胞シートの製造方法]
次に、細胞シート形成部材100を用いて製造される細胞シートについて説明する。
図7(a)に示すように、細胞シート形成部材100の表面111上に位置する細胞懸濁液は、例えば、第1平坦部130に接着する細胞S1を含む。この際、各第1平坦部130は、第1凹凸部140の長辺方向(第1方向)に延び、各第1平坦部130の幅は、一般的な細胞の大きさの1~数倍程度である。そのため、図7(b)に示すように、細胞S1の位置は、第1平坦部130の範囲内に優先的に分布し、細胞S1は、第1方向に細胞の長軸方向が配置されて直線状に連なる。すなわち、細胞S1の伸長方向は、第1平坦部130の長辺方向と揃うように制御される。図8は、細胞シート形成部材100を用いて培養した筋芽細胞の一例を示しており、同図に示す例では、筋芽細胞の伸長方向が一方向に揃うように制御されている。
なお、図7(c)に示すように、上記(A)を満たさない細胞シート形成基材では、細胞S1の配向性が制御されないため、細胞の長軸方向はランダムな方向で配置される。図9は、参考例となる市販の細胞培養シャーレを用いて培養した筋芽細胞の一例を示しており、同図に示す例では、筋芽細胞の伸長方向がランダムに配置されている。
図10(a)に示すように、細胞シート形成部材100の表面111上に位置する細胞懸濁液は、例えば、第1凹凸部140に接着する細胞S2を含む。この際、各第1凹凸部140は、第1凹凸部140の長辺方向(第1方向)に延び、各第1凹凸部140の幅は、一般的な細胞の大きさの1~数倍程度である。そのため、図10(b)に示すように、細胞S2は、第1凹凸部140の範囲内に優先的に分布し、細胞S2は、第1方向に細胞の長軸方向が配置されて直線状に連なる。すなわち、細胞S2の伸長方向は、第1凹凸部140の長辺方向と揃うように制御される。
なお、図10(c)が示すように、上記(A)を満たさない細胞シート形成基材では、細胞S1の配向性が制御されないため、細胞の長軸方向はランダムな方向で存在する。
一方、上記(A)を満たす細胞シート形成基材では、図11(a)に示すように、細胞シート形成部材100に保持された細胞懸濁液の細胞が、第1平坦部130に対して優先的に接着する細胞S1であり、第1平坦部130よりも劣勢ではあるが、第1凹凸部140に対する接着を許容された細胞S2でもある。あるいは、細胞シート形成部材100に保持された細胞懸濁液の細胞が、第1凹凸部140に対して優先的に接着する細胞S2であり、第1凹凸部140よりも劣勢ではあるが、平坦部130に対する接着を許容された細胞S1でもある。
この場合、図11(b)に示すように、第1平坦部130、および、第1凹凸部140は、第1方向に延び、第2方向に交互に配置される。そのため、細胞シート形成部材の表面111には、例えば、平坦部130に優先的に接着された細胞S1の配向性が、平坦部130の構造、および、それを区画する第1凹凸部140の構造によって制御される。
そして、相互に隣り合う平坦部130に挟まれた第1凹凸部140においては、平坦部130よりも劣勢ではあるが、第1凹凸部140に接着した細胞S2にて、平坦部130による配向性の制御が反映される。結果として、図11(c)に示すように、第1方向に配向性の制御された細胞S1,S2が、表面111の全体に広がる細胞シートSAを形成する。
あるいは、第1凹凸部140に優先的に接着された細胞S2の配向性が、第1凹凸部140の構造、および、それを区画する第1平坦部130の構造によって制御される。そして、相互に隣り合う第1凹凸部140に挟まれた第1平坦部130においては、第1凹凸部140よりも劣勢ではあるが、第1平坦部130に接着した細胞S1にて、第1凹凸部140による配向性の制御が反映される。結果として、図11(c)に示すように、第1方向に配向性の制御された細胞S1,S2が、表面111の全体に広がる細胞シートSAを形成する。
上記実施形態に記載の細胞シート形成部材、細胞シート形成部材の製造方法、および、細胞シートの製造方法における実施例を以下に説明する。
<実施例1>
<細胞シート形成部材の作製>
