JP7220061B2 - 水系インク - Google Patents

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Description

本発明は、水系インク、及び該水系インクを用いる印刷方法に関する。
商品包装印刷や広告等に用いられるラベル印刷等の商業印刷や産業印刷の分野では、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PVC(ポリ塩化ビニル)、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、NY(ナイロン)等の樹脂製印刷媒体に対し、従来、溶剤系インクやUV硬化インク等によって印刷が行われてきた。これに対し、環境負荷の低減、省エネルギー、安全性等の観点から、水系インクを用いる印刷方法として、インクジェット記録方式やフレキソ印刷方式、さらにはグラビア印刷方式の活用が求められている。
また、印刷物の耐候性や耐水性の観点から、着色剤に顔料を用いる水系インクが主流となってきている。しかしながら、樹脂製印刷媒体は非吸水性であり、水系インクが印刷媒体内部に浸透しないため、水系インク中に含まれる顔料粒子は印刷媒体の表面上に残留する。そのため、従来の水系インクでは該印刷媒体への定着性が十分でなく、これらを改善する種々の試みがなされてきた。
例えば、特許文献1には、非吸収性基材に施用して良好な付着性等を有するプリントを提供することができるインクジェット用水性インクの提供を目的として、ラテックスバインダーと、水および有機溶媒を含む液体媒体と、架橋剤により顔料コアの周囲に架橋しているカルボキシ官能性分散剤を含むポリマー封入顔料粒子とを含むインクが記載されている。
特許文献2には、非吸収性記録媒体に対して密着良好で、かつ吐出安定なインクジェット用水性インク等の提供を目的として、顔料、コアシェル構造を有するポリマー微粒子、沸点の異なる2種類の水溶性有機溶剤、及び水から構成され、該コアシェル構造を有するポリマー微粒子が、不飽和疎水性単量体と不飽和親水性単量体を重合して得られる酸価が50~200mgKOH/gであるシェル樹脂と、不飽和疎水性単量体を重合して得られるコア樹脂から構成されるインクジェット用水性インクが記載されている。
特許文献3には、印刷媒体に対する密着性等が良好なインクの提供を目的として、分散溶媒と、上記分散溶媒に乳濁又は懸濁し、着色剤を含有する第1バインダ樹脂の粒子と、上記分散溶媒に乳濁又は懸濁する第2バインダ樹脂の粒子と、を含み、上記第2バインダ樹脂の粒子の平均粒子径は、上記第1バインダ樹脂の粒子の平均粒子径より小さいインクが記載されている。
特許文献4には、環境負荷が少なく、高精細な印刷ができる水性グラビアインキの提供を目的として、顔料、ポリマー、水溶性有機溶剤、界面活性剤及び水を含む水性グラビアインキであって、前記水溶性有機溶剤の沸点が100℃以上260℃以下であり、前記水性グラビアインキ中に前記水溶性有機溶剤を10質量%以上35質量%以下含み、水を50質量%以上70質量%以下含む水性グラビアインキが記載されている。
特開2017-14491号公報 特開2018-12829号公報 特開2014-129497号公報 国際公開2017/047267号
包装産業の発展に伴い、商業印刷、産業印刷分野での軟包装資材の利用が進んでいる。軟包装資材としては主にPETやPP等の樹脂フィルムが用いられ、得られる印刷物は該樹脂フィルムへの高い密着性が求められている。一方、インクジェット印刷においては、インク流路やノズル内での詰まりの発生しにくいメンテナンス性や吐出信頼性の向上が求められ、そのためには保存安定性及び再分散性に優れるインクであることが重要となる。インク塗膜と樹脂フィルムとの定着性を高めるためには、樹脂フィルムとの親和性の観点から、インクに用いる定着助剤ポリマーにカルボキシ基のような親水性基をできるだけ含まず、疎水性を高めることが有効と考えられる。しかしながら、定着性向上のため多くの疎水性基を定着助剤ポリマーに導入すると、保存安定性及び再分散性が低下する傾向にある。このようなポリマー設計に制限がある中で、特許文献1~4の技術では、様々な低吸水性印刷媒体に対する優れた定着性と保存安定性及び再分散性との両立は困難であった。
本発明は、低吸水性印刷媒体においても定着性に優れ、かつ保存安定性及び再分散性に優れる水系インク、及び該水系インクを用いる印刷方法を提供することを課題とする。
本発明者は、顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子Aと、顔料を含有しない水不溶性ポリマー粒子Bと、水とを含有する水系インクであって、該ポリマー粒子Aが架橋されてなり、該ポリマー粒子Bを構成するポリマーが、(メタ)アクリル酸由来の構成単位と、脂肪族(メタ)アクリレート由来の構成単位とを含み、該ポリマーのガラス転移温度及び該ポリマー粒子Bのキュムラント平均粒径を特定の範囲とすることにより、上記課題を解決し得ることを見出した。すなわち、本発明は、次の[1]及び[2]に関する。
[1]顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子A(以下、「顔料含有ポリマー粒子A」ともいう)と、顔料を含有しない水不溶性ポリマー粒子B(以下、「ポリマー粒子B」ともいう)と、水とを含有する水系インクであって、
該ポリマー粒子Aが、顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子aを架橋されてなり、
該ポリマー粒子Bを構成する水不溶性ポリマーP2が、(メタ)アクリル酸(b-1)由来の構成単位と、脂肪族(メタ)アクリレート(b-2)由来の構成単位とを含み、
該脂肪族(メタ)アクリレート(b-2)が、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、及びシクロヘキシル(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも1種であり、
該ポリマーP2のガラス転移温度が-30℃以上40℃以下であり、
該ポリマー粒子Bのキュムラント平均粒径が5nm以上30nm以下である、水系インク。
[2]前記[1]に記載の水系インクを用いて低吸水性印刷媒体に印刷する、印刷方法。
本発明によれば、低吸水性印刷媒体への印刷においても定着性に優れ、かつ保存安定性及び再分散性に優れる水系インク、及び該水系インクを用いる印刷方法を提供することができる。
[水系インク]
本発明の水系インク(以下、単に「インク」ともいう)は、前記[1]に記載のインクである。
なお、「水系」とは、媒体中で、水が最大割合を占めていることを意味する。
「低吸水性」とは、低吸水性、非吸水性を含む概念であり、印刷媒体と純水との接触時間100m秒における該印刷媒体の表面積あたりの吸水量が0g/m以上10g/m以下であることを意味する。前記吸水量は、実施例に記載の方法により測定される。
「印刷」とは、文字や画像を記録する印刷、印字を含む概念である。
本発明においてポリマーの「水不溶性」とは、105℃で2時間乾燥させ、恒量に達したポリマーを、25℃の水100gに溶解させたときに、その溶解量が10g以下であることを意味する。ポリマーがアニオン性基を有する場合、その溶解量は、該アニオン性基を水酸化ナトリウムで100%中和した時の溶解量であり、ポリマーがカチオン性基を有する場合、その溶解量は、該カチオン性基を塩酸で100%中和した時の溶解量である。
本発明のインクは、低吸水性印刷媒体への印刷においても定着性に優れ、かつ保存安定性及び再分散性に優れる。その理由は定かではないが、以下のように考えられる。
本発明において、定着助剤として機能するポリマー粒子Bは、カルボキシ基を有しているにもかかわらず、特定の組成と特性を有し、さらに小粒径であるため、インク塗膜の造膜性を高め、低吸水性印刷媒体への印刷においても優れた定着性を発現させることができる。また、一般に、定着助剤として機能するポリマー粒子の粒径が小さいと枯渇凝集によりインクの保存安定性及び再分散性が悪化するが、本発明においては、顔料が、顔料含有水不溶性ポリマー粒子Aの形態でインクに含有され、該ポリマー粒子Aは架橋されている。そのため、ポリマーが顔料表面に強固に吸着又は固定化され、顔料の凝集が抑制され、結果として枯渇凝集も抑制されると考えられる。更にポリマーの膨潤も抑制されるため、これらの相乗効果により、優れた保存安定性及び再分散性を維持しつつ、定着性を向上できると考えられる。
<顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子A>
(顔料)
本発明で用いられる顔料は、顔料含有ポリマー粒子Aとしてインクに含有され、該ポリマー粒子Aは、顔料を含有するポリマー粒子a(以下、「顔料含有ポリマー粒子a」ともいう)を架橋されてなる。
顔料は、無機顔料及び有機顔料のいずれであってもよく、レーキ顔料、蛍光顔料を用いることもできる。また、必要に応じて、それらと体質顔料を併用することもできる。
