JP7218958B1 - X線分析装置及び波高値予測プログラム - Google Patents

X線分析装置及び波高値予測プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】X線検出器の種類や前置増幅器の回路構成に依らず、高計数のX線測定時においても高速かつ高精度にX線信号の波高値の計測を行う。【解決手段】励起線源、X線検出器、アナログ信号を出力する前置増幅器、アナログ信号をデジタル信号に変換するAD変換器、入射タイミングを検出する信号検出部、デジタル信号を立ち上がり部と立ち上がり前後の平坦部を含む階段波に変換する波形変換部、段差またはピークを含む整形波を生成する波形整形部、入射タイミングと段差等に基づき波高値を測定する波高値測定部、入射タイミングを用いて立ち上がり部を含む階段波の一部を取得し、取得した一部と波高値との組を複数含む学習用データを用いて、これらの相関関係を学習済である学習モデルを生成する学習部、入射タイミングを用いて新たに変換した階段波から階段波の一部を取得し、取得した階段波の一部と学習モデルから予測波高値を算出する波高値予測部を有する。【選択図】図2

Description

本発明は、X線分析装置及び波高値予測プログラムに関する。
試料に含まれる元素や当該元素の濃度を測定する装置として、1次X線や電子線・粒子線等の励起線を試料に照射した際に発生するX線に基づいて、試料に含まれる元素等を分析するX線分析装置が知られている。
X線分析装置は、まず、1次X線の照射によって励起または反射等された試料から放出されるX線をX線検出器により検出する。X線検出器から出力される電荷の積算量は、前置増幅器によりその積算量に応じた電圧信号に変換され、波形整形デジタルフィルタへ入力される。波形整形デジタルフィルタは、電圧信号を例えば台形波からなるパルス信号に整形する。パルス信号の波高値はX線のエネルギーに対応しており、パルス信号を波高値毎にカウントする事によってX線エネルギースペクトルが得られる(特許文献1、2及び3、非特許文献1参照)。
試料から発生したX線は、ランダムな時間間隔でX線検出器に入射する。そのため、波形整形デジタルフィルタの整形時間を短く設定し、パルス信号の立ち上がり時間及び立下がり時間を短くする事でX線検出器に入射するX線を取りこぼすことなく検出できる。
しかしながら、整形時間を短く設定すると直列雑音に起因する電子雑音が大きくなり、波高値の測定値にバラツキが生じるため、X線エネルギースペクトルのエネルギー分解能が低下してしまう。
そこで、特許文献4には、階段状のデジタル電圧信号のX線入射によるステップ部分を除いた平坦部に対し、ノイズ除去フィルタを用いて平滑化を行う放射線検出装置が開示されている。ノイズ除去フィルタにより、波形整形デジタルフィルタの整形時間を短く設定することに起因するエネルギー分解能の悪化が抑制される。
また、特許文献5には、X線信号波形データを関数によりモデル化し、関数によるフィッティングを実施する事でX線エネルギーに対応する出力信号の波高値を取得する方法及び装置が開示されている。上記の波形整形に代えてフィッティングを行う事により、高速で波高値の計測を行うことができ、X線の取りこぼしが少なくなる。
特開平7-333346号公報 特開平10-318946号公報 特開2012-168124号公報 国際公開第2017/187972号 特表2017-512297号公報
: V.T.Jordanov, G.F. Knoll, A. C. Huber, and J. A. Pantazis, Nucl Instr. and Meth. A 353(1994)261-264.