図3(a)および図3(b)に示す剥離補助部102を備えた細胞シート形成部材100の第1平坦部130、第1凹凸部140および第2凹凸部121の環状部123,124を転写によって形成するためのニッケル製凹版を作製した。次いで、ニッケル製凹版をスタンパーとして用い、ナノインプリント法によって、温度応答性ポリマー(PIPAAm)を基材表面に固定したポリスチレンシートに第1平坦部130、第1凹凸部140および第2凹凸部121の環状部123,124を加工し、それによって、実施例1の細胞シート形成部材100を作製した。培養部101における各第1平坦部130は、第1方向に延びる形状を有し、かつ、第1方向と交差する第2方向に並び、各第1平坦部130の幅(第2方向での長さ)は10μmであった。第1凹凸部140は、相互に隣り合う平坦部130の間を埋める複数の段差構造を備え、相互に隣り合う第1平坦部130間の第2方向での長さは10μmであり、第1凹凸部140における凸部141のピッチは300nmであった。第1凹凸部140における各凸部の高さはAFMを用いて測定し、凹部の底面から凸部の先端までの高さの平均は、446nmであった。また、凹部の底面から第1平坦部130までの高さの平均は455nmであった。
また、第2凹凸部121において、細胞シート形成部材100の外縁部に位置する外側環状部124の幅は、5mmであり、凸部124aの外側第2ピッチは、600nmであった。外側環状部124における各凸部の高さは、AFMを用いて測定し、凹部の底面から凸部の先端までの高さの平均は、763nmであった。外側環状部124の内側であって培養部101の外側に位置する内側環状部123における凸部123aの内側第2ピッチは、300nmであった。内側環状部123における凸部123aの高さは、AFMを用いて測定し、凹部の底面から凸部の先端までの高さの平均は、446nmであった。
そして、実施例1の細胞シート形成部材100に、温度応答性ポリマーを固定し、UV照射を行い、この滅菌処理を行った後に、細胞培養試験に使用した。
<細胞培養試験>
まず、マウス由来の筋芽細胞(C2C12細胞、DSファーマバイオメディカル社製)を細胞培養用フラスコ(25cm)で培養した。培養条件は、FBS(ウシ胎仔血清)1
0%添加したDMEM(ダルベッコ改変イーグル培地)を用い、37℃、5%CO雰囲気下で行った。細胞の回収にはトリプシンを用い、定法に従い実施した。回収した細胞について血球計算版を用いて細胞数を計測した。
次いで、細胞培養用マルチウェルプレート(48孔)の底面に、直径8.8mmの円形に裁断した実施例1の細胞シート形成部材100を設置し、筋芽細胞を1mlずつ播種した。COインキュベーターで24時間以上培養した後に培地交換を行い、1日ごとに培地交換を行った。培養開始7日後に、培養した細胞シートを回収した。
細胞シートの回収方法は、まず、培地を細胞が浸る程度を残して除去し、マルチウェルプレートを-20℃のインキュベーターで30分静置した。次に、細胞支持体としてPDVF膜を細胞シート上に載せ、細胞シートを接着させた。PDVF膜に細胞シートが付着した状態でPDVF膜を持ち上げ、コラーゲンゲル上に移動させた。培地を滴下し、PDVF膜のみを取り除いた。回収した細胞シートは、顕微鏡観察により、シートの破れや細胞の脱落が無い事を確認した。
上記実施形態によれば、以下に列挙する効果が得られる。
(1)図2(a)~図4(b)に示す細胞シート形成部材100は、培養部101の外側に、第2凹凸部121から構成された剥離補助部102を備えている。剥離補助部102は、細胞シートの接触面積を、培養部101に対してよりも小さくすることで、接着力を弱めることができる。これにより、剥離補助部102において、細胞シートを剥離し易くできる。こうした第2凹凸部121から構成された剥離補助部102を備えた細胞シート形成部材100は、例えば、比較的強い接着性を有する細胞の培養に適する。すなわち、比較的強い接着性を有する細胞シートを剥離する場合であっても、剥離補助部102によって、細胞シートの接着力を弱めることができるので、細胞シートが剥離し易くなる。