無機顔料の具体例としては、カーボンブラック、酸化チタン、酸化鉄、ベンガラ、酸化クロム等の金属酸化物、真珠光沢顔料等が挙げられる。特に黒色インクにおいては、カーボンブラックが好ましい。カーボンブラックとしては、ファーネスブラック、サーマルランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等が挙げられる。
有機顔料の具体例としては、アゾレーキ顔料、不溶性モノアゾ顔料、不溶性ジスアゾ顔料、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料類;フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料、ジケトピロロピロール顔料、ベンツイミダゾロン顔料、スレン顔料等の多環式顔料類等が挙げられる。
色相は特に限定されず、ホワイト、ブラック、グレー等の無彩色顔料;イエロー、マゼンタ、シアン、ブルー、レッド、オレンジ、グリーン等の有彩色顔料をいずれも用いることができる。
体質顔料としては、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、タルク等が挙げられる。
前記顔料は単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
(ポリマーp1)
顔料含有ポリマー粒子aを構成するポリマーp1は、少なくとも顔料分散能を有するものであれば特に制限はない。
インク中でのポリマーp1の存在形態は、顔料の分散安定性の観点から、顔料をポリマーp1が含有している顔料内包状態がより好ましい。
ポリマーp1は、顔料の分散安定性、定着性、保存安定性及び再分散性を向上させる観点から、イオン性基を含有するものが好ましい。該イオン性基としては、酸基が好ましく、カルボキシ基(-COOM)、スルホン酸基(-SO3M)、リン酸基(-OPO32)等の解離して水素イオンが放出されることにより酸性を呈する基、又はそれらの解離したイオン形(-COO-、-SO3 -、-OPO3 2-、-OPO3 -M)等の酸基がより好ましい。上記化学式中、Mは、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム又は有機アンモニウムを示す。これらの中でも、顔料の分散安定性、定着性、保存安定性及び再分散性を向上させる観点から、カルボキシ基(-COOM)が好ましい。
ポリマーp1の分子中に含まれるイオン性基は、イオン性モノマー(a-1)によりポリマー骨格に導入されてなるものが好ましい。すなわち、ポリマーp1は、イオン性モノマー(a-1)由来の構成単位を含むものが好ましい。ポリマーp1としては、ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂等が挙げられる。中でも、ビニル系樹脂が好ましく、イオン性モノマー(a-1)と、疎水性モノマー(a-2)とを含む原料モノマー(a)(以下、単に「原料モノマー(a)」ともいう)を共重合させてなるビニル系樹脂がより好ましい。該ビニル系樹脂は、(a-1)成分由来の構成単位と(a-2)成分由来の構成単位とを含む。該ビニル系樹脂は、顔料の分散安定性、定着性、保存安定性及び再分散性を向上させる観点から、更にノニオン性モノマー(a-3)由来の構成単位を含んでもよい。
〔イオン性モノマー(a-1)〕
イオン性モノマー(a-1)は、好ましくは酸基を有するモノマーであり、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、2-メタクリロイルオキシメチルコハク酸等のカルボキシ基を有するモノマー;スチレンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、3-スルホプロピル(メタ)アクリレート等のスルホン酸基を有するモノマー;ビニルホスホン酸、ビニルホスフェート、ビス(メタクリロキシエチル)ホスフェート、ジフェニル-2-アクリロイルオキシエチルホスフェート、ジフェニル-2-メタクリロイルオキシエチルホスフェート等のリン酸基を有するモノマーが挙げられる。
これらの中でも、好ましくはカルボキシ基を有するモノマーであり、より好ましくは、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸及び2-メタクリロイルオキシメチルコハク酸から選ばれる少なくとも1種であり、更に好ましくは(メタ)アクリル酸である。
本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸及びメタクリル酸から選ばれる少なくとも1種を意味し、「(メタ)アクリレート」とはアクリレート及びメタクリレートから選ばれる少なくとも1種である。
〔疎水性モノマー(a-2)〕
本発明において疎水性モノマー(a-2)の「疎水性」とは、モノマーを25℃のイオン交換水100gへ飽和するまで溶解させたときに、その溶解量が10g未満であることを意味する。疎水性モノマー(a-2)の前記溶解量は、顔料への吸着性の観点から、好ましくは5g以下、より好ましくは1g以下である。
疎水性モノマー(a-2)は、好ましくは脂肪族アルコール由来の炭化水素基を有する(メタ)アクリレート及び芳香族基含有モノマーから選ばれる少なくとも1種である。
脂肪族アルコール由来の炭化水素基を有する(メタ)アクリレートは、好ましくは炭素数が1以上22以下の脂肪族アルコール由来の炭化水素基を有するものである。例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリレート;イソプロピル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ターシャリーブチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソドデシル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の分岐鎖アルキル基を有する(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の脂環式アルキル基を有する(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中でも、より好ましくは炭素数1以上10以下のアルキル基を有するものであり、更に好ましくは炭素数1以上8以下のアルキル基を有するものである。
芳香族基含有モノマーは、好ましくはヘテロ原子を含む置換基を有していてもよい炭素数6以上22以下の芳香族基を有するビニルモノマーであり、より好ましくはスチレン系モノマー及び芳香族基含有(メタ)アクリレートから選ばれる1種以上である。芳香族基含有モノマーの分子量は、500未満が好ましい。
スチレン系モノマーとしては、スチレン、α-メチルスチレン、2-メチルスチレン等が挙げられ、芳香族基含有(メタ)アクリレートとしては、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中でも、好ましくはスチレン、α-メチルスチレン及びベンジル(メタ)アクリレートから選ばれる1種以上である。
ビニル系樹脂は、疎水性モノマー(a-2)としてマクロモノマー由来の構成単位を含んでもよい。マクロモノマーは、片末端に重合性官能基を有する数平均分子量500以上100,000以下の化合物であり、顔料の分散安定性の観点から、ビニル系樹脂のモノマー成分として用いられる。片末端に存在する重合性官能基としては、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基が好ましく、メタクリロイルオキシ基がより好ましい。
マクロモノマーの数平均分子量は1,000以上10,000以下が好ましい。なお、数平均分子量は、溶媒として1mmol/Lのドデシルジメチルアミンを含有するクロロホルムを用いたゲル浸透クロマトグラフィー法により、標準物質としてポリスチレンを用いて測定される。
マクロモノマーとしては、顔料の分散安定性の観点から、芳香族基含有モノマー系マクロモノマー及びシリコーン系マクロモノマーが好ましく、芳香族基含有モノマー系マクロモノマーがより好ましい。
芳香族基含有モノマー系マクロモノマーを構成する芳香族基含有モノマーとしては、前述の疎水性モノマーで記載した芳香族基含有モノマーが挙げられ、スチレン及びベンジル(メタ)アクリレートが好ましく、スチレンがより好ましい。
商業的に入手しうるスチレン系マクロモノマーの具体例としては、AS-6(S)、AN-6(S)、HS-6(S)(東亞合成株式会社の商品名)等が挙げられる。
シリコーン系マクロモノマーとしては、片末端に重合性官能基を有するオルガノポリシロキサン等が挙げられる。
〔ノニオン性モノマー(a-3)〕