上記特許文献4では、X線入射によるステップ部分を除いた平坦部に対し、ノイズ除去フィルタを用いて平滑化が行われている。しかし、X線の入射計数率が大きくなるとX線入射によるステップ部分が多くなり、平坦部が少なくなる。その結果、平滑化によるノイズ除去の効果が小さくなる。これにより、波高値の測定値のバラツキが大きくなり、X線エネルギースペクトルのエネルギー分解能が悪化する。
上記特許文献5によれば、X線信号波形データを関数によりモデル化し、関数によるフィッティングを実施する事でX線エネルギーに対応する出力信号の波高値が取得される。一方、X線信号波形データのモデルは、X線検出器の種類や前置増幅器の回路構成等に依存する。そのため、X線検出器や前置増幅器毎にユーザが新たなモデルを構築する必要が生じる。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、X線検出器の種類や前置増幅器の回路構成に依らずに、高計数のX線測定時においても高速かつ高精度にX線信号の波高値の計測を行うことができるX線信号処理装置及び波高値予測プログラムを提供することである。
(1)本開示の一側面に係るX線分析装置は、試料に励起線を照射する励起線源と、前記試料から発生したX線を検出してX線のエネルギーに応じた電荷を生じるX線検出器と、前記生じる電荷に応じた電圧の時間変化を表すアナログ信号を出力する前置増幅器と、前記アナログ信号をデジタル信号に変換するAD変換器と、前記デジタル信号から前記X線検出器へのX線の入射タイミングを検出する信号検出部と、前記デジタル信号を立ち上がり前の平坦部、立ち上がり部、立ち上がり後の平坦部を含む階段波に変換する波形変換部と、前記階段波を整形し、段差またはピークを含む整形波を生成する波形整形部と、前記入射タイミング、及び、前記整形波の段差またはピークに基づいて波高値を測定する波高値測定部と、前記入射タイミングを用いて、前記立ち上がり部を含む前記階段波の一部を取得し、取得した前記階段波の一部と前記波高値との組を複数含む学習用データを用いて、前記階段波の一部と前記波高値との相関関係を学習済である学習モデルを生成する学習部と、前記入射タイミングを用いて、前記波形変換部が新たに変換した階段波から前記階段波の一部を取得し、取得した前記階段波の一部と前記学習モデルから予測波高値を算出する波高値予測部と、を有することを特徴とする。
(2)本開示の上記態様において、前記学習用データに含まれる前記階段波の一部は、前記立ち上がり部の一部であり、前記波高値予測部は、前記入射タイミングを用いて、前記波形変換部が新たに変換した階段波から前記立ち上がり部の一部を取得し、取得した前記立ち上がり部の一部と前記学習モデルから予測波高値を算出する、ことを特徴とする。
(3)本開示の上記態様において、X線分析装置は、さらに、前記波高値または前記予測波高値のいずれかを選択して出力する選択部を有することを特徴とする。
(4)本開示の上記態様において、前記選択部は、前記X線検出器へのX線の入射計数率に応じて、前記波高値あるいは前記予測波高値のいずれかを選択して出力することを特徴とする。
(5)本開示の上記態様において、X線分析装置は、さらに、前記波高値と前記予測波高値とに基づいて、再学習を行うか否か判定する判定部を有することを特徴とする。
(6)本開示の上記態様において、前記判定部は、前記波高値と前記予測波高値との差分と、予め設定された第1閾値と、に応じて再学習を行うか否かを判定することを特徴とする。
(7)本開示の上記態様において、X線分析装置は、さらに、前記波高値または前記予測波高値毎に計数してヒストグラムを生成する計数部を有し、前記判定部は、前記ヒストグラムのピークにおける前記波高値の散布度と前記予測波高値の散布度との差分と、予め設定された第2閾値と、に応じて再学習を行うか否かを判定する、ことを特徴とする。
(8)本開示の上記態様において、前記学習用データを取得する際に用いられる前記試料は、分析対象元素を含まない試料であることを特徴とする。
(9)本開示の上記態様において、前記試料は、グラファイトまたはアクリルであることを特徴とする。
(10)本開示の上記態様において、前記学習モデルは、機械学習の回帰アルゴリズムを用いて構築されることを特徴とする。
(11)本開示の上記態様において、前記学習モデルは、決定木アルゴリズムを用いて構築されることを特徴とする。
(12)本開示の他の一側面に係る波高値予測プログラムは、試料に励起線を照射する励起線源と、前記試料から発生したX線を検出してX線のエネルギーに応じた電荷を生じるX線検出器と、前記生じる電荷に応じた電圧の時間変化を表すアナログ信号を出力する前置増幅器と、前記アナログ信号をデジタル信号に変換するAD変換器と、前記デジタル信号から前記X線検出器へのX線の入射タイミングを検出する信号検出部と、前記デジタル信号を立ち上がり前の平坦部、立ち上がり部、立ち上がり後の平坦部を含む階段波に変換する波形変換部と、前記階段波を整形し、段差またはピークを含む整形波を生成する波形整形部と、前記入射タイミング、及び、前記整形波の段差またはピークに基づいて波高値を測定する波高値測定部と、を有するX線分析装置で用いられる情報処理装置により実行される波高値予測プログラムであって、前記入射タイミングを用いて、前記立ち上がり部を含む前記階段波の一部を取得し、取得した前記階段波の一部と前記波高値との組を複数含む学習用データを用いて、前記階段波の一部と前記波高値との相関関係を学習済である学習モデルを生成する学習ステップと、前記入射タイミングを用いて、前記波形変換部が新たに変換した階段波から前記階段波の一部を取得し、取得した前記階段波の一部と前記学習モデルから予測波高値を算出する波高値予測ステップと、を前記情報処理装置に実行させることを特徴とする。