一方、図5(a)および図5(b)に示す細胞シート形成部材100は、培養部101の外側に、第2平坦部127からなる剥離補助部102を備えている。このように剥離補助部102に対する細胞シートの接着力が培養部101に対する細胞シートの接着力よりも高くなるようにしたときには、細胞シートの外周部の強度が高められ、細胞シートの外周部を表面111から剥がすときに損傷しにくくできる。こうした第2平坦部127からなる剥離補助部102を備えた細胞シート形成部材100は、例えば、比較的弱い接着性を有する細胞の培養に適する。弱い接着性を有する細胞では、細胞培養中および細胞シートの回収時(剥離時)に、意図しないタイミングでの細胞の剥離や、細胞シートの破れが生じやすいという課題がある。この点、こうした第2平坦部127からなる剥離補助部102を備えた細胞シート形成部材100を用いると、剥離補助部102(外周部)の第2平坦部127は細胞に対する接着性が比較的高いので、高い力学的強度を有する細胞シートを形成することができ、細胞シートが剥離しやすくなる。
(2)筋芽細胞、線維芽細胞、および、心筋細胞などの配向性を持たせた細胞シートを容易に製造することができ、細胞シートを損傷させることなく細胞シート形成部材100から容易に剥離することができる。
(3)剥離補助部102における第2凹凸部121での段差構造の第2ピッチは、第1凹凸部140における段差構造の第1ピッチと同じであるか、第2ピッチよりも大きい。これにより、第2凹凸部121での細胞シートに対する接触面積は、第1凹凸部140での細胞シートに対する接触面積より小さくなり、接着力も低くなる。したがって、細胞シートの外周部が表面111から剥がれ易くできる。
(4)図2(a)に示す剥離補助部102は、培養部101を包囲する一重の環状部で構成された第2凹凸部121である。したがって、第2凹凸部121は、細胞シートの接触面積が培養部101に対して小さくなることで、接着力が弱くなる。これにより、剥離補助部102において、細胞シートを剥離し易くできる。
(5)図3(a)~図4(b)に示す剥離補助部102は、培養部101を包囲する二重の環状部で構成された第2凹凸部121であり、外側に位置する環状部の凹凸構造のピッチは、内側に位置する環状部の凹凸構造のピッチと同じであるか、内側に位置する環状部の凹凸構造のピッチよりも大きい。これにより、剥離補助部102においても、外側に向かうほど、細胞シートの接着力を弱めることができる。これにより、剥離補助部102において、細胞シートを剥離し易くできる。
(6)基材160の表面には、温度応答性ポリマーが塗布されている。これにより、細胞シートの剥離・回収を容易にすることができる。
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・上述した細胞外マトリックスによるコーティング方法によって配向性を有する三次元組織が構成された細胞シートを形成することもできる。図12(a)~図12(c)に示すように、この場合、細胞シート形成部材100の表面111上に位置する細胞懸濁液は、細胞接着第1成分を含有する第1溶液と第1成分と相互作用する細胞接着第2成分を含有する第2溶液とを交互にコーティングした培養細胞1を含んでいる。すなわち、図12(a)に示す培養細胞1は、図12(b)に示すように、接着膜2で被覆されている。接着膜2は、第1成分を含む第1膜2aと第2成分を含む第2膜2bとで構成されている(図12(b))。第1成分と第2成分との組み合わせは、例えば、インテグリンが結合するアルギニン-グリシン-アスパラギン酸(RGD)配列を含む高分子とRGD配列を含む高分子と相互作用をする高分子との組み合わせである。
第1成分を含むRGD配列を含む高分子は、RGD配列を有するタンパク質でもよいし、RGD配列が化学的に結合されたタンパク質であってもよい。また、RGD配列を有していればよく、タンパク質以外の天然由来高分子であってもよいし、合成高分子であってもよい。タンパク質からなるRGD配列を含む高分子としては、例えば、従来公知の接着性タンパク質が挙げられ、フィブロネクチン(分子量約50万)、ビトロネクチン、ラミニン、カドヘリン、コラーゲンなどである。
第2成分を含むRGD配列を含む高分子と相互作用する高分子としては、RGD配列を含む高分子との相互作用により、両物質が、例えば、結合、接着、吸着、電子の授受が可能な程度近接できる物質であれば特に制限されないが、RGD配列を含む高分子と相互作用するタンパク質、天然由来高分子及び合成高分子の何れか1種である。RGD配列を含む高分子と相互作用するタンパク質としては、例えば、水溶性タンパク質が挙げられ、具体例として、コラーゲン、ゼラチン(一例として分子量10万)、プロテオグリカン、インテグリン、酵素、抗体などの何れかである。RGD配列を含む高分子と相互作用する天然由来高分子としては、例えば、水溶性ポリペプチド、低分子ペプチド、α-ポリリジン,ε-ポリリジン(分子量5千)等のポリアミノ酸、ヘパリンやヘパラン硫酸、デキストラン硫酸(分子量50万)、ヒアルロン酸(分子量100万~)などの糖などである。