ノニオン性モノマー(a-3)としては、顔料の分散安定性、定着性、保存安定性及び再分散性を向上させる観点から、好ましくは2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコール(n=2~30、nはオキシエチレン基の平均付加モル数を示す。以下、nは当該オキシアルキレン基の平均付加モル数を示す。)(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート;メトキシポリエチレングリコール(n=1~30)(メタ)アクリレート等のアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート;フェノキシ(エチレングリコール/プロピレングリコール共重合)(n=1~30、その中のエチレングリコール:n=1~29)(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも1種であり、より好ましくはアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート、更に好ましくはメトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートである。
商業的に入手しうるノニオン性モノマー(a-3)の具体例としては、NKエステルM-40G、同90G、同230G等(以上、新中村化学工業株式会社の商品名)、ブレンマーPE-90、同200、同350等、ブレンマーPME-100、同200、同400等、ブレンマー50PEP-300、ブレンマー50POEP-800B等(以上、日油株式会社の商品名)が挙げられる。
(原料モノマー(a)中における各成分の含有量又はビニル系樹脂中における各構成単位の含有量)
ビニル系樹脂製造時における、(a-1)成分及び(a-2)成分の原料モノマー(a)中の含有量(未中和量としての含有量。以下同じ)又はビニル系樹脂中における(a-1)成分由来の構成単位及び(a-2)成分由来の構成単位の含有量は、顔料の分散安定性を向上させる観点から、次のとおりである。
(a-1)成分の含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは7質量%以上、更に好ましくは10質量%以上であり、そして、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下、更に好ましくは20質量%以下である。
(a-2)成分の含有量は、好ましくは30質量%以上、より好ましくは40質量%以上、更に好ましくは50質量%以上であり、そして、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下、更に好ましくは70質量%以下である。
(ビニル系樹脂の製造)
ビニル系樹脂は、原料モノマー(a)の混合物を公知の重合法により共重合させることによって製造される。例えば、該原料モノマー(a)の混合物を溶媒中で重合開始剤や重合連鎖移動剤等とともに加熱して重合させる、溶液重合法が好ましい。
重合モノマーの連鎖の様式に制限はなく、ランダム、ブロック、グラフト等のいずれの重合様式でもよい。
重合反応の終了後、反応溶液から再沈澱、溶媒留去等の公知の方法により、生成したポリマーを単離することができる。また、得られたポリマーは、再沈澱、膜分離、クロマトグラフ法、抽出法等により、未反応のモノマー等を除去して精製することができる。
ビニル系樹脂の重量平均分子量は、定着性を向上させる観点から、好ましくは5,000以上、より好ましくは10,000以上、更に好ましくは30,000以上であり、そして、顔料の分散安定性、保存安定性及び再分散性の観点から、好ましくは500,000以下、より好ましくは100,000以下、更に好ましくは70,000以下である。重量平均分子量の測定は、実施例に記載の方法により行うことができる。
(架橋剤)
顔料含有ポリマー粒子Aは、顔料含有ポリマー粒子aを架橋されてなり、好ましくは顔料含有ポリマー粒子aを架橋剤で架橋されてなる。これにより、ポリマーが顔料表面に強固に吸着又は固定化され、顔料の凝集が抑制され、結果として枯渇凝集も抑制され、更にポリマーの膨潤も抑制されるため、定着性、保存安定性及び再分散性が向上すると考えられる。
前記架橋剤は多官能化合物であり、該多官能化合物の反応性官能基が、顔料含有ポリマー粒子aを構成するポリマーp1の官能基と反応して共有結合を形成できるものが好ましい。該共有結合は、好ましくは、エステル結合、チオエステル結合、アミド結合、アミノ結合、エーテル結合、チオエーテル結合、カルボニル結合、チオカルボニル結合及びスルホニル結合から選ばれる1種以上であり、より好ましくはエステル結合、チオエステル結合及びアミド結合から選ばれる1種以上である。
多官能化合物の反応性官能基は、上記した共有結合を形成できるものであれば特に限定されない。
ポリマーp1がカルボキシ基を含有する場合、反応性官能基がエポキシ基、イソシアネート基、アジリジノ基、アミノ基及びオキサゾリン基から選ばれる1種以上であると、該反応性官能基がポリマーp1のカルボキシ基と熱反応により高収率で共有結合を形成することができる。当該観点から、ポリマーp1がカルボキシ基を含有する場合、好ましくはエポキシ基、イソシアネート基、アジリジノ基、アミノ基及びオキサゾリン基から選ばれる1種以上であり、より好ましくはエポキシ基である。なお、エポキシ基の概念にはグリシジル基を含む。
多官能化合物は、該多官能化合物とポリマーp1との間を同じ条件で架橋する観点から、同種の反応性官能基を有することが好ましい。
エポキシ基を有する多官能化合物、すなわち多官能エポキシ化合物としては、架橋効率の観点から、好ましくは分子中にエポキシ基を2以上有する化合物、より好ましくはグリシジルエーテル基を2以上有する化合物、更に好ましくは炭素数3以上8以下の炭化水素基を有する多価アルコールのポリグリシジルエーテル化合物である。
架橋剤の分子量は、反応容易性、定着性、保存安定性及び再分散性を向上させる観点から、好ましくは120以上、より好ましくは150以上、更に好ましくは200以上であり、そして、好ましくは2,000以下、より好ましくは1,500以下、更に好ましくは1,000以下である。
架橋剤が多官能エポキシ化合物である場合、該架橋剤のエポキシ当量は、好ましくは90以上、より好ましくは100以上、更に好ましくは110以上であり、そして、好ましくは300以下、より好ましくは200以下、更に好ましくは150以下である。
架橋剤が多官能エポキシ化合物である場合、該架橋剤のエポキシ基の数は、効率よく架橋反応させて、定着性、保存安定性及び再分散性を向上させる観点から、1分子あたり2以上であり、そして、1分子あたり好ましくは6以下、市場入手性の観点から、より好ましくは4以下、更に好ましくは3以下である。
架橋剤の具体例としては、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールA型ジグリシジルエーテル等のポリグリシジルエーテル等が挙げられる。これらの中でも、好ましくはトリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル及びペンタエリスリトールポリグリシジルエーテルから選ばれる1種以上であり、より好ましくはトリメチロールプロパンポリグリシジルエーテルである。
〔顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子Aの製造〕
顔料含有ポリマー粒子Aは、顔料含有ポリマー粒子aの水分散体(以下、顔料水分散体(i)ともいう)を得て、更に架橋剤と反応させて、該顔料含有ポリマー粒子Aの水分散体(I)(以下、顔料水分散体(I)ともいう)として得ることができる。
顔料水分散体(i)は、例えば、ポリマーp1、有機溶媒、顔料、水、及び必要に応じて中和剤、界面活性剤等を含有する顔料混合物を分散処理し、顔料含有ポリマー粒子aの分散液を得た後、該分散液から前記有機溶媒を除去して得ることができる。
前記有機溶媒に制限はないが、ケトン類、エーテル類、エステル類、炭素数1以上3以下の脂肪族アルコール等が好ましく、顔料への濡れ性、ポリマーp1の溶解性、及びポリマーp1の顔料への吸着性を向上させる観点から、炭素数4以上8以下のケトンがより好ましく、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンが更に好ましく、メチルエチルケトンがより更に好ましい。ポリマーp1としてビニル系樹脂を溶液重合法で合成した場合には、重合で用いた溶媒をそのまま用いてもよい。
ポリマーp1が酸基を有する場合、該酸基の少なくとも一部は、中和剤を用いて中和されていることが好ましい。中和する場合は、pHが7以上11以下になるように中和することが好ましい。
中和剤としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、各種アミン等の塩基が挙げられ、好ましくは水酸化ナトリウム及びアンモニアである。中和剤は、1種を単独で又は2種以上を併用することができる。また、ポリマーp1を予め中和しておいてもよい。
顔料混合物の分散処理方法に特に制限はないが、公知の混練機、分散機等を用いて顔料含有ポリマー粒子aの平均粒径を所望の粒径とするよう制御して行うことが好ましい。得られた分散処理物から公知の方法で有機溶媒を除去して顔料水分散体(i)を得ることができる。
次いで、得られた顔料水分散体(i)に架橋剤を添加し、顔料含有ポリマー粒子aを架橋させて、顔料水分散体(I)が得られる。このとき、顔料含有ポリマー粒子aを構成するポリマーp1の官能基が架橋剤で架橋されてなる。