本開示によれば、X線検出器の種類や前置増幅器の回路構成に依らずに、高計数のX線測定時においても高速かつ高精度にX線信号の波高値の計測を行うことができる。
本発明の実施形態に係るX線分析装置を概略的に示す図である。 本発明の実施形態に係るX線信号処理装置を概略的に示す図である。 X線信号データの波形形状について説明するための図である。 学習用データについて説明するための図である。 学習部について説明するための図である。 学習用データの生成を示すフローチャートである。 学習方法を示すフローチャートである。 予測波高値を算出する方法を示すフローチャートである。 本実施形態において用いられる決定木の学習済である学習モデルの模式図である。 従来例及び本実施形態を用いて生成されたMnKα線エネルギースペクトルを示す図である。 処理時間が長い場合の従来例及び本実施形態を用いて生成されたMnKα線エネルギースペクトルを示す図である。 本実施形態を用いて生成されたMnKα線エネルギースペクトルを示す図である。 各処理時間における従来例及び本実施形態の半値全幅を示す図である。 各処理時間における従来例及び本実施形態の半値全幅を示す図である。
以下、本発明を実施するための好適な実施の形態(以下、実施形態という)を説明する。図1は、本発明に係るX線分析装置100を概略的に示す図である。また、図2は、本発明に係るX線信号処理装置110を概略的に示す図である。
X線分析装置100は、試料台102と、励起線源104と、X線信号処理装置110と、を有する。X線信号処理装置110は、X線検出器106と、処理部108と、判定部112と、学習部114と、を有する。学習部114と判定部112は、機能的にX線分析装置100で用いられる情報処理装置によって実現され、情報処理装置は、例えばパーソナルコンピュータである。
試料台102は、試料が配置される。試料は、学習データを取得するために用いる対象や元素分析を行う対象である。励起線源104は、試料に励起線を照射する。具体的には、例えば、励起線源104は、X線管(図示せず)で生成したX線をコリメータ(図示せず)で絞り、フィルタ(図示せず)によって入射X線スペクトル分布を調整し、X線である励起線を試料の表面に照射する。励起線が照射された試料から、X線が発生する。
X線検出器106は、試料から発生したX線を検出してX線のエネルギーに応じた電荷を生じる。具体的には、例えば、X線検出器106は、試料に励起線が照射されることで発生したX線を検出することにより、該X線のエネルギーに応じた電荷を生じる。X線検出器106は、例えば、Si(Li)検出器やSDD検出器等の半導体検出器である。X線検出器106は、シンチレーション検出器や比例計数管であってもよい。また、試料から発生したX線を分光結晶(図示せず)により分光し、X線検出器106で検出する構成としてもよい。
図2に示すように、処理部108は、前置増幅器202と、AD変換器204と、信号検出部206と、波形変換部208と、波形整形部210と、波高値測定部212と、選択部214と、計数部216と、波高値予測部218と、を含む。
前置増幅器202は、生じる電荷に応じた電圧の時間変化を表すアナログ信号を出力する。具体的には、例えば、前置増幅器202は、X線検出器106から入力された電荷をコンデンサ(図示せず)に蓄積することにより、X線検出器106から入力された電荷を時間積分して階段状の電圧信号(以下、階段波と呼称する)を出力する。さらに、前置増幅器202は、微分回路(図示せず)により階段波を微分波(図3(a)参照)に変換し、後段のAD変換器204に出力する。なお、前置増幅器202は、微分回路を備えず階段波である電圧信号を後段のAD変換器204に出力する構成であってもよい。また、以下において、前置増幅器202が出力したアナログ信号を表すデータや、アナログ信号に基づいて生成された各信号を表すデータ(図3(a)乃至(e)に示す各波形データ)を、総称してX線信号データと呼称する。
AD変換器204は、アナログ信号をデジタル信号に変換する。具体的には、AD変換器204は、前置増幅器202が出力したアナログ信号である電圧信号を、後段の信号検出部206が処理できるデジタル信号(図3(b)参照)に変換する。
信号検出部206は、デジタル信号からX線検出器106へのX線の入射タイミングを検出する。具体的には、信号検出部206は、デジタル信号を短い波形整形時間を用いて整形し、検出器に入射したX線の信号検出を行う。例えば、信号検出部206は、デジタル信号を短い波形整形時間を用いて時間幅の小さな台形波、三角波、ガウシアン波などの関数波に整形する。図3(c)は、信号検出部206が整形した三角波の一例を示す図である。この波形整形時間は、例えば、50ns以下である。整形後の波形(整形波)の波高値は、検出されたX線のエネルギーにおおよそ比例している。信号検出部206は、整形波の波高値に対して所定の閾値を設けてX線信号の入射タイミングの検出を行う。