第1成分と第2成分との組み合わせは、例えば、フィブロネクチンとゼラチン、フィブロネクチンとヘパリン、フィブロネクチンとデキストラン硫酸、および、ラミニンとコラーゲンの何れかである。
次に、三次元組織を備えた細胞シートの製造方法を説明する。
先ず、培養細胞1を用意し、その表面全体を接着膜2で被覆して被覆細胞を作製する。具体的には、用意した培養細胞1を試験管に入れる。
次いで、第1成分を培養細胞1に接触させる。培養細胞と第1成分との接触方法としては、例えば、第1成分を直接添加する方法、第1成分の含有液に細胞を浸漬する方法、培養細胞1に第1成分の含有液を滴下または噴霧する方法などがある。好ましくは、操作が容易であることから浸漬である。接触の条件は、接触方法や使用する含有液の濃度などによって適宜決定できる。具体的には、接触時間は、例えば、15秒~60分であり、好ましくは15秒~15分、より好ましくは15秒~5分であり、更に好ましくは15秒~1分である。接触温度は、特に制限されないが、例えば、4~60℃であり、好ましくは20~40℃、より好ましくは30~37℃であり、更に好ましくは37℃である。
第1成分の含有液を調製する場合、溶媒としては、水や緩衝液などの水性溶媒が挙げられ、緩衝液としては、例えば、Tris-HCl緩衝液等のTris緩衝液、リン酸緩衝液、HEPES緩衝液、クエン酸-リン酸緩衝液、グリシルグリシン-水酸化ナトリウム緩衝液、Britton-Robinson緩衝液、GTA緩衝液などが挙げられる。
このようにして培養細胞1を第1成分からなる第1膜2aにより被覆した後、遊離している第1成分を除去する。第1成分を除去する方法としては、上記の溶媒を用いて遠心分離を行い、培養細胞1と第1成分の含有液とを分離して上澄みを取り除くことで、遊離している第1成分を除去する方法が挙げられる。これにより、第1成分からなる第1膜2aで被覆された培養細胞1を得ることができる。
接着膜2として、第1成分の第1膜2aと第2成分からなる第2膜2bとからなる積層膜を形成させる場合、第1成分で被覆された培養細胞1を第2成分と接触させることにより、第2成分からなる第2膜2bで被覆する。第2成分との接触方法は、第1成分と同様な方法で行うことができ、第2成分の含有液を用いて接触させる場合は、第1成分の含有液を調製する方法と同様にして第2成分の含有液を調製することができる。これにより、第1成分からなる第1膜2aと、第2成分からなる第2膜2bとからなる接着膜2で被覆された培養細胞1が得られる。第1成分の第1膜2aと第2成分からなる第2膜2bとからなる積層膜は、繰り返し被覆をすることで、複数の被覆膜層を形成することが可能である。非腹膜層は、例えば1~20層であり、好ましくは1~10層であり、より好ましくは1~5層である。培養細胞1を含む細胞懸濁液は、細胞シート形成部材100の表面111上に滴下され、培養細胞1が播種される。その後、培養細胞1は、培養される。
培養細胞1の三次元細胞シートを完成させるための培養条件は、培養する細胞に応じて適宜決定される。例えば、培養温度が、例えば、4~60℃であり、好ましくは20~40℃、より好ましくは30~37℃であり、培養時間は、例えば、1~168時間であり、好ましくは3~24時間、より好ましくは3~12時間である。これにより、接着膜2を介して、培養細胞1同士を接着させたり、増殖した培養細胞1同士を接着させたりして、三次元組織を有する細胞シート10を製造することができる(図12(c)参照。)。
細胞シート10では、一次元方向に延在した培養細胞に重なるように、一次元方向に延在した他の培養細胞が培養されるため、一次元方向に延在した培養細胞の大きさと形状は、第1方向のみならず、第2方向、および、第1方向と第2方向とに直交する方向において、区々となる。結果として、三次元組織では、第1方向に延在して第2方向で隣り合う培養細胞間が、当該細胞よりも小さく、かつ、第1方向に延在した他の細胞で埋められる。したがって、三次元組織は、表面111に隣接する第1面を構成する1層目やその近い位置では、層構造が認められるが、培養細胞1の大きさや形状などのばらつきによって、表面111(第1面)から離れ、第1面と対向する第2面に近づくほど層構造は崩れ、培養細胞1の間の隙間に別の培養細胞1が入り込むように積み上がって構成される。配向性を有した三次元組織は、生体に近い状態で細胞を培養することができる。また、図12(d)に示すように、配向性は、培養細胞1の伸長方向が特定方向である第1方向に対して前記第2方向に傾きを有する。このような配向性を有した三次元組織は、生体に近い状態に細胞が培養されるため、薬剤応答性などを生体に近づけることができる。