架橋率は、例えばポリマーp1がカルボキシ基を有する場合、定着性、保存安定性及び再分散性を向上させる観点から、ポリマーp1のカルボキシ基のモル当量数に対する架橋剤の架橋性官能基のモル当量数の比で、好ましくは10モル%以上、より好ましくは20モル%以上、更に好ましくは30モル%以上、より更に好ましくは40モル%以上であり、そして、好ましくは90モル%以下、より好ましくは80モル%以下、更に好ましくは70モル%以下である。
架橋処理の温度は、前記と同様の観点から、好ましくは40℃以上、より好ましは50℃以上、更に好ましくは60℃以上であり、そして、好ましくは95℃以下、より好ましくは85℃以下、更に好ましくは75℃以下である。
架橋処理の時間は、架橋反応の完結と経済性の観点から、好ましくは0.5時間以上、より好ましくは1時間以上、更に好ましくは1.5時間以上であり、そして、好ましくは12時間以下、より好ましくは10時間以下、更に好ましくは8時間以下、より更に好ましくは5時間以下である。
顔料水分散体(I)の不揮発成分濃度(固形分濃度)は、顔料水分散体の分散安定性を向上させる観点及びインクの製造を容易にする観点から、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上であり、そして、好ましくは40質量%以下、より好ましくは35質量%以下である。顔料水分散体(I)の固形分濃度は、実施例に記載の方法により測定される。
顔料水分散体(I)中の顔料の含有量は、分散安定性の観点から、好ましくは5質量%以上、より好ましくは7質量%以上、更に好ましくは10質量%以上であり、そして、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは20質量%以下である。
顔料水分散体(I)中の顔料含有ポリマー粒子Aを構成する架橋されたポリマーp1に対する顔料の質量比[顔料/架橋されたポリマーp1]は、好ましくは50/50以上、より好ましくは55/45以上、更に好ましくは60/40以上であり、そして、好ましくは90/10以下、より好ましくは85/15以下、更に好ましくは80/20以下である。
顔料含有ポリマー粒子Aのキュムラント平均粒径は、定着性、保存安定性及び再分散性を向上させる観点から、好ましくは40nm以上、より好ましくは60nm以上、更に好ましくは70nm以上、より更に好ましくは80nm以上であり、そして、好ましくは200nm以下、より好ましくは150nm以下、更に好ましくは120nm以下である。前記平均粒径は、実施例に記載した方法により測定することができる。
<顔料を含有しない水不溶性ポリマー粒子B>
顔料を含有しない水不溶性ポリマー粒子B(ポリマー粒子B)は、定着性、保存安定性及び再分散性を向上させる観点から、該ポリマー粒子Bを構成するポリマーP2(ポリマーP2)が、(メタ)アクリル酸(b-1)由来の構成単位と、脂肪族(メタ)アクリレート(b-2)由来の構成単位とを含み、ポリマーP2のガラス転移温度が-30℃以上40℃以下であり、ポリマー粒子Bのキュムラント平均粒径が5nm以上30nm以下である。
本発明においてポリマーP2の「水不溶性」とは、前記のとおりである。ポリマーP2の溶解量は、ポリマーP2のカルボキシ基を水酸化ナトリウムで100%中和した時の溶解量である。
〔(メタ)アクリル酸(b-1)〕
(メタ)アクリル酸(b-1)は、定着性、保存安定性及び再分散性を向上させる観点から、アクリル酸及びメタクリル酸から選ばれる少なくとも1種であり、好ましくはメタクリル酸である。
〔脂肪族(メタ)アクリレート(b-2)〕
脂肪族(メタ)アクリレート(b-2)は、定着性、保存安定性及び再分散性を向上させる観点から、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート及びシクロヘキシル(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも1種であり、好ましくは2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、及びシクロヘキシル(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも1種であり、より好ましくはで2-エチルヘキシル(メタ)アクリレートある。
〔芳香族基含有モノマー(b-3)〕
ポリマーP2は、(メタ)アクリル酸(b-1)及び脂肪族(メタ)アクリレート(b-2)以外の他のモノマー由来の構成単位を含んでもよい。他のモノマーとしては、(メタ)アクリル酸以外のイオン性モノマー、芳香族基を有する疎水性モノマー、又はノニオン性モノマーが挙げられ、中でも芳香族基を有する疎水性モノマー(以下、「芳香族基含有モノマー(b-3)」ともいう)が好ましい。
芳香族基含有モノマー(b-3)としては、前述のスチレン系モノマー、芳香族基含有(メタ)アクリレート、芳香族基含有モノマー系マクロモノマー等が挙げられる。中でも、定着性、保存安定性及び再分散性を向上させる観点から、好ましくは芳香族基含有(メタ)アクリレートであり、より好ましくはベンジル(メタ)アクリレートである。
以上のとおり、ポリマーP2は、好ましくは、(メタ)アクリル酸(b-1)由来の構成単位と、脂肪族(メタ)アクリレート(b-2)由来の構成単位と、芳香族基含有モノマー(b-3)由来の構成単位とを含むものであり、より好ましくは、(メタ)アクリル酸(b-1)由来の構成単位と、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、及びシクロヘキシル(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも1種のモノマー由来の構成単位と、芳香族基含有(メタ)アクリレート由来の構成単位とを含むものであり、更に好ましくは、(メタ)アクリル酸(b-1)由来の構成単位と、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート由来の構成単位と、ベンジル(メタ)アクリレート由来の構成単位とを含むものである。
ポリマーP2中の(メタ)アクリル酸(b-1)由来の構成単位の含有量は、定着性、保存安定性及び再分散性を向上させる観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは7質量%以上であり、そして、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは15質量%以下である。
ポリマーP2中の脂肪族(メタ)アクリレート(b-2)由来の構成単位の含有量は、定着性、保存安定性及び再分散性を向上させる観点から、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは30質量%以上であり、そして、好ましくは90質量%以下、より好ましくは75質量%以下、更に好ましくは60質量%以下である。
ポリマーP2が芳香族基含有モノマー(b-3)由来の構成単位を含む場合、該ポリマーP2中の芳香族基含有モノマー(b-3)由来の構成単位の含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは20質量%以上、より更に好ましくは30質量%以上であり、そして、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下、更に好ましくは60質量%以下である。
(メタ)アクリル酸(b-1)と脂肪族(メタ)アクリレートとの質量比〔(メタ)アクリル酸(b-1)/脂肪族(メタ)アクリレート(b-2)〕は、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.05以上、更に好ましくは0.1以上、より更に好ましくは0.2以上であり、そして、好ましくは2以下、より好ましくは1以下、更に好ましくは0.8以下、より更に好ましくは0.6以下、より更に好ましくは0.4以下である。
ポリマーP2中の(メタ)アクリル酸(b-1)由来の構成単位及び脂肪族(メタ)アクリレート(b-2)由来の構成単位の合計含有量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは30質量%以上、より更に好ましくは40質量%以上であり、そして、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下、更に好ましくは70質量%以下、より更に好ましくは60質量%以下である。
ポリマーP2は、前述のビニル系樹脂と同様に、(メタ)アクリル酸(b-1)及び脂肪族(メタ)アクリレートを含む原料モノマー(b)(以下、単に「原料モノマー(b)」ともいう)の混合物を公知の重合法により共重合させることによって製造できる。例えば、該原料モノマー(b)の混合物を溶媒中で重合開始剤や重合連鎖移動剤等とともに加熱して重合させる溶液重合法が好ましい。
前記重合開始剤としては、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物;tert-ブチルペルオキシオクトエート、ベンゾイルパーオキシド等の有機過酸化物等の公知のラジカル重合開始剤を用いることができる。中でも、4,4’-アゾビス(4-シアノ吉草酸)、及び2,2’-アゾビス[N-(2-カルボキシエチル)-2-メチルプロピオンアミド]から選ばれる1種以上のイオン性基を有する重合開始剤が好ましい。