波形変換部208は、デジタル信号を立ち上がり前の平坦部、立ち上がり部、立ち上がり後の平坦部を含む階段波に変換する。具体的には、波形変換部208は、AD変換器204が変換したデジタル信号に対して、前置増幅器202内の微分回路の時定数に応じた減衰を除去するための処理を行い、当該デジタル信号である微分波を階段波に変換する。例えば、波形変換部208は、微分回路の時定数により減衰する量を打ち消すための補正係数を用いて、デジタル信号に対して遅延・加減算・乗算・積分等の処理行うことにより変換を行う。図3(d)は、波形変換部208が変換した階段波の一例を示す図である。なお、前置増幅器202が微分回路を含まない構成とする場合は、処理部108は波形変換部208を備えない構成であってもよい。
波形整形部210は、階段波を整形し、段差またはピークを含む整形波を生成する。具体的には、波形整形部210は、階段波に含まれる各段差を、当該段差の高さに対応する波高値を有する台形波、三角波、ガウシアン波などの関数波に整形する。例えば、図3(e)は、波形整形部210が整形した台形波の一例を示す図である。この波形整形時間は、例えば、0.5~2μsである。整形後の波形の波高値は、検出されたX線のエネルギーに比例している。
波高値測定部212は、入射タイミング、及び、整形波の段差またはピークに基づいて波高値を測定する。具体的には、例えば、波高値測定部212は、マルチチャンネルアナライザーである。波高値測定部212は、信号検出部206が検出した入射タイミングに基づいて、台形波の底部と頂部の平坦部の波高値をそれぞれ算出する。さらに、波高値測定部212は、底部と頂部の波高値の差分を算出することで波高値を測定する。整形波が三角波やガウシアン波である場合、波高値測定部212は、入射タイミングに基づいて、三角波やガウシアン波のピーク値とピーク前後の平坦部の波高値をそれぞれ算出する。さらに、波高値測定部212は、ピーク値と平坦部の波高値の差分を算出することで波高値を測定する。波高値測定部212は、例えば、波高値を10eV毎のエネルギー値に換算して弁別する。
選択部214は、波高値または予測波高値のいずれかを選択して出力する。具体的には、例えば、選択部214は、X線検出器106へのX線の入射計数率に応じて、波高値あるいは予測波高値のいずれかを選択して出力する。入射計数率が所定の閾値より高い場合、X線の取りこぼしを少なくするために処理時間(波形整形部210の波形整形時間)を短くすると波高値のバラツキは大きくなり、X線エネルギースペクトルのエネルギー分解能が悪化する。一方、処理時間を短く設定したとしても、予測波高値のバラツキは大きく変化せず、X線エネルギースペクトルのエネルギー分解能が良い(図13及び図14)。そのため、選択部214は、入射計数率が所定の閾値より高い場合、予測波高値を選択して出力し、入射計数率が所定の閾値より低い場合、波高値を選択して出力する。これにより、高速かつ高精度でX線エネルギーの計測を行うことができ、X線の取りこぼしを少なくすることができる。選択部214は、ソフトウェアの指示に基づいて当該選択を行ってもよいし、ユーザの指示に基づいて選択を行ってもよい。
計数部216は、波高値または予測波高値毎に計数してヒストグラムを生成する。具体的には、計数部216は、波高値測定部212が測定した波高値または波高値予測部218が算出した予測波高値に基づいて、X線のエネルギーに対応したチャンネル毎に計数する。また、計数部216は、取得したX線のエネルギー毎の取得頻度を表すヒストグラムを生成する。
波高値予測部218は、入射タイミングを用いて、波形変換部208が新たに変換した階段波から階段波の一部を取得し、取得した階段波の一部と学習モデル(後述)から予測波高値を算出する。予測波高値を算出する方法については後述する。
学習部114は、入射タイミングを用いて、立ち上がり部を含む階段波の一部を取得し、取得した階段波の一部と波高値との組を複数含む学習用データを用いて、階段波の一部と波高値との相関関係を学習済である学習モデルを生成する。具体的には、図4に示す学習用データの一例を示す図を用いて説明する。
上記のように、階段波は、複数の立ち上がり部を含み、各立ち上がり部の前後に平坦部を含む。図4の左側に示す波形は、階段波に含まれる1個の立ち上がり部と、該立ち上がり部の前後の平坦部を表すX線信号データである。学習部114は、立ち上がり部の開始位置を入射タイミングとして、立ち上がり部前の平坦部と該平坦部に続く立ち上がり部(立ち上がり部の一部であってもよい)のX線信号データ(X1乃至XN)を取得する。この際、取得されたX線信号データにおける入射タイミングの位置が一定となるように、X1乃至XNの各データ点は取得される。すなわち、階段波におけるX1のデータ点の位置は、入射タイミングの位置を基準に設定される。
また、学習部114は、当該入射タイミングと対応する整形波に基づいて測定された波高値(y)を取得する。学習部114は、特徴量である当該X線信号データ(X1乃至XN)と目的変数である波高値を1組として取得する。学習用データは、複数の当該組み合わせを含む。学習部114は、当該学習用データを用いて、階段波の一部と波高値との相関関係を学習済である学習モデルを生成する。