・細胞シート形成部材100の表面111は、細胞の接着性を高めることを目的として、例えば、ラミニン、コラーゲン、ゼラチン、フィブロネクチン、ポリーリシン(PDLまたはPLL)、ヒアルロン酸などの細胞外マトリックス、ポリマー、ゲル等の接着因子を含む有機物が塗布されてもよく、あるいは、金属から構成される面であってもよい。また、細胞シート形成部材100の表面111は、細胞の接着性や細胞シートの平坦性を高めることを目的として、親水性、あるいは、疎水性を有してもよい。
・細胞懸濁液中には、細胞外基質産生促進因子を添加するようにしてもよい。細胞外基質産生促進因子としては、例えば、TGF-β1、TGF-β3、アスコルビン酸、アスコルビン酸2リン酸またはその誘導体あるいはそれらの塩を挙げることができる。コラーゲン産生の観点から、アスコルビン酸、アスコルビン酸2リン酸またはそれらの誘導体およびその塩(例えば、ナトリウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩など)とすることが好ましい。アスコルビン酸としては、L体であることが好ましい。
[細胞シート形成部材の培養部]
・凸部141の有する形状は、円錐や角錐などの錐状、円柱や角柱などの柱状、円錐台や角錐台などの錐台状、および、半球状の何れか1種とすることが可能である。
・凸部141の位置は、四角格子上の各格子点、六角格子上の各格子点、さらには、第1凹凸部140において不規則とすることも可能である。
・第1凹凸部140の有する形状は、第1方向に延びる直線状に限らず、第1方向に延びる折れ線状や、第1方向に延びる曲線状に変更することも可能である。
・第1凹凸部140の底面と平坦部130とを面一に変更すること、すなわち、凸部141の基端部と第1平坦部130とを面一に変更することも可能である。なお、上述したように、第1凹凸部140の先端面と第1平坦部130とを面一とする構成は、細胞シートの平坦性を高める観点において好適である。
・第1凹凸部140を構成する段差構造を、凹部に変更することも可能であり、凹部と凸部との両方に変更することも可能である。例えば、第1凹凸部140は、第1平坦部130に連続する1つの側面を備え、該側面に複数の凹部が形成された構造に変更することも可能である。
・1つの第1凹凸部140の幅と、他の第1凹凸部140の幅とは、相互に異なる構成であってもよいし、相互に等しい構成であってもよい。なお、1つの第1凹凸部140の幅と、他の第1凹凸部140の幅とが、相互に等しい構成であれば、細胞シートが有する特性について、第2方向での均一性を高めることが可能となる。
・1つの第1平坦部130の幅と、他の第1平坦部130の幅とは、相互に異なる構成であってもよいし、相互に等しい構成であってもよい。なお、1つの第1平坦部130の幅と、他の第1平坦部130の幅とが、相互に等しい構成であれば、細胞シートが有する特性について、第2方向での均一性を高めることが可能となる。
・第1平坦部130の幅と、第1凹凸部140の幅とは、相互に異なる構成であってもよいし、相互に等しい構成であってもよい。例えば、細胞の接着が第1平坦部130において優勢である場合、第1平坦部130の幅は、配向性を制御できる範囲であって、かつ、第1凹凸部140の幅よりも大きいことが好適である。また、細胞の接着が第1凹凸部140において優勢である場合、第1凹凸部140の幅は、配向性を制御できる範囲であって、かつ、第1平坦部130の幅よりも大きいことが好適である。
・第1平坦部130と第1凹凸部140とが交互に並ぶ第2方向は、第1方向と直交する方向に限らず、第1方向と交差する方向であれば、例えば、第1方向と形成する角度が45°である方向とすることも可能である。
・細胞シート形成部材は、凹版を用いた転写体に限らず、凸版を用いた転写体であってもよく、さらに、射出成形による成形体とすることも可能である。すなわち、射出成形を用いて細胞シート成形部材を製造することも可能である。