ラジカル重合開始剤の量は、原料モノマー(b)1モルあたり、好ましくは0.001モル以上5モル以下である。
ポリマーP2の重量平均分子量は、定着性を向上させる観点から、好ましくは5,000以上、より好ましくは10,000以上、更に好ましくは30,000以上、より更に好ましくは50,000以上であり、そして、顔料の分散安定性、保存安定性及び再分散性の観点から、好ましくは500,000以下、より好ましくは300,000以下、更に好ましくは200,000以下、より更に好ましくは100,000以下である。ポリマーP2の重量平均分子量の測定は、実施例に記載の方法により行うことができる。
ポリマーP2のガラス転移温度は、定着性、保存安定性及び再分散性を向上させる観点から、-30℃以上であり、好ましくは-10℃以上、より好ましくは10℃以上、更に好ましくは20℃以上であり、そして、40℃以下であり、好ましくは37℃以下、より好ましくは33℃以下である。前記ガラス転移温度は、Foxの式に基づいて、ポリマーP2中の各モノマー成分の質量分率と、各モノマー成分のホモポリマーのガラス転移温度の値から計算により求めることができる。また、示差走査熱量計を用いて実測することもできる。
ポリマー粒子Bのキュムラント平均粒径は、定着性、保存安定性及び再分散性を向上させる観点から、5nm以上であり、好ましくは7nm以上、より好ましくは10nm以上、更に好ましくは15nm以上であり、そして、30nm以下であり、好ましくは27nm以下、より好ましくは25nm以下、更に好ましくは23nm以下である。前記平均粒径は、実施例に記載の方法により測定される。
〔顔料を含有しないポリマー粒子Bの製造〕
顔料を含有しないポリマー粒子B(ポリマー粒子B)は、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよいが、水分散液として用いることが好ましい。
ポリマー粒子Bの水分散液(II)を得る際、ポリマー粒子Bを構成するポリマーP2は、中和剤で中和されていることが好ましい。
ポリマー粒子Bの水分散液(II)は、ポリマーP2を公知の重合法により得た後、該ポリマーP2、水、及び必要に応じて中和剤を含有する混合物を加温しながら撹拌し、その後降温する方法;ポリマーP2、有機溶媒、中和剤、及び水を含有する混合物を分散処理して分散液を得た後、該分散液から有機溶媒を除去する方法等により製造することができる。中でも、作業容易性の観点から、ポリマーP2、水、及び中和剤を含有する混合物を加温しながら撹拌し、その後降温する方法が好ましい。
ポリマーP2の酸価は、好ましくは10mgKOH/g以上、より好ましくは30mgKOH/g以上、更に好ましくは50mgKOH/g以上、より更に好ましくは70mgKOH/g以上であり、そして、好ましくは200mgKOH/g以下、より好ましくは150mgKOH/g以下、更に好ましくは100mgKOH/g以下、より更に好ましくは90mgKOH/g以下である。ポリマーP2の酸価は、実施例に記載の方法により測定される。
前記混合物を撹拌する際の温度は、好ましくは60℃以上、より好ましくは70℃以上、更に好ましくは80℃以上であり、そして、好ましくは100℃以下、より好ましくは95℃以下である。撹拌時間は、好ましくは0.5時間以上、より好ましくは1時間以上、更に好ましくは3時間以上であり、そして、好ましくは30時間以下、より好ましくは15時間以下、更に好ましくは10時間以下である。
ポリマー粒子Bの水分散液(II)の製造に用いる中和剤は、好ましくは水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物;アンモニア;エチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等の有機アミン等であり、より好ましくは水酸化ナトリウム、トリエタノールアミンである。中和剤は、1種を単独で又は2種以上を併用することができる。
中和剤の使用当量(モル%)は、ポリマー粒子Bの分散安定性の観点から、好ましくは10モル%以上、より好ましくは30モル%以上、更に好ましくは50モル%以上、より更に好ましくは70モル%以上であり、そして、前記と同様の観点から、好ましくは160モル%以下、より好ましくは130モル%以下、更に好ましくは110モル%以下である。中和剤の使用当量は、次式によって求めることができる。
中和剤の使用当量(モル%)=〔{中和剤の添加質量(g)/中和剤の当量}/[{ポリマーP2の酸価(mgKOH/g)×ポリマーP2の質量(g)}/(56×1,000)]〕×100
〔水系インクの製造〕
本発明のインクは、顔料水分散体(I)とポリマー粒子Bの水分散液(II)とを混合して得ることが好ましい。該インクは、定着性、保存安定性及び再分散性を向上させる観点から、更に水溶性有機溶剤を含有することが好ましい。
<水溶性有機溶剤>
水溶性有機溶剤は、常温(25℃)で液体であっても固体であってもよい。水溶性有機溶剤は、有機溶剤を25℃の水100mlに溶解させたときに、その溶解量が10ml以上である有機溶剤をいう。
水溶性有機溶剤は、沸点90℃以上の有機溶剤を1種以上含むことが好ましい。水溶性有機溶剤の沸点の加重平均値は、好ましくは150℃以上、より好ましくは180℃以上であり、そして、好ましくは240℃以下、より好ましくは220℃以下、更に好ましくは200℃以下である。
水溶性有機溶剤としては、多価アルコール、多価アルコールアルキルエーテル、含窒素複素環化合物、アミド、アミン、含硫黄化合物等が挙げられる。これらの中では、多価アルコール及び多価アルコールアルキルエーテルから選ばれる1種以上が好ましく、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、及びジエチレングリコールモノブチルエーテルから選ばれる1種以上がより好ましく、プロピレングリコール及びジエチレングリコールモノブチルエーテルから選ばれる1種以上が更に好ましい。
本発明のインクは、更に必要に応じて、水系インクに通常用いられる保湿剤、湿潤剤、浸透剤、界面活性剤、粘度調整剤、消泡剤、防腐剤、防黴剤、防錆剤等の各種添加剤を添加し、更にフィルター等による濾過処理を行うことができる。
水系インクの各成分の含有量、インク物性は以下のとおりである。
(水系インク中の各成分の含有量)
水系インク中の顔料の含有量は、印字濃度の観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは5質量%以上であり、そして、溶媒揮発時のインク粘度を低くし、定着性、保存安定性及び再分散性を向上させる観点から、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましく7質量%以下である。
水系インク中の顔料含有ポリマー粒子Aの含有量は、印字濃度及び定着性を向上させる観点から、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは7質量%以上であり、そして、インク粘度を低減させる観点から、好ましくは15質量%以下、より好ましくは13質量%以下、更に好ましくは10質量%以下である。
水系インク中のポリマー粒子Bの含有量は、定着性を向上させる観点から、好ましくは0.3質量%以上、より好ましくは1質量%以上、更に好ましくは2質量%以上であり、そして、溶媒揮発時のインク粘度を低くし、保存安定性及び再分散性を向上させる観点から、好ましくは7質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは3質量%以下である。
水系インク中の水溶性有機溶剤の含有量は、インク粘度、保存安定性及び再分散性の観点から、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上であり、そして、好ましくは47質量%以下、より好ましくは45質量%以下、更に好ましく40質量%以下である。
水系インク中の水の含有量は、定着性、保存安定性及び再分散性の観点から、好ましくは30質量%以上、より好ましくは40質量%以上、更に好ましくは50質量%以上であり、そして、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下、更に好ましくは70質量%以下である。
水系インクにおける全固形分中の顔料の質量比[顔料/(水系インクの全固形分)]は、定着性、保存安定性及び再分散性を向上させる観点から、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上、更に好ましくは0.3以上であり、そして、好ましくは0.8以下、より好ましくは0.7以下、更に好ましくは0.6以下、より更に好ましくは0.5以下である。
(水系インク物性)
水系インクの32℃の粘度は、定着性、保存安定性及び再分散性、を向上させる観点から、好ましくは2mPa・s以上、より好ましくは3mPa・s以上、更に好ましくは5mPa・s以上であり、そして、好ましくは12mPa・s以下、より好ましくは9mPa・s以下、更に好ましくは7mPa・s以下である。水系インクの粘度は、E型粘度計を用いて測定できる。