なお、学習用データに含まれる階段波の一部は、少なくとも立ち上がり部の一部を含んでいれば、上記に限られない。例えば、学習用データに含まれる階段波の一部は、立ち上がり部と該立ち上がり部後の平坦部の波形データであってもよい。また、学習用データに含まれる階段波の一部は、立ち上がり部の一部のみであってもよい。学習部114が行う学習、及び、学習モデルについては後述する。
判定部112は、波高値と予測波高値とに基づいて、再学習を行うか否か判定する。判定部112が行う判定の詳細については後述する。
続いて、学習部114の詳細について図5を用いて説明する。学習部114は、学習用データ取得部502と、学習モデル生成部504と、学習モデル出力部506と、を含む。学習用データ取得部502は、入射タイミングを用いて、立ち上がり部を含む階段波の一部と波高値との組を複数含む学習用データを取得する。
学習モデル生成部504は、学習用データを用いて学習済の学習モデルを生成する。具体的には、学習モデルは、機械学習の回帰アルゴリズムを用いて構築される。例えば、学習モデルは、決定木アルゴリズムを用いて構築される(図9参照)。生成された学習済である学習モデルは、学習モデル出力部506を通して波高値予測部218に出力される。
また、学習部114は、再学習するか否かの判定結果を判定部112から取得する。学習部114が再学習を行う旨の判定結果を取得した場合、学習部114は、再度新たな学習用データを取得する。そして、学習部114は、該新たな学習用データを用いて学習済である学習モデルを生成し、波高値予測部218に出力する。
図6は、学習用データの生成を示すフローチャートである。まず、試料の測定を行う(S602)。具体的には、まず、試料が試料台102に配置される。試料は、測定対象元素を含む試料である。励起線源104により励起線が照射された試料から、X線(ここでは蛍光X線)が発生する。X線検出器106は、試料中の測定対象元素から発生したX線を検出する。なお、試料は測定対象元素を含まない試料であってもよい。具体的には、例えば、試料は、グラファイトまたはアクリルであってもよい。この場合、X線検出器106は、試料から発生する連続X線を検出する。
次に、学習用データ取得部502は、学習用のX線信号データを取得する(S604)。具体的には、学習用データ取得部502は、入射タイミングを用いて、波形変換部208から出力された階段波から、立ち上がり部を含む一部をX線信号データとして取得する。ここで、X線信号データは複数取得される。なお、X線信号データは、立ち上がり部の一部のみであってもよい。
次に、波高値測定部212は、波高値を測定する(S606)。具体的には、例えば、波高値測定部212は、S604で取得された各X線信号データに対応する階段波の波高値を測定する。この際、波形整形部210の整形時間は、波高値の散布度(分散、標準偏差、変動計数など)が小さくなるように設定される。波形整形部210は、設定された整形時間を用いて、台形波である整形波を生成する。波高値測定部212は、整形された台形波を用いて波高値の測定を行う。台形整形を行う際の波形整形時間は、例えば、1から2μs程度である。
次に、学習用データ取得部502は、X線信号データと該X線信号データから測定された波高値を組み合わせて学習用データを生成する(S608)。具体的には、例えば、学習用データ取得部502は、S604で取得されたX線信号データと、該X線信号データと対応する波高値と、を取得し、組み合わせて学習用データを生成する。この際、同一の入射タイミングに基づいて取得されたX線信号データと波高値が対応づけられる。
図7は、図6に示すフローで生成された学習用データを用いた学習方法を示すフローチャートである。まず、学習用データ取得部502は、処理部108から学習用データを取得する(S702)。具体的には、学習用データ取得部502は、S608において生成された学習用データを取得する。
次に、学習モデル生成部504は、機械学習アルゴリズムを用いて学習を行い(S704)、学習済である学習モデルを生成する(S706)。具体的には、例えば、機械学習アルゴリズムは決定木である。学習モデル生成部504は、X線信号データとその波高値の組である学習用データに対して決定木を用いて、X線信号データと波高値との相関関係を学習する。これにより、X線信号データから波高値を予測する際に必要なX線信号データの分割の条件と分割の閾値とを含む決定木の学習済である学習モデルが生成される。学習モデル出力部506は、生成された学習済である学習モデルを波高値予測部218に出力する(S708)。
なお、機械学習アルゴリズムは決定木に限らず、決定木を基本としたランダムフォレスト、勾配ブースティングアルゴリズムであってもよい。また、機械学習アルゴリズムは、線形回帰、k近傍法、ニューラルネットワーク、サポートベクトル回帰等のアルゴリズムであってもよい。
図8は、学習モデルを用いて波高値を予測する方法を示すフローチャートである。まず、試料の測定を行う(S802)。試料は、測定対象である未知試料である。励起線源104により励起線を照射された試料から、X線が発生する。X線検出器106は、試料から発生したX線を検出する。当該ステップは、試料が異なる点を除いてS602と同様である。