[細胞シート形成部材の剥離補助部]
・第2凹凸部121において、凸部の高さは、50nm以上、5μm以下であることが好ましい。また、凸部のアスペクト比は、0.1以上、10以下であることが好ましい。このような構成は、第2凹凸部121の構造上での安定性を高められる観点、また、第2凹凸部121の形成を容易なものとする観点において好適である。
・第2凹凸部121において、凸部の有する形状は、円錐や角錐などの錐状、円柱や角柱などの柱状、円錐台や角錐台などの錐台状、および、半球状の何れか1種とすることが可能である。
・第2凹凸部121において、凸部の位置は、四角格子上の各格子点、六角格子上の各格子点、さらには、第1凹凸部140において不規則とすることも可能である。
・第2凹凸部121の高さは、第1平坦部130および/または第1凹凸部140の高さと同じであってもよいし、高くてもよいし、低くてもよい。培養部101と剥離補助部102との間に高低差を形成する場合には、高低差が形成された位置およびその周辺で、隙間が形成され易く、細胞シートと表面111との接着力を弱めることが可能となる。
・剥離補助部102における第2凹凸部121は、3重以上の環状部で構成してもよい。この場合外周の環状部になるほど、段差構造のピッチを大きくするようにして、接着力を弱めていくことが好ましい。なお、隣接する環状部における段差構造において、ピッチが同じで箇所があってもよい。
[その他]
・細胞シート形成部材は、マルチウェルプレート、シャーレ、フラスコ、チェンバースライドなど、細胞懸濁液を保持可能なものであれば、それに適用することができる。
1…培養細胞、2…接着膜、2a…第1膜、2b…第2膜、10…細胞シート、100…細胞シート形成部材、101…培養部、102…剥離補助部、110…培養皿、111…表面、120…蓋、121…第2凹凸部、122…凸部、123…内側環状部、123a…凸部、124…外側環状部、124a…凸部、125…内側環状部、125a…凸部、126…外側環状部、126a…凸部、127…第2平坦部、130…第1平坦部、140…第1凹凸部、141…凸部、142…凹部、150…凹版、151…第1平坦成形部、152…第1凹凸成形部、153…第2凹凸成形部、160…基材。

Claims (9)

  1. 細胞シートを形成するための表面を備え、
    前記表面は、細胞を培養する培養部と、前記培養部に対して外側に位置し、前記細胞シートの前記表面からの剥離開始部位を形成する剥離補助部とを備え、
    前記培養部は、複数の第1平坦部と、複数の第1凹凸部とを備え、
    前記第1平坦部の各々は、第1方向に延びる形状を有し、かつ、前記第1平坦部は、前記第1方向と交差する第2方向に並び、
    前記第1凹凸部の各々は、相互に隣り合う前記第1平坦部の間を埋める第1段差構造を備え、前記第1段差構造は、第1ピッチで配置された凸部から構成されており、
    前記剥離補助部は、第2ピッチで配置された凸部から構成された第2段差構造を備えた第2凹凸部、または、第2平坦部で構成されており、
    前記第1ピッチは、10nm以上、10μm以下であり、
    前記第2ピッチは、100nm以上、10μm以下である、
    細胞シート形成部材。
  2. 前記細胞シート形成部材において培養される細胞は、筋芽細胞、線維芽細胞、および、心筋細胞からなる群から選ばれた少なくとも1種である
    請求項1に記載の細胞シート形成部材。
  3. 前記剥離補助部は、前記培養部を包囲する一重の環状部である
    請求項1または2に記載の細胞シート形成部材。
  4. 前記剥離補助部は、第2ピッチで配置された凸部から構成された第2段差構造を備えた第2凹凸部で構成されており、
    前記剥離補助部は、前記培養部を包囲する2重以上の環状部であって、
    外側に位置する環状部は、内側に位置する環状部と同じか、前記内側に位置する環状部よりも大きなピッチを有する凹凸構造を備える
    請求項1または2に記載の細胞シート形成部材。
  5. 前記表面には、温度応答性ポリマーが塗布されている
    請求項1ないしのうち何れか1項に記載の細胞シート形成部材。
  6. 細胞シートを形成するための表面を備え、