水系インクのpHは、部材耐性、皮膚刺激性の観点から、好ましくは7.0以上、より好ましくは7.2以上、更に好ましくは7.5以上であり、そして、好ましくは11以下、より好ましくは10以下、更に好ましくは9.5以下である。水系インクのpHは、常法により測定できる。
[印刷方法]
本発明のインクは、低吸水性印刷媒体への印刷においても定着性に優れ、かつ保存安定性及び再分散性に優れるため、フレキソ印刷、グラビア印刷、又はインクジェット印刷に好適に用いることができ、インクジェット印刷における吐出信頼性に優れるため、特にインクジェットインク用として用いることが好ましい。
インクジェット印刷は、公知のインクジェット記録装置に装填し、印刷媒体にインク液滴として吐出させて画像等を記録することができる。
インクジェット記録装置としては、サーマル式及びピエゾ式があるが、ピエゾ式のインクジェット記録用水系インクとして用いることがより好ましい。
用いることができる印刷媒体としては、普通紙、コート紙、樹脂フィルムが挙げられる。コート紙としては、汎用光沢紙、多色フォームグロス紙等が挙げられる。樹脂フィルムとしては、好ましくはポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、及びポリ塩化ビニルフィルムから選ばれる少なくとも1種である。該樹脂フィルムは、コロナ処理された基材を用いてもよい。
一般的に入手できる樹脂フィルムとしては、例えば、ルミラーT60(東レ株式会社製、ポリエステル)、PVC80B P(リンテック株式会社製、塩化ビニル)、DGS-210WH(ローランドディージー株式会社製、塩化ビニル)、透明塩ビRE-137(株式会社ミマキエンジニアリング製、塩化ビニル)、カイナスKEE70CA(リンテック株式会社製、ポリエチレン)、ユポSG90 PAT1(リンテック株式会社製、ポリプロピレン)、FOR、FOA(いずれもフタムラ化学株式会社製、ポリプロピレン)、ボニールRX(興人フィルム&ケミカルズ株式会社製、ナイロン)、エンブレムONBC(ユニチカ株式会社製、ナイロン)等が挙げられる。
印刷媒体は、定着性の観点から、好ましくは低吸水性印刷媒体である。
低吸水性印刷媒体の純水との接触時間100m秒における吸水量は、定着性及び印刷画質の観点から、好ましくは1g/m以上、より好ましくは2g/m以上であり、そして、好ましくは8g/m以下、より好ましくは6g/m以下である。該吸水量は、自動走査吸液計を用いて、実施例に記載の方法により測定される。
インクジェット記録方式による印刷方法においては、インク液滴をインクジェット記録方式により印刷媒体上に吐出して印刷した後、印刷媒体上に着弾したインク液滴を乾燥する工程を含むことが好ましい。
乾燥工程においては、印刷画質の向上の観点から、印刷媒体表面温度は、好ましくは25℃以上、より好ましくは30℃以上、更に好ましくは50℃以上であり、そして、熱による印刷媒体の変形抑制とエネルギー低減の観点から、好ましくは100℃以下、より好ましくは85℃以下、更に好ましくは70℃以下である。
以下の製造例、調製例、実施例及び比較例において、「部」及び「%」は特記しない限り「質量部」及び「質量%」である。
(1)ポリマーの重量平均分子量の測定
N,N-ジメチルホルムアミドに、リン酸及びリチウムブロマイドをそれぞれ60mmol/Lと50mmol/Lの濃度となるように溶解した液を溶離液として、ゲル浸透クロマトグラフィー法〔東ソー株式会社製GPC装置(HLC-8320GPC)、東ソー株式会社製カラム(TSKgel SuperAWM-H、TSKgel SuperAW3000、TSKgel guardcolum Super AW-H)、流速:0.5mL/min〕により、標準物質として分子量既知の単分散ポリスチレンキット〔PStQuick B(F-550、F-80、F-10、F-1、A-1000)、PStQuick C(F-288、F-40、F-4、A-5000、A-500)、東ソー株式会社製〕を用いて測定した。
測定サンプルは、ガラスバイアル中にポリマー0.1gを前記溶離液10mLと混合し、25℃で10時間、マグネチックスターラーで撹拌し、シリンジフィルター(DISMIC-13HP PTFE 0.2μm、アドバンテック株式会社製)で濾過したものを用いた。
(2)キュムラント平均粒径の測定
レーザー粒子解析システム「ELS-8000」(大塚電子株式会社製)を用いてキュムラント解析を行い、キュムラント平均粒径を測定した。測定条件は、温度25℃、入射光と検出器との角度90°、積算回数100回であり、分散溶媒の屈折率として水の屈折率(1.333)を入力した。測定サンプルの濃度は、5×10-3%(固形分濃度換算)で行った。
(3)固形分濃度の測定
30mlのポリプロピレン製容器(φ=40mm、高さ=30mm)にデシケーター中で恒量化した硫酸ナトリウム10.0gを量り取り、そこへサンプル約1.0gを添加して、混合させた後、正確に秤量し、105℃で2時間維持して、揮発分を除去し、更に室温(25℃)のデシケーター内で更に15分間放置したのちに、質量を測定した。揮発分除去後のサンプルの質量を固形分として、添加したサンプルの質量で除して固形分濃度とした。
(4)ポリマーの酸価の測定
JIS K0070において、測定溶媒を、エタノールとエーテルとの混合溶媒から、エタノールとトルエンとの混合溶媒〔エタノール:トルエン=1:1(容量比)〕に変更したこと以外は、JIS K0070に従って測定した。
(5)印刷媒体と純水との接触時間100m秒における印刷媒体の吸水量
自動走査吸液計「KM500win」(熊谷理機工業株式会社製)を用いて、23℃、相対湿度50%の条件下にて、純水の接触時間100m秒における転移量を測定し、100m秒の吸水量とした。測定条件を以下に示す。
「Spiral Method」
Contact Time(秒):0.010~1.0
Pitch(mm):7
Length Per Sampling(degree):86.29
Start Radius(mm):20
End Radius(mm):60
Min Contact Time(m秒):10
Max Contact Time(m秒):1,000
Sampling Pattern :50
Number of Sampling Points :19
「Square Head」
Slit Span(mm):1
Slit Width(mm):5
<ポリマーp1の製造>
製造例1-1
2つの滴下ロート1及び2を備えた反応容器内に、表1に記載の「初期仕込みモノマー溶液」に示すモノマー、有機溶媒(メチルエチルケトン(以下、「MEK」ともいう))、重合連鎖移動剤(2-メルカプトエタノール)を入れて混合し、窒素ガス置換を行い、「初期仕込みモノマー溶液」を得た。
一方、表1に記載の「滴下モノマー溶液1」に示すモノマー、有機溶媒、重合開始剤(2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル);富士フイルム和光純薬株式会社製、商品名:V-65)、前記重合連鎖移動剤を混合して、「滴下モノマー溶液1」を得、滴下ロート1中に入れて、窒素ガス置換を行った。
また、表1に記載の「滴下モノマー溶液2」に示すモノマー、有機溶媒、前記重合開始剤、前記重合連鎖移動剤を混合して、「滴下モノマー溶液2」を得、滴下ロート2中に入れて、窒素ガス置換を行った。
窒素雰囲気下、反応容器内の「初期仕込みモノマー溶液」を撹拌しながら77℃に維持し、滴下ロート1中の「滴下モノマー溶液1」を3時間かけて徐々に反応容器内に滴下した。次いで滴下ロート2中の「滴下モノマー溶液2」を2時間かけて徐々に反応容器内に滴下した。滴下終了後、反応容器内の混合溶液を77℃で0.5時間撹拌した。次いで前記重合開始剤0.6部をMEK27.0部に溶解した重合開始剤溶液を調製し、該混合溶液に加え、77℃1時間撹拌することで熟成を行った。
前記重合開始剤溶液の調製、添加及び熟成を更に5回行った。次いで反応容器内の反応溶液を80℃に1時間維持し、MEKを加えてポリマーp1-1の溶液(固形分濃度40.8%)を得た。得られたポリマーp1-1の重量平均分子量は52,700であった。
なお、表1中のモノマーの詳細は下記のとおりである。
スチレン系マクロモノマー:東亜合成株式会社製、商品名:AS-6S(有効分濃度:50%、数平均分子量:6,000、末端:メタクリロイル基、セグメント:スチレン)
M-40G:メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、新中村化学工業株式会社社製、商品名:NKエステルM-40G(エチレンオキシド平均付加モル数:4、末端:メトキシ基)
Figure 0007220061000001
<顔料水分散体(I)の調製>
調製例1-1