次に、波高値予測部218は、X線信号データを取得する(S804)。具体的には、波高値予測部218は、入射タイミングを用いて、波形変換部208から出力された階段波から、立ち上がり部を含む一部をX線信号データとして取得する。この際、取得されたX線信号データにおける入射タイミングの位置が、学習データに含まれるX線信号データにおける入射タイミングの位置と同じとなるように、X1乃至XNの各データ点は取得される。なお、学習データに含まれるX線信号データが立ち上がり部の一部のみを含む場合には、波高値予測部218が取得するX線信号データも立ち上がり部の一部のみを含む。
次に、波高値予測部218は、予測波高値を算出する(S806)。具体的には、波高値予測部218は、S804で取得したX線信号データをS706で生成された学習済の学習モデルに入力する。図9は、本実施形態において用いられる学習モデルの模式図である。学習モデルは、X線信号データの分割の条件と分割の閾値とを含む決定木である。また、波高値予測部218は、S708において当該学習済の学習モデルを取得している。X線信号データが波高値予測部218に入力されると、学習モデルは、X線信号データを分類することにより波高値の推定を行い、予測波高値を出力する。そして、波高値予測部218は、当該予測波高値を計数部216へ出力する(S808)。以上のステップにより、各X線信号データの予測波高値が得られる。
本実施形態では、判定部112の判定に応じて学習部114が再学習を行う構成としてもよい。例えば、判定部112は、波高値と予測波高値との差分と、予め設定された第1閾値と、に応じて再学習を行うか否かを判定してもよい。具体的には、判定部112は、波高値により得られたX線エネルギースペクトルと予測波高値により得られたX線エネルギースペクトルとに含まれる任意のピークを比較し、ピークのエネルギーの差が20eV以上であれば再学習を行うと判定してもよい。ここで、判定の基準は、ヒストグラムのピークエネルギーに限らず、個々の波高値と予測波高値に対して設けてもよい。具体的には、例えば、判定の基準は、波高値と予測波高値の絶対平均誤差、平均二乗誤差、決定係数等の誤差指標であってもよい。
また、判定部112は、ヒストグラムのピークにおける波高値の散布度と予測波高値の散布度との差分と、予め設定された第2閾値と、に応じて再学習を行うか否かを判定してもよい。具体的には、例えば、判定部112は、波高値により得られたX線エネルギースペクトルと予測波高値により得られたX線エネルギースペクトルとに含まれる任意のピークを比較し、両ピークの半値全幅(FWHM)の差が10eV以上であれば再学習を行うと判定してもよい。
図10乃至図12は、本実施形態の学習済である学習モデルにより得られたMnKα線のエネルギースペクトルを示す図である。図10乃至図12に示すMnKα線のエネルギースペクトルは、密封線源55Feが出射したX線をSDD検出器で測定した結果である。ここで、密封線源55Feが出射したX線は、試料から発生する蛍光X線を模擬したものである。学習及び波高値の予測に用いたX線信号データは、55Feが出射したX線を検出することによって生成した階段波の一部である。測定された階段波の立ち上がり時間(立ち上がり部の幅)は、約0.2μsである。図10におけるX線信号データは、立ち上がり前の平坦部と、立ち上がり部と、立ち上がり後の平坦部を含み、処理時間は0.6μsである。また、図10には、比較例として従来例のMnKα線のエネルギースペクトルを示している。波形整形部210が台形整形を行い、波高値測定部212によって測定した波高値のヒストグラムを従来例として示した。また、台形波の立ち上がりから立ち下がりまでの時間幅を従来例の処理時間とした。従来例の処理時間は、0.65μsである。また、図11は、図10との比較のために処理時間が長い場合の従来例及び本実施形態の測定結果を示す図である。図11における従来例の処理時間は2.25μs、本実施形態の処理時間は2μsである。図10に示すように、従来例では処理時間を短く設定した事により、図11の従来例の結果と比較してMnKα線ピークのエネルギーが低くなり、また半値全幅(FWHM)が大きくなっている。一方、本実施形態では処理時間を短くしてもMnKα線ピークのエネルギーが変化せず、従来例よりも半値全幅(FWHM)が小さいMnKα線スペクトルが得られている。また、図12におけるX線信号データは、立ち上がり部の一部のみを含み、処理時間は0.1μsである。図12に示すように、階段波の立ち上がり時間である0.2μsよりも短い0.1μsという処理時間を用いて波高値予測を行ったにも関わらず、ガウス形状が殆ど崩れておらず、半値全幅(FWHM)の小さなMnKα線スペクトルが得られている。