    前記表面は、細胞を培養する培養部と、前記表面の縁に位置して前記細胞シートの前記表面からの剥離開始部位を形成する剥離補助部とを備え、
    前記培養部は、複数の第1平坦部と、複数の第1凹凸部とを備え、
    前記第1平坦部の各々は、第1方向に延びる形状を有し、かつ、前記第1平坦部は、前記第1方向と交差する第2方向に並び、
    前記第1凹凸部の各々は、相互に隣り合う前記第1平坦部の間を埋める第1段差構造を備え、前記第1段差構造は、第1ピッチで配置された凸部から構成されており、
    前記剥離補助部は、第2ピッチで配置された凸部から構成された第2段差構造を備えた第2凹凸部、または、第2平坦部で構成されており、
    前記第1ピッチは、10nm以上、10μm以下であり、
    前記第2ピッチは、100nm以上、10μm以下であり、
    前記表面に対して平行な仮想平面と前記剥離補助部とが単位面積当たりに接触する面積は、前記仮想平面と前記第1凹凸部とが単位面積当たりに接触する面積よりも小さい
    細胞シート形成部材。
  7. 細胞シートを形成するための表面を備え、
    前記表面は、細胞を培養する培養部と、前記表面の縁に位置して前記細胞シートの前記表面からの剥離開始部位を形成する剥離補助部とを備え、
    前記培養部は、複数の第1平坦部と、複数の第1凹凸部とを備え、
    前記第1平坦部の各々は、第1方向に延びる形状を有し、かつ、前記第1平坦部は、前記第1方向と交差する第2方向に並び、
    前記第1凹凸部の各々は、相互に隣り合う前記第1平坦部の間を埋める第1段差構造を備え、前記第1段差構造は、第1ピッチで配置された凸部から構成されており、
    前記剥離補助部は、第2ピッチで配置された凸部から構成された第2段差構造を備えた第2凹凸部、または、第2平坦部で構成されており、
    前記第1ピッチは、10nm以上、10μm以下であり、
    前記第2ピッチは、100nm以上、10μm以下であり、
    前記表面に対して平行な仮想平面と前記剥離補助部とが単位面積当たりに接触する面積は、前記仮想平面と前記第1凹凸部とが単位面積当たりに接触する面積よりも大きい
    細胞シート形成部材。
  8. 凹版を形成することと、
    細胞シートを形成するための細胞シート形成部材の表面を前記凹版の転写によって形成することと、を含み、
    前記表面は、細胞を培養する培養部と、前記培養部に対して外側に位置し、前記細胞シートの前記表面からの剥離開始部位を形成する剥離補助部とを備え、
    前記培養部は、複数の第1平坦部と、複数の第1凹凸部とを備え、
    前記第1平坦部の各々は、第1方向に延びる形状を有し、かつ、前記第1平坦部は、前記第1方向と交差する第2方向に並び、
    前記第1凹凸部の各々は、相互に隣り合う前記第1平坦部の間を埋める第1段差構造を備え、前記第1段差構造は、第1ピッチで配置された凸部から構成されており、
    前記剥離補助部は、第2ピッチで配置された凸部で構成された第2段差構造を備えた第2凹凸部、または、第2平坦部で構成されており、
    前記凹版は、前記第1平坦部を成形する第1平坦成形部と、
    前記第1凹凸部を成形する第1凹凸成形部と、
    前記第2凹凸部または前記第2平坦部を成形する第2成形部とを備え、
    前記第1ピッチは、10nm以上、10μm以下であり、
    前記第2ピッチは、100nm以上、10μm以下であり、
    前記凹版を形成することは、前記第1平坦成形部、前記第1凹凸成形部、および、前記第2成形部を、フォトリソグラフィー法、コロイダルリソグラフィー法、陽極酸化法、および、干渉露光法の少なくとも1種を用いて形成することを含む、
    細胞シート形成部材の製造方法。
  9. 請求項1ないしのうち何れか1項に記載の細胞シート形成部材を用い、前記第1平坦部および前記第1凹凸部の何れか一方に対する接着が他方に対する接着よりも優勢である細胞を前記細胞シート形成部材の表面に接着させて、前記細胞シート形成部材の表面に細胞シートを形成することと、
    前記細胞シート形成部材の前記剥離補助部上の前記剥離開始部位から前記細胞シートを前記表面から剥離することと、を含む
    細胞シートの製造方法。
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