製造例1-1で得られたポリマーp1-1溶液(固形分濃度40.8%)315.2gを、メチルエチルケトン(MEK)121.4gと混合し、ポリマーp1-1のMEK溶液を得た。容積が3Lの受器を有するディスパーに該ポリマーp1-1のMEK溶液を投入し、1,400rpmの条件で撹拌しながら、イオン交換水893.8g、5N水酸化ナトリウム水溶液44.6g、及び25%アンモニア水溶液3.4gを添加して、水酸化ナトリウムによる中和剤の使用当量が78.8モル%、アンモニアによる中和剤の使用当量が21.2モル%となるように調整し、0℃の水浴で冷却しながら、1,400rpmで15分間撹拌した。次いで、ブラック顔料としてカーボンブラック(商品名:MONARCH717、Cabot Corporation製)300gを加え、20℃、7,000rpmで3時間撹拌した。更にイオン交換水399.6gを添加して、得られた顔料混合物をマイクロフルイダイザー「M-110EH-30XP」(Microfluidics社製)を用いて150MPaの圧力で20パス分散処理し、分散処理物(1)(固形分濃度21%)を得た。
得られた分散処理物(1)2,000gを4Lナスフラスコに入れ、イオン交換水800gを加え(固形分濃度15%)、回転式蒸留装置「ロータリーエバポレーター N-1000S」(東京理化器械株式会社製)を用いて、回転数50rpmで、32℃に調整した温浴中、0.09MPaの圧力で3時間保持して、有機溶媒を除去した。更に、温浴を62℃に調整し、圧力を0.07MPaに下げて固形分濃度25%になるまで濃縮した。
得られた濃縮物を500mlアングルローターに投入し、高速冷却遠心機「himac CR22G」(日立工機株式会社製、設定温度20℃)を用いて7000rpmで20分間遠心分離した後、液層部分を5μmのメンブランフィルター「Minisart」(Sartorius社製)で濾過し、ブラック顔料含有ポリマー粒子a1の水分散体(i-1)を得た。
得られた水分散体(i-1)100g(カーボンブラックを17.2g、ポリマーp1-1を7.4g含む)にイオン交換水13.7gを添加し、更にプロキセルLVS(アーチケミカルズジャパン株式会社製:防黴剤、有効分20%)0.22g、架橋率が15モル%になるようにエポキシ架橋剤(トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ナガセケムテックス株式会社製、商品名:デナコールEX321L、エポキシ当量129)0.27gを添加し、70℃で2時間撹拌した。25℃に冷却後、前記5μmフィルターでろ過し、更に固形分濃度が22%になるようにイオン交換水を加えて、ブラック顔料含有ポリマー粒子A1の水分散体(I-1)を得た。該水分散体(I-1)の平均粒径は94.7nmであった。
調製例1-2
調製例1-1と同様に顔料を分散させて、ブラック顔料含有ポリマー粒子a1の水分散体(i-1)を得た。
得られた水分散体(i-1)100g(カーボンブラックを17.2g、ポリマーp1-1を7.4g含む)にイオン交換水13.7gを添加し、更にプロキセルLVS(アーチケミカルズジャパン株式会社製:防黴剤、有効分20%)0.22g、架橋率が50モル%になるようにエポキシ架橋剤(トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ナガセケムテックス株式会社製、商品名:デナコールEX321L、エポキシ当量129)0.89gを添加し、70℃で2時間撹拌した。25℃に冷却後、前記5μmフィルターでろ過し、更に固形分濃度が22%になるようにイオン交換水を加えて、ブラック顔料含有ポリマー粒子A2の水分散体(I-2)を得た。該水分散体(I-2)の平均粒径は92.1nmであった。
調製例1-3
調製例1-1と同様に顔料を分散させて、ブラック顔料含有ポリマー粒子a1の水分散体(i-1)を得た。
得られた水分散体(i-1)100g(カーボンブラックを17.2g、ポリマーp1-1を7.4g含む)にイオン交換水13.7gを添加し、更にプロキセルLVS(アーチケミカルズジャパン株式会社製:防黴剤、有効分20%)0.22g、架橋率が75モル%になるようにエポキシ架橋剤(トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ナガセケムテックス株式会社製、商品名:デナコールEX321L、エポキシ当量129)1.3gを添加し、70℃で2時間撹拌した。25℃に冷却後、前記5μmフィルターでろ過し、更に固形分濃度が22%になるようにイオン交換水を加えて、ブラック顔料含有ポリマー粒子A3の水分散体(I-3)を得た。水分散体(I-3)の平均粒径は93.4nmであった。
調製例1-4
調製例1-1と同様に顔料を分散させて、ブラック顔料含有ポリマー粒子a1の水分散体(i-1)を得た。
得られた水分散体(i-1)100g(カーボンブラックを17.2g、ポリマーp1-1を7.4g含む)にイオン交換水13.7gを添加し、更にプロキセルLVS(アーチケミカルズジャパン株式会社製:防黴剤、有効分20%)0.22gを添加し、70℃で2時間撹拌した。25℃に冷却後、前記5μmフィルターでろ過し、更に固形分濃度が22%になるようにイオン交換水を加えて、ブラック顔料含有ポリマー粒子AC1の水分散体(I-C1)を得た。水分散体(I-C1)の平均粒径は96.4nmであった。
<ポリマーP2の製造>
製造例2-1
メタクリル酸12部、2-エチルヘキシルメタクリレート15部、ベンジルメタクリレート33部、及びベンジルアクリレート40部を混合し、原料モノマー(b)の混合液を調製した。反応容器内に、メチルエチルケトン(MEK)5部及び前記原料モノマー(b)の混合液の10%を入れて混合し、窒素ガス置換を十分に行った。
一方、滴下ロートに、前記原料モノマー(b)の混合液の残り、MEK75部、及びアゾ系ラジカル重合開始剤(富士フイルム和光純薬株式会社製、商品名:V-501、4,4’-アゾビス(4-シアノ吉草酸))1.5部の混合液を入れ、窒素雰囲気下、反応容器内の混合液を撹拌しながら77℃まで昇温し、滴下ロート中の混合液を5時間かけて滴下した。滴下終了後、前記重合開始剤0.5部をMEK5部に溶解した溶液を加え、更に77℃で2時間反応させ、水不溶性ポリマーP2-1の溶液を得た。
得られたポリマーP2-1の重量平均分子量及び酸価の測定値、並びにガラス転移温度の計算値を表2に示す。
製造例2-2~2-10及び比較製造例2-1~2-3
製造例2-1において、原料モノマー(b)の種類又は量を表2に示すものに変更した以外は、製造例2-1と同様の方法によりポリマーP2-2~P2-10及びポリマーP2-C1~P2-C3の溶液を得た。得られた各ポリマーP2の重量平均分子量及び酸価の測定、並びにガラス転移温度の計算値を表2に示す。
Figure 0007220061000002
<ポリマー粒子Bの水分散液(II)の調製>
調製例2-1
製造例2-1で得られたポリマーP2-1の溶液を減圧乾燥させて得られたポリマーP2-1 20.0部に、イオン交換水79.0部及び5N水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム固形分16.9%、富士フイルム和光純薬株式会社製、容量滴定用)6.6部を加え、水酸化ナトリウムの使用当量が、ポリマーP2-1のカルボキシ基のモル数に対する水酸化ナトリウムのモル数の割合で100モル%になるように中和した。得られた混合物を、150rpmにて撹拌しながら90℃で5時間加熱することで、ポリマー粒子B1の水分散液(II-1)(ポリマー粒子B1のキュムラント平均粒径:10nm、固形分濃度20%)を得た。
調製例2-2~2-13及び比較調製例2-1~2-4
調製例2-1において、ポリマーP2の種類、イオン交換水の量、又は5N水酸化ナトリウム水溶液の量を表3に示すものに変更した以外は、調製例2-1と同様の方法によりポリマー粒子B2~B13の水分散液(II-2)~(II-13)及びBC1~BC4の水分散液(II-C1)~(II-C4)(いずれも固形分濃度20%)を得た。
調製例2-14
調製例2-1において、ポリマーP2-1をポリマーP2-3に、イオン交換水の量を79.2部、5N水酸化ナトリウム水溶液6.6部をトリエタノールアミン(純度98%以上、東京化成工業株式会社製)5.0部にそれぞれ変更した以外は、調製例2-1と同様の方法によりポリマー粒子B14の水分散液(II-14)(固形分濃度20%)を得た。
比較調製例2-5
滴下ロートの備えた反応容器内に、n-ブチルアクリレート20部、ベンジルメタクリレート80部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.9部、ヘキサデカン8.7部、及びイオン交換水550部を入れて混合し、得られた原料モノマー混合液を超音波分散機「US300T」(株式会社日本精機製作所製)を用いて、出力300W、周波数20kHzで3分間超音波を照射することで原料モノマーの乳化物を得た。過硫酸カリウム(KPS)2.7部をイオン交換水165部に溶解させたKPS水溶液を滴下ロートに入れた後、反応容器内の窒素置換を行った。窒素雰囲気下、反応容器内の原料モノマーの乳化物を撹拌しながら70℃に維持し、滴下ロート中のKPS水溶液を3時間かけて徐々に反応容器内に滴下した。滴下終了後、70℃で1時間熟成を行った。