図13及び図14は、本実施形態の学習済である学習モデルと従来法により得られた各処理時間におけるMnKα線スペクトルの半値全幅(FWHM)を示す図である。波形整形部210が台形整形を行い、波高値測定部212によって測定した波高値のヒストグラムより得られたエネルギー分解能を従来例として示した。また、台形波の立ち上がりから立ち下がりまでの時間幅を従来例の処理時間とした。図13を取得する際に用いたX線信号データは、少なくとも立ち上がり前の平坦部と、立ち上がり部の一部と、を含む。処理時間が0.1~0.2μsの場合、X線信号データは、立ち上がり前の平坦部と、立ち上がり部の一部と、を含む。処理時間が0.4~2.0μsの場合、X線信号データは、立ち上がり前の平坦部と、立ち上がり部と、立ち上がり後の平坦部、を含む。一方、図14を取得する際に用いたX線信号データは、立ち上がり部のみを含む。処理時間が0.05~0.1μsの場合、X線信号データは立ち上がり部の一部のみを含む。処理時間が0.2μsの場合、X線信号データは立ち上がり部の全部を含む。図13及び図14に示すように、本実施形態は従来例と比較して、特に処理時間が0.2μs以下の領域で、エネルギー分解能に顕著な改善が見られることがわかる。
図13におけるX線信号データは、少なくとも立ち上がり前の平坦部と、立ち上がり部の一部と、を含むのに対し、図14におけるX線信号データは、立ち上がり部のみを含む。X線の入射計数率が大きくなるとX線入射による立ち上がり部が多くなり、平坦部が少なくなる。その結果、平坦部を含めて処理を行った場合、処理ができないX線信号データが増加し、X線を取りこぼす結果になる。図14に示すように、立ち上がり部のみを含むX線信号データを用いることにより、平坦部を含むX線信号データを用いる場合と比較してX線の取りこぼしをより少なくすることが可能になり、より高速かつ高精度に波高値の計測を行うことができる。
以上のように本実施形態のX線信号処理装置110では、従来の波形整形フィルタを適用する方法に比べて高速かつ高精度で波高値の計測を行うことができる。これにより、X線の取りこぼしを少なくでき、X線信号処理装置110のスループットを向上させることができる。また、本実施形態は、学習部114によって学習済である学習モデルを生成することにより、各種X線検出器106や前置増幅器202に対しても適用することができる。さらに、必要に応じて再学習を行う事でX線検出器106にとって常時最適な予測波高値を得る事ができる。また、試料から発生する連続X線を測定して学習用データとして用いる事によって、測定対象元素を含む試料を用意する必要がなくなる。これにより、学習用データを取得するための測定が簡便になると同時に、元素組成が未知の試料から発生したX線に対して予測波高値を得ることができる。
本開示に係る学習部114及び判定部112は、例えば、CPU、GPU、マルチコアCPUを用いて構成され、波高値予測部218を含む信号検出部206以降の処理部108はFPGA(field-programmable gate array)を用いて構成される。学習済である学習モデルは、コンピュータープログラム(波高値予測プログラム)に従って学習部114が情報処理(学習ステップ)を実行することにより実現される。処理部108を構成するFPGAに、学習部114に含まれる学習済である学習モデルに記録されたパラメータが書き込まれることにより、波高値予測部218が構築される。波高値予測部218が情報処理(波高値予測ステップ)を実行することにより予測波高値が得られる。
他の構成としては、学習部114と、判定部112と、処理部108の波高値予測部218を含む信号検出部206以降の構成とは、例えばFPGAを用いて構成されてもよい。この構成ではFPGA内部に配置された学習部114により情報処理(学習ステップ)が行われ、学習済である学習モデルが生成される。得られた学習済みである学習モデルは波高値予測部218へ出力され、波高値予測部218が情報処理(波高値予測ステップ)を実行することにより予測波高値が得られる。
本発明は、上記の実施例に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。上記X線分析装置100の構成は一例であって、これに限定されるものではない。上記の実施例で示した構成と実質的に同一の構成、同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成する構成で置き換えてもよい。
例えば、図1にはX線分析装置が蛍光X線分析装置である場合を記載しているが、X線分析装置はこれに限らない。X線分析装置は、励起線として電子線または粒子線を試料に照射し、発生したX線を検出することで分析を行う走査型電子顕微鏡(SEM)、電子線マイクロアナライザ(EPMA)、粒子線励起X線分析(PIXE)であってもよい。
100 X線分析装置、102 試料台、104 励起線源、106 X線検出器、108 処理部、110 X線信号処理装置、112 判定部、114 学習部、202 前置増幅器、204 AD変換器、206 信号検出部、208 波形変換部、210 波形整形部、212 波高値測定部、214 選択部、216 計数部、218 波高値予測部、502 学習用データ取得部、504 学習モデル生成部、506 学習モデル出力部。

Claims (11)

  1. 試料に励起線を照射する励起線源と、
    前記試料から発生したX線を検出してX線のエネルギーに応じた電荷を生じるX線検出器と、
    前記生じる電荷に応じた電圧の時間変化を表すアナログ信号を出力する前置増幅器と、