透析膜(スペクトラム・ラボラトリー社製、商品名:スペクトラ/ポア3 Dialysis Membrane、分画分子量:3,500)を用いて、精製した。固形分濃度が20%となるように水をエバポレーターにより除去することでポリマー粒子BC5の水分散液(II-C5)を得た(ポリマー粒子BC5のキュムラント平均粒径:123nm、固形分濃度20%)。乾燥させたポリマー粒子BC5の重量平均分子量は210,000、ガラス転移温度は25℃であった。
Figure 0007220061000003
<水系インク>
実施例1
調製例1-2で得られた水分散体(I-2)37.2部、調製例2-3で得られたポリマー粒子B3の水分散液(II-3)14.2部(ポリマー粒子B3を2.8部、水を11.4部含む)、プロピレングリコール(以下、「PG」ともいう)28.0部、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(以下、「BDG」ともいう)4.0部、アセチレン系界面活性剤(商品名「サーフィノール440」、エボニックインダストリーズ社製)1.0部、及びイオン交換水15.6部を混合し、得られた混合液を1.2μmのメンブランフィルター(Sartorius社製、商品名:Minisart)で濾過し、インク1を得た。
実施例2~19及び比較例1~6
表4及び表5に示すインク組成に変更した以外は実施例1と同様にして、インク2~19及びC1~C6を得た。
<印刷物の調製>
インクジェットプリンター(株式会社リコー製、商品名:IPSIO SG 2010L)にラバーヒーターを搭載し、該プリンターに得られた各水系インクを充填し、60℃に加熱した二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ株式会社製、商品名:ルミラーT60、吸水量2.3g/m2)(以下、「PET」ともいう)、二軸延伸防曇処理ポリプロピレンフィルム(フタムラ化学株式会社製、品種:AF-662、防曇グレート、吸水量2.4g/m2)(以下、「OPP」ともいう)、及びポリ塩化ビニル(リンテック株式会社製、PVC80B P、吸水量1.4g/m2)(以下、「PVC」ともいう)にそれぞれベタ画像の印刷を行い、得られた印刷物を60℃に加熱したホットプレートにて印刷面を6分間乾燥させることにより、印刷物を得た。得られた印刷物を後述する方法により評価した。
<評価>
(保存安定性)
各水系インクを60℃環境下で28日間保管し、保管前後の各水系インクのキュムラント平均粒径の変化率及び粘度の変化率から、下記の評価基準で評価した。平均粒径の変化率及び粘度の変化率は、それぞれの絶対値が小さいほど保存安定性に優れる。結果を表4及び表5に示す。
〔キュムラント平均粒径の変化率〕
保管前後の各水系インクについて、粒径測定器「ELSZ-2000S」(大塚電子株式会社製)を用いてキュムラント平均粒径を測定し、平均粒径の変化率〔=(保管後のキュムラント平均粒径)/(保管前のキュムラント平均粒径)×100〕を算出した。
〔インク粘度の変化率〕
保管前後の各水系インクについて、E型粘度計(東機産業株式会社製)を用いて25℃のインク粘度を測定し、粘度の変化率〔=(保管後のインク粘度)/(保管前のインク粘度)×100〕を算出した。
〔評価基準〕
A:平均粒径の変化率が±5%以内、かつ粘度の変化率が±5%以内である。
B:平均粒径及び粘度の変化率のうち変化率の大きい方が±5%超±10%以内である。
C:平均粒径及び粘度の変化率のうち変化率の大きい方が±10%超±15%以内である。
D:平均粒径及び粘度の変化率のうち変化率の大きい方が±15%超±20%以内である。
E:平均粒径の変化率が±20%超、又は粘度の変化率が±20%超である。
(再分散性)
各水系インクを、マイクロピペットを用いてスライドグラス上に10μL滴下し、60℃40%RHの環境で24時間放置して、水系インクを蒸発乾固させた。
次いで、スライドグラス上に残留した固形物に、再分散性評価用ビヒクルを200μL滴下し、5分経過後の固形物の再分散性を目視で観察し、下記の評価基準で評価した。固形物を再分散させる際に、該固形物の残渣が少ないほど再分散性に優れる。結果を表4及び表5に示す。
なお、再分散性評価用ビヒクルは、プロピレングリコール(PG)を28%、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(BDG)を4%、イオン交換水を加えて、全量が100%になるよう計量し、マグネチックスターラーで撹拌してよく混合して調製した。
〔評価基準〕
A:固形物が均一に再分散し、残渣は無かった。
B:固形物が再分散したが、残渣があった。
C:固形物が再分散しなかった。
(定着性)
JIS K6854-3に則った試験法で評価を行った。前記PET、OPP及びPVCの印刷物の印刷表面に両面テープ(ニチバン株式会社製、商品名「ナイスタック(登録商標)」、粘着力:04)を貼り付け、幅15mm、長さ20mmの試験片となるように切り取った。引張試験機「RTC-1150A」(株式会社オリエンテック製)を用いて、試験片の先端の印刷媒体部分と、両面テープ部分の両方をアームではさみ、速さ300mm/minでT字型の引張試験を行った。荷重の測定は長さ20μmごとに行い、25mmから125mmの荷重の値を平均した値を引張強度の値とし、下記の評価基準で評価した。引張強度の値が大きいほど定着性に優れる。結果を表4及び表5に示す。
〔評価基準〕
A:引張強度の値が2.0N以上であった。
B:引張強度の値が1.25以上2.0N未満であった。
C:引張強度の値が0.5以上1.25N未満であった。
D:引張強度の値が0.5N未満であった。
Figure 0007220061000004
Figure 0007220061000005
表4及び表5より、実施例1~19は、比較例1~6に比べて、定着性に優れ、かつ保存安定性及び再分散性にも優れることがわかる。
比較例1は、顔料を含有するポリマー粒子AC1が架橋構造を有しないため、保存安定性及び再分散性が劣ることがわかる。
比較例2は、顔料を含有しないポリマー粒子BC1が脂肪族(メタ)アクリレート(b-2)由来の構成単位を含まないため、定着性が劣ることがわかる。
比較例3は、顔料を含有しないポリマー粒子BC5が(メタ)アクリル酸(b-1)由来の構成単位を含まないため、再分散性が劣ることがわかる。
比較例4及び5は、顔料を含有しないポリマー粒子BC2及びBC3のガラス転移温度がそれぞれ-30℃未満40℃超であるため、定着性が劣ることが分かる。
比較例6は、顔料を含有しないポリマー粒子BC4のキュムラント平均粒径が30nm超であるため、定着性が劣ることがわかる。
本発明によれば、低吸水性印刷媒体への印刷においても、定着性に優れ、かつ保存安定性及び再分散性に優れる水系インク、及び該水系インクを用いる印刷方法を提供することができる。

Claims (6)

  1. 顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子Aと、顔料を含有しない水不溶性ポリマー粒子Bと、水とを含有する水系インクであって、
    該ポリマー粒子Aが、顔料を含有するポリマー粒子aを架橋されてなり、
    該ポリマー粒子Bを構成する水不溶性ポリマーP2が、(メタ)アクリル酸(b-1)由来の構成単位と、脂肪族(メタ)アクリレート(b-2)由来の構成単位と、芳香族基含有モノマー(b-3)由来の構成単位とを含み、
    該脂肪族(メタ)アクリレート(b-2)が、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、及びシクロヘキシル(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも1種であり、
    該(メタ)アクリル酸(b-1)由来の構成単位の含有量が5質量%以上20質量%以下であり、
    該芳香族基含有モノマー(b-3)由来の構成単位の含有量が20質量%以上60質量%以下であり、
    該(メタ)アクリル酸(b-1)由来の構成単位と該脂肪族(メタ)アクリレート(b-2)由来の構成単位との質量比〔(メタ)アクリル酸(b-1)/脂肪族(メタ)アクリレート(b-2)〕が0.2以上2以下であり、
    該ポリマーP2のガラス転移温度が-30℃以上40℃以下であり、
    該ポリマー粒子Bのキュムラント平均粒径が5nm以上30nm以下である、水系インク。
  2. 前記ポリマーP2中の脂肪族(メタ)アクリレート(b-2)由来の構成単位の含有量が20質量%以上75質量%以下である、請求項1に記載の水系インク。
  3. 前記ポリマーP2の酸価が10mgKOH/g以上200mgKOH/g以下であり、該ポリマーP2が中和剤で中和されている、請求項1又は2に記載の水系インク。
  4. 前記ポリマー粒子Bの含有量が0.3質量%以上7質量%以下である、請求項1~3のいずれかに記載の水系インク。
  5. 前記顔料を含有するポリマー粒子aを構成するポリマーp1がカルボキシ基を含有し、該ポリマーp1が分子中にエポキシ基を2以上有する化合物で架橋されてなる、請求項1~のいずれかに記載の水系インク。
  6. 請求項1~のいずれかに記載の水系インクを用いて低吸水性印刷媒体に印刷する、印刷方法。
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