    前記アナログ信号をデジタル信号に変換するAD変換器と、
    前記デジタル信号から前記X線検出器へのX線の入射タイミングを検出する信号検出部と、
    前記デジタル信号を立ち上がり前の平坦部、立ち上がり部、立ち上がり後の平坦部を含む階段波に変換する波形変換部と、
    前記階段波を整形し、段差またはピークを含む整形波を生成する波形整形部と、
    前記入射タイミング、及び、前記整形波の段差またはピークに基づいて波高値を測定する波高値測定部と、
    前記入射タイミングを用いて、前記立ち上がり部を含む前記階段波の一部を取得し、取得した前記階段波の一部と前記波高値との組を複数含む学習用データを用いて、前記階段波の一部と前記波高値との相関関係を学習済である学習モデルを生成する学習部と、
    前記入射タイミングを用いて、前記波形変換部が新たに変換した階段波から前記階段波の一部を取得し、取得した前記階段波の一部と前記学習モデルから予測波高値を算出する波高値予測部と、
    を有し、
    前記学習用データに含まれる前記階段波の一部は、前記立ち上がり部の一部であり、
    前記波高値予測部は、前記入射タイミングを用いて、前記波形変換部が新たに変換した階段波から前記立ち上がり部の一部を取得し、取得した前記立ち上がり部の一部と前記学習モデルから予測波高値を算出する、
    ことを特徴とするX線分析装置。
  2. さらに、前記波高値または前記予測波高値のいずれかを選択して出力する選択部を有することを特徴とする請求項に記載のX線分析装置。
  3. 前記選択部は、前記X線検出器へのX線の入射計数率に応じて、前記波高値あるいは前記予測波高値のいずれかを選択して出力することを特徴とする請求項に記載のX線分析装置。
  4. さらに、前記波高値と前記予測波高値とに基づいて、再学習を行うか否か判定する判定部を有することを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のX線分析装置。
  5. 前記判定部は、前記波高値と前記予測波高値との差分と、予め設定された第1閾値と、に応じて再学習を行うか否かを判定することを特徴とする請求項に記載のX線分析装置。
  6. さらに、前記波高値または前記予測波高値毎に計数してヒストグラムを生成する計数部を有し、
    前記判定部は、前記ヒストグラムのピークにおける前記波高値の散布度と前記予測波高値の散布度との差分と、予め設定された第2閾値と、に応じて再学習を行うか否かを判定する、
    ことを特徴とする請求項に記載のX線分析装置。
  7. 前記学習用データを取得する際に用いられる前記試料は、分析対象元素を含まない試料であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のX線分析装置。
  8. 前記試料は、グラファイトまたはアクリルであることを特徴とする請求項に記載のX線分析装置。
  9. 前記学習モデルは、機械学習の回帰アルゴリズムを用いて構築されることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のX線分析装置。
  10. 前記学習モデルは、決定木アルゴリズムを用いて構築されることを特徴とする請求項に記載のX線分析装置。
  11. 試料に励起線を照射する励起線源と、
    前記試料から発生したX線を検出してX線のエネルギーに応じた電荷を生じるX線検出器と、
    前記生じる電荷に応じた電圧の時間変化を表すアナログ信号を出力する前置増幅器と、
    前記アナログ信号をデジタル信号に変換するAD変換器と、
    前記デジタル信号から前記X線検出器へのX線の入射タイミングを検出する信号検出部と、
    前記デジタル信号を立ち上がり前の平坦部、立ち上がり部、立ち上がり後の平坦部を含む階段波に変換する波形変換部と、
    前記階段波を整形し、段差またはピークを含む整形波を生成する波形整形部と、
    前記入射タイミング、及び、前記整形波の段差またはピークに基づいて波高値を測定する波高値測定部と、
    を有するX線分析装置で用いられる情報処理装置により実行される波高値予測プログラムであって、
    前記入射タイミングを用いて、前記立ち上がり部を含む前記階段波の一部を取得し、取得した前記階段波の一部と前記波高値との組を複数含む学習用データを用いて、前記階段波の一部と前記波高値との相関関係を学習済である学習モデルを生成する学習ステップと、
    前記入射タイミングを用いて、前記波形変換部が新たに変換した階段波から前記階段波の一部を取得し、取得した前記階段波の一部と前記学習モデルから予測波高値を算出する波高値予測ステップと、
    を前記情報処理装置に実行させ
    前記学習用データに含まれる前記階段波の一部は、前記立ち上がり部の一部であり、
    前記波高値予測ステップにおいて、前記入射タイミングを用いて、前記波形変換部が新たに変換した階段波から前記立ち上がり部の一部を取得し、取得した前記立ち上がり部の一部と前記学習モデルから予測波高値を算出する、
    ことを特徴とする波高値予測プログラム。
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